1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年六月二十三日(金曜日)
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議事日程 第二十三号
昭和四十二年六月二十三日
午後二時開議
第一 石油ガス税法の一部を改正する法律案(
内閣提出)
第二 船舶の油による海水の汚濁の防止に関す
る法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
米価審議会委員任命につき国会法第三十九条但
書の規定により議決を求めるの件
原子力委員会委員任命につき同意を求めるの件
公正取引委員会委員任命につき同意を求めるの
件
土地調整委員会委員任命につき同意を求めるの
件
日本銀行対策委員会委員任命につき同意を求め
るの件
運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を
求めるの件
内閣総理大臣の外国訪問に関する緊急質問(勝
間田清一君提出)
日程第一 石油ガス税法の一部を改正する法律
案(内閣提出)
日程第二 船舶の油による海水の汚濁の防止に
関する法律案(内閣提出)
午後二時六分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/0
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001・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) これより会議を開きます。
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米価審議会委員任命につき国会法第三十九条但書の規定により議決を求めるの件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/1
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002・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) おはかりいたします。
内閣から、米価審議会委員に本院議員大野市郎君、同角屋堅次郎君、同坂村吉正君、参議院議員園田清充君、同高橋衛君、同渡辺勘吉君を任命するため、国会法第三十九条但書の規定により本院の議決を得たいとの申し出があります。右申し出のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/2
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003・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
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原子力委員会委員任命につき同意を求めるの件
公正取引委員会委員任命につき同意を求めるの件
土地調整委員会委員任命につき同意を求めるの件
日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求めるの件
運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
日本放送協会経営委員会委員任命につき同意を求めるの件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/3
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004・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 次に、原子力委員会委員に武田榮一君を、公正取引委員会委員に山田精一君を、土地調整委員会委員に關道雄君を、日本銀行政策委員会委員に東畑四郎君を、運輸審議会委員に吾孫子豊君を、日本放送協会経営委員会委員に靱勉君、太田十君、櫻内乾雄君、杉野目晴貞君を任命したいので、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/4
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005・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えるに決しました。
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内閣総理大臣の外国訪問に関する緊急質問
(勝間田清川君提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/5
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006・竹内黎一
○竹内黎一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、勝間田清一君提出、内閣総理大臣の外国訪問に関する緊急質問を許可されんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/6
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007・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 竹内黎一君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/7
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008・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
内閣総理大臣の外国訪問に関する緊急質問を許可いたします。勝間田清一君。
〔勝間田清一君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/8
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009・勝間田清一
