1. 会議録本文
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000・会議録情報
令和五年四月十三日(木曜日)
午前十時開会
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委員の異動
四月十一日
辞任 補欠選任
若林 洋平君 臼井 正一君
串田 誠一君 中条きよし君
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出席者は左のとおり。
委員長 高橋 克法君
理 事
赤池 誠章君
今井絵理子君
上野 通子君
熊谷 裕人君
伊藤 孝恵君
委 員
赤松 健君
臼井 正一君
櫻井 充君
末松 信介君
高橋はるみ君
橋本 聖子君
古賀 千景君
斎藤 嘉隆君
宮口 治子君
伊藤 孝江君
竹内 真二君
中条きよし君
松沢 成文君
吉良よし子君
舩後 靖彦君
国務大臣
文部科学大臣 永岡 桂子君
副大臣
文部科学副大臣 井出 庸生君
事務局側
常任委員会専門
員 武蔵 誠憲君
政府参考人
文部科学省初等
中等教育局長 藤原 章夫君
文部科学省科学
技術・学術政策
局長 柿田 恭良君
文部科学省研究
開発局長 千原 由幸君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法
律の一部を改正する法律案(内閣提出)
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/0
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001・高橋克法
○委員長(高橋克法君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る十一日、串田誠一君及び若林洋平君が委員を辞任され、その補欠として中条きよし君及び臼井正一君が選任されました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/1
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002・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省初等中等教育局長藤原章夫君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/2
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003・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/3
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004・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取をしておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/4
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005・櫻井充
○櫻井充君 おはようございます。櫻井充です。
まず最初に、今日はナノテラスのことについて質問させていただきたいと思います。
地元選出の国会議員として、あの放射光を東北大学に造っていただいたことに改めて感謝申し上げたいと思います。多くの研究者の方々が仙台に来られて仙台の町が活性化していく一助になればと思っていますし、もう一点大事なことは、これできれば国内だけではなくて、世界的な研究者が集まってきてくださって、すばらしい成果が出せるような、そういう施設にしていただきたいと、そう思っています。
そういう中で、本当に有効活用できるのかどうかという点でいうと、なかなか難しい状況にございます。というのは、民間の方は東北経済連合会が中心になって研究者を集めてきています。彼らはよく、お金が集まらない、お金が集まらないと言っていますが、表現はそういう表現になっていますが、実際十年間で五千万円出してもらって、それで、毎年二百何時間だったと思いますけども、それだけの時間の割当てになってきて、この人たちを探してくるのがかなり大変だと言われています。
私も事あるごとに企業の皆さんにこういう施設があるので使ってみませんかという話を申し上げているんですが、例えば建設業界の方々からしてみると、お金がないわけではないけれど、どういうふうなメリットがあるのか分からないと、そういうふうに言われます。でも一方で、地元の中小企業の生コン屋さんと話をしてみると、微細構造が分かったらよりいい生コンが作れるかもしれないと言って、中小企業ですが、そこに参画してくださっています。
ですから、どういうメリットがあるのか、どういうことが分かってくるのか、そして、このことによって企業としてどういうふうな商品の新しい開発とかいろんなことができるのかとか、そういうことをきちんと知らしめないとなかなか広がっていかないんじゃないかと思いますが、この点についていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/5
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006・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。
ナノテラスに対する企業の資金拠出につきましては、量子、量研機構ですね、そして地域パートナーにおきまして様々な施策を検討しているところでございます。例えば、企業にとっての利点が分かりやすい広報活動、そして中小・ベンチャー企業でも使いやすい利用制度、そして地域パートナーの一員であります東北大学の専門人材によります研究支援や施設設備の利用などの施策を検討しているところでございます。
櫻井委員のおっしゃいますように、大変理解を進めるということはやはり非常に企業にとっても重要であると、そういうことを認識していただくために、今後も関係者と連携しながら、ナノテラスの価値を最大化して、そして企業からの出資、資金拠出が得られますよう、そういう施策を検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/6
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007・櫻井充
○櫻井充君 ありがとうございます。様々なことをやっていただいているんだと思います。
現在は十本のビームで、七本が民間、それから三本が国ということになっていますが、実はマックス使えるとなると二十八本使えることになります。このまんまの比率でなってくると、東経連の方々から、我々の限界ですと、そういうふうに言われてきていて、まあまだ十本、これから十本稼働するだけであって、二十八本までいくのかどうか分かりません。だけど、二十八本使わないと多分財務省からぐちゃぐちゃ言われますから、そういう点でいうと、こんな施設を造んなくてもよかったろうみたいなことを言われるので、是非何とかみんなで集めなきゃいけないと。済みませんが、委員長始め、ここの委員の皆さんも、御地元に帰られたりして、企業の皆さんに対して、こういう施設があるから使ってくれと、そういうコマーシャルをしていただければ有り難いなと、そう思います。
その上で、これ答弁結構ですが、例えばこういったその施設を使ったときに減税措置をもっと拡充するとか、もっと様々な工夫が必要なんではないのかと、そう思います。お金はあるけれど、結局のところは上限を、研究開発投資減税などは上限決められてしまっていてなかなかできないというところもあると思いますので、御答弁、もし、局長でもできるんであれば御答弁いただきたいと思いますが、そういう様々なことをやっていかなきゃいけないと思いますし、それから、私はもう一つだけ懸念していることは、文科省にどれだけのいろんなこういう情報の伝達のネットワークがあるかどうかというところが一つありまして、例えば経済産業省に頼むと、これは商工会議所から、商工会というか、経団連から始まっていろんなところにお願いできるんだと思います。ですが、そういうそのネットワークがあるかどうかによって広がり方というのは違ってくると思っていて、他省庁との連携というのはどういうふうになっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/7
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008・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。
まず、税制についてお答え申し上げます。
企業が研究開発を行っている場合に、法人税額から試験研究費の額の一部を控除できる研究開発税制が既にございまして、ナノテラスの利用に関しましても、しっかり企業に対してこの制度について周知をすることで積極的な利用促進、参画を促してまいりたいと考えております。
それから、他省庁も含めたネットワーク、連携でございますけれども、ナノテラスの周知に関しましては、これまでも広く産学官の関係者を対象に全国説明会の開催などをやっておりますけれども、その際には、地域パートナー、経済界はもとより、経済産業省を始めとする関係府省とも連携をしながら進めております。今後も、全国説明会を多数開くことを計画しておりまして、しっかりと各省とも連携しながら進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/8
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009・櫻井充
○櫻井充君 すばらしい施設を造られたのですから、是非いろんな研究成果が生まれてくるように、我々も努力をさせていただきたいと、そう思いますので、よろしくお願いします。
それからもう一点、ちょっと、私、まだ心療内科の医者として現場で診療に当たっているんですが、いわゆる発達障害とか、それから学習障害の子供さんたちの診療にも当たってきています。
その中で、例えば今私が診ている子供さんの中の一人は、鏡文字といってですね、鏡文字といって、へんとつくりが逆に見えるんですよ。要するに、普通はへんが左側にあって、つくりが右側にありますが、この子はへんとつくりが逆に見えるんです。彼が見えるまんま、国語の例えば漢字のテストで書くとバツにされます。それから、例えば日本史なら日本史で誰かの名前を書くときに、そこを間違うと全部バツにされてきています。ですから、どういうことかというと、できないので、やる気なくすの当たり前なんですよ。そこの中で、学校の先生から、これができない、やる気がないといって責められると。こういう子に普通を求めること自体、僕は無理な話じゃないかと思うんです。
一方で、鏡文字にならない英語はクラスで一番なんです。であったとすれば、英語ができているよねということぐらい褒めてほしいんですけど、この先生は駄目なことだけずうっと指摘するんですね。
私は、親に言っているのは、普通を捨てろと。普通を捨てないと、親も苦しむし、子供も苦しむし。だけど、普通を捨てさせないと、学校の先生も私は苦しいと思うんですよ。つまり、このレベルまで全部引き上げなきゃいけないですよという教育をしてくる限りにおいては、私は、みんな苦しむことになってしまって、こういうその教育の在り方というのを変えていかないといけないんじゃないかと思いますが、この点についていかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/9
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010・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 今の櫻井議員のお話、まずは、そのお子さんの障害というものをまずは学校の先生によく知っていただくということが大変大事なのかなと思っております。そういうことがあって初めてそのお子さんの学習の促進ということができるかと思っております。
これからの教育というのは、これまで以上に、子供たち一人一人の学習の様子や、また興味、関心などを適切に把握をいたしまして、その良さや可能性を最大限伸ばしていくものであるべきと、そう考えております。
このため、文部科学省といたしましては、現在、子供たち一人一人に寄り添った教育が展開されますように、小学校の三十五人学級の計画的整備、それからGIGAスクール構想によります一人一台端末の整備及び活用の事例の紹介などを行っております。
こうした中で、例えば、ICTも活用し、自分のペースで学ぶ順序や内容を選びながら学習を進めることのできる自由進度学習というものを取り入れまして、そういう学校が出てきております。
また、特定分野に特異な才能のある児童生徒は、その特性などによりまして、学習上、学校生活の困難を抱えることがあると、そう指摘されており、これらの困難に着目をいたしまして、その解消を図ることで個性や才能を伸ばしていくことができるように、こうした児童生徒に対する指導の支援にも今年度から取り組むこととしております。
引き続きまして、デジタルも活用をした個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図り、全ての子供たちの可能性を引き出す令和の日本型学校教育の実現に向けまして取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/10
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011・櫻井充
○櫻井充君 ありがとうございます。
いろいろな対策を取っていただいているんですが、その中で一つ提案させていただきたいのは、診療者側と学校の先生ともう少しコミュニケーションをちゃんと取った方がいいんじゃないだろうかと。つまり、診療者側から見てみると、これ以上望んだって無理ですよと、こういう能力があるからこういう分野についてもっと力を入れてくださいと。そういうコミュニケーションを取っていかないとなかなか理解できないんじゃないのかなと。
