1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年七月二十日(木曜日)
午前十時十七分開会
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本日の会議に付した事件
○委員長の報告
○社会保障制度に関する調査の件
(厚生行政に関する件)
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001・山下義信
○委員長(山下義信君) これより委員会を開会いたします。御報告申上げることがございます。一昨日委員長理事打合会をいたしまして、当厚生委員会の運営その他のことにつきまして協議をいたしましたのでございますが、大体その協議事項は、別にプリントにいたしまして、お手許に差し上げてございますので、御覧を願いたいと存じます。大体そういうふうに、当委員会の今後の運営をいたしで参りたいと存じますので、よろしくお願いを申上げます。尚、その中にも記載して置きましたのでございますが、御承知の通り、専門員室の専門員が一名欠員でございます。いろいろ休会中から適任者の物色に努めております次第でございますが、二、三の候補者はあるのでございますが、尚、念のために、委員の皆様方におかせられまして、適当な人材について御存知の点がございますれば、至急に候補者の御推薦をお願い申上げたいと存ずるのでございます。以上委員長、理事の打合せの件につきまして、御報告申上げて置きます。
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002・山下義信
○委員長(山下義信君) 次は、当委員会といたしましては、一昨年の冬以来、社会保障制度の問題につきまして、特別の調査をいたして参つておるのでございます。このことは、すでに御承知でもございますが、今回新たな委員各位に御参加頂きましたので、この際、社会保障制度の当委員会の調査につきまして、今日までの経過並びに現状につきまして、その大要を専門員から御報告申上げたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/2
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003・草間弘司
○専門員(草間弘司君) 社会保障制度に関しまする調査経過の御報告をいたします。詳細のことは御手計に差上げましたプリントで御覧を頂くことにいたしまして、極くそのあらましだけを申上げることにいたします。この厚生委員会におきましては、昭和二十三年十二月第四国会におきまして、議長の承認を得まして、この社会保障制度の調査研究を開始いたしたのでありますが、それ以来毎国会これを継続いたしまして現在に及んでおります。その中間報告も、すでに六回に亘りまして議長に提出されております。現在まで報告されておりまする調査資料は各国の立法例及び事例といたしまして、御手許に差上げてありますような、十二件の報告、調査報告を出しております。その主なものはイギリス、或いはアメリカ、ニュージーランド、スエーデン、フランス、ベルギー、ソヴイエト、各国におきまするその制度の概略をまとめたものでございます。その外二、三細かいものもございますが、これらにつきましては、その都度御報告を申上げ、又プリントとして御手許にもその当時差上げたのでございます。
尚若干余部がございましたのは、只今御手許の方にも差上げてございます。この方の取りまとめましたものは、その都度委員長報告として議長に提出してありまするが、それは又プリントになつておりまするので、後刻皆さんに御覧を頂くことができると思います。又国内の諸法令及び事例に関しまする、調査資料といたしましては、大体御手許に差上げました現行社会保険制度の一覧とか、日本経済の再建と社会保障制度等十七件に及んでおるのであります。この取扱いに対しましても外国の事例と同様でございますので、いろいろその事例につきましては、御手許にもございまるし、又プリントにも載つております。その間社会事業団体及び施設の振興に関しまする特別な調査、或いは又共同募金の改善とか或いはユニセフの現況、調査等に関しましても特別なる調査をいたしまして、ユニセフに関する感謝、兒童福祉に関しましても、決議も提出いたしたような次第であります。尚結核予防対策の確立に関しまする件に対しましても、特別な調査をいたしまして、それも御手許に御報告を差上げておるような次第であります。その外参考資料につきましては月刊の厚生情報を通じまして、その都度御報告申上げてあります。以上のようでございまいまして、この事件の調査の計画も段々と本格的な検討を加える段階になつて参つたのでありますけれども、この調査事件は極めて重要な問題でありますると共に、又広汎な社会問題を包括して考案する必要がございますので、関係政府当局及び民間の諸団体の説明聽取等は勿論のこと、社会保障制度確立のためにも現地におきまする実情調査等も行なつて参りました、社会保障制度審議会におきまする社会保障制度研究試案要綱というものが先般発表になりますに及びまして、この事件の調査もいよいよ本質的具体的の問題の究明に努力を進めて行くことに相成つておるのであります。以上大体でございまするが経過の御報告を申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/3
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004・山下義信
○委員長(山下義信君) 本日の案件といたしましては公報で御覧頂きました通りに、社会保障制度の調査ということに掲げてございますのですが、新らしい厚生委員会の最初の第一回開会でもございまするし、更に厚生大臣も新任されましたので、この際厚生行政の一般につきまして当委員会から現況の聽取をいたしたい、かように考えておる次第でございます。これより厚生大臣以下只今の趣旨に従いまして政府の御説明を願うことにいたします。
尚この際政府にお願いして置きますが、当委員会と厚生省との関係は申すまでもない関係でございますので、どうか当委員会におきまするいろいろなご説明につきましても、何とぞ重要な点をお漏らしにならないように十二分に率直に、且つ又懇切に問題点等につきましては、当委員会に御説明御報告されんことを御希望申上げて置きます。それでは厚生大臣から一般につきましてどうか……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/4
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005・黒川武雄
○国務大臣(黒川武雄君) 新らしく厚生大臣になりましたについて一言御挨拶申上げますが、私は第四国会から第七国会の初めまで厚生委員をいたしておりましたので、厚生行政の如何なるものであるかということを朧ろげながらは承知いたしております。非常に広くて、そうして深く、なかなかむずかしいというのが私の感じでございます。厚生大臣になりましてもこの感をますます深くいたしました。從つて又大いに勉強して、そうして本当に厚生行政を立派に、できるだけ立派にやつて行きたいというのが、私の念願であります。社会保障制度につきましては、社会保障制度審議会ができまして、最近その研究試案の発表もございましたが、まだ結論、決定的のところまで参つておりません。厚生省としても勉強いたします。併し又厚生委員会においても御研究下すつて、そうして日本の現在の経済情勢に従いましてできるだけのことを徐々にでもやつて行きたい、こういう念願でございます。簡單でございますが、御挨拶いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/5
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006・山下義信
○委員長(山下義信君) この際厚生大臣に御質疑のあります方がありましたらどうか御質疑願います。別に御質疑はございませんか。それでは続いて政務次官が見えておりますから御挨拶願うことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/6
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007・平澤長吉
○政府委員(平澤長吉君) 私は只今委員長からお話頂きました平澤でございます。この度厚生政務次官に就任をいたしたのでございますが、微力ではありますけれども大臣の御方針御趣旨に副いまして当委員会における活溌なる御意見御方針等をよく聽取いたしまして、この厚生行政を皆様の御協力によつて又御指導によつてやつて参りたいと思う次第でございます。簡單でありますが御挨拶申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/7
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008・山下義信
○委員長(山下義信君) 兒童局長に兒童局所管について問題のあります点をお話願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/8
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009・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 兒童局の所管の仕事について極く概略的に申上げたいと思います。十分御承知のところもあると思いまするが、一応簡單に全般に亘つて申上げたいと思います。
私共の局はお手許に資料を差上げてあると思いますが、兒童福祉法という法律を運用いたすことを中心に仕事をいたしております。昭和二十三年の一月から施行になりました法律でありまして、施行になりまして約二年半余りということに相成るわけであります。この法律をいろいろ御覧頂きますれば大体私共のやつておりますること、或いは不十分な足りないところ、問題の点が一応はお分りを頂けるものと存ずるのでありますが、その中にも初めの方に書いてありますように私共子供を対象に仕事をいたしておる、子供を対象に仕事をいたしておりまする外の行政でも文部省の系統でありまするとか、或いは労働省の系統でありまするとかそれぞれの分野におきましてはあるのでありますが、まあ私共の方はさような問題を除いての何と申しますか
