1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十七年二月八日(木曜日)
午前十時三十七分開議
出席委員
委員長 園田 直君
理事 金子 岩三君 理事 高田 富與君
理事 渡海元三郎君 理事 丹羽喬四郎君
理事 川村 継義君 理事 阪上安太郎君
小澤 太郎君 久保田円次君
田川 誠一君 津島 文治君
前田 義雄君 山崎 巖君
二宮 武夫君 松井 誠君
山口 鶴男君 門司 亮君
出席国務大臣
自 治 大 臣 安井 謙君
出席政府委員
自治政務次官 大上 司君
自治事務官
(大臣官房参事
官) 大村 襄治君
自治事務官
(行政局長) 佐久間 彊君
自治事務官
(財政局長) 奥野 誠亮君
自治事務官
(税務局長) 後藤田正晴君
委員外の出席者
自治事務官
(財政局財政課
長) 松島 五郎君
自治事務官
(税務局府県税
課長) 降矢 敬義君
専 門 員 圓地与四松君
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二月六日
市の合併の特例に関する法律案(内
閣提出第六六号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
市の合併の特例に関する法律案(内
閣提出第六六号)
地方税法の一部を改正する法律案
(内閣提出第四九号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/0
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001・園田直
○園田委員長 これより会議を開きます。
昨六日付託になりました内閣提出の市の合併の特例に関する法律案を議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/1
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002・園田直
○園田委員長 まず、政府より提案理由の説明を聴取いたします。安井自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/2
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003・安井謙
○安井国務大臣 ただいま議題となりました市の合併の特例に関する法律案につきまして、提案の理由並びにその内容の概要を御説明申し上げます。
社会、経済、文化の発展に伴い、相隣接する数個の市の地域が一つの都市地域を形成しつつある場合におきましては、関係地域の行政を総合的かつ計画的に行ない、地方自治の基盤を強化し、地域住民の福祉を増進するために、関係市の合併をすることが望ましい場合が少なくないのであります。たまたま、北九州五市におきまして合併問題が長い間の懸案でありましたが、今日関係地方公共団体の間において、合併の機運が盛り上がってきましたので、政府としては、その合併が円滑に実現するようにいたしますため、関係法律の特例を定めることが必要であると考えるのであります。なお、他にも同様に数個の市が合併によって都市の経営を合理化しようとする動きも予想されますので、それらの場合にも適用し得るように考慮して、本法律案を提出することにいたしたのであります。
以上が市の合併の特例に関する法律案を提案する理由でありますが、次にこの法律案の内容について、その概要を申し上げます。
第一は、本法律案における関係法律の特例は、三以上の市の区域の全部または二以上の市と一以上の町村の区域の全部をもって新たに市を置こうとする場合に適用になるものとしたのであります。いわゆる対等合併の場合のみを対象としたのでありまして、比較的大きな市に比較的小さな市町村を吸収するいわゆる編入合併の場合は除外することといたしております。
第二は、以上のような市の合併について、町村合併促進法または新市町村建設促進法において認めたとほぼ同様な関係法律の特例を認めるものとしたのであります。ただ、市の合併の特殊性にかんがみ、関係市町村の議会の議員は合併後二カ年をこえない期間新都市の議会の議員として引き続き在任することができることとしておりますことと、衆議院議員の二以上の選挙区にわたって合併が行なわれることとなったときは、当分の間、なお従前の選挙区によるものといたしておりますことが、従前の例とは異なっております。
第三は、合併をしようとする市町村は、関係市町村の議会の議員、長等をもって構成される合併促進協議会を置くものとし、この協議会において都市建設計画を作成せしめることといたしましたのであります。都市建設計画は、おおむね新都市の建設の基本方針その他新都市建設の基本的な事項について定めるものといたしたのであります。
第四は、国、都道府県等は、新都市の建設に資するため必要な措置を講ずるように努めなければならないものとしたのであります。
なお、本法律案の有効期間は、その特例法たる性格にかんがみ、十年間とすることといたしたのであります。
以上、提案の理由並びに内容の概要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/3
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004・園田直
○園田委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。
本案についての質疑は後日に譲ります。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/4
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005・園田直
○園田委員長 次に、内閣提出の地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより本案についての質疑に入ります。発言の通告がありますので、順次これを許可いたします。渡海元三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/5
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006・渡海元三郎
○渡海委員 今回の地方税法の改正につきまして総括的な部分につきまして、若干質問をさしていただきたいと思います。
御承知の通り、地方税は負担軽減あるいは負担の均衡化という点からは、合理化さるべき点は多々あると思います。戦後の困難な情勢のもとに作られたいろいろな欠陥がまだ是正されていない点は、国税に比べて非常におくれているのじゃないか。この観点からは当然合理化さるべきでありますが、一方地方財源の充実という点につきまして、これがさえぎられているという点もまた事実でございます。この点、最も欠陥とするところは、地方財源がないということによって、税法そのものの改正も制約を受けるという点に悩みを持ってきたのではないかと思います。このために今回の税制改正の方針の一つとして、税源配分ということがとられたのでありまして、これは当然の結果であろうと思いますが、まことによき傾向の一つではないかと思います。今回とられました税源配分の概貌と、この税源配分にあたりましてこのような税種をもって税源配分を行なった理由の概貌について、まず承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/6
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007・後藤田正晴
○後藤田政府委員 御質問にございましたように、今回の税法改正の眼目が二つありまして、その一つが税源配分の問題でございます。税源配分の問題につきましては、過去三年間税制調査会においても、種々の観点から検討を加えたのでありますが、何分にもこの問題は、つまるところは国及び地方団体相互の間の事務の配分、さらにそれに基づく負担区分をどのようにするかといったような、いわば国及び地方を通ずる行財政制度の全般にわたってメスを入れなければ、根本的な改革は困難な問題でございます。そういうような意味合いから、税制調査会では検討は加えましたけれども、何分にも税という観点からだけでは、こういう問題はとうてい抜本的にメスを加えて、どうこうするというわけには参らない。そこでこれらの問題については、さらに別個の機関なり何なりで検討を加えることが適当である。そこでさしあたり現在の制度を前提といたしまして、その範囲内でできる限りの税源についての帰属の適正化をはかったらどうだろうか、こういうことになりまして、本年度の答申のような結果に相なったのでございます。従って、この問題の抜本的問題はあとに依然として残されておる、こういうことに相なっております。
