1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年二月十三日(火曜日)
午前十時四十二分開会
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委員の異動
本日委員永岡光治君辞任につき、その
補欠として森中守義君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 安部 清美君
理事
寺尾 豊君
野上 元君
委員
植竹 春彦君
白井 勇君
新谷寅三郎君
鈴木 恭一君
最上 英子君
谷村 貞治君
鈴木 強君
久保 等君
奥 むめお君
国務大臣
郵 政 大 臣 迫水 久常君
政府委員
郵政政務次官 大高 康君
郵政大臣官房長 金沢 平蔵君
郵政省貯金局長 荒巻伊勢雄君
郵政省電波監理
局長 西崎 太郎君
説明員
郵政省電気通信
監理官 松田 英一君
日本電信電話公
社総裁 大橋 八郎君
日本電信電話公
社副総裁 横田 信夫君
日本電信電話公
社総務理事 米沢 滋君
日本電信電話公
社総務理事 秋草 篤二君
日本電信電話公
社職員局長 本多 元吉君
日本電信電話公
社計画局長 伊藤 誠君
日本電信電話公
社施設局長 平山 温君
日本電信電話公
社経理局長 井田 勝造君
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本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠互選の件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並
びに電波に関する調査
(郵政一般及び日本電信電話公社の
事業計画ならびに予算に関する件)
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001・安部清美
○委員長(安部清美君) ただいまから開会いたします。
理事の辞任に関する件を議題といたします。
鈴木恭一君から、都合により理事を辞任いたしたい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/1
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002・安部清美
○委員長(安部清美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
つきましては、直ちにその補欠互選を行ないと存じます。
互選の方法は、成規の手続を省略して、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/2
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003・安部清美
○委員長(安部清美君) 御異議ないと認めます。
それでは私より理事に寺尾登君を指名いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/3
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004・安部清美
○委員長(安部清美君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
質疑の通告がございますので、これを許します。野上元君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/4
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005・野上元
○野上元君 電波関係の問題について二、三引き続いて質問したいのですが、あまり時間が、あなたのほうの都合で、ないようですから、できるだけ要領よく質問したいと思います。
まず第一にカラーテレビの問題なんですがね。これはカラーテレビを実施するときに、この委員会では非常に慎重論を唱えてやってきたのですが、あなたのほうでこれを免許された。そうして本放送を実施されたのですが、その後、やはり依然として、見ていると伸びがほとんどないように、むしろ逆に縮小していくんじゃないかというような傾向にあるんだが、その点について、郵政当局としては、免許された手前、何か具体的な、かつ積極的な手を打っておられるかどうか、その点をお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/5
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006・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) カラーテレビのその後の普及状況、これは必ずしもわれわれが当初予定しておったよりも順調ではないようでありまして、まあ現在、その最終需要者の手に渡っているものは三、四千台見当ではないか、こういうふうに見ております。御承知のように現在東京と大阪でカラー放送を実施しているわけでありますが、これの普及策ということにつきましては、結局せんじ詰めますと、放送時間をできるだけ増加させる。それから受像機の値段をなるべく低廉にしていく。それからさらに、これは全国普及の問題に関連しまして、カラーのためのマイクロ中継線を改修する、まあこういったような施策を並行してやっていかなければいけない、こういうふうに考えておりまして、そのうち、放送時間をふやすことにつきましては、NHKも総合番組の局、それから教育番組の局、通じまして、逐次増加さしておりますし、それから民放、特に現在NTVだけですが、これもだんだんふやしていく。それと並行しまして受像機の値段の点でありますが、これを低廉にするということにつきましては、もちろんメーカー側の協力ということが最も重要な点だと思いますが、それと同時に、物品税が現在は十七インチ以上は三〇%、白黒と同じ率が課せられているわけでありますが、これも今度物品税の税率が改正になりますと、白黒が従来十四インチ以下が二〇%であったのが、十九インチ以下が二〇%になる。それからそれ以上は今までどおり三〇%でありますが、そのうち、カラーに対しましては暫定的に半分にする、こういうふうな処置がとられるようになることと期待しているわけであります。そういったようなことによりまして物品税が安くなる。したがって、それに伴って当然受像機も安くなる。それからまた、従来カラー受像機は十七インチと二十一インチと、この二つであったのですが、最近われわれが日常白黒で見ております十四インチのカラーというものも開発されまして、これによりますと一台の小売価格が二十万円を割るというような状況になって参りましたので、おそらくこういったことをきっかけにして、ある程度従来以上、普及の速度が伸びていくのではないか、こういうふうに期待しているわけです。そのほか電電公社のマイクロ回線のカラー化につきましても、公社のほうで鋭意準備を進めているというふうに聞いておりますので、まあ長い目で見れば、この普及ということもだんだん緒についてくる、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/6
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007・野上元
○野上元君 いろんな施策を必要とすることは私も十分了解できるところなんですが、一時、受像機のメーカーにおける生産量は一カ月八百台ないし九百台くらいまで上がったことがあるんですね。ところが最近は二百台くらいに落ちておる。ところが、メーカーの在庫というものが約五千台くらいまだあるということになると、月産で割ってみますと、大体二十五カ月分くらいストックがあるというような今日の現状なんですね。そこで、もうメーカーとしてはこれを持っておってもしようがない。したがって、これをダンピングする以外ないというようなことで、最近新聞紙上で見たんですが、早川電機のごときは思い切ったダンピングをやるというようなことで、とにかく在庫をはいてしまう、こういう傾向が強いわけですね。そうすると、今までの受像機ではよく見えないというのが、これの伸びをはばんでおる私は一つの大きな原因だと思うんです。そういう安いものをどんどん出してみても、結局よく見えない、かえってカラーテレビに対する失望感を与えるんじゃないか、こういうことを考えるわけです。したがって、この点については、あなたのほうでは責任をもって免許されたんだから、これが普及できるように、すみやかにあらゆる処置を講ずることが責任ある態度じゃないか、こう実は私は考えるわけなんです。いつまでもこういう状態が続いていくということになると、これはやはり相当あなたのほうのかなえの軽重を問われる、こういうことになりかねないと思うので、ぜひ、その点についての指導できる部面は強い指導をしてもらいたい、こう考えるわけです。本日は、カラーテレビの問題について、なおたくさん問題があるんですが、時間がありませんからこの程度にとどめておきますが、十分にひとつ銘記しておいてもらいたいと思うんです。
それからその次の問題は、これも新聞紙上でちょっと見たんですが、日米合同委員会を通じて、ロランCを、伊豆大島ですか、に設備してもらいたい、こういう申し入れがあった、在日米軍に対してそういう要望があった、こういうことが新聞で伝えられておるんですが、これは郵政省に対して何か特別な申し入れがあったかどうか、お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/7
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008・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) ロランCを日本に建設したいという件につきましては、日米合同委員会、ここから周波数分科会のほうにその意向を照会してきております。それで周波数分科会のほうでは、もちろんこれは、どこへ設置する、また設置を認めるという、そういう資格はありませんで、ただ、こういう条件が認められれば支障がないという旨の回答を合同委員会のほうに通知したという程度で、具体的にどういうふうに運んでおるかということにつきましては、われわれのほうとしては知悉しておりません。しかし、そういう話を合同委員会を通じて聞いてはおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/8
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009・野上元
○野上元君 ロランCというのは、日本語に直すと、長距離無線航法援助施設というんですか、こういうむずかしい名前のようなんですが、当然波を発するわけですね。その場合に、その波が、あなたのほうの関係の電波監理審議会ですか、これとの関係はどうなるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/9
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010・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) ロランCをかりに実施するとした場合に、これに使われる周波数というのは、九十キロサイクルから百十キロサイクル、この間が充当されるのが世界的な慣例になっておるわけで、したがいまして、日本でかりにこれを実施するとした場合には、そこの周波数を使うということになると思うのですが、現在の周波数帯におきましては、一部ほかの業務に使っております施設がありますので、ロランCを建設する場合には、現在そのバンドを使っておる無線局の周波数を変更する必要が起こってくると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/10
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011・野上元
○野上元君 で、その変更の必要が起こってくることは当然わかるのですが、それは向こうが、たとえば日米合同委員会が在日米海軍にロランCの使用を許可した場合には、日本は当然にそれに抵触するような波を変えなきゃならぬし、こういう義務を負うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/11
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012・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) 当然合同委員会のほうでそれを認めた場合には、その既設の無線局の電波を変更する、そのためのかわりの波を米軍のほうからさいてもらう、あるいはそれに必要な補償ですね、経済的な補償問題、こういったものも当然伴ってくるものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/12
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013・野上元
○野上元君 で、現在日本で、日本の気象庁が四十年間使ってきた、あれは九一・一五キロサイクルですか、これに当然影響すると思いますが、これも当然変えなきゃならぬようになるのですがね、そういうものに、日米合同委員会の決定は優先してくるのですか、その点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/13
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014・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) 合同委員会が、そのロランCの建設について許諾を与える場合には、当然そういった条件がつくものだと了解しております。ということは、結局かわりの波があったというような、そういう前提のもとにその許諾が与えられる、こういうふうに了解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/14
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015・野上元
○野上元君 そうすると、現在ロランAというのが使われていますね。これはやはりそういう手続を踏まれて行なわれたものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/15
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016・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) 実はロランAは占領中に施設されたものでありますから、そういうプロセスは踏んでいなかったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/16
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017・野上元
○野上元君 私の聞きたいのは、日米合同委員会が、こういう波を使うことによって、日本の各関係機関が使っておる波に重大な影響をもたらすような場合にも、日米合同委員会の決定が優先をして、日本はそれによって日本の波を訂正しなきゃならんというような行き方が正しいのかどうか。その点がちょっと疑問に思うし、かつまた、日米合同委員会が、こういうものを使うと言って郵政省に対して何か申し入れがあり、かつまた郵政省からは、日米合同委員会に意見を出して協議するというようなことが全然行なわれないというのは、何か私たちには了解できないような気持なんだが、その点は郵政省としてはどういうふうに考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/17
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018・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) 先ほどちょっと言葉が足りなかったと思いますが、日米合同委員会から、その下部機構である周波数分科会、これは実は電波監理局長としての私がその周波数分科会の日本側の議長といいますか、チェアマンをやっておるわけでありまして、合同委員会のほうから周波数分科会のほうに、外務省を通して照会がきたわけであります。それに対しまして、こういう条件が満たされれば可能だという回答をしてあるわけであります。その条件というのは、先ほど申し上げましたように、かわりの波が、いわゆる代波ですが、代波の提供が可能である、それからさらにそれに伴う財政的な補償ですね、そういったものの提供が可能であるならば、周波数分科会としては異存はない、こういう回答をしてあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/18
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019・野上元
○野上元君 その点が私にもわからないのだが、代波といっても——かわりの波ですね、それは米軍の海軍が持っておるやつをさいてもらう、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/19
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020・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) ええ、そういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/20
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021・野上元
○野上元君 そうすると、日本の郵政省としては、気象庁が使っておる九一・一五キロサイクルもロランAを許可するというような場合には、当然変えなければならぬのだが、それは変えてもやむを得ない、こう考えておられるのですか、代波があれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/21
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022・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) その点につきましては、まだ公式な話し合いはいたしておりませんけれども、当事者間の話し合いはやっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/22
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023・野上元
○野上元君 それで、私はあなたの意見を聞ているのだが、郵政省としての意見を聞いておるのだが、このロランAを許すことによって気象庁が四十年間使っておった波を変えることもやむを得ない、こういうふうに考えておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/23
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024・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) 九十から百十キロサイクルという周波数帯は、これは国際的な電波割当では航行援助業務、いわゆる電波航法施設、今御指摘になったロラン関係もこれに属しておるわけであります。こういった業務に充当するということになっておるわけでありまして、早晩、ただいま御指摘の気象庁が使っておる周波数は、そのほかの本来のその業務に割り当てられておる周波数帯に変更しなければならない、こういうことになっておるわけであります。したがって、その時期の問題と、こういうふうに了解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/24
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025・野上元
○野上元君 その法的根拠は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/25
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026・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) これは、岡波数を割り当てますときには、国際的にきめられました各業務別の周波数帯というのがあります。その周波数帯の中の周波数を選ばなければいけないということになっておるわけでありまして、これは国内的にはやはり電波法に基づきまして周波数の国内的な割当原則というものができておりまして、それによっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/26
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027・野上元
○野上元君 それでは、時間がないようですから、この問題もまた後ほどゆっくり御質問することにして、本日はこれくらいにしておきますが、もう一つは、今月七日の新聞に、アメリカにおいて通信衛星会社の設立のための法律をケネディ大統領が議会に提出したようでありますが、これが日本の電波界に及ぼす影響というようなものについてお聞きしたいのですが、本日はまだそういう事実が発表されて間がありませんから、詳しいことはお聞きしたいとも思いませんが、何かその資料があればぜひ提出してもらいたいと思うんです。通信衛星というものは一体どういうものか、そうして日本がかりにオリンピックの国際通信を出す場合に、NHKとしてはやっぱり通信衛星のようなものを打ち上げて、そこから世界に直接に送りたいというような意向も漏らしたことがあるんですが、そういうものとの関係はどうなるのか、あるいはまた、そのアメリカが打ち上げた通信衛星を利用する場合に、どれくらいの金がかかるのか、そういう点がいろいろあろうかと思うんですが、そういう点について後ほど何か参考になるような資料があれば、ぜひ提出してもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/27
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028・西崎太郎
○政府委員(西崎太郎君) 通信衛星の問題は、日本の国際通信という面からいいましても非常に重要度の高いものである、こういうふうに思っておりまして、われわれもこの点につきましては外国におくれないように鋭意これに対する準備を進めなければならないと思いますし、また、できるだけのことはやっておるわけでありまして、今お求めの資料につきましても、できるだけ最新のものを集めましてこの委員会に提出させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/28
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029・野上元
○野上元君 以上で電波関係の問題は一応本日のところはこれくらいにしておきます。
次は、貯金の点についてちょっと質問したいわけです。今回、貯金法の一部を改正して、最高限を五十万円に引き上げるという法案が提出されたわけですが、その最高限度の問題を聞く前に、貯金の経営状態について若干御質問を申し上げたいと思うんですが、今日資金コストはどれぐらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/29
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030・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 三十六年度、現年度でございまするが、郵便貯金の資金コストといたしましては——現年度はただいま進行中でございますので、三十五年度の実数をもって御説明申し上げまするが、利子率は四分六厘一毛、経費率といたしまして二分一毛でございまして、合わせますと六分六厘二毛程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/30
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031・野上元
○野上元君 急激に低くなったように思うんですが、何か特別の施策は講じられたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/31
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032・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 三十五年度までにおきましては、御承知でございますが、逆ざやでございます。経費率の内容を見ますると、貯金の利率は総体として長期預金がふえておりますので上がって参っておりまするけれども、事務経費のほうにおきましては機械化の経費だとか、あるいは予算の増に比較してむしろ貯金の伸びのパーセンテージが高いというようなことをもちまして、漸次下がって参っておるわけでございます。急激に下がったというふうには私ども考えていないのでございまするけれども、漸減の傾向にあるというふうに申し上げることができると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/32
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033・野上元
○野上元君 ただいまの資金コストは、三十五年度末における……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/33
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034・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/34
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035・野上元
○野上元君 三十五年度の資金コストを言われたわけなんですが、そうすると、三十六年度においてはさらに資金コストは下がっておる、こう考えてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/35
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036・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/36
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037・野上元
○野上元君 そうすると、三十六年度末においては、貯金事業の経営については、もう逆ざやというのは大体解消できると見てよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/37
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038・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 三十六年度におきましては、ベース・アップ等の関係もございまして、人件費の増加が十六億ほどございまするので、これが借入金という形になっておりまするので、決算上はまだはっきりは出て参りませんけれども、逆ざやでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/38
