1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年四月十七日(火曜日)
午前十時五十分開会
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委員の異動
四月十四日委員田中啓一君、野上進
君、高橋進太郎君及び小沢久太郎君辞
任につき、その補欠として大谷藤之助
君、吉江勝保君、塩見俊二君及び木村
篤太郎君を議長において指名した。
四月十六日委員山本伊三郎君辞任につ
き、その補欠として占部秀男君を議長
において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 河野 謙三君
理事
石原幹市郎君
下村 定君
鶴園 哲夫君
委員
上原 正吉君
木村篤太郎君
中野 文門君
松村 秀逸君
吉江 勝保君
高瀬荘太郎君
国務大臣
労 働 大 臣 福永 健司君
国 務 大 臣 藤山愛一郎君
政府委員
経済企画庁長官
官房長 村上 一君
経済企画庁調整
局長 中野 正一君
経済企画庁総合
開発局長 曾田 一忠君
労働政務次官 加藤 武徳君
労働大臣官房長 松永 正男君
労働大臣官房会
計課長 住 榮作君
労働省労働基準
局長 大島 靖君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
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本日の会議に付した案件
○経済企画庁設置法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
○労働省設置法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/0
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001・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより内閣委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
四月十四日、田中啓一君、野上進君、高橋進太郎君及び小沢久太郎君が辞任され、大谷藤之助君、吉江勝保君、塩見俊二君及び木村篤太郎君が選任され、昨日、山本伊三郎君が辞任され、占部秀男君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/1
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002・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 次に、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。なお、本案は、お手元に配付いたしましたように、衆議院において修正されておりますので、御了承願います。政府側出席の方は、藤山経済企画庁長官、村上官房長、曾田総合開発局長、中野調整局長、説明員として宮沢企画課長の方々でございます。
御質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/2
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003・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 まず、職員の定数の増加のところを読みますと、五百三十二名から五百六十四名に改めて、三十二名増加する。そのうちの純増は二十五名で、東北開発株式会社の監理関係に二名振り当てることになっておりますが、これにつきまして、今まで東北開発株式会社に監理関係の職員はいなかったのかどうか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/3
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004・村上一
○政府委員(村上一君) お答え申し上げます。
東北開発関係の職員は今まで六名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/4
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005・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 従来監理官のごときものを置きまして、一般のいわゆる公団を監理すると同じような監理官のごときものをもっと組織的にやられておったわけでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/5
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006・村上一
○政府委員(村上一君) 法律に定められました監理官を置きまして、その部下に補佐の職員をつけております。それを合わせまして、ただいま申し上げましたように、六名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/6
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007・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 今回これが二名増加して八名になるというわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/7
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008・村上一
○政府委員(村上一君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/8
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009・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 この東北開発株式会社の資本金が二十五億円だ。その九六%強が政府の出資、三十二年から三十六年まで約二百億近い政府の金がつぎ込まれておる。こういう特殊法人ですが、これが新聞等で拝見いたしますと、たいへんな摘発が行なわれて、すでに十何名の者が逮捕されておる。さらに考査役とか前理事とかあるいは現在の理事あるいは前総裁、こういうようなものが逮捕あるいは召喚をされておる。そしてさらに、政財界の上層に広がるかどうかということが新聞に報道されましたが、それっきり出ないのでありますけれども、一体この特殊法人に対しまして経済企画庁長官はどのような責任と監督を持っておられるのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/9
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010・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 東北開発株式会社につきましては、企画庁が窓口でもあり、また、監督の責任も持っておるのでございまして、したがって、東北株式会社の運営全般に関しまして、企画庁として責任を持っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/10
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011・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 会計検査院の調査によりますと、三十三年から五年間で十二億七千五百万円の赤字だというのですが、こういうようなことを経済企画庁としてはずっと御存じだったのかどうか伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/11
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012・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 私が昨年七月に就任いたしましたときに、前長官からの引き継ぎにおきまして、東北開発株式会社の運営については注意をする必要がある。この際任期がきておるので、全部役員の交代をすることが必要じゃないかと自分は考えておるから、その趣旨を伝えておくということでございました。私といたしましても、早急に八月一日に総裁の指名をいたさなければならぬ、ちょうど二十二日に私就任いたしましたわけでございます。したがって、急速に総裁を最終的決定をいたしたのでございます。伊藤総裁を民間から起用いたしまして、同総裁の責任において新しくこの会社の担当をしていただいたわけでございます。その結果として、そういうような事態がはっきりして参ったわけでございます。企画庁といたしましても、そういう点について十分な責任を痛感いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/12
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013・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 こういうような、黒字を建前とするこういう特殊法人がたいへんな膨大な赤字になっちまう、どうにも処理し切れないような、十二億七千万円というような大きな赤字が出てしまう。それにさらにまた、こういうような、非常に東北株式会社の全組織にわたりまして、汚職あるいは経理の乱脈というような場合に、どういう責任を経済企画庁長官としてとられるのか、今後これは、この種特殊法人、公団なり事業団として非常に関連、関心があると思いますがね。それでこれをこのままで今後どういうふうな法人ができようと、あるいは事業団があろうと、この程度の大きな汚職なりあるいは経理の乱脈を生ずることはおそらくあるまいと思うのですね。だからこの程度の大きなものが起こっても、監督官庁である経済企画庁長官あるいは企画庁が、何らの、責任があるがごとき具体的な態度が見えないというようなことになりますれば、これは公団、事業団その他に与える影響は非常に甚大なものがあると思うのですがね。何をやっても差しつかえない。官庁としましては、責任はないということになってしまう。ですからこれは、逮捕されてこれから取り調べが進むという事態ではありますけれども、こういう中で経済企画庁長官としてどのような責任なりあるいは監督上の責任を感じ、あるいはこれから措置されようとしておられるのか、その点を伺いたいのですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/13
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014・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) この問題は二つに分けて考えて参らなければならぬと思います。
一つは、会社運営事業上の問題でございまして、東北開発会社が国策会社として東北の振興をはかって参る会社でございますから、したがって、ある育成時代に若干の赤字が出ますことは、これはやむを得ないのじゃないかと思います。がしかし、今回のような赤字の状況が出ました原因等は、必ずしもそういう意味の赤字でなくて、相当内部におきます経営運営の点について遺憾の点があったと私は思います。したがいまして、その点については十分な改善をして参らなければならぬと思うのでありますが、幸いにして会社自体としましては、伊藤総裁が御就任になりまして、民間の長い間の経験と知識とをもって、われわれと同じような考え方で会社運営全体に対して再検夢村をされております。われわれもそれに協力をいたしまして、将来再びこういうことの起こらないようにして参らなければならぬと思います。また、今お話のような汚職その他の関係等につきましては、これはただ単にこの会社だけの問題でなくて、政府の行政機関、あるいは公団を通じて、全般的にそういうことがあってはならぬ問題でございまして、この点は綱紀粛正を厳格にいたしまして、そうして処置して参らなければならぬと思います。ただ、これらのものを改善して参りますためには、やはり基本的に特殊法人であるこうした国策的会社の制度等、あるいは監督の方法等についても、私はさらに再検討をしてみる必要があるのではないかと思うのでありまして、監理官の職責等についても、あるいはこの種国策株式会社の監査役の職責等につきましても、いま少しく検討の余地があるのではないか。御厨知のとおり、民間でございますれば、一億円以上になると経理士が経理を監査していくというような方法もあるわけでございます。この会社にはそういうことは適用されておらぬわけであります。したがって、新しく作って民間と同じような形をとることも一つの方法でございましょうけれども、他にあるいは監査役等の地位を向上させ、あるいはそれによってこれらの経理監査を厳格にいたしていくということも必要ではないかと思うのでありまして、そういう点については、今日までの状況をつぶさに検討をした上で運営上また企画庁の監督の方法等の改善ということも将来考えて、必要がありますれば、法律の改正等を十分審議した上で将来お願いをしてみたらどうかと、こう考えております。監督に関します道徳的なと申しますか、責任は私個人としては非常に痛感をいたしておりますので、したがって、事態の進展に伴いまして逐次企画庁としての責任を明らかにして、そうして処置すべきものは処置して参るという考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/14
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015・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 会計検査院の調査によりますと、五年間に約十二億七千万円という大きな赤字でありますが、乱脈をきわめたというふうに新聞等が書きますけれども、私ども新聞の内容で承知する限りにおいては、たいへんな乱脈だと思うのでありますけれども、そういう問題について六人の監督の職員がおり、あるいは事業計画、その他一切、経済企画庁なり、さらには大蔵省というところが監督の十分な態勢をとりながら、このような事態が生じたということは、これは相当、今長官がおっしゃいますように、今後責任のあり方というものを明確にしていきませんと、御存じのように、公団あるいは事業団というようなものがたいへんたくさんあるわけでございまして、各省たいへんなものを持っておりまして、それぞれその公団、公社、事業団等について、監理官なり監査官、あるいは関連の職員を置いて監督をしておるそういうものに与える影響も非常に大きいわけですし、ですから、この機会に、はっきり私としましては、今後事態の明らかになるに従って、長官のおっしゃるように、責任を明確にしておいていただきたい。先回も行政管理庁長官が、この種関係の横領、あるいは汚職、収賄というような問題につきまして、閣議で報告をなすっておりますが、監督が明確でない、官庁におけるところの監督責任の所在が不明確だ、こういうような報告をなさっているように新聞で承っておりますが、これは単にこういうような収賄、背任横領、こういうような問題が生じたときに、官庁における権限がどうなっているかという点について、ある程度、とことんまで追及されるのですが、これは一切のことについて、これは単にこういう問題だけじゃなくて、すべての業務の面について不明確なように私どもとしては見ておるわけですけれども、そういうことはともかくといたしまして、今回の問題については、ぜひひとつ、責任が不明確にならないように、明確に処理していただくように強く要望いたしておきたいと思います。
