1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年七月二十一日(金曜日)
午後二時七分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 野知 浩之君
理 事
任田 新治君
山崎 斉君
川村 清一君
中村 波男君
委 員
青田源太郎君
岡村文四郎君
小林 篤一君
櫻井 志郎君
田村 賢作君
高橋雄之助君
温水 三郎君
堀本 宜実君
森部 隆輔君
八木 一郎君
和田 鶴一君
達田 龍彦君
鶴園 哲夫君
村田 秀三君
矢山 有作君
渡辺 勘吉君
北條 雋八君
国務大臣
農 林 大 臣 倉石 忠雄君
政府委員
農林政務次官 久保 勘一君
農林大臣官房長 檜垣徳太郎君
農林省農林経済
局長 大和田啓気君
農林省園芸局長 八塚 陽介君
事務局側
常任委員会専門
員 宮出 秀雄君
説明員
日本専売公社生
産部長 大塚 孝良君
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本日の会議に付した案件
○果樹保険臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○漁業災害補償制度の改善強化に関する請願(第
二一号)(第九五号)
○飼料価格安定対策確立に関する請願(第二二号)
○協同組合共済制度の維持育成に関する請願(第
五二号)
○松くい虫防除対策費に関する請願(第五六号)
○製材用原木価格調整措置に関する請願(第五七
号)
○農林漁業近代化の促進に関する請願(第一七五
号)
○養豚振興に関する請願(第一九三号)
○農林道事業の地元負担軽減に関する請願(第三
四九号)
○飼料値上げ反対に関する請願(第三五〇号)
○ニューカッスル病対策に関する請願(第四〇〇
号)
○消費者米価値上げ反対に関する請願(第四七八
号)(第四八〇号)(第五一〇号)(第五二一
号)(第六九八号)
○消費者米価すえ置に関する請願(第五四九号)
○農事放送施設に対する助成措置等に関する請願
(第六〇〇号)
○岩手県下の漁港局部改良事業の推進等に関する
請願(第六四五号)
○新潟港の外国産小麦輸入港指定に関する請願
(第六九六号)
○愛知用水公団職員の身分安定に関する請願(第
七二五号)
○山村振興事業にかかる市町村負担の軽減措置に
関する請願(第八八一号)
○生活改良普及員の増員並びに離島への適正配置
に関する請願(第一〇六五号)
○果樹の寒害対策に関する請願(第一〇七五号)
○ブリ資源保護に関する請願(第一一〇一号)
○岡山県下のニューカッスル病対策に関する請願
(第二二三五号)
○昭和四十二年産生産者米価に関する請願(第一
四四〇号)(第一四五五号)(第一四九九号)
(第一五一三号)(第一五三四号)(第一五三
五号)(第一五三六号)(第一五三七号)(第
一五三八号)(第一五七三号)(第一五七四
号)(第一五七五号)(第一五七六号)(第一
五七七号)(第一五七八号)(第一五七九号)
(第一五八〇号)(第一六三九号)(第一六四
〇号)(第一六四一号)(第一七三一号)(第
一七三二号)(第一七三三号)(第一七三四
号)(第一七三五号)(第一七三六号)(第一
七三七号)(第一七三八号)(第一七三九号)
(第一七四〇号)(第一七四一号)(第一七四
二号)(第一七四三号)(第一七四四号)(第
一七四五号)(第一七四六号)(第一七四七
号)(第一七四八号)(第一七四九号)(第一
七八二号)(第一七八三号)(第一七八四号)
(第一七八五号)(第一七八六号)(第一七八
七号)(第一七八八号)(第一七八九号)(第
一七九〇号)(第一七九一号)(第一七九二
号)(第一七九三号)(第一七九四号)(第一
七九五号)(第一七九六号)(第一七九七号)
(第一七九八号)(第一七九九号)(第一八七
七号)(第一八七八号)(第一八七九号)(第
一八八〇号)(第一八八一号)(第一八八二
号)(第一八八三号)(第一八八四号)(第一
八八五号)(第一八八六号)(第一八八七号)
(第一八八八号)(第一八八九号)(第一八九
〇号)(第一八九一号)(第一八九二号)(第
一八九三号)(第一九一二号)(第一九四三
号)(第一九四四号)(第一九四五号)(第一
九四六号)(第一九四七号)(第一九四八号)
(第一九四九号)(第一九五〇号)(第一九五
一号)(第一九五二号)(第一九五三号)(第
一九五四号)(第一九五五号)(第一九五六
号)(第一九五七号)(第一九五八号)(第一
九五九号)(第二〇五九号)(第二〇六〇号)
(第二〇六一号)(第二〇六二号)(第二〇六
三号)(第二〇六九号)(第二一九二号)(第
二一九三号)(第二一九四号)(第二一九五
号)(第二一九六号)(第二一九七号)(第二
一九八号)(第二一九九号)(第二二〇〇号)
(第二二〇一号)(第二二〇二号)(第二二〇
三号)(第二二〇四号)(第二二〇五号)(第
二二〇六号)(第二二〇七号)(第二二〇八
号)(第二二〇九号)(第二二一〇号)(第二
二一一号)(第二二一二号)(第二二一三号)
(第二二一四号)(第二二一五号)(第二二一
六号)(第二二一七号)(第二二一八号)(第
二二一九号)(第二二二〇号)(第二二二一
号)(第二二二二号)(第二二二三号)(第二
二二四号)(第二二二五号)(第二二二六号)
(第二二二七号)(第二二二八号)(第二二二
九号)(第二二三〇号)(第二二三一号)(第
二二三二号)(第二二三三号)(第二二三四
号)(第二二三五号)(第二二三六号)(第二
二三七号)(第二二三八号)(第二二三九号)
(第二二四〇号)(第二二四二号)(第二二四
三号)(第二二四四号)(第二二四六号)(第
二三四二号)(第二三四三号)(第二三四四
号)(第二三四五号)(第二三四六号)(第二
三六三号)(第二四九九号)(第二五〇〇号)
(第二五〇一号)(第二五〇二号)(第二五〇
三号)(第二五〇四号)(第二五〇五号)(第
二五〇六号)(第二五〇七号)(第二六六八
号)(第二六六九号)(第二六七〇号)(第二
六七一号)(第二六七二号)(第二六七三号)
(第二六七四号)(第二六七五号)(第二七九
一号)(第二七九二号)(第二七九三号)(第
二七九四号)(第二七九五号)(第二七九六
号)(第二七九七号)(第二九四一号)(第二
九四二号)(第二
九四三号)(第二九四四号)(第二九四五号)
(第二九四六号)(第三〇六九号)(第三〇七
〇号)(第三〇七一号)(第三〇七二号)(第
三〇七三号)(第三〇七四号)(第三〇七五
号)(第三〇七六号)(第三〇七七号)(第三
〇七八号)(第三〇七九号)(第三〇八〇号)
(第三〇八一号)(第三〇八二号)(第三〇八
三号)(第三〇八四号)(第三〇八五号)(第
三〇八六号)(第三〇八七号)(第三〇八八
号)(第三〇八九号)(第三〇九〇号)(第三
〇九一号)(第三〇九二号)(第三〇九三号)
(第三〇九四号)(第三〇九五号)(第三〇九
六号)(第三〇九七号)(第三〇九八号)(第
三〇九九号)(第三一〇一号)(第三一〇二
号)(第三二四九号)(第三二五〇号)(第三
二五一号)(第三二五二号)(第三二五三号)
(第三二五四号)(第三二五五号)(第三二五
六号)(第三二五七号)(第三二五八号)(第
三二五九号)(第三二六〇号)(第三二六一
号)(第三二六二号)(第三二六三号)(第三
二六四号)(第三二六五号)(第三二六六号)
(第三二六七号)(第三二六八号)(第三二六
九号)(第三二七〇号)(第三二七一号)
(第三二七二号)(第三二七三号)(第三二七
四号)(第三二七五号)(第三二七六号)(第
三二七七号)(第三二七八号)(第三二七九
号)(第三二八〇号)(第三二八一号)(第三
二八二号)(第三二八三号)(第三二八四号)
(第三二八五号)(第三二八六号)(第三二八
七号)(第三二八八号)(第三二八九号)
(第三二九〇号)(第三二九一号)(第三二九
二号)(第三二九三号)(第三二九四号)(第
三二九五号)(第三二九六号)(第三二九七
号)(第三二九八号)(第三二九九号)(第三
三〇〇号)(第三三〇一号)(第三三〇二号)
(第三三〇三号)(第三三〇四号)(第三三〇
五号)(第三三〇六号)(第三三〇七号)
(第三三〇八号)(第三三〇九号)(第三三一
〇号)(第三三一一号)(第三三一二号)(第
三三一三号)(第三三一四号)(第三三一五
号)(第三三一六号)(第三三一七号)(第三
三一八号)(第三三一九号)(第三三二〇号)
(第三三二一号)(第三三二二号)(第三三二
三号)(第三三二四号)(第三三二五号)
(第三三三二号)(第三三三三号)(第三三三
四号)(第三三七四号)(第三三七五号)(第
三三七六号)(第三三七七号)(第三三七八
号)(第三三七九号)(第三三八〇号)(第三
三八一号)(第三三八二号)(第三三八三号)
(第三三八四号)(第三三八五号)(第三三八
六号)(第三三八七号)(第三三八八号)
(第三三八九号)(第三三九〇号)(第三三九
一号)(第三三九二号)(第三三九三号)(第
三三九四号)(第三三九五号)(第三三九六
号)(第三三九七号)(第三三九八号)(第三
三九九号)(第三五〇一号)(第三五〇二号)
(第三五〇三号)(第三五〇四号)(第三五〇
五号)(第三五〇六号)(第三五〇七号)(第
三五〇八号)(第三五〇九号)(第三五一〇
号)(第三五一一号)(第三五一二号)(第三
五一三号)(第三五一四号)(第三五一五号)
(第三五一六号)(第三五一七号)(第三五一
八号)(第三五一九号)(第三五二〇号)(第
三五二一号)(第三五二二号)(第三五二三
号)(第三五二四号)(第三五二五号)(第三
五二六号)(第三五二七号)(第三五二八号)
(第三五二九号)(第三五三〇号)(第三五三
一号)(第三五三二号)(第三五三三号)(第
三五三四号)(第三五三五号)(第三五三六
号)(第三五三七号)(第三五三八号)(第三
五三九号)(第三五四〇号)(第三五四一号)
(第三五四二号)(第三五四三号)(第三五四
四号)(第三五四五号)(第三五四六号)(第
三五四七号)(第三五四八号)(第三五四九
号)(第三五五〇号)(第三五五一号)(第三
五五二号)(第三五五三号)(第三五五四号)
(第三五五五号)(第三五五六号)(第三五五
七号)(第三五五八号)(第三五五九号)(第
三五六〇号)(第三五六一号)(第三五六二
号)(第三五六三号)(第三五六四号)(第三
五六五号)(第三五六六号)(第三五六七号)
(第三五六八号)(第三五六九号)(第三五七
〇号)(第三五七一号)(第三五七二号)(第
三五七三号)(第三五七四号)(第三五七五
号)(第三五七六号)(第三五七七号)(第三
五七八号)(第三五七九号)(第三五八〇号)
(第三五八一号)(第三五八二号)(第三五八
三号)(第三五八四号)(第三五八五号)(第
三五八六号)(第三五八七号)(第三五八八
号)(第三五八九号)(第三五九〇号)(第三
五九一号)(第三五九二号)(第三五九三号)
(第三五九四号)(第三五九五号)(第三五九
六号)(第三七〇二号)(第三七〇三号)(第
三七〇四号)(第三七〇五号)(第三七〇六
号)(第三七〇七号)(第三七〇八号)(第三
七〇九号)(第三七一〇号)(第三七一一号)
(第三七一二号)(第三七一三号)(第三七一
四号)(第三七一五号)(第三七一六号)(第
三七一七号)(第三七一八号)(第三七一九
号)(第三七二〇号)(第三七二一号)(第三
七二二号)(第三七二三号)(第三七二四号)
(第三七二五号)(第三七二六号)(第三七二
七号)(第三七二八号)(第三七二九号)(第
三七三〇号)(第三七三一号)(第三七三二
号)(第三七三三号)(第三七三四号)(第三
七三五号)(第三七三六号)(第三七三七号)
(第三七九八号)(第三七九九号)(第三八〇
〇号)(第三八〇一号)(第三八〇二号)(第
三八〇三号)(第三八〇四号)(第三八〇五
号)(第三八〇六号)(第三八〇七号)(第三
八〇八号)(第三八〇九号)(第三八一〇号)
(第三八一一号)(第三八一二号)(第三八一
三号)(第三八一四号)(第三九二〇号)(第
三九二一号)(第三九二二号)(第三九二三
号)(第三九二四号)(第三九二五号)(第三
九二六号)(第三九二七号)(第三九二八号)
(第三九二九号)(第四〇三七号)(第四〇三
八号)(第四〇三九号)(第四〇四〇号)(第
四〇四一号)(第四一四一号)(第四一四二
号)(第四一四三号)
○土地改良区の運営費に対する財政措置に関する
請願(第一四八九号)(第二六五七号)(第三
四三二号)(第三六九七号)
○中国産食肉輸入禁止解除に関する請願(第一五
〇七号)(第一五〇八号)(第一五二八号)
(第一五八一号)(第一五八二号)(第一五八
三号)(第一五八四号)(第一五八五号)(第
一五八六号)(第一五八七号)(第一五八八
号)(第一五八九号)(第一五九〇号)(第一
五九一号)(第一五九二号)(第一五九三号)
(第一五九四号)(第一六四二号)(第一六四
三号)(第一六四四号)(第一六四五号)(第
一六四六号)(第一六四七号)(第一六四八
号)(第一六四九号)(第一六五〇号)(第一
六五一号)(第一六五二号)(第一六五三号)
(第一六五四号)(第一六五五号)(第一六五
六号)(第一六五七号)(第一六五八号)(第
一六五九号)(第一六六〇号)(第一六六一
号)(第一六六二号)(第一六六三号)(第一
六六四号)(第一六六五号)(第一六六六号)
(第一六六七号)(第一六六八号)(第一六六
九号)(第一六七〇号)(第一六七一号)(第
一六七二号)(第一六七三号)(第一六七四
号)(第一六七五号)(第一六七六号)(第一
六七七号)(第一六七八号)(第一六七九号)
(第一六八〇号)(第一六八一号)(第一六八
二号)(第一六八三号)(第一六八四号)(第
一六八五号)(第一六八六号)(第一六八七
号)(第一六八八号)(第一六八九号)(第一
六九〇号)(第一六九一号)(第一六九二号)
(第一六九三号)(第一六九四号)(第一六九
五号)(第一六九六号)(第一六九七号)(第
一六九八号)(第一六九九号)(第一七〇〇
号)(第一七〇一号)(第一七〇二号)(第一
七〇三号)(第一七〇四号)(第一七〇五号)
(第一七〇六号)(第一七〇七号)(第一七〇
八号)(第一七〇九号)(第一七一〇号)(第
一八〇六号)(第一八〇七号)(第一八〇八
号)(第一八〇九号)(第一八一〇号)(第一
八一一号)(第一八一二号)(第一八一三号)
(第一八一四号)(第一八一五号)(第一八一
六号)(第一八一七号)(第一八一八号)(第
一八一九号)(第一八二〇号)(第一八二一
号)(第一八二二号)(第一八二三号)(第一
八二四号)(第一八二五号)(第一八二六号)
(第一八二七号)(第一八二八号)(第一八二
九号)(第一八三〇号)(第一八三一号)(第
一八三二号)(第一八三三号)(第一八三四
号)(第一八三五号)(第一八三六号)(第一
八三七号)(第一八三八号)(第一八三九号)
(第一八四〇号)(第一八四一号)(第一八四
二号)(第一八四三号)(第一八四四号)(第
一八四五号)(第一八四六号)(第一八四七
号)(第一八四八号)(第一八四九号)(第一
八五〇号)(第一八五一号)(第一八五二号)
(第一八五三号)(第一八五四号)(第一八五
五号)(第一入五六号)(第一八五七号)(第
一八五八号)(第一八五九号)(第一八六〇
号)(第一八六一号)(第一八六二号)(第一
八六三
号)(第一八六四号)(第一八六五号)(第一
八六六号)(第一八六七号)(第一八六八号)
(第一八六九号)(第一八七〇号)(第一八七
一号)(第一八七二号)(第一八七三号)(第
一八七四号)(第一八七五号)(第一八七六
号)(第一九六〇号)(第一九六一号)(第一
九六二号)(第一九六三号)(第一九六四号)
(第一九六五号)(第一九六六号)(第一九六
七号)(第一九六八号)(第一九六九号)(第
一九七〇号)(第一九七一号)(第一九七二
号)(第一九七三号)(第一九七四号)(第一
九七五号)(第一九七六号)(第一九七七号)
(第一九七八号)(第一九七九号)(第一九八
〇号)(第一九八一号)(第一九八二号)(第
一九八三号)(第一九八四号)(第一九八五
号)(第一九八六号)(第一九八七号)(第一
九八八号)(第一九八九号)(第一九九〇号)
(第一九九一号)(第一九九二号)(第一九九
三号)(第一九九四号)(第一九九五号)(第
一九九六号)(第一九九七号)(第一九九八
号)(第一九九九号)(第二〇〇〇号)(第二
〇〇一号)(第二〇〇二号)(第二〇〇三号)
(第二〇〇四号)(第二〇〇五号)(第二〇〇
六号)(第二〇〇七号)(第二〇〇八号)(第
二〇〇九号)(第二〇一〇号)(第二〇一一
号)(第二〇一二号)(第二〇一三号)(第二
〇一四号)(第二〇一五号)(第二〇一六号)
(第二〇一七号)(第二〇一八号)(第二〇一
九号)(第二〇二〇号)(第二〇二一号)(第
二〇二二号)(第二〇二三号)(第二〇二四
号)(第二〇二五号)(第二〇二六号)(第二
〇二七号)(第二〇二八号)(第二〇二九号)
(第二〇三〇号)(第二〇九〇号)(第二〇九
一号)(第二〇九二号)(第二〇九三号)(第
二〇九四号)(第二〇九五号)(第二〇九六
号)(第二〇九七号)(第二〇九八号)(第二
〇九九号)(第二一〇〇号)(第二一〇一号)
(第二一〇二号)(第二一〇三号)(第二一〇
四号)(第二一〇五号)(第二一〇六号)(第
二一〇七号)(第二一〇八号)(第二一〇九
号)(第二一一〇号)(第二一一一号)(第二
一一二号)(第二一一三号)(第二一一四号)
(第二一一五号)(第二一一六号)(第二一一
七号)(第二一一八号)(第二一一九号)(第
二一二〇号)(第二一二一号)(第二一二二
号)(第二一二三号)(第二一二四号)(第二
一二五号)(第二一二六号)(第二一二七号)
(第二一二八号)(第二一二九号)(第二一三
〇号)(第二一三一号)(第二一三二号)(第
二一三三号)(第二一三四号)(第二一三五
号)(第二一三六号)(第二一三七号)(第二
一三八号)(第二一三九号)(第二一四〇号)
(第二一四一号)(第二一四二号)(第二一四
三号)(第二一四四号)(第二一四五号)(第
二一四六号)(第二一四七号)(第二一四八
号)(第二一四九号)(第二一五〇号)(第二
一五一号)(第二一五二号)(第二一五三号)
(第二一五四号)(第二一五五号)(第二一五
六号)(第二一五七号)(第二一五八号)(第
二一五九号)(第二一六〇号)(第二一六一
号)(第二一九〇号)(第二二五八号)(第二
二五九号)(第二二六〇号)(第二二六一号)
(第二二六二号)(第二二六三号)(第二二六
四号)(第二二六五号)(第二二六六号)(第
二二六七号)(第二二六八号)(第二二六九
号)(第二二七〇号)(第二二七一号)(第二
二七二号)(第二二七三号)(第二二七四号)
(第二二七五号)(第二二七六号)(第二二七
七号)(第二二七八号)(第二二七九号)(第
二二八〇号)(第二二八一号)(第二二八二
号)(第二二八三号)(第二二八四号)(第二
二八五号)(第二二八六号)(第二二八七号)
(第二二八八号)(第二二八九号)(第二二九
〇号)(第二二九一号)(第二二九二号)(第
二二九三号)(第二二九四号)(第二二九五
号)(第二二九六号)(第二二九七号)(第二
二九八号)(第二二九九号)(第二三〇〇号)
(第二三〇一号)(第二三〇二号)(第二三〇
三号)(第二三〇四号)(第二三〇五号)(第
二三〇六号)(第二三〇七号)(第二三〇八
号)(第二三〇九号)(第二三一〇号)(第二
三一一号)(第二三一二号)(第二三一三号)
(第二三一四号)(第二三一五号)(第二三一
六号)(第二三一七号)(第二三一八号)(第
二三一九号)(第二三二〇号)(第二三二一
号)(第二三二二号)(第二三二三号)(第二
三二四号)(第二三二五号)(第二三二六号)
(第二三二七号)(第二三二八号)(第二三二
九号)(第二三六七号)(第二三六八号)(第
二三六九号)(第二三七〇号)(第二三七一
号)(第二三七二号)(第二三七三号)(第二
三七四号)(第二三七五号)(第二三七六号)
(第二三七七号)(第二三七八号)(第二三七
九号)(第二三八〇号)(第二三八一号)(第
二三八二号)(第二三八三号)(第二三八四
号)(第二三八五号)(第二三八六号)(第二
三八七号)(第二三八八号)(第二三八九号)
(第二三九〇号)(第二三九一号)(第二三九
二号)(第二三九三号)(第二三九四号)(第
二三九五号)(第二三九六号)(第二三九七
号)(第二三九八号)(第二三九九号)(第二
四〇〇号)(第二四〇一号)(第二四〇二号)
(第二四〇三号)(第二四〇四号)(第二四〇
五号)(第二四〇六号)(第二四〇七号)(第
二四〇八号)(第二四〇九号)(第二四一〇
号)(第二四一一号)(第二四一二号)(第二
四一三号)(第二四一四号)(第二四一五号)
(第二四一六号)(第二四一七号)(第二四一
八号)(第二四一九号)(第二四二〇号)(第
二四二一号)(第二四二二号)(第二四二三
号)(第二四二四号)(第二四二五号)(第二
四二六号)(第二四二七号)(第二四二八号)
(第二四二九号)(第二四三〇号)(第二四三
一号)(第二四三二号)(第二四三三号)(第
二四三四号)(第二四三五号)(第二四三六
号)(第二四三七号)(第二四三八号)(第二
五四〇号)(第二五四一号)(第二五四二号)
(第二五四三号)(第二五四四号)(第二五四
五号)(第二五四六号)(第二五四七号)(第
二五四八号)(第二五四九号)(第二五五〇
号)(第二五五一号)(第二五五二号)(第二
五五三号)(第二五五四号)(第二五五五号)
(第二五五六号)(第二五五七号)(第二五五
八号)(第二五五九号)(第二五六〇号)(第
二五六一号)(第二五六二号)(第二五六三
号)(第二五六四号)(第二五六五号)(第二
五六六号)(第二五六七号)(第二五六八号)
(第二五六九号)(第二五七〇号)(第二五七
一号)(第二五七二号)(第二五七三号)(第
二五七四号)(第二五七五号)(第二五七六
号)(第二五七七号)(第二五七八号)(第二
五七九号)(第二五八〇号)(第二五八一号)
(第二五八二号)(第二五八三号)(第二五八
四号)(第二五八五号)(第二五八六号)(第
二五八七号)(第二五八八号)(第二五八九
号)(第二五九〇号)(第二五九一号)(第二
五九二号)(第二五九三号)(第二五九四号)
(第二五九五号)(第二五九六号)(第二五九
七号)(第二五九八号)(第二五九九号)(第
二六〇〇号)(第二六〇一号)(第二六〇二
号)(第二六〇三号)(第二六〇四号)(第二
六〇五号)(第二六〇六号)(第二六〇七号)
(第二六〇八号)(第二六〇九号)(第二六一
〇号)(第二六一一号)(第二六八五号)(第
二六八六号)(第二六八七号)(第二六八八
号)(第二六八九号)(第二六九〇号)(第二
六九一号)(第二六九二号)(第二六九三号)
(第二六九四号)(第二六九五号)(第二六九
六号)(第二六九七号)(第二六九八号)(第
二六九九号)(第二七〇〇号)(第二七〇一
号)(第二七〇二号)(第二七〇三号)(第二
七〇四号)(第二七〇五号)(第二七〇六号)
(第二七〇七号)(第二七〇八号)(第二七〇
九号)(第二七一〇号)(第二七一一号)(第
二七一二号)(第二七一三号)(第二七一四
号)(第二七一五号)(第二七一六号)(第二
七一七号)(第二七一八号)(第二七一九号)
(第二七二〇号)(第二七二一号)(第二七二
二号)(第二七二三号)(第二七二四号)(第
二七二五号)(第二七二六号)(第二七二七
号)(第二七二八号)(第二七二九号)(第二
七三〇号)(第二七三一号)(第二七三二号)
(第二七三三号)(第二七三四号)(第二七三
五号)(第二七三六号)(第二七三七号)(第
二七三八号)(第二七三九号)(第二七四〇
号)(第二七四一号)(第二七四二号)(第二
七四三号)(第二七四四号)(第二七四五号)
(第二七四六号)(第二七四七号)(第二七四
八号)(第二七四九号)(第二七五〇号)(第
二七五一号)(第二七五二号)(第二七五三
号)(第二七五四号)(第二七五五号)(第二
七五六号)(第二八一〇号)(第二八一一号)
(第二八一二号)(第二八一三号)(第二八一
四号)(第二八一五号)(第二八一六号)(第
二八一七号)(第二八一八号)(第二八一九
号)(第二八二〇号)(第二八二一号)(第二
八二二号)(第二八二三号)(第二八二四号)
(第二八二五号)(第二八二六号)(第二八二
七号)(第二八二八号)(第二八二九号)
(第二八三〇号)(第二八三一号)(第二八三
二
号)(第二八三三号)(第二八三四号)(第二
八三五号)(第二八三六号)(第二八三七号)
(第二八三八号)(第二八三九号)(第二八四
〇号)(第二八四一号)(第二八四二号)(第
二八四三号)(第二八四四号)(第二八四五
号)(第二八四六号)(第二八四七号)(第二
八四八号)(第二八四九号)(第二八五〇号)
(第二八五一号)(第二八五二号)(第二八五
三号)(第二八五四号)(第二八五五号)(第
二八五六号)(第二八五七号)(第二八五八
号)(第二八五九号)(第二八六〇号)(第二
八六一号)(第二八六二号)(第二八六三号)
(第二八六四号)(第二八六五号)(第二八六
六号)(第二八六七号)(第二八六八号)(第
二八六九号)(第二八七〇号)(第二八七一
号)(第二八七二号)(第二八七三号)(第二
八七四号)(第二八七五号)(第二八七六号)
(第二八七七号)(第二八七八号)(第二八七
九号)(第二八八〇号)(第二八八一号)(第
二九四九号)(第二九五〇号)(第二九五一
号)(第二九五二号)(第二九五三号)(第二
九五四号)(第二九五五号)(第二九五六号)
(第二九五七号)(第二九五八号)(第二九五
九号)(第二九六〇号)(第二九六一号)(第
二九六二号)(第二九六三号)(第二九六四
号)(第二九六五号)(第二九六六号)(第二
九六七号)(第二九六八号)(第二九六九号)
(第二九七〇号)(第二九七一号)(第二九七
二号)(第二九七三号)(第二九七四号)(第
二九七五号)(第二九七六号)(第二九七七
号)(第二九七八号)(第二九七九号)(第二
九八〇号)(第二九八一号)(第二九八二号)
(第二九八三号)(第二九八四号)(第二九八
五号)(第二九八六号)(第二九八七号)(第
二九八八号)(第二九八九号)(第二九九〇
号)(第二九九一号)(第二九九二号)(第二
九九三号)(第二九九四号)(第二九九五号)
(第二九九六号)(第二九九七号)(第二九九
八号)(第二九九九号)(第三〇〇〇号)(第
三〇〇一号)(第三〇〇二号)(第三〇〇三
号)(第三〇〇四号)(第三〇〇五号)(第三
〇〇六号)(第三〇〇七号)(第三〇〇八号)
(第三〇〇九号)(第三〇一〇号)(第三〇一
一号)(第三〇一二号)(第三〇一三号)(第
三〇一四号)(第三〇一五号)(第三〇一六
号)(第三〇一七号)(第三〇一八号)(第三
〇一九号)(第三〇二〇号)(第三四三三号)
(第三四三四号)(第三四三五号)(第三四三
六号)
○昭和四十二年産なたね基準価格に関する請願
(第一五七二号)(第二一六二号)(第二三三
〇号)(第二三四七号)(第二三六二号)(第
二四九五号)(第二四九六号)(第二四九七
号)(第二四九八号)(第二六六六号)(第二
六六七号)(第三七九六号)
○昭和四十二年産生産者米価等に関する請願(第
一八〇〇号)(第二二四五号)
○鳥類等保護のため千葉県新浜地区の現状保存に
関する請願(第一八〇一号)(第一九一四号)
(第二二四九号)(第二二五〇号)(第二二五
一号)(第二二五二号)(第二二五三号)(第
二二五四号)(第二二五七号)(第二五〇八
号)(第二五〇九号)(第二五一〇号)(第二
五一一号)(第二五一二号)(第二五一三号)
(第二五一四号)(第二五一五号)(第二五一
六号)(第二五一七号)(第二五一八号)(第
二五一九号)(第二五二〇号)(第二五二一
号)(第二六五八号)(第二六五九号)(第二
六六〇号)(第二六六一号)(第二六六二号)
(第二六六三号)(第二六六四号)(第二六六
五号)(第二七六九号)(第二七七〇号)(第
二七七一号)(第三〇六八号)(第三一五二
号)(第三二二二号)(第三四三〇号)(第三
四三一号)(第三六二五号)(第三六九八号)
(第三七九二号)(第三七九三号)(第三九〇
七号)
○昭和四十二年産生産者米価決定に関する請願
(第一八九四号)(第二〇六四号)(第二一九
一号)(第二二四八号)(第二四九四号)(第
二六七六号)(第二二〇〇号)(第三二四八
号)(第三四〇〇号)(第三四〇一号)(第三
七九七号)(第四一四四号)
○昭和四十二年産生産者米麦価に関する請願(第
二二四一号)(第三二四九号)
○農業協同組合の共同利用施設「農事放送」に対
する助成措置及び制度の整備に関する請願(第
二二四七号)(第二四九三号)(第三二四六
号)(第三二四七号)(第三六二六号)(第三
六九九号)(第三七〇〇号)(第三七〇一号)
(第三七九四号)(第三七九五号)(第三九〇
八号)(第三九〇九号)(第三九一〇号)(第
三九一一号)(第三九一二号)(第四一三五
号)(第四一三六号)(第四一三七号)(第四
一三八号)(第四一三九号)(第四一四〇号)
○昭和四十二年産米価等に関する請願(第二三四
八号)
○土地改良区の統合整備及び運営費に対する財政
措置に関する請願(第三一三三号)(第三一三
四号)(第三二四五号)
○生産者米価等に関する請願(第三三三五号)
(第三三三六号)(第三九一三号)(第三九一
四号)(第三九一五号)(第三九一六号)(第
三九一七号)
○昭和四十二年産米の生産者価格等に関する請願
(第三三三七号)
○国内養ほう業者保護育成に関する請願(第三四
三七号)
○昭和四十二年産生産者米価値上げ等に関する請
願(第三四三九号)(第三六二八号)
○農業者年金制度の早期創設に関する請願(第三
四四〇号)(第三六二九号)
○豚肉の消費拡大及びかん詰加工利用に関する請
願(第三四四一号)(第三六三〇号)
○干害並びにひよう害等に対する天災融資法適用
等に関する請願(第三四四四号)(第三六三三
号)