そこで今回の税源配分の基本的な考え方でございますが、何と申しましても地方の財政の実態を見ますと、まだまだ十分とは言いがたい。しかもその歳入の構成の割合が、いかにも地方の税の場合にはその占める割合が非常に低い。御承知の通り県、市町村合わせましてここ数年大体三五%程度でございます。そこでこれは自治の観点から見るならば、やはり一番望ましい姿の財源は、自分の思うように自分の議会の意思で、住民の納得の上に立って、賦課徴収する税の姿の財源が望ましいわけです。そこでそういう意味合いから現状を前提といたしましても、何らかの形で地方税の割合を高めたらどうかということで、しからばそれを高める限度は、一体どういうことになるだろうかといいますと、現在のように団体間の経済の格差がある、経済格差以上に御承知の通りに税では格差が開いてくるわけでございます。そこで税をふやすとその結果いよいよもって税源が偏在をしてくる、こういうふうな矛盾に逢着するわけでございます。そこでおのずから税源配分といいましても一定の限度があるだろう。勢い今回の案にございますように、税源の配分の規模そのものは小さくならざるを得ない。小さくなった結果、それでもなおかつ税源配分の結果は、そのままに放置をいたしますと、一部の団体にまた偏在をするということになるわけでございます。そこで税源を配分はするが、配分した際に増加せられた税源そのものは、何らかの形で、いわゆる貧弱な団体の方によけい流れるような措置を講ずる必要があるだろう、こういうことで国から一定の税源をもらう、同時にそのふえる分は、貧弱な団体に回す措置を講ずる、こういう基本的な考え方に立っているわけでございます。そこで、それでは国から税源をもらう場合に、どういう税をもらったのがいいかということになったのでございますが、その際には地方税の特質から見まして、何といいましても普遍的な税をもらう必要がある。同時に地方の税が国の税と比較いたしまして伸長性が足りないという点から、伸長性の度合いのある税をもらう必要がある、しかし同時にまた、それが安定をするような姿にしなければならない、こういった意味合いから今回の税源配分では、現在の行財の機構を前提にした場合には、何としても所得に対する税源、これが一番望ましいわけでございます。そこでただいま申したような意味合いから、所得課税の一定割合を地方にもらう、そうして同時に、その税については安定的な措置を講ずるという方法を採用したわけでございます。もう一つは、たばこのように普遍的であり、しかも安定をしておる税をもらう、こういう措置を講じたのでございます。ただ今回の税源配分では、さらにそのほかに御承知の通りに入場譲与税、これの廃止をいたしておりますが、これは廃止をしなければしないで、一番地方としては望ましいのでございますが、これはやはり国と地方全体の財源論という観点から、私どももいたし方なかろうということで廃止に踏み切ったわけでございますが、その趣旨は、やはり私どもは独立税がほしい。入場譲与税は、同じ譲与税でも、特別とん譲与税とかあるいは道路譲与税と性格が違って、いわば交付税の前渡しといったような、一種あいまいな性格のものでございますので、こういう税は、やむを得ない場合には、まず第一に減じてもしかるべきものであろうということで、この税の廃止を行なった。同時に、今回の税源配分では、地方団体相互間の税源帰属の適正化という意味合いから、先ほどもちょっと触れましたが、国からもらった所得課税について安定化の措置を講ずるという意味で、税率について比例税率の採用をしていく。同時に、たばこについては課税標準の改正をやる。また法人事業税については、分割基準の適正化措置を講ずる。こういったような一連の措置をあわせて講じたのでございます。
以上が、今回の税源配分についての私どもの基本的な考え方と、その内容のあらましてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/7
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008・渡海元三郎
○渡海委員 政務次官、今お着きになりましたので、あるいはただいま局長の答弁の中にございました点はお聞き取れないかと思いますが、私が質問いたしましたのは、今回の税法改正の中で、税源配分ということが大きな特徴の一つでございますが、その点についての概貌を聞かしていただいたのでございますけれども、国と地方との税源配分ということを麗々しくうたって発足した税制調査会でなかったかと思うのであります。それが、長年の研究の結果発表された今回の税源配分というものでは、非常に小さいものに終わった。これを今年度の地方財政計画で見ましても、地方税の占める率が、昨年度の四〇%から三十七年度の四一%、わずか一%の増加というものにとどまった、このようなことでは自主財源を求める地方財政の状況に応じられない、もっとやるべきでなかったか、私はそう思っている。もちろん税制調査会の答申の中にも、これで全部じゃない、今後もやらなくちゃいけないのだということも出ておったと思いますが、それがなぜできなかったかということで、今聞かしてもらったわけでございます。従いまして、今後ともに、税制調査会——税の観点からだけでは行ない得ない、国と地方との行政事務分担のあり方、あるいは負担区分までメスを入れて当然やらなければならない問題として残っておるのだということを、十分御認識賜わりまして、今後地方財政の確立のためにも、国と地方の財政責任を明確にするためにも、ぜひとも次の機会に行なっていただかなければならない問題であると私は考えております。この点特に御答弁は求めませんけれども、今後自治省として当然実現を期さなければならない問題の一つの重要なる課題であるという点で、御努力賜わりたいということを要望しておきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
なお、ただいまの局長のお答えで概貌はわかったのでございますが、税源配分の結果、いよいよ地域格差を大にするというふうなことが非常に支障になった。そのために税源帰属の適正化といいますか、よくいわれた財源調整と申しますか、的なあり方を、これに併用されたという点は認めるのでございますが、しかしながら実質からながめましたならば、入場譲与税は廃止された。これは先細りの税でございますから、これを県民税の所得割と、将来伸びるものと交換されたという姿は、これはいいのでございますけれども、所得割の場合は、むしろ富裕団体の方に非常に多く行くようになる。しかも入場税の場合は、これは譲与税でございまして、交付団体にのみ交付されておった。しかも所得割の場合においては、貧弱団体におきましては、今回の改正によりましても伸びが相当少ない。従って、むしろ増税を——県民税だけにつきましては増税でございますが、増税を行なう努力を行ないながら、なおこの改正によってむしろ得るべきものが少なくなったんだという姿が、各貧弱府県等においては現われてくるのが実情ではないかと思う。ただいま申されたような税源帰属の配分で、はたして適正が期せられるかどうか、私は、数字で示すことができましたなれば——交付団体と不交付団体と、この税源配分によりまして、実際どのような——税源の帰属とあわせて、決して貧弱団体がおそれておるような結果は起こらないんだということを、できますれば数字をあげてこの機会に明確にして、貧弱団体が抱いている心配が杞憂であるということを説明して、この不安を除去していただきたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/8
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009・後藤田正晴
○後藤田政府委員 税源配分の結果の数字について御説明を申し上げます。
独立税の関係で、税源配分の結果、初年度が二百五十二億平年度が二百七十五億の増でございます。地方譲与税の廃止の関係で、初年度、平年度と、ともに百七十億の減となります。従って差引、今回の税源配分では、初年度八十二億、平年度百五億の財源の増と相なっております。
それを交付団体、不交付団体の内訳で申し上げますと、初年度は、八十二億のうち、交付団体分が五十四億、不交付団体が二十八億の増でございます。平年度は、百五億のうち、交付団体が八十億の増、不交付団体が二十五億の増、こういうことに相なっております。従いまして、全地方団体の姿を見れば、まずおおむね妥当な線ではなかろうか、こういうふうに考えておるのでございます。
