1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年四月十七日(火曜日)
午前十時五十二分開会
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委員の異動
四月十三日委員高橋進太郎君及び加藤
正人君辞任につき、塩見俊二君及び奥
むめお君を議長において指名した。
四月十四日委員塩見俊二君辞任につ
き、その補欠として高橋進太郎君を議
長において指名した。
本日委員奥むめお君辞任につき、その
補欠として加藤正人君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 武藤 常介君
理事
赤間 文三君
剱木 亨弘君
中田 吉雄君
委員
上原 正吉君
大泉 寛三君
川上 為治君
小林 英三君
吉武 恵市君
阿部 竹松君
近藤 信一君
吉田 法晴君
田畑 金光君
国務大臣
通商産業大臣 佐藤 榮作君
政府委員
通商産業政務次
官 森 清君
通商産業大臣官
房長 塚本 敏夫君
通商産業省鉱山
局長 川出 千速君
通商産業省石炭
局長 今井 博君
通商産業省鉱山
保安局長 八谷 芳裕君
通商産業省公益
事業局長 樋詰 誠明君
労働政務次官 加藤 武徳君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
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本日の会議に付した案件
○石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を
改正する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
○産炭地域振興事業団法案(内閣提
出、衆議院送付)
○鉱山保安法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
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001・武藤常介
○委員長(武藤常介君) これより商工委員会を開会いたします。
本日は石炭関係三法案の審議を行ないます。なお、時間があれば石油業法案の審査を行ないます。
なお、去る十日の委員会におきまして、委員長及び理肝に御一任願いました石炭三法案に関する参考人についてでありますが、明十八日午前十時より、お手元に配付いたしましたプリントのとおり、六名の方々に御出席をいただくことに決定いたしましたので、この際御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/1
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002・武藤常介
○委員長(武藤常介君) 次に、委員の異動がありますので御報告いたします。本日奥むめお君が辞任され、補欠として加藤正人君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/2
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003・武藤常介
○委員長(武藤常介君) それでは、石炭鉱業合理化脇町措置法の一部を改正する法律案、産炭地域振興事業団法案、鉱山保安法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/3
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004・阿部竹松
○阿部竹松君 ただいま理事会で打ち合わせ願った三法案のうち、議事進行についてですが、私は本日石炭関係の二法案についてお尋ねをしたいと考えておりますので、通産省から保安局担当の方がお見えになっておるようですが、私はお尋ねしませんので、もしほかの委員の方の質問があれば別問題ですが、私は質問の用意がございませんので、もし、せっかくおいでになっても半日ここにおられても気の毒ですから、私はよろしうございますので、委員長のほうで取り計らっていただきたいと思うわけです。
その次に、法案の中身についてお尋ねいたしますが、臨時措置法の一部を改正する法律案のお尋ねをする前に、御承知のとおり、九州に大正鉱業という石炭山がございます。労使双方数カ月にわたっていろいろと問題を残しておるわけであります。たまたま私は直接お訪ねしませんでしたが、佐藤通産大臣の言明によりますると、森政務次官を現地に派遣せしめて一切の解決の衝にあたらせます、したがってその結果を待ってくれぬかというようなことを佐藤通商難業大臣が言明しております。法案とは違いますけれども、きわめて関係のある問題でございますから、お知らせ願える限度内において、大正鉱業の今回の問題について御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/4
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005・森清
○政府委員(森清君) 先週の木曜日でございましたか、私は現地に行って参りましたが、その前に、その大正鉱業の問題は、御承知のように非常に長い間労使の問で紛糾している問題でありまして、特にここ二カ月ほどは完全なるストに入っておる状況でありまして、私ども通産省の立場から見ますと、特に保安要員の問題等でなかなかむずかしい問題も出てきておりますので、どうしても保安の点から言っても、すみやかにこの結論を発見しないと、最悪の場合は、いわゆる保安法二十五条を発動しなければならぬというような事態にもなるかもわからぬ、こういうふうなことをおそれまして、実は私はとにかく現地に行って、組合側あるいは経営者側等々の方々にお会いいたしまして、何とか話し合いの場を見つけたい、こう考えまして、現地に飛ぶことを決意したのであります。そうしてさっそくに、まず最初に社長の田中直正氏に面会を申し入れましたところが、ちょうど田中氏は大阪に所用がありまして、現地を離れるということでございましたので、急拠東京に招致いたしまして、一晩じっくり話し合ったのでございます。私の望みとするところのものは、何とか労使双方が一つの土俵の上に上がって、そこで新しい鉱山再建について話し合ってみたらどうか、この話し合いの場を持たせることが主たる目的でございました。ところが、どうも最終的な問題におきまして、ということは、私自身、とすれば、今まで従業員に対する給料の未払いが多少ございますので、これをすみやかに解決してやることが、組合側としても話し合いの土俵に上がれる一つの大きなめどになるだろう、こう考えましたので、それを解消するように、実は強く要請したのでありますけれども、なかなか現状におきましては、会社側としてはそれだけのまとまった金がこの際捻出することができないということで、実はその晩の話は不調に終わりました。まことに残念ではございましたけれども、直ちに組合側や、あるいは地労委の方々、あるいは銀行筋、そういったところにも会ってみたいと考えまして、現地に飛びまして、予定に基づきましてそれらの人々にお会いをいたしましたが、どうも、現地に行ってみますと、ますます一刻も早いところの話し合いを持つことが望ましいことが身をもってわかりましたので、直ちに現地から大阪にいる田中社長に連絡をとりまして、再会見を要請をいたしたのでございますけれども、不幸にしてこれは行き違いになりまして、田中さんは四国に回って、現在福岡に帰っておられるそうであります。先ほどまでの状況によりますと、私と会見を予定しておった十八日は上京が困難なように思われますので、せめておくれても一日、二日のうちには上京してくるように、再び連絡をとっているところでございます。
そこで、要約いたしますと、先般私が福岡に参りましたその使命は、残念ながら最終的な結論を見出すに至りませんでしたけれども、私としては各方面の意見を聞いて、少なくとも妥結に至る、話し合いのを持つに至る大きな目標と申しますか、明るい見通しというようなものがややついたように私は考えるわけであります。これからも引き続き努力をいたしまして、一日も早く労使双方の間におきまして、円満に話し合いが進んでいくことを望んでいるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/5
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006・阿部竹松
○阿部竹松君 長いもつれですから、政務次官が福岡までお出かけになられて御苦労なさっても、簡単に解決するとも考えられませんし、政務次官の御苦労を多とするものですが、私もよくわかりませんけれども、会社再建の条件を何度も出して、二回も三回も組合が突っぱられてのんでいるのです。がまんにがまんを重ねて、よく暴動が起きぬものだと僕は不思議に思うくらい組合ががまんにがまんを重ねて譲歩してきて突っぱられた。電気もとまる、あらゆるものがとまるものですから、ポンプもとまって遠賀用の水が、お聞きになったかもしれませんけれども、二百町歩にわたる洪水というような状態なんです。ですから一体どこに原因があるかということを、おそらく次官が現地においでになれば、つかんでこられたと思いますので、やはりそういう点僕たちも大いに問題の解決に協力いたしまするが、しかし今申し上げましたが、組合が二回も三回も再建ということで条件をのんで譲歩に譲歩を重ねて、それでもなおかつ解決できぬ、こういう実態ですから、どうも不思議なんです。少なくとも大正の山は御承知のとおり、杵島とか、日炭高松、こういう山と一緒に大手十八社の中に入るくらい優秀な山なんです。あれよりまだまだ悪い企業が堂々とやっているのですから、やっていけないというはずはないのです。ですからそこらあたりの確信をお示し願えればお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/6
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007・森清
○政府委員(森清君) 非常に長い間の事件でございますから、原因はたくさんございますが、要約して言うならば、私はお互いの不信感ではないかと思います。組合は会社側を信用しない、会社側は組合を信用しない、そういう不信感がわれわれの目から見てみましても、きわめてささいなこと、ほんとうにくだらないと思われる小さなことから、何となくお互いの感情がそごを来たしておる。そうしてなかなか話し合いの場を打たれないということではないかと思います。それだけにお互いの間にわだかまったところの不信感を一掃することが大事だと、そのためにはわれわれのような第三者が出ていくことが意味があるんじゃないかと、こう私は思っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/7
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008・阿部竹松
○阿部竹松君 次官のおっしゃるとおり、不信感が両者間にあるかもしれませんけれども、初めからお互いの条件を出して正面衝突をしておるわけじゃない。私はここでこれ以上お尋ねしませんけれども、くどいようですが、組合のほうはこれでやりましょう、これでやりましょう、こういうことで二回も三回も後退に後退を続けているわけです。これでやれぬというのは、私はその点納得できないわけです。ですからそういう点をお尋ねしたいわけですが、もし御答弁ができなければやむを得ませんが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/8
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009・森清
○政府委員(森清君) 一つ一つを例にあげますと、組合側が単なる譲歩に譲歩を重ねてきたということは私は言いすぎではないか。たとえば会社側にしてみれば、給料は全部今まで未払いの分を払おう、こういう約束をしておる。何か二回か三回に分けて最後に払う段階になったが、その二日前にストに入って銀行にピケを張ってしまったというようなこともある。ただただ組合側が一方的に譲歩したとは私はとっておりません。いずれにしても、今日の段階になりますと、むしろ組合は話し合いの場をすみやかに持とうじゃないか、こう言っていることは事実でありまして、そのために相当のむべからざるところをのんだという空気もございます。それに対して会社側としてみれば、どうも組合に対する不信感から、たとえば保安要員を出すような問題にいたしましても、保安に万全を期したい意味で、会社側からは、ある程度の人選なんかを会社側にまかしてくれと言っているが、実際まかしてくれと言っているのですが、組合は実質的にはそういうことはのんでいても、会社側は全面的にまかしてくれなければどうも承服できないのだというようなことで、これなんかの例は明らかに両方の不信感がわだかまっているために、こういうふうなことになるんじゃないかと、こう考えられるのですが、いずれにしても、長い間につちかわれたところのお互いの間の不信感というものを払拭することが、この際解決の一番先決問題じゃないかと、こう考えるわけでありまして、お尋ねの問題の個々については、ちょっとこの場合まだ折衝途上でございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/9
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010・吉田法晴
○吉田法晴君 関連して。森政務次官はお互いの不信がもつれの原因だ、こういうふうなお話ですが、それを全面的に否定するわけではございませんが、お話の中にありました未払い賃金は分割したものを払おうと言ったのに、もらわないでストになった、こういうお話。この辺御理解が少し違うのじゃないかと思います。というのは、今手元に記録がございませんから、日にちは正確に覚えておりませんが、なるほど半分は支払おう、あとの半分は操業に入って支払おう。その操業に入りますのに、まず問題は保安要員の問題だったわけですが、保安要員を出しましょう、保安要員を出したら保安要員に賃金を払ってくれるか。これは坑内を維持するために——鉱業権者側から言えば坑内の施設を維持するためにもぜひ必要でしょう。それから労働者側から言えば、生命の危険のある坑内に入れるわけはございませんから、二十何項目からか指摘のあった保安を改善するためにも、それから自分たちの職場を守るためにも保安要員を入れたい、こういう話であった。ところがその保安要員の賃金は払えない、保安要員は選択をして——会社の選択する人間でなければ払えない。こういう話があって、そうしてそういう話の中で、保安要員の賃金は払える、払えぬという話をしておる最中に、労働者の保安要員の賃金も十分払えない、あるいは問題を軌道に乗せなければという話し合いをしておる最中に、ないはずの金を会社の職員の自宅に会計係員が配って回った。こういうところに保安要員入坑という問題もくずれた。こう私は理解をしておるのです。その辺は大ざっぱに賃金は支払おう、未払い賃金を支払おう、こういう話であったのが、受け取らないでストをした、こういうお話で、こういう御認識は不正解だと思うのです。たいへん恐縮ですが、その辺御訂正いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/10
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011・森清
