1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年四月二十七日(金曜日)
午前十時五十三分開会
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委員の異動
四月二十四日委員白井勇君辞任につ
き、その補欠として森田豊壽君を議長
において指名した。
四月二十五日委員小西英雄君及び井村
徳二君辞任につき、その補欠として植
竹春彦君及び剱木亨弘君を議長におい
て指名した。
本日委員剱木亨弘君、大矢半次郎君、
山本米治君、植竹春彦君及び小林政夫
君辞任につき、その補欠として井村徳
二君、最上英子君、深川タマヱ君、遠
藤柳作君及び中山福藏君を議長におい
て指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 岡崎 真一君
理事 藤野 繁雄君
委員 前田 久吉君
岡 三郎君
井村 徳二君
遠藤 柳作君
大野木秀次郎君
木内 四郎君
菊田 七平君
西川甚五郎君
深川タマヱ君
最上 英子君
野溝 勝君
土田國太郎君
中山 福藏君
政府委員
北海道開発政務
次官 白波瀬米吉君
北海道開発庁次
長 田上 辰雄君
北海道開発庁企
画室主幹 柏原益太郎君
自治庁財政部長 後藤 博君
大蔵省主計局次
長 宮川新一郎君
大蔵省主計局法
規課長事務代理 中尾 博之君
大蔵省銀行局長 東條 猛猪君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
説明員
北海道開発庁企
画室副主幹 桑原 幸信君
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本日の会議に付した案件
○北海道開発公庫法案(内閣提出、衆
議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/0
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001・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) これより委員会を開会いたします。議事に入るに先立って委員の異動について御報告いたします。
四月二十四日付をもって白井勇委員が辞任、その補欠として森田豊壽君が委員に選任され、二十五日付をもって小西英雄、井村徳二両委員が辞任、植竹春彦君及び剱木亨弘君が委員に選任されました。また本日付をもって剱木亨弘君、大矢与次郎君、山本米治君、植竹春彦君、小林政夫君の各委員が辞任、井村徳二君、最上英子君、深川タマヱ君、遠藤柳作君及び中山福藏君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/1
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002・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 北海道開発公庫法案を議題といたします。
本案について白波瀬北海道開発政務次官より発言を求められておりますので、この際これを許可いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/2
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003・白波瀬米吉
○政府委員(白波瀬米吉君) 先日土田委員の御質問の中で、公庫の運営につきまして、学識経験者等をもって構成する諮問機関というようなものを設ける考えはないかというお尋ねがございました際に、権限の所在が明らかにならないというような考え方もありまして、今日ではそういうものは設けないという考えを持っておるような意味のことを申し上げたのでありますが、実は私は、衆議院でいろいろ御意見のありました議決機関としての管理委員会というような機関についてのお尋ねかと勘違いいたしまして、あのようなお答えをいたしました次第でございます。これがために誤解を招きましたことはまことに遺憾に存じますが、土田さんのおっしゃるような諮問機関の設置につきましては、十分検討いたしまして善処いたしたいという考えを持っていますから、この際、御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/3
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004・土田國太郎
○土田國太郎君 ただいまの政務次官の御説明で了承いたしました。
この前の委員会のときに私あるいは聞き落したのかも存じませんが、この公庫の投資の問題につきまして一つお聞きして参考にしたいと考えるのでありまするが、この株式投資をやるという場合の監督権はどういうふうにして発動するか、あるいはまたこれらの運営に対して責任ある指導監督をせなければならないと思うのでありますが、前回の委員会におきまして、その点が明らかでなかったように、私これは聞き落ちかも存じませんが、はっきり私まだ了承ができなかったのでありますので、この責任ある指導監督というのは具体的にいかなる方法をもっておやりになるかということを参考にお聞きしておきたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/4