ただ、これを道府県及び市町村に分けて申し上げますと、初年度は、道府県が四十六億の増でございます。そのうち、交付団体が三億の増、不交付団体が四十三億の増でございます。市町村は三十六億の増、その内訳は、交付団体が五十一億の増、不交付団体が十五億の穴、こういうことになります。平年度について申しますと、道府県の場合は六十六億の増でございますが、交付団体が二十五億の増、不交付団体が四十一億の増。市町村は三十九億の増でございますが、交付団体が五十五億の増、不交付団体が十六億の穴、こういうことに相なっております。従って税源配分の姿といたしましては、道府県の場合は姿が悪い。ことに初年度の場合に、道府県の姿が格好がどうもうまくない、こういうことに相なっております。これはなぜかと申しますと、申し上げるまでもなく入場譲与税の廃止が府県の交付団体に非常な影響を与えておる、こういうことに相なるわけでございます。ただ、そこで府県の交付団体側としては、御質問の中にございましたような御不満もあろうかと思います。しかしながら、現実にはただいま申し上げましたように、増加の割合の姿は悪いけれども、やはり税源配分の結果、初年度といえども交付団体全体としては増の姿に相なっております。そういたしますと、入場譲与税というのは、先ほど申しましたように交付税のいわば前渡し、これは全額交付税計算では除いておるわけでございます。そういたしますと、交付団体全体として増になっている以上は、交付税の既存財源に食い込んで、平たくいえばタコの足を食ったという姿には絶対なっていないのでございます。そういう意味合いから、いろいろな御不満はございましょうけれども、私どもとしては、一応格好はよくありませんけれども、この程度の結果になるならば交付団体の県側にもごしんぼうを願わなければなるまい、ことにこれが平年度になれば、姿が相当よくなって参りまするので、この程度でがまんをしていただきたい、こういう気持を持っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/9
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010・渡海元三郎
○渡海委員 幸い松島課長もおられますので、この点、結局こういった現実面で起こりますところの貧弱府県の税源が減るというのは、交付税調整の中に期待される分が多々あると思いますので、この点がいかに行なわれるか、この際財政当局からの御答弁もお聞きいたしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/10
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011・松島五郎
○松島説明員 財政力の貧弱な地方団体に対します財源の強化の問題につきましては、従来努力を続けているところでございます。今回の税源再配分に伴いまして、税収入に、それぞれ団体ごとには変動があろうかと存じますけれども、今税務局長からお話のございましたように、全体として決して悪い姿になるわけでもございませんし、また、従来交付税の算定を通じてとって参りました財政力の貧弱な団体に対する強化の問題も、引き続いて進めて参りたいと考えておる次第でございます。
なお、今年度御議決になりました後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律によって、公共事業に関し、後進地域の地方団体に対し、国庫負担のかさ上げが行なわれることとなりました結果、昭和三十六年度分のいわゆる補助事業に対するかさ上げ額というものは、前回の財政計画の御説明の際にも申し上げましたように百二億円に上がっております。なお、直轄事業についての負担軽減額も七十億円程度に上がるものと予想いたしておるのでございます。これを合わせますと実に百七十億円という財源が後進地域の地方団体と申しますか、財政力の非常に乏しい地方団体に与えられることになっておるわけでございます。これらの措置を通じまして、こういう団体の財政運用の円滑化を期して参りたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/11
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012・渡海元三郎
○渡海委員 交付団体全部の財源が今回の税制改正によって不利とならないのでありますが、あとは今申されたような財政運用のあり方を十分考慮を払っていただけば、解決する問題であろうと思います。ただいまの御答弁の趣旨に沿いまして万遺憾なきを期していただきたい、こう要望いたしておきます。
次に、今回行なわれました県民税の増徴が、今までの累進税率を比例税率に変えるということの方法によって現われたのでございますが、大体住民税というものの性格上、比例税率を適当とされたのはどういう意味からですか。
もう一つは、累進税率でなくて比例税率になることによって、むしろ今回の増徴が、下の者からたくさん取るというような形によって、県民税の増徴が行なわれるのではないかというふうなおそれなしとしないのでございますが、この点、おそらくそういうようなことのないように調節をされたと思いますが、比例税率に変えた結果、どのような調節をして、そういった結果になっているのかというような点を、御説明を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/12
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013・後藤田正晴
○後藤田政府委員 今回比例税率に改めましたのは、本来地方税の性格といたしまして、いわゆる地域住民がそれぞれ相寄って一部の負担に任ずる、つまり分任税と申しますか、そういう性格が地方税としては要請せられるわけでございます。また、超過累進の税率というものは、これは御承知の通りに、国のようにどこからでも税を全体として抽出すれば済むといったような性格を持たない地域団体の税、つまり、それぞれの地域団体が生活可能となるような税ということになりますというと、ただでさえ経済力の格差がある場合に、超過累進税率でございますと、税収の格差はそれ以上に実は開いてくるわけでございます。そういうような意味合いからも、地方税の税のあり方といたしましては、やはり高度の超過累進よりは、比例税率もしくは比例税率的なゆるやかな超過累進という税の率の姿が、いいとせられておるのでございます。学説その他いろいろな御意見もございますけれども、いずれにせよ、私どもも、考え方としてはその方がいい、こういう気持を持っておるのでございます。つまり地方税としては、所得課税について申し上げますと、できるだけ広い範囲で、下積みのところで地方が税をまず取る、そうして、その残ったものについて国が高度の超過累進で税を取っていく、これが望ましい姿だと思います。つまり、超過累進の税というのは、税に求められるいわゆる富の再配分、お金のある人からはよけいに税を徴収して、それを国なり地方団体の歳出を通じて還元をする、こういういわば一種の富の再配分の役割が、超過累進の税には求められておるわけでございます。そういう富の再配分といったような役割は、やはり地方団体に求めるよりも、これは国でやるべき筋合いのものだ、こういう考え方に私どもは立っておるのでございます。またこれが、多くの場合一般的にも言われる考え方だと思います。そういうような意味合いから、今回所得税から二百億ばかりの税の移譲を受けた際に、この際に超過累進の税を比例税率的な姿に改めようということで改正をいたしたのでございます。そこでこれを、形式的に地方税たる道府県民税だけについて見れば、あるいは低所得層の者から税をよけいに取って、上の者は軽くした、こういうことになろうかと思いますが、税負担の姿を見る場合に、形式的では意味をなさないので、その結果納税者のふところ勘定がどうなるのだ、これがやはり一番の問題点だと私は思います。そういう意味合いにおいて、私どもは今回の税源配分は、増税というととは決して考えてもおりませんし、結果もさようにはならないように配慮をいたしてあるのでございます。つまり所得税と道府県民税の総合負担において全所得層について軽減を行なう。同時に、その軽減の割合は低所得層ほどその度合いが高い、こういう改正をいたしておりますので、ただいま御質問にございましたような御心配の点は、私は絶対にないと確信をいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/13
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014・渡海元三郎
