1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年五月七日(木曜日)
午前十時二十四分開会
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出席者は左の通り。
理事
井上 清一君
草葉 隆圓君
長谷川 仁君
佐多 忠隆君
委員
青柳 秀夫君
鹿島守之助君
木内 四郎君
杉原 荒太君
山本 利壽君
岡田 宗司君
加藤シヅエ君
羽生 三七君
政府委員
外務政務次官 毛利 松平君
外務大臣官房長 高野 藤吉君
外務省条約局長 藤崎 萬里君
事務局側
常任委員会専門
員 結城司郎次君
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本日の会議に付した案件
○外交関係に関するウィーン条約及び
関係議定書の締結について承認を求
めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○在外公館の名称及び位置を定める法
律及び在外公館に勤務する外務公務
員の給与に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
○国際情勢等に関する調査
(国際情勢に関する件)
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〔理事草葉隆圓君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/0
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001・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
まず、外交関係に関するウィーン条約及び関係議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。本件につきましては、すでに提案理由説明と補足説明を聴取しておりますので、これから直ちに質疑に入りたいと存じます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/1
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002・岡田宗司
○岡田宗司君 この条約を批准して、日本においてもこれが実施されるということになりますと、現在と、それからこの条約が実施されたあとと、どういうふうに違いが生ずるか、この点ひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/2
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003・藤崎萬里
○政府委員(藤崎萬里君) 実際上変わることはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/3
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004・岡田宗司
○岡田宗司君 日本において変わることはない。しかし、これが他国において批准されてまいりまして実施されるということになりますというと、日本の外交官が他国において受ける待遇等について変わる点はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/4
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005・藤崎萬里
○政府委員(藤崎萬里君) この条約は、元来国際慣習法としてできている外交官に与えられる特権免除をいわば法典化する趣旨からできたものでございまして、事態が明確化されるということにはなりますが、実体的変更は、ほかの国についてもほとんどないのじゃなかろうかと思います。世界各国について断定的なことは申し上げられませんけれども、通常私どもが諸外国で与えられている特権免除は、大体この条約に盛られているものと一致しているように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/5
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006・羽生三七
○羽生三七君 そうすると、従来国際慣行で扱われておったものを具体的に法典化した、そういうことにすぎないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/6
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007・藤崎萬里
○政府委員(藤崎萬里君) 大体そう申し上げて差しつかえないと思いますが、多少明確化されたと言ったほうがいいかもしれません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/7
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008・岡田宗司
○岡田宗司君 第二十七条の一ですね、「接受国は、すべての公の目的のためにする使節団の自由な通信を許し、かつ、これを保護しなければならない。使節団は、自国の政府並びに、いずれの場所にあるかを問わず、自国の他の使節団及び領事館と通信するにあたり、外交伝書使及び暗号又は符号による通信文を含むすべての適当な手段を用いることができる。ただし、使節団が、無線送信機を設置し、かつ、使用するには、接受国の同意を符なければならない。」、こういうただし書きがあって、無線送信機の場合には、条件として「接受国の同意」というのがあるわけですが、日本は他国に対してこれを許してないわけですが、この条約が批准され、日本も実施するということになった場合に、漸次これを許す方向をとるのかどうか。それから第二には、日本は他国において、現在、この「接受国の同意」を得て無線送信機を使っておるかどうか。そこのところをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/8
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009・藤崎萬里
○政府委員(藤崎萬里君) 最初の点で、いまの無線送信機を設置することが認められていない法制を改めるつもりかという御質疑に対しましては、私どもといたしましては、そういう方向で進んでいただくように、郵政当局のほうと協議をいたしております。あまりはっきりしたことは、私どもだけできめられませんので、申し上げかねますが、そういう方向で行きたいと思っております。
第二の、わが在外公館で無線送信機を使っておりますのは、タイだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/9
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010・岡田宗司
○岡田宗司君 いまの点について郵政当局といま相談しているということですが、いままでこれが行なわれてないということ、それから、まだ話し合いをしているということの中には、何かこれを使うことを認めると不利になるとか、あるいは何か障害があるとか、そういうことのためにそうなっているのかどうか。もしそうだとしたら、どういう点で障害があるのか、その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/10
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011・藤崎萬里
○政府委員(藤崎萬里君) 根本的に、国際的に日本が割り当てられております周波数が非常に少ないということでございまして、まあ自国民優先といいますか、そういう見地から、郵政当局としては、なかなかこれまでのところ、踏み切れないでおられる状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/11
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012・岡田宗司
○岡田宗司君 そうすると、その周波数が少ないということだけであって、他国の在外公館がこの無線送信機を使うために日本側がこうむる不利とか、そういう点はないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/12
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013・藤崎萬里
