1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十九年三月三日(火曜日)
午前十一時十四分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 中山 福藏君
理 事
後藤 義隆君
迫水 久常君
稲葉 誠一君
和泉 覚君
委 員
大谷 贇雄君
鈴木 万平君
田中 啓一君
亀田 得治君
中村 順造君
大和 与一君
国務大臣
法 務 大 臣 賀屋 興宣君
政府委員
法務大臣官房司
法法制調査部長 津田 實君
法務省民事局長 平賀 健太君
最高裁判所長官代理者
最高裁判所事務
総局総務局長 寺田 治郎君
事務局側
常任委員会専門
員 西村 高兄君
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本日の会議に付した案件
○下級裁判所の設立及び管轄区域に関
する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出)
○遺言の方式の準拠法に関する法律案
(内閣提出)
○不動産登記法の一部を改正する法律
案(内閣提出)
———————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/0
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001・中山福藏
○委員長(中山福藏君) これより法務委員会を開会いたします。
下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案及び遺言の方式の準拠法に関する法律案の両案を一括議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。賀屋法務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/1
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002・賀屋興宣
○国務大臣(賀屋興宣君) 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
この法律案は、土地の状況、交通の利便等にかんがみ簡易裁判所の管轄区域を変更し、最近における市町村の廃置分合等に伴い下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表について所要の整理を行なおうとするものでありまして、以下今回の改正の要点を申し上げます。
第一は、簡易裁判所の管轄区域の変更であります。すなわち、土地の状況、交通の利便等にかんがみ、鰍沢簡易裁判所の管轄に属する山梨県西八代郡上九一色村字富士ケ嶺の区域を富士吉田簡易裁判所の管轄区域としようとするものでありまして、地元の住民の希望を考慮するとともに、関係諸機関の意見をも十分参酌したものであります。
第二は、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表の整理でありまして、市町村の廃置分合等に伴い、同法の別表第四表及び第五表について当然必要とされる整理を行なおうとするものであります。
以上が下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますよう、お願いいたします。
次に、ただいま議題となりました遺言の方式の準拠法に関する法律案につきまして、提案の理由を説明いたします。
この法律案の趣旨は、渉外的性質を有する遺言について、その方式に関し、いずれの国の法律が適用されるべきかを定めるものであります。遺言の方式に関する法律の抵触に関する条約について承認を求めるの件がこの国会に提出されておりますが、これは、遺言の方式の準拠法を定める各国の規定を統一することを目的とする条約であって、同条約の批准に伴う国内法上の措置としてこの法律案を提出したのであります。したがいまして、この法律案の内容は、同条約中の準拠法の指定に関する規定を、その表現に若干の修正を加えて取り入れたものであります。
次に、この法律案の要点を申し上げますと、
第一に、遺言は、その方式が、(イ)行為地法、(ロ)遺言者の本国法、(ハ)遺言者の住所地法または常居所地法、(ニ)不動産に関する遺言についてその不動産の所在地法、のいずれかに適合するときは、方式に関し有効であるものとしております。このように多数の法律が準拠法とされておりますのは、遺言が単なる方式上の理由で無効とされることを、準拠法を指定する法律の立場からはできる限り避けようとするものであります。なお、遺言を取り消す遺言については、さらに、その方式が、従前の遺言の準拠法に適合するときも、方式に関し有効であるものとしております。
第二に、この法律の適用範囲を明らかにするために、若干の規定を設けております。
第三に、遺言者の本国法及び住所地法を決定する基準についての規定を設けております。
第四に、外国法の適用がわが国の公の秩序に反する場合には、それを適用しないこととしております。
第五に、この法律は、前に述べました条約が日本国について効力を生ずる日から施行することとし、これに伴う経過措置を定めるとともに、法例及び民法について所要の整理をすることとしております。
以上が、この法律案の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されますよう、希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/2
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003・中山福藏
○委員長(中山福藏君) 以上で両案に対する説明は終わりましたが、質疑は後日に譲りたいと存じます。
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004・中山福藏
○委員長(中山福藏君) 次に、不動産登記法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。稲葉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/4
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005・稲葉誠一
○稲葉誠一君 きょうは、この前要求していた資料をいただいたのですが、「登記甲号事件・乙号事件換算率の算定根拠」、これの要点だけをまず説明していただきたいと、こう思うのです。
私の聞きたいことは、乙号を甲号に換算をする場合、その結果として、この表にありました昭和二十六年でしたかね、それと三十七年との倍率がどういうふうになるのかということを聞きたいわけです。
まず、平均処理時間というのがありますが、この比率の出し方、これについてちょっと説明してくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/5
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006・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) この平均処理時間は、登記所の実態につきまして各種の登記事件についてその処理時間をはかりましてこういう数字を出したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/6
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007・稲葉誠一
○稲葉誠一君 よくわかりましたが、そうすると、乙を甲に換算をして、結局、昭和二十六年と三十七年を比べての倍率はどういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/7
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008・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 二十六年の事件を全部甲号事件に換算をし、それから三十八年でよろしゅうございますか、三十八年を同じように甲号事件に全部換算すればどういう比率になるか、これは係の者が来ておりますので、すぐ計算させまして後ほどお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/8
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009・稲葉誠一
○稲葉誠一君 その計算は、きょうでなくてもいいですよ。五日にこの点について大蔵省の人に来てもらうことになっていますから、そのときまでに計算をして出しておいて下さいませんか。
これは直接登記法の関係ではないのですが、せっかくもらった資料ですから伺いますが、2の「昭和三十九年度法務局増員要求数」の中に、登記、国籍、計算書類、訟務、人権擁護、計千七名とあるわけですが、これはいまの予算案ではどういうふうに要求しておるわけですか。こういうふうに分けて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/9
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010・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 三十九年度の予算案におきましては、増員が、登記の関係で二百名、それから訟務の関係で三名、合計二百三名が三十九年度の予算で認められる予定になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/10
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011・稲葉誠一
○稲葉誠一君 国籍と計算書類と人権擁護——まあ人権擁護はあなたの管轄ではないでしょうし、国籍というのも違うかもわかりませんが、これらはわかりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/11
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012・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 国籍については、これは外国人の帰化事件の処理が終戦前におきましては内務省の所管でございましたが、終戦と同時に内務省から法務省の所管に移りまして、法務省におきまして帰化事件の処理をすることになったのでございますが、当時はまだ平和条約発効前でございまして、帰化事件はきわめて少なかったのでございます。そういう関係で、新たに帰化事件の処理を法務省が所管することになりましたけれども、そのための人員の措置が特にされないままに法務省に所管が移ったのでございます。ところが、御承知のとおり、昭和二十七年に平和条約が発効いたしまして、朝鮮人、台湾人、こういう従来の外地所属の人々が外国人になられまして、帰化事件が非常に多数になったのでございます。その関係で……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/12
