1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和四年五月十日(火曜日)
午前十時開会
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委員の異動
四月二十六日
辞任 補欠選任
竹内 功君 岡田 直樹君
四月二十七日
辞任 補欠選任
宮島 喜文君 比嘉奈津美君
四月二十八日
辞任 補欠選任
比嘉奈津美君 宮島 喜文君
五月九日
辞任 補欠選任
大家 敏志君 和田 政宗君
岡田 直樹君 佐藤 啓君
勝部 賢志君 森 ゆうこ君
古賀 之士君 岸 真紀子君
五月十日
辞任 補欠選任
末松 信介君 滝波 宏文君
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出席者は左のとおり。
委員長 豊田 俊郎君
理 事
西田 昌司君
藤末 健三君
森屋 宏君
牧山ひろえ君
山本 博司君
委 員
佐藤 啓君
櫻井 充君
自見はなこ君
滝波 宏文君
藤川 政人君
宮沢 洋一君
宮島 喜文君
和田 政宗君
岸 真紀子君
熊谷 裕人君
難波 奨二君
森 ゆうこ君
杉 久武君
大塚 耕平君
浅田 均君
小池 晃君
大門実紀史君
浜田 聡君
渡辺 喜美君
国務大臣
財務大臣
国務大臣
(内閣府特命担
当大臣(金融)
) 鈴木 俊一君
副大臣
内閣府副大臣 黄川田仁志君
財務副大臣 岡本 三成君
大臣政務官
内閣府大臣政務
官 宗清 皇一君
事務局側
事務次長 小林 史武君
常任委員会専門
員 小松 康志君
政府参考人
警察庁長官官房
審議官 鎌田 徹郎君
金融庁総合政策
局長 松尾 元信君
金融庁総合政策
局政策立案総括
審議官 井藤 英樹君
金融庁企画市場
局長 古澤 知之君
金融庁監督局長 栗田 照久君
金融庁公認会計
士・監査審査会
事務局長 田原 泰雅君
総務省大臣官房
審議官 池田 達雄君
財務省国際局長 三村 淳君
厚生労働省雇用
環境・均等局雇
用環境総合整備
室長 岸本 武史君
参考人
日本銀行理事 内田 眞一君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○公認会計士法及び金融商品取引法の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/0
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001・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、竹内功君、古賀之士君、勝部賢志君及び大家敏志君が委員を辞任され、その補欠として岸真紀子君、森ゆうこ君、佐藤啓君及び和田政宗君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/1
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002・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
公認会計士法及び金融商品取引法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁企画市場局長古澤知之君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/2
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003・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/3
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004・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
公認会計士法及び金融商品取引法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行理事内田眞一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/4
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005・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/5
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006・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 公認会計士法及び金融商品取引法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/6
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007・櫻井充
○櫻井充君 おはようございます。櫻井充です。
まず最初に、今日は銀行の公共性についてお伺いしていきたいと思います。
銀行法の第一条に「この法律は、銀行の業務の公共性にかんがみ、」と、そういうふうに書かれていますが、ここで書かれている公共性とは一体何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/7
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008・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、銀行法第一条で、銀行法の目的といたしまして、銀行の業務の公共性に鑑み、信用を維持し、預金者等の保護を確保するとともに金融の円滑を図るため、金融の業務の健全かつ適切な運営を期し、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とすると規定しているところでございます。
この銀行の業務の公共性ということでございますが、一般に、銀行業務が国民経済、国民生活上重要な役割を担っており、広く社会の、社会一般の利害に関わる、こういう性質を有することを表現したものと解されていると承知してございます。
また、銀行の業務が公共性を持つと言われる理由といたしまして、一般に、銀行の業務は多くの関係者との信用の連鎖関係で成り立っているため連鎖的に幅広い範囲の関係者に影響を及ぼす、預金者などの国民一般に大きな影響を及ぼすと、それから、地域経済を含めということでございますが、業務運営いかんによって経済全般、経済活動全般に停滞をもたらすおそれがあるといったことが挙げられていると承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/8
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009・櫻井充
○櫻井充君 ありがとうございます。
今御答弁あったように、地域社会にとって、それから個人にとっても非常に重要な役割を担っているということです。それから、利害関係も発生、利益と、そうですかね、損害ですかね、そういうことも発生するというような答弁なんだろうと思います。
そうすると、これまで、例えば特に竹中大臣のときには、金融機関の健全性健全性ということで、BIS規制であるとか、それから不良債権比率がどうだとか、そういうことだけ議論されてきました。だけど、一番最初、ここのところに「公共性にかんがみ、」と書かれているわけであって、ここは物すごく大事な点だと思っていて、この公共性を担保してくるような制度というのは一体何があるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/9
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010・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
銀行法一条でまさに公共性が規定されてございまして、銀行法に規定されている幅広い制度がこの対象となってございます。
具体的には、銀行は、銀行業は免許を受けなければ営むことができないというルールですとか、先生の方から利害関係者という話がございますが、アームズ・レングス・ルールと申しまして、銀行と関係のある例えばグループ会社に対しては特別の条件ではなくて通常の条件で取引をしなきゃいけないといったルールですとか、優越的地位の濫用の禁止といった行為規制、健全性規制、他業禁止、業務範囲に関する規制、行政による検査権限といったものを設けているところでございます。また、預金保険法におきましては、預金保険制度を設けまして、こういった各種規制を通じまして、銀行がその業務を健全かつ適切に運営することを確保することとしているところでございます。
こういった制度の下で、各銀行においても、銀行法第一条の目的に資するように取り組んでいただくことが重要と考えているところでございます。
なお、地域の関係でございますけれども、昨年の銀行法改正ございまして、例えば銀行本体の付随業務といたしまして、銀行が保有する人材、情報通信技術などの銀行業の経営資源を主として活用して営む、地域の活性化、産業の生産性の向上などの持続可能な社会の構築に資する業務といったものを追加いたしてございまして、銀行が地域経済を支える役割をより十分に果たすことができるよう見直しを行ったところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/10
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011・櫻井充
○櫻井充君 まあ、るる説明がありましたが、果たして本当にそれで銀行の公共性が担保されるんでしょうか。
例えば、アメリカには地域再投資法という法律があって、地域から集めたお金をどれだけ地域に再分配するのかと。これによって、きちんと再分配していないところは、再投資です、ごめんなさい、再投資していないところに対しては支店を出すことができないとかいう罰則規定まであって、厳しく地域から集めたお金を地域に再投資しなさいという、そういう法律もあるわけです。これはなぜ必要なのかというと、集めたお金を地域に再投資しなければスラム化してしまうからです。
今の日本の例えば地域金融を見てくると、田舎で集めたお金が田舎に再投資されるかというと、決してそんなことはないわけです。なぜかというと、皆さんが預金しているところは郵便局であり、農協なんですよ。そういうところが再投資しているかというと、必ずしも再投資していないから、新しい産業が興ってこないとか、困っている人たちを救済することができないということになるわけです。
このアメリカの地域再投資法等を模して、我々、相当昔ですけれど、金融アセスメント法案という法案を作らせていただきました。これは銀行の情報公開法です。この銀行の情報公開法を作ることによって、銀行の、まあ何というか、利用者が銀行を選べるようにしてこようと、そういってそういう制度をつくらせていただいたわけです。その当時、こういう議論をしていて結果的にリレーションシップバンキングという考え方が出てきて、それでそういう方向でやりましょうということになりました。
ちょっと時間の関係でそこは飛ばして、その上で、今金融庁で、僕はすごく努力されていると思うんですが、この資料をちょっと、お配りした資料を見ていただきたいんですが、これ、運用をしていてどの企業が利益を出しているかとか、それから損を出しているのかということを情報公開したものです。
一枚目のところは、これ何年前だったかな、二〇一八年の三月末です。これで、驚くべきことに、ちょっと銀行名とか運用会社は伏せますけれど、一番下のところは八割から九割方損しているということ、八割方ですかね、損しているということになっているんです。預金から投資へと金融庁はよく言っていますが、投資してみてこれだけ損が出るようなところにどうして投資をしなさいと言ってくるのか、僕は非常に不思議でならないんですよ。
ところが、最近は大分変わりまして、それが二枚目、三枚目ということになります。特に一枚目と変わったのは、情報公開する金融機関が物すごく増えてきたことと、それから運用成績が随分良くなってきました。そういう意味合いでは、こういう利用者にとって非常に有益な情報を公開してくるということがすごく大事なことなんじゃないかなと思っていて、私はこの情報公開すごく評価しているんです。
どうして金融庁はこういった情報を公開しようと思ったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/11
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012・松尾元信
○政府参考人(松尾元信君) お答え申し上げます。
金融庁は二〇一七年に顧客本位の業務運営に関する原則を策定、公表しておりまして、金融機関に対しては、この原則を採択した上で、顧客本位の業務運営を実現するための明確な方針を策定、公表し、その方針についての取組状況を定期的に公表し、方針を定期的に見直すことを促しております。こうした取組を通じ、これまで一定数の金融事業者において顧客本位の業務運営の定着度合いを客観的に評価できるようにするための評価指標を自主的に設定、公表しているというふうに考えております。
さらに、これを進めるために、より顧客から選ばれるようにという観点から、二〇一八年に比較可能な共通KPIということの考え方を示して、その中で、今お示しいただいた運用損益別顧客比率についても公表するように促しております。
その上で、金融庁として、この公表した共通KPIを取りまとめて公開することで各金融機関の取組の見える化を努めているというところで、この考え方は、金融業者が自ら主体的に創意工夫を発揮し、より良い取組を行う業者が顧客から選択されていくメカニズムの実現を促進するための取組ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/12
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013・櫻井充
○櫻井充君 ありがとうございます。
利用者にとっては、やはりこういう情報というのはすごく有益だと思うんです。前に出ていたのは、先ほど申し上げたとおり、BIS規制上の数字がどのぐらいになっているかとか不良債権比率がどうだとか、投資家にとっては必要な情報かもしれませんが、一般の方がそこまで知っても、どうしようもないとは言いませんが、余り参考にならないようなものがすごく多かったんじゃないかと思います。
それで、このリレーションシップバンキングの考え方にのっとってなんだろうと思いますが、例えば不良債権をどうやって正常債権にしたかとか、竹中さんの時代には不良債権があると全部切り捨てたわけです。だけど、その切り捨てたのではなくて、不良債権の、まあ不良債権というか、そういう会社を健全な会社にしていくというのを銀行自ら一生懸命取り組んで、そういった数字も公表していた、今もいるのかどうかちょっと分かりませんが、これは企業にとっても、借り手側にとってすごく有益な情報だと思うんですが、このような運用のほかに、一体どういうような情報を公開されているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/13
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014・栗田照久
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
地域金融機関には、地域経済を支える要として金融仲介機能を発揮して、地域企業の価値向上等を図ることによって地域経済の成長に一層貢献していくということが期待されております。
このような観点から、金融庁では、金融機関の取組の見える化を通じまして、例えば担保、保証に過度に依存しない融資ですとか企業の生産性向上に向けた支援を促すために、令和元年九月に金融仲介の取組状況を客観的に評価できる指標群というものを設定いたしております。これに基づきまして、現在、主要行とそれから地域銀行は、半期ごとに新規融資に占める経営者保証に依存しない融資の割合などを公表しております。金融庁においても、各銀行の取組を一覧にまとめて公表しております。
さらに、このほかにも、各金融機関が自身の取組の進捗状況ですとか課題について客観的に自己点検、自己評価等を行って金融仲介の質を一層高められるように、平成二十八年九月には金融仲介機能のベンチマークというものを公表しております。これは、各金融機関の判断におきまして、自らのビジネスモデルを踏まえて、必要と考えるベンチマークについて、例えば経営指標の改善が見られた取引先数といった指標に基づいて金融仲介取引の進捗状況を公表するというような取組でございまして、金融庁といたしましては、これらのベンチマークも活用して、金融機関との対話を通じて、金融仲介機能の更なる発揮に向けた取組を促してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/14
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015・櫻井充
○櫻井充君 ありがとうございます。
金融仲介機能という言葉が何回か出てまいりましたが、そこは非常に大事なことなんだと思うんです。
そこで、低金利にすると、我々の考え方は、これまでは、借り手側は非常に借りやすくなってお金が回っていくんではないのかというふうに考えていましたが、一方で、金融機関側からしてみると利益を出せない構造になるわけですよね。そうしてくると、この低金利というのが公共性を維持できないような原因になっているんじゃないかと思いますが、この点についていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/15
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016・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) いいですか。手挙げてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/16
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017・内田眞一
○参考人(内田眞一君) 失礼しました。
お答え申し上げます。
二〇一三年以降の大規模な金融緩和でございますが、実質金利の引下げを起点といたしまして、貸出金利の金利など資金調達コストの低下、それから株式市場等の金融資本市場の改善等を通じまして緩和的な金融環境を実現しております。
そうした下で、企業収益が増加し、雇用者数、それから賃金も緩やかに上昇しているということでございまして、日本経済全体に対しましては、金融緩和政策は経済、物価を押し上げる方向に寄与してきたというふうに考えております。
一方で、御指摘のとおり、長期にわたります低金利環境の継続は、預貸利ざやの縮小等を通じまして、金融機関収益を下押しするということで、ある意味累積的に金融仲介機能に悪影響を与える可能性があるという点については十分認識しております。
現在のイールドカーブコントロールの枠組みは、そうした問題意識に立って、金融緩和による経済、物価への刺激効果と同時に、金融仲介機能への影響あるいは副作用にも配慮しながら金利水準を決定する仕組みでございます。
そうした下で、マクロ的に見ますと、銀行の貸出残高は二〇一三年以降、毎年二%程度緩やかな増加を続けてきておりまして、企業から見ました金融機関の貸出態度も緩和的な状況が維持されております。
日本銀行といたしましては、今後とも、金融仲介機能、それから金融システムの動向にも注意しながら適切な金融政策運営に努めてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/17
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018・櫻井充
○櫻井充君 今御答弁あったとおり、全体で見ればそうなのかもしれませんが、金融機関側からすると、例えばマイナス金利政策になって全体で一時期は二千億ぐらいの減収ではないかというふうに言われていたり、それだけでですね、その結果、リスクを取れない構造になっていることは僕は間違いないんじゃないかと思っていて、そういう意味合いでは、その日本銀行の方向性というのは、この今の円安もありますよね、円安が進んでいっている原因は日米の金利差だと言われていて、大臣も悪い円安なんじゃないだろうかという御答弁をされていることもございましたが、そういう点でいってくると、日本銀行の方向性というのはこれでいいのかどうか。