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039・野上元
○野上元君 三十五年度は一厘二毛の逆ざやですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/39
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040・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 収入のほうの、運用利回りのほうの御説明を申し上げてございませんので、正確に三十五年度の逆ざやの数字を申し上げますれば、運用利回りは六分五毛でございます。一方、経費のほうが、ただいま申しました数字の分計でございますから、それを差し引きますと七厘六毛の逆ざやということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/40
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041・野上元
○野上元君 先ほどあなたが言われたのは利子率が四分六厘一毛、その他が二分一毛と言われたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/41
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042・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/42
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043・野上元
○野上元君 それを合計すると六分六厘二毛になるわけですね。そうすると、逆ざやは五厘七毛ということになるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/43
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044・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 先ほど利子率につきまして四分六厘一毛と申しましたが、三十五年度のこの利子率の計算の仕方には、これは考えようでございまするが、三十四年度中の支払未済の利子というのがございまして、それを計算いたさないで計算いたしました結果、四分六厘一毛でございますが、それを加味いたしますと四分八毛になるわけでございます。この四分八毛と六分五厘との差額が一分七厘……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/44
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045・野上元
○野上元君 四分八厘ですね、それじゃ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/45
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046・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 四分八厘でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/46
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047・野上元
○野上元君 わかりました。そうすると、三十六年度はこの逆ざやを縮めていくという見通しは確実にありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/47
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048・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/48
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049・野上元
○野上元君 このベース・アップを勘定に入れても、その点ははっきり見通しができるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/49
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050・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/50
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051・野上元
○野上元君 次にお聞きしたいのですが、あなたのほうの法律案による資料に基づいてお尋ねしたいのですが、郵便貯金の内容がいわゆる構造が変わりつつあるということが言えると思うのですね。たとえば三十一年末においては通常貯金が四七・二%、積立貯金が八・五%、定額貯金が四四・三%、こういう構造になっておる。それが三十五年に参りますと通常貯金が四〇.八%、積立貯金が七・五%、定額貯金が五一・七%、こういうふうに構造が変わりつつある、こういうわけです。で、この構造の変化がもたらす経営上の影響といいますか、これは当然考えられると思うのですが、どういうふうにあなたのほうでは分析されておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/51
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052・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 長期性の貯金がふえて通常貯金の率が減るということでございますから、利率の、経費率の利率でございますが、これが年年上がって参っております。一方事務的経費は、先ほども御説明申し上げましたように漸減傾向にあるということで、この預金の内容の変化というものが利子の負担の増ということで経営上は計算されて参っております。それからこういう長期性の貯金がふえるということからは、経営的には非常に安定した資金が確保せられるわけでございまするから、長期の資金運用部への預托原資が確保できるということでございます。経営的にはむしろ安定する方向に向かう、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/52
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053・野上元
○野上元君 その点、私も今ちょっと感じておったのですが、経営上から見て通常貯金がふえるということは支払い利子は低くて済むけれども、しかし安定的な投資ができない、と同時に、人件費その他の諸経費がかさんでくるということは当然考えられるわけです。しかし逆に定額貯金がふえるということは、支払い利子は高くなりますが、諸経費のほうでは比較的少なくて済む。口数が比較的少ないですから、出し入れが少ないですから、そういう意味の諸経費は若干低くて済む。どちらが郵便貯金の経営にとって得なのかという問題について、これは簡単に結論が出ますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/53
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054・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 簡単に結論は、私のただいまの観点から申しますと、申し上げにくいのでございますけれども、長期性の預金を確保するということは、やはり経営の基本だろうと思います。したがいまして、事務経費、手当の増というものもございますけれども、あるいは利子の増というものもございまするけれども、貯金の一つの方向としては、私は好ましい方向であるというふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/54
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055・野上元
○野上元君 それはあなたの貯金思想からくるものですか、経営からくるものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/55
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056・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 両方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/56
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057・野上元
○野上元君 まあそのことは、これはもう計算すれば出ることだと思うのですがね、経営上の問題については。どちらが貯金事業の経営にとって有利であるか、あるいは不利であるかという点については、そう私はむずかしい問題ではないと思うのです。ただ、私がちょっと感じておるのは、将来やはりこの傾向がさらに強くなっていく。その構造の変化がさらに速度を増し、かつ量的にも増していくということになったときの貯金事業の経営は大丈夫かということが、若干心配になったということなんですが、その点は全然心配なく資金コストはますます下がってくる、こういうふうにあなたのほうでは計算が成り立つ、こう考えてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/57
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058・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 私はそういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/58
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059・野上元
○野上元君 さらに先般自民党の政調会は、会長の名前をもって、貯金の利子の引き上げについて言及されておりました。その理由は、申し上げるまでもなく、財政投融資の資金源を豊富にすることだ、こういうふうに言っておられるのだが、それについて大蔵当局としては反対である、こういう意思表示がなされた。郵政当局はどういう考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/59
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060・迫水久常
○国務大臣(迫水久常君) 金利というのは、やはり一体的に考えていかなきゃならぬと思いますので、郵政省が郵便貯金の見地から特別に上げたほうがいいという意見は、私は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/60
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061・野上元
○野上元君 そうすると、郵便貯金の利子の引き上げについては、今日のところ大蔵省の見解に賛成である、自民党の政調会の意見には反対である、こういう御意思ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/61
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062・迫水久常
○国務大臣(迫水久常君) 率直に言って、政調会の意見にも大蔵省の意見にも、どちらに賛成であるということを言うべき時期にまだきてないということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/62
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063・野上元
○野上元君 それじゃ、あまりにも消極的過ぎると思うのですが、あなたのほうの所管の問題について、他のほうは上げるべきである。この際貯金の利子は低きに過ぎるから上げるべきである。そして財政投融資の資金源を豊富にすべきであるという一つの見解が表明され、大蔵省はそれはちょっとまずいのだ、こういう意思を表明されておる。郵政当局としては意見なしというのはちょっとおかしいじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/63
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064・迫水久常
○国務大臣(迫水久常君) 郵便貯金をよけいに集めるというためには、金利を上げるということのほうがいいということはわかるのですけれども、それが郵便貯金だけ金利を上げて、ほかのほうの金利が上がらなければ、これは郵便貯金に金が集まってくることは事実です。そうかといって、そういうことはできないので、銀行預金の利子も当然そうなれば上がってくるでありましょうし、そうなった場合には、預金金利全体の引きあげということが、現在の日本の金融情勢についてどういう影響を及ぼしてくるかということを考えなければならない立場でありまして、そういう趣旨でございますので、私は、今金利を上げるべきかどうかということは、日本の預金金利一般について、郵便貯金ばかりでなしに、預金金利一般について議論をすべき段階だと思いますので、郵政省としては今どちらがいいということの見解を表明する時期ではない、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/64
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065・野上元
○野上元君 大臣の御理解によると、現在における全般的な金利の水準は正しい、こういう認識の上に立って発言されたと考えられるのですが、そういうふうに理解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/65
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066・迫水久常
○国務大臣(迫水久常君) 言葉が非常にむずかしくて、正しいというような言葉がどういう趣旨でおっしゃるのか——現状が一つあるわけです。現在の預金金利の現状というものはあるわけですが、この預金金利の現状を変更することがいいかどうかということについては、現在のところ、私としては意見を表明すべき段階でない、そういうことですから、結局現在の段階においては現状維持でいいんじゃないか、こういうふうに考えておると、結果的にはそうなるわけですけれども、正しいという、積極的にそれを支持しておるというのとはやや違う、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/66
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067・野上元
○野上元君 この資料十七ぺ−ジの第5表に「郵便貯金および銀行預金等の現行利率の比較」が出ておりますが、通常貯金においては、郵便貯金の利率のほうがよろしい、しかし定額貯金等になって考えますと銀行のほうがよろしい、こういうふうに大体見られるんですが、そういう見解でよろしいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/67
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068・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 貯金の内容が郵便貯金と少しく違っている一面もありますけれども、通常貯金のような、出し入れの自由な貯金については、郵便貯金が有利である、また非常に短い期間の据置預金については税を含めた割合からみまして、銀行のほうが有利になっておりますけれども、さらに長期の定額貯金等になりますれば、郵便貯金のほうがむしろ有利であるというような、それぞれの利点と及ばないところが重なり合っているような感じがいたすわけでございますけれども、必ずしも郵便貯金が悪くはないというふうに私は申し上げられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/68
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069・野上元
○野上元君 必ずしも郵便貯金が低きに失しておらない、こういう表現なんですが、私の考えるのは、一般の銀行貯金に集められた金と、郵便貯金で集められた金とは、性格がおのずから違うと思うんですね。郵便貯金は御承知のように、三十七年度においては、大体千五百億くらいの目標がきめられるわけです。そしてそれをしゃにむに集めなければならぬというのは、国家の財政投融資の計画上に基づいてなされておる、こういう一つの条件があるわけですね。それを満たさないということになると、非常にむずかしい問題が起きてくるのが毎年の例なんですが、そういうことを考えると、若干一般銀行預金より郵便貯金のほうが高くあるべきではないか、こういう理屈も一つ成り立つんじゃないかというように考えるんですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/69
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070・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 私どもまことにお説同感でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/70
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071・野上元
○野上元君 そうすると、現行の金利水準必ずしも積極的には支持できない、若干訂正してもらいたいところも気持はあるんだ、こういうふうなことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/71
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072・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 率直に申し上げまして、なお郵便貯金の金利に直すべき点が残っておる点は、私も申し上げられると思うのでございますけれども、金利そのものが全体の体系ということで検討されるものでございますので、どの点が急に悪いということを申しましても、金利の修正というようなことにつきましては、なかなかやりにくいというのが今までの過去の例でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/72
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073・野上元
○野上元君 そこで締めくくりなんですが、現状の条件のままで、貯金事業が独立的に経営できるためには、現在高がどれくらいあったらいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/73
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074・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 経費が年々ふえて参ります。つまり具体的に申し上げますれば、郵便貯金特別会計の九〇%がいわゆる人件費でございますが、これは郵政特別会計へ繰り入れる金のことの御説明でございますが、残りの一〇%が純粋な事務経費、それ以外は預金金利の利子であると、こういうことになりますので、やはり人件費の今後の増加というものがどういうことになるかということは、経営上は非常に重要な内容になるわけでございます。そこで三十七年度の見通しといたしましては、千五百五十億を確保するということで、現在の金利のもとに経営されることになります場合におきましては黒である、すなわち千五百五十億を確保できれば、三十七年度におきましては黒である。今後におきましては、今後経費の人件費の増というものによって、したがって貯金の増加ということもそれにあわせて相当増額を要する、こういうふうに考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/74
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075・野上元
○野上元君 今日の残高は、大臣の説明資料の中にもありますが、約一兆三千億、こうなっておるわけですね。それに三十七年度千五百五十億を加えると、一兆四千五百五十億円になります。今日の状態のままで推移して、ただ昇給等の問題は含めても、今日の状態のままでいくならば、三十七年度においては経営はとんとんである、こういう目標のもとに千五百五十億円というものが設定されておる、こう考えてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/75
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076・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/76
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077・野上元
○野上元君 私がしつこくこのことを聞くのは、御承知のように三十六年において従来の貯金の経営は根本的に変わったのですね。完全な独立企業になったわけです、経営的に見ると。大蔵省の資金運用部資金に預託する利率は六分五厘、この以内でやっていかなければならぬ、こういうことになるわけですが、それが毎年赤字が続くということは、従来は、補てんしてもらっておったのだが、今度はそれができない、その赤字はどこかで埋めなければならぬということになると、ほかの会計から持ってきて現実にはこれを補てんしなければならぬ。ということになれば、結局郵便特別会計のほうからこれを穴埋めしなければならぬということになると、せっかく郵便が五カ年計画を立てて機械化に踏み切ろう、合理化に踏み切ろううというときに、また大きな蹉跌を来たしてしまう、こういう心配があるので、私はしつこく聞いているわけなんです。少なくともそうなってしまったんですから、今さらこれをどうこう言ってもしょうがないから、あなた方としては、一日も早く一年でも早く独立会計が十分にやっていけるような措置を講じてもらいたいと思うのだが、三十七年度においては大体私が今言っているようなことが満足できるような状態になる、私はこう認識してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/77
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078・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/78
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079・野上元
○野上元君 それから若干技術的な問題を聞きたいのですが、最高制限額を引き上げたことと関連ですが、最近の傾向として小額貯金のふえる割合とそれから大額貯金のふえる割合とはどういう状態になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/79
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080・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 少し資料を検討いたしまして後刻お答えさしていただきたいと存じますけれども、定額貯金が非常に最近下半期以降におきまして伸びておりまするので、定額貯金は少なくとも千円以上の額が多いわけでありますから、いわゆる総体的な感じといたしましては、比較的まとまった預入が多くなって、通常貯金は、特殊の賞与期たとえば七月とか十二月とかいったようなそういう特殊なときには大額の通常貯金の預入がございますけれども、平素は比較的少ない預入であるというふうに一般的には申し上げられると思いますが、なおよく資料等を検討しましてお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/80
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081・野上元
○野上元君 質問が前後するかもしれませんが、定額貯金の中に百円、五百円、千円というようなのがありますが、千円以上ならば私もわかるのですが、百円、五百円を作ったというのはどういう意味があるのですか、あるいは、これは作らなければならぬのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/81
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082・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) やはり郵便貯金の性格といたしまして、なるべく少額の金でも預けられるようにしていきたいというのが第一でございまして、さらに七百円だとか、千三百円だとかといった端数と申しましょうか、そういうようなものを預けた場合におきまして、口数を、千三百円ならば十三口といったようなふうにいたしまして、なるべく皆さんの御要望にこたえられるような制度にしていきたいというので、こういう意味で百円以降にしておるわけでありまして、これも今回別にその点を直すという考えはございませんが、そういうような観点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/82
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083・野上元
○野上元君 そうすると、実際に百円の証書が発行されておる数というのはどのくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/83
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084・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 実数をもう少し調査いたしまして、答えさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/84
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085・野上元
○野上元君 私はこの百円というのが、今あなたが言われたような意味であるならば、やはり、これはなかなか廃止できないと思うのだが、単独で百円の定額貯金を買うというようなことは、おそらく今日の常識から見て判断できないのですよ。五百円でも、私はちょっと最近の状況で五百円の定額貯金を持っておるというようなことは考えられないと思うのだが、その点は調べるときに、単独の百円のものがどれくらいあるのか、五百円のものがどのくらいあるのか、あるいはまた端数整理のための百円の証書がどれぐらい発行されておるのかというようなことは、わかったらあとで教えてもらいたいと思うのです。それで、百円の証書の、未使用証書の在庫というのは、ほかの金額の証書と同じだけのものを作ってあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/85
