1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年三月二十七日(水曜日)
午後零時四十分開議
出席委員
委員長 小澤佐重喜君
理事 久野 忠治君 理事 四宮 久吉君
理事 渡海元三郎君 理事 丹羽喬四郎君
理事 島上善五郎君 理事 西宮 弘君
理事 岡沢 完治君
奥野 誠亮君 菅 太郎君
熊谷 義雄君 白浜 仁吉君
高橋 英吉君 永山 忠則君
松浦周太郎君 松澤 雄藏君
阿部 昭吾君 山花 秀雄君
山下 榮二君 伏木 和雄君
出席国務大臣
自 治 大 臣 赤澤 正道君
出席政府委員
自治政務次官 細田 吉藏君
自治省選挙局長 降矢 敬義君
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三月二十七日
委員松野頼三君辞任につき、その補欠としと熊
谷義雄君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員熊谷義雄君辞任につき、その補欠として松
野頼三君が議長の指名で委員に選任された。
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三月十五日
政治資金規制に関する請願(大原亨君紹介)(
第二六六三号)
同(井手以誠君紹介)(第二六八三号)
同(斉藤正男君紹介)(第二六八四号)
同(阪上安太郎君紹介)(第二六八五号)
同(野口忠夫君紹介)(第二六八六号)
同(横山利秋君紹介)(第二六八七号)
同(井岡大治君紹介)(第二七一三号)
同(井上泉君紹介)(第二七一四号)
同(石橋政嗣君紹介)(第二七一五号)
同(岡田春夫君紹介)(第二七一六号)
同(久保三郎君紹介)(第二七一七号)
同(田中武夫君紹介)(第二七一八号)
同(中澤茂一君紹介)(第二七一九号)
同外一件(福岡義登君紹介)(第二七二〇号)
同(戸叶里子君紹介)(第二七四九号)
同(浜田光人君紹介)(第二七五〇号)
同(美濃政市君紹介)(第二七五一号)
同(森本靖君紹介)(第二七五二号)
同(山中吾郎君紹介)(第二七五三号)
同(渡辺芳男君紹介)(第二七五四号)
同(曾祢益君紹介)(第二七五五号)
同(木原実君紹介)(第二七八二号)
同(栗林三郎君紹介)(第二七八三号)
同外二件(西宮弘君紹介)(第二七八四号)
同(堀昌雄君紹介)(第二七八五号)
同月二十二日
政治資金規制に関する請願(田代文久君紹介)
(第二八三五号)
同(板川正吾君紹介)(第二九三一号)
同(猪俣浩三君紹介)(第二九三二号)
同(平等文成君紹介)(第二九三三号)
同(佐々木良作君紹介)(第二九八九号)
同(平等文成君紹介)(第二九九〇号)
同(柳田秀一君紹介)(第二九九一号)
同月二十六日
政治資金規制に関する請願(川村継義君紹介)
(第三〇五八号)
同(佐野憲治君紹介)(第三〇五九号)
同外一件(西宮弘君紹介)(第三一五一号)
同(古川喜一君紹介)(第三二二三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法
律の一部を改正する法律案(内閣提出第三三
号)公職選挙法改正に関する件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/0
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001・小澤佐重喜
○小澤委員長 これより会議を開きます。
内閣提出の国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題として質疑を行ないます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。西宮弘君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/1
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002・西宮弘
○西宮委員 前回の審議の際に資料の要求をいたしておきましたところ、いま資料の配付がありましたので、その概要について御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/2
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003・降矢敬義
○降矢政府委員 先般要求がございました資料につきまして、お手元に御配付申し上げておりますので、御説明申し上げます。
第一ページは、基準単価の改定の経過でございます。三十八年の十月二十四日に、総選挙を目の前に控えまして単価の改定がございまして、四十年に、参議院選挙のために超過勤務手当の改定を行なったわけでございます。今回の改定は、ここに書いてありますように、超勤、費用弁償、人夫賃、薪炭費通信費、旅費につきまして、先般御説明申し上げたようなことで改定を行なったわけでございまして、一番右の欄に、三十八年を一〇〇にした場合の伸び率を書いてございます。
それから次のページでありますが、これは国会議員の選挙執行経費につきまして、調整費をどういうふうに使ったかということでございましたので……。先般の総選挙の際には総額三億八千三百四十五万円の調整費でございまして、それを大きい順から申しますと、まず、豪雪関係分が一億八千三百四十五万円、超過勤務手当分が一億四千八百十一万八千円、不在者投票の特別分、これは例の郵便料の値上げに見合う分でありまして、千六百九十四万九千円、投票箱等整備費、これは投票区が選挙区ごとにふえてまいりますので、その分についての投票箱の調製費等を見まして千六百三万円、その次は選挙公報発行費でありまして、若干県によって不足する分がありましたので、この分に千八百九十万三千円を割り当てたわけでございます。四十年の参議院の選挙の際には調整費が二千万円でありまして、投票箱に五百七十五万七千円、選挙公報発行費その他に一千四百二十四万三千円を割り当てたわけでございます。
次のページは、先般の衆議院議員の選挙執行経費の執行状況につきまして、AからFまでの市並びにG、Hの町を一つの例に出しましたが、それにおきまして、A市の場合について申し上げますと、投票所経費につきましては六十五万六千円余っておる、だが、開票所経費におきましては十四万三千円不足している、こういうかっこうでずっと出したわけでございますが、不足しているのでは、候補者氏名等掲示費あるいはポスター掲示場費等が不足しておるかっこうになっております。それから次のページにまいりまして立ち会い演説会経費等でありまして、総額で、一番最後に十六万二千円という差額の数字が出ております。以下、同じような調査に基づきましてこれを作成したわけでございます。