○渡海委員 ただいまの御説明で方針はわかりました。またかくあらねばならないと思いますが、この問題は所得税法の改正の法案の中で、あわせて審議する機会もあろうと思いますので、方針だけ承って終わりたいと思いますが、今回の増徴が、県民税の住民税というものは市町村が住民税一本の形でとる。従って市町村は、住民税は今度はふえていく。住民税がふえるという形で納税者に向かってこれを要請せねばならない。しかもふえるのは自分のところでなくして県であって、市町村はそのために徴税上技術的に非常に困難が加わります上に、なお住民に向かっても増税になるという姿で、非常に苦痛を受けなければならないのじゃないかと思うのでございますが、これらの点を考慮しながら、なお県民税と市町村民税とあわせて徴収する、県民税の徴収事務を市町村にそのままお願いすることにされた理由、並びにこれによって生じますところの市町村の苦痛を、どのようにして償おうとしておられるのか、この点を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/14
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015・後藤田正晴
○後藤田政府委員 今回の改正におきましても、従前通り賦課徴収は市町村に委任をする、つまり県民税について県が直接賦課徴収をするというような方針に改めなかったのでございます。この点につきましては、御説のように市町村当局からはともかく事務がとうてい消化し切れないとか、あるいは市町村民税自身の賦課徴収にも支障を来たすというようないろいろな御意見がございます。一々私どもはごもっともだと思いますけれども、なおかつ従来の方針を踏襲をして、賦課徴収は市町村委任ということにいたしましたのは、実は徴収団体の立場に立てば、私は市町村側の御意見ごもっともだと思いますけれども、私どもとしてはやはり納税者の立場、また特別徴収義務者の立場、これを税の改正の際には何としても忘れるわけには参りません。どちらかといいますと、まず第一に考えなければならない点ではないか、私はこういうふうに思ったのでございます。そういたしますと、やはり納税義務者及び特別徴収義務者の申告なりあるいは報告等の手数が、直接徴収に改めますと倍加するわけでございます。また同時に、同じような金額を税務署に納めるにいたしましても、所得税、府県住民税、市町村住民税、三段階から税の徴収令書が来て、これを納めるということになりますと、納税者としては何としても負担感にたえられない、こういう印象は消し得ないと思います。またいわゆる所得調査、これが三重の所得調査になってくる、こういうような点も考えたのでございます。さらにつけ加えて、私どもとしてはやはり徴収経費の点も念頭にあったのでございます。
これらの点を考えまして、県民税がこれだけの相当な独立税収入になったとはいいますものの、以上のような理由から、現状が市町村に賦課徴収を委任をしておるという姿である以上は、これを積極的に改めるわけにはいかぬのではないかということで、現状維持にいたしたのでございます。ただ先ほど言いましたように、徴収団体の立場として、市町村にいろいろな御意見があるのは、私はこれは当然だろうと思います。そこで、そういう市町村の不満を私どもとしては緩和をしていかなければならない、こういうことでございます。
そこで、市町村の御不満が事務上やり切れないのではないか、技術的に不可能じゃないか、こういう点に一つあったわけでございますので、これらについては、大都市、中都市、小さな市町村、それぞれ現実に私どもは徴税事務そのものの調査に当たりまして、まず事務上は技術的に不可能ということはない、これはできる、こういう見通しを持ったのでございます。ただその際に、やはり経費がかかる。これはかかることは当然でございますので、そういう点については十分の措置を講じたいということで、まず徴収交付金でございますが、徴収交付金については、私どもは大体現状の倍額程度にいたしたい。三十六年度の実績は、府県民税の賦課徴収の交付金は、大体十一億程度でございます。これが税制改正なかりせば大体十九億程度になろうかと思います。それを今回の税制改正で、大体四十億見当にまでいたしたい。そういたしますと、三十六年の実績と比べますと三十億の増、こういうことになろうかと思います。これは徴税取り扱いに関する政令の基準を改める、同時にまた、それは財政計画なり、あるいは基準財政需要の中に織り込んでいただく、こういう措置をまず講ずることにいたすつもりでございます。
また、今回の事務の増加、さらに固定資産税の評価がえの問題、これらの点もございますので、財政計画上市町村の税務機構の拡充をせねばならぬということで、大体初年度は賃金職員を含めて七千名程度の増加をいたしたい、平年度になれば全部定員として七千名程度にいたしたい、こういう人員増加の措置も実は講じておるのでございます。
それから市町村の徴税のための事務の機械化を現在やっておりますので、これらを援助したいということで、機械化経費として三十六年度、本年度の特別交付税で一億七千万円程度を見る、同時に五カ年計画で整備をさせるという方針のもとに、毎年度二億三千万円程度の機械化経費の財政措置を講ずる、こういうことをいたしておるのでございます。
なおまた、納税義務者に対して特別徴収の税額の通知をする期限が五月三十一日になっておりますが、通常住民税の改正は翌年度になるわけでございますけれども、本年度は所得税との関連調整ということでありますので、当該年度つまり三十七年度から改正をするわけでございます。そこで初年度に限りましては納期限について若干の延長、弾力規定を特例として設ける、こういう措置も講じておるのでございます。さらにまた事務の機械化をいたしております市町村の便宜を考慮いたしまして、特に簡易税額表の制度は尊重する、こういう措置も講じておるのでございます。
以上のように、市町村側のいろいろな不満、御要求というものを考えまして、私どもとしては可能な限りの万全の措置を講じた上で、従来通りの賦課徴収は市町村にお願いする、こういう方針にいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/15
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016・渡海元三郎
○渡海委員 従来自治省は、いわゆる財源調整という大蔵省的なものの考え方に対しましては、いわゆる富裕団体といえども、これは交付税の制度上の不交付団体というだけであって、決して不交付団体そのものが富裕団体ではないのだ、現在の東京都にしても、大阪市にしても、決して富裕団体といわれるようにあり余っていないのだ、むしろ貧弱団体に財源を与えてもらうことこそが現在の自治体の要望だ、決して地方団体間の調整を行なうほど、地方団体はどの団体も富裕ではないのだ、こういう観点に立ってこられたのでございますが、今回その関連において税源配分ということを行なわれたのでございますが、この点、これらの不交付団体の実情も御勘案の上、税源配分の適正化という点で一、二の点を追加されたのだ、こう思うのです。その点いかなる配慮のもとに、今回のたばこ消費税の変更あるいは法人事業税の分割基準の変更、これらが行なわれたか、この点を御説明賜わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/16
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017・後藤田正晴
○後藤田政府委員 いわゆる財源調整というものについての従来からの自治省の基本的考え方、これは私はその基本的考え方の上に立って行なったつもりでございます。つまり不交付団体といえども財源が潤沢に上がっておる団体ではないのだ、やるべき仕事がやれないでおるのだという基本的な考え方はくずしておりません。そこで従来からの財源調整の論議は、こういった不交付団体の財源を削って交付団体に回すべし、これが従来の財源調整論議の中身であったと私は思います。これに対して私どもは、そうじゃないんだ、現在の不交付団体といえども金はあり余っていない、これは国と比べてみればいずれが潤沢であるか、はっきりするじゃないか、そこで財源を地方団体によこせ、よこしたならば、そのよこしたものについては傾斜的に交付団体の方によけいいくようにするのだ、これが私どもの考え方であったと思います。今回の税源の帰属の適正化措置も、私どもとしてはさような配慮のもとに税源をもらう、そのもらった税源は交付団体によけいいくような配慮をする、こういうつもりで作業をいたしたわけでございます。ただその結果として見た場合に、先ほど言いましたように、市町村の場合に十数億、不交付団体に穴があきます。これはまことにその点は、大きな市に対しては私は申しわけないと思いますけれども、全体のこの姿というものを落ちつけるためには、全部が全部、あらゆる条件を満足させるというような姿の配分は、実は困難であったわけでございます。そこで私としては、地方団体全体の姿としての交付、不交付を分けて考えました場合に、まずまずこれならという程度に落ちつかざるを得なかったのでございまして、個々の団体にとっては、ただいま言ったように大きな市について若干の穴があくということは、これはまことに遺憾でございましたけれども、やむを得ない結果である、こういうように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/17
