1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年四月十八日(木曜日)
午前十時二十一分開会
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委員の異動
四月十八日
辞任 補欠選任
鈴木 強君 森中 守義君
和泉 覚君 黒柳 明君
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出席者は左のとおり。
委員長 久保 等君
理 事
寺尾 豊君
西村 尚治君
松平 勇雄君
森 勝治君
委 員
郡 祐一君
白井 勇君
新谷寅三郎君
永岡 光治君
光村 甚助君
森中 守義君
黒柳 明君
市川 房枝君
鈴木 市藏君
国務大臣
郵 政 大 臣 小林 武治君
政府委員
郵政大臣官房長 溝呂木 繁君
郵政省電波監理
局長 石川 忠夫君
事務局側
常任委員会専門
員 倉沢 岩雄君
説明員
総理府特別地域
連絡局総務課長 及川 謙三君
総理府特別地域
連絡局援助業務
課長 岸 良明君
参考人
日本放送協会副
会長 小野 吉郎君
日本放送協会技
術長・専務理事 三熊 文雄君
日本放送協会理
事 川上 行蔵君
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本日の会議に付した案件
○沖繩におけるテレビジョン放送に必要な設備の
日本放送協会による設置及び無償貸付けに関す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/0
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001・久保等
○委員長(久保等君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
まず、理事会の協議の結果について御報告いたします。
本日の委員会においては、沖繩におけるテレビジョン放送に必要な設備の日本放送協会による設置及び無償貸付けに関する法律案について、前回に引き続き質疑を行なうことになりましたので御了承願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/1
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002・久保等
○委員長(久保等君) 次に、委員の異動について御報告いたします。
本日付をもって和泉覚君、鈴木強君が委員を辞任され、その補欠として黒柳明君、森中守義君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/2
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003・久保等
○委員長(久保等君) これより議事に入ります。
沖繩におけるテレビジョン放送に必要な設備の日本放送協会による設置及び無償貸付けに関する法律案を議題といたします。御質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/3
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004・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 同僚の委員から詳しい質問がありましたので重複はしないのですが、この前の委員会で鈴木委員の質問に対しまして、郵政大臣から、一二億五千万円ほどの金を出して、NHKにこういう設備をさせるのは、本来ならば一般会計でやるべきものだろうと思うが、仕事の内容が悪いことじゃないからNHKに出さして、財投と同じように考えているというような御答弁がありましたので、その点についてちょっともう一ぺん真意を伺っておきたいと思うのです。私は、財投の金とは、これは趣旨がだいぶ違うと思っているのです。財投は、御承知のように、別に財政法にも何ら法律的根拠がないものです。それで道路に出したり、港湾に出したり、河川に出したり、一般の公共的な事業に起債の形で地方団体に貸し付けたり、あるいは会社であれば社債の引き受けというような形でもって財投を運用しておるというのが実情でございます。ところが、今度の沖繩のこの問題に関連して、われわれはこういう趣旨で了解をしなければならぬと思うのです。
それは第一に、沖繩の返還ということが非常に日米両国間で進んできておる。これは日米安保条約のいろいろな関係はありますが、それは別問題としまして、全般として非常にそういう機運が高まっている。佐藤総理も両三年のうちには返還についてのめどがつくだろう、めどをつけたいと思う、こういう発言が国会でもありました。そういうことを前提にして、現在では法域も違うし、放送法も及ばないというのは当然ですが、もし沖繩が近い将来に返還されて内地並みになるならば、そのときには当然NHKが沖繩の公共放送もこれは担当するであろう、また、させなければなるまい、そういう前提に立って考えて初めてこの問題は理解できるだろうと思うのです。私は、一般会計にしましても、財投にしましても、三億五千万円の金は、NHKが出さないと、いまの一般会計あるいは財投の資金の中で絶対に捻出できないということじゃないと思うのです。むしろ、NHKがそういう性格のものと政府も考え、われわれもそういうふうに考えておる。沖繩が返還された場合には、内地並みになってNHKが当然そこに放送網を延ばしていかなければならない。それの先行投資というとちょっと語弊がありますけれども、そういうことを前提として、このNHKに資金の負担をさせるというような考え方が基礎になって初めて理解ができるのですけれども、そういうことではないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/4
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005・小林武治
○国務大臣(小林武治君) いまのように理解されてけっこうであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/5
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006・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 ですから、私は財投、財投というお話があったが、財投というものが法律上いまあまり根拠があって、財政法その他の法令に、別に財投というものはこういうものだということを書いてませんから、財投と言われたけれども、それに非常な法律的な意味があって言われたものとは考えない。したがって、いま申し上げたような意味でお考えになっているなら、それでけっこうだと思うのです。したがって、これは将来の問題になりますが、アメリカとの関係、したがって、沖繩はどういう状態で返されるか、どういう条件で返還されるかという問題に関連しますから、いまここで明瞭にその場合はこうするということを政府から言明をしてもらうということは、これはむずかしいだろうと思いますから、それを言うのじゃありませんが、大体政府の考えとしても、こういう法律を出す以上は、沖繩が近い将来に返還された場合には内地と同様にやはり公共放送はNHKに担当させる、そういう前提でもってお考えになっているというふうに考えてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/6
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007・小林武治
○国務大臣(小林武治君) このことはいまおっしゃるとおり、われわれに明言できませんから御想像にまかせますが、それぞれみんなお考えになっているところがあろうと、常識的なものがあろうとかように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/7
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008・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 こういたしますということは言えないでしょう。しかし、先ほどあなたが答弁されたように、そういうふうにしたいのだという意図のもとに、こういう法律を出されたのだということでないのですか。だから政府としてはいま必ずこういたしますということは言えないにしても、それを言ってもらおうというのじゃありません。ありませんが、当然そうなるのだという前提のもとに、こういう法律をお出しになっているというふうに先ほどあなたはお答えになっているのですから、ただ、それを確かめているだけなんですから、各人各様にみんな考えてしかるべきだということでは、ちょっと困るのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/8
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009・小林武治
○国務大臣(小林武治君) あまり各人各様でもあるまいと思います、この問題は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/9
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010・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 ちょっといまのお答えもう一ぺん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/10
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011・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは、私は前に財投と申し上げましたが、今度財投が沖繩に支出できる法律をいま国会に提出しております。だから、ことし初めてそういう措置ができる、こういうことでありまして、たとえば、今度のマイクロウエーブの下り線の向こうの端局装置は財投でもって融通されると、こういうふうな話し合いになっている、こういうようなことであります。それから前にも申し上げましたように、これは国費でなければならぬとかなんとかいう問題ではない。また今度そういうことができたのは、さっきからお話のように、沖繩の返還が近い将来あるであろう、それが動機となって出てきた、こういうことであるから、自然に将来の問題についても、お考えは常識的に持ち得るものがあろう、そういうふうに思いますが、私たちとしては、これはこういうふうになるであろうということはいま申すわけにはまいりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/11
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012・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 だんだんむずかしくなるのですがね。というのは、NHKの資金というものは財投の金や一般会計の金と違うのですね。これは政府が自由にできるものじゃないのです。これは放送法にちゃんと規定がありまして、御承知のように、一般国民から受信料として集めておる金なんです。したがって、法律さえつくれば何でもできるというものではなしに、やはり放送法のたてまえからいきますと、国民の——国民というのは沖繩における日本人という者も入れてももちろんいいのですが、国民の放送の受信をよくする意味、あるいは番組をよくする意味、つまり放送の進歩発達と書いてありますが、それに貢献するようなものでないと、これはそのほかの貯金や保険の金と一緒にされちゃ困ると思うのですよ。ですから、私は言っておるのです。そういう資金を使って沖繩のほうに施設させる以上は、大体先ほど申し上げたように、これはいまから明言はできないでしょうが、そういう腹づもりでやっておるということが前提にならないと、なぜNHKの資金を使うのかということにならざるを得ないのですね。ですから、私は当然そうあるべきだということを考えてあなたに言っておるわけです。政府も大体そういうふうな腹でこれからもやるのだということだと、それでいいのだと思いますけれども、それさえも言えないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/12
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013・小林武治
○国務大臣(小林武治君) いまの最初の質問で、もう大体おわかりになっておるのじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/13
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014・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 よくわからないから聞いているのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/14