簡単でございますが、資料の説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/3
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004・西宮弘
○西宮委員 それでは、第一ページの、昭和三十八年と今回の改正を比較して、アップ率が最後の欄にあるわけですが、これは、たとえば物価の上昇率あるいは公務員賃金の上昇率、そういうものに比べるとどういう関係になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/4
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005・降矢敬義
○降矢政府委員 これを算定いたしました基礎は、今回——毎回そうでございますが、四十二年の財政計画に見られております県及び市町村の給与単価に、去年の八月からのベースアップ分等を加えまして、四十三年度にその額を延ばして、そうして時間、二千二百八十八時間だと思いますが、それで割り返しまして一時間当たりの単価を出したわけでございまして、あわせていま御質問の諸要素を、給与単価及び人事院勧告に基づきます給与のアップ率によって算定しておるわけでございまして、そういう要素を加味してすべてこういう数字を計上した、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/5
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006・西宮弘
○西宮委員 それでは第二ページでありますが、昨年の衆議院の総選挙の場合、三億八千三百四十五万円の調整費を使っているのですが、その前の前の年、つまり前回の参議院の選挙で調整費はわずかに二千万円、こういうことなんだけれども、これはどうして衆議院の場合に調整費がよけいかかるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/6
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007・降矢敬義
○降矢政府委員 これは一ページの経過説明のところで、改定いたしましたのは、四十年の四月一日に超過勤務手当分だけを改定してございます。その後改定がなく、先般の国会でも提案いたしましたけれども、それも廃案になったわけでございます。したがいまして、総選挙の際には、基準経費としては四十一年のベースにおける法律でございました。そこで、金額として一番大きくなりましたのは、この二ページの調整費の中で、超過勤務手当分が一億四千八百万円でございました。したがいまして、法律の基準ベースが四十一年ベースになっておりましたので、四十二年の総選挙の際には、超過勤務をはじめとして不足分を調整費というかっこうでやったわけでございます。
なお、豪雪関係分につきましては、当初この調整費が約二億でございまして、後日、選挙の告示が始まりまして十日目に、私たちが町村の実情等を調査いたしまして、この豪雪の関係につきましては、特に一億八千三百万余の調整費を計上することによって配分することにいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/7
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008・西宮弘
○西宮委員 昭和四十年には超勤手当の分だけしか改定にならなかった、したがって、その四十年の七月に行なわれた参議院の選挙の際には調整費が非常に少ない、こういう形なんだが、そもそも調整費というのは、たとえば超勤が少ないとか、その他人夫賃でも、薪炭費でも、あるいは費用弁償にしても、各項目に盛られている各種の経費が十分でない場合に、むしろ調整費が大いに効果を発揮する、こういうことになるのだと私は常識的に考えておったのだけれども、そうではないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/8
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009・降矢敬義
○降矢政府委員 たてまえとしてはまさに仰せのとおりでございます。基準経費につきましては、各地方団体を一律に見ました基準の経費でございますので、個別の各地方団体ごとには多少具体のでこぼこがございます。それをある程度調整するという意味でございますので、調整費としてはまさにお説のような考え方がたてまえだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/9
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010・西宮弘
○西宮委員 そうだとすれば、四十年の参議院選挙のときには、わずかに二千万円しか調整費として充当していないというのは、要するに予算が二千万円しかなかったので、やむを得ずこの限度でおさめた、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/10
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011・降矢敬義
○降矢政府委員 四十年の際には、主として超過勤務手当の分を法律改定をいたしまして見ましたので、これで足りたものというふうに私は理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/11
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012・西宮弘
○西宮委員 私は、調整費というようなものが、あまり実は多額にあることをむしろ好ましくないと思うのです。せっかくそれぞれの基準が法定されておるのでありますから、その基準に従って機械的に計算して機械的に答えが出てくる、こういうやり方が最も望ましいのではないか。もちろん、非常に画一的な基準を設けても、そのとおりにいかない場合もあります。したがって、そういう不測の事態にある程度の弾力を加える、こういうために若干の調整費が必要だ、こういうことは決して否定はいたしませんけれども、本来の姿としては、むしろせっかくの基準があるのだから、これであくまでも機械的に計算する、こういうことが望ましいのではないかと思うのですが、その点の見解はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/12
