1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年三月二十五日(火曜日)
午前十一時十四分開議
出席委員
委員長 八木 一郎君
理事 江花 靜君 理事 青木 正君
理事 大内 一郎君 理事 鈴木 義男君
井上 知治君 木村 公平君
鈴木 明良君 田中 萬逸君
松本 善壽君 苫米地義三君
松岡 駒吉君 今野 武雄君
出席政府委員
内閣官房副長官 菅野 義丸君
総理府事務官
(恩給局長) 三橋 則雄君
統計委員会常任
委員 美濃部亮吉君
総理府事務官
(行政管理庁次
長) 大野木克彦君
地方自治庁政務
次官 藤野 繁雄君
外務政務次官 石原幹市郎君
外務事務官
(大臣官房長) 大江 晃君
文部政務次官 今村 忠助君
農林政務次官 野原 正勝君
経済安定事務官
(物価庁第一部
長) 渡辺 逸亀君
委員外の出席者
農林事務官
(大臣官房文書
課長) 立川 宗保君
農林事務官
(畜産局畜政課
長) 鵜川 益男君
電気通信事務官
(大臣官房人事
部人事課長) 飯森 実君
専 門 員 亀封川 浩君
専 門 員 小関 紹夫君
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三月二十日
外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第九〇号)
同月二十二日
農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第九九号)
同月二十四日
文部省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第一〇二号)
総理府設置法等の一部を改正する等の法律案(
内閣提出第一〇三号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
会議に付する事件
ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する
件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令
の廃止に関する法律案(内閣提出第五四号)
統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律
案(内閣提出第五六号)
恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案
(内閣提出第六四号)
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(
内閣提出第六九号)
経済安定本部設置法等の一部を改正する法律案
(内閣提出第八七号)
外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第九〇号)
農林省設置法等の一部を改正する法律案(内閣
提出第九九号)
文部省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第一〇二号)
総理府設置法等の一部を改正する等の法律案(
内閣提出第一〇三号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/0
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001・八木一郎
○八木委員長 これより会議を開きます。
本日は、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案、内閣提出第五四号、統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案、内閣提出第五六号、恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案、内閣提出第六四号、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案、内閣提出第六九号、経済安定本部設置法等の一部を改正する法律案、内閣提出第八七号、外務省設置法の一部を改正する法律案、内閣提出第九〇号、農林省設置法等の一部を改正する法律案、内閣提出第九九号及び昨日付託されました文部省設置法の一部を改正する法律案、内閣提出第一〇二号、総理府設置法等の一部を改正する等の法律案、内閣提出第一〇三号を一括議題といたします。
まず行政機関職員定員法の一部を改正する法律案につきまして、行政管理庁より説明を聞いた後、質疑を行いたいと思います。大野木次長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/1
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002・大野木克彦
○大野木政府委員 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の内容につきまして御説明申し上げます。前回お配りいたしました新旧定員増減一覧表並びに振替及び新規増減内訳という書類がございますがそれをひとつごらんを願いたいと思います。それに基きまして御説明申し上げたいと思います。
まず全回の定員法の改正は、原則としてこのたびの予算によります定員の改正を行つたのでございますが、ただ予算の編成後に生じました事情によりまして、若干変更したものがございますが、大体において予算に沿つておるものでございます。それで初めに総理府から申し上げたいと存じますが、総理府におきましては、賠償庁の四十七人が振りかえ減と相なつております。これは賠償庁が講和発効後その事務が外務省及び大蔵省に移りますので、そに伴いまして、人員もただいま賠償部に属しまする職員と官房に属しまする職員二十五人が外務省へ移り、特殊財産部に属します二十二人が大蔵省に移るので総理府からは振りかえ減と相なります。
それから北海道開発庁で四十九人増員になつておりますが、これは先般の漁港法の改正に関連いたしまして、漁港修築工事の一部分が地方から国の仕事に移りますので、従来北海道庁に地方事務官、技官として配属になつておりました職員が、北海道開発庁の職員に移管されるからであります。
