1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十三年二月二十八日(金曜日)
午前十時三十八分開議
出席委員
委員長 西村 直己君
理事 内海 安吉君 理事 大島 秀一君
理事 大高 康君 理事 荻野 豊平君
理事 久野 忠治君 理事 三鍋 義三君
池田 清志君 木崎 茂男君
薩摩 雄次君 徳安 實藏君
松澤 雄臓君 山口 好一君
井谷 正吉君 小川 豊明君
中島 巖君
出席政府委員
大蔵政務次官 坊 秀男君
大蔵事務官
(主計局次長) 佐藤 一郎君
建設政務次官 堀内 一雄君
建設事務官
(大臣官房長) 柴田 達夫君
建 設 技 官
(道路局長) 富樫 凱一君
建設事務官
(住宅局長) 植田 俊雄君
委員外の出席者
建設事務官
(道路局路政課
長) 三橋 信一君
建設事務官
(住宅局住宅総
務課長) 鮎川 幸雄君
専 門 員 山口 乾治君
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三月二十七日
公営住宅法第六条第三項の規定に基き、承認を
求めるの件(内閣提出、承認第一号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
日本道路公団法の一部を改正する法律案(内閣
提出第八九号)
道路法の一部を改正する法律案(内閣提出第九
七号)
道路整備緊急措置法案(内閣提出第九八号)
公営住宅法第六条第三項の規定に基き、承認を
求めるの件(内閣提出、承認第一号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/0
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001・西村直己
○西村委員長 これより会議を開きます。
日本道路公団法の一部を改正する法律案、道路法の一部を改正する法律案及び道路整備緊急措置法案の各案を一括して議題とし、審査を続けます。質疑を行います。中島巖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/1
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002・中島巖
○中島(巖)委員 大臣に質問いたしまして、順次こまかいことを事務当局よりお聞きいたしたい、かように考えておったのでありますが、大臣がお見えになりませんので、少しくあと先になる感がありますけれども、道路局長に対して若干お尋ねいたしたいと思うのであります。
政府は今回、道路整備の新しい五カ年計画を樹立いたしたわけであります。これに伴うところの法案といたしまして、道路整備緊急措置法案なるものを提出されております、そこでこの提案理由の説明から考えますと、道路整備緊急措置法案なるものは新たなるところの道路整備五カ年計画案、こういうふうに了承してよろしいと思うのですが、この点どうであるかということを最初にお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/2
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003・富樫凱一
○富樫政府委員 お話のございましたように、道路整備緊急措置法によってきめます通路整備五カ年計画は、新しい道路整備五カ年計画になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/3
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004・中島巖
○中島(巖)委員 そこで、提案理由の説明にもありますように、昭和三十三年度を初年度として道路整備五カ年計画を樹立する。その実施に際して、つまり財源の確保ということが第一点、第二点といたしまして道路の計画的整備を行う、こういうように言われておるのであります。そこで財源関係につきましては、先日久野委員の質問に対する私の関連質問などで、大体見当だけはとれたのでありますが、これはもう少し大臣に対して質問をいたしたいと思います。
そこでもう一つの点の道路の計画的整備の問題について、局長よりいま少しく掘り下げた説明をしていただきたい、かように考えるわけであります。道路の計画的整備につきましては、金額におきましては国道関係が五千六百億、有料道路が千五百億、地方道が千九百億というような大ざっぱな内訳は、前の委員会においてお伺いをいたしたわけであります。そこでさらに突っ込んでお尋ねしたいと思いますのは、結局前の五カ年計画のときにおきましても、いわゆる五カ年計画策定の基本となるものは、どこからどこまでを一級国道においては直すんだ、どこの橋梁を直すんだというような、ある程度のこまかい個所づけまでされたわけであります。おそらく今回もそういうこととなると思うのでありますが、これらについて、どういうような構想を建設省としては持っておるか、局長よりお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/4
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005・富樫凱一
○富樫政府委員 前会に大臣から御説明のありましたように、新しい五カ年計画の総体の規模は九千億ということを申されたわけでございます。この九千億は道路に入れます投資を全部含めておりますが、そのうち千九百億というのは、県なり市町村なり地方公共団体が単独で行います事業でございます。これが千九百億でございます。それから有料道路が千五百億ございますが、これを差し引きまして五千六百億、この五千六百億というのが、この五カ年計画に乗ってくる一般道路に関する事業になるわけでございます。この五千六百億は事業費でございますが、この五千六百億を五カ年で使いまして、まず一級国道は七年で完成することを目標にいたしまして、そのうちの五カ年分ということを考えておるわけであります。それをやりまして、残りを二級国道以下に持っていくわけでございます。前の五カ年計画をきめましたときも、閣議決定されましたものは全体の事業の量でございますけれども、それの参考となるものには、それぞれの個所的な内訳があったわけでございます。今回の新しい五カ年計画につきましても同様に、閣議決定を得ますものは、道路整備の目標でありますとか、あるいは五カ年間の事業の量でありますとかでございますが、これが出るには、その内訳となる一級国道、二級国道等の道路の種別ごとの事業量、そういうものが出て、その結果総体の事業の量がきまって参るわけでございます。ただいまそれらの作業を実施中でございます。閣議決定を得ますまでには、こまかい資料を用意したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/5
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006・中島巖
○中島(巖)委員 そこで全局長の御答弁の中に、地方道関係の十九百億ということに対して、単独ということを言われたのですがわれわれはこの千九百億というものは、地方道の総体のワクであって、この千九百億の中に各府県、地方公共団体の負担はあるけれども、国の負担もある、こういうように考えておるのでありますが、単独という意味は予算関係ではなくして、事業をやるのを都道府県でやるというような説明であるのかどうか、その辺を一つはっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/6
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007・富樫凱一
○富樫政府委員 この千九百億は地方が単独に行います分で、国の費用は入りません。従来県なり地方公共団体がやっております単独の非業というものが相当あるわけでございます。これを五カ年間にわたりまして推定いたしまして、それを千九百億とあげておるわけでありますが、この費用は全部県、地方公共団体の単独の負担にかかるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/7
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008・中島巖
○中島(巖)委員 そうすると、最初からの説明とだいぶ食い違いが出てくるわけではないですか。道路整備臨時措置法によると、これは来年度から法律改正になるので、率のことはわからぬですが、都道府県に対しても、結局国が四分の三ですか負担する、こういうような規定になっておるわけでございます。従いまして千九百億が地方道関係で、五千六百億が国道関係だとすると、地方道関係に対する今の局長の答弁からすると、全然負担せぬ、こういう結論になるわけなんですか。その辺、一つはっきりと御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/8
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009・富樫凱一
○富樫政府委員 説明が足りなかったと思うのでありますが、この五千六百億は五カ年計画に乗ります事業費でございまして、これは国道とその他の二級国道以下の道路を含めております。ただこの五千六百億の中で一級国道につきましては、七カ年間で完成するように五カ年計画に盛りたいということを申し上げたわけでありますが、この五千六百億の中には国道も地方道も含めてあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/9
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010・中島巖
○中島(巖)委員 そういたしますと、九千億の中で千九百億は結論的に地方公共団体の負担だ、国で予算措置をしないところの地方公共団体の負担である、こういうように了承していいわけですね。そういたしますと、九千億の予算でありましても、かつての鳩山内閣時代の住宅建設計画に、いわゆる民間建設の額まで含めてあったのと同じように、道路整備新五カ年計画の九千億というものの中には、千九百億の地方公共団体の負担がある、従って国で財源措置をするものは七千百億である、結論的にはこういうように了承してよいかどうか、その辺、はっきりしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/10
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011・富樫凱一
