1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成五年二月十八日(木曜日)
午後零時十分開会
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委員氏名
委員長 梶原 敬義君
理 事 井上 章平君
理 事 岡部 三郎君
理 事 種田 誠君
理 事 山田 勇君
井上 吉夫君
石井 一二君
上野 公成君
遠藤 要君
鈴木 貞敏君
吉川 博君
会田 長栄君
青木 薪次君
西野 康雄君
松本 英一君
白浜 一良君
中川 嘉美君
上田耕一郎君
萩野 浩基君
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委員の異動
二月十七日
辞任 補欠選任
上田耕一郎君 林 紀子君
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出席者は左のとおり。
委員長 梶原 敬義君
理 事
井上 章平君
岡部 三郎君
種田 誠君
山田 勇君
委 員
井上 吉夫君
上野 公成君
鈴木 貞敏君
会田 長栄君
青木 薪次君
西野 康雄君
白浜 一良君
中川 嘉美君
林 紀子君
国務大臣
建 設 大 臣 中村喜四郎君
国 務 大 臣
(北海道開発庁 北 修二君
長官)
国 務 大 臣
(国土庁長官) 井上 孝君
政府委員
北海道開発政務 北村 直人君
次官
北海道開発庁総 竹内 透君
務監理官
北海道開発庁計 戸島 英之君
画監理官
北海道開発庁予 村上 喜堂君
算課長
国土政務次官 杉浦 正健君
国土庁長官官房 藤原 和人君
長
国土庁長官官房 加藤 昭君
水資源部長
国土庁計画・調 糠谷 真平君
整局長
国土庁土地局長 鎭西 迪雄君
国土庁大都市圏 内藤 勲君
整備局長
国土庁地方振興 秋本 敏文君
局長
国土庁防災局長 黒川 弘君
建設政務次官 東 力君
建設大臣官房長 望月 薫雄君
建設大臣官房総 市川 一朗君
務審議官
建設省建設経済 伴 襄君
局長
建設省都市局長 鹿島 尚武君
建設省河川局長 岩井 國臣君
建設省道路局長 藤井 治芳君
建設省住宅局長 三井 康壽君
事務局側
常任委員会専門 駒澤 一夫君
員
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本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○建設事業及び建設諸計画等に関する調査
(建設行政、国土行政及び北海道総合開発の基
本施策に関する件)
—————————————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/0
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001・梶原敬義
○委員長(梶原敬義君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
昨日、上田耕一郎君が委員を辞任され、その補欠として林紀子君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/1
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002・梶原敬義
○委員長(梶原敬義君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
本委員会は、今期国会におきましても、建設事業及び建設諸計画等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/2
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003・梶原敬義
○委員長(梶原敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/3
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004・梶原敬義
○委員長(梶原敬義君) 建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題といたします。
まず、建設大臣から建設行政の基本施策について所信を聴取いたします。中村建設大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/4
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005・中村喜四郎
○国務大臣(中村喜四郎君) 建設大臣を仰せつかりました中村喜四郎でございます。