○岩手県を主要食糧供給基地とするための地域開
発諸施策実施に関する請願(第三七八五号)
○昭和四十二年産政府買上げ米価の適正価格決定
に関する請願(第三七八六号)
○岩手県を含む北東北地方におけるビート栽培に
関する請願(第三七八七号)
○昭和四十二年産米の政府買入れ価格に関する請
願(第三九一八号)
○国有林野の活用に関する法律制定反対に関する
請願(第三九一九号)
○昭和四十二年産米の価格決定に関する請願(第
四〇四二号)
○食糧自給政策確立に関する請願(第四〇八八
号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/0
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001・野知浩之
○委員長(野知浩之君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
果樹保険臨時措置法案を議題といたします。
これより質疑を行ないます。本案に対し質疑のある方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/1
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002・村田秀三
○村田秀三君 ただいまから果樹保険臨時措置法案の質問をいたしたいと思いますが、その前に、今回の法案の表題といいますか、果樹保険になっておるわけでありますから、いままでいろいろと話が始まりましてから以降の経過というものを見ますと、関係の方々、あるいは国会の方々、あるいは農林省でもたいへん御苦労なさった、こういうことでありまして、ほんとうに関係の方々がいままで期待しておった内容であるかどうかは別にいたしましても、その種のものがここに初めて国会に提出をされたということについては、私自身も非常に喜んでおる、という言い方をいたしますと、これからの質疑に影響するかと思うのでありますけれども、そういう感じは持っておるわけであります。したがいまして、農林省がそのように踏み切ったことについて敬意を表したいとは思います。しかし、昨年の当院の農林水産委員会の附帯決議の中には、明らかに「果樹共済」という表現をしているわけであります。それが今回、果樹保険という姿に変わってきた事情、このことについてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/2
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003・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 常識的な意味で申し上げますと、保険と共済とは同じものというふうにお考えいただいてけっこうであろうと思います。やや理屈を言いますと、共済というのは何々の組合に入っておる組合員関係に基づくものでございますし、保険というのはそういう人的な結合関係がない場合に行なわれるシステムとして一般に使われておるわけでございます。私どもも農業共済事業と申し上げましたり、俗称農業保険と申し上げましたりしているわけで、果樹保険と言いましても、果樹共済と言いましても、その間に特別の差異はないというふうに考えております。しかし、なぜ表題をあえて果樹共済と言わず果樹保険といたしましたかといいますと、現在の農業共済事業におきましては、農業共済組合自体の事業を共済と言い、連合会がそれを保険をし、政府が再保険するというふうに、保険なりあるいは共済という文字を使っておるわけでございます。それから果樹共済というふうにやや言いがたい難点は、連合会が元請をやるわけでございますから、連合会と果樹栽培者とは直接組織的な連関がない場合がございます。共済組合の組合員であります場合はそれが連合会につながるわけでございますが、最近は果樹専業農家がございまして、共済組合のメンバーではない者が連合会の事業の元請に入ってくるという関係がございます。そういう二つの事情によりまして果樹保険という名前を用いましたので、実質的な意味では果樹共済でも果樹保険でも事柄の内容は変わらないというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/3
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004・村田秀三
○村田秀三君 御答弁をいただきましたが、これからはどのくらいの時間がかかりますかはやってみなければわかりませんけれども、しかし、これは、私はじめ、皆さんもそうだろうと思いますが、この法案を審議する態度ですね、これは政府の失点を追及しましょうなどというような立場ではないと思うんです。いままで多くの方々が期待をしてきたものがいま表面に出ようとしておる。出すについては、はたしてそれが期待するに値したものであったかどうかという点や、それからどのように運営していったらば効果的な結果が生まれてくるであろうかということについてどこをどうしたらよろしかろうかということをやはりお互い煮詰めていくという態度ではなかろうかと思うのです。したがいまして、前もって要望したいと思うのですが、とかくいたしますと、やりとりの中では何か言い抜けをしてうやむやにすればそれでよろしいというような印象を受けることも間々ないわけではありません。したがいまして、そういうことではなくて、ざっくばらんにいままでおそらくこれを出すについても確信を持つから出したものであろうし、それを私どもが見て、どうもこの辺は不安じゃないかという立場に立ってものをいろいろ言いますけれども、しかし、一つのものをつくり上げていくのだというそういう気持ちには変わりないわけでありますから、これはざっくばらんにやはり答弁を願って、だらだらと長い答弁をする必要もないだろうし、そういうことでお願いしたいと思います。
そこで、共済と保険の違いについて若干御答弁がありましたが、どうも私らの感じとしては、共済というのは、何といいますか、大ぜいの方々が寄り集まって、一人は万人のために、万人は一人のために、いわゆる助け合っていくのだという、そういう思想的なものが感じられるのです。ところが、保険というのは、おれは金を出して保険を買うんだ、こういうものに一口で言えば尽きる。したがって、明らかに共済と保険との違いはあるのだということを実は考えざるを得ないわけでありますが、局長の答弁の中には、どちらがどうということもないのだというふうな言い方をされました。そうして、保険とせざるを得ない理由の中には、これは組合を対象としない、果樹専業農家も、共済組合と関係のない方も契約をするという意味合いにおいて保険とせざるを得ないというような言い方をしておりました。しかし、それだけでは私はどうも了解できない面があるわけです。したがって、その辺のところはざっくばらんにひとつ言ってもらったほうがいいのじゃないかと思うのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/4
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005・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 果樹保険と果樹共済というものは、私ども全く用語の違いによって何か意味が違うというふうには考えておりません。これはよく御承知と思いますけれども、現在の農業共済制度の前身でありますもので農業保険法というものがございましたし、また、昭和の初めに家畜につきまして家畜保険法というものがありましたし 保険と共済とはいまおっしゃいましたように、保険は何かやや企業的な色彩があり、共済は助け合いだという、そういう質的な違いは必ずしもないように私ども思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/5
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006・村田秀三
○村田秀三君 そうすると、こう理解してよろしいかどうか確認をしたいと思うのですが、これは組合員でない者が元請機関である共済組合と契約をするので保険ということばを使わざるを得なかったけれども、しかし、農林省が企画をし、出す前提となる思想的なものは、これはやはり共済と変わりない考え方を持っておるんですよと、このことは確認してよろしいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/6
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007・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/7
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008・村田秀三
○村田秀三君 それでは、私もその前提に立ちましてこれから質問を進めてみたいと思います。
そこで、次にお伺いをするわけでありますが、抽象的な問題でお答えにくいかと思いますが、この全体を通じて共済部分とそれから保険部分と区別をするとするならば、どれくらいの比重で考えることができるかという問題です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/8
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009・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 私ども、保険と共済ということにつきまして本質的な事業内容としての差を考えておりませんので、いまの御質問に対して的確にお答えはしずらいわけでございますけれども、今回の果樹保険の内容を申し上げますと、果樹栽培業者は掛け金を払い、災害がありました場合に保険金を連合会が払う、この保険関係に対して政府が再保険をして、異常災害分について九割を政府が責任を持つというシステムになっておるわけでございます。さらに、連合会の事務費につきましては政府が補助いたしますし、また、掛け金の国庫負担ということとはまあこまかい理屈を言いますとやや違いますけれども、加入奨励的な意味で私どもやはり純保険料の一割程度は国が交付するというふうに考えておるわけでございますから、いままでの農作物共済あるいは家畜共済、蚕繭共済等と比べまして、今度の果樹保険が著しく国の助成のしかたが足らないというふうには必ずしも考えておらないわけでございます。御質問の意味が的確にわからないので、お答えがむずかしいわけでございますけれども、どの部分が保険であり、どの部分が共済であるというふうに分けて考えられない。私ども、農作物の保険について、大体いままでのいろいろな制度を参考として、果樹保険をつくり上げたものであるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/9
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010・村田秀三
○村田秀三君 それでは、その問題は私自身も、他の共済と比較いたしましても足らざるところは認められますけれども、しかし、どう判断すべきかと言われてみれば、これはどうもやはり保険的色彩が濃いということだけは言えますけれども、しかし、まあその問題はあまりこだわっておらないで、これから先の質疑の中でまた明らかにしていきたいと、こう思います。
そこで、この法案の施行期間は五年になっておりますね。この五年にした理由といいますか、私どもはこれは少し長過ぎるのじゃないかという感じを持っておるわけでありますが、その点についてお答えをいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/10
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011・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 保険と呼びましても共済と呼びましても、農作物に関する保険あるいは共済の他の事業との違いますところは、被害が年によって非常に違うということでございます。生命保険におきましては、人間の死亡率というのは年々による大きな変化がございませんけれども、稲にいたしましても、あるいは果実にいたしましても、年による被害の程度が非常に違うわけでございますから、的確に果樹保険を行ないます場合に一番必要なのは、被害率が相当長期にわたって集積されることであります。水田につきましても、戦後約二十年のデータが集まりまして、最近においてはその二十年にわたるデータを使って組合ごとに被害率を出し、保険料率をきめるわけでございますから、大体農家の納得が得られておるわけでございますけれども、果樹保険につきましては、昭和三十八年から四十年までの三カ年につきましてのデータの蓄積しかございません。それで、これを五カ年やりまして、その間に四十年から四十四年までの間に三カ年、間があるわけでございますが、過去の三カ年と、中間の三カ年と、それから果樹保険試験実施の五カ年と合わせまして大体十年ないし十一年のデータの蓄積がありますれば、水稲ほどはいきませんけれども、大体私ども自信を持って果樹保険の本格的実施に取り組むことができるのではないかということから、試験実施の期間を五年というふうに定めたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/11
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012・村田秀三
○村田秀三君 そうしますと、これから私が申し上げますことは、後ほども触れることになろうかと思いますが、こう理解してもよろしゅうございますか。たとえば、被害を受けたと。そうしますと、その被害はそのときでとどまるものではなくして、その被害の後遺症といいますか、それが一年ないし三年先に繰り延べられると、そういう性質のものであるから、したがって長くせざるを得ない、こういう理由も入っておるということでありますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/12
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013・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 後遺症がどの程度で、どのくらい続くかということは、これは栽培農家の栽培技術に非常によるわけでございます。したがいまして、後遺症の問題を別にいたしましても、年々のたとえば凍霜害なり、あるいは長雨なり、一年ごとの被害におきましても、少なくとも十年、理想をいえば二十年以上のデータの集積が必要であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/13
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014・村田秀三
○村田秀三君 その問題は、後ほどまた触れることにいたします。
私がこの問題を、研究といいますか、調べてみるといいますか、私自身はしろうとでございますから、勉強するというほうが正しいと思いますが、それで障害になりましたのは、いろいろと御苦労をなさって資料が出ております。しかし、この資料が、はたして正しいものであるかどうかという点ですね。まあ農林省としましては、これを出しますからには、確信を持っておられると思いますが、三年間なら三年間、その調査期間のデータそのものには私は触れようとはいたしません。触れようとはいたしませんけれども、正しいとして判断をしてよろしいのかどうかという点について迷ったわけでありますが、一応これは確かなものとして判断をする以外にないという立場をとったわけであります。その点についてはどうでございますか。いまのうちにここはこう直しておくべきであったということがあれば、ひとつお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/14
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015・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 私どもの提出いたしました資料の中で、おそらく「果樹の種類別県(道)別基礎被害率」という数字についてこの三年間のデータが正しいか正しくないかという、どう判断すべきかという御質問であろうと思います。これは、先ほども申し上げましたように、三十八年から四十年にかけて、ミカンでありますれば十、ナツミカン四、リンゴ五等々の県につきまして、三割以上の被害について損害を補てんする場合、五割以上の被害について損害を補てんする場合ということで、現実に金の授受はいたしませんけれども、被害率を実地について調査をいたしたものでございます。農家戸数で申し上げますと、約一万四千をこえる程度の農家戸数についての被害率の調査でございまして、私どもが保険料率を算定する、あるいは被害率を算定する場合に、これ以外に、あるいはこれ以上のデータを使うわけにはまいらない、私どもが使い得る唯一の資料でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/15
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016・村田秀三
○村田秀三君 それでは、それは確かなものであるという前提でこれは引用せざるを得ないわけでありますが、具体的に入っていきたいと思いますが、まず、保険設計の理想的条件といいますか、そういう問題について一つ一つお伺いをしてみたいと思います。
まず、初めに、保険対象地域ですね。聞くところによれば、成園面積の一割程度という一応の計画だということは聞いておりますけれども、はたしてその一割という範疇をどう考えるのかという問題もあります。そういう点について、いま計画されておることについてお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/16
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017・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 私ども果樹保険の試験実施をいたします場合に、さしあたり六つの樹種についてこれを対象といたすつもりでございます。ミカン、ナツミカン、リンゴ、ブドウ、ナシ、モモでございます。これらの面積は、栽培面積といたしまして約二十七万二千ヘクタール、そのうちで成園面積といたしまして十八万八千ヘクタールほどでございますが、この十八万八千ヘクタールほどの成園面積のうち、約一割程度を今回の試験実施の対象として取り上げるつもりでございます。これは、試験実施をいたします場合に、成園面積のどの程度を見ればいいかということはなかなかむずかしい問題でございますけれども、私どもかつて水稲につきまして農家単位の保険をやはり試験実施をいたしましたときに、組合の数にして五%、面積にして六%でやった経験がございます。その経験から学びましても、経営面積の一〇%程度、それも大体果樹の主産地についてやるわけでございますから、それだけの面積について試験実施をやれば、本格実施を行なう場合のデータはそろうことができるというふうに信じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/17
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018・村田秀三
○村田秀三君 あまりにもこまかい問題でありますけれども、その考え方はわかりました。ただ、しかし、その一割地域が、九州なら九州というように片寄るのか、あるいは、種目別に、同じように平均して一割を対象にするのか、こういうことによってもだいぶ変わってくるような気がいたします。その辺はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/18
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019・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 三十八年から四十年にかけて試験調査をいたしましたときの県の数は、延べにして二十五、実数にして二十一でございます。今回、あらかじめ県の意向を聞きまして、こういうことで果樹保険を行なおうとすればあなたの県はやりますかどうかということを内々に聞きましたところ、すでに手があがっておるところが実県数にして三十一ございます。私ども、二十一で試験しましたものを三十一にいきなり伸ばすことはいいかどうか、現在検討中でございますけれども、三十一の希望の県というのは全国に大体広がっておりますから、たとえばミカンについて九州だけに集中するという、そういう心配はまずないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/19
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020・村田秀三
○村田秀三君 三十一県からもうすでに希望が出ておる、こういうことでありますから、間違いはなかろうかと思います。しかし、この計画そのものが、何といいますか、希望するところだけ対象地域にするという結果になろうと思うのですね。その場合に、県は確かに希望するとは言ったけれども、しかし、現場におりていってみたところが、個別の共済組合はなかなか気が乗らない、こういうような問題、あるいは、私がこの面で心配しておるのは、事業の運営が、いまの計画の中で運行されていくためには、被害率の高いところ、これを避けて通るというようなことになると、これは何にもならないと思います。えてして、保険企業というのは、良質の被保険者ということを考えがちでありますが、そういう意味で、被害率の高いところ、支払いが多くなるようなところを避けて通るというようなことがあるのかないのかという点について確認をしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/20
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021・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 今回の果樹保険が、いままでの私どもやっております農業共済事業と一番違いますことは、農作物共済にしましても、蚕繭、家畜共済にいたしましても、義務加入といいますか、当然加入といいますか、入るか入らないかということが個人の意思にまかされておらないわけでございますけれども、果樹保険の試験実施につきましては任意加入でございます。したがいまして、私先ほど名のりをあげている県が三十一あると申しましたけれども、それは県の役人が最終的にきめる問題ではございませんで、果樹栽培農家がやるかやらないかということを終局的に判断するわけでございます。その判断をいたします場合も、一体、保険料は幾らであるか、保険金は幾らであるかということを私どもまだ申し上げておりませんから、ことしの秋から来年にかけましてその作業が終わりまして、そういう条件がはっきりきめられましてから、各農家が判断をしてきめるということになるだろうと思います。
なお、私ども差し上げてあります資料によりましても、三十八年ないし四十年のデータを使いますと被害率が相当高くなっておるところがございます。被害率が高ければ、したがって保険料率あるいは保険料は高いわけでございます。しかし、まあ四十年までのデータでございますから、このデータを動かすことはできませんが、私ども、果樹保険の実施に入ります前に、四十一年のデータを集積して、四十一年のデータを加えて、さらに被害率なり保険料率を出すつもりでおります。したがいまして、ここに差し上げております資料は、あくまで現在の時点での保険料率あるいは被害率でありまして、実際に農家にこれでどうですかというふうに聞く、判断を求めます場合は、また多少出入りがあるであろうと思います。まあそういう四十一年の資料を用いましても保険料率が高いと感ずるところは、これは高いと思えば入らなくてもいいではないかというふうに一がいに言えないむずかしい問題があるわけでございますけれども、こういう条件で入るか入らないかということは、結局、栽培農家がきめる問題であって、決してわれわれとして無理に入りなさいというふうには絶対に言わないつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/21
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022・村田秀三
○村田秀三君 その逆の場合といいますか、非常に加入希望が多くて、まあ一応一割で押えようと思ったものが、試行期間中に二割になり三割になるということ、こういうことはそのまま認めていくという方針ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/22
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023・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 私ども、データが、まだそう全国一斉にあるいは相当大規模に広げるほどのデータがそろっておるというふうに申し上げられないわけでございますから、大体一割程度、それも主産地に限って行なうことが試験実施のたてまえからいっても適当ではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/23
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024・村田秀三
○村田秀三君 まあそれが適当であると、こう判断をしたとしましても、少なくとも三十一県希望しているということでありますから、かりにそれが二割、三割とこえたときには、いや、いまは試験実施期間中であるから、本格実施に移ったときにお入りなさいと言って断わるのかどうかということですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/24
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025・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) これは三十一県名のりをあげておりますけれども、最後まで三十一県がとどまるかどうかわかりませんし、果樹農家におろした場合に、地方地方の事情あるいは要望がどういうふうに動くかわかりません。私ども、一割と申し上げましたけれども、一割きっちり、何がなんでも一割で押えるというほどのつもりもございませんから、それは果樹農家あるいは果樹団体関係者等の意見も聞いて常識的な判断できめるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/25
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026・村田秀三
○村田秀三君 次に、保険対象果樹でありますが、ここでは六種を指定してあります。果樹振興法で指定をされておる果実は十種ありますか、その他にカキであるとかサクランボであるとかあるわけでありますが、これを落とした理由、それとおそらく事業の興廃が影響すると思いますが、非常によろしいものであるという認識が除外された生産農家に普及するとすれば、これは希望がどんどん出てくると思うのです。その際に、期間五年ということではなくて、期の途中でも新しい対象をつくっていくかどうか、この点についてもひとつ確認をしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/26
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027・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 果樹保険を行ないます場合に、どれだけの範囲でこれを行なうかということは、一つの判断の問題でございますが、私ども六種を選びました一つの気持ちといたしましては、果樹の産額は、四十年で、たしか二千六十五億でございますが、私が申し上げました果樹の六種では千七百三十五億円で、約八四%になるわけでございます。発足いたします場合としては、八割四、五分ぐらいになる程度のもので発足すれば、まずは果樹保険としてはいいではないかということが一つでございます。
もう一つは、データの関係で、三十八年ないし四十年に試験調査をいたしましたものは、この六種に加えてカキがございましたけれども、カキにつきましては、岐阜県一県で試験調査をやりましただけで、一つの県だけの調査で果樹保険をやりますことは、いかにも乱暴といいますか、勇敢に過ぎますので、カキは今回は取りやめたわけでございます。しかし、カキにつきましては、果樹保険の試験実施中でも、私ども、試験といいますか、調査を積み重ねていって、五年間の試験実施の期間でも、御要望があればカキを取り上げるつもりでおります。カキ以外のものにつきましては、データが一つもございませんので、試験実施期間中に取り上げるということはなかなかむずかしいと思いますけれども、私は、今後の問題として、クリでありますとかその他いろいろございますが、それらについて対象を拡大していくことを十分検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/27