○富樫政府委員 それは仰せの通りでありまして、もともとこの道路投資の総体のワクを出しましたのは、将来における輸送需要に見合うような道路投資ということで出してきたわけであります。この新長期経済計画におきましても、そういうような出し方をしておるわけでありまして、日本の道路全作に対して、どれだけの投資が必要であるかという勘定をしているわけであります。その勘定に基きましてこの五カ年間を算定いたしますと、およそ九千億、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/11
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012・中島巖
○中島(巖)委員 これはほかの委員の諸君はどうか知りませんが、私の考えといたしましては、最初からの大臣及び局長の説明などから総合いたしまして、国道関係に対して五千六百億、地方道関係に対して千九百億、それから有料道路に対して千五百億、こういうように了承しておったわけでありますが、本日局長の説明によりまして、五千六百億は一級、二級、地方道一切を含めて五千六百億であり、千九百億というのは地方公共団体だけで——と申しますと若干どうかと思いますが、単独で負担すべきものである、こういうことが明らかになったわけであります。従いまして、国が財政措置をするのは五カ年間に七千百億ということが明らかになったわけであります。
そこで先ほどの局長の答弁からいきますと、この前の五カ年計画と同じように、この道路の計画的整備をする段階におきまして、この道路整備緊急措置法案要綱の二にある「五箇年間に行うべき道路の種類ごとの整備の事業量」、この項が相当明確に、最後的決定のときには現われてくるわけであります。そういたしますと、たとえば何県は一級旧道に対してどれだけ、二級国道に対してどれだけ、それから地方道に対して幾らという金額が現われてくるわけであります。これは、われわれ直接この審議の衝に当っておる者は、非常にこの資料をつかみたいわけであって、今後地方が国道の運動をする、あるいは地方道の橋梁その他の運動をする上において、その都道府県に対するワクというものが大体これによって——大体じゃなく、正確につかめるわけであります。
そこでまず質問の第一点は、たとえば長野県なら長野県に、一級国道の事業量並びにその予算が幾ら、二級国道の予算が幾ら、地方道の予算が幾らということが五カ年間にはっきりするわけであります。さらに、たとえば地方道において、長野県が六十億なら六十億、五カ年間に要する量が出てくるわけなんですが、その量の中でさらに橋梁が何%、舗装が何%、あるいは改修が何%、こういう数字が結果的には必ず出てくる、こういうように考えるのでありますが、そういうように了承してよろしいのであるかどうか、この点をお伺いしたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/12
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013・富樫凱一
○富樫政府委員 閣議決定を得ます政府の事業量の中には、そこまで詳しくは出ないのでございますが、これが出るもとがあるわけでございます。その出るもとにつきましては、お話のように、たとえば、長野県につきましては級国道が幾ら、二級国道が幾ら、地方道が幾ら、またその内訳としては橋梁が幾ら、舗装が幾らというものがあるわけであります。それに従って実行していく考えでございますが、個所ごとに閣議決定を得るということはとうてい不可能でございますので、閣議決定を得ますまでは、全体の事業の量というように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/13
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014・中島巖
○中島(巖)委員 閣議決定は全体の事業量であるというけれども、その閣議決定を得る全体の事業量の基礎になるものは、たとえば各県ごとに一級国道は総額で幾ら、二級国道は総額で幾ら、さらに地方道は総額で幾ら、その中の橋梁費は幾ら、改定費は幾ら、こういうものの集積によって、閣議決定に出すものができるのであります。従って、建設省はその案を持っておらねば、閣議決定に出す書類ができないのである。こういうような説明であると私了承したわけでありますが、そういうことになりますと、国全体におきまして、私は主として地方道関係のことをお尋ねいたすのでありますが、地方道関係におきまして、たとえば長野県なら長野県が五十億というワクを決定した。その中で改良が何%で、橋梁が何%、それから舗装が何%、こういうようなことが、大体基本的な方針で樹立されていると考えるのでありますが、その辺について、建設省で案があるとすればそれをお話し願いたいと思います。もし案がないといたしましても、大体の予想はつくと思いますので、局長のお考えをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/14
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015・富樫凱一
○富樫政府委員 この五カ年計画を策定いたします前に、建設省としましては、十カ年計画の用意をいたしたわけであります。この十カ年計画につきましては、各県からそれぞれ資料をとりまして、この十カ年計画を作ったわけでございますが、今度五か年計画ということになりますので、その十カ年計画の中から五カ年計画の分を、県と相談して作らなければならぬわけでございます。現在その作業中でございますが、この前提出していただいた資料の中には、道路の種類ごとに、また橋梁、舗装等の工種ごとに、それぞれの資料が出ているわけでございまして、その中から、五カ年間にどれだけやるかを、これから組み立てるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/15
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016・中島巖
○中島(巖)委員 ちょっとくどいようですが、結局具体的に申し上げれば、地方道に関しましては、たとえば各府県によってあるいは違うかもしれぬが、橋梁関係は地方道の総予算の何%を占めるか、あるいは改良関係は何%を占めるか、あるいは舗装関係は何%占めるか、そういうような方針はまだないわけですか。もし確定しておらなくても、どういう方針でやられるかというような構想があったら、具体的にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/16
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017・富樫凱一
○富樫政府委員 地方道につきましては、これは改築、橋梁、舗装と分れるわけでございますが、これをパーセンテージに分けるというようには考えておらぬのでございます。たとえば橋梁で申しますれば、主要地方道の橋梁は、これは永久橋にしたいと考えておりますから、そういう点から橋梁の関係がきまってくるわけであります。それから舗装につきましては、交通量何台以上のところは舗装するということに考えておりますので、そういう拾い方をするわけでございます。それからまた改築につきましては、交通不能のところ、また交通量の多いところというように順位をきめまして、その順位によって改良をいたしていきたいと考えておりますので、これにつきましても交通量等が問題になってくるわけでありまして、そういう観点からそれぞれの襲用を算出いたしたいと考えております。ただ、お話のように、これは全体のワクがきまっているのですから、地方道にしましても橋梁に幾ら、舗装に幾ら、改良に幾らということは、結果的に出て参ります。またそれを考えに入れませんと、拾っていく場合においても基準が立ちませんので、それはおよそ頭には置いて考えますけれども、どれだけのパーセンテージにしなければならぬかということは、これは各県の事情によっても違いますので、パーセンテージで頭から抑えていくというようには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/17
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018・中島巖
○中島(巖)委員 そこで具体的な法律解釈の問題に入ってお伺いしたいと思うのですが、道路整備費の財源等に関する臨時措置法では、道路法に規定してあるところの国の負担率というものよりも、かえって高率適用になっておるわけであります。ところが今回提案されました道路整備緊急措置法案の中の第五条にあるわけですが、この中で特に注目しなければならぬのは、昭和三十三年度と限定をいたしてあるわけであります。それからその2に「昭和三十四年度以降における前項の国の負担金の割合又は補助金の率については、別に法律で定めるところによる。」こういうふうな項が入っておるわけであります。従いまして法律の条文通り解釈いたしますと、この四分の三もしくは二分の一の高率補助が本年度限り失効してしまって、道路法による一級国道が三分の二、二級国道が二分の一というような率に、この法律の条文のみから解すると、そういうことになる、こういうように考えるわけであります。そこでこれを昭和三十三年度というように仕切らずに、この二項なんかを置かずに、なぜ高率補助のできるような法案にしなかったかという点が一点。
それから現在の地方公共団体の財政状況というものは、三十四年度から一ぺんによくなるものではないのであります。従って道路政策に重点を置きまして大幅な道路整備を行う場合におきましては、高率補助というものは絶対に必要なものであるが、どういうわけでこの二項なんかをつけて、高率補助が昭和三十三年度限りというような条文にしたのであるか、その点のお考えをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/18
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019・富樫凱一
○富樫政府委員 お話のように、第五条の一項においては三十三年度の国の負担率及び補助率については、道路整備費の財源等に関する臨時措置法第四条の規定及び同条に基く政令によりまして高率の負担金及び補助金の率が定められておりますので、道路整備緊急措置法においても、三十三年度についてはこれを踏襲したわけでございます。しかしながら三十四年度以降につきましては、国と地方の財政区分について根本的に検討さるべき時期に当るものと存じますので、道路事業に対する国の負担金あるいは補助金の率も当然全般的な地方財政のあり方の一環として考慮せらるべきものと考えました結果、別に法律で定めるところによる、こういたしたわけでございます。三十四年度から地方の財政状況が急によくなるわけでもなかろうというお話でございますが、それらの点については三十四年度において検討して全般的な問題もきまると思いますが、道路もその一環として考慮したい、こういう考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/19
