1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年二月二十九日(土曜日)
午前十時三十二分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 米田 正文君
理事
金丸 冨夫君
天坊 裕彦君
吉田忠三郎君
委員
河野 謙三君
木暮武太夫君
野上 進君
平島 敏夫君
前田佳都男君
相澤 重明君
大倉 精一君
岡 三郎君
小酒井義男君
加賀山之雄君
国務大臣
運 輸 大 臣 綾部健太郎君
政府委員
運輸政務次官 田邉 國男君
運輸省航空局長 栃内 一彦君
事務局側
常任委員会専門
員 吉田善次郎君
説明員
運輸省航空局技
術部長 大沢 信一君
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本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査(航空事故
に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/0
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001・米田正文
○委員長(米田正文君) ただいまから委員会を開会いたします。
運輸事情等に関する調査を議題といたします。
まず、一昨日大分空港において発生いたしました富士航空の事故について、大臣から御発言を求められましたので、これを許します。綾部運輸大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/1
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002・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 一昨日二十七日に大分空港で起こりました富士航空株式会社コンベア式CV240型の事故について、その概況を御報告申し上げます。
まず最初に、死亡された人につつしんで弔意を表し、また重軽傷のため入院中の諸君に対し、本参議院を通じまして深甚なお見舞いのことばを申し上げたいと思います。
なお、事故機の破損部分等が相当
広範囲にわたり散乱しているので調
査には相当の時日を要する見込みで
ある。
これはその後の現場出張員からの事故の調査状態であります。
以上が事故の現況の報告でございますが、たびたび起こる飛行機事故につきましては、私はほんとうにことばだけでなく衷心より遺憾に考えております。そらしてまた、これが万全の策を講ずべく目下努力いたしておる次第でございます。ここに御報告申し上げ、御了解を得たいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/2
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003・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) ただいま大臣から御報告申し上げましたように、事故の概要は以上のとおりでございまして、私としましてもまことに遺憾に存じております。現在この事故の原因はどこにあるかということを一日も早く突きとめまして、事故対策をやらなければならない——もちろんこの特定の事故の一つの現象的な原因追及ということだけではいけないという点は私自身も前から考えておるところでございまして、いずれにしましても今度の事故の具体的な直接の原因は何であるかというようなことをまず究明することが私どもに課せられた当面の問題である、かように考えております。
そこで、この事故につきましては、ただいま大臣が御説明しましたような点が私のほうに入った正式の情報でございます。もちろん、新聞紙上等にはいろいろなことが書いてございます。初めは、接地点が滑走路の中ほどであったというような情報もございます。それからさらに、着陸に失敗したと思ったのでもう一度飛び上がろうとしたのじゃ、ないか、それがうまくいかなくて失速したのじゃないか、こういうことも出ておりました。しかし、いずれにしましても、私どものほうの専門家の意見では、そういう断定はまだできない。中間で着陸したというようなのは結局誤報だったということがわかりましたので、航空局の立場としましては、あくまでも科学的な調査をいたしたい。かりに操縦士が、幸い今度は生きておりますので、非常に有力な参考意見を述べるということもございましょう。しかし、何ぶん現在はまだ入院中でございますので、精神的動揺があると思います。したがって、操縦士がこう言ったから直ちに原因はこうであるというような過早な判断は、いつもの事故調査についても特に慎重にやっておりますが、今回も特に慎重にいたしまして、いろいろな物的な材料というものをよく調べまして、口述と物的な材料というものの関係をよく解明いたしまして、専門的な見地から権威のある事故原因というものを追求いたしたい、かように考えております。
したがいまして、残念ながら現在のところ、この事故が操縦士の過失によったものであるとも、また機体のどこかに欠陥があったのであるということも、またあるいは両者が共鳴して起こったのであるということも、いずれも結論はまだ出せない段階でございます。気象条件はよかったということだけははっきりしております。その他につきましては、いろいろ憶測も新聞紙上に出ておりますが、私どもとしましては、散乱しておる破片を十分慎重に集めまして、そうして必要な部分を慎重に点検をいたしまして、操縦士あるいは目撃者の供述というものを参考にして、科学的な態度でこの事故原因を究明いたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/3
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004・米田正文
○委員長(米田正文君) ただいまの御報告に関して御質疑の方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/4
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005・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 ただいま大臣から事故の概要についての御報告と、航空局長からその後の若干の仮定の結果のようなものが御報告されました。私はこの機会に若干の質問をいたしたいと考えます。
御承知のように、二十七日の日にまたまた航空事故である、こういうニュースが全国的に伝えられました。しかも、今度は運輸大臣の出身でございます大分空港で富士航空機が墜落をした。で、これは笑って済まされないと私は思うのです。直ちに二十人の方方がなくなられて、重軽傷二十二人—こういう相次ぐ悲惨な事故で、私どもとしては、尊い、しかも痛ましい犠牲者に対して、今日言うべきことばもないと思うのです。しかも、今月の十八日に大阪で日東航空の事故、それから一体何日たったと思っておりますか。まだ十日もたたないのに、今度のような悲惨事が起きたのであります。しかも、航空事故は最近ひんぱんに起きております。昨年の八月にも藤田航空の八丈島における事故。一体どうしてこんなに事故が続発をするか、事故を起こしたか、こういうことについて、たびたび本委員会において運輸大臣並びに運輸当局にそれぞれ質問したり、あるいは国民の立場から注意を喚起いたしてきたものと思うのであります。私は、今度のこうした事故にかんがみまして、若干責任を追及するというようなことではなくして、一体どういうところに今日こういう事故が起きるかというところにやはり焦点を合わして、それぞれ関係者とじっくり本委員会はその結論を導かなければ、何の意味もない、こういう観点に立って質問をいたし、私の考え方を若干申し述べたいというふうに思うのです。
御承知のように、この事故を起こしました三つの航空会社を押しなべてながめてみますると、いずれも今日の日本の航空業界の中では中小企業であるというふうに私は思うのであります。さきの委員会でも、こうした事柄について、運輸大臣は、集約統合をいたす中からこういう弱小航空会社の経営基盤を強める、こういう意味の本委員会で答弁があったように私は記憶をいたしております。そういう関係かどうか存じ上げませんけれども、すでに藤田航空は全日空に統合されまして、それからまた昨今私ども仄聞をいたすところでございますけれども、今度事故を起こしました富士航空、さらには先般大阪に事故を起こしました日東航空、そしていまだに発足以来——これはまたたいへんにけっこうなことですが、事故がただの一ぺんもないといわれる北日本航空、この三社がともどもに合併をいたしまして、四月一日から何か聞くところによりますと日航系列に入る、いわゆる日本国内航空として再発足をする、このように実は聞き及んでいるところであります。
そこで、私は、こうしたやさきに、今度は合併せんとする二つの会社が大きな事故を起こした、こういうことになりますると、何かここに気持のゆるみがあったんじゃないか、こうまず一つ考えざるを得ません。特に今度の場合は、いま航空局長も報告をいたしたように、着陸の失敗である、浮上を試みたが失速したために墜落をした、こういう事情というものが新聞報道でも伝えられております。私は考えてみて、当日は非常に天気予報なども——私どもは承知をしておりますけれども、天気も非常に良好であった。しかも、今度事故を起こしましたコンベア機は、
一般的には非常に性能が高い、言いかえますと、たいへん事故率の少ない航空機であると、こう聞かされている。にもかかわらず、しからばなぜこんな事故を起こしたか、こういうことになるのでありますけれども、一般世評は、先般来、岡先生からも言われましたように、ローカルの空路というものは非常に危険である、あぶないという批判をたびたび受けてきたと思うのです。そうした事柄から考えてみますと、今度の事故は、残念なことでありますけれども、この一般的な国民の世評といいますか、批判というものを裏づけしたものではないか、こう私は思わざるを得ません。しかも、最近における航空事故の現状を顧みてみますると、非常に運輸大臣の出身でございまする九州地方に多い。これは何人も否定できないと思う。しかも、私ども、先般、運輸交通事情の調査に、岡先生、さらには加賀山先生とともどもに種子島まで参りました。この間、航空大学の校長先生、あるいは航空事業に関係をしておる人々、あるいは運輸に関係を持っている方々等の御意見なども十分拝聴いたしてきたところでございますけれども、そうした問題は別にいたしまして、最近非常に九州地方に小さな航空会社が乱立しているように、私は一つの印象として受け取ってまいったのであります。ですから、若干の資本があるものは、いま申し上げたように、小さな規模の飛行機会社をつくってローカル定期航空をやってみたり、あるいは遊覧飛行だとか、あるいは宣伝用だとか等々の事業の内容で飛行機会社ができておる。で、私は、こういう事柄を運輸当局として一体どう見ておるか。私は、運輸当局の免許制、このことについても、非常に問題がこの段階ではあるのではないか、こう思うのであります。しかも、これらの群小の会社の中では、実態として私どもは把握をいたしてきたのでありますけれども、訓練であるとか、あるいは地上の施設にしても、非常に心もとないものがたくさんございます。私は、少なくとも定期航空というものはそうお手軽にやれる事業ではないめではないか、こう思うのであります。これは、外国の例を見ましても、こういうことは私ははっきり言えると思うのであります。そういう意味で、少なくとも定期航空というものは大組織を持って念入りに訓練をしていく必要があるということを、これは国際、国内を問わず、航空事業の私は常識だと思うのです。こういう点について、政務次官なり航空局長はどう一体お考えになっておるのか。私はあえてもう一回申し上げます。この種事業は、事一つ間違って事故を起こした場合には、直ちに尊い人命を失っていくという事業の性格を持っておるのです。それだけに、この点は非常に私は重大だと思いますので、念を入れて伺っておきたいというふうに思うのであります。
それから、もう一つ運輸政務次官なりあるいは航空局長に伺っておきたい点は、問題はローカル空港の整備の問題です。今日、御承知のように、三種、二種——いずれも滑走路はおおむね千三百から千六百メートルよりないことは、御案内のとおりであります。そこで、今度の場合もオーバー・ランによる事故だと、こう新聞報道ではなっておりますけれども、私はしろうとであるかもわかりませんが、もうちょっと、千六百なりあるいは千八百メートルの滑走路が設備されておったと、こういうことであったならば、今度の場合だって私は事故が防げたのじゃないか、こういう感じさえするのであります。最近全国的にそういう傾向がございますけれども、観光ブームと相まって、たいへんローカル航空という一つのブームのようなものが起きておるように私は感じます。こうしたときに、運輸当局として、一体今後のローカル空港整備というものをどう考えておるか。私どもたびたび委員会において、できるだけ滑走路の延長ということについて関係者に申し上げて、さらには、最近の航空機の発達に伴いまして、何といたしましても滑走路の延長が強い要望となされておりますことは、今日までの請願、陳情であなた方が御承知だと私は思うのであります。まずこういう点。
それからもう一つには、夜間飛行の設備がないところがたくさんございます。しかも、これは、かなり、ローカル空港といいましても、たとえて申し上げますが、札幌のごとき重要な飛行場、あるいは函館のごとき重要な飛行場、あるいはまた釧路の場合もしかりであります。あるいは、先般九州に参って見ましたけれども、鹿児島においてもしかりであります。こういうところなども、やはり今度の事故を契機に、総合的に、抜本的に、画期的に運輸当局がこれらの問題点にメスを入れて、二度と再び事故の起きないように賢明な施策をいたすことは、私は、運輸当局の責任ではないか、こう考えまするので、この点とりあえず質問をいたしておきたいというふうに思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/5
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006・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) ただいまの御質問は三点になっておると思いますが、逐次お答えをいたします。
まず第一に御指摘になりました、飛行機事業というものは多数の人命をあずかり、特に定期航空事業は最も公共性のある、しかも人命に直接つながる事業であるから、これの免許にあたっては特に慎重にやる必要がある、また企業基盤が弱ければこのことが事故につながるではないかというような御意見と拝聴いたしました。そこで、航空局の立場としてお答えいたしますと、定期航空運送事業が公共性がありかつ多数の人命をあずかるという点、特に慎重な免許体制をとらなきゃならないという点は、まことに同感でございまして、従来もきわめて慎重な態度でやっておったわけでございますが、不幸この一カ月間の間に相次いで多数の人命に死傷を来たす事故が起きましたことは、まことに申しわけないと思っております。ただ、この点は特に申し上げておきたい点でございますけれども、免許にあたりましては安全上の見地は特に重視をしております。