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028・村田秀三
○村田秀三君 カキは調査の成果を見て、期の途中にも入れたいということでありますから、それはぜひとも考えていただきたいということを申し添えると同時に、その他のものも、これはやはりこの期中に調査を開始するというような措置をとりまして、その結果、本格実施に乗せるかどうかは別にいたしましても、その調査だけはしておく、こういうことでひとつお願いをしたいと思います。
次に、義務加入と任意加入の問題ですが、これは先ほど保険か共済かの問題で若干ありましたけれども、しかし、義務加入と任意加入という問題についていろいろと今後起きやしないかということを心配しておるわけです。したがいまして、なぜ任意加入にしたかという点について本来論議をしなくてはならないところでありますが、私は、一つの例を申し上げて、そこから論議を発展させてみたいと思いますが、たとえば被害というのは、その他の保険でございましたら、大体一つのものが中心になるわけです。たとえば交通事故にせよ、これはもう百人も二百人も一度に起きるという例がないということではないけれども、おおよそは、事故というのは、私一人なら一人ということになると思うんですね。これは死亡保険でもそうです。ところが、この保険は、被害があるということは、これは一様に被害を受けるという態様をなすのではないかと思うんです。その場合に、義務制であれば、被害に対する措置というのは、国の措置も地方公共団体の措置も同じように平均化して措置することができる。ところが、任意加入であるということで、任意加入をしておった農家はそれに被害救援の措置というのが上積みされるという形になろうかと思うんですね。そういう点についてどう考えておるかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/28
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029・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 果樹保険を義務制でやるか任意制でやるかということは、一番苦労した論点の一つでございます。農作物の保険は、できるならば義務加入であることが保険の執行にとってベターであることは言うまでもございません。しかし、果樹栽培農家というのは、水稲栽培農家あるいは麦の栽培農家と違いまして、非常に内容について複雑でありますばかりでなしに、地域によって経営の内容もまた非常に違うわけでありまして、保険に対して何を期待するかということが、地帯により、あるいは農家の階層によっても、非常に違うわけであります。それを一まとめにして、水稲と同じように義務加入させるということは、これは言うべくしてなかなかむずかしい。もし果樹保険の制度を義務制にしたら、私はある意味で非常な反発があったろうと思います。果樹保険を本格実施いたします場合に、はたして任意制で続けるのか、あるいは義務制に変えるのかということは、それはこれからの研究課題でありますから、いま即断して申し上げることもありませんけれども、私は、果樹栽培農家の性質からいって、義務制より任意制のほうが適当ではないかという感じを持っているわけでございます。したがいまして、地帯によって、保険に入っている者と入っていない者で災害の場合に扱われ方が違うということは、これはやむを得ないのではないかというふうに思います。
ただ、地帯によりまして、散発的に農家が加入いたしますことは、これは保険としてまた別のむずかしい問題を生じますので、今回の試験実施にあたりましても、一つの地区で果樹保険をやりました場合には、そこの農家の過半数が加入しなければそこでは保険はやれないということで、いま先生が言われましたこととの調和をはかっていきたいというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/29
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030・村田秀三
○村田秀三君 この辺から保険と共済の違いというものが出るような気がいたします。私も、果樹農家を一軒一軒歩いていろいろ意見を聞いてきたわけではありませんから、自信を持って義務制だなどという言い方はいたしません、この際は。しかし、もちろんこれは義務制という表現自体が私はおかしいと思いますが、補償するのに義務などということは出てきませんから、そういう意味では義務制という表現自体がおかしいと思いますけれども、一応この際はそういう表現をさしてもらって、いろいろと論議をするとするならば、少なくともこの保険制度には共済部分があることですね、これは、先ほど局長も言っておられるとおり、私も認めます。それが多いか少ないかは別にいたしまして。しかし、一様に被害にあった農家、そうして国が助成をするその助成の程度というものはまさに微々たるものであったにいたしましても、これは助成をするなり県が措置をするなりしてやることだけは過去の実績によっても明らかですね。そうしますと、その上にこの保険が積み重なる。その積み重なった場合は、それが全く保険であるならば、私は問題ないと思う。つまり、自分が保険料を払って、そうして当然の権利としておれは保険金を支払われるんだという、ただ単にそれだけの関係であれば、私は問題は出てこないと思う。しかしながら、今度の保険には共済部分が入っている。少なくとも事務費や何かは別にいたしましても、いわゆる交付金という一割額だけは、これはやはり被害に備えて農家に補償しているということになるわけであります。そうすると、その一割部分というものは、こういう他の農家と不均衡であるという実態というものは、これはやはり免れないわけですね。そうすると、これは何だ、おれのところへもっとそれじゃ見返りとしてよけいなものをよこせというような話にこまかに検討すればなる可能性というものがあるということです。この点はどう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/30
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031・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 私の御説明が悪いのであるいはおわかりにくいかもしれません。保険か共済かということは、義務制か任意制かということとは全然別の問題でございます。これは、共済ということばを使いましても、農業共済組合が行なう任意共済という制度がございます。さらに、農協共済事業というものもございます。これも任意制でございます。保険ということばを使いましても、いま自動車関係の自動車保険はたしか強制加入というか、当然加入のはずでございます。したがいまして、保険か共済か、特に今回果樹保険ということばを使いましたことが任意加入につながっておるということは全くございません。これは別の問題でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/31
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032・村田秀三
○村田秀三君 いまお話がありましたが、私自身も共済ということについていろいろ意見を持っております。共済そのものでも、災害補償というものではないと理解できる面もあるし、また、一部はそうであるという面もある。したがって、私がいまここでことばとして表現をしておった共済に対する認識ですが、この場合は共済のほうが補償部分が多いんだという認識に立っておるものですから、そういうことばの区分けをしないで使いましたが、それではこれから補償部分という表現を使うことにいたしますが、少なくともこの保険の中では補償部分が入っておる。一割額であろうとか、その他事務費であるとか、あるいは政府の再保険部分を含めるとするならばこれは相当膨大なものになるわけでありますがへその補償部分というものを相当この保険は持っているわけですね。したがって、一様に起きたところの災害地域の救済、助成、そういうことを考えた場合には、これは不均衡じゃないかということです。その点についての理解はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/32
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033・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 果樹保険は任意加入でございますから、災害を受けました場合に、果樹保険に入っている者と、入っていない者とで差ができることは当然でございます。それから果樹保険に入っております者の関係におきましても、通常被害に相当する分は、これは連合会が自分の保有の保険料で保険金を払うということになります。それから災害が相当ひどくて異常災害を含む場合は、異常災害につきまして九割は国が再保険料を払い、あとの一割について連合会が負担をするということになりまして、これは別に均衡上不公平であるかないかということではなくて、通常被害にとどまった場合と通常被害にとどまらなかった場合と、国と連合会の関係が違うということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/33
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034・村田秀三
○村田秀三君 ちょっとかみ合わないわけですが、私が申し上げているのは、この保険は任意加入であるために、その地域で、いまのおたくのほうの考え方からするならば、これは果樹農家が過半数入らなければそこでは成立いたしませんよと、それはわかります。しかしながら、その過半数は確かに保険の影響を受ける。受けるということは、何といっても政府の補償部分というのが入っておると理解できるでしょう。政府は再保険をするし、そしてまた、事務費も出すし、果樹農家に直接影響を与える部分というのは、交付金である一割が影響するわけですね。ということになるんでしょう。一割交付するわけですから、掛け金は一定に定めるけれども、そのうちの一割額は交付いたしますよということですから、果樹農家に差し上げますよということと同じですね。そうしますと、その差し上げる額というのは、被害が起きた場合には前もってその準備のために掛け金の一割ずつ補償しますということと同じだと思うんですね。その場合に、保険に加入しておった農家は、一般的な県やあるいは国の助成策を受けて、なおかつこれが上積みされている結果になるんです。現実の問題として、農家の方がこの保険の内容などというようなものを詳しく知らないで、あるいはぼさっとしているかもしれません。しかし、厳密に言うならば、隣りの人は国から相当の援助を上積みされたけれども、おれのところは保険に入っておらなかったためにそれだけの援助を受けられなかった、不均衡である、こういう問題になろうと思うんです。私の考え方といたしましては、補償である限りは、公平であるべきだということです。多いことが問題ではないんですね。同じくないというところに問題が私はあろうと思うんですね。したがって、そういう格差ができるそれ自体に対してどう考えるかという意味のことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/34
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035・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 果樹地帯で災害が起こりました場合に、国としては、たとえば農業土木に補助金を出すということもございますし、それから天災融資法を発動して三分の低利の融資をするということもございます。そういう従来の災害対策事業では不十分ではないかということが今回の果樹保険を生んだ一つの契機だろうというふうに思います。いま果樹保険をつくりまして、任意加入といいましても、事務費を国がめんどうを見、保険金の一部を実質的には交付金という形で交付し、さらに一番大きいのは、全体の八割七分ほどは国が責任を背負う、これが一番大きい国の補償でございます。そういうものを国が出す場合に、保険に入っていない者と保険に入っている者と不公平ではないかというふうにおっしゃりますならば、まさにそのとおりでございます。これは、私ども試験実施の段階を過ぎて本格実施に移ります場合には、どうぞ皆さんお入りくださいというふうに当然言えるわけで、皆さんがお入りになれば、任意保険であろうと義務保険であろうと、それは変わりはないわけでございます。
ただ、はなはだいまの問題は私としてお答えにくいわけでございますけれども、もしも共済組合が任意共済事業として果樹保険をやるならば、これは政府は別に再保険もやりませんし、それから交付金も出しませんし、事務費の国庫補助もやりませんから、これは保険に入る者も入らない者も国との関係においては無差別ということになるわけでございます。国が何ほどかの助成をする場合には、入る者と入らない者とで差ができるということは、これは私はやむを得ないことであろうというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/35
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036・村田秀三
○村田秀三君 やむを得ないと考えるところにいままで私どもが希望しておった果樹共済と違うという、どうしてもやはりそれをぬぐい去ることはできないわけですね。だから、確かにこの果樹共済が国の責任部分を多くとったというそのことについては、私はむしろ敬意を表したいとは思いますよ。思いますけれども、少なくともこの果樹保険を設計するにあたって立てた思想は、冒頭お答えいただいたように、補償部分というものが考えられているわけでしょう。そうしますと、この補償というのは、被害を受けた農家全体に補償してやるというたてまえでなければならないはずだ、私の考えは。だとするならば、義務加入という表現は悪いけれども、任意という形ではなくて、強制も義務もそれは表現としては悪い。悪いけれども、果樹農家が、やはり入ってよかったんだとだれしもが思えるようなものにして、そして全体を対象にするという思想に立脚しない限りは、いわゆる保険ではない、これは補償部分だという思想というものが生かされてこないのではないかと思うのです。その点はどうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/36
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037・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) だんだん伺っております間に、先生の御趣旨はよくわかってまいりましたけれども、国との関係で平等に扱うためには、国として一銭も金を出さないか、あるいは、国が助成する場合に、義務加入ということで不公平をなくす以外に私は方法はないと思います。国が助成をして任意加入といたします限り、入る者と入らない者との間に不公平が起こるということは、これはやむを得ないことだろうと思います。ただ、今回の果樹保険の試験実施にあたりましては、義務加入であることがいかにもぎらぎらして、これはまた別の面で農家から反発を受けるのではないかというふうに思います。したがいまして、本格実施に移ります場合に、任意加入でやるか義務加入でやるか、それはこれからの問題でございますから別でございますけれども、試験実施にあたりましては、任意加入で農家の希望をいれながらいわば試行錯誤の形で制度をよくしていくということがいいのではないか。その場合に、たての半面として、入っている者と入っていない者とで国の取り扱いが違ってくるということは、これはやむを得ないことではないかというふうに思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/37
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038・村田秀三
○村田秀三君 事務的に割り切れば、いまのお答えになろうかと思いますが、そこで、ちょっと違うような問題ですが関係のある問題を一つ申し上げてみたいと思うのですが、いま反発を受けるだろうという言い方をされましたね。その反発というのは、確かに、いまの試案、これをそのまま実施するとして、これを全部、義務でございますよ、強制的に入りなさいという言い方をすれば反発を受けることは、これは間違いないと思うんです。したがって、いまの段階で私はこれをこのままの形で義務制にせよということは言わないけれども、先ほど申し上げましたけれども、このままでは問題にならないんです、率直に申し上げまして。問題にならないけれども、少なくとも災害補償なんだという考え方に立つならば、本格実施の際に全くそのような形に切りかえますという言い方は確約できないとしても、少なくともその方向で検討を加えていきましょうという気持ちが試験実施段階になければならないような気がするわけでありますが、その点はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/38
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039・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 果樹保険の内容について、このままでは不満であるというふうにおっしゃいますけれども、任意加入で試験実施ということを頭に置いてお考えいただきますと、私ども今回の果樹保険が非常にこれでいいというふうに誇るつもりは毛頭ございませんけれども、任意加入の共済あるいは保険事業について国が九割の再保険をするという例はいままでございません。交付金の問題は別といたしましても、基幹的な事務費についても国が全額補助をいたすわけでございますから、農家にとってよかれということでいろいろ御意見があるわけでございますけれども、私どもは新しい共済制度あるいは保険制度を仕組む者としては、せいぜいこの程度以外にはなかなかむずかしいのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/39
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040・村田秀三
○村田秀三君 私は、いま直ちにそれを変えてこの五年間やってみろと、こういう言い方はいたしません。先ほど申し上げましたように、義務それから任意では国の災害補償部分というものが不均衡になるから、それを解消するためにも、果樹共済をつくってくれという大方の意見の中には、国の補償制度を充実せよという考え方が入っておるはずであるから、だとするならば、これは少なくとも果樹の専門農協というものは数少ないかもしれません。果樹専門農協と一般農協とが何か業務の奪い合いをして仲がいいとか悪いというような話も聞いてはおりますけれども、いずれにいたしましても、果樹産業というのは農協の中に明確にうたわれて、これからの産業である、そうしてしかも国民の食生活も変わって、米麦に次いで牛乳も主食という認識が高まっておる、果樹もやはり主食であるというような社会が来るだろうという想定をするならば、この際、もっと十二分な補償制度を充実する方向で検討する必要があるであろう、こういう立場に立ってものを申しておるわけであります。したがって、本格実施のときに補償部分が全く一〇〇%だというものの言い方はいたしませんけれども、少なくとも任意加入でやってもよろしいが、一〇〇%加入できるような体制をつくるためには、補償部分を多くして、そうして魅力のあるものにして、だれもが喜んではいれるような制度をつくらない限りはこれはどうにもならぬのじゃないかという思想に立ってものを話しておるわけでありますから、したがって、そういう前提に立ってこの五年間試験実施をしていくんだというその気持ちが大切だろうと思います。したがって、それがあるのかないのかということを、まあこれは最低ぎりぎりのところでありますが、聞いておかなければならない問題であると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/40
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041・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 国が果樹保険についてどの程度の援助をするかということは、これは果樹栽培農家の負担能力の問題もございますし、果樹栽培の農家の経営における意味ということの問題もございまして、一がいには言えませんけれども、私どもこの五年間の試験実施を経て本格実施に移ります場合には、もちろんできるだけ農家の期待に沿うような制度にいたすように努力をいたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/41
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042・村田秀三
○村田秀三君 この五年の間でも、試験実施中にも、いろいろ中間報告をいただきまして、いまの思想が右するのか左するのか常に注意を払っていきたいと思いますが、少なくともその大前提だけは忘れずにやっていただきたいと思います。
次に、具体的な保険設計についてでありますが、端的に言いまして、衆議院の議事録を拝見をいたしました。わが党の島口委員がだいぶ食い下がっておりましたが、その中で問題になっておりましたのは、掛け金の割合には 割合にはというよりも、掛け金が多くて支払い保険料が少ないのはどういうわけだ、こういうような論議でしたね。その論議を私は再び繰り返すつもりはありません。ありませんけれども、あの論議が起こってきた理由というのは何であるかということを私自身も考えてみました。私自身、率直に言いまして、掛け金よりも少ない支払い保険料なんというものは、全くお粗末な話だと実は思っております。しかし、その感覚的なものは別にいたしまして、あの論議が起きてきました最大の理由というのは、この保険設計がはたして妥当であるのかないのかという点について判断する材料がないということなんです。一つの料率がここに例をあげられておりますが、最高、最低、平均。しかし、これは全国平均であります。これが個々の地域に行けば幾らになるかわからない。その料率を導き出すところのデータ、これがこの資料に付随されて出てくるとするならば、わからないなりにもいろいろ研究して理解をすれば、あの論議は出てこなかったと思うんです。掛け金が高くて支払う保険料が安いじゃないか、こんな言い方は出てこない。なぜそうなるんだろうということを研究できたと思うんですね。だから、論議の角度というのは変わってきたと思うんですよ。そこで、私は、一つお願いを申し上げたいわけでありますけれども、その保険設計の基礎資料、料率を導き出すための基礎資料ですね、これがあるはずだと思います。なければ出てこないわけですから。その資料を拝見したいと思うんですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/42
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043・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 手元に差し上げております三年間の県別の被害率でございますが、これがもとになる数字でございまして、水稲あるいは麦等につきましては、ある県について二十年間の資料、データをもとにしまして、そこで通常被害率と異常被害率とに分けるわけであります。通常被害率と異常被害率とを分ける境は、私どもよくポアッソン分布と言いますが、一〇〇のうち九五の頻度であらわれる部分と、一〇〇のうち五の頻度であらわれる部分とを分ける。その境を問題にいたしまして、九五の頻度であらわれる部分を通常被害率、一〇〇のうち五の頻度であらわれる部分を異常被害率というふうに分けておるわけでございます。したがいまして、今回の果樹保険は、年の数にいたしますと三年でございますから、その三年をもとにして、いま私が申し上げたような作業はできないわけでございますから、その三年に加えまして、県別の被害率は、まあ十県やっておりますから、項数は三十になるわけでございます。三十の被害率を、いま申し上げましたように、ポアッソン分布に乗せて、九五の頻度であらわれるものと五の頻度であらわれるものと区分をいたしまして、ミカンにつきましては二・二%という通常被害率を出したわけでございます。それをこえる部分が異常被害率ということでございます。
したがいまして、衆議院で御議論いただきましたことの一つは、ある県につきまして保険料率が非常に高くて、三〇%以上の被害の場合に保険金が支払われるということでは、三〇%の場合に支払われる保険金よりもむしろ保険料が高いのはおかしいではないかという御議論を何回もいただいたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、この被害率は私どもが格別加工した数字ではございませんで、調査の結果のなまの数字でございますから、少しあるいは高く出過ぎていないかというふうにも思いますけれども、それを修正する資料というものはございません。したがいまして、衆議院でも申し上げましたことは、この三年の数字につけ加えて四十一年のデータを乗せて、そうして被害率をもう一度はじき直しますと、これはことしの秋ぐらいまでに私ども被害率と保険料率とを計算して、それで各県の農業団体あるいは農家に御相談をするわけでございますから、この数字はそういう意味で現在の時点における数字であって、今後修正されますということを申し上げたわけでございます。これは保険数理の問題でございまして、特別にどうこうということでデータを加工したわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/43
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044・村田秀三
○村田秀三君 この基礎被害率を基礎にして保険料率をはじき出したということはわかるんですよ。どうやってはじき出したのかというのがわからないんです。この算式、この保険料率が全く正しいものであるのかどうかという、それを知るための資料ということなんですね。基礎被害率からこの料率が出たんだということはわかるんです、これをもとにして。だけれども、どういう経過でどういう資料によって被害率が固定したのかということがわからない。だから、算式があるわけです。その点をお聞きしたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/44
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045・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) いま申し上げましたのは、その算式の内容を御説明いたしたわけでございます。それで、ミカンで申し上げますが、もう一度簡単に申し上げますと、項の数が三十ございまして、ポアッソン分布に乗っかる部分で、九五の頻度で起こる部分と五の頻度で起こる部分とで計算をいたしますと、通常被害率が二・二%になるわけでございます。各県二・二%をこえる部分を平均いたしたものが異常被害率でございます。異常被害率と通常被害率とを加えたものが被害率でございますから、それで保険料率をはじくわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/45
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046・村田秀三
○村田秀三君 そのように説明を受けるわけでありますが、どうもわからないですね。何か紙に書いたものはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/46
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047・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 紙に書いたものをお示ししますと、さらにむずかしくてわからないことになります。私がわかる程度で申し上げることのほうがむしろ御理解いただけるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/47
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048・村田秀三