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005・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) 公庫の運営につきましては、公庫自体の政府の監督がございますが、これにつきましては、関係各条文にいろいろあります通りに、相当徹底した監督をいたし得るのでございます。これは今の御質問に関連をいたしておりますので、一応申し上げておきたいと思いますが、その監督の方法といたしましては、この条文をごらんいただきましても、第十条にありますように、理事長及び監事は、これは主務大臣が任命する。また理事長が理事を任命する場合におきまして、国務大臣の認可を受けるというふうな人事の監督がございますし、さらに事業内容につきましては、公庫ができます際に業務方法書を公庫が作成いたしますについて、その認可を主務大臣がいたすことになっております。これは第二十条にございますが、これによりまして、運営の仕方、条件等、相当具体的に指示をいたしますので、この線に沿うて監督をいたして参るのでございます。なお二十三条に、「四半期ごとの事業計画及び資金計画」というのがございますが、これも同様主務大臣の認可を受けなければならぬのでありまして、これが実質的な内容につきまして公演を十分監督していけると思います。なお、このほかに公庫の総括的な監督につきまして主務大臣が必要な命令を発するのでございまして、これは三十三条にございます。
このようにして、公庫自体に対しましては政府が相当強い監督をいたして参るのでございますが、ただいま土田委員のお尋ねは、むしろ公庫が十九条によりまして、これらの事業主体に対しまして出資または融資をいたします場合の、その融資等の相手方の会社に対する監督のことであると思います。これにつきましては、これは株を持ちます場合には当然その会社に対しましして株主としての発言権はむろんございます。で、その発言権に基きまして必要な措置をなし得るのでございますが、そのほか一般の金融機関と同じように、融資をいたします際に当然いろいろな必要な条件を付するわけでございます。この条件に基きまして具体的な監督を公庫といたしましては当然なし得るのでありまして、この線に沿うて理事長以下が十分監督をしていけるものだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/5
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006・野溝勝
○野溝勝君 私は二、三点お伺いいたします。
この法案は開発庁法の裏表のようなものでございますが、これがなければ開発庁の行政計画もできないのでございますから、よくわかるのですけれども、一体今回政府の考えておられる公庫法案でございますが、これは北海道の人から言わせると、二重監督を受け、行政の繁雑になるようなことを言われておるのでございますが、そういうような点については十分考えておられるのでございますか。たとえば、この法案によって北海道庁が監督する。また一面、上級機関あるいは関係機関から直接またその業界に監督を受けるというようなことになるということを聞いておるのでございますが、かようなことがないのでございますか。そういう点についてこの際お答えを願っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/6
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007・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) お尋ねのお言葉の中に、北海道庁で監督するのではないか、こういうふうなお言葉がございましたので、ちょっと二重監督を受けるのではないかという御趣旨をはっきり把握し得ないのでございますが、この公庫は、第一条にありますように、北海道における産業の振興開発を促進するということで、たびたび申し上げましたように、今後北海道開発のために計画されまする第二次北海道開発計画の線に沿いまして、北海道の産業の振興をはかるようにこの公庫が運営されていかなければならないと考えております。そうして、それにつきましては、この公庫の監督は主務大臣が監督をいたすのでございまして、主務大臣は、総理大臣と、金融の関係で大蔵大臣が主務大臣に指定をされておるのでございます。この総理大臣と申すのは、当然北海道開発庁長官が委任を受けまして監督をいたすのでありまして、北海道開発庁長官と大蔵大臣との間には十分連絡をとりまして、同一の方針でこの公庫の監督をいたしていく所存でございます。従いまして、監督はこれらの二省、北海道開発庁と大蔵省の間で十分連絡をとりつつ監督を続けていくのでございまして、そのほかの、たとえばお言葉にありましたような、北海道庁がこれを直接監督するということはないのでございます。従って二重監督といったような問題は起らないと考えております。しかし先ほど申しましたように、御質問の御趣意を理解し得ない点がございますので、さらに重ねての御質問がございますならば、これにつきましてまたお答えを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/7
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008・野溝勝
○野溝勝君 大体あなたの説明で論郭だけはわかりましたけれども、私の聞かんとする点は、たとえば大蔵省がいわば金融指導の官庁みたいな格好になっているわけだ。だから、そういうところから、開発庁とは別に直接公庫に対して監督し、行政面との喰違いを起すことが、実際はあると思うのですよ。なかなか金融関係のことでございますから、一応大元締めである大蔵省が何としても力を持っていると思うのです。そういう点について、開発庁よりは大蔵省の発言が強い場合があって、行政の一貫性を失い、ために産業振興上において非常な支障をきたすようなことがないかということを憂慮する、具体的に言えばこう言うのです。国務大臣同士で話し合うと言いますけれども、ただそれは一つの政治上の問題であって、もっと末端の行政上の問題についてはそういうことが起らないかどうかということを聞くのです。そういうことを心配するのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/8