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013・稲葉誠一
○稲葉誠一君 途中ですけれども、不動産登記に関係ないから、そう詳しくなくていいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/13
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014・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 事件の処理の人員の措置か全然されておりませんので、毎年国籍事務の処理について相当数の定員の増加を要求しておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/14
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015・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そういうことではなくて、帰化の問題等については、一体どういう場合に帰化は認められるとか、ことに在日朝鮮人の場合は非常に問題があると思うのですよ、帰化の条件などについて。これはきょうの問題じゃありませんから、ここで聞きませんが、国籍というのは民事局の所管でしょう。七十九名要求しておってどうなったとか、計算書類というのはどうなったとか、人権擁護のことはわからないかもしれないが、わかればどうなったのかお知らせ願いたい、こういうのですが、査定の結果がどうなったのか、結論だけでけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/15
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016・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 国籍については、それは認められませんでした。
計算書類、これは株式会社の貸借対照表、損益計算書を登記所に備えたいというのでこれを要求しておるのでありますが、これも認められておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/16
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017・稲葉誠一
○稲葉誠一君 人権擁護はあなたのほうの関係じゃないけれども、これも認められなかったのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/17
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018・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) これも認められておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/18
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019・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、「不動産登記法の一部を改正する法律案説明」というのがありますね、いただいたもの、これに従って聞いていきます。そのほうがわかりいいと思いますから。
一つは、「担保権の登記の簡素化及び合理化」が問題になっているわけですが、ここで言う「抵当権その他の担保権」というのは、何と何をさしているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/19
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020・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) これは、不動産質権それから先取特権それから財団関係の登記——工場財団あるいはその他の財団関係の登記があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/20
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021・稲葉誠一
○稲葉誠一君 不動産の買戻権なんかの場合は、登記をする場合はないのですか、担保目的で……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/21
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022・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) ここに言っております担保権の登記の中には買戻権の登記は含めておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/22
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023・稲葉誠一
○稲葉誠一君 それは、どういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/23
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024・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 買戻権も担保的な作用を営むわけでございますけれども、この「説明」で担保権と申しておりますのは、担保物権を考えているわけでございます。担保権というこの「説明」の用語が、そういう実質的な担保の意味を持っておる買戻権だとか、あるいは売買の予約とか、そういうようなものまでも含まれるようにあるいは誤解を招くかと思いますが、担保物権の意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/24
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025・稲葉誠一
○稲葉誠一君 この登記という場合は、本登記だけですか。ここにいう登記は仮登記なんかの場合も含むのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/25
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026・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 担保権の仮登記も含まれるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/26
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027・稲葉誠一
○稲葉誠一君 担保権の登記事項の中で、必要的記載事項と任意的記載事項があるわけでしょう。どういうものが必要的記載事項になって、どういうものが任意的記載事項なのか、ちょっと説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/27
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028・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) まず、現行法で申し上げますと、必要的記載事項は債権額でございます。それから弁済期は、「登記原因ニ弁済期ノ定アルトキハ之ヲ記載スルコトヲ要ス」でありまして、これは任意的記載事項でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/28
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029・稲葉誠一
○稲葉誠一君 利息に関する定めがあるものは、これは任意的記載事項になるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/29
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030・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 仰せのとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/30
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031・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、元本の弁済期及で利息の支払時期そのものは任意的記載事項ということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/31
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032・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) そのとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/32
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033・稲葉誠一
○稲葉誠一君 任意的記載事項ならば、別に法律で規定しても義務づけられているわけじゃないのですから、特に法律を改正しなくてもいいんじゃないですか。そういう実際の取り扱いをすればいいんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/33
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034・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 現行法では、登記原因にそういう定めがございますと、それは登記をするということになっておるわけでございます。したがいまして、元本あるいは利息の弁済期の定めがございますと、登記申請人はその登記の申請をしてくるわけでございますので、これは登記をしなければならんということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/34
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035・稲葉誠一
○稲葉誠一君 ちょっとそれは条文的にはどこですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/35