建設委員長を初め委員の皆様方に、今後とも御指導、御協力を賜りますよう、まず冒頭にお願いを申し上げます。
建設行政の基本方針及び当面の諸施策について、私の所信を申し述べます。
建設行政の基本的な使命は、住宅、社会資本の整備などを通じて、国土の均衡ある発展を促進し、活力ある経済社会と安全で快適な国民生活を実現することにあります。
生活大国五カ年計画で示された国民一人一人がひとしく豊かさとゆとりを実感できる社会を実現していくためには、十年先、二十年先を見据えて国土の均衡ある発展を図り、東京への一極集中構造を是正することが何よりもまず基本であります。
全国の各地域がその活力を十分に引き出し、そこに住む人々が誇りと生きがいを持ちながら豊かさを実感できる地域社会をつくるため、国と地方がそれぞれの役割と責任を踏まえ一丸となって取り組むことが肝要であると考えております。改めて、地方の創意工夫と自主的な努力が問われていると言えますが、国においても、国土政策としてこれを支援し、地域の持つ潜在的な活力を開花させるための根幹的な基盤施設の充実や大都市地域における広域的な居住環境の整備等を強力に推進するための具体的な取り組みが強く求められていると痛感しております。
国の公共事業の約七割を所管する建設省は、生活大国を実現するため、最も基幹的な行政分野を預かり、重要な役割を果たしていくべき大きな責務を負っているものと考えております。
私は、この責務を真正面から受けとめ、建設省、関係公団一体となって、多極分散型国土の形成と地方の活性化、ゆとりある住生活の実現、豊かな環境の創造等を特に重点とし、二十一世紀の世代に引き継ぐべき社会共通の財産としての住宅、社会資本の整備に全力を挙げて取り組んでまいります。
現在、我が国の経済は、極めて厳しい状況に直面しており、一日も早く景気の回復を図ることが必要となっておりますが、公共投資基本計画の着実な実施を通じて住宅、社会資本の整備を推進することは、経済を活性化させ、内需を中心とした持続可能な成長を実現していく上でも極めて重要であります。
このため、今年度当初予算の可能な限りの前倒し執行を実施するとともに、総合経済対策に基づき、補正予算による追加事業を含め、所管事業の円滑な実施に尽力しているところであります。さらに、こうした努力に引き続き、平成五年度の政府予算案における建設省関係の一般公共事業について、厳しい財政事情のもとでの景気対策にも十分配慮し、生活関連重点化枠、財政投融資資金の積極的活用などにより、公共投資基本計画の着実な達成に向けて必要な規模を確保いたしました。
以下、当面の諸施策について申し述べます。
第一に住宅宅地対策であります。
住宅は、家族の団らんの場であり国民生活の基礎となるものであります。このため、ゆとりある住生活の実現を目指し、第六期住宅建設五カ年計画に基づき、良質な住宅ストックと良好な住環境の形成、大都市地域の住宅問題の解決、高齢化社会への対応など総合的な施策を展開してまいります。
特に、大都市地域においては、住宅宅地の供給に関する基本方針及び供給計画に基づき、国、地方公共団体等が一体となって、住宅宅地供給のための広域的な取り組みを進めてまいります。特に、住宅・都市整備公団による中堅勤労者向けの住宅宅地供給については、地方公共団体との連携のもとに引き続き積極的推進を図っていく考えであります。
さらに、生活大国五カ年計画に掲げられた居住水準の向上と勤労者世帯の平均年収の五倍程度で良質な住宅取得が可能となることを目指し、土地対策の着実な推進や多極分散型国土の形成とあわせ、住宅取得能力の向上のための住宅金融公庫の融資、住宅関係税制の拡充などの施策を推進してまいりたいと考えております。また、国民の良質な賃貸住宅に対するニーズに的確に対応し、特に中堅所得者に対する供給を促進するため新たに特定優良賃貸住宅供給促進事業制度を創設することとしております。
良好な住環境を備えた住宅を確保するためには、総合的な宅地対策を推進していかなければなりません。このため、計画的な宅地供給に必要となる関連公共公益施設の整備の促進と開発許可制度の適切な運用等に努めつつ、住宅・都市整備公団などによる公的宅地開発や住宅金融公庫融資などを活用した優良な宅地開発の促進を図るとともに、市街化区域内農地の良好な住宅市街地への転換、既成市街地における低・未利用地の有効利用などを図ってまいります。
第二に、地方の活性化であります。
国民が生活の豊かさとゆとりをひとしく実感できるようにするためには、一極集中を是正し、国土の均衡ある発展を図ることが基本であります。これまでも、多極分散型の国土の形成を図る観点から一万四千キロメートルの高規格幹線道路網の整備に積極的に取り組んできているところでありますが、これとあわせて、さらに、地方定住の核となるべき地方都市の育成と、周辺地域との連携の強化により地域全体として活性化を図ることが重要であります。