それからどういうわけでこういうような問題が起きたかという点については、これは国民だれしも興味を抱き、関心を持つところでありますが、これらについて種々の新聞等がいろいろ書いております。それを見ますと、これはすべての公団、事業団に共通するような内容なんですね。人事がどうだとか、あるいは経営上黒字を建前とするけれども公共性もある。そのはさみ撃ちになるのだとか、あるいは政府との関係が非常に込み入っておって、認許可、あるいはそういうようなものに非常に時間がとられて、企業体としての好機なりチャンスを逸する場合が多いとか、いろいろなものを書いてありますね。これはすべて今あります公団、公社あるいは事業団等に共通する内容なんですね。そうしますと、この東北開発株式会社に起こった事件というものは、すべての公社に、公団に、事業団に、非常なそういう危険があるのじゃないかという気がするわけですよ。そういう点についてどういう感じを持っておられるのか承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/15
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016・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 人事の点等についての問題でございますが、御承知のように、企画庁としてあずかります仕事は、各省の総合調整の上に立った仕事が多いわけでありまして、したがって、各省庁からそれぞれ人を出していただきます場合も多いわけでございまして、ある場合には、必ずしも連絡協調が十分でないというような点もあろうかと思います。また、実際のことを考えて見まして、先ほど申し上げましたように、この人事の構成というものをどういうふうにこういう公団はやっていくかということは非常に重要な問題だと思います。したがって、それらについても適当な総裁を、あるいは公団の理事長その他を得ることが一番大事でございまして、それを得た上で、その総裁を助けて、中心となって共同動作をできるような方向に人事の任免等を持って参りますことも、私もこれは必要じゃないかというふうに考えて、単に人事が、各省庁のなわ張り関係によっていろいろでき上がっていくというようなことも必ずしも私は適当だとは考えておらない。今回のような事態が起こって参りますと、改善すべき余地があるのではないかというふうにも考えられるのでございますが、他の公団等につきましてはそれぞれ理由もございましょうけれども、東北開発株式会社に関しましては、今後そうした事態の起こりました原因等を組織の上からと運営の上からと、十分にひとつ検討をいたしまして、そして再びこういうようなことの起こらないように、組織と運営面をどうして改善していくかということについて最大の注意を払いまして、必要があれば、先ほど申し上げましたように、法律の改正等もさらにお願いを申し上げまして、再びこういうことのないようにひとつして参りたい。この点については企画庁長官としては非常な大きな責任を持っておるのでございまして、過去に起こりました事態に対処いたしますと同時に、将来に再びそういうことが起こらないような方法をこの際十分検討していかなければ責任を果たし得ないと思うのでございまして、そういう点について考えて参りたいと、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/16
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017・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 これは事務当局のほうに伺いたいのですけれども、経済企画庁は新しい官庁でありますし、また、総合調整というような任務を持った官庁であります。したがって、各省からそれぞれ出向するような形で経済企画庁に集まってきて企画庁の仕事をしている、したがって、二年なり三年なりでまたそれぞれの出たところの、出身の省に帰られるというのが大方の傾向だと思うのです。その場合に、この東北開発株式会社の監督その他に当たる人たちは、そういうような各省から見えた方なのかどうか、それとも経済企画庁はちょうど十年ちょっとになりましょうが、そういう経済企画庁のはえ抜きの方々が、こういう監督あるいは管理の関係に当たっておられたのか、その点をちょっと伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/17
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018・村上一
○政府委員(村上一君) 東北開発室という、先ほど人数を申し上げましたが、そこの室長並びに監理官は、今御指摘になりましたように、各省から二、三年の期間出向してきているという人ではございません。いわば企画庁のはえ抜きの人を充ております。その下の補佐ですか、この中には各省から来ておる者もございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/18
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019・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 まあ各省から来た人も、室長ははえ抜きだとおっしゃいますが、その人にしましてもどこからおいでになったと思いますが、ただ七年なり八年なり、はえ抜きという形でおられると思いますが、この補佐なりそういうような人たちが各省から来られるということになりますと、これはどうもやはり二年ぐらいで帰るということで、非常にその意味ではまずいような感じもするわけですけれども、それはそれとしましても、何かそういうところにも少し問題があるのでないかという感じがするものですから承ったわけでございますが、今申し上げましたように、東北開発株式会社の問題につきましての先ほどからの私の要望をよろしくひとつ長官に申し上げておきたいと思います。
それから次に、水資源局の設置でございますが、これに関連いたしまして若干伺いたいのでありますけれども、水資源開発促進法の第六条で、総理府に附属機関としまして水資源開発審議会を十五人以内の委員で設置することになっておりますが、この審議会の委員の人選が非常に難航しておるというようなことが、たびたび私どもとしまして新聞やその他の記事をもって承知いたしておるわけですが、これは審議会というのが非常に重要な内容を審議をする、水系の決定なり、基本計画の承認なり、こういうような重要な問題を審議するために、水に関係のある各省——建設なり、農林なりあるいは厚生なり、通産なり、さらに加えますれば大蔵というようなところが非常な関心を持って、それぞれ委員に対して自分のところからよけいに出そうというようなことで、たいへん難航したのではなかろうかと思うのですが、これはすでに委員はきまって審議会は発足をいたしておるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/19
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020・村上一
○政府委員(村上一君) 御質問の水資源開発審議会でございますが、これはすでに委員の人選は円満に終わりまして、任命は二月十九日でございまして、すでに三月の初めに審議会を開いております。委員の人選にあたりまして、各省間にいろいろ意見の不一致があったというような御指摘でございますが、この点は全然そういうことはございませんで、私どもとしましては、関係各省の意向を、推薦を聞きましたけれども、その間に非常にごたごたしたというような事情は全然ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/20
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021・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 全然ないというお話ですが、少し私もこれには異議があるのですが、これは委員の任命はなかなかおくれているということも出ておりましたし、非常に難航しているということも出ておりますし、さらに経済企画庁として、これは各省に委員を割り当てたほうがいいというような、農林省何名、建設省何名、大蔵省何名、自治省何名というふうに、各省に委員の数を割り当てて、そして各省から推薦を得たというようなことも見たような記憶もあるのですが、ですからやはりそこにはいろいろ報道されたように相当難航したのではなかろうかと私は見ているのですが、実際問題として私の伺いたいのは、各省に割り当てられたこと、農林省、建設省、通産省、大蔵省、自治省、厚生省というふうに委員をきれいに割り当てられたわけですね。そういうふうにやられたわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/21
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022・村上一
○政府委員(村上一君) 御承知のように、この水資源公団関係は、関係省が非常に多いわけであります。したがいまして、委員の人選にあたりましては、それぞれの関係省からそれぞれの仕事の関係で推薦をされたわけでございます。しかし、その際、何省は何名委員を出すというわけで割り当てたわけではございません。まあ何名ぐらいは推薦してくれということは申したわけであります。それらを全部総合いたしまして、また、それぞれのお仕事なり過去の経験というようなところも見ましてきめました次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/22
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023・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 結果的には経済企画庁が四名で、大蔵省が一名、建設省が二名、農林省二名、通産省二名、自治省二名、厚生省二名、こういう割当の、委員の構成になっているようでありますが、委員の内容を見ますと、経済企画庁の四名につきましては確かに経済企画庁らしい委員の出し方だと思うのですが、あと大蔵、建設、農林、通産、厚生、自治省いずれもそれぞれ省の出身の次官をやった人とか、そういう人たちが出ておるわけですね。ですから各省は委員として学識経験者といいますか、よく言われる学識経験者というのではなくて、各省の出身を出したということになっているように思いますがね。確かに水資源開発審議会に対して委員をどういうふうにきめるかということは、一つのまた見識だと思いますが、その際に各省の代表みたいな代表選手——私どもはOBと言っておりますが、役人の予備役、予備役がこういうふうに首をそろえて各省出るということになりますと、これは何のことはない、この審議会というのは各省の出先が設けられたということになるというふうに感ぜられるのです。そういう点については、どういうふうに考えられておるのか承りたいのですが、各省に電話をかけて聞きますと、今回この審議会の委員というのは非常に変わっておって、学識経験者だけ集めたのだと、こういうのですね。それじゃ君のところはほんとうに学識経験者を集めたのかというと、いやそうじゃない、学識経験者というのは、現役の役人じゃないという意味で、現役の役人じゃなくてOBを出したのだと、こういうのですね。それは、表面は学識者験者ということになっているのですけれども、各省のOBがみな出ているのです。そういうものによって審議会が運営されるということも一つの方法だと思うのです。しかし、そういうことでうまくいくと考えておられるのかどうか、承りたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/23
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024・村上一
○政府委員(村上一君) 御指摘がありましたいわゆるOBというような方は、委員が十五名おられまして、そのうち四名でございます。で、いずれも各省のそれぞれ次官をされたというような方でございまして、それぞれ御経験、知識、これは申し分ないと思いますが、これは水資源公団の仕事そのものが、何と申しますか、直轄事業で、現在国が施行しているというような事業を引き継ぐ部面も相当多いわけでございまして、やはり公共事業の施行のような意味で、関係各省と相当密接な関係を持たなければならぬ。そういった関係で各省からそれぞれ御推薦下さったものと、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/24
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025・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 四名だというようなお話ですと、大蔵省は森永さんでしょう。建設省は、これはそうじゃないですか。農林省は渡辺さん、役人ですよ、OBです。それから通産省はどうですか。厚生省、自治省——四名だというお話ですね。そういうのはいけないとかどうとかいうことじゃなくて、四名だとおっしゃると、そうかなというふうに納得できないわけです。変わっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/25
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026・村上一
○政府委員(村上一君) 自治省出身の荻田さんを加えますと、五名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/26
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027・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 それじゃ大蔵省は森永さんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/27
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028・村上一
○政府委員(村上一君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/28
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029・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 これは大蔵省出身ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/29
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030・村上一
○政府委員(村上一君) 五名は、申し上げますと、自治省の荻田さん、厚生省の葛西さん、それから通産省の徳永さん、大蔵省関係の森永さん、農林省から渡辺さん。以上五名であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/30
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031・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 建設省は全然別ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/31
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032・村上一
○政府委員(村上一君) 特に建設省の、御指摘になりましたようなOBという意味の方はございません。しいて言えば、もとの内務省におられて、そういう関係の仕事に関与されたことがございます新居さんという方がございますが、これは建設省というのはちょっと当たらないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/32