○勝間田清一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、佐藤総理の外国訪問に関係し、若干の質問をいたしたいと思います。(拍手)
佐藤総理は、七月一日の韓国朴大統領の就任祝賀会に出席をはじめといたしまして、東南アジア十二カ国の訪問を計画いたしておると伝えられておるのであります。この旅行は、最近の内外情勢、特にアジアの危機的な情勢から見まして、佐藤総理の単なる友好訪問として軽視することはできないと思うのであります。(拍手)訪問する国々、たとえば韓国、台湾、南ベトナム等、そもそもこれらの国が選ばれた経緯と背景、また、この旅行が客観的に現在の緊迫したアジアの情勢に及ぼす影響、また、さらに日本の今後の外交のあり方に重大な変化をもたらすであろうことを慎重に考慮いたしますならば、事はきわめて重大であると思うのであります。(拍手)
まず、今回の東南アジア訪問は十二カ国に及んでおるのであります。そしてその中にはカンボジア、ビルマ等の若干の中立国訪問が含まれておりますが、大部分は、アメリカのベトナム侵略戦争に軍隊を送っている、いわば派兵国であります。したがって、旅行の目的として、表向きはアジア太平洋地域の親善友好と経済協力を標榜いたしておるようでありますけれども、事実は、こうしたベトナム派兵国の訪問を通じて、危機に直面しているベトナムの情勢に処して、激励と支援を与え、反共産主義の国際連帯を強めて、その体制強化にこの際一役買おうというのが、その真のねらいであろうと思うのであります。(拍手)
事実、去る十六日に終了いたしましたアジア太平洋地域大使会議においては、ベトナム問題に議論が集中されたといわれます。特にその中で、アメリカが現在四十数万の軍隊を使っても、なおかつ勝つことができない、さらに六十万にも増員しなければならなくなった重要な今日の段階において、日本がいままでのようになまぬるい態度でいることは許されない、いつまでも手をよごさないような態度も許されない、このままで進むならば、やがてベトナム問題解決後における東南アジア開発に発言権を確保することもできないであろう、さらに、佐藤総理がこの秋にアメリカを訪問した際にも歓迎されないであろうといったような、外務官僚のきわめて危険な考え方に基づいて、ここににわかに南ベトナム訪問が決定されたとも伝えられておるのであります。(拍手)中山南ベトナム大使は、去る二十日の毎日新聞の座談会におきまして、「総理が訪米する際に、東南アジア歴訪から南ベトナムを除いてきたというのでは、じっくり話し合いもできないであろう」と語っていることは、この間の消息を雄弁に物語っていると思うのであります。(拍手)したがって、佐藤総理の南ベトナム訪問は、南ベトナムにおいてアメリカ側について戦っている将兵を慰問し、激励し、九月三日に新しく選ばれる大統領を祝福し、日本のこれら参戦国との連帯感を積極的に表明しようとするきわめて危険な意図から出たものと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
したがって、私は、まず佐藤総理に、南べトナム訪問をにわかに追加した経緯と背景をこの際明らかにしていただきたいと思うのであります。(拍手)
こうした事実にもかかわらず、三木外務大臣は、去る二十日、参議院外務委員会におきまして、わが党の羽生委員の質問に答えて、「総理の南ベトナム訪問は、単なる儀礼上の親善訪問ではなく、ベトナム戦争の当事国の首脳と会って、和平への可能性を積極的に探求しようとするものである」と説明いたしておるのであります。まさに白々しい偽りといわざるを得ないのであります。(拍手)かみしもを着てうそを言う三木外務大臣のお家芸とも思われるのであります。(拍手)
もし、佐藤内閣が、この際真剣にベトナム戦争の和平への可能性を積極的に探求しようというならば、佐藤総理は、南ベトナムではなくて、ワシントンにこそ出かけていくべきであります。(拍手)しかも、この秋といわず、いますぐにでも出かけていくべきであります。
周知のごとく、ベトナム情勢は、いままさに最悪の事態に突き進もうといたしております。アメリカは四十六万の現兵力では勝つことができず、すでに一万の戦死者を出し、F105爆撃機の半数を失って、重大な岐路に立たされておるのであります。マクナマラ国防長官が、戦略の基本方針を再検討するために、近く現地を訪問するとも伝えられておるのであります。まさに六十万派兵とともに、戦争拡大の可能性は一そう増大しつつあるのが現状であります。アメリカは、戦争が苦しくなればなるほど、和平の道を選ぼうとせず、戦争拡大の方向に進みつつあることは、太平洋戦争におけるわが国のかつての経験に照らして、きわめて遺憾にたえないところであります。(拍手)ロッジ前南ベトナム大使は、「ベトナム問題の解決は、正式の和平会談や宣言に伴う西欧式解決ではなく、フィリピンやマレーシアの共産主義者を討伐したときのようにアジア方式で解決されなければならない」と語っておるのであります。武力による討伐方式にあくまでも固執しているのが、アメリカの現政府の態度であります。来年行なわれる大統領選挙を前にして、こうした危険な傾向が一そう増大することを私はおそれるのであります。こうした態度を続ける限り、ベトナム戦争は最悪の道を進まざるを得ないでありましょう。われわれは、ウ・タント国連事務総長が、米中戦争必至の最悪の道として、現情勢にしばしば警告を発しているのに対して謙虚に耳を傾けねばならぬと思うのであります。したがって、佐藤総理が今国会の壁頭で述べたように、紛争当事者が平和交渉の発展に信頼を寄せ、勇断をもって話し合いのテーブルにつくように訴えるというのならば、いまこそアメリカにその勇断を訴えるべきであると私は確信して疑いません。(拍手)
はたして佐藤総理はベトナム戦争の現況をいかに判断しておるのであろうか、そしてまた、南ベトナム訪問の目的と意義をどのように理解しておるのであろうか、私はこの際お聞きいたしたいのであります。