○村田秀三君 それがほしいんですよ。むずかしくてわからないかもしれないけれども、それを頭にぶっつけながら自分でのみ込んでみないと、この料率がはたして妥当なものであるのかどうかというのがわからない、こういうことなんです。だから、局長がことばで話をしていることはわかるんですよ。わかるんですが、その料率に至るまでの数式、そしてその資料、これは被害率ばかりではないと思うんですよ、保険設計には一番重要なものですからね。それが知りたいんです。むずかしくてわからなくてもいいですから、その資料をひとついただきたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/48
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049・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 決して差し上げるのをいとうわけではございませんけれども、後ほど差し上げるということにして御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/49
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050・村田秀三
○村田秀三君 それはどれくらいかかりますか、時間は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/50
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051・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 三十分か一時間ぐらいです。ただ、数式の問題でございますから、めんどうくさいということだけはひとつ御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/51
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052・村田秀三
○村田秀三君 それでは、その資料が届きまして、そして私のほうで専門家もおりますから、検討してのみ込んだところで次の質問に移りたいと思うんですが、ひとつそのように承知していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/52
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053・川村清一
○川村清一君 どういうものが出るのかわからぬ、とにかくむずかしいものだろうと思います、保険設計の料率を出すところの算式だから。そこで、これから暫時休憩をしていただいて、その資料を持ってきて、そうして村田委員のところで、ただ紙に書いたものをひょっと出されてもまたわからぬから、持ってきてそうしてよくわかるように説明していただいて、それから続けたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/53
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054・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/54
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055・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 速記を起こして。
暫時休憩いたします。
午後三時二十分休憩
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午後三時二十七分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/55
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056・野知浩之
○委員長(野知浩之君) ただいまより委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑のある方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/56
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057・村田秀三
○村田秀三君 いま資料をいただきまして、本来であればこれは長時間調査してみたいと思いますが、時間もありませんから、いまは拝見をするにとどめますが、しかし、どうも私らしろうと目で見ましても、まだまだやはり問題点があろうかと思います。決してそれが農林省の責任などということは私は言いませんけれども、しかし、問題があるということだけは明らかにしておく必要がある。したがって、この料率というのは、保険料をきめるための根拠になるものでありますから、保険料が高いか安いかというのは、こればかりではありませんけれども、これで大体きまるということが言えるということでありますから、この試験実施期間中であっても、いまこれを定めたからこれでよろしいのだというものの考え方ではなくて、少なくとも正しい資料と正しい計算に基づいて掛け金の軽減をはかっていくという考え方に立つべきであろう、こう思いますので、ひとつその点を確認していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/57
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058・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 私ども差し上げております資料は、正確なものでございますけれども、何ぶん調査の時点が三十八年から四十年までの三カ年でございますので、水稲、麦等は二十年間の変化にのっとって計算をしておりますのとその点が違うのでございますから、今後、試験実施中におきましても、データがそろうに従いまして、各県の被害率、したがって保険料率を適宜改善してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/58
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059・村田秀三
○村田秀三君 それでは、この問題はこの程度にせざるを得ないということで、次に移ります。
そこで、加入率がやはり保険設計にはこれまた重要な役割りを持つと理解をするわけでありますが、この事業計画を立てまして、その加入者が一割ということであるのか。先ほどのお答えによれば、加入者が一割になるということでありました。そこで、私は、先ほど、二割、三割伸びる場合もそれでよろしいのではないかという言い方をいたしましたが、どうしてもこのような事業を起こす場合には、一人は万人のために、万人は一人のためにということでありますか、やはり加入者が多ければ多いほどよろしいんだというような感じがするわけでありますが、そういう立場に立ちますと、先ほどの論議に戻るわけでありますけれども、この計画、保険設計をするについて、これはやぼな質問になるかもしれませんけれども、一割全部が加入したという前提に立っておるのかどうか、この点について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/59
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060・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 試験実施で一割と申しますのは、果樹栽培農家の一割ではございませんで、栽培面積約十八万町歩の一割程度の面積について試験実施をいたしたいということでございます。資料として差し上げております国の責任あるいは連合会の責任等々は、一割の栽培面積について全部加入するという前提での計算でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/60
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061・村田秀三
○村田秀三君 基準収穫量について聞いてみたいと思いますが、過去四年間のうち平均値を出したというような言われ方をされておるが、それでよろしいのか。同時に、また、それを認定するのはどういう方法でどなたがやられるかということが一つ問題になると思います。それを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/61
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062・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 私ども、計算の便宜のために、ミカンに例をとっております。十アール当たり二千六百キロというそういう数字を使っておりますが、これは実際に試験実施をいたします場合には、当然県ごとの問題になるわけでございます。それで、基準収穫量をどの程度正確にきめることができるかということが、実は、今回本格実施に至りませんで試験実施をいたします一つの理由でございますけれども、実際問題としてはなかなかむずかしかろうと思います。しかし、私ども現在やろうと方針を固めておりますことを申し上げますと、まず、ある県、ある地帯につきまして連合会が委嘱いたしまして、県の試験場あるいは農協の連合会の技術職員等々を動員いたしまして、樹齢別、品種別の標準的な収量というものをつくるつもりでございます。その標準的な収量を個々の加入農家の栽培技術水準あるいは沿革等々に当てはめて個々の具体的な例をつくる。なお、あわせまして、共同選果あるいは共同販売等が相当進んでおります地帯では、流通市場を参考にして個別に数字を固めていく、そういうように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/62
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063・村田秀三
○村田秀三君 それはどなたがやるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/63
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064・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) これは当然元請の連合会と裁培農家との納得ということになるわけでございますけれども、いきなりの話し合いということではなくて、まず、客観的な資料として、試験場の職員等に委嘱して、その地帯の品種別、樹齢別の標準的な収量の表をつくる、それを個々の農家の具体的な事情に合わせて個別化していく、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/64
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065・村田秀三
○村田秀三君 それは、標準別に果樹農家に選択をさせるというような方法ではなくて、その実態に徴して個別に定めていく、そういう考え方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/65
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066・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 私が申し上げましたのは、基準収穫量の問題でございます。保険金額を出しますために、もう一つは、一キログラム当たり——たとえばミカンあるいはリンゴの保険金額というものがございます。これは、ここに差し上げてあります資料で、ミカンにつきましてはキログラム当たり三十九円という数字がございますのは、最近四年間で、高い年、低い年を除きました二年間の東京卸売市場のミカンの価格が一キログラム当たり六十五円でございますから、その六掛けということで三十九円を保険金額の最高限にいたしたわけでございます。キログラム当たりの保険金額につきましては、福島県のリンゴ、あるいは宮崎県のミカン等々、県単位でミカンなりリンゴなりが最も多く行くような中央卸売市場の最近数カ年の価格を基準にして、その六割ということできめるわけでございます。これは、ミカンについて申し上げますと、一キログラム当たり三十九円というふうに基準価格がかりに出るといたしますと、それを一つの地区で三十九円で見るか、あるいは三十五円で見るか、まあバルク九〇%に見るか、一〇〇%に見るか、八〇%に見るかということは、果樹栽培農家に選択させるつもりでございます。
ただ、一つの地区では、一つの保険金額というふうにいたしませんと、逆選択の問題も起こり得ますから、一つの地区では一つの保険金額でございますが、どれだけの金額を選ぶかということは果樹栽培農家といいますか、保険の申し入れ者の選択にまかせるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/66
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067・村田秀三
○村田秀三君 やろうとしていることはわかりました。そこで、私も共済組合員なんですが、私のつくっておる田は非常に収量の低い田なんです。ところが、付近一帯はあたりまえに収量があるということで、それが基準にされてしまうんですね。そうして、それが基準にされてしまうものであるから、掛け金はあたりまえに支払う、実際は収量は低いんだけれども。幾ら収量が低いから共済金の支払いをおれは受ける権利があると言っても、これはなかなか支払いを受けられない、そういう実態があるわけですね。したがって、いま局長が答弁をされたその中で考えてみるとすればどういうことになるのかということを、いま私考えてみたわけでありますが、これは個別に収量を——個別というのは、地域別ではなくて、農家のほうですね。個別に収量をその果樹農家と相談して認定をしていくという方法がとられないと、やはりいろいろな問題が出てくる、こう思うんですね。それはそうするということではないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/67
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068・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 個別に相談をすると言うことは多少正確を欠くかもわかりませんが、私ども考えておりますのは、その地区における樹種別あるいは樹齢別の標準的な収穫量をまず試験場の技師その他専門家にきめてもらうわけです。それを個々の農家に具体的に適用いたします場合に、その農家の栽培技術水準あるいはその農協等の取り扱い量等を参考にして具体化をしていくということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/68
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069・村田秀三
○村田秀三君 その問題はあまりこだわっておりませんけれども、しかし、一定の基準をしくにいたしましても、これは非常に詳細にいたしませんと、同じ果樹農家でも、一がいに千円といいましても、樹齢もありますし、これはばらばらだと思うんですね。その基準をきめるにあたりましては、少なくとも個々の農家の実態と合わせて間違いのないように、狂っても了解のできる狂いである、こういう状態のものをつくらないと、これはもめごとをつくる種をまくようなものだと思います。その辺は十二分に配慮していただきたいと思います。
次に、保険金でありますが、先ほどのお答えの中にもありましたが、保険金は六割だと。この六割の根拠は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/69
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070・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) ある年の果実が全滅をいたしました場合の保険金額の最高は六割になるわけでございますが、果樹は年によって価格の変動がございますから、超過保険を避けるという意味もございます。それから水稲について申し上げますと、一〇〇%とれません場合、収穫皆無の場合の保険金の支払いというのは、六三%でございます。水稲が六三%で果樹が六〇%というのは、水稲との見合いを考えたことが一つでございます。さらに申し上げますと、樹種によって多少の違いはありますけれども、六割を補償いたしますと、生産費調査によります物財費と労賃部分とを大体カバーできるのが最近の生産費調査における状態でございます。この三点をあわせ考えて六割を適当と考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/70
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071・村田秀三
○村田秀三君 ただいまの説明だと、水稲が六三%であるからそれに見合うものである、それから物財費プラス生産費、これに見合うものである、こういうお答えでございました。お答えの中に、価格の変動があるということを言われましたね。そこで、問題になりますのは、私は二つあろうかと思います。というのは、価格変動、まさにそのとおりでございますから、基礎調査を四年なさって、その四年の価格がいまそのままあるというものではないと思いますね。したがって、その調整をどうするのかという問題。しかも、過去四年間のものをいま定めて、それを五年間そのまま踏襲するということは、これは不合理なような気がいたします。毎年考えていかなければならないような気がいたします。それはそれでよろしいのかという問題が一つ。
それと、もう一つは、価格変動というのは、これは自由価格制であるからだと思います。それから、先ほど、局長は、六三%云々と言いましたけれども、これは水稲の例。水稲の例は、先刻御存じのように、生産費所得補償方式になりまして、その生産費というのは毎年動きますが、それは物価に対応して動かす努力がなされて、しかもそれは上がっておるという傾向ですね。ですから、常に実体は固定していると観念してもいいと思います。そうしますと、果樹の基準収量は自由価格制だということになる、生産費補償をするという前提に立って基準収量やあるいは保険金が定められておらないというところに私は問題があるように思います。その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/71
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072・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 具体的に事業をやります場合に、過去の相場の四年間をとったらいいか六年間をとったらいいかということは、私ども一つの検討課題として検討しておりますが、いずれにいたしましても、一たんきめますと、それを五年間動かさないという趣旨ではございません。これは、過去四年をとりましても、六年間をとりましても、毎年動かしていくつもりでございます。
それから生産費を保険によって補償することが適当かどうかということも、これもなかなか問題がある点でございます。生産費と申しますと、当然に反当の生産費でございます。反当の生産費で補償をいたしますと、ある農家はミカン三千キロという農家もございますし、二千キロという農家もございますが、生産費はそれほど大きな相違はございませんから、技術水準の高い農家と低い農家とが保険金額において相違がないという状態になるわけでございます。これは水稲につきましてかつて農業保険で反当建てをいたしましたが、農家によって勤勉なものとそうでないものと収量の相違があるのに、反当一本ではおかしいではないかということで、いまのような普通収量建てに変えました経過がございますので、反当生産費をとるよりも、一キログラム当たりの保険金額にその農家の基準収穫量というものを掛けて保険金額を出すほうがよろしかろうということで、いまのようにいたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/72
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073・村田秀三
○村田秀三君 私は、こういう背景も考えながら特に主張したいと思うのですが、少なくとも果樹は将来伸びていくということは間違いない。間違いはないけれども、消費と生産の関係においては、やや生産が先行している傾向があるのではないか、こういう資料が出ております。そうしますと、果樹の価格というものが、今後はたして生産に見合う価格で推移するかということを考えるのです。これは、価格の保証制度であるとか安定対策が効果をおさめない限り、そういう事実は考えられない。とするならば、少なくとも基準収量額をきめるにあたりましては、確かに今回の場合、過去四年間は果樹の値段がよかったということは言われるかもしれないけれども、しかし、それが実際に生産費を割るような価格の場合も平均値が出てくるとするならば、これは補償ということにはならないわけです。したがって、基準収量を金額で引き直す場合には、何としてもやはり生産費の問題で、いま、技術水準の格差であるとかあるいは市況であるとか、いろいろなことが言われましたが、それは水稲であっても同じことが言えるのでございますが、生産費の標準をきめるにあたりまして、これは技術がへたなんだ、だからやむを得ないんだという感じは農家の方は持つと思うのです。そうすると、むしろ生産費の標準をきめて、そこからはじき出されたところの基準金額でなければ、将来間違いを起こす。私はそう理解をするわけですが、それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/73
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074・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 将来の価格の推移の問題を別といたしまして、生産費を基準にして保険制度を組み立てますと不適当と思われますのは、技術水準の差が保険金額にあらわれないわけであります。生産費というのは当然反当生産費で出てくるわけでございましょうから、三千キロをとる農家も二千キロをとる農家も、保険金額というのは一本になるわけです。これは、先ほど申し上げましたように、最初は米についてそういう思想で面積だけでやっておりますのを、だんだん収量建てに変えてきたのでございますが、面積建てでやりますと、不平を言いますのは、技術水準の低い農家ではなくて、技術水準の高い農家が必ず反対を起こすというか、不満を持つわけでございます。私は、価格と生産費の問題は別といたしまして、保険金額としては、やはり一定の一キログラム当たり保険金額掛ける基準収穫量ということで、個々の農家の事情を反映させることのほうが保険制度としてはよろしかろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/74
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075・村田秀三
○村田秀三君 どうもこの制度自体が両様を持っているものですから、都合のいいときには保険が出てきて、都合の悪いときには補償が出てくる、こういうことで非常に論議のしにくい面があるわけです。いずれにいたしましても、将来のことを考え、なおかつこの制度自体の持つ意義というものを生かすためには、少なくとも——それは、確かに、技術水準の違いのある農家が不満を持つということを配慮するなら、生産費を基礎にして技術格差をプラスするというようなそういうやはり合理的な方法が検討されてもいいのではないか、こう思うのですが、これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/75
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076・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 私どもも、果樹保険を本格実施いたします場合には、いろいろ検討の課題がございますから、ただいまのところ私は生産費をとることについてはいろいろ問題があると思いますけれども、今後の検討課題の一つとして勉強をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/76
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077・村田秀三
○村田秀三君 その点はひとつ間違いなく検討していただきたいと思います。これは相当にやはり将来の問題になるような気がいたします。
次に、支払い保険料でありますが、先ほども料率の中で若干触れました。触れましたけれども、もう一度突っ込んで質問してみたいと思いますが、何といっても、掛け金よりも少ないところの支払い保険金というのは、どうもやはり感情的には了解ができないんですね。そして、これはもう三割以上の被害でないと保険金が支払われないということですね。その感情というのは、やはり果樹農家の立場に立てば、なんだえなものと思うに間違いないと思うのです。しかも、基礎被害率の資料を見ても、これは三割以下の被害というのは相当に低くなっておる。ということになれば、なかなか機会がないじゃないか、おれたちは掛け金は納めるけれども、もらえる機会がない、しかも三割も被害があったのに掛け金よりも少ない保険金なんてあるものじゃないという感じを農家に与えることは間違いないと思う。そこで、私は保険設計に問題があるような気がするわけでありますが、それを直す方法というのはあるのかないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/77
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078・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) お手元に差し上げました資料によりましても、三割の被害ではもらう保険金のほうが少ないけれども、四割の被害ではもらう保険金のほうが圧倒的に多いということになるわけでございますから、この保険料率を見ても、農家によって加入を希望するものが絶無だというふうには私は思いません。しかし、御指摘のように、少し常識としておかしいではないかという点は、私は当然あると思います。この点につきましては、三十八年から四十年の三カ年にわたってとにかく調べましたなまの数字から先ほど申し上げましたような保険数理によってこういう保険料率を導き出したわけでございますから、ただいままでの資料によってこれを変えるというわけにはまいりませんけれども、四十一年のデータがこれに加わることによって何ほどかの修正が行なわれるであろう。さらに、四十二年、四十三年、四十四年というふうにデータが積み重ねられるに従いまして、もしも三十八年−四十年の被害率が何かの事情で過大に出ておるとすれば、それは農家でもって御納得のいく数字になるのではないかというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/78
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079・村田秀三
○村田秀三君 検討の余裕があるということでありますから、そのような立場で検討してもらいたいと思います。私のそれに対する考え方を若干申し上げてみたいと思います。一つの例ですから、そのつもりで聞いていただきたいと思いますが、三割被害で四千八百円、そうして十割被害で四万八千円、これは十倍ですね、倍率は。この倍率が高いか低いかということは、これはいろいろ御議論があるところでしょうけれども、少なくとも十割の被害というのは実際どういう状態だろうと考えてみる。そうしますと、これはごくまれということが出てくる。しかも、ごくまれな場合は何かというと、台風、水害で河川流域の果樹園が根こそぎ流れるということだろうと思います。そうしますと、頻度率が非常に低いということを考えてみた場合、上のほうに使っている部分を頻度率の最も高いところにつけていく、そういう設計のしかたもあるのではないか、こう思うわけであります。図式にでも書いてみないとちょっとわからないわけですが、計算そのままに一本棒をさっと引くのでなくて、高いところの部分をむしり取って、そうして低い部分につぎ足しをする、こういう政策的な設計のしかたもあるであろう、算術計算で出たとおりでなくて。だから、結局、五割の被害なんというのはこれは非常に珍しいと思うんです。そうすると、六割、八割、九割などという部分は多少下げても、やはり下の部分につけていくという政策的なものが必要ではないか。同時に、収穫保険に入る方が必ず果樹樹体保険に入るとはもちろん限りませんけれども、十割被害ということは水害の場合、これは木まで流れるわけですから、当然樹体保険に入る価値があるわけであります。そうしますと、収穫保険にプラス樹体保険ということになるわけですね。金額の面では、農家自体は、おれはとてもじゃないが損したという感じをこれは持たない。そういう点を考えてみるつもりがあるかないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/79