一口に極くあつさり申上げますれば全般的な仕事をいたしましておると申してもまあ建前としては差支ないじやないかと存ずるのであります。それで子供を対象に仕事をいたしておりまするが、その子供の中にも御承知のようにあらゆる意味において普通の状態にない子供さんと極く普通の状態にある子供さんと二つに分けられると思うのであります。まあ前の方のお気の毒な子供さん、身体的に、或いは経済的に環境的にいろいろな意味においてお気の毒な子供さん方と、そうでない子供さん方と両方を対象にいたして仕事をいたしております。さような建前に相成つておりまするが、今日までの実際の現状といたしましては前の方の普通の子供さんでないいろいろな意味において気の毒な子供の方が行政実際の量といたしましては重点になつております。金を用います方もその方が重点になつております。まあ例を挙げて申しますと孤兒でありますとか、浮浪兒でありますとか、或いは身体不自由兒でありますとかいろいろあるわけでありますが、そちらの方がむしろ重点になつております。従いまして後の方の一般の子供さんを対象にいたしまする仕事と申しますのはむしろ今後に仕事が伸びて行かなければならん状態にあるのでございます。一般の子供さんを対象にいたしておりまする仕事といたしましては、御承知の乳幼兒の保健指導というようなことは今日もやつております。又この児童厚生施設と申しまするか、さような面におまして或いは保育所というようなものをここでまあ主眼といたしておりまするが、この保育所に通つておいでになる子供さんは普通の子供さんであります。さような仕事を今日やつておりますけれども、この面でまだまだ今後伸びなければならんと思うのであります。
以上申上げましたように、大体子供が中心でありまするが、子供を扱いまするにはその母親まで遡らなければうまく参りませんので、従いましてそこに子供さん、生れて来る子供さんと最も引離すことのできない妊産婦の問題が出て参ります。従いまして妊産婦の問題も私共の仕事の対象に相成つているわけであります。大体まあこの行政の対象といたしましてはさようなことに相成つているわけでございます。
次にこの仕事のやり方の問題でございまするが、私共の局に四つの課がございまして、府県といたしましては民生部に属しております。大体各府県とも兒童課というのを殆んど全部の府県が持つておりまして、これが実際の仕事の中心をなしております。尚母子衛生の面におきましては、府県の衛生部にまあ所属する、かような恰好になつているわけでございます。そうしてこれらの府県の機構に、あとでちよつと触れたいと思いますが、兒童相談所でありまするとか、或いは兒童福祉司でございまするとか、さような施設、機関なり、人員なりがくつついて仕事をいたしている。その下は市町村に相成るわけでありまするが、この地域を御承知の民生委員さんというのがおられます、これが同時に兒童委員としてお働きを頂いている。かような恰好に相成つて仕事をいたしているわけであります。そうして先程申しました。お気の毒な子供さんを中心にしたまあ何と申しますか、施設というものが相当いろいろな種類の施設を、都道府県立であるとか、或いは市町村立でありますとか、或いは個人の財団法人でありまするとか、さようなもので運用をいたしております。御参考までにその施設の種類をちよつと御披露に及びますると、お手許の法律のどこかに、三十五條あたりから書いてあるわけでございまするが、いろいろな種類の施設がございます。助産施設—お産をする施設、それから乳兒院、棄兒でありますとか、或いはこの母親が結核で入院もできない、さような場合には或いは子供、赤ん坊を引離すために預かる場合でありまするとか、まあいろいろな場合、この乳兒院というものが活動いたしております。それから御承知の母子寮、御主人のない母子家庭を収容いたしております母子寮、それからお母さんが働くために、時間の余裕を得るために子供を預けまする保育所、それから兒童厚生施設と申しておりまするが、児童文化会館でありますとか、遊び場、さようなもの、それから養護施設、これは主として孤兒を収容いたしておりまするがその他親にくつつけて置けない子供さん、それの乳兒院の年齢の高いものであります。養護施設、それから精神薄弱兒を収容いたします施設、或いは盲聾唖兒の施設、虚弱兒の施設、小兒麻痺とか肢体の不自由な子供の施設、それから教護院、御承知の不良少年を収容いたします、かようないろいろなバライティーに富んだ種類の施設を私共の行政の対象として持つておるわけでございます。大体子供のことは以上のごとくでございまするが、先程子供から引離しまして妊産婦の問題も対象にいたしておると申しましたが、更に引続まして、最近国会並びに一般でも常に、何と申しますか、問題になつておりまする子供を抱えた寡婦家庭と申しますか、さようなものも子供がくつついているという意味合で、実はその行政の窓口というようなものを私共か承つておるような状態でございます。勿論それらの対策の内容に至りましては厚生省におきましても各局に亘り、或いは厚生省のみならず、政府全体の各省に亘るのでありまするが、一応お世話役として私共の方で窓口を勤めて、この寡婦家庭、有子未亡人家庭の問題をいろいろとお取次をいたしておるわけであります。尚この際具体的な仕事の一つといたしまして是非ともお耳に入れて置かなければなりませんことは、先回の国会でも衆参両院、感謝の決議があつたのでありまするが、例のユニセフの仕事を私共の方でやつております。ユニセフと申しますのは国際連合の中の一つの機構でございまして、国際連合兒童緊急基金というようなふうに訳しておりまするが、世界の各国の子供の救援をいたしておる機関でございます。我が国に今まで差し延べられた救援の手といえしましては、大きく分けますると大体二つになるわけでございまするが、一つはユニセフが原棉を寄贈いたしまして、それを政府におきまして糸にいたし、布にいたし、衣類にいたしましてこの貧困な家庭の子供さん達に無料で配給をいたしております。まだ今日もやつておりまするが、第一回は昨年の丁度クリスマスを中心に約二十五万人に洋服と肌着の上下でありまするが、それから本年の兒童福祉週間を中心にいたしまして約十五万人ぐらいだつたと思います。今日も若干の量でありまするが、今後もその仕事はまだ残つております。これは原棉の寄贈でありまするが、別にユニセフからミルクを相当量寄贈を受けております。このミルクはホール・ミルクとスキン・ミルクと二つに分れますが、全乳の方はこれは限られた保健所でありますが、保健所を通じて貧困な赤ちやんに無料で配給をいたしております。それから脱脂粉乳の方は、一つは保育所、これも限られた保育所でありますが、保育所の子供に対して、保育所を通じて給食をやつております。更にそれと別個にこちらの方が量が多くなるものでありまするが、広く兒童福祉施設でありまするとか、或いは結核療養所に入つておりまする子供さんでありまするとか、或いは少年院、司法関係の子供の施設でありまするとか、さような方面に廣く脱脂粉乳を無料で配つております。大体こういうふうな援助を今日までのところ受けておるわけでございます。今後の見通しにつきましては何とも私共も予想がつきませんのでありまするが、ともかく今日までのところはあらまし申上げて見ますればさような運動をいたしてをります。
甚だとりとめのないお話を申上げましたが、極く概略のお話は以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/9
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010・山下義信
○委員長(山下義信君) 兒童局関係で御質疑はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/10
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011・長島銀藏
○長島銀藏君 この兒童福祉行政につきまして数を掴んで置かなければならんと思うのでありますが、数の掴み方はどういうふうな形で掴まれるのですか、ちよつとお伺もしたいとし思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/11
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012・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 数はいろいろな数があるわけでありますが、主として対象の数が一番問題じやないかと思つております。対象の数の掴み方は一応今までにいろいろ方法を以ちまして調査をいたしました一応の数字がございます。更に本年目下進行中でございますが、斉調査を本年やつております。その結果従来のものよりも的確な数字が掴めるかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/12
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013・長島銀藏
○長島銀藏君 本年十月に行われます国勢調査がある筈でございますが、そのときに別段費用も大してかからないと思うのですが、欄を設けまして、国勢調査の際に困窮しておるところの兒童問題とかいうものを一つ御調査願うように立案をして頂いたらどうかと思います。私は遺族会の関係上、第五国会においても遺族の実態調査をして頂きたい。遺族会の方でこれを調査しますと。約六千万円ばかりの金が要るので、到底私的団体であるところの遺族会にはそんな費用を支弁することはできない。それで是非兒童局或いは厚生省の中のどこの課でも結構であるから、その御調査を願いたいということをお願いしてあつたのでありますが、未だに的確に数を掴むことができずに来ておりますので、この際児童問題に関連をいたしましたり、その他の行政事項にも関係する調査に当りましては、国勢調査を利用いたしまして、何らかの新らしい手を打つて頂き、そうして本当の数を掴んで、それからこの委員会あたりでこの問題の適切な方法を考えるよい的確な資料にしたい、かように考えるわけであります。その点につきまして厚生当局の考えも承わりたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/13