このため、新たに施行された地方拠点都市法に基づき、都市機能の増進と居住環境の向上を促進する措置を講じることなどにより、活力と魅力のあふれる地方拠点都市地域の重点的な整備を推進してまいります。また、地方定住の促進と良好な地域社会の形成に資する住宅宅地の供給を進めるとともに、地域の連携強化を図るよう地域高規格道路を軸とした幹線道路ネットワークの充実などに取り組んでまいります。
第三に、環境対策であります。
近年、地球規模の環境問題に対する国民の関心が高まりつつある中で、環境対策への取り組みは、建設行政の推進に当たって、大変重要なものとなっております。
このため、環境との共生を基本として、住宅、社会資本の整備や適正な土地利用、建築規制等を実施し、安全、快適、潤いのある居住環境の積極的な形成を図ってまいります。また、まちづくりにおける環境計画の策定を推進するとともに、省資源、省エネルギー化、生態系の保全、良好な景観の形成、保全などに配慮した諸施策の充実強化に取り組んでまいります。
第四に、都市政策であります。
本格的な都市化社会を迎えている中で、東京圏を中心とする大都市地域においては、地価の下落傾向は見られるものの、住宅問題、交通渋滞、都心部の空洞化等が一層深刻化する一方、地方においては、人口の減少等の問題が依然として続いております。また、国際化、情報化、高齢化等の経済社会の大きな潮流変化の中で、都市の居住環境に対する国民のニーズはさらに多様化、高度化してきております。
このため、街路、公園、下水道等の都市基盤施設の計画的な整備の推進、土地の有効・高度利用の促進を図る市街地再開発事業、土地区画整理事業等の一層の拡充、改正された都市計画法及び建築基準法の適正な運用とともに、大都市地域について都市高速交通網の拡充、住宅宅地供給の促進のための土地区画整理事業制度の見直しを図ることなどにより、総合的、計画的な都市整備を推進してまいります。
さらに、近年強く求められている駐車場の計画的な整備の推進、魅力とにぎわいのある商業市街地の整備、振興、物流形態の変化に対応した流通業務市街地の整備を促進するとともに、民間都市開発事業への積極的な支援、都市の防災構造の強化を推進してまいります。
また、行政需要に即応し、都市環境の形成に寄与する官庁施設を計画的に整備してまいります。
第五に、道路の整備であります。
道路はあらゆる国民生活、社会経済活動を支える根幹的な社会資本でありますが、その整備は依然として立ちおくれた状況にあります。
このため、総投資規模七十六兆円からなる第十一次道路整備五カ年計画を策定し、生活者の豊かさの向上、活力ある地域づくり、良好な環境創造の三つを主要な課題として、緊急かつ計画的に道路整備を推進してまいります。また、その際、一般財源の投入拡大とあわせて、道路特定財源制度を堅持、充実するとともに、均衡ある国土を形成し、地域間の交流を促進するため、高規格幹線道路と地域高規格道路の整備を積極的に推進してまいります。
また、新渋滞対策プログラムを策定し、総合的な渋滞対策を推進するとともに、幅の広い歩道、駐車場、駐輪場などの整備、道路緑化の促進により、都市生活の安全性、利便性の向上などを図ってまいります。
さらに、道路整備五カ年計画とあわせ、第十次積雪寒冷特別地域道路交通確保五カ年計画と第八次奥地等産業開発道路整備計画を策定し、雪国における冬期交通確保のための道路の整備と山間、奥地などの産業開発の基盤となる道路の整備を推進することとしております。
第六に、国土の保全と水資源の確保であります。
我が国の国土は、洪水、土砂災害などに対して極めて脆弱であるにもかかわらず、治水施設の整備水準は依然として低く、毎年のように全国各地
で激甚な災害が発生している状況にあります。
このため、五カ年計画に基づき、大規模治水事業、地域の活力を支える治水対策、海岸保全対策等の着実な推進を図ってまいります。また、新たに総投資規模を一兆千五百億円とする第三次急傾斜地崩壊対策事業五カ年計画を策定し、がけ崩れ災害のない安全で安心できる生活基盤の確保などに努めてまいります。
さらに、豊かな生活を支える水資源の計画的な確保に努めるとともに、潤いのある美しい水系環境の創造に努めてまいります。
また、異常災害に備え、地域社会における高い安全性を確保するため、高規格提防の整備、異常渇水対策、火山噴火対策等を積極的に推進するとともに、災害復旧などの災害対策の着実な実施に努めてまいります。特に、雲仙・普賢岳の噴火災害については、現在もなお二千名を超える方々が避難生活を強いられているところでありますが、砂防対策などを国の直轄事業として進めるほか、今後とも地元地方公共団体などと十分に連携をとりながら将来の防災地域づくりと地域の振興に向けて的確に取り組んでまいります。
第七に、建設産業、不動産業の振興であります。