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015・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 将来の見通しなどということは、いまこの時点において、私からはっきり申し上げることはできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/15
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016・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 いまの御答弁だけだと非常におかしなことになるのです。放送法には受信料というものの性格もちゃんと書いてある。そういったものを財投の金と同じように使われるということは、これは放送法のたてまえからいって困るのです。ただ、私がさっき申し上げたように、沖繩に放送設備をするのに必要な経費として充てるのだということは、これは早く内地並みにしたいとみんなやっているのですね、通信なんかでも。だから、そういう内地並みにしたいという政府の方針の一つのあらわれだというから、この特例法が初めて生きてくるのだと思うのですね。ですから、将来沖繩の返還をどういう形でやるか、どういう条件でやるかということをいまここで議論するわけではないが、ただ、政府としてはこういう意図を持ってその方向に進むのだということでないとつじつまが合わないのです。御答弁がなければけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/16
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017・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 大体よくわかっていて御質問なさっていると思いますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/17
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018・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 じゃわかっていると、私はそういうふうに理解しておるのですが、この前の鈴木委員の質問に対して、一般会計で出してもいいのだし、これは財投のようなものですとおっしゃるから、財投とは性質の違ったものですよということを私は言っておるのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/18
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019・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 財投とは違ったものだということを私ははっきり申し上げております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/19
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020・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 時間をとりますから、この問題で押し問答することはやめておきましょう。大体委員の諸君も、私の質問の要旨なり、あるいは郵政大臣の答弁の要旨というものは大体頭に入ってくださったろうと思います。これ以上むだな時間を費やすことはやめましょう。
もう一つ伺っておきます。これはここに書いてあるように、昭和四十三年において送信設備その他の設備を沖繩にNHKが設置して、それを向こうへ貸し付けることができると書いてありますが、あるいは鈴木委員が、この問題にも触れられるかもしれませんが、たとえば沖繩は非常に台風の多いところですね。台風なんかで設備が非常に破壊されたり、とにかく非常な修繕費を費やして、これを復旧しなければならないというような事態は起こるだろうと思うのですね、これから。そういった場合の災害復旧費とか保守費、そういったものについてはどうされるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/20
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021・石川忠夫
○政府委員(石川忠夫君) 今度設けます設備の保守管理につきましては、全面的にOHK側でやるということでございます。これにつきましては近い機会に、この法案が可決した後においてでございますが、NHKとOHKの間に貸し付け契約をしなければなりませんので、その中の条項として入ってくる、かように理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/21
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022・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 そうすると、相当の経費がかかっても沖繩の放送協会がやるということになりますね。そして所有権は、これはNHKが当然持つでしょう、この修繕をされた部分についても。もちろんこれは所有権はNHKに帰属するということは変わりはありませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/22
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023・石川忠夫
○政府委員(石川忠夫君) そのとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/23
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024・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 まだほかにいろいろ法律上のむずかしい問題がありますけれども、時間を節約する意味で、これ以上質問をしてもどうかと思いますから、この程度にしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/24
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025・永岡光治
○永岡光治君 私、これから郵政大臣を中心に質問を行ないますが、おそらく前いろいろな委員から質問されて、多少重複することはあろうかと思いますが、しかし、私は重複する点はもう少し掘り下げたいという意味で質問をするようなつもりでおりますので、そのような意味で、もしむだな重複がありましたならば、適当に省略してくださってけっこうであります。
それから私の質問の立場というのは、やはり何と申し上げましても、基本的な問題を二、三質問したいわけでありますが、今日沖繩が戦後二十三年にわたって、ずっと引き続いてアメリカの統治下に置かれておるという、こういう複雑な、そして不幸な事態にある。したがって、その行政というものは、非常にむずかしい問題が多分にあるだろうと私は想像いたします。しかしながら、そこに住んでいる住民は全く私どもと同胞である。したがって、できるだけ福祉の向上について日本政府としてもめんどう見なければならぬ、あるいは日本国民としても同胞としてめんどう見なければならぬ、こういう気持ちのあるのは当然でありまして、そういう意味で、取り組みの姿勢というものが、おそらくいろいろな援助をされると思いますが、そういう立場で援助されたと思いますし、近くまたこれが返る段階にあると私ども想像いたし、また、どうしても返らなければならぬ地域でもあるわけでありますから、そういう近いという問題を考えますと、いざ返還をされた場合に、あまり内地の情勢とバランスがとれないと申しますか、非常になじみにくいようなことであっても困るだろうという、こういうような面から若干の質問をしたいと思うのであります。
そこで、まず冒頭お尋ねしたいと思うのでありますが、特連局のほうから見えていると思うのですけれども、今日これはNHKでこの施設の一部に対して貸与するという形、無償貸与という形式をとっておるわけでありますが、これに関連をすると申しますか、この種のいわゆる沖繩に対する援助ですね、今日まで何回か行なわれてきただろうと思うんです。すべてでなくてけっこうでありますが、これに類似する、あるいはこれと同じと考えていいんじゃないかと思われるものについて、どういう援助をしてきたのか。その金額をあわせて報告をしてもらいたいと思います。何件ぐらいあって、どの程度か。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/25
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026・小林武治
○国務大臣(小林武治君) こまかいことは別にしまして、いま大きな問題は、昨年の向こうに譲渡した先島のテレビ放送施設、これが約七億円かかっておるのであります。それから、下りマイクロウェーブの沖繩の部分、これは日本の援助でやっておる、こういうことでございます。それからNHKが番組とか技術援助をしておることは別の問題として、大きな問題は、そういうことであります。それから、これからの問題は、このNHKの問題と今度マイクロウェーブの下り一回線の沖繩の部分を財政投融資でもって施設すると、こういうことでございます。
それから、先ほど新谷委員からもお話があったが、こういうことをやるのは、やっぱり沖繩が遠からず返るということが動機となって、それからこういう問題が当然出てきたのでございます。
なお、もう一つ郵便局舎をぜひ改築したいと日本の援助を求めてまいったのでありますが、これらも私ども郵政省としてはやっぱり将来の返還という問題を予想して、日本側で援助すべきだということで、ことし初めて約八千万円郵便局舎の改築のために、日本の財投が使われることに相なっております。おもなことはこういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/26
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027・永岡光治
○永岡光治君 特連局のほうから、今日まで援助してきた事項ですね、それと援助した額、わかっておると思うんです。お答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/27
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028・岸良明
○説明員(岸良明君) ただいまの御質問の問題でございますけれども、三十六年度と三十七年度の予算で、本土と沖繩間のマイクロ回線の設備の設置に関しまして、日本政府のほうで施設をつくりまして、これを琉球電電公社に譲与した。この予算が一億八千二百八十三万四千円でございます。それから四十一年度と四十二年度の両年度にわたりまして、これは先島地区のテレビジョン放送設備をつくりまして、これを琉政のほうへ譲与いたしております。これが七億一千四百七十六万二千円でございます。それから現在四十二年度から四十三年度にわたりまして、先島、特に宮古島と石垣島、それから沖繩本島との間の超短波回線による電気通信施設、この設置につきまして、やはりそういう施設をつくりました上でこれを譲与する、こういう形で現在工事が進行いたしております。この予算は、六億七千七百二十九万三千円。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/28
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029・永岡光治
○永岡光治君 その年度における総額ですね。沖繩島にこのほかのものを合わせまして、援助の総額はどうなっておりますか。——それじゃ限定しましょう。先島のテレビの施設援助が七億一千万円と言われておりますが、そのときに沖繩に援助した総額は幾らになっておるのか。
それから、ことしの四十三年度でどの程度の総額援助する予定であるのか、その金額を知らしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/29
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030・岸良明
○説明員(岸良明君) 概略でございますが、四十一年度におきましては六十一億円でございます。それから四十二年度は、百三億円でございます。それから四十三年度の予算につきましては、これは百二十五億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/30
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031・永岡光治