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018・渡海元三郎
○渡海委員 現在の税源帰属の問題で、十分富裕団体に対する配慮の上、可能な範囲の税源帰属の適正化をはかられた、しかしながらなお大都市の分が少なかった、こういうふうなお話でございますが、その点、今回の税制改正にあたって初年度二百七十億ないし八十億、平年度四百二十二億の地方税としての減税をやられたのでございますが、新聞紙上あたりでは、現在の地方財政計画の、大きな地方財政の中からは、少なきに失するのではないかというふうな世論が出ております。しかしながら私は、ほんとうに自主財源を持っていない地方自治団体の姿というものを幾らか認識を誤られて、むしろ地方財政計画総額だけをながめられ、ほんとうに自主財源が少ないんだという点を見ておられない議論じゃないかと思う。この点自治省当局におきましても、みずから行なうにはあまりにも貧弱な自主財源であるのだ、少な過ぎるのだということを、よく世間にも認識していただくようにしてもらいたいと思う。それにもかかわらずこれだけの減税をされた。しかも税源帰属の適正化を可能な範囲でされる。私はたばこ消費税の税率の引き上げが今回二%、これは大きな努力でされたのだと思いますが、なお大都市に穴があくというのは、いま少し国としても、たこば消費税の税率引き上げというものをやっておったなれば、もう少し大衆負担の軽減を伴うような地方税の減税も行なわれ、しかも税源帰属の適正化に対しましても、そういったような欠陥のない万全の策が出たのではなかろうかと思いますが、たばこ消費税の税率引き上げが少なきに失したのではないか、こう考えますが、この点、いかなる努力をされて今日にとどめられたか。今後とも私はこの点は努力してもらわなければならない重点であると思いますので、今回の税制改正に伴って自治省のとられた態度、これらの経過を、この際明確にしていただきたい、かように考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/18
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019・後藤田正晴
○後藤田政府委員 御説のように、たばこ消費税の税率引き上げがわずか二%にとどまったという点は、私どもの立場からいたしますれば、まことに不満足な結果でございまして、努力の足りなかったという点は、地方団体に対してはおわびを申し上げねばならないと思います。ただ私どもとしては、やはり国との折衝の間においてあらゆる努力は傾注をいたしたつもりでございます。何分にも国はまた国全体の財政の問題もございますし、まあ二%程度で折れ合わざるを得なかったというのが実情でございますが、私の希望としましては、たばこ消費税は今回の税源配分の場合には、実は四%ほしかったのでございます。四%がやや欲目であるというならば、三%であれば、市町村に二%引き上げれば、ただいま申したような欠陥が出なかった。四%あればこれはもう府県、市町村とも私は問題はなかったであろうと思います。しかしながらただ問題は、さらに私は住民負担の軽減という点を頭に置きますと、今回の減税内容そのもので、私自身の個人的な気持としましては、満足をいたしておるわけではございません。もう少し地方税の中で、ほんとうに大衆の負担を軽減するという観点から、もう一歩減税をすべき税種があるのではないか、こういう気持を実は持っております。しかしそれもたばこの補てんというものがない以上は、それを一方に考えながらも、どうしても地方の財源、ことに貧弱市町村の財源ということを頭に置いた場合に、これ以上の減税に踏み切るというわけには参らなかったのでございます。従って減税の規模をいま一歩進めるという観点に立てば、たばこの税率というものをさらに数%上回っていただくことができるならば、私は理想的だったと思います。この点については、現実問題としてはお互いの折衝でございますので、ある程度で妥協せざるを得なかった。しかしながら将来の私の望みとして、今回の結果で、これでもう終わったのだというつもりは毛頭ございません。さらに毎年々々こういった問題がございましょうから、一そうの努力を傾けて、地方団体に迷惑をかけないように、しかも住民負担も軽減をするという方向で進みたいと思っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/19
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020・渡海元三郎
○渡海委員 その点今後とも引き続いて努力をするということでございますので、いずれ大蔵当局もこの委員会へ出ていただく機会もあろうと思いますから、そのときにまたあらためて政府の意向を聞かしていただきたいと思います。
今回のたばこ消費税の税率の引き上げに伴いまして、課税標準を変更されたのでありますが、しかもこれは従量税化したのではないと言っておりますが、いかなる意味で従量税化でないか。これは独立税源としてあくまでも守ったのだと言われるが、その点を御説明賜わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/20
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021・後藤田正晴
○後藤田政府委員 今回の課税標準の改正は、いわゆる現行の従価課税方式、つまり売り上げ数量に売り上げ小売金額を乗じたものを課税標準としておったものを、売り上げ数量に全国平均小売金額を乗ずるというふうに改めたに実はすぎないのでございます。ただそれを、これは従量税にしたのだ、本数割にしたのだというようないろいろな御批判は、それぞれあろうかと思いますが、私は実はさように思っておりません。と申しますのは、本数割というのは、いわゆる従量課税のことでございまして、従量課税といいますと一本幾らというのが税率でございます。従ってそれは固定をするわけでございます。そういたしますと、このたばこの最近の売り上げ金額と売り上げ数量は、ここ数年の平均を見ますと、売り上げ金額は年間一二%伸びております。ところが売り上げ本数、数量の方は八%なんです。そういたしますと完全な従量税、本数割にいたしますと、これは数年たてば地方財政の観点から見れば非常な減を招来する、つまり伸びが確保できないということになるわけでございます。そこで、私どもといたしましては、そういうやり方はとれない。やはりこれは伸びを確保しなければならぬということで、個々の小売金額を全国平均小売金額に改めて、それを自動的にスライドさせるという方針に改めたのでございます。そういう意味合いから、私どもとしては、いわゆる完全な意味での従量制というものとは今回のやり方は違う、そうして今回のやり方は、最近の消費性向の変化に即応して、税収の伸びを確保し得るようにし、しかもいわゆる税源帰属の適正化といいますか、大都市に集中するものを、いなかの方にも伸びが均帯していくというような方法に改めた、こういうことでございます。従って、批判はいろんな御批判があろうかと思いますけれども、いわゆる本数割、完全な従量制というものとは全く意味が違うというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/21
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022・渡海元三郎
○渡海委員 改正方針の第一としてうたわれておるのは、大衆負担、中小企業あるいは農民の負担の軽減合理化、この観点から今度の減税を実施したのだ——これは当然なことであろうと思いますが、この方針が具体的にいかように具体化されておるか、税目別にちょっと御説明を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/22