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013・降矢敬義
○降矢政府委員 これは国の場合にとりましても地方団体にとりましても、一つの基準でありますので、一応これをめどにして、ある程度の選挙経費がそれぞれの団体において予定されるわけでございます。お説のとおり、各地方団体ごとにこれによってまかなうことが望ましいわけでございますが、ただ何と申しましても、いま御指摘がありましたように具体の市町村ごとに若干のでこぼこがどうしても生じますので、そういう意味で従来からも約二千万程度の調整費を計上して、最後に実際の経費の調整をはかるという方式をとっておるわけでございまして、それもある程度やむを得ないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/13
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014・西宮弘
○西宮委員 そういう点については、あとで大臣が見えました際に若干の意見として申し上げてお答えを得たいと思うのでありますが、もう一つ別な問題でお尋ねをしたいのです。
それは、地方の実情を見ると、入場券の作成あるいは配付、こういうことに財政面で非常に苦労をしておるようでありますが、これについては何らか改善の意図はありませんか、この前のときも私ちょっと指摘をいたしましたが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/14
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015・降矢敬義
○降矢政府委員 入場券につきましては、作成経費と配付の経費を基準として見ておるわけでございまして、今回の改正におきましては、配付の関係で、人夫賃の賃金の引き上げというようなことで財源的に見る処置をしたようなかっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/15
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016・西宮弘
○西宮委員 特にそのうちで問題になるのはその配付の経費なんでありますが、この点について最近特に末端の人件費が上がっておる、あるいはまた、それがために事実上は町内会に頼んでそういうところにやってもらう、そういう例が非常に多いと思うのであります。しかし、なかなか町内会等もこういう経費ではしょい切れない、こういう苦情が末端にはかなり多いように私どもは見受けておるのですが、そういう実態を御承知になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/16
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017・降矢敬義
○降矢政府委員 入場券の配付の件につきましては世帯ごとに配付をする。配付のしかたについては、たてまえとして使送というかっこうにしてございますので、従来から人夫賃というものを計上してそれによって配付をしていただく方式をとっておったわけでございますが、御案内のとおり、入場券につきましては、出しているところと、たとえば大都市でも入場券を全然出してないようなところもございます。したがって、たてまえとして使送というかっこうを維持して、これについての配付費というかっこうで基準経費は見ざるを得ないのではないか、こういうふうに考えまして、今回もただ配付費について、従来のベースでありますと市の場合は四百九十円になっておりますが、それを六百六十円の単価に引き上げるという措置を講じたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/17
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018・西宮弘
○西宮委員 そういうふうに、なかなか町内会等でも引き受けてくれない。そういう実態がある。同時にまた、たとえば町内会等に入場券の配付をやらせるということ自体が実は適当ではないと思うのです。往々にして、それとあわせて戸別訪問のようなことが行なわれる可能性、危険性も想像されるのです。ああいうように町内会長が各戸を回って配って歩くということは、決して適当なやり方ではないと思うのです。さらに加えて、いま言ったような経費負担の問題もあるというようなことだと、むしろこれは郵送をする、こういう制度に改むべきだと思うのですが、それに対するお考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/18
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019・降矢敬義
○降矢政府委員 御案内のとおり、大きい都市といわゆる小さい市町村におきまして、必ずしも配付のしかたが現状一律でございません。したがって、御指摘のようにすべて郵送というかっこうにするのがいいかどうかということになりますと、やはりその町村に配付のしかたについては選択かさせたほうが実情に即するのではないか、こういう気持ちを持っております。また、入場券自身につきましては、御案内のとおり長い間強制という制度にはなっておりません。その団体ごとに入場券でやるかあるいはチラシ等で徹底をするかというやり方になっておりますので、いま御指摘のように、一律全部郵送にするということは、直ちに結論が出る問題ではないというふうに感じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/19
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020・西宮弘
○西宮委員 それでは、その実例として、入場券を郵送しているという市町村、あるいは入場券を用いずして他の方法で宣伝といいますか、通知をする、そういうやり方をしているのが、実例としておのおの何市町村ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/20
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021・降矢敬義
○降矢政府委員 いまその実例は、全体についてどのくらいになっているのか承知しておりませんが、たとえば東京都におきましては郵送の方法を講じておりますが、横浜市においては全然入場券を発行せずに、別途の方法で投票日と投票日注意等を周知させている実例になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/21