また、三木外務大臣は、二十日の参議院外務委員会におきまして、「積極中立の立場で和平の可能性を探求すべきであり、このため紛争当事国である南ベトナム首相と話し合う必要がある」とまで、心にもない答弁をいたしております。私は、佐藤総理のこの南ベトナム訪問それ自身が、日本の中立的立場を進んで放棄することになるのではないかと思うのであります。(拍手)すなわち、佐藤総理の南ベトナム訪問は、戦争当事国双方に対して、和平のための日本の発言権を放棄することであります。名実ともにアメリカ陣営について、ベトナム戦争に介入することを意味することであります。したがって、佐藤総理が南ベトナム訪問を中止してこそ、初めて積極中立の立場が保持できるものと思うのであります。(拍手)自民党の前外務大臣であられる藤山愛一郎氏が、三木外務大臣に対して、日本がもしベトナムの和平解決について何らかの役割りを果たそうというならば、この際首相の南ベトナム訪問は中止すべきであると進言したと伝えられております。(拍手)その真意は全く私と同じだと思うのでありまして、私は賛意を表する次第であります。
特にこの際注目すべきことは、来たる七月には第一回の日ソ定期協議会が開かれることになっております。この七月の日ソ協議会における影響も、われわれは軽視するわけにはまいりません。少なくとも、日本がソ連に対してベトナム問題の和平について話し合うことは、おそらく不可能になるでありましょう。日ソの友好に重大な障害となることも明らかでありましょう。私は、佐藤総理のこうした諸問題に対する配慮についても、この際明らかにお尋ねをしておきたいと思うのであります。(拍手)
次に、私は、南ベトナム訪問と相関係して総理の韓国並びに台湾訪問を重視するものであります。
周知のごとく、韓国の朴大統領は、武力によって共産主義者をこらしめることが、平和への最善の手段であると考えているきわめて危険な人物であります。すでに四万の軍隊をベトナムに送っております。同時に、国内においては、大統領とその後に行なわれた総選挙において、不正選挙のために、二十八の大学と百三十の高等学校が閉鎖されて、学生のきびしい抵抗を受け、国内はまさに重大な政情不安にあるわけであります。(拍手)しかも、朝鮮民主主義人民共和国もまた、南北の平和統一を阻害するものであり、アジアの緊張を増大するものであるとして、佐藤首相の韓国訪問に強く反対をいたしておるのであります。こうした情勢の中で、重要な国会の審議を控えて、何ゆえに韓国大統領の就任祝賀に出席しなければならないのであろうか、私ははなはだ疑わしく思わざるを得ないのであります。(拍手)
さらに、台湾についても、岸首相の訪台が日中の友好にいかに重大な悪影響を及ぼしたかということを私たちは思い出さなければなりません。さらに、今日、米中戦争の危機さえ叫ばれている重要な時局を思うとき、佐藤総理があらためて台湾を訪問しなければならない理由もまた理解することができないのであります。(拍手)
私は、ここに佐藤内閣の外交方針の重大な転換、いな、従来巧妙に隠されていた佐藤内閣のきわめて危険な本質が国民の前に公然とその姿をあらわしてきたのではないかと思わざるを得ないのであります。(拍手)そうして、いまや佐藤内閣は、ベトナム戦争に対する和平のための公正な調停者たることを放棄し、アメリカ側について公然とベトナム戦争に介入しようといたしているのであります。また、アメリカとアジアの橋渡しをすると公約した佐藤内閣の外交方針を弊履のごとく捨て去って、反共軍事体制強化のために重要な役割りを果たそうといたしているのであります。(拍手)
佐藤総理は、この際、日本国民の良識に謙虚に耳を傾けて、南ベトナム、韓国及び台湾への訪問を中止すべきであると思います。そうして、全アジア民族の平和と繁栄を念願し、緊張緩和と平和共存のために全力を尽くすべきであると思うのであります。総理の決意をあらためてここにお尋ねして、私の質問を終わりたいと思うのであります。(拍手)
〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/9
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010・佐藤榮作
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
私の次に計画しております東南アジア諸国訪問について、いろいろ問題を提供しておるかのような御意見がただいまございました。勝間田君の意見を中心にしてのお尋ねでございます。
私はしばしばこの席でも申しましたように、わが国の外交基本方針、これは申すまでもなく、私どもは自由を守り、平和に徹する、そうして国際友好親善関係を深める、これが私の基本的方針でございます。(拍手)この立場に立ちまして、今回の訪問では、私がアジアに対する理解と認識を一そう深める、そのために訪問をし、それぞれの政府の当局と話し合う、これがアジアの平和と繁栄のために絶対に必要だ、かように確信をして、ただいま計画を進めておる最中でございます。
その東南アジア諸国のうちでも、ベトナムに出かけることが、勝間田君のいろいろの憶測を生み、また、御意見がそこから出てきておるのであります。私は、勝間田君から、ベトナム問題についての御意見はしばしば聞いたように記憶しております。このたびは私の東南アジア訪問でありますから、わが国の外交、これに影響があり、御指摘のように、今後の外交の進め方にも影響があると、かように思って、野党でも、社会党の方もたいへん心配してくだすっておるのだと、かように思いまして拝聴いたしましたが、あまり新しいお話を聞くことができなかったことはまことに残念でございます。
そこで、具体的に申し上げます。先ほど申したような外交の基本的方針に基づいて出かけるのでありますが、御指摘のように、南ベトナムではただいま紛争が続けられております。その状態の国を訪問するのでありますから、もちろん特別な意義がございます。三木外務大臣が委員会等でお答えしたということでありますが、和平への道を見つけることができればたいへんしあわせだと私は感じておるのであります。(拍手)外務大臣と私との間には意見の相違は全然ございません。三木君が話をしたとおりの考え方でございます。
私は、南ベトナムへ行けば、わが国の中立的態度を失うんだ、こういうお話にはどうも賛成することはできません。私が申し上げるまでもなく、わが国には平和憲法がございます。わが国は、どんなことがありましても戦争に介入するようなことはございません。これは国民の皆さん方にはっきり申し上げていい。社会党の方はそれを心配しておられるような言い方でございますが、そのことは全然ございません。また、私は、ただいま申しましたように、外務大臣の言っているように、和平への道をたずねる、そうしてアジアのための繁栄、安定に私どもが寄与したい、そのために私は出かけるのであります。したがいまして、中立を捨てるというような考え方ではありません。軍事的介入などはもちろんいたしておりません。