次に法務府におきましては、三百四十三人の職員が振りかえ増員になつておりますが、これは巣鴨刑務所におります職員が、今般の予算によりまして、従来の終戦処理事業費等がなくなりますので、その関係で法務府の一般の定員の中に入るわけでございます。これらの終戦処理等に属上ます職員は、定員法におきましては二条の三項に規定がございまして、その二条三項で最高額をきめておきまして、その内訳は政令で定めるようになつておりましたので、二条一項の方の定員の表には入つておりません。これが従来別になつておりましたのを、今回終戦処理費等が廃止になりましたので、それを本表の方へ移すということに相なりました次第であります。同じようなことが方々に出て参りますので、一応御説明申し上げておきます。
次に少年院及びその関係の施設の増によりまして、四百四十三人が新規増に相なつております。これは少年法の改正に伴い、対象が十八歳から二十歳に延びましたことと、少年犯罪の増加等に伴いまして、少年院の本院三箇所、分院から本院への昇格三箇所等がございますので、そのために関係の刑務官等の職員が増加されたのであります。
次に外務省におきましては、先ほど申し上げましたような、賠償庁からの振りかえの増が二十五人ございます。新規の増員といたしましては、入国管理庁に九十一人の増加がございます。これは新しく入国管理庁の出張所等が増加いたしましたのと、それから収容所その他各港の出入国管理のための審査官、警備官等の増加の必要がございますので、そのための増員でございます。
次に大蔵省の本省におきまして、先ほど法務府について申し上げましたような、二条三項の賠償施設であつた国有財産の管理に属しておりました職員が、一般の二条一項の方へ移りますので、九百八十八人振りかえ増に相なつております。また賠償庁から二十二人、先ほど申し上げましたように特殊財産関係の職員が振りかえになりますので、合計して千十人振りかえ増に相なります。それから私設の保税倉庫に特派されますいわゆる特派官吏を、近ごろ私設保税倉庫の出願が非常にふえて来ておりますので、三百二十人増員いたすことになりまして、合計で千三百三十人の増と相なつております。
次は文部省でございますが、文部省におきましては、水産大学から水産講習所へ振りかえで二十人人をさくことに相なつております。これは水産講習所の練習船が新たに竣工いたしましたため、それの要員を移管いたすものであります。次に国立学校の学部の新設、付属施設の増加、その他学年の進行等によりまして、三百五十人の増員と相なります。また外局であります文化財保護委員会は、先般の法律改正によりまして、京都博物館を設置することに相なりましたので、従来その博物館に所属いたしておりました職員その他若干を引継ぎまして、四十九人の新規増と相なつております。並びに文化財研究所が設けられることになりましたので、このために十五人の増員と相なつておりまして、合計文化財保護関係で六十四人の増と相なつております。
次に厚生省でございますが、厚生省本省で三百三人の新規増と相なつております。これは函館、東京、神戸等の港における検疫業務が拡張されますめに、四十人の検疫関係の職員の増員と、国立療養所が千床増床されますので、そのために医師、看護婦等の増員が百十一人、それから国立精神病院頭部療養所が二百床増床されますので、そのために同じく九十人、それから国立脊髄療養所が十床増床されますので、十三人、国立光明寮で戦盲者の収容を新たに百二十人いたすことになりましたので、そのために四十九人の増、合計三百三人の増加と相なります。
次に農林省でございますが、種畜牧場の方から水産庁の方へ十八人移管がえをいたします。それから水産庁におきましては、その本省から移管されました十八人の職員を増加いたしまして、その業務は小型底びき網漁業の取締り、真珠研究所等の要員に使うわけでございます。それから先ほど申し上げました文部省よりの移管が百二十人、北海道の鮭鱒孵化場が水産庁の方へ移管されることになりまして、そのために百三十七人が移管されることに相なりますので、合計して百七十五人の増加ということに相なります。
次は通商産業省におきましては、資源庁から石油関係の配給事務に属する職員を六十八人と、別に四人を輸出信用保険の特別会計のために振りかえまして、合計七十二人を資源庁から本省の方へ移管いたします。その振りかえだけでございます。
次に運輸省でございますが、これも終戦処理事業費関係で定点観測業務をいたしておりましたものを、先ほど申し上げましたような理由によつて、二条二項の方から一項の表の方へ移すことに相なりまして、三百十一人の振りかえ増と相なります。それから捕獲審検再審査委員会が設けられることに相なりましたが、その方へ本省から五名振りかえをいたしまして、そちらへまわします。また新規の増減でございますが、航空気象観測のために六十一人増加し、それから定点観測業務——これは四国沖のT点というところでございますが、その業務が一部不必要になりましたので、百八十三人減じまして、差引二十二人の減となります。それから捕獲審検再審査委員会に、先ほど申し上げましたように、本省から五人さきまして、五人の振りかえ増と相なります。
次に海上保安庁でございますが、旧海軍の艦艇で従来保管いたしておりましたものを処分してしまいますために二百二人の減員と相なります。海上保安大学の学生進行に伴いまして、百二十人の職員の増加となります。それから航路標識がふえましたために二十人の増で、海上保安庁関係におきましては合計六十二人の減ということに相なります。
次に航空庁でございますが、航空庁におきましては航路標識等の関係で、やはり二条三項の定員から一般の方に移つて来ますのが七百三十六人、それから新規におそらく近く提案されると存じますが、航空法の施行に伴いまして三十六人の新規増、それから国内航空路が拡張されて飛行士がふえますので、そのために八十九人の増員、それから終戦処理業務費の中で従来やつておりました事業で講和によつて不要になります事務のために六十九人の減員ができることになります。差引五十六人の増ということに相なります。