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020・中島巖
○中島(巖)委員 どうも今の御答弁の内容が私にはよくわからぬのですが、三十四年度以降においては非常に変るものと思う、というような御説明でありましたが、地方財政は来年から急激に好転するというような何らの要素も条件も現在ないわけです。従いまして、高率補助なら高率補助といたしまして、三十三年度に限らぬように、これは法文の上に四分の三の国庫負担もしくは二分の一の国庫負担というものを、はっきりしておくべきだと思うのです。今の局長の御答弁の理論的根拠というものは、どうしても納得がいかないのですが、何か建設省だけでなしに、ほかの官庁との話し合いの上でこうせざるを得ない立場になったのかどうか、その辺の事情をお間ましたいと思うのです。せっかくここに新しい、道路整備新五カ年計画の基本法ともいうべき道路整備緊急措置法案が上程されたのでありますから、従来の高率補助はそのまま三十四年度、三十五年度に踏襲していけるような案文に第五条をすべきだと思うのです。三十三年度で打ち切って、三十四年度以降については別に法律で定めるというこの立法の趣旨が、今の御説明ではどうも納得いかないのですが、結局この高率補助は維持していく考えであるのか、であるとすれば、また次の国会にこの法の修正案を出さねばならぬということになるのですが、もう少し納得のいく理由を御説明願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/20
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021・富樫凱一
○富樫政府委員 お話の点、ごもっともでありますが、ただ三十四年度以降につきましては、国全般にわたりまして、地方財政と国の財政とを再検討するということがあるわけでございます。私どもといたしましては道路整備の計画を進めていきます観点から、今の率を維持したい考えでございますが、ただ全般的にそういうことが検討されることになりますと、道路につきましても同じように検討されなければならぬわけでございまして、そういう観点から、三十四年度以降の分については別に法律で定めるところによる、こういたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/21
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022・中島巖
○中島(巖)委員 こういうような法律の条文にしているということは、実際理解に苦しむわけでありますが、何度お尋ねいたしましても、堂々めぐりをいたしているわけでありますから、この辺で打ち切りますが、しからば建設省といたしましては、来年度においてやはり高率補助をする考えであるかどうか、結論的のことをお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/22
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023・富樫凱一
○富樫政府委員 これは全般的に検討されるわけでございますから、その結果によりまして、またこの点がどうなりますかわからないのでございますが、現状のようなことでありますれば、建設省といたしましては、通路につきまして高率補助を維持したい考えは持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/23
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024・中島巖
○中島(巖)委員 結局局長の答弁を総合いたしますと、建設省としては現在の地方財政の状態であれば高率補助をいたしたい考えであるということでありますが、建設省はその意思であるけれども、あるいは経済企画庁、大蔵省がこの高率補助に対して反対して、第五条が、高率補助は昭和三十三年度ということにして、三十四年以降についてはまた他に法律で定める、おそらくこういうことになったのだろうと、今の局長の答弁を総合して推測するわけであります。
そこで、ここで質問というより、希望しておくことは、これだけの大幅な——われわれはこれではまだ不足と思っておりますが、大幅な道路整備費の額が計上されたのでございますから、かつてこれより少い年の道路整備費に対しても高率補助をしておったのだから、この高率補助を廃止するとすれば、とうてい地方団体でもって負担ができなくて、実際は絵に書いたぼたもちとなる、こういうふうに考えるわけであります。従いまして適当の機会に建設委員会に対して、他省との折渉の関係なんかをはっきりと一つお話を願って、われわれとしても、三十四年度以降においても高率補助を適用できるような運動を展開せねばならぬ、こういうように考えるわけであります。
それから道路法の改正の要点は、提案理由の説明にもありますように、一級国道が国の直轄管理になった、これが中心点でありますけれども、この前の質問によりますと、一級国道は全国に九千キロあるうち、三十三年度において国で直轄管理するのは千五百キロであるということが明確になったのであります。しからばその九千キロのうちの千五百キロの道路で、三十三年度に国の直轄管理に編入すべき道路はどことどこの道路であるかということをお尋ねいたしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/24
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025・富樫凱一
○富樫政府委員 三十三年度におきまして国が直轄で維持管理をいたしますところは、大体千五百キロであるということを御説明申し上げたわけでございますが、この千五百キロがどことどこかは、今まだきまっておらないのであります。ただその千五百キロのうち東京—大阪間、これはこの千五百キロの中に入れたいと考えるのでございます。またその他、すでに改良舗装がほとんど済んでおるというところを直轄で維持管理をいたしたいと思っております。ただその選び方としましては全国的にやる考えはございませんで、適当に場所を選びまして、千五百キロの維持管理をいたしたい考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/25
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026・中島巖
○中島(巖)委員 今の局長の御答弁によりますと、東京—大阪は千五百キロのうち入る、東京—大阪はたしか四百数十キロ、五百キロ足らずだと思いますが、そうするとあとの大部分の千何キロは、まだ全然建設省の予想の中にないのでございますか。あるいはまだ決定せぬにいたしましても、これこれの一級国道を直轄管理したいというような構想がありますか。もしあるとすればそれをお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/26
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027・富樫凱一
○富樫政府委員 構想は持っておりますが、まだここで申し上げる段階にはなっておらぬのでございます。御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/27
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028・中島巖
○中島(巖)委員 そこで道路法の一部改正案の第十二条に「一級国道の新設又は改築は、建設大臣が行う。但し、工事の規模が小であるものその他政令で定める特別の事情により都道府県知事がその工事を施行することが適当であると認められるものについては、その工事に係る路線の部分の存する都道府県を統轄する都道府県知事が行う。」こういうようになっておるのです。そこで問題は、工事の規模が小さいとか、あるいは政令で定める特別の事情とかということですが、工事の規模が小さいとすれば、金額で押えてあるのですか、あるいは特別の事情というのは、どういう事情のためにこういう条文を書かなければならなかったのであるか、これを具体的に御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/28
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029・富樫凱一
○富樫政府委員 都道府県知事がその工事を施行することが適当であると認められる特別の事情でございますが、これは三十二年度において補助工事で着手したものが、これを途中で直轄に切りかえることも適当でないと考えられますので、これの完成までは従来のような補助工事でやった方が都合がいいものがあるわけであります。それから一級国道をバイパスとして作る場合が多いのでありますが、そうなりますと、現在の一級国道が旧道になりまして、一級国道が他の道路に格下げになる場合もあるわけでございます。しかしこの一級国通ができ上るまでは、県道が一級国道でありますれば、こういういわば旧道に対する補強でありますとか、あるいは橋梁の修繕でありますとかいうものが出てくるわけであります。こういうものを、都道府県知事が行なった力が適当と認められる特別の事情と考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/29
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030・中島巖
○中島(巖)委員 昭和三十三年度において一級国道千五百キロ国営直轄するうち、東京—大阪間の四百数十キロははっきりしたが、あとははっきりしないわけであります。それからただいま工事の規模が小であるとか、特別の事情とかいう抽象的な文句はどういうことであるか、具体的な事例についての御答弁をただいまいただいたわけでございますが、御答弁も一、二の例をあげられましたけれども、抽象的なものでありますので、これらの問題については、他日成案ができ上った時分にまた質問させていただきたいと思います。
さらに十二条の二におきまして、「建設大臣は、政令で定めるところにより、指定区間内の一級国道の維持、修繕及び災害復旧以外の管理を当該部分の存する都道府県又は指定市を統轄する都道府県知事又は指定市の長に行わせることができる。」となっておるのですが、その「維持、修繕及び災害復旧以外の管理」の管理というのは、具体的にいえばどういうことになるのか、その点を具体的に御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/30