私も、心療内科、もう二十年以上やっていますが、障害者の子供さんたちを診療するようになってここ十年までいかないぐらいなんですけれど、やっとどういうふうにこちら側で診療していけばいいのかというのが分かってまいりました。
そういう意味では、大変申し訳ないんですけど、なりたての学校の先生が、大学卒業したばっかりの先生がこういうこと理解できると僕にはとても思えないんです。どういうふうに当たっていったらいいのかということが分からないと思っていて、むしろそういう専門家ともう少し意見交換できるような場をつくられたらいいと思いますが、この点についていかがでしょうか。検討していただくでも結構ですので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/11
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012・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 今の櫻井先生のお話、大変重く受け止めさせていただきまして、これからも、今も検討はさせていただいておりますが、しっかりと検討させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/12
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013・櫻井充
○櫻井充君 ありがとうございます。
この子供さんは、英語だけではなくて、非常に面白くてユニークで、修学旅行で会津の方に行きまして赤べこの絵付け体験をやったんですけど、そのときに、普通はもうみんな赤べこに倣って赤い牛を作るんですが、真っ黒な牛を作りました。僕は天才君と呼んでいるんですが、やはりそういう面白いことをやれる能力があるので、そういう能力をいかに引き出してくるかだと思いますし、それから、申し訳ないんですが、中学校の勉強って本当に必要なのかどうかって私にはよく分かりませんで、子供の頃からこんな勉強何のためにするんだろうと思いながら勉強していましたから。多分、ここにいらっしゃる方々、今中学の試験やったら何点になるのか分かんないぐらいでして、自分も含めて。そういう意味合いでいうと、もっと意味のあることを学ばせるような、その子の能力に合わせてですね、そういう教育の在り方にしていただきたいと、そのことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/13
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014・熊谷裕人
○熊谷裕人君 立憲・社民の熊谷裕人でございます。
まず最初に、通告はしていないので御答弁結構でございますが、今朝、通学時間帯にJアラートがまた北海道で発令をされまして、通学途中の子供さんたち、児童生徒の皆さん、多分相当大変だったんではないのか。情報が多分子供たちには入っていなかったんじゃないかなと思っておりますので、そういった、通学時間帯にそういったJアラートを発令、度々北海道は、東北でも発令をされておりますけれど、そういった点について、子供たちへの、通学途中の子供たちへの対応を是非今後はしっかりやっていただけるようにお願いをしたいと思います。
それでは、質問に入らせていただきたいと思います。
ナノテラスにつきましては、この当委員会で視察に行かせていただきました。本当に完成間近の施設に入らせていただいて、ふだん入れないというか、稼働したら入れないようなところまで入れさせていただきました。本当にこの質疑に役立つ視察になったと思っております。
そこで、このホール、この実験ホールに初めて、この放射光施設としては、国内の放射光施設としては初めて放射線管理区域から外すということが検討をされていると思います。見させていただいたときも、それが利用者の利便にすごくつながっていくんだというふうに利点を強調されておりましたけれど、一方で、安全性につきましては本当に大丈夫なのかなという懸念を少し持っておりまして、二〇一三年にJ―PARCという施設で放射性物質の漏えい事故が起きていると記憶をしております。
この安全管理が不十分だったということの事故でございまして、そういったことをちょっと懸念をしておりますので、このナノテラスについては万全の対策をされていると思いますが、安全性の責任主体だったりですとか、事故の対応マニュアルというものをしっかりと整備をする必要性があると思っておりますが、その点についてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/14
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015・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。
ナノテラスにおきましては、加速器から放出される高エネルギーのガンマ線や非常に明るい放射光などの放射線が放出されるため、十分な遮蔽対策を行うなど、万全の安全管理対策を行うこととしております。
具体的には、放射光が出ている際の実験室への入室禁止、実験室内への入室を検知した場合の放射光遮断、誤操作や機器異常が発生した場合の加速器の緊急停止、施設内外に設置された放射線監視モニターの線量異常時、線量異常検出時の加速器の緊急停止などの機能を備えた安全管理対策を講じているところでございます。
また、複数の機関が安全管理、運営に関わることから、事故発生時における通報などの混乱を避けるために、各機関が連携した一元的な連絡網を整備するなど、先行する放射光施設でありますSPring8などの既存施設の安全管理に係る教訓を取り入れて、安全対策について万全を期することとしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/15
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016・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
民間の方も、櫻井委員もおっしゃっていましたけれど、これから使われる方がたくさんいらっしゃる、期待をされている施設でもございますので、先ほど言いましたけれど、責任主体を明確にすることと、しっかりとその事故がないように事前から安全対策を徹底をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、人材確保につきまして質問をさせていただきたいと思います。
大学等での人材育成の必要性をちょっとお尋ねをさせていただきたいと思うんですが、今回のナノテラスは世界に誇る施設であるというふうに御説明をいただいております。そして、技術革新もどんどん進んでいって様々な解析が可能になるんではないのかなというふうに思って期待をしております。
ですから、学術面であったり産業面であったりということで、かなり広い分野において研究開発が、これからイノベーションをしていくところの根底が支えられていくものだというふうに思っております。それを支える人材をしっかりとつくっていかなければいけないというところで、大学やそういった専門にやられている学校においてこの分野の専門人材というのをしっかりと育成をしていかなければ、このせっかくの世界に誇る施設もなかなか活用が十分ではないということになりそうでありますので、この大学等の人材育成という点についてはいかが考えているか、お聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/16
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017・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) ナノテラスやSPring8といった大型放射光施設の今後を担います人材の育成というのは大変重要でございます。
大型放射光施設におけます人材育成に向けた取組については、これまでSPring8において、大学院生などを対象にいたしまして、研究の最先端を実体験できるSPring8夏の学校ですとか、また、旅費ですとか、あとは消耗品費を支援をいたします大学院生提案型課題の募集などを実施をしているところでございます。
ナノテラスにおけます人材育成の取組につきましても、既存施設の取組も参考にしながら、連携しながら取り組んでまいりたいと、そう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/17
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018・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
是非、この分野、放射光施設、放射光というところを扱う専門人材の、今、育成についてしっかりとやっていただけるという御答弁でございましたが、この施設を使っていくのに、施設利用のために、使われる、研究をされる方をアシストするような、測定技術とかいろんなこと、アシスタント的な業務をやってもらえるスタッフという人たちも育成を一緒にしていかなければいけないんではないのかなというふうに思っておりまして、先行するSPring8ではそういった人材の高齢化だったり人手不足ということで結構大変な思いをされているようなんですが、そういった利用者のアシストをするための人材育成というところも必要になってくるんではないのかなと思いますし、利用しようとしている方について、その相談をするというような、事前相談をするようなサイエンスコーディネーターみたいな方も必要なんではないのかなというふうに思っておりますし、そういったところに是非、今若手の研究者の皆さんが有期雇用契約だったりして大変な思いをされているので、この若手の研究者の方を今度このSPring8でしっかりと継続的な雇用というところで積極的な登用もしていただきたいというふうに思っておりますが、その点、若手研究者の活用だったりとか、専門人材ではない、科学的なアシスタントをする人材の、大学や高校というところも含めて、人材育成についてはどのようにお考えか、お尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/18
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019・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 熊谷議員おっしゃいますように、やはり大型放射光施設におけます放射光技術であるとか、また手法ですね、研究手法に関します支援スタッフの育成というのも本当に重要であると認識をしております。
SPring8の登録機関では、先ほども申し上げましたけれども、SPring8夏の学校による裾野の拡大ですとか、博士号取得者の積極的な採用ということも行っております。また、若手職員に対するメンター制度の導入など、そういうことも通じまして人材育成の充実に取り組んでいると承知をしているところでございます。
こうした既存の施設の取組もしっかりと参考にしながら、ナノテラスにおきましても支援スタッフなどの人材育成が更に進みますように、取組を検討して、それを促してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/19
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020・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
本当に専門人材の育成も必要ですし、その支える周りの人材もしっかりと育成をしていただいて、本当にもう世界に誇る施設を造ろう、そして造っていただけるということですので、最大限それが活用できるようにしていただきたいと思います。
少し中長期的なことになるかもしれませんが、その専門人材や支える皆さんの人材をつくっていくために、小さい頃から、児童生徒、初等中等教育段階ぐらいから科学に興味を持っていただくということが私は必要ではないかなというふうに思っておりまして、是非、その稼働していないときが安全なのかなというふうに思いますけれど、稼働し始めて、幾つかその成果が出てきたようなところを使って、地域の児童生徒の皆さんを、この施設見ていただいて、こういう成果が出ましたというようなことを実際見ていただくと、子供たちすごい興味を持ってもらえるんではないかなと。そして、将来こういうところで働いてみたいみたいなことがつながってくれば有り難いなというふうに思っておりまして、そういったところの児童生徒、初等中等教育段階での子供たちが科学技術に親しむという環境を提供するということについてはいかがお考えか、お聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/20
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021・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) ナノテラスについては、やはり広く国民の皆様方の理解をいただくために、やはり広報活動というのが大変重要でございまして、特に児童生徒を対象とした広報は、将来のこの日本の、我が国の科学技術を担います人材を育成する観点からも大変意義があると考えております。
これまでも地元の中高生や住民の皆様を対象とした一般公開などを開催してきたところでございますが、ナノテラスのブランドの価値、これを高めていく観点からも、仙台という立地、また、ナノテラスの円形の外観を生かしたコンテンツ制作、作成ですね、それから、G7仙台科学技術大臣会合、その機会を捉えました国際的な情報発信など、多様な切り口からしっかりとその広報、発信というものを進めていきたいと、そう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/21