○政府委員(森清君) 私実は書類を持ってきておりませんので、何月何日どうこうということはちょっとお答えしかねるのでありますが、問題は今もお話しになまりしたように、何と申しますか、会社側にしてみれば、一応給料の未払いは解決しようというふうにきまったことは事実なんです、一ぺんは……。組合は当然それをいただきましょうという形になっておって、約束の最後のものを払う寸前に、二日ほど前にストライキに入ってしまったことも、これまた事実なんです。そこでしかし私は今田中社長に対して、ストライキに入ろうが入るまいが、とにかく働いた金を払っていないのだから、これは万難を排して、相手が取らなかったらポケットの中にねじ込んでもいいから払うべきだ、そうしてこれに対して組合がどうした、こうしたということはこの際言うな、こういうふうに私は指導しております、またそういうふうに主張しておりますけれども、ともかく会社側にしてみれば、払うつもりで苦しい中から金繰りをしてみたけれども、それも二日前にストライキに入ってしまった、しかも銀行にピケを張ってしまった、それじゃ払おうとしても払うことができないじゃないかと言われることも事実なんです。要するに、そうしたことから、これは事実それらのことについて組合側にも会い、社長にも会い、いろいろな関係者に会って詳細に調べてはきておりますけれども、とにかく第三者から見れば、非常にちょっとしたつまずきが次から次に大きな問題をはらんでいく。今や労使の岡では全く話し合いの場を発見するのに困難なような状況になっておるようなわけでありまして、私はこの解決にあたって、あまり過去のことを、あのときどうした、こうしたということをあまり重点を置かずに、とにかく建設的に何とかしてこの際お互いに土俵の上にお互いが上がって、その土俵の上に立って、あの大正鉱業というものがいかに再建していったらいいか、いかにりっぱな形にしていったらいいかというふうなことを労使の間で話し合うべきだということを盛んに勧めているわけでございまして、率直に申し上げまして、これを要するに、今日むしろ組合側のほうが話し合いの場を強く望んでおる。がしかし、会社側のほうではいろいろと理由をこねてむしろ話し合いの場を持つ前に、とるべきものはとってしまいたい。組合側を屈服させるものは屈服させてしまいたいという感じで臨んでおりますので、なかなか簡単には話し合いを持たせることは困難ではないかと思いますが、そういう事情がわかればわかるだけに、私は今後のわれわれの努力によって何とか解決の糸口が見出だせるのじゃないか、こういうふうに思っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/11
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012・阿部竹松
○阿部竹松君 次官の話はわかりますが、賃金を払うという二日前にストライキをやってけしからぬ。賃金を全部払うといったら、たれもストライキをやらぬでしょう。しかし百円だったら三十五円しか払いませんというから、全部よこせ、こういうことでストライキをやる。次官は今まで苦しい御生活をなさったことがないから、そういうことはわからぬかもしれませんが、働いて、賃金をもう全部払いますといって、一日前にストライキをやるばかは日本国中どんな労働組合でもありません。ただ今までしし営々と働いていて、三分の一しかあげません、あと何カ月間待ってくれ、こう言ったら、現在石炭はどんどん売れております、安くても。それなのに賃金のほう払わなかったら、労働者は弱いものですから、組合活動の一環としてストライキをやるので、そういうことは理解してもらわなければならぬ。確かに組合、会社、不信感があったから、それを次官のほうで、佐藤さんから、労働省の福永さんから、大蔵省の銀行局長から、大蔵大臣の水田さんからとめ男になって何とかならぬかといって努力しておるのです。ですから、組合、会社だけの問題でなくして、最終的には組合、会社の問題でしょうが、この場合はやはり経営者の諸君といえども、組合の諸君といえども、いうことをきいてもらわなければならぬ。ところが全然やる気がない。そこに僕は円匙があると思うのです。ですから、そういうことについて、これ以上触れませんし、せっかく手がけて、劈頭に話が戻りますけれども、通産大臣の言明を借りれば、政務次官にあげて交渉のまとめ方を頼んであるから君心配するなという話ですから、今後とも努力を重ねていただきたいと思うのです。ここでなんぼ法律を作っても、現塙がごたごたしておっては何にもならぬわけです。ですからそういう点ひとつ、特に大正の問題についてお願いしておきます。
その次に、法案の中身に入ってお尋ねしますが、この合理化法、これで両三度改正をやったわけなんですが、この前も申し上げて、同じ法文ですから改正点だけ違うだけで趣旨は同じです。それから合理化法という法律の名前ですが、中身は、これは金を貸してやって企業整備をやって、山を買って、山を買いつぶすという、こういう単純な法律です。これは石炭局長さんからでもけっこうですからお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/12
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013・今井博
○政府委員(今井博君) もとの合理化法の改正の要点は、この前もこの委員会で概略説明いたしましたが、お尋ねのように、一番大きな点は新たに六百二十万トンの非能率炭鉱の整備をやろう。それ以外は運賃の保証の問題であるとか、あるいは専用船に関する資金の貸付の問題であるとか、あるいは山を整備する場合の退職金並びに鉱害に関する金融の問題、そういった業務を合理化事業団に業務として追加しよう、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/13
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014・阿部竹松
○阿部竹松君 そうしますと、一つ一つお尋ねいたしますが、昨年の国会において鉄道運賃が上がったときに、石炭に関して運賃をそのまま適用せんで考慮してあげるというのが当時の運輸大臣の木暮さんの話でございますが、結論的にどういうことになっておりますか、石炭の運賃について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/14
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015・今井博
○政府委員(今井博君) 昨年運賃の値上げがありまして、これの総額が約三十億程度の負担増ということになるわけであります。このうちで二重輸送、一ぺん揚げてからさらに販売業者が運ぶもの、あるいは国鉄自体が使うもの、そういうものを除きますと、約二十六億程度になるわけであります。これのうちの半額、約十三億を約三年間運賃の延納を認めてやろう、こういうことに、実はいたしております。その延納につきましては、国鉄としましてはやはり一定の担保がないと非常に困るということでございまして、これにつきましては、大手業者とその他の業者というものに分けまして、大手の関係は、これに対しましては相互の連帯保証でいわゆる人的担保措置を要する、それから大手業者以外の主として中小炭鉱でございますが、これの運賃の保証に関しましては、合理化事業団が国鉄に対してその保証をしてやるということで、三年間の運貸延納の問題が決定いたしました。これに関する先ほどの大手以外の運賃保証の問題につきまして合理化事業団の業務にそれを追加したということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/15
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016・阿部竹松
○阿部竹松君 そうしますと、三年間の延長ということは、たとえば本年度分は三年後に納入させる、来年度分は四年後に納入させるということで、三年ずつ半額の十三億円を総体的にずらした、こういうふうに理解してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/16
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017・今井博
○政府委員(今井博君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/17
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018・阿部竹松
○阿部竹松君 そうすると、結局運輸当局と話をしなければならぬことになるので、これ以上石炭局長にお尋ねしてもどうにもならないと思いますが、あまりたいしたきき目がないということは言えるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/18
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019・今井博
○政府委員(今井博君) この延納につきましては利子を取りませんので、普通は延納いたしますと、それだけ金利等を取る場合があります。この場合には金利を取らないということにいたしておりますので、形としてはその間無利子の金融が行なわれているというふうに、裏からいえばそういうことも言えるわけであります。実際はこれだけ十三億の運賃の延納措置を講じてやろうということは、これはやはり相当大きな特典だろうと思うのであります。最初運賃の全額割引というふうな要望が非常に強かった、その要望から見ますると、御折摘のとおりまだ非常に弱いものということは言えると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/19
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020・阿部竹松
○阿部竹松君 そうしますと、結局その十三億円の、半額分を三年間ずつずっとずらすというわけですから、それに対する金利分だけ、九州から北海道までの炭鉱会社がお世話になるというのですから、たいしたことがない。そうすると、三年前に千二百円トン当たりコストを下げなければならないということを皆さんがおきめになったときに、まさか鉄道運賃が上がるということは予定せぬでおきめになったと思うのです。千二百円コストを下げるのだということをおきめになったときに、運賃がトン当たり六十円も七十円も上がるということは予想しなかったと思うのです。しかし現実の問題として、その当時から——、物価の問題はお尋ねいたしませんが、運賃がトン当たり六十円も七十円も上がったということになると、千二百円のペースは狂ってくるのじゃないか、これに対する当局の措置はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/20
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021・今井博
○政府委員(今井博君) 御指摘の千二百円引きの計画をいたしましたときには、運賃はもちろん上がらないという前提で計算いたしております。したがって揚げ地におきまして千二百円を単価を下げるという問題については、この運賃の値上がりということが確かに一つの大きな支障になっておったことは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/21
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022・阿部竹松
○阿部竹松君 その次にお尋ねいたしますが、その運賃でも、私鉄から国鉄と輸送しておる——大手もありますし、中小もあるわけですが、山によっては私鉄から国鉄、こう通算して運賃を計算するところもある。山によっては私鉄は私鉄で切って、それから今度は国鉄として運賃計算する山もありますね。これはどうしてこういう差があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/22
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023・今井博
○政府委員(今井博君) 確かに私鉄から国鉄に移る、あるいは国鉄から私鉄へつながる、こういういわゆる連絡運輸の問題がございまして、これの延納をどうするかという点につきましては、事務的に国鉄のほうのいわゆる経理措置につきまして、実際上の処理として非常にむずかしい問題がございましたけれども、この連絡運輸の問題は非常におくれましたけれども、三月一ぱいに実は話し合いがつきまして、現在はこの連絡運輸についても延納措置を私鉄、国鉄を通じて実施いたしておる、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/23
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024・阿部竹松
○阿部竹松君 私の質問が悪いのか、あるいは今井さんの答弁を僕が理解できないのかわかりませんが、延納措置でなくして、私鉄四十キロなら四十キロある——通算制の問題です。四十キロなら四十キロあって、国鉄に今度渡すわけですね。その場合、今度国鉄にいって、四十一キロというところと、あるいは四十キロ全然切り捨てて、そうして初めからつまり一キロという二つがあるわけですね、二つが。どちらか一本にあれしなければ、国鉄は公共企業体ですから——私的企業であれば、ある会社には安くまけてやる、ある会社には——商取引ですから、資本主義経済ですから、ある会社には高く売るということはありましょうけれども、公共企業体の国鉄が一方には通算制をやっておる、一方には通算制ではないということを国鉄でやっておるのです。ですから、これも国鉄当局とやらなければならぬわけですが、しかし総体的に石炭のとにかくコストを下げようという時代ですから、そうすると、そういう不合理を一つ一つとにかく解決しなければならぬと思うのですが、当局の御見解をお尋ねしているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/24
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025・今井博
○政府委員(今井博君) 今のお尋ねの問題は、通算制と併算制の問題であろうと思います。この問題は特に北海道を中心に一部は通算制、一部は併算制ということで、実際の運賃がだいぶ違っておるということは事実でございます。この問題は、昨年運賃の延納の閣議決定を二回やりましたが、その二回目のときに、この通算制も、なるべく早く現存の併算制になっているやつは通算制に切りかえて実施するように措置するのだということを実は閣議で決定をしていただきまして、この線に沿って今までもまだ交渉を続けておるわけでございますが、実際問題として国鉄としまして、その措置によって四億ないし五億程度の減収になるという一つの大きな問題があります。それからいま一つは、実際に私鉄のほうはまあ距離の計算その他非常にあいまいでございまして、自分らが損になるやつをできるだけ国鉄にかぶせようというふうな会社もあるようでございまして、この同私鉄と国鉄の間に通算制をしいた場合のいわゆる負担の関係を契約できなければいかぬ、こういう問題がございまして、この契約が私鉄と国鉄の間に必ずしも順調に進んでいないというふうなことで、実は実施が延び延びになっておるわけであります。それでわれわれとしましては、まず先ほど申しました連絡運輸の延納措置、これも実は非常に事務的に複雑をきわめておったのですが、とにかくこれを第一段階に片づけようということで片づけまして、第二段階に通算制の問題と合取っ組んでおるわけであります。先ほど申しました私鉄のほうもだいぶ今これに協力するという態度に変わってきましたので、問題は残る国鉄の四億ないし五億に上る減収を、やはり国鉄としてもこの問題を踏み切ってやらなければいかぬということでございまして、なお、若干の日町は要するかと思いますが、これはすでに閣議で決定されておる線でございますので、この点はやはり以往運輸省と今話し合い中でございますが、一日も早くこの問題を実施に移すようにひとつ努力を続けたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/25
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026・阿部竹松
○阿部竹松君 国鉄が減収になるからというお答弁ですが、減収になろうが黒字になろうが、一つの線はこれは通算制で計算する、一つの線は併算制で、全然違うというようなことは、僕は国鉄の公共企業体のあり方からしてこれは問題であり、そういうことは僕ら了承できないわけです。ですから、東急とかあるいは西武とかという私鉄企業の、私企業の会社が一方とこちら側と違うということであれば、私は理解できるわけです。少なくとも公共企業体の国鉄がそういうことをやるのは、赤字であろうが黒字であろうが、同じ方法でやはり運賃計算をやらなければならぬと思うのです。しかもなおお尋ねしてみれば、閣議決定をしておる。その閣議にはおそらく運輸大臣も出ているはずなんです。閣議決定をきかないという国鉄当局の気持はわかりませんが、閣議というものはいかなるものかということは内閣法に示されておるのですが、特に今の閣議は閣僚が実力者内閣と、こういわれているのですよ。これは政務次官にお尋ねいたしますが、閣議決定を国鉄とかあるいは全逓、電通、全専売、こういうような公共企業体がいうことをきかなくてもいいものかどうか。閣議というもののあり方について、政務次官どういうお見解でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/26
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027・森清