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033・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 そんなむちゃな話をされては困ります。それは内務省のときから、建設省の前身は内務省の中にあったのですから、そういうむちゃなことを言われても困ります。それから、高辻さんを入れてもそうでしょう。全部逆に数えたほうがいいですよ。関係のない人というのは一人もないじゃないですか。経済企画庁はそうじやないと思うのですが、四名とも各省がそれぞれ一人々々、自分のところの者を出しておるわけですね。そこでこの審議会の幹事会を置かれておるわけですね。それでこの幹事会というのは、すべて各省の局長で構成しておるわけですか。伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/33
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034・曾田一忠
○政府委員(曾田一忠君) お答えいたします。幹事会の構成は、各省の局長クラスを充てたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/34
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035・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 次に、水資源開発公団ですね。総裁、副総裁、それに理事が八名、監事二名。これはなかなか人事もえらい争いがあって、激しくなる一方だというふうなことを何度も耳にしたのですがね。それで結局、総裁はどういうふうになったのですか。理事は八名、それぞれ各省に割り当てたようですね。まあさっきのお話のように、割り当てたのじゃないのだ、各省から推薦のあった中からというふうなお話かもしれませんが、これまた各省にきれいに割り当ててありますね。これは監事との関連、そういう関連で割り振ってあるようですが、これは割り振られたわけですか。総裁はどういうふうになったのか聞いてないのですがね、争った上トンビにさらわれるのじゃないかというような話まで聞いたのですが、どういうふうになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/35
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036・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 総裁はすでに進藤氏に決定をいたしまして、そうしてただいま理事の人選をいたしております。お話のように、公団自体は各省の関係を持っておりますので、それぞれ各省の連絡がよくなければ、運営も困難な場合もございますし、また、各省の、農林省その他の仕事を引き継いで参ります関係もございますので、したがって、仕事の内容から申しますれば、各省のその方面の相当の経験者を公団に持って参りますことが必要であることは運営上申すまでもないと思います。ただ、各省にそれぞれ御推薦を願ったのでございます。各省もいろいろな角度からいろいろ御推薦をいただいておりますが、最終的には企画庁長官として決定をいたして参りたいと存じております。その間お話のようにいろいろ希望はございますけれども、最終的決定はこちらでいたして参りたい、こう存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/36
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037・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 理事にいたしましても、どうもやはりすっきり……、私はそういうふうな農林省何名、建設省何名、企画庁何名というふうな割り当て方で運営の仕方もあろうと思いますし、さらにその理事の下に部長を八名置かれるのですか、その八名の部長については、また、各省それぞれそのポストがきまるようですね。さらにその部長の下に課長が置かれるのですが、その課長もまたそういうことになるのじゃないかというふうに思うわけです。で、これは特にこの委員会で私質問いたしますのは、審議会の場合におきましても、やはり結論的に見ますと、この関係がある各省、なわ張り争いの関係があるような各省が、それぞれ出しておるような形になる。その下には幹事会というのがあって、各省の局長がまた出てくる。で新しくできる水資源開発公団にいたしましても、総裁なりあるいは副総裁なり、理事なり監事なり、部長なり課長というところも、それぞれ水に関係のある四省、それに大蔵省を加え自治省を加えた形でこういうものが構成される。それはいずれもそれぞれのその勢力を配慮してきめられる、これもまた運営の一つの方法だと私は思いますが、こういうことが一体うまくいくものだろうかどうだろうかという懸念をしますけれども、いろいろ伺っておるわけでありますが、さらに水資源局ができるわけですが、水資源局について局長がだれになるかという問題も各省においては相当な問題のようでありますし、参事官が一人ですか、これは二人置かれるのですが、参事官を一名と、それから課長が四名置かれるわけですが、その課長もそれぞれ問題があるように聞いておる。それで、建設省の側からは、水資源局長は建設省にひとつ回してくれ、そのかわり総合開発局長というのは建設省と農林省と交代でやるような慣行があるけれども、これは農林省にひとつやりましょうというようなうわさ話まで耳にするわけですね。ですから、この局の構成についてもそういうような構成が行なわれるのかどうか、局長はどうも大蔵省側から出るのじゃないかというまた話があるですね。どうもおもしろい話だと思うのですが、参事官は一名になるのか二名になるのか、これでは一名と出ておりますが、それから先ほど申したような局の構成はそういうような構成になっていくのかという点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/37
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038・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 御承知のとおり、企画庁プロパーの人が十分に企画庁の中において地位を占めて参りますれば、お話のように、各省庁からの出向ということにたよらないで参れますけれども、現状においてはそういうわけに参りませんので、したがいまして、各省庁から企画庁は相当な多数の出向者を迎えてそして企画庁の事務を構成していくわけでございます。企画庁が各省庁の総合的な官庁として、各省庁の人がそれぞれ集まって、そうして総合的に行政をいたしますことは、一面では非常に必要なことでございまして、それによって総合調整の役割をいたすことができるのでございますけれども、他面においては各省庁からやはり企画庁自身の人が充実して参りません今日におきましては、それぞれ各省庁からのいろいろ希望も参るのでございまして、そこいらを調節いたしながら独自の企画庁の人事をやって参りますことは相当の長官としての苦心のあることは申すまでもございません。ただ、そういうことが逐次何か企画庁自身の人事の中で既存のなわ張りというようなものが固定して参るような観念は、私はよくないと思うのでございまして、その点は過去の出発点から若干何か各省それぞれ固定したような、こういう局長は自分のほうから過去に出ているから自分のほうから出すべきじゃないかというようなことにとらわれないで、今後人事を運営していくべきではないかと考えておりますので、そういう線について考えをいたしておるのでございます。ただ、申し上げましたように、今日各省庁の総合調整をやります場合に、企画庁に実施官庁としての、調整の結果として実施官庁としての仕事がふえて参るわけであります。このこと自体は、私は必ずしも企画庁の本質から申して適当であるかどうか、さらに検討を要する問題であると思いますが、そういうような点から見まして、実施官庁的性格を持つような場合に各省庁との関係がさらに複雑になって参ります。これらの点についてはただいま七人委員会というのがいわゆる川島長官の構想のもとに新しい行政全般の検討をしておられますので、その際企画庁のあり方というものについて十分に御検討を願っていって、そして将来の企画庁のあり方というものをああいう委員会において行政機構全般とにらみ合わせて考えていただくべきが適当ではないか、こう考えておるのでございます。したがって、人事等につきましては、今お話のような欠点も若干ございます。しかし、それにとらわれることなく、長官としてはそれに対処して参るというつもりで現状を進めておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/38
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039・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 この水資源開発公団の監督を見ますというと、主務官庁は企画庁というふうに一本に課せられていないようですね。財務と人事は経済企画庁長官になっておりますが、事業の監督の面についてはそれぞれ政令で各主務大臣がきまるようになっております。そうしますと、この公団の監督というのは経済企画庁と各政令できまる各主務大臣という形になりまして、非常にこれは複雑な形になりますですね。こういうものを一本化できなかったのかという気持にもなるのですけれども、しかし、なにせ伝統のある水関係でありますから、そうはいかなかったのかなと思いますけれども、こういうふうに公団に対する監督が並列的に五つにも六つにも窓口があっては、これは公団もたいへんだろうということになるのですが、先の東北開発株式会社の例ではありませんけれども、これは商機を逸するといいますか、事業の機会を逸するといいますか、一そう弱体なものになるのじゃないか、こういう公団はほかにないのじゃないかというふうに思いますけれども、こういう形で公団としての企業的な性格は持っていけるものであろうかという気がしますけれども、その点について長官のひとつ見解を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/39
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040・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 水資源の開発に関しましては、御承知のとおり、工業用水の問題がございますし、また、上水道の問題がございます。また、既存の農業用水との関係もございます。また、現に行なわれておりまする、水開発に関係しております多目的ダムなり、あるいは電力開発なり、それらの種々の関係もございます。また、地方的な一つの水系に当たりましては、地方的な関係も出て参りますので、それらのものを調整して参りますことは、これは非常にむずかしい重要な仕事だと存じておりまするし、重要なだけに困難であろうとも、それらのものを調整して参らなければならぬのでございまして、したがって、企画庁としても仕事の遂行にあたりましては、決して安易にそれらの調整が簡単にできるとは考えておりません。しかし、水資源を活用していくという根本的な精神において各省が一致する限りにおきましては、また、府県が一致する限りにおきましては、それらの大きな目的のためにお互いに協調をしながらやって参らなければならぬのでございまして、したがって、関連した監督官庁もございますし、その関係と、水資源の直接のつながりもあるわけでございますから、そういう意味においては十分慎重に配慮をいたしながら考えて参りませんと、全体の利害をそこなうようなことではこの公団のほんとうの活用ができないようになりまして、そういう点については十分配慮して参るつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/40
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041・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 今の水資源開発公団に対する監督が非常に多元的に、多元的というとまずいのですが、要するに、経済企画庁長官なり関係の大臣ということになりますと、六人か七人かになると思いますが、そういう非常に一元化されない、一本化されないたくさんの監督を直接に受けなければならないということになっておるようですし、さらにまた、直接これを取り扱います経済企画庁の水資源局、これもまた、それぞれ各省から出てきて局を構成する。それから公団の総裁なりあるいは副総裁なり理事なり監事なり部長なり課長なりというところもそれぞれ各省から出て構成する。さらに、総理府に置かれますところの附属機関である水資源開発審議会、これもそれぞれのOBが出店的に出張して出てきておる。こういう組織が水資源を総合的に調整をし、推し進めていく場合に、非常に問題が多過ぎるのじゃなかろうかというふうに思うわけなんですが、まとまればいいでしょうが、まとまるまでになかなかたいへんじゃなかろうか。局でもたいへんでしょうし、公団でもあるいは審議会でもたいへんでしょうし、まとまりが悪いことになりますと、とことんまでもめちまう。また、まとまったとしてもしこりが残るというので、それがそれぞれに反映してもめるというようなことになりまして、これはどうにも、一体こういうような局を新しく一つ作り、あるいは公団を作って、そして水資源の開発を促進していくのだ、調整をしていくのだ、こういうやり方が一体うまくいくものかどうかという、お手並み拝見というような、他人様みたいな話ですけれども、そういうような気がしてならないわけです。長官として、これでうまくいくのだ、むずかしいことはわかっているけれども、むずかしいが重要な仕事だと、それはわかりますが、私はたいへんじゃなかろうかというような気持がいたしておるのですけれども、重ねて長官の、こういう関連の中でうまくいくのだという御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/41
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042・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 御指摘のように、こうした各省の調整を要する仕事を、円満に、しかも目的を完全に達成するようにやって参ります仕事というのは、決して楽なことではないかと思います。したがいまして、簡単にできるとは私ども考えておりませんが、しかし、これをやり逐げる決意を持ちまして進めて参らなければなりませんので、現在各省の協力を得ながらこれをやり逐げるという気持で出発をいたすつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/42
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043・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私はこういうような機構ができますときに、第一、審議会の委員も非常にやはり結果としては難渋であっておくれたといい、あるいは公団そのものもやはり人事問題について各省関係調整がうまくつかない。そのために発足がうんとおくれる。それぞれ見ていますというと、うまく調整をとるということですけれども、それぞれはるかにおくれた形で運営がずっと引き延ばされておくれてきておるというような形に現になっておるのじゃないかというふうに思いまして、これは今後の運営として容易ならぬものがあるという気がするわけですが、さらにこの基本計画、これは審議会で承認をし、基本計画、この基本計画を一つとってみましても、どうも各段階でもめるようでございますね。現在またもめておるのじゃないかと思いますが、この基本計画は一体調整はいつごろついて、大体目途としては、審議会をどういうふうな形でいつごろ大体審議会を通ってというふうに見ておられるのか、この基本計画の見通しについて伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/43