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022・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
先ほどもSPring8の方で大臣の方からは夏の学校というお話ございましたけれど、是非、このナノテラスの方でも、私たち視察に行ったときも、巨大な顕微鏡みたいなもんだみたいな、簡単に言うとですね、そういうお話あったんですけれど、そういう、何というんでしょうか、ふだん見られないものが見られるということはすごく興味につながると思いますし、是非、稼働してからなんですけど、ワークショップ、子供たちへのワークショップだったりとか、一般の、仙台の皆さん、東北の皆さんへのオープンデーつくっていただいて、施設見学をしていただいて、こういう成果がありましたというような、科学技術の成果に触れるというような日も設定をしていただくとか、そういった学校の授業も是非進めていただきたいと思いますが、これは御要望としてお願いをしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
そして、次の質問は、今のことにもつながるんですが、高校にハイパーサイエンススクール、SSHと言われている高校がございます。全国で令和四年度は二千十七校が指定をされておりまして、そのうち東北六県で十七校が指定をされています。ちなみに、中身を言いますと、青森で二校、それから、秋田で二校、岩手で二校、地元宮城では四校、山形で四校、福島で三校、このハイパーサイエンススクールに指定をされています。そして、仙台の一高だったり三高だったりという、本当地元の優秀な学校がこの指定をされておりまして、こういった学校にいる生徒さん、是非、先ほど言ったように、このナノテラスに訪れていただいて、ワークショップとか経験をしていただくことで、本当に興味を持って、将来研究者にというふうに私はなっていただけるんではないかなというふうに思っておりますが、せっかく地元にこの理工系というかですね、の今文科省が一生懸命進めている科学分野の興味をという学校を、十七校もあって、地元宮城に四校もあるということでありますので、こういった学校、ハイパーサイエンススクールとの連携ということについていかがお考えかをお聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/22
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023・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) やはり、スーパーサイエンスハイスクールとこのナノテラスの連携はいかがということをお聞きいたしまして、大変私もうれしくなりました。
もう既に、昨年十月に、地域パートナーの一員であります東北大学が主催をいたしました次世代放射光国際フォーラムにおきまして、宮城県内のスーパーサイエンスハイスクールの指定校の生徒たちなどを対象にこれ見学会を開催したところでございます。これは東北六県で十七校ということでございましたが、この昨年の指定校、対象となりました方たちは、やはり宮城県内でございまして、仙台一高、それから三高ですね、それから古川黎明高校の生徒さんが九十名いらっしゃったというふうに聞いております。
ナノテラス、本当に大変、上から見ても大変、銀色で光り輝く丸い円形のすばらしい建物でありますし、こういうことを多くの若い人たち、特に科学を大好きな子供たちに知っていただくというのは大変意義があると思っております。特に、児童生徒を対象といたしました広報、未来の我が国の科学技術を担う人材育成という観点からも意義ありますので、このような取組、しっかりと引き続きまして取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/23
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024・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
済みません、私、ちょっと言い方を間違えていた、ハイパーサイエンススクールと言っていました。SSHで、スーパーサイエンスハイスクール、大臣の言ったとおりでございまして、私の方が言い間違えています。済みません、訂正をさせていただきたいと思います。
このSSH十七校のうち、幾つかの学校は中高連携になっていて、宮城県内の四校のうちの一校も中高連携の学校になっていると思います。そういった環境がありますので、是非、今連携をしていただけるという御答弁でありましたけれど、連携をしていただいて、科学へ本当に興味を持った生徒さんが増えるように努力をしていただきたいなというふうに思っております。
続いて、施設利用に戻りまして質問を幾つかをさせていただきたいと思います。
施設利用、今度のナノテラスについては、様々な分野がこの効果が期待されていると思いますし、様々なニーズがあるというふうに思っております。
そのニーズで、本当に研究を突き詰めていこう、新製品をという方もいらっしゃいますし、それから、先ほど櫻井先生の御質問にもありましたけれど、まず利用してもらう方が多くつくっていかなければいけないということになると、ライトニーズ、実験を代行してもらって、トライアルでちょっとやってみようかなというような企業さんも当然出てくるのかなというふうに思っております。
そういった実験代行をするとかトライアルといったような、その施設利用のライトニーズへの対応をどのようにお考えか、お聞かせをいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/24
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025・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えをいたします。
ナノテラスは、産業界の研究者を含む幅広い分野の研究者等が利用することにより国際競争力の飛躍的な向上につながる成果が期待できることから、多くの利用者の多様なニーズに対応できるよう配慮していくことが重要であると考えております。
例えば、SPring8におきましては、測定代行課題と申しまして、利用者が施設に来ることなく試料を送付するだけで測定が可能となり、専門スタッフを確保することが困難な企業、あるいは研究組織等への利便性拡大や即時利用ニーズへの対応、こういったことが可能となっております。
文部科学省といたしましても、このような取組は重要と考えておりまして、SPring8などの既存施設の制度も参考にしながら、ナノテラスにおきましても多様な利用者のニーズに対応できるように取組の検討を促してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/25
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026・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
是非、SPring8での経験を生かしていただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
それから、続いて、企業さんへもたくさん使っていただかなければいけないんですけれど、学術利用というところにも当然配慮をしていかなければいけないというふうに思っておりまして、その学術利用面で、多分、商品化をするとか、何か新発見というか、何というんでしょう、その何か新しいイノベーションを起こすということだけではなくて、基礎的なことについてしっかりとその学術的評価の高いことをやられるという方々もいらっしゃるんだと思うんですが、その共同利用の制度の中で商業的な利用が優先をされる、今回、官民で資金を出し合ってという施設ですので、その辺のところは官民で理解をし合いながら施設を利用していくと思うんですけれど。
そうなると、ちょっと、学術面のことがちょっと心配になりまして、置き去りにされないのかなというふうに懸念をしておりますが、その学術面での利用が不利にならないようにしていただきたいなというふうに思っているんですが、その点についてはどのようにお考えか、お聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/26
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027・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えをいたします。
ナノテラスの利用につきましては、議員御指摘のとおり、量子科学技術研究開発機構が本改正後の法律に基づき実施する共用と、地域パートナーの利用制度による利用、この二通りがございます。
量研機構の行います共用では主に学術利用を想定しておりまして、量研機構の行う共用における課題選定の際には科学技術的価値等の観点から確認を行うこととなりますので、学術利用が不利になるということはないと考えております。また、具体的には、この選定機関におきまして利用課題の選定基準というものを今後しっかりと定めることになりますけれども、その選定基準の中におきましても、しっかり学術的価値があるものを選定するということを既にSPring8の事例では盛り込んでおりますので、こういったことも踏まえながら、しっかりと学術利用も進められるように対応してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/27
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028・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
基礎的な、今まで科学技術は基礎研究が我が国ではちょっと置き去りにされていた面があるんではないかなというふうに思っておりまして、今回の共用に当たっても、是非そういったところにも配慮しながら、そして産学連携でしっかりと民間企業さん、産業界の目指すところ、目指す利益というところにもしっかりと対応できる使い方をしていただければなというふうに思っておりますので、今後の我が国の科学技術の発展のためにも、そういったところの御配慮、是非お願いをしたいというふうに思っております。
そして、次に、コアリション利用という利用の仕方があるというふうに書かれております。地元の宮城県でしたり仙台市のパートナーの皆さんがその利用ということをしていくんですけれど、この利用の仕方について、先ほども申し上げましたけれど、トライアルユースだったり、ライトニーズに対応する使い方だったりというところで、当然、中小企業の皆さんが、櫻井委員もおっしゃっておりましたけれど、使いたいという方がいらっしゃいますが、これから設定をされる利用料金というところとの見合いになってきますけれど、そういった皆さんが本当に使いやすい、中小企業の皆さんがしっかりと研究をして自分たちの企業の理念に合った開発をしていきたいというようなことで、使いやすい制度を是非お願いをしたいなというふうに思っているのと、それから、使ってみたけれど、その後本当に商品化につながるんだろうかというようなところも心配をされている面、そういった面と見合って、この金額なら使おうかなというようなことになるんだと思うんですが、文科省としてその使い方の話と、それから使い終わった後のその商品化をするというようなところに対しての支援というものを、地元の皆さんは利用していただきたいので、宮城県とか仙台市の方はお考えであるようでございますけれど、国としてもそういった商品化へのアシストというか支援ということはお考えなのかどうか、その点について御確認をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/28
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029・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えをいたします。
まず、ナノテラスでは、軟エックス線に強みを持つ放射光を使って、物質を構成する元素の種類、構造、物質の性質や機能が発現する原因、化学反応や物質が変化する様子などを詳細に解析することができるという極めて優れた性能を持っております。まず、こういった施設をしっかりと、コーディネーターの活用なども含めまして、中小企業を含めてしっかりとこれから広報を進めてまいりたいと考えております。
その上で、中小企業の利用促進等、商業化の支援に関しましては、まず、地域パートナーにおきまして、中小・ベンチャー企業向けに加入金を分割して通常よりも低い金額で利用できる制度、こういったものを検討をされておりますし、また、企業と大学等の研究者による研究チームを形成して、企業が抱える研究開発上の課題の解決を目指す支援を提供するといったこととしております。
さらに、文部科学省といたしましても、画期的な研究開発の成果を例えばスタートアップの形で事業化につないでいくといったことの施策もやっておりますので、そういった施策も連携させながら、しっかりと成果が商業化につながっていくように努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/29
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030・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。しっかりと支援をしていただければと思います。
視察に行ったときに、東北大学の皆さんとも意見交換をさせていただきました。そして、東北大学の皆さんの方から、東北大学の敷地内にナノテラスを整備をするということであって、あの一帯をサイエンスパークにしていくというような構想もあるんだというお話を聞きました。地元の自治体であったり、金融機関であったり、企業さんであったり、大学が連携をして、そして様々その研究から事業化というようなところまで一貫して支援をしていくサイエンスパーク構想というのを聞いておるんですけれど、そこへの支援は文科省としてどのように考えているのか、お聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/30