○政府委員(森清君) それは当然仰せのように閣議決定の線はあらゆる立場においてこれは重視すべきが当然であろうと私は考えます。ただし、いわゆる実施の仕方につきましてこまかくいろいろ閣議決定はしていない場合には、それぞれの立場において考え方が違うと思いますけれども、ともかく今度のこの場合につきましては、閣議決定はしさいにわたって、実施のあり方については規定はしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/27
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028・阿部竹松
○阿部竹松君 大臣お見えになったようですから、今の閣議の決定を国鉄当局がうんと言わぬ、そういうことで政務次官にその閣議の決定のいうことをきかぬ理由を、僕たち野党で閣議なんというものを知らぬものですから、ただ閣議とはということで内閣法で、法律では知っておりますけれども、少なくとも池田さん、佐藤さん、河野さん藤山さんというもう総理大臣級の人がお集まりになる閣議を国鉄がきかぬということは了承できないと、僕は今こういう主張をしているわけです。今きめた閣議決定をあすから実施せいというのは無理でしょう。あるいは一カ月後に実施せいといっても無理な場合もあるでしょうけれども、半年も一年も、閣議決定を了解して実行しないという国鉄当局はけしからぬではないかという話を僕はしているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/28
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029・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) その非難は受けなければならぬと思います。これは御承知のように、昨年の六月でしたか、閣議決定したもの、その実施がことしになりまして完全実施まだされていない、そういう状況でございますので、これは阿部さんの非難しごくもっともと思います。私ども、ただいま、ただもっともだと言うだけでほっておるわけでは実はございません。国鉄に関するものは延納措置はもうすでに行なわれて、ただ問題は、社線が入りました場合、社線運賃と鉄道運賃とのこれは併算かあるいは通算かという問題が今なお残っているという状況でございます。これは御承知のように、それぞれの会社の収益に関係の深い問題でございますだけに、なかなかいわゆる力でどうこうという問題でなしに、納得さして話をつけたい、そういう関係でおくれているというのが現状でございまして、これはまことに私どもも残念に思っておる次第でございます。ただ問題は、延納処置をとっておりますために、ただいまのような問題も解決がおくれているのじゃないか、これはもうしばしば各委員から指摘されておりますように、最終的な処理をすべきじゃないかというお話を伺っておるわけでありますが、いわゆる最終的の処理と申せば、いわゆるこれは石炭業者が負担するのか、あるいは鉄道自身が負担するのか、あるいは一般会計が負担するのか、こういう問題が未解決である、そういう事柄がただいままでの問題の解決をも実はおくらしておる、かように実は思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/29
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030・阿部竹松
○阿部竹松君 私はその延納制度とこれは別個だと思うのです。延納制度云々問題が起きたのは昨年の国鉄運賃値上げから始まっているのですよ。ですから、通商産業大臣は国鉄出身ですからよくおわかりだと思うのですが、私どもが汽車に乗って、東海道線の二等に乗って一キロ幾ら、あるいは東北のローカル線に乗っても一キロ幾ら、東海道線の二等はあるいは東北線のローカルの一等よりまだとにかくいい箱ですよ。しかし鉄道常業法できめられているのです。そういうことで、運賃も皆さん方がおきめになればどんな悪い箱に乗っても一キロ幾らで同じでしょう。ところが通算制の場合はやっておる場所とやっておらぬ場所がある。全部がやっておらぬなら僕は理解しますよ。あるいは全部やっておるのであっても理解します。しかし国鉄というものの企業のあり方からして、てんでん・ばらばらの計算法を石炭運賃の計算の場合にやっておるのはおかしいではないかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/30
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031・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) これはそのお答えという意味じゃなしに、実際の問題で現実どうしているのかということを申し上げてみたいと思います。この国鉄と社線との間に連絡運輸という、これはまあ直通制度を考えておる。しかしてその場合に運賃の計算をするのに、いわゆる国鉄線と社線と一緒にして、そうして遠距離逓減の理論をそれに適用するかどうか、こういう問題があるわけです。会社によりましては、いわゆる遠距離逓減のその法則を適用し得るようにいわゆる通算制というものがあって、また会社によってはいわゆる合算主義、会社の線の収入は幾ら、それから先国鉄の線は幾ら、こういうことと二通りの仕組があるわけであります。それはその会社の都合がそういう契約を国鉄といたしておるのであります。だからこれはしごく簡単なようでございますが、いわゆる遠距離逓減という法則をとりますと、ここに問題があるわけです。だから遠距離逓減だと、遠方へ行く場合は、一定の距離以上は賃率は安くなりますから、そうすると、その安くなった部分をいかに割賦するか、どういうふうに分けるかという問題があるわけです。そういう直接収益に関係することでございますから、なかなか会社によって遠距離逓減の法則の適用されるよらな連絡運輸形式をとるものと、そうでないものがある。こういう現実の仕組みを実は申し上げるんで、これは今回の閣議決定ですと、そういうことをしないで、本来石炭運賃を安くすることが目的なんだしするから、とにかく全部通算制度を採用して、遠距離逓減の制度があれば、その遠距離逓減の法川を適用して運賃が安くなるようにする。そうしてその分け力は国鉄と社線の間でこれは話し合ってきめればいいじゃないか、こういうのが通帳省の主張だった。ところが国鉄のほうとすれば通算制をとって運賃割賦することが現実の問題としてなかなか困難だとか、こういうようなことでしふっているというのが現状だと思います。で、私どもの考え方を申せば、運賃の延納制度を設けたことは、石炭業者の負担を軽くするということにあると、それが省線の場合ならば発駅から直ちに鉄道運賃そのもの、か適用される。ところが地方によっては会社線を入れなければならない。まず会社線から、それから先、省線に移る、国鉄線ですね。あるいは国鉄線の途中から今度は会社線に移る。こういう場合の運賃の建前の問題なんです。だから純事務的な問題で場所によって非常な交錯を生じておるというのが今の事情だろうと思います。それを全部同じように遠距離逓減の法則を適用する。そうしてあとは分け方を工夫していく、こういうのが通産省の主張でございますが、ただいままで国鉄当局の協力を得るに充っておらない。むしろそれは国鉄、それから運輸省、行政を所管しておる運輸省もタッチしなければならない問題でございます。そういう少し入り和んだ仕組みのものでございます。それで、実現がおくれておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/31
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032・阿部竹松
○阿部竹松君 大臣は入り組んだという御答弁ですが、これは大臣が例をあげての御答弁ですが、私も例をあげてみますと、北海道に社線が多い関係で、北海道にそういう問題がある。そうすると、美唄鉄道という私鉄がある。この美唄のほうは十六キロあるんですが、十六キロ社線で運んで来て、そうして美唄駅から国鉄に乗ってまた一キロから計算は始まる。芦別という、この所にも社線がある。そうすると芦別の山から、社線に績み込んだ場合から一キロ、二キロというように出発する。これはどうも不合理ではないかという話をしておるわけです。ですからいい悪いは別問題として、国鉄は公比、企業体だからやっぱりこれは一本の方法で計算すべきであって差をつけているのは何事ですか、そういう話で、それはまあこれ以上のことについては、国鉄あるいは運輸当局との話になるんですから……。ただ私は石炭のコストを下げなければならぬ、こういうことに一貫して、そういう矛盾点を全部解決しなければならぬという趣旨でお尋ねしたんですから、それ以上お尋ねいたしません。
その次、大臣は午前中だけだそうでございますから、ぽつんぽつんとお尋ねしてたいへん恐縮ですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/32
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033・武藤常介
○委員長(武藤常介君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/33
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034・武藤常介
○委員長(武藤常介君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/34
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035・阿部竹松
○阿部竹松君 実は前回炭労の代表がたくさん東京へおいでになって、通産大臣あるいは池田総理等にお世話になったわけですが、結論として調査団を設けて、その調査団の結論が出るまで、とにかく人員解雇をやらないんだ、こういうことがいろいろ四点か五点きまったわけですが、調査団のメンバーですね、あれは新附に出ておったわけですが、決定いたしましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/35
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036・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま選考中でございます。まだ最終決定ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/36
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037・阿部竹松
○阿部竹松君 そうすると、新聞に出ておったのは全く根もないデマにすぎない、こういうことですね。通産大臣あたりわからないと答弁しても、事務当局あたりささやかに漏らしておったりすることはないんでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/37
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038・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま人選中という、策終決定でないということでございますが、新聞に出たのが全然デマだとは申しません。この中から入る人もあるし、入らない人もある、こういうことでございます。だから全然というわけでもございませんが、事柄が事柄でございますから、私が決裁すれば、決定ということでございますが、まだそういう段階でない、かように御承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/38
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039・阿部竹松
○阿部竹松君 たまたま新聞に出ておった人が全員大臣任命ということになると、ずいぶん皮肉なことになるかもしれませんが、あれは、結論的にお尋ねするのですが、結局組合を代表して発言するような意見、あるいは石炭経営者を代表して発言するような意見、こういう意見を持った人は入らぬ、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/39
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040・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) この閣議決定をいたします際に、今御指摘になりますように、利害関係者は入れない、通産、大蔵、労働、三省の事務当局、それから中立の委員、こういうことを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/40
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041・阿部竹松
○阿部竹松君 中立というのが、大臣のお考えの中立と、私どもの考えておる中立と、だいぶ違ってくるのですが、そこでその調査団が調査される場合、通産当局としてこういう点を調査してくれということで、調査を依頼するものか。それとも調査団独自の見解で調森をなさるものか。それとも九州で問題が起きた、したがって問題が起きた個々の問題について、調査団が機動的に調査をして結論を出すものか。あるいは日本の国の総合エネルギーはどれだけ要って、その中で石炭がどれくらい必要なのだ、こういうことから出発して、能率は幾らで、稼動一人員は幾らで、どことどこの山が残って、どこの山はつぶす、こういう結論が幾つか考えられますが、どういう方向で、大臣はまだおきめになっておるかどうかわからないが、答弁ができればお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/41
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042・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) これはなぜ、ここに入るかどうかというような問題が一つあるわけでございます。けれども、これを立案いたしました際は、関係の方々の御意向も聞いて、炭田別ということを実は申しておるのであります。いわゆる具体的な個々のものは入らない、具体的な問題だけを取り上げるのではない、こういうことが基本的な了解事項のように実はなっております。
ただ問題は、それでは今阿部さんが言われるように、通産省が何か注文をつけるのかということですが、いわゆる関係省が集まりますし、また中立委員が集まりますので、そこで自分たちがどういうものを調査しようということをきめると思います。もちろん中立委員からでもやはり燃料問題にひととおりの知識を持っておられる方が出てみえると思いますので、そういう方自身もこういうものを調べたいというお気持があろうと思いますが、それぞれの役所は役所で、こういうものを調べたい、そういう気持は出るだろうと思います。しかしいわゆる大臣が指示する、こういうものではございませんので、どこまでも調査団の独自の立場で調査を進めていくというふうなことになるわけであります。これの注文といたしまして、今まで伺っておりますのは、炭田別と言っておられる、炭田をいわゆる主要炭田というようなことで、落ちる炭田ができると困る。だからまんべんなく炭田を調査してほしい、こういう注文をひとつ受けております。ただ、この調査団の方々も非常に多忙の方ですから、同一人が全部を回わるということは、あるいは困難ではないかと思います。だからできるだけ要望に沿ってこの調査を進めていく、雇用の問題について、これは調査することでございますから、炭田別、炭田を落とさないようにこれはひとつ工夫するつもりでございます。
それから阿部さんの御指摘のありました点は、調査終了ということでなしにその時期の問題がひとつあるわけですが、政府が方針を決定したときと、こういうことに実はなると思います。あるいはこれが方針決定という時期じゃなくして具体的な措置がとられた、あるいは実効のある措置がとられたときと、こういうような御議論もあったわけでございますが、私どもものによっては閣議決定の後においてあるいは立法措置あるいは予算措置等を必要とする場合もあるだろう、とにかく政府が意思決定をしたらその時期、それが労使休戦の終期だと、こう考えておるということで、ただいま申し上げるようにこの点も明確になったようであります。いわゆる報告されたというそのときではなく、また実効のある措置がとられたときということじゃなくて、政府が方針を決定したときということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/42