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023・後藤田正晴
○後藤田政府委員 今回の減税は、初年度の減税規模が二百七十三億でございます。平年度が四百二十二億でございます。そこで、そのうち、いわゆる大衆負担、中小企業者の負担の軽減合理化ということで、どの程度減税をいたしておるかと申しますと、初年度二百二十七億、平年度三百七十五億でございます。
内訳を申しますと、まず住民税の関係でございますが、個人の市町村民税の税率緩和及びただし書き方式採用市町村における扶養親族の税額控除の引き上げ、これに伴う白色専従控除の引き上げ、この分が初年度六十億、平年度が百六十一億でございます。次に、個人事業税及び法人事業税の中小企業者の税率の引き下げ、この分が初年度六十一億、平年度八十二億でございます。次に、料飲税の軽減、これが初年度六十九億、平年度八十一億でございます。次に、電気ガス税の税率の引き下げ分、これが初年度四十六億、平年度五十億でございます。それから中小鉱業者に対する鉱産税の税率の軽減が初年度、平年度一億でございます。
大体中小企業並びに大衆負担の軽減という項目のおもなるものは以上の通りでございますが、なおこのほかに、固定資産税であるとか、あるいは不動産取得税であるとか、各種の税につきまして、実はいろんなこまかい配慮を加えまして、中小企業者等についての非課税の調節及び課税標準の特例、こういう措置を講じておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/23
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024・渡海元三郎
○渡海委員 大衆負担並びに中小企業者の負担の軽減という方針のもとに、ただいま言われたようなことを実施されておるのでございますが、その中で料理飲食等消費税、これは種々議論のあった問題でございますが、これをあえて大衆負担を軽減したのだということを言えるように、自治省の本来の筋道を守り通したのだということを、この際一つ明確に御説明を賜わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/24
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025・後藤田正晴
○後藤田政府委員 今回の遊興飲食税の改正は、従来からいろいろ論議のございました場所による税率適用区分、これに伴う徴税上のトラブルをなくするということを主眼にいたしまして、税率適用区分は奢侈か奢侈にあらざるかという点で線を引くということで、三千円以下の遊興飲食については一〇%、それ以上は一五%、こういうふうに改めたのでございます。その結果、たとえば従来からいろいろな問題がございました高級なレストラン、これにおいての飲食は、今まででありますれば、いかにそれが金がかかろうともこれは一〇%、こういうことであったわけでございますが、今回の改正で、三千円以上になればそれは一五%いただきます、こういうことに改まるわけでございます。また同時に、いなか等のいわゆる飲食店まがいの小料理屋といいますか、こういうところは従来であれば文句なしに一五%、こういうことになっておったものが、今回は三千円以下であれば一〇%でよろしい、こういうことで、やはりいわゆる一般の中産階級以下の人の利用するような場合を想定をしますれば大体一〇%、こういうことに改めたつもりでございます。そこで問題は、三千円が一体適切であるのかどうか、こういうことになろうと思いますが、この点は要するに都会地を頭に置いて考えるか、それともいなかを頭に置いて考えるかという、その尺度の違いであろうと思います。私は都会地というものを頭に置いて考えれば、三千円という金額はほぼ妥当な線ではなかろうか、こういうふうに考えます。と申しますのは、都会地において、たとえば先生方とか、われわれもときどきお相伴をいたしますが、そういうところの金額が最近一体どのようになっているかといいますと、具体的に名前をあげるのも工合が悪いのですが、大体ここから周辺のまあ私どもちょっと常識で考えても、これはぜいたくだ、こういうところは大体一人頭八千円から六千円ぐらいが普通であろうと思います。そういうことを考えてみますれば、都会地を頭に置けば、いわゆる都会で、あれはひどいではないか、奢侈ではないかというふうなところまでが、今回のこの三千円ときめたことによって減税の対象となるわけではございません。つまり私どもはそういったところまでを下げるというつもりは毛頭ない、また結果としてそういうことになるかと思っております。ただいなかで申しますればこれはまた議論が逆にあろうかと思いますが、私はやはりこういった制度を設ける場合には、最近の消費傾向それらを見て、都会地を頭に置いて、都会地の奢侈は対象に入れないというところで線を引くことが妥当であろう、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/25
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026・渡海元三郎
○渡海委員 料理飲食等消費税は従来から問題のある税であります。非常にこれは理論的な当然のことでございますが、実際において徴税技術上困難であるということが今までのガンであったと思う。今回のこの制度の改正によりまして、いわゆる奢侈と認められるものにつきましては、断固としてこれを把握するということができるのではないかと思うのでございますが、この税制改正によりまして、この税率区分等が明確になりまするので、徴税技術の上におきましても、そういった今までの混乱が起こらないように、できるだけ適確なる徴税ができるように、ぜひ行政運営の面において適切なる指導を一つしていただきたい、このように要望申し上げておく次第でございます。
なお、ただいまあげられました大衆負担の軽減の中で、電気ガス税の税率の引き下げがわずか一%にとどまっておるわけでございますが、この点は少なきに失するのではないかという議論も出ております、また先ほど設けられた免税点を三百円というのも、現在の実情からして、免税点引き上げを行なってはどうかというような議論もあったのでございますが、これらを排されまして税率一割の引き下げという点でとめられた理由につきまして、一つ御説明を賜わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/26
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027・後藤田正晴
○後藤田政府委員 税率の引き下げがわずか一割にとどまっておるという御説でございますが、この点については率直に申しまして、私は財源さえあれば、これはあと一%程度引き下げるのがよかったのではないかと考えます。しかしながらこれは何と申しましてもこの税は、現在の市町村財源の非常に大きな柱となっております。そういたしますと、貧弱な市町村に対する財政の影響ということを考えますれば、どうしても段階的に考えざるを得ない。やはり自然増収の限度程度に減税範囲をとどめざるを得ないんじゃないかということで、今回は他の一般の間接税の税率の軽減というような点をも考えて、税率で軽減するのが適当だ、その程度は財源等の関係もあって段階的に考えざるを得ないということで、九%にとどめたのでございます。
免税点につきましては、これは御承知の通りことしの改正で、初めて零細負担排除という観点から作ったものでございまして、これはやはりいましばらく経過を見る必要があるんじゃないか、ことに免税点の引き上げということは、これは貧弱ないなかへ行けば行くほど、総体的な大きな影響を受けるわけでございます。その結果財源が減るということのみならず、極端な場合になれば七割、八割といったものが課税の対象から落ちるということは、この税が消費税であるという税の性格から、税そのものがくずれてしまうというとともあるわけでございます。そういうような意味合いから、免税点については、この際は一応据え置く方が適当だ、そうしてやはりもう少し経済の実態等ともにらみ合わせて、将来検討する、もちろん現在の免税点で据え置くという意味じゃありませんので、そのときどきの情勢によって弾力的に考えていくのが適当だ、こういう意味で据え置いたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/27
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028・園田直