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014・山下義信
○委員長(山下義信君) 今の点ですが、国務調査の調査項目と、あなたの方において今長島委員の要望されるような事項の調査はあれは相当利用ができますか。ちよつとお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/14
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015・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 国勢調査の調査というものは、私共の方では利用いたしております。利用いたしておりますが、詳細なものを私共が、例えばただどういうものが何人いるという意味におきましては、これは利用できるわけでありますが、然らばどういうものということの内容はどうだということになりますと、これは何と申しますか、成る目的を持つた、もう少し掘下げた調査ということに相成りますのでこれは又別個の方法で調査をしなければならん。従つて私共のまあ或いは今御発言の、長島先生のお話のもう少し推進んだものを狙つておられるのじやないかと思うのです。従つてさような或る程度そうなりますと非常に面倒な調査になりますが、さようなものがああいうふうな全般的な調査に合して行い得るかどうかという技術的な方面において相当検討をいたして見ませんと何もちよつと判断いたしかねる一思うのであります。十分一つ研究さして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/15
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016・長島銀藏
○長島銀藏君 只今児童局長さんのお話承わりまして了解いたしましたが、国勢調査でやつても、或る程度の欄さえ設ければ私はできるのじやないかと思います。調査する人員が、国勢調査員が調査するのでありますからして、手数はそんなに、若干はかかりましようけれどもそう大した開きがあるのじやなかろうと思います。そういう意味合において的確な方法を一つお考え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/16
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017・山下義信
○委員長(山下義信君) 兒童局で外に問題ございませんか。この際お話願うような問題は別にございませんわ。
ちよつと小さいことですが。局長に意見を聞いて置くのですが。最近静岡県ですかれ、あの養護施設が子供を外に預けて、半分里親のような預け方をして、全く里親にしたのでもなくしていわゆる分室制度というようなことをやつておる。その可否のいろいろ意見がある、ということを聞いておりますが、あれはあなたの方ではどういう見解を持つておりますか。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/17
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018・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) これは神奈川県の箱根にございます或る養護施設が、自分でその施設のありまする部落の主婦達に自分で預かつておりまする子供さんを二人三人なり、四、五人なり預けます、そして分室という名前でもつてやつておる。このやり方につきましてはその事柄の実態がいいか悪いかということは、これは大いに研究をいたして見る必要がある。研究するだけの価値のあることだと思つております。ただ、現在の兒童福祉法の建前から申しますると、施設保護でもなし里親でもなしということに相成りまして、この経理面等で相当面倒な問題がこの措置費の経理面等で面倒な問題が起つて来るのであります。まあ、さような問題でありまするとか、或いはこの里親を選びまする場合には御承知のように他人の子供を他人に預けるのでありまするから、その選定、並びに事後の、まあ何と申しますか、指導監督というようなことにつきまして、知事が責任を持つてやつておるわけでありまするが、今の場合になりますると、その責任というものが施設の長に勝手にそれが移つてしまうというようなことになりまして、まあ、人様の子供を扱いまするにおいてそこに欠くるところはないであろうかというふうな問題も出て参ります。従いまして現在の兒童福祉法の今神奈川でやつておりますのは、それを施設保護、養護施設として金を貰いまして、その金の一部を今のように親の方に流している。従いまして現在の兒童福祉法の建前からいたしますると、さような制度はちよつとこれは困るのじやないか、ただそういうようなものが制度として、取上げられるかどうかという根本的な研究の問題は残つておるのであります。従いましてそれが兒童福祉法の外で、兒童福祉施設というものを兒童福祉法による措置ではなくして、兒童福祉法の外でかようなことが行われますことは、これは一向構わない、まあかような私共は考えをいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/18
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019・山下義信
○委員長(山下義信君) 何かそれに対して指示なさいましたか。まだそこまで行つてないのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/19
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020・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 大体申上げたようなあれは、神奈川県庁にはそのことを文書で指示したように記憶いたしております。尚実際の施設の責任春の方々もお見えになつた方もありまするので直接私の口からさような意味合のことを申上げたこともございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/20
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021・有馬英二
○有馬英二君 兒童局長に質問をいたしますが、私は戦争前でありまとたけれどもヨーロツパへ参り、或いはイギリスへ参つてあつちこつち兒童福祉施設を見て歩いたことがありますが、その当時でもヨーロツパの例えばキンデルス・ハイブであるとか、或いはクリツぺル・ハイブであるとかいうようようなところを見ると到底日本の我が国の施設なんかは問題にならない、そういうことを私は痛切に感じまして、爾来数十年経つておりますからして、現在の日本の福祉施設がどんな程度に進んでおるかということをちよつと比較するわけに参りませんが、機会が與えられましたらば我々委員が一つ現在の日本の福祉施設を一つ見学して、それによつて我々委員が新らしい一つ日本の福祉施設の認識を以ちまして、それから行政方面に対しても我々の希望なり、或いはいろいろ注文をいたすということに私はいたしたいと思うのでありますが、如何ですか、或いは現在の福祉施設がどの程度に我が国のものは発達しているかということを一つ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/21
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022・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 福祉施設の運営の現状如何というまあ御質問でございますが、これは非常にいいものもありまするし、勿論又不十分なものもございます。術総体的に、例えば私見たことはございませんが、アメリカの施設でありまするとか、或いは又ドイツあたりのクリツペル・ハイブというようなものは相当立派なものだということも聞いておりますので、全般的に比較をいたしますると、相当私共我が国における施設が遅れておるんではないかということも大体想像はできるのであります。ただどの程度のものであるかということはよそは余り知りませんのでよく私としても申上げられないかと思うのであります。尚御覧を頂きまして御判断を頂き、尚いろいろと御注意、御叱正を頂くということは、これは非常に結構なことでございますので、さようなことでありますれば私御案内申上げたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/22
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023・有馬英二
○有馬英二君 適当な時機に一つお計らいを願いまして、どつか適当な場所を一つ厚生省の方からでも御案内して頂きまして……如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/23
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024・山下義信
○委員長(山下義信君) 承知いたしました。さように運ぶことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/24