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043・阿部竹松
○阿部竹松君 その点はわかりましたが、政府は注文をつけない、調査団が独自のお立場でおやりになるということなんでしょうが、そこで通産大臣、砕けた話ですが、結局その調査団が出す結論もやはり政府のエネルギー政策によって相当左右されると思うわけですよ、政府の政策によってですね。政府の政策が、もうボイラー規制法も三十八年の十月でなくしてしまう、もうあらゆる専焼ボイラーも認める、電気の場合ですね、そういう方針に切りかわった場合には、ここの山とここの山はだめなんだ、しかしそういう方針でなければ、こことこことここは何とかいけるではないかというような幾つかの方針があると思うわけです。ですからそこあたりが調査団が結論を出す前に、政府の政策というものが団の結論に反映するというように私は考えるのですが、全然政府のエネルギー政策の考慮に入れないということであっては、これはまたならないと思うわけですが、そういう点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/43
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044・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) いわゆる政府の基本方針、その基本方針を遂行する、あるいはまた政府が考えておる条件を遂行する、こういうことであれば、必ずしも調査団は必要としない、ただ政府の基本方針なりあるいはその遂行条件など、いろいろのものがございますが、そういうものを現地についていろいろ調べました際に、それが適正なりやいなや、また別に名案があるかどうか、そういうようなことを見てくるのじゃないかと思います。ただ、もちろん無責任に現在の合理化計画を立てておるわけでもございませんし、十分自信を持った合理化計画を持っております。しかし、その合理化計画を行なう場合のいろいろの条件がございますが、それらの条件がはたして満たされておるかどうか、そういう点は確かに調査の対象になるだろうと思います。だから政府の基本方針が、これの調査団によって重大な変更を受けるとは実は私は考えておりませんけれども、それかといって、政府の基本方針どおり、あるいはまた政府が基本方針遂行にあたって考えておるその条件そのままを、この調査団が必ず守るように報告するものだとは実は期待をいたしておりません。それはそういう意味の実施にあたって、円滑な遂行の可能なということを、調査とすれば一番の目標にするものじゃないかと、私かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/44
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045・阿部竹松
○阿部竹松君 なるほど調査団の結論を、政府が基本方針を曲げてまでいうことを聞かぬというお話ですが、しかしあの条文に、調査団の意見は尊重するということはありますね。そこで問題になるのは政府の基本方針ですが、しかしその政府の基本方針にも幾つかあろうかと思いますので、これからお尋ねいたしますけれども、この合理化法というのだけじゃとても石炭鉱業など合理化できるものじゃないので、一番問題になるのは、通産大臣、やっぱり鉱区の整理統合だと思う。私どもはソ連とか中共のようにやってくれということを申し上げません。何ぼそういうことを申し上げたところで、保守党内閣であり、政策がやはり資本主義社会を標榜した内閣でやっておられるのですから……。しかし資本主義諸国といえども、これは通産大臣よく御承知のとおり、オランダでも、ベルギーでもフランスでも、鉱区の整理統合ということをやっているわけですよ。そうしますと、日本でも鉱区をたくさん持っているわけですね。明治、大正、昭和の三代にかけて十万円で買ったとか、十五万円で買ったとかいう鉱区がたくさんある。ここは三井だ、ここは三菱、ここは住友、古河だというので、鉱区もいっぱいごちゃごちゃになっているわけです。そこで三万トン、五万トンの山を何々鉱業所ということで作って石炭を出しているなんて、昔はよかったかもしれませんけれども、今日はそういうことではとても石油と太刀打ちできませんし、諸外国ともなかなか太刀打ちできないわけです。ですから鉱区の整理統合がその最大眼目だと思うわけです。ここはお前の鉱区だ、ここはお前の鉱区だ、こういうようなことではとうていならないのであって、これは別に私は全部取り上げろ、こういうことは言いませんよ。取り上げろと言いいませんけれども、全部鉱区を供出してもらって、株主にでもなってもらって、そういうところで新鉱区開発をやるとか、あるいはこちらはうちの山だからといって、とんでもない坑道を掘って運搬に時間をかけるとか、そういうようなばかげたことをなくしてもらわなければ、石炭産業というものはなかなか今後……、合理化、合理化といってぼろくそ山を金出して買ったってだめだと思うのですが、一ぱい、二はいの輸送船を作って事足れりというようなことにはならぬと思うのですがね。こういう点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/45
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046・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 今の鉱区の整理統合、あるいは炭種の整理とか、いろいろ問題があるわけですね。で、今回の調査団がそういうふうに意見を出してくるかどうかは別といたしまして、今通産省でも鉱区の統合整理の方法があるかどうか、どういうようにしたらこれが実現できるか、異存のないことでございますが、現行の法制上でできることとできないことがありますので、それを検討していくというのが今日の実情でございます。これはこの前もこの委員会で一度発言したと思いますが、この鉱区の整理統合ということは、必ずしも政府と経営者ばかりの問題では実はないのでございます。同時に組合の諸君の積極極的協力も得ないとできるものではございません。一つの例で申せば、かつて問題であったものが今ちょっと下火になっている。消えかかっておりますから、その例を出しても差しつかえないと思いますが、いわゆる国鉄が経営している志免鉱業所という問題、これなどは国鉄自身に経営の意思もない。だからこれは整理統合するのには一番いいものであったと思います。ところが出時の関係者のほうからいうと、整理統合はけっこうだけれども、国鉄自身が整理統合しろ、こういう話で、これは無理な注文がついて、結局整理統合をやりかけたけれどもできなかったということであります。だから関係者——政府、経営者、組合側三位一体にならないとなかなかできないと思うのです。ただ問題は比較的容易ではないだろうかと思いますのは、休眠鉱区と言われている今稼働しておらない鉱区、そういうものは取り上げることが可能じゃないか、とにかくむずかしいことを考えるとなるほどむずかしいが、一つでも二つでもそういう方向で進むことができれば、これは非常な前進だ、かように思います。ちょうど幸いに今そういう御意見御披露でございますが、私どももこれの処置、未開発鉱区、あるいは休眠鉱区というような部類をいかに整理統合していくか、ここらに一つの問題があるんじゃないか、実はかように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/46
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047・吉田法晴
○吉田法晴君 ちょっと委員長関連して。石炭政策の問題に関連をして、鉱区の整理統合問題が出ましたが、私はこの前も申し上げたのですけれども、雇用を中心にして国がある程度の責任を負うというのが今度の閣議決定の、これはまた責任というとそうでございませんというが、これは経営者も社会も無制限に、あるいは無計画的に整理統合をすべきではない、こういうことで雇用、生活を守るために閣議決定がなされたのですから、そういう意味においては、ある程度の責任をお持ちになろう。出たものについては職業訓練なり、あるいは転換先についても責任を負う、こういうことを機関を通じてでありますが、こういうことで私はある程度石炭政策というものが雇用を中心にして大きく変化しようとしていることは間違いない。それからその中で、その程度はとにかくとして、そういう意味においては私は自由主義、それぞれの会社の計算と利害だけで無計画的に首切りができないという意味において、やはり社会化の方向に向かっていると思うのですが、なお、鉱区の問題については、スクラップ・アンド・ビルドということで、非能率炭鉱は買い上げて、あるいは保安の悪い炭鉱はつぶしていく、そうしてその鉱業権は消滅をさせる、こういうことになっております。で、合理化政策それ自身が再検討をされて、雇用の面においても責任を持っていくが、五千五百万トン以上の需要の点についても政府が責任を——これまた責任というと、どうも通産大臣はきらいのようですけれども、その需要の確保の点については行政指導の面なり、あるいは私どもはそれを制度の上で確立をしなければならぬと思うのですけれども、五千五百万トンをこす需要の確保のためにも、政策的にといいますか、政治的に責任を持たなければならぬ、これが総合エネルギー政策の中心であろうとも思うのです。そうすると、鉱区の問題についても問題だとおっしゃるなら、買い上げた、あるいは保安でやめさせた炭鉱の鉱業権を消滅させてしまって再びそれは復活させないのだという制度は、今までの合理化、あるいは今度改正をされておりますけれども、合理化法の中にある鉱業権の消滅問題というのは、これはやはり問題がありはしないだろうかと私は思うのです。その弊害についてはあとでお尋ねをいたします。あるいは鉱害の問題についても、あるいはそこに残る人の問題についても、大きな問題が残って参ります。今まででもそれはいろいろ問題がございましたけれども、今までより以上に私は問題が複雑化し、深刻化すると思うのです。その点はあとでお尋ねをしたいと思うのですけれども、今問題になった鉱区の整理統合というのですか、あるいは総合調整という点が問題とすると、今までの合理化政策の中で買い上げた鉱業権についてはもう復活する機会がないのだ、こういうやり方は、これは再検討されるべきではなかろうかと思うのですがいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/47
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048・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) その買い取って、そうして廃止さした鉱業権というものの売買は許さない、またそこで新しく鉱区を、鉱業権を設定することを臨時措置法でとめている、こういうことなんですね。それが整理統合というか、あるいは積極性を持たないことになるのではないか、こういうお話でございますね、今のお尋ねは。お尋ねの趣旨はそういうことじゃないかと思いますが、もちろん見込みがあるものを未来永劫にというわけにはいかないと思います。だから今日の状況において一応とめますが、これはあくまでも臨時措置法によってとめるということでございますし、さらにその情勢が変われば、また別な権利設定の基礎になる立法がないと、その法律がないと権利設定はできないということになると思います。それは今の言われるような経済的効用があるかないか、またその必要を生じたときに新たな法律を作る以外には方法はない、かように実は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/48
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049・吉田法晴
○吉田法晴君 話が具体的になるので少しわかりにくいと思うのですけれども、先ほど志免の例をあげられました。そうすると、これは設例になりますけれども、隣の炭鉱を買い上げた、そうして鉱業権を消滅させた、復活はすることがないというのが今の建前、ところが総合調整ということになると、あるいはその志免の側から掘ろうとすれば百万トンの石炭が残っているところがある、いわゆる百万トンはとにかく消化させるのだと言われれば別問題、しかし隣の鉱業権、あるいは雇用を中心にして買い上げるということになって、それが消滅をして復活することはないのだという建前になっておると、あとでとにかくその部分についての総合調整というものは不可能であります。別な法律があって、それを復活させるような法律を作らない、作るとおっしゃるなら別問題だけれども、そこで石炭政策といいますか、その合理化政策が再検討され、あるいは雇用の問題について、あるいはあとでお尋ねをいたしますけれども、鉱害の問題だとか、あるいは住民の福祉だとか、そういう問題についても、あるいは需要の点についても政府が責任を持つというなら、これはまあその程度の問題はこれは議論をいたしませんけれども、そうすると、鉱区の問題についても、これは国か買い上げて鉱区を持ち、鉱業権はこれは私企業のために、もうけるためにだけ役立つのはもう問題だという段階に達しておるという議論がある。これは、だから国が全部の責任を特って総合開発計画を立てて、炭田別に考えていくというならそれでもわかる。炭田別に調査をされる、そうすると、その中で、これは政策が人件費の問題もありましょうが、総合調整というものだ出てこぬとも限りません。その場合に、それじゃともかく買い上げて、閉山をした山の鉱区については、その可能性が今の法律ではないということになれば、それはあとで出るかもしれません。あるいはそういう議論なりあるいはそういう法律が必要だという議論が出てくるかもしらぬけれども、今総合調整の必要があると認められるなら、国が責任を持つならとにかくだけれども、消滅させるという点はどうだろうか、その点は再検討する必要があるのじゃなかろうかと、こういうことですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/49
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050・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 、だから言われるように、ある程度見込のあるものというものはなるべく私どももつぶすという考え方にならないで、そういう方向で特別に工夫してそのまま残しておきたいと思います。問題はそういう技術的な知識というか、科学的な知識というか、それが十分当を得るかどうかということですね。正確に現状を把握しておればいいですけれども、ただ将来こういう必要が起こるかもわからない、今炭がないといっているけれども、そのうち出るかもわからない、こういうような、ただ想定というだけなら、私どもは今のようにつぶしていくのが筋だろうと思います。だからつぶすということについて、これが大事な国家資源を凍結してしまうというような結果になったとすれば、そのときにあらためて事態を再検討するということが望ましいのじゃないか。現状をもっていたしますると、せっかくのものをつぶした、なお鉱業権は残る、しかもそれが転々とする。こういうことでは一体国は何をしているかということになるのじゃないかと思います。最近の国際的なあり方等から見ましても、アメリカなどのように非常に進んだ採掘をしているところでも、中小炭鉱、非能率の山、これをひとつ思い切って買いつぶすという政策をとっているようでございます。私は、日本の場合において、現状を打開し、そうして合理的、経済性のある石炭たらしめるというのには、もう少し石炭業界を見やすい姿にすることが必要なんじゃないか、かように思います。したがいまして、今吉田さんが御指摘になるような、せっかく地下資源を凍結してしまうことは残念じゃないか、こういう事態が起これば、当然そのときに考えるべきじゃないか、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/50
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051・阿部竹松
○阿部竹松君 見やすい炭鉱と大臣はおっしゃっても、大臣は現地まで御苦労を願って見てこられたので、くどくど申し上げませんけれども、だんだん見にくくなっているのが現状ですね。筑豊へ行っても、大企業がなくなって全部第二会社にしておるんですね。もう三菱の飯塚、住友の忠隈と、しかし、また数カ月前にも今度三菱鉱業で上山田を第二会社にしてやれとおっしゃる、一方炭鉱では人が足らんで人夫を募集しているんです、炭鉱にかせぎにこぬかといって。一方では山がつぶれて第二会社ができている。筑豊なんかへ行ったらたいへんな問題ですよ。どういうふうにして見やすい石炭業界にするかと反論したいんですけれども、しかし、それはそれとして、この法律によって買上炭鉱をふやすんですね。幾つの山が買い上げられて、どのくらいの従業員がやめるということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/51