○園田委員長 小澤太郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/28
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029・小澤太郎
○小澤(太)委員 今のお話を承っておりまして、今回の地方税の改正については、提案の趣旨にありましたように大衆負担あるいは中小企業、農民等の負担の軽減ということの配慮をしておる、それはある程度現われております。これについての政府当局の御努力については、私もそれを多とするものでありますが、なお最近の経済情勢、さらに所得格差の増大を解消するための、たとえば農林漁業におけるところの基本法による体質改善の問題とか、あるいは中小企業の振興とか、そういうような面から協業化あるいはその他のことが進むと思います。それに関連しましてやはり固定資産税とか、あるいは不動産取得税とか、その他そのような税の軽減ということが、さらに取り上げられて参ると思います。さらにまたただいまお話にありましたような電気ガス税の問題、これも電気ガスが大衆の生活必需品であるという意見もありまして、これに課税をするのがいいか悪いかという根本的な議論もございます。そのようないろいろのことを考えますと、さらにこの大衆負担の軽減という方向に向かっての税の前進ということが考えられるわけであります。
そこで、地方税との関係でございますが、そのような税が主として市町村税になる。今回は所得税で、県民税の所得割との移譲の関係で、県税につきましては若干の税源の調整が行なわれておりますが、今回の税制改正案を達観いたしまして、何と申しましても市町村が非常に弱体化されている。一面において減税の要求は市町村税について非常に強いし、また合理的なものがある。そういうふうなことを考えて参りますと、今後市町村税をどうするか。負担区分の性格から申しまして、市町村民税が大衆負担と申しますか、そういう性格を持っておるということはもちろんでございますけれども、しかし将来を達観しますと、税の面において市町村の財政を強化していく、地方自治を確立する意味においてのそのような要求と、大衆負担の軽減という要求との矛盾を一番多く受けておるのが、この市町村の税であろうかと思います。この点について、先ほどたばこ消費税の税率の引き上げについての一つの解決策と申しますか、お話がございましたが、もっとさかのぼって、この市町村の税源をいかにして確保するかというような根本的な考え方が、政府当局にあるかどうか、この点について御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/29
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030・後藤田正晴
○後藤田政府委員 御説のように、まだまだ地方税としては軽減合理化をはかっていく余地が多々あろうかと思います。それには何と申しましても税源そのものがもう少し強くならなければ、どうにもならぬ面があるのでございますが、御質問の市町村の税は、これは現在固定資産税と市町村民税、電気ガス税、たばこ消費税、この四本の柱でおよそ九十数%を占めております。県税と比べますと、市町村税の方は何と申しましても安定的な普遍的な税種があるわけでございますが、ただ市町村の税をこれ以上強化するということになりますと、増税という形にならないで税源をふやすという観点に立てば、率直に申しましてたばこ消費税の増率以外方法がなかろう。固定資産税をふやすことは可能でしょうけれども、増税という結果を来たしますので、そういう措置はとれない。市町村民税についても同じようなことになろうかと思います。増税の結果にならざるを得ない。しかもこの税は、今のままの姿でやりますと、これは一部の団体に偏在をいたします。そういうことを念頭に置きますと、住民負担の増を来たさぬでしかも市町村の税源を強化するという場合には、国から税源を持ち込むということで、しかもそれが普遍的に各町村に均分するという税をふやすということになりますと、たばこ消費税を思い切って増率をしていただく、これ以外に今のところ方法はあるまい、私はこういうふうに考えておりますが、さて、たばこ消費税ということになりますと、これは国の方としては、専売益金が国の歳入になっておりまするので、税だけの問題ではなしに、これはまさに財政問題ということになってきて、なかなか解決も容易ではあるまい。しかしいずれにせよ私はたばこ消費税の増率が将来残された道であろう、こういうふうに考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/30
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031・小澤太郎
○小澤(太)委員 私も大体そのように考えるわけでございますが、たとえば電気ガス税にしましても、固定資産税にしましても、あるいは木材引取税にしましても、今後これは軽減していくという方向になるべきものであり、またそう努力すべきものだと私は考えております。そういたしますと、何としてもたばこ消費税の引き上げ、税率の引き上げについて、しかもそれを市町村に多く配分する——府県と今回は一律でございますけれども、多く配分する、そういうことについて自治省において重大な決意をして、あくまで強く国の財政においてそれを何とかするということ、これは地方自治を培う基本でありますので、勇断をふるっていただきたい、こう思うのであります。
さらにもう一つ、実は住民負担の軽減で落ちておるのがある。それは直接、税ではありませんけれども、国民健康保険税という名前をつけられて、保険料と切りかわって加入者に対する税をかけておるわけでございますが、これが今回の減税措置に漏れておりまして、実質的には農民の負担においては一番大きな負担に相なっておると思います。今回国民健康保険の国庫補助金の五%の引き上げがありましたけれども、これは保険税の負担にはほとんど影響がない、あるいはところによっては医療費の引き上げ等の影響を受けて、むしろ増徴されるということになるかと思います。この点について政府はどのように考えておるか、あるいはどこの所管でこの問題を真剣にやられるのか、地方住民の負担の軽減という建前から申しますと、やはり自治省において中心となってやるべき事柄だと思いますが、これについての今回までの経過並びに今後の自治省の考えを聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/31
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032・後藤田正晴
○後藤田政府委員 御説のように、国民健康保険税は、これは税として見ました場合には非常に負担が過重になっております。ことに国民健康保険の加入者が、ごく小数の一部の者を除いて、大多数というものは零細な方たちでございます。にもかかわらず、この税の負担というものは非常に重い。他の社会保険の負担と比べ、また現在相当重いといわれております市町村民税のただし書き方式における所得割負担というものと比べましても、国民健康保険税負担がこれを上回っておるということで、これの軽減は、私は将来地方税の軽減を考える場合には、何としても第一に取り上げねばならない問題だと考えております。今回は五%の引き上げに伴って機械的計算で、これは増にならないように、課税の総額決定の百分の九十というものを百分の八十に下げたにすぎないので、これは何も実質的な減税ではありません。私はやはりこの税については実質的な減税が行なわれるような措置を講ぜねばならぬ、こういうふうに考えておるのでございますが、何分にも現在の制度が、これは御存じの通りに税という形で徴収してくれいという保険料になっておるわけでございます。そこで、所管は厚生省であります。私どもはこれは単に税の形で市町村に徴収をしてくれいということで、この税が入っておるにすぎないので、税収その他においても、従ってこれだけは別扱いということで、まことに妙な形になっております。しかし私は、少なくともこれは保険料だということで考えれば、他の社会保険と比べてどうこうということを考えればいいのだと思います。しかしながら、保険料といいながら現実には強制権によって私どもが徴収をしておる、従って、これは私は文字通り税だと思います。それなれば、私どもとしてはこれはやはり従来のような考え方と違って、これは本腰を入れてこの実態を究明して、軽減措置を講ぜなければならぬ、こういうふうに考えております。率直に言いまして、従来はただいま言いましたような経緯がございまして、資料等も厚生省にもあまりない、私の方にもあまりないということで、いわば中間的な存在みたいで、私は政府全体としての努力が足りなかったという点は、率直に認めざるを得ないと思います。しかし、自治省といたしましては、私どももあくまでこれは税だという観点から、これの軽減、合理化に真剣な努力を傾けて参りたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/32