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031・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えをいたします。
東北大学は、ナノテラスの取組を推進する官民地域パートナーシップの一員でもあり、ナノテラスは東北大学の青葉山新キャンパス内に立地をしているところでございます。このため、ナノテラスを利用する産学官の多様な研究者が東北大学のキャンパス内に結集し、オープンイノベーションの加速や、本格的な産学連携の推進、民間資金の誘導など、東北大学の研究活動やサイエンスパークの充実にも資することになるというように考えております。
サイエンスパークの充実はナノテラスの価値の最大化にも資するものと考えておりまして、東北大学との連携を文部科学省としてもしっかり連携強化が進むように取組を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/31
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032・熊谷裕人
○熊谷裕人君 ありがとうございます。しっかり支援をしていただければと思います。
最後の質問になりますが、簡単に質問させていただきたいと思います。
今、地元仙台、そして東北大学への支援みたいなことを言いましたが、東北全体ということも視野に入れて、是非、震災の復興からしっかりと立ち直っていくための一つの礎にしていただきたいなと思うんですが、今度、福島に福島国際研究機構というものが整備をされます。こういった研究機構との連携ということも視野に入れていただきたいなと思っているんですが、東北全体というその復興を考えたときの連携について、最後お聞かせいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/32
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033・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。
ナノテラスの運用開始に向けまして、地域パートナーにおきまして、東北六県及び新潟県のスタートアップ、中小企業向けの利用の制度や、また企業が既存の放射光施設を利用する際の補助などの取組を通じまして、地域企業との連携が進められているものと承知はしております。
また、東北六県、それから新潟県も含めました大学におきましても、ナノテラスの利活用の推進とともに、イノベーションの創出と産業振興を図るための連携が進められているものと承知をしております。
引き続きまして、文部科学省といたしましても、ナノテラスの運用開始に向けて、本件、今年のですね、ごめんなさい、今年四月に設立されました福島国際研究教育機構や、また地域企業、そして大学などとの連携も含めまして、東北全体におけます更なる連携にしっかりと努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/33
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034・熊谷裕人
○熊谷裕人君 終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/34
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035・竹内真二
○竹内真二君 公明党の竹内真二です。
本日は質問の機会をいただき、感謝を申し上げます。
早速、質問に入らせていただきます。
本委員会で、二月の十四日に、二〇二四年度の運用開始に向けて仙台市に建設中の次世代放射光施設、ナノテラスを視察させていただきました。視察の実現に御尽力いただいた皆様方に心よりの感謝を申し上げます。
ナノテラスは、軟エックス線を使って物質をナノレベル、つまり百万分の一ミリ単位で観察することができる、そういう巨大な顕微鏡とも言われております。世界的にもトップクラスの性能を持っており、革新的な新素材や医薬品の開発など幅広い分野で活用されるということで、日本の科学技術、経済などの発展の推進力になるだけではなくて、地球温暖化や感染症といった全人類的な課題の解決にもつながっていくことが期待をされております。
そこで、まず、ナノテラスの活用が期待をされる分野について分かりやすく御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/35
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036・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。
ナノテラスでは、軟エックス線に強みを持つ放射光を使って、物質を構成する元素の種類や構造、物質の性質や機能が発現する原因、化学反応や物質が変化する様子などを詳細に解析することができます。
具体的に活用が期待される分野といたしましては、例えば燃料電池車やスマートフォンなどに使われる電池の高寿命、高性能化、自動車タイヤの燃費性能、グリップ性及び耐久性の飛躍的な向上、また、体外式膜型人工肺、ECMOでございます、の性能向上を通じた医療従事者の負担軽減、あるいは食感や味に優れた農作物の生産、科学捜査における不鮮明な指紋の明瞭化といったことなど、様々な分野での成果の創出が期待されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/36
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037・竹内真二
○竹内真二君 大変に分かりやすく御答弁をいただきました。
簡単に言えば、これまで見えなかったものが見えるようになるわけですから、非常に様々な分野への活用が期待できるということだと思うんですが、しかし、それでも、今いろいろ御説明を簡単にはしていただきましたけれども、それでも、このナノテラスが持っている価値、すごさ、すばらしさみたいなものは、なかなか一般の国民の皆さんには、やはり科学の分野でもありますので、伝わりにくいと思います。
専門家の話によりますと、私も伺った話ですけれども、炭素や酵素などを見るのに大変優れておりまして、ナノレベルでポリマーやプラスチックなどの材料をリサイクルしやすい形に設計ができるようになれば持続可能な社会の貢献ということもできるようになると。また、国土強靱化や防災・減災という観点でも、例えばコンクリートの中の反応を可視化して強いコンクリートを作ったり、寿命を延ばしたりと、こういったことも可能になってくると伺っております。こうした夢のような話というものがナノテラスによって、これまで見ることができなかった微少な世界が見える化されることによって大きくその可能性が広がっていくと。
そこで、提案なんですけれども、ナノテラスによってどのようなことが期待がされていくのか、それが分かる、是非インパクトのある、そういう例えば動画みたいなものを作成して積極的にPRをしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/37
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038・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。
ナノテラスにより期待される成果について、広く国民の皆様にとって分かりやすい広報活動をしていくことは重要であると考えております。
文部科学省といたしましては、量研機構や地域パートナーと協力しつつ、施設の概要が分かる動画の作成のほか、地元の中高生や住民の皆様を対象とした一般公開等のイベントを開催してきたところでございます。
そして、ナノテラスの運用開始に向けましては、御指摘も踏まえまして、期待される研究成果に係る動画の作成のほか、ナノテラスの立地や外観を生かしたコンテンツの作成、G7仙台科学技術大臣会合の機会を捉えた国際的な情報発信なども含め、多様な取組を進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/38
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039・竹内真二
○竹内真二君 是非、様々な形でのPRをお願いしたいと思います。
やはり、ナノテラス自体の利用に関するPRというものを国内外にしていくということも大事だと思いますし、また、日本国内の一般の方々が関心を持つ、あるいは、あっ、これは行ってみたいなというふうに思えるようなPRも大事だと思いますし、あるいは、子供たちが科学技術や物づくりなどへの興味をやはり引き立てられる、高めるような、そうしたPRにも、是非動画等も作成していただいて、力を入れていただきますようにお願い申し上げます。
それから、私も中小企業への支援ということについてお伺いしたいと思います。
ナノテラスの建設というものは官民地域パートナーシップという日本初の枠組みの中で行われておりますが、運用開始が始まれば、この民間による利用というものをいかに活発化していくかが大変重要になってまいります。その意味では、中小企業の皆さんにもナノテラスの良さを知っていただくこと、そして中小企業に寄り添った支援をしっかり講じていくことが必要になってまいります。
そこで、ナノテラスの活用に向けた中小企業支援策について、文科省の見解をお伺いしたいと思います。
その際、例えば、御地元の方でものづくりフレンドリーバンクというものがありまして、東北六県と新潟県の中小企業の皆さんに対しては、一口五十万円の加入金を支払えば、年間二時間の利用権を十年間分得られると伺っております。もちろん利用料はまた別途掛かるわけですけれども。ただ、この年間二時間というものを、やはりちょっと短いのではないかということも伺っております。延長したりすることや、あるいは、これは将来的になるかもしれませんけれども、こういうエリアの拡大、希望する中小企業があればそうしたところにも門戸を開けないのかということも是非検討していただきたいと思いますが、この点も踏まえまして御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/39
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040・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えをいたします。
ナノテラスの利用につきましては、量研機構が改正後の法律に基づき実施する共用と地域パートナーの利用制度による利用、この二通りがございます。
まず、量研機構が実施する共用につきましては、原則として利用申請を行い、審査に合格すれば、大学等の研究者から中小・ベンチャー企業まで、所属のいかんを問わず利用することができます。また、地域パートナーが運用する利用制度におきましては、御指摘のものづくりフレンドリーバンクといった中小・ベンチャー企業向けに通常よりも低い金額で利用できる制度も準備されております。
この制度の拡充も含めまして、中小・ベンチャー企業向けの支援策の充実について、地域パートナーにおける検討を文部科学省としても促してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/40
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041・竹内真二
○竹内真二君 これだけ将来性のある施設、ナノテラスができて、今後、我が国がこの分野で世界トップレベルを目指していくのであれば、やはり私も、先ほど来出ていますけれども、研究者を育てていく、人材育成の取組、非常に重要になってくると思います。
既に、放射光分野の女性研究者が少ないとか、女性や若手の研究者の活躍の場をもっと増やしてほしいといった声も届いておりますので、このナノテラスにおいて女性や若手研究者の育成を推進すべきと考えますけれども、この点についても見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/41
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042・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。
ナノテラスの利活用の在り方に関する有識者会議、こういった会議を開きまして、文科省で今後の利活用の在り方をこれまで検討してまいりました。その報告書におきましても、女性あるいは若手研究者の積極的な参画の必要性が指摘されております。
委員の御指摘や当該有識者会議の報告書も踏まえまして、専門人材の流動化の促進や柔軟な働き方の実現、若手研究者のための利用メニューの提供など、女性、若手研究者を始めとする多様な人材の活躍促進に向けて、今後、これらの方策を具体化し、実行をしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/42
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043・竹内真二
○竹内真二君 今御答弁にもありましたけれども、二月の十四日にナノテラスの利活用の在り方に関する有識者会議がまとめた報告書にこうあります。ナノテラスから作られる大容量データの蓄積と高速データ処理のためにサーバー等を含めた計算、情報インフラの整備が重要であると、これ趣旨ですけれども、こうしたことが指摘をされております。
そこで、端的にお聞きしますけれども、ナノテラスの研究環境のDX化について、この点についても御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/43