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044・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 審議会のほうは御承知のとおり、すでに発足をいたしまして、そうして利根川並びに淀川水系の指定をいたしたわけでございます。公団がおくれておりますのは、人事の問題と申しますよりも、公団発足前に、企画庁におきます水資源局が設置されませんければなりませんので、したがって、設置法が通りました後に公団の発足を進めて参るために、ただいま準備の段階におるわけでございます。したがって、水資源局の設置が御承認を得るようになりますれば、続いて公団の発足に直ちに着手して参る、こういうふうになっておるわけでございまして、若干そういう意味でおくれております。両水系の指定がございました。そこで基本計画を両水系において作らなければなりません。各省の御協力を得ながらこれを作って参るのでございますが、ある程度すでに話し合いもいたしております。したがって、今日までこの水資源の問題を取り扱いまして、昨年法律もできたわけでございますから、そういう意味におきましては、今後の運用におきまして十分な注意をいたして、そうして基本計画の策定を急いで参りたいと思いますが、事務的にどの程度の期間にできるかというような問題については事務当局より御説明をいたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/44
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045・曾田一忠
○政府委員(曾田一忠君) 水資源の開発の基本計画につきましてお答えいたします。とりあえずの水系といたしましては、利根川と淀川を考えておるわけでございますが、御承知のように、利根川全体あるいは淀川全体の水の需給計画といいますものを一挙に作るということが非常に困難でございますので、われわれ事務当局といたしましては、とりあえず公団の事業といたしまして、早急に行なう必要のあるものにつきまして、基本計画を、第一次と申しますか、そういう基本計画を作って参りたいというふうな考えで準備を進めておるわけでございます。したがいまして、近く公団で予定されております事業は、利根川で申しますと、矢木沢ダムとか下久保ダム、それから淀川で申しますと高山ダム、そういうものが一応予定されておりますが、それらにつきまして一応各省の幹事会あたりの程度におきましては大体の構想はまとまっておりますけれども、なお、数字等の点につきまして若干の問題が出ておりますので、目下調整を急いでおるわけでございますが、近く水資源局もできますし、できましたならば五月の早々にでも審議会を開きまして御審議をお願いいたしたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/45
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046・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 この基本計画につきまして、今お話の矢木沢ダムそれから下久保ダム、これは基本計画の骨子になっておるようですけれども、これは従来から建設省がやっておられました事業、今やっておられる事業を公団が引き継ぐというような形になるだろうと思いますが、せっかくこういう促進法ができ、公団が発足をするというにあたって、今まで建設省がやっておった仕事を引き継ぐというのが基本計画の内容だということになっては、これはやはりなかなかうまくいかぬのじゃないか。今お話のように、さしあたって公団が発足するにあたって第一次的といいますか、第一次の仕事としてこうだとおっしゃいますが、しかし、結果的にはやはりこういうような、妙に、妙にというと語弊があるかもしれませんが、各省との間でいろいろ問題のあるこの事業の発足にあたって、建設省が今やっておられる仕事をそのまま引き継ぐのが公団の基本計画だというのでは、これはうまくいかないというふうに私どもとしても思うわけですが、ですから、やはり公団の発足する、あるいは基本計画ができるというに至っては、いわゆる利根川なり淀川の問題について、もっと大きな根本的な計画というもののスケジュールが一応なければいけないのじゃないかというふうに思うわけです。そういう点についてどういうふうに考えられておるのか、承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/46
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047・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 当然その基本計画として大きな計画が策定されなければなりませんが、公団が発足して直ちに事業を開始する、あるいは各省に分かれております仕事を一応公団にまとめて参るという必要もございますので、そういう点については、とりあえず各省の今日までの仕事を引き継ぐべきものは引き継いで参る。しかし、同時に水系全体に対する基本計画を設置して参りますことは、これは当然のことでございますので、それを作って参ることにいたして参りたいと、こう存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/47
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048・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 さしあたって、当面とか、あるいは間に合わせのためとか、手っとり早くといいますか、いずれの言葉を使いましょうとも、今の基本計画が、建設省が今やっておる仕事の引き継ぎ的なものに終わるということは、これはどうも発足にあたって問題が発生するだろうというふうに思いますけれども、したがって、少なくともやはり利根川なり淀川の総合開発についての構想は明らかにしておかないといけないんじゃないか。さしあたって、ということがこれはなかなか問題でありまして、そこら辺が農林省なり建設省なり、そのほかの省との間のまたごたごたが続く原因になるわけですし、したがって、そういう形ではなくて、発足にあたってやはりラフな数字でもよろしゅうございましょうが、根本的な総合的な構想というものがないと困るのではないか。公団が建設省の仕事を受け継ぐという形の発足では、これは問題が起こるのではないかというふうに感ずるわけなんですが、その点について、総合開発局長、ひとつ事務的な見解をまず承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/48
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049・曾田一忠
○政府委員(曾田一忠君) お答えいたします。
先生のお話のとおり、基本計画の内容といたしましては、利根川なら利根川水系の、たとえばおおむね十カ年間を目途といたしまする水の需給資源計画を作るというのが、私は、先生のおっしゃるとおり、その骨子ではないかというふうに考えております。したがいまして、私どもといたしましても、農業用水、工業用水、あるいは上水道用水、それの量、あるいはできましたならば、それの地域別の量といいますものを、ラフな数字でもいいから、一応計画の案に計上いたしたいという考えを持ちまして、いろいろ各省と実は話を進めて参ってきておるわけでございますけれども、まだ特に各地域別の量といいますものは、現状におきまして、そう簡単に把握するのも困難でありますし、それから全体の各用途別の水の需要量といいますものも、何といいますか、いろいろ希望的な数字は出ております、率直に申し上げまして。それと今現在予想されておりますいわゆる水の供給の量とのバランスといいますものも、まあ必ずしもうまい工合に一致しないというような事情もございまして、もう少し、需要量、あるいは需要の見通し、あるいは供給の見通しというものにつきまして、なお慎重な調査が要るのじゃないかというような状況じゃないかと思っておりまして、したがいまして、考え方は先生のおっしゃるとおりでございますけれども、とりあえずといたしましては、公団の事業発足に間に合うように暫定的な基本計画というものを作りたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/49
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050・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 この利根川、淀川の二つの水系を水資源開発審議会においてきめられます場合におきましても、関係各都道府県の意見を聞くという場合に、種々条件がついておることは御承知のとおりだろうと思いますが、この基本計画の場合におきましては、さらに一そうこれは事業関係の都道府県、これが相当やはり各関係省との関連もあって、今おっしゃるように、さしあたってという形で矢木沢ダムなり下久保ダムというものを、公団の基本計画だというようなふうに進められますと、問題が起きてくるのじゃないかというふうに思うわけです。したがって、やはり今おっしゃったように、もっと大きな構想というものを前提にして、矢木沢ダムなり、あるいは下久保ダムというものが出てきませんと、さしあたって、当面してという言い方に、各省問題がありますし、また、関係がある。都道府県それぞれ審議会の場合にまたもめるということになるのじゃないかと思いますし、したがって、重ねて申し上げて恐縮なんですけれども、やはり二つの河川についての構想を明らかにし、その中で進められるというふうに、強くひとつ要望しておきたいと思います。それでないと、またこれはもめますよ。容易ならぬもめ方をすると思うのですよ、今度はいよいよ実施だからもたつくだろうと思いますので、重ねて要望申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/50
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051・石原幹市郎
○石原幹市郎君 新産業都市建設促進法案が目下参議院で審議されており、この国会であるいは成立するのじゃないかと思いますが、この法案が成立しますると、これらの関係する事務は、今の予定で、一応どこで所掌されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/51
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052・村上一
○政府委員(村上一君) お答え申し上げます。
局としましては、総合開発局で所管いたすつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/52
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053・石原幹市郎
○石原幹市郎君 この新産業都市建設の構想がまとまる前に、御案内のように、建設省では広域都市、それから自治省で基幹都市、通産省で産業都市といったようにいろいろやっておった。ことに建設省と自治省では、それぞれ四十カ所かないし五十数カ所の調査都市をきめまして、二年ないし三年の計画をもって調査が始まっておるわけでございまして、こういう基幹都市、広域都市の調査対象になっておるこれらの仕事と、今度のそういうのをまとめて新産業都市として発足されておるようでございますが、これらとの関連といいますか、結びつき、こういうことはどういうことになっておりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/53
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054・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) お話のように、新産業都市ができるまでに、自治省なり建設省なり、あるいは通産省がそれぞれ案を持っておられまして、それを総合いたしたのがこのたびの新産業都市——総合調整いたしましたのが新産業都市の問題でございますが、ただ総合調整をいたします過程におきまして、この新しくできます新産業都市というものが、国土総合開発計画の一つの拠点都市としての立場をとるということに大体一致しておりますので、したがって、既存の各省案、各省それぞれの立場で御検討になりましたそれらのものと直接の関係はない場合があろうかと存じます。そこで、どういうふうに今の国土総合開発をやって、そして地方の格差をなくしていくか、経済を全体として上げていくかと言いますと、一応国土総合開発計画を仲介といたしまして、新産業都市をいわゆるその地方の経済圏内——必ずしも行政圏とは申しません、経済圏というものを考えまして、そして先般の臨時国会において成立させていただきました低開発地域工業開発促進法、これによりまして低開発地方の促進をしていきたい。そこで若干自立し得るような中都市と申しますか、すでに発達している都市というものは、それ自身の力でやっていくというような形になろうかと思います。そういうような関係で全体の総合的な調整をやっていきたい、こう存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/54
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055・石原幹市郎
○石原幹市郎君 それでは新しい新産業都市では、国土総合開発から見た拠点都市、あるいは中都市、それから低開発地域工業開発促進法でいく都市、こういうようなことになるというお話でございましたが、ただ、先ほどの長官のお話では、今までやりかけておる基幹都市なり広域都市の調査と、今度の新産業都市というもので都市をきめていく問題については、直接のつながりもかかわり合いもないというお話に聞き取ったのですが、この基幹都市なり広域都市なりは建設省、自治省という工合に分かれておりましたけれども、大体同じような都市を対象にして、その間の相違はたしか二つか三つぐらいだと思うのですが、対象として調査が始められておるわけでありまして、それで、これらの調査都市の対象になっておるところではそれぞれ相当の期待権とまではいきませんけれども、いろいろの期待を持って、あるいは付近の町村合併を進めておるとか、いろいろなことをやっておるのですが、これが建設省の調査しておる広域都市、自治省の基幹都市、これはこれだけの調査であって、新産業都市のこれとは何のかかわり合いもないのだということが非常にはっきりしてきますと、ちょっと地方的にあるいは騒ぎが起きるのではないかというような気もするのでありますが、その点はもう一度長官に聞いておきたいのですが、五十前後の都市がいろいろ調査対象になっておりますが、新産業都市審議会でいろいろきめていく際に、まあ大体これらの都市を対象として逐次取り上げていく、その方法はいろいろ私にも意見がありますが、そういう構想でいくのだと、そこの関係をもう少し、もう一回はっきりさせていただいて、もう長官なり、あるいは経済企画庁としては大体こういう点できまっておるのだとか、あるいはこれから検討するのだとか、もう一度その点をはっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/55