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025・井上なつゑ
○井上なつゑ君 ちよつと遅く出まして御説明を承わらなかつたので申訳ございませんが、これは大変小さいことになるのでございますが、一つここで承わらして頂いてよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/25
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026・山下義信
○委員母(山下義信君) どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/26
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027・井上なつゑ
○井上なつゑ君 それは外でもございませんが、今年の何と申しますか、出生率が二、三日前の新聞に発表になつたところを見ますと大変出生数が減つております。そのことにつきまして兒童局の方では助産婦のことをどう考えておられますか、お伺いしたいのございますが、実は大変優生保護法によりまして妊娠中絶なんかも多くなつております。助産なんかを見ますと、余りにも少くなつて一人が大抵三人半ぐらいの平均になつて来ておる。段々と助産の数が減つて来ておりますのでございまして、それにつきまして助産婦問におきましても非常な不安を釀しておるような状態でございます。この助産婦を、若し今後大変分娩数が減るようでございますが、そうなりましたら助産婦を兒童局の方ではどういうふうに御指導するつもりであるか、将来の見通しがございましたらこの際承つて置きたいと思います。助産婦といたしましても今後は社会保障制度の確立を見ますときには、勿論助産所の拡充もございましようけれども、家庭を持つておる人が多うございますので、配置轉換ということは非常にむずかしくなりまするし、そうかといつて又診療所が殖えましたときに、診療所に養護婦の免状を持つて診療所へ行くこともなかなかむずかしいでしよう。そうかといつて地区保健婦にならして頂くには保健婦の免状もなくてはならないということになります。兒童局としまして差当り助産婦をどういうようにお使いになるおつもりでございますか、承つて置きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/27
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028・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 御質問、非常にむずかしい御質問のように承つたのでありますが、一口に申しますると私共の考えといたしましては、助産婦さんは従来と同じ使命を以て從来通りしつかりやつて頂く、その線で物を考えておるわけであります。私御質問の趣旨を或いはとり違えておるかも知れませんが、一口に申上げますならばさような気持を持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/28
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029・井上なつゑ
○井上なつゑ君 私はもうちよつと具体的なことを承わりたかつたのでございます。実は助産婦の数は大体、只今、これは医務局の看護課の関係になるかも知れませんが、六万ぐらいあるのではないかと思います。そうして助産婦の本当の職業でございます仕事の生命と申しますか、助産が今日の状態では日本の人口問題というものの関係で減つて来るのではないか。兒童局といたしましてこの助産婦の再配置というか、そうなると又労働省の関係になるかも知れませんが、何か助産婦にぴつたりした仕事をさせるように、何か御構想をお考えかどうか、お見通しがおありかどうかということをちよつと承つて置きたい。試験の問題は別でございます。仕事の面で何かお考えがおありになりますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/29
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030・山下義信
○委員長(山下義信君) 助産婦と兒童福祉法の関係はどの程度ありますか。母子衛生関係、妊産婦母子関係は、どの程度あなたの方で行われておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/30
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031・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 私共の方は母子衛生の関係で、妊産婦の保健指導の面で助産婦さんと関係があるのでございます。その助産婦の何と申しますか、全体的な身分的なことでありまするとか、総合的な主なる主管は、御承知のように医務局の看護課でやつておるわけであります。私共の方としましては、その助産婦さんに、何と申しますか、仕事をお願いするという立場にあるわけでございます。いろいろ保健婦さんは人口問題に関連しておりまして保健婦或いは看護婦と助産婦さんとの関係、いろいろ面倒な問題が起るかも知れないということを仄かに聞いておりますけれども、直接の主管は何と申しますか医務局の方でございますので私からその点を何らか申上げることは差控えたいと思います。私もいずれ医務局長の方によく連絡をいたしまして御質問の趣旨をお傳え申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/31
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032・井上なつゑ
○井上なつゑ君 もう一つお伺して置きます。最近聞くところによりますと兒童局の方で助産婦を使つて何と申しましようか、乳児の生後一ケ年間の保健指導を計画していらつしやるやに承つたのでございますが、これは事実でございましようかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/32
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033・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) これは最近というわけじやないのでございますがこの兒童福祉法の中に妊産婦は医師、歯科医師、助産婦若しくは保健婦につき妊娠出産又は管見に関し保健指導を受けるという規定があるわけでございます。ところがその保健指導という分野がどこまで考えられるか、医師でなければできないことの範囲までこの保健指導を、それがどこの線が助産婦に與えられる線であるかということにつきまして、従来いろいろとまあ問題があつたのでございます。それで目下医務局と相談をいたしておる、どこで線を引くかということを相談をいたしておるということでございまして、新らしく従来助産婦さんがやらなかつたのを新らしく保健指導をやらせるとかなんとかいう制度の問題じやないのでございます。制度としては一応でき上つておるのでございますから、その具体的な内容についての線の引き方について今ちよつと相談をいたしておる、かようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/33
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034・深川タマヱ
○深川タマヱ君 戰災孤兒收容所の子供に対する食糧費が非常に少ないことが出ておるらしいのですが、それでは里質共に堪えられなくて、飛び出す子供が非常に多いらしうございますが、今年は補正予算が出ないらしうございますが、来年度におきまして、兒童局の方にそれに対して何か改善の御考案ができておるのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/34
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035・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 私共といたしましては、それを引上げるように努力をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/35
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036・深川タマヱ
○深川タマヱ君 具体的にはまだお考えになつておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/36
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037・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) それは来年度の予算の問題になるわけでございます。予算の問題に絡みまして努力をいたしたい、かように考えて偽ります。ただちよつと触れて申上げて置きたいことは、その金が御承知のように本年度は平衡交付金の中から支出されることに相成つておりまするので、何と申しますか、それを如何なる額にするかということについてのイニシアティブと申しますか、それを決定する主導権というものがむしろ地方庁に移つておる、地方公共団体に金の方面では移つておるというふうなことに相成つておりますので、若干そこは説明を申上げますると、いろいろとごたごたしいことに相成るのでございますが、一口に申上げますれば、来年の予算を通じまして、それを引上げるべく私共努力をいたしたい、かように思つておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/37
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038・山下義信