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044・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。
近年、大量かつ高品質な研究データを人工知能やシミュレーション等で解析することで、研究活動の圧倒的な効率化やインパクトの高い研究成果の創出が進み始めております。このような研究活動のデジタルトランスフォーメーション、DXを日本全体で推進することが重要であると考えております。
ナノテラスの利用環境のDX化につきましては、令和七年三月の本格共用の開始に向けまして、ビームラインにおける計測の自動化でありますとか、データセンターの整備、東北大学のスーパーコンピューターとの接続など、量子、失礼しました、量研機構及び地域パートナーとともに検討し、しっかりと進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/44
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045・竹内真二
○竹内真二君 そうした連携というものも非常に大事になってくると思います。今までできていなかった分野でもあると思いますので、是非よろしくお願い申し上げます。
最後になりますけれども、この放射光施設、ナノテラスは、科学技術の振興や経済の発展に資するだけではなく、冒頭申し上げましたように、脱炭素化や感染症対策、そして防災・減災など、世界的な分野の課題にも貢献していく可能性を秘めております。
そこで、大臣にお聞きしますけれども、ナノテラスの利活用に向けた決意をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/45
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046・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。
ナノテラスは、大学、産業界などを含みます多様な分野の研究者などから新たな測定や計測の手段として期待が高まっておりまして、国際競争力の飛躍的な向上につながる成果の創出が期待できるものでございます。
私といたしましては、やはり多様な分野の研究者などによりまして共用が促進されて、学術利用、それから産業利用ですね、この両方の面で優れた研究成果が創出されることによりましてイノベーションの創出や我が国の経済社会の発展に資するように、地域パートナーを含めまして関係者の皆様方とともにしっかりと取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/46
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047・竹内真二
○竹内真二君 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/47
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048・松沢成文
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文でございます。
ナノテラス、私も見学させていただきましたが、まあ立派で、すげえ施設なもんだというのが感想でした。
具体的に、ちょっと重複を避けて質問をさせていただきたいと思います。
まず、ナノテラスと同じ放射光施設であって、既に特定先端大型研究施設として規定されているエススプリング、これ何というんですかね、エススプリングエイトかな、SPring8の設置者は、この設置者は国立研究開発法人理化学研究所となっているんですね。放射光施設の運営等に係るノウハウはこの理化学研究所で蓄積されていると考えられますけれども、今回のナノテラスの設置者を理化学研究所ではなくて量子科学技術研究開発機構とした理由は何でしょうか。同じ放射光施設である以上、同じ法人を設置者とした方がノウハウの、活動や研究成果の蓄積、産業利用への応用などでメリットが大きいと考えますけども、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/48
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049・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。
ナノテラスの設置者につきましては、科学技術・学術審議会量子ビーム利用推進小委員会におきまして、法人の目的、業務の範囲との関係や放射光施設の整備、運用、大型プロジェクトの管理、産学連携の場の形成及び提供等の観点から審議、検討が行われまして、量子科学技術の水準の向上等が法人の目的であること、前身組織である旧日本原子力研究所が理化学研究所とともにSPring8の計画、整備、運用を担った経験があること、国際熱核融合実験炉、ITERや重粒子線がん治療装置、HIMACなどの大型プロジェクトの整備、運用の実績を有することなどから量子科学技術研究開発機構が適切であると報告をされたところでございます。
また、量研機構は、放射光以外の多様な量子ビームを用いた研究開発にも強みを持っておりまして、放射光との相補的、相乗的利用という観点も踏まえ、量研機構をナノテラスの設置者としたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/49
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050・松沢成文
○松沢成文君 まあ理解できなくはないんですけれども。
次に、ようやく日本でも軟エックス線向けの次世代放射光施設であるナノテラスが整備されたと。ここは高く評価したいと思いますが、文科省に設置された有識者会議では、これまで国内に存在していた軟エックス線向け放射光施設は海外の次世代型放射光施設に百倍の性能差を付けられていたというふうに示されております。また、軟エックス線科学分野において、日本は周回遅れの状況にあるとの認識を示している有識者もおられます。
このように、軟エックス線領域において海外から日本が後れを取ってしまった原因をどう分析しているのでしょうか。また、このことによる産業分野への影響をどう考えているのか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/50
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051・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えをいたします。
軟エックス線分野の高輝度な放射光施設については、二〇一五年から欧米などで運用が進められてきた一方で、我が国にはそのような施設が存在しなかったことから、諸外国と互角に競争していくための環境が整っていない状況であったことは事実であると認識しております。
平成三十年一月にまとめられました科学技術・学術審議会、科学技術、あっ、失礼、量子ビーム利用推進小委員会の報告書にも言及がございますが、海外でも、第四世代、すなわち今回整備しておりますナノテラス級のものでございます、そういった放射光施設を目指した整備が進んでいると言えると、これについては学術的なニーズ、産業利用のニーズが高まっているといったことが背景となっているというような審議の結果の記述がなされております。
我が国におきましても、こういった軟エックス線領域の利用価値の高さ、こういったものをしっかりと国として産業界へ周知し、また学術界とともに国内におけるそういった放射光の有用性についてしっかりとその議論を深め、高めていく必要があるというように認識しております。
それで、このような状況を踏まえまして、我が国におきましてもナノテラスの整備を二〇一九年度から着手したところでございまして、多様な分野の研究者等が利用することで、学術、産業の両方で優れた研究成果が創出されることによってイノベーションの創出や我が国の産業の発展に資することができると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/51
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052・松沢成文
○松沢成文君 通告しておりました人材育成と安全管理についてはもう質問が出てしまっておりますので、ちょっと割愛します。
次に、このナノテラスの整備費用は総額で約三百八十億円、そのうち国が二百億円の多額の国費を費やすわけです。そうした中、既存の特定先端大型研究施設であるSPring8、これ一九九七年共用開始ですね、あとJ―PARC、二〇一二年の共用開始については、施設の老朽化がもう課題になっています。
老朽化対策以外にも、時代の変化に応じた施設の高度化も着実に進める必要があると思われますが、これらの既存の本法の対象施設の老朽化や高度化に伴う施設整備の計画と、それに伴う費用の見通しについてはどうなっているんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/52
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053・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。
特定先端大型研究施設において、老朽化した機器等が原因となるトラブルや長期運転停止等を防ぐために適切な老朽化対策や高度化を実施していくことは重要であると考えております。
昨年度の補正予算におきまして、SPring8やJ―PARCの老朽化、高度化対策等にも資する予算を措置したところでございまして、今後とも、これらの大型研究施設の老朽化対策及び高度化を推進するために必要な予算の確保に努めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/53
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054・松沢成文
○松沢成文君 ここで、先端技術の産業利用という共通した視点から、H3ロケットについて質問をしたいと思います。
文科省が所管するJAXAは、先月七日に日本の新たな主力ロケットH3の第一号機の打ち上げに失敗をいたしました。日本のロケットの失敗は去年の小型のイプシロンロケットに続くもので、大型も小型も共に強みだった日本の信頼性が失われるという事態になっています。今後の日本の宇宙利用計画、そして、最大の目標としてきた世界の衛星打ち上げビジネス参入への大きな影響は避けられないと思います。
失敗の原因について、先月十六日に文科省の有識者会議で、JAXAは、二段目のエンジンが着火しなかったのは、搭載された機器の一部で大きな電流、過電流が生じ、必要な電気が送られなかった可能性が高いということを明らかにしました。
まず、それ以降の調査によって現時点までに明らかになった内容を説明ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/54
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055・千原由幸
○政府参考人(千原由幸君) お答え申し上げます。
H3ロケット試験機一号機打ち上げ失敗の原因究明につきましては、先生御指摘のとおり、三月十六日に文部科学省において第二回の、第二回目の有識者会合を開催し、JAXAより発生事象の推定原因として第二段エンジンの過電流の可能性が高い旨の報告がございました。その後は、有識者会合に報告がございましたとおり、JAXA及びメーカーにおいて原因究明に関連する試験を行うとともに、因果関係を洗い出す原因特定解析を進めているところでございます。
失敗に係る次回の有識者会合は今月下旬の開催を調整しておりまして、ここにまたJAXAから御報告をいただいて、引き続き早急かつ丁寧な原因究明を進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/55
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056・松沢成文
○松沢成文君 この原因究明作業については、これまでJAXAと文科省がそれぞれ対策本部を設置して行われて、同じ論点が繰り返し議論されているような状況も見受けられて、それが時間が掛かる原因となっているということが指摘もされています。
今回は、こうした形式的な検証はやめて、技術的な究明はJAXAが、また、研究体制の検証とかはこれはもう文科省の対策本部が行うなど、役割分担をはっきりさせて効率よく作業を進めていく必要があると思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/56
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057・千原由幸
○政府参考人(千原由幸君) お答え申し上げます。
今般のイプシロンロケット六号機及びH3ロケット試験機一号機打ち上げ失敗の原因究明に当たりましては、失敗に関するその直接的な要因の究明を進めますとともに、それを踏まえた背後要因も含めた分析と対策、検討に取り組むこととさせていただきます。
文部科学省は、JAXAとともに引き続き早急かつ丁寧な原因究明と対策に努めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/57
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058・松沢成文
○松沢成文君 この連続してしまったこの失敗ですよね、これは日本の宇宙利用計画と世界の衛星打ち上げビジネスの参入への大きな影響を私は与えたと思っているんです。特にもうこの世界は競争ですので、アメリカのイーロン・マスクのつくった何とか社とかですね、もうアメリカでは毎週のようにロケットで衛星を打ち上げるこのビジネスが行われていると。そういう中で、日本は大型、小型共に失敗しちゃって、おい、日本大丈夫かというのが世界の評判になっちゃっているんですね。