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036・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 百十七条であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/36
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037・稲葉誠一
○稲葉誠一君 百十七条は、抵当権の設定の登記を申請する場合に書かなければならないということであって、他の場合にそれを記載しなければならんということじゃないのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/37
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038・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 百十七条は、仰せのとおり申請書の記載事項でございますが、登記すべき事項につきましては、五十一条の二項に一般的な規定がございまして、「申請書ニ掲ケタル事項ニシテ登記スヘキ権利ニ関スルモノヲ記載シテ」と一般的に抽象的に書いてございますが、これがその覧記すべき事項に関する規定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/38
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039・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、必要的記載事項と任意的記載事項の区別はどこにあるのですか。この条文五十一条で行くとなれば、みんなこれに入っちゃうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/39
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040・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 先ほど申し上げました百十七条におきまして、たとえば弁済期の定めでございますと、登記原因に弁済期の定めがあれば、その弁済期を申請書に書かなければならぬということになるわけでございます。定めがなければ、もちろん書きません。定めがあって申請書に掲げられておりますと、五十一条の第二項によりまして「申請書ニ掲ケタル事項ニシテ登記スヘキ権利ニ関スルモノ」ということになるわけでございますが、これが登記されるということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/40
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041・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、任意的記載事項と必要的記載事項と区別して、必要的記載事項については、それが申請書にあるかないかを審査する権限が登記官吏にあるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/41
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042・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) そのとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/42
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043・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、いま「元本の弁済期及び利息の支払時期の定めを登記することとなっているが、」というけれども、これは申請がなければ登記をしないでもいいということですね。その書き方は必要的記載事項のようにとれる書き方にとれるのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/43
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044・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 申請がなければ登記する必要はもちろんないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/44
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045・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そこで、一体いままで元本の弁済期及び利息の支払時期の定めを登記することにした。その理由というのはどこにあるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/45
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046・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 従来の規定がこうなっておりますのは、やはり、債権の内容をできるだけ詳細に登記しようという趣旨に基づくものではなかろうかと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/46
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047・稲葉誠一
○稲葉誠一君 ここでは「第三者対抗要件としてその登記をする実益がないのみならず、」云々と書いてあるわけですが、もちろん登記は法律的には第三者の対抗要件です。だけれども、取引の安全ということも当然考えなければならない。そうすると、甲から乙に不動産を売った、乙が登記しない間に甲が丙に売って丙が登記してしまうということになれば、丙は登記があるから乙に対抗できるわけですが、その当事者だけの問題じゃなくて、ほかにもまだ不動産を買いたい人とか、あるいは担保にして金を借りたいとか、いろいろあると思うのです。そのときにやはり必要なのは、単に対抗要件としてのだけというよりも、むしろその債権がいつ弁済期が来るだろうか。弁済期か来るのが非常におそい債権ならば、その抵当権について自分は貸してもいいとか、いろいろなことが出てくるのじゃないですか。私どもは、登記簿を見るときに、一体弁済期がいつなのだろうかということをすぐ見るのですが、それがわからないと困るのじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/47
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048・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 弁済期の定めの登記は、そういう面もなきにしもあらずと思うのでございますが、ただ、実際の取引の実例を見てみますと、確定期限の弁済期の定めのある登記というものはきわめてまれな、ほとんど絶無と言ってもいいのじゃないかと思うのでございます。必ず期限の利益の喪失約款がついておるわけですが、しかも、その期限の利益の喪失約款はたくさんいろいろな場合をあげてあるのが例でございますが、一体期限の利益を喪失しているのか、どうかということは登記上は確認する方法はないと言って差しつかえないのでございます。
それからそういう期限の利益の喪失約款がついておりませんで、かりに、確定期限の弁済期だけの定めがある、その登記があると、仮定いたしましても、他の担保権の実行あるいは強制執行なんかによりましてその不動産か競売されるということになりますと、やはり当該担保権についても実行されるということになるわけであります。ただ、まだ弁済期か来ておらなければその債権額は供託されるという関係だけでございまして、やはり抵当権が実行されるという関係においては間違いはないのでございます。
そういうわけで、実際問題としまして弁済期の定めというものはほとんど実益がないと言って差しつかえないと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/48
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049・稲葉誠一
○稲葉誠一君 登記簿に載っている不動産が抵当権を実行されるか、どうかということの危険性というものは、登記簿だけではわからない。確かにそうですね。それは、日本の法制上、登記のない抵当権でも、当事者間だけの抵当権でもどんどん競売ができるというたてまえをとっているでしょう。そこに一つの問題があるのじゃないかと思うのですがね。これは、どこでもそうですか。抵当権の登記がなくても、抵当権の実行をどこでもできるでしょう。これは各国の法制なんかもそういうふうになっておるのでしょうか。これは非常に第三者は危険ですね。だから、なれ合いの抵当権なんかもできてくるのじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/49
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050・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) よそは実体法、手続法が日本とだいぶ違っておりますので、外国の事例は私存じませんけれども、日本では従来抵当権は登記なくしても実行できるというそういう判例になっておりまして、実務上もそれで処理されております。しかし、実際問題といたしましては、抵当権者が登記しないなどということはおよそ普通の事態でございますとあり得ないことでありまして、その不動産が他に譲渡される、あるいは他にほかの者のために担保権の目的になるなどということになりますと、その担保権は未登記である限り対抗力がないわけでありまして、そういう不安な状態でもって金を貸してというようなことはおよそあり得ない、現実の問題としてはほとんどあり得ないのじゃないかと思うわけでございます。でありますから、そういう点は実際問題としてはそう心配する必要はないように思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/50
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051・稲葉誠一
○稲葉誠一君 この条文でいうと百十五条ですね、これは先取特権の保存の登記の申請書ということが書いてあるわけですけれども、先取特権の保存の登記というのは実際には行なわれているのですか。どういうような具体的な例があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/51