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086・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 未使用と申しますか、いつでも使えるように印刷いたしまして、用意しておるわけでございます。計数的に見まして、やはり預金率の高い証書をたくさん作るわけでございますが、百円の場合でありますれば、先ほど申しました五百円と千円の中間のような場合の預入希望も相当あるわけでありますから、そのときにはたとえば七百円の場合でございますが、五百円の証書一枚と百円証書二枚を作るよりも、百円の証書七口というふうにして一枚の証書で百円の証書を使うというようなことができるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/86
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087・野上元
○野上元君 その点はこまかい数字ですから、後ほどまた検討いただければいいと思いますから、あとに譲りまが——。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/87
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088・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) ただいまの私のお答えで少し誤っておりました点がございますから直さしていただきます。定額小為替の場合を私観念しておりまして、証書のもともとの印刷を申し上げたのでありますが、定額貯金におきましては、金額器でそれを刻印するわけでありますので、あらかじめ百円の証書を作るというわけではございません。定額小為替の場合と私混同しておりましたので、失礼いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/88
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089・野上元
○野上元君 そうすると、定額貯金の証書の未使用のものは、金額は全然入っていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/89
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090・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) そのとおりでございます発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/90
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091・野上元
○野上元君 この資料によりますと、口座数と通帳数または証書数というものとは非常に大きな開きがあるわけですね。ということは、一口座にたくさんの通帳がある、あなたはまた証書がある、こういうことになろうかと思うのですが、大体平均してどれくらい一口座に通帳があるのですか、あるいは証書があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/91
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092・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 定額貯金の場合におきましては、先ほど申しましたように、合併預入が非常に多いわけでございますので、一人の人が五口も十口も入るということがございます。で、証書が一枚でございます。通常貯金の場合は、現在、ここにお示し申し上げましたように、一億一千万口座もございますけれども、まあ大体その三分の一——二千九百万口座程度が現実に生きているというわけでございますから、国民全世帯がただいま二千万世帯としまして、大体平均一世帯一ないし二の通帳はあるかもしれない、というようなことが申し上げられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/92
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093・野上元
○野上元君 いや、私の聞いているのは、もっと口座の数と通帳の数が違うだろうというのです。だからここでは、資料に出ているのは千百万口座ですね、通常貯金は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/93
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094・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 一億一千万……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/94
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095・野上元
○野上元君 一億一千万口座ですね。そうすると、通帳の発行数はどれくらいですか、通常貯金の通帳発行数というのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/95
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096・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 通帳の発行数が一億一千万あるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/96
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097・野上元
○野上元君 そうすると、一人で三つも四つも持っているやつは全部一口座に数えるのではなくて、その通帳一つ一つが一口座になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/97
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098・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/98
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099・野上元
○野上元君 そうすると、口座と通帳あるいは証書の数とは同じものである、こう認識してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/99
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100・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/100
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101・野上元
○野上元君 それから十三ページに「戦災未復旧貯金、外地貯金、すい眠貯金等現在活動していない貯金」が相当あるように書いてありますが、これはどれくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/101
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102・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 睡眠口座の貯金は、通常貯金におきまして大体八千万口座ございます。金額にいたしまして三百九十三億円でございます。それから旧外地あるいは戦災貯金といったような、相当古い貯金を見ますと、約四千万口座ございます。それ以外に、積立貯金あるいは満期になりました定額貯金で十年以上経過いたしておりまする定額貯金の場合も、通常貯金として法規上扱いますので、これらの口座も四百万口座ほどございます。口座数としては大体そのようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/102
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103・野上元
○野上元君 今言われた睡眠貯金の口座に例をとってみますと、先ほど申し上げました通常貯金の一億一千万口座の中に含まれているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/103
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104・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 含まれているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/104
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105・野上元
○野上元君 そうすると、睡眠口座は八千万、それから戦災未復旧貯金及び外地貯金というのが四千万、両方合わせると一億二千万になるのだが、この数と合わぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/105
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106・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 端数を整理して御説明申し上げましたので、御疑問の点が出るわけでございますが、こまかくは資料等を御提出申し上げまして、よく数字的に御納得のいくように御説明申し上げたいと思いますが、ともかく一億一千万口座のうち、八千万口座、その八千万口座が睡眠しておりますが、八千万口座のうち、戦災未復旧が四千万口座でございますね。それから満期等になりました通常貯金としての処理をされておりますものが四一万口座、それから一般の、ほんとうに眠っておりまする通常貯金が三千四百万口座、おおむね合計いたしますると八千万口座というふうに睡眠口座が出ているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/106
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107・野上元
○野上元君 そうすると、郵便貯金の事業を経営しているのはこの通常貯金で、いわば、わずか三千万口座くらいを相手にして貯金の事業を経営している、こういうことが言えるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/107
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108・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 通常貯金につきましてはそのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/108
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109・野上元
○野上元君 この場合の睡眠というのはどの程度をもって睡眠というのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/109
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110・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 通常貯金につきましては毎年決算をいたしますが、前年度の四月以降におきまして、前年度の期間におきまして口座整理をしておりますとき、二年程度預払いだとか、利子記入だとか、いろんな口座所管庁への要求その他の事項がございませんで、そのままになっておりまする口座を整理いたします。これを別整理いたしまして一括いたします。すなわち、こういうことによりまして生きておりまする貯金の出し入れの原簿の取り扱いを非常に簡素化するということになりますので、別整理いたしまして、そして次の年度に入りまして、個々の貯金の中からそういう取り扱いの要請がございましたときは、その中から出しまして活動口座へまた戻す、こういう扱いをして、二段に分けてやっているわけでございます。したがいまして、中にはまだ二年程度の扱いが停止しているというものもありますし、ほんとうにもう忘れているというものも、さまざまなものがあるわけでございますが、比較的短い眠りの期間のものを、当方といたしましては、いろいろな方法によりまして睡眠を呼び起こすようにやるわけでございますけれども、比較的早く呼び起こせば起こすほど睡眠からさめて、もとの口座に戻る率が多いわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/110
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111・野上元
○野上元君 私が心配するのは、貯金事業が独立会計になって、まあ一つの企業経営になったわけなんだが、八千万の口座が眠ってしまっている。しかし、これは原簿として原簿所管庁で持っておらなければならぬということになると、全国に二十何カ所の原簿所管庁がありますが、その倉庫には、ほとんど睡眠貯金の原簿が埋まっている、こういうことになるわけですね。この点は非常に私は経営上から見て心配なんです。こういうことは銀行でもあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/111
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112・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 同様にあると聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/112
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113・野上元
○野上元君 この睡眠貯金の処置というものは、現状を改善する方法というのはないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/113
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114・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 事務的にはなるべく早く整理したいのでございますけれども、何分にも国民から預かった財産でございますし、努めてこの原簿の復活利用ということを勧奨するわけでございますが、中には十年以上、時効になりましてこれを処理しなければならない、どうしても、どんな手を打ってももうその口座は生きてこないというものが年々あるわけでございまして、さような一般的な方法によって処理する以外ないわけでございますが、郵政省としては、この睡眠口座は実はたいへん悩みの種でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/114
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115・野上元
○野上元君 まあここでそのものずばりで回答を求めようとは思いませんが、一つ研究課題にしておいてもらいたいと思うのは、原簿所管庁の倉庫は無料ではできないわけですよね。その倉庫の中に、ほとんど睡眠貯金が保管されておるというようなことは、企業経営から見ればまことにどうも好ましいことではないと、かように考えるわけです。しかし郵便貯金の性格もありますから、この点は十分にひとつ御検討願っておきたいと思うんです。
それからこれも資料の十六ページにありますが、郵便貯金の制限額と国民経済の変動との比較が出ておるわけです。これを見ますと、今回五十万に引き上げても、昭和九年ないし十一年の平均を一とすれば、二百五十倍にしかならない。ほかの指数はみんな五〇〇以上、ひどいのは九〇〇近くまでいっておる。こういう状態なんですが、この際、五十万円であなたのほうでがまんしたというのは何か理由があるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/115
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116・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 郵貯の限度の引き上げの問題は、無税ということもございまして、いろいろの付帯的に制約される条件があるわけでありますが、物価指数あるいは国民所得等から見ますれば、確かに五十万円でも倍率から見ますれば低いわけでございます。一方、一人当たりの平均の通常貯金の預入の割合を見ましても、昭和九年当時の一人当たりの預入は四十五円でございました。現在は一万六千円程度の預入になっておりますから、その比率を見ますれば——別な言葉で申し上げますれば、当時の一人当たり四十五円の預入率を物価指数で平均いたしますれば、大体七十万円程度に上げなければならないというふうに私ども考えるわけでございますけれども、現実の一人当たりの預入率が一万六千円程度でございますので、その倍率を比較してみますれば、ちょうど五十七万円ぐらいに換算されるわけでございまして、それやこれや考えまして、五十万というラウンドに一応結論づけたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/116
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117・野上元
○野上元君 これは大臣に聞きたいのですがね。かりに税法がないとして、郵便貯金の最高限を百万円に引き上げるということになれば、一般の銀行との関係で、非常にむずかしいという状態になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/117
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118・迫水久常
○国務大臣(迫水久常君) かりに税法との関係がなしでというところがむずかしいところなんで、要するに税法の関係がなしに、無税でありますから、他の銀行との競争関係が出てくるので、それで、他の銀行と、金融機関が抵抗をするということでむずかしいところが出てくるわけですから、まあ無税であるという特権を放棄してしまえば、これはもう制限額を幾らにしても、ちっとも差しつかえないわけですけれども、無税であるという特権は、これはぜひ維持したいと考えますので、そこのところの間をうまく縫っていこうと、こういう考え方です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/118
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119・野上元
○野上元君 わかりました。
もう一つ聞きたいのは、貯金法十一条ですか、貯金総額の減額措置というのがうたわれておりますが、これを実際に発動するということはしばしばあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/119
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120・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 法十一条に書いてあるとおりの形で動いておりませんのですけれども、現実問題として、はっきりと出ましたものにつきましては処置をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/120
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121・野上元
○野上元君 それは年間にどれくらいあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/121
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122・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 具体的な数字はちょっと御報告をあれさせていただきますが、そういう大きな計数はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/122
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123・野上元
○野上元君 それでは角度をかえて質問しますが、三十万円が最高であったときの、三十万円を預金しておった口座というのは、全国でどれくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/123
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124・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 通常貯金の例によりますと、これは抽出調査で、全体的な数としての御説明ではないのでございますけれども、割合といたしましては、〇・七一%三十万円をこえているものがあるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/124
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125・野上元
○野上元君 それは一億一千万に対する〇・七一%ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/125
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126・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) これは昭和三十六年の三月に、埼玉県、愛知県及び広島県にある郵便局の一部につきまして、二万四千口座につきまして調べた数字でございまして、はたしてこれが一億一千万の通常貯金口座の全部について言えるかどうかという点につきましては、なお検討を要すると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/126
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127・野上元
○野上元君 最後に、ひとつ大臣にお聞きしたいのですがね。先ほどお聞きになったように、貯金の構造が変わりつつあるわけです。長期預金が過半数をこえてきた、おそらくこの傾向がずんずん伸びていくと思うのですが、しかしながら、御承知のように収入のほうは預金部から六分五厘というものがまあ押えつけられているわけです。局長は、三十七年度になればとんとんになるだろう、こういうふうに言っておられますが、しかし、この間にまたベース・アップなどがあると、これはまた当然それが延びるわけです。その達成時期が延びていくわけです。これは毎年そういうことを繰り返してきておるわけです。したがって、これは容易にそれを達成するということはむずかしいと思うのです。ということになると、この赤字が毎年続く。しかも、今度は資金運用部資金の余剰金を借り入れるということはできなくなり、みずからこれをさばいていかなければならないということになると、結局、郵便事業のほうから赤字を補てんするというのが、今までのやり方ですから、だから、その点が非常に心配なんですね。したがって、この機会に、一兆三千億全部とは言いませんが、そのうちの半分なら半分を郵政省で独自に投資するというような方法を考えるべきではないか、こう私は考えるのだが、その点を郵政大臣としては、どのようにお考えになっておるか、一応お聞きしておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/127
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128・迫水久常
○国務大臣(迫水久常君) 現在のところでは、預金部が私のほうによこします利子というものは、そういっては言葉が悪いのですが、生きぬよう、死なぬようという、ちょうどそういうところに押えられてきているのではないかと思う。したがって、現在は六分五厘でございますけれども、これで赤が出るようになったら、それでは六分七厘とか、六分五厘五毛とか、六分六厘とかいうようなことで、大蔵省は抑えてくるというようなことに、だんだんになっていくのではないかと思うのですが、したがって、郵便貯金というものは経営が赤であって、それを郵便のほうから補てんしなければならないというようなことには、私はすべきではない、大蔵省もそこはわかるだろうと思うのです。しかし、そういう事柄ばかりではなしに、せっかく、うちの貯金が汗水たらして働いてきたものを、全然うちは運用にも何も関係ないということは若干不合理だと私は思います。だから、私は元来御承知のように大蔵省の出身でありまして、大蔵省においては、郵便貯金の運用というものは預金部一本にすべきだということを——今から三十五年前に私は大蔵省に入って、一番最初に私が与えられた課題は、郵便貯金の運用を郵政、当時の逓信省にまかせるべきではないという理由の論文を書けということが、今から三十五年前、大蔵省に一番最初に入ったときの課題であったということを思い出しますが、そこで、そういうような状態で、郵便貯金の運用もわれわれのほうでやる、そうでなければ、赤字が出てくればどうにもならないのではないかという、そのかね合いの面から、そこに入っていく機会が将来にある、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/128
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129・野上元
○野上元君 私も一方では、郵便貯金の募集については、財政投融資の財源としてどうしても国家的要請にこたえてやらなければならぬということが一つと、収入のほうは預託利子を抑えられておる、こういう関係から見て、利子をうんと引き上げるか、あるいはまた、利子を引き上げてうんと残高をふやしていくか、あるいは、さっき言ったように、全部を取ってしまうということは財政投融資の根本的な問題になりますから不可能でしょうが、その何分の一かを郵政省が独自に運用できるというような方法を講じながら、ギャップを埋めていかなければならぬと、こう考えておるのですが、それを大臣と協力して、大臣の任期中にひとつ、やろうじゃないか、あなたも賛成のようでありますから。
ほかにいろいろと聞きたいことはたくさんありますが、時間が来ましたので、本日の質問はこの程度にしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/129
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130・鈴木強