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009・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) 大蔵省と開発庁との仕事の分担と申しますか、おのずから全般的な監督は開発庁でいたしますが、金融の点については大蔵省がその専門的な立場から指導をいたすということでございますが、ただ実際問題としては、両者十分連絡をとって参りませんと、ただいまの野溝委員のおっしゃいましたような心配が起り得るのでございます。しかしながら、今日この法案を提出する前におきましても、この法案につきまして大蔵省と十分連絡をとり、さらに今後準備をいたしまする政令、業務方法書につきましても、十分連絡をとりながら、一致した意見によってこれらのものを準備しつつあるのでございます。個々の今後監督上いろいろな問題が起って参ることと思いますが、ただいま御注意いただきました点は十分留意いたしまして、御心配の、方針が違うために公庫の運営上支障を来たすというふうなことは絶対にないように、十分留意いたしまして、監督に遺憾のないようにいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/9
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010・野溝勝
○野溝勝君 それで大体一応の理解はできるのでございますが、単に北海道の開発公庫の問題だけでなくて、大体今までの経験からみると、そういう例があるのでございまして、かえってそういう役所ができたために迷惑だとか、そういう機関ができたためにかえって事務を複雑にして、まことに開発上迷惑しておるというようなこともあるのでございますが、そういう点はあらかじめ御留意を願っておきたいと思います。
それから、あとはこまかくなるのでございますが、配付資料にある北海道の総合開発計画についてこれを見ると、これは別にあなたの方で作ったというけれども、これは従来の農林省並びに通産省あたりの統計並びに資料と同じでございますが、大体こういう点については、これは前の資料と少しも違っていないと思うのですが、これはそうでしょう。急にできた機関でございますから、これに基いた資料によっていろいろと対案を立てるのですから、これはやむを得ないと思うのですが、この資料中、特に北海道の産業のうち、農林関係でテンサイ糖の振興分というのが出ておるのでございますが、「北海道総合開発第一次五カ年実施計画第一編附表」九ページの中に計画数字が示されている。その数字は現テンサイ会社、帯広の会社に関係した分ですか、あるいは今後できる会社を予想しての開発地域に対する面積を含んだものでございますか。どういうのを考えられておるのですか。もう一度私が申し上げますと、砂糖原料に対しては北海道だけでなくて、日本で全体の原料というものは開発しなければならんと思っているのです。そういう意味におきまして、戦後において砂糖の不足のときに、ビートの開発については、私が農林委員長当時からもずいぶん努力して、今日一貫して日本の自立経済達成のためにも、政府は代りましても一貫してやってきていることは、けっこうなことと思うのです。しかし、けっこうなことではあるが、その開発面積と工場設備との調節というものが行われないと産業の後退となるのが心配である。むやみに無政府的な措置をとること、即ち政治的陰謀だかあるいは利権亡者だかしらんが、そういうものが策謀して必要以上なものを作ると、結局既設の会社の不振はともかく、産業全体が麻痺し支障を来たすということになって、ここに混乱が煙きるようなことになるので、そういう点を私は心配しているのです。でありますから、これらに対する考え方について、開発庁は、詳細に検討しているのか、どういうようにこれを考えているのか。さらに、ここにある数字はどういうものを含んでおるのか。そういう点を私はお聞きしたいと思っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/10
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011・桑原幸信
○説明員(桑原幸信君) ただいまの御質問でございますが、この第一次五カ年計画というのは、一応既存のテンサイ糖工場の分を含んでおります。それから現在テンサイ糖の工場を三十五年度までにおいて相当数ふやさなければいけないということで、ただいま御指摘のように、工場数と耕地面積とのバランスをとるように、目下テンサイ糖振興について対策を農林省方面で考究しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/11
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012・野溝勝
○野溝勝君 いま一つお聞きしておきますが、バランスをとるためというそのバランスの根拠ですが、それについて農林省がやっているというだけでなくて、少くとも開発庁であり、裏づけるところの公庫の関係としては、その点十分な調査、将来せっかく援助し奨励する産業が支障を来たすようなことがあってはならんと思うのですよ。そういう関係を十分考えなければならんと思う。聞くところによると、いろいろのデマが飛んでおりますからね、たとえばそういうデマが本物でなければいいが、このごろはあやしいことばかりたくさんあるのでございますから、それで新発足する公庫も開発庁もそういうようなことが起ると問題なんですから申し上げる。たとえば今のようにバランスをとるといえども、原料面積が現在の工場設備で消化し得るばかりでなく、余裕があるのにかかわらず、工場を幾つも作らせるというこのやり方は、これはどうかと思うのですよ。こういう点について十分なる御留意を願って、あやまちなきを期してもらいたい。こういう意見なんです。それについて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/12