これは今すぐに方向転換したらこれかなり大変なことになることは分かっているので、そういったことについての議論というのは日銀の中で議論されているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/18
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019・内田眞一
○参考人(内田眞一君) お答え申し上げます。
先生御指摘のとおりでございますが、我が国の経済、今感染症による落ち込みからの回復途上にありますし、足下では資源価格の上昇による下押し圧力を受けているということでございまして、こうした状況では強力な金融緩和によって経済活動をしっかりサポートすることが何よりも重要だというふうに考えております。
ただ、先ほど申し上げましたとおり、金融仲介機能への影響ということはこれは重要なテーマだというふうに思っておりますので、その累積的な影響を含めて常に議論しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/19
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020・櫻井充
○櫻井充君 全体に見たときに本当にそうなんですかね。
銀行は大変になってきていることも確かです。元々、日本は輸出国家だという話になってきていて、輸出産業から見れば確かに円安は有り難いことなんだと思うんですよ。しかし、今や貿易収支の黒字幅よりも所得収支の幅の方が大きくなってきているわけですね、日本というのは。経常収支がこれから赤字になるかもしれないと言われている原因の一つは円安にあるわけです。そうすると、当たり前のことですが、円安になった結果、日本で何か海外の物を買おう、それから投資するといったときに、結果的には、損なのか得なのかという言葉がいいかどうか分かりませんが、決して得ではないような状況が続いてきているということになるかと思います。
原材料費が上がり、それから何でも今物価が上昇してきています。これは日銀の方向性の中の一つだったんですよね。円安に誘導するわけではないけれど、結果的に円安になり、輸入物価が上がって、それで物価上昇二%の目標達成するという話になっていて、やられてきていますが、結果、賃金が上がらない中で物価だけ上がっていったら国民生活は相当苦しくなるんだと思うんですよ。
ですから、そういう意味合いで見てきたときには、果たして本当にこの方向性でいいとお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/20
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021・内田眞一
○参考人(内田眞一君) 先生御指摘のとおり、私どもも物価だけ上がればよいということではないというふうに考えております。あくまで、企業収益、それから何よりも賃金、そうしたものが上がっていくということで、安定的、持続的に二%の物価上昇率が実現するということを目指してやっております。
その上で、少なくとも、今の現在の経済におきまして経済をしっかりとサポートする方向が重要であるというふうに申し上げているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/21
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022・櫻井充
○櫻井充君 時間が来たので終わりますが、改めて、大きな変化が起こってきている中で、是非方向性は検討していただきたいと。黒田総裁を信任する際も、自分たちの方向性が違っているときは方向転換するというお約束をして我々信任させていただいた経緯もございますので、その点については検討していただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/22
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023・熊谷裕人
○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷裕人でございます。
質問に、法案の質問に入る前に、幾つか現下の状況について政府の考え方をたださせていただきたいと思っておりましたが、昨日、一つ大きなニュースが入ってきましたので、まず最初にそのニュースについてお聞きをしたいと思います。
昨日、安倍晋三元総理が地元の講演で、日銀は政府の子会社だというような発言をされた、そして、日銀の引き受けている国債については六十年の満期で借り換えればいいんだと、子会社だからというような発言をされたというふうに報道でされておりますが、その報道を聞きまして、本当に曲がりなりにも日本の国のかじ取りを二度も率いた元総理の発言なのかと、私はちょっと驚いたところなんですが、その発言を受けて、日銀さんは、この安倍元総理の政府の子会社だという発言についての認識と、それから、国債を引き受けている、六十年たったら満期で借り換えればいいという、この六十年償還ルールをちょっと間違えて解釈をしているのかなと私は思うんですが、その点について日銀の認識を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/23
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024・内田眞一
○参考人(内田眞一君) お答え申し上げます。
安倍元総理の御発言に関する報道につきまして具体的にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
あくまで一般論として申し上げますが、日本銀行は政府から過半の出資を受けておりますが、出資者には議決権を付与されておりません。政策委員会が意思決定を行う仕組みとなっているというふうに考えております。また、日本銀行法におきまして、金融政策及び業務の運営におきまして日本銀行には自主性が認められているというふうに考えております。
それから、国債に関する点ですが、こちらも一般論として申し上げますが、現在、私ども日本銀行が保有する国債が償還期を迎えた場合には、その大半について現金での償還を受けております。その上で、財政法上の国会の議決を経た上でということですが、財務省から借換えのための国債引受けの要請を受けた場合には、その都度、金融調節上の支障がないことを確認した上で、一年物の割引国債による乗換えを行っております。
かねて申し上げておりますとおり、日本銀行による国債の買入れは二%の物価安定の目標を安定的に実現するという金融政策上の目的で実施しているものでございまして、経済・物価情勢を踏まえた金融政策運営上の必要性に応じて政策委員会において判断していくことになるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/24
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025・熊谷裕人
○熊谷裕人君 日銀は政府の子会社じゃないと、私も日銀法をきちんと読んでそういうふうに認識をしておりますが。
日銀の今引き受けている国債、何年物の国債が多いかというのは、詳細な数字は結構です、この六十年の償還の国債というのはあるんでしょうか。それとも、ほとんどは十年物国債なのかなというふうには思うんですが、その辺いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/25
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026・内田眞一
○参考人(内田眞一君) 私ども、引受けというのは乗換え引受けというケースしかございませんが、そのケースでは、一年物の割引短期国債で引受けを行っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/26
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027・熊谷裕人
○熊谷裕人君 今、日銀にもろもろ聞きましたが、財務大臣、この安倍元総理の六十年償還というところの解釈は間違えているんではないでしょうか。今、日銀の方で答弁がありました。借換えの場合はほとんど一年、一年物の国債だということになっていますので、六十年満期の国債を六十年たったら借り換えればいいということではなくて、毎年、償還のためにこの基金を使って借り換えていきながら償還をしていって、六十年たったら償還できるというのが六十年ルールと私は認識をしているんですが、この安倍元総理の報道がそのままであれば、この六十年たったら借り換えればいいという認識は間違いだと思いますが、その辺の御認識は、財務大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/27
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028・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 私も、安倍元総理の発言を直接聞いたわけでもございませんし、詳細承知しておりませんので、一般論としてお答えするしかないわけでありますけれども、日銀が保有する国債、これは日銀が物価安定目標の実現に向けて金融政策の一環として国債を購入しているものでありまして、その国債保有残高は時々の金融政策により大きく変動し得るものであります。
政府といたしましては、今後も永続的に日銀が国債を買い入れるとの前提で日銀保有国債は借り換えればよいとの考え方は取っておらず、また、市場からそのような疑いを持たれ、市場の信認を失うような事態を招くことがないようにしていく必要があると、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/28
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029・熊谷裕人
○熊谷裕人君 今、財務大臣御答弁いただいたように、私は、安倍元総理が間違った認識の下で間違った発言をしてしまったんではないのかなというふうに思っておりますが。やはり、二回も日本の国のかじ取り役、総理大臣を経験をされた元総理でございます。マーケットに与える影響というのは大変私は大きいんではないのかなというふうに思っておりまして、岸田政権として、元総理に訂正を求めたり抗議をするというお考えはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/29
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030・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほども申し上げましたとおり、どういう文脈でその部分の発言があったか、ちょっとよく分からないわけでございますので、今直ちに先生御指摘のようなことをするとは、こういうことは考えてございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/30
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031・熊谷裕人
○熊谷裕人君 それでは、私も報道でしか知りませんので前後の文脈分かりませんが、しっかりと、どのような文脈の中で元総理が発言をされたのか精査をしていただいて、もし認識が間違っていたり政府の考え方と違うということであれば、その辺は政府としてしっかりと御対応いただきたいと思います。これはお願いをさせていただきたいと思います。
今、大変、円安ですとかいろんなことでマーケットも混乱をしておりますので、より一層混乱を深めるようなことがあってはならないというふうに思っておりますので、その辺の御対応、お願いをしたいと思います。
もう一つ、円安についての対策についてお尋ねをいたしたいと思います。
過日、G20行われまして、財務大臣、黒田総裁も御出席をしておりました。この中で、アメリカの金利、利上げが続いておりますけれど、アメリカのイエレン財務長官とはこの円安に対してどのようなお話があったのか、もしつまびらかにできるようなことがあればお示しをいただきたいと思っております。財務官として、この円安についての介入の是非とか、そういうことまでお話をしたのか、その内容を、お示しできるところだけでも結構ですので、お願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/31
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032・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) アメリカのイエレン財務長官とは四月二十一日にワシントンで面会をいたしまして、金融市場の動向、特に最近のドル・円相場の動きについても議論を行いました。
議論の詳細、これはお互いに発表しないということになってございますので申し上げませんが、お尋ねの為替につきましては、これまでのG7やG20における為替に関する合意を維持していくこと、それから為替の問題に関し日米の通貨当局間で緊密な意思疎通を図っていくこと、これを確認しております。それ以上のことは控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/32
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033・熊谷裕人
○熊谷裕人君 今、円が主要通貨について、私はほとんど安くなっているんではないのかなと思っているんですが、この円は、ドルやユーロ、そのほかの主要通貨に対して独歩安になってしまっている状況なのかなというふうに私は思っているんですが、その状況について認識はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/33
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034・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 約二十年ぶりの円安の水準になっているということで、その動向についてという御質問だと思いますが、何回も申し上げておりますとおり、為替の安定、これはやはり重要であって、特に最近のような急速な円安、この進行は望ましくないと、そういうふうに思ってございます。政府としては、為替市場の動向、日本経済への影響、こういったものを緊張感を持って注視してまいりたいと思っております。
また、これまでのG7で合意された、為替レートは市場において決定される、為替市場における行動に関して緊密に協議する、過度の変動や無秩序な動きは経済や金融の安定に悪影響を与え得るといった考え方に基づきまして、米国等の通貨当局と緊密な意思疎通を図りながら、政府としても適切に対応してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/34
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035・熊谷裕人
○熊谷裕人君 先ほどの櫻井委員とのやり取りでもこの円安等のやり取りがございましたが、円安、これまで黒田総裁、円安は日本にとっていい面もあるんだというふうにずっとおっしゃっておりました。
私も、円安、逆手に取れば、日本が安いということですので、国内の設備投資等、海外の企業からの日本への投資、これ株式の市況、市場についても同じなんですが、海外からの投資というものがこの円が安いということで注目をされるということもあるんだろうなというふうに思っているんですが、逆手に取って、今日本の国、半導体等でかつての栄光をまた取り戻したいというような考え方もありますので、そういった、台湾が、今台湾の民間企業が、熊本にでしたっけ、九州に半導体の大きな工場を造っていただけるという投資、日本も補助金を出しますが、そういったその海外の先進的な投資をこの円安を逆に利用して呼び込むということは考えられるのかどうか、素人考えであれなんですが、財務大臣の認識、もしあればお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/35
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036・岡本三成
○副大臣(岡本三成君) お答えいたします。
企業の投資行動は様々な条件の下で企業自身が判断するものでありまして、為替もその重要な判断材料の一つという見方があることは承知をしておりますが、企業による投資行動と為替相場の関係について一概に申し上げることは困難です。
その上で申し上げれば、海外からの高度な人材、技術、資金を取り込み、我が国の技術力、研究開発力と結び付けまして、イノベーションの創出、サプライチェーン強靱化等につなげていくために、政府全体として対日直接投資の推進に現在取り組んでおります。
引き続き、民間企業等と連携をいたしまして、安全保障上の観点にも留意をしつつ、政府全体として、外国企業の生産拠点立地や日本企業との協業の促進、スタートアップ等のイノベーション・エコシステムの構築、ビジネス環境整備の加速等に取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/36
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037・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
今、参議院でも経済安保法案、審査をされておりますが、積極的にそういったところに注意をしながら外国からの投資を呼び込むということも、せっかくの円安ですから考えなければいけないのかなというふうに思いますし、また、一度海外へ出てしまったサプライチェーンを国内に戻してくるということも、この円安がどういうふうに機能するかというのは私も詳細に研究はしておりませんが、考えるべきではないかなというふうに思っておりますので、しっかりと、せっかく、せっかくと言ったら変なんですが、円安の状況にある中で、それを活用するということを政府全体でも考えていただきたいなというふうに思っております。
その次、金利、日銀の金利政策についてちょっと日銀にお伺いをしたいと思います。
先ほどの櫻井委員とのやり取りの中でもありましたが、私もそろそろ金利政策を変更するべきだというふうに思っておりまして、特に長期金利の許容範囲の上限、引上げは今はプラスマイナス〇・二五というところで設定をして、指し値オペも〇・二五を超えない範囲でやられているということを先般決定をされておりますが、この長期金利の許容範囲の引上げについて、日銀、先ほどの議論を聞いていたら答えが出ないのかなというふうに思いますが、もう一度お尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/37
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038・内田眞一
○参考人(内田眞一君) お答え申し上げます。
まず、日本銀行といたしましても、為替相場は経済、金融のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましいというふうに考えておりまして、最近の為替相場が短期間に変動するということにつきましては、先行きの不確実性を高め、企業の事業計画の策定等が難しくなり、望ましくないというふうに考えております。
その上で申し上げますが、我が国経済は感染症による落ち込みからの回復途上にありますし、足下では資源価格上昇による下押し圧力を受けております。こうした状況では強力な金融緩和により経済活動をしっかりとサポートすることが何よりも重要だというふうに考えております。そのためには、十年物国債金利でゼロ%程度という現在の金融市場調節方針を維持することが適切であるというふうに考えております。
その上で、昨年三月に行いました点検におきまして、長期金利の変動は一定の範囲内であれば金融緩和効果を損なわずに市場機能の、市場の機能度にプラスに作用するということを定量的に確認しております。具体的には、変動幅は上下にプラスマイナス〇・二五%程度であることを明確にしたところでございます。したがいまして、現在のゼロ%、プラスマイナス〇・二五%程度という長期金利の誘導目標を変更することは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/38
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039・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