○永岡光治君 そういたしますと、金額的に——性質の問題はあとに譲りますが、百億程度のときには七億ですね、七億一千万程度のものを援助しているということなんですが、しかも、政府のほうで援助している、言うなれば一般会計で。ことしの場合は百二十億こえる額で、しかも、これに要する経費はそんなにない、三億そこらかと思うのですが。援助総額はふえるのに、その中に占めるテレビないし通信関係の援助額というものは、むしろことしは低いわけですね。めんどう見れないという性質のものじゃないと思うのです。百億程度のときに七億も負担したのに、百二十億も援助するのに、わずか三億くらいのものをどうして負担できないのかと言いたくなる立場にある。それはどういう関係ですか、金額的に見て。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/31
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032・岸良明
○説明員(岸良明君) ただいま御質問の点は、この四十三年度の予算におきまして——四十二年度の予算におきましては七億数千万円、こういうような額を通信関係について負担をするにもかかわらず、四十三年度におきましては、非常に額が少ないじゃないか、こういうような御質問でございますが、NHKがOHKに対しまして設備を貸与いたしますこういう三億五千万ですが、先ほどちょっと申し上げましたとおりに、四十二年度から四十三年度にかけまして、やはり通信関係で、この先島地区と沖繩本島との間の極超短波回線設備、これが六億七千万でございます。したがいまして、その合計をいたしますと、やはり約十億に近いものがこの通信関係で出される、こういうふうにお考えいただければいいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/32
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033・永岡光治
○永岡光治君 ですから、私の言いたいのは、四十一年度が約百億ですか、四十二年度も大体その金額ですね。四十三年度はまたそれを上回る金額ですね、総額において。ところが、援助する額は、前の先島の場合、七億というわけですね、今度もそういう観点からいくならば、わずか三億五千万なんだから、どうして一般会計で援助を見れないかという疑問が浮かぶわけです。なぜできないかということを聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/33
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034・岸良明
○説明員(岸良明君) いまのお尋ねの点でございますが、私どもといたしましては、財政援助の形式にはいろいろな形があろうかと思います。現実には技術援助、それから財政援助、あるいは先ほど御議論がありました財政投融資と、こういういろんな形で沖繩に対しまする援助を行なっているわけです。そこで、このまあ先島の問題、あるいは先ほど御指摘になりました七億円の問題でございますけれども、こういうような先島地区の場合には、非常に離島地区でございまして、本島で聴視しておりますテレビは、先島地区では全然見られない、こういう状態にある。そういうような状態を改善するために、四十二年度におきまして先島地区に対しテレビ施設をつくると、こういうふうな措置を講じたわけです。そこで、今回三億五千万程度をなぜいわゆる財政援助の形で出せないか、こういう御質問でございますが、これはすでに先島地区のテレビ施設を設置する場合には、沖繩におきますところの放送協会というものがまだできておらなかったのですが、昨年放送協会ができまして、先島地区の施設も含めまして琉球政府のほうから出資がなされた。また、その必要な資金の借り入れ等も行ないまして、来年からは料金を取りまして、これが運営をされる、こういう状態でございます。そこで、こういったような事業的な性格のものに対して財政援助をするということが、これがはたして適切であるかどうか、こういう点もいろいろ検討いたしました結果、やはりNHKが援助をされる。こういう形が最も——これはそういう形で郵政のほうからも申し出がございますし、また、従来からの関係、また将来の関係を考えますと、このNHKが現在のような提案をいたしておりますような形で援助をすることが一番適切であろう。こういうふうに考えたわけでございます。その三億五千万というものを財政援助で出すということで、決してこれがいいとか悪いとかいう問題ではなくて、これはむしろこういう形が最もスムーズである。こういうふうに考えたわけであります。したがいまして、援助というものもやはり対象やその事柄によりましていろいろと、技術援助に適するものは技術援助いたします。また、専門家を派遣するのが適当であるものは専門家を派遣いたします。本土に迎えて研修するほうがいいものは、そういう形でやるわけでございます。いろいろその実態を見ました上で、それに適するような方法で援助をいたしていく、こういう方針にいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/34
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035・永岡光治
○永岡光治君 趣旨はわかりました。そういたしますと、これは新谷委員が質問したこととも関連するわけでありますが、要するに金額の問題じゃないのだ。負担すればできないことではないけれども、OHKというものができた。これは日本のNHKに相当するものだ。したがって、将来返還のことを考慮いたしますと、スムーズにこれを吸収するというか、何というか、そういう場合に非常に適切だろうという観点から、政府としては、これは郵政省も含めてでありますが、そういうことを許可したのだ。それに乗るほうがよろしいと、こういう判断をした。こういう答弁のように私は聞きました。そうなりますと、これは単なる期待だけではなしに、なぜこれは政府当局も——先ほど新谷委員の質問に対しましても、十分もう含みはわかったのではないかという趣旨の説明がありました。私もわからぬわけではない。おそらくそうなるのだろうと思いますが、しかし、そうなるには、やっぱり若干の話し合いがあったのじゃないか。正規の覚え書きとか、そういう点は別といたしましても、こうなればこうなるということぐらいは当然話があったのじゃないかと思うのですが、そういう話は全然ないままに過ごされてきておるのか。単なる期待権ということになっておるのか。これはむしろ郵政大臣——あるいは特連局はそこまで干渉というか、所管に入っておるのかどうかわかりませんが、どういうことになっておるのか。郵政大臣のほうがいいかもしれませんが、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/35
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036・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは初めからひとつNHKさんにお願いしようというのじゃありません。援助費を何とかしてくめんしてもらいたい、こういうことを私どもは強く総理府とも話をしたのでありますが、何としても援助費に対する沖繩の要求、要望が非常に強いので、要するに向こうにおける援助費の割り振りですね、そういうことでもって、なるべくもうその援助費の中に入ってもらうことは全体からして困る。こういうことできておるのでありまして、初めからもうこれはNHKにお願いしようなんていうわけじゃありません。そういうわけで、NHKがやっても、私どもは、政府としても、国民としても、これはがまんしてもらえるだろうということで、これはやったのでありまして、やはりやるなら最初は援助費でやりたいということで、われわれは強く主張したことだけは申し上げておきます。それからいまの将来の問題は、要するに以心伝心とでも申しますか、露骨なそういう話が出たわけじゃありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/36
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037・永岡光治
○永岡光治君 これは、援助するということに私ども最終的に賛成をせざるを得ないわけでありますが、この折衝に当たりましては、覚え書きなんていうことがかりに困難にいたしましても、特にこれはいよいよ返還というぐあいになりますと、いろんな向こうからの要求もあるでしょう。これはひとりNHKの吸収の問題のみならず、各般の問題が、いろいろ現地の問題があろうかと思います。こういう条件にしてもらいたいとかいうようなことがあろうかと思う。特に、OHKの内容を見ますと、向こうの、琉球政府の出資がありますだけに、返還の暁、日本の各県と同様な形において沖繩県というものができるのかどうか。私は、そこらあたりわかりませんけれども、そういうスムーズな問題になればいいが、そうでなくて、何か特別な権利を要求するということになれば、また、そこにいろいろな問題ができてこようかと思いますので、どうぞこの折衝に当たりましては、これを援助するにあたりましては、そういうことをやはり十分話し合っておく必要が私はあるのではないかと思うわけでありますが、そのことは当然だと思いますけれども、念のために御意見を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/37
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038・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは、もう先ほども申し上げましたが、それこそもうお互いに常識的な理解があると、こういうふうに思いまするし、これからのことは、どういうふうにするかということは、政府とNHKにひとつおまかせ願っておきたいと、そうして、その交渉に、期待と信頼をおいていただきたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/38
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039・永岡光治
○永岡光治君 ところで、もう一つ私は問題があると思うのですけれども、この場合テレビに対する施設援助ですが、向こうがそういう要求をしてきたから援助するということが私はあったのだろうと思うのですが、通信関係、放送関係を所管しておる郵政大臣としては、テレビのみならず、一体ラジオをどうしてやらないのだろうかという疑問を、なぜ抱かなかったのだろうと思うのです。
OHKのラジオの放送については、援助をする気持ちがあるのかないのか、どうしてまたラジオの放送をやらないことになったのか。その辺の事情をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/39
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040・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは、住民の要望は、まず第一にテレビに熾烈なものがあるということは御承知のとおりでありまして、これは将来の問題にしたい。したがって、これを援助するとかせんとかいう問題もまだ起きておりません。われわれとしては一応これでいいんじゃないか。この措置でよろしいのじゃないか、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/40
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041・永岡光治
○永岡光治君 向こうが要求してきたから、要求しないものまでも、早くつくれ、おれが援助するということは必要ないと思うのですが、常識から考えると、ラジオ、テレビというのは、NHKがやっている仕事の二つの事業ですし、向こうでまた、日本のNHKに相当するOHKというものができれば、やっぱりラジオもテレビもということが頭に浮かぶはずでありますが、私の聞きたいのは、いってきたからテレビだけということでなしに、ラジオの施設、ラジオ放送はどうしてやらないのだろうかという疑問を持ったのではないかと私は思うのですね。特に、これが復帰後における内地のNHKということを考えますと、スムーズにこれが吸収されるという主要分野を考えてみますと、当然これはラジオも出てくるわけでありますが、なぜやらないのかという質問しただろうと思うのです。どうして必要がないのかということぐらいは、将来どういう計画を持っておるのかぐらいは、少なくとも事務当局段階ぐらいには私はあったはずと思うのですが、全然なかったのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/41
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042・石川忠夫
○政府委員(石川忠夫君) もちろん、そういうお話がございまして、仕事の順序として、一番民衆の要望の強いテレビから始めると、こういうことになったわけでございまして、ラジオをやらないというわけではございません。
それからもう一つは、中波の、何と申しますか、周波数の関係もむずかしいというようなこともあって、まだ十分にラジオについては検討されておらない。まず、さしむきとにかく要望の強いテレビをやっていこう、こういう考えのようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/42