次に郵政省でございますが、ここでは戦傷病者戦没者遺族等援護法の関係で、軍人遺族及び傷病者等の援護の支給金を支払いますために、地方の貯金局で、その窓口業務に従事いたします人員百三十四人の新規増と相なります。
次に電気通信省でございます。これは二十六年度中にでき上りました新たな施設の現場要員が必要でございまして、電信、電話ともに新規の施設に伴う増員が四千七百五十一人、電線等の保守の要員が千九百八十二人、新しく逓信病院が建設されますので、そのための医療関係の職員が二百三十三人、合計六千九百六十六人の増加と相なります。これはいずれも新規の事業に伴います増員でございまして、前回行政整理をいたしましたときの対象は大部分がいわゆる庶務会計等に属します管理事務の職員でございまして、大部分の者は対象が別になつておる次第でございます。
それから経済安定本部におきましては、ことに機構改革によりまして物価庁が内局と相なります。物価庁の百六十九人が安定本部の方に振りかえられるために百六十九人の増と相なつております。
大体ただいま御説明申し上げましたように、このたびの定員法の改正は大部分予算の編成に伴います定員法の改正でございます。なお関係いたします法案が幾つかございますが、それらはただいま多くのものはすでに提案されておりますが、先ほど申し上げましたように、一部まだ未提出になつておるものがございます。それもいずれ近く提案される予定でございますが、以上をもつて御説明にかえます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/2
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003・八木一郎
○八木委員長 これより質疑を行います。質疑の通告がありますから通告順にこれを許します。今野武雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/3
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004・今野武雄
○今野委員 こういう提案理由の説明で、私どもいつもふしぎに思うことは、——大体今の説明の中でもそうですが、予算がきまつてしまつた、それに基いたものである、こういうふうな説明をされるのですけれども、これは元来順序が逆だと思う。予算の審議の際ももつと大きな問題もあつたのですから、特にこれが問題になつたわけです。予算というものは元来こういうものがきまつてからきめるのが本筋なわけなのです。もし予算がきまつたからここでそれに合せて定員をきめるのだ、こういうことになりますと、予算の審議で同時にこれを出してやるとかしなければ、ずいぶん変則的なことになる。これは明らかに財政法なんかに反することを平気で当然のことのように言われているのですけれども、元来行政管理庁ばかりでもありますまいが、あなたの方ではそういう習慣にもうなつてしまつておるのか、それが不文律になつておるのかどうか、その点お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/4
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005・大野木克彦
○大野木政府委員 ただいまの御質問まことにごもつともな問題だと思うのでありますが、元来御承知のように定員には予算定員と定員法に基く定員がございまして、これが一緒に査定されるということが理想だとは存じますけれども、御承知のように原則として予算は大体前年の七、八月ごろに要求が出されるような状況でございまして、定員はその後の状況等をまた勘案いたしましてつくりますので、どうしてもその間時間的にずれができまして、必ずしも予算定員と一致しないような場合が生じます。それからこのたびの場合は、御承知のように昨年定員法の一部改正をいたしまして、予算はそれを入れまして編成せられたものでございますが、あの際には二十七年度の新規増員というものがまだ十分きまつておりませんで、従つてこの前の定員法の改正の場合には全然新規増員を除きまして、ただ減員だけによりまして改正をいたしておりますが、ただいま御説明申し上げましたように、施設の増加等に伴いますやむを得ざる新規の増員を今回の予算に盛られましたので、定員法もそれに従いましてさらに一部改正をするというようなことに相なりました。私どもといたしましては、できるだけ予算と定員法の定員とを合せますように従来も努力はいたしておるのでございますが、さらにまたいろいろ方法を研究いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/5
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006・今野武雄
○今野委員 そうすると、つまり予算が基礎で、それに合せて定員をつくとるいうのが本旨なんですね。ただいまの説明を伺つていてもそういう気がするのです。元来予算というものが基礎的にきまつて、それに合せて定員をきめるというのが普通のきまり方、当然のきまり方だ。そういうことになるわけですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/6
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007・大野木克彦
○大野木政府委員 大体実際上はそういうことに相なります。ただもちろん予算をきめます場合も、行政管理の立場からその予算をきめられる場合には、十分大蔵省と連絡をとつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/7
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008・今野武雄
○今野委員 実際上はというお話だつたんですが、そういうことになると実際上は大蔵省が行政機構の全部の規模をきめてしまうということになると思うのです。実際上はそうですが、それでは法律の建前はどうなつているか、その点をどんなふうに御承知かお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/8