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080・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) リンゴにつきましていまの御指摘のところを例にとりますと、三〇%以上の被害について支払う方式をとりましても、三十八年は四・九%の被害率が、三十九年は一六%、四十年は二〇・六%、相当被害率の高いものでございます。まあ保険なり共済なりいずれにいたしましても、ある意味では被害率の高いところで保険料率が高いのはやむを得ないわけでございます。いま先生が御指摘になりましたように、高いところからむしり取って低いところにつけるというわけにはなかなか保険のたてまえから言ってむずかしいわけでございますが、私はこのとおりに具体的に料率をきめるとは申しておらないので、これは三十八年ないし四十年のデータに基づくとこうなりますということを申し上げておるわけで、四十一年のデータ、さらにその後のデータが積まれることによって、その高い被害率がある程度直される可能性は十分あるわけであります。むしろ私ども水稲その他いろいろな保険制度をやっておりますけれども、被害率として出たものはそのまますなおに使ってまいりませんと、これは保険制度全体のいわば運命にかかわる問題でございますから、ある数字について鉛筆をなめるということをいたさないで、これにデータを積み重ねていってそれで調整をするというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/80
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081・村田秀三
○村田秀三君 その辺のところは専門家にまかせるほか実はないわけですがね。
じゃ、参考までにお伺いしていきたいと思いますが、被害率の頻度といいますか、どう表現したらいいんですかね、つまり、五割被害率はこれは何回くらいあるだろう、六割はこれは何回くらい発生するだろう、十割は実はあったのかなかったのか、こういう問題について具体的に承知したいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/81
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082・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 私が先ほど御説明いたしましたミカンにつきまして、十県の例を三年にわたって項数三十で申し上げましたものが、過去の被害率、そのとおり出ております。重ねて申し上げますと、温州ミカンについて申し上げますと、三年にわたり十県の例で項数にして三十の場合は、被害率のない場合が十三回、一%の場合が七回、二%の場合が一回、三%の場合が四回、四%の場合がゼロ、五%の場合が二回、五%をこえる場合が三回ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/82
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083・村田秀三
○村田秀三君 この問題は、五割をこえる場合が三回ということで、六割、七割、八割がないところに私は何か問題があるような気がするわけですね。この五割以上のものを一括して設計するのか、あるいは、六割、七割、八割に個別的に設計するかによってはだいぶ計算が変わってくる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/83
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084・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) それでは、これは全体の場合でございますが、もう少し御質問がこまかいのでさらにこまかく御説明いたしますと、ある県につきまして、三〇%以上減収の場合に損害をてん補するという方式をとっての三十八年、三十九年、四十年の調査で申し上げますと、三〇%ないし四〇%の被害がありました場合は一〇・三%、四〇%ないし五〇%の場合が四・四%、五〇%ないし六〇%の場合が一・四%、六〇%ないし七〇%の場合が一・二%、七〇%ないし八〇%の場合が〇・四%、八〇%ないし九〇%の場合が〇・九%、九〇%ないし一〇〇%の場合が〇・一%で、三〇%をこえる被害が一八・七%、これは面積でございますが、そういう実例がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/84
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085・村田秀三
○村田秀三君 まあこういう数字が出てくるわけですね。このことを考えてみた場合、一〇〇%というのが〇・一%ということは、まさにまれということになる。そうしますと、保険設計する場合には、十割を想定しながらその支払い準備をするという考え方に立たなくてはならないわけでしょう、一応。そう考えてきますと、準備はするけれども、実際に支払いするということは少ないのか。その分は、斜線をずっとゆるやかにして、下の部分を引き上げるということが保険設計上可能ではないかという、そういう考え方なんです、これは。そうしますと、結局、かけた掛け金よりも保険料が少なかったという不満というものは当然解消をするはずだし、しかも、そのようにしなければ、これは特に任意加入であるだけに、入る者はいないんじゃないかということなんですね。それは検討できるということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/85
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086・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) いま申し上げましたのは、ある県の三十八年における被害の実態でございますが、お示しいたしましたように、三〇%ないし四〇%の被害率は一〇・三%でございまして、被害の全体の中の割合としては五五・一%というふうに、三〇ないし四〇、あるいは四〇ないし五〇のところに相当集中して被害があるわけでございます。一〇〇%の場合は〇・一%というぐあいに非常に少ない、千分の一の面積にしかなかったわけでございますから、それらのものは当然保険料の算定にあたって組み込まれておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/86
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087・村田秀三
○村田秀三君 組み込まれておるのはわかりました。私もそれは理解できます。理解できるんですが、とにかく支払いすることはまずないんだから、その部分を、政策的に、下の部分を高くするという設計ができないのかどうかという、そういうことなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/87
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088・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) いま申し上げた例によりましても、一〇〇%の場合は千分の一しかございませんから、一〇〇%の被害の場合に一〇〇%保険金を支払いましても、全体の保険料の計算にあたってのウエートというのは非常に小さいわけでございます。ですから、一〇〇%被害の場合に一〇〇%払うというのは、これは私はそうすべきであって、収穫皆無の場合に払うのが非常に少ないということではおかしいわけでございますから、一〇〇%被害の場合には一〇〇%払うということにしても、その保険料の中に占めるウエートは非常に少ないから、先生が御心配になりますように、全体としての保険料率が高まるというふうにはならないというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/88
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089・村田秀三
○村田秀三君 数字に忠実であるということは大切なことでありますから、私はこれ以上論議はいたしません。いたしませんけれども、試験実施期間中といえども掛け金よりも少ない支払い保険料というものはなくなるであろうということも想定されるんだというような意味のことを言いましたから、私はそれをもって了解はいたしますが、少なくともやはりここに出ておるようなものは直さなくては、とてもこれが果樹保険だというような印象は受けないですよ。これは直していただくということについて御検討いただきたいと思います。
それからもう一つ、保険設計は一地域ごとにつくらねばならないということですね、そう思うんですが、どうでありますか。たとえば、保険料も、同じ福島県でも飯坂とそれから須賀川は違うと、こういう形になるんだろうと思います。この点はそう理解していいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/89
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090・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 果樹保険を本格的に実施をいたします場合には、私は当然そういうふうにすべきであると思います。ただ、試験実施の段階におきまして私どもが得ておりますデータによってそれだけの地域区分ができます場合は、これはやります。しかし、すべての地域にわたってやるだけの材料を持ち合わせておりませんので、最初は県一本で行き、あとになってそれをだんだんに修正をしていくというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/90
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091・村田秀三
○村田秀三君 法律の趣旨は、いま私が申し上げたようなことなんですね。しかし、実際にやってみるためには、農林省が指導する場合には県一本でやる、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/91
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092・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 法律の趣旨といたしましては、県単位でやるけれども、場合によって地帯を分けてもけっこうだというのが法律の趣旨であります。私は、データが十分そろえば、そのほうが県一本の場合よりもはるかに賢明であると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/92
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093・村田秀三
○村田秀三君 そこで、私は考えるわけですが、福島県を想定してみる。そうしますと、飯坂と須賀川、白河、こういうリンゴ、ナシであれば、そこで考えてみた場合に、これを県一本でやらずに、飯坂地区の果樹農協を中心にそれをやるとするならば、白河の保険料と飯坂の保険料は違う。もちろん収穫基準量も違いますし、支払い保険料も違う、こういうかっこうが出てくる。そうすると、資料に出ておりますように、福島県は被害率が高いわけですね。高いから、私はそこでがんばるわけではありませんけれども、地域に大まかに区切ってしまった場合に、つまり制度の目的であるところの一人は万人のために、万人は一人のためにというものが生かされなくなるのではないかということなんです。だから、私の言いたいのは、被害率が高いところは高いところなりにその中ですべてが計画をされるということではなくて、少なくとも政府は再保険もしている、あるいは交付金も出るということを考えてみた場合、全国一律にというのは非常に困難かもしれませんけれども、そこに幾らか政策的な意味を持たせたところの設計、これをつくる必要があるのではないかと考えておるわけでありますが、その辺について考え方を明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/93
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094・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 具体的な県につきましてこの数字でやるかどうかということは、四十一年に数字を当たったわけでございます。その数字が変わることは十分あるわけでございますから、その点の御了承を得たいと思いますが、私は、農業保険のたてまえから言いますと、被害率に従って保険料率がきめられるというのが筋合いではないかというように考えております。三十八年まで水稲の共済があまり評判がよくありませんでしたその理由の一つは、被害があまりないところでも一律に相当高い保険料を取られるということが農家の不満をだんだんに強くしたわけでございます。三十九年度以降の新しい制度で村ごとに被害率あるいは保険料率を変えましたことが、農業保険制度が農家に根づいて評判がよくなった一番大きな理由でありますから、私は、できますれば、やはり被害の程度に応じて保険料率がきめられるという体制をとるべきであると思います。しかし、具体的にいま出発いたしましたものとしては、それほど芸をこまかくしてやるわけにいきませんから、県一本ということで出発して、県について非常に高い被害率のあるものにつきましては、これは四十一年度のデータの上でもう一度考え直すことができるかどうかということで臨みたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/94
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095・村田秀三
○村田秀三君 この問題に長い時間をかけるつもりはありませんが、少なくともこれは政策保険である。そうして、国も相当部分持ち出しをするわけです。だとすると、被害の高いところを救っていくという思想が前提にならなければならない。そういう意味で、長野県のことはこれは大臣におまかせいたしますけれども、私は福島県のことを想定してみますと、成り立たせるためには、相当に高い掛け金と、そうして低い支払い保険金というようなことにやはりどうもなるような気がしてしかたがないですね。その場合に、しからば、福島県の果樹農家がこれに飛びついてくるかというと、それはそう簡単にまいらぬということになると、これは冒頭申し上げましたが、結果的に被害率の高いところが避けられてこの事業が進行していくということになったとするならば、これは果樹保険を創設した意味というものが半減するだろう、そういうことを考えるがゆえに、その点は特に強調しておきたいと思います。
それから政府の再保険の問題について端的にお伺いしたいと思います。一割再保険料を払い込むわけですね。そうして、政府が九割の責任分担をするということになっております。まあ政府は九割でなくて十割持ってもらいたいという気持ちはあります。ありますけれども、それはさておいて、少なくとも被害が起こらなかったことを想定するとすれば、再保険料というものは積み上げられていきますね。積み上げられていった過程の中では、政府の責任分担というのは、たとえば再保険料が二年分たまった、そうして全体の二割に達した、政府の責任は八割で済むのじゃないか、こういう問題があろうと思います。その点について、それはそうなんだということなのかどうか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/95
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096・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 政府の再保険の内容を申し上げますと、私どもの想定で、果樹保険の試験実施で支払い責任額が全体で百三十億七千万円、このうち、連合会の持つ分が通常部分と異常部分を合わせまして十六億四千万円、政府の持つ分が百十四億三千万円ということで、政府が八七%、連合会が一三%というふうに持つわけでございます。これに見合う保険料といたしまして、総体が五億九千万円のうち、連合会が二億九千万円で、政府が三億持つわけでありますから、かりにこのままの制度で行くといたしまして、政府が三億の再保険料を収入して全然再保険金を払わないということを考えました場合に、支払い責任額に見合うものとしては大体四十年近くかかるわけでございます。そういうことは実際問題としてあり得ませんけれども、政府は、三億の再保険料をもらって、異常被害がありますと、十億、二十億、あるいは極端に言うと百十四億全部特別会計として持ち出さざるを得ないということも考えられるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/96
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097・村田秀三
○村田秀三君 その場合はけっこうなわけです。私は、九割まるまる持ち出しというそのことについては異存はないんです。ただ、しかし、無事故の場合、異常災害が起こらなかった場合には、再保険料が積み立てられるわけでしょう。その際に、何といいますか、この表の中で、いまの保険設計の中では、異常災害部分全部を対象として吐き出したといたしましても、百三十億ということでしょう。だから積み立て金がふえれば政府の責任部分はこれが百億になり八十億になるという、そういうことなんでしょうと聞いているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/97
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098・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) それは、そうではございません。連合会として異常災害が起こりません場合には、異常部分の掛け金にして三千万円が年々たまっていくだけでございます。政府としては、三億の金が多少たまりましても、再保険のうち九割は政府が持つわけでございますから、連合会がどれほどかりに金をためましても、政府としては九割再保険を支払うということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/98
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099・村田秀三
○村田秀三君 そうしますと、異常災害が発生をした。それで、積み立てておったところの保険料、これはそのときにはもうすでに保険料ということにはならないのかもしれないけれども、政府の特別会計の中には——無事故であれば、蓄積がされていくわけですね。そうしますと、異常災害が発生したというときには、その蓄積された現金分から先に支払いをされるという、そういうことになるわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/99
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100・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) たとえば果樹保険を始めました最初の年に全然異常災害がないといたしまして、三億特別会計に金が残るわけでございます。その次にまた三億再保険料が来て、六億になるわけでございます。その場合に、かりに相当な災害が起きて三十億政府が払うといたしますと、たまった六億に二十四億持ち出して政府が払うという形になるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/100
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101・村田秀三
○村田秀三君 その計算をしていきますと、これは何年か、計算上は四十年だと思います、満額になるのは。事実問題としてそういうことはあり得ないとは思います。一応計算上はそういうことになるとするならば、四十年たった場合には政府は実際にその九割の責任は持てなかったという結果もこれは言い方としてはできるような気がするんですね、算術計算をすれば。そこで、私が申し上げたいのは、そうではなくて、備蓄がいかほどになるかはともかくといたしましても、政府の責任分担率というのは、ことしも来年も再来年も全部九割にしていく、その蓄積部分は被保険者に還元をするという措置をとるべきではないかという考え方なんです。その点について御見解をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/101
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102・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) これはなかなかむずかしい問題でございまして、私ども、農作物、蚕繭共済においては組合等、あるいは今回の果樹保険につきましては連合会に無事故戻しということを考えておるわけでございますけれども、一年間だけで収支をして余れば返す、足らなければ全部を持つということもなかなかむずかしいわけでございます。いずれにいたしましても、三億の再保険料で百十四億の再保険をいたすわけでございますから、かりに災害がなくて保険料が多少たまりましても、それはやはり特別会計に積み込んで、将来政府が再保険金を支払う場合に使うということでまずごかんべんをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/102
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103・村田秀三
○村田秀三君 ごかんべん願われても、ちょっともうそれで論議は発展しなくなるわけですが、私が言いたいのは、政府は九割持つんだというこの姿勢だけはあるわけです。だとすれば、それは将来にわたって九割持つんだよという考え方に立ってよろしいのではないかと思うんですよ。それでないと、この表を見ますと、まあ言って見れば、びんの中に水を入れたようなかっこうになりますね。この水はどんどんたまっていって満ぱいになる。満ぱいになった場合には政府の責任というものは解消するんだという理屈にもなるんですね。その責任というのは、これは確かに何かがあった場合にはこれは補償しますよという、これはまことにけっこうな話でございますが、しかし、架空なものになりかねないという想定ができるわけです。だとすれば、この水の入った積み上げ部分を、二割がいいか三割がいいかというその点については問題がありましょうけれども、いずれにしてもこれは異常災害でなければ吐き出しはしないわけです。通常災害はしょっちゅう起こっておる。そうして県の連合会は赤字で苦しんでおるというときに、政府の再保険だけが現金をまだ持っておるというかっこうは決して好ましい状態ではないと思うんですね。私は、そのときはやはり吐き出していいんじゃないかと思う。同時に、先ほど、無事故戻しということばがありましたが、その無事故戻しは、私も衆議院の議事録を見まして、五年たって黒字であれば還元しますよということであれば、それはそれなりに了解をいたしますけれども、これは試行期間だから五年たって戻すということも言えると思うんですね。端的に言えば、本格実施に移った場合には、三年たったら約束ごとのようにこれは無事故戻しをいたしますなどというようなことは言い得なくなると思うんですね。だとすれば、何も私は再保険の積み立て部分だけにこだわるわけではありませんけれども、少なくともその部分は常に被保険者に還元をしていくというところに重要さを感じておるわけなんですね。その考え方に基づいていろいろと申し上げているわけでありますが、まあ局長の立場としてはなかなか答弁のしにくいところであろうと思いますから、これは大臣に御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/103
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104・倉石忠雄
○国務大臣(倉石忠雄君) 大臣でも同じようなことなんでありますが、大体、保険というのは、御存じのように、なるべく災害のないことを期待いたし、どの保険でもそうでありますが、災害の場合に、ただいま長い間御質疑がございましたように、政府はそういう災害の生じたことについてはその九割を補償するということでございますから、考え方においては村田さんと同じことになるわけでありますが、やはり、保険は、ほかの保険でも、保険料というものが蓄積されていって、そしてその上になおそれを上回る災害のときには、政府は当初きめておるだけの責任は、つまり先ほどのお話で申せば百十億、これについては政府が究極においては負担をする、こういうことでございますから、まあ保険という制度はそんなようなものではないかと思っております。したがって、局長の申し上げております趣旨は、結論においては、国が再保険、しかも九割の再保険をいたすということは、いま試験実施の段階ではありますけれども、こういうやり方で実情をしばらく調査研究をして、そうして本格実施に移すときにいろいろまた経過を参考にいたしまして考えていくほうがいいんではないか、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/104
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105・村田秀三
○村田秀三君 まあたいへん虫のいい話を私どもはしておると思います。しかし、それが虫がよいかよくないかということは、保険であるか補償であるか、これによって相当に変わってくるわけですから、そういう意味で、私は、補償部分を何とかして多くしなければならないという前提に立っていろいろ申し上げているわけです。いま原案ができて、とにかくこれを政府が一〇〇%持ちなさいとか、積み立ては返しなさいというふうな言い方がいまにわかにここで結論が出るとも私は思っておりません。少なくとも私が申し上げている部分、つまり補償部分というものを高くしていかなければならないと同時に、掛け金をずっと下げていって、支払い保険金を高くするというような制度に持っていかないと、これは本格実施に移っても苦しむのではないか。したがって、何も再保険部分の積み立て金だけのことを言っているのではありませんけれども、無事故戻しという考えがあるならば、二年目、三年目は掛け金を同一の被保険者ならば安くしていく方法というものもこの試行期間の中で十分検討されてもよかろうではないか、こういう立場に立っておるわけでありますが、よくひとつ御検討願いたいと思います。
次に、事務費、人件費、これは政府が持つということでありますが、事業がどのように拡大をいたしましても、それはそのまま見ていくということでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/105
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106・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 将来の問題は別といたしまして、また、本格実施に移ります場合の処置は別にいたしまして、試験実施の期間中、基幹的な事務費については、国が全額予算措置を講ずるよう努力をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/106
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107・村田秀三
○村田秀三君 この際、想定をされるわけでありますが、これは連合会もそうでありましょうが、末端の共済組合なんかも、相当な繁忙といいますか、それからまた、収穫基準をきめるとかなんとかいう技術的なものもいろいろ必要になってくるわけでありますね。そうしますと、たいへんだと思うのです。そのときに、予算の範囲内で、まあしかたありません、一千円やりたいところなんだけれども五百円でがまんしてくれというようなことになったんでは、これは困るわけですね。したがって、可能な限り措置をして、その措置に要する経費というものは見ていく考えなんだと、こういうようなことでないと、やはり末端の組合では相当に不安があるのではないかと思いますが、その点についても御答弁をいただいておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/107