昨日の、昨日じゃないですね、六日の十年国債の引け値は長期金利〇・四〇%というふうに確認をしておりまして、これで、パソコンで今確認をしようと思ったら私のWiFiがつながらないものですから、今、今の現状は確認をできないんですが、この〇・二五を超えないように設定をされている指し値オペを今かなり〇・二五に近いパーセントでこの十年物の国債の金利が動いていますので、頻繁にこの指し値オペをしなければいけないんではないのかなというふうに私は思っていまして、上限なしでやるというふうに明言をされていますので、超えれば上限なしでやっていくということになるんだろうと思いますが、私はこの〇・二五を、若干設備投資とかいろんなものに影響があるかもしれませんが、プラスマイナス〇・五〇ぐらいまでに許容範囲を広げることがこの日米の金利差に対する日銀のスタンス、金利差を埋めるんだというところのスタンスで円安を抑えることができるんではないのかなというふうに思っております。
大きな国債を引き受けられておりますので、そこの金利が上がるというのもちょっとデメリットにはなりますが、今の円安、急激な円安で物価高を招いてスタグフレーションみたいな話になるよりは私はいいんじゃないのかなというふうに思っているんですが、その辺の御認識、多分、答弁は変わらないと思いますが、もう一度お尋ねをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/39
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040・内田眞一
○参考人(内田眞一君) お答え申し上げます。
繰り返しになりますが、現在の金融環境、経済環境を前提といたしますと、ゼロ%、プラスマイナス〇・二五%程度という変動幅が適切であるというふうに思います。
これを拡大するということは、今上限に張り付いているわけですから、事実上利上げをするということになるわけでございまして、日本経済にとってこれは好ましいことではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/40
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041・熊谷裕人
○熊谷裕人君 予想どおりの答弁でした。
私は、少しその辺の姿勢を見せる、許容範囲を広げるという姿勢を見せて、金利差を詰める考え方はあるんだというのを見せておいた方がいいんじゃないのかなというふうに思っております。
次に、ETFの出口戦略についてもお尋ねをしたいと思います。
ここのところ多分余り発動されていないのではないのかなというふうに思っておりますが、もう思い切ってこの新規購入を中止をし、そして今、日銀の方で保有をしているETFの株については一般の投資家に処分をした方がいいのではないかなと私は個人的に思っておりまして、株式、このETFの株へ転換できるような、国債じゃありませんけれど、その転換付き、株への転換付きの債券を出して、買っていただいて、何年か一般投資家に持っていただいて、その満期が来たときにそのまま持ち続けるのか、市場で株に転換をするのかというところで、そろそろこのETFの持っている株、日銀が持っている株の処分についても考えていかなければいけないのではないのかなというふうに思っておりますが、これ黒田総裁と何回かやっているんですけど、今そういう状況じゃないという答弁をいつももらっておりますが、日銀の認識として、このETFについて出口戦略をどのように思っているのか、理事の方から御答弁できる範囲でお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/41
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042・内田眞一
○参考人(内田眞一君) お答え申し上げます。
ETFの買入れでございますが、これは大規模な金融緩和の一環として行っているものでございます。先ほど申し上げましたとおり、金融緩和を続けていくことが必要な局面でございますので、このETFの買入れにつきましても、めり張りを付けてということではございますが、引き続き実施していく必要があるというふうに考えております。
出口につきましては、そのタイミングあるいはその際具体的にどうするのかということは、その物価目標を実現してそれに近づいてくれば、将来、金融政策決定会合において議論し、適切に情報発信していくということだと思いますが、総裁と同じ答弁になりますが、現時点ではまだ時期尚早だというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/42
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043・熊谷裕人
○熊谷裕人君 今はそのときではないという御答弁でやはりありましたけれど、私は、岸田総理が先般、資産所得、貯蓄から資産の倍増をという新しい資本主義の形だというような話をされておりましたが、資産所得を倍増していく、株の投資を呼び込むということで、海外からの投資、まあ円安を背景にした海外からの投資というのもあるかもしれませんし、このETFの処分を通じて国内の今まで余り関心のなかった投資家に資産をということも私はあるのではないのかなというふうに思っておりますが、せっかく岸田総理が新しい資本主義だといって、資産から、あっ、貯蓄から資産倍増へというような掛け声を掛けておられますので、その辺の、岸田政権としてのそのETFについての考え方、もし財務省の方で御答弁ができるようでしたらお願いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/43
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044・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 御指摘がございました、総理が言及された資産所得倍増プランを含めまして、政府の様々な政策に与える影響について確たることを申し上げることはなかなか難しいわけでありますが、いずれにいたしましても、家計の資産形成に関しては、政府として総理が示された方向性に基づいて政策を様々組み合わせ、投資家が安心して貯蓄から投資へを実行できる環境を整備することが重要だと考えております。
今後どのような政策を講じていくべきかにつきましては、幅広い観点から検討してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/44
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045・熊谷裕人
○熊谷裕人君 様々検討をお願いしたいと思います。
投資というのはやはり、なかなか素人が手を出すものではないと私は思っておりまして、確実な資産形成ということになると少額のNISAの拡充をもっとするとか、そういったところで最初の投資で大損をしないような仕組みというものをしっかりとつくっておかないと、一般投資家を呼び込むということにはならないんではないのかなというふうに思っておりますので、是非様々御検討をいただければと思います。
続いて、物価高対策についてもちょっとお尋ねをしたいと思います。
今度の経済対策で、補正予算も使ってですが、原油の元売への補助金の額が今度の補正予算で約一・七兆円規模になるんではないのかなというふうに言われておりますし、私もそういう認識でおるんですが、この一・七兆円規模に膨らむということになると、私どもが求めておりましたトリガー条項の解除に年間一・六兆円という予算が必要だというふうにずっと言っておりましたが、それを上回ることになる、一年たたないうちに。付け焼き刃的にその都度投入をしていて結局は一・七兆円になってしまったということになりますが、この九月以降もこの一・七兆円以上の投入というものがあるのかなと考えてしまったりするんですが、収まらなければその九月以降も一・七兆円以上また積み上げていくというお考えでよろしいんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/45
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046・岡本三成
○副大臣(岡本三成君) お答えいたします。
原油対策を含めまして、足下の物価高に対して政府全体で現在取り組んでいるところであります。
ウクライナ情勢に伴いまして原油価格、物価高騰によります国民生活や経済環境への、経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応するため、先月二十六日に総合緊急対策を策定をいたしました。
具体的な内容といたしまして、先ほど委員から言及いただきましたように、原料油価格の激変緩和事業の拡充など原油価格高騰対策、エネルギー、原材料、食料等の安定供給対策、適切な価格転嫁や賃上げ推進などの新たな価格体系の円滑化に向けた中小企業対策等、低所得の子育て世帯への給付金など、物価高騰等に直面する生活困窮者等への支援強化などの施策を盛り込みました。
本対策の迅速な実行に加えまして、これまで成立いたしました予算の執行を着実に行い、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものにしてまいりたいと考えております。
とりわけ原油価格に関しましては、非常に大きな経済活動への影響がありますので、今後もしっかりと支援をできるように取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/46
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047・熊谷裕人
○熊谷裕人君 今、様々な物が値上がりをしておりまして、とりわけ原材料価格が高騰していて適切な価格転嫁ができていないんではないのかなというふうに、これができないと下請さんというか中小企業が多分一番影響を受けるんではないのかなというふうに思っておりまして、この原材料価格の高騰をしたところを起因とした価格改定の適正化については、何か政府として御対応を考えているんであれば聞かせていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/47
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048・岡本三成
○副大臣(岡本三成君) コスト上昇を価格に適切に転嫁していく必要があることは、委員、現在御指摘をいただきましたとおりでございます。
今回の総合緊急対策におきましても、中小企業等の新たな価格体系への適応の円滑化に向けまして、価格協議や価格転嫁の状況を業種別に公表いたしまして、状況の良くない個別の企業に対しましては指導、助言を行うこと、また、昨年十二月に取りまとめました転嫁円滑化施策パッケージに基づく取組を行うことなどを盛り込んでおりまして、こうした取組を着実に進めていきたいと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/48
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049・熊谷裕人
○熊谷裕人君 どうぞ、この価格転嫁の適正化については、本当に中小のところほど困りますので、是非そこを適正に価格転嫁ができるように、そして、きちんと中小のところも転嫁をした上で利益が出るような指導を政府としてお願いをしたいと思います。
経済対策、補正予算の話をさせていただこうかなと思いましたが、この補正予算、今編成中で、これから国会に出てくると思いますので、私も予算委員でありますので、そちらに回したいと思います。
次は、東京証券、東証の再編についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
東証、四月の四日スタートで再編がなされました。プライムとスタンダードとグロースという三つに、一部、二部というところから変わりまして、今スタートをしているんですが、この再編をした意図につきまして、どのような意図でこの東証の再編が行われ、投資家はこの再編についてどのような反応をしているのか。特に、安定した、先ほども言いました、円安を背景として、海外の投資家の呼び込みに成功しているんでしょうか。この点について、もしこの再編についての所見があれば、お聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/49
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050・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) まず、市場区分見直しの目的ということでございますが、二〇一三年に東京証券取引所と大阪証券取引所が株式市場を統合いたしまして以来、東京証券取引所には市場一部、市場二部、マザーズ、ジャスダックスタンダード、ジャスダックグロースの五つの市場区分が存在しておりました。
先月行われました見直しは、こうした従来の市場区分につきまして、各区分のコンセプトが曖昧であって、多くの投資家にとって利便性が低い、上場会社の持続的な企業価値向上の動機付けの点で期待される役割を十分に果たしていないなどの御指摘があったことを踏まえたものでございます。
見直しについては、各市場のコンセプトの明確化などによりまして、企業の持続的な成長と企業価値向上の動機付けがなされ、内外の投資家にとって魅力あふれる市場となることを目的としていると承知をしております。
そして、今回の市場区分見直しに対する投資家の反応ということについてでございますが、今回の区分見直しにつきまして、投資家からは、市場ごとの特徴が明確になったなどと評価する声がある一方で、東証一部企業の多くがプライム市場に移行した点について、見直しが不十分であるなどと指摘する声もあると承知をいたしております。
そうした両面の評価がございますが、今回の市場区分見直しは、従来の市場区分が各市場のコンセプトが曖昧で投資家にとって利便性が低い、持続的な企業価値向上の動機付けが不十分といった問題意識に基づくものでありまして、今回の見直しによってそうした課題への一定の対応ができているものと考えます。
また、プライム市場に上場する企業には、高度なガバナンスや気候変動開示も含め、投資家と建設的な対話が求められるなど、厳しい上場基準、これが適用されるものと承知をしております。そうしたプライム市場を数多くの企業が選択してグローバルな投資家との対話や持続的な企業価値向上に取り組んでいくことになることは、我が国の企業全般の経営の質を高めて、海外投資家の呼び込みにつながるものと考えてございます。
金融庁といたしましては、新しい市場区分への移行が上場企業の持続的な企業価値向上につながり、東証が国内外の投資家にとってこれまで以上に魅力的な市場になること、これを期待をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/50
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051・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
私も、ちょっとこの再編、中途半端なんじゃないのかなというふうに思っておりまして、先ほど大臣の答弁にもありました中の、中途半端であるという認識でありますので、もう少し本当に信頼をされる市場になっていくように、金融庁としてもしっかりとこの後も注視をしていただければと思います。企業価値を高めるというところにつながるようにと思っておりまして、これは、次質問します公認会計士法の関係にも、企業価値を高めるというところにつながっていくんではないのかなというふうに思っております。
法案の質疑の方に入りますが、サステナビリティー情報の開示についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
SDGsや気候変動、炭素税や人権などという分野がこの会計以外に企業の評価というところで考えられると思っているんですが、国際的な動きは、今、企業の会計監査という面で、この今挙げた点、どのような動きになっているのか、お示しをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/51
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052・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
サステナビリティーの情報開示に関します国際的な動向でございますけれども、従来、サステナビリティー開示につきましては、様々な基準が国際的に存在していたという状況でございます。こうした中、現在、国際的なサステナビリティー開示基準というものを策定する動きが加速してございます。
具体的には、国際会計基準を策定してございますIFRS財団というのがございますけれども、そこに設置されました国際サステナビリティ基準審議会、ISSBと申しますが、ここは、本年三月末に、気候変動を含むサステナビリティーに関する国際的な開示基準案の市中協議を開始して、年内に最終化という予定と承知してございます。そのほか、例えば米国でございますけれども、本年三月、証券取引委員会が気候関連開示を義務化する内容のルール案を公表しているというところでございます。
こういった、我が国といたしましても、国際的な開示基準の策定に積極的に参画、貢献してまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/52
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053・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
今、サステナビリティー情報については、大手の監査法人なんかは、多分コンサル業務の一つにもなっているんではないのかなというふうに思っておりますが、その会計監査というところとこのコンサルの業務というところが一体的になるのは、私は問題であるんではないのかなというふうに若干思っておりますので、その辺しっかりと切り分けられるように、公認会計士法の改正に当たってもう一度見直していただけないかなというふうに思っておりますし、公認会計士のスキルのアップもしていかなければいけない。数字を追うだけではなくて、そういった企業価値を高める部分の監査もしなければいけないということになりますと、会計士さんのスキルのアップもしなければいけない。先ほど言ったコンサル業務との関連性というところが密接に関係してくると思いますので、改めてその辺の整理をお願いをしたいと思っております。
次に、監査の信頼性の確保について、監査法人のガバナンスコードの受入れの状況は今どのようになっているのか、お示しをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/53
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054・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
監査法人のガバナンスコードでございますけれども、目下、大手監査法人、これ四法人ございますけれども、この全てと、準大手監査法人五法人ございます、この全てと、それから中小監査法人九法人、計十八法人が採用しておって、そのコードに基づきまして、監査品質の向上に向けた組織運営の実現のための取組が進められているものと承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/54
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055・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
大手、準大手の方はほとんどが入っていますが、まだ中小というところがまだかなり少ないんではないのかなと思いますので、この辺の中小の法人につきましてもガバナンスコード受入れを積極的に進めていただければと思います。
続いて、時間がなくなってきましたので、次のローテーション制度についてお尋ねをしたいと思います。
監査の独立性やなれ合いを防止をするということでローテーション制度を導入ということが検討されておりますが、今我が国での検討状況はどうなっているのか、EUなんかではもう導入をされているというふうに聞いておりますが、この辺につきましてどのような状況になっているのか、お示しをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/55