○政府委員(藤崎萬里君) 周波数をそれだけさくという以外に、不利はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/13
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014・佐多忠隆
○佐多忠隆君 この条約批准をすでに済ましている国はどこどこなのかということ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/14
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015・藤崎萬里
○政府委員(藤崎萬里君) アルゼンチン、キューバ、チェッコスロヴァキア、ガーナ、グァテマラ、イラク、リベリア、パキスタン、パナマ、スイス、タンガニーカ、ユーゴースラヴィアでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/15
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016・佐多忠隆
○佐多忠隆君 何か批准でもめているような国はないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/16
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017・藤崎萬里
○政府委員(藤崎萬里君) そういうことは聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/17
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018・佐多忠隆
○佐多忠隆君 それから、この条約に西側で調印をしてない主要な国があるのかどうかということ、それから、共産圏で調印をしているのはどことどこなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/18
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019・藤崎萬里
○政府委員(藤崎萬里君) 西側、東側ともに、主要な国はほとんど入っていると申してよろしいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/19
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020・佐多忠隆
○佐多忠隆君 それでは、日本の扱いとして、未承認国に対してこういうものに準じて外交官を扱うというようなことはあり得るのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/20
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021・藤崎萬里
○政府委員(藤崎萬里君) 未承認国からは外交官が来るということはまずないわけでございますので、扱いの場が起こらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/21
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022・佐多忠隆
○佐多忠隆君 じゃあ、たとえば大陸中国から外交官がパスポートを持ってくる場合がしばしばあるですね。そういう者に対する扱いはどうなりますか。これに準じて扱うというようなことをしているのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/22
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023・藤崎萬里
○政府委員(藤崎萬里君) 向こうの旅券は、日本政府としては、正式の政府の文書としては認めがたいわけでございまして、そこで御存じのとおり、中共から日本に入国したいという人には、一般の場合の旅券に査証するという手続でなくて、渡航証明書を発給するという手続をとっているわけでございます。したがいまして、外交旅券とかいうものは、面接日本との関係では表面に出てこないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/23
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024・羽生三七
○羽生三七君 ぼくら専門のことばはわからないのですが、「ベルソナ・ノン・グラータ」ってどういうことですか。それから、こういうことは、普通こういう条約の中へ、そういう外国語もなまのまま入れる慣例があるのですか、その辺はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/24
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025・藤崎萬里
○政府委員(藤崎萬里君) あまり好ましいことじゃないかもしれませんが、世界じゅうの国がそういうことばでみんなつかっておりまして、翻訳しないことばになっております。たとえば「アグレマン」とかいうのもその例でございますが、むしろそういうことばはそのまま、そのものずばりでつかったほうが、「好ましからざる人物」なんというよりは、あのことかというふうに理解できるわけだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/25
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026・羽生三七
○羽生三七君 これは、やっぱり通称大使館というのは、全部ミッションになるわけですか、使節団という形でみんな呼ばれるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/26
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027・藤崎萬里
○政府委員(藤崎萬里君) いわば普通名詞といたしまして、この条約では大使館、公使館と言わないで、そういう呼び方をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/27
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028・加藤シヅエ
○加藤シヅエ君 少しこの条約直接でない質問をしてよろしゅうございますか。——女性で、外交官試験を受けて、合格して外交官の資格を持った婦人が、その夫の方がやっぱり外交官である場合には、日本の外務当局としては、そういう御夫婦の任地というものはどういうふうに考慮されるか、考えていらっしゃいますか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/28
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029・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 現在、外交官と申しますか、上級試験を通った婦人の方が一人おりまして、結婚されまして、現在フィリピンにおります。その配偶者も現在フィリピンにおります。しかし、外務省に入りましてからまだ四、五年でございますから、そういうふうに両方外交官として同任地につとめておりますが、今後だんだんその地位も上がり、年もとってきますと、必ずしも同任地ということは人事運営上、管理上むずかしいのじゃないかと思って、まあ、現在御当人も苦慮しておられるようですし、われわれとしても、今後どういうふうにやるか、必ずしもいつでも一緒の任地ということははなはだむずかしいのじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/29
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030・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) ちょっと……。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/30
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031・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) 速記をつけて。