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056・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 直接のつながりがないと申したのは、この新産業都市を作る構想の上においてそういう関係が一応ないということを申し上げたのでございまして、現実には自治省あるいは建設省等でもってすでに御調査になっている都市があることは、これはわれわれも承知いたしております。また、両省からも、この新産業都市を作ります場合に、それぞれの調査資料をいただいてやっております。ただ、両省として調査しておられます四、五十の都市についても、両省としても、過去のいわゆる両省の構想で、全部それを指定するという意味でもなかったわけでございまして、その中から適当な調査の結果、条件を選んでそして指定をするという形にもなってくるわけです。それが自治省あるいは建設省と若干食い違いのある場合もございましょうし、いろいろございますが、そういう点は十分過去の調査というものは生かして、そして生きていくようにわれわれも考えて参らなければならぬ。これは当然のことでありまして、せっかく費用を使って調査をされておることでありますから、その調査の結果を生かして参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/56
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057・石原幹市郎
○石原幹市郎君 それでこういう問題が起きますると、いつも地方からは、これはどの県でも同じだろうと思うのですが、ことにどちらかの調査都市の対象になっているところは非常に騒ぐのですね。陳情云々といいますか、しかも、それも相当既存の都市を中心にして広域な範囲に合併計画を進めたり、いろいろなものをやろうとしていますが、そういうところが寄って非常な騒ぎを起こすということは、いつでもこういう問題についてあるわけでありますが、でありまするから、私は新産業都市をこれから指定していかれる際にも、地方が、騒げばわれわれの目的を何するのだということばかりになりますると、地方側も何するし、中央でも非常に迷惑であろうと思われるのでありまして、大体こういう構想でいくのだという大きな計画を打ち出されて、そういう騒ぎがあまりないようにしていただきたいと思うのと同時に、私はあまり騒ぎを起こさぬような意味では、逐次少しずつ小出しにするよりは、構想を大きく打ち出して、大体こういうところを将来何していくのだということをむしろ大きく当初に打ち出していただいて、もう拠点都市あるいは自分のところは大体この構想では中都市という形、あるいは自分の都市は低開発の工業開発都市でいくのだとか、それぞれの都市が、一応の目標を立てて高望みで大騒ぎばかりすることのないような指導方針をなるべく早く確立してやっていただきたいということを、これは要望として申し上げておきます。
それから立ちましたついでに、時間もだいぶ過ぎてあれですが、もう一つでございますが、離島振興という仕事を経済企画庁でやっておるわけですが、これは私従来から離島振興というようなことが経済企画庁にあるのはちょっとどうだろうかという感じを持っておる。ただ、この離島振興の仕事が生まれたときの発足が、農林省の関係あるいは各省にまたがっておってとうとう企画庁にいった、議員立法までなっていったということですが、今度自治省のほうの辺地開発に対する特例法みたいな法律ができて、島ではないけれども、僻陬の辺地のいろいろ振興のためにだんだん総合施策までやろうという法律ができておるわけでございますが、こういうことから考えてみますると、やはり離島振興のような仕事は、これはむしろ経済企画庁からはずされて、そうしてもっと大きな国土開発の総合的な基本計画に取り組んでいただけるのがいいと思うのですが、これは従来のいろいろいきさつがありますから、企画庁長官だけのお考えではできないと思いますが、まあ私はそういう意見を持っておりまするので、この考え方に対して、長官どう批判されるか。ひとつ御意見を参考に承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/57
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058・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 今第一段のお話し、まことにごもっともなことでございまして、実はこの新産業都市の問題が起こりましてから、同一府県内におきましてもなかなか問題があるのでございまして、必ずしも同一府県内でまとまらない場合もございます。いわんや経済圏的な考え方でその中心となると、なかなか問題もあるのでございまして、したがって、今お話のように、国土総合開発の見地に立ちまして、低開発地域工業開発促進法によってやる都市、あるいは中都市として育てていく都市、あるいは新産業都市として開発をやるということを、中央でも明確にいたしませんと、地方でも、あるいは同一府県内でもいろいろまとまりかねる場合もございますので、そういう点については、われわれもこの法律ができます過程においても、大体十分な検討をいたしておりますので、そういう点については、企画庁としてもできるだけはっきりその方針というものを示して参りたいと考えおります。
それから離島振興の問題でございますが、これは私が申し上げるよりも、石原さんのほうがずっと御造詣が深いのでございまして、道路であるとか、本土との連絡関係で港湾その他の問題もございます。各省にまたがるものでございますから、企画庁が預かったということになっておるのでありますが、一体企画庁の仕事というものが、あまりこういう現実の仕事をたくさんかかえ込みますると実はよろしくないのでございまして、これは企画庁としては純粋に経済関係の全体の問題に関して各省を指導し得るような、基礎的なあるいは根本的な方針の確立というようなものに、少数精鋭スタッフに持っていくのが私は必要なんじゃないかというふうに実は考えるのでございまして、こういうような点については、先ほども申し上げましたように、七人委員会というものができておりまして、行政機構全般の改革をひとつやってみようじゃないかということでございますが、そういう際にたとえば国土開発庁を作るとか、あるいは国民生活省を作るとか、厚生省を何するとかいろいろな問題があろうかと思います。そういうところで十分御審議を願いまして、もし私が企画庁を預かっておる今の立場から意見を聞かれるならば、そういうような行政審議会等においては、そういう面について、企画庁としてはあまり実施面を持たない、純粋の経済指針を定める官庁にしていきたいというような意見を申し述べたいくらいに存じておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/58
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059・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。午後一時より再開することとして暫時休憩いたします。
午後零時十四分休憩
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午後一時四十分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/59
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060・河野謙三
○委員長(河野謙三君) これより内閣委員会を再開いたします。
労働省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取しておりますので、これより質議に入ります。
なお本案は、お手元に配付いたしましたように、衆議院において修正されておりますので、御了承願います。
政府側から出席の方は、福永労働大臣、加藤政務次官、大島労働基準局長、松永官房長の方々でございます。
御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/60
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061・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 労働大臣にこの間も伺ったのですが、労働大臣が公務員制度担当大臣でありますので、したがって、問題になっております暫定手当の本俸に繰り入れの問題、それから三月末の特別手当、この問題については、組合等の問題もありますけれども、毎国会三月、四月にかけまして、いつもこの委員会で問題にいたしておりますが、理屈的に言いましてどうも納得できない点がありまするので、この三月末の特別手当の問題、さらに公務員の給与の問題等について、ぜひ一ぺん大臣の御見解をたださなければならないというふうに思っておるわけです。これはまあ一番大きな問題なんですけれども、きょうはこれをおきまして、これをあとに延ばしまして、当面、今労働省設置法に出ております点について、ひとつ順次お伺いをして参りたいと思いますが、まず初めに、定員の増加の問題でありますが、六十六名の定員外職員を定員内に繰り入れる、それから労働者災害補償保険事業、失業保険事業、広域職業紹介関係業務を積極的に推進するためというので、百五十二名ふえる、こういうことでありますが、この新規増の問題につきまして、かねがねからどうも理解に苦んでおる点がありますので、この新規増の問題について伺いたいのでありますが、労働省では一般会計の職員の増加がなかなかむずかしい、そうして特別会計のほうの職員の増加は不十分でありますけれども、やはり逐次増加している、こういうふうに言われておるわけですね。それで今回もこれを見ますというと、百五十二名増員いたしますが、特別会計の災害保険、失業保険というものが、やはり増加をするようですし、広域職業紹介というのは、これは北九州の問題だろうと思いますが、これはそういう関係があってふえるのだろうと思いますけれども、どうも一般会計の人員がなかなかふえにくいので非常にふえにくいということが言われておるのですが、どういうわけでこの監督官なり公共職業安定所の職員はふえないのか、特にこの監督官というのがふえないのかという点を伺いたいわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/61
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062・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 労働省といたしましても、予算折衝の際に、定員増についていろいろ交渉をいたしましたのでございますが、結論といたしまして、今お話のありましたようなことに落ちついたわけでございます。私ども限りにおいては、たとえば基準法上の監督官等はさらに増員をいたしたいという気持もあるのでございまするし、事実、こういう点についてかなり強く折衝等もいたしましたのでございますが、公務員の増員ということについては、なかなか簡単には参らない事情等もございまして、したがって、ある程度の増員は労働省について認められたのでございますが、十分というところまではいっておりませんが、しかし、この得ました結論によりまして、ぜひ行政能率を上げて、できるだけの成果をおさめるようにという特段の努力をしていきたい、こういうふうに感じている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/62
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063・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 どうもこういう労働者の災害保険あるいは失業保険というような、言うならば労働行政としては最低のところを何とか処理していきたいという、そういうところの人員がふえまして、そうして労働者の安全を確保していこうという監督官というようなものがふえない。私は監督官がふえて、災害が減少していくということになりますればこれに幸いするところはないと思うわけでありまして、どうも監督官なりそういうものがふえないでおるということは、非常に遺憾なことだというふうに思っております。今、出ました基準監督署、全国で三百三十七カ所、この人員が昭和二十四年約八千名なんですね、それで三十七年に約半分、四千四、五百という数字になっております。半分になっておりますが、ところが、工場、事業所、いわゆる監督署の対象にする工場、事業所というものは二十四年から今日、約二倍以上にふくれ上がっているわけですね。ですから対象の個所数はそういうふうに二倍以上にふくれ上がっているのに、人員はその半分に落ちる、こういうことでは、これは労働者なりあるいは工場の災害を防止していくという、そういう面について非常に欠けるところがあるのじゃなかろうかというふうに思うのですけれども、こういう点をどういうふうにごらんになっておられるのか伺いたいわけですよ。あまりにもひど過ぎやしないかという店ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/63
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064・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 正確には事務当局からもまたお答えさしていただきますが、私の記憶からいたしますと、たしか行政整理をあの当時やりましたときに、労働省については、たまたまかなりの欠員があった事情から、当時各省で欠員があるものについて、ある種の処置がとられて、その結果今御指摘のようなことにもなっているというように私記憶しておるのでございます。したがって、本来からいたしまするならば、もっと多く必要であり、また、そうありたいというにもかかわらず、たまたまそういう事情であったということで、人員が減る結果になった、しかも監督すべき対象の事業所は著しくふえているというようなこと等よりいたしまして、労働省といたしましては、ぜひ今回は今回といたしまして、今後に増員を期したい、こういう所存でございます。ではございますが、先ほども申し上げましたように、現有の定員をもってできるだけのことをやっていかなければならないし、そういたすべきが当然でございますが、率直に申しましてあきらめ切れずにいるようなわけでございます。私といたしましても、今後、より一そう努力をいたしまして、労働行政の完璧を期していきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/64
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065・大島靖
○政府委員(大島靖君) ただいま御指摘の一般会計の定員数につきましては、相当減少いたしているわけでございますが、特別会計と合わせました総計におきましては、大体人数において
はたいした変わりはないのであります。ただ、先生御指摘のように、日本の中小企業というものが非常に膨大であり、この労務管理の近代化ということが非常に重要なおりからでありますので、私どもといたしましては、機動力をますます強化していくという問題、それから訓練による素質の向上問題、あるいは監督なり指導のやり方の問題、こういう方面における今後さらに一そうの努力をいたしたいと思っております。なおまた、必要な人員の確保につきましては、今後とも予算折衝の過程等において努力を続けていきたいと思う次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/65