それから企業基盤の問題でございますが、私は、企業基盤が確立されればされるほどますます事故というものは防ぐ方向にいくという点で、企業基盤の健全化という方向で行政を持っていくということはきわめて当然のことである、かように考えております。もちろん、事故というものは、企業基盤が強化されたら絶対にないという性質のものではございませんが、強化されればされるほど安全の方向に向かっていくという点は、まことにそのとおりでございますので、私どもとしましてはできるだけその方向で進めたい。特に中小会社におきましては、そういう懸念が一般にございます。そこで、現在の目下の行き方としましては、すでに藤田航空は全日本空輸と合併をいたしまして、それから御承知とは思いますが、また先ほども御質問の中にございましたように、いわゆる新三社——日本国内航空株式会社というものも四月には発足するということになっておりますので、これは次第に集約、統合の過程を通じて基盤が強化されていくと思っております。ただ、新三社につきまして、合併したから、すぐこれが基盤強化に翌日から脱皮するというふうに安易な考えで私が見ておるわけではございません。もちろん、合併したということによって、たとえばおのおのが若干ずつ足りないというようなところがかりにあったとした場合に、合併することによってお互いがカバーし合うというような点の長所は直ちに出てまいるわけでございますけれども、やはりこの新しい会社を育てていくということで、会社自体はもちろんでございますが、運輸省当局もできるだけの育成ということを考えていきませんと、合併したからもういいんだというような安易な考えでは私はいけない、やはりもっと実質的にものを考えていかなければいけない、かように考えております。
それから飛行場の問題でございますが、飛行場につきましても、私ども整備は心がけておるわけでございますが、なかなか思うにまかせない。最近まあ羽田の国際空港がオリンピックを控えましてやっと間に合ったという状況でございます。大阪につきましては、用地買収問題が非常に難航いたしまして、この拡張がいま非常にむずかしい段階にあります。もちろん、私どもできるだけ努力を払って大阪空港の拡張ということをやって、そうして大阪における異常な旅客需要の伸びというものに対応していく、また大阪に現在使われている国際線はすべて入れるというような姿に一日も早く持っていくべきであるということで全力を傾注しておるわけでございます。その他のいわゆるローカル空港、もちろん、民間機が使用しております空港としまして、自衛隊の使っておる飛行場等もございます。これらは一応ローカル空港とは申せないと思いますが、私どもがローカル空港と申しておりますのは、いわゆる二種空港あるいは三種空港というものを考えておるわけでございます。これらにつきましては、現在のところ一応基準として千二百メートルというものを設定してございます。この千二百メートルを設定をいたしましたのは、かなり前のことでございます。したがって、現状に合わぬのではないかというような御意見は直ちに出てまいるわけでございます。私どもとして、これが現状に合うかどうかという問題につきましては、考え方の問題としていろいろな議論はできると思います。それでは千二百メートルの滑走路で安全でないのかというふうに聞かれれば、私は安全であると答えるわけでございますが、それは千二百メートルの滑走路に合わせた飛行機の機種の選定なりあるいは機種の使い方ということを厳重に規制しての上でございます。飛行機が大型化すれば、千二百メートルの滑走路では使えません。あるいは非常に客を制限し、また燃料を切るということによって、形式的な使用、これはできるでございましょう。しかし、経済的な意味の、あるいは公共の利便に適合するような使い方というものはできないわけでございます。したがって、現在は千二百メートルの滑走路に大型機を入れるということは禁止しております。また、中型機でありましても、機種によりましては燃料の搭載量なりあるいはお客なりというものを制限しております。これはまた一律にはまいりませんので、飛行機の滑走路における離着陸に関しましては、温度というものその他非常な影響がありますので、夏には減量する、冬は減量しないというようなやり方もやっておるわけでございます。ただ、これは現状でございまして、決して理想ではない、いわば飛行場に合わせて飛行機を押えておるというようなうらみはございます。それでは進歩がない、すなわち飛行機の進歩に合わせて飛行場をむしろ進歩させるべきである、この議論が前向きの議論として当然出てくるのでございまして、私自身も前向きのほうの議論で考えておるわけでございます。したがって、千二百メートルの滑走路をいつまでも千二百メートルにしておくということは不適切だ。すなわち、最も必要なところ、いろいろな条件で必要なところあるいは適したところを先に取り上げていくべきではないか。全国一斉に千二百メートルの滑走路をたとえば千五百メートルにいたすということは、実際問題としてできません。これは金の面もございますが、たとえば技術的に航空局の現在の陣容において全国の滑走路を一斉に延ばすというだけの能力は、正直に申しましてございません。結局、毎年毎年やっていくということ以外にはないわけでございます。したがって、比較的交通量の多い空港、あるいは延長が比較的容易であるというような空港、まあ大体におきまして現在は第二種空港のうちから、最も条件に適する、これは決して機械的な意味で条件をつくっているわけではございません。旅客需要が非常にあっても、たとえば延長することが自然的条件においてきわめて困難であるというような場合には、残念ながらそれを克服しなきゃならない、あるいは全然その場所をあきらめて別なところに行かなきゃならないというような問題がございますので、これはケース・バイ・ケースでもって前向きに考えていかざるを得ない、かように考えております。
それから最後に灯火の問題でございますが、せっかく飛行場ができたのに灯火がない。灯火がないということは、飛行場が厳然として一日二十四時間滑走路は存在しているわけでございます。ところが、あかりがないためにこれが日出から日没までしか使えないということは、飛行場そのものを一日のうち半分遊ばしておくということにもなるわけでございまして、非常に不経済な使い方である。もちろん、旅客需要がそれほどない場合におきましては、一日のうち適当な最もいい時間帯のときに一便なりあるいは二便を入れる、あるいは三便を入れるということでいいわけでございますが、次第に輸送需要が伸びれば、やはり夜間これを使うということが当然でございまして、まあ汽車が夜は出ないというようなことはないわけでございます。どこへ行っても夜出るわけです。その意味で、飛行場も一日じゅう使えるということが当然理想でございます。その点につきましても、現在十分な態勢はできておりません。そこで、これらにつきましても、やはり必要度に応じて灯火をつけていくということが必要でございます。また、灯火だけではなく、保安施設の面もございます。そこで、延長の問題も全国的にある、それから灯火の問題もいろいろある、保安施設自体もあるというような点がございますので、これらのうちどういう順序でどういうふうにやっていくのが最もいいかということを具体的に考えなければならない。その場合にも、しかし、形式的にどこどこはフライトが何回だからどうというわけにはまいらぬ点がございます。これは決して特別な配慮をするという意味でなく、かりに延長したいと思いましても、地元情勢が、延長について、一般的には賛成であるが、当該地主はいやだというような場合には、これはなかなかできないような事情がございます。したがって、機械的にこういう方針でやるということは申せませんが、そういう実情も勘案しながら、できるだけどうやっていくのが全国的に一番いいかというような考え方で今後進めていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/6
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007・相澤重明
○相澤重明君 関連質問。
いまの吉田委員の質問に対するお答えを聞いておると、これは政府の責任ですね。結局、この事故の起きたということは、あなたのいまの御説明を聞いておると、現在のこの二種なり三種なりの空港については千二百メートルの滑走路を持っておる、それを全国的に千五百メートルに延ばすということは、なかなかいろいろな条件というものがあって実際に手がついていない、しかも、現在の運輸省の担当官といいますか、そういう人たちの能力状態からいえば困難である、どれから手をつけるかということについてはきまっておらぬ、こういういま御説明ですね、集約すると。そうすると、先ほど政府みずからが御説明になったように、すでに飛行機の場合も重量を制限をする。たとえば、全日空の場合には、重量を制限して飛行をさせにゃならぬというようなことをもうやっておる。そして、昨年以来、政府に対して各航空会社が滑走路の延長ということも要請をしておるというにもかかわらず、やっていない、できなかった。こういうことは、これは明らかに政府の責任である——いまの御答弁から私が受ける印象では、そういうふうに思うわけなんです。この点は、昨年以来各航空会社が滑走路延長について政府にそういう要望書を提出しておる事実というものはあったのか、なかったのか。いまあなたの御説明では、そういう希望があったというふうに聞いておるんだが、これは書類をもって政府に出されておるのか、提出されておるのかどうか、この点をひとつお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/7
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008・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) ただいま申し上げました私の御説明の全体をお聞き取りなさるならば、千二百メートルの滑走路の場合に、直ちにそれが危険であるということを私は御答弁申し上げなかったと思います。すなわち、千二百メートルの滑走路というものが現に存在するならば、千二百メートルの滑走路で危険のないように飛行機を飛ばすようにしておるという意味でございまして、その点は千二百メートルの滑走路はすなわち危険なりというようなことは私は考えておりません。
それから第二点の、要望書が出たという点は、要望書が出ております。全日本空輸その他の会社から、具体的に個々の滑走路を延ばしてくれ、滑走路だけでございません、いろいろな点で要望書が出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/8
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009・相澤重明
○相澤重明君 いまの答弁を聞いておると、やはり政府の答弁は強弁ですよ、これは。強弁というのは、おれたちは悪いことはしていない、あたりまえの監督指導をしておったということを言っておるにすぎない。ところが、各民間の航空会社の実情というものは、旅客の上昇に伴って、いわゆる国電におけるところの過密ダイヤと同じように、非常に多くのダイヤを組んで旅客輸送をやっておる。そういう緊急の要請にこたえた運輸航空の関係に対する適切な指導ではない、こう私は受け取れるわけです。なぜかといえば、いま御答弁されておるのは、何も千二百メートルが悪いんじゃない、滑走路が千二百メートルでも、それは十分千二百メートルの滑走路に合うような機種を選定したり、そういう使用のしかたをしなさいと、こう言っているんですよ。現実に合わないのです。現実に。現実に合わないことをいくら指導監督したって、それは無理がいくというのは当然なんです。これは明らかに、私はいまの答弁を聞く限りにおいては、政府の責任は免れない、こう思うのです。なぜそういうことが、いま言った適切な判断というものをしながら、今日のいわゆる運輸航空のこの事業に適切に合うように指導しなかったか。こういう点は私は運輸省の責任だと思う。この点は、いまの局長の答弁を聞く限りにおいては、私はそういうふうに思う。とにかく千二百メートルでもって何も事故は起きやしない、それに合った飛行機を使い、それに合ったように使わしていけばいいんだ——しかし、事情は違うのですね。たとえば国電の場合でも、一つの電車に千四百人なら千四百人のお客さんを乗せればいいんだと言えば、これは座席にすわれる、つり皮につかまるだけの定員でいいんですと、こう言っている。現実はどうなんです。先日も私ども運輸委員会が池袋の現地調査をしてみれば、あのとおりの多くの群衆じゃないですか、多くの乗客じゃないですか。池袋でも百二万人の乗客が押し合いへし合いしている。まさに国電というのはいわゆる殺人状況と言われてもしかたがない。同じように、飛行機も、今日は飛行機というものがとても高度のもので一般の人が利用できないというものではないわけです。ローカル線といえども、十分利用の最も必要なものとして、今日は重要な交通問題の一つになっているわけです。それを、ただそこに合えばいいというような考え方で、その中で、その範疇でもって監督指導しようとしておるところに、私は無理があると思う。こういう問題は、これはもう政務次官なり大臣から、なぜそういうふうなことをやってきたのかということを聞かなければ、私どもとしては納得できない。いまの局長の答弁では、まさに、とにかく千二百メートルの滑走路に合う飛行機を選べ、それで千二百メートルの滑走路に適合するような運用のしかたをやれ、そういう使用をさせろと、こう言うだけなんだ。これは私は、今日の運輸事情というものを十分に把握した運輸省の指導監督というものではない。先ほど吉田委員の言うように、免許制、許可制という問題についてこれほど重大に議論されるときに、運輸省の職務怠慢ということは私は免れないと思う。こういう点についていま一度御答弁をいただきたいし、政務次官のひとつ責任ある答弁もいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/9
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010・田邉國男
○政府委員(田邉國男君) 相澤委員の御質問にお答えいたしますが、実は、ただいま局長からも説明がございましたけれども、この説明が十分でなかったと思います。要するに、いまのローカル線の飛行機につきましては、現在の空港の滑走路で十分役に立つということでございます。ただ、現在のローカル線というものが、非常に需要がふえてまいりまして、そうして輸送力を増強したい、こういうことは、各民間航空会社もそういう気持がある。ですから、それに対しまして、民間航空ではもう少し大きい飛行機を入れて、そして輸送能力を上げたいという要望があることは事実だと思います。ですから、ちょうどいまの段階においては、各民間会社が持っております飛行機においては、現在の千二百メートルの滑走路で十分役をしておる。しかし、将来もう少し輸送力を上げていこうというには、現在の滑走路では無理がきているのではないか、そういうことでございますので、各民間航空の要望、それからまた時代に合った滑走路にこれからしなくてはならぬということは事実だと思います。ただ、そこの解釈のところでございますが、航空局長の説明が少し足りないところがあったので、相澤委員の判断に、非常なそこに誤解があったのではないかと思います。その点を一つ御説明いたしまして、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/10
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011・岡三郎
○岡三郎君 関連。
