1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月十九日(金曜日)
午前十時五十一分開議
出席委員
委員長 中馬 辰猪君
理事 亀山 孝一君 理事 久保田円次君
理事 田川 誠一君 理事 藤田 義光君
理事 川村 継義君 理事 佐野 憲治君
理事 安井 吉典君
奥野 誠亮君 瀬戸山三男君
登坂重次郎君 森下 元晴君
森田重次郎君 和爾俊二郎君
秋山 徳雄君 門司 亮君
吉田 賢一君
出席政府委員
自治政務次官 高橋 禎一君
自治事務官
(大臣官房長) 松島 五郎君
自治事務官
(行政局長) 佐久間 彊君
委員外の出席者
参議院地方行政
委員長 天坊 裕彦君
専 門 員 越村安太郎君
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三月十九日
委員門司亮君辞任につき、その補欠として春日
一幸君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員春日一幸君辞任につき、その補欠として門
司亮君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
市町村の合併の特例に関する法律案(内閣提出
第四一号)(参議院送付)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804720X01919650319/0
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001・中馬辰猪
○中馬委員長 これより会議を開きます。
去る十七日参議院から送付されました内閣提出にかかる市町村の合併の特例に関する法律案を議題とし、政府から提案理由の説明を聴取いたします。高橋自治政務次官。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804720X01919650319/1
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002・高橋禎一
○高橋(禎)政府委員 ただいま議題となりました市町村の合併の特例に関する法律案につきまして、提案の理由並びにその内容の概要を御説明申し上げます。
市町村がその事務を能率的に処理し、住民の福祉を増進するため、その規模の適正化をはかることは、地方自治を確立する上に最も重要な事項であります。
政府におきましては、昭和二十八年に制定された町村合併促進法の趣旨を体し、全国的な計画を立てて町村の合併を推進し、ほぼその計画どおり合併の実現を見ましたことは、御承知のとおりであります。町村合併促進法が失効しました後は、新市町村建設促進法により新市町村の育成をはかってまいりましたが、現在におきましてもなお引続き、新市町村の内容の充実とその基盤の安定に努力することが肝要であると存じます。
しかしながら、近年における社会的経済的諸条件の急激な変化及び地域開発に関する諸施策の進展に伴いまして、新たに市町村の合併を必要とする事情の生じた地域もありますので、それらの事情に対処するため、昭和三十七年に市の合併の特例に関する法律が制定され、また、新産業都市建設促進法及び工業整備特別地域整備促進法におきましても、それぞれ指定地域内の市町村の合併について関係法律の特例が規定されたのでありますが、最近に至りまして、市町村行政の広域化の要請はさらに高まり、これらの法律が適用されない場合におきましても、地域によっては市町村の合併が要望され、その合併が適当であると思われるものが多く出てまいったのであります。
このような事情にかんがみまして、市町村がそれぞれの地域の特性に応じ自主的に合併をしようとする場合に、その実現を円滑ならしめるため、ひろく市町村の合併一般について、所要の特例措置を講じておくことが必要であると考えられるに至ったのであります。これが、この法律案を提案する理由であります。
次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
第一は、この法律は、政令指定都市以外の市町村におけるすべての合併に適用することしたのであります。
第二は、市町村の合併に関し、町村合併促進法、市の合併の特例に関する法律、新産業都市建設促進法等においてとられましたものとほぼ同様の関係法律の特例措置を講ずることとしたのであります。
特例措置の第一は、市町村の議会の議員の任期及び定数の特例でありまして、おおむね市の合併の特例に関する法律等と同様でありますが、ただ、新設合併の場合に関係市町村の議会の議員が引き続き在任することのできる期間を一年以内とし、また、編入合併の場合に編入される区域において増員選挙を行なうときには、編入をする区域と編入される区域との人口の比率に応じて議員が選出されることとなるようにいたしました。
次に、農業委員会の委員の任期及び定数、職員の身分取り扱い、地方税の不均一課税、地方交付税の算定がえ、災害復旧事業費の国庫負担、都道府県議会の議員の選挙区、衆議院議員の選挙区については、市の合併の特例に関する法律等と同様の特例措置を講ずることといたしたのであります。
第三は、合併をしようとする市町村は、合併協議会を置くものとし、この協議会において市町村建設計画の作成及び合併に関する協議を行なわせることとしたのであります。
第四は、国、都道府県及び公共的団体は、合併市町村の建設に資するため必要な措置を講ずるようにつとめなければならないこと及び合併関係市町村の区域内の公共的団体等は、その統合整備かはかるようにつとめなければならないこととしたのであります。