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009・大野木克彦
○大野木政府委員 行政の規模と申しましても、たとえば機構でありますとか、それから定員はやはり行政管理の方の法律上のものに相なつておりますので、予算が一応基礎にはなりますけれども、たとえば昭和二十四年度の行政整理の場合のように、予算で一応きまりました定員を、さらに定員法によつて変更いたすということも、もちろんあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/9
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010・今野武雄
○今野委員 私はそういうこともあるというのではなく、それがほんとうだと思うのですよ。法の建前もそうなつておる。それはかりではなく、きようも実は経済安定本部の設置法一部改正が出ているわけです。まだ質疑はしてないわけですが、そうしますと何ゆえにこういうものを廃止するか、そういう点について、そこで何ら論議がまだなされてない、質問すらなされてない、そういうときに、ここではもうそれがすでに済んだことのようになつて、この定員が割出されている。極端に言えば、大蔵省でもつて予算がきまつてしまつて、そうしてそれに基いてこういうようないろいろな人員をあんばいして、定員法をきめて、それからこの設置法というよなものをきめて来る、こういうことになりますと、たとえば家を建てるに屋根をつくつて、それから壁や何かをつくつて、それから土台をつくる、こういうようなもので、さか立ちしたようなことになるわけです。裏にあるものは何かと言えば、結局これは官僚独善ということになると思う。結局はごうやつて先にきめてしまつて、ろくな説明もしない。ただいま説明を聞いてみましたけれども、中身をもつと掘り下げて言えば、国政全体にわたることです。そういうことが事務的に、ごく簡単に説明されてしまつて、それによつて——与党が多数おるから安心かもしれませんけれども、それでもつて黙つてこいつを通してしまう、こういうことになりますと、結局官僚独善ということを是認することになるわけです。こういうことをやつていたのでは、いつまでたつても行政というものは民主化されないわけなんです。そういう点から、私どもとしては、この改正——実はここで審議すること自身不都合だと思つているのです。いわんやそれにわずかな時間で、国政全体にわたるようなこういう改正を、きよう中にあげてしまわなければいけない、こういうような形で迫られたのでは、これは委員会の機能、国会の機能といつたようなものは、まつたく役に立たぬということにならざるを得ないわけなんですけれども、そういう点について、なぜそんなにまでしなければならないかという理由は、先ほどの説明では漠然としていてよくわかりませんが、聞くところによれば、もつと根本的な行政機構改革が行われる、その時期も遅くはないと思う。政府の予定しているところでは、そんなに遅くはない。それがぶら下つているのに、——こういうように四月一日から部局がかわつて、それからあとまたかわるだろうということで、実際上は仕事ができぬだろうと思うのです。そういうようなことなら今出さないで、基本的な点がきまつてから出すのが至当である、こういうふうに思うのですが、そういう根本原則を設けてまでやらなければならない理由がはたしてあるのかどうか、私はないと思うのですけれども、その点釈明があつたらひとつお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/10
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011・大野木克彦
○大野木政府委員 先ほど申し上げました通り、この関係の法案の大部分は、目下提案されて御審議を願つておりますので、できることならばお説のようにそれらの御審議が済んでから、この定員法の改正にかかるべきであるかと存じますが、実はこの定員法の改正の中には、四月一日から実施されなければならないものがございますので、時間的な関係もございまして、多少御無理を願つておるような次第でございます。
なお行政機構の改革との関係でございますが、行政機構の改革が行われますれば、どうしてもそれに基きます定員法の改正は、もう一度その前にお願いしなければならないと存じております。しかしただいま申し上げますように、四月一日から定員の改正をしなければならない事項でございますので、まず機構に伴うものは、その機構が済んでからにいたしまして、さしあたり必要な改正を御審議願つているような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/11
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012・今野武雄
○今野委員 大部分の法案が——大部分というような話ですが、先ほどの安定本部の問題はきよう質問される、それから賠償庁の問題は、きようようやく提案理由が説明される、それから外務省設置法もそうである、農林省の方もそうである、文部省の方もそうである。こう数え立ててみると、言葉の上では大部分と言つて非常に聞えがいいが、大部分がまだ済まないものだと言うことができるわけです。そうしてみると、いかにも理を通さないで、無理やりに押し通して行くというところが、実際はつきり見えるわけなんですが、その無理はひとつやめたらどうか、こういうふうに思うわけなんです。だからその点で、政府としては——これは政府の意見身聞くことでなくて、本来なら委員会できめることでしようけれども、しかし政府としてもやはり少くともほかの法案——設置法改正をずつとあげてしまつて、それと一緒にやるのが至当な取扱いであると思うのです。政府としてもやはりそれでいいんじやないかと思うのですが、その点都合をひとつ聞きたい。どうしてもそれはできないという理由が発見できないわけなんです。いまさらになつて出して来て、そうあわてても、ほかのものも出ているのだから、ほかのものと一緒に十分審議を尽してやるのが至当じやないかということですね。政府としてはどう考えるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/12