私は、ただこれはある意味でチャンスでもあって、実はロシアがこの宇宙開発ビジネス、ウクライナとの戦争で停滞してしまっています。ただ、ここでEUが必死になって入っていますので、しっかりとこれ原因究明をして、再発防止策を作って、更なる開発計画を作ると、ここがスピーディーに移行できれば私はまだ日本いけると思っているんですけれども、その辺りはいかがお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/58
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059・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 昨年のイプシロンロケット、また今年の三月のH3ロケットの打ち上げが失敗しまして、国民や関係者の皆様の御期待、そして御支援に応えられなかったということは大変重く受け止めております。まずは、早急かつ丁寧な原因究明が必要でありまして、今後の宇宙開発や、そしてその利用、海外事業者からの衛星などの打ち上げ受注に対する影響につきましては、現時点では予断を持って申し上げることは控えさせていただきたいと思っておりますけれども、H3ロケットの打ち上げ失敗後も、海外事業者からは励ましや期待の声が寄せられていると聞いております。
また、後継のイプシロンSロケット、そしてHSロケットは、H3ですね、H3ロケットは、我が国の宇宙活動の自立性確保と国際競争力強化のために大変重要な基幹ロケットであります。
文部科学省といたしましても、引き続きまして、両基幹ロケットの成功に向けて全力で取り組んでまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/59
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060・松沢成文
○松沢成文君 どうも、しっかり取り組んでいってください。
質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/60
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061・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 ナノテラスを使うとどんなメリットがあるのか。今まで分からなかったこんなバグがあったのが、ああ、こういうことだったのかと分かるかもしれませんし、もっと微細構造が分かることでいい生コンができるという話もありましたし、また、ナノテラス印が付いていることでこれがセールスメリットになるのかもしれないし、こういった施設利用企業の商業化支援が伴ってこそ、こういったナノテラスの活用というのはますます進みますし、地域経済への影響、また税収にもいい影響がある。何より、我が国の科学技術振興に連なるんだと思います。
こういった部分で、今税制による支援という話もありましたけども、ナノテラス、年間十億円前後の電気代も掛かるというふうに言われておりますので、こういった高騰する電気代の支援等も必要なんだと思います。
ここからは文科省は専門外ではなくて、この後も伴走していただきたいというふうに思います。これ通告しておりませんけども、大臣、一言お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/61
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062・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 大変高騰しております電気代のことで、先生、よろしいんでしょうか。しっかりと伴走しながら、その対応、やはり文部科学省、発信拠点でございますので、対応方やってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/62
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063・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 我が国の科学技術振興に不可欠な三本柱というのは、こういったナノテラスのような環境というのもそうですし、あと、資金と人材でございます。本法案は、各国と比較して見劣りしていたこういった試験インフラの環境整備に資するものでありますから、必要だというふうに思います。
今日は、大臣に、この資料を見ていただいて、まず資金面の課題というのを伺ってまいりたいというふうに思います。
これ、二〇〇〇年を一とした場合、各国がどの程度大学部門の研究開発費を増やしているかを折れ線グラフにしたものでございます。支出ベースの数字でございますけども、これ、我が党の代表でございます玉木雄一郎が衆議院の予算委員会で配付した資料になります。見ていただくと、中国はこの二十年で二十四・五倍、韓国は五・三倍、そしてアメリカは二・七倍の中、日本は〇・九倍、この御時世、減らしているのかという状況でございますし、この研究開発費だけでなくて、この十年で博士号取得者が減っているのも日本だけであります。
永岡大臣からしたら、こんな質問は財務大臣にしてよというふうに思われるかもしれませんけども、私は今日、その大臣の今課題感を議事録に残したいというふうに思って質問をしておりますし、じゃ、文科省はどういうふうに考えているのか、どうしたらいいと思っているのか、どのような交渉をしてきたのか、そういったことを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/63
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064・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) この表を見ますと、随分と日本は一番下だなと思いまして、大変ショックは受けております。
しかしながら、ちょっと考えましても、例えばこの科学技術立国の実現に向けては、やはり先生がおっしゃいますように、研究の基盤といたしましては、これ本当に必要な研究人材、そして資金であるとかその環境、これを強化しなければいけないというのがやはり我が国の研究力の向上をさせるためには本当に必要なことだと、そういうふうに認識をしております。
そして、このために、文部科学省といたしましては、我が国全体の研究力を牽引する研究大学の振興、そして世界で戦える優秀な若手研究者の育成、そして自由で挑戦的なこれ研究への支援の強化、そして博士課程学生への経済的支援の抜本的な拡充とキャリアパスの整備などについて、これは取組を進めているところでございます。
文部科学省としては、引き続きまして、研究の人材ですね、研究人材、そして資金、それから環境に関する施策を総動員いたしまして、我が国が研究力の向上に全力で取り組んでいきたいと、そう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/64
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065・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 全力を是非、額で見せていただきたいというふうに思うんですけども、その人の部分に今大臣言及されましたので、人の部分について重ねて質問させていただきたいんですけども。
我々国会、経済安全保障推進法、成立をさせました。この中にありました官民重要技術、基幹インフラも、サプライチェーンの課題、そして特許ももちろん大事なんですけども、最も大事なものが抜け落ちていて、それはもちろん人材です。脳です、脳みそです、ブレーンです。こういったものの海外流出に関する危機感というのも大臣に今伺いたいというふうに思うんですね。
というのも、三月末で雇い止めされた大学、研究機関の有期雇用研究者たち、多くが海を渡ったというような、そういった指摘もあります。雇ってくれるところがないからです。向こうの方がフィーがいいからです。こういった、大臣、三月末で雇い止めに遭った研究者たちがどのような実態にあるかというのを文科省はどのように考えているか、把握をしているのか。
また、今回、労働者の権利を守るための十年という労働契約法十八条の特例でありましたけども、これ本当に権利保護になっていたのか。十年を前にして雇い止めというようなニュースがたくさんございます。これ権利保護になっていたのか。なっていないのであれば、それは何だったのか。大学等の現場に聞くと、十年と言われても、運営費交付金とか私学の補助金とかを減らされて、こういったその基盤的な経費が措置されないのに、そこを無期雇用に変えてくれなんて、そんなのはどだい無理だというような話も聞こえてくるところです。
じゃ、そういった優秀な若手研究者を支えていくみたいな大臣の先ほど答弁ありましたけども、そういった方々が雇い止めに遭っている現実があり、雇い止めに、じゃ、遭う前にスタートアップにつなぐ、そういったものを支援するというルートも、じゃ、今はすごく脆弱である、これをこの後どうしていくか、もう一度御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/65
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066・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) おっしゃいますように、科学技術イノベーションを活性化するための最大の鍵は、やはり人材でございます。優秀で多様な研究者を育成、確保することは本当に重要であると思っております。
御指摘の件につきましては、まず、無期転換ルールの適用を意図的に避ける目的でいわゆる雇い止めを行うことは、労働契約法の趣旨に照らしまして、これは望ましいことではありません。また、研究者などの雇用の管理につきましては、各機関におきまして法令に基づいて適切に対応する必要があると思っております。
文部科学省といたしましては、実態把握のための調査を行うとともに、また、各機関の適切な対応を求める通知を発出するなど、個別の機関の状況も確認しながら累次にわたりまして働きかけ、電話などもしておりますが、働きを行ってきております。
引き続きまして、フォローアップのための調査、これはやはり四月が新年度になりますので、その調査も実施したいと思っております。労働契約法の特例ルールの適切な運用について、これ、各機関に対しまして対応はしっかりと求めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/66
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067・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 是非実態把握していただきたいというふうに思うんです。
この研究の場のみならず、今もう学校の場、学ぶ場でも働く場でもすぐコスパを求める、タイパを求める、こういった中ではなかなかイノベーションというのは生まれてこない。そんな中でこの研究者たちを守る。我が国の労働者の権利の話のみならず、この我が国の科学技術、未来の科学技術、競争力、経済安全保障も含めてですね、こういう大きな大きな課題のその土俵際で文科省頑張っていただきたい、文科省しか頑張れないという課題感であります。
そして、今、未来への過小投資を、この国が平成の三十年間、社会保障費の増大に係ってしてきてしまった結果、今、科学技術論文数もそのランキングも、もちろん大学ランキングも技術競争力ランキングも日本の存在感というのは風前のともしびであります。一方、グローバルサウスの盟主を自認するインドなどは、ASPIによる評価も中国、アメリカ、イギリスに次いでインドなんですね。日本よりはるか上。
今回、総理は、G7の広島サミットでもグローバルサウスの声に耳を傾け、関与を強化していくことが重要だと、四月の連休からもそういった観点で外遊したいというふうにおっしゃっておりますけども、日本の影響力というのは果たしてどこの分野で発揮していくのか。このグローバルサウスの中でますます存在感を増していく国に比して、我々は、未来への過小投資の結果、競争力を失っています。こういうものに対しても是非政府の一員として取り組んでいただきたいと思います。
最後、一言いただいて終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/67
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068・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) もう委員おっしゃいますように、我が国の研究力、これは近年相対的に低下をしておりまして、この状況に歯止めを掛けて、研究力を強化するということが本当に喫緊の課題でございます。諸外国が研究開発投資を相対的に増加させている中で、科学技術立国の実現に向けまして、我が国においても官民によります積極的な研究開発投資を進めることが重要だと思っております。
このため、文部科学省では、我が国全体の研究力を牽引する研究大学の振興等に向けまして、令和五年度の予算において必要な予算を確保するとともに、また十兆円規模の大学ファンドによります国際卓越研究大学への支援ですとか、二千億円の基金などによります地域中核・特色ある研究大学への支援について、これは取組を進めているところでございます。
引き続きまして、我が国全体の研究力向上に向けまして全力で取り組んでまいります。御支援よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/68
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069・伊藤孝恵
○伊藤孝恵君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/69