他に御発言もなければ、本件に対する質疑は終局したものと認めて御異議がございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/31
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032・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) 御異議ないものと認めます。
これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。——別に御意見もないようでございまするから、討論は終局したものと認めて御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/32
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033・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより採決に入ります。本件全部を議題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/33
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034・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) 全会一致でございます。よって本件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/34
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035・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) 御異議はないものと認めて、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/35
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036・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) 次に、在外公館の名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより質疑に入ります。御質問のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/36
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037・岡田宗司
○岡田宗司君 在外公館ですが、たとえば外国のほうで日本に公館を置いておるのに、日本のほうでもって公館を置いてないというような国が幾つかありますね。いまそういうのはどのくらいあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/37
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038・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) お答えいたします。向こうからこちらに公館を置きまして日本が置いてない国が、現在におきまして、ルーマニア、ブルガリア、グァテマラそれからアフリカの上ボルタの四カ国であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/38
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039・岡田宗司
○岡田宗司君 若干の時期置かないというようなことはいいのですけれども、たとえばルーマニアだのブルガリアの場合には、国交が結ばれて向こうがこっちへ置いてからだいぶんたっておるのですね、こっちのほうで置かないまま。今度、たとえばルーマニアなど赴くようになるのですけれども、どうも私、池田さんがよく日本は大国だ大国だと言うのだが、いわば小国といわれるほうの国が日本に公館を置いて、こちらが向こうに置かないというのは、あまり大国らしからざるものと思うのですが、これはやはり大蔵省の関係でそうなっておるのですか。何かほかの理由でそうなっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/39
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040・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 原則として相互主義になるわけでございますけれども、向こうが日本に対して非常に重要性を認めておる。それから、私のほうといたしましても重要性を認めないわけでございませんが、在外公館は一挙に急にはふえないということで、逐次……今回ルーマニアにつきましては御審議願って、来年の一月から実館を置きたい。置いてない国につきましては、兼摂ということで一応過渡的には済まして、逐次実館を置いていく、そういうふうになっていく次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/40
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041・岡田宗司
○岡田宗司君 それはなにですか。やっぱり経費上の問題で大蔵省がなかなか予算を出さないということからなのか。それとも、何か、いまあなたの言われたことばのうちに、向こうは日本を重要に思っているけれど、こっちは向こうをあまり重要に思ってないので置かないのか、どっちの理由なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/41
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042・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 両方ございまして、こちらが重要視してないと言うとちょっと語弊がございますが、一どきに多く公館が一年にできませんので、若干順序がございますので、重要性の問題とそれから大蔵省との予算の関係、両方あるかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/42
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043・岡田宗司
○岡田宗司君 大国大国を振り回すなら、向こうさんがこっちを重要だと思っておるなら、こっちも気前よく置いてやったらいいんですがね。そのほうがすっきりしていいんじゃないですか。どうもあまり向こうの重要度を認めないから置かないのだというようなことでは、これはもう大国も少し鼻につくようだし、相互主義で行くのがほんとうじゃないかと思うのですがね。これは今後方々の国と貿易もふやしていかなければならぬというような場合に、やはり障害になることなんですから、もっと外務省のほうでも大蔵省のほうを説得して、そして大蔵省に十分に認識さして、相互に一緒に置けるようにしたらどうなんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/43
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044・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 先生の御指示といいますか、お気持ちに従って今後とも努力していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/44
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045・佐多忠隆
○佐多忠隆君 これで、日本の大使、公使、総領事、領事、おのおの何人くらいずつになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/45
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046・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 現在、実館といたしましては大使館が六十八、公使館が一、総領事館二十五、領事館が六、それから代表部二になっております。御審議願っておりますので、大使が三名ふえまして、総領事が一名です。それで、現存実館が百二でございます。それでふえますのは、結局六ふえまして百八になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/46