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052・今井博
○政府委員(今井博君) 山の数につきましては、これはちょっとどの程度だということは、はっきり申し上げられませんが、六百二十万トンというものを買い上げた場合に、大体千トンで七人という今までの比率が出ておりますが、非能率炭鉱でございますので、その辺が若干割り引きをして考えなければいけませんので、全体の六百二十万トンに対する、われわれは今まで七掛としておりましたが、六掛くらいでいいんじゃないか、そういたしますと、約全体で三万五千人程度の従業員が減るのじゃないか、こういうふうな概算が出て参ります。山の数については、非常に大小さまざまでございますので、ちょっと正確なことは今現在わかりませんが、十分資料等を検討して、もう少し精細にその点はつめたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/52
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053・阿部竹松
○阿部竹松君 今までやった分を除いて、この改正によって三万五千人首を切られる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/53
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054・今井博
○政府委員(今井博君) その程度の労務者の減少があるだろう、こういうふうに予想しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/54
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055・阿部竹松
○阿部竹松君 労働政脇次官、お尋ねしてたいへん恐縮ですが、あとで詳細の点は社労委員会におじやましてお尋ねするとしまして、今、通産当局から三万五千人の炭鉱労務者が整理されるというような御答弁があったわけです。これ、結局あなたのほうのお世話になるというふうに考えるわけですが、この処置は労働省としてはどうなさるのですか。労働省は知りませんと、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/55
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056・加藤武徳
○政府委員(加藤武徳君) ただいま通産省から答弁のございました程度の労働者の減少が見込まれる、かように判断をいたすのでありまして、三万五千人の減少いたします労働者がいかような道を進むかにつきましても、大体の数を把握いたしておるのでありまして、そのうち労働省で担当して処置をすべき方々につきましても、その数に対応いたしまする準備をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/56
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057・阿部竹松
○阿部竹松君 その準備の中身を一つ一つお尋ねしなければなりませんがね。
そこで通産省に逆戻りしてお尋ねいたしますが、三万五千名ということになると、家族を含めて少なくとも十二、三万ということになりますね。小さくいえば、その辺の雑貨を売る商店から、あらゆる炭鉱を中心として生活しておったそれぞれの産業の皆さん方が、これは炭鉱労働者と同じように、時期は若干ずれるかもしれませんけれども、影響をこうむるわけです。九州の上山田市などは三万切りまして、上山田市というりっぱな市だったのですが、炭鉱が次から次へと休廃山になるので、町を通り抜けて村にしなければならないという実態なんです。これは真実の姿なんですよ。ですから三万五千切られるのはけっこうでしょう、政府の方針で。しかし三万五千人の完全に受け入れ態勢を作ってもらわなければならぬ。ですから具体的内容をお聞きしたいのと、もう一つ、どれほどの山かということは明確な御答弁なかったのですが、長崎で幾ら、佐賀幾ら、福岡幾ら、山口幾らあるいは福島幾ら、北海道幾らというようにお示し願いたい。少なくとも何も資料がなくて単に三万五千人首切るのだ、山の数知りません、そういうべらぼうな話はありませんよ。どのくらいの山が該当して、どのくらいの山が整理されるかということを明確に教えていただきたい。君の山はガンになっている、ガンになっていると診断されると困るから——そんなあいまいなことでは炭鉱業界だめなんだ。君のほうはだめですよ、転業しなさいということがかえって親切で、何とかなるだろうという淡い希望を持って市なり、町なり、村なり、そういうところで皆さんやっているのですから、これは単に炭鉱が困るとか、労務者が困るわけではない、地方自治体も実際迷惑をこうむる。そのものずばりで、ここだけでもけっこうですから、あいまいもこでなく、はっきりとお示し願いたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/57
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058・今井博
○政府委員(今井博君) 今までの実績と、それから三十七年度はどういう見通しでおるかということを、現在ある資料でできるだけ詳細にお答えいたしたいと思います。
三十年から三十五年度の実績では、全体の人員は約三万人、正確に申すと二万九千六十八人という数字が出ております。それに三十六年度の現在の実績は、それに加えまして八千四百六十九人、したがいまして、これを合計いたしますと、人員は約三万七千人、こういう数字が出ております。
それから山の数は、今までの実績が、全部合わせまして二百五十五という数字になっております。これに対しまして三十七年度はどういう見通しでおるかという点でございますが、これは買い上げの現在残っております六十七万トンの問題と、新しい今回の六百二十万トンのうちで、三十七年慶は百二十万トン整理をいたす計画になっておりまして、それの合計を申し上げたいと思いますが、山の数につきましてはちょっと精細な何がどうにもはっきりいたしませんので、買い上げの数字は、現在三十七年度の予定としましては十八鉱予定いたしまして、これの人員の整理は四千七百十九人という数字を大体予定いたしております。したがって、これはいわゆる買い上げの残りの六十七万トンの数字でございます。これに対しまして、新しい、ニュー・スクラップ方式で買い上げまする百二十万トンにつきましては、人員は約六千人、こういうふうに予定いたしております。これを合計いたしますと、約一万七百十九人という数字が出て参るわけでありまして、したがって、三十七年度は、山の数は先ほど申しましたように幾らということははっきりいたしませんが、生産量にいたしまして六十七万プラス百二十万で百八十七万、人間の数は一万七百十九人、こういう見通しで現在やっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/58
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059・吉田法晴
○吉田法晴君 ちょっと補足を願いたいのですが。先ほどは炭田別に云々というお話でしたけれども、炭田別の数はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/59
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060・今井博
○政府委員(今井博君) 炭田別に、これは今までの実績でございますか、三十七年度のほうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/60
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061・吉田法晴
○吉田法晴君 実績別、それから三十七年度分について、もしあれがあるならば聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/61
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062・今井博
○政府委員(今井博君) それでは今までの実績を炭田別に申し上げますと、北海道が三十六年現在までで炭鉱数は三十一、それから人員のほうは約千四百八十ぐらい、数が、計算がちょっとややこしいので約千四百と考えていただきたい。それから東部炭田は、今までの実績の炭鉱数は六十六でございます。それからそれに対する人員減は約六千人。それから西部、いわゆる宇部地区は、炭鉱数は三十四、人員は約四千八百人。それから九州の中で——九州は全体といたしましては、炭鉱数は百二十四、人間の数は約二万五千人。この中で、九州の中で福岡県がどのくらいかということを申し上げますと、福岡県は炭鉱数は九十八、人員は約二万。こういう内訳になっておりまして、三十七年度はどのくらいかという点は炭鉱数ははっきりいたしません。
これは買い上げ予定の炭鉱数ははっきりいたします。これを申し上げますと、北海道は一つでございます。それから東部地区が五、それから西部地区が二、それから九州が十、こういう数になってございます。これに対しまして人員のほうは、三十七年度の買い上げと新しい方式とを合計いたしまして、北海道が三千百十一、それから東部が七百八十七、西部が五百四十五それから九州が六千二百七十六、そういう数字になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/62
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063・吉田法晴
○吉田法晴君 そうしますと今の合計が六千幾らという、九州が六千二百七十六という今お話でしたけれども、さっきのお話だと百二十万トンのうち炭鉱数はわからぬけれども、六千人云々という話で、今のあれは六千こしていますね、数字、ちょっと合いませんが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/63
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064・今井博
○政府委員(今井博君) どこが合いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/64
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065・吉田法晴
○吉田法晴君 さっきのお話は六十七万トンで十八鉱、四千七百十九、それから三十七年度が百二十万トン、炭鉱数はわからぬ、人員は六千、合計して一万七百十九名。そうすると今あげられた数字は、炭鉱数で十八、それから人員数で九州が六千二百七十六というのですから二万こしましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/65
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066・今井博
○政府委員(今井博君) 今の、三十七年度の全部を合計いたしますと一万七百十九という数字になります。
それの内訳は、買い上げ予定の炭鉱の関係が四千七百十九、それから新しい整理方式が六千、合計いたしまして一万七百十九、こういう数字になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/66
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067・吉田法晴
○吉田法晴君 そうしますと旧方式の残りの分と新方式の炭鉱数はわからぬが、合わせて一万七百十九、炭鉱数だけ、今の十八はわかっている数字ですか。人間だけこれを含んで。新しい方式の炭鉱数だけはわからぬと、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/67
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068・今井博
○政府委員(今井博君) そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/68
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069・吉田法晴
○吉田法晴君 その他のやつは、炭鉱数とそれから人員両方言われましたけれども、炭鉱数はさっきの十八と同じ。そうすると、新方式による買い上げ数はわからぬが、人員だけはわかっておるのですね。新刀式による買い上げ炭鉱数がわからぬが、人員を今の中に入っておらぬということならわかるけれども、ちょっとそこのところ説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/69
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070・今井博
○政府委員(今井博君) 新しい百二十万トンにつきましては、実は炭鉱の数もちょっと正確にわかりませんし、それから、したがって人員も正確にわからぬわけでございますが、今までの実績から推しまして、大体このくらいの生産数量の山に対しては、おおむね何一人くらいの労務者がおるというふうな数字から、百二十万トンに対しましては約六千人程度が大体従来の実績からすると出てくるということではじいたわけでございまして、山別に一々あたったわけではございません。したがって人間の数は、ごく概数を推定したという数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/70
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071・吉田法晴
○吉田法晴君 今お尋ねしているのは、数字のことでたいへん恐縮なんですが、最後にあげられました数字は、新刀式を含んで六千二百七十六、こういう予定なんでしょう。そうすると、さっきは旧方式で十八鉱、人員が四千七百十九、炭鉱数はわからぬ、人員は六千、合計一万七百十九、こう説明されると、あとの分は新方式も含んでいるこれは人員です。炭鉱数も十八ということですから、その炭鉱数は、十八ということで旧方式の数、それから人員は四千七百十九、そうしてあとから言われたのは、炭鉱数はわからぬ、そうすると、わからぬ炭鉱数に見合う人員は、このほかにあるということですか。そうでないようですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/71
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072・今井博
○政府委員(今井博君) ちょっと炭鉱数は、実は買い上げ予定の十八鉱というのははっきりいたしておりますが、新しい方式のものについては、炭鉱数はわかりません。しかし、人員のほうは、百二十万トンを買い上げる、整理をいたします予定でございますので、従来の実績からして実は約六千人程度が予想されるということを、これはほんの概数を一応見込みをつけておるわけであります。したがって、その六千人と、先ほど申し上げました十八鉱の炭鉱の四千七百十九というものを合計いたしまして三十七年度は一万七百十九人という数字が出て参るということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/72
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073・吉田法晴
○吉田法晴君 そうしますと、この炭鉱数のわからぬ新方式云々は、申請中のものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/73
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074・今井博
○政府委員(今井博君) これは、申請とか申請でないとかということでなくて、いわゆる申請はむしろこれから出てくるわけでございますから、百二十万トンの生産数量の山をつぶした場合には、従来の、過去の今までの実績から推して、おおむね六千人程度の労務者が大体予想されるというわけですから、これは百二十万トンからむしろ推定したもので、個々の申請とは面接関係ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/74