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066・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 大臣のお話のように、ぜひひとつ人員の増加について格段の御努力を願いたいと思いますが、さらに私もう少しこれを突っ込みまして伺いたいのですけれども、今申し上げましたように、基準監督署の監督の対象事業所、工場というのが非常なふえ方をいたしまして、それに対して人員が半分になっておるということは、これは容易ならないことだと思うのです。そのために今おっしゃったように、機動力をというふうなお話し、しかし、私は公務員をかつてやっておりましたので、したがって、地方に出かけますと、監督署にも伺う、あるいは職業安定所にも伺うということは多いわけであります。伺ってみまして感じますことは、機動力はこれはお話のような形になっていないわけです。監督官は靴の裏を見ればわかる、靴の裏を見れば監督官の仕事振りはわかると言われるくらい歩かなければならない。機動力というのは、落ちておる。私は各行政機関の出張所あるいは支所というようなところをよく回りますけれども、これは決して機動力があるというふうには言えないです。機動力は格段に足りないです。さらに素質を高めていくというようなお話でありますが、今は第一なり手がないじゃないですか。さらに若干高度な監督技術を要する。そういうものは引き抜かれる傾向になっている。ですから機動力がどうだとか素質の向上がどうだとかという努力をなさることはけっこうですが、少なくとも現状において機動力はきわめて不十分。さらに素質の問題については引き抜かれるという傾向にある。これは処遇その他が見合っていないということ、あるいは人員が非常に足りないのに対象事業所、工場が非常にふえているというところから過重になっている。だからやはり退職者も出てくるということでありましょうし、まあ入ってみて、監督署というのですから、いい名前ですから、入ってみて、一、二年は何とかいるが、次第になれてきますといやになってしまうという傾向が強い。その意味で、私は基準監督署というのは非常な事態にあるのじゃなかろうかというふうに思っております。したがって、そういう意味でひとつこれからも機動力でもけっこうですが、あるいは定員の増加の問題についてもっと根本的に考えてもらわなければ困るのじゃないかというふうに思っておりますので、ただこの場合に、基準監督協会とかいう任意団体がありまして、あるいはボイラー協会とか、そういうようないろいろ基準監督署と監督を受ける工場の人たち、工場主がそういう協会を幾つも作っているのですね、そういう協会から旅費が出る、あるいは夜の検査なんかに夜食を出す、あるいは場合によりますと、超過勤務手当を出すというような傾向が、これは依然として否定できない。さらにそういうような労働基準協会とかいうような、ボイラー協会とかいうようなところが金を負担をして人員を配置している。それが監督官の補佐をやる、こういうような実情にあるのじゃないでしょうか。しかも、こういうような労働基準協会というようなものは、これは監督署の職員が勧誘して歩いているわけですね。何か労働安全週間というようなときには大会がありますね。そういう場合の経費の負担はまず協会が持つわけです。この協会に対して基準監督署の監督官が歩いていって寄付を頼まなければならない。そういう状態では、一体日本の工場の災害を守り、あるいは労働者の災害を守るという、そういうような事業が一体円滑に遂行できるだろうかという私は感じを始終持っているわけです。ですから、こういう実情について私はもっと伺いたいのですけれども、具体的にいって、監督署にどの程度の人間が、そういうような協会あたり、そういう任意団体の協会あたりから金を出してもらっているかつかんでおられるかどうか。一人だ二人だというふうな、多いところは六人もいるという話も伺っております。どういう話であるか、具体的に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/66
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067・大島靖
○政府委員(大島靖君) ただいま御指摘になりました点、私もそういった協会から直接人員の提供を受けて云々という具体的な資料を私ただいま持ち合わせないのでございますが、ただ、今御指摘のようなことになりますと、基準行政の信頼を失う結果になりますので、実は昨日も全国の基準局長会議を開きました際に、私から特に全国の局長に要望いたしました点は、今中小企業の労働条件の向上、労務管理の近代化にこれから全力を上げて取っ組まなければならぬときであるので、基準行政の信頼を失うことのないように、みずからの姿勢を正しく行政に邁進するようにという、特に私から綱紀粛正についての強い指示をいたしたのであります。今後とも、先生からただいま御指摘になりましたような点、私も十分心いたしまして、今後とも努力をいたしたい、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/67
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068・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 綱紀の粛正について十分御配慮になるということ、これは異存がないと思うのですけれども、ただ、そういう監督する工場、事業所が非常に膨大になりまして、それに対して人間が逆に半分に減っておるという、そういうところから無理だという感じがするわけですね。しかし、やはり最低のことはしなければならないということになりますと、結局、こういうような形になっていろいろ言われてくることになるのじゃないでしょうか。労働基準協会というようなところが金を負担して人を置いて、そして手伝わせる、あるいは援助させるというようなことになると、夜の臨検になると夜食代はこういうところが出す。夜、臨検の場合に夜食代を出せば、やはり公正な監督に欠けるところが出てくるというふうにも思うわけです。しかも私が伺っているのは、どの程度いるかという数字を伺っている。どの程度いると見ておられるか、大体平均して二人いるというふうにいわれている。多いところは六人だという話も聞くのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/68
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069・大島靖
○政府委員(大島靖君) ただいまの御指摘の基準協会の職員が基準局自体の仕事をいたしているといった意味の御指摘でありますが、私どももさっそくこの点調査いたしてみたいと思うのでありますが、基準協会がしばしば基準局内の一室に事務所を置いている場合もありますので、そういった点でどういう関係になりますか、具体的に私どもも全国的に調査をいたしてみたいと思います。なお、先ほど来先生御指摘のいろいろな点につきましては、今後とも十分留意いたしまして、戒心いたしまして、信頼を失うことのないように努力をいたして参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/69
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070・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 先ほど私申し上げました、仕事が非常にきつい、さらに超過勤務手当が不十分である、あるいは旅費が非常に不十分である、仕事が過重だというようなところから、なかなかなり手がない。なっても特殊な技能を持っておると会社その他に引っこ抜かれるという実情にあるようですね。そういうことに対しまして、何らかの対処の策を持っていらっしゃらないと、非常に遺憾な状態じゃなかろうかというふうに思っておりますが、そういう問題について、これは私、監督署の旅費、詳細に調べておりますが、非常に不十分ですね。運営も私まずいと思うのです。これは基準監督局とそれから監督署というふうに二つを比べました場合に、非常に監督署はまずいのですね。ですから、そういう問題について人間がいなくなる、あるいは引っこ抜かれる、なり手がない、こういう実情をもっと早く把握をしていただいて、それに対する対処を、人員をふやすならふやす、あるいは超過勤務手当をふやすならふやす、あるいは特殊な危険を伴うものに対しては危険手当を出していくというような対処策がないと、これはそのまま置いておかれたのではどうにもならぬという私は気がするわけですね。そういう点についてお考えがあるのかないのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/70
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071・大島靖
○政府委員(大島靖君) ただいま御指摘の基準局関係の予算の不足につきましては、私どももなお努力の足らない点でありまして、今後とも努力をいたしまして、この予算をふやすことを進めたいと思っております。本年度の予算におきましては、事務費関係、旅費、庁費関係、そういう点については、従来の基準局予算の増加率に比べますと相当大幅に増加いたしたのでありますが、この点、なお私ども十分でないと思いますので、今後とも努力をいたしたいと思います。なお、基準行政の対象が非常に膨大でありますし、最近数年、特に非常に増加率も大きいわけであります。そういった関係で、今後とも行政の伸展の工夫を一段とこらす必要があろうと思います。そういった点においても努力をいたしたいと思います。
なお、職員の募集難につきましては、先生御指摘のとおりでありまして、ことに技術系統の職員の募集については非常に難渋をいたしております。また、年度途中におきます欠員の補充、これにつきましても非常に難渋いたしておるわけなんでありますが、できるだけ年度当初に、と申しますか、学校の新規卒業生、公務員試験を通りました際における募集人員の確保あるいはその予約、そういったものに努力をいたしまして、できるだけ、非常に困難ではありますが、補充を努めるようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/71
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072・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私は、今お話のように、はなはだしく困難な状態だと思うので、それでいろいろこの点について申し上げたい点もあります。具体的に日額旅費の運営についても非常に問題がありますしね。それから、御存じの土曜日の半日直、これも御存じのように、労働省は出していない。大蔵省はちゃんと出している。人事院もちゃんと出している。もっと労働省あたりばこういう問題にやはりはっきり目を届かさないとまずいと思います。実際動いているのは個々の監督官なんです。その監督官に対して、私、今一例だけ申し上げましたが、そういう状態でははなはだ残念だと思うのです。そこで私は、こういうような疑問を持つのですけれども、どうも仕事の量は、やらなければならない量は非常にふえている。二倍ぐらい、それ以上にふえている。人間はその二分の一かに減っちまった。そうして優秀な人間はとれない、やめていく。補充するのに非常に困難だ。一体これで基準監督がやれるのかというような懸念を非常に強く持つわけなんです。そこにもってきて、協会みたいなものがありまして、ボイラー協会みたいなものがあったり、基準監督の協会みたいなものがあって、これがいろいろ出張旅費を持ったりあるいは夜食を持ったりあるいは超過勤務手当を持ったりいろいろなことをする。そのことがまたこの行政をうんとゆがめるということにもなる。そういうふうにいいますと、労働基準法を改正せい改正せいという話が三、四年前は非常にやかましいかったのですけれども、最近火が消えたようになっているのは、事実上こういう監督ができないような形にまでもってこられているのじゃないか、問題にならない形になっているのじゃないかというような疑問を持つわけなのです。そういう点について、実際関係のある局長はどういうふうに考えておられるのか、それから労働大臣どういうふうに考えておられるのか、私は今後自然と労働基準監督というものはゆがめられていきまして、そうして三、四年前の労働基準法を改正せいというような意見に合わさるのじゃないかというような懸念を持つのです。こういうことではゆゆしいことだと思うのですけれども、そういう点についてのひとつお考えを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/72
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073・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 政府の方針といたしましては、ただいま御指摘のようなことにつきましては、監督を厳にしていかなければならない、この態度を堅持して参らねばならないわけでございます。現実の問題といたしまして、今おっしゃるような傾向のことも一部にあるわけでございます。私どもといたしましては、これらのことを克服いたしまして、今おっしゃったように、だんだん監督がいいかげんなものになるというようなことには断じてならないようにしていかなければならない、こういうように存じておる次第でございまして、先刻も局長が申し上げましたように、昨日の全国基準局長の会議におきましても、この点を最も強調いたしましたようなわけでございます。将来問題といたしまして、お説のような趣旨を体しまして、人員の増加、予算の増強等について一段の努力をしていかなければならぬ、こういうように存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/73
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074・大島靖
○政府委員(大島靖君) ただいま御指摘の監督につきましては、年間二十四万事業所の監督を実施いたしおります、三十六年におきまして。この数字は、必ずしも低下しているというよりは、むしろ増加の方向に向かっておると思いますし、まあ、主要事件の処理いたしましても、最近送検の件数等におきましても、むしろ増加をしておる状況であります。ただ、先生ただいま御指摘のような諸点につきましては、私ども重々戒心しなくてはいかぬ点が多いと思うのでありまして、こういった点、私から昨日全国の局長に指示いたしましたし、同時に、私といたしましては、現在の基準行政の根本的な使命はここ数年間の間に日本の中小企業の労働条件というものを向上し、労務管理の近代化を強力に進めていくという点にあると思います。こういった点についてもあわせ強く指示いたしておきましたので、できるだけ努力いたしまして御期待に沿うようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/74
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075・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 まあ、大臣もたびたび御答弁のように、ひとつ人員の確保について格段の御努力を願い、さらに、そこに働く人たちの勤務条件、旅費の問題にいたしましてもあるいは宿日直の問題にいたしましても、超過勤務手当の問題にいたしましても特段の御努力を払われるように強く要望いたしておきたいと思います。なお、私は、性格的に非常にねちっこい男ですから、これから労働省が一名でも二名でも定員をふやされれば、設置法が出て参りますから、そのつどこの問題については追及をいたします。私もまた精力的にやりまして、地方に参りましたときには監督署に行きます、あるいは安定所に行きまして実情をさらに把握いたしましてやかましく追及するようにいたしますから、要望いたしておきます。
それから、職業安定所もどうも最近特に顕著になっているのは、市町村あるいは都道府県、こういうところで金を出して人を雇って手伝わしているというようなところが出ています。本人は職業安定所の職員だと思っているけれども、どうも実際はしばらくするとそうじやなくて、市町村が金を出して雇っている、こういうようなことが多いですね。それから東北なりあるいは九州等から集団就職というようなことが近年非常に多かったわけですが、そういう場合に、各職業安定所からついて行くんですね、その金をどこから取っているかというと業者から取っている、これは無料ということになっているが、実質的には無料になっていない。関係の業者から金を集めてそうしてやる。やめたらいいじゃないかというけれども、やはり心配でならない。中学校程度の人ですから、大阪の駅頭、埠頭なんかはまるで労働市場なんです、そういう状況ですから、やはり心配だからついてくるということになる。学校の先生もついてくる、学校の先生ももちろん学校で負担するんじゃなくて、人を雇う側から金が出ている。そうして旅費を支給している。労働省の公務員の場合もそうだというような実情なんですね。こういうふうなことではどうにもならないというふうに私は思うのです。ですから、こういう面についても十分ひとつ注意をしていただきたいと思います。以上で今の定員関係を終わります。