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047・岡田宗司
○岡田宗司君 アメリカはどれくらい置いておるのですか。イギリスはどれくらい置いて、西ドイツはどれくらい置いて、フランスはどれくらい置いておりますか。ついでにイタリアも。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/47
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048・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) ちょっといま調べます。——アメリカは大使館が百五でございます。公使館が四、総領事館が百七十四、合計二百八十三になっております。それから、イギリスは大使館が八十二、それから公使館が五、総領事館が二百九、合計二百九十六。フランスが大使館が百二。公使館はございません。それから総領事館が二百十三、合計三百十五。それから、西ドイツが大使館が九十六、公使館が六、総領事館が八十三、合計百八十五。それから、イタリアは大使館が八十四、公使館が六、総領事館が百四十八、合計二百三十八。大体日本の二倍ないし三倍の在外公館を各国が置いておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/48
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049・岡田宗司
○岡田宗司君 あまり大国並みじゃないですがね。それはそれとして、大使館と公使館ですが、昔はだいぶ大使館と公使館というのは段階があって、だいぶ公使館の数が多かったのですが、このごろはどうも公使館というのが少なくなって、日本なんかも公使館というのは幾つもないわけですけれども、たとえば今度ルーマニアも格上げになるしブルガリアも格上げになる。兼任のままで大使館になるわけでありますけれども、もう公使館、大使館の区別というものは実際上必要ないんじゃないでしょうか。どうして公使館を置くということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/49
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050・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 戦前は公使館が多くて、大使館は、戦前の慣行によりますと、いわゆる大国同士が交換いたしまして、そうして、いわゆる小国と申しますと語弊がございますが、小さい国はお互いに公使館を交換するし、また、小さい国は大きな国に対して公使館しか出さなかったというのが慣行でございましたが、戦後は、各国ともそういう慣行が乱れると申しますか、廃止いたしまして、相互に大体大使館を交換することになっております。しかし、まだ背のあれがございまして、若干公使館を出しておる国がございますし、まあ日本といたしましては、現在はまだハンガリア、ブルガリア、ルーマニアには公使館ということになっておりますが、今後はますます公使館というのが大使館に、外交使節ということで全部大使館に昇格していく傾向にあるかと思われます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/50
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051・岡田宗司
○岡田宗司君 たとえば、ルーマニアとブルガリアが大使館になるわけですが、ハンガリアは残る。こういう場合に、向こうのほうから大使館に格上げしてくれというような要求がありました場合には、日本としては大体難色を示すことなく応ずることになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/51
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052・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) ハンガリア及びブルガリアにつきまして、お互いに両方で相互に相談いたしまして、こちらが昇格したら向こうも昇格するというのは大体話済みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/52
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053・岡田宗司
○岡田宗司君 そうすると、もう公使館というのはなくなってしまうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/53
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054・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 日本に関する限りは、全部今度大使館です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/54
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055・岡田宗司
○岡田宗司君 いままで新しく置く場合に公使館の交換をやって、それからしばらくたってから大使館ということになったのですが、これからは大体いきなり大使館と、こういうことになるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/55
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056・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 大体、現在そういう考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/56
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057・羽生三七
○羽生三七君 三、四年前に一度承ったことがあるのですが、国家総予算に占める外交関係の経費ですね、その後、米、英、ソ等、主要な国との比較でどうなっておるか。三、四年前パーセンテージを一応一通り調べてくださったことがあるのですが、その後若干変化があるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/57
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058・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 現在、外務省関係予算の総予算に占めるパーセンテージは〇・七%でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/58
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059・羽生三七
○羽生三七君 それと外国の主要な国との比較ですが、もしわかっておったら。別に金で外交がどうということはないと思うけれども、一応承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/59
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060・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) いま資料を取り寄せまして、御返事いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/60
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061・加藤シヅエ