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108・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 連合会もいろいろでございますから、かかったもののすべてを国が見るというふうなわけになかなかいきかねるわけでございますけれども、基幹的な事務費につきましては全額国庫補助がいくように予算措置を講ずるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/108
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109・村田秀三
○村田秀三君 すぱっとした答えが出ないようでありますが、まあ気持ちはわかりましたが、そういうことで適切な処置というものをお願いしておきたいと思います。
次に、保険の種類の中に入りたいと思うのですが、収穫保険であります。
私はそのときの流通価格を対象にすれば一番よろしいのではないかと実は考えているわけでありますが、しかし、この原案についていろいろ考えてみますと、確かに被害は三割ありました、しかしながら、よく豊作貧乏ということばがありますが、特に果樹の場合には、農家がこれでまあまあだというような価格形成をされるところの条件というのは、今日の生産状況から考えてみた場合に、どこか一地域が被害にあわないと値が出ないんだということが言われるのですね。そうしますと、三割被害はありましたが、しかし、実際に秋になって収穫をして流してみたところが市場価格は相当によかった、金額的にいって、去年十割の収穫があったよりも現実問題としては収入が多かった、こういう結果が出てくるのではないかと想定されるわけです。そこら辺のところはどう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/109
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110・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 私は、御指摘のようなこともあろうかと、思いますけれども、すべての場合が御指摘のとおりでありますれば、果樹保険はもう全然要らなくなるわけでございますから、そういう御指摘のような場合もあるし、また、物理的な被害を受けて、価格もそんなに上がらなかったということで、果樹農家が相当な損害を受けるという場合ももちろんあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/110
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111・村田秀三
○村田秀三君 三割という被害率の中では私も判断ができません。したがって、その被害率、そうして生産数量と流通価格の関係を本来なれば資料をとって調べてみたいとも思っているわけであります。それを農林省のほうへ前もってお伺いしましたところが、そういう資料はないということでありますから、これは一つの想定でものを申す以外はないわけであります。そうしますと、事実そういう問題が起きる可能性があるとするならば、これは先ほどの問題とも関連をするわけでありますが、過去の生産の平均値を求めて基準とするということよりも、そのときの流通価格をむしろ対象として保険設計をするほうが農家のためにはなるのではないか、こう実は考えるわけですが、その点はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/111
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112・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) これはなかなかむずかしい問題でございまして、一つは農産物の価格について保険制度をとったらどうかという御意見にも通ずるであろうと思います。しかし、農産物の価格を保険の対象にいたしますと、価格が下がります場合はどこでも下がるのが通例でございます。災害によって下がる場合もございますし、それ以外の理由によって下がる場合もございます。したがいまして、全体どこでも値段が下がるのを補てんするということは、これは危険を分散するという保険のたてまえからいって不可能でございますし、幾らに売れるかということも、これは個々の農業者あるいは団体の販売技術の巧拙ということにも関係いたしますので、価格を保険の対象とすることはまずむずかしいのではないか。さらに、保険にかけるときには、保険金額がまだきまらないというものを保険の対象とすることも、これはまた技術的にむずかしい問題があろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/112
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113・村田秀三
○村田秀三君 私も非常に困難だろうと思うわけです。そこで、次に出てきますのは、これは果樹保険とは直接関係ございません。まあよく果樹価格の安定ということが言われますけれども、果樹の価格補償制度——いわゆる保険というものは非常にその面ではむずかしいのだということである限りは、やはり果樹価格の安定とこの制度というものを対置して考えていかない限りはこれはいけないのではないか、こう思うわけです。したがって、ここでは問題があまり大き過ぎると思いますけれども、その価格安定制度、私どもの立場からするならば、いわゆる価格補償を伴うところの支持制度、こうせよという主張を前々からしておるわけでありますが、そういう点についてどのように考えるかという点について、これは大臣からお答えをいただきたいと思います。
同時に、また、大臣が衆議院のほうにおいでになるということをいま連絡を受けましたが、最後に実は締めくくりとしてお伺いをしておきたい、こう思ったのでありますけれども、この保険事業を試験的にやって、まあ失敗すれば次はやめるんだぞというようなことは私は言わないだろうと思います。少なくともこの試験実施期間中に効果ある作業を進めて、そして本格的実施に移れるようにしたいという気持ちでやっておられることは間違いなかろうかと思いますが、やるのかやらないのか、その点を確認をしたいこと、同時にまた、これは試験実施でありますから、どこにどういう伏兵がおるかわかりません。間違いまして赤字がそっちこっちに出てどうしようもないというような事態になったときにはどうするんだという点について、これは要約いたしますと問題点は三つになりましたが、これを大臣にお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/113
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114・倉石忠雄
○国務大臣(倉石忠雄君) 価格につきましては、私どもも果樹関係の郷里を持っておりますので昔からいろいろ考えさせられておるわけでありますが、これは米などと違いまして、私どもつくる者自体がその責任とそれから発意によってやるものでありますから、価格もおのずから自由な形成のもとに行なわれるものであります。しかし、いま国民全体の食料の中で占める果実の分量は非常に多いわけでありますし、また、輸出産業にも考えられておる。そういう点で、価格の安定ということについては、政府も大いに力を入れなければなりません。
そこで、ただいまお話のことでありますが、たとえばミカンにいたしましても、ミカンの需要が逐年増大いたしてまいった。そういうことのために、もしほうっておきますならば植栽の面積が非常にふえる傾向になります。やはりそういうことは全体の需給のバランスを見ながら政府としても行政的に指導していく必要がございましょうし、また、違う果実におきましては横ばい、または若干の微減の状況を呈している、そういうものにつきましては、やはりその用途を拡大してあげるためには、あるいは輸出を考慮し、あるときにはまた学校給食等にもこの需要を増加することにつとめるなどいたして、その調整をいたしておるわけでございますが、私どもは、基本的には、いま申し上げましたように、全体の国民食料の中で重要な部分を占め、しかも、わが国において最も適当しておる果樹栽培につきましては、この需要と供給のバランスを常に見ながら、しかも、消費者に妥当な価格で入手できるようにするためには、流通機構の改善等もこの果樹を考えるときには非常に重要な仕事であると思います。そういうことは国全体としての施策でなければうまくいきませんから、そういう面では流通機構の改善等にも、御承知のように、四十二年度予算でも、かなり支出はいたしておりますが、将来とも国の予算面においてそういう面にさらに一段と力を入れ、そうして果樹産業の安定的な供給のできるようにいたしてまいりたい、こういうのが政府としての基本的な考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/114
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115・村田秀三
○村田秀三君 あと二つ残っているわけですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/115
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116・倉石忠雄
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまここで御審議を願っておりますのは試験実施でございますが、これにつきましてはもちろん試験の結果いろいろなデータも出てまいるでありましょうが、政府はぜひこれを本格実施に移してまいるような仕組みで努力をいたしてまいりたい、このように思っております。
もう一つ、試験実施で出ます赤字、これはほかの試験実施でも赤字が現に出た経過もありますが、これはやはり究極においては国が本格実施をいたすつもりでありますからして、全部を連合会に負担させるようなことがないようにいたさなければいけない、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/116
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117・村田秀三
○村田秀三君 次に、樹体保険でありますが、準備の期間も短いし、調査も不十分であると断わり書きがつけてありますが、私もそのように受けとめてはおります。おりますけれども、出されましたそのものは、これはまことにどうも不十分過ぎるような気がするわけですね。これを今後どう持っていこうとするのか、しかも、それを試験期間中といえども変えていくのかいかないのか、その点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/117
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118・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 今回の試験実施にあたりまして、私どもは樹体保険をいきなり取り上げることは少し冒険に過ぎるというたてまえで作業いたしておったわけでありますが、団体あるいは農家からの要望もございまして、当初、見舞金的な構想でまず出発してみようというふうに考えたわけでございます。したがいまして、収穫保険に関連して、その付帯として樹体保険に対する保険金額は収穫保険の二倍と考えるというふうな設計を立てたわけでございます。御指摘のように、はなはだ粗末でありますことは、私もそのとおりと考えるわけでございますが、試験実施期間中におきましても、これを補いまして、調査検討の結果に基づきまして本格的な樹体保険にとりかかるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/118
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119・村田秀三
○村田秀三君 それ以上申し上げる必要もないかと思いますが、それじゃ、どの点が不十分で、それをどのようにしていきたいと考えているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/119
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120・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 一つの問題は、今回の果樹保険の樹体保険につきましては、幼木についての保険の資料がございません。これは幼木につきましての被害率の調査が実はないわけでございまして、成園あるいは結果園につきましても四十年度一年しか資料はないわけでございます。そこで、今後の方向といたしましては、幼木につきまして樹体保険に取り入れるということが一点。さらに、現在は収穫保険の付帯としてこれを行なっておりますけれども、収穫保険とは別に独立した樹体保険を考えるべきではないかというのが第二点でございます。さらに、第三点は、樹体の価格の評価を厳密に行ないまして、いまのように一〇〇%樹体が損傷いたしました場合に、収穫保険の保険金額の二倍ということでなくて、現実に即してその額を適正なものにきめたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/120
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121・村田秀三
○村田秀三君 樹体保険の樹体の損傷の程度といいますか、種類といいますか、いろいろ指定されておりますが、この中で、雪折れ、風折れ、薬害、枯死、そういうものも、実に事務的なこまかい問題でありますが、含めるのか含めないのか、その点についてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/121
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122・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) いま御指摘になりましたことは、完全な損傷ではございませんけれども、場合によりまして二年あるいは三年あとに影響を及ぼすというふうにいわれておるものでございます。しかし、これは、実はどれだけ被害があったかということの判定が必ずしもつかないということもございますし、さらに後遺症が何年どの程度に残るかということにつきましては、栽培農家の技術水準によって具体的に非常に相違がございますので、いま御指摘になりましたような事情は、少なくとも試験実施の過程においては取り上げることは無理ではないか。なお、今後十分調査検討の対象にはいたす、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/122
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123・村田秀三
○村田秀三君 対象災害といいますか、さまざまこれはあるわけでありますが、何も樹体保険ばかりではなくて、収穫保険もこれは関連をするわけでありますから、薬剤使用の影響——樹体も収穫も含めて、近くは山梨のブドウの問題がございますけれども、その薬剤の影響によって相当被害が出てきたという場合にはどう処置をするか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/123
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124・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 園芸局長から補足してお願いいたしたいと思いますが、私ども果樹保険の事故といたしましては、自然災害及び病害虫、特に病害の中でも共同防除その他防除の努力によっては救いがたいようなことを事故の対象といたしておりますので、薬剤による薬害は、果樹保険の事故の対象として取り上げることがきわめてむずかしいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/124
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125・八塚陽介
○政府委員(八塚陽介君) 薬のことは、農林省では実は農政局長でございますが、私、園芸局長の立場から申しますと、薬害については二つの面が考えられるのではないかと思います。薬害が現実にあったという場合に、通常、薬についてはいろいろ使用法と申しますか、使用すべき状況その他がございまして、そういう基準と申しますか、そういう使用法を守らなかった場合にできる薬害、これはやはりむしろ使用した方のいわば責任と申しますか、ということになるのではないだろうか。半面、薬そのものがまずかった場合、これはむしろ薬を販売したと申しますか、製造したと申しますか、あるいはその薬についてそういう製造を許可した主体の責任ということになるのではないだろうか。いずれにいたしましても、いわゆるやむを得ざる災害というものよりも、薬害、害ではありますが、むしろモラル・リスクと申しますか、責任の所在が追及でき得るものではないだろうか。そういう意味におきまして、果樹保険の対象にするということは適当ではないのではないかというふうに考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/125
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126・村田秀三
○村田秀三君 こまかく言えばいろいろあろうと思いますが、私は大体三つに分類して考えてみたんですが、その一つは、薬そのものの影響。薬そのものという言い方もなかなかあれですが、使っちゃならない薬を宣伝をして使わした。たとえば山梨県の例、この場合は明らかに業者の責任であるということを明確にしておく必要があろうかと思います。それからもう二つの例は、使用の技術が未熟なために自己の責任において薬害が起きたという場合、それから指導のまずさといいますか、適切でなかったところの指導によって薬害が発生をした、こういう場合があろうかと思います。その場合には、もちろんこれは自己の不注意ないし技術の未熟さから起こしたものについての認定が明らかであれば、これはただいまの答弁どおりでよろしいのではないかと思いますが、少なくとも指導のまずさ、適切な指導でなかった結果、なかなか判断のむずかしいところでありますけれども、その場合には、保険責任ということではなしに、指導したところが責任を持つのだという、そのことについてはやはり明確にこれを区分しておく必要があろうかと思います。私はそう考えているわけでありますが、その見解について肯定できるのかどうかですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/126
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127・八塚陽介
○政府委員(八塚陽介君) 薬剤は、年々新しい薬剤が創出され、かつ、販売されておりますし、それからその薬剤を使用する目的も、ただ、虫を殺す、あるいは病気を防ぐというだけではなくて、たとえば成長を抑制するとかあるいは促進するとか、いろいろデリケートな作用をねらって薬剤の使用が拡大をいたしているわけでございますから、そういう意味におきまして、薬剤の使用というようなことにつきましては、栽培の立場からも年々むずかしくなってきている、あるいは、注意をよりよく必要とするようになってきているというふうには考えられるわけでございます。もちろん、生産者の方も、年々そういう新しい状況に対応して勉強をされておりますから、それに対応した知識あるいは技術もふえているわけでございますが、いずれにいたしましても、先生がいまお話しになりましたように、それだけに指導というものはむずかしさを加えつつあるのであろうというふうなことは言えるわけでございます。ただ、態度といたしまして、したがって、ときどき指導のしそこないがある、あるいは指導上のすき間があるということを前提といたして、そういう場合の金を積み立てておくということは、どうも制度としてはなじまないのではないだろうか。薬剤の散布あるいは薬剤の使用についてという場合には、一種の何と申しますか、あまりデリケートな、ちょっと間違えば非常な害になるというようなところはなるべく避けて、許容の範囲を守って指導していく、あるいは、人を見て法を説けと申しますか、教えるべき方の程度を見てそれなりの指導をしていくというふうな態度でもって指導の万全を期すということが正道ではなかろうかというふうに思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/127
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128・村田秀三
○村田秀三君 考え方は、抽象的には、ずっと聞いておりますとわかります。わかりますが、私がこういうことを申し上げるのは、事果樹の問題でいわゆる薬害事件という例があるのかないのか、これはわかりませんか、実情を掌握しておればお伺いをしておきたいと思います。間違って薬を売りつけたと。山梨の例、これは明らかだと思うんですね。それから指導がまずかったのか、指導されたほうが間違ったのか、この判断は非常にむずかしいところではあろうと思いますが、しかし、指導の適切さを欠くという面についての事故というものもかなりあるのではないか。これは二つの面から言えると思うんです。そういうものまでも全部保険でカバーしてしまえという、このような制度ができますと、大体そういうような成り行きが想定をされる——であっては、保険の趣旨が生かされないということであります。しかしながら、行政指導のまずさがあったとしても、責任を追及するというと、これはどこでどうなっているのか、あいまいな形で収拾をしているという、何も果樹のことばかりではありませんけれども、えてしてそういう傾向があるわけです。ですから、この際はその責任区分というものを明らかにしておいて、そして、県の指導課が指導しました、これは間違いました、間違ったならば、その補償は県なら県がするというようなこと、ないしは国がするということ、こういう区分というものをやはり明らかにして、そして、責任の所在というものを明らかにしておく必要がある。こういう観点に立ってただいま申し上げているわけでありますが、その考え方を是認するか。まあ抽象的には是認すると言わざるを得ないと思いますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/128
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129・八塚陽介
○政府委員(八塚陽介君) 現実に災害と申しますか、薬害がありました場合に、それは客観的な事実でございますから、必ず客観的な調査をとことんまでやれば原因がはっきりするわけでございます。そういう場合に、その原因の、責任の所在というものもはっきりいたしますれば、これは、当然、現在の民法あるいはその他の法律による責任の帰属ということも考えられるわけでございますが、ただ、私どももいろいろ現地の指導を過去において経験をいたしたことがございますが、口ではそうは言っても、なかなか客観的に原因を究明するということは困難な場合もございます。そういう意味におきまして、そういう場合の一種の補償というものをどうするかという現実の問題があったことは、十数年前でございますが、経験したことがあるわけでございます。いずれにいたしましても、確かにいま先生がお話しになりましたように、抽象的には是認いたしますねというお話がございましたが、抽象的にはそういうふうに考えられるわけでございます。いま言いましたように、具体的にはなかなか処理が困難でございます。と申しますと、再びもとへ戻るわけでございますが、そういうことの起きないようないわば慎重な、あるいは相当な許容限度を見た態度で指導をしていくということが必要ではないだろうかということを考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/129
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130・村田秀三
○村田秀三君 まあ事実問題が目の前にあるわけじゃありませんから、論議は抽象的にならざるを得ませんから、私はその問題についてはとめます。が、しかし、心配されることは、何であっても保険でかぶさってくるのじゃないか。それでは事業としてはたまったものではない。したがって、その区分だけは常に明確にしておかなければなるまい、こういう立場で申し上げているつもりであります。
次に、果樹振興、生産増強、こういう立場に立っては、いわゆる災害防止ということも考えられてはおろうかと思います。しかしながら、この保険事業を開始する限りにおいては、被害をいかにして最小限に食いとめるかというのが、保険事業の成否を左右する、こういう立場に立っておりますけれども、その災害防止施策というものが保険事業設計と同時に並行的にどのようなことを考えられておるか、考えておりませんでしたということであればそれでもよろしゅうございますし、考えておれば、どういうことが現実問題としてあるのか。しかも、経費が伴うものであれば、その経費の処置についてもかくかく処置をしたいと思いますと、こういうお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/130
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131・八塚陽介
○政府委員(八塚陽介君) 保険事業が、幸いに試験実施、あるいは今後本格実施というようなことで軌道に乗りますならば、もちろんこれは果樹生産あるいは果樹振興にとって非常に心強い制度であろうと思うのでございますが、少なくとも現在まではそれがなかったわけでございます。なかったとすれば、頼むのは、災害があれば災害後のいろいろな対策でございますが、それにいたしましても、災害がないことが一番必要でございます。従来も、国といたしましては、果樹園の植栽については植栽の資金等の認定をいたしてまいったわけでございますが、その場合にも一つの基準として、まず第一には、気象災害を受けやすいところ——こういうところは非常に気象災害を受けやすい、こういうところであれば大丈夫であるというような線を打ち出しておったのでございますが、昨年改正になりました果樹振興法に基づきまして、本年三月三十一日につくりました「果樹農業振興基本方針」におきましても、再びそういう気象災害を受けないような果樹の植栽をやっていただくために、こういう基準を出しまして指導をいたしてまいっておるのでございます。そのほか、たとえば霜が降る、低温になるというようなことに対するオーチャード・ヒーターと申しますか、果樹園を一時的ではございますがあたためる施設の購入補助、あるいは特に防風牆と申しますか、防風林——かんきつ等におきまして、その間に、林と申しますか、木の列をつくって風をとめるというようなこと、あるいは、もっと根本的には、これも最近に発足いたした制度でございますが、病気が出る、虫が出るということをあらかじめ組織的に察知をするという病虫害の予察事業というようなことをやってまいっておったわけでございます。今後とも、ただいまお話がありましたように、保険制度が発足いたしましても、当然必要なことでございますので、果樹園の防災の施策ということについては、種々具体的に進めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/131
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132・村田秀三
○村田秀三君 一例を申し上げますと、今晩霜が降るそうだと確かにラジオ、テレビでそういうことを報道する場合がありますが、聞き漏らした農家もあるわけですね。そういうことを考えてみると、この気象通報というものが果樹農家に直接行き渡るように、そういう措置を講じてもらいたいというような意見がいまでも出てくるわけですね。そうしますと、いろいろ手配はしておろうけれども、まだまだ不十分な面を持っておるなということでありますね。したがって、私はいまここで具体的にあれやこれや申し上げるつもりはありませんが、いずれにいたしましても、保険事業開始とともに、保険の立場からいえば、その防災諸施策というものがもっと強くなるんだということを念頭に置いていただいて、明年度の予算措置の際には、これらも含めて具体的な数字のあらわれてくるように期待をいたしまして、これはこれで終わりたいと思います。