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022・西宮弘
○西宮委員 たとえば東京都——東京都に限らぬですけれども、郵送する場合には相当の経費負担をしていると思うのだけれども、これは全くその町村の自前でやっているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/22
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023・降矢敬義
○降矢政府委員 先ほど申し上げましたとおり、その配付費につきましては、たとえば区の場合でありますと、人夫賃というかっこうで一世帯当たり四円五十銭見ていることになっております。なお、おそらく調整費で先般のものは若干見たように私は記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/23
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024・西宮弘
○西宮委員 大臣が見えたら若干質問をしておきたいと思います。——それでは、大臣がお見えになりましたから、二、三質問やら注文やら、したいと思います。
第一は、この選挙の執行経費については、私は、毎年の物価その他の上昇に完全にスライドをする、こういう制度を採用すべきだと思うのです。その考え方自体は、いままで事務当局その他と審議をする問に、その原則は十分妥当であるということは承認をしてもらっておるわけです。大臣はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/24
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025・赤澤正道
○赤澤国務大臣 いろいろ検討の対象にはいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/25
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026・西宮弘
○西宮委員 ばかにそっけない返事でございますけれども、それはもちろん、予算の関係もあるから、いますぐにもスライド制を確立するということは決して簡単にできることではないと思うのですが、少なくとも考え方としてはそうあるべきだ、こういうことはひとつ承認をしてもらいたいと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/26
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027・赤澤正道
○赤澤国務大臣 ごもっとものことでございますので、そういう方向で検討をしておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/27
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028・西宮弘
○西宮委員 総選挙はきまっておらない、いつあるかわからないということでもあり、したがって、毎年毎年これを改定していくことが必ずしも実情に合わないという面もありますけれども、しかし、少なくとも補欠選挙は、毎年おそらく数件の補欠選挙があるだろう。さらに、参議院の選挙はその間々に途中に入ってくる。こういうこともあるわけですから、その基準単価等は毎年物価その他に応じて改定をしておいて、その経費はたとえば予備費等で計上しておく、そうして該当事項がなければそのまま使わなくてよろしいんだし、むしろ総選挙等いつあるかわからぬということも想定しながら、毎年の物価、人件費の値上がりというようなものに応じて、スライド的な考え方のもとに基準は改定をしておくということが当然あってしかるべきだと思うのですが、もう一ぺんお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/28
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029・赤澤正道
○赤澤国務大臣 先ほど申しましたように、そういう方法は合理的だと思いますので、その方向で検討はしておりまするけれども、事務当局でもなかなかやっかいな面もありまするので、いろいろ苦慮いたしておりまするけれども、そういう方向で努力を続けていくつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/29
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030・西宮弘
○西宮委員 さらに、今回は五年ぶりの改定が——途中でわずかな改定がありましたけれども、それを除いては五年ぶりの改定が、行なわれたわけです。そこで、前から見ると、ものによってそれぞれいまもらった資料に示されたような率でアップされております。したがって、その前に比べれば相当の改善になっておると思います。ただ、私は不幸にしてその全国的な資料を集めるなんということはとうていできないので、私の地元の仙台市の例だけをとってみたわけですけれども、それによると、たとえば昨年の総選挙等においては七十何万円かのいわゆる足を出しているわけです。それが今度の改定、いま提案されているこの基準に従って計算し直してみますると、それでなおかつ二十数万円の赤字になるわけであります。もちろんこれには人件費の単価その他に、各町村等によっていろいろ不同がありますから、一がいに仙台がそうだから全国そうだということには必ずしもならないと思いまするけれども、私ども地元の仙台だけを例にとってみると、やはりそういう結果が出ておる。こういうことは好ましいことではないので、その改定をする機会には、ぜひともそういう足を出したりすることのないように、そういう改定が当然なされてしかるべきだというふうに思うのですが、これはあえて仙台の問題ではなしに全般的な問題として、その辺を基本的にはどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/30
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031・降矢敬義