建設産業は、国土建設の重要な担い手であり、若者が魅力を感じる活力ある産業として健全な発展を図るとともに、技術と経営にすぐれた企業の育成を図っていく必要があります。このため、第二次構造改善推進プログラムに基づき、雇用労働条件の改善と人材の確保、育成、生産性の向上、不良不適格業者の排除等の諸施策に具体的に取り組んでまいります。
とりわけ、建設工事の安全確保につきましては、これまでも、さまざまな対策を講じてきているところでありますが、去る二月一日、東京都江東区内の水道工事現場において四名のとうとい命が失われるという重大な事故が発生したことは、まことに残念なことであります。お亡くなりになられた方々に対しては衷心より御冥福をお祈り申し上げますとともに、改めて安全対策の徹底の必要性を痛感したところであります。直ちに同様な事故の未然防止のため緊急点検を行うよう指示をいたしましたが、さらに、工事発注における安全の配慮、建設業者の施工管理体制の充実などきめ細かな安全対策を一層強力に推進してまいります。
不動産業については、国民生活に密着した重要な産業として、その健全な発展を図るため、引き続き宅地建物取引業者の資質の向上と業務の適正化等を推進するとともに、新不動産業ビジョンに基づき、不動産流通市場の整備などの諸施策を推進してまいります。
また、公共用地の取得を円滑に進めるため、引き続き土地の先買い制度、特定公共用地等先行取得資金融資制度などを積極的に活用することにより、総合的な公共用地対策を推進してまいります。
さらに、建設事業の円滑な執行を図るため、省エネルギー化、施工現場の無人化、省人化や、建設副産物の発生抑制、再利用化などの技術開発を重点的に推進するとともに、新しい技術を直轄事業の中で積極的に活用してまいります。また、労働力、資材の需給動向などを的確に把握し、適正な積算、工期設定等に努めてまいります。
近年、国際社会における我が国の果たすべき役割がますます重要となっていく中で、建設省としても開発途上国への国際協力、国際機関や諸外国との国際交流の推進に積極的に取り組んでいるところでありますが、今後とも、経済技術協力や海外研修生の受け入れを一層推進していくとともに、地球環境問題や建設市場の国際化に的確に対応していくこととしております。
以上、私の所信を申し述べましたが、その推進に当たっては、所管行政の簡素化、効率化を図るとともに、綱紀の保持に努め、国民の信頼と期待にこたえる所存であります。
委員長を初め委員各位の御指導と御鞭撻を重ねてお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/5
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006・梶原敬義
○委員長(梶原敬義君) 次に、国土庁長官から国土行政の基本施策について所信を聴取いたします。井上国土庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/6
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007・井上孝
○国務大臣(井上孝君) 国土庁長官の井上孝でございます。
委員長を初め委員各位の御指導、御鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。
国土行政の基本方針及び当面の諸施策について、私の所信を申し上げます。
我が国は、第二次世界大戦後、国民のたゆまぬ努力により他の先進国に類を見ない高い経済成長を遂げ、その経済規模や一人当たり国民所得は世界有数のものとなりました。
しかしながら、このような我が国の経済的発展にもかかわらず、大都市を中心とした低い居住水準、交通の混雑等の問題や、高い物価水準、長い労働時間、住宅・社会資本望備のおくれ等国民生活に直結する諸問題を背景に、国民は真の豊かさ、ゆとりを享受していないのではないかとの認識が広まっております。また、我が国経済は、現在極めて厳しい状況にあります。こうした中で、一日も早く景気の回復を図るとともに、国民一人一人が真の豊かさとゆとりを実感できる生活大国の実現を図っていくことが強く望まれております。
このような状況を踏まえ、今後、生活大国の実現を図る上でますます重要な役割を果たすと考えられる国土政策を、一層総合的かつ強力に推進するために、私は次に述べる諸施策を積極的に推進してまいる所存であります。
第一は、第四次全国総合開発計画、いわゆる四全総の推進であります。
四全総の着実な実施により東京一極集中を是正し、多極分散型の均衡ある国土の発展を図っていくことが極めて重要であります。このため、多極分散型国土形成促進法に基づく振興拠点地域の開発整備、本社機能を持つ事務所の東京都区部からの分散、高速交通体系の整備等の諸施策の一層の推進を図ってまいります。