それからいまの問題とも関係がありますが、新しく植栽をする農家がふえてきておる。こういう中では、技術格差というものがどうしても見受けられるのですね。したがって、この技術格差を解消するための指導といいますか、そういうものもこれまたより以上に徹底されるべきである、こう考えておりますが、この点についても、まあ前の問題と同じでございますが、ひとつ十二分に配慮していただきたい、こういうことだけは申し上げておきたいと思います。
そこで、果樹関係は、締めくくりの大臣答弁もいただきましたから、大体これで終わりになろうかと思いますが、同じような制度で、昨年の附帯決議の中にも、豚、鶏、畑作、葉たばこ、これらが出てきておる。したがいまして、それらがどのように調査をされておるのか。調査をしておらないものはしておらないでけっこうでございますけれども、その経過を、そうしてまた、それはめどとしてはいつごろ開始できるという点についても、抽象的じゃなくて具体的にお答えをいただいておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/132
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133・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) いま御指摘になりました問題につきまして逐一御説明いたしますと、まず鶏共済でございますが、これは鶏の飼養の規模等によって経営の実態、あるいは保険に対する希望等が異なっておるものでございますから、四十一年度から四十三年度までの三年間につきまして、大体五つの県にわたりまして相当詳細な調査をいたしておるわけでございます。したがいまして、鶏共済につきましては、この三年間の調査が終わりました時点において、私ども十分新しい制度の可否について検討をいたすつもりでございます。
肉豚の共済につきましては、四十一年度に相当な調査をいたしまして、現在その調査を取りまとめ中でございます。したがいまして、四十二年度におきましてはすぐ実施にかかるというふうにもなかなかいくまいかとも思いますけれども、どういう方法で今後検討を進めるべきかという大体のめどはつけたいというふうに思っております。
畑作の共済につきましては、これも四十一年度から三カ年の計画で試験調査をするつもりでございまして、現に北海道と鹿児島についてこれを行なっておりますが、畑作の共済につきましてはなかなかむずかしい問題がございます上に、どうも県の調査を引き受ける場合の熱意が非常に欠けるところがございます。畑作でございますから、北海道それから南九州とか鹿児島ばかりではなしに、私どもの当初の予定では、東北として青森あたり、北関東として茨城あたり、南関東として千葉等を頭に置いて県当局と交渉いたしたわけでございますけれども、北海道と鹿児島からなたねについてやってみようという申し出があっただけで、東北、北関東、南関東についてはついに試験調査の段階にも至らないのが現状でございます。しかし、四十一年から、北海道につきましては、五つの市町村で金銭の授受をやって約百戸の農家について畑作の共済の試験実施をやっております。したがいまして、これの成果も含めて、四十一年、四十二年、四十三年の試験が終わりましたところで十分の検討をいたすつもりでございます。
たばこ共済につきましては、まあたばこというものが専売物資でございますので、農林省関係でいきなり共済にかけるというふうにもまいらないわけでございます。現に、専売公社では、農家の負担によらないで独自の共済制度を、共済といいますか、災害補償制度を行なっておるわけでして、その点では不十分であるということから、農家の掛け金を得て共済制度を考え直してはどうかという御意見がありまして、それの検討を始めておるわけでございます。しかし、たばこ耕作中央会等におきましては、必ずしも農家が掛け金を出して災害補償制度を変えることについては何か釈然たらざるものがあるようで、検討の実態はそう進んでいないようでございます。私ども役所の立場でも専売公社と相談をやっておりますし、協会の立場としても中央会等とある程度までの折衝をやっておるようでございますけれども、専売物資ということからいって、しばらく専売公社の検討を見守って私どものほうの意見も逐次申し上げたいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/133
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134・村田秀三
○村田秀三君 専売公社は到着しましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/134
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135・川村清一
○川村清一君 関連してお伺いいたします。ただいまの局長の御答弁の中で、畑作共済の試験実施の問題がございました。この問題につきましては、昨年の通常国会のときにマル寒資金の法改正の問題につきまして私が質問をしました。その節、北海道のいわゆる寒冷地農業を樹立するためにぜひ畑作共済を実施してもらわなければならないということを強く要望して質問を展開いたしました。これに対する御答弁といたしましては、北海道それから特殊土壌地帯としての南九州、この二地域において二カ年間の間に十分試験をし、その試験研究を基礎にして畑作共済の方向に向かって努力する、こういうような御答弁がございまして、現在、たしか農政局の中にそういう機関が設けられまして試験研究中であるはずでございます。それは昨年と本年をもって終わるはずでございますので、その試験の結果等につきましては、いずれ機会を得まして私はこの委員会においていろいろお聞きしなければならないと存じておりますが、ただいまの御答弁の中で、その試験調査に対する県の熱意がどうも足りない、こういうようなお話がございました。私といたしましては、重大な御発言であると受け取りました。寒冷地出身の議員といたしまして、寒冷地の農民が心から熱望しておるこの制度化のためにやられておるこの試験に対して、県当局が熱意がない。非常に重大な問題でございますので、たとえば北海道はどういう点において具体的に熱意がないのか、この際それを明らかにしていただきたい、こう思いまして関連質問に立ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/135
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136・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 御指摘の調査は、北海道及び南九州の畑作調査ということで、農政局で現在二年がかりで調査検討をいたしておるわけでございます。私が申し上げましたのは、それとは別で、経済局の農業保険の関係で、四十一年、四十二年、四十三年の三カ年にわたりまして、畑作共済がどういうふうにしてやればできるものかあるいはできないものかということの調査検討を申し上げておるわけでございます。これは農政局の仕事と全然別でございまして、畑作改善に関する農政局の調査検討について、県当局あるいは北海道当局が不熱心だということを申し上げているわけでは毛頭ございません。
さらに、畑作共済の問題につきましては、北海道はきわめて熱心でございます。私が申し上げておりますのは、名乗りをあげたのは北海道と鹿児島だけであって、残念ながら私どもが期待いたしました東北、北関東、南関東から手をあげるところがなかった、したがって、畑作共済を今後進める上において非常に残念に思っているということを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/136
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137・川村清一
○川村清一君 重ねてお尋ねしますが、畑作共済は非常にむずかしいということをまず冒頭に前提に御答弁されました。むずかしいから、今日まで、非常な要望があるにもかかわらず、実現しないできていると思うわけであります。しかしながら、私はしろうとでございますので、どういう点がむずかしいのかよくわからない。むずかしいというところに焦点を置いて考えるならば、私は、畑作共済よりも、いわゆる漁業災害補償法、このほうがずっとむずかしい要素がたくさんあるのではないかと考えているわけであります。たとえば漁獲共済なんかというものは、きわめてむずかしい要素がたくさんあるのじゃないかと思っておるのであります。しかしながら、漁業災害補償法を、長い間の漁民同士の一つの研究、いわゆるこれは国の委託に基づいてですが、七年間にわたる実施に基づき、さらに今度は共済組合連合会が三年間実施をいたしまして、その上に立って今年ようやく国の災害保険がついたこの共済制度、いわゆる保険共済としての態様は何とかできたわけであります。このむずかしい漁業でさえ保険共済、これが制度化されたにかかわらず、私はどうも漁業よりは畑作のほうがむしろやさしいのではないか、こう思っておるのであります。そこで、むずかしいからおくれておることはわかるのですが、むずかしいというのはどういう点がむずかしいのか。いま、果樹とか、さらに今度はだんだん積み上げられていきまして、葉たばことか、農家の生産されるすべての種類についてこういう制度が確立されて、農業安定の方向に施策が向けられておる。こういうときに、畑作共済が遅々として進まない理由がどうも納得できないわけであります。どういう点が一番むずかしい、また、制度化の隘路になっておるのか、この点をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/137
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138・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 畑作共済がむずかしいということを申し上げましても、それがだからやれないというふうに申し上げておるわけではございません。むずかしい事情を申し上げますと、残念ながら、四十一年から試験調査を私どもがやろうといたしましても、東北、北関東、南関東でなかなか手をあげる県がないということが示しますように、畑作共済に対する需要がどうも盛り上がっていない。畑作共済をやってほしいという声がなかなか盛り上がってこないということが一つございます。もちろん、北海道と鹿児島からそういう声があるわけでございますけれども、保険をやります以上は、ある程度地域的な危険分散がないと保険としてなかなか成り立ちにくいわけでございます。たとえば北海道だけで畑作共済をやりますと、冷害がありますと、一ぺんに全部いかれてしまう。農作物の共済でも、全部がだめになるのではなくて、ある地帯はだめであるけれどもある地帯はよかったということに危険がならされるわけでございますから、そういう点が畑作共済についてはどういうふうにしのげるかということがむずかしさの第一点でございます。
さらに、第二点は、作物別に考えますとなかなか成り立ちにくい事情がございますから、畑作経営全体を対象にして考えるにいたしましても、水稲あるいは果樹等と違いまして、一つの経営の中において豆をとりましても、あるときには一町歩、あるときには二反歩ということで、年々の作付の変化が相当あるわけでございます。したがいまして、地域的な危険分散がむずかしいと同時に、時系列的なと申しますか、年による危険分散がむずかしいという事情がございます。
それ以外に、基準収獲量をどうきめるかとか、被害をどういうふうに査定するかということのむずかしさはございますけれども、その点のむずかしさは、御指摘のように、果樹保険でも私ども試験実施という形に踏み切ったわけでございますから、果樹に比べて畑作が特別にむずかしい事情はございません。果樹に比べて畑作がむずかしいということは、繰り返して申し上げますれば、地域的な危険分散と時系列的な危険分散がなかなかはかられないので、それを保険技術としてどういうふうにしのぐかということについてなかなかいい案が生まれにくいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/138
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139・川村清一
○川村清一君 関連でございますから、これ以上質問は申し上げませんが、ただいま局長が御答弁されました内容を会議録の中でさらに十分読ましいただいて、それを基礎にいたしまして機会を得て掘り下げて御質問を申し上げたいと思いますが、非常に疑義があります。むずかしいことはわかっておるんです。しかしながら、局長のようなそういうお考えでは、北海道の農業は成り立っていきませんよ。北海道がどうなってもいいというならいいですよ。それは畑作ということになったら北海道が第一なんです。しかし、いま、日本の農業をどこにビジョンを求めてあなた方の考えている理想的な農業をやろうと、そういう地域がありますか。北海道ですよ。しかし、北海道は、残念ながら、土地は広大であるけれども、気象条件が悪くて、もう連続冷害を受けておる。これを克服するために、北海道の農民は、もう死にもの狂いです。道庁もみんな一生懸命です。それにこたえて、農林省が、国がどうするか。北海道の農民はどうでもいいんだと、農民は死んでしまってもいいんだということならいいですよ。しかしながら、あなた方は、農業基本法に、はっきりと、米麦農業という問題にこだわらないで選択拡大だと、酪農だと、畜産だと、果樹園芸だと言っていますね。酪農の一大天地をどこに求めるか。そうしますと、あの広大にしてそうして人口希薄なる北海道にこそ、新しい理想的な、いわゆる米麦中心でないところの農業の姿というものを求めることができるのではないかと私は考えるのです。残念ながら毎年のように冷害を受けておる。そこで、農民は畑作共済の制度化ということを熱望しておるわけです。ところが、あなた方のほうは、やるなら北海道だけだ、冷害ばかり受けておるようなそんなものでは保険は成立しないと、確かにそうでしょう。
〔委員長退席、理事任田新治君着席〕
保険が成立しないとするならば、保険設計が北海道でできないとするならば、それにかわる何かを考えていかなかったならば、北海道の農業は死んでしまいますよ。これについては、いずれ私はさらにさらに深く掘り下げてあなたと議論いたします。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/139
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140・村田秀三
○村田秀三君 いま川村委員のほうから話が出ましたが、これはやっぱり果樹保険でも同じ論議が起きるわけです。先ほども若干触れておきました。論議が長くなるから私は中途にしておいたわけですが、それは全く一定の地域ごとに行なうということでは事業の趣旨というものが生かされない。補償部分をいかに多くするかということを考えようじゃないか、こういうことと当然関連をするわけですね。だから、いま局長が答弁をされておるような態度では、私もこれまたまことに遺憾であると実は思うわけですね。もしも北海道だけでは事業はできませんよということであれば、補償部分を高くしてもという考え方は農林省は持っているんだからという、そのものを発展的に拡大をさしていくような方向でものごとを処理してもらわないと困ると思うのです。先ほど、政府の再保険部分の責任分担率を一定にして、そしてその積み立て部分を下へ下げろと、こういうようなことも同じ思想から私は申し上げておるわけですから、先ほどはそれはもうお断わりだというようなきっぱりしたものの言い方をされましたから、この場合は論議は発展はさせませんけれども、いまの思想がずっと一貫して果樹保険の事業計画の中にもあるとすれば、これはやはり相当問題があると思うんです。だから、冒頭、果樹保険の審議に入る以前に確認をしましたその思想というものをずっと追っていくと同時に、拡大をしていくという農林省の姿勢を私は希望したいと思います。当然そうしてもらわなければならないと思います。
そこで、専売公社からわざわざにわかにおいでをいただきましたが、いま各種共済の問題についていろいろ質問をしておったわけでありますが、専売公社と関係する部分が出てまいりましたので、にわかにおいでをいただいたわけです。御了承いただきたい。そこで、葉たばこ共済の現在までの経緯については、大和田局長のほうから若干伺いました。まあ専売公社でも葉たばこ災害の補償制度はあるとは言ってみても、それに対しては生産農民が非常にまだまだ不満を持っておる、こういうことで、新しい検討を加えようという話も聞いておるわけでありますから、その検討の経過、内容ですね、それをひとつお伺いしたい。
〔理事任田新治君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/140
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141・大塚孝良
○説明員(大塚孝良君) 昨年の春に、災害補償制度の一部改正をお願いいたしまして、大蔵省令を改正していただきまして、いままで全損で四割であったのを、たばこ専売法の二分の一ということの範囲内でということの五割までと、それから全損であった場合に一筆ごとの補償にする、そこですぐ災害補償金を支払いするというふうに改正していただいたわけであります。その際に、それでは、二分の一まででございますので、五年程度を目途にして共済関係を検討したらどうかというお話がございまして、しかし、いままでの災害補償金ですと、耕作者の方から掛け金を出していただけないわけですが、共済になりますと掛け金をいただくようになるわけでございますので、目下予備的な検討という程度で、まだ具体的にどうということは出ておりません。掛け金が関係いたしますので、耕作組合の中央会——耕作者自体の問題にもなってまいりますので、中央会のほうにも検討はお願いするようにお願いしてございますが、まだ具体的にどうというところまでは進展いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/141
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142・村田秀三
○村田秀三君 調査の結果——結果といっても、過程ではありましょうけれども、そこから出てきておる資料なんかは整いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/142
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143・大塚孝良
○説明員(大塚孝良君) 資料とおっしゃると、どういう程度のものでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/143
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144・村田秀三
○村田秀三君 そうしますと、検討しておるということは、ただ、内部で、やったらよろしいかやらないほうがいいではないか、そういう程度の論議であるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/144
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145・大塚孝良
○説明員(大塚孝良君) いまおっしゃる程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/145
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146・村田秀三
○村田秀三君 まあそういう程度だということで、まことにこれは遺憾だと思うんですが、葉たばこ共済を検討せよということは、昨年の本院の当委員会でも附帯決議の中に出ているはずだと思うんですね。その結果、どうそれを理解して今日まできておったかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/146
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147・大塚孝良
○説明員(大塚孝良君) 農林水産委員会でそういう決議がございましたことは聞いておりますけれども、一応五年程度の目途ということで検討いたしておりますので、ただいまお答えした程度で、どうも申しわけございませんが、その程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/147
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148・村田秀三
○村田秀三君 どうも遺憾なことを聞いたわけですが、五年程度で検討せよということをどう理解したのかは存じませんけれども、少なくとも果樹保険をやるのには過去三年間調査をしておるわけですね。五年間の範囲の中で検討せよということは、それじゃいまの御答弁の姿勢であるとすれば、これは五年たったらやるかやらないかをきめて、そしてやる方向で調査しましょうということと変わりないわけですね。その辺のところはどう理解をして、この五年間に具体的にどう作業をしていこうと計画をしておるのか、そういう点についてひとつ御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/148
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149・大塚孝良
○説明員(大塚孝良君) 五年程度と申し上げるのは、農林水産委員会の附帯決議いただくちょっと前ぐらいからの一応の公社の目途でございますので、はたしてどれくらいの率までしたらよろしいのか、それから掛け金をどうするかというようなことを公社の内部で予備的な検討をしておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/149
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150・村田秀三
○村田秀三君 これは岡評議をしておるということにしか理解できないですね、いまの答弁だと。ただ話の中で掛け金の問題がそのまますっと出てくるというのはどうもおかしいと思うんです。これならいいですよ。とにかく、掛け金をかけてまで補償をしてもらいたくないと耕作者は考えておる。耕作者が考えておるのは、自分が掛け金を出さないでまるまる補償をしてもらいたい、こう考えておるから、いま行なわれておる補償部分が少ないから、生産者からより大きな要求が出てくる。その部分をふやそうか、共済制度をやろうか、この検討をしておるというのならまだ話はわかると思うんです。ところが、どうもさっぱり国会の意向が専売公社のほうに伝わっていかない。いまの答弁ではそう理解する以外にないわけでありますが、これはどうなんですか。どうも私もよくわからないんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/150
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151・大塚孝良
○説明員(大塚孝良君) ただいまおっしゃったように、掛け金をするかしないかとか、そういうことで耕作者の意向等もございますので、そちらの検討をお願いしておるわけなんでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/151
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152・村田秀三
○村田秀三君 それでは、そういう内部事情であるということは理解いたしました。
そこで、私は申し上げるわけですが、少なくとも国会でこれは附帯決議をつけて明らかにしておる。このことは専売公社も承知をしておるはずであります。だから、それに対応する姿勢としては、とてもじゃないがそういうものはできませんならできませんで私はいいと思いますよ。そうすれば、それじゃどうしてできないんだという話になってきますから、それはいいと思うのですけれども、しかし、検討はしますというような片りんがあるとするならば、それは内部間で理事同士でどうしようかなどというふうな話の段階であってはならないわけでありまして、葉たばこ共済の制度を確立したいという方向であるならば、もうすでにこの五年間でどこまで作業を進めるというプランができておらなければならぬと思うんですね。その計画を持ってきなさいよ。そんなことはとてもできませんというならば、そういう答弁でもいいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/152
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153・大塚孝良
○説明員(大塚孝良君) 総合的に検討いたしますので、まだすぐお手元にプランを差し上げる段階に至っていないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/153
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154・村田秀三
○村田秀三君 それをいつまで検討を終了しようというのですか。いろいろ話をしているうちに五年たちましたという姿は許せないと思うんですね。これはやる気があるのかないのか、明確にしてください。あなた自身が答弁できないとすれば、これは最高幹部と相談をして別途お答えをいたしますという答弁でもこれまた答弁になりますね。ここをはっきりしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/154
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155・大塚孝良
○説明員(大塚孝良君) この委員会の御意向を尊重いたしまして、公社としても早急に検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/155
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156・村田秀三
○村田秀三君 まあやむを得なかろうと思います、この答弁でいまの場合は。だから、私は注文をつけますけれども、早急に検討するということでありますから、次の国会にその答えが明確に出せるように準備をしていただきたいと思います。よろしゅうございますか。次の国会というのは、これは早く国会があるかもしれませんし、また、暮れになるかもわかりませんが、早ければ早い国会に出してもらうということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/156
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157・大塚孝良
○説明員(大塚孝良君) 引き続きということではちょっと時間がないと存じますが、御意向に沿いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/157
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158・村田秀三
○村田秀三君 もう一点だけ、これは全体に関係をするわけでありますから。先ほど、果樹保険の中で、事務費であるとか人件費という問題を出しましたが、果樹保険ばかりではなくて、現在ある共済組合の職員の給与の問題についてなんですが、ずいぶんとこれは委員会の中で論議をされておる事情も承知をいたしております。果樹保険とこれは関連をするわけでありますが、人件費をまるまる見るといっても、その見方があるのですね。そうしますと、いまの共済組合の職員のベースであるならば、こういう簡単な答えにあの場合はなろうかと思いますが、共済組合の職員の方々が希望している額というのは、あるいは共済組合の指導者もそうでありますが、少なくとも地方公務員並みにはあれを合わしていきたい、こういうようなことをしばしば言われる。したがって、職員の給与については十二分に措置をするというふうな附帯決議を何回もつけたわけでありますが、これが解消されないということについて非常に私も残念に思っておりますけれども、それをどのようにこれからしていくのか、明確な御答弁をいただいておいたほうがいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/158
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159・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 共済事業関係の連合会職員につきましては、四十二年度の予算でベースアップをいたしましたし、連合会、組合の職員につきましては期末、勤勉手当の増加を四十二年に予算でいたしました。これはこういうことはなかなか一ぺんにそう飛び上がってやるわけにまいりませんけれども、だんだんよくなってきつつあることは御了解いただけると思います。四十三年度の予算につきましても、私ども、組合の職員のベースアップ等について十分努力をいたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/159