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043・永岡光治
○永岡光治君 そうすると、向こうはやっぱりラジオというものは考えておるけれども、いまその点いつやるということは話はなかったと、こういうふうに理解していいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/43
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044・石川忠夫
○政府委員(石川忠夫君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/44
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045・永岡光治
○永岡光治君 そういたしますと、私はまた次に基本的な問題について質問したくなるわけでありますが、OHKが、昨年暮れ、向こうで設立されたように報告を聞いているわけでございますが、今日、民放が二つあるわけですね、ラジオ放送している。そして先島地区のほうにはすでにテレビ放送をすべく設備工事がどんどん進んでいるわけですね。そこで、OHKというものをどうしてもつくらなければならぬのかという問題ですね。なぜ必要とするのかということ、単に、日本にNHKがあるからということでなしに、何か特別な不便があって、不合理があって、ここにOHKをつくらなければ、こういう不便があり、こういう不合理があるので、これをつくらなければならぬということで発足したものかどうなのか、その点は聞いてみなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/45
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046・石川忠夫
○政府委員(石川忠夫君) この点は、具体的に聞いてはおりませんけれども、やはり日本と同じように、広告料によって運営をする民間放送機関と、もう一つは受信料によるNHKと同じような性格を持つ公共的な放送機関を持ちたい、こういった要望が出てきて、こういった結果になった、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/46
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047・永岡光治
○永岡光治君 あまりよくわからないのですが、広告料をとるような放送は見たくない、そういう住民の要望だと言うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/47
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048・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは、まあ実は先島に、御承知のように、七億円かけて、日本はこれを無償で譲与した。これを民間放送をやるかどうするか。これはやっぱり一つの大きな動機であった。これは当然公共放送で経営される性格のものである。これが一つの大きな動機になったとは思っております。したがって、沖繩としては、私はよく内情を知りませんが、OHKをつくる際に、民放を改組したらどうかというような御意見も盛んにあったのでありますが、究極においては、とにかくいまのような形に落ちついた、しこうして、まず第一の経緯は、先島の経営がもう去年の十二月に始まっておる。それに間に合うというようにされたかどうかは別といたしまして、昨年十月これができた。あの日本政府の譲ったのが一つの大きな動機をなしておることも私は事実だろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/48
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049・永岡光治
○永岡光治君 それでは、大体日本におけるNHKのイメージを向こうに持っていってつくるということでなしに、むしろ先島地区のテレビ施設を政府援助でやった。そういう関係からして、この際、それをきっかけにしてっくったらどうかということになったと、こういう大体御答弁のように理解をいたすわけですが、その程度のものなのか。何かもっと深い、本質的な、たとえば民放だけには、どうも番組その他のことであまり感心しないものがあるとか……よく言われるですね。もう少し公共放送として格調の高い、というと民放にたいへん申しわけないのでありますが、もう少し格調の高いものをほしいという要望があって、それにはどうするかということでできたというようなものではなくて、大臣のおっしゃったようなことで大体つくったというか……。何か、私はほかに理由があるんじゃないかと思うんですが、その程度でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/49
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050・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは、向こうの国内事情と申しまするか、われわれのほうが憶測でものを申すべきでないと思いますから、一つの動機は、そういうところにあったかもしれぬが、あとのことはわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/50
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051・永岡光治
○永岡光治君 それでは次にお尋ねをいたしますが、OHKをいよいよ業務開始をいたします一やがて近いうちに開始されると思いますが、今日民放二社が現在あります。この放送の時間帯を見てみますと、かなりNHKのニュースその他の番組がいっているように思うわけです。特にテレビ沖繩のほうですか、かなりNHKの時間を使っておる。今度OHKが業務開始をいたしますと、OHK自社制作というものはそんなに私はたくさんはないんではないか。したがって、NHKから、究極としてはたくさん流れていくんじゃないかというように考えられるわけですが、民放とNHKというものの放送の内容が重複してくる問題がある。もちろん、それにはおそらくもうNHKからいま実費で向こうのほうに番組やその他のニュースを送っておりますが、その問題についても、向こうはこれをスポンサーをとって流しておるようでございますが、そういう暁には、OHKがいよいよ業務開始されますと、そういうスポンサーがつかなくなるおそれはないか。そういうことを私は心配するのでありますが、その辺のところは、御検討なさっておると当然思いますが、それは自然淘汰でどうなろうとかまわないじゃないかということになっておるのか、どうなのかですね、その点をひとつお尋ねをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/51
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052・川上行蔵
○参考人(川上行蔵君) OHKが明年の一月から電波を出すということを予想いたしまして、現在向こうの商業放送二局に対しまして四時間半ほどの番組を提供いたしております。それにつきまして、現地の商業放送局のほうでも受け入れを、いままでの商業放送のほうからもっとたくさんとれ、あるいは新しく鹿児島にOHKの局ができますのでそれを検討してネットをつくるとかいろいろくふういたしておるようであります。ただ、ニュースそのほかは商業放送は必ずしも十分いたしておりませんが、引き続いてNHKからほしいとか、あるいはどういうふうにもらえるとかという検討もいたしておりますが、OHKに対する現況は、いまのところ十四時間のうちで十三時間ほどがNHK、それから一時間ほど現地で制作するということを考えておるようでございますが、そうなりますと、どうしてもいままで現地で商業放送で提供しておりました番組と重複するような点が出てまいりますので、その際におきましては、相当現地のいままでの既得権を持っている商業放送も困られると思いますので、相当前からそれをお話いたしております。それで、できるだけその間の調整を現地で自主的におはかりいただきたい。NHKの番組も十四時間だけじゃございませんので、かなりございますので、もっとほかの種類の番組と、NHKと重複しないような受け入れ方もあるのじゃないかという研究もしていただいております。同時に、いま申しましたような、現地の商業放送局自体が自主的にいろいろな角度で調整をして、あるいはOHKと話し合っていく、こういうようにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/52
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053・永岡光治
○永岡光治君 それから、これは最後にもう一つ聞いておきたいのですが、これも他の委員からやはり言われた問題だと思いますが、例の、すでに民放があって、そしてそれに一応一般の住民というものがそれを無料で聞いているわけですね。見たり聞いたりしているわけですが、今度いよいよ
○HKができますと、これが日本のNHKと同様に放送料金、聴取料金というのを取るわけですが、非常に困難じゃなかろうかと、こういう心配があるわけです。もちろん、これは沖繩の住民あるいはOHKの問題だから、日本の政府の知ったことじゃない、われわれの知ったことじゃないといえばまあそれまでのことだが、そういう状況であるが、何かこれについて、対策といいますか、そういうものを考えているのか、あるいはまあ、それはそのまま放置しておいていいという考えでいくのであるか、当分見ようという方針なのか。全然これも討議の対象にならなかったとは言えないだろうと私は思うのですが、どういうようにこれを判断をするわけでありますか。郵政大臣のほうがいいと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/53
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054・小林武治
○国務大臣(小林武治君) これは何としても、沖繩の立場から言うても、向こうの自主性というものを当然考えていかなきゃなりませんから、向こうがこれでやれると言えばさようでございますかと、こういうことでございます、いまのところは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/54
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055・永岡光治
○永岡光治君 私は、あとの委員が控えておりますからこれで質問を終わりますが、要するに、この委員会の全員の空気は、おそらく、近く沖繩も日本に復帰するだろうし、また復帰させなければならぬ立場にある。そういう場合において、今回のテレビ放送についてのOHKの施設援助をNHKで持つという以上は、おそらくどういう形になったにしろ、その復帰の暁には、NHKにスムーズに吸収するためにこれが必要としてここへ出したのじゃないか。この気持ちは、言うと言わないにかかわらず皆持っておると思います。そこで心配になることは、そういう期待があるにもかかわらず、いざ復帰という段階になってみると、いろいろの折衝でそうでもなかったこうでもなかったと、のみにくいような問題が出てくると私は非常に困るということを心配するわけでありまして、その意味で先ほども政府のほうに要望しておいたのでありますが、いよいよこれが実施段階になりますと、返還実施になると、一本化という言い方がいいのかどうかわかりませんが、いずれにいたしましても、スムーズに吸収できる一そしてできる形も非常に内地のと違った、あるいは非常にむずかしい難題をふっかけられるようなことが阻止できるように、私はやはり事前に何か話し合いをしておいたほうがいいのじゃないかと思うわけです。これは政府段階でするのがいいか、あるいはNHK段階でするのがいいか、あるいは両方ともやるべきものではないかと思いますが、ひとりこれはNHKだけの問題ではないと思います。他のいろいろの電電公社等の施設の問題もあろうかと思いますが、そういうことも含めまして、十分ひとつ御検討いただいて、そういう段階に対処して、最終的にはスムーズにこれが吸収できるように、そういう方途を期しておいていただきたいということを要望して、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/55
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056・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 御意見は十分尊重いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/56
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057・森中守義