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031・富樫凱一
○富樫政府委員 第十二条二の二項でございますが、これは「指定区間内の一級国道の維持、修繕及び災害復旧以外の管理を当該部分の存する都道府県又は指定市を統轄する都道府県知事又は指定市の長に行わせることができる。」と規定しておりますが、この「以外の管理」といいますのはいろいろありますが、おもなものは専用でございまして、この指定区間内におきましての専用につきましては、都道府県知事または指定市の長に行わせることが適当と認められるものがあるのでありまして、そういうものをここで規定いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/31
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032・中島巖
○中島(巖)委員 それから、どの項か忘れましたが、今度新しく建設省が直接管理される千五百キロの一級国道に対しては、つまり維持管理費と申しますか、それを三分の一国が負担するということをこの条文に規定されておるわけであります。そうしますと、結局ただいま局長の答弁から推測いたしまして、たとえば建設省が本年度直轄管理する道路は、東京—神戸間、東京—大阪問あるいはその他九州であるとか北海道であるとか、あるいは東京近郊であるとかいうような、結局地方公共団体として財政力の豊かな富裕県が多いと思うわけであります。従ってその財政力の豊かな富裕県の維持修繕費を三分の一国が負担して、そして赤字県と申しますか、再建整備団体のような貧弱県に対しては維持費を全然負担もせぬ、こういうような結果になるわけであります。ますます貧弱県の道路行政というものが立ちおくれるという結果になるわけでありますが、この維持費は国が直接管理の一級国道のみならず、一級国道全般に対して三分の一国で負担するということが当然であると思うのです。この点について、この法律では、直接建設大臣が管理するものだけを指定してあるのですけれども、これは非常に矛盾だと思うのです。その点、どういうお考えでこういうことになったのか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/32
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033・富樫凱一
○富樫政府委員 この指定区間として選びますところは、一級国道のうちでも維持の困難なところに限るわけでございます。従いまして、これを維持するには相当の費用がかかるというところを選ぶわけでございまして、そういう分につきましては国が三分の一持って維持してやろうという趣旨でございます。従来は、この維持につきましては補助等のこともなかったのでございます。これは維持ということになりますと、その成績がなかなかつかみにくということもございまして、補助するに至らなかったわけでありますが、今度直轄でやります区間は特に維持のむずかしところ、また費用のかかるところを選んでやるわけでございますので、三分の一を負担することが適当であろうと考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/33
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034・中島巖
○中島(巖)委員 どうもその辺が、何と言われても富裕県の方に対して維持費を三分の一国が出して、そして貧弱県の方は維持費を国が全然出さぬ、これは法律をこしらえる精神は別問題として、結論的にはこういうことになっておるわけです。これは僕は非常に不公平だと思うのです。これは今の局長の答弁から申しますと、維持費がかかるからというお話でありますけれども、かりにかかるにいたしましても、やはりこれは地方公共団体の財政力とにらみ合わしてこの立法の中に盛り込まねばうそだ、かように考えるわけであります。
それからもう一つお尋ねいたしたいことは、これは大臣がおるといいのですが、大臣が見えませんが、この間からも薩摩委員その他からも問題になりまして、そしてまたこの九日に開通する関門隧道なんかでもこの問題が起きると思うわけであります。と申しますのは、これは大臣とこの前もいろいろ質疑応答があって、その繰り返し的なことでありますけれども、たとえばこの間、具体的な問題といたしまして、北陸の一級国道の敦賀—武生間に有料道路をこしらえるということを言われたわけであります。そこで、一級国道の中で道路公団で行なった部分は、全額道路公団でこの金を償還せねばならぬことになるわけであります。従いましてその立場から、結局二十カ年なら二十カ年に償還せねばならぬということで、そこで交通量とにらみ合せて、料金なんかを決定しなければならぬ。従って交通量の少いところは非常に料金が高いところができたり、いろいろしてくるわけでありますけれども、これは道路公団でやらないでも、現在の財源の関係で、十年なり十五年なりおくれるかは知らぬけれども、当然無料公開の原則で、公共事業でやらねばならぬ性質の道路なんです。それを全額ペイしなければならぬ、つまり償還せねばならぬという立場に立たされるわけであります。従って、観光道路やその他は別でありますけれども、そういうような性質の道路は、道路整備が非常におくれている現在の日本の現状から見まして、有料道路制を採用するのがいいけれども、その有料道路制を採用すると同時に、一般公共事業費もそれへある程度入れまして、そうして二十カ年なら二十カ年に償還ができるようにして、そうして全国一律にトラックなら幾ら、バスなら幾らというように、こういう料金をきめるべきが妥当じゃないか、新しくできるところの観光道路も一級国道も、あるいは現在の観光道路も一級国道も、その中の橋とか部分的に隧道をあけるということも、同じように取り扱っているというところに非常に盲点があるのではないか、こういうふうに思うのですが、これに対する建設当局のお考えはどうなんですか、これをお伺いいたしたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/34
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035・堀内一雄
○堀内政府委員 大臣からお答えしたことをよく承知しておりませんので、あるいは違うようなことがあるかもしれませんが、その場合にはまた訂正させていただきます。
ただいまのお話のような場合におきましては、従来は補助金といったような形式で出ておったのでございますが、今度の予算におきましては、それを政府の出資といったような形式において緩和するようにいたしておるわけでございます。さよう御承知を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/35
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036・中島巖
○中島(巖)委員 結局これは、政府の出資なら償還をせねばならぬわけであります。だから、全額償還するという建前でなくして、これは当然政府が無料公開の原則で、一般公共事業費で建設すべき性質のものであるけれども、結局道路整備の絶対量の財源が少くてやむを得ぬから、現在有料道路制というものを採用しているのだから、従って、全額を償還すべきでなく、道路の事情によって、一部分は公共事業費を投入して、一部はそういうふうな政府の財政投融資であるとか、民間資金であるとか、外資であるとかいうようなものを投入して、二十カ年なら二十カ年に償還ができるのだというようにして、その償還する率は全国一律に、トラックなら幾ら、バスなら幾らという、こういう制度に改めるべきじゃないか、こういうのが私の質問の要旨であります。これはおそらく、九日から開通するところの関門隧道などの問題にも、この問題が出てくると思うのであります。この問題は、先ごろ建設大臣と盛んに質疑応答いたしましても、私と建設大臣の意見がどうしても一致せぬ。従って、その後においても私は研究してみましたけれども、建設大臣の答弁の方が間違っておって、私の意見の方が理論的だ、こういうようにはっきり考えておって、何とか建設当局と申しますか、政府の意見をその方に持っていかねばならぬ、こういうように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/36
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037・堀内一雄
○堀内政府委員 ただいまの御意見につきましては、とくと研究いたすことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/37
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038・西村直己
○西村委員長 関連質問を許します。久野忠治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/38
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039・久野忠治
○久野委員 ただいまの中島君の質問は、まことに重大だと思うのです。現在有料道路は個々に償還計画が立てられまして、料金を徴収をいたしておると思うのですが、現在どうですか、完成をいたしまして供用開始をしておる個所で、完全に予定通りペイできておる個所と、そうでない個所との比率はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/39
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040・富樫凱一
○富樫政府委員 今有料道路でやっておりますところは二十二カ所ございます。そのうち完全にペイいたしておりますのは三カ所であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/40
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041・久野忠治
○久野委員 さよういたしますと、他の十九カ所というのは、予定期間内にはペイできないという結果になるわけですが、そうですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/41
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042・富樫凱一
○富樫政府委員 料金の徴収状況を申し上げますと、三十一年度に比べまして三十二年度は約二〇%増しております。こういう傾向から見ますと、だんだんに料金収入が上ってくることが予想されるわけでございます。現状のままにいきますと、償還ができぬというような線も出てくるわけでありますが、料金の上り方から見ますと、もうしばらくたてば、これはまた様子が変るということに考えておるわけでございまして、全部が償還ができないというような予想はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/42