いま田邊政務次官の答弁があったわけですが、滑走路の問題については、これはやはり問題が私はあると思う。というのは、千二百メートルというのはかなり前の基準として決定されたということの答弁が航空局長からあったのです。コンベアCV240型というのはかなりローカルとしては大きなものですね。これは全日空でも使っていますね。いろいろとわれわれが調査した結果として、千二百メートルに四十人乗りのこの飛行機を持ってくる場合には、かなり操作しなければならぬということを聞いておるのですが、いわゆる普通の定員を乗せて、油を一ぱい満載して、それから各種の航空輸送物を入れた場合においては、これはとても無理だということで、いろいろな操作をしておるということ自体が、やはり千二百メートルではコンベア240型というのにぴたりと合っていないんじゃないか。宮崎あたりでは千五百メートルあって、これはいま千八百メートルに拡張しようとしている。ということは、将来のことも考えるけれども、ある程度余裕がなければ、セーフティゾーンというものがなければ、万一のことがあったときに、ぎりぎりということでは困る。だから、コンベア240型が、普通の形で四十名の定員全部を乗せて、そうして航空輸送便——いわゆる航空によって送るいろいろな荷物を積んで、油を満載したときに、これではちょっと無理じゃないかという報告をわれわれは聞いている。そういうふうな点を、もう一ぺん滑走路の点と、飛行機の運営について、いま田邉さんが言ったように、異常に乗客数がふえている。ですから、一般の人も日航なり全日空を使うという気持があるけれども、にわかの場合に間に合わないので、どうしてもいろいろな線を乗らなければならない。かなり航空路線がふえておるけれども、なかなか、最近における航空ラッシュといいますか、航空機を利用する人が多いわけです。われわれが見た点でも、そういうふうな点で、航空機もできるだけ大きなものを使って一ぺんに送りたいというので、現状においても無理をしつつあると言っている。将来の問題ではなくて、現時点において、この問題で各航空会社が飛行場自体に四苦八苦している。そういう点を考えてみる場合に、飛行機を利用するという回数、あるいは乗客というものが画期的に増加している際に、やはり抜本的に運輸省がこの問題に取り組まないというといかないんじゃないかという感じを私は持って調査して帰ってきている一人ですが、いまの滑走路の問題——最近の航空輸送の関係から、このコンベアなり、あるいはこれと同型のような大きな飛行機が千二百メートルの滑走路をかなり使っておる。鹿児島もそうです。大体大分というところは、拡張の余地がない。鹿児島も余地がないけれども、鹿児島はいま埋め立てて拡張しようという計画がある。こういうことを考えた場合に、どこの飛行場においてもかなり無理をしているというふうに考えておる。われわれとしては、特に気象条件がこの日はよかったというけれども、かりに気象条件が悪かった場合にかなりまた無理をするのではないかというふうなことも考えられるのですが、この点もう一ぺんひとつ親切な御答弁をいただきたい。これは一般の乗客が非常に気にしている問題の一つです。われわれの懸念している問題もそこにある。ですから、この際もう一ぺん答弁していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/11
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012・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) コンベア240というのは、どの程度の客を積み、どの程度の距離を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/12
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013・岡三郎
○岡三郎君 これは四十人乗りにきまっているのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/13
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014・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 飛行機の飛ぶ場合に、遠距離を飛ぶ場合は、燃料をたくさん積みます。近距離の場合には少のうございます。したがいまして、鹿児勘から大分に——大分で燃料補給可能だと思います。
そこで、大分でもってお客が降りる。そこで何人乗せるか、この乗せる人数は、私のほうで規制しております。その規制というのは、人数よりも重量で規制しておるわけでございます。重量全体で、これは各どこからどこまで飛ぶかという問題との関連でございます。それを申し上げておったわけでございます。そこで規制をする。その規制は非常に技術的に計算をいたしますので、後ほど技術部長から詳細に御説明させますが、しかし、私の問題にしておりますのは、現在そういう規制をしておるということを申し上げると同時に、旅客の需要があるから、もっと大きな飛行機を入れなければ運び切れない、したがって滑走路を延長する、その他の施設をやるということが必要ではないか。この点の御議論は、私が先ほど申しましたように、私も前向きで考えておると申し上げておるわけでございます。ただ、前向きで考えておりますがゆえに、たとえば鹿児島につきましても、長年のいろいろな事情はございましたが、滑走路の延長という予算も今度つきまして、いま漁業補償をやっておるそうてございますが、埋め立てにかかるということになっておりますので、決して私は千二百メートルでいいのだということは申し上げておるわけではございません。これは滑走距離を延ばして、より大型機をつける、あるいは小型機であっても、かりに何かの手違いで若干ずれたという場合でも安全であるというような点で、私は滑走路を延ばすことに決して反対しておるわけではございませんで、むしろ努力をしておるつもりでございます、微力でございますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/14
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015・岡三郎
○岡三郎君 そんなことじゃない。あなたじゃわからない。もうちょっと向こうの技術部長か何かに言わせてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/15
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016・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) そこで、技術部長に、いま重量と滑走距離との関係はどうなるかという点を御説明させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/16
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017・大沢信一
○説明員(大沢信一君) ただいま岡先生からお話がございましたように、コンベア240という飛行機が許容されます最大の重量で離陸しようと思いますと、千二百メートルでは無理なことは事実でございます。したがって、いま局長が申しましたように、それは燃料であるか、積み荷であるか、何らかの形で重量を制限しなければ飛べません。そういう意味で、コンベア240が日本のローカル飛行場に適当でないといえばそれまででございますが、先ほどの大臣の説明しましたプリントにもございますように、この飛行機は相当長い航続距離を持っております。航続距離が長いということは、燃料がたくさん積めるということで、許容されます最大の全備重量の中には、相当量の燃料が積めることになっております。狭い日本でローカルを飛びます場合には、燃料満載ということはほとんどございません。それと、今回の場合のように、鹿児島から大分まで参りまして、三十七名のお客さんのうち三十六人は大分どまりでございまして、一人だけは東京へ行かれる。したがって、そこで何人今度は大分で乗られるかわかりませんが、それほどの客がないものですから、相当そのかわりに燃料は積めるわけでございます。したがって、鹿児島から大分へ参ります場合は、非常に区間が短いので、燃料はわずかであるかわりに、お客さんはほとんど満載が可能である。次に、大分から東京へ参ります場合は、大分−東京間に使用します燃料、さらに東京が何かの場合におりられなかった場合に、かわりの空港に行きます場合の予備燃料、それを加えました十分な燃料を積みまして、さらに余裕のある——お客さん何人になるか、いま私数字を出せませんのですが、相当制限したお客さんだけしか積むことを許しておりません。
それから、先ほど全日空もコンベアを使っておるとおっしゃいましたが、事実でございますが、全日空が使っておりますのは少し型が違いまして、コンペア240及び440とうもうひとつ新しい型でございます。これはどうしても千二百では経済的に使えない飛行機でございます。ローカル会社が好んでこのコンベア240を買ってまいりますのは、DC3でいままでやっておったわけでございますが、これが非常に古くなりまして、お客さんももう少し積みたい。それで、世界じゆうで手に入りやすい飛行機、評判のいい飛行機をさがしました結果が、四十人という相当大きなキャパシティを持ちながら、このコンベアが相当強力な発動機を持っておりますので、塔載量のわりには離着陸距離が短い、いまのところこれが一番適当だという判断で入れておると思います。しかし、先ほど政務次官がお話ししましたように、さらにキャパシティの大きい飛行機をほしがる。しかも、飛行場は現実問題として狭い。日本にはなかなか大きな飛行場はできません。したがって、希望に合った飛行機が手に入らない現状でございまして、先般来国産しておりますYS11というのは、お客さんが六十人でございますが、唯一の特徴と申しますか、千二百メートルの飛行場で十分使えるということを——まだ最後の成果が出ておりませんが、そういう特徴のある飛行機をいまつくろうとしている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/17
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018・岡三郎
○岡三郎君 その問題について、いろいろ聞いておるけれども、とにかく満載をどの程度減らすとか、郵便輸送物をどのくらい減らすとか、お客さんをどういうふうに制限するとか、とにかく、だんだんだんだん込んできたり、いろいろの需要があれば、かなり限度一ぱい持っていくというのは常識ですよ。会社としても、やはり赤字になっていけば困る。局長、あなた方がこれ以上はあぶないという限界まで持っていくでしょう。だから、そういう問題を私たちは指摘しておるわけです。したがって、セーフティ・ゾーン——安全ということを考えた場合に、その内輪でやるということよりも、その線目一ぱい持ってくるというふうな問題からくると、やはりいろいろな関係で、そういう千二百メートルというもの自体が、ある程度急速に延長する必要があるのじゃないかということは、やはりすなおに聞いて検討しなければいかぬと思う。こればかりが今度の問題の焦点であるというふうには言っておるわけではない。いまたまたま話が出たから、滑走路の問題についても、われわれが調査した結果としてこういう危険を指摘しておるわけです。だから、あなた方の言うことを聞いておるというと、運輸大臣もそうだが、まことに遺憾であるし、何とかこれをせにゃいかぬ、口先だけでは、ほんとうに事故をなくするようにしなければならぬ、こう言うけれども、あなた方の言うことを聞いておるというと、死んだ人が何か運が悪くてたまたま落っこったというふうなことで、もうちょっと抜本的に、きょう始まったわけじゃない。いつでもそういうふうな程度の、至急これについて改善いたします——これでは私は済まぬと思うのですよ。だから、田邉政務次官に聞きたいのは、落っこった人は運が悪いのか、落っこちないためにはどうしたらいいのか、もうちょっと真剣に聞きたい。根本的に、直接的な原因はどうだこうだ、これは調査の結果でいい。そうでなくて、最近においてもしばしばこういう事故が繰り返されてきておって、しかもこれがローカル機に多い。全日空でもときどき車輪の問題とかいろいろな問題がありましたが、だからいま特にそういうふうなことを考えていった場合に、やはり小さな会社とか、そういうふうな会社のいわゆる運航状況とか、経営状況とかから考えてみるというと、無理がどこかにあるのじゃないかということに、しろうとながらも考えざるを得ないわけです。しかし、急用のときには、どうしても、あぶないと思っても使わなければいかぬ、そこにあるから。だから、その急用の場合には、日航はローカルに行っていないから、全日空を使う。ところが、全日空のほうはかなり需要度が多いから満員だということになると、やはりローカルで、そういうふうな延長された線だけ使うということになる。この富士航空の線は、昨年許可されたばかりでしょう。これは昨年許可されたばかりの航空路ですよ。そういうことになってくるというと、富士航空と鹿児島−大分−高松−東京をつなぐこの航空路というのは、この会社にふさわしい航空路であるかどうかという問題点にもきますよ。問題点は、実力以上の航路ではないのか、会社全体の経営規模なり、乗員なり、整備士なり、総合的な問題からいって、そういうふうな考え方も私は出てくるのじゃないかというふうに考える。出てきて当然だと思う。しかしながら、その点、田邉政務次官——大臣がいないから政務次官に言うが、運が悪いでは因るのですよ。やれば何とかやりようがあるのではないか、そういう点で、いま一端として飛行場の滑走路の問題についてたまたま触れたにすぎないと思います。だから、いろいろこれから聞く要素が、吉田委員もあるし、われわれもあるけれども、もうちょっと端的に言って、現状におけるローカル航空路というものに対して、田邉さんの考え方も私はあると思う——即断ではなくとも、一般的にいって。だから、そういうふうな総合的な問題で、四月の一日に国内航空会社三社を統合してやるとしても、先ほど話が出たように、統合したって、そのままの形ではだめなわけですよ。だから、これがもう少し安全度を——安全度というのは、落っこったからいうのでなくて、総合的なやはり会社に対する一つの信用というか、乗る人間にとっては落っこったらたいへんなんだから、こういう点で、とにかくいまの日本の状態では、日航か全日空か。ところが、たまたまそういう航路があるから、乗らざるを得ないということで、急ぎの用にはそれを利用することになるわけだから、そういう点については、十分安全性をさらにうんとよくするということの角度から、ただ単に統合するだけでいいのかどうか、その点ちょっと聞いておきたい。運輸大臣いま予算に行っているからね。千二百メートルの問題もまだ終わったわけじゃないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/18
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019・田邉國男