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052・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 先取特権の保存の登記というのは、そう例は多くございませんが、事件が絶無であるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/52
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053・稲葉誠一
○稲葉誠一君 だから、具体的にどういう場合があるのですか。先取特権にもいろいろありますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/53
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054・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 建物の工事の先取特権、こういうようなものは例があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/54
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055・稲葉誠一
○稲葉誠一君 その場合は、債権者だけで登記できるわけですか、登記義務者の協力は要らないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/55
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056・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) やはり共同申請でございまして、登記権利者と登記義務者の双方の申請によってするわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/56
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057・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、たとえば給料の先取特権がありますね。給料の先取特権なんかもやはり登記をしておかないと、あとでその不動産に対して抵当権なんか設定された場合には対抗できなくなっちゃうわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/57
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058・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 仰せの給料の先取特権は、これは一般の先取特権でございまして、これは登記いたしません限り、ほかの担保権について登記がされますと、優先権はもちろんなくなるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/58
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059・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、給料の先取特権の場合でも、やはり登記義務者の協力がなければできないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/59
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060・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) そのとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/60
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061・稲葉誠一
○稲葉誠一君 それで、給料の先取特権は、民法第何条でしたかね……。
三百六条と三百八条にあるわけですね。これなんかは、実際問題として、ここの直接の問題ではないとしても、これは登記義務者の協力がなくても、たとえば基準監督署とかなんとかの証明があれば登記できるようにしなければ意味がなくなっちゃうのじゃないですかね。その点について考えられたことはありませんか。ぼくは、どうも実際やっていてちょっと疑問に思っているんですよ。しょうがないものですから、裁判所に行って仮差押してすぐ仮払いの仮処分を申請してやるということになるわけですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/61
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062・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 登記は、やはり登記権利者と登記義務者の双方が申請してやりませんと、登記権利者だけの一方で申請されますと、やはり架空の債権について担保権の設定の登記ということも起こり得るわけで、原則はやはり共同申請でなければならぬと思うわけでございます。ただ、仮登記でありますと、登記権利者のみで仮登記の仮処分命令をもって登記ができるわけでございますから、その道はあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/62
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063・稲葉誠一
○稲葉誠一君 それから百十五条は、これは前は債務者の記載を必要としたのを、法を改正して債務者の記載は必要としなくしたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/63
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064・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) これは、不動産登記法の第百十九条でもちまして全部債務者を表示することになっておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/64
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065・稲葉誠一
○稲葉誠一君 旧法では、先取特権保存の登記には債務者を表示する必要がなかったのじゃないですか。それで困るからというのでこれを改正したのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/65
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066・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) この百十九条の規定は、昭和三十五年の改正で入れた規定でありまして、以前はこの担保権の設定者とそれから債務者が同一である場合には債務者を表示する必要がないという規定になっておったのでございますが、これは担保の目的であります不動産はその後転々する可能性があります関係で、当初から必ず債務者も同時に表示するということに三十五年の改正で改めたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/66
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067・稲葉誠一
○稲葉誠一君 それは前に不備だったものを改めるのはいいわけですけれども、そういうふうな改正がどうも不動産登記の場合はぽつりぽつりとされるのじゃないですかね。全体的にもう少し抜本的な改正というものがされていいのじゃないですかね。これは経済事情が変わってくるのですから、そういう点については根本的な改正の問題ということは何か考えられているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/67
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068・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) この不動産登記法も、私どもの感じておりますところでは非常にがっちりした整った法律なのでございまして、いままでのところ根本改正、全面改正という必要はないように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/68
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069・稲葉誠一
○稲葉誠一君 法の改正ではないとしても、実際の取り扱い面で、現実にこんなに事件はどんどんふえていると、これは減る見込みはなかなか少ないのじゃないですか。特に公共事業が盛んになってくれば、ますますそちらのほうがふえてくるわけですね。会社の合併やなんかもどんどんふえてくるわけでしょう。そういうことになってきた場合に、人数がこうやって見ても現実にふえてくるとすれば、そこで何らかの形のものをもっと考慮しなくてはいけない段階になっているのじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/69
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070・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 今回の法律案なんかは、まさしくその要請に沿うものでございます。
それから昭和三十五年の改正のときは、前回も御説明申し上げましたように、登記簿とそれから土地台帳、家屋台帳を統合するということに基づく改正でございますが、何ふんそういう台帳と登記簿の統合というようなことをやりますと、相当の予算を要することでもありますし、そう簡単にはできませんので、それからまた、統合の作業というものが相当の労力も要することでございますので、一挙にというわけにはなかなかいかぬのでございます。そういう関係で、一度に全面的にやれば非常にいいわけでございますが、どうしてもやはり何段階に分けまして改正をしていくというようなことにならざるを得ない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/70
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071・稲葉誠一
○稲葉誠一君 百十六条の不動産質権の登記のことですね。これは、不動産質権というのは日本ではあまりないのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/71
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072・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 仰せのとおり、ほとんど実例がございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/72