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056・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、ローテーション制度につきましては、EUでは導入されてございまして、アメリカでは導入されていないという状況でございます。
我が国の検討状況でございますが、まず、監査法人のローテーションの前にパートナーのローテーション、要は監査法人の中で会社を担当している方についてのローテーション制度というものが元々導入されているということでございます。
そういった中で、御指摘の監査法人のローテーションにつきまして、二〇一七年、二〇一九年、二回にわたって金融庁で報告書を取りまとめて公表しているところでございます。これまでの調査におきましては、監査法人のローテーション制度の導入を検討する上では、やはり大規模監査法人の数が限られているという現実があると。他方で、パートナー以外で長期にわたって同一企業の監査に携わるなどの事例が見られていて、監査チームの構成に関して新たな視点で会計監査を行うという点での改善が必要ではないかといった点が挙げられたところでございます。
こういった点を踏まえまして、二〇二〇年の四月からでございますが、公認会計士協会の自主規制でパートナー以外につきましてもローテーション制度が導入されたところでございます。
今後のローテーション制度の在り方につきましては、昨年十一月の会計監査の在り方に関する懇談会の論点整理において、ローテーション制度について引き続き検討ということとされたことも踏まえまして、先生御指摘の諸外国における監査をめぐる状況も勘案しながら引き続き検討してまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/56
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057・熊谷裕人
○熊谷裕人君 時間が参りましたので、まとめたいと思いますが、企業価値を高めるためにこの監査法人の役割というものは私は大変大きなものがあると思っております。しっかりとこの辺を、監査法人の、監査人のスキルアップとか何かをしっかり行っていただいて、企業の魅力をアップし、そしてその企業に対して、先ほど東証の再編の話もしましたが、いろいろな投資家にその企業さんの魅力に従って投資をしていただけるという健全な投資市場というものを構築をしていただきたいと思います。
大臣に御答弁をいただきたいと思っておりましたが、時間が参りましたので、御要望だけさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/57
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058・杉久武
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
本日は質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。
公認会計士法及び金商法改正案につきまして、通告に従い順次質問をしてまいりたいというふうに思います。
私は、一九九七年に公認会計士第二次試験に合格をいたしまして、その後、ビックフォーと言われる監査法人に就職をいたしました。二〇一二年に翌年の参議院選挙の出馬表明をするまでの十五年間にわたり、勤めました。様々な業種の企業の監査を通じて貴重な経験を積むことができ、今の政治活動にもその経験が大いに生きているところでございます。
公認会計士法第一条に定められております公認会計士の使命は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与することでございまして、私自身も責任と誇りを持ってその使命を果たすべく働いてまいりました。
さて、会計監査の信頼性向上のためには、公認会計士、監査法人の業務執行状況を適切にモニタリングすることが必要であり、そのための組織として公認会計士・監査審査会という組織がございます。
そこで、まず金融庁に確認いたしますが、公認会計士・監査審査会はどのような背景や経緯で設置されたのか、教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/58
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059・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
公認会計士・監査審査会は、二〇〇三年の公認会計士法の改正に基づきまして二〇〇四年の四月に金融庁に設置されてございます。
その背景でございますけれども、二〇〇〇年代の初頭、特に米国でございますが、エンロン、ワールドコムといった大型の不正会計事案が発生いたしまして、会計不信の世界的な高まりが見られたという時期でございました。そういった中で、米国でございますけれども、二〇〇二年の七月に企業改革法、いわゆるサーベンス・オクスリー法でございますが、これが制定されまして、監査人の独立性の強化が図られるとともに、公開会社の監査を行う会計事務所に対する検査を担う公開企業会計監督委員会、PCAOBと申してございますが、そういった機関が設立されたところでございます。
同じような動きがアメリカ以外にも、英国、カナダ、フランスなどにおきまして監査監督機関が設置され、会計事務所の監視、監督体制の強化が進められたというところが背景としてございました。
こういった国際的な動向を踏まえまして、日本におきましても、金融審議会での議論に基づきまして、監査人の独立性の強化とともに自主規制の限界を補完すると、公平性、中立性、有効性を確保するとの観点から、日本公認会計士協会の品質管理レビューに対するモニタリング制度といたしまして導入、モニタリング制度を導入することといたしまして、モニタリングのその役割を公認会計士・監査審査会に担わせることとしたという経緯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/59
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060・杉久武
○杉久武君 今御説明いただきました公認会計士・監査審査会でございますけれども、今回の改正案で権限強化が盛り込まれております。その内容及び強化が必要とされた背景について金融庁に確認をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/60
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061・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
まず、現行法の立て付けでございますけれども、監査法人に対する報告徴求、立入検査といったモニタリングの権限はまず金融庁にあるという立て付けでございます。そのうち監査法人の業務運営の状況に関するものにつきましては、金融庁から先ほどございました公認会計士・監査審査会に対して権限が委任されているということでございますけれども、現行法では虚偽証明につきましては権限が委任されておらず、審査会では検証できないこととされているわけでございます。
こういった中で、例えば、審査会の方で検査を実施しているという監査法人におきまして虚偽証明などの疑義が生じているという場合に、同じ監査法人を検査しているという状況でありながら別途金融庁が入ってまいりまして、重複して調査を実施する必要があったというのが現行法の立て付けでございます。
この点につきまして、本年一月の金融審議会の制度部会の報告で、当局においてより効率的、効果的なモニタリングを実施できるよう、審査会に対する報告徴求、徴収や立入検査の権限の委任規定を見直すべきだという提言をいただいたところでございます。
こうした課題認識を踏まえまして、本法律案では、金融庁から審査会に委任するモニタリング権限につきまして、従来の監査法人の業務運営の状況の検証に加えまして、虚偽証明の検証が加わるよう見直しているところでございます。
これによりまして、審査会におきまして、業務運営の状況に関するモニタリングの際に虚偽証明の検証も併せて行うということが可能になりまして、より効率的、効果的なモニタリングにつながることが期待されているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/61
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062・杉久武
○杉久武君 今御答弁いただきましたとおり、今回の権限強化の背景につきましては、金融庁と公認会計士・監査審査会との間での業務の効率化のためということで、その点は十分に理解をしております。
ただ、今回の改正条文を見ておりますと、この権限が、必要以上な権限が公認会計士・監査審査会に付与されているのではないかなと感じるところがございます。具体的には、第四十九条の四第二項というところで、これまでは同条同項の第一号、二号で、金融庁から公認会計士・監査審査会に委任される権限が公認会計士協会の行う品質管理レビューに関連するものに限定をされていましたが、本改正案では当該第一号、二号が削除され、委任される権限に制限がなくなったように見受けられます。
そこで、金融庁に確認をしたいと思いますが、この公認会計士・監査審査会の権限強化は公認会計士協会の自主性を損ねることにならないか、また、今申し上げた条文改正案はどのように解釈をすればよいか、加えて、先ほどこの審査会自体が二〇〇三年の改正からできたということですけれども、その位置付けは変わらないという認識でよいか、確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/62
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063・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
今回の審査会の権限の見直しの件でございますけれども、先生の御指摘にございましたように、あくまで金融庁と審査会という当局の中での権限の委任の範囲の見直しを効率的、効果的なモニタリングという観点から行うものでございます。
御指摘の審査会と日本公認会計士協会との関係という点でございますと、審査会によるモニタリングは、これまで日本公認会計士協会が自主規制として実施する品質管理レビューの実効性を高めるための制度として運用されてきたところでございます。本法案によりまして審査会の権限というものは拡大されるわけでございますけれども、先ほどございました、元々ございました審査会によるモニタリングというのは、品質管理レビューの実効性を高める観点から行われるといった基本的な位置付けが変わるものではございません。
そういった意味で、品質管理レビューにおきます日本公認会計士協会の自主性が損なわれることはないというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/63
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064・杉久武
○杉久武君 ありがとうございます。
続いて、大臣に伺いたいと思います。
本改正案は十五年ぶりの改正でありますが、喫緊の課題に対応したものと理解をしております。中長期的な課題としてどのようなものを認識されておりますでしょうか。大臣に確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/64
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065・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 杉先生御指摘のとおりに、今般の公認会計士法改正案、これは会計監督、会計監査の信頼性確保や公認会計士の一層の能力発揮、能力向上に向け、早急な対応が求められる課題に応えるものであります。
会計監査や公認会計士制度に関しては、このほかにも、例えばサステナビリティー情報の重要性が高まる中で、その開示の信頼性の保証や監査法人の役割をどう考えるのか、公認会計士が担っている役割の広がり等を踏まえ、公認会計士試験制度について見直すべき点はないか、監査法人の大規模化を踏まえ、監査法人制度が実態に合ったものになっているかといった中長期的な課題も指摘をされているところでございます。
会計監査をめぐる環境変化に適切に対応していくため、こうした中長期的な課題につきましても引き続きしっかりと検討を進めていく必要があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/65
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066・杉久武
○杉久武君 ありがとうございます。
そういった意味では、中長期的な課題まだまだございますので、今回は十五年というスパンが空きましたけれども、そういったスパンが空かないタイミングでまた必要な改正について御検討いただければというふうに思います。
次に、公認会計士の業務に密接に関わります四半期開示について伺いたいというふうに思います。
まず、四半期開示が始まった際の背景及び経緯について、金融庁に確認いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/66
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067・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
四半期開示につきましては、一九九九年の十一月でございますけれども、東京証券取引所にマザーズが開設されまして、新興企業の業績変動が大きいことを踏まえ、取引所の規則に基づいて、市場開設当初から四半期開示を義務付けたというところから始まってございます。
その後、企業を取り巻く経営環境の変化が激しくなり、企業業績も短期間で大きく変化するといったことも見られるようになる中で、投資者に対し企業業績に関する情報をより適時に開示するということとともに、企業の中でより適時な情報把握により的確な経営のチェックが行われることが期待されるということで、二〇〇三年の四月からでございますけれども、東京証券取引所におきまして全上場企業に対する四半期開示が段階的に導入されたところでございます。
さらに、この間でございますけれども、二〇〇二年でございますけれども、経済界から、会計監査の基準の統一といった観点から法制化を検討してほしいという要請がございました。また、四半期開示制度が法定でなかったということもございまして、四半期業績の虚偽記載が生じた場合に法的責任が問えないといった指摘もあったところでございます。
そういった問題意識を踏まえまして、金融審議会での議論を経て、二〇〇六年六月でございますけれども、金融商品取引法の制定によりまして四半期報告が法制化され、二〇〇八年四月から施行されたという経緯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/67
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068・杉久武
○杉久武君 昨年、岸田総理が就任されたときの所信表明演説で、企業が長期的な視点に立って、株主だけでなく、従業員も取引先も恩恵を受けられる三方よしの経営を行うことが重要です、非財務情報の開示の充実、四半期開示の見直しなど、そのための環境整備を進めますと、四半期開示の見直しが示されたところです。また、今国会冒頭の施政方針演説でも同じ趣旨の発言が総理からございました。その後、金融審議会のディスクロージャーワーキング・グループで検討が重ねられてきたと思います。
ただ、私もつぶさに全ての報道を見ているわけではないんですが、当初は四半期開示の廃止はないという雰囲気だったと思うんですけれども、最近になって廃止前提の議論になっているかのようにも感じます。
そこで、金融審議会のディスクロージャーワーキング・グループではどのような議論になっているのか、金融庁に確認をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/68
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069・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
四半期開示につきましては、先ほどの経緯の中にもございましたが、法令上の四半期報告書と取引所規則の四半期決算短信が重複しているという点から、コスト削減の観点から見直せないかといった御意見がございまして、先日、四月十八日の金融審議会の作業部会でございますけれども、四半期報告書を廃止し、四半期決算短信に一本化する方針というものを事務局から示して、委員からおおむね賛同をいただいたという状況でございます。
また、委員からは、この一本化をする場合であっても、投資判断上重要な事項については開示が必要ではないかと、それからその情報の正確性の担保のため、金商法上の臨時報告書において短信と同じ内容の開示を求めるなど、エンフォースメントの仕組みを工夫すべきではないかといった御意見をいただいたところでございます。
これらの御意見も踏まえまして、四半期報告書を廃止し、四半期決算短信に一本化する方針といったもので今月にも取りまとめに向けた議論を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
なお、その上でということでございますが、決算短信の一本化に伴う様々な課題ございます。企業の状況変化に関するタイムリーな情報開示の在り方といったものと併せまして、開示内容、それからその虚偽記載があった場合の対応などについても、この夏以降も検討を継続してまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/69
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070・杉久武
○杉久武君 ありがとうございます。
今の答弁と若干重複するかもしれませんが、仮に今、四半期開示が、四半期報告制度が廃止された場合、過去に制度として存在した例えば半期の報告、また中間監査、こういったものについてはどういう方向性になるのか、現時点でお分かりになることについてお話しいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/70
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071・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、四半期の制度導入前は、有価証券報告書を提出する上場企業については、半期報告書が提出を求められていて中間監査が義務付けられていると。また、現行でも有価証券報告書を提出している非上場ございますが、ここにつきましては半期報告書の提出が求められていて中間監査が義務付けられているということでございます。
したがいまして、上場企業で、仮に第一、第三の四半期報告書を廃止した場合、一本化ということでございますけれども、じゃ、第二の四半期についてはどうするのかといったところがあるわけでございます。この点、審議会の議論でも、半期報告書の提出と中間監査を義務付けるべきといった御議論もございますれば、企業負担を考えれば中間監査を義務付けるべきではないんじゃないかといった御意見もいただいているところでございます。
いずれにせよ、御指摘の点も含めまして、一本化する四半期決算短信に係る論点につきましては、先ほど申し上げましたとおり、この夏以降も検討を継続してまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/71
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072・杉久武
○杉久武君 今回の四半期開示の見直しについては、やはりその業務の効率化というか重複している部分について、まあそこの部分について負担を軽減していくという方向性は理解はできますけれども、やはり後ろ向きにはならないようにしっかり議論を進めていただきたいと思いますし、その負担という意味では、やっぱり以前より言われていたのが会社法と金商法の二重開示でございます。株主向けの計算書類と有価証券報告書、この二重開示について、やはりこれこそ双方の負担になっているのではないかと私は思っておりますが、この指摘に関し、最近の検討状況について金融庁に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/72