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075・吉田法晴
○吉田法晴君 そうしますと、まだ申請が出ていない分があるということになると、これは、この前の閣議決定で、炭田別の調査をされる対象の中に入るわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/75
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076・今井博
○政府委員(今井博君) これは一応、炭田別に今後調査してやらなければいかぬと思いますが、この非能率炭鉱の関係は、やはり一応実績が出ますれば、これははっきりいたしますけれども、最初に見込みをつける場合には、やはり一応推定をいたさざるを得ない。炭田別に全部を合計してやるということは、やはり相当時間がかかりますので、その関係を一応概数で見込みをつけるということでいたし方ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/76
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077・吉田法晴
○吉田法晴君 いや、百二十万トンの買い上げ数量だから、それを概数で推定するよりほかないということですが、申請がまだ出ているわけではないから、現に稼行している炭鉱なり炭鉱の従業員は、そうすると強力な調査団の編成をして調査をするという調査対象の中には入るわけですか、と言っておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/77
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078・今井博
○政府委員(今井博君) これは一応炭田別にその六千人と、このくらいということは現在数字を予想いたしておりますが、今後、これをさらに正確なものにしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/78
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079・吉田法晴
○吉田法晴君 詳細に調査していきたいからといって、石炭局長としてはそうでしょうけれども、まだ申請も出ていない、あるいは稼行中ということになれば何といいますか、閣議決定によって強力な調査の対象になるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/79
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080・今井博
○政府委員(今井博君) それは調査団が、そこまで正確に調査をすることにはならないと思います。やはり大体の見込みをつける、主要炭田別に一応どの程度のものになるかということの見込みをつけることはありますが、今度の調査団は、炭田別に、そういう個々の山を当たって調査をしてやるという性格のものではございませんから、やはりこの点は、一応の概数で、このくらいの失業者が出る、したがって、こういう対策が要るんじゃないか、そういった程度の調査はしていただけると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/80
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081・吉田法晴
○吉田法晴君 炭田別の調査の対象にはなるでしょう。そう正確に数字が出るかどうかわかりませんが、申請としては、現在申請は出ていないし、これから申請するかどうか知りませんが、申請していない炭鉱、それから稼行中の炭鉱というなら炭田別の調査の中には入るでしょう。問題は、炭田別調査ということで、これだけ争われている人員の問題、雇用の問題は、これはあとの問題になるかと思いますが、労働省も一万人程度、あるいは六百二十万トン、全部でいえば三万五千人について責任を負いますかと言ったら、負う態勢にありますと、こういうお話だった。
そうすると、これは炭田別に出るか出ないかということが、これからきまるわけです。今までいわれておりますのは、労働省にしても、生産計画あるいは雇用計画がはっきりしていないから、それを山別にはっきりしてもらいたい。それを公の機関といいますか、政府が委嘱される強力な機関で調査をされる、それから市町村からいっても、あるいは県からいっても、自治体からいっても、ぽかっとその日になって整理されたり、あるいは出てきても、これは困るというお話でございますから、そこで、客観的な強力な調査機関でなさるでしょうから、個々に一人々々は対象になるかどうかばとにかくとして、やはりこれは対象になるものだと理解するのが当然じゃないでしょうか、その調査の大要あるいは調査の結果がいつ出るか云々という問題でなくて、その辺を炭田別にあげて下さい。あるいはわかるならあげて下さい。客観情勢がこれを中心にして閣議決定になるだけの情勢にあるから、そこでこれを明らかにして下さい、こういうことを阿部君は申し上げたと思うのです。その辺は試算からする六〇%か七〇%とかいう概数的なやり方でこれだけ出るというにとどまって、あと具体的にどうなるかわからない、これは調査団の対象になるかならぬかわからない、こういうことでは、雇用の問題について、責任を、調査団を通じ、あるいはその後の施策を通じても見ようという態勢には、やはりならぬのじゃないですか、不十分だという感じがします。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/81
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082・今井博
○政府委員(今井博君) これは、調査団は個々の山を一々見るわけではございませんが、主要炭田別に調査をした場合どの程度のやはり客観的な失業者が出るか、この点は十分調査していただけるものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/82
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083・吉田法晴
○吉田法晴君 関連質問ですから、あと阿部委員に譲りますが、先ほど、こういう人員なりあるいは合理化の将来の点について、端的にいうと、炭田別に、あるいは炭鉱別に、一人々々の人員が問題になる。通産大臣にお伺いするのですが、先ほど鉱区の問題から、もう少し鉱業権全体について責任をお持ちになるべきではなかろうかといったのですが、個々のあれについて責任を問うておってもなかなか何ですが、雇用、それから石炭の需要量、あるいは生産規模、これは全体の数字もですが、個々の炭鉱にやはり結局は関連をしてくるわけです。
そうすると私は、萩原さんの炭鉱国管論ではないが、個々の従来の出てきた失業者に対して責任を負うというのじゃなくて、働いているところから責任を負う、あるいはその炭鉱が存立し得る五千五百万トン以上の生産についても責任を負う、需要についても責任を負わなければならぬというなら、もうそろそろ国としては、先ほどは鉱業権のことについてお尋ねいたしましたけれども、炭鉱全体について、石炭全体について責任を負うべき時期がだんだんきているのじゃないか、イギリスなりあるいはフランスの例もそうでございますが、まじめに炭鉱全体について責任を持つ、——形熊はとにかくとして——時期がきつつあるとお考えになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/83
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084・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) いわゆる総合エネルギー対策という観点に立って政策を樹立する、こういう方向には、政府は今回方針をはっきりさしたわけでございます。その方向についての政府の責任といわれれば、もちろん政治的な責任を持つわけでございますが、その場合において、いわゆる競合エネルギーの配分等の観点から、国内産の石炭についての総合エネルギーとしての石炭の地位をつけるということ、これはまた政治的に、そういう方向で政策を樹立しているわけでございます。
だからこの問題は、社会党の方は非常に雇用の問題を中心にして論議を進めておられますが、私どもは、雇用の問題ももちろん考えなければならないことでございますが、いわゆる総合エネルギー対策というもう一つ国として次元の高い観点に立って、この産業のあり方を見ていく、そういう意味の政策の樹立ということでございます。その場合において、国内産業である石炭の雇用の問題、あるいは国内資源であるという観点から見ましての、あるいは外貨支払い等の問題があるとか、あるいは経済性、価格というような問題も取り組んでいく、そうして、初めて石炭の総合エネルギーにおける地位がきまってくる。かように実は考えるわけでございます。だが、これはやはり雇用も非常に大事なことでございますが、一般の産業全体のあり方というものを見たときに、ひとり総合エネルギーについてのみ申すわけではございませんが、いずれの産業においても、雇用の問題は共通して大事な問題だと、ただ、石炭の場合においては、最近の合理化の成果が十分上がらない、そういうために、他の産業部門よりも雇用の面に非常にしわ寄せされている、重圧が加わっているという意味で、石炭産業の場合においては、特に雇用を重大視せよといわれる、これは、私どもに納得がいくことでございますが、しかし、その雇用の問題だけから石炭産業を云々するわけにはいかぬ、これはひとつ御了承いただきたいと思うのでございます。基本的なものの考え方の相違がその点に少し出てきているかと思います。
そこで、政府並びに与党の石炭問題の考え方は、一面価格の問題等、あるいは外貨支払い等の問題は別にいたしまして、雇用の問題について考えるときに、どういう措置をとっているか、こういうことになると、やはり石炭産業に従事しておられる方々には、その職場を変えたくはないし、また同時に、その場所も変えたくはないという気持が非常に強い。また、気持だけの問題ではなく、その従業員につながる家族等のことを考えると、これは生活の本拠を移すということ、あるいは新しい職場に移る、これは非常に問題か多いと思います。そういう意味において十分理解がなければならない、かように思います。だから、まず通産省として一番やさしい方法で考えられることは、石炭が、新しい山が開発されて、そうしてその場所において雇用が充足されれば一番いいことだ。これは何と申しましても、そうだと思います。
で、まあ先ほどもちょっと出ております、第二会社等のお話が出ておりますが、これは第二会社などは、労使双方で話し合いをすると、やはり移動ということが非常に困難だ、また、条件がやや悪くなってもやはりその場所に定着しているということ、これは人情の常であろうと思いますが、そういう意味で、望ましい形ではないけれども第二会社の設立も、またやむを得ないという形で承認されている。これは通産省も実情に合った処理をしていると思います。しばしば第二会社等の形は望ましいことではないと申しておりますが、これは同時に雇用の実態から申しまして、新しい職場に変わりたくないし、また、その土地を離れたくない、そういう気持が、第二会社の設立などを労使双方でやむを得ない事柄としてのんでいるのじゃないかと思います。これは、まあ一つの、また私どもは日本国内の虚業の観点から見れば、その土地において新しい石炭山が採掘できないなら、これはもう北海道だとか、新しい新炭田を開発することによって、そのほうへ余剰労働力をふり向ける、そういう仕組のほうが、まだ従業員としてはいいんじゃないか、九州で職場がなくなれば、北海道で同じ炭鉱ならば私は参りますという方が出るのも、そういう意味だろうと思います。これが基本的なあり方だと思います。
で、この意味からは、いわゆる五千五百万トンというものにこだわるわけにいかない、五千五百万トンに必ずしもこだわりません。ただ、石炭の合理的、経済性のある炭でないと、その職場だけの関係で山を開くわけにいきませんよということを実は御注意いたしているわけでございまして、そういう意味で、新炭田の開発ということが計画される。そういう方法もない場合、一体どうなるのか、これは労働省が一般の従業員に対する対策として、あるいは就職あっせんをいろいろ工夫していく、その場合には町雇用が容易になるように特別な資金融資もする。しかし一般的に、そういうことをいたしましても、その閉山をみた土地の疲弊等の問題もありますし、またそこで働いた人たちも、他に転居するよりも、同じように、どうせ職業を変えるというなら、この土地でそういう方法はないだろうか、こういうお気持が多分にあるだろうと思います。だから、いわゆる産炭地域振興事業団等で新しい産業をその土地にひとつ開発さしていく。これはやはり雇用の問題からみましても、これは一部労働者の気持に対応し得るものじゃないか。いわゆる新しい職場に変わるなら、せめてその土地でというような気持があるだろう。だから、そういう方法を考える。それは同時に疲弊しがちな産炭地に対しましても、これは振興の一助にもなるだろう、こういうわけでございます。
私は、まあ総合的な対策といたしましては、一応考えられているのじゃないか。ただ問題は、内容が充実しない、幾ら産炭地に新しい事業を誘致すると申しましても、なかなか適当な廃業が見つからない、あるいは立地条件が不十分だということで非常に困難があろうかと思います。また、やはり基本的には今、政府として考えることは、た、だいまのようなことを考えますが、もう一つは、雇用主自身、経労働者自身が、自分のところの従業員だから、炭鉱で働けないならば他の系列産業、あるいは類似産業、あるいは傘下の産業、そういうところへ就職をあっせんする、それぞれの才能に応じて、やはりそういう道をとるべきではないか、かように私は思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/84
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085・吉田法晴
○吉田法晴君 まあ、社会党の諸君は雇用の問題を中心にして考えるが、政府としては総合エネルギー対策として考えるんだ、こういうようなお話から、あと、第二会社の問題、新炭田の開発問題、産炭地振興あるいは労働省の職業対策、系列産業への吸収等のお話になりました。これは残る炭鉱と目されておる、具体的に例を言ってもいいのですが、北九州の中で九採それから大正は、先ほど阿部さんから取り上げられたような苦悩の状態、ところが残るべき高松炭鉱で、どういう実態があるかというと、ごく最近開いてみますと、坑外で一万三千円、そうすると中小企業の北九州の二流、三流の工場の賃金よりも低い。そうして五人家族でもって生活保護を受けておる人は二万三千円くらいになる。しかも、片方は働いて一万三千円、それから生活保護を受けておる人間は、これは、生活保護を受けておるから税金はかかりません。あるいは学校に行っても給食費そめ他あるいは補助がある。一万三千円から引かれるものはない。片方は、一万三千幾らからとにかく引かれるものがあって、働いておるけれども、生活保護を受けておる人間よりも待遇が悪い。こういう実態で、炭鉱にそれでは、三十幾つかの青年が働くかというと、これはなかなかでしょう、坑内に入っても、何というんですか、賃下げ合理化の結果は、いわば最近の電気とか化学工場ほどの収入もない。そうすると、子供はもちろんのこと、炭鉱の将来にやはり魅力がなくなって、個人としての雇用としては、労働者としては、やはり炭鉱に、あなたの言われるような魅力を感じないというのが現状です。そうして、だんだん盛りを過ぎてくると、高松の中でも請負に付するものがある。それからあるいは峠を越したものについては、第二会社にする、その第二会社にするのは、これはその場で働いていれば、引き続きそこで働けるからいいじゃないかというような御議論ですけれども、これは第二会社にして賃金を下げるのが目的だ。今のような、高松のような実態をさらに下げて、そうして賃金を下げる、あるいは労働条件を悪くし、あるいは福利施設も切り下げて、いわば小山並みにして、それでやっていこうと、こういうことなんです。これは、そこにある第二会社に働く人たちについては、条件の問題が問題ですから、閣議決定にあったような、厳重な資格を設けて下さい、あるいは第二会社に移行することはできるだけ防いでもらいたい、こういう点があるわけです。雇用の面からいっても、あるいは労働条件の面からいっても、ぎりぎりのところまできておる。そうして、その上に石炭産業がやっと成立する。だから、第二会社がいい、第二会社がいいと言われても、第二会社移行方式というものを、全体がやはり問題になっておると思う。