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043・久野忠治
○久野委員 ところが、今現実に問題になっております関門トンネルの料金徴収の問題などでも、すでに値下げ運動が猛烈に始まっておるようでございます。さようにいたしますと、将来おそらく料金を徴収するに困難な個所がたくさん私は出てくるんじゃないかと思うのです。さような意味合いから、全体をプールして計算するというようなお考えはありませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/43
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044・富樫凱一
○富樫政府委員 現在実施いたしておりますものは、従来の方式で片づけたいと思うわけでございますが、将来実施いたします分につきましては、お話のような点もございますので、検討を進めておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/44
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045・久野忠治
○久野委員 ちようど大蔵当局もおいでになりましたので、今の問題に関連してもう一つだけお尋ねしておきたいのですが、一般公共事業費から三十二年度は約三十億交付金が入れられておったのですが、本年度はこれが五億に削減をされておるわけであります。一方でペイできない個所がたくさんあるのに、どうしてその交付金を減らしたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/45
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046・佐藤一郎
○佐藤(一)政府委員 これについては、実はいろいろな考え方があります。有料道路という建前から申しますと、本来一般財源というものをむやみに入れる必要はなかろうという考えがまず前提になっております。しかし今後どういうふうにやりますか、実はただいまお話がございましたような有料道路の問題にいたしましても、今後ただいまのような状態を検討いたしまして、どういうふうに財源措置の健全化をはかっていくか、これは今後に残された検討の問題であると思うのであります。建前といたしましては、できるだけ一般財源は入れないで、いわゆる独立採算でいく、もともと有料道路の性格というものが、そういうものでありますし、それから先ほども御議論がございましたが、公共的な一般道路、それからいわゆる受益者負担であるべき有料道路というものの性格が、またあいまい混淆いたしましても、これは具体的に路線の選定等で困難を来たすわけであります。そういう性格と建前をはっきりさせたい、こう思っております。もっとも一方において、それだけで完全にやり切れるかという問題がございますが、そういう問題は今後、たとえば道路公団に出資というものを政府が出さなければならぬというような考えは持っております。それによりまして、できるだけ低利な金、もしくは利子のつかない金を将来は入れていきたいというようなことが、将来検討される問題である、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/46
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047・久野忠治
○久野委員 並行道路のある個所はいいと思うのです。あとで三鍋先生からもこの点で御質疑があるようでありますから、私は深くはお尋ねをいたしませんが、関門トンネルのように並行路線のない個所、こういうところなどは大へん問題が将来残ると思うのです。そういう点などはどうお考えになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/47
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048・富樫凱一
○富樫政府委員 関門トンネルなどのような、並行するもののない、迂回路のないようなところ、これは受益計算といたしますと、迂回路をとるわけには参らぬわけであります。ただトンネルができたために、どれだけ交通に便益が生ずるかということが基準になるわけでありますが、また関門トンネルには一方フェリーがありまして、自動車を逆んでおるというような状況もございますので、これらを勘案いたしまして、料金をきめるわけ、でありますが、特に関門国道は建設費その他の管理表を、二十六年の償還期限で償還するということを前提にいたしまして、料金を算出いたしておるわけでございますが、建設費が非常に高額なものでありますので、従って料金も高くなって参ったわけでございます。この場合には並行路線というものがありませんので、受益計算等にいたしましても、具体的にはフリェー等と比較する以外に方法はなかったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/48
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049・久野忠治
○久野委員 さよういたしますと、高くてもがまんしてそこを通らなければならぬという結果になりましょう。しかもフェリーを経営しておるのは民間会社です。それを利用する人が少くなれば、おそらく経営が成り立たなくなるから、フェリーは廃止されることになりましょう。そういたしますと、今の関川隧道といいますか、トンネルだけが唯一の交通路線ということになります。そうすると高いことを承知で、非常な迷惑をこうむってでも、一般国民はやむを得ずそこを通らなければならぬという事態が起きてくると私は思う。これは非常に重大だと思うのです。あとで三鍋先生から御質問があろうかと思いますので、私はこの程度で終りますけれども、どうかその点に対して、はっきり一つ御答弁をいただきたいと思うのでございます。
それから私はもう一点だけお尋ねをいたしたいのですが、先ほど中島委員からも指摘されました中に、単独事業費の千九百億、この財源の問題が大へんあいまい模糊といたしておるわけですが、この財源措置はどういうようにしてなさろうとするのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/49
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050・富樫凱一
○富樫政府委員 従来、県が単独で実施いたしております道路事業、これは市町村を含めまして大体三百億見当あるわけでございます。これは県の単独の財源でまかなわれておるわけでございますが、将来この五カ年間におきましては、大よそ千九百億くらいを見積ってしかるべきではなかろうかということで、千九百億を見積ったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/50
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051・久野忠治
○久野委員 その財源の内容を私はお尋ねしておるのですが、それは純然たる県費でまかなわれておるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/51
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052・富樫凱一
○富樫政府委員 これは純然たる県費と、若干起債が入っておると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/52
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053・久野忠治
○久野委員 起債は一般起債ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/53
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054・富樫凱一
○富樫政府委員 一般起債でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/54
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055・久野忠治
○久野委員 さよういたしますと、富裕県と貧弱県とで相当差異が起きてこようと思うのですが、その点いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/55
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056・富樫凱一
○富樫政府委員 単独事業につきましては、やはり富裕県の方が道路事業もたくさんやっておるわけでありまして、そういう点から見ますと、差が出てくるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/56
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057・久野忠治
○久野委員 私はそうはいかないと思うのです。貧弱県であろうとも、道路を利用する率の多い個所もたくさんあろうかと思うのです。たとえて申し上げますならば、大阪と東京との間では、なるほど一級国道を利用する場合が大部分でございましょうが、そうでない場合も私はあろうかと思うのであります。そういう際に、ただ漫然と地方費だけでまかなわれておるとか、あるいは今の起債によってのみこれがまかなわれるというような無計画な方針でおやりになるということが、この道路整備五カ年計画というものがペーパー・プランであるという非難を受ける原因になろうかと私は思うのでありまして、これはやはりあくまでも計画的に、その財源措置というものをお考えになる必要があろうかと思いますが、その点いかでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/57
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058・富樫凱一