○降矢政府委員 ただいまの御質問でございますが、基本的にはそういう方向であることが当然望ましいと思います。ただ、具体の問題といたしまして、いま御指摘のありましたように、各地方団体の給与単価のベースが違うということが相当影響いたしますし、また実際問題として、あるいは御案内かと思いますが、基準経費におきましては投票所については何人くらい、担当事務については何人くらいというようなある程度の想定をした従事人員が考えられておりますが、実際の運用におきましては必ずしもそうはいっていないわけでございます。そこで、先般の調査によりましても、この資料にも出ておりますように、開票所経費において不足する例が非常に多うございまして、それは一つは、開票時間が従来見ておるのは入時から十二時までの四時間でありまして、それが若干短い。そこで、今回二時間さらに延長いたしまして、その分は超過勤務手当等に直ちにはね返ってくるわけでございます。全体としてこの基準経費につきましては、御案内のように総額幾らということで、あとは、その団体における使い方というものにつきましては、補助金のようにこれはこうだ、これはこうだという、いわば締めつけ的な経費の使い方ではなしに、非常に弾力的に使えるようにしてあるわけでございます。したがいまして、いま若干この資料におきまして不足額が出るわけでございますが、全体の基本的な考え方としては、いま御指摘のような方向で考えるべきもの、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/31
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032・西宮弘
○西宮委員 あと二つばかり簡単に希望を申し上げておきたいと思いますが、たとえばいまもらった資料によりますと、昨年の衆議院の選挙の際には三億八千三百万という調整費を使っておるわけです。その前の参議院の選挙のときには二千万というのですけれども、これは、調整費というようなものは一種の安全弁できまった経費でまかなえない不測の事態に備える、そういう制度で、そういう制度が必要だということは私もわかります。しかし、こういう金額があまり多いことは決して望ましいことではない。むしろもっと基準を明確にして、きわめて機械的に各町村の必要経費がそろばんではじけばすぐ出てくる、こういうあり方が望ましいと思うのです。その点については選挙局長も同意をしたわけですが、私はもっと基準を明確にして、しかもそれが現実に即する基準にして、そういう調整費などで、いわゆるつかみ金みたいなやり方でなく、そういう自由のきかない方法で必要経費を完全にカバーするということが望ましいと思うのです。これはぜひともそういう方向で検討してもらいたいということを、希望を兼ねて申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/32
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033・赤澤正道
○赤澤国務大臣 一応の基準を示して、かなり弾力的な運用ができるようにしてありますけれども、にもかかわらず、やはりいろいろな事情で足りないところも出てくると思います。ですから、実情に即して調整費的なもの——つかみ金と一言でおっしゃいますけれども、何も基準がないわけではございませんので、こういったものがあるということもいまの段階ではやむを得ないと思いますが、考え方としては、西宮さんのおっしゃるとおりであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/33
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034・西宮弘
○西宮委員 最後に、入場券の問題でお尋ねをしたわけですが、これについて大臣に一言申し上げておきたいと思います。
それは、入場券というやり方でやらないところもあるそうですか、おそらく全国大半の市町村が、入場券というやり方でやっていると思うのです。そこで、その際に問題になるのは、入場券を交付する経費なんです。これは、きわめて実情に即さない安い経費なために、おそらく大半の市町村では町内会等に委託をして配って歩く、こういう方法がとられていると思うのですが、私はそれに対しては問題が二つあると思う。
一つは、実情に即さないために町内会等が非常にこれを毛ぎらいする、敬遠をする、こう情勢が見えております。
それからもう一つは、根本的には、たとえば町内会長とか、あるいはそういう町内会の顔役というようなのが一軒一軒回って配って歩くというようなことは、ややもすると戸別訪問につながるおそれがあるわけです。
したがって、こういうやり方は廃止すべきであるというふうに思う。たとえば東京都などは、現に郵送をしておるそうです。ですから、郵便で送るというのでそういう誤解も起こさないし、同時にまた、その町内会がそういうものをしょい込んで迷惑するというようなこともないわけで、郵送するという制度に改むべきだと思うのです。もちろん、いま見ておる単価に比べると、郵送の場合には経費が高くなると思います。したがって財政面の問題はあると思いますが、それらを解決されるならば、あるいはそれらをぜひとも解決をして郵送の制度に改める、そういう方向でもってやってもらいたいというふうに思うわけですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/34
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035・赤澤正道
○赤澤国務大臣 もちろん十分検討さしていただきますけれども、画一的な方法を、たとえば郵送なら郵送ということを、きちっときめてしまうということはどうかと思われる点もあるわけです。郵便にたよりさえすればそれは一番確実かということの保証もないわけですし、この問題はなお実態をよく検討いたしまして、ただいま一つの御意見が出たわけでございますので、将来に向かって検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/35
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036・小澤佐重喜
○小澤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/36
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037・小澤佐重喜
○小澤委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
内閣提出の国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/37
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038・小澤佐重喜