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033・小澤太郎
○小澤(太)委員 この問題につきましては、いずれ厚生省の方からも意見をお伺いいたしたいと思いますので、これで私は一応質問をやめますが、そういうことを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/33
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034・渡海元三郎
○渡海委員 最後に一言だけお聞きしたいのでございます。
今回の減税を実施しまして、なお本年度の地方税の自然増は千六百八十九億ですか、これを予定しておられますが、経済の上昇しておりますときは、税の見積もり方というものに対しましては相当の余裕があり、地方財政運営も非常に行ないやすい。しかしながら、経済が下降するとか、あるいは停滞するとかいうときは、この自然増収の見積もり方を相当厳格にやっておかぬことには、非常に困難な財政運営に陥るのが地方自治体の姿じゃないか。この点を本年度の経済状態からながめまして、相当細密な注意をもって予定せぬことには、各地方団体の財政運営に思わぬ支障を来たすのではないかと思うのですが、この数字を出されました根拠というものは、本日いただいた資料に精細に書いておられると思いますが、この金額をきめられた根本方針につきまして、一応御説明を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/34
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035・後藤田正晴
○後藤田政府委員 税収の見積もりにつきましては、最近の税の収入状況、並びに明年度の経済の伸び率、これらを頭に置きまして、精密な計算をいたしたのでございます。その結果が、ただいま御質問になりましたような自然増収ということになっておるのでございます。ただ、経済界が不況になりますと、一番敏感にくるのは法人関係の税でございます。そこで、法人関係の税につきましては、当初対当初の比較では、これはやはり相当の税収を見込んでおりますけれども、本年度の決算見込みというものと、来年度の税見積もりというものは、若干ダウンをするという計算をいたして、この程度の当初対当初の増収に相なるのでございます。
そこで問題は、来年度千五百七十七億ばかりの増がございますが、そのうち三十六年度、本年度中の自然増収、つまり本年度の決算、これがどの程度ふえるかといいますと、千五十五億程度と見込んでおります。そういたしますと地方団体としては、今年度の自然増収は、すでに財政の規模がそれだけふくらんで使うことになっておるわけでございます。そうすると、来年度のネットの増というものは、それを引きますと五百数十億ということになるわけでございます。そう考えますと、いわゆる勘定合って銭足らずということになる心配が、三十七年度についてはあるわけでございます、こういう点については、財政当局はもちろんのこと、私どもの方からも累次にわたって、知事会議あるいは市長会議その他の席上で、三十七年度の財政運営については、十分注意をしてもらいたいということを申し上げております。つまり、来年度千七百億自然増収がありますので、私どもが千七百億自然増収がありますよ、こう言いますと、理事者としては、専門的な御知識がない場合には、ああ来年もそれだけふえるんだな、こう思われて財政運営をせられるから、勘定合って銭足らずということになる心配があります。それらの点は私どもも十分注意をして、将来ともに地方財政の運営に当たって参りたい、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/35
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036・川村継義
○川村(継)委員 時間がきておりますから、数字で疑問のあるところを、一つだけ確かめておきたいと思います。税源配分による分は、百九十八億余りでありましたか、所得税からこっちにもらうものは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/36
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037・後藤田正晴
○後藤田政府委員 所得税から道府県民税に移譲を受ける分は、平年度百九十八億、初年度百八十一億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/37
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038・川村継義
○川村(継)委員 そうしますと、政府予算の一般会計の分の税源配分によるいわゆる減の見積りは、二百十八億と説明しております。その中には、今あなたがおっしゃったように、源泉分が百九十八億余り、それに申告分が二十億、こう出ているのです。これは一体どういう関係になっておりますか、そのところをちょっと説明していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/38
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039・後藤田正晴
○後藤田政府委員 その差額は、これはいわゆるロスということになるわけでございます。ロスというのは、それだけが減税の方に回ってしまうということでございます。移譲分以上に国の方はそれだけ減ってしまって、移譲を受けるのは百九十八億、だから財源的に見ればこれはロスになる、こういう形でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/39
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040・川村継義
○川村(継)委員 そのロスになる部分のところを、もう少し何か適切な説明を一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/40
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041・降矢敬義
○降矢説明員 つまり所得税としては、三十七年度で百九十八億移譲することになっております。しかしながらその税率の改正は、一応法律が四月から実施されることになっております。ところが税源配分の関係で、十万円以下の金額について一〇%を八%に下げるという改正をやっておりますが、その改正は、実は一月にさかのぼって実施しないと、住民税は暦年課税の所得でありますから、四月から法律を実施いたしましても、一〇%から八%に下げる分は一月から実施しなければ、三十七年の一月からの所得について適用する格好にしないと、税源配分と見合わない格好になります。ところが、一月、二月に支給されている給与の源泉分については、法律が通っておりませんから、十万円以下の税率は一〇%ということで課税してしまわなければならないわけであります。そこで改正所得税法が通りまして、八%が一月から適用されるということになりまして、その分を三十七年の十二月の年末調整で、その二%の差額を返してやる格好になります。返してやらないと数が合わないことになる。その財源は、三十七年度に属する所得税の収入から返すという格好になりますので、本来移譲分百九十八億のほかに、差額二十億というものを三十七年度の所得税の収入から返すということになりますので、百九十八億に年末調整で返す源泉徴収分の二十億を加えまして、二百十八億という数字を載せておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/41
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042・園田直
○園田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104004720X00819620208/42
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