○森中守義君 最初に、沖繩における放送事情は今日どうなっているか。電波監理局長のほうから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/57
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058・石川忠夫
○政府委員(石川忠夫君) 現在沖繩におきます放送事情は、ラジオにつきましては、琉球放送とラジオ沖繩、こういった民放二社がございまして、一日約二十時間ほど放送が行なわれております。それでこの放送によりまして、ほぼ琉球全域が聴取可能となっております。
また、テレビにつきましては、沖繩本島におきまして琉球放送、沖繩テレビ放送、こういった民放二社が一日約十三時間ほど放送を行なっておりまして、その視聴範囲は本島の大部分と、それから久米島になっております。先島地区におきましては、昨年暮れから沖繩放送協会が日本政府から設置、譲与を受けました五局を運用いたしまして、一日約六時間の放送を行なっているわけでございます。
受信機の普及状況でございますが、昨年十月現在におきまして、本島におきましては十五万二千台ということで、大体世帯数の八二%に達しておりますし、先島地区におきましては、世帯数二万五千の約四〇%の普及を見ているような状況でございます。それからラジオ受信機の普及台数でございますが、昨年十月現在でございますが、概数二十五万四千台ということになっております。
それから放送番組につきましては、先ほどからお話がございましたように大部分がNHKあるいは本土の一般放送事業者から提供を受けております。日琉マイクロ回線によって電送されているわけでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/58
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059・森中守義
○森中守義君 参考までに、アメリカ関係もラジオ、テレビをやっておりますね、それはどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/59
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060・石川忠夫
○政府委員(石川忠夫君) ラジオにつきましては、米国の非営利団体であります極東放送の局が三局、それから米軍用の放送局が中波帯で一局、短波帯で一局、超短波帯で一局、それぞれ沖繩本島にございます。
それからテレビジョンでございますが、米軍用の放送局として沖繩本島に一局置かれております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/60
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061・森中守義
○森中守義君 いま沖繩関係のテレビの場合、これは全部USチャンネルを使っているわけでしょう。そうしますと、いつのことであるかは別として、日本に返ってくる場合チャンネルそれ自体も吸収するものですか、それとも別に本土で用意すべきチャンネルを出すのですか、その辺どうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/61
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062・石川忠夫
○政府委員(石川忠夫君) 現在行なわれておりますテレビはすべてUSチャンネルでございますが、今度那覇に設けますテレビジョンは日本の第二チャンネルに該当するもの、波を使って出すように折衝をいたしまして、大体そういうことに内定しているようでございます。これは、その第二チャンネルの周波数帯というのはアメリカではFM放送に使っているようでございまして、これを移してもらいまして、こちらの第二チャンネルと同じ周波数帯を使う、こういうことにしておりますが、お話のようにUSのチャンネルと日本のチャンネルは一チャンネル以下のずっとロー・チャンネルを使っておりますし、まん中の一、二チャンネルのところは使っておりません。それから高いところ、七、八、九、十あたりは日本と大体同じチャンネルになっております。そういう状況でございまして、これをどうするかという問題は将来問題になってくるわけでございますが、今後検討いたしたいと、かように考えておりますが、いずれにせよ、返ってくる際には一つの問題になろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/62
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063・森中守義
○森中守義君 そのUSチャンネルというのは、向こうさんは当然持って帰ると思うのですね。そうなると、結果的に電波管理局のほうでチャンネルを用意せざるを得ない、こういうようになろうと思うのです。それはいまその時期がはっきりしませんから、ここでどうこうという答えを得るのはちょっと早過ぎるような気もしますけれども、当然なこととして、その用意は本土ですると、こういうように理解をしておいてよろしいものでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/63
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064・石川忠夫
○政府委員(石川忠夫君) そういうことで、今後そういった事態になった場合に対処するように考えてまいりたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/64
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065・森中守義
○森中守義君 それと沖繩本島から先島へのマイクロ、これはこの際考えるのですか、それともすでに計画に上がっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/65
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066・石川忠夫
○政府委員(石川忠夫君) 現在のところ考えられておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/66
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067・森中守義
○森中守義君 さっき大臣が言われた中で非常に大事な点が一つある。なぜこういったような状態になったかというのは、一番新しい琉球総覧ですが、これによってそのことが言われているのですよ。要するに先島にいく、それで民政府及び琉球政府のほうでは民間の企業によって先島をやったほうがよろしい、こういう答えを出している。ところが、民放二社が反対をしたので結果的にはOHKというものをつくらざるを得なくなった、こういう言い方をしているのですね。私はそういう観点から判断をしていけば、結局大臣が言われたように、民放二社の存在というのが結果的にこういうものになってしまった。そのことをもっと突き進んで考えていけば、本島から先島へのマイクロをつくったり、そのような施設をするのに相当金高がかさんでくるわけですね。だからそういうことを回避するために、この際本土政府からの援助ないしはNHKからの援助ということで放送体制というものを一応確立したい。したがって、返ってくる際に、はたしてNHK、OHKという関係がどうなるのか、あるいは民間放送がその中に占める比重というのがどうなるのかというのは、かなり重要な問題だというように考えるわけです。極端な言い方をすれば、今日琉球放送にしても、あるいは沖繩テレビにしても、そういう体制をつくる余力はない。これを国の資本によってつくらしておいて、あとはひとつ沖繩における放送体制を支配しよう、こういう勘ぐった見方をしてもあまり過ぎた見方ではないのではないか、こういうように思うのですが、もしそういうようなことが事実問題として将来展開をされていくならば、まあ少しく今回の三億五千万というものをNHKが出すというのは、私はあまり好ましいような状態だとは思わない。むろん受信料という一つの問題はありますが、それとは別な問題としてでも、沖繩の民放、そして今回のこの措置というものは切り離したものとしては考えられない。したがって、そういうような事情というものがどの辺まで決定に至る経過の中で討議をされたか、むろんこの前私が予算の分科会でお尋ねしたときの総務長官の答えと、きょう出席されておる特連局の答えがだいぶ違うので、先ほど郵政大臣は、ぜひ総理府関係の援助費からやってほしい、こういうことを力説されました。ところが、総務長官はNHK、郵政省からこうしたいという申し出があったからやりましたというので、かなり質的に異なった答弁が行なわれているので、私はちょっと今日、あの分科会における応答を想起しながら、どっちがほんとうだという、そういう気持ちになっているのですが、その問題はまたあとでお尋ねすることにしまして、いま先島の問題と民放との関係、それと今回のNHKの関係、この辺どういうようにお考えになっておるか、少しつまびらかに御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/67
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068・小林武治
○国務大臣(小林武治君) あまりつまびらかに申すほどの内容はありませんが、私どもは内地と沖繩のすなおな気持ちでもってこれに当たる、こういうことでございます。勘ぐればいろいろあります。あるが、しかし、将来のこと、現在のことについて、まあ都合がいいという考え方で対処した、かようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/68
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069・森中守義
○森中守義君 いま沖繩に日本の民放がかなり投資をしておるようですね、シェアを持っておるようです。たとえば沖繩テレビにはフジテレビでしたか、十万ドル入れておるのです。あと琉球放送のほうにも、それなりに数万ドル入っておるのですか、わかっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/69
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070・石川忠夫
○政府委員(石川忠夫君) いまのは承知しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/70
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071・森中守義
○森中守義君 全然把握していなかったということですか。そんなことないだろう。フジテレビの沖繩テレビに十万ドルというのは、ずいぶん早い話ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/71
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072・石川忠夫
○政府委員(石川忠夫君) その点はわかっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/72
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073・森中守義
○森中守義君 ほかのものは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/73
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074・石川忠夫
○政府委員(石川忠夫君) ほかのものはつまびらかにいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/74
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075・森中守義
○森中守義君 こういったように、すでに日本の民放が沖繩の民放に相当進出しているということになりますと、やはり移管の際に、民放とNHK、民放とOHKという関係は、実際の場合に相当大きな問題に私はなると思うのです。ですから、いまここで返還の際のことを考慮しながらというのも確かに時期的に早いような気もする。しかしながら、日本政府の意見によれば、両三年という、こういうお答えのようですから、一歩譲ってそれを信ずるとすれば、すでにその辺のある種の調査が行なわれて、OHKは直ちにNHKと結びつくという、そういう思想に立っていいものかどうか、民間放送はどうなる。少なくとも私は多少推論を述べるなら、いずれマイクロを沖繩本島から先島まで延ばさしておいて、先島にも民間放送を一つつくりたいという、こういう結果的な趨勢というものは予想されると思うのです。したがって、沖繩放送界をどうするか、この辺の構想は、そろそろ描かれてもいいのじゃないか、こういうように思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/75
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076・石川忠夫