次に、賃金部の問題を伺いたいんですが、この賃金部は、賃金問題の合理的解決を促進するために従来労働基準局の賃金課で扱っていたものを、今度部にする、こういうわけですね。それで賃金部が新設されるわけですが、その賃金部の所掌事務、組織、これを見ますと、賃金全般にわたる企画調査を所掌する企画課を置く。それから最賃制、家内労働及び賃金一般の指導を含めて業務課を作る、こういうのですね。ですから、賃金部ができまして、二つの課ができて所掌の事務を見るとこういう形なんですが、この賃金全般にわたる企画調査を所掌する、それから最賃なり家内労働はわかりますが、賃金一般の指導という所掌事務ですね、これは一体具体的にはどういうことなのか、具体的に伺いたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/75
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076・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 所管局長から詳細に御答弁申し上げることにさせますが、まず私から方針的な点でお聞き取りをいただきたいと存じますが、賃金の問題というのは何といたしましても、これは労働者にとっても最も重大な問題であると考えるのでございます。私は労働者に最も接触の多い労働省に賃金に関して最も権威のある機構があることが労働者のためになる、まずこれを強く考えている次第でございます。もとより私どもは、この種の機構を作ることによって、賃金を決定する労使の関係に直接介入するというようなことなどは考えているものではございません。国民経済的な視野に立ちまして、従来行なっておりまする最低賃金制の充実、拡大というようなことももちろんやりますが、適切公正な賃金関係資料の整備提供を行ないたい。これは労働省が賃金について標準を示すとかあるいはいささかたりとも賃金統制的な動きをするとかいうような意図では全然ないのでございます。なお、賃金体系も現在のままでよろしいかということにつきましては、これは各方面でいろいろの問題が提供されつつある今日の状況にかんがみまして、これらのことについて広く世界的な視野に立って研究を進め、こういうことに関する労働者や経営者の援助も行なわなければならない。こんなようなことを考えている次第でございます。したがって、ただいま企画とかあるいは指導というような言葉と関連をいたしまして御質疑があったのでございます。これを要するに、私どもといたしましては、賃金というものはもとより労使の間で総合的な理解と信頼による話し合い、これを望むものであります。それにいたしましても、中小企業等においては、なかなか十分な資料等も持ち合わせていないというような場合が多いのでございます。合理的な解決が行なわれるために協力するというような意味において、今申し上げましたような仕事をしたい、こういう次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/76
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077・大島靖
○政府委員(大島靖君) ただいま御指摘の文言については私どもちょっと直接には承知いたさないのでありますが、おそらく今後賃金部がもし国会の御承認を得ますれば、私どものただいまの腹案といたしましては、大体二課制で参りたいと考えております。二課制の分掌案についてはまだ最終的な案を持っておりませんが、大体中央においてやるべきこと、地方においてやるべきことの指導に関すること、大体そういうふうな分け方にしたらどうかという意見が多いのでありますが、ただ、今御指摘のありましたような賃金の企画とか、賃金の指導という点についてはちょっと私どもも承知いたさないのでありますが、これに関連いたしますようなものといたしましては、賃金体系につきまして、ことに中小企業等におきまして最近初任給が非常に上がって参りました。そうしますと、従来おります労働者の賃金との間にアンバランスができて参ります。この手直し、調整をどうするかということがただいま中小企業としては非常に大きな問題になっております。こういった賃金体系と申しますか、そういった問題につきまして、できるだけやはり援助して参らなくちゃいかぬじゃないかと思います。
それから大企業の賃金体系の問題としては、基本給の問題等もありますが、これらにつきましては、民間におきましても相当の研究が進んでおりますが、いろんな各種の諸外国の資料とか、こういった適切な資料を提供して参る、こういったことも非常に必要な仕事になりはせぬかと思いますが、大体そういうふうなことを考えておりますが、ただいま御指摘のような文言については、ちょっと私ども直接に承知いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/77
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078・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 どうも、今労働大臣が御答弁になった、それから局長が今御答弁になった内容だけで、従来ありました賃金課が賃金部になるということはなかなか理解しにくいわけでありますが、中小企業に対します今の初任給が非常に上がったということと、それ以前に入った人たちの問題とか、あるいは大企業の人たちの初任給のごとき賃金体系の問題だとかいろいろな問題が出て参りますが、これは今賃金部をお作りになりましても、定員は四十名ぐらいのものでありますし、大企業の労務課といえば、これとはとんでもなく、そんなものでは相手にならないほど職員がおるわけでありますが、これに対して大企業の初任給がどうこうという話はどうも受け売りをするというような言い方になるのではないかというような気もしますし、ですからそれだけで賃金部ができるということはなかなか理解しにくい点があるのでありますが、私が懸念いたします点が幾つかあるわけですけれども、その一つは、三公社五現業、公企労法の適用を受けている人たちの給与賃金について管理をしていこうというような考え方があるのではなかろうかという懸念を持つ一人であります。今直ちにどうということではないかもしれません、そういうような余地と方向というものが残されておるのではなかろうかというふうに考えるわけですけれども、そういう点についてどういうふうに考えておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/78
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079・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 公企業、三公社五現業の労働者の賃金につきましては、それぞれこれを取り扱う機関がございまするので、直接にこれに労働省の賃金部が、今おっしゃいますような意味においてタッチするというようなことは全然考えておらない。この点につきましては、今そういう懸念があるというような御表現でございますが、特に速記録にも、立法に際しての政府の意向を明らかにいたしまして、将来疑念の生じないようにというふうに私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/79
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080・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 御存じのように、現在国家公務員につきましては、非現業の者につきましては、人事院に給与局がある、さらに大蔵省の主計局に給与課があります。同時に、総理府に公務員制度調査室があるわけです。非現業以外の公務員、特別職、自衛隊とか、あるいは特別職公務員とか、こういう人たちについては、大蔵省の主計局の給与課が相当の関係を持っているわけです。さらに政府各機関、公団とか、そういうものについても、大蔵省の給与課が実際の事務を所掌しておる、こういうのが実情だと思います。それに対しまして、私は今回のこの賃金部というのが何かそういうものにまで発展していく、そういうところの賃金を管理する方向へ余地が残されるのではないか、今直ちにというわけじゃないでしょうが、そういう気がするわけなんですけれども、もっと具体的に申し上げますといいんですけれども、そういうことはないんだというふうなお話しですが、どうも私はそういう気がしてならないし、さらに、地方公務員の場合におきましての賃金については、地方財政計画の上から、大蔵省並びに自治省が相当関心を持っているし、接触しているわけですが、こういう全体の公務員、国家公務員、地方公務員、その他特別職関係の公務員の給与についても、やはり管理するという考え方が出てくるのではないかという気がするわけであります。そこで、先ほど私は賃金全般についてとか、あるいは賃金についての指導とかいうような所掌事務の考え方の中に、そういうような余地があるというふうに疑うわけです。疑ってまことに申しわけないですが、そういう気になるわけです。そういう点について伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/80
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081・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 今鶴園さんがおっしゃるような意味において、全般に対しての管理等を行なうというような意図は毛頭ないのであります。先ほども申し上げまするように、私は労働者諸君と最も接触の多い労働省にこの種機関ができることによって、労働者諸君のために最も喜んでいただけるような結果になろうことを確信しておるものであります。今いろいろおあげになりましたように、いろんな機関がございます。それぞれに使命があるわけでございますが、賃金部というものができることによって、先刻も申しましたように、労働者諸君にとって最もいい結果に生まれかわるようなことになることを私は願って、今次の機構改革を考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/81
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082・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 今の大臣の御答弁を伺っておりますと、私が伺っているものと少し食い違っているように承ったのですが、私は国家公務員の給与につきましては、人事院の給与局、さらに大蔵省の主計局の給与課、総理府の公務員制度調査室というものがあって密接な関係を持って処理をしている。地方公務員につきましては、大蔵省並びに自治省が、その場合に、今の賃金部ができました場合、その賃金部というものが、今直ちにそういう関係を根本的に改変するというわけではないと思います。しかし、近い将来において、そういうものについて管理的な運営に乗り出すのではなかろうかという懸念を持つわけです。先ほど、三公社五現業の問題についてはそうではないというお話でありますが、今の国家公務員につきまして、はっきりそういうお話がないというと、これはどうも困るわけです。それで御存じのように、人事院の所管します約四十万の非現業の国家公務員につきまして、公務員制度担当大臣ということで、労働大臣がその責任者になられるわけですね、なられぬ場合もあるのですが、なられる場合がある、そういう場合に、事務局的なことをやるのが総理府にある公務員制度調査室、その公務員制度調査室は、一体公務員制度担当大臣に対してどういうふうな補佐機能を持っているのかという点ですね、この労働大臣が、公務員制度担当大臣になられますと、私の見るところでは、どうも公務員制度調査室というものは十分な補佐機関的な役割を果たしにくい、こういうようなふうに見受けるわけですね。まあ見受けるのですから、こうだというふうには言いません。言いませんが、どうもそういうふうな感じがする。したがって、今度賃金部ができて、給与全般について賃金全体についてのお考えが出てきますと、これはどうも私はそういうような考え方があるのじゃないかという気がするわけですね。さらにもっと具体的に突っ込んで言いますと、人事院が勧告をする。で、その勧告について種々、これは話ですから、私はっきりはこうだというように言いませんが、労働省は労働省として、ごく内密に批判検討をなさる。それがそれぞれのところに連絡がとられるというようなうわさが出るわけですね。これはうわさですからしてそうだというように私は言いませんが、そういうようなふうに見られるということは、これはどうも私、今回のこういうような賃金部を作るということによって、何かそういうものが具体的に動いてくるのじゃないかという気がしてしようがないものですから伺ったわけです。大臣にもう一ぺんお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/82
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083・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 御懸念の点は全然私は逆に考えておるわけでございます。お話のような将来の含みを考えてこういう機構を作るということでは全然ございません。この点については、衆議院のほうでも繰り返し私は述べておるのでございます。ぜひ私どもの真意を御理解をいただきたいと、こう思うわけでございます。
なお、私が給与の担当大臣ということになっております点につきましては、実は私自身もこれがいいかということで、初めからある程度悩みもし、現在も悩んでおるのでございます。労働大臣というものはきわめて平たい言葉で申しますと、労働者と経営者側のちょうど中間に立っていろいろ心配しなければならないようなことが多いわけでございます。そこで給与担当大臣という立場は、これとまた違うわけでございます。いかがなものかとこう思って、事実私がやるのがいいだろうかということで、私自身で官房長官その他とも話し合ったこともあるのでございます。率直に申しまして、私は別の資格で、十年ほど前に官房長官をやりましたころ、あのころには総務長官というようなものもありませんでしたし、給与担当大臣というようなものも置いていなかった。そういうものを置いたらどうかというようなことで、実は私自身があのときに、あのときの無任所大臣でありましたある人に給与担当ということでお願いをいたしましたといういきさつがございます。まあその種の仕事も、したがって、かなりの長い間私自身やっておったのでございます。懸念いたしましたのでございますが、労働者側の諸君は、公務員の関係、その他の代表者の諸君は、私のやるのが最も労働者諸君は都合がいいというように表現をされるのでありまして、これは別に相談してそうされたのじゃない、いろんな折衝をしているときにしばしば伺った言葉でありますが、そういうことで、今日なおその両方の立場を私は兼ねているのでございますが、同じ人間が少し違う立場の仕事をするという場合に、多少矛盾は感じられますが、しかし、私はこの矛盾を調和して、何とかうまくやらなければいかぬというように、今日まで努力しきたっているのでございまして、十分とは参らないのでございまするが、今、お話がございましたような意味においての、将来への含みになるような行動もいたしたこともございませんし、事実、公務員制度調査室の諸君は、私の仕事についてふさわしい補佐をしてくれているのでございます。現実にはそういうことで、今御指摘になりましたような不都合のことは全然生じてない、こういうように確信をいたしているものでございます。したがって、将来給与を担当する大臣がどういう立場のものがいいかということについては、これはいろいろ意見があろうと思うのでございます。一つの意見は、行政管理庁の長官とか、あるいは経済企画庁の長官とかいうような、全般のことに関係をしている人が理屈の上ではいいんじゃないかというような気も私は現実にいたすのでございます。しかし、今度の内閣ができますときに、どういう話の工合か、どうしても私にやれということで、前の労働大臣等はそういうことではなかったのですが、私はこの両方の立場を兼ねておりますが、今申し上げましたような考え方でいるわけでございます。したがって、将来労働大臣がこういうことをずっと兼ねるかどうかというようなことは、むしろ私は私の場合の、現在の場合が例外のような気がするのでございます。たとえば、同じような事例が今後起こりまするにいたしましても、先ほどから申し上げておりますとおりの考え方でございまするから、賃金部ができますことによって、今、御懸念なすって御指摘になりましたようなことにはならない、またしない、こういうように私は、これは明確に考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/83