○政府委員(田邉國男君) 岡委員のお話でございますが、私自身も、民間航空に対しまして、こういう事故がひんぴんと起きることについては、非常に私自身が乗ることに不安を感ずる、これは事実でございます。ただ、こういう民間会社が、要するに公的な、しかも大事な人命をあずかる運輸航空事業でございますから、非常に不安のない、安全運転ができるような会社に体質改善をしていく。それには、私はやはり、統合をもちろん急速にやる、そうしてその会社の内容を十分に充実したものにしていくということも当然だと思います。それにつきましても、やはり政府も重大な監督とそして関心を持って、いろいろの面で、民間航空会社に対する融資の問題、補助の問題も考えなくちゃならぬ。それと同時に、パイロットの質的な向上をはからなければならぬ。ただその量的な問題ということよりも、優秀なパイロットをつくるということもやはり重点に置かなければいかぬ、かように考えます。先般、当委員会の先生方が航空大学の視察をなさった。いろいろの角度から御検討されて、いろいろの御注意を受けておるわけでございますが、私どもは、こういう部門も拡充をして、そうして民間航空に対する一つの大事な補給源と申しますか、こういうことにすることは当然だと思っております。現実の問題といたしましては、私はどうしても、この会社が早く統合いたしまして、同時に日航と同様の安全感を国民が抱くような、名実ともに備わった会社にしていく。それにはやはり、パイロットの優秀な人たちをそこに整備すると申しますか、充てるということでやる。今後の民間航空の新路線の問題につきましても、能力以上のものをやるということは、私はこれはもう厳に慎しまなくちゃいけない。それから、小さい会社を許可していくということは、これはもう非常に慎重にやるべきだ。むしろできるだけ統合する形でやっていく。この問題につきましては、私まだ次官の立場で自分の私見をあまり差しはさむことはいけないことですから、差し控えますが、いま申しましたように、非常に慎重を期して、私は今後この民間航空会社に対する政府の態度というものは慎重であるべきだ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/19
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020・岡三郎
○岡三郎君 ちょっとそれに関連して。いまたまたま宮崎航空大学の問題に触れられましたが、これは先般の委員会派遣の調査報告を兼ねて質問しようとした問題ですが、当時も事故があって、航空局長がおられないと、そういうことであったわけです。宮崎大学の問題については、報告書に書いてあるから、ひとつ尊重してもらいたいと思うのですが、とにかく飛行場はいまの宮崎空港を利用しておりますが、航空大学はあっても、そこに入学している航空大学生の寄宿舎がないのです。図書館もなければ、ほとんど設備らしい設備というものはないと言って過言でない。それは一通りはありますよ。練習機もあります。しかし、練習機自体だって、まだまだ日本のような発展途上にある航空路に対しては非常に手薄な印象が強いわけです。そういうふうな点で、全国から集まってくる優秀な学生を泊める宿舎もなくて、日本の唯一の航空大学、そんなばかな話がありますか。そんならどこから通っておるかといったら、宮崎の郊外にあるところの安下宿屋に泊っている。菜っぱ服を着て出てくる学生にプライドを持てと言っても、あれではブライドを持てませんよと、こういうふうな意見です。現地のこれは航空大学の先生が言っておることかというと、そうじゃなくて、航空事業関係者全部です。ただ、いままでなかなか優秀な人が集まってきておるので、かなりいまの日本のパイロットについてはここで大きな寄与をしてきておるというけれども、実際問題としてはこれは運輸省は怠慢じゃないか。この程度の状態に放置しておいて、人命をあずかるパイロットの養成に対して、これはあまりにも軽視しているという印象を強く持って帰ってきたわけです。航空局長を責めておるのではないのです。航空局長はところてん式にすぐ人事異動をするからあれだけれども、大臣も政務次官もところてん式にいくから、いまこうだからとこれを責めてもしかたがないけれども、局長だってまだなってしばらくですから、局長を責めてもいかぬのですけれども、機構上はあなたが当面の責任者だから、だからこういう問題について、大蔵省が頑迷でわからぬといっても、やはり基本的な問題だけはかっちりとしてもらわぬと、これはこれから五年、十年、二十年、三十年先に立ってお互いの生命を守っていく人間をつくっていく、こういう大学ですね。しかも日本唯一の大学、それが寄宿舎もなければ、図書館もなければ、医者にかかるにも医者もろくすっぽいない、そういうばかなものがあるか思って帰ってきた。これはどなりつけてやろうと思っておったが、しかしどなっただけでおさまる問題ではないから、何とかひとっこれは当運輸委員会で検討していただいて、これは運輸省当局としても、たまたまこの問題があったからということでなくて、抜本的に検討してもらいたい要素を持っておると思う。政務次官——大臣ではないけれども、この点お互い国会議員ですから、ひとつやってもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/20
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021・田邉國男
○政府委員(田邉國男君) 御趣旨を体しまして、私どもこういう事故を一つの契機として、私は真剣にこれに取り組んでやるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/21
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022・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 基本的なやつですから、私はずっと続けて質問いたしますが、いまのパイロットの関係とか何とか、先輩の岡さんが質問されまして、答弁がございましたから、こういう関係は省略いたしますけれども、きのうの二十八日に、ただいままで質問をいたしておりましたローカル空港についての根本的な整備を検討するということで、その政府の方針をきめておられるように「朝日新聞」には掲載されている。それで、政務次官間もなくどこかお出かけのようですから、この根本的な政府の構想を御存じでしたら、ここで明らかにしていただきたい、こう考えておるわけです。
それからもう一つは、この航空事業についての免許のあり方の問題、政務次官並びに航空局長から、岡さんの質問に対する答弁として、慎重に扱わなければならぬ、路線設定についてもしかりである、これから免許をするものについてはできるだけこれを慎重に扱わなければならない、こう言っておるのですけれども、まあその前の路線設定は別として、少なくとも、さいぜんも私が指摘したように、最近航空事故というのは、いずれも弱小の航空会社が事故を起こしている。これはまだまだ問題でありますから、あとあとその点については私は質問しますけれども、私は、この免許についても、基本的な考え方、これは慎重に扱うなどというなまぬるいことじゃなくして、弱小の免許申請があった場合には、断じて免許しない——基本的には、政府のきびしい態度として、新しい航空事業については、もう過当競争の段階に入って、あなた方おっしゃっておったように、集約統合をしなければならぬと、こう言っておる時期だけに、新しい免許はしないのだ、こういうことをこの委員会で運輸当局として言明していい時期じゃないかと、こう思うのですが、どうですか。
〔委員長退席、理事金丸冨夫君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/22
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023・田邉國男
○政府委員(田邉國男君) これは、新しく免許はしないという言明につきましては、後ほど大臣がまいりますので、大臣からひとつ答弁さしていただきたいと思います。私どもの考え方としては、かように連続する民間航空の事故というものに対しては、やはりわれわれが深く反省をしなくちゃならない問題が多々あるわけでございますから、免許につきましては、当然慎重であり、なおかつその上に、新規免許というものをこの際はやはり再検討する時期がきたと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/23
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024・加賀山之雄
○加賀山之雄君 関連。いま、岡委員が発言されたことは、私も伺おうと思ったのです。非常に重要な意味を持つと思うのです。飛行機の機種もだんだん変わってくるだろうし、大型化してくるだろう。これは勢いです。そういう場合に、いまの航空大学の設備は、岡委員の言われたとおり、非常に心細い。非常によくやっておられます。学長はじめ、それを極力カバーしてやっておられます姿は、ほんとうにわれわれ感服したのですが、これでほうっておけるかという気持を持ったわけです。航空事業が伸びていくためには、何よりも最初に、優秀なパイロットという問題が第一の問題です。今後の場合も、これは調べていただかないとわかりませんが、そうなって、パイロットの養成が足りないと、どうしても無理をさせることになる。なるほど、滞空時間というものの制限はあるのでしょうけれども、やはりこういうのは経験が一番大事なことになる。そうすると、航空大学で、数からいっても、質からいっても、十分なパイロットを用意しないと追っついていかない。追っつかないということは、無理してパイロットを使う。ことに民間航空では、多少腕が心配があっても使わなければならぬというようなことになる。そういうおそれが多分にあると思うのです。で、特に陳情を受けたのは、先ほど岡委員の言われた寄宿舎というか、これは単に宿舎を提供するというだけでなく、パイロットの技術なり訓練なりというものに非常に重要な関係がある。これはぜひ考えてもらわなければいかぬ。それから練習機が足りない。数も足りないし、機種も足りないと思う。つまり、あそこに配置されたわずかの数、それから機種もごく限られております。いわゆるちゃちな練習機が配属されているわけだが、今後対応していくには、機種からいっても、数からいっても、足りない。この二点について、ひとつ航空局長から、あなた担当の局長としてはっきりとした決心をお聞かせ願いたいと思う。それはまあ大きなことは、大臣、政労次官の問題になるでありましょうが、まず航空局長は、これをしっかり腹に据えておいてもらわなければいかぬと思っておる。この点、航空局長の御答弁を求めるのであります。
〔理事金丸冨夫君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/24
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025・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 宮崎の航空大学校の現状につきまして、非常に力強い御声援を承った、かように了解いたしました。宮崎航空大学校は、御承知のとおり、日本にただ一つの航空大学でございまして、相当の歴史はすでに持ちまして、卒業生はそれぞれ活躍はしておりますけれども、何と申しましても施設その他一般的に不備であるという点は、私自身が率直に認めて、かつ残念に思っているところでございます。私の考えとしましては、一番欠けておるのはやはり練習機の問題じゃないか、練習機がやはり航空大学校の生命ではないか。そのほかのもの、もちろん重要でございます。しかし、最も生命ともいうべき練習機というものに十分な手当てがしてないということは、最も遺憾なことだと、もちろんほかの問題もやらなければなりませんが、最も重点的にまずやることは、練習機が事欠かないということ。高度の練習機をやれということになりますと、これは期間の問題その他もございますので、どこまでやるかという問題いろいろございます。しかし、いたずらに背伸びをするよりも、むしろ現在のところの弱体であるこれをまず固めなければならぬ、かように考えております。
それから寄宿舎の問題でございますが、これは私も前から、やらなければならないということで、毎年予算の要求はしておるわけでございますが、なかなかこれは認めてくれないというのが現状です。さらにこの点は、本日の委員会の御激励もございましたので、奮闘をいたしたい、かように考えております。
それからその他の問題、図書館と申すようなものは全然ないという点、あるいはその他教室も不十分であるという点、まあいろいろな点すべて不十分でございまして、その中でもって職員の努力によってある程度の施設の不備をカバーして鋭意やっておるというので、非常に職員に対しては私は気の毒である、よくやってくれているが気の毒である、こういう感じを持っております。
それから、先ほど免許の問題等、飛行場の問題につきまして御質問がございましたが、免許の問題につきましては非常に厳重にやらなければならぬということ、まことにごもっともでございまして、最近におきましては新たな免許はいたしておりませんけれども、今後もさらに厳重にしなければならない。ただ、今後は、未来にわたって一社も認めないというようなことは、私はやはり、法律に免許という制度がある以上、この法律を空文にするようなことは私としては申し上げかねる。ただ、一般的方針としてそういうような慎重な態度で臨むという点につきましては、さらに上司とも御相談しまして、運用の誤りなきを期したい、かように考えております。
それから、飛行場についての御質問でございますが、飛行場につきましては、千二百メートルの問題で先ほどだいぶしかられましたけれども、前の答弁でも申し上げましたように、決して私は千二百メートルでもう満足してるのだ、こういうことは一度も申し上げておらないわけでございまして、その点はひとつ私のほんとの気持ちをおくみ取り願いたい。現に、すでに拡張に着手しているところもございますし、それから調査費を要求して認められたという点もございます。それから、明年度以降、また調査費なり実際の予算を要求しようということも、予算編成が——これはもちろん運輸省内部の予算編成でございますが、これは今年の八月の末までには省議を経て大蔵省に要求するわけでございます。それじゃ、来年どこをやるかというところまでは、現在の段階では、今年度の予算もまだ通過しておらないような段階では、私としては、まだ詰めておりませんけれども、一般的な方向としましては、私は、前向きで飛行場の拡張問題を考えておるということは、一番初めに申し上げたところでございまして、決して強弁しているわけではございません。ただ、申し上げましたのは、現在、現実にある千二百メートルの滑走路で事故を起こさないように細心の注意を払っておるということを申し上げたわけでございまして、それがすなわち、千二百メートルでけっこうなんだという意味ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/25
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026・河野謙三
○河野謙三君 大臣も政務次官もおりませんから、関連して、いままで各委員から御発言になったことで事務的にお尋ねします。
第一に、これは認可ですか、許可ですか、この事業は。許可条件といいますか、認可条件といいますか、これはこまかくは聞きませんが、主たる認可は条件は何です。私がかくお尋ねしますのは、私の尋ねる気持ちを申しますと、どうもね、今度問題になりました会社にしろ何にしろ、天下に名が高からぬまでもですよ、天下が認めるような信頼の厚い人とか、または天下の財閥とは申しませんが、資金的なバックを持っておるとかいうものが何にもないんですね。われわれが日常生活において物を買うにしても、やはり知れた会社の、りっぱな人を重役に持ったところの製品というものは安心してわれわれは買います。それとこれとは違うかもわかりませんが、どうも飛行機の場合も、だれが社長だか、どこの会社が事業をやっているんだか、実業界から見れば泡沫のような人が会社を経営しておる。こういうところがあぶないという一般に印象持っているわけですよ。しかし、あなたのほうは、いかに泡沫であっても何であっても、許可しておる以上は、許可条件にちゃんと当てはまっているから許可したと思う。それの主たる許可条件というのは、一体何です。それを伺いたいんだ、私は。その許可条件というものの主たるものをちゃんと御説明願わんと——これは多少耳にしておりますが、航空会社の認可というものはひとつの利権運動の対象になっているんだよ。利権運動の対象になっているのは事実ですよ。一般のどうでもいいようなメーカーと違いまして、航空会社なんというものは、利権の対象になるような事業にされては私は困ると思う。それがために、非常に厳とした、安全を第一義とした許可条件があるはずです。どういう許可条件があるんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/26