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070・吉良よし子
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
本法案は、大学や企業の研究のためにナノテラス、次世代放射光施設の共用を促進するものであり、学術研究の発展に資するものだと考えております。
あわせて、先ほど来議論の中でもありますが、学術研究の発展のためには何よりも人が大切だと思うわけです。研究者はもちろんのこと、技術職など研究施設で働く人は多様にいるわけです。しかし、そういう研究施設で働く人々が大切にされているのか、むしろ使い捨てにされてはいないか、危惧を抱かざるを得ない状況があると思うんです。
まず、確認したいと思います。
今回の法案の対象となる量子科学技術研究開発機構全体、そしてナノテラスで有期雇用、ナノテラスで働く人の中で有期雇用の職員というのは何人いるのか、そしてその期限は最短でいつなのか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/70
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071・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。
量子科学技術研究開発機構におきましては、令和五年三月三十一日時点で、クロスアポイントメント等を含めて有期雇用の職員は九百三名であり、これらの者のうち雇用契約書に定める期間満了日の直近の年月日は令和五年三月三十一日と聞いております。また、同機構においてナノテラスの整備を行っている次世代放射光施設整備開発センターにおきましては、令和五年三月三十一日時点において有期雇用の職員は全体で四十七名であり、クロスアポイントメントを除くと十六名と聞いており、これらの者のうち雇用契約書に定める期間満了日の直近の年月日は令和八年九月三十日と聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/71
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072・吉良よし子
○吉良よし子君 ナノテラス、量研機構でも有期雇用職が合わせて千名近く、九百三名いて、量研機構でいえば、この三月三十一日に期限が来る方もいると。そして、ナノテラスでも三年後には雇い止めがあり得るということで、これで最先端の研究を問題なく進められるのかということでは疑問が残るわけです。
配付資料を御覧ください。
文科省が今年二月に公表した調査の結果によりますと、大学、研究機関などに雇用されている任期付きの研究者のうち、資料のdからfに当たる者ですが、六千人、約六千人がこの三月末に雇い止めとなる危機に直面しているということがこの資料でも、調査でも明らかになりました。これは、この四月から研究者への無期転換ルールの適用が始まる、それを適用させない不当な雇い止めになると私は思うんですけれども、この三月末にはその雇い止めに抗議するストライキも行われて、これ国際的にも注目をされているものです。
私としても、昨年十一月の時点で大臣にも直接こうした不当な雇い止めやめるようにということを申入れもさせていただきましたし、文科省の方も、昨年十一月と今年の二月、二回にわたってこうした不当な雇い止めを行うことがないような通知を出したということは承知しております。
そして、それで確認をしたいんですが、この昨年の十一月の通知には、研究者、教員等の雇用状況の改善に向けた取組例として理化学研究所の新しい人事施策の導入についてというのが取り上げられています。これはなぜなのか、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/72
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073・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。
理化学研究所におきましては、通算契約期間の上限規制を撤廃し、現在従事しているプロジェクトの任期満了後も別の研究プロジェクトに参画できる機会を提供するなど、研究所のミッションを踏まえた人事運用の改善に独自に取り組んでいるものでありますことから、当該通知におきまして、研究者、教員等の雇用状況の改善に向けた取組例として記載をしたものでございます。
文部科学省といたしましては、引き続き、大学及び研究機関において法令に基づき適切な雇用管理が行われるよう促してまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/73
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074・吉良よし子
○吉良よし子君 つまり、理研ではこの通算契約期間の上限規制を撤廃したと、これが雇用継続につながるという事例だということで紹介をしたということなんですが、しかし、この通算契約期間の上限規制の撤廃というのは、理研においてその適用というのは四月一日以降だと聞いているんです。つまり、この三月末の雇い止めの対象となる研究者の十年雇用上限の撤廃はされてはいないというわけなんですね。
文科省、確認したいんですが、今年の三月末に、大学、研究機関、とりわけこの理化学研究所で雇い止めに遭った人というのは何人いるのか、調査していますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/74
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075・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。
無期転換ルールの適用を意図的に避ける目的でいわゆる雇い止めを行うことは労働契約法の趣旨に照らして望ましくなく、研究者等の雇用管理については、各機関において法令に基づき適切に対応する必要があります。
文部科学省といたしましては、昨年度、全国の国公私立大学、大学共同利用機関法人及び研究開発法人に対して実態把握のための調査を行ったところでありますが、本年三月末時点での各機関の雇用の状況につきましては、現時点で網羅的には把握をしておりません。
引き続き、雇用状況のフォローアップのための調査を実施するとともに、労働契約法の特例ルールの適切な運用についてしっかりと各機関に対応を求めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/75
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076・吉良よし子
○吉良よし子君 つまり、三月末の時点でどれだけ雇い止めがされたのかされなかったのかの調査これからだということなわけですけれども、理化学研究所では、二〇二〇年四月に在職していた者のうち、この十年雇用上限を理由にして三百八十人が雇い止めになると、労働組合などが撤回を求めていたわけです。しかし、この理研当局というのは、この大量の雇い止めをこの三月末に強行したと聞いています。
例えば、雇い止め撤回の提訴を今年に入ってした、小型の猿、マーモセットなどの実験動物を飼育している技師の二人、理研ではこのマーモセットを扱えるのはこの二人しかいないわけですが、その二人ともが雇い止めをされて再任用もされず職を失ったと、そういうことを直接聞いているわけです。
しかも、理研の場合、就業規則の改定で、雇用上限の撤廃どころか、理研の現職及び新規採用の任期付きの研究者については、研究プロジェクトの期間とは関係なく、所属長の判断で雇用上限を設けられるようにしてしまっていると。つまり、プロジェクト期間とは関係ない雇い止め、これこそまさに文科省も望ましくないとしている不当な雇い止めの事例そのものではないかと思うわけです。
改めて、大臣、こうした理研の人事施策を通知に載せるっていうことは、大学、研究機関でのこうした雇い止め、不当な雇い止めも容認することになるのではないかと私思うんですが、文科省はこうした不当な雇い止めを容認するという立場なのですか。大臣、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/76
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077・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 無期転換ルールの適用を意図的に避ける目的でいわゆる雇い止めを行うことは労働契約法上の趣旨に照らして望ましくありません。研究者の雇用管理につきましては、各機関におきまして法令に基づき適切に対応する必要があります。
文部科学省といたしましては、実態把握のための調査を行うとともに、各機関の適切な対応を求める通知を発出するなど、個別の機関の状況をもしっかりと確認しつつ累次にわたり働きかけてまいりました。引き続きまして、フォローアップのための調査、実施するとともに、労働契約法の特例ルールの適切な運用についてしっかりと各機関に対応を求めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/77
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078・吉良よし子
○吉良よし子君 望ましくないと繰り返しおっしゃられるわけですけれども、実際に雇い止めは起きてしまっていると。
先ほど例に挙げたこのマーモセットを扱っている技師の方は、私たちが雇い止めになればマーモセットの健康維持や治療、法令遵守の取扱いができなくなると。ちなみに、このマーモセットって理研に百三十頭、今飼育、繁殖させているそうなんですけれども、それが扱えなくなるっていうような訴えもあるわけなんです。なのに、そうした雇い止めをしている理研の事例を紹介していてはやっぱり何の説得力もないわけで、やっぱりこれは正していくべきなんじゃないのかと。
何より、文科省、この間、研究者の流動性高めるためとして有期雇用の職員を中心とした人事体制としてきたと、それにより研究職は今不安定な職業となっていて、研究者を目指す若者は減っています。そして、その結果、研究者の海外への流出も起きているわけで、やっぱりこのことをもっと直視するべきだと私は思うわけです。
改めて、大臣、今こそこの研究者の流動性の確保よりも研究者の雇用の安定性、これを高める方向にかじを切るべきではないかと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/78
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079・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 研究者のキャリアパスにつきましては、多様な研究経験を積むことによって能力の向上が図られるという特性がございます。このような特性を踏まえて、人材の一定の流動性を確保した上で、研究者が安心して研究に専念できる環境を整備することが重要であると考えております。
このため、文部科学省におきましては、若手ポストの確保など人事給与マネジメント改革などを考慮した運営費交付金の配分、そしてポストドクター等の雇用・育成に関するガイドラインの策定、そしてもう一つ、多様な財源を戦略的かつ効果的に活用することで研究者の安定的なポストの確保を図る取組の推進などの施策を講じまして、基盤的経費や競争的経費ですね、研究費を確保してまいりたいと考えております。
今後も、人材の流動性の確保と安定的な研究環境の確保の両立を図ることができますように、関係省庁と連携しながら各機関における取組を促してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/79
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080・吉良よし子
○吉良よし子君 学術研究の発展のためにはやっぱり安定雇用こそ必要であるということを強く申し上げて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/80
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081・舩後靖彦
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。
特定先端大型研究施設共用促進法の改正案についてお尋ねいたします。よろしくお願いいたします。
二月、本委員会の視察で、私も次世代放射光施設、ナノテラスを視察いたしました。現場では、私が発症した筋萎縮性側索硬化症、ALSの治療研究にもつながる成果が期待できるともお聞きしました。病気を発症して二十年余り、同じ病気の仲間のためにも、一患者としても、大いに期待しています。
本法案の趣旨そのものについては評価をしておりますが、幾つかの懸念点について質問したく存じます。
まず、登録利用促進機関についてお尋ねします。
法の趣旨に沿って共用を促進する上で、この登録利用促進機関が公平公正な利用者選定と利用者支援を行うことが不可欠です。登録利用促進機関については、本法案成立後に申請を受け付け、審査の上で文部科学大臣が登録するとあります。
既に登録施設利用促進機関に登録された機関について、国として、その業務が適正かどうかどのようなチェックをしてきたのか、チェックの結果、不適切な対応はなかったのか、この点についてお聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/81
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082・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。
登録施設利用促進機関の業務の適正性の確保につきましては、共用促進法に基づきまして、毎事業年度、文部科学大臣が定める基本方針の内容に即して業務の実施計画を作成し、認可を受けること等を義務付けているほか、科学技術・学術審議会における大規模研究施設に関する中間評価の過程などで業務の実施状況について把握し、評価することとしております。