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073・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
金商法に基づきます有価証券報告書と、それから会社法の要請を満たすための事業報告書でございます。制度上は、両方の要請を満たす一つの書類を作成して株主総会前に開示するということも可能になっているところでございます。同時に、例えば有価証券報告書では、事業報告書には求められておりません政策保有株式ですとかキャッシュフロー計算書といったものがございますので、記載事項には一定の差異があるということでございます。
こういった状況でございますので、金融庁といたしましては、例えば二〇一八年の十二月でございますけれども、法務省、経産省などと連携いたしまして記載内容の共通化を図るための対応を取りまとめまして記載例といったものを公表いたしましたり、それからやはり監査の問題がございますので、二〇二一年、昨年の八月でございますが、日本公認会計士協会の方で一体的開示に含まれる財務諸表への監査報告書に関する作成上の留意点といったものを公表されているところでございます。こういったことで一体的開示を行おうとする企業の支援を行ってきたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/73
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074・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 時間が参っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/74
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075・杉久武
○杉久武君 時間が参りましたのでまとめたいと思いますが、しっかりとこの部分についても引き続き検討していただきたいと思います。
本来なら非財務情報の部分についてもちょっと質問したかったのですが、時間になりましたので以上で終わらせていただきます。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/75
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076・大塚耕平
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。
ただいま専門家の杉委員のやり取りも聞かせていただきました。大変勉強になりましたが、私からも今回の法案に関して一つ確認をさせていただきます。
業務補助の期間を二年以上から三年以上に改めるということになっているんですが、二年以上で何か具体的な支障が生じているから見直すのか、それからもう一つ、配偶関係に基づく業務制限の見直しも行われますが、これも現行のルールで何か具体的な支障が生じているから見直すのか、その辺りの事実関係を簡潔にお答えいただければ幸いです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/76
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077・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
まず、業務補助期間の二年から三年への、延ばすという件でございます。これは具体的な話ということの前に、そもそも、企業活動のグローバル化、業務内容の複雑化、専門化といったものへの対応ですとか、また最近、合格者が、公認会計士試験の合格者が若年化しているということもございます。さらに、海外の国際的な教育基準を見ますと三年の実務経験といったことを踏まえまして見直したいというものでございます。
それから、もう一点目の配偶関係の方でございますけれども、こちらは具体的なものが実際に出てきてございます。現行の公認会計士法では、監査法人の社員の配偶者が会社の役員などである場合、監査法人はその会社に対して監査業務を提供することが禁じられているというわけでございますけれども、この業務制限に抵触するということで監査の受嘱といったり人事の調整といったものが行われてきているというふうに承知してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/77
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078・大塚耕平
○大塚耕平君 具体的な支障が生じているわけではないというふうに理解しましたので、改正の趣旨については理解をさせていただきました。
今日は、もう限られた時間ですが、これまでの金融政策について各委員からもろもろ御意見がありましたので、ちょっと私も元日本銀行の立場から現状について二、三意見を申し上げさせていただいて、最後に財務大臣に今日お願いしている質問の御答弁もいただきたいと思いますが。
アベノミクスと言われる経済政策体系を打ち出して、これで丸九年以上たったわけであります。三本の矢の解説をもう今更私はしませんが、この間にマネタリーベースは五倍になりました。で、日銀がマーケットに供給するその資金を五倍にする、当初は二倍と言っていたのがその二・五倍になったわけでありますが、これが企業や家計に回って、設備投資やあるいは消費や住宅投資に回って経済が好循環すれば、なるほどアベノミクスはそういう意図だったんですねということでハッピーエンドだったと思うんですが、残念ながら、同じ期間内にその実際に市中に流れるマネーストック、M3で比較してみますと、約一・三倍にしかなっていないと。マネタリーベースは五倍だけどマネーストックは一・三倍ということは、事実上ほとんど効果がなかった、所期の目的は達せられなかったというのは、もうこれは、へ理屈をもう言っている場合ではなくて、ファクトはファクトとしてもう認めざるを得ない局面に来ていると思います。
そうすると、後世、アベノミクスないしはその一本目の矢であった大規模な金融緩和、これをやりますといって登場したのが黒田さんですから、私は講演などではアベクロノミクスと言っているんですが、アベクロノミクスは総括すると何だったかというと、大規模な円安政策だったというふうに、もうこれはファクトとして整理されざるを得ないと思います。その実際の現象が今じわじわじわじわ起きているということだと思います。
私もあちらこちらでお話をさせていただく機会があるんですが、政治は、時に不合理であったり、場合によっては非合理なことも起きる世界なんですが、経済というのは、中長期的に見ると合理的なことしか起きないと、短期的にはちょっとこうゆがみも出たりするんですが、中長期的には合理的なことしか起きないと。だからファクトをよく整理することが必要ですということで、元日銀の立場で講演頼まれるときにはそういうお話をさせていただいています。
したがって、中長期的に、とうとうそのアベノミクスが政策手段として駆使した大胆な金融緩和のその合理的な経済現象が今起き始めているわけでありまして、グロスの円相場では、さっき大臣がおっしゃったように二十年前の水準、しかし国民の皆さんの購買力は五十年前の水準の為替相場です。こういう状況をもたらしてしまったというこのファクトはもう消せません。
で、さあ、黒田総裁、今日もあえてお招きをしていないんですけれども、答弁は大体もう想像が付きますから、大臣と日銀総裁のお立場で議論をする機会があれば大臣のお考えとしていろいろお伝えいただきたいと思いますので、私の意見を申し述べますけれども。
残された一年の間に微妙な軌道修正を黒田さん自身がされるかどうかというのが最後の大仕事であります。というか、これまでは、最初に大仕事をやったきり、後は余り大仕事とは言えない状況だったと思いますが。というのは、これ次の総裁に今のまま引き継いじゃうと、次の総裁は軌道修正するチャンスは最初の政策決定会合を逃すとなかなか難しい局面になっていくというのが、マーケット周りで長年こうずっと凝視をしてきた立場のもうこれは直感であります。
それで、先ほど熊谷委員が、そろそろETFも売った方がいいんじゃないかとかという、こういうお話もありましたが、私もそれは前から申し上げていまして、そもそも日銀の、そのマネタリーベース五倍にした反射効果として出てきた日銀の膨大に持っている国債は、これ全部償還するなんというのはどだい無理な話ですし、必要もありませんので、元日銀職員の私が言うのもどうかと最初は思いましたけれども、もうこれは具体的に言わなければいけないので、日銀保有国債の一部永久国債化ということを去年我が党は公約の一部に加えております。
これは、そのことによってこれは財源を捻出するということを前提に申し上げていますが、同時に、決して正常化を目指していないわけじゃないというシグナルをマーケットに送るためには、ETFとかREITを一定のルールの下で縮小していくということもやると。これをセットで申し上げています。
ただ、それをやる前に、今のYCC、イールドカーブコントロールを徐々に変更していく必要があると思っていまして、多分、ステップは三つです。最初は、長期金利のイールドコントロールすると言っているその期間を十年から七年とか五年に短くするという決定をする、ないしはその意思表示をする。その次には、長期金利のコントロールはやめますという第二ステップ。で、最後は、短期金利の引上げ、つまりマイナス金利をやめるということです。このステップがあって、それでも膨大に持っている国債は消えませんので、さっき申し上げたような資産政策もやらざるを得ないと。
御承知のとおり、G7やG20で大臣も御尽力いただいたと思いますが、その後の日銀の四月二十八日の政策決定会合では金融緩和継続を決定し、五月四日のFRBのFOMCでは逆に〇・五%の利上げと、あと、余りニュースになっていませんが、九兆ドルに膨らんだ資産の売却を始めるともう宣言したんですね。これ、実はダブル引締めなんです。
このままほっておくと、残念ながら中長期的には円はもっと安くなっていきます。それを前提に、それでも日本の経済や産業が立ち直り、日本の国際社会におけるポジションが悪くならない、こういう組立て、戦略を持ってそれを是とされるならば、それはまあ政権を担っていらっしゃるお立場ですからやむを得ないと思うんですけれども、もしそれはちょっと不確実性が高いなと思うならば、やはり一定の軌道修正をする必要があると思います。
そこで、今日、大臣にお願いしていますのは、最近の内外金利差拡大、特に日米金利差拡大に関する大臣の御所見をお伺いしたいという質問でございますので、今の私の個人的な意見も聞いていただいた上で、御所見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/78
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079・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) まず、金融政策について日銀の独立性ということもございますし、岸田内閣といたしまして、平成二十五年の政府、日銀の共同声明を再確認したという、そういう経緯もございます。その上で、先生から今様々お話ございましたが、政府としては、日銀が適切に運用していただけるということで独立性を尊重したいと、こういうふうに思っているところでございます。
その上で、日米金利差、これは、中央銀行の金融政策のみならず、いろいろな要因で決まると思いますが、日本におきましては、日銀による金融緩和の一環といたしまして、長短金利操作の下で長期金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の国債買入れを行うこととされているところでございますが、一方、アメリカにおきましては、足下の物価上昇を踏まえ、利上げを含めて金融緩和を見直す動きが進んでおりまして、こうした日米の金融政策の違いもあって足下で日米金利差が拡大していると、そのように承知をしているところでございます。
各国の金融政策は、それぞれの国の経済、物価、金融情勢に応じて実施されるものと理解をしておりますけれども、日銀においては引き続き二%の物価安定目標の実現に向けて適切に金融政策運営を行われること、これを期待をしております。
また、海外の金利状況も含めた経済動向が我が国の経済全般に及ぼす影響について引き続き注視をしていかなければならないと、そのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/79
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080・大塚耕平
○大塚耕平君 まあ公の場でおっしゃられることと政策の実務責任者同士で御議論になる内容には差があって当然だと思いますので、適切に御対応いただきたいと思います。
先ほど熊谷委員から紹介のあった安倍元総理の発言ですが、あの類いの御発言は、選挙期間中、去年の選挙期間中にも安倍元総理はあちこちでお話をされておられたようで、皆さん、一万円札は原価幾らで作られていると思っていますかと、十円ですよみたいな話をあちこちでされて、だからどんどん刷ればいいんですということをお話しになっていたようでありますが、まあやっぱり元総理としてそういうことをおっしゃるべきではないんですが、そう言われても仕方のないような中央銀行の姿をつくってしまった黒田総裁の責任は極めて重いということをOBとしては言わざるを得ません。
そして、安倍さんはもう一つお気付きいただきたいんですが、一国の元総理がそこまでの発言をすればマーケットは相当反応しなければならないんですが、発言には一切反応していません。そのことにも安倍さん御自身がどういうお気持ちを持たれるかというのは分かりませんけれども、いずれにしても、中央銀行と政府の関係がここまでの状態になっているということに目をつぶったり、この現状を直視しないと、結局、我が国の産業や経済が、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われたヴォーゲルさんの本が出てから四十年後に、今こういう状態になっているという、このプロセスを、今度は金融政策と、政府と日銀の関係を原因として、再現というか、また新たなミゼラブルな展開を呼ぶことになるということを国会議員の一人として大いに懸念をいたしておりますので、そのことをお伝えしまして、質問にさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/80
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081・浅田均
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
今、大塚委員の質問かなり面白かったので、続きをやるともっと面白いかなと思っているんですけど、ちょっと後回しにして、議題になっております公認会計士法の方から何点か質問をさせていただきたいと思っています。
私も、何で二年を三年にするのかというのと、配偶関係のところをお尋ねするつもりだったんですけれども、これはもう大塚先生のところで済んでおりますので、別の観点から何点か質問させていただきます。
今回、杉先生、公認会計士いてはりますけど、私も知り合いの公認会計士さん何人かに取材をしてきました。そこで何人かの方がおっしゃっていたことは、先ほど来、四半期報告とか、より企業支援とかを強くするというような御答弁があったんですけれども、若い公認会計士さんにとりましては、非常に通知がいっぱい来て、法改正があって、とにかくもう働く時間がやたら長くなってしまったと。で、労働環境が悪い。
こういう点に関しまして、働き方改革ということを進めて、同時に進めておられると思うんですけれども、金融庁として、若い公認会計士さん、勤務環境が極めて悪い、とりわけ労働時間が長いと、こういう監査法人の労働環境に関してどういうふうな御認識をお持ちなのか、お尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/81
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082・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 大手監査法人の透明性報告書等によりますと、監査従事者の平均執務時間は令和三年度で年間一千八百時間から二千時間程度となっており、厚生労働省の統計における令和三年の全産業平均である年間千六百三十三時間より長時間となっております。特に、毎年四月や五月は三月決算の企業の監査が集中することから執務時間が長くなる傾向にあると、そのように承知をしております。こうしたことから、監査現場からは、執務時間が長く、業務に追われるという指摘も聞かれます。
高品質な監査を行うためには、十分な監査時間を確保することも必要でありますが、同時に、公認会計士が心身共に健全に監査に取り組める、そういった労働環境も重要だと考えております。
そこで、各監査法人におきましては、ITの活用等による業務の効率化、労働状況のモニタリングの徹底など、働き方改革の取組を進めていると承知をしており、引き続き、働きやすい環境の整備が進められることを期待をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/82
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083・浅田均
○浅田均君 今大臣から御答弁いただいたとおり、年間労働時間が千六百三十三時間よりかなり長い、多いですよね。これが多分原因になっていると思うんですけれども、辞めていく方が多いと。だから、辞めていく方が多いから、業務量としてはこれまで以上のマンパワーを要求されているのに供給側が少なくなってしまっているというふうに思われますけれども、この点に関してはどういうふうに御認識でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/83
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084・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
先ほど大臣から答弁ございました労働環境の厳しさなどを背景といたしまして、監査法人の離職者が多いというふうな指摘もいただいているところでございます。ある大手監査法人の透明性報告書によれば、二〇二一年度の正職員の離職率は八%というふうに上ったと公表されてございます。また、公認会計士登録者に占めます監査法人に所属している者の割合でございますが、過去五年、低下傾向が続いてございます。監査の現場から離れる公認会計士がそれなりにいるということがうかがわれるところでございます。
こうした中、監査法人におきましては、監査チームにおける人材配置、業務分担の調整、ITの活用による業務の効率化などを進め、適切な監査の実施に取り組んでいるというふうに承知してございます。あわせて、人材確保ということで、業務の魅力の向上や労働環境の改善も進められているというふうに承知してございます。
職場としての監査法人の魅力を高め、優秀な人材を確保するということは、監査品質の向上を図る観点からも重要というふうに考えてございまして、監査法人による一層の取組に期待しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/84
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085・浅田均
○浅田均君 今も御答弁の中にありましたけれども、監査法人から離れていく人が多いということで、それで、先ほど、これ大塚委員の資格獲得に必要な二年の期間をどうして三年にするんですかという質問に対して、グローバル化が進んでいる等、それと海外では三年であるという御答弁があったと思うんですけれども、これ、何を隠そう、会計士さんの人手が不足しているんで、二年を三年にしたらまあその人手不足が解消できるかもしれないといううがった解釈もできると思うんですけれども、それだったら二次試験の合格者の数を増やすとか、ほかにも方法があると思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/85
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086・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 監査法人等での実務経験期間の二年から三年への見直し、これは監査法人の人員確保を意図したものではございません。
公認会計士試験の合格者につきましては、試験を通じて必要な学識やその応用能力を備えた合格者を確保することが重要であると考えております。公認会計士の人数を増やすために試験の合格者数を増やすことは、この点を踏まえて考える必要があると思っております。