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073・稲葉誠一
○稲葉誠一君 その不動産質権というものがほとんどないというのは、それはどういうわけですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/73
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074・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 不動産質権となりますと、質権者がその不動産の使用収益もするわけでございまして、大体質権の設定ということが、これは金融業者が債務者に対して金を貸してという関係でございまして、そういう場合には、何も不動産を使用収益する必要がないわけで、動産質におきましてもごく限られた人が実際問題としては質にとるわけで、ましてや不動産におきましては、そういう金融業者、銀行その他金融業者におきましては、抵当権で十分でありまして、経済上の需要がないということに由来するわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/74
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075・稲葉誠一
○稲葉誠一君 抵当証券というのは、具体的にはどういうふうな場合に発行されているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/75
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076・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 抵当証券は、その抵当権によって担保される債権の流通を容易にしようという目的で抵当証券法ができたわけでございますが、これまた、法律がございますけれども、ほとんど利用されていないというのが現在の実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/76
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077・稲葉誠一
○稲葉誠一君 抵当権設定登記の場合には「債務ノ不履行ニ因リテ生ジタル損害ノ」「定」をこれは今度は記載することになったのですか。これはこの前の改正ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/77
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078・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) これも昭和三十五年の改正で入れたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/78
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079・稲葉誠一
○稲葉誠一君 いまのところなんかは、別に法を改正する前から、大体「債務ノ不履行ニ因リテ生ジタル損害ノ」「定」というのは当然記載すべしというようになっていたんじゃないですか、実例は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/79
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080・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) これは解釈でそういう解釈にしまして、遅延損害金の定めも登記ができるという解釈でやっておったのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/80
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081・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、そういうものは、今度の場合に、あれですか、全部登記を廃止することになったわけですか。遅延損害金の場合も含んでいるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/81
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082・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 遅延損害金の定めそのものは、これは登記事項からはずすわけではございません。現行法どおりで、今回の改正では手を触れておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/82
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083・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、今度の場合は、弁済期の定めだけですね、元本と利息の。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/83
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084・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/84
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085・稲葉誠一
○稲葉誠一君 実際に今後いわゆる分割支払いというようなものがどんどんふえてくるわけですね。そういうふうな場合には、これは全然登記簿には載らなくなっちゃうのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/85
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086・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/86
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087・稲葉誠一
○稲葉誠一君 これは私どもが登記簿を見ましても、たくさん書いてあるわけですね。ことに金融業者、一時できた殖産会社などが金を貸したときに、いやもうこまかい規定が一ぱい書いてあったんですけれども、確かにそれは繁雑なことは繁雑だと思うのですが、そうすると、登記簿からは、一体抵当権の弁済期が来たのか来ないのかということは全然わからないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/87
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088・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) そのとおりであります。登記簿自体からは弁済期がいつかということはわからないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/88
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089・稲葉誠一
○稲葉誠一君 それからちょっと飛びますけれども、三の「その他の登記手続の合理化及び簡素化」のところの、(4)の「不動産の表示の登記のない不動産」というのはどういう意味ですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/89
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090・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 登記簿を見ますと、その登記用紙の第一枚目が表題部ということになっておりまして、そこに土地なり建物なりの所在地番、その他その不動産の位置、現況を示す記載がされているわけでありますが、それが不動産の表示の登記であります。その表示が全然ないそういう不動産を表示の登記のない不動産というわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/90
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091・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、全然未登記という意味になるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/91
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092・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) そういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/92
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093・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そこで、不動産の表示をするのはやはり登記と言っていますね。これは、何だか、見ると、あすこのところへ登記があれば、表題の登記がある、これはもう保存登記がされているのだというふうにちょっと錯覚を起こしちゃうんですね。誤解ですね。法律を知っている人はそうでないと思いますが、ここに登記があるから、これはもう保存登記がしてあるのだと思う場合が多いんですね。あれは登記という言葉を使わなくちゃいけないんですか、表示の登記という言葉を。どうも錯覚を起こしていけない。いろんな誤解を与えるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/93
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094・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) この表示の登記もやはり登記でございまして、ただいま申し上げましたとおり、所有権の登記のない不動産、いわゆる保存登記のされていない不動産とそれから表示の登記も全然されていない不動産と何か混乱を生ずるようにも考えられますが、この法律の上では、全然登記簿にも全く載っていない不動産は、これは表示の登記のない不動産と言い、表示の登記はされておりますけれどもいわゆる保存登記すなわち所有権の登記のされていない不動産は、所有権の登記がない不動産、そういうふうに使い分けて混乱を防いでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/94