○富樫政府委員 これは五カ年間の総体の道路投資をおよそ九千億としまして、そのうちの千九百億は地方公共団体が単独でやるということに推定をいたしておるわけでありますが、そのうち有料道路の千五百億を引きまして五千六百億、これを五カ年計画に盛って確実に実行していこうということでございます。この五千六面億の中には、一級国道、二級国道、地方道を含めておりまして、この五千六百億を確実に実行しようというのが、この五カ年計画の立て方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/58
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059・西村直己
○西村委員長 三鍋義三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/59
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060・三鍋義三
○三鍋委員 ただいま中島委員そして久野委員から、道路三法に対するところの質疑、それに開通いたしまして有料道路の問題、具体的には関門国道の料金の問題に触れられたのでありますが、御承知の通り三月の九日に、この世紀の大事業の関門トンネルが竣工するのであります。これは国をあてげの慶事でありまして、私もぜひ参加いたしまして、国民とともにその喜びを分ちたいと、こう考えているのでありますが、ここで心から国民とともに喜ぶというこの気持を、ほんとうに味わうためには、また味わっていただくためには、やはりそこにみなが心から喜びを分つという条件が整っておらぬと、これはほんとうに万歳と言えないのではないか、こう思うのであります。こううい意味におきまして、切実なる地元関係者の、道路の通行料金があまりに高過ぎるという陳情、これは過日の委員会においても取り上げてきた問題でありますが、昨日御要望申し上げておりましたこの資料によって、私はなお若干の質疑をさせていただきたい、こう思うのであります。
時間関係もありますから、できるだけ要点で、端的にいきたいと思いますから、局長さんもそのおつもりで御答弁を願えたら、こう思うのであります。道路を算定する基準としての資料を私はいただいたわけでありますが、これによりますと、一つの参考資料といたしまして、フェリ・ーボートを利用する場合の料金が一つの基準になっているようでございますが、一体どういう根拠のもとにこういうものを対象とされたかというところに、私はまず疑問を持つのであります。これは営利会社の営利事業でありまして、そして将来は関門国道が開通するから、そういうことになると、もう採算が合わなくなって廃業しなければならないだろうという予測のもとに、相当高い料金を取って、そして営業を継続しておる会社であります。その高いフェリー・ボートの料金を基準にして算定されていくというところにまず大きな誤算があるのではないか、私はこう思うのであります。現にこの会社は二割五分の配当をしておるのであります。そういうものと、国がうんと財政を注ぎ込んで作り上げた関門国道と一緒に考えていき、そういった料金を一つの根拠資料とされたところに、私は納得のいかないものがあるのですが、これに対する局長の明確なる御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/60
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061・富樫凱一
○富樫政府委員 関門間の輸送につきましては、現在自動車についてはフェリー・ボートしかないわけでございますが、しかし関町の料金をきめますのに、フェリー・ボートと比較したということではなくて、この関門国道ができたために、どれだけ輸送のしに節減があるかということを勘定いたしますときに、このフェリー・ボートの料金をとってあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/61
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062・三鍋義三
○三鍋委員 これが完成いたしましたときに、どれだけの種類の輸送機関が、どれだけ一日に通るかということが、これが算定の大きな要素になると思うのであります。ところがこれは非常にまちまちです。国道工事事務所は約百二十万台通るだろうという算定をいたしている。これは建設省のお考えが基礎になっていると思うのであります。ところがトラック、バス業者の、やはり相当の根拠ある、権威ある各社の算定によると、百五十万台通るといっております。ところが一番当事者であるところの、経営の責任ある立場にある公団では六十八万七千台、こういう工合に算定しておるのであります。どうしてこういった大きな数字の差が出てくるのか。それぞれ責任ある立場において、いろいろの資料によって出てきた数字であると思うのでありますが、業者関係の方は、そう言っては人を疑うことになって大へん恐縮でありますが、やはり少しでも安くしてもらいたいという気持が働きますから、少し甘く見るということも予想されるのでありますが、少くとも国道工事事務所の百二十万台と公団の六十八万台との差が、あまりに大き過ぎはしませんか。ここに何か疑問がないでしょうか。この点に対して、これは大きな算定の基礎になるから、局長さんの御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/62
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063・富樫凱一
○富樫政府委員 この関門が開通いたしました場合にどれだけの交通量を予想できるか、これがまず一番の問題でございます。公団におきましても、それぞれ学識経験者を委嘱いたしまして、この点を検討いたしたわけでございますが、お話のようにいろいろの勘定が出て参ります。公団の分が一番少いわけでございますが、それは対象とする車両などにつきましても、ちょっと違いがあるようでございますし、また将来の交通量の伸び等の見方において多少差があるようでございます。これは事将来に属しますので、やつてみないことにはどうにもわからぬということになるわけでございますが、私どもといたしましては、公団の算定がごくかたい見方であるというように見ておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/63
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064・三鍋義三
○三鍋委員 公団は責任ある業務をやっていかなければならないのだから、できるだけ損せないように、万一あとから訂正することのないようにといって、堅実な立て方をするでありましょう。これは公団としては当然でございましょうけれども、要はこれを利用する人の立場に立って私たちは考えていかなければならぬ、こういう立場でお尋ねしておるのであります。
そこで、料金はこの前も御説明を聞きまして、今度の資料におきましても大体の料金の数字をここでいただいておるわけでございますが、これはどうですか、何かちょっと耳に入っているが、割引するとか何とかいったものが含まれての料金なのですか。これがもとになって新しい料金の暫定処置がなされようとしているのか、それをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/64
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065・富樫凱一
○富樫政府委員 ここにあげました料金は、公団の算定いたしました建設省の認可いたしました料金でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/65
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066・三鍋義三
○三鍋委員 そこで、これが高いということになって、竣工式のめでたい日を前にして、切実なる陳情が来ておるわけでございますが、一たん許可したところのこの料金は絶対に変更できないのか、再申請によってこれが変更できるのかできないのか、この点をお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/66
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067・富樫凱一
○富樫政府委員 これは絶対に変更できないというものではないと考えます。ただ、まだこれは通っておらないのでございまして、通さない前から変えるということはどうかと考えられるわけでございます。しかしこの料金の問題につきましては、御意見がございますので検討いたしまして、割引できるものは割引いたしたいというように、検討いたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/67
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068・三鍋義三
○三鍋委員 これは、あの料金が妥当であり、そしてこれだったら通って時間的にも経済的にも利益であるという料金であるならば、利用する人が殺到するのではないかと私は思うのであります。高いというと、仕方ないといったところで、これを利用する人は減っていく、これはいろいろな商売の上からいっても当然に考えられることであります。そこで、まだどれだけ通るかわからないから、かたいところでいくというその気持は十分わかるのでございますが、これはこの前も御質問申し上げたから、重複を避けて端的にお尋ねしておるのでありますが、バスの料金あるいは自転車、リヤカーといった、ほんとうに大衆の利用する料金だけでも何とか配慮すべきでないか、こう考えるのであります。こういった線まで何とか暫定的にやってみたいという腹案でもありましたら、ここで承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/68
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069・富樫凱一
○富樫政府委員 ただいまお話の乗合定期バス、それからリヤカーとか自転車についての話がございましたが、乗合バスにつきましては、お話の点もございますので、暫定的に回数券等を利用することによりまして、実質的には安い料金にいたしたいと検討しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/69
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070・三鍋義三
○三鍋委員 それを数字的に何割引にしたいとかいうことを、はっきり言っていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/70
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071・富樫凱一