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013・桑原幸信
○説明員(桑原幸信君) まことにお説の通りでございまして、北海道の開発上、テンサイ糖の振興は、単に工場の誘致ということよりも、北海道の農業政策の上からいって欠くべからざるものがありますから、開発庁といたしましては、テンサイ糖の振興とあわせて酪農農業の振興等を含んだ総合的な計画を一つ実施していきたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/13
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014・野溝勝
○野溝勝君 最後に一つ開発庁の次長にお聞きしておくのでございますが、いろいろと計画されておることはけっこうで、これを見ると、なかなか大規模な計画でございますが、これともちろん資金関係とは関係があるのでございますから、この際に一つ聞いておきます。私、北海道へ何回も産業視察に参りました。特に太平洋岸の開発でございますが、どうしても北海道の開発には港の開発ということが絶対必要だと思うのです。私も昭和三十三年政府に御厄介になっておるとき、ちょうど今日の銀行局長になっておりまする東條氏もそのとき大蔵省から派遣されて、かの地を視察に参ったことがあるのでございますが、特に海岸線の開発、港という問題は、北海道の産業開発に重大な影響があると思うのです。それはだれでも知っておるのでございますが、しかし実際問題は資金の点で相当問題になっておるのですが、そこで太平洋岸の開港ということである太平洋岸には現在釧路、浦河だけでございます。それで釧路、浦河の開発は相当あの当時から力を入れて参りました。その後の政府も引き続いてあの港の開発に努力して参りました。しかし釧路は一応整った。又漁港としての浦河も或る程度整備されましたけれども、一般産業港としての港としてはほかにないわけです、釧路以外には苫小牧港の開発が今非常に北海道で全力をあげている。北海道庁を初め力を入れておる、これに対しては。特に産業港として開発しなければならないと思う。しかし非常に困難もありましょうが、地元苫小牧の市長初め市議会市民労働組合全部をあげて、あの開発に自主的な負担をして、市そのものから年々何百万というものを投資いたしまして開発をしておるわけでございますから、この事は単に苫小牧だけの問題でなく北海道開発の表玄関の解決になるのですから、困難な事情もありましょうが、一つ協力方を強く希望しておきたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/14
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015・田上辰雄
○政府委員(田上辰雄君) 北海道の太平洋岸の港につきまして、その開発の必要はお話の通りだと思います。ただいまの御意見十分尊重いたしまして、これは予算の制約もございますから、なかなか御期待に沿えぬような点が多々あろうかと思いますけれども、私どもとしましても、御意見の御趣旨は十分尊重いたしまして、できるだけの努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/15
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016・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 他の御発言もないようでありまするが、質疑は終了したものと認めて差し支えございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/16
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017・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。よってさように決しました。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/17
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018・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 速記をつけて。暫時休憩します。
午前十一時二十四分休憩
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午前十一時四十八分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/18
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019・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) ただいまより休憩前に引き続き会議を開きます。北海道開発公庫法案を議題として討論を行います。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/19
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020・岡三郎