一方で、公認会計士試験の合格者数については、受験者数の増加に伴って増加傾向にございます。公認会計士の人数を増やしていくためには優秀な受験者を引き付けていくことが、これが肝要であると思いまして、公認会計士・監査審査会では公認会計士の魅力に関する広報活動などを進めているものと承知しております。そうした受験者の裾野拡大の取組を着実に進めていくこと、これが大切であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/86
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087・浅田均
○浅田均君 今大臣の方から公認会計士の魅力向上とか御答弁があったんですけれども、何か聞くところによると、監査法人に就職してパートナーにならないと退職金がないとか、ほとんどの人は退職金もらえないと、だから民間企業の財務部門とかそういうところに転職される方が多いというふうに聞いておりますので、魅力向上の中にそういうことも含めていただけたらなとは思っております。
この法案で一番僕が知りたいのは、お伺いしたいのは、業界が自主規制で二年を三年にするとか自主的な判断でやっておられると、それでうまくいっていればいいんですけれども、どうして法制化する必要があるのかということに関して甚だ疑問に思っておりますので、その点について御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/87
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088・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 日本公認会計士協会の自主規制による登録制度につきましては、上場会社の監査の品質確保に一定の役割を果たしてきたものの、近年、大手監査法人から中小監査法人へと監査の担い手の裾野に広がりが見られる中で、規律としての実効性や運用の厳格さを一層高めるべきとの指摘でありますとか、諸外国では上場会社等の監査を行う監査事務所に対し公的な監査監督機関による規律付けが行われているとの指摘もなされているところでございます。
今般の法律により、今般の法案により法律に基づく登録制度とすることで、協会は登録に際し監査法人が業務を公正かつ的確に遂行するに足りる人的体制が整備されているかなどを確認することとなるとともに、登録された監査法人は監査法人のガバナンスコードの受入れや情報開示の充実といった監査の品質確保に必要な対応を求められることになります。
これらによりまして、法律上の登録制度の下で登録を受けようとする監査法人は適切な体制整備を行うことが必要となるために、会計監査に対する資本市場からの信頼性を一層高めていくことができるのではないかと、そのように考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/88
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089・浅田均
○浅田均君 ありがとうございました。
それでは、先ほど大塚委員の方から、大塚さんは金利差というところで質問されましたが、私も結論的には同じなんですけど、為替レートのことで、為替レートという見解から質問をさせていただきたいと思います。
今、円安がすごく進んでいて、二十年ぶりに百二十六円を上回った、それが今日は百三十円です。だから、まだまだ円安は進むというふうに思っております。
大臣は先ほど、急激な為替の変動は大変問題があると、注意深く見守っていただきたいと、いきたいと、財金の前の委員会でもそういうふうな答弁をされております。
大変問題があってというところで、果たしてどうするんですかというところになるんですけれども、まあ円安が進んで、昔はそれでメリットの多いところが多かったんですけれども、中小企業とか家計にとってはこれから大変な時代がやってくるんではないかという心配を強くしております。
それで、日銀は日銀で見解をお持ちだと思うんですけれども、今日は財務大臣に、為替介入をするとかしないとかいうことになりますと財務大臣になりますんで、今の円安、どこまで辺りが許容範囲であるというふうに考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/89
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090・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) これまでも相場の水準につきましては、私の不注意な発言が影響してもいけませんのでコメントを控えさせていただき、おりますけれども、円安の許容範囲というのはまさに相場の水準そのものの御質問でございますので、コメントは控えさせていただきたいと思います。
先生からもただいま御指摘ございましたが、いずれにしても、為替の安定、これは重要でありますし、最近のような急速な円安の進行、これはもう望ましくないということでございますので、政府としては、為替市場の動向、それから日本経済への影響、こういったことを緊張感を持って注視をしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/90
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091・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 申合せの時間が過ぎております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/91
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092・浅田均
○浅田均君 続きはまた黒田総裁等をお招きして、大臣にも質問させていただきたいと思います。
終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/92
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093・大門実紀史
○大門実紀史君 大門です。
公認会計士法についてはもう既に議論ありましたんで、今日、金融に関わる別の問題で質問をさせていただきます。
資料を配っていただいていると思いますが、五月の五日に岸田総理がロンドンの金融街、シティーで講演をされまして、新聞記事にあるように、貯蓄から投資へということで、日本の個人金融資産二千兆円を貯蓄から投資へ誘導すると、なおかつ資産所得倍増プランというのを始めると表明をされました。
金融庁、これは何をおっしゃっているのか説明をお願いできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/93
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094・井藤英樹
○政府参考人(井藤英樹君) 総理の講演自体、金融庁は必ずしも詳細を存じ上げているわけ、あの、報道されているベースあるいは官邸で公表されているベースでは全部承知してございますけれども、昨今では、人生百年時代と言われますように、急速な高齢化の進展や、働き方を含む人生の多様化など、社会環境の変化が生じてございます。こうした中、各個人が生涯にわたって豊かな人生を送るためには、老後の人生や様々なステージで必要となる資金を確保するため、安定的な資産形成に取り組むことが重要だというふうに考えてございます。
こうした背景からは、富裕層に限らず、中低所得者層を含めた全ての方が資産形成に取り組みやすい環境を整備することが必要だというふうに考えてございまして、そのため、金融庁といたしましても、貯蓄から資産形成へという方針を掲げ、各個人の家計の安定的な資産形成を後押しするための各施策に取り組んでいるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/94
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095・大門実紀史
○大門実紀史君 貯蓄から投資へというのは今までも言われてきましたけど、資産所得倍増というのはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/95
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096・井藤英樹
○政府参考人(井藤英樹君) まさに金融資産のことに関するものであれば、金融資産から生じる所得、例えば配当所得ですとか、売却した際にはいわゆるキャピタルゲイン所得というものが出てくるわけですけれども、そうしたものによる所得を倍増していこうという御趣旨かと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/96
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097・大門実紀史
○大門実紀史君 やっぱり、これわざわざロンドンでおっしゃったんだから、資産所得でしょう、この倍増の意味が分からないんですけど、利回りが倍になるということはあり得ないですよね、利回りはね、なんですよね。
そうすると、どういうことなんですか、これ。貯蓄から投資だから、今まで預金しかしていなかった人が、今利息幾らぐらいですかね、例えば年間百円ぐらいですよね、ですね、その方が株に投資をしたら二百円は確保してあげますよというようなことなんですかね。こんなのロンドンでわざわざ言うような話じゃないと思うんだけど、ちょっとこの資産所得の倍増は何を根拠に、これ、やっぱり海外で、ロンドンの金融センターでおっしゃったんだからちょっと責任ある発言だと思うんですけど、資産所得の倍増が、どういう根拠があって大体そんなこと言えるのかなと思うんだけど、何でおっしゃったんでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/97
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098・井藤英樹
○政府参考人(井藤英樹君) 繰り返しになりますけれども、今、日本の家計の金融資産はいわゆる銀行預金が非常に大きな割合を占めていて、先生御承知のとおり、銀行預金については現状ほとんど金利が付いていない状況にあると。
当然、投資というものについてはリスクというものがございまして、必ずしも増える場合だけとは限りませんけれども、例えばこれを長期、分散、積立てで投資していくと、過去のデータによりましても、比較的、貯蓄にして、としているよりも、貯金という、預貯金という形で保有しているよりも平均的には利回りが良いというような結果も出てございますので、そうしたことを推し進めることによって、今まで、預金に眠っているようなお金を金融商品で、もちろんどのようなリスク選好されるかということもございますけれども、運用することによってそういった金融投資による所得を増やしていこうというお考えかというふうに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/98
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099・大門実紀史
○大門実紀史君 この新聞記事にもありますけれど、インベスト・イン・キシダって呼びかけられていますね。これは、もう覚えていらっしゃる方いるかも分かりませんが、安倍政権始まった二〇一三年の六月ぐらいですかね、同じロンドンで安倍さんが、インベスト・イン・ジャパンですかね、という言い方をされて、その秋に、あの、かの有名な今度はニューヨークの証券取引所に行かれて、バイ・マイ・アベノミクスですか、そういうようなことを言われたんですよね。多分、それをまねしてインベスト・イン・キシダと言われたと思うんだけど、あのときは株価が急上昇して、私たちはそれに意見ありますよ、あるんだけど、株価が急上昇した勢いみたいなもんで安倍さん言われたんだけど、今回何もないですよね、そういう背景とか。なぜこんな、急にこういうことを言われたのかちょっと分からないんですけれども。
鈴木大臣、このロンドンでの岸田総理の発言、何か御相談受けておられたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/99
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100・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 事前にお話は聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/100
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101・大門実紀史
○大門実紀史君 すると、岸田さんが急に言い出したということですね。
ちょっとやっぱり、大体岸田さんの所得倍増という話は危ないんですけれども、今までもですね、今までは所得倍増計画ということを総裁選挙のときに、もう公約と自分でおっしゃっていましたが、掲げられて、例えば九月八日のダイヤモンド・オンラインなんかではもう具体的に、分配機能を強化して中間層を拡大して、国民全体の所得を引き上げると、私の公約とまでおっしゃったんだけれども、所信表明演説、最初の、これもうすっぽり抜け落ちてね、例の一億円の壁と同じですよね、もうすっかりなくなってしまったんですよね。これだってあれですよ、所得倍増といったら、三%の賃金引上げだと、倍にするには二十何年掛かるんですよね。そんなことを平気でおっしゃって、簡単に取り下げられたわけですね。
その後、去年の十二月なんかは、経済三団体の新年祝賀会に出席されて、今度は若者所得倍増ということをおっしゃって、これはもうほとんど誰も注目しなかったんですよね。
しかし、こういうことを、また繰り返し一国の総理が所得倍増、何とか所得倍増ということを繰り返し発言されるのはちょっといかがなものかと私本当に今回特に思ったんですけれど、内閣の一員として、鈴木大臣、いかがお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/101
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102・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 大門先生から御指摘のありました所得倍増につきましては、新しい資本主義を実現していく観点から、成長と分配の好循環を生み出すため、所得の引上げ、すなわち人への投資が重要であるという考え方を基本的に示したものと、そういうふうに認識をしているところでございます。
私といたしましても、成長と分配の好循環によりまして持続可能な経済を実現するため、まずは所得の向上につながる賃上げを早期に実現していくこと、これが重要であると考えておりまして、賃上げ税制の拡充に加えまして様々な施策を動員をして、こうした賃上げ実現に向けてしっかりと取り組んでいくこと、これが重要であるということが私の所感でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/102
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103・大門実紀史
○大門実紀史君 賃金引上げ等とおっしゃるの、それは何も申し上げているわけではありません。倍増、倍増という言葉を軽く使われることについて申し上げているわけでありまして、まあ先ほど言いました所得倍増とか若者所得倍増はもう、また言ってるわみたいな、ああそうですかみたいなことだったと思うんですが、この資産所得倍増というのはそう簡単にああそうですかと、また言ったんだというふうに済まないんですよね。海外の金融センターでわざわざ打ち出されたということと、貯蓄から投資へという一貫した金融庁といいますか政府の方針がなかなかうまくいかないところで何かこれでいろいろやるというふうなことも打ち出されているわけでありまして、何といいますかね、そうかと思って、私は投資をすることは否定しませんけれど、自分の、ちゃんと調べて責任持って、わざわざまたこれで何か呼び込もうというようなことを非常に危惧を感じるわけですよね。
それで、この総理の記事の中にもありますけれど、日本の個人金融資産の半分以上が現預金で保有されて、この十年間でアメリカでは家計金融資産が三倍になったと、英国は二・三倍になったのに我が国では一・四倍にしかなっていないというふうなことを、されておりますね。
じゃ、まず聞きますが、なぜ日本は伸びなかったんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/103
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104・井藤英樹
○政府参考人(井藤英樹君) お答えいたします。
日本の家計の金融資産の伸びが米国、英国と比べて低いことは様々な要因が考えられますが、その中では投資による運用リターンの差も大きく影響していると分析しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/104
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105・大門実紀史
○大門実紀史君 二枚目に、その二・六倍、三・四倍、この比較の表がございます。
よく金融庁が言うのは、今ちょっと省略したのかも分かりませんが、アメリカと日本で、イギリスも含めてもいいんですけど、要するにアメリカの家計金融資産というのは株の構成が多いと、日本は少ないというようなこと、ポートフォリオですね。
じゃ、これはちょっと別なんですけれども、なぜそういう構成比になっているかなんですけど、アメリカと日本で株の構成比と貯蓄の構成比が、日本は貯蓄の方が多いわけですね。これなぜかというと、これは一番の原因は、リスクを取らないとかそういうことじゃなくて、高齢化比率なんですよ、高齢化比率なんですよ。アメリカの高齢化比率は、今一番新しい数字でいきますと、人口に占める六十五歳以上ですね、一四・六%なんですね。日本はもう二六・六%で、アメリカは、若い人は長期的なリスクが取れるんですよね、まだ若いからですね。高齢になりますと、もうそのリスクは危なくて取れないんですよね。そういうことが根底にある。私が一人言っているんじゃないですよ。こういう研究もちゃんとされているわけですね。したがって、その構成比云々というのは、だからといって何か教育したら変えられるとか、そういうものではないということなんですね。
その上で、この差は何だといいますと、これは私の資料の一枚目の下の方に付けさせていただきましたけれども、そもそもこれ伸びているのはなぜ伸びているのかと、各国ともですね。みんなの金融資産が増えたわけでも何でもないんですよ。この一枚目の下の資料でいいますと、準富裕層以上、準富裕層、富裕層、超富裕層、この部分がアメリカも日本もイギリスも大幅に伸びているから何倍かにこうなっていっているわけですね。このグラフを使って日本は伸びておりませんということを言うならば、何を意味しているかというと、富裕層がアメリカの方がもっと増やしていますよと。これだけの話なんですよ、これだけ言えばね。
このグラフとかこの数字を持ってきて、何か日本全体の金融資産の増え方が少ないと、全体のですね、国民みんなの金融の、預貯金含めてですね。そういうことに使う数字ではないんですよね、これね、グラフではないんですよね。それをもって何か日本はポテンシャルがあるというようなことでおっしゃっているというのは、ちょっとそもそも金融庁がかんでないということなら、総理の周りの人が勝手にやったのかも分かりませんが、基本的な、何というか、認識とかデータが違うということなんですね、ここでおっしゃっている、ロンドンでおっしゃったのはね。これはちゃんと指摘しておいた方がいいじゃないかというふうに思います。
その上で、そうすると、これはあれですかね、もっと聞いても分からないですか、これ、金融庁に。例えばNISAが、NISAを拡大して、拡大するということと、何か仕組みをつくって資産所得倍増を実現すると。NISAの拡大と資産所得の拡大は比例しませんし、もう一つの、これ、どういうことなんですかね、預貯金を資産運用に誘導する仕組みの創設、新しい仕組みをつくると。これは何が考え得るんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/105
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106・井藤英樹