また、公共事業の一層効率的かつ整合的な執行を図るとともに地域振興プロジェクトなどの公共事業を積極的に推進するため、国土総合開発事業調整費の活用を図ることとしております。さらに、グローバリゼーションの一層の進展、出生率の低下等の経済社会情勢の変化を踏まえ、長期的視点からの国土政策の対応方向を明らかにするため、四全総の総合的点検を引き続き推進してまいる所存であります。
第二は、総合的な土地対策の推進であります。
土地対策は、生活大国の実現を図る上で重要な課題の一つであり、これまでも土地基本法にのっとり今後の総合的な土地政策の基本指針として平成三年一月に閣議決定した総合土地政策推進要綱に従い、各般の施策を総合的に実施してきたところであります。
最近の地価動向については、大都市圏においては顕著な下落を示しており、また、地方圏でも、下落または横ばいの傾向にあります。しかしながら、大都市圏の地価は、勤労者世帯が平均年収の五倍程度を目安に良質な住宅の取得が可能となるにはなお高い水準にあります。このような状況を踏まえ、二度と地価高騰を生じさせることのないよう、土地神話の打破、適正な地価水準の実現、適正かつ合理的な土地利用の確保等を図るため、引き続き総合土地政策推進要綱に従い、需給両面にわたる総合的な土地対策を着実に推進してまいります。
第三は、大都市圏整備の推進であります。
大都市圏における良好かつ安全な都市環境の整備と圏域全体の秩序ある発展を図るため、大都市圏整備計画等の実施の積極的な推進を図り、大都市地域の総合的居住環境の整備、低・未利用地等の有効・高度利用の促進、事務所、工業、大学等の適正配置を進めてまいります。
また、東京圏における多核多圏域型の地域構造を形成するための業務核都市の整備を進めるとともに、筑波研究学園都市の総合的な育成整備、関西文化学術研究都市の建設、琵琶湖総合開発事業
の計画的な実施、関西国際空港開運施設の整備等各圏域における主要プロジェクトを推進してまいる所存であります。
さらに、大阪湾ベイエリアの開発整備につきましては、前国会で成立しました大阪湾臨海地域開発整備法に基づき、関係省庁等と協力し、基本方針の策定等その推進を図ってまいります。
国の行政機関等の移転につきましては、平成三年十月の国の機関等移転推進連絡会議の申し合わせに基づき、その促進に努めるとともに、特に埼玉県大宮、与野、浦和地区への国の地方支分部局の集団的移転についてはその具体化を図るなど、今後も着実にその実施を図ってまいります。
また、首都機能の移転問題につきましては、前国会において国会等の移転に関する法律が成立したところであります。国土庁としては、今後、同法に基づく国会等移転調査会の早期発足及び調査会における調査審議の円滑な推進に努めてまいりたいと考えております。
第四は、地方振興の推進であります。
地方の積極的な振興により、人口の地方定住と多極分散型国土の形成を推進することは内政上の重要課題であり、生活大国への前進に重要な役割を果たします。
このため、各地域の個性を生かしつつ、都市と農山村が一体となった地方の積極的な振興を進めることとし、昨年制定されました地方拠点法の円滑な施行を初めとする各種の施策を推進してまいります。
また、人口減少、高齢化の進展等により農林地の保全、地域社会の維持が困難となっている中山間地域を中心として、地域の特性に即した農林業等の事業の振興及び豊かで住みよい農山村の育成を図ってまいります。
さらに、各地方開発促進計画に基づく振興施策及び地方産業振興のための各般の施策を推進するとともに、総合保養地域につきましては、地域振興への寄与、自然環境の保全の徹底等を図り、地域の特色豊かな国民に真に望まれるリゾートの整備を進めてまいります。
自然的、社会的に厳しい状況にある過疎地域、半島、山村等につきましては、各般の振興施策を推進し、特に、豪雪地帯及び離島につきましては、昨年の法律改正を受けました新たな振興対策を積極的に実施してまいります。また、奄美群島及び小笠原諸島に関する特別措置法が平成五年度末に期限を迎えるに当たり、今後の両地域の振興開発方策について検討を進めるとともに、各般の振興対策を推進してまいります。
第五は、災害対策の推進であります。
災害から国土を保全し、国民の生命と財産を守ることは、国の重要な責務であります。
このため、関係省庁との緊密な連携のもとに、各般にわたる災害対策を総合的かつ計画的に実施し、災害に強い国土づくりに努力してまいる所存であります。
このうち震災対策につきましては、東海地震対策を引き続き推進するほか、南関東地域直下の地震対策に関する大綱の推進など震災対策の一層の充実に努めてまいります。また、火山対策や土砂災害対策等についても、総合的な対策を推進するとともに、防災無線網の充実強化、防災情報の有効活用、防災訓練等を通じた国民の防災意識の高揚等に努めてまいることとしております。