○岡三郎君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました北海道開発公庫法案に対して賛成をいたします。ただし、賛成をいたすといたしましても、本法案に対しては全面的に心から賛成しておるというわけではございません。それは、この提案理由の中にあるように、「昭和二十六年度より北海道の総合開発をして参りまして、道路、河川、港湾、電源等、基礎施設の整備につきましてはかなりの進展を見ておる」と書いてございますが、私は二回ほど北海道に最近行っておりまするが、第一次五カ年計画というものの進展の度合というものは、この提案に書いてある通りには行っておらぬと思うのです。従って基本的にまだまだ北海道の開発というものは緒についたばかりである、こういうふうに断定しても差しつかえないのではないかと思っているほどであります。従いまして、この基本的な第一次五カ年計画に伴う昭和三十二年度からの第二次北海道開発五カ年計画というものの基本的な構想をわれわれは見たく考えておったわけです。しかしこれも御提示にならないということになれば、基本的な計画というものはどうしてもおくれてしまう。そのおくれた中において、第二次産業というものを振興するために、この北海道開発公庫を作るということになると、いささか、さか立ちのうらみがある、われわれはこう考えざるを得ないのであります。特に一つの例をたとえて申し上げるならば、機関車だけが先っ走りに行ってしまって、あとの車が切り離されて、ついてこないような一つの状態になるのではないかと、こういうことを心配します。しかしながら北海道は特殊立地条件を持っておりまして、資金の導入等が非常におくれて、道の開発というものは一刻もゆるがせにできない、こういうふうな観点から北海道開発公庫法というものが出されてきておるということも十分わかりますので、一応賛成したわけであります。しかしこの法案を十分検討してみますると、まだまだ問題点があるわけで、特に第十九条の業務の範囲を見ますると、一から五項目にわたるところの事業を決定しております。この事業について、「当該資金の出資若しくは融通又は当該資金に係る債務保証の業務を行う。」と書いてありますが、これはまことに融通無碍、実に物事を運ぶのには格好の条章になっておりますが、しかし一歩誤まればこれは第二の復金的な存在になるおそれが十分あると思う。つまり株を持ち、またその会社がいろいろと資金を得る場合に、その債務保証をするというふうになれば、事業そのものの選択を誤まるとか、あるいはその会社の経理がどうなるかという面を考えていった場合に、なかなかもってこれは成り立たない事業が多くなるのではないか。そういうことになると、一たん出資しまたは債務保証したからには、むやみに打ち切るわけにはいかぬということになれば、泥沼に入るように多額なる税金をこれに投入することになって、東北興業的な存在になるおそれが十分あると思う。だから、そういうふうなことを考えていく場合に、これは簡単に了承はできません。できませんけれども、せっかく北海道の住民がこの法制定によって利益を得、特に日本の中に占むる酷寒地帯が、いささかなりとも産業が振興することによって利益を得るということに対して、われわれは心配の中からも賛成をしておるわけでありまするから、こういうふうな点については、運営上そういう危険がないように責任者は心してやっていってもらわなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。さらにこの問題につきましては、北海道の開発審議会等において管理機関というものを設けるべきであるというふうに決定しておったのを、本法においてはこれを削除しておる。この管理機関を設けるということも、結局はいろいろと問題がありましょうけれども、やはり第二の復金的な役割を果してはならぬというおもんぱかりが一面にはあったと私は思うのであります。そういうふうな観点から見ましていろいろと申し上げたいことがあるわけですが、以下私はこれを付帯決議案としてまとめて御提示を申し上げ、あわせて本法に対して賛成したいと思うわけであります。以下付帯決議案を申し述べます。
以上であります。この点一つあわせて御可決あらんことを申し上げて、私の賛成討論を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/20
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021・土田國太郎
○土田國太郎君 北海道開発公庫法案は、私は時宜を得たるものといたしまして、緑風会を代表いたしまして賛成いたします。しかしながら、本案は非常に重大であり、わが国の国策上の観点から見ましても、非常に重要性があるのであります。御承知のように、これは北海道開発のみならず内地人口の吸収策であり、またあわせて植民政策にも相なりまするので、この点は国民あげてこれに賛意を表するものであろうと私は思うのでありますが、この本案についていろいろ検討の結果として特に感じておりますることは、この公庫の金融投資方法でありまするが、説明によりますれば、現在の金融機関以外に投資する、融資する、こういうようなことになっているのでありまして、これがために取引先の選択というものは一そう私はむずかしくなるのではないかということを痛感するものであります。あわせて、この計画書を見ますると、利息は非常に高いこと、利息コストが高いこと、従って貸付の利息も高いのでありますから、こういう点について十分に一つ当局者はこれが改善をはからなければならぬと思うのであります。特に私は、この株式投資でありまするが、これらにつきしまても、先ほどの次長の説明では、まだ私は不安の感が強いのでありますから、どうかこの投資あるいは融資の面につきましては十分に責任を持って監督できるような方法を講じていただきたい。先ほど説明によれば、貸し付ける際に条件をつけるというようなことでは、簡単なようでありますが、その程度ではとうてい事業というものは成功するものではないのでありますから、この点十分一つ検討を願いたいと思うのであります。よく昔から、事業は人にありと、もしこの人選を誤まったならば全く先ほど岡委員の申し上げましたように、第二の復金ともならぬとも限らないのでありまするので、どうかこういう点につきましては、役員並びに幹部職員等につきましては、十分なる心をもちまして、人選のあやまちなきを期していただきたいと思うのであります。