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013・大野木克彦
○大野木政府委員 その点は先ほど申し上げますように、四月一日から定員をかえなければならないものがございますものですから、時間的な関係で、四月一日前に御議決を願いたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/13
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014・今野武雄
○今野委員 これは質問じやなく、動議なんですけれども、途中にはさましていただきたいと思います。ただいまの話では、やはり原則としてこれが無理な点は政府も認めておられるわけです。そうして今外務省設置法の一部改正、それから総理府設置法等の一部改正、それから農林省設置法等の一部改正、それから経済安定本部設置法等の一部改正等が出ておるわけであります。そうしてみれば、やはりそういうものについて十分にここでもつて議を尽して、おのおのの改正が妥当であるかどうかという点を審議して、それと一緒にこの定員の問題をきめるのが妥当であると思うのでありますが、私聞くところによれば、議事の都合として何でもかんでもこれを本日上げて、すぐ午後の本会議できめてしまう、こういうことを言つておるのでありますが、そういうことでなく、設置法の一部改正と一緒にこれをやるようにしたらどうか、このことを動議として出したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/14
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015・八木一郎
○八木委員長 委員長より申し上げます。ただいま御指摘の各省の設置法に関する一部改正案は、それぞれこの機会に政府関係者の説明を求めまして、御希望に沿うように議事を進めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/15
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016・今野武雄
○今野委員 そうすると、定員法はそれの設置法などと一緒に取扱つて、設置法について質疑あるいは審議を尽して、そうしてその後にもう一ぺんこの定員の問題に触れて議をきめる、こういう私の希望がいれられたと考えてよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/16
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017・八木一郎
○八木委員長 あらためて申しますがただいま質疑を行つております議案は、行政機関職員定員法の一部改正案であります。これと密接な関連がある各省設置法の一部改正案の政府の説明をこの際求めて、質疑を一括継続いたしまして議事を進めて参りたい、こう考えるのでございます。これでおさしつかえありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/17
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018・八木一郎
○八木委員長 別に御異議もないようですから、さように進行させていただきます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/18
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019・八木一郎
○八木委員長 それではこの際に農林省設置法等の一部を改正する法律案、文部省設置法の一部を改正する法律案、総理府設置法等の一部を改正する等の法律案、外務省設置法の一部を改正する法律案、各法案を議題といたしまして、それぞれ政府関係者の見えておりますものから、提案理由の説明を聴取いたします。農林政務次官野原正勝君。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/19
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020・野原正勝
○野原政府委員 農林省設置法等の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。
今回提案いたしました農林省設置法等の一部を改正する法律案は、農林省設置法の一部改正と水産庁設置法の一部改正との二つの部分からなり、前者を第一条、後者を第二条といたしております。
まず第一条の農林省設置法の一部改正から御説明をいたしますと、その要点は、一、農業改良局の統計調査部の所掌事務のうちに農林漁業に関する予測事業を加えたこと。二、動植物検疫所を植物防疫所と動物検疫所に分離したこと。三、中国種畜牧場を新設したこと。四、かんがい排水審議会を設けたことの四点であります。
第一の統計調査部の所掌事務の改正についてでありますが、新たに所掌事務に加えらるべき農林漁業に関する予測事業は、農林漁業の現況を正確に把握分析し、その分析の上に立つて、将来の農林漁業の動向の見通しを行い、個個的に分散している農林漁業者にその見通しを提供して、各自が経営計画を立てる上の指針とする、いわゆるアウトルック・サービスに関する事務でありまして、その農林行政上の重要性にかんがみ、昭和二十七年度から予算的措置が講ぜられることとなりましたので、これに即応して、設置法にも明文をもつてその事項を追加することといたしたのであります。
第二の動植物検疫所の分離につきましては、最近における輸出入検疫事務の増大、植物防疫法の改正等による植物防疫事務の追加、家畜伝染病予防法の全面改正による動物検疫事務の拡大、さらには防疫に関する国際的条約への加入等によりまして、本来機能的にも異質な植物防疫と動物検疫の事務を分離して別箇の機関により処理させる必要が生じましたので、昭和二十七年度予算とも関連し、設置法にもこれが改正の措置をとることといたしたわけであります。