○富樫政府委員 この乗合定期バスにつきましては、暫定的に千円ということを考えているわけでございますが、これにつきましては回数券を発行できますので、回数券を買うことによりまして、さらに一割下ることになるわけでございます。そういう案でただいま県の方と折衝を始めたところでございます。それから自転車につきましては、暫定的な料金は下げませんで、三十円ということにいたしておりますが、ただ、これにつきましては回数券が利用できますので、一割は下ることになるわけでございます。リヤカーにつきましても同様でございまして、料金は下げませんが、回数券がありますので実際上、下ったことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/71
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072・三鍋義三
○三鍋委員 これはバナナのたたき売りみたいになって、大へん品が悪いのでありますが、これを自転車、リヤカーといったものについて、三十円を五割引くらいの値段にしてやりませんと、九日の開通式に万歳をやっても、国会の解散の万歳みたいで、すっきりいたしませんよ。これは道路局長さんの一存でもいかぬでしょうけれども、一つ御検討願いたいと思います。そうして暫定的にやってみていただいて、これはとてもいかぬという場合、また思ったよりも通行利用者が多くて、これだったら償還が何とかいけそうだ、こういった一つの研究期間を設けられまして、どうですか、五割引くらいは、花火を上げてやるのですから、必要だと私思うのですが、これに対する御所見をもう一ぺんお聞きしたい。
それからもう一つは人なんです。人がどうしても通らなければならぬようなものをこしらえておいて、そうしてお前通るならお金を出せということは、僕はインチキだと思う。これは人情も何もないやり方だと思うのです。もちろんいろいろと経常費は要りましょう。換気の費用とか、あるいはエレベーターの上り下りの費用等は要りましょうけれども、こんな、日常どうしても通らなければならないといった人からまでお金をとるということは、何としても納得いかないのでございます。これは莫大な費用がかかったから、かけなければならぬというのであればやむを得ぬと思いますが、これはペイいたしまして無料公開になるわけでございますが、そのときにおきまして、人の通行料金はやはりペイになると私は思うのでありますが、エレベター、換気といった費用から経常費が要るので、やはり継続して、人の場合だけはなおとられるのか、そこをはっきりしてもらいたい。せめて料金を取るといたしましても、全部償還してしまって無料公開にした場合においては、人の通行料金はやはり無料にすべではないか、こういう考えを持っておるのでございますが、御所見はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/72
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073・富樫凱一
○富樫政府委員 このリヤカー、自転車それから人は、これは関門国道は二階になっておりますが、その下の分を使うわけでございます。この下に入りますのにはエレベーターを使て入るわけでありますが、この高さが六十メートルございます。備えつけてありますエレベーターは四十人乗りが二台、それから二十人乗りが二台でございます。これが門司、下関両縦坑についておるわけでございます。これで人道に当ります分は軽車両、リヤカーと自転車と人ということになっておるわけでございますが、この分を利用する料金としまして、リヤカーが三十円、自転車が三十円、おとなが十円、子供が五円、こうなっておるわけでございます。お話の点もよくわかるのでございますけれども、しかし有料道路として採算性の上に立っておりますから、公団のいたしました勘定につきましても、これも理由があることと考えるのでございます。しかしお話の点もございますので上司によくお伝えいたしまして御指示を得たいと考えます。
それからもう一つは関門国道が料金をとって、そうして建設費を償還したらただになるかというお話でございますが、これは道路整備特別措置法の第五条によりまして、道路の維持に非常に金がかかるというような場合には、この料金を取る間を延ばすことができるわけでございます。関門トンネルにおきましては、自動車の排気のために年中換気をいたさなければならぬというようなことがあり、また排水は常時やらなければいかぬし、また照明も年中しなければならぬという関係がございますので、料金の点はこれは安くなると思いますけれども、料金を取るということは相当続くのではないかと考えております。でありますので自転車、人につきましても同様の措置がとられることになろうと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/73
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074・三鍋義三
○三鍋委員 そこへいくと、また根本問題に触れてきまして、私たちは何としても納得ができないのであります。こういった、ほかに並行線がなくして、どうしてもこれよりほかに通る道がないといったものを作っていく場合においては、これはやはり国の事業として、全部国費でまかなって作るということが私は建前でなければならぬと思うのであります。それをいろいろの税金を取っておいて、また道路を通るときに通行料を出せといったやり方は、何としても政治といたしましてはいいやり方ではないということが、やはり結論的に言えるのではないかと思います。
この問題は、なお道路関係の審議が来週からも継続されますから、いろいろ関連いたしまして他の委員からも質疑があると思いますので、私のこの関門国道を中心にするところの料金問題に関する質問はこれで終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/74
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075・久野忠治
○久野委員 関連して。ただいまバスの料金は千円に下げるとおっしゃいましたが、そうですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/75
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076・富樫凱一
○富樫政府委員 今の構想を申し上げたわけでございますが、構想は定期バスを千円に暫定的に下げるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/76
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077・久野忠治
○久野委員 そういたしますと、バスの料金というものはまだきまってないでしょうが、きめるといたしますと、どういう数字的根拠をもっておきめになりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/77
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078・富樫凱一
○富樫政府委員 バスの料金につきましては、ただいま自動車局で検討いたしておりますが、暫定的の料金でただいまはじいておるわけであります。関門を通行する料金を別にいたしまして、高くなればこれだけ料金を増すということを考えておるわけでございますが、暫定的には今の申し上げました料金を基礎にしてバス料金をはじいておると聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/78
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079・久野忠治
○久野委員 その算定の基礎を私はお尋ねしておるのです。たとえて申し上げますと、五十人乗りのバスで、五十人で計算いたしますと、千円ですと一人二十円になる。ところが一方、人が歩く場合には十円ということになるわけなんですね。ですから、そういうことなどが算定の基礎になると思うのですが、どういうことを基準にしておきめになっているのか。もうすでにきまっておるとするならば、どれくらいにきまっておりましょうか。
時間がないからもう一つお尋ねしますが、リヤカーが三十円、それから自転車が三十円、こうありますね。そういたしますと、トンネルの入口でリヤカーに自転車を積んで、そうして自分がこれを引っぱっているとしますね。そうすると人間の通行料金とリヤカーの通行料金だけですから四十円になるわけですね。だから自転車に乗って引っぱっていく場合と、その自転車をリヤカーに積んで自分自身で引っぱっていく場合と、料金が変ってくると思うのですが、そういうことなど、どういうふうにお考えになっておりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/79
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080・富樫凱一
○富樫政府委員 バスの方は五十人乗りを算定の基礎にいたしております。ただ、これはいつでも一ぱいではないのでございまして、平均の率を加えましてこの料金を算定いたしております。ただバスの料金の算定の内容につきましては、今自動車局がやっておりますので詳しく承知いたしておりません。
それからリヤカーに自転車を載せた場合の料金でございますが、リヤカーに自転車が載りますと、これはお話のように三十円でいいかとも思いますが、よく検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/80
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081・久野忠治
○久野委員 それは検討いたしますくらいでは済まされないと思うのですよ。もう九日から開通するのであるから、そういう場合もあり得ると思うのですが、どうでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/81
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082・富樫凱一
○富樫政府委員 これはリヤカーに積まれた自転車は荷物だそうでございます。従ってこれは三十円でいいわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/82
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083・久野忠治
○久野委員 その場合には、人間一人分の料金は取らないことになるのですか。リヤカーの三十円だけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/83