文部科学省といたしましては、これらの取組を通じて登録された登録施設利用促進機関の業務の適正性を確認しており、これまでに業務の実施状況に問題があったことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/82
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083・舩後靖彦
○舩後靖彦君 公平公正な選定がなされることを願います。国が責任を持って、適切な運営が行われているのかチェックをしていただくようお願い申し上げます。
続けて、登録利用促進機関についてお尋ねします。
利用者選定に当たっては、学識経験者による選定委員会を設けて意見を聴くとしています。選任については、委員の職業、専門分野などに著しい偏りが生じないよう配慮することという基準が設けられています。
この選定委員会についてお尋ねします。各機関の選定委員について、各任期における女性委員の割合について御教示ください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/83
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084・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。
昨年度の女性委員の割合につきましては、まずSPring8、SACLA、放射光施設でございます、その選定委員会につきましては約一三%、スーパーコンピューター「富岳」の選定委員会では約一八%、中性子線施設でありますJ―PARCの選定委員会では約一五%となっております。
また、年度によって変動はありますものの、女性委員の割合は、全体で平均いたしますと、おおよそ五から一五%の間で推移をしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/84
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085・舩後靖彦
○舩後靖彦君 ありがとうございます。
大臣、この数字は著しい偏りではありませんか。ジェンダーバランスにも考慮すべきと考えます。大臣、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/85
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086・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 大変、女性の委員につきましては、随分と低い数字であるなというふうに思いました。また、今のパーセント、女性のパーセントを見ますとね、やはり考えられるのは、特定先端大型研究施設の共用の促進につきまして、それに関係をする研究をしてきた女性が少なかったのだなというふうには思っております。
しかしながら、多様な視点ですとか優れた発想を柔軟に取り入れまして、我が国の研究技術、科学技術イノベーションを活性化していくため、女性の研究者の活躍促進というのは大変重要であると、そういうふうに認識をしております。
そのため、文部科学省では、研究と出産、育児などのライフイベントの、仕事ですね、ライフイベントとの両立であるとか、女性研究者の研究力の向上を通じたリーダーの育成を支援する取組ですとか、また、優れた若手研究者が出産、育児によりまして研究中断の後に円滑にスムーズに研究現場に復帰できるよう支援をする取組などを実施しているところでございます。
また、ナノテラスの利活用の在り方に関します有識者会議の報告でも女性研究者などの積極的な参画の必要性が指摘されているところでございまして、こうした報告なども踏まえて、引き続きまして女性研究者の活躍の促進に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/86
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087・舩後靖彦
○舩後靖彦君 ジェンダーの観点からも偏りがないよう取り組むべきだと意見を申し上げます。
次に、大学生や大学院生が利用しやすいような支援策についてお尋ねします。
資料一を御覧ください。
資料によると、共用制度の利用料金として、一般課題については施設利用料は免除となるものの、消耗品の使用料や現地への交通費など一定の負担も生じます。若手研究者が意欲的な研究を進めることができるよう、国としても支援策が必要ではないかと考えます。
SPring8では来所の交通費を支援する制度もあったとお聞きしました。この点についてどのような施策を検討されているか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/87
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088・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) 舩後委員おっしゃいますように、SPring8は旅費を、大学生、これは博士後期課程の大学院生を対象として、旅費ですとかまた消耗品費を支援しております。
やはり、ナノテラスも、これ産業界の研究者を含みます幅広い分野の研究者などが利用することによりまして国際競争力の飛躍的な向上につながる成果が期待できるわけでございます。若手研究者を含みます多くの研究者にとって利用が容易となりますように配慮するということは大変重要でございます。
既に稼働しております放射光施設でありますSPring8におきましては、これは大学院生の提案型課題といたしまして、博士後期課程の大学院生を対象として、旅費そして消耗品費を支援しております。
文部科学省といたしましてもこうした取組は大変重要と考えておりますので、SPring8など既存の施設の制度も参考にしながら、ナノテラスにおきましても大学生や大学院生などの若手研究者の利用が更に進みますように、取組の検討を促してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/88
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089・舩後靖彦
○舩後靖彦君 スタートアップ企業、中小企業の利用支援についてお尋ねします。
先ほどと同じ資料一に、スタートアップ、中小企業などの利用については各種支援を検討、実施とあります。
そこでお尋ねします。どのような支援策を検討しておられるのか、お答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/89
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090・柿田恭良
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。
ナノテラスにおけるスタートアップや中小企業への利用支援につきましては、量子科学技術研究開発機構や地域パートナーにおいて様々な施策を検討しているところでございます。例えば、企業にとっての利点が分かりやすい広報活動、スタートアップ、中小企業でも使いやすい利用制度、東北大学の専門人材による研究支援や施設設備の利用等の施策を検討しているところであります。
また、地域パートナー側が運用する利用制度におきましては、加入金を支払うことが必要となりますが、既にスタートアップ、中小企業向けに、加入金を分割し、通常よりも低い金額で利用できる制度も準備されていると承知をしております。
今後とも、スタートアップや中小企業の利用支援策の具体化につきまして、量研機構や地域パートナーとも連携しながら進めてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/90
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091・舩後靖彦
○舩後靖彦君 一患者として、難病の解明、治療研究の進展への期待を抱いております。もちろん、それだけでなく、日本の研究環境改善、市民生活に寄与する研究成果に導いていただきたいとお願いし、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/91
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092・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/92
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093・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、熊谷君から発言を求められておりますので、これを許します。熊谷裕人君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/93
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094・熊谷裕人
○熊谷裕人君 私は、ただいま可決されました特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及びれいわ新選組の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読させていただきます。
特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一、次世代放射光施設NanoTerasuの整備は、官民地域パートナーシップという新たな方式により、国、地域及び産業界が連携して行っていることから、施設の運用に当たっては、各主体の役割と責任の所在を明確にするとともに、安全管理や情報セキュリティなどについて一元的な対応ができるよう適切な体制を構築すること。
二、次世代放射光施設NanoTerasuが、イノベーションの創出に向けた人材、知、資金の好循環を生み出す地域の場の中核となり、学術・産業界の幅広い分野で活用される最先端の研究開発基盤としての役割を最大限果たすことができるよう、国内外の放射光施設等との連携やスーパーコンピュータ「富岳」を始めとする高性能な計算環境の活用等を推進すること。また、先端技術による東北の創造的復興を実現する観点から、福島国際研究教育機構、地域企業、大学等との連携に努めること。
三、科学技術立国の実現を目指す我が国にとって、先端的な研究施設を整備し、若手研究者を含む産官学の研究者による積極的な利活用を促進することで、学術・産業界における国際競争力を強化していくことが重要であることに鑑み、既存の特定先端大型研究施設の老朽化対策を着実に実施するとともに、技術革新の進展等に対応した施設の高度化を推進するため、十分な財政措置を講ずること。
四、特定先端大型研究施設間の連携を図り、登録施設利用促進機関における研究実施相談を充実するため、研究実施相談を担う人材の育成・確保に向けて国として必要な施策を実施すること。
五、科学技術に対する国民の理解を深めるため、特定先端大型研究施設を活用して得られた研究成果について分かりやすい情報提供等を行うこと。その際、特に、児童生徒の科学技術に対する興味や関心を高めるための取組の実施に努めること。
六、特定先端大型研究施設を活用して得られる研究成果を最大化するためには、研究者が長期的な視点に立って自由な発想で研究活動に従事できることが重要であることに鑑み、大学において任期を付さない安定的な身分の研究者を増やすことができるよう、人件費の基礎となる国立大学法人運営費交付金や私立大学等経常費補助金等の基盤的経費を確実に措置すること。
右決議する。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/94
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095・高橋克法
○委員長(高橋克法君) ただいま熊谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/95
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096・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 全会一致と認めます。よって、熊谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、永岡文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。永岡文部科学大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/96
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097・永岡桂子
○国務大臣(永岡桂子君) ただいまの御決議につきまして、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/97
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098・高橋克法
○委員長(高橋克法君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/98
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099・高橋克法
○委員長(高橋克法君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121115104X00620230413/99
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