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027・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) いまのお尋ねでございますが、定期航空運送事業につきましては、免許ということでやっております。免許基準につきまして、法律の百一条にございますが、四つの項目がございます。一つは、「当該事業の開始が公象の利用に適応するものであること。」、二としまして、「当該事業の開始によって当該路線における航空輸送力が航空輸送需要に対し、著しく供給過剰にならないこと。」、三は、「事業計画が経営上及び航空保安上適切なものであること。」、四は、「申請者が当該事業を適確に遂行するに足る能力を有するものであること。」、以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/27
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028・河野謙三
○河野謙三君 運輸大臣が見えましたが、そういう一般の認可、許可を受ける事業と同じような許可条件で、それ以外に、航空事業というものは非常に公共性の強い事業なのに、何にも許可条件に柱が入っていない、私はそう思うのです。だから、いまの許可条件からいけば、私だって適当な何か仲間をつくって持ってくればできるのですよ。そういうものは、将来許可しないというような気持ちでしょうが、そういうふうないいかげんの一般に通用するような許可条件で、この事業は、私は認可か許可か知らぬが、やるべきではないと思う。おかしいですよ。こういうような許可条件でやっているから、極端にいえば、だれでもはしっこいやつは許可をもらえる。だから利権の対象となる。そしてこんな三つも四つも会社ができてしまっちゃったのです。私は関連質問ですから、これ以上申し上げませんが、そこで次に伺いたいのは、今度三つの会社を合併するといいますね。合併する条件は何ですか。合併をするために、今度それぞれの会社の持っている赤字を全部切り捨てをするとか、減資をするというのか、合併をしてもすぐによくならないでしょう。三年先、四年先よくなることじゃいけません。少なくとも三カ月なり半年先によくなる、それが合併の条件だと思う。どういう形で合併するのですか。なお、合併には運輸省があっせんをするわけでしょう。合併するにあたって運輸省はどういう権限をもって臨むのですか。そういう甘っちょろい合併条件ではいかぬ。合併条件として不良資産は切ってこい、もっと飛行機はこういうふうに整備しろ、もっと新しい飛行機は何台入れろというようなことが、運輸省の権限においてできるのですか。ただ小さい、弱小の会社が—— マイナスが三つ寄ってもさらにマイナスがふえるだけです。三つのマイナスが三つ寄ってもこれはマイナスです。合併する場合は、マイナスは全部切って、プラスの形で合併しろというのか、こういうことを伺いたい。ただ合併しろではしょうがない。同時に、繰り返えして申し上げますが、合併してすぐ効果があらわれるものじゃない、そうでしょう。少なくとも三カ月、半年後には、今度合併したらこうなりますという見通しがなければ、運輸省は、合併のあっせん者としての責任は、私は保持できないと思う。合併の条件は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/28
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029・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 合併は、もちろんあなたのおっしゃるように、内容をよくするために、しかも、安全を確保するために、航空事業は、あなたがおっしゃるように、非常に多額の資本を投じまして、すぐ営利につながるということは、私ども考えておりません。がしかし、三社が合併するため思い切った減資をして、新たに増資をして合併することになっているということの報告に接しております。
それから、やってすぐ半年の間に黒字になろうとか、そういうことは、河野委員も御承知のように、事業はそんなにうまくいくものではありません。それで私は将来必ず黒字になるということを期待し、それでまた、そういうふうに指導していきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/29
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030・河野謙三
○河野謙三君 私は、三カ月なり半年先に黒字にしなければならぬなどと思っていない、黒字なんか問題でない。それは三年間あるいは十年間赤字になろうが、そんなこと問題にならぬ。ただ合併することによって、三カ月なり半年の間に、この会社は絶対安全が保証される、国民一般も、この会社ならまあ日航と同じように安心して乗れるという姿を私は期待しなければいかぬと思う。ただ、それを合併して三つくっつけても意味がない。もちろん大臣のおっしゃるように、合併条件について、やかましく私は運輸省が条件をつけておられると思いますが、運輸省は合併条件をつけて、その合併条件が満たされなければ、おれのところは許可しないぞという権限はもちろんあるのですね。これは、三つの会社が一つになった場合には、新しくこれは認可を受けるのですか。それとも自動的に、三つの会社がすでに認可をとっておりますから、これはもう自然に発生するのですか。それとも全然いままでの三つは御破算にして、新しい姿において、新しいあなたのほうのっけられた条件を全部整えた場合に、新しく認可になるのか、そこはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/30
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031・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 今度の場合は、新設合併でございますので、新しい免許になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/31
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032・河野謙三
○河野謙三君 そうしますと、いま大臣お触れになりましたように、これは局長にお伺いしますが、赤字は全部整理して、赤字は全部減資とかその他で整理して、そして全く無傷のものの形で再出発すると、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/32
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033・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 赤字が全部無傷になるかどうか、赤字の程度によりまして、将来この会社の育成いかんによって、これは赤字が解消するという見通しがつけば、赤字があることが必ずしもいかぬ、こういうことにはならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/33
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034・河野謙三
○河野謙三君 まあ関連ですから、これでやめておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/34
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035・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 大臣がお見えになりましたから、大事な点、とりあえず二つ、基本の問題として聞いておきたいと思うのでありますが、この事故が発生した直後のきのう、二十八日ですが、政府は急遽閣議を開いて、ローカル空航整備について根本的な検討を加えた、こういうことが新聞報道に載っています。そこで、大臣にその検討された構想といいますか、問題点を明らかにしていただきたいと、こう思うのです。それから、いままで大臣が予算委員会のほうに出席しておる間に、各委員からそれぞれの免許についての質問がございました。これに対して政務次官が、あるいは航空局長から、これからの免許については、航空路の路線設定とあわせて慎重にやらなければならない、こういう程度の答弁なんです。そこで、私は大臣に率直に申し上げるわけですが、いま三社の集約統合についても、大臣はかなり側面的に、ある意味においては指導、ある意味においては合併の促進をうながしていると思うのです。これは何かというと、弱小の航空会社の経営基盤があまりにも今日では脆弱であるから、これなどはやはり事故を誘発をしていく原因になるであろうし、さらにまた、最近は非常に過当競争の段階に入っているような状態であるから、つまり、そういう集約統合をやるのだ、こう私は端的に言って考えて指導しているのではないかと、こう思うのです。ですから、そういうことと相あわせて考えてみると、これからの航空機の少なくとも会社の事業免許というものは、私はもう政府が、このようにたび重なる事故などともあわせて、小さい認可申請などについては、基本的に免許を認めないのだ、こういう態度をぼくはとる時期ではないかと、こう思うんですが、大臣、どう考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/35
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036・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 第一問の、閣議において、新聞紙上に伝えられるような、閣議で私は報告をしただけでございまして、根本策についての論議はありませんでした。早川自治大臣から、滑走路のことについて質問があり、それから山村行政管理庁長官が、自分がかつて乗った飛行機の安全性について体験を語ったということだけで、根本策についての論議はありませんでした。したがって、根本策の閣議決定ということはありません。
それから第二番目の問題につきましては、何といいましても、航空事業というものは直ちに利益が上がる仕事じゃない。それで非常な資金を要するわけで、私は就任早々、いわゆる既存六社と称する——私は就任してからは一社も認可しておりませんが——既存六社と称して、これを統合せにゃいかぬというのが、やはり運輸省の一つの問題であったのであります。そこで、まあ日航はもちろん政府のあれだからだいじょうぶだ、全日空もだいじょうぶだ、そうすると、あと問題を起こしました日東、富士、北日本、それから中日、藤田、それから東亜、この六つの飛行機会社がすでに既存六社として認可をされておったのです。これをひとつ一括して、大きな資本力を持ち、経営陣もよくするということに努力いたしましたのでございますが、会社設立にはおのおの歴史があります。あるいは人的構成あるいは資本構成において無理がありますので、そのうち、藤田航空は全日空に合併いたしました。それから東亜航空は、やはり全日空と業務提携をいたしまして——合併に次ぐような、まあ資本参加というような意味で全日空と提携をしてやることになりました。中日航空も全日空と提携するというようになって、残る三社が、北日本と富士と、それから日東航空でございます。その三社を合併するように、私は以上申し上げた航空企業の基盤強化という趣旨から勧奨をいたしまして、合併をすることになりまして、来たる四月一日でしたか——四月十五日が合併期日になっておるように聞いております。
そこで、さっき河野委員に答えたように、ただ欠損をかかえている会社が幾つも寄ったってしょうがないから、基盤強化をするためには、資本力を強くせにゃいかぬというので、大部分の赤字を消すために大幅の減資をせしめて、そうしてまた増資をして、いわゆる不良資産なるものを法律的になくするようにして、その結果を持ち寄って合併するということになっておりますからして、私は、こういう事故が起こらないように、あるいは過当競争の弊をないようにする第一歩を踏み出したものと考えて、その事業の成果に期待をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/36
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037・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 大臣は、いま、そういう根本的な整備について検討しなかった、こういうことなんです。で、私どもはその閣議に出席するすべがございませんから、その事情はこれ以上どうこう言っても、その真偽というものを確かめるわけにまいりません。ですから、重ねて大臣にお尋ねいたしますけれども、いま大臣も答弁したように、この閣議では、大臣は、今度の事故にかんがみましてそのてんまつを報告をして、さらに、これが事故をなくするためにはどうするかという——あなたはかなり撲滅ということばを使って究明しておる。これに対して、この新聞がうそかほんとか知りませんよ、これは。しかし、私ども新聞で承知する以外ありませんから、私は「朝日新聞」ですから信用している。そういう立場で申し上げますと、早川自治大臣から、いままでも委員会でたいへん問題になりました、ローカル線の滑走路が非常に狭い、これがやはり一つの基本の問題じゃないか、こう言っているのですね。それから山村行政管理庁長官から、危険なローカル航空についてこれからの新しい免許はすべきではない、こう言ってこの二つの基本問題を閣議は了承して、具体的には運輸大臣所管ですから、あなたが、根本的な整備に対して検討しなければならぬと、こう書いてある。この事実はどうなんですか。そしてこれが事実だとするならば、あなたは、ここで事故を撲滅する、こういうかなり強い語気で今度の問題について表明をしているわけですから、少なくともこの二つの問題が閣議で確認されたとすれば、あなたはあなたなりに、この根本対策というものを将来に向けてやはり一つの構想として持たなければならぬと思いますから、その将来展望に立った構想をひとつ聞かしてもらいたい。
もう一つは、さっき言っておる、こういう角度から、私は、今日的段階ではもうそういう新しい免許はしないのだ、というきつい態度をこの際示すべきではないかと、こう聞いたら、その点については、まだあなたは答弁していない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/37