第三の中国種畜牧場の新設につきましては、中国地方における農業経営の現状と種畜牧場の合理的配置という見地からいたしまして、広島県に国の種畜牧場を新設することが適当と考えられますので、昭和二十七年度予算に計上いたしますとともに、設置法の改正を行うわけであります。
第四のかんがい排水審議会の新設についてでありますが、さきに政府が加入の手続をとりました国際かんがい排水委員会に関する事務は、農林省において所掌することと相なりました関係上、これらの事務に、さらにかんがい排水一般に関する重要事項をもあわせて調査審議する機関が必要となりましたので、今回附属機関として、かんがい排水審議会を設置することといたしたのであります。
次に第二条関係、すなわち水産庁設置法の一部改正について御説明をいたしますと、その要点は、一、日本海区水産研究所の位置を七尾市から新潟市に移し、二、十和田湖ふ化場及び北海道さけ・ますふ化場を附属機関として設置するとの二点であります。
第一の日本海区水産研究所の位置の移転につきましては、旧位置が日本海区における水産研究所として不適当と相なりましたので、新潟市に移すことにいたしたわけであります。
第二の十和田湖ふ化場及び北海道さけ・ますふ化場の附属機関としての設置についてでありますが、最近におけるさけ・ます類の資源の枯渇の状況、及び国際的な関係も考慮いたしまして、さけ、ます類ふ化放流等の事業を国において行うことが特に必要とされるに至りましたので、昭和二十七年度においてその予算的措置を講じますとともに、これら二つの機関を水産庁の附属機関として設置法に加えることといたした次第であります。
以上申し述べましたところが本法案提出理由の大要でありますが、これらはいずれも昭和二十七年度予算と関連し、四月一日より施行いたす必要がございますので、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/20
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021・八木一郎
○八木委員長 文部政務次官今村忠助君。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/21
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022・今村忠助
○今村政府委員 ただいま上程になりました文部省設置法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
この改正案におきましては、文部省設置法中他の法律の施行に伴い必要な事項及び早急に実施を要する事項についてのみ規定したのでありまして、いわゆる行政機構改革の一環としての文部省機構の全面的改革の問題には触れておらないのであります。後者の問題につきましては、いずれ決定次第あらためて上程御審議をお願いしたいと存じます。従いまして、今回の改正は、当面の事項に限られていることについて、あらかじめ御了解を願いたいと存じます。さて今回の改正の主要点は、次の六点に要約されるかと存じます。
第一点は、すでに御審議をお願いいたしておりますユネスコ活動に関する法律案が制定施行されます場合に、国内におけるユネスコ活動に関する事務で、文部省の内部部局で処理すべき事務を規定したことであります。ユネスコ活動に関する法律案によつて設置されることとなつております日本ユネスコ国内委員会は、国家行政組織法第八条による文部省の所轄機関であり、一種の事業機関たる性格を有しているわけであります。従いまして、同委員会においては、その機関の性質上、純然たる行政事務はこれを執行しない建前になつております。そこで、文部省の内部部局たる大臣官房において予算案の準備、国庫補助金の配分を行い、また国内におけるユネスコ活動に関する法人の設立の認可につきましては、他局における法人の設立の認可の場合と同様に管理局に対し、勧告することを規定いたしましたわけであります。もとより、できるだけ、新しく設立される日本ユネスコ国内委員会において処理するよう運営いたしたいと存じております。
第二点は、政府より今国会に提出を予定しております教職員の除去、就職禁止等に関する政令を廃止する法律が施行される場合におきまして、現在文部省内部部局たる大臣官房で処理しております教職員の適格審査に関する事務の所掌並びに文部大臣の所轄のもとに置かれております教職員適格審査会及び教職員適格再審査会に関する事項を削除いたしましたことであります。
第三点は、文部省の附属機関として国立近代美術館を設置することにいたした点であります。国立近代美術館は、東京都に置き、近代美術に関する作品その他の資料を収集、保管して公衆の観覧に供し、あわせてこれに関連する調査研究及び事業を行う機関といたしました。
第四点は、文部大臣の所轄のもとに中央教育審議会を設置することにいたした点であります。現在、総理府所管のもとに教育刷新審議会が設置され、教育に関する重要事項を調査審議する機関とされておりますが、教育刷新審議会は、終戦後のわが国における教育改革方策の樹立に多大の貢献をして来たのであります。しかし今日におきましては、一応その使命を終了したものと考えられます。また一方、平和条約効力発生後の新事態に処して、わが国における教育がいかにあるべきかについては、まつたく新たな広くかつ高い見地において、慎重に検討すべき必要を痛感いたします。このために、教育に関する基本的な重要施策について、調査審議するための強力なる審議会を設置いたしたいと考え、今般中央教育審議会を設置することとしたわけであります。中央教育審議会は、人格が高潔で、教育に関し広くかつ高い識見を有する者のうちから、文部大臣が内閣の承認を経て任命する二十人以内の委員で組織し、別に特別の事項を調査審議するため、または専門の事項を調査するため、必要があるときは、臨時委員または専門委員を置くことができることにいたしました。