なお、岡委員の補足的の決議の御意見があったのでありまするが、私もこれには同感であります。
以上をもちまして、本案に賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/21
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022・藤野繁雄
○藤野繁雄君 私は、北海道における産業の振興開発を促進し、国民経済の発展に寄与するために、若干の希望を付して賛成するものであります。
本公庫は、長期の資金を供給すること等によって、民間の投資及び一般金融機関が行う金融を補完し、または奨励することを目的とするのでありまするから、その任務というものは重かつ大であるのであります。そこで事業計画及び資金計画を作成せられるに当っては、万遺憾なきを期せられたいということであります。次には、事業の遂行に当りましては、常に失敗を未然に防止するように善導せられたいということであります。
以上をもって私の賛成討論を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/22
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023・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/23
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024・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。北海道開発公庫法案を衆議院送付案通り可決することに賛成の方の挙手を願います
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/24
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025・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 全会一致であります。よって、本案は可決すべきものと決定いたしました。
次に、討論中に述べられました岡委員提出の付帯決議案を問題に供します。岡委員の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/25
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026・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 全会一致であります。よって、岡委員提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに決定いたしました。
なお諸般の手続は、慣例により委員長に御一任を願いたいと存じます。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/26
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027・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 御異議ないと認めます。それから多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
藤野 繁雄 岡 三郎
前田 久吉 井村 徳二
大野木秀次郎 木内 四郎
菊田 七平 西川甚五郎
深川タマヱ 最上 英子
土田國太郎 中山 福藏発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/27
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028・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 白波瀬政務次官より発言を求められましたので、この際これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/28
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029・白波瀬米吉
○政府委員(白波瀬米吉君) どうもありがとうございました。ただいま本委員会において付せられました付帯決議につきましては、いずれも御趣旨は非常にごもっともだと存じますので、私どもは十分これを検討いたしまして、実現いたしますようなふうに努力いたしたいと思います。ありがとうごいました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414629X02219560427/29
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030・岡崎真一
○委員長(岡崎真一君) 本日はこれをもって散会いたします。
午後零時五分散会
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