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038・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) お答えいたします。閣議の模様は、私の言ったとおりでございまして、山村君が、免許すべきではないとか、そういうような意見は言いません。ただローカル線に乗って非常にあぶないというような感想を述べただけです。早川君は、滑走路はなるべく長くするのがいいんじゃないかということを申しまして、私も、それがいいと思うと言ったところが、まあ早川君は何か勘違いして、運輸省が長くなるのを押えているなんていうようなことを言っておられましたが、そういう事実はありません。押えているも何もありません。
それから新規事業につきましては、問題になっている既存六社というものは、私の就任以前でございまして、どういう事情でどういうふうに免許されたか、知ろうともいたしませんし、また知りません。そこで、私はここでお答えできることは、航空事業というものは非常に危険の伴う仕事であるからして、いわゆる充実した資本と卓抜した経営者が申請して、そうして経営に非常に手腕の伴うような人でなければ経営がむずかしい企業である。経営のむずかしい企業をみだりに許すということは、いわゆる企業の健全な発達に反する行為であると、私は確信いたしますからして、もしそういう新規の免許を申請するものがあっても、私は許す考えはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/38
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039・大倉精一
○大倉精一君 関連して。免許の問題と合併の問題が出ましたが、私は、非常に極端な質問かもしれませんが、免許の基準に、みずから適確に経営あるいは運営する能力があるもの、という条項がありますね。そこで今度大臣が、三社合併をしなければならぬということは、もうすでに既存免許の三社が、ここではみずから適確に運営する能力がなくなった、こういうことではないかと思うのですね。ところが、合併にはやはり日時を要します。いろいろな条件もあるでしょう。しかし、飛行機は毎日飛んでいるのですね。ですから、こういう状態で個々の会社に、あるいはその他の既存の六社の会社に、手放しでもって営業を続けさしておいてもいいのかどうか、これはタクシーやトラックと違いますから、非常に重大な問題でありますから、そういう問題はどういうぐあいに処置されますか。これは局長、専門的に見解をひとつ聞きたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/39
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040・大沢信一
○説明員(大沢信一君) 今度の三社合併ということは、運営することが不適確になったというようなことよりも、むしろ前向きにさらに基盤を強化していこう、あるいは、いわゆる過当競争というものをできるだけ少なくしていこうというような考え方のもとに行なわれた政策である、運輸大臣のお考えをそういうふうに私は理解しております。したがって、不適確であって、もうそのまま行き倒れになる、いわば免許を取り消さなければならぬという段階だから、これを合併するというような消極的なものじゃない。むしろ積極的に育成していくことが日本の航空の将来のためにいいのだ、こういうふうに私は理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/40
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041・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 私がさきに申しましたように、合併を推奨したのは、いま局長が言ったとおり、航空事業の将来を考えまして、大体外航については、日航がもうやっている。内航については、全日空と既存の六社が相ひしめいているというような状態では、円満な事業もできなければ発展も望み得ない。ゆえに、三社は一緒になってやれ、それじゃ全日空にみな一緒にしたらいいのじゃないかという議論がありますが、これはまた独占になるということで非常に弊害がありまして、私のところに、ひんぴんとして全日空のあり方について手紙も来るし、電話もかかってくるのです。そういうような状態であるからして、適正に、大部分は全日空でやらしてもいいが、過当競争にならない範囲で、いわゆるサービスの競争をさすことが、航空事業の健全な発達をするゆえんだと考えまして、残りの六社を一ぺんに合併するように慫慂したのでございますが、さっき申しましたように、会社の事情があるので、藤田航空は全日空にまず合併して、残る二社は全日空にやはり業務提携をしたというのが実情でございまして、そしてそれによりまして、ただいま航空局長が説明しましたように、行きついたからどうこうというのではなくて、さらに飛躍的に発展するために、資本の充実をはかり、経営の刷新をやる、こういう趣旨で合併を慫慂いたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/41
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042・大倉精一
○大倉精一君 まあ前向きという言葉が最近はやっていて、何か前向きというといいように聞こえますけれども、大体こういう合併をしなければいかぬようなかっこうをつくったのは、運輸省の責任ですよ。こういう状態が起らぬように免許という制度があるわけなんです。こういうことにならないように、あるいは、どうにもならないようなことにならないようにというので、そういう条項があるわけんですよ。大臣もいま免許の問題を言われましたけれども、やはり免許の条項にかなってある申請に対しては、免許をしなければならないでしょう、法律上。そうなるでしょう。ですから心配しているのは、合併ということを出されて、手放しでもって何にも措置をしておられぬというところに非常に危険があるのじゃないか。たとえば藤田航空にしてもそうです。今度にしてもそうです。合併という話が出るとこういう事故が起こる。今度でも、どうせ合併するのだから、今のうちにもうけておけ、こういうようなことがあるように聞いております。私は、特に今度の場合でも、よく経過をたどってみますと、大分の空港というのは、大体昼間の着陸しか許さない非常に危険な空港なんですよ。しかも、原則として、着陸のときには、操縦士——機長ですか、これが操縦桿を握るということが原則になっております。ですけれども、あのむずかしいところで副操縦士が操縦梓を握っている。あるいはこの間の藤田航空のときには、四千時間も飛んでいるベテランのパイロット、そのパイロットだけが計器飛行でなく、視界飛行でやっている。しかも、あの八丈富士の雲とか、その他の状態が、普通ではあすこを通るような状態ではなかったと、あとの二人の機長は証明している。それがあえてむずかしいほうに回ったということがどうしてもぼくに理解できない。ベテランであればあるほど、こちらを回って安全航路をとるべきなんです。それがあすこを通ってぶつかっている。今度でも、当然これは機長が、ベテランがやるべきはずのところを、機長が二人乗っておりますにもかかわらず、初めて操縦したという副操縦士が操縦桿を握ったという、何か割り切れぬものがある。しかも、両方とも合併を前にした事故でありまするから、やはり有形、無形、特に無形の要因がここにあるのでありまするから、私がさっき申しましたことは、三社合併というそういう指導も、これはいいかもしれませんけれども、合併しなければいかぬぞと言っておいて、では、そうしましょう。あとは各経営者にまかしておいて放任しておく。それに、そのように合併する会社の現在の経営状態ですね、あるいは人事管理の問題等々について、運輸省は、当然これは責任を持って検討しなければならない。それをやっているかどうか。やっておらずに毎日飛行機を飛ばしておる、こういうところに私は問題があり、あしたにでもまた起こる、こういう私は潜在的な要因があると思うのですが、これは当局、何か提案していますか、そういう点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/42
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043・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 合併後の会社の育成につきましては、法令の許す範囲において、私は厳重にやるべきだと考えております。
それから、いまにも飛行機が落ちやせぬかということで、あらかじめどういう注意をしたかということは、まだ事務当局から聞いておりませんが、要するに、最善の注意をして、この事故にかんがみて今後事故のないように努力せよということは、これは当然言うべきことであると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/43
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044・大倉精一
○大倉精一君 言うだけじゃいかぬ。それは言うだけじゃだめであって、私はあとから聞こうと思っておるのだけれども、この航空会社は十二機飛行機を持っておって、操縦士が四十三名おりますね。一体要員はこれでいいのかどうか、私は聞こうと思っおりますが、非常にパイロットが不足しておるようですね。そこへもってきて、いま航空ムードが出まして、今度の場合でも、これは旅客の団体客です。こういう臨時のお客さんがあれば、どんどん臨時ダイヤを組んで飛行機を飛ばす。パイロットが少ない、少ないから無理して乗るということになる。したがって、疲労度が重なる、そこで精神的な弛緩が出る。出るからさっき申しましたように、当然機長のやらなければならぬことを、ついうっかりと何げなく副機長にやらしたという、こういう問題がたくさん出てくる。そういうような経営の運営の仕方について、運輸省は当然これは目を光らせなければいかぬと思うのですけれども、これはやっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/44
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045・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) ただいま御指摘のパイロットが労働過重になっておったんじゃないかという点でございますが、私は、この事故の第一報が参りましてすぐ操縦士の過去における乗務時間を調べました。しかるところ、制限の時間に非常に余裕のある飛び方をしております。むしろどうしてこんなに飛んでないのだと。したがいまして、労働過重というようなことは、私は、本件に関しましては、全然ない、かように考えております。
それから、先ほどの所有機材十数機に対して、操縦士四十三名、これも私は十分にそろえておる、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/45
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046・大倉精一
○大倉精一君 四十三名というものの内訳はどうですか、正規の操縦士ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/46
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047・大沢信一
○説明員(大沢信一君) 四十三名は操縦士だけでございます。あとの二十二名というのが資格整備士であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/47
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048・大倉精一
○大倉精一君 これは私よくあとから調べます。新聞に書いてあったり、世間で言われることは、パイロットが非常に労働強化になっているといえると思う。にもかかわらず、監督官庁のあなたのほうは、労働過重ではない、余裕のある飛び方をしておると言う、この見方が食い違っておったらたいへんですから、私もよくこれは調査してみます。新聞を見ますと、全国的に八十名はパイロットが足らぬそうですね。きのうの毎日新聞をずっと見てみますと、パイロットが足りない、あるいは養成能力もないというようなことで、目下のところでは、新しい飛行機を買っても、これを操縦する飛行士がない、こういうことをいわれているのですね。ですから、いまあなたはこれを十分だとおっしゃる、運輸省として。しかし、世間では十分ではないと言っている。この食い違いは私はあとで調査をしますけれども、しかし、こういう問題が起こるということは、何かあるのですよ、潜在的なものが。つまり技術的にブレーキの故障があったとかなんとかいうのじゃなくて、もっと潜在的な大きな原因が私はあると思う。そういうのをなくするために、合併を慫慂されているのだと思うのですけれども、合併と同時に、現在ただいまのそういう状況が、私は運輸省として、黙ってほおっておいて営業をさせておいていいのか——営業をストップさせろと言うのじゃないですよ。点検する必要があるのじゃないか。飛行機の点検は、しろうとでわからないですけれども、年に十回くらいあるそうですね。きのうも抜き打ち検査をやったということが新聞に出ていましたけれども、何かこういう検査を一斉にやる方法はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/48
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049・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) ただいま操縦士の問題で、新聞の記事と私の意見と食い違うというお話でございますが、操縦士が一般に不足しておるという点は、私もそのとおり認めます。ただ当該操縦士が過労であったかどうかという点につきまして、余裕のある乗り方をしておったということと、当該航空会社が操縦士四十三名を擁しておって、これだけの機材を扱うという点については、操縦士の不足はないと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/49
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050・大倉精一
○大倉精一君 三人とも余裕のある飛び方をしましたか、二人の機長と一人の副操縦士ですね。三人とも余裕のある飛び方をしておったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/50
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051・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) さようでございます。