第五点は、現行十八の審議会等の整理及び整備であります。教職員適格審査会、教職員適格再審査会のほか、通信教育審議会を廃止し、また教育職員免許等審議会を教育職員養成審議会に、著作権審査会を著作権審議会にそれぞれ名称を改めました。よつて審議会の数は中央教育審議会の新設分を加え十六となるわけであります。通信教育審議会は、終戦後のわが国にとつて新しい学校教育及び社会教育を通じての通信教育制度の確立に資するために設けられたものでありますが、現在におきましては、一応その設置の目的を達成したものとしてこの審議会を廃止し、社会教育としての通信教育については社会教育審議会において、学校通信教育については教育課程審議会及び大学設置審議会等でそれぞれ処理することにいたしました。また教育職員免許等審議会は、その所掌となつております教員検定に関する事務がすでに終了いたしましたので、これを削り、教育職員の免許、養成制度等に関する事項を調査審議する機関としたのであります。著作権審査会につきましては、日本国との平和条約の発効以後におきまして事務が増加すると考えられる著作権に関する仲介業務に関する法律に規定されております著作物使用料規程の認可に関する事項のほか、著作権の一般的事項についても調査審議することができるように改めたわけであります。
最後には附則の改正であります。まず昭和二十三年度において編修を計画した社会科、理科、国史、習字の教科用図書の編修が終るまで、初等中等教育局においてこれらの教科書の編修を継続する旨の規定は、現在その事務が終了いたしましたので削除いたしまた。また高等学校の職業に関する教科用図書の編修及び改訂を文部省においてもでき得るようにいたしました。その理由は、高等学校の職業に関する教科の教科用図書は現在商業及び工業を除いては、発行部数が極度に少いため、文部省においてその編修及び改訂を行う必要が認められるからであります。
以上が本法律案の要旨であります。何とぞ表ろしく御審議の上すみやかに御可決くださるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/22
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023・八木一郎
○八木委員長 外務政務次官石原幹市郎君。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/23
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024・石原幹市郎
○石原(幹)政府委員 外務省設置法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容を御説明いたします。
平和条約が効力を発生いたしますと、終戦以来行われて参りました連合国による日本の占領管理は終了するわけでございますが、これに伴いまして、外務省の所掌事務のうち、占領軍関係の事務はその必要がなくなるわけであります。従いまして、外務省設置法の中で連合国による日本の占領管理に関する部分を削除する必要があるわけであります。又一方、昭和二十七年度予算によりますと、外務省の地方支分部局は大幅に縮減することとなつておりまして、このための改正も必要であるわけであります。さらに、平和条約の発効によりまして在外公館が設置されますので、これに伴いまして領事官の領事事務も再開されますので、このための改正も必要となります。これらの理由によりまして、政府は、ここに、外務省設置法の一部を改正する法律案を提案いたす次第であります。
次にこの法律案の内容について御説明いたします。
第一に、第三条第九項を削りましたのは、連合国最高司令官総司令部その他連合国最高司令官のもとにある官憲との連絡及びこれに関連する各行政機関の事務の総合調整という外務省の任務を落したものであります。これは、平和条約の効力の発生に伴つて連合国による日本の占領管理がなくなるために当然必要とされる改正であります。
第二に、第十二条国際協力局の事務の改正についてでありますが、国際協力局におきましては、従来国際機関及び国際会議への参加並びに国際行政に関することをつかさどつておりましたほか、連合国による日本の占領管理に関する各種の連絡事務、総合調整の事務、文書及び記録の収集及び研究に関する事務、地方に置かれておりました連絡調整事務局に関する事務等をつかさどつておつたのでありますが、平和条約の効力の発生に伴いまして連合国による日本の占領管理が終了いたします結果、それらの事務を削り、国際協力局本来の事務、すなわち国際機関及び国際会議への参加に関する事務、条約その他の国際約束の実施に関する事務、国際行政に関する事務の三つを掲げることといたしましたのが第十二条の改正であります。ここに、第二号に掲げました条約その他の国際約束の実施と、第三号に掲げました国際行政とは、若干類似の事務のようでございますが、第二号で予定しておりますのは重要なる政治上の条約その他の国際約束であり、第三号で予定しておりますのは、技術的な国際行政面を予定しているのであります。
次に第三に、第三節を削除いたしましたのは、最初に申し上げました通り、昭和二十七年度予算に基きまして地方支分部局を大幅に縮減することとなり、外務省といたしましては、この際、地方支分部局として札幌、仙台、横浜、横須賀、大阪及び福岡の六箇所に設けられておりました連絡調整事務局を全部四月一日から廃止することといたしたのであります。これが第三節を削除した改正であります。
最後に第四に、第二十五条の次に三箇条を加えました改正についてでありますが、平和条約の発効に伴いまして在外公館が逐次世界各地に設置されて行くわけでありまして、これらの在外公館において取扱われます領事事務に関しましては、たとえば船舶法、民法、旅券法その他個々の法律の中に規定がありますが、それらを統括して領事官の職務として規定した法律はないのであります。従いまして、それらの諸規定の適用上必要な事項を規定し、かつ、それらに基いて徴収いたします手数料につきまして定める必要がありますので、第二十六条におきましては、他の法令中「領事館」あるいは「領事」または「領事官」とありますのはどういうものをいうか、また領事館が設置されていないが大公使館が設置されているところでは領事事務はどういうふうにして行うか等を規定しております。また、第二十七条では、領事官の徴収する手数料につきましては政令で定める旨を定め、第二十八条におきましては手数料の減額や免除はどういう場合に行うかを定めております。これは、国の債権の全部または一部を免除する場合は、法律によらなければならないとしている財政法第八条の趣旨により設けた規定であります。