○鈴木強君 ちょっと関連して局長にお尋ねしたいのですけれども、お話の中にあった睡眠貯金というものについてでありますが、十年たつと時効になる。その額が、たしか数億になっておる。この前の委員会で、私は、それの払い戻しについて、何か申し出ればいいそうでありますから、一応国庫——国庫というか、期限が来まして時効のような形で取っておるけれども、申し出があるならばそれでよろしいということだし、ですから、そういう周知をしていただきたいということをお願いしておったのですが、その後、私も、個人的に周知の方法については御相談を受けたのですが、その後の効果の面はどうなんでしょうか。多少そういう御配慮をいただきまして、そのために時効になって没収されるべきものが本人に戻って喜ばれた、そういうことはないですか。具体的にそういう効果の面について、ちょっとお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/130
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131・荒巻伊勢雄
○政府委員(荒巻伊勢雄君) 努めて、忘れておられる預金者の方々の記憶を呼び起こすという意味で、NHKのラジオを通じたり、あるいは郵便局へ掲載いたしましたり、あるいは村のいろいろな掲示、告示等に入れていただくというようなことで、いろいろ手を打っておるわけでありますけれども、何分にも一度になかなかそういう連絡がつかない、三十六年度中にいろいろと手を打ちまして、二三%というものが、転居等によりまして戻ってくるわけであります、効果がないわけであります。それで、残りの七七%は預金者に到達しておるわけでございますが、その中のまた二五%程度のものが、もう一度通帳を出してもらいたいという再交付の申し出があったということで、こういう点では、効果は非常に私ども思うほどにはないといたしましても、二五%程度のものがやはり生きておるという実績があるのでございまして、なお私どもは、ちょっと手間でございますけれども、その方面につきましては、十分いろいろな手を打って呼び起こすようにしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/131
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132・安部清美
○委員長(安部清美君) 本件につきましては、午前中はこの程度にとどめておきます。
これにて休憩いたします。午後は一時十分開会いたします。
午後零時八分休憩
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午後一時三十三分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/132
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133・安部清美
○委員長(安部清美君) ただいまより再開いたします。
委員の変更についてお知らせいたします。
二月十三日永岡光治君が委員を辞任せられまして、その補欠に森中守義君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/133
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134・安部清美
○委員長(安部清美君) 午前中に引き続いて調査案件の質疑を続行いたします。日本電信電話公社の事業計画並びに予算について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/134
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135・久保等
○久保等君 大臣が何か御都合が悪くて出ておらないそうですが、したがって、電信電話公社当局に、主として若干昭和三十七年度の予算案について御質問を申し上げたいと思いますが、大きな政治的な問題等についての質問は、特に大臣等御出席を願った機会に後日申し上げることにし、さらにまた、第三次五カ年計画もすでに公社当局のほうで、いろいろ目下策定中のようでありますが、そのことについても後日適当な機会に、またお尋ねをすることにして、主として昭和三十七年度の予算案についてお尋ねをいたしたいと思います。
まず最初に、ここのところ年々、非常に建設工事の工事量が飛躍的に増大をしておるのですが、この建設工事が予定どおりスムーズにいくかどうか、これはきわめて今重要な電電公社にとっての責任であろうと思うのですが、昭和三十六年の進捗状況については、先般総裁のほうからも御説明があって、一応順調に推移しているというお話だったのですが、昨年度から本年度の三十六年度に繰り越された繰越額等を拝見してみますと、三十五年度から本年度に繰り越しされた金額百二十五億円ばかりが、実は昨年というか、前年度においてあったようでありますが、本年度の場合、一応年末までの推移は七十数%といったようなことで、予定どおり進捗をしておるというお話なんですが、金額は非常に年々歳々飛躍的に増大をいたしておりまするから、必ずしもパーセントだけを見てなかなか私は楽観できないと思うのですが、金額の点では非常に、実はパーセンテージで一・二%といっても、金額にすると相当な金額になりますして、三十四年度から三十五年度の繰越額、それからさらに、三十五年度から三十六年度の繰越額、こういう金額をここ二、三年比較をしてみても、三十四年度から三十五年度の繰越額約七十三億円ぐらいであったものが、前年度から本年度に繰り越されたものが百二十五億というふうに、前年度あたりの傾向を見てみますと、むしろ増大の傾向も見受けられないではないのですが、本年度の、まあ、あと来月一ぱいという、年度末も押し迫っておるのですが、そのことについての見通しについて、若干ひとつ、これは局長のほうからでけっこうですが、御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/135
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136・平山温
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。本年度の工事の進歩状況、したがって繰り越し見込みというようなことに関連したお話だと思いますが、今、先生から三十四年度、三十五年度を比較したお話もあったわけでございますが、本年度はおかげさまで非常に工事が順調に進でおりまして、今私どもといたしましては、十二月末までの数字が手元にございますが、建設勘定の支出といたしまして、十二月末で七四・六%、年間の計画に対しまして七四・六%の支出をいたしております。御承知のように十二月末といたしましては、一年間十二カ月のうちの九カ月をやったわけでございまして、もし七五%でございますならば、完全に平準化するわけですが、それより若干下回ってはおりますが、七四・六%でございまして、非常に順調に進捗いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/136
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137・久保等
○久保等君 今のところ、まだ、一月あたりの状況については、データーが手元にそろってはおらないでしょうから、年末程度の状況しか御答弁をいただけないと思うのですが、ただ、私先ほどもちょっと申し上げましたように、パーセントだけでの傾向を見て、何といいますか、年度比較をいたしましても、全額の面では、相当総体の金額自体が違いますから、総体的な金額の面を比較するならば、たとえば百億をこすかこさないかといったような問題を考えてみた場合に、私はやっぱり今言うパーセントだけでは理解できない面が出るんじゃないかと思うのですが、まあ今のところ、相当はっきりした見通しはつかないにしても、百億をこすかこさないかといったようなめどのところについては、どんなふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/137
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138・平山温
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。繰り越しの見込額につきましては、今先生からお話がありましたように、一月末等の数字が入っておりませんので、ちょっと現在のところ的確な予想は立てかねるのでございますが、実は昨年度は、三十五年度から三十六年度へ繰り越されましたのは百二十五億、この場合の繰越額は全体の予算に対して約八%——一割まではいきませんけれども、全体の計画の予算に対しまして八%繰り越しまして、その額が百二十五億でございますが、今年度といたしましては今のところ前年度の百二十五億をオーバーはしないだろう、それ以下に抑えられるのじゃないかと思います。したがいましてパーセントといたしましては、もちろん当然、前年度よりいつも少ない、絶対額においても、前年度の繰越額を上回ることはないだろうと、まあかように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/138
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139・久保等
○久保等君 さらに工事のことについて、ちょっとお尋ねしたいと思うのですが、年々歳々膨大な工事をやられて、新しい施設等ができ上がって参るのですが、普通一般の常識的な判断からすれば、線路関係であるとか機械関係、まあこういったような工事を施行した場合に、竣工した後、ある程度二年なり三年なり、いわば保証期間といいますか、そういった期間が設けられているのが普通だと思います。もちろん電気通信の場合には非常に高度な技術を要する工事ですから、一般の建設工事のような、たとえば家屋を建築したというような場合とは、必ずしもそう同じような比較はできないと思うのですが、しかしそれにしても、たとえば線路関係なり機械関係の工事をやったあと、引き渡すときに完全でさえあればいいというものではなくて、竣工後やっぱりある一定の期間は、何といいますか、大修繕というか大補修というか、そういったようなことがないような、あるいはかりにあったとしても、これは工事会社なり、そういった方向で、それに対する責任を持つということが私は常識的だと思うのです。じゃ、はたして実際問題として、いろいろ種別にしても千差万別、そういったようなものに対して、どの程度の一体期間を保証期間として定めるか。あるいはまた、どの程度の障害の起きた場合には、これがいわゆる民間の業者の責任に帰していいのか。そういったことについては、いろいろむずかしい技術的に扱い方の点については問題があると思います。しかしそれにしても、今電電公社の場合には、そういったようなことについて、どういう扱い方をされておるのか。でき上がった施設に対する責任を業者のほうで持つ、持たせるという問題について、どういう扱い方をしておられるのか。まあ私は、これは非常に大きな問題だと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/139
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140・平山温
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。工事をやったあと、新しい施設ができた後の状態がどうか、もしそれが工事をやったばかりなのに、さらに大修繕を必要とする場合に、それを業者のほうにやらせるというようなことになっておるかという意味のお尋ねだと存じますが、今資料を持ってきておりませんが、精神としては、先生のおっしゃるような筋合いになっております。
それで、私どもで今承知しておりますのは、最近の工事の進捗状況が量的に見まして、先ほど申し上げましたように、特に近年においては非常に順調にはかどっておりますけれども、さらに質的に見ましても、新しくできました施設が、障害等のために不良である、うまく思ったように働かない、あるいはサービス上、加入者に御迷惑をかけるというようなことは、ほとんど聞いていないのでございまして、今のところは、大体新しい施設も良好に働いておると、かように思っておりますが、万一それが不良な場合、それに対しても、今先生のおっしゃったようなことで、当然工事をやったもの、また工事に基因する障害、欠陥のために、そういった健全に施設が働かないというような場合には、それは業者の責任においてやらせるということにいたしております。ただ、それの期間がどのくらいということにつきましては、ただいま実は資料を持ってきておりませんので、ここではっきりお答えしかねるのでありますが、また資料を調べますけれども、この程度で御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/140
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141・久保等
○久保等君 まあ資料を手元にお持ちでないから、即答できないというお話なんですが、短期のものと長期のものと、最小最大、どういった程度の期間責任を持たせることになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/141
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142・米沢滋
○説明員(米沢滋君) ただいまの御質問につきまして、直接のお答えにならないかもしれませんが、今のお話で工事の質によりまして、あるいは工事のたとえば線路工事であるとか、あるいは機械工事であるとか、あるいは線路といいましても、従来やっております紙ケーブルの工事であるとか、あるいはプラスティック・ケーブルの工事であるとか、そういう工事の質によっても、いろいろ違って参っております。最近、少し前の話でございますが、たとえばケーブルをある所にいけたのでありますが、そのいけたときの何といいますか、ケーブルと地面の深さ、厚さが違っていたために、あとでケーブルに亀裂が入ったという例がございます。しかしそういう場合にも、やはり一体それが製造のほうの原因であるのか、あるいはまた工事の原因であるのか、判定がいろいろむずかしい場面がございます。たとえば同じ亀裂でも、鉛のケーブルが縦に割れた場合は、これは確かに製造に基因すると判断した場合がございます。それがまたほんとうに工事を規定通りやっていないというために起こった場合には、それは工事業者のほうに、その都度判断いたしましてやらしたという例もございます。全般的に見まして非常に判定がむずかしいものでございますから、何年どうであるという具体的なことは、やはりそういう問題が起こったときに考えることにいたしておりまして、最近の例といたしましては、特にそのために困っているというようなことはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/142
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143・久保等
○久保等君 まあ私、その点がやはり公社としては、相当研究に値する問題じゃないかと思うのですがね。非常に原因が必ずしも明確に把握できないという場合が多かろうと思うのです。普通の簡単な建造物といったような場合には、これは外から見ても、きわめて簡単にわかることだし、それからまた常識的に考えても判断が簡単につくと思うのですが、ただ電気通信のような場合の施設は、きわめて高度な技術の施設であるだけに、それからまた今言われるケーブル等の問題になれば、地下に埋設されているというような問題なんで、なかなか判断がむずかしい問題があると思うのです。しかしそれも、いろいろ私は種別にも高度なものもあり、比較的何といいますか、そう高級でない施設もあり、いろいろ施設も、これまた千差万別だろうと思うのです。そういうものについて非常にむずかしい問題があるかもしらんが、しかしやはり請負契約でもって、民間である一定の施設を作らせたという場合に、その施設の耐用年数ということは別に、工事なりあるいはメーカーが、ある施設を作った、製造したということに対するやっぱり責任のある程度の期間というものは、これは設定をする必要があるのじゃないかという気がするのです。これは特に土木関係にしても、比較的簡単な土木関係もあるし、土木工事といっても、これまた、なかなかいろいろむずかしい、判定に困難な問題があるかもしれんし、そういったことに対する種別ごとの、工事竣工後の責任期間といいますか、業者なりメーカーの負担すべき責任期間というようなものを、私はやっぱり設定する必要があるのじゃないかと思っているのです。とにかく工事をやった直後に事故でも起きれば、これはもう、というようなことで、あるいは責任追及されるかもしれんけれども、それが半年なり一年なりたったというような場合に、それはあたかも、一般の常識的に寿命がきて障害が起きたというような扱いをしている場合も非常に多いと思うのですよ。おそらくそのときに、たまたま担当した技術者なりあるいは当事者の判断にまかされているということでは、これは電電公社の経営者として非常に人がいいというのか、何といいますか、非常にその点ルーズだという気もするわけなんです。
そういったことについて、現在の状況が、そこまでいっていないとするならば、そういったことについて、今後検討をして早急に、そういったことに対するやっぱり責任の限界といいますか、そういうことを明確にしていく必要があるのじゃないか。最近のように、次から次へと仕事に追いまくられるという実情だと、邪推するわけじゃないけれども、やっぱり工事関係、とかく人手が足りない、時間が足りないといったようなことで、工事が粗雑になっていく可能性も私はないとは言えない。そういう場合に、竣工して引き渡しをして、試験なら試験をやってみて、一カ月なり二カ月なりやって、とにかく引き渡すときに完全でさえあれば、これでとにかく建設をした業者の責任は、それで免かれるのだというようなことでは、私は一般社会常識からいっても許されないのじゃないかという気がするのですがね。だから、そのことについて、やっぱり現状は、今局長の言われるような状況だろうと思うのですけれども、そうじゃなくて、もう少し今後の問題としては、けじめをつけるというか、責任のあり方を明確にするというように取り運んでいくことが当然じゃないかと思うのですがどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/143
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144・平山温
○説明員(平山温君) 先生のおっしゃること、まことにごもっともなことだと思います。実は今公社で、先生の御指摘のような仕組みになっていると思うのですが、ただいま取り調べておりますから、すぐこの席でお答えします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/144
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145・久保等
○久保等君 それじゃその問題については、また後ほど御答弁をいただいてから御質問することにしまして、三十七年一度の予算案の中で、ちょっとお尋ねをしたいのですが、三十七年度の予算の中で、従来の建設費の調達方法として債券等を発行しておられるのですが、そういった債券に対する利子の支払い等が計上せられておるのですが、純然たる三十七年度での利子だけは、一体幾らになりますか、債券に対する利子。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/145
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146・井田勝造
○説明員(井田勝造君) お答えを申し上げます。利子及び債券の取り扱いといたしまして百三十七億ほど計上してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/146
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147・久保等
○久保等君 百三十七億というのは、利子支払いの扱いだけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/147
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148・井田勝造
○説明員(井田勝造君) そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/148
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149・久保等
○久保等君 そうすると、債券発行の差損償却費、この金額は、どういう形で——何といいますか、この償却費そのものが、直ちに支払うことには相ならないと思うのですが、これは、どういう形で償却費そのものは補完していく形になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/149
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150・井田勝造
○説明員(井田勝造君) この債券発行の差損の償却費でございますが、これは主として割引債がその対象になるものでございますけれど、十万円の額面の割引債を五万円で加入者側に引き受けていただくわけでございまして、したがいまして償還時には、この元本の五万円と合わせまして利息を五万円追加して、十万円を償還するわけでございます。要するに十年間の利息を合せまして、五万円償還時に返すわけでございますので、これを年々損費に上げていく、結局、今のあれで言いますと、五万円の、これは算術で十で割るというわけにも参りませんが、毎年五千円ずつ損費に立てていく、そういう性質のものなんでございます。
したがいまして、これは損費に立てますが、その分は、これは減価償却費と同じ考え方でございますが、自己金融といたしまして建設資金のほうに回しまして、これで建設工事をやっていく、こういうことをやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/150
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151・久保等
○久保等君 そうすると、結局何ですか、これは減価償却費と同じような形で建設費のほうに回されるということになると、実際問題としては元利を——元利といいますか、この場合は、割引債券ですから、元利という考え方にはならぬと思うのですが、とにかく額面通りの金額を期限がきて全額払わなければならぬということになると、非常な一度に支払いを現実にはしていかなければならぬということになってくると、たいへんな負担になってくるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/151
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152・井田勝造
○説明員(井田勝造君) 今の先生のお話は、償還のときの資金問題だと思いますが、その資金をどういうふうに準備していくかという問題と、それから年々の費用に立てていくという問題と、二つあるわけでございますが、ここに差損償却費を立てましたのは、これを年々費用に立てていく、こういう必要からやったわけでございまして、償還のときには、もちろんまた別にこの償還資金を積み立てる。たとえば減債積立金のごときものを考えますとか、こういうことは、また別の配慮になるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/152
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153・久保等
○久保等君 現在のところは、元本を返済するというところまで、まだ年数が経過しておらないから、ここに計上せられておりまする数字をみましても、今言う利子、あるいはただいま説明のあった点を考えてみましても、これがまた、減価償却のほうに回されたり何かしていくようでありますが、現実に元本まで返済をしだしてくると、これは年間、たいへんな金額に今後ますますなって参ると思います。その場合に、やはり電電公社の予算の組み方の問題、さらに言葉をかえて言えば、やはり建設費の調達の問題について、私は、従来からわれわれ指摘しておるところでもありますが、非常に問題があると思うのです。
ということは、要するに電話債券、これは加入者負担だろうと、あるいはそうでないにいたしましても、いずれにしても、とにかく電話債券によって建設予算の相当部分、約四割前後になると思うのですが、四割前後は、そういった電話債券でもってまかなって参るということで、今のところは利子を払う程度で、元本返済期にまできておりませんから、比較的まずまず建設計画も、私は資金面で予定どおり進行しておると思うのです。しかし、これがいよいよ元本を払うような時期になって参ると、たいへんな金額になって参ると思うのです。言いかえれば、だから資金調達の面で、自己資金以外のものは、外部資金は全部電話債券によってこれを調達するという考え方は、少なくとも是正をして参らなければならないということを、ますますこれから年度を重ねて参るたびに痛感すると思うのです。まあ私は、そのことに対して前々から言っているのですが、政府の財政投融資、特に低金利の財政投融資というような方向に建設費の調達を考えていくということを、ぜひ、これは公社当局は当然のことでありますが、特に、きょうは郵政大臣おりませんから、その問題は、また機会をあらためて質問いたしたいと思うのですが、こういう年々、今後まだ飛躍的に建設工事が伸びていけばいくほど、反面資金面で非常に大きな、そういう電話債券の元利償還による負担が出て参ると思うのですが、その点に対する今後の見通し、考え方、そういう点を経理局長あるいは総裁等からお伺いしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/153
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154・井田勝造
○説明員(井田勝造君) 先生の御指摘のとおりでございまして、一応私どもで長期の資金計画を作成しておりますが、ちょうど拡充法が施行せられました三十五年から十年たちました昭和四十五年でございますね。この辺から非常に資金のやりくりがむずかしくなって参るわけでございます。ただし、私どもの見通しとしましては、一応公募電電債の借りかえということが継続されて参りますならば、大体、利益もだんだん伸びて参りますし、まずそう心配したことなくいけるという長期の見通しに立っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/154
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155・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) ただいま久保さんのお話、ごもっともなことでございまして、私どももその点、常に慎重に考慮を払っているわけでございます。ただいま経理局長が申し上げましたように、あのとおりに私ども考えておりますので、この償却については心配はいたしておりませんが、しかし決して楽観しておるわけではない。
そこで、できるだけそういうことのかまえをするために、今ごろからでき得るならば減債基金制度のようなものを設立いたしまして、年々そのときの償還に備えるある程度の備えをすることが将来の制度として必要なんじゃないか、こういうことを私ども考えておりますので、でき得るならば、できるだけ早くそういう制度の確立を期したいと、かように私ども考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/155
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156・久保等