この中で、雲仙岳噴火災害につきましては、二十一分野にわたる被災者等救済対策を強力に推進し、地元地方公共団体とともに地域の再建、復興を進めてまいります。また、釧路沖地震につきましても、関係省庁一丸となって、災害発生後直ちに現地調査を実施し、応急対策及び被災地の早期復旧等に全力を挙げております。能登半島沖地震につきましても、適切に対応してまいります。
第六は、総合的な水資源対策の推進であります。
水需給の安定を図るため、全国総合水資源計画及び各水資源開発基本計画に沿い、水源地域対策の充実を図りつつ積極的に水資源開発を推進してまいります。また、国民の水資源に対する意識の高揚を図るとともに、地下水利用の適正化、雑用水利用の促進などの水資源の有効利用及び水資源の保全に努めてまいります。
最後に、国際協力の推進であります。
我が国が国際社会に貢献していくためには、国土庁といたしましても所管の行政分野で積極的な国際協力を実施していく必要があります。このため、国連が定めた一九九〇年から始まる国際防災の十年について、明年に日本で開催される世界会議を初めとして、六十年の活動に積極的に取り組んでいくとともに、居住や防災分野での開発途上国に対する支援などを推進することとしております。
以上、国土行政に関する所信を申し述べましたが、これらの施策の強力な推進に全力を挙げて取り組んでまいりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/7
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008・梶原敬義
○委員長(梶原敬義君) 次に、北海道開発庁長官から北海道総合開発の基本施策について所信を聴取いたします。北北海道開発庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/8
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009・北修二
○国務大臣(北修二君) このたび北海道開発庁長官を拝命いたしました北修二でございます。
委員長を初め委員各位の御指導と御鞭撻をお願い申し上げます。
北海道開発行政の基本方針及び当面の諸施策について、私の所信を申し述べます。
北海道は、その豊かな国土資源を活用して我が国の長期的発展に貢献することが強く期待される地域であります。すなわち、新千歳空港、高規格幹線道路網の整備の本格化などにより、新たな発展を支える基盤も着々と整備されつつあり、我が国が二十一世紀に向けて地球社会と共存する生活大国を実現し、国土の均衡ある発展を図る上で重要な役割を果たすことが期待されております。
一方、北海道を取り巻く情勢には、農産物の輸入自由化、北洋漁業の縮減、炭鉱の閉山など厳しいものがあります。このような困難な課題を克服し、地域の活性化を図るためにも、北海道内外にわたる交流基盤や生活環境の整備と産業の振興開発を一層積極的に推進していかなければなりません。
平成五年度は、第五期北海道総合開発計画の後半のスタートを切る時期に当たり、計画の主要施策の積極的推進を図るため、対前年度比四百十四億円増の九千十三億円の北海道開発予算を確保しました。
また、平成四年度において、総合経済対策の一環として、大型の補正予算が計上されましたが、これとあわせて切れ目のない公共事業の施行を図ることにより、北海道経済の安定的な成長と雇用の確保に大きく寄与できるものと考えております。
以下、各事業の主要施策について申し上げます。
まず、国土保全と水資源開発につきましては、千歳川放水路事業、牛朱別川分水路事業及び火山噴火対策として火山砂防事業等を重点的に実施し、安全な国土の形成に努めでまいります。また、治水対策とあわせて、水需要の増大に対処するため、多目的ダム等の建設を促進することとしており、新たにサンルダムの建設に着手いたします。さらに、潤いのある水辺空間の創出を目指し河川及びダム湖周辺の整備を行うとともに、都市化が進んでいる流域における総合治水対策にも力を入れてまいります。
次に、道路整備につきましては、道内各地域の均衡ある発展に寄与するため、特に基軸となる高規格幹線道路の整備を進めることとし、国道、地方道に至る道路網の体系的かつ総合的な整備を促進します。また、交通安全施設等の整備及び防災、震災対策事業を重点的に進めるほか、都市機能の向上と都市環境の改善を図るため、都市周辺のバイパス、連続立体交差、街路及び土地区画整理の各事業を促進することとしております。
生活環境の整備につきましては、下水道、都市公園及び公営住宅の整備を促進するとともに、快適な冬の生活環境づくりを目指し、「ふゆトピア」
事業を積極的に推進してまいります。
港湾整備につきましては、増加する取扱貨物と船舶の大型化に対応した大水深岸壁の整備を進めるとともに、離島の港湾等、地域の生活基盤としての港湾整備を重点的に進めることとしております。また、空港整備といたしましては、国内、海外との交流の拡大に対応するため、新千歳空港の整備や関連するプロジェクトを推進するほか、道内地方空港の滑走路延長等の整備を計画的に進めてまいります。