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084・富樫凱一
○富樫政府委員 そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/84
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085・小川豊明
○小川(豊)委員 関連して。道路の整備については五カ年計画が立てられておる。この五カ年計画がどれだけ達成したか、これは問題がございましょうが、さらにこれを重点的にするために新五カ年計画というものを立てられたわけです。この新五カ年計画の予算財源は九千億、この財源は有料道路の使用料と地方公共団体の負担あるいはガソリン税、こういうものが財源になっている。ところがこういう財源には変動が多い。そこでこの立てた新五カ年計画というものは完全に実施できるのか、またこれを七カ年に延ばすとか八カ年に延ばすとかいう、計画を変更するというようなことが出てくるんじゃないかという心配がある。その心配というのは、結局財源にあるわけです。この道路の整備計画の新五カ年計画について、われわれもっとお尋ねしたい点があるわけですが、きょうは、これは実は大蔵省の方に聞きたいと思ったのですが、九千億という財源というものは、あなたの方では確実に確保をされて、この五カ年計画というものは変更なしに実施できるという確信があるのかないか。この財源について、一つ見通しというものをお尋ねしておきたいと思う。そしてあとはまたあとで、これについてお尋ねするとして、きょうはこの点だけをお尋ねしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/85
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086・富樫凱一
○富樫政府委員 この五ヵ年計画の総休の投資は九千億でございますが、この中から地方単独で行いますもの千九百億を引きまして七千一百億、これが有料道路と一般道路に分れるわけでございます。有料道路の方が千五百億で、一般の道路が五千六百億です。この五千六百億の手当について申し上げますと、この五千六百億は事業費でございますが、このうちに揮発油税がこの五カ年問で三千六百億程度見込まれるわけでございます。この五千六百億のうちの国費がまだはっきり算定されておらぬわけでございますが、この国費に充てられます分が三千六百億、足らない分を一般財源と借入金でやるわけでございますが、われわれといたしましては、できるだけ一般財源をつぎ込んでもらって、足らぬ分を貸付金で充ててもらいたい、こう考えておるわけでございます。この財源確保につきましては、これはこの五カ年計画ができるかどうかの一番重要なポイントになることはお話の通りでごいます。この点につきまして、この五カ年計画につきましても大蔵当局と十分折衝いたしまして、当初この九千億というワクは、われわれの方の要求では九千五百億であったわけでございますが、これを九千億にしましても、当初予定しておった五カ年計画は努力して実施できるということで九千億にしたわけでございますが、この九千億の財源につきましては、大蔵当局と十分に折衝を重ねてできたものでございます。従いましてこれの実施につきましては、私どもといたしましては確信を持っておる次第でございます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/86
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087・西村直己
○西村委員長 次に昨二月二十七日付託になりました内閣提出、公営住宅法第六条第三項の規定に基き、承認を求めるの件を議題といたします。まず本件の趣旨につきまして説明を聴取いたします。堀内建設政務次官。
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公営住宅法第六条第三項の規定に基き、承認を求めるの件
公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第六条第三項の規定に基き、別紙公営住宅建設三箇年計画について、承認を求める。
公営住宅建設三箇年計画
昭和三十三年度から昭和三十五年度までの公営住宅建設三箇年計画を次の通り定める。
一、公営住宅一五七、〇〇〇戸を建設する。
二、一の内訓は、おおむね次の通りとする。
第一種公営住宅 六七、〇〇〇戸
第二種公営住宅 九〇、〇〇〇戸
三、公営住宅の建設にあわせて共同施設を必要に応じて建設する。
…………………………………
理 由
公営住宅法第二項の規定により決定した公営住宅建設三箇年計画については、同条第三項の規定に基き、その大綱を国会に提出し承認を求める必要があるからである。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/87
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088・堀内一雄
○堀内政府委員 ただいま議題になりました公営住宅建設三カ年計画につきまして、提案理由及びその内容について御説明申し上げます。
公営住宅の建設につきましては、公営住宅法に基き、政府は、昭和二十七年度以降の毎三カ年を各一期といたしまして公営住宅建設三カ年計画を作成し、その計画の大綱につき国会の承認を求めることとなっておりますので、今回、昭和三十三年度を初年度とする公営住宅建設三カ年計画について国会の承認を得るため、本計画を提案いたしました次第であります。
本公営住宅建設三箇年計画は、現下の住宅事情を昭和三十二年度より五カ年間でおおむね安定させるという基本方針のもとに、住宅対策審議会の意見を聞き、公営住宅建設の実施状況等を考慮して作成し、閣議の決定を経たものであります。本計画の内容は、住宅に困窮している世帯の実情を考慮し、昭和三十三年度より昭和三十五年度までの三カ年間に、第一種公営住宅六万七千戸、第三種公営住宅九万戸、合計十五万七千戸を建設しようとするものであります。また、住宅の建設にあわせて必要に応じ共同施設を建設することといたしております。
以上、公営住宅建設三カ年計画の提案理由及びその内容を申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御承認下さるようお願いいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/88
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089・西村直己
○西村委員長 三鍋義三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/89
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090・三鍋義三
○三鍋委員 私、大臣の御出席をお待ちしておったのでございますが、予算委員会の都合でおいでにならないのでございまして、やむを得ず——やむを得ずと言っては言葉が適切でないかもしれませんけれども、一つ政務次官にお尋ねしたいのです。それは今度、石破事務次官が何か建設行政の視察のために、郷里の鳥取にお帰りになるということが地方の新聞に出ておりますので、これはどういう目的で何をしに行かれるのか。新聞では、まあ道路あるいは災害関係、いろいろな建設行政の視察らしいのでありますが、国会の非常な重大段階におきまして、まあ政府委員ではないかもしれませんけれども、予算が三日の日に通るか通らないかといったこういう国会中心に、国民の目がすべて国会に注がれているときに、緊急事態であるならともかく、何がゆえにこういう時期に郷里に帰ってそういう視察をせられなければならないのか。何か緊急なる事態があって行かれるのですか、これは次官も御存じなら御答弁願いたい。これはまあ新聞の記事でありまして、まだ真偽のほどは私はわかりませんけれども、次官も御存じだと思いますから…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/90
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091・堀内一雄
○堀内政府委員 私の承知をいたしておりまする範囲で申しますれば、ひとり鳥取県ばかりでなく兵庫県等におきましても、今度の予算の上についても重要な関係のあります道路そのほかの視察を命じたはずでございます。なお——以上のことであります。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/91
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092・三鍋義三
○三鍋委員 次官もなかなか答弁が苦しいのがわかるので、ちょっと人が悪いようでありますけれども、予算とか何とか言われましても、もう予算は出てしまっているんですから問題ないんですよ、ただ私なぜこういうことをお尋ねするかというと、今向うでは知事選挙が戦われるそうなんですよ。県民は非常に関心を持っているでしょう。そのときに政府の重要なポストにある方が、そうして立候補をうわさされている方が郷里に帰って熱心に建設行政を研究、心配されるということになりますというと、ひがんで考える方は、間違っておるかもしれぬけれども、時期が時期であるだけに、何か事前運動でもしに来たんではないか——新聞にも書いてあるが、そう心配されるのです。これはやはり公明選挙とか、あるいは事前運動に対するところのいろいろな規定とかに政府みずから疑惑を持たれるようなことになってはいけないのではないか。こういう考えから、なろうことなら、少くとも国会開会中は——緊急必要やむを得ないときはそれは仕方ありませんよ。こういう疑いを持たれるような行動は政府当局として慎しまれるべきではないか、私はこういう観点で御質問申し上げましたので、どうか大臣を通じて石破さんの御意向を確かめ、そうして妥当なる行動をされますようにお願いいたしまして私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/92
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093・西村直己
○西村委員長 次会は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日はこれにて敬会いたします。
午後零時二十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102804149X00919580228/93
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