○委員長(山下義信君) 私からも一つ関連して伺つて置きますが、基準の引上げに御努力を願う中に、この前から問題になつておるのですが、段々ああいう対象の兒童の年齢が殖えることになつて、教育費の考え方が問題になつて来ると思うんですが、その点もつとお考えになつておられる点等ございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/38
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039・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 私共の方ではその点も努力をいたしたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/39
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040・深川タマヱ
○深川タマヱ君 今の戰災孤児のことですけれども、もう終戰後五年になりますので、その当時十二歳だつた子供が十七歳になつておる、相変らず終戦後当時の同じような取扱では子供の身心の発達にふさわしくございませんので、非常に年の取つた子供は自由を欲しております。戰災孤兒に対する対策は、戰災孤児自身に聞いた方が一番いいと思つて、よく電車の中や、町の中で聞くのですけれども、年取つておる子供の対策について、兒童局の方で何か今までと変つた方法をお考えになつていらつしやいましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/40
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041・高田正巳
○政府委員(高田正巳君) 一番今日問題になつておりまするのは、御指摘の通り、その年齢が相当高くなりまして兒童福祉法では一応十八歳という線を引いておりますので、施設に入つて落ち着いております子供も、そろそろ出さなければならないということに到達いたしております。それで一番問題になつております点は、それらの子供さん方の職業補導の点、就職斡旋の点、まあかような点が今後実は兒童の実際の仕事をしておる人々が集りますると、現実の問題としていろいろ論議をされるのでございます。この就職の問題になりますると、御承知のように一般の家庭の子弟もなかなか日本全体の産業経済の状態から就職いたしかねるような状態に相成つておりまするので、ましてやいろいろな意味においての気の毒な子供さん達の條件というものは、非常に全般的に見てみましても悪くなるのであります。併しながら何とかいたしてこの職業の補導をする途を講じましてその点を切抜けたい、かように考えまして、職業補導の面を特に取上げて、何らか来年度において施策を講じたいという一応の私共の案というものは実は持つておるわけでございます。この点につきましても、金と関連いたしまするので、来年度の問題として解決いたしたい、まあかように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/41
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042・山下義信
○委員長(山下義信君) 兒童局関係を終ります。
それでは保険局長から御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/42
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043・安田巖
○政府委員(安田巖君) 保険局長の安田でございます。保険局関係の所管事務の大体について御説明申上げたいと存じます。
保險と申しますと大変専門的な技術的なように聞えるのでございますけれども、皆様のお手許に資料といたしまして社会保險概要と申します四枚のガリ版刷をお手許に差出してございますが、これで御覧になりますように対象が国民の殆んど全部に亘つておりますこと、及び内容が医療その他現在非常に国民の要望いたしております事柄でありますので、現在におきましては非常に大きな問題に御承知の通りなつておる次第でございます。大体御説明申上げますと、健康保険と申しますもの、それから国民健康保険、厚生年金保險それから船員保険、この四つを私共の方で取扱つておるのでございます。
健康保険は、そこに書きました通り対象といたしましては、勤労者事業に雇われております人、被用者。それからこれが実施されましたのが昭和二年でございますので、本年でもう二十数年を経ております。それから経営主体といたしましては、政府が一本で保險をやつておりますのと、それから或る工場、事業所で相当数の労働者を持つておりますところで自分だけで保険をやりたいというところでは、そういつたところで健康保險組合というものを作つて自分でやつております。それから国庫がどれくらい金を出しておるかと申しますと、後で予算の総額が出ておりますけれども、事務費の一部を出しております。一人当り大体四十五円でこれが予算上は大体事務費の五割に当るということになつておるわけですがこれが国庫から出されておりますところのすべてでございます。給付につきましては国費の負担はございません。
それからちよつと一つ飛ばしましてどういう給付をやつておるかと申しますと、病気や怪我をいたしましたときに医者にかかつた費用を拂うという療養の給付、それから傷病手当金と申しまして、病気や怪我をして休みましてそのために報酬が貰えなくなつたという場合に、そめ報酬の六割のものを保險で出すというわけで、後CからFまでの仕事でございます。その外保險施設といたしまして、自分のところで病院や療養所を持つておりまして、これを被保険者の利用に供しておるわけであります。それから二十五年度の予算といたしましては保險料收入が百四十五億ばかり、雑收入を合せましても白四十五億九千万円ばかりでありますがそれに対しまして保険の給付費が白三十七億ばかり、予備費として八億ばかり組んでおります。事業所の数は政府管掌が十四万、それから各事業所事業所でやつておりますところの組合これが七百四十七でございます。被保險者の数は政府の方が三百二十六万ばかり、組合管掌の方が二百八十三万ばかり、合せて六百九万、この程度のものでございます。現在健康保險の方で問題になつておりますのは、終戰後段度と療養の給付、つまり医者にかかりまして拂う金の額がどんどん上つて参りまして、これを賄いますのは保険の掛金でございますけれども、掛金の方も余り上げるわけに行かない。前の頁を見て頂きますと、掛金の率というものは五五%、千分の五十五でございます。千分の五十五を事業主とそれから労働者が半分々々出し合つておるわけでございますけれども、これは昨年は千分の五十でありましたのを、五だけ上げまして五十五にいたした。それでもやはり段々と医療費が上りまして足りなくなるような傾向にございます。昨年はいろいろ意をいたしまして何とか年度末におきましては辻褄を合せたのでございますけれども本年度に入りましてもやはり医療費がどんどん上つて来るような傾向にありまして、本年も昨年に劣らず又保險経済の難局に遭遇するのではないかということを恐れておるような次第でございます。
それからその次の国民健康保険でございますが、これは第一の健康保險が勤労者の健康保険でございまして、国民健康保険はそれを除けましたところの地域的なつまり一般の国民を対象としたところの健康保險でございます。現在は市町村がやることが建前になつております。従来は組合を作つてやつておつたのでありますが、一昨年から市町村が経営の主体になるような市町村公営主義に改められております。現在は、その次の頁にございますけれども、大体市町村の中の五千なにがしがとの保險をやつておりまして、従前よりあります組合でありますとか法人なども加えますと、約六千二百三十ばかりの仕事をやつておるわけであります。被保險者の数は約三千二百万ばかりがこれに入つておるわけであります。この方も健康保険と同じように医療の給付の利用者が多くなつて参ります。そのために経済上の負担に堪え切れなくて赤字を出して、保險経済が危機に立至つておるものが全国的に見ると相当ございますようなわけでござりいます。これに対します国庫補助は事務費の七割を出しております。給付費にはございません。それからハの保健婦の設置、保健婦を設置いたしました場合に、その三分の一の補助金を出す。それから二に診療施設設置費とございますが、これは市町村が自分で保險事業をやつておりますけれども、医者に、開業医にかかつつてもいいわけでありますが、自分のところで直営の診療所を持ちたい、直営の診療所を持つた方が事業が円滑に行くというような場合がしばしばございますので、そういうようなところに対しまして補助をいたしまして、直営診療所を設けるようにいたしております。この額は予算で申しますと、二億五千万円でございます。二億五千万円が三分の一に当りますから、七億五千万円に使はれるわけでございます。併し実際には丁度三分の一の補助にならないで、やはり何かと企画以上に市町村の方で金を使われますので、結局二億五千万円が、十億にも十二億にも使われておるというような現状でございます。で、これにつきましては昨年及び今年が二億五千万円の予算でございますけれども、本年度のごときは二億五千万円の補助金に対しまして、申込が十四、五億もあるというような状況でございます。