○加藤シヅエ君 やはり大国らしく外交をやる人はたいへんであると思うのですけれども、いろいろな点から一向大国らしくなくて、ずいぶんみみっちくて、出先の公館の方は非常に苦労しておられることが多いように拝見いたしますが、その中でも、たとえばアメリカとかソ連とかいうほんとうの大国では、在外公館は、もう自分の所有の土地で、自分の所有の建物で、しかも大々的な建築をして、そしてたいへんな大ぜいの陣容をそこへ整えて非常な活躍をなさっていらっしゃるというようなことを見聞きいたしますのですけれども、日本の場合はほとんど家賃で借りているというようなかっこうでございますね。あれは、借りているというようなかっこうは、ただたいへん肩身が狭いということだけでなくて、日本の国有財産としても、ああいうようなやり方というのは、ほんとうは国家の損失になるのじゃないかと思うのでございますね。いまどんどん、方々の土地や家屋が値上がりをしているのに、それをいつまでもいつまでも家賃を払ってやっているということ、そのことを、いま占めておるような所はみんな買い取ってしまうというようなことを、もう少し大蔵省に働きかけて買い取ったほうが、国有財産として非常に得じゃないかと思いますし、第一、あんな家賃を払っているというのはずいぶんかっこう悪いと思いますのです。そういうことについて、外務省ではどういうふうに考えていらっしゃるのか。また、どんな働きかけをなさる御計画なのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/61
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062・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 在外公館の事務所並びに公邸につきましては、現在国有というのがわりに少ないのでございまして、逐次現在住んでおる所を買う。ないしは、東南アジアにつきましては適当な建物がございませんので、土地を買いまして、その上にわがほうで建てるということで逐次拡大し、逐次国有財産化していきたいと存じておる次第でございますが、これもやはり大蔵省との関係で、予算の関係で、一時に全部買ったり建てたりするというわけにまいりませんで、漸次そういうふうにしていくということは、外交のためにも、また国家全体の、長い目で見れば財政上もかえって得じゃないか、そういうふうに努力いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/62
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063・加藤シヅエ
○加藤シヅエ君 ぜひそういうふうに努力なさっていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/63
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064・岡田宗司
○岡田宗司君 在外公館にいろいろなアタッシェが出ておりますね。たとえば駐在武官に当たるものもあるし、それから、このごろは文化アタッシェとか、労働アタッシェとか、いろいろありますが、大体のああいうふうな特別なアタッシェは、それぞれどれくらい配置されているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/64
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065・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 各省から、専門の方が各在外公館に参られておりますが、現在百三十三名で、一番多いのが通産省でございまして四十二名、大蔵省が二十八名、農林省が十五名、防衛庁十三名、運輸省七名、科学技術庁七名、労働省四名、以下各省一、二名ずつ、そういう配置になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/65
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066・岡田宗司
○岡田宗司君 最近、文化交流といいますか、これが盛んになってきて、各国で、公館へこれを主たる任務とするいわゆる文化アタッシェというものをずいぶん方々の国では出しております。日本では何人、そしてどことどこに、いま置いておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/66
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067・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 文化交流は、外務省といたしましても今後大いにやっていきたい。それで、昨年度には文化事業部という新しい部を増設して文化外交を漸次やっていく。まあ、在外公館においてそれを担当いたしておりますのは外務省プロパーの人で、いろいろなことがございますので、必ずしも文部省の人がそれに適するというわけでもございませんので、外務省プロパーの方がそれぞれやっております。ただし、文部省から一名いまパリに行って、あそこでやっている。そういうかっこうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/67
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068・岡田宗司
○岡田宗司君 他省からでなくて、こちらで、兼任でなくて、専門にやっているのはどのくらいおって、そうしてどことどこにおるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/68
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069・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 情報と啓発及び文化——人員の関係もございまして、これは一体としてやっておりまして、現在六十七名おります。大きな公館には大体配属してある。大使館には文化関係官。そういうふうなかっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/69
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070・羽生三七
○羽生三七君 OECDの場合は、今度どういう地位を占めるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/70
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071・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) これは政府代表部ということになりまして、現在、国連代表部、ジュネーブにおける政府代表ということでOECD、パリにおける日本の政府代表——名前は代表部でございますが、実際の扱いは、在外公館、すなわち大使館と同じような地位と特権を持っております。そういうかっこうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/71
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072・羽生三七
○羽生三七君 この中には出てないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/72
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073・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 代表部は組織法のほうで、在勤俸だけはこの在勤法でやっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/73
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074・岡田宗司
○岡田宗司君 たとえばOECDに派遣される大使、それから、そこのミッションにもこの外交特権というものは与えられておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/74
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075・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 現在、まだ外務省の設置法が通っておりませんので、パリでは代表ということでおりますが、この設置法が通りましたら、大使という正式な名前を与えまして、外交特権を得るということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/75