それからさらに申しますならば、おそらくこのいずれの会社につきましても、操縦士というものはもちろん不足と申しておりますが、この不足というのをどう考えるか、すなわち、現在運営している路線について不足というふうに考えるのか、あるいは将来、各社が拡張の計画を持っておる、その場合に、どうも拡張するには不足である、こういう二つの不足のしかたがあるわけでございます。そこで私は、現在の路線を運営するのに人が足りないのに無理に飛ばすということはないと思います。むしろ会社として不足を訴える、あるいは先ほど私が全般的に不足であると申し上げましたのは、今後の輸送需要に見合って伸ばしていくというために不足があると、現に日本航空におきましても、外人パイロットを雇って、しかも、これを国内線に使っておるというような点、これはもう不足の端的なあらわれでございます。しかし、さりとて、現在日本航空が労働強化をやっておるとか、あるいはパイロットを節約して飛ばしておるというようなことではございません。そういう意味で一般的に不足しているという点は、私はそのとおりであるし、これの対策は考えて航空.需要についていかなければならぬという点は、そう考えておりますが、今回のこの操縦士三名が、オーバーワークになっておったということは絶対にございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/51
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052・大倉精一
○大倉精一君 もう一つお尋ねしますけれども、パイロットは、あなたのおっしゃることによると、将来に向かっては不足であるが、現在は不足してないと、こういうことですね。これも私はひとつ一ぺん勉強してみましょう。
それからさっき申しましたように、非常に競争も激しく、航空ブームもあって、過密ダイヤということがやはり汽車と同じようにいわれておりますね。航空についても過密ダイヤという状況があるのですが、臨時便をどんどん飛ばすと、そういうような状況でスチュワーデスや乗員の疲労度も加わっておるということも聞いておるのですが、そういう状況もありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/52
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053・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 私は過密ダイヤという記事を新聞で続みまして、どういう意味かよくわからなかったわけでございますが、いろいろ想像しますと、飛行機を無理に動かしているじゃないか、こういう意味であろうというふうに一応想像したわけでございますが、現在の実態を申しますと、飛行機を有効に使っておる会社は、日本航空あるいは全日空が非常に飛行機を有効に使っております。有効に使っておるといいますのは、飛行機の要するに遊ぶ時間を少なくしておる、こういう意味でございます。したがって、この点はそれではあぶないかと申しますと、この点は一定の制限のもとにやっておりますので、制限を越してまで飛行機を無理に飛ばすということはいたしておりません。しかし、かなり有効に使っております。また、この有効に使うということが、すなわち業者の経営状態をよくしておるという点でございます。したがって、経営基盤を強化するという点から申しますと、飛行機を有効に使うということが非常に重要なことであると思います。一方、いわゆるローカル会社と称せられる会社は、大局的に観察しますと、飛行機を有効に使っておらない、もっと使うことによっていわゆる経営基盤が確立するのではないかというふうに考えます。もちろん無理な使い方をすることは、これは一定の限度を設けなければなりませんが、やはり飛行機を遊ばすことによって非常に経費が寝てしまう。償却にしても金利にしても飛行機が遊ぶことによって寝てしまう。しかし、これをフルに動かすためには、やはり路線というものがそれに見合うだけのお客がなければフルには動かせないわけでございます。最もいい例が、日本航空でございますと、たとえば札幌と東京と大阪と福岡という四つのポイントを持っております。しかも、この間の旅客が非常に多い。大量にある。しかも、朝から晩まで、夜間まである。こういうような路線におきましては、日本航空の持っておる飛行機というものは非常に能率よく回転するわけでございます。いわゆる遊びが出ない。もちろん限度以上には使わせません。それから、乗務員も交代制によりまして、限度以上の労働強化ということはいたしません。現在私の聞いておるところによりますと、法律できめられたよりももっと下回った労働時間でやっておるというふうに聞いております。そういうような点で、しかも、会社としては機材を有効に使うという点において経営基盤が確立するということでございます。したがって、何かローカル会社というのは、わずかの機材を非常にくるくる回しておるというように新聞によく出ますけれども、特定の団体便があったときに往復するというようなことはあると思います。しかし、全体的に見まして、むしろもう少し私は飛行機を有効に使うというほうに指導していく、この点、路線をどういうふうに合理的にあんばいするかというようなことによって、当局としても、会社の基盤を強化するようにできるだけそういうようなくふうをするということは必要でございましょうが、現在の非常にくるくると回しておるということは、定期路線についてはございませんし、今回の場合も、決して臨時便じゃないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/53
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054・大倉精一
○大倉精一君 何かあなたのお話を聞いておりますと、利益を上げるには、あるいは経営をよくするには、こうしたほうがいいということのほうへずっと傾いていくわけですね。きょう私は飛行機の安全ということを重点に聞いておるのです。いままでずっと聞いておりますというと、日本の国内航空というものはどこにも危険がないということですね、まあ聞いておりますとですよ、人間の問題も飛行機の問題も運航の問題も、あるいは飛行場の問題も。にもかかわらず、最近ひんぴんとして起こります。これは世界的に飛行機事故は起こりますけれども、最近のように、ローカル線に続いて大小の事故が起こるということは、何かなければならぬ。そこで、しからば最近のようなこういう事故——きのうの事故も含んで、藤田航空の事故も含んで、日東航空の事故も含んで、こういう飛行機事故が起こるという潜在的な原因は、あるいは直接的の原因というものは、どういうところにあるのか。どういうぐあいに監督官庁としてお考えになっておるのか、それをひとつ最後に伺っておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/54
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055・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 私は、この潜在的な原因というものを、的確に論理的に申し上げること、また、証明をすることは、私の現在の立場ではできません。と申しますのは、事故原因につきましても、まだ解明しておりません。ただ、世上いわれるように、経営基盤が弱体であるということが事故の原因につながるのではないかという点でございます。また、私は、経営基盤が強化されることによって、事故は次第に減っていく方向にある。その意味からいいましても、経営基盤をしっかりさせるという方向に行政を持っていくということは、絶対に必要であろうと思います。それから、あるいは昨日もこういう議論が出ましたが、藤田航空も合併前に事故があって、今度も事故が合併前にあったというようなことで、合併前というものは事故と結びつくのではないかというような御意見もございましたのですが、これも私は、合併と事故とは直接の関係は、もちろんあるという証明はできませんけれども、あるいは精神的に多少そういうこともあり得るのかなあというふうに感じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/55
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056・大倉精一
○大倉精一君 まあ局長は、経営基盤の弱体ということがいまの原因である、こうなんですね。そこで、大臣、ひとつ最後に聞いておきたいのですが、経営基盤が弱い、弱いのが事故の原因である——弱いとどういう現象が起こるのか。いま局長さん、おっしゃったのですがね。いままでのあなたのお話によりますというと、パイロットもちゃんとしておる。路線もちゃんとしておる、それから航空機の使用が若干——もっとやったほうがよかろう、こういうことで、経営基盤が弱体だと言ったって、そこから起こってくる事故の原因というものは、いまのところないですね、あなたのさっきからのお話によるというと。ですから、この際、運輸大臣は、経営基盤の弱体だということ、これはあるでしょう。あるでしょうが、潜在的な有形無形の——今日のようなひんぱんに起こるローカル線の事故の原因というものは、一体どこにあるのか、最後に聞かしてもらって、私は質問をやめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/56
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057・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 科学的にこれを的確に説明することはなかなか困難なんで、大倉さんが指摘されたように、合併寸前といいますか、もう合併がきまっているということで若干の気のゆるみがあったのじゃないかという気がしますが、これは私は、実際どこに原因があったかということをいま調査中でございますから、判明次第にお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/57
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058・相澤重明
○相澤重明君 簡単に。せっかくこの報告書に出ているのですから、局長に御答弁いただいて、あと、大臣にひとつお答えいただきたいと思うのですが、この報告書の中を見ると、巡航速度四百三十二キロ時、それから航続距離は二千八百八十キロになっていますね。すると、これはあれですか、つまり六巡航という意味なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/58
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059・大沢信一
○説明員(大沢信一君) お答えいたします。巡航速度と申しますのは、最大速度に対する言葉でございまして、最大速度、つまり出し得る最大の速度はもう少し出るわけでございます。しかし、そうしますと、非常に燃料が不経済になりますので、燃料経済的に飛び得るなるべく速い速度というのがこの速度でございます。それから、航続距離というのは、速度は関係ありませんが、とにかく、できるだけ遠く飛ぶためには、積めるだけの燃料を積んでどこまで行けるか。ですから、巡航速度と航続距離と直接の関係はございません。もし巡航速度で飛んでこれだけの航続距離飛べるとすれば、いま御指摘のように、これで割っていただいて、たとえば六時間ぐらい飛べるということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/59
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060・相澤重明
○相澤重明君 そうしますと、東京—鹿児島間は、どのくらいかかって、いまの巡航速度、航続距離でいって、どういうふうになるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/60
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061・大沢信一
○説明員(大沢信一君) はっきりした数字は、私ただいま持ち合わせておりませんが、東京−鹿児島は、千数百キロじゃないかと思います。ですから、かりにこの巡航速度で飛びますと、まっすぐ行きましても二時間ちょっとです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/61
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062・相澤重明
○相澤重明君 ですから、私のお尋ねしているのは、東京−鹿児島間というと、一往復すれば、途中とまるところもありますから、こういうことに、一往復という形になるのかどうかということなんですが、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/62
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063・大沢信一
○説明員(大沢信一君) ちょっと御質問の趣旨がわかりかねるのですが、往復いたしますと、この距離になるかということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/63
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064・相澤重明
○相澤重明君 つまりあなたの説明によると出し得る速度が、キロ時四三二というのでしょう、これは飛べる速度、巡航速度が。で、航続距離というのは、とにかく続いて飛べる時間が二千八百八十キロでしょう。そうすると、結局は、経済的に割った数でいけば六巡航ということだけれども、東京−鹿児島間を、たとえば三時間とするというと、六時間で東京−鹿児島間は往復ができるということですね、途中とまるでしょうが。無着陸ならば三時間よりももっと飛べるのじゃないですか。どうなんですか、その点は。
その次に、実は、私が聞きたいのは、この報告書の中に、前回点検後の飛行時間は、六十八時間と書いてある。したがって、点検というものは、どのくらい飛んだ場合に行なうのかというのがひとつ聞きたいわけです。
その次に、その前にあるところの、前回オーバーホール後の飛行時間は、千五百六十七時間としてある。オーバーホールというものは、何時間飛んだならば行なうのか。こういう点が私は問題になってくると思う。しかも、製造後の飛行時間というものが、三万一千四百五十時間というのであるから、この飛行機が、使用しておって十分現時点においては危険というものはないし、それから点検というものも十分行なわれておる、こういうことになっておるかどうかという質問を続けていきたかったから、実は申し上げたのです。時間の関係で全部申し上げたわけでありますが、この関係はどうなんですか。点検というものはどのくらいの時間飛んだならば点検を周期的に行なうことになっておるのか。前回オーバ一ホール後の飛行時間は、千五百六十七時間、そして製浩後の飛行時間は、三万一千四百五十時間となっておるが、普通の飛行機の飛行時間というものは、どのくらいで大体いいものであるかという点を御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/64
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065・大沢信一
○説明員(大沢信一君) 最初の航続距離の問題でございますが、途中におりまして燃料を補給して行きますと幾らでも行けることになります。無着陸で一度積んだ燃料をフルに使いまして、二千八百八十キロ飛べるわけであります。ですから、東京から鹿児島に行って、鹿児島上空から帰ってきても一応帰れる計算になっております。
