1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十九年三月二十九日(金曜日)
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議事日程 第二十一号
昭和四十九年三月二十九日
午後二時開議
第一 法務省設置法の一部を改正する法律案(
内閣提出)
第二 日本国と中華人民共和国との間の貿易に
関する協定の締結について承認を求める
の件
第三 公害健康被害補償法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
理学博士江崎玲於奈君に対し、祝意を表する決
議をすることとし、決議文は議長に一任する
の件(議長発議)
昭和四十九年度一般会計暫定予算
昭和四十九年度特別会計暫定予算
昭和四十九年度政府関係機関暫定予算
日程第一 法務省設置法の一部を改正する法律
案(内閣提出)
日程第二 日本国と中華人民共和国との間の貿
易に関する協定の締結について承認を求める
の件
日程第三 公害健康被害補償法の一部を改正す
る法律案(内閣提出)
午後六時三十三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/0
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001・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) これより会議を開きます。
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理学博士江崎玲於奈君に対し祝意を表する決議の件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/1
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002・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 理学博士江崎玲於奈君が半導体におけるトンネル現象に関する実験上の発見を行ない、物理学の分野においてすぐれた業績を示されたことに対し、昨年十二月十日、スウェーデンのストックホルムにおいて、一九七三年度ノーベル物理学賞を授与されました。わが国民のひとしく誇りとするところであります。(拍手)
つきましては、江崎博士の功績をたたえ、祝意を表するため、決議をいたしたいと存じます。決議文は議長に一任せられたいと存じます。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/2
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003・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。(拍手)
決議文を朗読いたします。
理学博士江崎玲於奈君に対し祝意を表する決議
衆議院はノーベル賞を受けられた理学博士江崎玲於奈君の偉大な功績をたたえ特に院議をもつて祝意を表する
〔拍手〕
この贈呈方は議長において取り計らいます。
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昭和四十九年度一般会計暫定予算
昭和四十九年度特別会計暫定予算
昭和四十九年度政府関係機関暫定予算発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/3
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004・森喜朗
○森喜朗君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、昭和四十九年度一般会計暫定予算、昭和四十九年度特別会計暫定予算、昭和四十九年度政府関係機関暫定予算、右三件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/4
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005・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 森喜朗君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/5
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006・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
昭和四十九年度一般会計暫定予算、昭和四十九年度特別会計暫定予算、昭和四十九年度政府関係機関暫定予算、右三件を一括して議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/6
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007・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 委員長の報告を求めます。予算委員長荒舩清十郎君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔荒舩清十郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/7
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008・荒舩清十郎
○荒舩清十郎君 ただいま議題となりました昭和四十九年度一般会計暫定予算外二案につきまして、予算委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。
この暫定予算三案は、昭和四十九年度総予算の年度内成立が困難なことをおもんばかりまして、昭和四十九年四月一日より十日までの分について作成されたものでありまして、三月二十七日予算委員会に付託され、本日、政府から提案理由の説明を聴取し、質疑を行なった後に採決をいたしたものであります。
一般会計暫定予算の歳出は九千九百九十八億円でありまして、生活扶助基準及び失対賃金の引き上げ、大学生の入学定員の増加等、教育及び社会政策上、放置することができないものを除きましては、新規施策にかかる経費は原則として計上してありません。
また、歳入は七千六百十六億円で、二千三百八十二億円の歳出超過となっておりますが、国庫の資金繰りについては、必要に応じ、二千五百億円を限度として、大蔵省証券を発行することといたしております。
特別会計及び政府関係機関につきましても、一般会計の例に準じ、暫定予算が作成されております。
次に、質疑は、暫定予算に関連して、国政の各般にわたって行なわれましたが、「暫定予算を提出せざるを得なくなったことに対する政府の責任、特に予算の国会審議の過程において、野党と話し合って、国民のための予算修正等に応じなかったことに対する政府の反省が足りなかったのではないか」との趣旨の追及が行なわれました。
これに対し、政府より、「明年度予算は最善のものとして編成し国会に提出したものでありますが、国会の審議については政府としてとやかく言う立場にはない。今後提出時期をできるだけ早めるよう検討し、また、予算審議の過程で述べられた野党の意見のうち、取り入れるべきものは、予算執行あるいは行政運営の面で生かしていきたい」との答弁がありました。
次に、「近日中に成立する見込みの会社臨時特別税の税収の使途は、社会的弱者の救済に充てるべきではないか」との趣旨の質疑があり、これに対し、政府より、「その趣旨は理解できるが、四十九年度の社会保障費は重点的に配慮しており、また、この税収は四十九年度の歳入となり、明年度かりに補正予算を必要とする場合には当然その財源となるであろう。財政当局としては、年度のあらゆる財源を総合して見ていくべきものであるので、その使途を特定しておくのは妥当ではない」との趣旨の答弁がありました。
以上のほか、年金の物価スライド制、官公労働者の争議権、政府系金融機関の大企業向け融資の規制、道路の建設と自然保護、物価の凍結とその解除条件、日中航空協定、行政指導とやみカルテル、畜産振興等の諸問題につきましても、きわめて熱心に質疑が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録をごらん願いたいと存じます。
かくて、質疑終了後、暫定予算三案を一括して採決を行ないましたところ、多数をもって政府原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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009・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 三件を一括して採決いたします。
三件の委員長の報告はいずれも可決であります。三件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/9
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010・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 起立多数。よって、三件とも委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第一 法務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/10
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011・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 日程第一、法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
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012・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員会理事小宮山重四郎君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔小宮山重四郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/12