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076・長谷川仁
○長谷川仁君 外交問題の焦点が中共に移っていくわけなんですが、台北の大使館とかあるいは香港の総領事館で、情報工作費といいますか、あるいは収集費はどのくらい取っておりますか。パーセンテージでけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/76
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077・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 交際費は各館に、大体人数とか仕事の重要性、頻度ということで一応割り当てておりますが、報償費というのは、そのつどいろいろな事件なり懸案なりが起きたときに特に配賦をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/77
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078・長谷川仁
○長谷川仁君 そうすると、現在の予算で、たとえば香港総領事館あたりは十二分に中共に関する情報収集ができるというお考えでございますか。それとも、絶対足りないか。その辺、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/78
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079・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 交際費とかそれから報償質的なものは、そのつどいろいろ査定いたしまして配賦いたすわけでございまして、こういう経費は、いつも十分だということはございませんで、いつも各公館長からは本省に要求があるわけであります。それをケース・バイ・ケースで必要と認めた場合には、ある程度査定いたしまして配賦する、そういうかっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/79
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080・長谷川仁
○長谷川仁君 一例を香港にとりますと、アメリカの総領事館あたりが中共関係の情報を収集している外交官と申しますか、情報工作員は別として、一応リストに載っている連中はどれくらいいるか。また、イギリスがどれくらいいるか。日本は中共問題を専門に担当しているのは何人いるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/80
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081・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) わが方の香港総領事館の定員は十八名でございます。それから、アメリカは二百名おると推定いたしております。イギリスは、あすこは総督府でございまして、これは外交関係というよりも、行政官庁があるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/81
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082・長谷川仁
○長谷川仁君 幸いここに政務次官もいらっしゃいますから、私は外務省に対して申したいことは、もう少し強腰になって、そうして国家民族の運命を決するような中国問題をこれから担当する以上は、われわれはこれだけのものがなければ中国の問題を研究できないという態度をはっきり打ち出すときが来ていると思う。われわれ現実にコレスポンデントとして香港にいたときは、総領事館はのりとはさみで情報を集めている。実際に現地の新聞を切り抜いて、それを送っているにすぎないのです。現実に中共から帰ってきた連中を呼んだり、あるいは上海あたりから帰ってきた人とか、あるいは船乗りをつかまえてそうして上海の状況、各地の状況を聞くことすらも金がなくてできない。これをわれわれも知っているのですから、本省あたりで、こういった面についてわれわれはどうしても予算を取らなければならぬという腹がまえを持つ必要があると思う。現実に、たとえばこれから中共問題が非常に切実な問題になってきた場合に、これはアメリカやイギリスの中共情報に比べればおくれをとるばかりだと思う。その点どうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/82
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083・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) われわれも、与えられた定員、与えられた予算で大いに御趣旨の点は努力いたしておるつもりでございます。これは先生のおっしゃるのりとはさみだけというのは、いつごろの時代か存じませんが、最近はそれよりも若干改正されていると私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/83
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084・長谷川仁
○長谷川仁君 今度は逆に、私は在外公館の方々は、日本の国内事情を非常にキャッチしていないと思う。というのは、現在本省から在外公館に、たとえば日刊新聞なり雑誌なりどの程度送っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/84
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085・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 本省からいろいろな図書と申しますか、調書はもちろんのこと、あと大体主要の日刊新聞それから雑誌なりは、これは大体各館にみんな送っています。ただ主要新聞全部を送るわけにまいりませんので、朝日、毎日、読売、日本経済、雑誌は中央公論とかエコノミストとか東洋経済、こういうものは大体送っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/85
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086・長谷川仁
○長谷川仁君 現在、中国課長以下中国問題を専門に担当している方は一体どれくらいいるのですか。それから、将来この中国問題を担当するためには、中国語をマスターさせなければならぬ。そういった教育方法、研修なり、そういったことはやっておりますでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/86
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087・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 現在アジア局の中国課には、中国の専門家が大体三十五名おりまして、それから香港、台北等に中国の専門家を送っておる次第でございます。それから、上級試験を通った——英語とかフランス語で通った人も、毎年一人ぐらいずつ中国語をそれから勉強さしております。それから、中級試験の人も、中国語で通る人はもちろん、通らない人も、外務省に入りましてから中国語を勉強さしております。そういったことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/87
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088・岡田宗司
○岡田宗司君 まあ、これから甘木も大国並みに方々と国交を結んでいかなければならぬわけですけれども、これからアフリカあるいは中近東あるいは中南米ですね、これらのほうに対して在外公館を置くというような計画はどれぐらいあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/88