その次に厚生年金保険というのがございましてこれは健康保險と大体対象が同じでござついまして勤労者を対象にいたしております。一口に申しまするというと勤労者の恩給というものでございます。昭和十六年にできまして大体一般の者でありますというと、二十年掛金を掛けます。坑内夫でありますというと十五年掛金を掛けまして、五十五歳になりますというとその年金が貰えて乗るような仕組みになつております。従いまして現在は年金を貰つておる者はおらないわけつでありまして、二十年と言いますというと、昭和三十七年になりますというとそういう者が出て来る。尚坑内夫につきましては昭和三十二年にそれが出て来るというような計算になります。併しなつがら寡婦年金でありますとか、遺兒年金でありますとか、或いは傷害年金でありますとか、そういうものは現にすでに給付を始めておりるわけであります。で、これにつきまして若干の問題がございますのは、今の養老年金、つまり二十年経ちましてから年金を貰います額は、今まで自分が勤めました二十年間の報酬全部を平均いたしまして、その平均の月額の四ケ月分というものを年金として貰うことになつておるわけであります。ところが御承知のように終戰後非常に経済的な変動がございまして、従来支拂つておりましたところの掛金に相応する報酬、これは非常に今から考えますと低いものになつております。それを二十年全部通算いたしまして、平均いたしますというと、非常な低いものになつて来つるという問題が一つございます。それから又終戰後報酬が段々上つて参りましたけれども、併し名目は上つて参りましたが、実質賃金から言いますというと、昔と比べると随分低くなつております。つまり賃金の中で殆んど食うや食わずで保險料なんかを納める分というものは非常に少くなつておるわけでございます。これに対しまして従来のような掛金を掛けますというと、大体一割掛金を掛けなければいけませんので、仮に八千円貰いますというと、八百円というものが掛金に取られるということになつて来る。そこでそれは今の年金の水準から言いますと無理でございますので、これに対しまして暫定料率と称しまして千分の三十、三%くらいの安い料率を暫定的に掛けておるのでございます。安いり料率を掛けますというと勢い今度は二十年ごとに貰う年金の額りも少りくなるわけでございますので、その問題をここ二、三年のうもにどうするかということを決めなきやならんという事態に立至つておるわけであります。
それからもう一つの問題といたしま合しては、年金はそういうふうに非常な長期の計り算によりますので、保險料を積立てております。その積立てております積り立金というものがすでに二百三四十億になつているのであります。これは預金部の資金の中に入つておるのでありまするが、この積立てました資金の一部というものは、この制度ができました当初におきましては、一部を還元いたしまして、労働者の福祉施設の方に還元貸付をするというような約束が大蔵省とあつたのでございます。ところが終戰後になりまして預金部資金というものは国又は地方公共団体以外には使つてはいけないというようなことになつて参りましたので、それつが現在は止つておるわけであります。止つておることと同時に、積立金でございますので、どんどんそれが殖えて来るというような実情にございます。これを何とか運用したいという問題がこれが一つございます。大体まあそういう問題が厚生年金にはあります。
それからその次の船員保險でございますが、これは丁度昨日十週年記念をやりましたのでございますが、昭和十五、六年頃施行されまして丁度十週年経つております。これは政府が一本でやつておりまして、他の保險でございますというと、健康保險のようなもの、年金保険のようなもの、或いは失業保險でありますとか、労働者災害補償保険とかいうようなものが皆別々に分れております。殊に役所から申しましても、年金保險でありますとか、健康保險は厚生省の所管になつておりますけれども、失業保險や、労働者災害補償保険は、これは労働省の所管になつて分れておるのであります。船員保險におきましてはそれが全部一本に総合されておるのであります。最近社会保障制度でいろいろ社会保險の動向ということが言われておるのでありますが、船員保険におきましては十年前にそのことが行われておるということが言えるのであります。
給付の種類、つまりどういうふうな給付をやりますかということは、病気になつた場合の療養給付でありますとか、傷病手当金、埋葬料、遺族年金、寡婦年金、遺兒年金、養老年金、傷害年金、傷害手当金、失業保険金、脱退手当金、こういうようなものを言つております。現在、これに入つております船員は約十二万三千ばかりでございます。船舶の所有者の数は大体五千二百五十九、このようなことになつております。予算で申しますというと大体十六億六千万円、これが船員保險法全部の予算になつております。
以上が大変簡單でございますけれども、社会保險で所管いたしておりますものの事務の内容でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/43
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044・山下義信
○委員長(山下義信君) 何か御質疑は、ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/44
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045・中山壽彦
○中山壽彦君 この今このお話のように国民保險の運営というものが今非常に行詰つておることは全国的な声だと思いますが、これに対する施設の対策は何かお持ちでありますか、お持ちでありますならばその一端を一つお漏らし願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/45
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046・安田巖
○政府委員(安田巖君) お答えいたします。国民保險は、御承知のようにこれは各市町村が別々に経営主体になつておりますので、悪いのもありますしいいのもございます。併し最近のようにいろいろの給付が段々と植えて来ますというと、大体なかなか苦しい状況であるということはお説の通りだと思います。ただこれにつきましては保險の掛金がうまく取れていないということも一つの原因になつておりますので、私共といたしましてはこの前の国会に、市町村が保險料として取つておりつますものを保險税に直したいという実は案を以ちまて、いろいろ関係方面と折衝いたしたのでありますけれども、保險税にすることが許されなかつたというような事情が一つございます。併しいずれにいたしましても保険料の徴收に相当な穴が開いておりますからして、これを督励いたしまして少くとも掛けただけは取るという努力をもう少しやつて頂かなければならんかと思うのであります。
それから医療費の査定と申しますか審査と申しますか、これも国民保險の場合には割に制度的にもルーズでございますし、実際もなかなかむずかしいような状況でございますので、この方も何とか一つはつきりして、強く指導して行くような方法を講じなければならんのではないかと思つております。
それから保険料でございますが、保險料もこれは市町村の状況が現在すでに保險料の額におきまして負担の限度に来ておると考えればそれまででございますけれども、ここに掲げてありますように大体年に一世帶千六百円ばかり、これは最近の数字でございまして、極く二、三ケ月前までは大体千二百五十円ばかりであつた。一世帶千二百五十円の保險料といいますものは、これは幾ら五割の一部負担をやりましても、どうしても保險の計数の計算をいたして見ましても無理なものでございます。これをやはり千六百円くらいにできればもう少し上げなければいかんのではないかというような指導をいたしております。それから尚町村におきまして保険料が入るのが少し遅れるというようなこと、或いは医療費の支拂いが或る月において非常に殖えるというような、支拂と保險料の徴收の時間的なズレもございますので、預金部にお願いをいたしまして大体普通の町村でございましても、五十万円の短期の融資をして頂く、その他大きい市などになりますと、何千万円もの短期融資をして頂くというようなことをいたしております。
それから根本的にはやはり医療費の、つまり給付の方にも国庫負担が欲しいと思うのであります。これは昨年も要求したのでありますけれども、二十五年度の予算では僅かに事務費が七割というのに止まつただけでありますけれども、本年度におきましては給付費につきまして一部是非国庫で持つて貰いたいというような案を出したいと考えております。これは社会保障制度審議会の試案の線に沿つたものでもあり、又その方に一歩近付くものでありまするので、二十六年度の予算につきましては是非そういう点を認めて貰いたい、こういうふうに考えております。
以上が大体国民保険につきまして私共がすでにとつた措置、或いは将夫とろうと計画をいたしておりますところの案でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/46
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047・中山壽彦
○中山壽彦君 保險料の徴收状況はどのくらい入つておるのでございますか、現在……
それからもう一つ一部負担は平均我我は三割乃至五割と思つておりますが、ところによると八割ぐらい取つておる組合もある、八割取るというようなことでは被保険者がないのではないかというような気持がいたしております。尚事務費は二十五年度は七割に増額いたしておりますが、この事務費の全額負担と、いうことが多年各組合の要望でもありますし、それから診療費の一部を国庫が負担するということも昨年社会保障制度審議会の問題にもなつたことでありまするし、これは社会保障制度の方の審議と並んで解決すべき問題じやないかと、こういうふうに思つておりますが、ただ余りこれは遅くなりますと、その実現するまでの組合の経営というものが非常に困難になつて参ります。でありますから取敢えずこの明年度の予算等においてはそういう点を十分考慮されて適当な処置をとられることを私は希望しておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/47
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048・安田巖
○政府委員(安田巖君) 今申されました点は全く同感でございまして、先程ちよつと申落しましたのでございます。けれども、事務費関係も全額持つて参りたい、かように考えております。