○久保等君 まあ私、今総裁の、現在の仕組みの中で考える方法として、今言われるような方法も一つの考え方だと思うのです。が、しかしもう少し根本的に今言う資金の集め方の問題、これについても、私は十分にひとつお考えを願いたい。お考えを願うというよりも、現在すでにそういう方向で努力はされておると思うのですけれども、しかしとにかく何千億円という資金の調達が、自己資金とそして電話の債券という形では、電話債券の問題については、この前の臨時措置法のときにも問題になったようですが、加入者の立場からいえば、非常に大きな負担になっているわけです。片や電電公社の立場からいっても、これまた大きな負担になる。
そういうことについては、私は幸い郵政大臣——現業の官庁の所管大臣として、いろいろ例の簡保の積立金とか、あるいは郵便貯金だとか、そういったようないわゆる大蔵省の預金部資金、財政投融資等の非常に大きな財源について供給源を持った所管大臣もあるのですが、もちろん私は財政投融資が、そう簡単に大庭に右から左に調達できるとは思わないのです。しかし、それにしても現在のように、一銭もとにかくそういう方面からは考えないのだ、自己資金でやるか電話債券か、とにかくどっちかで考えるという経営の仕方は、これはやはり私は根本的に反省を要すべき問題の一つだと思うのです。明後年——三十八年度から第三次五カ年計画に入ろうとしているわけなんですが、特に私はそういう方向づけについて格段の電電公社はもちろんのこと、郵政当局、政府当局に反省を実は求めてもらいたいと思うのです。特に電電公社のいわば総裁なり幹部の方々の立場としては、私はぜひそういう方向にひとつ、格別の御努力を願いたいというように考えるのですが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/156
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157・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 御説の点は、私どももそうできれば一番望ましい形だと考えます。しかし、この問題につきましては、実は先年御承知の現在の時限立法——今の臨時措置法、これが提案をせられたときに、今のような制度が確立されたわけでありまして、そのときも私どもとしては、でき得るならば、御説のとおり財政投融資より、めんどうをみてもらうということが一番望ましいということは、むろん考えておったことでございます。
しかし御承知のとおり財政投融資については、各方面のいろいろ需要が多いので、なかなか思うとおりにわれわれのほうに回していただけない。といって、これを捨ておくわけにはむろん参りませんので、結局最後は、現在のような加入者負担をお願いするというところで落ち着いたのでありまして、決してこれが一番いい方法とはむろん考えておりませんし、もしでき得るならば、ただいまお話のような政府の財政投融資でめんどうをみてもらうという方向に、少しでも進み得るならば、これが一番私ども望ましいと考えております。ただ今日までの私どもの体験からいいますと、なかなかこれはむずかしいことなんで、われわれの力では、とうていこれが実現はむずかしい。しかしながら御趣旨は私ども全く望ましいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/157
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158・平山温
○説明員(平山温君) たいへんおそくなりましたが、先ほど久保先生からのお尋ねのことで、資料がなくて保留してございましたことを、ただいまわかりましたので、お答え申し上げます。
建設工事の関係でございますが、電電公社の契約事務規程の補足通達の中に、建設工事請負契約書というものが、その規程がございますが、その三十条に先生の御指摘のような規程になっております。ちょっと読んでみますと、第三十条「乙は、第二十四条に規定する引渡の日から一年間、工事目的物のかしを補修し、又はそのかしによって生じた滅失若しくは損傷に対して損害を賠償するものとする。ただし、この期間は、石造、土造、煉瓦造、金属造、コンクリート造及びこれらに類するものによる建物その他土地の工作物若しくは地盤のかし又はこれによる滅失、損傷については二年とする。」ですから結局一年ないし二年という期間を定めまして、そうして工事のほうの責任に起因する損害に対しては、業者のほうでこれを補償するという規程に相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/158
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159・久保等
○久保等君 それは今お話を聞くと、案外なんといいますか、内容的には一年ないし二年ということで、きわめて簡易な内容になっておるようですが、電気通信の施設関係を考える場合に、工作物なり、一般的な建造物、そういった場合には、二年、それ以外のものは一切とにかく一年だということになっておるようですが、その点は、あまり単純過ぎるのじゃないかと思うのですが、私はもう少し複雑だと思ってお尋ねをしたら、きわめて簡単な一年だと、要するにすべて一般的な、電気通信でない一般的な地上の工作物、そういったようなものは二年だけれども、その他は電気通信の場合に一年ぽっきりだということですが、それが実情に合っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/159
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160・井田勝造
○説明員(井田勝造君) お答えいたします。先ほど施設局長からお答えいたしましたのは、契約書の案でございまして、実は電電公社のやり方といたしましては、建設工事、建築工事、資材購入等の契約書の基本のひな形は、経理局で作ることになっておりまして、これ以外に平山局長から言いましたように、あと具体的にこれを契約するのは、各局長がやるわけでございますが、これは今のひな形を基準といたしまして、そして個々具体的にやっていくわけでございます。したがいまして、今のは規則というわけではございませんで、一つのひな形でございます。
ですから、特別の場合には、これをいかようにも適切に延長できるわけでございますが、具体的な問題といたしまして、大きな工事には工事監督もつけまして、主要な段階でも一々中間検査もやるわけでございますので、従来の例からみましても、今の瑕疵担保の問題で、大きな問題は生じたことはないように記憶いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/160
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161・久保等
○久保等君 今の経理局長のお話を聞くと、必ずしも一年でもないという話のようですが、しかしそれにしても、私は工事がやられる過程で、監督官をつけているということは、これは当然のことですが、しかし問題は、やはり施設の竣工後におけるある一定の期間については、責任を持たせるということになって参らなければ、それでは建設工事そのものが何か電電公社そのものの責任において工事がやられるのと、そう大して変わらないというような結果に相ならんと思うのです。今言う、現場長の判断で、必ずしも一年ということでなくて二年、三年というようなこともやり得る、実際問題としては、そういうような経理規程になっておるようですが、やり得るということになっておる程度では、やはりこれは、まだ問題が残るのじゃないかと思うのですが、もう少し精細にといって、あまりこまかくはきめかねますが、しかし全部ひっくるめて一年だ、それについて、若干状況いかんによっては、通信局長あたりのところで期間を延長してもいいという程度では、その基準というものが明確に定められておるとはいえないと思うのです。だから、そういう点について、私はやはり考えていただく必要があるのじゃないかと思うのですが、しかも今日のように非常に年々歳々工事量が増大していく過程の中にあっては、なおさらそのことについての私は必要性が痛感されるような気がするのです。とかく人手が足りない、いろいろ業界の状況等を考えた場合に、そのことについて、やはりこの際検討される必要があると思うのですが、その点総裁いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/161
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162・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 実は技術的の分野が非常に重きをなすので、私しろうとでちょっと御返事いたしかねますけれども、常識的に考えましても、あるいはもう少し明確に、もう一度検討して、もしきめ得るならば、もう少し規程をはっきりさしたほうが、実際問題としてはいいかとも考えますので、なお、今後一そう研究して適当な措置をとりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/162
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163・久保等
○久保等君 それでは、その問題は三十八年度からの第三次五カ年計画の一つの大きな計画も控えておる今日の状況ですから、ぜひひとつ機会をみて、その点についての御検討を願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/163
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164・鈴木強
○鈴木強君 工事の進捗率は、皆さんの御努力で、たいへん昨年から比べて良好になっておるようでしてけっこうだと思いますが、一面非常に私が心配するのは、建設工事が飛躍的に拡大されておりますので、その保全部門ですね、こういった部門における仕事がうまくいっておるかどうか、多少私心配になるわけです。
たまたま私ども地方を回ってみましても、ある場所に行きますと、電柱が四十五度くらい、四十五度もいきませんが、相当傾斜しておるんですが、そういったような修復が完全にできていないような場面にぶつかるんですね。これは特殊な、台風のあった地帯ですから、そういった点から手の回らなかった点もあるのかと思いましたけれども、とかく建設工事に追いまくられて、そのために保全関係に手抜きがあるんじゃないかという私心配するのです。
その点は予算的に見ましても、三十六年度あたり、かなり窮屈なように考えておるんですが、その点ちょっと私の心配が杞憂であるかどうかお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/164
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165・米沢滋
○説明員(米沢滋君) ただいま先生の御指摘の点につきましては、公社におきましても十分注意はいたしております。といいますのは、建設工事にやはり重点を置かれて参りますと、とかく保全のほうが地味でありますから、力を抜いていくという心配があります。現在のところ全般的に見まして、保全の成績が落ちておるということはないと思います。ただ部分的に台風が来まして、急に復旧工事に手をとられたという場合には、若干手抜きのある場合が全然ないとは申し上げられませんけれども、その点につきましては、おそらく三十七年度以降におきましても工事がふえますので、保全につきまして、そういうことのないように十分注意していきたいと思っております。
現在のところ保全のほうは別に落ちておると考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/165
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166・久保等
○久保等君 途中平山局長のほうからの御説明があって、総裁への先ほどの質問が、ちょっと中断をしたんですが、私やはり建設資金の調達問題は暫定措置法にしても、これまた恒久立法でありませんから、当然これは適当な機会に、この法制度そのものは、これは廃止になる運命にあると思うんですが、したがって、あの暫定措置法ができたからといって——あれば、きわめて資金調達の面から重宝であることは間違いないし、非常な大切な資金の財源になっておるわけですから、これは非常に重要な法律だとは思うんですが、しかし法律のできた経緯も御承知のような状態だし、したがって、名前も暫定措置法ということになっておるししますから、当然やっぱり本筋での資金調達の問題も、にわかに右から左といっても、しかもおそらく一千億円前後の金額であろうと私は思うのですが、そういう金額に遠からずなると思うんですが、そういう金額を年間に財政投融資からもってくるなんといっても、これは簡単にはいかない問題だと思う。しかしそれにしても、今のところ道さえついておらないということだと思う。だからぜひ道をつけるという問題が、当面とにかく不断の御努力によって、やっぱりお願いをしなければならぬと思うのです。
これは私は加入者、一般の利用者の立場からいってもそうだし、それから公社の経営をあずかる総裁初め幹部の方の立場からいっても、ぜひそういう方向へもっていかなければならぬということで、暫定措置法ができるときに、いろいろ議論のあった問題でありまするが、しかし暫定措置法は、あくまでも暫定措置法でありますから、一体、その後どうするかという将来の問題とも関連をさせながら、不断にひとつ御努力を願いたいと思いますし、第三次五カ年計画を当面に控えておりまする情勢の中に、私は一つのやっぱりタイミングというものを考えて物事をやっていかなければならぬと思います。そういう点でも非常に困難な問題であると思います。しかし困難な問題でありますだけに、ひとり電電公社当局だけでやり得る問題じゃこれはもちろんございませんし、政府の格別の理解、熱意というものを、ぜひ私は喚起をして参らなければならぬと思うのですが、ぜひひとつ当局者としての立場からは、不断にそういった御努力を願いたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/166
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167・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) ただいまの問題につきましては、先年の暫定措置法提案の際に、私どもは四十七年度末までのこれは暫定措置法でありますから、その暁には、これが一応この法案が期限がくるわけでありますから、その後どうするかということも、ちょっと当たってはみたのであります。もちろん、その四十七年に至って初めて私どもの今考えているように積滞数がすっかり一掃されて、すぐ相当の飽和状態に達するということが実現するかどうか、これは将来のことでありますから、あるいはそのとおりにならぬかもしれませんけれども、一応そういう事態が生じました場合に、将来どの程度拡張計画がやれるか、あの暫定措置法をあてにせずにやれるかということについての一応の見込みについても、そのときに検討はいたしてみたのでありますが、まあこれはそのときの利用数の事態にもよりますけれども、当時の考えでは、相当数のものはかりにあの暫定措置法がなくなりましても、今まで一般の加入者債券でない、一般の金融界から引き受けてもらっておる債券もしくは預金部その他の借りかえのきく今の債券が、今後借りかえられる状態でありますれば、かりにこれが暫定措置法がなくなりましても、ある程度の拡張はやっていけるだろうという一応の見込みは、当時の計算としてはできておったのでありまして、したがって、当時相当長いこれは暫定措置ではありますけれども、十三カ年間の実は期間をお願いしたわけであります。
ただ、しかし一方からいいますと、先ほども申し上げましたように、加入者債券というものは、借りかえのきかない債券でございますから、したがって、ほかの社債、公債等と違いまして、これにはやはり相当の特別の措置を考えなければならぬ。したがって、先ほども申し上げましたように、少なくとも加入者債券に対しては、減債基金的のものをでき得る限り早く用意をするということが、私どもとしてはぜひやらなければならぬことと考えて今後努力したいと、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/167
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168・久保等
○久保等君 それはぜひひとつ、今後御努力を願うことにして……。
次に、これは特に政府のほうに直接お尋ねをしなければならん問題ですが、ただ状況だけを、ちょっと電電公社のほうから伺っておきたいと思うのですが、昨年の予算委員会でも問題になった問題なんですが、米軍の使っておる施設に対する料金、いわび未収金になっておるという問題なんですが、これは現在の状況は、どうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/168
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169・秋草篤二
○説明員(秋草篤二君) この問題は、かねて国会でもしばしば御質問があったことと思いますが、現在の状況では、かねて総裁からお答え申し上げておる通り、日米合同委員会の議に載せられておりまして、私どもは静かに、今その裁定を待つという段階になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/169
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170・久保等
○久保等君 三十五年は、電電公社の見積りの金額は、どのぐらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/170
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171・秋草篤二
○説明員(秋草篤二君) 三十五年度の、いわゆる先生の御質問の、私どもは紛争料金と申しておりますが、紛争の対象になる料金は、どの程度あるかという点は、つまびらかではございませんが、一般関係の、駐留軍関係の全体の専用料というものは、最近年々減って参りまして、三十五年度は、おそらく四、五億だと記憶しております、年間。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/171
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172・久保等
○久保等君 そうすると、私も会議録によって見たところでは、三十四年度末では四十五億二千万円という話でしたから、今の金額を加えますと、約五十億——三十五年度末現在ならば、五十億を少しばかり出た程度というように了解してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/172
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173・秋草篤二
○説明員(秋草篤二君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/173
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174・久保等
○久保等君 それから日米合同委員会の議題になっておるというのですが、これも昨年国会で、いろいろ政府から説明がされたところを見ますると、何かとにかく、きわめて頼りない話のようですが、昨年春ごろ以降、何かこのことについて、格別活発な論議といいますか、合同委員会で取り上げて検討せられたことはあるのですか、ないのですか。棚ざらしという状態ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/174
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175・秋草篤二
○説明員(秋草篤二君) これは政府当局、監理官からお答えするのが筋かと思いますが、私どもの聞くところでは、もちろん、この間におきまして政府当局は、外務省、大蔵省、郵政省関係当局は、いろいろな苦心をされて事務的には相当な折衝を重ねていたように承っておりますが、結論的には、別にまだ最後的な発展はしていないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/175
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176・久保等
○久保等君 もちろん、これを担当している担当官庁ということになれば、調達庁になるだろうと思うのですが、したがって、これも調達庁長官なり、そういう方面に……、外務大臣なりに、特に追求をすべき性格のものだと思うのですが、電通監理官がおいでになっておりますから、一応電電公社直接担当の立場から、私はこの問題は、時期的に考えても、今度の国会に例のガリオア、エロアの問題が終戦後の問題として解決しようということで、その承認を国会に求めて参るというようなことにも、政府の方では態度をきめているのですが、ガリオア、エロアの問題でも終戦直後の問題、ところが、この少なくとも米軍関係の問題は、講和条約後の問題だろうと思うのですが、そういういわば対等の立場になったはずの日米関係の間における債権債務の関係だとわれわれは考えるのですが、アメリカの力ではいろいろ理屈をつけて、なかなか話がまとまらないということですけれども、私はガリオア、エロアの問題の解決をはかろうとする政府の立場からいうならば、こういう問題こそ、むしろそういった問題ともあわせて解決すべき重要な問題だと思うのです。まあいわば、泣き寝入りというか、何か合同委員会程度に話を持ち出して、見解の相違だというようなことになっておることは、はなはだどうも私はふがいないというような気がするのですが、最近における合同委員会での特別な動きはないのですか、監理官の方から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/176
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177・松田英一
○説明員(松田英一君) お答え申し上げます。この問題につきましては、直接日米合同委員会での議論ということでは、最近取り上げられていないのでございますけれども、何分問題が、いろいろとその前提になります問題といいますか、電電公社の施設したもの、あるいはその前の終戦処理費によるもの、しかも電電公社の施設したものも移転——リロケーションというのですか、米軍の施設を東京の繁華なところから引っ越してもらうということに伴ってやりました施設でありますために、根拠的に、一体普通の施設と同じと考えられるかどうかというような点についても、かなり込み入った問題がございまして、何とかその間に解決の方法はないかということで、外務省あたりもいろいろと頭をひねって、私どものところにも相談がありまして、いろいろと検討しておるわけでございますけれども、まだ、いまだに米側とこれなら解決がし得るというふうに相談がまとまらない状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/177
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178・久保等
○久保等君 おそらく五十億をこすものの紛争対象料金といいますか、まあ非常に、私は内容的にはいろんな内容が含まれていると思うのですが、そのことについて、どういう内容なのか、いわば内訳、そういったことについては、何か国会に資料としてお出しになったことがあるのですか。もし出してないとすれば、こういったものについて、われわれの手元のほうに、そういった資料を出してもらえるのですか。どういうことですか、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/178
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179・松田英一
○説明員(松田英一君) この問題につきましては、こういうものだということにつきましての概略のものが、前にたしか出ているのではないかと思いますが、直接実は私、これを担当しておりませんでしたので、はっきりとした記憶がございませんで、さっそく取り調べてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/179
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180・久保等
○久保等君 それで、それはお調べ願って、前、岩元さんがやっておったのだろうと思いますが、そういうことで、松田監理官御承知にならないと思うのですが、お調べを願うと同時に、もし国会に資料を何もお出しになっていないとすると、私、その内容について、資料をひとつお願いしたいと思うのです。単に五十億とかなんとかということでなくて、いろいろ内容には、今御説明をお伺いすると、移転費的なものもあるし、使用料的なものもあるし、また施設にしてもいろいろな施設があると思うのですね。そういう内訳をひとつお出しを願いたいと思うのです。
われわれも実は、この問題については、はっきりして、とにかく債権債務の関係も——ガリオア、エロアも債権か、債権でないかと、だいぶ議論があったわけです。やはりあのほうは、こっちのほうが払う立場ですから、それはとにかく債権だということになって払うことになったのだけれども、この問題については、とにかく債権債務の関係でないのだなんという議論に、今のところはなっているのだろうと思うのですが、やはり貸し借りの問題、あのガリオア、エロア以上に、私はこの問題については、常識的に考えてもはっきりしている問題じゃないかと思うのですが、この問題が、一銭でも金のほしい電電公社の立場のみならず、これは日本の国にしたって、一銭でもほしいわけですが、とにかくそういう問題が未解決のまま、すでにもう一番初めから計算すれば、十年近くもたっているようですが、したがって、これもやはり、今日、きわめて時期的にも適当な機会じゃないかと思いますが、したがって、政府のほうで格段の、それこそきぜんたる態度で、ひとつ交渉に当たってもらいたいと思っておりますが、それがために、一応内容を資料でもってお出し願うようにお取り計らいを委員長のほうにお願いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/180
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181・安部清美
○委員長(安部清美君) 出せますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/181
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182・松田英一
○説明員(松田英一君) 検討してみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/182
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183・久保等
○久保等君 それから次に、それじゃ問題を移して、ただいまの問題は、また資料の提出後御質問いたすことにいたします。
次は、このやはり予算の中に書かれてあることなんですが、電電公社の施設に、例の有線放送を接続しようということで、試験的に二十カ所ばかり選んでやってみようということの計画があるようですが、これもやはり電通監理官にお尋ねをすることだと思うのですが、ちょっとここで、二十カ所の場所をおわかりになったら教えてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/183
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184・松田英一
○説明員(松田英一君) 二十カ所は、まだ予算で成立しただけでございまして、その予算も今審議中でございますので、どこで実施するかというのは予算が通りまして、私どもが新年度に移ってから具体的にきめる、こういう段階になるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/184