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084・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 一昨年、人事院が一二・四%という勧告を出しまして、昨年の春、三公社五現業等が賃金の闘争をやりまして、その際に日本経営者団体連盟の総会において、公務員の賃金について政府が自主的にきめるべきじゃないか、国全体の経済と言いますか、あるいは国全体の状況と言いますか、そういうものとの関連において政府が自主性をもってきめるべきだという言い方が声高く主張されたわけですね、その後いろいろなものを通じまして、そういうような意見が日本経営者団体連盟の方々によって主張されたように私は記憶をしているわけです。そのことと賃金部とは無関係であるのかどうかという点を懸念しているわけです。今、大臣の御答弁ですと、無関係だというふうに私は判断をするわけですが、何かこの賃金部というものができますと、先ほどの大臣の概括的な賃金部の考え方、それから基準局長の考え方、そういうものから言いまして、どうも賃金部を作るのには少し弱いような気がするわけですし、しかし、今後この賃金部が、人員がふえていくというようなこともこれは考えなければなりませんでしょうし、そういう場合に、やはりどうも昨年声高く主張されたようなことに関心をお示しになるんじゃないか。そのことが、公務員——地方公務員、国家公務員の給与あるいは五現業等の賃金について労働省が管理的な考え方をお持ちになってこられるんじゃないかという懸念をするわけなんです。そうじやないというお答えのようでありますが、この点について、もう一ぺん大臣の答弁を願っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/84
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085・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 昨年の日経連等が表明した見解については、正直なところ、私十分に承知いたしておりません。言葉、その他を正確に存じておりません。おりませんこと自体が、そういうものによって、そういう考えを受けてやろうというようなことでないことでもあるわけであります。私どもはそうした日経連が表明したような考え方に基づいて、今お話のような管理的な職能、機能を発揮するような機関にしよう、こういう意図では全然ないわけであります。この点につきましては、純粋に先刻来申し上げておりまするような意味において、合理的な賃金がきめられていくための協力をする機関、こういうことに御理解をいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/85
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086・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 どうもくどくなって非常に恐縮なんですけれども、どうも少し心配なものですから、伺うのですが、やはり三公社五現業についてはああいうふうに公企労法の適用を受けておりまして、公労委というものがある。それから国家公務員につきましては、国家公務員法の適用による労働関係がありまして、人事院なりあるいは大蔵省の給与課なんというものがある。地方公務員についてもそれぞれそうでありますが、こういう所管関係になっております関係の中に、賃金部というものがどうも関係してくるような気がしてならないし、そういうことになりますと、これはまたえらい混乱したことにもなって参りますししますから、労働大臣がたびたび御答弁をなさいましたように、私の懸念するようなことにならぬようにひとつお願いをいたし、御要望申し上げておきたいと思っております。
次に、さっき賃金格差というような話が出ませんでしたが、中小企業の初任給の問題と、それ以前に入っておった者とのアンバラの問題とか、あるいは大企業におきます賃金体系の問題とか、そういうような問題が出たのですが、これは一例だろうと思うのですけれども、合理的な解決をはかるということで賃金部を設けられるというのでありますが、これはどうも従来の労働省の最低賃金制に対する取り扱いの仕方というようなものを見ておりましても、あるいは今回の各組合の賃金闘争の経緯を見ましても、一目瞭然でありますが、どうも大企業の賃金については、できるだけ抑制しようというような考え方があるんじゃなかろうか、こういう懸念をするわけですが、要するに、今回の問題、さらには最賃制に対する労働省の取り進め方、そういうものから見まして、賃金部を作って労働大臣がおっしゃるように、きわめて労働者が喜ぶような形に運営されるようなお話ですけれども、どうも労働者が喜ぶようですと、これは経営者がそうではないし、経営者が喜ぶと労働者のほうはそうもいきません。なかなかむずかしいところだろうと思いますが、従来の進め方から見ると、どうもそうではなくて、やはり労働者が心配をしたり懸念をしたりするような標準賃金の問題とかあるいは大企業の賃金は押えるという行き方なりあるいは職務給というようなものに対してどうこうというような形のものが出てくるのじゃないか。しかも賃金部というような、そういう頭脳的な働きをするところが大きくなるわけですね。そういう心配をするのですが、そういうものはないというお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/86
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087・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 御心配のようなことをしようとは私ども考えておりません。先刻来申し上げておりますような趣旨でございます。労働大臣ないし労働省というのは、今度の春闘の場合等にもしみじみ感じておるのでありますが、労働者側からもあまりほめてもらえない、経営者側からもぶつぶつ言われる、両方からよく言われぬで何とかうまくおさまっていくというような工合に今度の場合でもなっておるわけであります。日経連等でも、御承知のように、賃金については定期昇給程度の云々というような表現もしておりましたが、現実に今度の春闘の経過等できまっておりまする状況は、御承知のとおりでございます。定期昇給程度というのとはかなり違った幅の賃上げになっておるというようなことでございます。いずれにしても、私ども賃金部の設置されるされないにかかわらず、労働省といたしましては、今おっしいゃいましたように、積極的に大企業の賃金の上昇を押えるとかなんとか、そういうようなことは毛頭考えていないのでございます。賃上げの交渉というものは、これはもう労使が直接行なうのが建前でございまして、労働省が賃金部を設置することによってやることは、そういう場合に役に立つような資料等はもちろん整備することにしていって、これらのことがうまく解決されるためのお手伝いをすることにはなりましょうけれども、決してそういうことに介入してどうこうということではない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/87
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088・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 介入、介入という言葉が出るのですが、もっとその介入という言葉を突っ込んで解明しなければならないようにも思うのです。思うのですが、あまり何しましてもなんですから……。経済企画庁は三月十九日の日に、これは声明ですかね、三月十九日経済企画庁発表というのが出たのですね。これは経済企画庁に付置されております経済研究所が生産性、賃金それと価格と物価ですね、こういうような経過を研究されまして、それが経済企画庁発表という形で、三月の十九日の日に出て、新聞等は翌日に報道いたしたわけですが、これを見てみますというと、いろいろ言っておりますが、結論として、賃金というのは経済政策の一還として確立をする必要があるということを言っておるわけですね。で、私は、これは経済企画庁長官にもぜひ伺っておかなければならぬことだと思っておりますが、時期的に非常に、三月の十九日という時期に出されまして、やはりこれは時期を見なければならぬというふうに思います。しかし、私が労働大臣に伺いたい点は、この経済政策の一還として賃金政策を確立する必要があるというこの考え方、これは今度の賃金部ができますと、まずこういうようなことをお始めになるのじゃないかというような気が私はするのです。そのことが大企業に対する賃金のあり方、あるいは中小企業の賃金のあり方、こういうようなものを政策として打ち出すということになってくるというふうに私は思うのです。こういう点についん労働大臣はどういうふうに考えておられるか、賃金部を新設されて進められる上について、これをどういうふうに考えておられるか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/88
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089・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 賃金についての考え方は、私しばしば申し上げておりまするように、適当な速度でこれが上昇していく、労働条件全体が向上していく、このことが望ましいのでございまして、したがって、そういう考え方においての、まあ先ほどお使いになりましたお言葉からしますならば、賃金政策の確立でございますとか、そういうことが望ましい、そういうことを含めたむしろ逆に経済政策というものが労働大臣としては望ましいと、こう思うのでございます。先ほどお読みになりました文字を上から順にこう読んでいきますと、何か経済政策がこうだからというので、賃金政策に圧迫ないししわ寄せがきてうまくないような方向に行くかのごとき印象を受けるような工合に聞き取れるようなお話をいただいたのでありますが、私はむしろこういう点では皆さんが格差があることは遺憾じゃないかとか、あるいはまあその他いろんなことで賃金について御意見をお述べになりますが、こういつたことが多く反映されて、経済全体、その中にあって特に労働者諸君の待遇改善、地位の向上というようなことが望ましいと考えておる次第でございまして、賃金部の設置等はむしろそういうことに役立つべきでございまして、賃金を押えるために賃金部ができるというようなことでは、絶対そういうことではないわけであります。また、そういうことにしてはならないわけでございます。この点についてはひとつぜひ御懸念もさることながら、あまり過度に御懸念にならないことにぜひ御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/89
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090・河野謙三
○委員長(河野謙三君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/90
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091・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/91
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092・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 大臣のお話はなかなかいいお話で困るのですけれども、まさにそのとおりです。しかし、私は三月の九日の日に内閣で総合物価対策、十三項目にわたる項目の発表がありまして、それから二、三日しましたら日経連関係から出ましたのは、物価対策の中に賃金を入れなかったのはどうも不満だというようなことが新聞に出たんですよ。そうしましたら、今度はそれからちょっと十日くらいおくれまして三月の十九日にですね、ちょうどこの春闘のいい時期に今度は経済企画庁が、藤山さんですね。藤山さんが、賃金政策は経済政策の一還として打ち出さなければならぬというようなはでな発表をなさるわけですね。したがって、そういう方向と、だからあの消費者物価対策はどうもまずかったと、少し気合いが抜けちゃった。そうして、こういう経済研究所という形で一発出されたというふうに私は見るわけですよ。したがって、こういう考え方が経済政策の一還として賃金政策を確立するという、こういう考え方がはっきりあるのだと、それに対してこの賃金部というのがおそらくそういうものとタイアップした形で伸びるのじゃないかという私は気がするわけです。賃金政策を打ち立てられるという、産業政策の一還としての賃金政策を打ち立てられるということになりますと、これは日経連は都合がいいでしょうけれども、労働者にとってはこれはやはり一種の賃金統制的な方向に、そういう関係が濃厚ですからね。だから、そういう考え方がやはりあるのだと、が、しかし、労働省の賃金部というものはそういうもんじゃなくて、やはり正統派的な賃金の考え方に立っているのだというふうに私は理解したわけですがね、そういうことでよろしいかどうか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/92
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093・福永健司
○国務大臣(福永健司君) 労働省の賃金に関しての考え方がしっかりしておりませんと、今、鶴園さんがおっしゃったようなこともあるいは懸念しなければならないかとも思う。ところが、私が先刻来申し上げておりますように、私の考え方はもう一貫しておりますし、今次この機構改革を行なおうとする趣旨もそこにあるわけでございます。したがって、すみやかにこの賃金部を作っていただいて、これをしっかりさせれば、鶴園さんのおっしゃるような御心配の点も、これはもうおのずから解消すると、こういうように私は考えておる次第でございまして、この所信をあくまで貫きたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/93
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094・河野謙三
○委員長(河野謙三君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後二時五十八分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014889X02219620417/94
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