第五は、この法律の制定に伴い、町村合併促進法、新市町村建設促進法及び市の合併の特例に関する法律は廃止し、新産業都市建設促進法及び工業整備特別地域整備促進法中の合併の特例措置に関する規定は削除してこの法律に吸収することとするほか、関係法律について規定の整理をいたしますとともに所要の経過措置を講ずることといたしました。
なお、この法律の有効期間は、その特例法たる性格にかんがみ、十年間とすることといたします。
以上がこの法律案の提案の理由並びに内容の概要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804720X01919650319/2
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003・中馬辰猪
○中馬委員長 以上で本案についての提案理由の説明は終わりました。
なお、本案は参議院の修正を経た議案でありますので、その修正の趣旨について説明を求めます。参議院地方行政委員長天坊裕彦君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804720X01919650319/3
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004・天坊裕彦
○天坊参議院議員 私は、ただいま議題となっております市町村の合併の特例に関する法律案について、参議院における修正個所を御説明申しあげます。
以下、修正の趣旨及びその内容の概要を申し述べます。
修正の内容といたしますところは、最近における市町村の人口の実態にかんがみまして、市となるべき普通地方公共団体の要件のうち、人口要件について臨時の特例を設けようとするものであります。御承知のように、市となるべき普通地方公共団体の人口要件は、地方自治法第八条第一項第一号におきまして、人口五万以上を有することと規定されているのでありますが、この要件は、以前は、人口三万以上を有することと定められておりましたのを、昭和二十九年六月に同条の改正が行なわれまして、現在このようになっているのであります。
このときの改正の理由とするところは、当時町村合併を促進しまして、町村の規模を適正化いたしますとともに、市についても、さらにその規模を拡大することが必要であると認められたことにあったのであります。なお、その際、経過措置として、この改正規定の施行の際、現に定められている知事の全体計画に基づいて処分の申請がなされた場合等特定の場合に限り、従前の例によることとされたのであります。
しかしながら、その後、昭和三十三年四月に、当時の市町村の実情にかんがみまして、臨時にこの人口要件五万以上の緩和をはかることといたし、人口三万以上を有することをもって市となることができる特例を定めることとし、同年九月三十日までに処分の申請がなされたものに限って、その措置を講ずることといたしたのであります。
したがいまして、その後におきましては、法のたてまえ上、市の人口要件は、五万以上となっているのであります。
以上申し述べました経緯からいたしまして、現在におきましては、市の人口規模は、人口五万以上のもの二百八十一、四万以上五万未満のもの百十三、三万以上四万未満のもの百五十三等というような状況であり、また一方には、三万以上あるいは四万以上の人口規模を持つ町村もかなり存在しているのであります。
今回提出されました政府原案が成立し、今後市町村の合併が行なわれる場合におきましては、合併関係町村においては、人口五万以上の要件を満たすことはできないにいたしましても、行政水準の向上のため、市となるべき期待を強く持つものも出てくることが十分予想されるのであります。また、比較的大規模の人口を持つ町村におきましても、同様な趣旨により市制施行の期待を持つものもあると考えられるのであります。
以上のような事情のもとにおきまして、さきに申し述べました最近の市町村の人口の実態を勘案し、また、特に既存の市と今後市となるべきものとの人口規模の均衡という面を考慮いたしますとき、現行制度における市となるべき普通地方公共団体の人口要件である人口五万以上は、厳に過ぎるものと考えるのでありまして、この際、臨時の特例措置として、これを緩和する必要があることを痛感するものであります。
このような必要を満たすため、政府原案に対して修正を加え、昭和四十二年三月三十一日までに処分の申請がなされたものに限って、市となるべき普通地方公共団体の人口要件を四万以上に引き下げまして、この特例規定を地方自治法附則に設けるものとし、その旨の改正を政府原案の附則において行なったのでございます。
以上が修正の趣旨及びその内容の概要でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804720X01919650319/4
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005・中馬辰猪
○中馬委員長 以上で修正の趣旨説明は終わりました。
なお、本案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。
次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804720X01919650319/5
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