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185・久保等
○久保等君 一応、候補のようなものは選定してあるのだろうと思うのですが、これは電電公社のほうに、なんだったらお伺いしてもいいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/185
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186・松田英一
○説明員(松田英一君) まだ、全然候補の選定にも取りかかっていないわけでございます。ただ考え方といたしましては、昨年は、昨年と申しますか、三十六年度は五カ所でございましたために、最もやりいい便利なところということで考えましたけれども、今度は二十カ所でございますので、各地方電波監理局十でございますけれども、それに行き渡るようにしてテストをやってみたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/186
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187・久保等
○久保等君 本年の実施の状況は、どういう状況ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/187
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188・松田英一
○説明員(松田英一君) 実は郵政省といたしまして、補助金を出して、こういうことをやるということが初めてのケースでございましたので、いろいろと補助金の交付の手続関係その他、初めての事柄に手間取りまして、一方、それから回収をするという仕事もあるものでございますから、具体的に完成をいたしまして、接続のテストを始めたのは十二月の末からでございます。
それで、大体十二月の末から一月一ぱい、二月の初めまでで五カ所の設備を完成いたしまして、現在接続のテストを、それぞれやっておるわけでございますが、まだ何分、時日が少なうございますので、具体的なデータ等の収集はできかねておる模様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/188
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189・久保等
○久保等君 どこどこですか、今年度の場所は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/189
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190・松田英一
○説明員(松田英一君) 関東地方で三カ所ございまして、神奈川県で上秦野農協、それから山梨県で中道町、それから栃木県で清原農協、それから北海道で北長沼農協、それから広島県で熊野農協でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/190
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191・久保等
○久保等君 データがまだ集まっていないというお話ですから、その結論的な御説明を願っても無理かと思うのですが、この問題は、私は非常に大きな問題だろうと思うのですが、試験的にやられるというのですけれども、将来のやはり展望といいますか、見通しを相当考えておかなければならないいろいろな要素を含んでおると思うのです。今日、もちろん電電公社の、やっておる建設計画程度では、とても国民の強い要望に応じ切れないというようなことから、いわば苦肉の策として、こういう方法が考えられてきたと思うのです。考えられてきたというよりも、強い要望に押されて、こういうことを試験的にでもやってみようかというようなところに踏み切ったんだろうと思うのですが、しかしそれにしても、これは、一歩踏み出せば二歩、二歩踏み出せば三歩というふうに私は拡大こそしていけ、これを途中で中止するとか、あるいはもうやめてしまうというようなことは非常に困難な問題だと思うんですよ。しかし通信のやはり一つの技術基準なり、それからまた通話の質の問題、こういったような問題は、これまた最低線は、どうしても守っていかなければならぬ性格のものだろうと思うんですよ。
したがって、非常に高度な技術を要するこういう通信施設の問題について、いかに地方の強い要望があるからといって、そういう強い要望に、悪い意味での私は妥協はすべきでないと思っています。私はもちろん積極的に、そういう要望にこたえていくべきだという立場をとっておりますけれども、それにしても、やはり特に高度の技術を要する通信施設の場合であるだけに、このことについては、よほどはっきりとした見通しを持ってやらんと、差しあたっては、通話だけの需要を満たしていけばいいという問題かもしれんけれども、しかしいろいろ財産権の問題等も、これはあると思うのですが、そういったことについては、どんなふうにお考えなんですか。施設は農協の施設であってみたり、あるいは個人というのですか、いずれにしても、とにかく電電公社のものでない民間の施設ということでございますが、これは当然そういったものの処理も、将来買収をしていくのか、どうなのかということについても、検討をしていかなきゃならぬ問題だと思うのですが、そういうことについて検討せられたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/191
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192・松田英一
○説明員(松田英一君) ただいまの久保先生のお話、まことにごもっともでございまして、私どももこの有線放送電話の設備につきましては、いろいろと考えなければならない問題が多々あると思って慎重に検討を進めているわけでございます。ただいまお話にございました技術基準の問題につきましても、確かに有線放送電話は、当初から比べまして非常に進歩して参りました。技術的にも相当程度はよくなってきておるわけでございます。
そこで今度この三十六年度に五カ所接続のテストをいたしますにつきましても、どの程度の技術レベルまで持っていって、そしてつないでみるかと、もちろんこれは実験でございますから、その実験した模様によって、いろいろと変えるということが前提になっておるわけでございますけれども、それでもとにかくやってみる以上は、まあ何と申しますか、無責任なつなぎ方というのはすべきでないというふうに考えまして、電電公社のほうとも、よく連絡いたしまして、大体において、現在電電公社でやっております、いわゆる地団といっておりますが、地域団体加入電話の乙規格というもの、これは現に電電公社のサービスの一つとしてやっているわけでございます。それと有線放送の電話の実情というものを若干考えまして、まあこの程度であれば公社に接続をしてみても、何とか今の状況として考えればいくのではないかというようなところをめどといたしまして、今度の補助金を交付いたしまして、回収させるその限度と申しますか、技術のレベルの基準というものを定めたわけでございます。それに合うような施設を改修しまして、そして初めてつないでみるということにしたわけでございます。もちろん電電公社のほうとしましては、この接続のために電電公社側の施設、それからこの施設のところまでつなぐに必要な線路、そういうものは電電公社側で設備をいたしますので、これは電電公社側としては、当然適当なものを設備したわけでございます。そこで有線放送電話のほうの設備そのものについては、これは現在までのところは、有線放送電話を所有している農協なりあるいは町村なり、そういうところが改修もし、また施設も自分で作り、所有して動かしているわけでございますが、将来これを一体、どういうふうに考えていくかということにつきましては、確かに大問題だと思いますが、これは最終的に、そういう意見を省として打ち立てたというと——あるいは現在の段階では、そこまでいっていないわけでございますけれども、私の考えといたしましては、大体有線放送電話というものは、有線放送と簡単な電話というものが結びついて、その地方の実情にマッチして、いろいろと動いておるわけのものでございますし、またその所在場所も非常にいなかのほうにまたがってやっておりますために、これはやはり農協なりあるいは町村なり、そういうものの所属にしておいて公社との接続を考えるということのほうがいいので、これを電電公社が買収するとかというふうなことになれば、とても電電公社としては、これの維持なりあるいはいろいろなその後の取り扱いに非常に困るのではないかというふうに考えておりますし、また現在までの経過から見ましても、有線放送電話は、それぞれ各地方地方でできて参りましたために、これを統一的に扱うのには、あまりにもばらばらになりすぎている。しかもその技術の程度はまちまちでありますために、電電公社としてこれを統一的に扱っていくというのは、なかなか困難なのであって、ただ、これをその効用を発揮させるために適当な技術のレベルまで引き上げて、そして接続をするというのが、今最もいい方法なのではないかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/192
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193・久保等
○久保等君 これは試行的にやっておるわけでしょうが、試行的でない、本格的にやることになった場合には、やはり法制化する、そういった法的な制度等のことを考えて参るのであるか、それともそういったことは考えないでいこうということですか。どういうようなことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/193
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194・松田英一
○説明員(松田英一君) ただいまは実験の段階でございますので、有線放送電話がつながった状態になったという状況を、電電公社の中の制度の一つとしてやってみて、テストの結果を具体的なデータも出して将来の参考にすることにしておりますが、正式にこの接続をして将来動かしていくという場合には、当然法律改正をいたしまして、正式に接続を認め、そうして接続したときの、いろいろの形というものも制度の問題として確定をして、とり進めていくべきものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/194
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195・久保等
○久保等君 すでに試行実施しているわけですが、試行期間等についてのおおよそのめど、そういったことについては、何かお考えになっておるのですか、また、そういう見通し等はお持ちになっておらないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/195
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196・松田英一
○説明員(松田英一君) 実は有線放送電話を運営しております農協あるいは町村のほうからは、非常に接続につきましての熱烈な希望を持っておりますために、私どもも、できれば早くその要望が達せられるように内容を確定したと思っておりますが、もちろんそのためには法律改正を要するわけでございまして、法律改正ができなければ、正式の接続はできないというわけでございます。
また、現在テストしておりますのは、これは補助金を交付いたします関係もございまして、一応補助金を交付してやらせるものにつきましては、二年間をテスト期間としてみて、その間は、いろいろとデーターの供給に協力してもらうというふうに期限をつけておりますけれども、これは必ずしも、二年間たてばできる、あるいは二年間たたなければ接続ができぬとかという、そういう問題は一応別でございまして、私どもは、テストのための協力要請期間というふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/196
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197・久保等
○久保等君 それで今のところは、二年たてば、もう打ち切るということになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/197
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198・松田英一
○説明員(松田英一君) テストとして、協力してもらう期間が二年間でございますので、それを打ち切るかどうかということは、やはりそのときの情勢によるというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/198
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199・久保等
○久保等君 そのときの情勢によるといってみても、そのときの情勢にしても、今から僕は、予想がつくと思うが、予定がつくと思うが、早い話が、昨年の十二月ごろですか、実際に接続した個所、これは来年の末がくれば、二年になるわけですが、問題は、やってみて非常にまずかった、技術的にいろいろな意味で支障が出たというような結論になれば、これはまた話は別だと思う。
ところが、やってみた、とにかくまずまずの成果であったいうことになった場合に、一体それならば、それを本実施にするかということになってくるとすれば、これに対する今言う法改正等を考えていかなければならない問題であるならば、これはまた、あまり悠長なことを言っておるわけにはいかないと思うが、そういう場合に、二年たったが、これは一応二年間経過期間としてやってみた、試行期間は試行期間として、それで終わったということで、また元へ戻して検討するというのか。これはいろいろ困難な事情が出て参ると思う、実際問題として。したがって試行するにしても、試行するからには一応の二年といっても、そう長い期間ではないので、当然将来の問題についての見通しを持っておらないと、これはまた、現実の問題に追い回されてしまって、何かそれに対するあとから対策を考えていくというような形になっていくことは、通信行政の観点からいって、私はきわめて好ましくないと思うのです。
だから、二年たったときに、一体どうするかという問題について、だめというか、きわめて成績が悪かったという場合には、これは論外だと思うが、そうでなくて、二年間やった場合に、まずまずの成功であったという場合には、一体どうするのかという問題がやっぱりあろうかと思うのですね。
そのことについては、それ以上お尋ねしても明確なお答えはできないということであろうと思うのですが、それでは、今のところは、保守にしろ運営にしろ、そういうものは、農協なり、いずれにしても公社にあらざる民間にやってもらうのだという考え方だけは、はっきりしているのですね……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/199
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200・松田英一
○説明員(松田英一君) そのとおりでございます。
それから、私どもの考えといたしましては、もちろん、その二年もたちますまでの間に、極力内容をいろいろと固めまして、法律の改正案も準備して、ぜひ国会でお通しいただけるようにもって参りたいというふうに私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/200
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201・鈴木強
○鈴木強君 関連して。
この問題は、監理官、何回も論議してきているのですけれども、一体郵政省が確固たる自信を持っておられるのかどうなのか、多少疑問を持っているのです。というのは、昨年の予算もだいぶおくれて、十二月に具体的なテストに入った。どの程度の調査期間が必要だったか知りませんが、とにかく、もう相当延びてきておる。おくれてきておる。今度、また二十カ所さらにやろうというのですけれども、予算の制約もあったことはわかりますけれども、どうもテストをやる段階における取り組みというものを非常に安易に考えておられたのではないかという気がするのですね。五カ所なら五カ所をやってみて、ほんとうに本実施にいけるかどうかということの自信をもってやったことであるかどうか。今五カ所やってみて、それがだめで、今度二十カ所追加して、また二年間やらしてみて、また今年度やらしてみるというか、何というか、優柔不断というか、これはもともとむずかしい問題ですから、政治的に鈴木善幸さんが大臣のときに、地方に行って新聞報道をやられておしかりをこうむった人なんですよ。ああいうふうな空気が流れてしまったものですから、われわれが地方に行っても、もう公社線に接続できるのだというふうに考えているのですよ、下の人たちは。しかもこの考え方の中には、五年も七年も前に引いたようなボロの施設でも引けるのだというような錯覚まで起こしているのです。とんでもないことだというふうに、わしらはそういう話しをするのですが、そういう話がありまして、何か今度の通常国会に政府のほうでは、有線放送の一部改正法というものを出して、今の五カ所のテスト・ケースもあわして法制措置までするというような情勢が出てきのですね。ところが、今度の国会には、法律は出ないようですし、そうすると逆に、今度はテストを二十カ所もやって、まあ石橋をたたいて渡るということになると思うのですが、非常に慎重にやっておられるのはけっこうなんですが、どうもやり方が、政治的に流れ過ぎているような気がするのです。そのためにあなたのところだって、そういうしめくくりをつけるのに、実際苦労していると思うのです。つじつまを合わせるのに……。ですから、久保さんのお話にもあったように、二十カ所の選定だって、これは郵政省が頭からきめるということではなくて、本来農協が、どの会社にやろうと、向こうに権利があるわけですよ。それを郵政省が何か割り振りをしたようにとられるということは、あなたも心外でしょう。だから、そういうことはこの二十カ所の問題についてもよほど今度やられるときに注意してもらわぬと、一方に偏してしまって、一つの会社が十もやる。私たちが見ておって、政治的にやったというような感じを受けると困るので、その点も、十分配慮してやってもらいたいと思うのです。
一体、今の質疑を聞いておりますと、二十カ所ことし予算が通ってやる、四月か五月か六月かしりませんが、スタートしていくということになりますと、一体自信を持つまでというのは、法律改正ということは全然考えておらん、テストの結果、成功したら法律改正していくのだ、こういう基本的な態度でいることは間違いないと思いますけれども、当初からの、今度の国会で法律改正をやるのだという考え方からみると、だいぶ後退していると思うのですが、こんなことは、私も不即不離でやられてはかなわんですから、もっと慎重にテストをやられてやるということは賛成ですけれども、どうも僕は、一貫性がないような気がする。一体、有線放送の一部改正というのは、どうなっているのですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/201
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202・松田英一
○説明員(松田英一君) ただいまいろいろとお教えいただきまして、まことに私どもありがたく思う点でございますが、私どもいろいろと、この有線放送電話の問題を考えます場合に、とにかく農山漁村の有線放送電話を使っている人たちの非常に重宝している状況、それから実際重宝しておって、さらにそれの技術レベルも大いに上げようとし、また上げてきてもおりますし、またこれを何とかもう少し有効に使いたいというような要望を考えました場合には、電電公社の電話をつないで有効性を発揮するという事柄そのものは、私どもどうしても、その要望に沿ってあげなければならないことのような気がしておったわけであります。しかし現実には技術問題等も、非常にむずかしい問題は、私どもも機会あるごとに話もしておりますし、そこで今国会におきましても、一応テストとして、すでに始めているわけでございますが、その間にいろいろと、具体的に改修をしてみるという過程においても、私ども参考になる材料、問題もいろいろとあるというふうなこともわかってきたわけでございますので、そういう点も考慮いたしまして、さらに来年度、三十七年度に、もう少し具体的に、全般的にテストをしたしで、本格的な具体的な形における接続の状況というものは決定する必要があるという考えに立ったわけでございますが、もしできれば具体的な実施というものは、そのあとにたりましても、せめて有線放送電話が公社に接続できるという観念だけは、今国会で、場合によったら確立さしていただけたらという希望も持っておったのでございますけれども、いろいろな点から、なかなかその点も、今国会は、無理なように考えられますので、やはりテストを進めていって、具体的な形というようなものをしっかりつかまえて、そうして有線放送電話の接続したときの精度なり状態なり、技術の程度なりというものをしっかりといたしまして、法律改正をお願いしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/202
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203・鈴木強
○鈴木強君 わかりました。そこで私は、やはり一つの技術ですからね、だからそう長い間、一年もも二年もやっておかなければ、最終的な判断ができないとも思わないのですね、ですから秘密漏洩とか、そういったいろいろな問題なり、一般の公社線に接続した場合の性能がどうなるかというような問題だと思いますね、だからそういう点が、何も差しつかえないということならば、私は何もあえて、それまでつないじゃいかんという、そういう気持は持っておりません、率直に言って。ですから、さっき久保さんも言われたように、今後の有線放送を継続した場合の有線放送の本体と、電電公社との間の保守とか管理とかをどうするかという問題は残りますが、そういう問題は別としても、そういう場合のテストはいいと思うのです。
そこでちょっと、これは十二月に始めたばかりですから、一カ月ちょっとですから無理かもしれませんけれども、これは一体、ああいう指定というか、五カ所を指定しましたね、その工事をやっている会社と——それから具体的には、そのテストには公社なんかもタッチしているのですか。もしタッチしているとすれば、今の段階で、どうかということですね、うまくいきそうかどうか、その点の御判断もつきかねるのですか、今のテストの段階では。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/203
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204・松田英一
○説明員(松田英一君) 始めましてから、まだ幾らもございませんために、具体的なデータというものは、まだ集めかねているわけでございますが、いろいろとつないだ状況の話を聞いて参りますと、むしろ具体的につないでテストしてみる、つまり技術基準を私ども電電公社と相談してきめたわけでございますが、その技術基準に沿うように改修するという段階において、やはりいろいろと問題はあったように話を聞いております。しかし、その問題は、各方面かなり当初予想していた以上の問題があったようでございますけれども、しかし、とにかくその問題を克服して、技術基準に達してつないでみた。その結果といたしましては、非常に通話の質も、なかなか良好のようですし、また話をしてみた利用の状況というものも、かなりうまくいっていると思います。まあそれも、どちらかといえば最初は珍しいものですから、割に利用がたくさんあり過ぎて、交換される方がちょっと困るというような模様もあったようでございますけれども、それも一カ月くらいもたちますと、大体落ち着きまして、そのあとでは、そんなにひどく困るという状況じゃなくて、普通に接続をして便宜をするというようなことで、有線放送電話を利用しておられる方々のほうでは非常に喜んでおられるというように私ども聞いておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/204
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205・鈴木強
○鈴木強君 だから、テストを五カ所やって、そういうのは、中間の段階ですね。だから、決定的にだめだとも言えぬし、決定的にいいとも言えないという段階ですね。それでなおかつ成果が出ないうちに、さらに来年度二十カ所も施行しなければならぬということはわからぬ。何か政策的に、もう法律改正が延びてきたから、だからテストでもってやりかける、僕には、そんなふうにとれてしょうがないのです、率直に言って。ですから、なぜ五つで、さらにまた二十カ所もやらなければならないのかということをひとつ説明してもらいたい。
それから、今のテストの段階にタッチした公社のどなたですか、これは米沢総務理事ですか、何かちょっと、また公社のほうからの立場でひとつ説明していただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/205
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206・松田英一
○説明員(松田英一君) 来年度、三十七年度に従来の五カ所に対しまして、さらに二十カ所テストしてみるということでございますが、何分三十六年度は五カ所という限られた予算しか成立できませんでしたために、全国的に見ましても、一つには私どもがこのテストの結果を手近でよく調べたいという考えもございましたのと、どうせ全国的にやってみることができないということでございますので、有線放送電話の施設の多いところからやってみたいという程度で、まあこれで、ある意味でいえば技術的な材料等はある程度得られるとは思ったわけでございますけれども、実際有線放送電話が全国的に広がってやっておりまして、しかもそれを接続してみるという事業は、それを受け入れる電電公社側の施設状況というものも、それぞれ農山漁村でございますために、いろいろ状況が変わっている。また、有線放送電話のほうから電電公社の電話を使う状況というものも、それぞれの地方でかなり様子が違っているというふうな点も考えました場合に、できれば日本全国に、とにかくまあ数は少のうございましても、各電波監理局の管内、公社でいえば通信局の管内のどこでも、とにかく一応やってみて、そして大体の姿というものがつかめれば、ほんとうの本格的な制度を実施するのには間違いのない方法であるというふうに考えて、三十七年度もう一年やってみることにしたわけでございまして、また確かに、先ほど鈴木先生から御指摘を受けましたように、三十六年度は私ども初めてのケースでございましたために、ただ、その地方の状況ということを頭におきまして指定をいたしましたために、おしかりをこうむったような状態も若干出て参りましたので、そういう点も、三十七年度はよく考えて、今度はほんとうにいろいろな角度からのデータというものを確実につかめるようになりたい。そうすることによって、初めて本格的なデータというものも固まるのじゃないかというふうに考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/206
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207・鈴木強
○鈴木強君 公社のさっきのあれをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/207
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208・米沢滋