また、ベトナム行きをやめてアメリカへ行けという、これは御意見としては伺っておきますが、それに従うわけにはまいりません。私は、東南アジア諸国訪問を、ただいまのお話で計画を変えるような気持ちは毛頭ございません。そのことをはっきり申し上げておきます。
また、今後日ソ関係にも悪影響があるということでございますが、私はさような心配はしておりません。ソ連からグロムイコ外相が日本に来ました際も、ベトナムの平和への道を十分話し合ったつもりであります。日本の立場がまだ説得力が十分でなくて、私どもの希望するような状態をかもし出すことができなかったことは残念でございますが、私が南ベトナムに行きましても、ソ連がわが国の外交の態度に疑問を抱くようなおそれは全然ないということを、この際、はっきり申し上げておきます。(拍手)
次に、韓国大統領の就任式に私が出かけることについて、国内的にも、また対外的にも効果がない、たいへんなことだと、こういうように御注意がございました。しかし、私は、隣の国の大統領の就任式に出かけますことは、かねてから念願しております親善友好関係を深めるゆえんだ、その効果十分だ、かように考えておりまして、対内的にも対外的にも十分の効果があるものと、この点では、勝間田君と意見を異にしております。
次に、国府訪問についてのお尋ねでありますが、私は、かねてから大使を交換し、隣国としての親善友好関係を続けておるのでございますから、東南アジア訪問という際に、台湾に出かける、国民政府を訪問する、これは当然のことだと思います。こういう点をよけて通る、そういう事柄が、和平への道をわれわれが求める、その熱意が足らない、こういうおしかりこそ受けるものではないか、かように私は思うのでございます。
ただいま関係各国といろいろ打ち合わせ中でございます。いろいろ御意見は伺いましたが、ただいまの計画を取りやめるような考えは毛頭持っておりません。(拍手)
〔国務大臣三木武夫君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/10
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011・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) 総理大臣から勝間田君に対してのお答えはあれで尽きておると思いますが、私にも答弁を要求されましたので、お答えをいたします。
それは、勝間田君が御指摘になりましたごとく、平和外交というものは、何人もこの路線を変えることのできない日本外交の基調であることは申すまでもない。ことに、南ベトナムの問題についても、一億の国民は、これだけ使う戦争のエネルギーを平和のためになぜ使えないか、一日も早く和平を実現してもらいたいということが国民の願いであることは明らかであります。この国民の意向を体して、総理大臣があらゆる和平への可能性を探求するということは、一国の政治指導者としての当然の責務である。(拍手)これをやることによって、勝間田君が御指摘のように、日本がベトナム戦争に介入するというようなことはありません。日本の憲法は、軍事的介入を絶対に許していないのであります。したがって、総理大臣が一まだ決定はされておりませんが、ベトナムを訪問するにしても、その目的は、戦争のために行くのではない、平和のために南ベトナムを訪問しようとしておるのでありますから、(拍手)私は、訪問が決定されることは、これはベトナムの和平実現への当然の努力の一環である、日本の外交がこれによって路線を変更したものではなくして、平和外交の前進である、こう考えておる次第であります。(拍手)
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日程第一 石油ガス税法の一部を改正する法
律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/11
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012・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 日程第一、石油ガス税法の一部を改正する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/12
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013・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長内田常雄君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔内田常雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/13
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014・内田常雄
○内田常雄君 ただいま議題となりました石油ガス税法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会の審査の報告を申し上げます。
石油ガス税の基本税率は、一キログラム十七円五十銭でありますが、一昨年、本税法制定の際、新規課税による負担の激変を避ける等の趣旨から、国会修正によりまして、暫定措置として段階的な軽減税率が設けられたのでありまして、現在の軽減税率は、本年十二月末日までを期限として、一キログラム十円ということになっております。本案は、この軽減税率の適用期限をなお二年間延長して、昭和四十四年十二月三十一日まで十円のまま据え置こうとするものであります。
本案につきましては、審査の結果、昨二十二日全会一致をもって原案のとおり可決となりました。
右、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/14
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015・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 採決いたします。