○政府参考人(井藤英樹君) まず最初のNISAの拡大と金融所得の増大が相関しないんではないかというお話ですけれども、NISA制度は二〇一四年、つみたてNISAは二〇一八年に開始した比較的新しい制度でございますので、マクロの家計金融資産の伸びに与える影響について確定的なお答えをすることは難しい状況ですけれども、一般論としては、NISAを通じた金融資産の保有が増加すれば、そのNISAを通じて保有している者にとっては資産所得を相応に増加するものというふうに考えてございます。
総理がロンドンでおっしゃられた、今後、じゃ、具体的にどのようなその施策を講じていくのかという点でございますけれども、その点につきましては、政府といたしましては、六月までに新しい資本主義のビジョンと実行計画を取りまとめるというふうに承知してございますので、金融庁として今後どのような施策を講じていくべきか、幅広い観点から検討してまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/106
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107・大門実紀史
○大門実紀史君 資産所得倍増というのは不可能だと思いますよ、どんなことやったってですね。だから、そういうものを打ち出されるということの無責任さをちょっと先ほどから言っているんですけれども。
そもそも、貯蓄から投資へなぜ進まないのかということをやっぱりもうずっと言ってきて、これは一九九六年の金融ビッグバンのときに最初にこの言葉が出てきて、あれですね、二〇〇一年、私、国会へ来たのが二〇〇一年ですけど、小泉内閣のときの骨太方針にぐっと最初に出てきたのは、貯蓄から投資へという言葉だったんですね。もう二十年以上やって余り進まないですよね、まあ少しは進んでいるのかも分かりませんけど。これ、なぜなのかということをちゃんと考えないといけないと思うんですよね。
その小泉内閣の骨太方針もそうですが、あのときは不良債権が大変な問題になっていて、つまり、銀行の間接金融というのはリスクがあると、不良債権を抱える。これからは間接じゃなくて直接金融、家計から企業にお金を貸してもらおうと、投資してもらおうという、間接金融から直接金融への流れをつくろうみたいなことがまずあったんですよね。あって、その流れが来ているんですね。何か、国民みんなにもっと所得増やしてもらおうじゃなくて、金融機関の理由から始まっているんですね。
しかも、家計が企業に投資する、株を買ったって、これは企業にお金は入らないですよ。市場に出回っている株を売ったり買ったりするだけで、企業に投資したことにならないですよね、新株発行に関われるとき以外はですね。ほとんど、余り貯蓄から投資にならないんですよ。ただ株式市場に呼び込むだけなんですよね。
誰がこれで得するのかなと、メリットがあるのかなということなんですけれども、金融機関ですね。この話の始まりの、二〇〇一年の不良債権処理があって、金融機関の、金融機関というのは預金も貸出しも両方リスクはありますから、リスクを取らない方法は何かと。これは、家計から直接投資商品、金融商品を買ってもらって、そのリスクは買った人が負いますよね。で、金融機関は手数料が稼げますよね。そういうビジネスモデルの転換があったんですよ、転換が。
だから、この貯蓄から投資へというのは実は金融機関のために始まった戦略でありまして、金融機関はもうリスクを取らないで手数料だけ稼げると、今そうですね、今、もうほとんど金融機関の収入は手数料ですよね。で、リスクは買った本人に取ってもらうという話が始まりだったと思うんですが、井藤さんの認識はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/107
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108・井藤英樹
○政府参考人(井藤英樹君) 金融行政は、不良債権処理等を通じて様々な取組を行ってきました。
その背景について、大門先生がおっしゃるような御指摘をされる方もいらっしゃるというふうには承知しておりますけれども、私ども、いわゆる貯蓄から投資へというのは、決して金融機関のリスクテーク能力の話だけに端を発したというか、少なくとも現時点において、その部分について大きなその認識を持っているということでは必ずしもございませんで、やはり、例えば預金においては金利が極めて低い状況である、あるいは預金で持っていると、まあ今後どうなるか分かりませんけれども、いろんな資産価格の変動に対しても脆弱な部分があると。
こういったことも様々踏まえまして、健全な形で金融商品というものを保有していただくことによって相応のいわゆる金融収益というものを上げていただくことが家計にとってもよいのではないかというふうに考えておりまして、こうした施策を従来より進めさせていただいているところでございます。
なかなか成果が上がらないのではないかというようなお叱りは我々もじくじたるところあるんですけれども、今後どのような施策が家計にとってもいい形で講じていけるのかという観点から、様々検討してまいりたいというふうに考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/108
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109・大門実紀史
○大門実紀史君 そうですね、私もこの議論はずっとしてきて思うんですけど、幾ら貯蓄から投資へということで、あの手この手で、金融庁のホームページもいっぱい、いかにもリスクがないような言い方したり、いっぱいやっていますけど、それで、家計というのはそんなばかじゃないですよね。単に臆病だとか知らないとかじゃないんですよね。家計は家計でちゃんと考えて判断していると思うんですよね。
その点でいきますと、何が一番、もしも、貯蓄から投資へということを、私は余り政府はあおるべきではないと思いますが、国民の行動として、貯蓄から投資へということをそれぞれの国民がお考えになるとしたら何が必要かということでいいますと、やっぱり貯蓄の最大の理由は、これはもういろんなデータで明らかですが、将来不安ですよね、老後の不安、年金が減る。ですから、その将来不安をなくす、社会保障制度を年金も含めて立て直していくことがあって初めて金融資産を、ためてためてじゃなくて、自由度が生まれて、投資にも回そうということになるわけですよね。根本的にそれがない限りこの貯蓄から投資というのは進まないということをやっぱりもう考えるべきではないかというのが一つでございます。
あとは、金利を、今金利が低いから投資へと言いますけど、金利を上げた方が、金利を上げた方が投資に回ると私は思います。例えば年金、年金じゃないですね、高齢者の、高齢者だけの限定した金融資産の、幾ら持っているか、二千何百万という数字ありますよね。これ二%の金利を付ければ、それで四十万、五十万になるわけですよね。そういう余裕を持ってもらった方が投資にもお金が行くと。もうぎちぎちで、何か追い込んで、金利ゼロで追い込んで向こうへ回せといったって、それリスク取れないですから。そういうことが一番大事だというふうに思いますし、金利引き上げれば年金の利回りも、運用利回りも改善しますので、そういうちょっと根本的なこと考えないと、ただ金融庁が、政府が一生懸命貯蓄から投資とあおっているだけでは何も解決しないのではないかというふうに思います。
もう一つは、今大事なのは、企業の貯蓄が過剰になったまま、貯蓄超過になったままずっと来ていることですね。家計よりも企業が投資をしろと、すべきだということをやっぱり、内部留保課税の問題提案させてもらったりしておりますけど、企業の貯蓄にもっと注目しないと、超過になっていますからね。
そういうことも含めて、最後に鈴木財務大臣に、あっ、金融担当大臣に一言。もっと全体として、この貯蓄から投資を考えるのなら、ただ教育したり、大丈夫だ大丈夫だとか言うんじゃなくて、全体として政府の政策がきちっとしない限り貯蓄から投資へというのは進まないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/109
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110・鈴木俊一
○国務大臣(鈴木俊一君) 日本の金融資産、今二千兆円と言われて、その半分の、約半分が預貯金であるということで、やはりこれをそのまま寝かしておくよりも、やはりこれを投資に回してもらってお金をぐるぐる回すということ、これは重要な基本的な考えだと思います。
しかし、実際のところ、先生の御指摘のように、なかなかこれが実現できていないということには、先生から御指摘ありましたようにいろんなことを考えなくちゃいけないんだと思います。例えば将来の不安を解消するということ、それから、誰が利益を受けるのか、まあ金融機関がと、こういうお話ありましたけれども、実際に老後二千万円必要だということになれば、若い世代のうちからNISA等も活用していただいて、そうした資産形成もやっていただくということになれば、これは国民の利益にもつながることだと思います。
いろんな観点がございますので、こうしたことを整理をしながら、今までやろうと思ってもなかなか進まなかったことを実効性あるものに変えていく必要があるんだと、そういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/110
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111・大門実紀史
○大門実紀史君 終わります。ありがとうございました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/111
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112・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、末松信介君が委員を辞任され、その補欠として滝波宏文君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/112
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113・浜田聡
○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
今回は、公認会計士法及び金融商品取引法の一部を改正する法律案の審議ということで、まず法案に関する質問をさせていただきます。
今回の法改正と関連することとして、まず株式市場の上場直後の企業の業績修正が頻発していることを話題として取り上げたいと思います。
幾つか具体例を挙げていきます。スマホゲーム開発のワンダープラネットがマザーズに上場後、僅か二か月で業績を大幅に下方修正して、信頼、信用を落としています。パーソナルトレーニングを提供するトゥエンティーフォーセブンも、上場後一か月で業績を下方修正したことによって株価が三分の一になるまで下落を招きました。ゲーム開発のgumiも、上場から三か月で業績の下方修正を行っております。
個々のケースでそれぞれまずい点というのが異なるとは思いますが、それでも、上場前の監査に問題があるのではないかというのは、多くの方、問題点として抱くのではないかと思います。これらのケースはいずれも監査事故と言ってもいいのではないかと考えております。
こういう状況ですので、少し大ざっぱな議論かもしれませんが、今回の法改正の内容についてはこういった問題解決、監査事故の解決に寄与するのかどうか、大変気になるところでございます。
そこで、金融庁の方にお聞きします。
今回の法改正では監査事故を予防することに寄与することにつながるのか否か、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/113
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114・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
まず、御指摘の点は業績予想の方の数値の変更ということでございまして、決算自体の数値の変更ということではございませんので、業績予想の方は監査の対象では必ずしもございませんのでちょっと対象が違うというところはございますけれども、当然、先生の御指摘に絡んでまいりますけれども、過去の実績である決算数値というものが業績予想の非常に大事な前提ということでございます。その観点からも、監査法人による財務諸表に対する監査というものは重要であると考えてございます。
その上ででございますけれども、御指摘の企業の上場直後の業績予想の修正の新規公開をめぐる問題への対応につきましては、日本取引所グループも二〇一五年に新規上場企業に対しまして、上場時に公表される業績予想について、前提条件、その根拠の適切な開示というものを要請してございますし、あわせて、こうした日本取引所グループによる対応について、監査法人、証券界など関係界に対しても協力要請を行っているところでございます。こうした動きを受けまして、同じ年の四月でございますけれども、日本公認会計士協会が監査法人に対しまして適切な監査の実施といった対応を要請しているところでございます。
当局といたしましては、監査法人の関係者が、監査法人などの関係者が引き続きこうした対応にしっかり取り組んでいくことが重要であるというふうに考えてございます。
その上で今回の法案ということでございますけれども、適切な監査の実施という観点から上場会社監査事務所に対する登録制度の導入というものを盛り込まさせていただいてございまして、そういったものを通じまして監査品質の一層の向上を図ってまいりたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/114
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115・浜田聡
○浜田聡君 私の指摘の補足もいただきまして、どうもありがとうございます。今回の改正案が、御答弁いただきましたように、しっかりと機能して監査事故が発生しないよう、今後の推移を見守っていこうと思っております。
次に、今回の法改正の内容の中で、公認会計士・監査審査会によるモニタリングに関することについてお聞きしていきたいと思います。
今回の法律による制度変更後は、公認会計士・監査審査会の立入検査等において、監査法人等の業務運営に加え、虚偽証明等の検証も行えることとするとのことであります。これまでこういった検証には金融庁が関わってきたと承知をしておりますが、制度変更後は、金融庁の指摘を得ることなく公認会計士の監査審査会が行うことができる権限が与えられると承知をしております。
この制度変更について、私の知り合いから次のような指摘をいただきました。監査法人を金融庁が関与せずに公認会計士審査会が検証することについて、その中立性は保たれているのかという指摘でございます。
そこで、金融庁の方に引き続きお聞きします。このような指摘について、御説明というか見解を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/115
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116・田原泰雅
○政府参考人(田原泰雅君) お答え申し上げます。
公認会計士・監査審査会でございますけれども、公認会計士法及び金融庁設置法に基づきまして金融庁に設置された合議制の行政機関ということでございます。
審査会の会長と委員でございますけれども、公認会計士に関する事項につきまして理解と識見を有する者を両議院の同意をいただきまして内閣総理大臣が任命するということとされておりまして、任命に当たりましては、恣意性を排除して公共性、中立性を確保する観点から、関係する幅広い分野から公正かつ均衡の取れた構成とするということとされているところでございます。したがいまして、現在、審査会の会長、委員は、学識経験者、市場関係者、公認会計士、弁護士などから構成されているということでございます。
公認会計士法の規定によりまして、審査会の会長と委員は独立して職権を行うこととされておりますし、自己に関係のある議事については議決に加わることができないといった措置も講じられておりまして、審査会の運営につきましては中立性がしっかり確保されているものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/116
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117・浜田聡
○浜田聡君 説明いただきましたように、それなりに中立性については保たれているものと判断をしました。
次に、日本国内のいわゆる四大監査法人に関する状況について、少し気になることがありましたので、それについてお話ししたいと思います。今から述べることは決して法律違反ではないのですが、それでいいのかどうか少し気になるということでございます。
四大大手監査法人による監査なのですが、それぞれの監査法人が監査する企業がその企業のメーンバンクによって固定しているように思われることでございます。例えば、三菱系金融機関がメーンバンクの企業はデロイトトーマツに依頼することが多くて、あと、住友系金融機関がメーンバンクの企業はPwC、あずさに依頼することが多いのではということでございます。繰り返しになりますけど、このことはもちろん法令上全く問題ないと思うわけですが、監査の中立性という点で何となく気になるわけでございます。
私自身はこの業界について詳しいわけではありませんので仕方ないのかもしれませんが、門外漢からすると、見えない不文律のようなものがあるように感じております。ひねくれた見方かもしれませんが、監査法人が監査している企業の不利益な指摘もすべきだと思うんですけど、このように監査法人が系列や関連企業のような状況になってしまうと、正確に監査できるのかどうかというのが疑問として生じるわけでございます。
現状、監査法人が系列や関連企業のような状況になっていることについて御見解をいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/117
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118・古澤知之
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
会計監査を適切に実施していくためには、監査人が企業からきちんと独立しているということが非常に重要であると考えてございます。
御指摘の監査法人が系列や関連企業のような状況になっているのではないかということは、御指摘いただきましたので、またそういった報道も我々承知してございますので、改めまして、時価総額上位三十社ということで、当該企業の監査人とそれからメーンバンクの監査人といったものがどういうふうに重複しているかといった点も点検いたしましたところ、必ずしも上場企業の監査人がメーンバンクの監査人という形には偏っている状況にはなかったということでございます。
先生の御指摘の監査人の独立性ということは、日本公認会計士協会の倫理規則におきましても、依頼した依頼人からの独立した立場を保持し、他の者からの不当な影響を受けず、外観的な独立性も保持するということが規定されているところでございます。
監査法人におきましては、こうした規定も踏まえて、引き続き独立性の確保に努めつつ、適正な監査を実施していただきたいと考えてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/118
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119・浜田聡
○浜田聡君 御答弁ありがとうございます。
各企業が持つ経営倫理に頼ることなく監査の中立性が確保できるような規定を今後研究していってもいいのかなということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
次に、参議院の本会議、そして各委員会の理事会の在り方についてのお話になります。支援者の方々からいただいた意見を基に、参議院はこうすべきではないかと思ったことについて事務局の方に二点伺いたいと思います。
もちろん、会派みんなの党は参議院改革協議会に参加させてもらっておりますので、その場で訴えるべきことであるとは重々承知しておりますが、一方で国民の皆様にも是非とも周知したい内容でありますので、今回委員会で取り上げることを御容赦いただきたいと思います。
まず、参議院本会議の押しボタン式投票についてでございます。