○説明員(米沢滋君) ただいまの監理官のお答えになりました点を補足するという意味で申し上げたいと思います。接続を始めましたのは、先ほどお話がありましたように、十二月でありますが、その接続をする場合に、特に問題になりましたのは、たとえば強電流の線と、それから有線放送の接続電話の線との間の、たとえば防護問題とか、あるいは隔離——距離の問題、強電線と弱電線が近いと、感電するおそれがございますし、また電気工作物規程等に、いろいろ規定されたことがありますから、そういう面で、合わない設備につきましては、それを接続前に改修するという問題がございます。それからまた電話機に側音回路がないと、話をしたときに自分の話が非常に強くなりまして、相手の話が聞こえないという、そういう側音回路についての問題がありまして、それからあとは、話をしているときに、たとえばスピーカーで漏れるという問題につきまして、耳をそばにつけてしまえば別でありますが、それがあまり大きな声で漏れますと問題がありますから、そういう点で、たとえばバリスタを入れまして、ほかのほうが話をしているときに、同じ線路にぶら下がっているスピーカーから話がほとんど漏れないというような問題が、接続の前、あるいは接続の前後に問題が起こる。なお、そのほかいろいろテストをしていくデータにつきましては、まだ十分集まっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/208
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209・久保等
○久保等君 今の質問にも関係のある質問になりますが、昭和三十七年度に二十カ所追加してやろうという問題、これは今電通監理官のお話で、結局五カ所三十六年度でやっているが、さらに違ったケースの場合についての場所なり、あるいは施設等についてやる意味で、二十カ所やってみたいというお話なんですが、私はこういうことは、やり出すと、結局最初は五カ所、次は二十カ所、翌年度は三十カ所というふうに、だんだんだんだん、ただ惰性的——といっては悪いけれども、ずるずる強い要望があるために、どんどん施設、場所をふやしていくというようなことでは、これは試験的な意味自体もおかしくなってくると思う。したがって二十カ所というのも、先ほどのお話で、別にまだ具体的にはきめておらないというお話だけれども、そうだとすれば、二十カ所ということ自体についても、そう固定的に考える必要はないのではないか。したがって必要があれば、違ったケースのテストをする意味で、十カ所なり、あるいは十五カ所なり、また二十カ所やることが、どうしても必要だということならば、これも私はけっこうだと思う。しかしとにかく二十カ所きめたので、要望はたくさんあると思うのです。むしろ二十カ所でなくて、四十カ所も五十カ所も、百カ所もあるのだろうと思いますが、しかしそれは現在のテスト中における目的から考えると、私はやはりやるべきでないと思うのです。二十カ所一応、三十七年度で予定されておるようですが、明年度はどういうふうに考えておるか、明後年度、三十八年度については、この二十カ所というものは。したがって、試験的にやるのには、もう二十カ所程度やれば、ほぼ大丈夫だろうというふうにお考えになっているのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/209
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210・松田英一
○説明員(松田英一君) もう試験的に接続してみるということにおきましては、私はもう、三十七年度二十カ所の予算が成立いたしました、これでもって、まあ十分というわけにはいきませんかもしれませんが、もうそれ以上、試験として考えていくのでなくて、この際、本格的なデータを得られるであろうと思いますし、またそれによって、本格的な措置をきめていくべきだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/210
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211・久保等
○久保等君 この問題については、将来につながった重要な、しかも電通行政の重要な問題ですから、私はそのデータについても、これはあらゆる角度から十分に検討してもらって、少なくとも、やはりはっきりした方針を確定してから、これを実施するかしないかというような問題について、もう一ぺん再検討を十分にやってもらいたいというふうに考えます。そうしないと、何か当面ひとつ、試験的な形で要望にこたえていくというような考え方でやられると、これは非常に問題を将来に残すと思うのです。したがってあらゆる角度から、技術的な面はもちろんのことですが、同時に将来やっぱり私は財産権の問題だとか、いろいろな問題も、将来の問題としては出てくると思うのですよ。最初のうちは、とにかく話ができるようにさえなればいいということでスタートはするでしょうが、やっぱり将来になってくると、運用、保守の問題、それから財産権の問題、そういったような問題について、これは当然問題が出てくると思う。本来電電公社がやるべき通信施設じゃないか、それをとにかくできないから、さしあたってわれわれはやったんだけれども、少なくとも早急にこの施設というものは、当然電電公社本来の施設に戻すのだという主張が出てくると思うのです。またそのことは当然だと思う。
だから、そういったことに対する見通しも十分にひとつ立てながら、本実施の問題については、慎重に一つ考えてもらいたい。慎重に考えるということは、何もやらないということじゃないのでして、それこそ、前向きで考えてもらう必要があると思うのですね。何か要望に押された形で、この通信、特に今言った有機性の非常に強い施設ですから、そのためによほど考えてもらわないと、国鉄線と私鉄線というような乗りかえをして、あるいは乗りかえじゃなくて、途中でつなぐというようなデリケートな通信技術の問題を内容としておりますししますから、やっぱり財産権の問題なり保守、運用の問題ということについても、私はよほどはっきりしてもらわんと、当初は考え方ははっきりしておったんだがといってみても、途中から、まただんだん、だんだんいろいろな政治的な背景だとか、いろいろな事情によってゆがめられるというようなことのないように、その点についてはひとつ十分に時間も持ち、もし必要ならば、十分に時間もかけてもらう必要もあるし、それからテストの地域等についても、十分にやる必要があって、数をふやすことならば私はけっこうだと思うのですけれども、しかし、それも要望があるからということで、施設の数をどんどんふやしていくというようなことでは、本来の試験目的そのものが達成できないようなことになりますししますので、この点については、十分にひとつお考えを願い、善処願いたいと思います。よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/211
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212・松田英一
○説明員(松田英一君) いろいろとお考えをいただきまして、私どもも、今後なお一そうよくこの問題につきまして、全面的に勉強をいたしまして、慎重に取り組むと同時に、また、ただいまのお話のように、積極的にこれを解決するという意図でもって、十分検討したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/212
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213・久保等
○久保等君 それじゃ私最後にひとつお伺いしたいと思うのですが、予算に関連して、要員問題でお尋ねをしたいと思うのですが、今度の三十七年度予算案を拝見すると、人員の面では一万二百名余り増員を予定いたしておるようですが、その中に含まれている建設の増員は九百名ということのようです。これは前年度——前年度というか、本年度、三十六年度と比べてみると、総体的な人員の面では、もちろんふえているようですが、建設要員については三十六年と三十七年、それぞれ九百名の増員ということになっております。さらにさかのぼって三十四年、三十五年を眺めてみると、これも二百五十人ずつ、それぞれ両年度でふえているようです。こういう人員のふえ方そのものは、きわめて何か事務的というか、機械的というか、電通の今の建設量の伸びと比較をしてみると、どうもうなずけないのですが、ここらのひとつ御説明を願いたいと思うのですが、建設要員の問題について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/213
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214・井田勝造
○説明員(井田勝造君) ただいまの問題は、これは建設の要員の能率につきましては、かなり問題が多いのでございまして、損益勘定におきましては、大体におきまして、全般的に機械化に伴いまして能率が向上して参ります。そういう要素を入れまして、施設増による伸びと事務の能率が向上していく、それと合わせまして算定しているという方式が確立しておるのでございますが、建設はお説のように、まだそういう方式が確立していないわけであります。結局、いろいろ財務当局と折衝の結果昨年度程度でいこうということで意見が一致したようなことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/214
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215・久保等
○久保等君 まあそれは、きわめて公式的な答弁で、大蔵省の答弁も、そういう答弁をするのだろうと思うのですが、私はやはりこれは非常に現実を無視したということだけは、はっきり言えるのじゃないかと思うのですね。予算面をちょっと見ても二、三十億ふえたかという程度じゃなくて、三十六年度では千七百億あまりの建設予算が、今度は二千億をこす予算、したがって三百億以上もふえているのに建設要員はとにかく同じなんだ、これはまあ大蔵官僚の考え方というものは、そういうものかもしれないけれども、普通の一般の常識とは、相当かけ離れていると思うのです。たまたま先ほども数字を申し上げたように、三十四年度と三十五年度の場合も、これまた判こで押したように三百五十人ずつというふうになっておって、今度は三十六年、三十七年は、また判で押したように九百名ずつ、これは数字としては覚えやすいけっこうな数字かもしれませんが、いかに尺度がないと言ってみたところで、三百億から四百億程度の建設予算をふやしておいて、人員のほうは前年度と同じでいいのですということには、私はどう理屈をこねまわしてみても言えないだろうと思うのですがね。こういうことは、対大蔵省に向かっては、電電公社のほうでおそらく強く要望したところだと思うのですが、私は電電公社を強く責めようとは思わないのですが、しかし何としても、こういうものの考え方だけは、ぜひひとつ打破していくように、これも御努力を願うというようなことになるのですけれども、もう少し、頭の弾力性のある判断をしてもらわぬと困るのじゃないかと思うのですが、まあ落ち着いた結論はこれですから、これらの結論について説明をしようとするのですから、今の答弁以上の答弁はできないのかもしれないけれども、もう少し意欲的な答弁はできませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/215
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216・井田勝造
○説明員(井田勝造君) 全く先生のおっしゃる通りでございまして、私ども三十八年度におきましては、もう少しいい方法を考えまして、御納得のいくように予算関係を作っていきたい。こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/216
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217・久保等
○久保等君 私は、だからそのことは、結局建設要員が圧縮されるということになってくれば、公社としては、当然保守要員を食わざるを得ないと思うのです、方法として。そうなってくると保守要員のほうでは、さっき局長のお話では、若干合理的な尺度でもって増員をやっているのだと言ってみても、これは実際の運用面では、保守要員を建設要員が食っていくという運用をせざるを得ないと思うのですが、そうなると、やはり何のことやらわからぬということになってくると思うのです。したがって、私はもちろん損益勘定面の保守要員、これもはなはだ現実は窮屈だろうと思うのです。したがって当然、これに対する増員等もこの程度では私は相ならんと思うのです。したがって結局建設要員のみならず、保守要員をも含めて、もう少しやはり事業の実態に即した、要員、要求をやっていくべきだと思うのです。当然そういう理屈になると思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/217
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218・井田勝造
○説明員(井田勝造君) 先ほど申し上げましたように、損益勘定におきましては、私現在の方式でまあ大体満足できるのではないかというふうに考えております。建設につきましては、御指摘のとおりでございまして、今後研究をして参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/218
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219・久保等
○久保等君 だから率直にお伺いしますが、保守要員そのものを建設要員に回して、実際問題としては使っているでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/219
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220・井田勝造
○説明員(井田勝造君) 若干建設のほうに使っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/220
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221・久保等
○久保等君 若干といっても、その若干もどの程度の若干が知りませんが、まあ、私はほんのわずかという意味じゃなくて相当建設要員に回さざるを得ないという状況だと思うのですよ。とにかく、そのことはいずれにしても、事実は大小の問題別にしても、局長がまあ認めておられるようですから、ひとつそういった不合理をなくしていくような格段の御配慮を願いたいと思うのです。それで、来年度予算で一万二百十二人ですか、増員になる予定になっておりますが、この中に郵政からの受け入れされる人員というものは何名ぐらい含まれておりますか。それから前年度も、ひとつ何だったら資料があればお伺いしたいと思います。前年度というか、三十六年度……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/221
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222・井田勝造
○説明員(井田勝造君) 三十七年度に郵政から受け入れる、要員は千百四十一名となっております。三十六年度におきましては七百七十二名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/222
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223・久保等
○久保等君 この郵政からの受け入れの要員の問題ですが、これらについてはいろいろ配置転換の問題等もありますし、特に郵政当局との関係もありますししますので、よほどその点——私はもちろん全電通なり全逓という労働組合の関係にしても、十分によく納得のいく話し合いといいますか、そういうことがなされないと、今後特に、今数字を見ても、三十六年度、三十七年度比べても相当なふえ方で、多数の受け入れを一応予定しておるようですが、こういったようなことについては、今後のやはり建設計画を進める、拡充計画を進める上における非常に大きな一つの問題だと思います。したがって格段の配慮を願わなければならないと思いますし、同時に先ほど来申し上げておりまする要員の確保の問題については、これは何といっても、事業を動かも根幹ですから、格別の一つ御善処を願いたいと思うのです。
私、きょうはこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/223
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224・鈴木強
○鈴木強君 時間もないようですから、私二つばかりお尋ねしておきたいと思いますが、一つは三十七年度の予算との関連にもなると思いますが、損益の収入が三千二百四十四億を計上されておりますが、当初電電公社が郵政省へお出しになった原案ですか、あれによりますと、たしか三千百億ちょっとこした程度の収入見込みになっておったと思いますが、それが最終的に三千二百四十四億円にふえております。これは一体どういうことなんですか。建設勘定のほうで四百十三億の要求をしたんだが、これが五十八億に切られた。そういうことがあって、無理に目標額をふやしたのじゃないかという気がするのですがね。
そこで伺いたいのは新料金体系との関係ですが、九月からいよいよスタートをするということで、今テストをされておりますが、これは国会審議の過程においても損になるとか損にならないとかというような論議がございましたけれども、一体今全国十カ所でやっておられる、これは試行段階だと思いますけれども、収入減というのはどの程度になりますか。そういうことしは特に不確定、要素があるだけに、三千二百四十四億円というふうに収入見積りを上げたことはかなり困難があるのではないかと思うのですけれども、この辺はどう思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/224
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225・井田勝造
○説明員(井田勝造君) 歳入が要求のときと決定のときとで相当伸びておるわけでございますが、これは実は財務当局と私どものほうでやりますときに、いつも予算の、要求時点が、予算要求の作業にかかりますときが大体八月ぐらいからかかりますわけで、結局収入といたしましてはその当時はっきりわかっている一番新しいデータということで四月、五月、六月の収入を基礎にいたしましてはじきまして、これによって予算要求をいたします。ところが予算案を大体決定いたします十二月ぐらいの時点でございますと、九月までの数字が上がっているわけでございまして、九月までの上半期の計数をもとにいたしましてこれを再調整するというのがこの十年ぐらいのしきたりになっているのでございます。最近の電信電話収入の傾向といたしましては、じりじりと利用が伸びておるというのが趨勢として出てくるわけでございまして、四月、九月というものを基礎にしましてはじきますと、必ず何十億か計算が抜けてくるというのが例になっております。それを基礎にいたしまして、また明年度の景気の動向、そういったようなものを勘案しながら明年度の歳入を見積った、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/225
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226・鈴木強
○鈴木強君 それはいいのだけれども、大事なところが御答弁がないのですがね。まあ毎年の慣例ではあろうが、特に三十億減収をあなたがたこの料金改正によって来たすのだと、そういう具体的な大体おおよその数字まで国会の中で出しておるわけですね。そういう九月から、年度中途からにおける料金体系の移行ということがことしは新しいファクターとして出てきていると思うのですね。それが施行後の、岐阜以下、たしか広島でもやっておりますが、そういう十カ所でやっておりますね、新料金による計算をやっておりますね。それによると、相当七、八百万円の減収になっているように聞いているのです。そういうことが、あなたがたが言われておる三十億の減収になるのかどうか知りませんが、いずれにしても収入はことしはそういう不確定要素があるから、経済の伸びが多少よくなるだろうということも想定としては出てくるでしょうけれども、そういう問題もあるだけに、ことしはこの目標の決定ということは通例の年と違ってどうも数字的に少しふやされたというふうな気がするので、私伺っているのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/226
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227・井田勝造
○説明員(井田勝造君) ただいまの件は明年度の歳入に見積りしてございまして、この料金合理化のときの問題になりました。平年度で三十億減収という計数は三十四年度末の設備というものを基礎にいたしまして理論的にはじいて、平年額が三十億ということでございまして、三十七年度の設備で明年度の減収というものを想定いたしますと、大体五十四億に相なる次第でございまして、平年……。それが明年度は九月末実施ということでございますので、それの半分ということで二十七億減収を見積ってございます。内訳は市外通話で二十二億、度数料で五億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/227
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228・鈴木強
○鈴木強君 もう少し詳細にわかりませんですか。今たとえば東海の管内でやっております岐阜ですね、ここでやっております新料金体系によるテストの結果どの程度の赤字が出ておるか。十カ所のあれはわかりませんか。最近のそういう資料はないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/228
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229・井田勝造
○説明員(井田勝造君) 最近の施行の分につきましては、これはコールがどのように変化するか、それからDSA台のコールがどのようにふえるか、そういったような設備計画の参考ということを主としてやったわけでございまして、現在の料金収入のほうにどういうふうになっているかということは、ほかの、要素といろいろからみ合っておりますし、非常に限定された地域だけでございますので、現在までの施行局の状況から判定するということはちょっと不可能かと考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/229
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230・鈴木強
○鈴木強君 それは一般論でなしに、私の質問しているのは、そういう個々の十カ所のあれがあるだろうから、それがどうなってますかということを聞きたいので、あなたの分野かどうかわかりませんが、今そこに資料がなければ、あとでまた出していただけませんか。今までのテストの結果、どういうふうに月を追って減収しているか、施行以来料金がどういうふうに移動しているか。それはだれの分担ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/230
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231・横田信夫
○説明員(横田信夫君) お答えいたします。昨年いろいろ答弁いたしましたが、先生のお話のとおりでありまして、昨年お答えいたしましたのは、三十億の減収というのは利用度数、利用時数がふえなければそのぐらいな減収が起こるでしょう、しかし、われわれが昨年申し上げましたように、今度の料金改定はお客さんのためにもなると十分思っていますので、利用度数とか利用時数がふえるのではないか、ふえれば必ずしも減収にならないだろう、ということを申し上げたわけであります。それで、今実験いたしております個所は、まだ経過月数も少ないものですから、これから昨年申し上げましたことについての結論を出すのはいささか無理だと思いますが、今までの状況では、利用度数、利用時数はあまりふえてない、大体横ばいである。横ばいであるとすると、先生の御指摘のように減収が起こる。しかし私は、利用度数はまだふえるのではないかと思うのです。これは、お客さんが新料金制度の趣旨をどのくらい理解されて活用されるかという問題が残っておりますので、まだこれで来年以降必ず減収が起こるかどうかについては若干問題があると思います。大体今までの趨勢では、今申しましたように、利用度数、利用時数が横ばいで、これが新制度を施行したからといってふえているわけではない。ただ、料金とは直接関係がありませんが、先ほどお話がありましたDSA台の利用というのは、公衆電話の利用とお客さんの料金の問い合わせと、両方ありますが、料金問い合わせのほうのお客さんの御利用が若干ふえている、こういうような状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/231
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232・鈴木強
○鈴木強君 それはわかります。あなたのほうでもし無理ならいいんですよ。参考にしたいものですから、現在までの十カ所の施行の月別の収入がどうなっているかというのを参考にいただけないかと思ったのですが、それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/232
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233・横田信夫
○説明員(横田信夫君) 先生の御要望のものを、あとで打ち合わせいたしまして提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/233
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234・鈴木強
○鈴木強君 やはり、私はちょっと岐阜を見せてもらったのですけれども、あそこに行きますと、名古屋——岐阜間が三十八秒で七円を取っているんです。そうしますと、これはどうしても損になるんです、何ぼフルに使っても。そういう区間もあるようですね。ですから、あなたのほうで損になるんだと言われたことも、そういう面では生きていると思うんです。その面からの収入源というのはどうしても、不利になるんですよ。今二十何円かな、それを三十八秒でやってきて、切れ目のないようにフルに活用してもらうとしても減収になるという現象がありましたよ。そんなこともありますのですから、各地域別に見たかったものですから。
それからもう一つ伺いたいのは、電信の事業改善委員会というのを大橋総裁みずから議長ですか、委員長になりまして、昨年暮に設置していただきましたことは、まことにこれは私は敬意を表します。長い間電信というものがどうも拡充されず、電電公社の事業の中では、時代の趨勢かどうか知りませんが、付帯事業的に——「的に」ですよ、考えられるような傾向がありまして、何回かこの委員会でも問題になったんですが、やはり電信中継機械化が、東京中央電報局が、ことし二月ですね、終わる。やがてまた大阪が西の総括局としての機械化を終わると思うのです。大体電話に先がけること約十年、この合理化というものを終了することになると思うわけです。あと、専用線あるいは加入電信というものをどういうふうに拡張していくかということが残された問題になると思うのですが、現在の採算というものがコストを割って赤字経営になるような電信政策というのを一体どういうようにこれから持っていこうとするのか、そういう矢先であるだけに、私は非常にけっこうだと思うのです。そこで敬意を表すると同時に、われわれもまたできるだけ足りない知恵であっても、御協力できるだけは私は御協力して、せっかく作りましたこの委員会を最高度に成果をおさめるようにやってもらいたいという強い念願を持っております。