○小澤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/38
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039・小澤佐重喜
○小澤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/39
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040・小澤佐重喜
○小澤委員長 次に、公職選挙法の改正に関する件について調査を進めます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。伏木和雄君。
伏木君に申し上げますが、自治大臣は午後一時三十分に参議院予算委員会に出席されますので、この点お含みおきの上、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/40
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041・伏木和雄
○伏木委員 時間がないようですから、簡単にお伺いいたします。質問に先立ちまして、自治省においては、政府の一省一局削減という問題で選挙局を廃止するというような意向のようでありますが、これに伴いまして、選挙局が従来所管とすべき関係の法案、これらが非常におくれているという点で、私自身、大臣が選挙局に関する法案作成にあたっての熱意に対して若干疑義を持つものであります。ということは、政治資金規正法にしろ、あるいは公選法の一部改正、自由化の問題、あるいは永久選挙人名簿登録回数の増加の問題、こういったものが遅々として進まず、いまだにその方向すらわかっていないという点で、選挙局を廃止するという自治大臣自体が、この公選法というものに対して熱意が欠けているのではないかという点を感ずるわけですが、まず、大臣自体の御所見を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/41
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042・赤澤正道
○赤澤国務大臣 先般政府が決定いたしました一省庁一局削減は、どの省庁もそれぞれ六月には廃止することになっております。しかし、自治省の場合は、ただいま仰せられましたとおりに、法案の問題もありますし、参議院の選挙も控えておりますので、そういった意味で特に二カ月おくらせまして八月に廃止をする、こういうふうにしておるわけでございます。いずれにいたしましても、そのために選挙制度全般、また、いま非常に問題になっております資金規正法などについての姿勢というものを変えるわけでは決してございませんので、たとえ選挙局の名前がなくなりましても、格段こういった問題につきましては努力する考え方でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/42
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043・伏木和雄
○伏木委員 それでは、大臣がここずっと答弁されておったことは、政治資金規正法は、当初、二月下旬に政府は出すというような見解をとっておりました。途中、予算委員会の答弁等におきましてはそれが変更されて、三月中旬、それがさらに後退して三月下旬、こういうように後退をしてまいったわけでありますけれども、もう三月下旬です、本日は二十七日ですから。現段階においてもいまだめどが立っていないというように私たち感じておりますが、出すとすれば一体いつ出すのか。本国会で成立できる十分な日数をもって出すのか、それとも会期末ぎりぎりで十分審議もできないというような追い込まれた状態で提出するのか。現在、規正法に対してどういう考えを持って進んでいらっしゃるか。もう参議院選もありますし、今国会も限られたことでありますから、このくらいのことはおわかりになると思いますが、出すとすればいつごろ出すのか、あるいは十分審議日数をとるつもりがあるのかどうか、ひとつこの点をお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/43
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044・赤澤正道
○赤澤国務大臣 記録を調べていただきますればわかりますけれども、私はいままで、二月中に出すとか三月中に出すとかいうことは申し上げておりません。私が申し上げたことは、成案を得次第国会に提出いたします。と申しますことは、ただいま伏木さんも、出すのは、出すのはとおっしゃいますが、出すというのは自治省の門を出すのも出すであるし、それから政党政治ですから、責任政党である与党側のいろいろな関門を通過しまして、閣議決定を経て出す、これも出す。しかし、やはり私ども申します意味は、少なくとも提案するということは国会に対する提案である、提案するからにはぜひ成立さしたい、成立の前段階では十分審議の時間はつくらなければならぬということから、努力は重ねております。
いまの段階を申し上げますと、何も自治省がぐらぐらしておるわけでも何でもありませんで、大体新聞等でお察しのとおりに、与党側の意見調整を——目途としては、ずいぶんおくれましたけれども、大体今週中にはほぼめどがつくという考え方でございます。さらに、今度は政府側と意見の調整もいたしまして、そうして自治省側として事務当局案ができましたら、これを党に提出して、いろいろなまた段階を経て提案の運びになります。しかし、あせりましても、議会政治というのはそういうものですからどうにもならない。われわれとしては、とにかく一日も早く国会に提出して皆さんの十分な御審議をわずらわしたいという考え方はもちろんありますけれども、自治省の窓口を出たものがすぐ提案できるわけのものでもありませんので、その辺はよく御了察をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/44
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045・伏木和雄
○伏木委員 いまの御答弁によりますと、今週中に自民党で大体まとまる、したがって、直ちにその後省内でまとめまして政府へ提出する、国会のほうへ提出する、大体自民党の意見のまとまる一週間後に作業の日程をとった、自民党で案がまとまった後に即座に提出できる、こう理解してよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/45