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089・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) いま御審議願っている在外公館に関する法律で、中南米、ブラジルに移民関係で置く。それからアフリカへは、今度のあれはございませんが、来年度新しい国が独立した場合に、実館を置くか、兼館を置くか、これから検討いたしたいと考えておりますが、まあ、アフリカ、中南米はわれわれとしていままであまり重点的に考えていなかった面もあるやに考えられますので、その点もひとつ来年度は検討していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/89
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090・岡田宗司
○岡田宗司君 それから、まあ東西関係がだいぶ変わってきたんですが、共産圏の国ですね、この方面に対して、たとえばモンゴルとかああいうところに対してはどういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/90
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091・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 共産関係は、現在御承知のとおり、ブルガリアを抜かしましては全部実館を持っておる次第でございます。で、いま御質問のモンゴルについては、現在考えておりません。
それから、先ほど岡田先生の御質問の各国の外務省と総予算とのパーセンテージ、これは、アメリカは〇・三六五という状況で、日本よりも少し悪いんですが、これは御承知のとおり、国防費が非常に大きいので、どうしても率が悪くなる。実質的には非常に大きい、それから、イギリスは〇・八一五%、フランスが一・一四三%、ドイツが〇・八%と、いずれも日本よりも多くなっておるという次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/91
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092・岡田宗司
○岡田宗司君 いま台湾とちょっと関係が悪くなって、両方大使がいないわけですね。代理大使ということになっておるわけですが、日本の台湾における在外公館はどれくらいの人数からなっておるんですか。また、総領事館、領事館は台湾に何ヵ所あるか。そして、いまの情勢からいって、しばらくはいまのままでいくことになりそうですか。これは毛利さんに聞いたほうがいいかもわからぬけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/92
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093・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) 現在わがほうからは大使があちらへ行っております。しかし国府側は去年張厲生氏が帰りまして、そのまま代理大使ということになっております。それから、現在国府にわがほうの大使館は十四名でございます。特に増員ということは考えておりません。それから、領事館は、現在のところ台湾にはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/93
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094・佐多忠隆
○佐多忠隆君 この間財界の諸君が岩佐君を団長にアメリカに行ったんですが、その帰った新聞記者会見の第一声で、日本の、アメリカに出している総領事、領事が、まことにお粗末で困ったものだということを、第一声にあげておきましたが、それに対して何か外務省としては対策をお考えになっているかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/94
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095・高野藤吉
○政府委員(高野藤吉君) お粗末ということばかどうか私よく覚えておりませんが、まあ一、二不手ぎわな公館があったやに聞いております。これはまあ、なれないいろいろちょっとした不幸な事件が重なり合って、そういう印象を使節団のほうに与えたのではないか。われわれはこれに対して厳重に注意すると同時に、今後の改善策はもちろん考えております。それから、岩佐団長の言われたのは、もう少し領事館をアメリカにふやせ、それから、それができなかったら名誉領事でもけっこう。貿易が三〇%もアメリカにあるのに、人員が、在外公館全部で九百名のうち、大体アメリカだけで有名くらいで、一〇%くらいじゃないか。これも配置が少ないのではないか。そういう御趣旨は聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/95
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096・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は終局いたしたものと認めて御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/96
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097・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。——別に御意見もないようでございまするが、討論はこれをもって終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/97
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098・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) 御異議ないものと認めます。
それでは、これより採決に入ります。本件全部を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/98
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099・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/99
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100・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/100
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101・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) それでは、ただいまより国際情勢等に関する調査を議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/101
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102・岡田宗司
○岡田宗司君 毛利さんがおいでになっておりますからお尋ねしたいのですが、もうだいぶ前のことで、いまごろお聞きするのもどうかと思うのですけれども、台湾に行ってこられて、ちょうど吉田さんのあとに行かれて、いろいろ向こうの要路の人と話してこられたと思うのですが、かなり台湾側の日本に対する態度というものはきついように私ども聞いておりますが、毛利さんは直に向こうに行かれて話を聞いてこられたわけですが、台湾側は日本の、つまり現在の池田内閣が中国に対して、つまり大陸中国に対してとっておる態度についてどういう点を最も不快に感じ、そうして、日本に対してかなり強い態度に出ておるのか。その点直接向こうで話してこられたのでよくおわかりと思いますが、お話し願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/102
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103・毛利松平