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095・稲葉誠一
○稲葉誠一君 それは法律家から見れば確かにそうですよ。三つのものがあるわけですよ。わかりますけれども、登記が第三者対抗要件、だというなら、不動産の表示のある登記ですね、これは一体どういう対抗要件なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/95
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096・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 不動産の表示の登記のみでは、これは所有権の登記ではないわけでございますので、それだけでは対抗要件を備えたということにはならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/96
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097・稲葉誠一
○稲葉誠一君 登記は第三者に対する対抗要件だというのでしょう、定義は。そういうようなことを言ってしるのに——これは保存登記なら確かにそのとおりですよ。ところが、表示の登記というのは対抗要件でも何でもないということになるのでしょう。何の登記なんですか、これは一体。どういうことを意味しているのですか。ここら辺がどうも混迷を招くのじゃないですか。私だけが混迷しているのかわからぬけれども、これはどうもよくわからないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/97
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098・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) これは不動産登記法の第一条によりまして、表示の登記とそれから権利の登記というふうにはっきり分けまして、第三者に対抗するというのは不動産の権利を第三者に対抗するわけでありまして、単に表示の登記だけをしたのでは、これは単に不動産の現況が登記されているにすぎないわけであって、権利関係の登記がされているわけではありませんので、第一条の趣旨からもその点はわかるのではないかと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/98
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099・稲葉誠一
○稲葉誠一君 それを、表示の登記と保存登記とをもっと有機的に結びつける方法というのはないわけですかね。これはもちろん登記は申請主義なんで、申請しない者に何も国家はそれだけの利益を与える必要はないし、登録税を払うのですから、だから職権でやるというのもおかしいかとも思いますけれども、だから、結局、未登記の財産というか不動産が非常に多いんじゃないですか。不動産の表示の登記はあるけれども、それでいいんだと思っていて、あとはめんどうくさいからそのままにしておいて、保存登記がない、こういう財産が非常に多いんですね。そこを、あれじゃないですか、建物が未登記の場合ですね、建物が未登記の場合に、土地を売買しちゃって、そうして建物に登記がないからというので、今度は自分が所有者なんだ、だから建物の所有者というのは何にも権限がないんだから建物を収去しろ、こうくるわけでしょう。現行法ではそれに対して、権利の乱用だとか理屈は別として、正面切っての対抗方法はないわけですね。だから、登記しないのは本人の損失だといえば理屈はそうですけれども、何とかもう少し登記に親しむように国民に教えるとかなんとかということはできないのですかね、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/99
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100・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 現行法のもとにおきましても、たとえば建物を新築いたしますと、普通は所有者のほうから表示の登記の申請をして表示の登記がされるわけでありますが、その場合でも、所有権の登記も同時にしたいというのであれば、表示の登記と同時に所有権の登記も、申請をすれば所有権の登記も同時にされることになるわけでございます。
ただ、実際問題といたしましては、建物の所有者としましては、表示の登記だけをしておけば目的は達するわけでありまして、それをすぐ担保に入れるとかなんとかということになれば、それは所有権の登記をする必要がございますけれども、そういう必要がなければわざわざ登録税を納めて所有権の登記を急いでやる必要はないというわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/100
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101・稲葉誠一
○稲葉誠一君 理屈は確かにそうですよ。現実には、ことに建物の表示の登記はあるけれども保存登記はないというのが多いわけでしょう。それを不動産ブローカーなりが登記所へ行って見てきまして、土地を売買するわけですね。いわゆる地震売買をやるわけですよ。ゆさぶるわけですよ。新しい地主というのは、自分は土地の持ち主になったのだ、その上へ建物は建っているけれども、建物は未登記じゃないか、だから建物保護法による対抗力がないじゃないか、だから建物を収去しろ、明け渡せ、こうやってくるでしょう。これが非常に多いんですよ。ですから、不動産の表示の登記をするときには、当然権利の登記も含まれるというふうに見ては、これは登記が職権主義になってくる危険性がありますけれども、そこらを何とか考えなくちゃいけないんじゃないですか。私はいま名案がありませんけれども、実際にそれで困っている人が多いわけですよ。どうもこれはちょっと考えなくちゃいかんと思いますがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/101
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102・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 表示の登記だけしかされていなくて所有権の登記がされていないために悪質の第三者によってほしいままに不動産を処分されたという例はあまり聞かないのでございますが、むしろ、いわゆる地面師なんかのやり口というのは、すでに既登記で、既登記と申しますか、権利の登記がされている他人の不動産を、あたかも権利者なるかのごとくに装いまして、印鑑証明を偽造する、あるいは登記済証なんかを偽造いたしましてやるという例が非常に多いように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/102
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103・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そういう地面師の場合は、この前は、そういう例が少ないから、だから登記に公信力を持たせる必要はないのだという話だったのですが、それはいいですよ、ここでの議論じゃないですから。私の言うのとちょっと食い違っているのは、私の言うのは、建物が保存登記されていないものが非常に多い、日本では特に。だけど、表示の登記はあると。そうすると、しろうとの人は、表示の登記がおるのだから、建物の保存登記もあるのだと、こう思っているわけですよ。そうして借地しているわけです。地主が不動産ブローカーを介すか何かして第三者に土地を売っちゃうわけですよ。売って登記しちゃうわけです。そうすると、第三者は、新たに土地の持ち主になって登記してありますから、それで建物の未登記の者に対して、これは自分の土地なんだ、あなたには貸してないんだ、あなたは建物の登記がないのだから対抗できないんだとくるわけでしょう。これは建物保護法によって対抗できませんわね。それが非常に多いんですよ。これは民事局長の言うようにそういう例はないなんということはないですよ。これはとても多いんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/103
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104・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 建物保護法の関係におきましては、賃借人が借地上に登記した建物を有するという解釈の問題でありますが、表示の登記だけでもいいんだ、それでも登記ある建物と言って差しつかえないという解釈であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/104
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105・稲葉誠一
○稲葉誠一君 それはずっと前ですね。判例はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/105
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106・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) これは昭和三十五年の台帳と不動産登記簿との一元化の結果、表示の登記というものが所有権の登記とは独立に認められるようになったわけでございまして、この昭和三十五年の不動産登記法の改正以来そういうことになるわけでございますが、現在まだその判例は私ども承知いたしておりません。裁判所で問題になったということを聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/106
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107・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると表示の登記と権利の登記と分けているわけでしょう。いまあなたのおっしゃるようならば、表示の登記が第三者に対する対抗力を持ってくるわけじゃないですか。全く保存登記と同じ効力を持ってくるのじゃないですか、いまの例に限定すれば。そういうことになる。あれですか、表示の登記があれば建物保護法のいうところの登記に該当するのだということは、いままでそういうずっと説明だし、それで全部の裁判を通しているのですか。それならそれで私のほうは非常にけっこうなんですが、どこから出てくるのですか、そういう議論は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/107