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160・村田秀三
○村田秀三君 四十三年度も努力をするということでありますが、その努力の幅というものをどの程度まで考えているかということについても触れたいと思います。しかし、この際はやめにいたしますが、少なくとももう三年、五年というようなことでなくて、ここ一、二年のうちには解決するという気がまえでひとつ対処していただきたいということを申し添えまして、私の質問を終わりたいと思います。
〔委員長退席、理事任田新治君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/160
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161・北條雋八
○北條雋八君 私が伺いたいことは、ほとんど村田委員が詳しく質問されたので、大体わかりました。なお、二、三わかりませんところがありますので、伺いたいと思います。
先ほどもお話がありましたが、今度の法案では、収穫保険、樹体保険と併記してありまして、樹体保険が何か独立してあるような錯覚におちいるのであります。これは漁業災害補償で収獲とそれから漁具と分けたようなふうに考えられるのですが、その点が私ははっきりわからないのですが、これはもともと樹体があって果実があるのですから一体のものだと思うのです。その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/161
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162・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 樹体保険と収穫保険は、それぞれ独立に行なわれるべき性格のものだと思います。場合によりましては一緒に行なわれることもございますが、本来は樹体保険は樹体保険、収穫保険は収穫保険という形で行なわれて差しつかえないものだというように思います。ただ、今回の試験実施にあたりましては、樹体につきまして十分調査の資料がございませんで、今回は収穫保険に付帯して樹体保険を営むというふうに、いわば樹体保険が独立をしないで収穫保険に一緒につけるという形で考えたわけでございます。これは、先ほども申し上げましたように、将来の問題としては樹体保険が独立して営まれることができますように私ども十分資料を整備して、試験実施の期間中におきましてもそのようにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/162
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163・北條雋八
○北條雋八君 これを一体にすると、どういう不都合がありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/163
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164・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 樹体保険を収穫保険の付帯として不都合と申し上げますと、実を結ばない前の幼木につきまして樹体保険ができないということが一つございます。しかし、災害がよく起こりまして、幼木がだめになるということは必ずしもまれではございませんで、農家に樹体保険をやってほしいという気持ちの中には、相当幼木につきまして樹体保険をやってほしいという声があるわけでございますから、幼木について独立に樹体保険を認めるべきではないかというように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/164
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165・北條雋八
○北條雋八君 しかし、果樹保険なんですから、むしろ樹体が主の場合もあるのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/165
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166・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) お説のとおり、樹体が主で、樹体だけが独立して保険が営まれることがあっていいわけなんであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/166
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167・北條雋八
○北條雋八君 いいわけなら、一本にしたほうがすっきりするのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/167
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168・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 私は、一本にすることも考えられないことではございませんけれども、樹体保険はするつもりはないけれども収穫保険に入りたいという者が当然あるわけでございます。あるいは、年々の収穫保険は必要ないけれども、木が一ぺんにやられた場合に保険金をほしいということを考える人もあるわけでありますから、場合によっては、一緒にやりたいと思う人は一緒にやれるし、別々にやりたい人は別々やれるというふうにくふうすべきであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/168
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169・北條雋八
○北條雋八君 それで、樹休保険の対象も、成木とするのか、あるいは幼木も含めてやるのか、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/169
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170・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 当初始めましたのは、収穫保険に付帯しての樹体保険でございますから、実を結ばない原樹については樹体保険の対象にいたさないわけであります。したがって、先ほども申し上げましたように、幼木につきましても農家からの要望が強いわけでございますから、将来の問題といたしましては、幼木についても樹体保険ができるようにしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/170
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171・北條雋八
○北條雋八君 そうすると、幼木が結局もとになるのでありまして、それを分けるというのもどうも納得がいかないのですが、幼木、成木の分ける分け方は、どういうところをもってそれを区別するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/171
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172・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 幼木と成木の分かれ目はなかなかむずかしいわけでありますが、経済的な意味で、実を結ぶものと、まだそこまでいかないものとの区別であろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/172
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173・北條雋八
○北條雋八君 その辺はまだはっきりきまっていないというわけでございますね、樹種によっての違いもありますしね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/173
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174・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 観念的には幼木と成木は種別されるわけでございますけれども、統計調査部等で扱っておりますのは、年数によりまして、植えてから七年、八年以降のものを成木、それ以前のものを幼木というふうに呼んでいるのが実情のようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/174
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175・北條雋八
○北條雋八君 これはまだ試験的の段階なのでそういうふうにはっきり言われないのだろうと思いますが、それが五年後に本案になる場合には、その点はもっと入念に研究され、私が申し上げましたとおり、できるならば一本にしてやられることを望みますが、どうもどういう理由でそういうふうに分けられたかということは、まだあまりはっきりした根拠がないように考えます。
次に伺いたいのは、果樹の栽培面積が一反歩以上、これを対象にしておられるようでありますが、零細な果樹の農民は、結局、これに参加できない。そういう場合に、どういうふうにされますか。非常にそういう人が多いんじゃないかと私は思いますが、あるいは、組合をつくって、組合で相当の面積になればいくら零細農民でもそれに参加できるのかどうかですね、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/175
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176・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 農作物の共済におきましても、たとえば水稲で申しますと、一反ないし三反のところで区別をしておるわけでございます。果樹につきまして一反で線を引きましても、果樹栽培農家の相当部分は中に入ります。あまり小さなといいますか、一反未満の農家では、果樹収入が農業収入に占める割合が非常に少ないわけでございますから、保険掛け金をして保険に入るという要望もわりあいに少ないのではないかというふうに思います。まあ数本の果樹を持っている農家というところまで果樹保険の幅を広げることは、果樹保険の性格から言っていかがかと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/176
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177・北條雋八
○北條雋八君 そうしますと、ともかく一反ということで区切られておりますから、二軒寄って一反以上になれば、いくら小さい組合でもそれは対象になるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/177
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178・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 共同経営をやりまして、かりにそれが一反ということであるといたしますれば、これは当然果樹保険の対象になり得ます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/178
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179・北條雋八
○北條雋八君 これまた先ほど村田委員からお話がありましたですが、本案の実施は五年後になっておりますが、この五年という根拠はどこから出たのか。果樹災害保険というものはもう十年ぐらい前から非常に望まれておるところでありますし、本委員会でもたびたび問題になっておるのですが、これはもう一年でも早く実施してやることが必要だと思うのです。ですから、五年を四年にしてもいいと思うのですが、どうしても五年でなければならぬというその根拠はどこにあるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/179
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180・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 果樹保険につきましては、昭和三十四年に伊勢湾台風がありましたときに、山梨県のブドウ、長野県のリンゴ等がしたたかやられまして、それが契機になって果樹保険に対する要望が非常に強くなってまいったわけでございますが、果樹保険をやります場合に一番大切なことは、保険料率をどうはじくか。保険料率をどうはじくかということは、被害率がどうなっているかということであります。被害率がどうなっているかということは、水稲や麦につきまして二十年の資料で計算をいたしておりますように、あまり短い期間の資料では十分な役に立たないわけでございまして、果樹につきましては、三十八年から四十年までの資料しか現在ございませんから、その後のものを追加しましても、この法案に基づきまして果樹保険を五年間やるにいたしましても、せいぜい十年ないし十一年の資料でございます。それで本格実施に移ることがやっとできるかどうかというところであろうと思います。私ども、別に、必ず五年間試験実施をやるというふうに言うつもりはございません。先生が御指摘のように、四年間で大体この辺でいけそうだという見当がつけば、四年間で本格実施に移るということも十分あり得るわけでございます。しかし、いまの見込みとしては、大体五年ぐらいは試験実施にかかるのではないか。しかし、それもあえて何が何でも五年間は必要だと言って私どもがんばるつもりはないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/180
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181・北條雋八
○北條雋八君 これは三十八年からやっておりますね。もうすでに三年は試験ができておるわけなんですが、四年にしても七年というデータがとれるわけでございますから、これは一年でも早く本格的実施になるようにお骨折りを願いたいと思います。
次は、この共済金は、今度の法案では、基準収穫量に対する減収量の割合が五割以上の場合に支払うことを原則として、そうして果樹の種類及び地域により三割以上の場合も支払い得るものとする。五割と三割に区切っておるのですが、原則は五割になっておるわけですね。この五割以上というのは、もう農家にとっては非常な壊滅的な打撃なんでありますが、この統計で見ましても、五割以上の災害というのは、先ほどもお話がありましたが、ごくまれに見られるわけでしょう。特に、果樹の王様である、ミカンですね、これなんぞは災害が三割以上というのはわりあいに少ないのじゃないかと、こう思うのですが、その被害の統計といいますか、最近はどのくらいになっておりますか。ミカンとリンゴが一番まあ多いわけであります、面積的にも、また数量的にも。ですから、ミカンとリンゴだけでいいんですが、被害の割合をお示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/181
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182・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 全国的な被害統計というものは、実は、米麦と違いまして、果樹については、統計調査部の資料はきわめて精密さを欠いておるわけでございます。したがいまして、私ども、三十八年から四十年にかけまして、二十一の県、百五十地区、一万四千戸ほどの農家について厳密な被害率についての算定をいたしておるわけでございますが、一つの例で申し上げますと、資料としてすでにお手元に差し上げてございますが、静岡県のミカンについて申し上げますと、五〇%以上の被害について支払う方式をとった場合に、三十八年では、全体の面積の三・五%がこれにひっかかるわけであります。三十九年におきましては〇・三%、四十年におきましては二・九%でございます。さらに、三〇%以上の被害について支払う方式をとります場合に、三十八年におきましては一五・八%という相当高い被害率が出ております。これは三十八年の寒波がその原因でございます。三十九年が〇・七%、四十年度が五・八%、そういう状態になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/182
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183・北條雋八
○北條雋八君 いまの場合はまあ特別の場合で、ミカンなんぞは三割を使われるわけですね。そうしますと、いまお話しのようなパーセントであるとすれば、今度のこの法案では任意共済でございますから、ごくわずかな者がこれに加入して、大部分の者が加入しないという心配もあるのじゃないかと思うのですが、そういう点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/183
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184・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) いま申し上げましたような被害の率でございますけれども、現実にどの農家が被害を受けるかということは、これは被害が起こりました場合にわかることで、そこに保険の妙味と申しますか、保険の必要があるわけでございますが、具体的に、どの県で、ミカンなりリンゴなりにつきまして、支払う保険料とそれから災害の場合に受取る保険金額等をにらみ合わせて、これは保険に入るべきだというふうに判断するか、あるいは、もう少し見送ろうというふうに判断するか、私はそこが意見の分かれるところであろうと思います。いまのような被害率で申し上げましても、これはあぶないからぜひ保険に入らないといかぬというふうに感ずる人も相当あるというふうに思います。これは、先ほども申し上げましたけれども、どの程度の県で実施を希望するかというふうに県に照会いたしましたところ、試験をやりました県は二十一でございますけれども、三十一程度の県から、自分のところでやりたいというふうに申し出があるわけでございますから、いま申し上げたような被害率で保険に大部分入らないというふうにも判断はできないというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/184
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185・北條雋八
○北條雋八君 四国のミカンなど、堀本さんがおられるといいのですが、現地で三割で十分加入する人も多いというようなことは、当局ではあらかじめ打ち合わされたのだろうと思いますが、その点はいかがですか、希望者が非常に多いかどうかですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/185
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186・大和田啓気
○政府委員(大和田啓気君) 四国の相当なミカン地帯でも、県が態度を保留したり、あるいは入りたくないというふうに言っておるところもございます。四国全県ではございません。
それからここは果樹保険が実は非常にむずかしいところでございますけれども、保険に入る者は、収穫量を明らかにして自分の経営をはっきりさせることが税金その他の面において得であるかどうかという判断は、農家において現実にされておるようであります。したがいまして、そういう点からながめますと、いかような保険制度を持っていっても、なかなか農家に受け入れられないという点があります。私ども、いま申し上げたことが、一つにはなかなか義務加入、強制加入に踏み切れない一つの大きな理由でありますけれども、まあ全国ならして見まして、一割程度の試験実施に希望者がそこまでこないというふうには私ども実は考えておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/186
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187・北條雋八
○北條雋八君 要は、やはり農家の希望にできるだけ沿うことが目的なんでありますから、三割では加入者が少なければ、それもまた二割五分に落としてもいいし、そういう点、私は詳しいことはわかりませんけれども、ただこちらの都合で三割ということで区切るというようなことはすべきものではない。その点は、実際の農民の意思に沿うようにしなければならぬと思うので、伺ったわけでございます。大体、私の伺いたいことは、以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/187
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188・任田新治
○理事(任田新治君) 暫時休憩いたします。
午後六時十五分休憩
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午後九時二十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/188
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189・野知浩之
○委員長(野知浩之君) ただいまから委員会を再開いたします。
請願第二一号漁業災害補償制度の改善強化に関する請願外千三百八十件を一括して議題といたします。
本件につきましては、先ほど委員長及び理事打ち合わせ会におきまして内容を検討いたしました結果、請願第二二号外八百四十一件は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、請願第二一号外五百三十八件は、保留することにいたすことが適当であると意見が一致いたしました。さよう決定することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/189
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190・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/190
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191・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/191
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192・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 継続調査要求についておはかりいたします。
農林水産政策に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/192
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193・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/193
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194・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/194
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195・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 委員派遣承認要求についておはかりいたします。
閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱い等を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/195
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196・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/196
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197・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 速記をつけて。
再び、果樹保険臨時措置法案を議題といたします。
質疑のある方は、順次御発言願います。——別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/197
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198・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/198
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199・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。果樹保険臨時措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/199
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200・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
村田君から発言を求められておりますので、これを許します。村田君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/200
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201・村田秀三
○村田秀三君 ただいま可決されました果樹保険臨時措置法案について、自由民主党、日本社会党、公明党、三党共同による附帯決議案を提出いたしますので、御賛同をお願いいたします。
案文を朗読いたします。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/201
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202・野知浩之
○委員長(野知浩之君) おはかりいたします。村田君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/202
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203・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。倉石農林大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/203
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204・倉石忠雄
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまの附帯決議につきましては、その決議の趣旨を尊重し、十分検討の上、善処いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/204
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205・野知浩之
○委員長(野知浩之君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/205
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206・野知浩之
○委員長(野知浩之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後九時三十四分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515007X02819670721/206
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