保險の納入状況でございますが、年度末に大体七割程度、又年度が始まりましたから多少落ちていると思うのでありますが、余り芳しい状況ではございません。併しこれは全国平均してのことでございまして、非常に成績がいい村では完全、に百パーセント取つておるところもございます。又非常に悪いところもございますので、一概には申されんと思いますけれども、大体そんなような状況でございます。一部負担は五割が普通でございます。又或るところによりますというと一部負担なしで以て全額給付をいたしておるようなところもございます。それから今の八割と申されるのは私まだよくそういう話を聞いておりませんけれども、往診料で、ありますとか、入院料でありますとか、そういうようなもの、特殊な医療給付につきましてはこれをその患者の全額負担というようなことにいたしておる組合もございますので、そういうものを又拾つて参りますというと八割ぐらいになるところもあるのじやないかと思います。中山壽彦君もう一つ、組合の範囲をもう少し広くなさるようなお考えございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/48
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049・安田巖
○政府委員(安田巖君) これは国民保險の経営の主体の問題になるのでありますが、実は今社会保障制度審議会が試案を先月発表されまして、現に審議をしておられますのは、市町村がやはり従前通り主体になつておるのでございます。これを漸次五ヶ年の間に全市町村に及ぼして行こうという御案のように拜見いたしておるのであります。私共が今考えておりますのは理窟としてはたしかに市町村が自分のところの医療の問題につきまして責任を持つのが私は理論的にはいいと思うのでありますけれども、市町村の現状等を見まして、とてもそれだけの事務能力がないのじやないか、或いは今御心配の点は恐らくは区域が小さ過ぎる市町村がございまして、それでは保險をやつて行く場合に危險の分散として十分でないというような点も御懸念あつての御質問かと思うのでございますけれども、そういう点も考慮いたしまして、尚又これを一挙に強制保險にいたします場合にはどうしても市町村では工合が悪いのじやないかというようなことで、府県を主体にするという案を私共考えて見たのであります。これは勿論審議会の方の案が最後に決まりましてから我々といたしましてはそれに対する対策を立てるべきでありますけれども、現在のところでは私共はそういうような案も持つており、検討いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/49
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050・中山壽彦
○中山壽彦君 もう一つ、この預金部の積立の資金をこういう面にもう少し広く活用するということが非常に時機に適した方法じやないかと思うのです。これは実現の見込はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/50
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051・安田巖
○政府委員(安田巖君) 年金保険の積立金は先程申しましたように二百数十億に達して参りましたし、年金保險そのものが現在まだ給付が始まつておりませんので、余り魅力もございません。あれやこれや考え合せましても今中山委員の仰せの通りでございまして、その資金の一部を還元して労働者の福祉の方に使えるように貸付を始めることは非常ないい時機じやないかというふうに考えております。それで昨年以来いろいろ国会の方の御協力を得まして関係方面とも折衝いたしておるのでありますがまあ一時は非常に都合のいいようなことであつたのでありますが、今は大体事業所に貸します場合にそれの償還能力が問題になるというようなことが引掛つておるのであります。そこで事業所に貸すのが償還能力で問題になるならば、健康保険組合、組合ならばどうだろうかという話を今持つて行つております。組合でありましたならば御承知のように大体予算を私共の方でいつも見ておりまして、毎年予算の認可をいたしますし、監督もいたしておりますから、福利施設費に幾らの金を計上しておるかというようなものもちやんと償還財源になるわけでございます。又保険料が高いとか安いとかいうような場合も、償還能力というようなもの等を引合せまして審査ができるのでございます。尚その組合が工合が悪くなりました場合にはその債権債務を国で引継ぐというような條文もございますので、これでどうだろうかと言つて一つ話をいたしておるわけであります。現在のところでは私共の方では望みがあると見ておるのでございますけれども、何分相手のあることでございますからはつきりまだ申上げる段階に至つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/51
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052・山下義信
○委員長(山下義信君) その点関連して私からも伺いたいのですが、今お話でちよつと分つたのですが、二十億程いろいろ御心配なさつて取敢えず融資しようかというようなことで出ておる、その融資先が、いわゆる健康保險組合だけに限られてあるので、どういうわけか多少一部では疑問に考えておる。外に健康保険組合以外には適当な使用先というものはないものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/52
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053・山下義信
○委員長(山下義信君) ちよつと速記を止めて……
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/53
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054・山下義信
○委員長(山下義信君) 速記を起して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/54
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055・深川タマヱ
○深川タマヱ君 配つて下さつてある社会保険概要、この刷物によりましてちよつと気が付くのでございますけれども、健康保險に入つておる女性がお産をいたしました場合に哺育手当金というのがあるらしいのでございますが、外の例えば病気になつた人の手当金とか、或いは死んだときの埋葬料というものは、すべて報酬の何割と、いうことになつておりますから、物価の変動に伴いまして自然報酬も変りますから問題ないと思いますけれども、この哺育手当の場合だけ一月二百円と書いてある。やはり人工栄養とか、子供の被服なんかも入つておるのだろうと思いますけれどもこういうふうに一定の金の二百円ということに決めて置きますと、非常に物価の変動に伴いまして問題があると思いますので、何かこういう外のものを改正なさる機会があると思いますが、そういうときにこれを変えないといけないと思いますけれども、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/55
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056・安田巖
○政府委員(安田巖君) 哺育手当金は、勿論物価が変動いたしました場合にはその都度変えております。ただ今申されましたように、報酬にスライドして行かないという点で、若干時間的なズレはあるかと思うのでありますが、併しこういうものを報酬に比例いたしますと、支給する場合に非常に面倒なことになりますし、額も現在の保險の経済から行きますと、そう沢山のものは、出せないというようなわけでありますので、従来こういうような定額制でやつておつたような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/56
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057・山下義信
○委員長(山下義信君) 外に御質疑はございませんか。
ちよつと伺いますが、もう一つ、最近健康保険医の中での不良な保險医をいろいろ調査しておるようでありますが、保険局でも何かそういう調査について何らかやつでおいでになりますか、又どういう方法で調査をしておいでになりますか。最近の健康保險医中の不良医の状況等につきまして、一つ現況を簡單でよろしうございますから承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/57
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058・安田巖
○政府委員(安田巖君) 保険医の監査につきましては、基金で審査をいたします場合にいろいろ端緒を得ることもございます。それから中央で計画を立てましてこの次は何県、この次は何県というふうに中央の技官が直接参ることもございます。勿論その場合も府県がこれに協力いたします。それから府県が医師会等と協力いたしましてやる場合もございます。大体そういうふうな三つの場合に分れておるかと思うのでありますが、まあいろいろ内容を分けて見ますと、記入の方法でございますとか、或いは手続等といつたような細かい技術的な問題で間違つておるのもございますし、その次にはいわゆる濫療と言いますか、こういうものにこういう注射を打つのはよくないじやないかとか、そういつたような少し必要以上の診療を加えておるというようなものに対する是正が第二の型だろうと思います。第三の型は、これはもう全く犯罪になるのでありましてつけかけをするとか、或いは内容にごまかしがあるとかいうようなものも、非常に少い例ではありますけれども、若干最近そういうのが見つかつておるわけであります。大体その三つに分けられるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/58