本案は委員長報告のとちり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/15
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016・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第二 船舶の油による海水の汚濁の防止
に関する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/16
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017・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 日程第二、船舶の油による海水の汚濁の防止に関する法律案を議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/17
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018・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 委員長の報告を求めます。産業公害対策特別委員長八木一男君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔八木一男君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/18
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019・八木一男
○八木一男君 ただいま議題と相なりました船舶の油による海水の汚濁の防止に関する法律案につきまして、産業公害対策特例委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本案は、千九百五十四年の油による海水の汚濁の防止のための国際条約への加入並びに船舶から排出される油による海水の汚濁が、水産資源及び海水浴場等の衛生環境に著しい被害を与え、その対策が急務とされている現状にかんがみ、所要の措置を講じようとするものでありまして、その内容は、
第一に、油送船で百五十トン以上のもの及び油送船以外の船舶で五百トン以上のものについて、本邦の海岸から五十海里以内の海域においては油の排出を禁止するとともに、二万トン以上の船舶については、すべての海域において油の排出を禁止しようとするものであります。さらに、これらの船舶につきましては、ビルジ排出防止装置の設置と油記録簿の備えつけを義務づけることといたしております。
第二に、運輸大臣は、廃油処理事業を行なう港湾管理者等について、それぞれ必要な監督を行なうものとし、また、国が必要があると認めるときは、廃油処理施設の建設、改良を行なう港湾管理者に対し、費用の十分の五を補助しようとするものであります。
本案は、去る四月二十七日本委員会に付託され、五月十七日政府から提案理由の説明を聴取し、以来六回の委員会において十五人の熱心なる質疑が行なわれ、また、昨二十二日には運輸委員会と連合審査を行なう等、慎重に審査いたしましたが、その間、「本案による規制対象船舶のトン数は条約との関連をも考慮して、油送船は百五十トン、それ以外の船舶は五百トン以上となっているが、養殖漁場、海水浴場等の非常に多いわが国の実情を考えると、むしろ規制対象外の小型船舶の油の排出による汚濁が影響を与えているのではないか」、「廃油処理施設の利用料金が海運企業に経済的圧迫を与えるおそれはないか」、「油濁についての監視体制に十分な措置がなされるか」等の質疑がきわめて熱心に行なわれたのでありますが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
かくて、昨二十二日、質疑を終了し、直ちに採決の結果、本案は原案のとおり全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。
なお、本案に対し、
政府は、この法律の施行に際し、次の事項について措置を講ずべきである。
一 各種廃油処理施設を早急に整備するため、予算措置の充実に努めること。
二 巡視船艇、航空機等を整備強化して、強力な監視、取締体制の確立を図ること。
三 わが国の実情に即応した適用船舶の範囲について検討し、船舶の油による海水の汚濁の防止に万全を期すること。
四 海水の油濁による水産被害等の救済制度を確立し、遺憾なきを期すること。
以上の附帯決議が、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同で提案され、全会一致をもってこれを付することに決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/19
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020・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 採決いたします。
本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/20
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021・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02919670623/21
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022・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 本日は、これにて散会いたします。
午後二時四十七分散会
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出席国務大臣
内閣総理大臣 佐藤 榮作君
外 務 大 臣 三木 武夫君
大 蔵 大 臣 水田三喜男君
農 林 大 臣 倉石 忠雄君
運 輸 大 臣 大橋 武夫君
国 務 大 臣 塚原 俊郎君
出席政府委員
内閣法制局長官 高辻 正巳君
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