○政府委員(毛利松平君) 一番やっぱり彼らが関心を持っておるのは、具体的にはビニールの延べ払い、これがもしうわさの、日本が計画したごとく実施される場合には、両国の国交を断絶並びに相互の交際を一切断ちたいという決意があらゆる言論の中に見られます。その根底をなすものは、よき自由主義陣営の仲間であり、兄貴分でありり、心のかてだと彼らは信じてきておる。その間反共への同調が、必ずしも期待するような行動をとってくれないのじゃないかという点から発して、いろいろな問題が出てきておると思いますが、けだし、その間向こうの国柄が、おい立ちが、世界環境における地位が非常に変わってきておりますので、やや神経質な点が各所に見られます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/103
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104・岡田宗司
○岡田宗司君 ビニロン・プラントの問題は、もう第一回のものはすでに済んだのですが、問題なのは第二回だと思うのです。現在すでにこの問題については福田通産大臣はオーケーを出しているように聞いておりますけれども、まだ実際に調印までに至っておりません。これについて毛利さんはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。現在の政府は、通産省はそれを進めようとしておるわけですが、これに対して毛利さんは台湾の事情を話してそれを中止させようというようなお考えであるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/104
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105・毛利松平
○政府委員(毛利松平君) その具体的な答えの前に、結果が大事なことでありますけれども、経過においてやはりきめのこまかい交渉があって初めて、同じ結果を生んでも影響するところが違ってくるというものの考え方に立って、さて、それじゃこれをやめるべく私は行動をとったわけでもないのですが、ちょっと、結果においてやるにしてももう少し相互の両国の間に徹底した理解を置くような話し合いをしなければならぬと思います。しからば、今日において普通その話し合いが理解の限度に達するであろうか、なかなかこれはいかないと思います。願えることなら、やめることが一番対中華民国との関係を考える場合にいいことでありますが、はたして日本がそれをやれるかどうか、これもなかなか困難だ。しからば今日までこれを、日本の立場をもっともっとやはりきめこまかくたび重ねて理解さして、同じ行なうにしても、行ない方がある。やはり向こうが言っておるのは、長期信用銀行の政府機関を通じてやる、これに対する非常な強い関心を持っております。日本の考え方としては、今日の世界貿易の常識からいって延べ払いはもう普通なんだ。これはどうしても理解してくれません。したがって、これは私個人の見解から申し上げますと、同じやるにしても、長銀の金をいまのように裸で出さないで、もうちょっと配慮すべき点が、民間の形において、方法においてあるのではないか。ある程度の努力は、過去のいわゆる中華民国——台湾政府との歴史的いきさつにおいても、平和条約締結国であるという立場においても、また、国も個人も、信義を抜きにして外交の基調はないという——国の利益ということは大事なことであるが、同時にまた、基本は信義という意味において、私は考え方が、くふうがあるのではないか。やらなければならぬとすれば、あるのではないか。こういうぐあいにいまいささか腐心をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/105
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106・岡田宗司
○岡田宗司君 松村さんが帰ってこられまして、きのう総理に会われた。LT貿易を進めていく。両方で、民間の駐在員といいますか、これを交換する。それからまた、新聞記者の交換の話をしてこられた。これは実現の可能性がありそうです。これが、あなたのお考えでは台湾に対してどういう影響を与え、もしそれが実現される場合に、台湾がそれに対してどういう反応を示すというふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/106
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107・毛利松平
○政府委員(毛利松平君) 私は慎重に、本件を、いま申し上げますように結果は同じ結果が生まれるにしても、慎重にわが国としては取り計らうべきだ。また、いま慎重に外務省も検討中であります。その結果プラスでは、言うまでもなく、ないのですが、かなりマイナスが出てくると思いますが、レかし、先ほどのやはりビニロンの問題の基本的な問題が済めば、この問題それ自体の反響はもちろんマイナス点が出てまいりますけれども、やはり基本はいまのビニール問題のほうが大きいと、こういうふうに感じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/107
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108・岡田宗司
○岡田宗司君 フランスが中国を承認して台湾との国交を断絶といいますか、ないものにしてしまったんです。このことが与えた台湾への影響、台湾政府はこれに対してどう考えておるか。今後、たとえば国連等においてやはりフランスにならうものが出て、そうして国連においても中国の代表権問題が問題になってくる。それらが台湾に与える影響といいますか、それから、まず台湾がこれに対して今後どういう対策をとるか、そういうことについてお話しになったかどうかわかりませんけれども、それらについてどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/108
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109・毛利松平
○政府委員(毛利松平君) これは、承認当時の日本のムードとその後の今日の落ちついたムードと非常に変化が起きてまいっておりますが、実質的には世界情勢があまり大きな具体的な変化を起こしていないが、ムードの上とか抽象論においては大きな変化を起こしておることは事実です。こちらが想像するほど——台湾政府は本人自身かなり気にしておることは事実でありますが、案外、こちらが想像することと違って、平然としておる、覚悟しておるという点が格差が非常にあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/109
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110・岡田宗司
○岡田宗司君 最悪の場合には国連を脱退するといいますか、国連の外に立つことも辞さない、そういうような覚悟を持っておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/110
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111・毛利松平
○政府委員(毛利松平君) これはいろいろの経過をたどるでありましょうし、万全の努力をしておることも事実でありますが、最悪の場合のことはすでに覚悟はできておる、こういうぐあいに解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/111
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112・佐多忠隆
○佐多忠隆君 ちょっと、さっきの懇談会のことで申し上げたいと思います。松村さん、それから古井君、竹山君、それから関西の財界団を率いて菅野和太郎君、おのおの最近中国に渡って帰ってこられておりますが、この委員会としてこの諸君に来ていただいてお話を聞く機会をぜひつくっていただきたい、こういう提案をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/112
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113・草葉隆圓
○理事(草葉隆圓君) ただいまの御提案、よく御相談を申し上げたいと思いす。
それでは、本日はこの程度にいたしたいと存じます。次回は五月十二日午前十時からといたしたいと思います。
本日は、これにて散会いたします。
午前十一時二十九分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104613968X01919640507/113
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