○政府委員(石川忠夫君) NHKとOHKの関係につきましては、先ほど幾度もお話が出ましたとおり、私どもといたしましても、これが常識的に解決されるであろうということを期待しているわけでございます。それから沖繩における民間放送会社に対する内地のキイステーション会社の投資の問題でございますが、これはまあいずれ復帰のときにもう一回検討しなければならない問題でございまして、その際複数局支配になるかどうかという観点もございますので、その際十分検討さしていただきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/76
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077・森中守義
○森中守義君 それはその際でもかまいませんが、国内においてすら、放送体制の問題はいろいろ議論もあるし、むずかしい問題もあるのです。そこで私が言いたいのは、すでにフジテレビをはじめ各社がおのおのネットを持っており、シェアをとる、こういう状態がすでにあるわけだから、両三年という理解のしかたにもよるし、事実上そのことがどうなるかということは別な問題としても、両三年ということであれば、当然こういう機会に沖繩における放送の構造というものも、この際私はつくられても早くはない——ないといえばしょうがないが。したがって、その辺のことは十分に考慮に入れながら問題の処理に当たる必要があろうと、こういうふうに私は意見として申しておきます。
それと、NHKの副会長お見えになっていますね。先ほど新谷、永岡両委員の質問の中にもちょっとあったようですが、これは当然事業者間ベースにおいて協定を結ぶんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/77
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078・小野吉郎
○参考人(小野吉郎君) いずれこの法案が効力を発生いたしました後におきましては、OHKとNHKの間に無償貸与のいろいろな条件につきまして、協定を結ぶ予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/78
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079・森中守義
○森中守義君 現在NHKで考えられておられる協定の内容は、少なくとも無償ということだけに限定をした協定をお考えになっているか。いま私が郵政省にお尋ねしましたように、少なくとも復帰後はNHKに吸収するとか、表現はあまり適当でないかわかりませんが、要するにわれわれの認識からいけば、当然OHKというものはNHKに統合さるべきものだという、こういう実は潜在的なものを持つのです。したがって、そういうことまでも言及した協定にされるのかどうなのか、そういうお考えをお持ちであるか、それが三億五千万が1簡単にいうならば、私は先行投資という意味にもとれるし、そこまでいかないとするならば、ちょっとこれはまた金それ自体の性格がいささか変わってくるのですね。その辺どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/79
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080・小野吉郎
○参考人(小野吉郎君) 協定の内容といたしましては、設置からあとの保守、管理等の関係にまつわりましていろいろな責任問題、あるいは権利義務の関係があろうかと思います。そういう面を明確にいたします条項を入れることは考えております。復帰後に対しましてこれをNHKと一体化するという点につきましては、早晩返るでありましょう沖繩の地区に日本の放送法自体が施行されるわけでございます。現在のOHK設置の根拠になっております法律はおそらく失効するでありましょう。そういう面から技術上同じ公共放送機関としてNHKに吸収されるであろうことを期待をしておりますが、協定の案文の表面に、復帰後の条項を明確にされるように協定の文章に表現いたしますことは、現時点では非常にいかがであろうかというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/80
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081・森中守義
○森中守義君 意味はよくわかります。要するに正確なものにしておかなくても、自然の帰趨として当然そういうことになり得るというそういう想定だというようなことなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/81
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082・小野吉郎
○参考人(小野吉郎君) あるいは他に転貸を認めないとかいろいろな条項によりまして、OHKとNHKの関係について、復帰後どうなるかというような具体的表現はこれは困難だと思いますけれども、そういった面についての配慮はできれば何かの巧妙な案があれば表現いたしたいと思いますけれども、非常にこれはデリケートな問題になろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/82
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083・森中守義
○森中守義君 そこで、では一歩進めましょう。本土の場合と逆なんですね、テレビが先にいってしまってラジオがあとにくる、しかも民間放送がかなり根を張っている本島の状態ですからね。そこへもってきてOHKで七十セント、八十セントお取りになるようですが、これは私は実際問題としてかなり困難を伴ってくるような気がする。それで先ほど永岡君から御指摘がありましたように、足りない分は琉球政府でみる、こういうことなんですか。もし万一どうしても琉球政府としては相当額のものを背負い込むことが困難だ、したがって、もともとが三億五千万OHKはNHKから入れてもらったんだから、あとの入用の分についても、入れてほしいということが今回の場合と同じように総理府、郵政省、NHKに琉球政府あるいはOHKからそれぞれの立場において援助が申し込まれた場合に、さらに今後の援助をNHKはするつもりですか、どうですか。仮定の話なんでなかなか問題だろうと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/83
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084・小野吉郎
○参考人(小野吉郎君) なかなかお答えしにくいのですが、今日の段階におきましても、NHKは当然には援助はいたしかねます。現在の放送法のたてまえから申しますと、これは法制上困難だろう、こういうように考えております。ただ、OHKからは非常に沖繩住民の代表としての要望を強く訴えておられます。これには何がしかこたえたいという気持ちはございますけれども、それもやはり現在の法制上配慮いただく面がなくては無理であろうということで、こういった特別立法の関係を実はお願いをいたしておったような次第でございます。しかも、この特別立法は一年限りで効力を失ってしまうわけでございますので、そういたしますと、現行放送法の限界に法制上とどまるわけでございます。そうなってまいりますと、お説のような要望がありましても、それはなかなかこれに応じかねるということではないかと思います。その際に、またあらためてこのような特別立法の形で援助し得るいわゆる根拠ができるかどうか、これは別の問題だと思っております。現在のところでは仮定の問題でございますので、さしあたり四十三年度三億五千万円の施設の設置無償貸与、この点を考えているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/84
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085・森中守義
○森中守義君 これができないということは、今度のこともできない。放送法のどこにもありませんし、定款のどこにもない。ないがゆえに特別立法という、こういう異例な措置をとっているわけですね。だから、これができたから将来道が開けたという解釈はむろん私もいたしませんよ。いたしませんが、おそらく三億五千万というのをNHKが進んでお出しになったとも思えない、思いません。お話しの中で大体明らかになってきましたが。しかしながら、やろうとすれば特別立法という措置でとり得る道が開かれているのですね。それでやってみて、一年あるいは二年の間に急激に
○HKが財政的に逼迫した状態になるかどうかわかりませんけれども、一応想像されることは、テレビが先行し、しかも民間放送が先行しておる状態で、にわかに七十セントであれ、八十セントであれ、金を取るということは、なかなか容易なことではないであろう。他面、琉球政府からじゃあ出し得るかということになりますと、これはあとで総理府にお伺いしますが、アメリカの援助額というものはどんどん減っておりますよ、純粋な琉球政府援助、民生費の援助というのは。そうなると、琉球政府の財政というものはなかなか困難な状態が続くとして、結果的に日本政府がどういう裏打ちをしていくかが問題になりますが、しかし、先ほど総理府のお答えによりますと、この種事業的なものはできるだけ関連の事業において措置をしてもらいたい、こういう意見が述べられている。そうなると、結果的にNHKにというようなことが予想される。したがって、今回のように総理府が郵政省に、郵政省がNHKにという、そういう姿勢をとってきた場合に断わり得るかどうかということを私は聞いている。だから、ここで会長とどこまで協議されているかわかりませんが、協会は、経営委員会によく相談をして、もうこれ以上のことはいたさない、そのときになって考えるなら考えるという答えをもらえばそれでいい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/85
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086・小野吉郎
○参考人(小野吉郎君) 先ほども申し上げましたように、現段階におきましては、三億五千万を限り、四十三年度限りの問題として考えております。将来の問題につきましては、その際における情勢によって判断をいたすことになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/86
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087・森中守義
○森中守義君 その三億五千万の内容ですがね。これはあまりこまかなことを聞いてもしようがないような気もしますが、大体構成はどうなっていますか、大ざっぱにでも何が幾らということを。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/87
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088・三熊文雄
○参考人(三熊文雄君) この前も当委員会で一応簡単に御説明いたしましたのですが、重ねて申し上げます。今回は簡単に申し上げます。
送信設備が約四千九百万円です。それから録画、調整装置、これが一億一千六十万円、それからスタジオ設備関係が四千四百八十万円、それから取材、現像、編集設備、これが千六百七十万円、それから電源と、それから工事費、これが一億二千八百九十万円、合わせまして三億五千万円ですが、この工事費は御承知のとおり遠くへ運ぶものですから、先島の例にならいまして全体の二五%増というように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/88
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089・森中守義
○森中守義君 先ほどの電波監理局長のお答えによりますと、普及率はかなりいいですね。国内の八三%に大体匹敵するような普及率を示しておりますね。それで今度こういう措置がとられればもっと高くなるということは予想される。その際に小野さん、たとえばその先島というのは、私も地形をよく知りませんがね、本島全体はサンゴ礁ですからね、そう極端に地形の悪いところもないようですが、大半視聴になれば、相当地形が悪いようです。そうなると、やれ共聴施設だ、何だかんだという、そういうことが相当問題になってくるような気がする。したがって、私は先ほど料金の問題と同時に、そういういわゆる普及のための設備というものが相当かさんでくるんじゃないか、そういうのを持ってくれという話が当然起こってくるというふうにも思うのです。これはNHKでも、電波監理局でもどちらでもいいんですが、その辺の事情はどういうふうに判断されておりますか、共聴施設等の必要の度合い等は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/89
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090・川上行蔵