それから新炭田の開発を言われるけれども、新炭田の開発が、これが、国がやるなら、新しい会社をこしらえて移るならとにかく、だけれども、たとえば九州で言うならば、それでは有明炭田が残っているじゃないか、三池なりあるいは二瀬で縦坑開さく中でありますけれども、有明海の下には炭があるじゃないか、大きな炭鉱が将来できるじゃないか、あるいはそれに関連して化学工場ができるじゃないかというお話だけれども、やはり会社別の炭田の制約があって、筑豊なら筑豊で私は炭鉱……。それを、とにかく有明の炭田の新しい炭田にもっていくということはできないというような実情、そうすると、先ほどの新炭田開発なり、鉱区の整理統合問題あるいは開発の新しい方式というものがやはり問題になっておる。各社についても同じわけです。
これは、今までのとにかくそれぞれの会社が、まあ自分の努力で、しかもそれは今までは労働者の首切り、あるいは賃下げという条件だけで、やっと存続できる、それが限界がきているというならば、一つ一つの問題について問題があっているんです。それを総合エネルギー政策の中で——ということは、いわば間接責任という形で、大手しかされぬ。責任論というと、いや全責任を負うわけじゃないと言われる。とにかく責任を負いたくない、負いたくないという点が、一番私はガンになっていると思いますけれども、それを乗り越えて、今のこの実態から考えなければならない。今までの合理化政策を部分的に修正しながらやっていこうというのでなくして、根本的にやっぱり問題の段階にきていることには間違いがない。もっと思い切った政策の転換というか、その産業についてもこれだけの産業についても、国管の形になるか、それは国営の形になるか、とにかく新しい方式を考えるべきではなかろうか、まじめに考えるべきではなかろうかということを申し上げているのですが、産炭地振興その他についての、その責任のとり方というか、不十分な点はあとでお尋ねいたしますが、その点どうですか、まじめにひとつお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/85
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086・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 今吉田さんのお話の中で責任云々、この責任の形で炭鉱国管という言葉が出て参りました。実は私どもは御承知のとおり、いわゆる自由経済を基盤にしております。この政治の責任というか、政治の責任はもちろん感じている。あるいは行政の責任というのももちろんですが、基盤はどこまでも自由経済、それに立つ形でございます。だからいわゆるその責任という言葉を使われましたが、私が特にその言葉に異を唱えたのも、実はこの点に限界があるわけでございます。さらに突き進んで、ひとつ経営にまで乗り出したらどうかという具体的な御意見がございます。責任論はその程度にいたしまして、国が経営するということが考えられるかどうか、これは一つの私、個人的な意見で申せばこれは一つの考え方だと思います。今この考え方がいいとか何とかいう、あるいは悪いとか、こういう意味で申すわけではございませんが、とにかく一つの考え方でございますし、それはそのとおり私ども考えます。
ただ私は、今冒頭に申すように、この経済のあり方というか、基盤はやはり自由経済の建前がよろしいと、この考え方で進みますと、いわゆる国家経営というところまで、考え方を発展するというところまでにはいかないのである。ただ私、先ほど来申し上げるところで御了承をいただけるのじゃないかと思いますのは、あるいは産炭地振興事業にしても、あるいはまた滝炭地発電の問題にしても、あるいは輸送船の問題にしても、あるいはまた先ほど来から、いろいろ議論が出ておりますこの炭価のあり方だとか、こういうような点から申しましても、これは完全な自由経済ではない、これは確かにある程度の計画を持つ以上、その計画の遂行、これを政治力で推進するという私どものやり方なんです。その観点から立つと、いわゆる一つの土俵、あるいはその土俵で相撲をとる場合のルール、これは私ども政府として考える、そのルールのもとにおいて、その土俵において民間が自由濶達に相撲をとられる、こういう形が望ましいのじゃないかと、かように実は思うわけでございます。
だから、雇用の問題を例にとって申しましても、私どもの条件から申すならば、雇用は労使双方の間で話し合う、あるいは契約を結ぶべきものだ、政府自身がそれを直接雇用の関係に立ち得る筋ではない、こういう実は考え方を持っております。しかし政治、政局を担当するものから見れば、いわゆる完全雇用というか、経済を成長さして完全雇用の形をとりたい、こういうその政治的意欲なり、政治的目標はもちろんあるわけですが、しかし、その雇用条件そのものを政府がきめてかかる筋のものではない、こういう実は考え方でござしいます。だから社会党さんのほうで、今回の石炭対策についても雇用問題を中心にして、いろいろお話がございますが、ここばどうも、立場が基本的に相違しておるのじゃないかと実は思います。今回も御承知のように、石炭対策、これは裏面で、どういう話があったかは別として、これは政府が独自の立場で閣議決定をして、お示しをしているわけなんです。これは政府の閣議決定、政府の方針、政府の責任で、それはきめているということでありますから、ただ先ほど米の御議論を聞きますと、具体的な雇用の条件まで政府が責任を持つかどうかということが一つの問題のようであります。また鉱区の整理等につきまして、これは現行の法制のもとにおいて、非常に困難があるということを申しましたのも、やはり資源というものをりっぱに導車をしている、鉱業権を尊重している。したがって、政府の意図で、これを整理統合は容易にできることではないのであるが、特別の場合において、合理化の不可能だと考えられる、生産性のないものについては、政府がみずからその補償というか、買いつぶす、こういう処置をとっているということでありますから、これなども完全自由な経済のもとなら、もうほうっておいて、そうして強い者は残り、弱い者はつぶれていくのだ、それでいいのではないかと言われるが、そうは政府は考えない。そういう点についての政府の必要なる秩序維持のための保護というものは、それはやらなければならない、かように実は思いますし、また将来に鉱区の整理統合等をする場合には、やはり基準になる法律もやはり作らないと、それはできないことではないかと思います。
そういうように、どうも言葉をとやかく申すわけではございませんが、ややこれで私どもの立っている基盤も明確になったかと思いますが、そういう意味で御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/86
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087・阿部竹松
○阿部竹松君 関連に関連してですが、今吉田委員のお尋ねに対する責任の問題ですがね、社会党さんは雇用が中心でございまして、私どもは立場を異にする。こういうお話でしたが、私は政権を握っている通藤大臣初め、池田内閣にかえって雇用の問題に責任があるのじゃないかと思う。
これは一例をあげて恐縮ですが、申し上げてみますと、福岡県に参って、いろいろお尋ねしてみますと、今までは労働組合がいろいろだくさんございまして、炭鉱労働組合が一番人員が多かったわけです。それから国鉄労組とか、あるいは福岡教員労働組合、こういう順番だったのです。ところが、今やすでに炭鉱労働組合のほうが減ってしまって、日自労ということで日雇労働組合が、つまり全日本自由労働組合という組合が、これが多くなってしまった。これを本来ならば、社会党より政府が心配しなければならぬお仕事だと僕は思うのです。政府が心配してくれないものですから、政治権力もないし、何もそういうことについて心配する必要は野党ですからないかもしれませんけれども、これはたいへんな問題です。日自労がどんどんふえて、そうしてほんとうの定職を持っている組合員の員数が減るということは、政治的に見て、きわめて情けないことだと思っております。したがって、大臣のお話を聞くと、ただ単に、社会党さんは雇用の問題を中心として、と言うが、私どもは、違いますよ、こういうことは、次期内閣総理大臣と目される佐藤通産大臣の言葉としては、きわめて遺憾なことで、僕は池田さんよりも、佐藤さんのほうがいいかなと思っていたが、私は今日改めなければならない。ですから、私の承知している限りでは、労働省の政務次官の加藤さんもおられますが、地下産業労働者は、自由圏と言わず、共産圏と言わず、地下産業労働者が一番賃金が高いのです。もし、それより地下産業労働者が安いんですよという国があったらお示しを願いたい。私が知っている限りにおいては、共産圏と言わず、自由圏と言わず一番高い。しかし日本は戦争に負けて、えらい目に会っているからがまんせいと言われれば、それまでですが、それが実態ですよ。その炭鉱労働者が、どうも、北海道なら行くけれども、ほかは行きませんと、こうおっしゃるけれども、あらゆる産業に従事している諸君は、その大きな町におります関係上、一つの工場、千名がつぶれても、つまりそこら辺で何か仕事を見つけているところが大体三割も四割もある。炭鉱は、御承知のようにそういう実態になっておらぬわけです。ですから、山がなくなるというと、したがって、すぐ失業になるわけですよ。
こういうことで、私どもが心配してやったので、社会党さんは雇用の問題だということは、はなはだ遺憾なお答えだと思うのですが、そこで私は、そういうことで、この合理化の問題にしても、単に船を一ぱい二はい作るとか、経営者の金を借りる裏づけをしてやって、そうして首切りをやらせましょうとか、こういうことでなしに、さいぜんは鉱区の整理統合、これを主張しましたが、それと同時に、東京都では、大臣御承知かどうかわかりませんけれども、とにかく石炭、一万一千六百円より安い石炭ございません。しかしこれが山へいくと三千円より高い石炭ありませんよ。したがって、ここで八千円の差がある。八千円の差がですね、これは、社会党のわれわれがいうのでなくて、内閣統計局で調べていただけばわかる。八千円の差がある。私は、この八千円の差が一人の商人によってもうけられているとは思いませんよ、一人の商人によってですね。何人かの手を経て、つまり生産者から消費者に渡るのですから、こういう実態を、何とか流通機構の整備でもやって、コストを下げることによって多く石炭を消費してもらうと、また生産者も高く売れるのじゃないか、こう考えておるわけなんです。第二会社なんというものについては、いろいろ論議ありましょう。大臣も、あまり感心したものじゃない、しかしながら、やむを御ないというようなお話でありましたが、今の近代産業というものは、大企業はできないのだけれども中小企業だったらできる、こんなべらぼうな話は、これはないと思うのですがね。中小企業はできませんよ。膨大な高い機械も購入しなければならぬので。しかし、大企業ならできますよという話なら、これはわかります。しかし、古河はできません、北炭ができません、こういうことを言って、しかし、小さい会社にすればできると言う意図は那辺にあるか。これは法律、どんな法律をひもといてみても、通商大臣の命によって、これをやめさすという法律はないですよ。行政指導の一環としてできるはずじゃないか。ですから、私は、単に文章でお示し願ったような合理化法案でなくて、鉱区の整理統合とか、あるいは今言った生産者から消費者に対するところの流通機構のやはり一元化がいかぬのであれば、簡素化、こういうことによって石炭虚業の近代化をはからなければ、これは明治時代に論議をせいというのならいざ知らず、近代産業としてこれをもってするというなら、佐藤大臣がおられる間に、これはこういうことをとりやめて、もう少し近代的な合理化をやっていただきたいと思うのですが、そういう構想ございませんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/87
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088・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) まず第一に、私の言葉、片言隻句をとらえて非常な誤解を受けておるようですが、雇用という問題、社会党さん考えていらっしゃるというのは、石炭産業という場合に雇用中心にお考えだと、こういうことでございます。これは、誤解のないように願いたい。今、保守党だろうが社会主義政党だろうが、これはもう同じように労働問題、これは重大な問題でございます。ことに産業が拡大すればするほど、雇用の問題は大きな政治問題であることはこれはもう間違いございません。だから、そういう意味についての雇用問題についての取り組みなら、私もちっとも異存はございませんけれども、今石炭産業のあり方ということを考えたとき、その石炭産業に従事する労働者、その雇用を中心にしてお考えになると、どうしても無理がくるのじゃないかということを実は申し上げたのでございますから、社会党は、何でもかんでも雇用だ、こういう意味じゃない。そういう失礼なことを私は申し上げはいたしません。ことにまた、ただいまは雇用の問題から離れて流通機構の話もしていらっしゃるのでございますから、これはもう、もし誤解があると困るので、そういう意味でないことだけ、ひとつ御了承いただきたいと思います。
それから石炭問題についてですけれども、いろいろ考えますと、先ほど申すような基本的態度で臨んでいく、そうすると、まあ産業形態のあり方についてのただいまの御注文が出ておる。これはもう流通機構というか、流通過程において非常なロスがあるのじゃないか、こういう問題だろうと思います。これをひとつ手がけていく、まあその一つとして今回石炭専用の輸送船を作るということ、これはまあ一つの進歩だと思います。しかしこれで、そのものが片付くわけじゃございません。
それから、ただいま中小の山で坑外夫が一万二千あるいは一万三千というお話が出ておりました。私は、これも今の最終炭価が一万三千円になるというようなその観点から申しまして、経済発展のまあ一過程と見て、こういう間違った状態を現出しておるのじゃないか。その現われについての行き方でいろいろな議論が分かれておる。私どもは思い切って、その合理化が進んでいけば、必ず石炭産業の賃金は高くなる。外国の賃金同様に地下労働者の賃金は、やはり国際水準にしてもいいん、だと、こういうことに盛り上げたいという、いわゆる基礎産業たらしめる、安定産業たらしめるということは、そういう意味なんです。しかし、それにはやはり石炭自身、一トン一トンに十分経済性がなければできないことでございます。ただその過程において、いろいろの、もろもろの状態が生じておる。それをまあ克服していく、その努力がどうなされるかということであります。
だから、ここで皆さん方にお願いをしたいのは、今の坑外一万三千円という賃金が適正なものだと私ども考えません。しかし、今の産業そのものの考え方ですよ。それじゃもっと高いものなら払えるか。それは内容として払えないような実情になっておる。そこに合理化の必要があるのでございますから、その一時的な形の現象を云々するよりも、本筋のものを考える、べきだと、その考え方が、皆さん方と私どものほうでは、もう少し取り上げ方が達っておる。皆さん方のほうで見れば、もっとその鉱区の整理を積極的にやり、炭を掘ったらどうか、こういう言い力をしておられますが、今のような条件のもとにおいて、今までのような生産施設のもとにおいて炭が、新しい炭鉱掘りましても、これは採算がとれないし、その需給はアンバランスになると、こういうことを実は懸念しておる。だからどうしても、その石炭一トンが合理的経済性のあるようにしていかなきゃならない。これはまた労使双方が、そういうことをやらなきゃならぬと思います。また、大企業ではできないが中企業では可能だというのも、これはおかしいじゃないかと、そのとおりだと思います。今むしろ、中小のほうは困って大のほうは楽だといわれる、中小のほうでは採算がとれないというのが普通の行き力だと思います。そうすると、中小で採算がとれるということは、何かそこに労働の搾取があるとか、あるいは過重な条件がある、これはそう御指摘になるだろうと思う。私は、そういう形が長く続くものだとは思いません。だから、こういう事態を早く切り抜けていくべきだろうと思います。また、中小企業そのものでも、石炭山の場合は出たらない議論だと思いますが、一般の産業部門だと、アメリカなどでは、中小企業のほうが付加価値額はむしろ大より大きいといわれておるような部門もあるわけでございます。だから、そうなると、中小企業も、りっぱな合理化された、近代化された中小企業でございますから、これは成り立つと思う。だから、今の産業の合理化を推進しておるその過程において、ただいま阿部さんが御指摘のようなものに、実は現われてきておるのじゃないかと思います。だから、この今の現象そのものを、やはり克服していく、その努力が、私どもにも必要だが労使双方も必要だろう。やはりもっと積極性を持たないと、これは解決しないのだ。私はこの前の閣議決定をいたしました際に、これは痛切に、みずからの胸を打っておるものは、この石炭産業、国内度業であるこの石炭産業に対して、一そう積極的に取り組む必要がある。これはもうりっぱな国内資源なんだ。それを合理的経済性のあるものにして、そうして商品に上し得るようにする。これはたいへんな経済上の問題であり、また社会問題あるいは労働問題等から見ると、現状は放ってはおけない。もっと積極的にこの問題と取り組むべきだ。こういうような気持が胸のうちに深く実は打ったのでありまして、そこで、ああいう閣議決定をいたしたつもりでございます。