そういう意味で、これを設置された大体の構想ですね。いろいろ今まで論議されたことをやっていただくと思いますけれども、基本的には、プリンシプルをどういうふうに置いて改善委員会というものを運営されていこうとしておられるのか、そういう点をひとつちょっと総裁から伺いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/234
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235・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) ただいま御指摘の電信の改善委員会と申しますか、これは御承知のとおり、昨年電話の料金の合理化の案を提出いたしました。そのとき当時の合理化委員会にも、電信もあわせて実は合理化をやろうというので、一案を提出されたわけでございますが、しかしいよいよこれを最後に国会に出すという前に、もう一ぺんわれわれとして検討いたしました結果、電話についてはほとんど各全般にわたって合理化の案が実はできておったのですが、電信については、そこまで根本的に掘り下げるだけの時間もなくなったので、当面のごく一部分の改定というような考えで実は答申されておったわけです。いよいよこれを出す場合になりましていろいろ検討いたしますと、この際ぜひ取り急いでやらなければならぬのは、実は電話の合理化であって、ダイヤル即時をやるためには、ぜひ実現を急ぐ、電信のほうは、これはずいぶん長年の間の問題で、根本的に検討し直さなければならぬような問題がだいぶたくさん残っておりますので、できるならば、この際は取り急ぐ電話の合理化だけをまずやろう、電信のほうは、根本的の仕事のやりくり、その他全般にわたっていま少しく検討しまして、根本的に洗って、その基礎の上に立って合理化の案を考える、こういう結論に達しましたので、とりあえず電話だけのこういうような合理化案を出したわけでございます。
そこで、当時いろいろ国会においても議論がありまして、私どもも決して電信の合理化をいつまでも延ばすというのでなく、できるだけ早くこれを根本的に洗って研究の結果をいずれお出ししたい、こういうことを御答弁申し上げたのであります。
そこで、昨年電信に関する根本の政策そのものから洗い上げて、その一環としてまた料金も考えるということで、とりあえず本社の関係各局の総力を集めまして会議を開いたわけでございます。たまたまちょうど国会その他の関係がありまして、まだ会議としてはそう回を重ねてはおりませんけれども、できるなら私どもの目算としては、本年中に私どもの一応の案を掘り下げて、問題点をよく選択をして、ある程度の案を作る、そうしてその上にさらに一般の民間の識者の方の集まられた委員会でも作りまして、この前の合理化委員会のようにひとつ、われわれは材料を提供して、それによって御判断を願って御意見を聞いて、これをさらに取捨選択して最後の案をきめたいと、かように考えておりますので、まあ今の予定では年内ぐらいに私どもの一応の内部の案がまとまり、それによってさらに来年あたりにその最後の全体の案を決定したいと、かような腹づもりで今進んでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/235
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236・鈴木強
○鈴木強君 ちょっとはっきりしませんけれども、昨年持った電信電話の料金問題に関する調査会というのですか、を持たれましたね、あれの延長なんですか。私は、なるほど料金も事業全体としての合理化問題にもからんでくるでしょうし、それから、これからの電信の政策をどういうふうに持っていくかということにもなると思いますけれども、私たちは、むしろこの前のようなつけ焼き刃みたいなものを出してこられて、ただ上ずったような結論では、これは効果がないので、そこでもう一ぺんやり直そうということになったんだろうと思いますけれども、それだけに、ただ単にその料金問題だけにしぼれないと思うんです。経営全体について一体明治以来九十何年の歴史を持つ日本の通信というものが電話との間でどういう環境の中でここまできたか、それから昭和四十七年を一応の起点として、きょう申し込んだらあした電話がつくと、こういうふうにあなたのほうではやっていただけるそうですが、それに対応するダイヤル即時化ということが相当に進んでくるが、それにこれからの電信というものはどういう立場に立っていくのかということ、これは私はぜひこの機会にその委員会の中でやってもらいたいと思うんですよ。そのためにはアメリカあたりでは、何といってもウェスタン・ユニオンあたりの民間会社が、非常にいろんな紆余曲折を経ましたけれども、今日どうにか経営を維持しておるということもあるし、あすこは一つは電話の合理化ということがかなり進んだ国ですから、そこにおける電信の立場というものはかなりこれからの日本の描こうとする図の中では参考になると思うんですよ。そういったもろもろの頭の中で、一つの構想を持たれて、今度はみんな期待を持ってますから、特に電信に従事する職員というものは相当な期待を持っています。総裁がとにかく委員長になられたという、そういう委員会にかなり期待を持っておるので、それに報いるような何らかの基本政策というものを立ててやらぬと、赤字だが何にも心配するなと言われても、やはり百三十億か百四十億になるぐらいの赤字を見た場合には、従業員というものはかなり意気沮喪しまして、かなりそういう面でマイナスの面があると思いますから、私はもうちょっと——総裁の言われることはわかりますけれども、これからやられようとするこの委員会に権威を持たせるためには、もう少し総裁のはっきりしたプリンシプルを聞きたいのです。ちょっとわからないのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/236
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237・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 実はこれを設置した経緯を申し上げたものですから、そういうふうな誤解をいただいております。この委員会を置くに至った経緯は、昨年の合理化の案の電信についての案は一応とりやめて、電話だけ出したいということから発足いたしたのであります。しかし今度作った会議そのものは、実は料金だけの会議ではむろんございません。この際は根本的にこの電信の基礎の制度及び運用について根本的にひとつ掘り下げて実はやってみたいと、かように考えております。その結果でき上った案は、いずれ料金問題として国会へ提出されるだろう、こういうことを申し上げたのであります。これがためには、全公社の幹部が全部一致してこれを研究いたします。
なお、ちょっとどろなわのような感じを持たれるかもしれませんが特にこれがために外国のほうへ関係の者を出張させまして、最近の模様を調査さして、この会議に間に合わせるように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/237
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238・鈴木強
○鈴木強君 これはもう一歩前進した考え方を作ろうとするので、私は敬意を表しますけれども、各国の電信の実態というのはなかなか容易につかめないのですね。私たちもいろいろな文献などをあさっているのですけれども、どうもわからないので、わざわざ視察に行かれるというようなことは、特に電信部門の問題について行かれるということは私は非常にいいことだと思います。ですからどなたが行かれるかしりませんが、一つ十分な成果をあげるようにしていただきたい。そういった各国の歴史的な経過等も十分考えた上に一つ改善委員会がほんとうにいい成果をあげてもらうように、心から祈るわけです。皆さんの御健闘をお願いしたいと思います。
それからもう一つ最後に伺っておきたいのは、要員問題ですが、さっき経理局長からの御答弁だと思いますけれども、どうも大体これで満足であると私はお答えを聞いたのですがね。これはちょっと問題があると思うのです。もちろん皆さんは政府機関の方ですから御答弁についてもわかりますけれども、しかし実際に六十万の電話をことしふやそうとする皆さんが、まあ一万四千のわずかな要員を要求したものが一万二千百十二名に切られたということは非常に私は遺憾に堪えないと思うのです。私は昨年のことも一昨年のこともおぼえています。昨年は一万百二十五名が五千六百九十七名、今年は一万四千七百九十四名が八千七十一名に減らされていると思うのですよ。これが、施設増に伴う定員増が最小限認められなかったということは、私は遺憾千万です。いかに政府がそういう権限があるとしても、公共企業体で電電公社に責任を持って仕事をしてもらう、その代表者である総裁が検討して六十万の電話を引くためにこれだけほしいという要員がいれられないということは、私は皆さんの立場からいっても不満であろうし、心外だと思うのです。それでしかも責任をもってやれといわれたって、実際これは全責任をもってやるという気がしますか、私はそういう点については、やはり当事者である皆さんがほんとうに一万四千名というものが自信を持って出した要求であるとすれば、切られたことに対してはもうほんとうに怒り心頭に発してしかるべきだと思う。しかしそういう答弁もできませんから、その答弁の仕方もあるでしょうけれども、もうちょっと、私はこれで大体いけそうですなんていう、そんな答弁は、ちょっと僕はおかしいと思うのだな。そういう点について、一つ反省を求めたいね。自分の要求した要員がとれないときには、そういうことは言えないのですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/238
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239・井田勝造
○説明員(井田勝造君) 慎重に算定して要求はいたしたわけでございますが、一方財務当局のほうの御主張もあるようでございまして、これでいきましょうということで意見を一致したわけでございますので、私どもといたしましては、予算定員で十分事業はやっていく、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/239
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240・鈴木強
○鈴木強君 僕はここで経理局長とやり合うつもりは毛頭ないのですよ。大臣もいないし、政務次官もどっか行っちゃったから、政府に向かって私は言えぬから、そんなことを、私は電電公社に、この委員会を通じてあなた方に、そんなことを一言もいうつもりはないのですがね、慎重に算定をして自信をもって要求したものが途中で一万四千名が切られて、それで話し合いをして、そうなったらそれでやりますということは、結局要求したものに対して根拠がなかったのじゃないですか、そういうことにならないのですかね。それは要求しましたけれど、こういうふうに大蔵省の折衡の中ではなりましたと、そこまでだけでいい。従って自信をもってやりますとは、これはどういうわけです。自分の二万四千名がとれないでいて、そういう答弁ないでしょう。あなたに言いたくない。ないのだけれども、そういう答弁であるから言いたくなっちゃう。まあいいです。それはそういういきさつだから、もうちょっときぜんたる態度を持って、皆さんは公社の責任者なんだから、今の公社法というのは——大臣がいないので残念だけれども、もうちょっと権限を与えるものは与えて存分やらしたらいいと思うのだ、そういうのは公社法の不備だから、公社法の審議を促進して、公社法を早く通してくれなきゃだめですよ、たなざらしにさせないで。これは答弁要りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/240
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241・久保等
○久保等君 今の経理局長の最後の答弁は、これは、僕は納得できない答弁だと思うんですよ。十分やりますとかいう答弁は、これはやっぱり全く答弁のための答弁だと思うんですよ。きわめて不満であるけれども、とにかく大蔵省と折衝の結果こうなりましたということだと思うんです。意見が一致したなんというと、何かとにかく両方で同じような判断で意見が一致して、いかにも積極的に一万二百名程度で間に合うかのような答弁になっておると思うんですが、そういうことじゃないだろうと思うんです。当初の公社の要求人員から言ったって不満であることは間違いないんだから、ただ不満で納得できませんと、今の段階において公社当局として言えないでも、そこで進んでいるからまあ納得せざるを得ないという程度の答弁だろうと思うんですよ。だから、その点はまああまり言葉の端をつかまえて、どうこう言おうとは思いませんけれども、大蔵当局そのものに対して、今後ともこちらの主張を納得させる、説得する御努力はやっぱり願わなければならぬと思うんです。したがって、問題が片づいたんじゃなくて、ひとつ未解決の問題として、今後の私は用員要求の中で生かしていっていただきたいということをつけ加えておきたいと思うんです。
それともう一つ、実は、私は一番最初質問したときにも申し上げたように、第三次五カ年計画の問題が今後非常に重要な問題としてあると思うんです。したがって、時期を得て当委員会にいろいろとまた御説明が詳細に願えるだろうと思うんですが、時期的にはいつごろになるんですか。今までの計画案なるものは当然これはそれぞれの政府関係者と折衝をして固めていかなけりゃならぬ問題でしょうし、そういう点からいくと、正式にきまるというのは、三十八年度予算との関連においてだんだん固まっていくだろうと思いまするから、おそらくこの年末というか、この年内くらいに第三次五カ年計画というものの全貌が大体固まるというか、そういう状況に今後向いていくだろうと思うんです。したがって、当委員会に正式に第三次五カ年計画案としてお出し願えるのは、いつですか。今でも出そうと思ったら出せる程度のものがあるということになるんでしょうが、しかし、それは案的なものであって、案も案、草案的なものだと思うんですが、今国会で第三次五カ年計画等については、一応の第三次五カ年計画についての御説明を願えるんですか。御説明でもされようという公社側のお考えでもあるんですか。別にそういったことも考えておられないのか。ちょっとその点だけお尋ねしておきたい、第三次五カ年計画の。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/241
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242・伊藤誠
○説明員(伊藤誠君) 第三次五カ年計画につきましては目下作業中でございまして、第三次五カ年計画案というものは、まだまとまっておらない段階でございます。ただ作業を進めて参りますに必要な大まかな構想と申しますか、そういうものにつきましては、大体案ができておりますので、構想を御説明申し上げるということでございますれば、いつでも御説明申し上げることができるとは思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/242
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243・久保等
○久保等君 わかりました。それでは、十分に時間をかけて努力をしていかなけりゃならない大きな問題だから前もってちょっと申し上げておきたいと思うんですが、第三次五カ年計画の問題については、私はやはりできるだけこれが権威のあるというか、しっかりしたものに仕上げていくためには、老婆心までに申し上げておきたいと思うんですが、やっぱり郵政大臣あるいは大蔵大臣はもちろんのこと、政府そのものの閣議あたりにまでこういった問題が持ち込まれて議論せられ検討せられる必要が私はあるだろうと思うんですが、いつも従来当面する、たとえば三十八年度予算の問題については三十八年度予算の編成時期に当然これは閣議にかかるんですが、何カ年計画というものについては、これは全然議論せられておらないように私は今まで見受けるんです。結局いかに五カ年計画であっても、三十九年度はまた九年度、四十年度は四十年度とか、その年度たんびの事前の予算編成のときにに初めて議論せられる。もちろん的確なこまかいことまできめるということは、当然それは予算編成のときにならないとわからぬと思うんですけれども、しかし、大よその大綱については、こういう方針で、じゃやっていこうという程度のものが、そういうところで議論せられておかなければ、これは単なる電電公社当局の私案にすぎないような形になってしまうような結果に今までなってきておるんじゃないかと思うし、これは単に電電公社に限らず、国鉄においても似たり寄ったりの問題だと思うのです。常に私は政府でこういう大計画をやろうとするなら、これは特に政府がやっぱりその気になって腹をきめていかなければ、公社当局だけ、あるいは国鉄当局だけでやり切れる問題ではないんですから、五カ年計画なら五カ年計画の構想を立てた場合に、こまかい的確なところまできちっときめるということまでできませんにしても、大きな大綱的な方針だけは閣議あたりでも取りきめるというところまで問題を持ち出していく必要があるのではないかというふうに私は考えるんですがね。もちろん経済情勢の変化ということもあるでしょうし、大蔵当局の財政状況もありまするから、三年春四年も先のことをはっきりきめろったって、これはこまかいところまではきめられないと思う。さればといって、そんな具体的なものは、年度の前にならぬときめられないと言うなら、また五カ年計画を作ることはナンセンスだと思うんです、そこらのところは単に事務局案ということでなくて、少なくとも政府当局——政府関係機関をむしろ除いて、政府当局がその気になった五カ年計画というものを仕上げていってもらいたいと思うのです。そのねらいとするところは、さっきの三十七年度予算にも触れるんですけれども、資金計画の面等について、これはやっぱりよきにはからえという形じゃなくて、政府のほうでやっぱり責任をもって、政府もその気になってやるんだという私はちゃんとひとつ責任を負わせるという意味合いで、事務当局としてそういう方向に持っていく努力をしていく必要があると思うわけです。そのことについて、総裁なんだったらひとつ御答弁をなさって下さい、扱い方について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/243
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244・大橋八郎
○説明員(大橋八郎君) 私のほうとしては、お説のように取り計らい得れば非常に望ましいとは思います。われわれの計画を遂行する上においては。ただしかし、今日戦後の情勢を見ますと、今のようなことはちょっと実際問題としてむずかしいのじゃないか。昔は御承知のとおり、五カ年計画なり十カ年計画の電話だけにつきましても、昔私ども役人をしておりましたときに、十カ年計画を立て、それが通って十カ年継続の予算が成立したときがあります。どうも戦後の情勢を見ますと、やっぱり社会情勢も変わり経済情勢も変わってきた関係もありましょうが、そういう継続予算というものは、ほとんど見当たらぬように見受けるのでありまして、大体予算の年度初めのときに初めてきめるというのが一般の近ごろの慣行になっておるようでありまして、そこまで内閣のほうで取り上げていただけば、これにまさることはないのですが、実際問題としてはなかなかむずかしいのじゃないかという気がいたします。今までの第一次も第二次の五カ年計画の場合も、これは公社の案としてこういう構想はあるということを何して、その構想に基づいて翌年度の予算のときに初めてほんとうの現実の姿に具体化する、こういうのが今日までのずっとしきたりでありますから、ただいまのお話のような非常にけっこうなことでありますけれども、実際問題としてはなかなか困難であろうと、かように見受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/244
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245・久保等
○久保等君 しかし総裁、私は予算という形では無理だと思うのです、閣議にかけることは、五カ年間の予算的意味で。しかし、電信電話拡充第三次の五カ年計画というものを、こういうひとつ基本方針でやるんだということについては、これは私は、閣議でやろうと思ったらやれないことはないと思うのですよ。予算の金額をはじき出してしまうと、これは問題があると思いますが、しかしそうでなくて、五カ年計画のたとえば電話の増設を幾らやるとか何とか、そういうことを表面に出すのは、そういうことでいいと思うのですよ。しかし、内容説明が当然あるわけですから、閣議でそういうことを議論するのなら、内容説明は——説明資料かどうか知らぬけれども、そういうもので出ると思うのですよ。つい一昨年だったと思いますけれども、治山治水十カ年計画、これを単独立法したととがありますが、これなんかも私はそういう形をとっていると思います、現実に。ただ予算を、現実的には予算書をつけてということにまではなっておりません。しかし、どの程度のものを、大体十カ年の間に治山治水をどういう方針でやるかということは、これは閣議決定もされるし、方針が決定されていると思うのです。私はそういう意味で、ぜひ説明資料的なものになって——きちんとしたものの取りつけにはならないと思いますけれども、第三次五カ年計画を閣議で議論したこともなければ、電電公社が勝手にと言えば悪いですけれども、事務当局が作ったという程度に取り扱われているところに問題があるわけです。だから、予算を閣議で決定しておっても、これは建前はそうなっておりませんから、これは総裁の言われるとおりだと思いますけれども、ただ五カ年計画というものについての構想を閣議あたりで決定するという形式的な問題はどうか知りませんけれども、少なくともやっぱり、とにかく了承するという程度の形ぐらいに何とか持っていけると思うし、まあそういう方向に何とかひとつ持っていってもらいたいと思うしするのですがね。だから、予算という形では、私は今の予算制度の建前からいってできません。できませんが、すでに治山治水十カ年計画というので、一つの具体案と言えば具体案が前例としてありますから、私はあまり形式的なことを必ずしも言うのじゃなく、むしろそういう問題が議論せられて、みなが大体了承したのだというような実効をねらって私は申し上げておるのですから、必ずしも形式的な閣議決定をもらったら、それで何かお墨つきをもらったというような形式的なことを考えておりません。またそんなことを必ずしもしなければならぬということではないのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/245
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246・安部清美
○委員長(安部清美君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/246
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247・安部清美
○委員長(安部清美君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/247
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248・久保等
○久保等君 それでは第三次五カ年計画についてはいろいろ非公式には説明も若干承わっておりますがね。委員会を通じて適当な機会でけっこうですから、今国会でまた機会を見ていろいろとお考えもさらに確かめて参りたいと思いますので、資料をひとつ委員会を通じてお出し願いたいと思うのですが。もちろんそのことはまだ草案程度ということで理解いたしますから、現段階において公社として考えておる第三次五カ年計画の資料をひとつ御提供願いたいと思います。また逐次適当な機会にお尋ねをしたいと思いますからお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/248
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249・鈴木強
○鈴木強君 私も資料をひとつ、要求しておきたい。
一つは、職員局長さんにお願いしたのですがね。全国に施設区というのがありますが、それの数と、それから駐在所というのがありますね、それの数幾つありますか。それから特定郵便局の中に間借りしているのと、そうでなくて何というのですかな、見張り小屋みたいなのがありますな。ああいう、公社としてはいずれにしても施設を持っておりますね。それがわかるでしょうか。調べてみていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/249
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250・本多元吉
○説明員(本多元吉君) 施設区の数でございますか、一つは。それから駐在所は……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/250
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251・鈴木強
○鈴木強君 駐在所の数ですね。それから施設、区も駐在所も含めて公社が面接持っている職員の勤務する施設ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/251
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252・本多元吉
○説明員(本多元吉君) 委託局に駐在しておるというようなところは、これはやっぱり委託局の特定局の中に駐在員が入っているというものも、これは含めるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/252
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253・鈴木強
○鈴木強君 そうです。駐在所でも、自分の職場を持って、直接公社が駐在員の職場を作っていますね、部屋を。そういうのと、それから公社の郵政に委託になっているものです。いいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/253
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254・本多元吉
○説明員(本多元吉君) よく打ち合わせまして提出いたします。承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/254
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255・鈴木強
○鈴木強君 それからもう一つは、最近公社がとられておる、小局合理化、これはどこになりますかね、副総裁。たとえば分局制というのがありますね。分局制、ああいうのは幾つぐらいありますか。あとでいいですわ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/255
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256・横田信夫
○説明員(横田信夫君) 承知しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104014816X00419620213/256
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257・安部清美
○委員長(安部清美君) 本件につきましては、本日はこの程度にとどめておきます。
これにて散会いたします。
午後四時十分散会
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