○参考人(川上行蔵君) 沖繩は地形上あまり山とか、あれはございませんで、本島にいまNHKの援助で中央局ができますと、本島関係は九二%の幅で含まれます。それであと中央局ができました明年一月以降、早急にサテライト局二局ほど、先ほど電波監理局長からお話しのありました地点につくる。そうなれば、大体九九%の幅になるというようになっておりますので、おそらく御指摘がありましたような難聴施設的なものは、あまり地形上は日本の山国というようなことはないので心配ないと、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/90
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091・森中守義
○森中守義君 それからちょっとしたことですけれども、OHKの技術者ですとか、いろいろな職員の問題等もあろうかと思いますが、それはこの前のお答えによりますと、NHKで適当に指導、教育される、こういうことのようですが、だれかを派遣されるのですか、向こうからそういう訓練生か何か招致されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/91
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092・三熊文雄
○参考人(三熊文雄君) いままでの例を申し上げます。先島につくりましたときに、昨年技術者がこちらに八名参りまして、そうして大体三カ月間私のほうの研修所でいろいろな研修をいたしました。それからそれ以外にアナウンサー及び制作要員、これが十人同じように研修所に参りまして、いろいろなそういう点で研修いたしました。で、まず次のステップとして考えられますのは、やはりNHKのほうに参ってそういうような研修をするということが考えられます。それからもう一つは、こちらから出て指導するという話なんですが、沖繩には私のほうの沖繩総局がございます。そこにいろいろな仕事の面で行く用がありますので、その行ったつど、そういうときに指導するということもあります。現に技術のほうから一名、先島のほうに用がありまして出かけておるわけですが、それがやはり指導をしておるというのが現状です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/92
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093・森中守義
○森中守義君 すでに協会の予算が成立をしたあとで持ち出すのもどうかと思いますが、本年の予算の意見書の中に、郵政大臣はこう言われておりますですね。「今後のカラーテレビジョン放送受信者の増加状況等を勘案のりえ、国民の受信料負担の軽減という見地から、これが適正化についてさらに考慮すべきである。」こうおっしゃっておる。これは具体的にどういうことを意味するのでしょうか、つまり二千万台をこえた場合には、三百十五円をもっと下げるというような、そういう具体的なことまでも、この中に意味されているのですか、郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/93
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094・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 簡単に申せばそういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/94
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095・森中守義
○森中守義君 それから「国民の負担する受信料を唯一の財源としてなされていることを認識し、事業の運営にあたっては、その経費の効率的使用と節減に努める」と、こうおっしゃっているのですがね。さっき私が指摘したのといまのことと、今回の三億五千万は、そういう意味ではかなり私はたいしたもののように受け取れるのですが、この辺、大臣どういうようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/95
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096・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 要するに、前段の分は非常にむだを省いて健全な能率的な運営をしてもらいたい、こういうNHKの経営全般についての希望を述べたものであります。しかし、この問題は国の必要、とにかく国家的な要請からもこういうことをしてもらいたいという、こういうことでありますから、いまのむだを省くとか、そういうことについては、必ずしも矛盾をしておらぬと、こういう考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/96
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097・森中守義
○森中守義君 少し大臣、面はゆくありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/97
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098・小林武治
○国務大臣(小林武治君) 多少そういうところもありますが、国の必要と申しますか、内地、沖繩の一体化、こういうふうな大きな国際的な面から必要なことと、こういうことでこの予算をお願いをしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/98
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099・森中守義
○森中守義君 私は、あまりへたなことも言いたくありませんが、要するに、このことはやはり三億五千万で、大臣、帳消しになりましたね。私そういうように判断する。それからNHKの側におかれましてもいろいろお立場はありましょう。しかしこの前分科会で、いつNHKは政策機関になったかと、こういうお尋ねをしたら、前田会長ちょっとけげんな顔をしておりましたが、私もあまり感心しないのですよ。しかし、これは一通り方針としてきめておりますから、そこまでまだ反旗をひるがえすというような意思は毛頭ないけれども、これでNHKは将来の問題、少なくとも今日以降、どうも財政が逼迫してきたので料金を値上げしてくれなどというようなことはもう言えなくなりましたね、どうですか。その辺の今日のNHKのお立場は、私は、大臣が二項目にわたって意見書の中に述べておられるこれ自体もあまり大臣の意見書というものは権威あるものではない。こういうようにきついことを言っておきながら、片一方で三億五千万出せとおっしゃるのだから、まさにこれは矛盾撞着もはなはだしい、言ってしまえばそういう気になっているのですね。また、NHKの側も、放送法あるいは定款等にないことを特別立法に今回ゆだねられるわけですから、どんなに財政が困ってきても受信者に、金がなくなったので値上げしてくれというようなことはおっしゃらぬでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/99
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100・小野吉郎
○参考人(小野吉郎君) この問題が起きました今日においてだけでなしに、NHKといたしましても、料金の問題につきましては、非常に細心の注意を払っておりまして、できるだけ大衆料金は安いほうへという基本方針は変わっておりません。そういうことで、ちょうど六年前の料金改定の際も、やはり大衆料金の値下げの方向において検討したわけでございます。今回の御承認を得ました予算の面におきましても、さしあたり値上げのかっこうにならないように大衆性のある料金の三百三十円、白黒の面は少なくともできるだけ低廉であるように十五円の引き下げを、これも当面は非常に財政上に無理なかなりシビアでございますけれども、そういう面に踏み切っております。と同時に将来のカラーの伸びに期待いたしまして、それによって将来の必要財源をまかなっていくというような観点から、ああいった措置をとったわけでございまして、将来におきましても、そういった方面の努力を十分にいたしまして、三百十五円を値上げするようなことは今日すべきではないと考えております。非常なその間に経済事情、物価情勢の激変があればともかくでございますけれども、そうでない限りにおきましては、これに対する値上げというようなことは考えておりません。ただ、将来の努力いかんに待つところでございますけれども、大臣意見書にもありますように、カラーの伸びが非常に予想を越えて伸びた場合におきましては、そこに料金の調整——これはやはり引き下げの方向でございますけれども、三百十五円を操作するか四百六十五円のほうを操作いたしますか、少なくとも料金全体としての調整をしよう、こういうような気持ちでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/100
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101・森中守義
○森中守義君 私は、今日の協会の収益の状態からいきますと、値上げなんというようなことはまず考えられない。それで大臣にさっきお尋ねしたのは、二千万台をこえた場合どうするのかあるいは二千百万台になった場合にどうするのか、そういう具体的な話があったのですかどうですかと、こう承ったのですが、NHKの場合には、この意見書にもそういう趣旨だという大臣の御答弁ですし、かたがた今回特別立法において三億五千万をよそに出そうとこういうのだから、これはやはり受信者に対しても相当以上のサービスをしてもいい、こう思うのですよ。そうなれば来年あたり、昨年乙を廃止したように、三百円なりあるいは三百円を下回るようなことを検討しますか。相当カラーはふえるでしょう。かなり激しい伸び方をするのじゃないですか。何か試算でもやったことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/101
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102・小野吉郎
○参考人(小野吉郎君) 現在のところ、過般御承認を受けました予算に明確でございますとおり、現在の予測におきましては、四十三年度中、四十三年度末においてカラーの受信者は百四十万、以後年々増加いたしまして五年後の四十七年度末におきましては六百五十万になるであろう。こういう想定を土台といたしまして、四百六十五円と三百十五円と、こういうものを想定をしております。そういった面が予想をはるかに上回るような状況になれば料金調整の原因が出てくるわけでございますけれども、予想どおりにまいりました場合におきましては、これはそういうことをちゃんと計算ずくで料金算定をいたしておりますので、調整の余地はあるまいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/102
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103・森中守義
○森中守義君 総理府にちょっとお伺いしておきますが、いまあなたのほうの所管なのかどうか、おそらく大蔵省じゃないかと思うのですが、一通り沖繩の所管をやっておられるわけだから当然その辺の用意はあると思う。今日、沖繩の国有財産についてきちんと把握していますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/103
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104・岸良明
○説明員(岸良明君) 現在私のほうは総合調整的な立場にございますので、沖繩の国有財産の把握につきましては必ずしも明確に私どもが把握しておるわけではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/104
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105・森中守義
○森中守義君 今回の小笠原についてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/105
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106・岸良明
○説明員(岸良明君) お答えいたします。小笠原のほうにつきましては、現在鋭意確認のためのいろいろ準備を進めておりますけれども、まだ正確に把握をしておるという状況に達しておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/106
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107・森中守義