二〇二〇年四月から、コロナ禍におきまして、参議院本会議において大幅な座席変更が行われました。本会議場では、各議員が一席ずつ間隔を空けて着席するようになりました。採決は、押しボタン式の投票装置がない席も利用したため、従来の押しボタン方式ではなく、起立方式で行われるようになりました。押しボタン式投票であったときは、議案に対する議員個々の賛否を明らかにすることで議員の政治責任をより一層に明確にできることや、情報公開及び表決の迅速化が可能でありました。ただ、それが変更された現時点ではそれがかなわない状況であると思います。
押しボタン式投票というのは衆議院にない制度であると承知をしております。衆議院でも是非とも導入すべきと考えますが、ひとまずは参議院でもこれを再開すべきではないかと考えるわけで、少し私の方から提案の方をさせていただきたいと思います。
現在のように本会議場で一席ずつ間隔を空けての着席を今後も続けていくべきではないかと思うわけでございます。それを前提として、押しボタン投票装置を各席に設置してみてはということでございます。
これについて議院事務局にお聞きしたいんですけれど、こういったことを実現することは事務局の権限でできるのかどうかということを教えていただきたいと思います。また、できないのであれば、実現するためにどういった手続があるのか、教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/119
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120・小林史武
○参事(小林史武君) お答えいたします。
間隔を空けた議席配置につきましては、新型コロナウイルス感染症対策といたしまして、第二百一回国会、令和二年四月九日の議院運営委員会理事会において御決定をいただきまして、引き続きその後も継続することにつきまして同理事会等の場で御確認をいただいた上で、今国会においても継続されているところでございます。
したがいまして、御提案のございました間隔を空けた議席配置を今後も継続した上で押しボタン式投票装置を移設する御提案等につきましては、同じく議院運営委員会の理事会で御協議をいただくべきものと考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/120
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121・浜田聡
○浜田聡君 分かりました。今後、議院運営委員会、事務局などで扱われることを希望した上で、次の質問に移りたいと思います。
一つ付け加えさせていただきますと、やっぱり各議員がどういった投票行動をしたかについては当然国民の皆様が容易に確認できる形にするというのは当然であると私は考えております。
次、参議院本会議の投票結果に引き続きまして、次は参議院の各委員会の理事会についての話になります。
最近こちらも支援者の方からいただいた意見なんですけれど、参議院各委員会の理事会の議事録が公表されないのはなぜか、公表すべきではないかという御意見をいただきました。もちろん、理事会の議事録を全て公表すべきかということについては、私もそこまで必要性を感じるかどうかについてはちょっと疑問があるところなんですけれど、ただ、その支援者の方が特に問題とされているのは請願についてでございます。請願の採択なんですけど、請願が採択されない経緯が明らかではないということでございます。請願採択について、その採択に反対した議員の名前が公表されないのはおかしいということでございまして、私もこの意見については同意するところでございます。
そこで、次の提案をしたいと思います。理事会において請願の採択者の賛成、反対者を、せめてこれを公表するように制度変更できないでしょうかということでございます。これを実現することが事務局権限でできるかどうかというのを教えていただきたいと思いますし、できないのであれば、それを実現するための手続を教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/121
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122・小林史武
○参事(小林史武君) お答え申し上げます。
委員会の運営につきましては、原則、委員長の権限で行うものと承知しております。委員長は、必要に応じまして、委員会の運営に関し理事と御協議をいただくために理事会を開き、様々御協議をなされているところでございます。
また、理事会は、打合せ、御協議の場でございますので、採決を行ったり、あるいは個々の委員が賛否を表明するということになれば、これはあくまで委員会の場ということになるかと存じます。
いずれにつきましても、どのような請願審査を行うかにつきましては、一義的には当該委員会の理事会においてまず御協議いただくべきものと考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/122
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123・浜田聡
○浜田聡君 ありがとうございます。
ただ、請願の中には、万単位で多くの署名がありのものがございます。そういった請願が理事会でのたった一人の反対で採択されないということについては、請願署名をした方、多くの方々や請願提出者の気持ちを考えると、それでいいのかという疑問があるわけでございまして、一応この場で意見の方を伝えさせていただきます。
次に、最近話題のユーチューバーについての話題を取り上げさせていただきます。
ユーチューバーという名称、まあ職業と言ってもいいかもしれないですが、そういった言葉が定着はしてきたとはいえ、この国会で取り上げることは、取り上げられることは少ないとは思いますが、我々NHK党は、このユーチューブを始めとする動画サイトが多くの国民の目に触れるような社会状況へと変化してきたからこそ、地方議会のみならず国会でも議席をいただくことになったことは間違いありません。そういうわけでユーチューバーに関する話題について特に強い関心を持っておりますゆえ、その話題を扱うことを御容赦いただきたいと思います。
今回取り上げますユーチューバーは、暴露系ユーチューバーとして話題になっている方でございます。昨今、芸能界の様々な暴露話をユーチューブなどの動画サイトで公開し、動画再生回数やチャンネル登録者数の伸びが著しいガーシーチャンネルというものでございます。今回、このユーチューバーの方について、警察庁の方に伺っていきたいと思います。
さて、このチャンネル主のガーシーこと東谷義和氏は、かつて芸能人の様々な世話をしてきており、その仕事ぶりなどから各芸能人の信頼は高かったと想像されます。それに合わせて、各芸能人の様々な秘密を知っているようです。様々な経緯がありまして、現在、そういった秘密話をこの方はインターネット上で暴露を続けておりまして、大きな話題となっているように思われます。
この方は、二月下旬に動画サイト、ユーチューブでチャンネルを開設した後、二週間ほどでチャンネル登録者数が十万人を突破し、四月上旬にはチャンネル登録者数が早くも百万人を突破しております。また、先日、ライブ配信を行っておりまして、同時接続者数二十四万人となるなど、驚くべき数字をたたき出しておられます。ネットでは話題であるわけですが、テレビや新聞ではなぜかほとんど扱われていないように思われまして、個人的な意見ではありますが、不自然な気がしないでもありません。
最近、この東谷義和氏と警察との間で一悶着があるようです。今回、東谷義和氏を現在サポートしている立場である弁護士の方の証言を基に、警察庁に幾つかお伺いしていきたいと思います。
今回質問させていただくに当たって、東谷氏と警察とのやり取りの経緯を紹介させていただきます。理解の補助になるものとして、今回の配付資料にある弁護士の方のユーチューブ動画のサムネイルとスクリーンショットを抜粋して掲載させていただきました。ちなみに、この弁護士の方は高橋裕樹という弁護士の方で、刑事裁判の無罪請負人と呼ばれているほどの方でございます。
今回の話の中心としては、この東谷氏による詐欺と思われることが挙げられます。詐欺については東谷自身もその非を認めており、被害者への謝罪と弁済をするつもりでありまして、実際にその弁済準備が整っております。その経緯を紹介します。
まず、どんな詐欺であるかについてですが、東谷氏が韓国の男性アイドルグループ、BTSに会わせるという誘い文句で二十人を超える女性からお金をだまし取るということがあったとのことです。この詐欺の背景には、東谷氏がギャンブル依存症によるギャンブルによって大きな借金を背負っていたことがあるようです。その後、これまでの自身の動画での発信などでそういった事情を説明した結果、弁済金を立て替えることを申し出た人が現れました。美容外科をされている方で、この方も御自身で動画などでインターネット上での発信をされております。この美容外科の方と先ほど紹介した弁護士の方と東谷氏が協力して、被害者の方への弁済が始まりました。被害者の方の約七割と、七割で返済や示談に向けた交渉が進んでいたのでございますが、その最中に警察が介入してきたとのことでございます。今回配付資料として掲載した動画内で高橋弁護士がその経緯を説明しております。
この介入とされている部分の前後については、弁護士の方が被害者との話の中で得た情報を基に、時系列に沿って話をさせていただきます。
まず、昨年、BTS被害者が、BTS詐欺被害者が警察に詐欺の相談に行った際にはほとんど対応してくれませんでしたということでございます。しかし、その後、詐欺被害に対する弁済のめどが付いた四月二十一日、先月ですね、高橋弁護士が東谷義和氏より弁護士依頼を受けてBTS関連の返金を行いますというタイトルの動画をアップした途端に、警察の方から被害者の方へ多くの連絡が入ったとのことです。警察による介入としては、せっかく弁済手続が進んでいるのに、その弁済を受け取ったり示談をしたりすることを踏みとどめさせるような内容があったとのことです。
ここまでの経緯を踏まえて質問させていただきます。
ここまで警察と何度も口にしてきましたが、この件で出てくる警察は警視庁に当たります。そういうことなので、本来であれば警視庁に直接尋ねるのがいいのかもしれませんが、一応、今回は監督官庁の警察庁の方に、国会であるということで質問をさせていただきます。こちらの指摘に対して事実関係の食い違いなどあれば、適宜補足していただいても構いません。
まず最初の質問は、被害者の方が昨年の段階で相談し出した当初から警察として誠実に対応すべきではなかったということについてでございます。警視庁が被害者の方に対して、当初は誠実に対応していなかったのではないかという指摘について、御見解を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/123
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124・鎌田徹郎
○政府参考人(鎌田徹郎君) お答えいたします。
お尋ねの件につきましては、警視庁や大阪府警察におきまして、被害に遭われたという方から、被害に遭われたという複数の方から相談を受けていると報告を受けております。
個別の案件に関することについてでありますので、お答えは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げるのであれば、各都道府県警察においては、被害者の立場に配意しつつ、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき適切に対処するものと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/124
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125・浜田聡
○浜田聡君 被害者の方の気持ちをちょっと理解をしていただきたいんですね。被害者の方の気持ちとしては、警察が後から連絡をしてきたことによって、何を今更という感じみたいです。そういった不信感については改めて御留意いただきたいと思います。
次の質問のポイントとしては、高橋弁護士いわく、警察から被害者に対して、返金の手続を今は止めるように依頼しているケースがあるとのことでございます。被害者からすると、警察のこのような介入によって返金が滞ることにつながるのではないかと思います。そういったことが被害者のためにならないのではないかと考えるわけですが、なぜ被害者のためにならないことをするのか、その理由を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/125
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126・鎌田徹郎
○政府参考人(鎌田徹郎君) お尋ねの件につきましては、個別の案件に関することでありまして、お答えを差し控えさせていただきます。
警察では、被害の相談を受けた際には被害者の立場に立って誠実に対応することといたしておりまして、警察庁としては、引き続き都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/126
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127・浜田聡
○浜田聡君 御答弁の内容にありましたように、被害者のことを第一に考えていただきたいということを改めてお伝えさせていただきます。
警察庁への質問としては最後の質問になります。
高橋弁護士いわく、介入があった背景について説明がありました。場合によっては政治家や芸能事務所などからのプレッシャーがあったのかもしれないということをおっしゃっております。被害者に対して返金手続を今は止めるように依頼した背景として、政治家や芸能事務所などからのプレッシャーというものがあったのかどうかというのを教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/127
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128・鎌田徹郎
○政府参考人(鎌田徹郎君) 個別の案件に関することについてはお答えを差し控えさせていただきますが、警察では、被害の相談を受けた際には被害者の立場に立って誠実に対応することとしておりまして、その上で、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき適切に対処するものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/128
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129・浜田聡
○浜田聡君 先ほどの質問をさせていただいた背景としては、二つの疑問があります。その私の抱いた二つの疑問を申し上げさせていただきますと、一つは、これ突然警察が動き出したということに対する疑問でございます。もう一つは、それと関連することなんですけれど、そもそも警察が独自でこういう動きをするのかという疑問なんですね。言い換えれば、先ほど申し上げたように、政治家や芸能事務所からのプレッシャーによって動いたことが疑われる状況のように思えるわけでございます。
私としては、国民、特に今回の場合は被害者の方をしっかり、に対してしっかりと向き合っていただきたいということを警察庁、警視庁の方にお願いを申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
次は、国の予算で社会保障費に続いて大きな支出割合を占める地方交付税交付金について、総務省の方に伺っていきたいと思います。
先日、四月二十五日の参議院国と地方の行政の役割分担に関する小委員会において、私は地方交付税交付金の算出式についての質問をさせていただきました。そのときのやり取りをかいつまんで申し上げますと、地方交付税交付金の算出式がブラックボックス化しているのではないかと私が指摘したわけでございますが、その指摘に対して、総務省の答弁としてはブラックボックス化していることを否定する内容でありました。
総務省がそういう立場であるのも理解しますが、しかし、やはり算出式などについては相当改善の余地があるのではないかと考えているわけでございます。
今回、算出式の一例として、地域の元気創造事業費の算出方法を配付資料に用意させていただきました。この算出式はインターネット上にも公表されているものでございます。
こういった算出式については、その存在は認めますが、ただ一方で、こういった算出式は科学的に導かれるものであるのかというと、そうではないように思われるわけでございます。どなたかが恣意的に決定したような印象があるわけでございますが、そうでなければそれはおっしゃってもらって結構なんですけれど、この算出式である必然性が私には全く分からないところでございます。複雑化し過ぎて説明不可能な状態になっているのではないか、複雑化し過ぎて総務官僚のさじ加減で思いどおりに交付額を決定できる状況ではないかという問題意識を持っております。
そこで、総務省の方にお聞きします。こういった指摘に対する説明を教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/129
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130・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 総務省官房審議官池田達雄君。
なお、時間が参っておりますので、答弁の方は簡潔にお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/130
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131・池田達雄
○政府参考人(池田達雄君) お答えいたします。
まず、例示で挙げられました地域の元気創造事業費につきましては、当分の間の臨時的な費目といたしまして、地域産業の振興や雇用の創出など地方創生に取り組むための財政需要について、人口を基本とした上で、この資料にございますとおりに、各地方団体の行革努力や地域経済活性化の取組の成果を反映し、算定を行っております。
これは、各地方団体が行革により捻出した財源を活用して地域経済活性化の取組を行っていると考えられること、また、地域経済の活性化に積極的に取り組み、成果を上げた団体では全国標準以上の経費が生じていると考えられることを踏まえまして、全国的かつ客観的な統計データで地方団体ごとのデータが存在する指標を用いまして、地方団体の取組を多面的に、一つの単一の指標ではなく多面的に反映しているものでございます。
その上で、先日も御答弁させていただいたとおり、地方交付税の算定に当たりましては、算定の基本的な主要事項を地方交付税法に、算定技術上の具体的細目事項については地方交付税法の委任を受けた総務省令で定めておりまして、その上で総務省のホームページに関係資料を掲載するなど、算定方法をできる限り分かりやすい形で示しております。
また、地方交付税法の規定に基づきまして、地方交付税の算定方法について地方団体は意見を申し出ることができる制度となっております。毎年、地方団体から多数の意見をいただいておりまして、地方交付税のこの算定方法、算定に反映するとともに、その結果について公表も行っております。
今後とも、地方団体の意見を踏まえて地方交付税の適切な算定に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/131
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132・浜田聡
○浜田聡君 もう時間なんで終わりますが、引き続きこのテーマを扱っていきたいと思います。
御清聴ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/132
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133・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
公認会計士法及び金融商品取引法の一部を改正する法律案に賛成の方の起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/133
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134・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/134
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135・豊田俊郎
○委員長(豊田俊郎君) 御異議がないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/120814370X01320220510/135
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