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013・小宮山重四郎
○小宮山重四郎君 ただいま議題となりました法務省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本案は、東京法務局に、民事行政部にかえて民事行政第一部及び民事行政第二部を設置するとともに、入国管理事務所の出張所の名称及び位置を法務省令で定めようとするものであります。
本案は、一月三十一日本委員会に付託、二月十四日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を行ない、三月二十六日質疑を終了、昨二十八日、小宮山委員外四名より、入国管理事務所の出張所の名称及び位置を現行法どおり法律に明記すること等を内容とする、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の各派共同提案にかかる修正案が提出され、趣旨説明の後、討論に入り、中路委員より賛成の意見が述べられ、採決の結果、全会一致をもって修正案どおり修正議決すべきものと決しました。
なお、本案に対し、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の各派共同提案にかかる附帯決議が全会一致をもって付されました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/13
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014・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/14
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015・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
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日程第二 日本国と中華人民共和国との間の貿易に関する協定の締結について承認を求めるの件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/15
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016・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 日程第二、日本国と中華人民共和国との間の貿易に関する協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/16
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017・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 委員長の報告を求めます。外務委員長木村俊夫君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔木村俊夫君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/17
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018・木村俊夫
○木村俊夫君 ただいま議題となりました日本国と中華人民共和国との間の貿易に関する協定の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
政府は、昭和四十七年九月の日中両国政府の共同声明に基づいて、中華人民共和国との間に貿易に関する協定を締結するための交渉を行なってまいりましたところ、案文について合意に達しましたので、昭和四十九年一月五日、北京において、本協定に署名を行なった次第であります。
本協定は、日中両国間の貿易を平等互恵の原則の上に発展させ、かつ、両国間の経済関係の強化を目的とするものでありまして、輸出入物品、一時的輸入物品、第三国向け通過運送物品に対する関税、内国税その他の課徴金並びに支払い、送金等に関する事項につきまして、相互に最恵国待遇を与えることとしておりますほか、両国間の貿易が平等互恵の原則及び適正な国際市場価格を基礎として締結される契約に基づいて行なわれること、技術交流の促進、貿易に関連する展覧会開催の奨励、仲裁判断の執行、混合委員会の設置等について規定しております。
なお、この協定は、両政府間で交換された協定の暫定実施に関する交換公文によって、本年一月十日以降暫定的に実施されることになっております。
本件は、三月十三日外務委員会に付託されましたので、政府から提案理由の説明を聞き、質疑を行ないましたが、詳細は会議録によって御了承を願います。
かくて、三月二十八日質疑を終了しましたので、採決を行ないました結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/18
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019・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 採決いたします。
本件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/19
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020・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/20
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021・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 委員長の報告を求めます。公害対策並びに環境保全特別委員長角屋堅次郎君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔角屋堅次郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/21
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022・角屋堅次郎
○角屋堅次郎君 ただいま議題となりました公害健康被害補償法の一部を改正する法律案につきまして、公害対策並びに環境保全特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本案は、今年秋に予定される公害健康被害補償制度の実施に伴う当面の暫定措置として、昭和四十九年度及び昭和五十年度においては、ぜんそく等、第一種地域に係る大気汚染の影響による健康被害に対する補償給付の支給等に要する費用の一部に充てるため、各年度ごとに大気汚染の原因物質を排出する自動車に係る分として当該年度において必要であると見込まれる金額に相当する自動車重量税の収入見込み額の一部に相当する金額を、政府が公害健康被害補償協会に交付しようとするものであります。
本案は、去る二月二十二日本特別委員会に付託され、同月二十八日三木環境庁長官から提案理由の説明を聴取し、以後、慎重に審査を進めてまいりましたが、詳細については会議録に譲ることといたします。
かくて、三月二十八日質疑を終了いたしましたところ、日本共産党・革新共同木下元二君から修正案が提出され、趣旨説明を聴取し、次いで採決を行ないましたところ、日本共産党・革新共同提出の修正案は否決され、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと議決した次第であります。
なお、本案に対しては、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の共同提案にかかる、公害健康被害補償制度の財源のあり方について検討すること、自動車の排出ガスのいわゆる五十一年規制、燃料の無鉛化計画の実施について努力すること、光化学スモッグ等による健康被害を補償の対象とすることについて専門技術的な検討を加えること、騒音、振動等による健康被害及び財産被害についても補償制度を確立するよう検討することを趣旨とする附帯決議を付することに決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/22
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023・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/23
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024・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/24
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025・前尾繁三郎
○議長(前尾繁三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
午後六時五十二分散会
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出席国務大臣
内閣総理大臣 田中 角榮君
法 務 大 臣 中村 梅吉君
外 務 大 臣 大平 正芳君
大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
文 部 大 臣 奧野 誠亮君
農 林 大 臣 倉石 忠雄君
通商産業大臣 中曽根康弘君
運 輸 大 臣 徳永 正利君
郵 政 大 臣 原田 憲君
労 働 大 臣 長谷川 峻君
建 設 大 臣 亀岡 高夫君
自 治 大 臣 町村 金五君
厚生大臣臨時代
理
国 務 大 臣 内田 常雄君
国 務 大 臣 小坂徳三郎君
国 務 大 臣 二階堂 進君
国 務 大 臣 保利 茂君
国 務 大 臣 三木 武夫君
国 務 大 臣 森山 欽司君
国 務 大 臣 山中 貞則君
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/107205254X02219740329/25
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