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108・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 建物保護法それ自体が、借地権の登記がされておるわけではもちろんないわけであります。借地上に建物がある、建物の登記がある、その建物の登記は表示の登記だけでも足りるという解釈を申し上げておるのでございますが、そもそもこの建物保護法の立法趣旨を考えてみますと、現に借地上に建物があるということに非常に大きな意味があるのだろうと思うのであります。その建物がとにかく登記簿上においてだれの所有であるか、だれが権利者であるかということがうかがわれればそれでいいんじゃないかという解釈になるのではないかと思うのでございます。したがいまして、その建物の所有権の登記がありませんでも、表示の登記だけでも所有者を表示する欄があるわけでございますので、所有者がだれかということは十分うかがわれるわけでありまして、建物保護法の解釈としましては表示の登記がある建物ということで十分であろうという解釈になるべきものと思うのでございます。ただ、裁判所でこの点が問題になって判例が出ておるということはまだ聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/108
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109・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そういう解釈なら、私も非常にけっこうなんですよ。ですから、これ以上しませんし、それから借地借家法の改正に伴って建物保護法の改正問題も出てくるわけでしょう。まだ国会に提出されてないのかもわかりませんが、そのときに建物保護法の関係は私は聞いてみたいと思うんです。建物保護法という法律がいまはたして必要なのかどうか、あれを借地借家法の中に繰り入れることができるのかどうか、いろいろな問題があるのじゃないかと思うんですが、ここでは直接のあれではありませんから、この程度にしておきます。
それからいま民事局長の言ったような表示の登記の建物保護法の関係の意味、これがそうだというなら、これはもう少しそういうことを各地の——まあ裁判所に流すわけにいかんけれども、ほかの方面にもう少しPRしてもらいたいと思うのです。私は不勉強で知らないんですけれども。
それからここに書いてあります「土地の所在図、地積の測量図又は建物の」云々と、こうありますね。一体法務局にあるいわゆる公図と称するもの、これはどういうものなんですか。実際古いものがありまして、現況と全く違っているし、困っちゃうんですよ。何をいっているわけですか、ここにある土地の所在図というのは。新たに提出しろということなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/109
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110・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 新たに不動産の表示の登記を申請する場合には、一般の場合にはこういうものをつけて申請をすることになるわけでございます。ただ、現行の規定では、判決あるいは収用による登記、地番整理のための登記の申請または嘱託の場合にはこういう図面をつけるという明文の規定がございませんので、解釈上当然そうなるということでやっておったわけでございますけれども、これを規定上はっきりしたいということでこの点の改正を行なったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/110
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111・稲葉誠一
○稲葉誠一君 私のお聞きしたい点は、この点もそうですけれども、別に法務局が持っている公図と称するものがあるでしょう。一体あれはどういうものなのかということをお聞きしたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/111
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112・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 現在いわゆる公図と申しておりますのは、昭和二十五年に土地台帳が税務署から法務局に移管になりました際に税務署から引き継いだものでございます。それ以前に作製されたものでございまして、徴税の必要上土地を具体的に明らかにするためにああいういわゆる公図ができておるのでございますが、これは相当古い時代にできたものなんかもまじっておりまして、必ずしも現況とは合わない、正確でないものが少なくないように伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/112
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113・稲葉誠一
○稲葉誠一君 相当古いものというけれども、明治初年ごろのやつが——やっと言っちゃ悪いが、明治初年ごろのものが多いんじゃないですか、地租改正前のものが。ですから、あれを、争いになったときに、法務局の持っておるものであるから信用できるだろうということで持ってくるわけですね。そうすると、全くわからないんです、あれでは。現在の状況と変わっておるしね。地租改正前のものが多いのですが、あれは何とかして法務局自体としても、公図と言われる以上はもう少し正確なものをつくらなければならないんじゃないですか。それはどういうふうにしておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/113
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114・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) それは私どものほうでもその必要を痛切に感じておりまして、整理をいたしたいと考えておるのでありますが、これは何ふん全国にわたります関係で非常に膨大な経費を要するわけでございます。でありますから、一元化の作業が済みましたあとにこの地図の作製に着手したいという方針でおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/114
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115・稲葉誠一
○稲葉誠一君 実際問題としては、いわゆる法務局にある公図と市町村にある図面とは非常に食い違っているんですね。それで困っちゃうわけなんです。境界争いの場合それからいろいろその他の場合でも絶えず食い違っているわけでしょう。どっちを信用するかというと、市町村よりは法務局のほうを信用するといって持ってくると、古くてわからないということなんです。市町村のほうでも何か持っているんじゃないですか、何か図面を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/115
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116・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 市町村でもやはり固定資産税なんかの関係で図面ができているわけでございますが、両者が非常に違うという例は私どもはあまり聞きません。現に、登記所にあるのがぼろぼろになって滅失した、それをつくり直すために市町村のを借りてつくった場合もありますし、登記所のを利用して市町村でつくられた場合もあります。私は市町村の実情は詳細知りませんけれども、必ずしも正確とは言えないのじゃないかと思うのでございます。
ただ、最近では各地方で土地改良事業が行なわれ、区画整理事業が行なわれておりますが、そういう際には非常に詳密な正確な地図ができるわけでございます。で、現状のもとでは、そういう機会につくられました地図がやはり登記所にも送られてまいりまして、市町村にも備えられております。まだ全国的には数は至って少のうございますけれども、それならばきわめて正確であります。それからなお国土調査法に基づく一筆調査の測量図が法務局にも送られてきておりまして、これならきわめて正確なものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/116
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117・稲葉誠一
○稲葉誠一君 きょうは最後の一点だけで質問を終わりますが、四のところにある「立木に関する法律の整理をするものとする」と、こう書いてありますね。立木に関する法律いわゆる立木法による立木登記というのがきめられているわけでしょう。実際には行なわれているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/117
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118・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 立木登記は、地域によっては相当ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/118
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119・稲葉誠一
○稲葉誠一君 どの程度ですか。私らはあまりよく知りませんけれども、あまり行なわれていないのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/119
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120・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 一例を申し上げますと、奈良県などああいう山間地の植林が盛んなところには立木登記はかなりございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/120
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121・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、不動産登記との関係はどういうことになりますか。立木は普通は不動産に対する定着物というのですか、不動産の一部なんだけれども、立木法の登記があるというと独立の不動産になる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/121
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122・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) そのとおりでございます。これは立木登記簿という特別の登記簿が設けられておりまして、それに登記されておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/122