さらに、農産物の輸入自由化等、農業をめぐる諸情勢にかんがみ、より一層の低コスト、高品質を目指した高生産性農業の展開を図り、我が国の食料供給基地としての役割を果たしていくとともに、農山村地域の活性化を図るため、農業、農村の整備を促進することとしております。
また、二百海里体制の定着に対応して資源管理型漁業の振興を図るため、漁港及び沿岸漁場の整備を積極的に推進することとしております。
これらの基盤整備の推進とあわせて、北海道の産業の振興開発を促進するため、北海道東北開発公庫の出融資枠の拡大等を図るとともに、その活用に努めてまいります。
このほか、北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定を図るため、北方特別措置法に基づき、所要の施策を積極的に推進し、北方領土問題等の解決の促進に資するよう努力してまいります。
なお、本年一月十五日に発生した平成五年釧路沖地震災害に関しては、港湾、道路、河川等に被害が発生している状況にかんがみ、関係機関との緊密な連携のもと、今後とも復旧に万全を期してまいる所存であります。
以上、北海道開発行政に関し、所信の一端を申し述べましたが、今後とも力強い北海道の形成を目指して、北海道総合開発の推進に全力を傾注して取り組んでまいる所存であります。委員長を初め委員各位の一層の御理解と御協力を重ねてお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/9
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010・梶原敬義
○委員長(梶原敬義君) 以上で所信の聴取は終わりました。
次に、東建設政務次官、杉浦国土政務次官及び北村北海道開発政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。東建設政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/10
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011・東力
○政府委員(東力君) 建設政務次官を拝命いたしました東力でございます。よろしくお願い申し上げます。
中村建設大臣のもとで誠心誠意建設行政の推進のための努力を重ねていく所存でございますので、委員長を初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/11
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012・梶原敬義
○委員長(梶原敬義君) 杉浦国土政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/12
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013・杉浦正健
○政府委員(杉浦正健君) このたび国土政務次官を拝命いたしました杉浦正健でございます。
もとより微力ではございますが、井上国土庁長官を補佐し、その御指導をいただきながら生活大国の実現に大きな役割を果たしてまいります国土行政の推進のため全力を尽くして努力してまいる決意でございます。
委員長を初め委員各位の御指導、御協力を心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/13
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014・梶原敬義
○委員長(梶原敬義君) 北村北海道開発政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/14
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015・北村直人
○政府委員(北村直人君) このたび北海道開発政務次官を拝命いたしました北村直人でございます。
北長官のもとで北海道開発行政振興のため全力を尽くす覚悟でございます。
委員長を初め委員各位の皆様の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/112614149X00119930218/15
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016・梶原敬義
○委員長(梶原敬義君) 本日はこれにて散会いたします。
午後零時四十五分散会
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