○森中守義君 これは戦前における国有財産の台帳というものは大蔵省は持ってるはずですよ。したがって、そろそろ復帰の準備に入ろうというこういう政治情勢にもあるわけですからね、国有財産の調査ぐらい、早く急いでおかれる必要がある。私はいま即答できない面もあろうかと思いますが、これはひとつこの委員会に正規な資料要求としてお願いしますので、明確にされている分だけでもけっこうですから、沖繩の国有財産はこういうものがあるということを全部ひとつ提出をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/107
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108・岸良明
○説明員(岸良明君) いまの御要求の問題でございますけれども、私ども現在の段階ではなかなか把握が十分できかねる面もあろうかと思いますが、その点につきましては十分検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/108
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109・森中守義
○森中守義君 それから先ほど永岡委員からもちょっとお話があったようですが、アメリカの沖繩への援助ですね。先ほどはあまり正確な御答弁でなかった。それで要するにプライス法、それから公法四八〇号、相互安全保障、この三つのものを一グループにしている。それからいま一つ、民政府の一般資金源、これがわかっておれば、四十年から現在に至るまで二、三年の分ですからちょっと教えてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/109
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110・岸良明
○説明員(岸良明君) ただいま総務課長がきておりますので、そちらのほうから答弁いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/110
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111・及川謙三
○説明員(及川謙三君) 四十年からアメリカ合衆国のプライス法の援助あるいは公法四八〇号関係の援助、いまおっしゃられた高等弁務官の一般資金の援助といいますか、これは資金の運用の問題でございますが、プライス法の援助は、昭和四十年では約千二百万ドルでございます。四十三億円ほどになります。四十一年では、同様千二百万ドルでございます。それから公法の関係は、これは内容的には援助に当たるものと、資金貸し付けによるものとございますが、アメリカの余剰農産物の会計から出る資金でございますが、これは毎年、ここに数字を持っておりませんが、約三百万ドルぐらいの規模で推移しております。高等弁務官の一般資金は、四十年度以降毎年約千二百万ドルないし千三百万ドルがおもにこれは沖繩の下水道あるいはその他の公共事業に対する融資という形で運用されておりますもので、プライス法等による援助とは性質を異にしているものでございます。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/111
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112・森中守義
○森中守義君 いま説明されたので、大体概略はわかりました。そこで推移を見てみますと、プライス法初め公法四八〇号等の援助というものは、少なくとも沖繩住民の民政の援助資金とはこれは受け取れない。よく政府がいままで説明されておりましたのは、こういうものも込みにしてアメリカはこれこれのものを沖繩に援助している、ただしことばそれ自体は私は適当であるかどうか非常に問題だと思う。施政権を持っているものが、その施政権下に持ち込むものを援助ということは、少し私は筋からいってもおかしいと思うのだけれども、要するに通俗的にいわれている援助ということで表現はしておきますがね。いまも申し上げたのは、これは援助じゃないのですよ。だから皆さんのほうでアメリカが沖繩に持ち込んでいるドルは、何年度に幾らあった、何年度に幾らあったということは、その額どおりに受け取れませんよ。したがって、いま私が申し上げたように、主として民政府の一般資金、ガリオア、エロアですね。しかもそれらの中から厳密にもっとこう吟味していかないと、なかなか正確な数字が出てこないと思うのですね。それで私もいまここにみずから試算をしたというわけじゃございませんけれども、昨年の日本政府の援助額が五十八億、一挙にことしは百億を突破した。幾ら入れてもいい。それは当然領土が割譲されたわけでも何でもないのだから、当然われわれは入れたい。しかし、いまずっとアメリカがとっている趨勢からいきますと、だんだん、だんだんみずからが逓減をする、逆に日本政府がそれを裏打ちをせよというそういう結果を生じているのですね。五千万ドル減らしたから、その五千万ドル分を日本で補っていくと、こういう実はアメリカと日本の沖繩に投入するドルと円の関係が、そういう因果関係を持っている。これが実は私は問題だと思うのですよ。課長、ちょっとまあお答えにくい点もあるかわかりませんがね、その辺どうなんですか、日米間で正確にアメリカが減らすから減った分を日本が出せと、実はこういう話が政府間ベースであったんですか、結果的には大体その符節が合っておりますよ。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/112
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113・及川謙三
○説明員(及川謙三君) 先生、おことばをお返しするようで恐縮ですが、アメリカは決して日本政府からの援助金と、総体的な意味ではあるいはおっしゃる趣旨には合うかもしれませんが、金額的な面で私ども持っております援助金あるいは援助に類するような資金貸し付けあるいは資金運用という点では、ここ数年漸次下がっておる、少なくなっておるとは考えていないわけでございます。
それから御質問の政府間の間で、アメリカ援助のいわゆる下がっていく状態に対して、沖繩の財政に対する住民の要請が強くなり、それにこたえるがためには日本政府のほうで援助金を増すべきである、いわゆる振りかえ的な論議がなされているかということについてはこれはございませんし、逆にむしろ日本政府としても沖繩住民の民生福祉の増進なり経済発展のためにこれこれの資金を毎年増額しているから、施政権者たるアメリカ合衆国も当然増額をすべきであるということを強く要請しておったわけであります。それの一つのあらわれとしまして、現地における責任者の高等弁務官はアメリカ議会に対してここ二年来、現在のプライス法に限って申し上げますならば、法律の制限額が千二百万ドルの約倍の二千五百万ドルに引き上げてくれという要請をアメリカ合衆国の議会で相当強調し、まあ両院のうちいずれかがこれを認め、いずれかでとまっておる。幸い今年度になりまして千七百五十万ドルということで議会を通過したわけであります。したがって、来年度以降も、あるいは今年度の問題もございますが、来年度以降についてはアメリカ政府の援助も、その法律の制限額の最高額である千七百五十万ドルまで引き上げられるんではないか。そういう可能性を私どもは期待をしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/113
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114・森中守義
○森中守義君 言われるようにその総額においては、多少各年度ごとに幾らか伸びていますが、だから私はそれ自体でなくて、実は内容を言っている。たとえば電気、水道こういうのがありますね。かなりふくらんでいますよ。そしていま一つは、どうしても疑問が解けないし、現地でも問題になっているのは、石油納付金というのがありますね。これが異常な暴騰をしている。ところが、それらは全部いわゆる民政府の公社というか民政府事業でしょう。それによって料金を全部取っているわけだから、これは間接的には、まあいわば沖繩における社会資本的な性格を持つかわかりませんけれども、しかし、これは援助にはならない。だから、私が言っているのは、純粋な民生援助というのはと、こういうわけですよ。その数字は確かに減っている。その分が一銭一厘も間違いのないように減った分を日本政府からという、そういう数合わせということは事実問題としてできないでしょう。しかし、傾向がそういうようにきているということは、これはもう否定できない、よろしゅうございますか。だから、その辺のことをよほど総理府あたりでも考えてもらわないと、これはなかなか沖繩問題の解決にならないし、かたがたこういうことだと思うんですよ、さっきお聞きになっていたようにOHKでも将来いろいろ金が要りますよ。今回金を出しておけば、また必ず言ってくるに違いない。私はそれも出すなと、こう言うんじゃないんだ。幾らでも出すから、出すかわりにすみやかに返せということであり、一挙にそれが両三年という時期の問題等がほんとかどうかわからぬけれども、たとえば渡航の制限の問題であるとか、あるいは現地における人権の保障であるとか、あるいは警察権の行使の問題とか、あるいは裁判管轄権の問題とかいろいろなもので、いま少しそれらしくわが国の権限の行使というものが認められるなら別だ、施政権は一歩も譲らない、その権能下における一切の権限行使というものは一歩も後退させないでおいて、しかも、民生のめんどうは見ないでおいて逆に日本から金を持ってくる、それで権限はおれのほうで行使するというのじゃ、少し国際間の問題として、もともと沖繩はそれ自体が変則だからしかたがないと言えばそれまでだが、理屈に合わぬじゃないか。いま少し日本政府もしっかりしてもらいたいということを言いたいわけです。それはひとつ郵政大臣もおいでのことでありますから、政府全体の問題として、御議論になると思いますが。
そこで総理府にお願いをして質問を終わりたいと思いますが、大体郵政大臣のお話によってはっきりいたしましたのは、要するにNHKは、郵政省自体が三億五千万円を総理府に申し込んだということではないようですね。あなたのほうから郵政大臣へ、郵政大臣からNHKのほうにという状態のようでありますが、この措置は必ずしも私は適当とは思いません。それは総理府は簡単にお考えになっておるのかわからぬけれども、協会の財政というものは受信料ですよ。何も私は協会を弁護したり協会にほめてもらおうなんというそういうみみっちい考えは毛頭ない。受信者の側に立てば、この放送協会の金というのは、支出することに相当きついワクがある、これは当然だ。したがって、今回このとられた措置は放送法にないような措置をとられたわけです。しかも、やはり永岡委員が指摘されたように、当然国一体のものとして、総理府から支弁するものをNHKから出させる、その限りにおいては適当でないということを特に総理府はこの際もう一回再考してもらいたい。
そのことを最後に意見として申し述べまして、かつまた郵政大臣にも今年の意見書に言われておることがほんとうであるとするならば、将来はあまりこういう変則的なことをみずからおやりにならないように善処されるように意見を申し述べて質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/114
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115・久保等
○委員長(久保等君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/115
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116・久保等
○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。
それでは、これにより討論に入ります。
御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますから、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/116
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117・久保等
○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
沖繩におけるテレビジョン放送に必要な設備の日本放送協会による設置及び無償貸付けに関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/117
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118・久保等
○委員長(久保等君) 全会一致と認めます。
よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/118
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119・久保等
○委員長(久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日は、これにて散会いたします。
午後零時十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814816X01219680418/119
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