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123・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、今度の不動産登記法の改正で、たとえば「抵当権その他の担保権の登記事項中元本及び利息の弁済期の定めの登記を廃止する」とかいっておりますが、これは立木に関しては、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/123
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124・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) これは、立木関係の法律の担保権の登記につきましては、やはり同じことになるわけでございます。弁済期の定めは全部立木登記なんかにつきましてもやはり登記事項からはずれるということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/124
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125・稲葉誠一
○稲葉誠一君 それは附則に書いてありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/125
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126・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 立木は、立木に関する法律によりまして不動産とみなされております関係で、この不動産登記法の百十五条、十六条、十七条で適用になるという関係でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/126
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127・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、立木に関する法律は改正をしなくても、不動産登記法の改正で全部済むわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/127
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128・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) それは共同担保目録の関係だけであります、特に規定が要ると申しますのは。それで、十八条を改正しまして新しい二項をつけ加えましたのは、共同担保目録の関係で改正が必要になったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/128
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129・稲葉誠一
○稲葉誠一君 これは附則の第十四項にそのことを書いてありますね。そうすると、立木に関する法律の改正案は出さなくてもいいんですか。出すのでしょうね。どうなっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/129
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130・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) これは、この法律案の附則の第十四項で立木に関する法律の十八条の規定の改正を行なっているわけであります。附則の十四項、一番最後の項でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/130
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131・稲葉誠一
○稲葉誠一君 立木に関する法律に所要の改正を加えたものであるというんでしょう。そうすると、不動産登記法を改正すれば、立木に関する法律の改正をしなくてもいいのですか、あるいは、立木に関する法律の改正も独自に出されなくてはいけないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/131
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132・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) これは立木は不動産とみなされておりますので、今回不動産登記法の改正の内容になっております百十五条、十六条、十七条の担保権の登記事項に関する規定なんかは、これは当然立木のほうにも適用があるわけでございまして、ただ、共同担保目録だけの関係は特に規定を設ける必要がございますので、立木に関する法律の十八条に新たに一項を加えるという次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/132
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133・稲葉誠一
○稲葉誠一君 私の聞くのは、ちょっとこんがらかっているかもわかりませんけれども、「立木に関する法律の一部を次のように改正する。」ということを不動産登記法の附則でやっただけでいいのですか。これは附則の、しかもこれは経過措置ですか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/133
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134・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 経過措置ではございませんで、この不動産登記法の改正に伴いまして、まあほかにもよく関係法律の整理をすることがあるわけでございますが、それに類するものであるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/134
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135・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、立木に関する法律の改正そのものは立木に関する法律の改正案として出されなくてもいいというわけですか。その根拠をもう少し説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/135
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136・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) これは立木に関する法律の一部改正ということでももちろん出せるわけでございますが、ただ、今回の改正は、この不動産登記法の改正が主たるもので、それに伴いまして関係の法律に整理をする必要があるという関係で、附則におきまして立木に関する法律の一部改正をやったわけであります。従来、ほかの法律なんかの改正の際にも、しばしばこういうことが行なわれておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/136
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137・稲葉誠一
○稲葉誠一君 整理といっても、あれじゃないですか、新しいやり方、何かを加えているのじゃないですか。そこのところはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/137
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138・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) 整理と言ってもいいのじゃないかと思うのでございます。不動産登記法の改正に伴って当然他の法律でその部分を一部改正する必要が生じてくるということでございますので、整理と言って差しつかえないと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/138
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139・稲葉誠一
○稲葉誠一君 その点は私よく立木に関する法律など調べましてちょっと考えたいと思うのですが、そういうやり方で一体いいのですかね。やはりこれに伴って、単独法なんですから、単独法は単独法としてやはり改正案を出さなければいけないのじゃないかと思うのですが、これは立法上の問題ですから、ここで論議しても始まらないと思いますが、私も研究してみます。
それで、きょうはこれで終わりますが、さっき言った甲と乙との関連で乙を甲に換算した場合の全体としてどういうふうになっているか、これを明らかにしてくれませんか。というのは、大蔵省はこれをどういうふうに考えているのかわかりませんけれども、大蔵省の換算と法務局の換算というのは何か違うように思う。違っていいと思いますけれども、そういうような点があるものですから、あらためて伺いますから、この次の五日の日までに明らかにしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/139
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140・後藤義隆
○後藤義隆君 ちょっと関連して。本件の改正の主たる目的は元本並びに利息の弁済期の登記を省略するということが主眼であるというふうに思われますが、第百十七条の後段の抵当証券発行の場合には、これは例外としてその利息の弁済期はやはり登記をすることになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/140
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141・平賀健太
○政府委員(平賀健太君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104615206X00919640303/141
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142・中山福藏
○委員長(中山福藏君) それでは、本日は一応この程度にいたしまして、これをもって散会いたします。
午後零時二十八分散会
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