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046・赤澤正道
○赤澤国務大臣 なかなかそう簡単にはまいらぬと思います。自民党は意見調整しておりまするけれども、やはり方向としては答申の線を尊重するということで、いろいろ私のほうの選挙制度調査会の会長も努力をしておられるようでございまして、やはりいろいろ議論がたくさん出ております。しかし、本国会にぜひ出したいという考え方を私は持っておりまするので、やはりある程度党の意見の方向が見つかったというところで自治省と意見の調整もいたしまして、そしてまず正式の党の機関にかける。こういう考え方でございますが、やはりどういう横やりが出てくるかもわかりませんし、党のほうにはぜひお願いをいたしまして、自治省で固めました案ができたら、ぜひこれを早く党内を通していただきたい。かように考えておりますが、しかし、今週中に一応この選挙制度調査会の案がまとまって、おそらく会長試案という形ででも出るのじゃないかと想像するわけなんです。それが即法案になると考えていただいては困るのでございまして、まどろっこしいようですけれども、そこのところはよろしく御勘考をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/46
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047・伏木和雄
○伏木委員 規正法につきましては、所管の大臣としてひとつ積極的に党内を喚起して、お願いしたいと思います。
もう一つ問題になるのは、毎日新聞によりますと、七月に第八回の参議院の通常選挙が行なわれますけれども、この際、新成人が百万人失権になるのではないかというような見出しで、大きく取り扱われております。すなわち、百万人のうち、現行法の欠陥で約六十万人ぐらい実際権利がありながら選挙ができない、残りの四十万は、登録制度が複雑なために、名簿に対して申し出をしなかった者が四十万ほどいるのではないか、締めて百万からの新有権者が、参議院選に、権利を有しながらできないのではないか、こういう問題がある。これは非常に大きな問題だと思います。自治省としてはこれについてどういうお考えでいらっしゃるか、その点を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/47
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048・赤澤正道
○赤澤国務大臣 公選法の改正も、ぜひ早く提案いたしまして御審議の対象にしたいと考えておりますが、ただ、公選法の改正と申しましても、自由化の方向でいろいろ問題点を詰めております。その煮詰まったものから一つずつ国会に出すというわけになかなかまいりませんので、私どもといたしましては、今国会ではやはり公選法の改正ということですべてを一本にまとめて、一日も早く御審議をわずらわして議決していただきたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/48
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049・伏木和雄
○伏木委員 自治省のお考えでは、自由化とあわせてこの問題も解決していきたいということでございますが、自由化につきましては、新聞紙上で見ましても、またこの委員会において私しばしば質問した上からも、党内の調整等複雑な問題があるというようにも聞いておりますし、これが必ず通過するということには限らないと思います。国会審議の経過を経てみなくてはわからない問題です。したがって、これとあわせて出した場合に、万が一の場合、いろいろ意見調整ができずして、この自由化の問題が国会を通過しないというような場合も十分想定できるわけです。そうした場合、ともに出てきた、現在権利を有しておりながらできない百万の人が、運動の自由化の問題とともに、この人たちが選挙ができなくなってしまう、失格してしまうというような問題をおそれるわけですが、そのような事態になった場合、この百万の有権者に対してはどういう処置をとられるのか、どのようなお考えを持っているか、承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/49
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050・赤澤正道
○赤澤国務大臣 今国会も、延長しなくても五月の二十六日ですか、まだ三月でございまするから、まだまだこういった問題を御審議願うにいたしましても時間はあるわけでございます。まあ国会を延長するといううわさも聞かぬでもないですけれども、いまそういった問題について、これは名簿だけ切り離してやるとか、あるいは通らなかったらどういう措置をするとかいうことを申し上げる段階ではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/50
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051・伏木和雄
○伏木委員 それは、大臣のお考えはちょっと甘いのではないかと思います。ということは、現在新有権者で約五〇%登録漏れがあったというような裏には、啓蒙の不徹底、PRの不十分ということが十分想定できるわけです。かりに五月一ぱい国会があるからといって、ぎりぎりになってこれがきまって、六月一日現在登録のこの問題に間に合わせることが、自治省としてそんなに簡単にできるか。全国民にこれを徹底するということが、五月末にきまってどのように器用におやりになるつもりか知りませんけれども、そんな一週間や十日でもってこれができるとお思いになっているのですか、自治大臣は。それは考え方がちょっと甘いように思うのです。したがって、私どもがこの問題で早急に見解を出していきたいというところは、そこにあるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/51
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052・赤澤正道
○赤澤国務大臣 これは何も唐突な問題ではございませんので、そうなる、通るということについての心がまえはそれぞれ地方でもあるわけでございますので、私は、通りさえすればすぐこれが名簿に登録になるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/52
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053・伏木和雄