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059・山下義信
○委員長(山下義信君) 中央でのこういう調査機構というものは何人くらい人がかかつておるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/59
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060・安田巖
○政府委員(安田巖君) 保険局は医療課というのがございまして、そこにお医者さんの技官がいるわけでありますが、予算の関係上非常に少うございまして、医者が四人、課長を入れまして五人ですか、それがときどき全国に出る程度でございます。どうしてもこれは府県の方にお願いをいたしましてやつて頂かなきやならんのでありますけれども、府県の方の又保険課の技官というものが全国極めて少いような状況でございまして、あれやこれやでなかなか思うように行かないというような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/60
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061・山下義信
○委員長(山下義信君) 不良医を調査した最近の状況は、相当多いようですか、そうじやないようですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/61
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062・安田巖
○政府委員(安田巖君) ちよつと確かな数字を忘れましたから、又後日……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/62
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063・山下義信
○委員長(山下義信君) 最近東京都で何か非常にきびしいことをやつて、都内で沢山の処分をしたようですが、ああいう御調査の資料がありましたら一つ委員会にお廻し願いたいと思います発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/63
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064・中山壽彦
○中山壽彦君 不正の保険医に関連して、昨年私審議会で国立病院或いはそういうようなところで非常に不当の請求があるということを質問いたしましたところ、保險当局からの支出でありますと、これを何らかの下に適当に処理しなければなりませんが、その方法は秘密にしたい、こういうような話を聽いたことがありますが、ああいう国立病院、公立病院の不正要求に対する是正の措置はどういうふうにおとりになるように決まりましたか、これは速記を止めてもよろしうございますから若しお決まりになつておれば承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/64
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065・安田巖
○政府委員(安田巖君) 医師の申請につきましては一般の開業医とそれから今申されたような公的医療機関と二つやらなければならんと思いますが、公的医療機関の方にもやつて見ますというと、随分無駄な治療をやつておると思われるようなものがございます。これらにつきましては厳重に当該の監督旨に警告を発しまして、それを是正させるように努めておるわけでございます。殊に大学病院なんかの関係でございますと、十分地元の府県と大学当局と話合をさせまして、そういうことが将史起らないような何らかの措置をとつて新しく契約をいたしておるわけであります。ご承知かと思いますけれども、弘前大学と青森県と二、三ケ月ばかり対峙いたしまして、やつと解決したような状況でございます。段々そういうふうに持つて行きたい。思い切つてそういう点を是正したいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/65
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066・深川タマヱ
○深川タマヱ君 今の哺育手当のときのお尋ねに対しまして、予算がないからこれ以上できないというお話でございましたけれども、この法律が決まつたのは大正十五年でございます。今から二十五年前でございます。当時に比べますと物価が二百倍になつておりまして、そういたしますと一月二百円というものは何とかして改正いたさなければ、働く婦人が子供に乳を飲ませながら働く場合には、やはり若干栄養も取らなくもやいけませんし、子供の被服の問題や、お乳が出なかつた場合も考慮に入れなければならないし、やはりこれは直ぐ変えて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/66
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067・安田巖
○政府委員(安田巖君) 大正何年から少しも変わらないわけじやないのでありまして、私先程申しましたように物価が変つて参りますというと、それに比例いたしましてこういうものも変えるわけでございます。ただ保險の給付の技術といたしまして定額制と報酬比例制というのが二つあります。年金等につきましても、今度の社会保障制度審議会の場合も定額制を取つております。定額制の一つのいいところは簡單に支給できるという点だと思います。この哺育手当金というのはそう沢山は今のところ出ぜるわけでもございません。家族手当はこれは工場の方から貰つておるわけでございますし、それからその他出産手当、分娩等につきましてもお金が出ておるわけでございます。それから本人は俸給は貰つておるわけでございます。そういうような関係からそうこれは沢山するわけにも行かないと思うのであります。これは適当な額かどうかということは十分審議して見なければ分りませんけれども、いに越したことはありません。成るべく高くしたいと思いますけれども、今のところは……勿論その制度ができました当時からこれを据置きだということはございませんで、問題は先生の御意見は報酬比例制にするか、或いは定額制にするかということだと思います。よく一つ研究したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/67
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068・堂森芳夫
○堂森芳夫君 国民健康保険の問題につきましてさつき局長は県單位の方がいいと言われましたが私は反対だと思いますが、やはり日本の民主化という観点からいつてやはり末端の地方自治体にこれをやらせる、これが理想だと思う。これは実際立派な自治体がやつておるところはうまく行つておるのです。これは我々が地方で見ておるところなんです。国民健康保険の支拂が数ケ月或いはひどいのになると八ケ月も遅れている。これは皆やはり殆んどその原因は地方自治体当局の人が余りよくない。事務的にもよくない。殊に戰後余りよくない人達がそういう責任者になつておるこういういろいろな原因で来ておる場合が相当あるのです。そうして非常に医療費の支拂が半年も遅れるということが沢山あるのです。そういう点厚生省はもつと強く当局から県を督関するとか何とかして、そうした監督ということに力を盡して頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/68
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069・山下義信
○委員長(山下義信君) 午前中はこれで終ることにいたします。午後一時から続行いたしまして社会局関係を聽取することにいたします。尚明日は厚生大臣の出席を求めて置きましたから、大臣に御質疑のあります方はどうか明日午前御質疑をお願いいたすことにして暫時休憩いたします。
午前十一時五十六分休憩
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午後一時二十一分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/69
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070・山下義信
○委員長(山下義信君) 休憩前に引続き委員会を開会いたします。速記を止めて下さい。
午後一時二十二分速記中止
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午後二時五十九分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/70
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071・山下義信
○委員長(山下義信君) 速記を始めて……本日はこれで散会いたします。
午後三時散会
出席者は左の通り。
委員長 山下 義信君
理事
小杉 繁安君
藤森 眞治君
有馬 英二君
委員
池田七郎兵衞君
長島 銀藏君
中山 壽彦君
河崎 ナツ君
堂森 芳夫君
藤原 道子君
井上なつゑ君
深川タマヱ君
松原 一彦君
国務大臣
厚 生 大 臣 黒川 武雄君
政府委員
厚生政務次官 平澤 長吉君
厚生省兒童局長 高田 正巳君
厚生省保險局長 安田 巖君
事務局側
常任委員会專門
員 草間 弘司君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814237X00219500720/71
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