次に点検の時間でございますが、これは会社によって、必ずしも一定しておりません。飛行機によっても違いますが、富士航空のコンベアCV240に関しましては、整備規程でこういう時間をきめて、会社で申請してまいりましたものを私たちが審査いたしまして、こういうやり方で、こういう内容の点検をすれば、常時安全性が保たれるということを認めて認可いたしております。それによりますと、一番小さな点検は、七十五時間でございます。これを二回繰り返しまして、百五十時間の後に、二百時間の中型の点検をやります。その後七十五・七十五。二百という繰り返しをやっていきまして、オ−バーホールでございますが、世界各国とも、オーバーホールのやり方には二種類ございます。全金属機でございますと、完全なオ−バーホールは、一万時間ということが常識になっておりますが、一万時間のオーバーホールをやりますと、一カ月ぐらい飛行機が寝ます。オーバーホールのやり方は、分割方式でございます。一ぺんに全部のオーバーホールはやりませんで、部分的なオーバーホールを何回か繰り返して、ある時期に、全部のオーバーホールを完結しようという、富士航空も分割方式をとりまして、二千五百時間ごとにやっております。ここに書いてあります点検後の飛行時間、六十八時間というのは、この前に二百時間の点検をやってからの時間だが、前回オーバーホール後の飛行時間、千五百六十七時間というのは、飛行機の二千五百時間後のオ−バーホールをやりましてからのいわゆる時間でございますが、このオーバーホールは、富士航空が買います前に、アメリカで完全なオーバーホールをやって、オーバーホール・ニューになったものを買ったものです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/65
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066・岡三郎
○岡三郎君 運輸大臣にちょっとお伺いしますが、先ほど政務次官、それから航空局長から聞いたわけですが、事故をなくすために鋭意努力しているということで、ローカル線の会社の合併とか、あるいは、その他地方のローカル線の滑走路の整備、いろいろな問題を言われてきたわけですが、先般、九州視察のおりに、ますます航空事業というものは発展して、国際路線も非常に伸びてきて、国内の路線も伸びてきている。国際路線においては、外国人が来て外国人のパイロットがやった時代もぼつぼつ過ぎていこうという時代に、その中で、宮崎航空大学という、わが国における唯一のパイロットの養成機関ともいわれる民間のそういう養成機関が、まことに設備が充実していない。特に練習機が、質量ともに劣っておる。特に量の問題においても、全体の練習にことを欠くという。一生懸命やってはおりますが、これはもう一つは、航空士の養成というのは、ある程度人格の陶冶も非常に関係してくる。規律もやはりきちっとしていかなければならない。こういう点で学校当局も、寄宿舎の建設という問題を主にしている。ただ寝泊りしていくということじゃなく、常時そこに学生を入れて、やはり在学期間中、しっかりした技術と人格の陶冶をするという両面を兼ねたものをやはり必要とするので、そういう点で現在までくふうして、相当航空士を出しておりますけれども、今後、時代の要請に即応するためには、いささか貧弱だということをわれわれ実地に見てきた。学校当局も非常によくやっておりますが、そういうような点で、ことしの予算においては、先ほど局長からの答弁で、なかなか大蔵省のほうも頑迷であったようですが、ぜひともこの問題については、早急にひとつ手をつけてもらって、政務次官も航空局長も、練習機の問題なり宿舎の問題、設備の問題等、やはりがんばってやりたいということがあったが、根本は人の問題ですから、そういう点で、すぐれた操縦士、パイロットをつくるということも、航空事業の一番根本問題じゃないかと思うのです。それとあわせて、航空整備士の質の問題だと思うのです。そういうような点で、端的に言って、日本の宮崎航空大学という唯一の施設内容というものを、画期的に運輸省として計らってもらいたいというのが、われわれのこの問題を契機にした一つのお願いなんで、要求ということよりも、輸運省の大奮闘を要請したいと思う。運輸大臣のこれに対する所見、努力をお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/66
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067・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 全く同感でございます。いかに機械が発達いたしましても、結局、人が操縦し、監督し、扱うのですから、人が大事なことは申すまでもありません。航空大学の内容の充実につきましては、こういう事故があったことを一つの契機と申しますか、理由といたしまして、ぜひ内容の充実にほんとうに努力いたしていきたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/67
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068・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 先ほどの私の質問に対して、運輸大臣は、新しい免許はしない、こういう明確な答弁がございましたので、私も全くそのとおりだと思うわけなんです。
で、もう一つの問いに対して、閣議でそういう問題が話題になっていない、こういう答弁ですけれども、話題になったならないは別問題として、今日このローカル空港の悩みというものは、全国民の常識として、滑走路が短か過ぎる、こういうことであるとか、あるいは夜間飛行設備がない、加えて計器の着陸装置がない、こういう事柄がやはり問題だと思うのです。これはいずれも政府の政策としてやるべきことですから、私は運輸大臣は、よりこの問題について、積極的に今後努力してもらいたい、こう思うのです。
それから第二番目は、当然この運輸行政指導の問題として、大臣も再三述べておりますように、航空事業の経営基盤を強めていく、こういう問題があろうと思うのです。で、一つには、再三私どもも指摘したように、弱小企業は資力に問題があると思うのです。したがって、この資力をつけるにはどうするか、こういう問題に発展いたしますけれども、やはり私は、国家的な見地に立って、一つには金融の道があるでありましょう。もう一つは、日本航空に対しては、年々歳々かなり膨大な政府出資をいたして、この資力をつける援助を私はしていると思うのです。ところが、今日、日本航空を除いた以外の航空会社に対しては、金融は若干したのかもわかりませんが、政府が出資をするというようなことはなかったと私は理解している。これなどにおいても、かなり大きな問題ですから、十分こういう点を配慮をしてもらいたい。
そうしてまた、先ほどの滑走路が短い——千二百メーター論議になるのですけれども、これは航空局長、確かにその千二百メーターの滑走路が間に合うような飛行機、つまり機種をそれぞれの会社が備えつけていればいいわけです、安全性が保たれる、こういうことになるのだけれども、最近の航空機を利用する旅客の層は、もはや特権階級だけじゃなくなってきているのですね。完全に専務で出張をする人であるとかあるいは商談とか、あるいは新婚旅行をはじめとして観光客という需要客がぐんぐん伸びた。その伸びたいい証拠に、統計を見ても、北は北海道、南は九州に至るまで、いま民間の航空路線というものは、七十一線以上になったのじゃないですか。しかも、需要客というものは、当初から見ますると、所得倍増じゃないけれども、何十倍にこれはなっているのですね。ですから、こういう事情を勘案してみますると、確かに千二百メ−ターの滑走路が間に合うような航空機を整備すればよろしい、こういう原則的な理論は私は理解できたとしても、必ずしも机上における計画なりそういう理論というものは、今日的な事情の中では私は当てはまっていないところにやはり問題があると思うのですよ。ですから、これから運輸大臣がおっしゃっておりますようなこの経営基盤を強めていくという一環に立って、この機種の取りかえの問題がやはり起きてくると思うのです、かなり古い機種を使っているわけですからね、もうすでに飛行機は老朽化しているのですから。ですから、先ほど岡先生も言ったように、近代要請に伴って、新しいやはり機材というものと取りかえていくという問題が一つここに出てくると思う。
それからもう一つは、今日こう私どもが承知しておる中では、整備工場というものは、日本航空よりないじゃないですか。他の航空会社はないでしょう。いかに技術部長が、その整備の検査基準がこうであるとか、あるいは検査規程がこうであるといってみても、自分の会社に整備工場がないのです。しかも、整備していくにはかなりの資本が要るのです、お金がかかる。ですから、やはり営業政策として、そういう面であまり金のかかることはやらないというところに、やっぱり今日的事故の原因が一つあるとぼくは思うのですよ。だから、この整備工場を今後航空会社に一体どう持たしていくかという問題が私はあると思う。
それから、私はたびたび委員会で問題にしておりましたが、何だかんだといっても、この飛行機の安全性というのは航空管制にあるのじゃないかと思う。この点については、栃内局長は非常に努力をされまして、最近この航空管制の整備というものは充実されてきたと思うのです。間もなく全国的に計器飛行の体制に入っていくのじゃないか。これは一面非常に私は喜んでいいことだと思う。そこで、今度問題になりますのは、これは私のようなしろうとが申し上げるまでもなく、十分承知おきのとおり、今日いろいろ日本は、大は日本航空から、小さいのは日東航空などという会社、その他ございますけれども、それぞれの飛行機についておりまする計器というものは、ばらばらですよ。ですから、いかに一面航空局長が今日まで努力をされて、航空管制の体制をしいて、そうして計器飛行ができるようにしても、今度は飛行機のほうにそれにこたえるような計器がついていない、こういう事情があるのです。ですから、この際は、私は先ほど言ったように、行政の一環として指導して、計器というものを全社ともどもに統一するようにやはり指導をしなければ、これは管制体制をしいても意味がないことになると思うわけです。さてしからば、この計器を備えるためにはどうなるかというと、これまた、かなり金の必要な問題で、ですから、こういうものについても、ただ日本航空だけに国がかなりのものを出資して財政援助をするということじゃなくして、せっかく集約統合をされて、大臣がかねがね申されておるような、経営基盤を強めていくという大方針であるならば、こういう全般にわたる問題についても、私はより積極的に、国がその一環として援助をしていくような施策というものが必要ではないか、こう思うのです。こういう点、ひとつ大臣に伺っておきたいというふうに思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/68
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069・綾部健太郎
○国務大臣(綾部健太郎君) 全く同感でございます。そこで、それら必要な施策を行なうことにつきましては、どうしても資金が要る。その資金が財政上なかなかむずかしいので、私どもも苦慮いたしておるのでございます。財政当局に、来たるべき四十年度の予算にあたりましては、こういう事故が起こったことを契機といたしまして、さらにさらに予算の増額、またすべて、その滑走路を延ばすにしても、管制をするにしても、あるいはいろいろな面で、要員の養成にしても、非常な金がかかることで、これが今日の発達とテンポがなかなか金の面で合いにくいのを私どもは非常に遺憾としておるのでございますから、せっかく皆さんの御激励がありましたから、私どもも微力でありますが、そういうふうに努力いたしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/69
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070・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 大臣からそれぞれの答弁がございましたから、私は最後に強く要望しておきたいと思うのです。申すまでもなく、航空事業は、その性格からして、重大な私は使命と責任を持っているものであるとこう思っています。したがって、今日いろいろ、ただいままでの質疑応答にもございましたけれども、何とかやっている、こういうようなあぶなっかしい経営、あるいは小企業にやらせるべきものではない。これが私はやはり事故を起こす原因になっていると思う。事故が起きてから、毎度そうでございますけれども、その事故の原因を究明する、追及する、こういうことをやっている。しかし、こういうことをやってみても、これはもうあとの祭りなんですね。ですから、私はもう、日本の航空というものは、もはや試験的時代ではないと思う。先ほども言ったように、旅客需要というものはかなり伸びておりますし、国際的に毛、あるいは日本の航空業はかなり歴史を持ちつつあるわけでありますから試験時代ではない。実用の時代だと思うのです。したがいまして、これからの事故防止といいますか、事故対策といいますか、関係者もこういう機会をとらえて特段の、この根本的な努力と反省が必要でございますことと、より一そう私は万全を期してもらいたいということを申し添えて私の質問を終わりたいというように思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/70
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071・相澤重明
○相澤重明君 資料の要求。この際ひとつ資料をお出しいただきたいのですが、国内のエアポートについて、日米安保条約による米軍に提供しているもの、それから自衛隊の専用のもの、それから民間のいまのエアボート、こういう点をひとつお出しいただきたいわけです。それから自衛隊と民間の共用ができるものかどうか、これは私は、まあ法律的に、いろいろ持っていますが、一応もし使用ができるというならば、その使用ができる個所、それからその次は、先ほど滑走路の問題が出ておりましたが、その滑走路が、エアポートにどの程度の滑走路がついておるのか、それをひとつ記入してもらいたい。
それから航空会社の整備ということが、先ほどから運輸大臣が述べられておりましたけれども、その航空会社名の航路、それと現在の搭乗員といいますか、その航空会社に所属しておるところのパイロット、スチュワーデス、こういう人数をあげていただくと同時に、パイロットの平均賃金、スチュワーデスの平均賃金、これは、日本航空でも常に給与の問題がやはり議論されておりますから、日本航空、全日空を含めて、これについては資料をお出しいただきたい、以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/71
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072・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) ただいま御要求の資料、できるだけ早く調製いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613830X00819640229/72
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073・米田正文
○委員長(米田正文君) 本日はこれにて散会いたします。
午後一時十三分散会
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