○伏木委員 ですから、私が聞いていることは、通りさえすればということは、もう事前に啓蒙をすべきだ。各地方の団体において、六月一日にはこの法案が通る、したがって地方の選管等においては六月一日を想定して啓蒙に入るべきだ、こう私は解釈してよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/53
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054・赤澤正道
○赤澤国務大臣 もちろんこれは自治省でやるべきことでございまするので、十分通るという可能性を想定いたしまして、そういうことは引き続いてやらなければならぬと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/54
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055・伏木和雄
○伏木委員 自治省でこれはおやりになるという点ですが、実は私も各地方の何カ所かの選管に聞きましたけれども、だいぶ問い合わせが来ている、選管でも返事に困っているというような声を、私は地方の選管から聞いております。それでいまお伺いしているわけなんですが、これは早急に——もちろん、法案の通過のないものを、断定的に自治省が通達等を出すわけにいかぬと思います。しかし、この新有権者に対して権利を与えるということは、これはイデオロギーの問題を越えまして各党一致して了解できる点でもあるし、また、自治省自体もこれについては積極的なお考えのようであります。したがって、自由化とあわせて出した場合に、万が一自由化が問題になって、そして国会の審議がおくれているからということで各地方の選管に対する指示がおくれるようなことがありますと、せっかく通過したとしても、指示の徹底あるいは選挙民に対する啓蒙のおくれから、期間のなさから、同じような問題を残してしまうという点を私は憂えるわけです。したがって大臣のお考えを承っているわけですが、かりに自由化の問題が困難になった場合、たとえばこれだけでも切り離して通していくとか、もちろんそれは自治省では言えないことでしょうけれども、何かお考えを持って、それでこの百万の有権者に対しては絶対迷惑をかけないのだ、期待にこたえられるようにするのだ、こういうお考えをお持ちかどうか、重ねて承っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/55
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056・赤澤正道
○赤澤国務大臣 先ほど言われますように、もうそれぞれの選管で問い合わせが殺到したり返答に窮しておるということは、この問題についての認識が広く行き渡っているということを意味すると思います。ですから、これは法案が通り次第きわめてすみやかに実施に移されるものと私は考えておりますが、その前提として法律が通らなければこれはどうにもならぬことでして、ですから、その順序のことを先ほどから申し上げておる次第でございます。いまの段階として、切り離してやるかどうかということは、私としては申し上げる段階ではないということを申し上げておるわけですが、ただ、一日も早く成案を得まして、そして審議をしていただいて、間に合うようにひとつ国会を通していただくということをお願いするよりいたし方がないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/56
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057・伏木和雄
○伏木委員 時間もないようですからこれでやめますが、ただいま自治大臣は、すでに啓蒙ができているから問い合わせが来るのだというようなお考えのようですが、事実今回、百万の人のうち約四十万が、三月一日で資格を持ちながら登録をしなかった人がいる。これはいろいろな問題があります。日曜日では受け付けない、執務時間以外は受け付けないというような問題があれば、独身世帯の人々、寮生活をしている人たち、こういう人たちは一体いつ行くのか、わざわざ会社を休んで行かなくてはならないというような問題もあるわけです。事実そういう人たちが登録ができていない。そのほかにもいろいろ期間を知らなかった人等もあるようですが、現在ですらこのように浸透していないわけです。この永久選挙人名簿は四十一年の九月から始められております。そして三月と九月の登録は、十分もう二年間の間に徹底されたはずです。しかし、このような数字が出ているということは、まだまだ十分浸透していない。それが法が改正になつからといって、十日や十五日でもって全国民に徹底できるなんということはとうてい不可能だ。大臣がそれはできるというのであれば、それはけっこうなことです。実際はそんな甘いものじゃないのではないか。したがって、この法案は少なくとも四月一ぱいにはケリをつけていかないと、実際法案を通したところで役に立たないという結果が出てくると私は思います。この点を重ねて大臣に御要望いたしまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/57
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058・赤澤正道
○赤澤国務大臣 御期待に沿うように、早く成案を得て提案をいたします。とにかく選挙権があっても棄権する人もあれば、登録ができる日はあっても私用か何かで登録しないで終わった人もあるでしょうし、一人残らずというわけになかなかいきませんが、少なくとも、次の参議院選挙は七月と予定されておるわけでございますので、この選挙にやっぱり投票をしたいと考えている有権者というものは一人残らず新しい登録者となっていただいて、そして選挙をやっていただきたい、かように考えて努力をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/58
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059・小澤佐重喜
○小澤委員長 次回は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。
午後一時四十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804219X00519680327/59
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