そこで、そういう山で掘ると、これについての工夫もございますが、それならばもっと炭かこれはりっぱに使えるようにこれは労使双方にまかしただけでは、合理的経済性もなかなか出てこない、そういう意味から、皆様方の御意見も伺って、いわゆる産炭地発電についても積極的な意図を持つ、あるいはその掘った炭がうまく需要される、消費されるような、その経済過程に上すことをひとつ努力する。また、これからむずかしい問題でございますが、炭種の整理であるとか、あるいは流通過程における経費を軽減する方法だとか、そういうことをさらに工夫していかなければならぬと思います。これはもう、ただいま阿部さんの御指摘のとおりでございます。ただ、今までの経過の事態についての見方が、やや私どもと、それぞれの立場において相違があろうかと思います。
とにかく積極的にこの問題と取り組まなければならない。これはもうひとしく、皆さんと同様の立場で取り組むつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/88
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089・阿部竹松
○阿部竹松君 大臣のお答えはよく理解できるわけですが、現実は、まあそれよりも全く冷たいわけです。ですから私は、雇用の問題云々といっても、何も炭鉱に従業員を残さなければならぬ、そこで仕事をしなければならぬなんて主張しておらぬのてす。毎日々々——ここでも保安法の改正が出ておりますので、保安局長さんがお見えになっているようですが、二人半くらいずつ毎日、きょうここで論議している間にも犠牲者が出ている、二人半くらいの未亡人を作っている、一万数千人の集計上の犠牲者が出る。坑内に入ったらたばこものめぬというなら、全部炭鉱なんかやめてしまったほうが私はいいと思う。ただしかし、ほかに産業がないから、やはり炭鉱の近代化をほかって、そこで仕事をしなければならぬ。単に安ければいいというだけなら、外国から重油をどんどん買ってきたほうがいい。中共貿易で開轢炭などをどんどん買ってきたほうがいいと思う。しかし、国内の宝である石炭です。あるいは金銀銅にも言えるかもしれぬけれども、国内の基幹産業である、国の資源である地下産業をどうするかということ、か論議されておりますので、ただ安いことがいいんだと、私は自由経済でやるというの、だったら、そういうものは割り切って全部重油に切りかえたほうがよろしいと思う。しかし、そういう政治は、だれもとるべきでないということは一目瞭然なことでございますので、しからば、やる場合にどうするかということで論議しているのですが、この合理化法案の一部改正をわれわれが賛成したとして、どれだけの効果が上がりますか。コストでどれだけ安くなりますか。どういう結果になりますか。これはよろしゅうございます、それじゃ賛成しましょうということになりますと、どういう結果になりますか。昭和三十年に第一回法律を作って、それから何回か改正いたしました。それでどれだけの成果が上がりましたか、具体的に例をあげていただきたい。抽象論ではもう賛成できかねる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/89
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090・今井博
○政府委員(今井博君) このたびの改正は、やはり現在の合理化計画五千五百万トン、千二百円引き下げの路線に沿って、これを円滑に遂行するというために、いろいろな問題があるわけでございますから、それらの諸問題について、全部ではございませんけれども極力遂行を円滑ならしめるということを企図しておるのでございます。たとえば、第一に非能率炭鉱を整備する。これはまあ現存、現状でも相当つぶれる山も、ほうっておけば出てくるわけでございますが、そういう問題について、できるだけこれが受け入れ態勢をひとつ作らなければならないということも大きなねらいでございますが、同時に全体の五千五百万トンのワク内で、できるだけ全体の生産性を高めるという意味では、やはり悪い山はつぶしていくということによって、全体の生度性を上げ、炭価の千二百円引き下げというものをひとつ実現したいということに大きなねらいがあるわけでございます。それから、専用船の問題は、これは特に北海道におきましては運賃、全体の炭価のまあ三割近くが輸送費でございますから、その中でも回送費を極力コスト・ダウンしていく、これは専用船が非常に能率よく、運航する場合には、現在の九百円程度の回送費が三百円程度のコスト・ダウンというものが可能になるという計算が出ております。これは全体としては、そこまでいきませんが、専用船を用いた場合には、その程度のコスト・ダウンになると思います。
それから山の整備にあたりましても、やはり人員の円滑なる整理という意味におきましても、現在では非常に退職金の支給というものが、なかなか金融的にむずかしいという情勢でございますので、これにつきましては、合理化事業団が、そういう整備資金を直接に貸し付ける制度を開いて、できるだけやはり山の整備を円滑ならしめるということを一つの大きなねらいにいたしております。
それから運賃の問題につきましては、これは先ほどもいろいろお尋ねがございまして、非常に不徹底ではございますが、運賃負担の軽減措置というものを大きなねらいにしております。個々については、いろいろ不徹底な面もございますが、全体としまして、やはりできるだけコスト・ダウンをはかって、千二百円の引き下げというものの路線を貫きたいということを考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/90
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091・阿部竹松
○阿部竹松君 今井局長さんは、これは駄目だと言われぬから、さも効果が上がるように、効能書を並べておられますが、それはあんた、そんなことを言ったって、さいぜんも言いましたけれども、黙っていたって国鉄運賃が六十円も七十円も上がったり、鉄鋼材、資材、みな上がってくる。ばかの一つ覚えと言ったら、けしからぬといっておしかりをこうむるかもしれませんが、千二百円だ千二百円だと言って、何を基準として千二百円を言っているのか、三年前の千二百円と今の千二百円では違うわけです。非能率炭鉱をつぶしたからといって、大手炭鉱がよくなるということはありっこないじゃないですか。非能率炭鉱をつぶして、大企業がよくなるというのではなくて、大企業のほうから非能率炭鉱を構成しているというのが、佐藤通産大臣とのやりとりの実態じゃないですか。今までは甘い言葉で、何とかなるだろうということで、経営者も労働組合もやりてきたでしょう。政府指導者も、そのように指導してきた。しかしこの段階になれば、もうメスを入れて……。盲腸の悪いところに湿布をしたり注射をするよりも、やはり体を切ってしまったほうがいいのですから、そういうことをやってきたのをやめて、やはり明確に切ったほうがいいと思う。だから鉱区の整理統合、それから流通機構の一元化、こういうことをやって……。僕たちは社会党ですから、国営国管にいきたいところですが、通産大臣は保守党の大臣ですから、そんなことを持ち出したところで、話が無駄になって何にもならぬと思いますから、それは言いませんけれども、こういう枝葉末節のことでなく、石炭産業の合理化臨時措置法を、もう少し本物の合理化をやったらどうですか。そうしたら三万人首切るなら三万人首切ってもいいでしょう。そのかわり、それを労働省に引き受けてもらったらどうですか。何も坑内に入って働くことはない。坑内にいる炭鉱労働者は、全部太陽のもとで、休憩時間にはたばこが吸えて、死ぬときは女房に会えるような仕事を望んでいるのです。しかし山がつぶれて街頭にほうり出されて、仕事がないものですから、仕方がない、炭鉱に残してくれぬかというささやかな抵抗をやっているにすぎない。
ですから、この合理化法案でなく、もっと抜本的な合理化法案をひとつ作ってもらいたい。これでは全然効果ありませんよ。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/91
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092・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) だいぶ飛躍したお考えだし、またおしかりも受けます。しかし、やはり政治のあり方としては、急激な変動はまず避けるべきだと思います。また関係者が納得する方向が望ましいことだと思います。ただいま出しております合理化法は、そういう意味から見ますと、その目的にはかなっておると思いますが、ただ、阿部さんが御指摘になりますように、いわゆる抜本的な、基本的な対策としては、まだ程度が低い、かような御批判を受けても、これはやむを得ないと思いますが、ただいま申し上げるような考え方で、今回立案し、御審議をいただいておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/92
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093・阿部竹松
○阿部竹松君 何も、通産大臣、飛躍的じゃないのです。私は今の大蔵大臣の水田さんが通産大臣当時も、前尾さんの当時も、あるいは椎名さんの場合も、こういう論議をして参りました。そしていつの場合でも、最終的には法律が通るわけですが、しかし十年たっても一日のごとく同じなんです。少しもよくならない。ですから、この法律案に賛成してよろしくなるというのであれば、これは大いに賛成いたしますよ。社会党は何も、何でも反対だから反対しなければならないという筋合いのものではございませんから、いいものは自民党さんの案でも、賛成しなければ世論がついてきませんから、賛成しますが、中身も今おっしゃったとおりのものですから、これはちょっと賛成しかねるので、もう少し抜本的な方法がないものであろうかと、こういうことなんです。
さいぜん、石炭局長にお伺いして、つぶれる山と離職しなければならない稼働者、この数は、大体わかったわけですが、労働省にお伺いしても、明確な御答弁がないので、これは午後から、この資科を持ってきていただいて、労働省から御答弁を願わなければならないわけですが、受け入れ体制がなくて、こちらを全部つぶしてしまうということは、これはあまり酷だと思うです。私は炭鉱労働者だからといって、特に甘えちゃいかぬと思うのです。しかし、こういう無計画なことを政府がおやりになるということについては、おやめになっていただきたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/93
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094・吉田法晴
○吉田法晴君 まだ機会はありますから、また別にお伺いをする機会はあると思うのですが、ひとつ大臣がおられるときに聞いておきたいことがございますのであれですが、それは先ほど来、全国の鉱業市町村の町村長の連盟、それから議長会が先ほど傍聴しておられた。それは産炭地振興に伴います施策に関連をして、荒廃をする産炭地の振興、雇用の問題も含めて、地域に産業を興したいあるいは雇用の機会を作りたい、こういうことですが、法案によりますと、土地の整備、それから会社、工場の設立についての融資だけは考えられているようですが、条件の悪いところに一応誘致しようとすれば、これは日本全体について言われている社会投資の薄さが——この構想によりますと土地と施設だけにしか助成なり、あるいは整備の援助が考えられておりません。そこで、水の問題であるとかあるいは道路、輸送の問題であるとか、あるいは整地についても、工場用地はあれですが、住宅建設あるいは住宅敷地にまでは考慮が及んでおらないわけです。この政府の考えられている産炭地域振興の方策の中に落ちている問題について、法案の修正までもしてもらいたいということで要望がありましたことは、これはあるいは通産大臣みずから聞いておられると思う。あるいは他の大臣も聞いておられるだろうと思うのですが、この点については、どういうようにしようとされるのか。法案の修正までしてもらいたい云々ということですけれども、そこまで行かぬとしても、それじゃかわりの方策として考えておられるところがあるならば、ひとつ明らかにしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/94
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095・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) 水あるいは道路等につきましては、これは建設省とよく協議して、そうして具体化していくつもりでありますし、あるいは果樹園創設あるいは酪農創設等については、これまた農林省と十分話をつけていくという考え方がございますが、ただいまの、融資の範囲等がきわめて狭められている、また、資金の量も非常に少ないということでございますが、問題は、適当な事業を選択すること、そうしてその適当な事業ができれば、これは石炭問題は通産省の所管だとか、あるいは雇用の問題だから労働省だとか、こういうわけのものではなくて、やはり内閣が、各省総がかりで石炭対策、これは進めていく考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/95
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096・吉田法晴
○吉田法晴君 相談をして云々ということだけれども、制度が設けておられなければ、道路を作る、鉄道を敷く、それから水道を引くといったって、これは公共事業ですから、法律に規定があるか、あるいは制度として設けられておらなければ、これはその条件を整備しようといったって、政府が今まで考えられているほかの問題は、これは実現いたしませんよ。相談をされたにしても、相談をされるということはわかりますけれども、制度の欠陥について、どういう工合になさろうとするのか、それをお尋ねしている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/96
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097・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) いわゆる吉田さんの言われるような総合立案機構というものがない。そういう点ではまさしく不十分の感がいたしますけれども、私は先ほど申しますように、各省の協力を得ることを前提にし、そうしてそれぞれの省がそれぞれの所管の業務を遂行していく、こういうことが今の内閣制度のもとにおいては望ましい、かように考えております、役所が違うからばらばらになる、こういう弊害が出る。あるいは私が申すような方法で、いわゆる各省間の権限等は分かれているけれども、それを結びつけて、そうして政治が進められるか、そういう問題だろうと思いますから、私どもは、その後者をとっている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/97
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098・武藤常介
○委員長(武藤常介君) 速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/98
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099・武藤常介
○委員長(武藤常介君) 速記を始めて。
本日は、これにて散会いたします。
午後一時二十九分散会
————・————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014461X02219620417/99
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