以上が本改正案についての説明でありますが、なお、附則におきましては、その第一項におきまして、この法律の施行期日は四月一日である旨を定めております。但し、第三条及び第十二条の改正規定、すなわち、連合国の占領管理の終了に伴つて必要とされる事項についての改正は、その内容上当然のことでありますが、日本国との平和条約の最初の効力の発生の日から施行することとしているのであります。附則の第二項は、日本政府在外事務所設置法の一部を改正いたしまして、手数料に関する規定である第十三条を削つております。これは新たに設けられました第二十七条及び第二十八条によりまして、在外事務所も領事官の徴収する手数料に関する規定によつて手数料を徴収することができるようになつたからであります。なお、領事官の徴収する手数料に関する規定を在外事務所に適用することにつきましては、日本政府在外事務所設置法の附則の第二項におきまして、他の法令中「領事館」または「領事官」とあるのは「日本政府在外事務所」または「在外事務所長」と読みかえる旨が規定されている次第であります。
以上が外務省設置法の一部を改正する法律案の提案理由並びにその内容の説明であります。
何とぞ慎重御審議の上すみやかに御採択あらんことをお願いいたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/24
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025・八木一郎
○八木委員長 内閣官房副長官菅野義丸君。
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—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/25
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026・菅野義丸
○菅野政府委員 ただいま議題となりました総理府設置法等の一部を改正する等の法律案について、その提案理由を御説明いたします。
まず、賠償庁に関係ある事項でありますが、日本国との平和条約の発効とともに、占領軍はわが国から撤退いたすこととなつており、従つて、連合軍最高司令部も廃止されることとなりますので、従来の賠償施設の管理並びに連合国最高司令官の管理にかかるいわゆる特殊財産の管理及び処理に関する同司令部との連絡の事務は、まつたく終了することとなります。従いまして、この連絡の事務を処理する目的のために設置されておりました賠償庁もその使命を終了することとなりますので、平和条約の発効とともに、これを廃止することといたしたいと存じます。
なお従来の賠償指定施設に関する残務処理事務及び平和条約第十五条以下の各規定に基きまして引続き措置する必要のある、いわゆる特殊財産に関する対外的事務は外務省で所掌することとし、後者の特殊財産についてはその実施事務は大蔵省で所掌することとし、これがため、関係両省の設置法その他関係法律につき、所要の改正を加えることといたした次第であります。
次に地方行政調査委員会議に関する事項でありますが、同会議は、国と地方公共団体との間の事務の配分の調整等につきまして、内閣及び内閣を経由して国会に勧告することを目的として、臨時に、総理府に設置されたものであります。同会議はその設置以来約二年間にわたり、その目的とする諸問題につきまして十分なる検討を加え、その結果をすでに三回にわたり、内閣及び国会に勧告いたしました。ここに同会議はすでに十分その目的を果したものと認められるに至りましたので、この際これを廃止することといたし、同会議設置法を廃止するほか、関係法律に所要の改正を加えることといたした次第であります。
以上がこの法律案を提案いたしましたおもなる理由であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/26
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027・八木一郎
○八木委員長 以上をもつて各案の提案理由の説明を終りました。これら各案についての質疑は、先ほど申し上げました通り、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案とともにこれを行うことにいたします。通告により発言を許します。鈴木義男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/27
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028・鈴木義男
○鈴木(義)委員 文部省の提案理由の説明が、書類がないのでさつき聞いただけでよく覚えていませんが、中央教育審議会を設置するというが、大体審議会を廃止することが行政機構改革の方では議題になつており、そういう方針のように承つております。中央教育審議会というものを特に設置する理由について、もう少し詳細に承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/28
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029・今村忠助
○今村政府委員 これは終戦後御承知の通り教育制度がいろいろ改められたものでありますが、今また講和条約が効力を発しまして、完全な独立国になるわけであります。これに際しまして、いろいろ教育の面においては再検討を要するものがあるのでありますので、これらの点を単に文部省だけでなく、各方面のいわゆる識者の意向等をしんしやくいたしまして、存置するものは存置し、改めるものは改めるよういたして参らなければならぬのではないか、こういう意味から特に審議会を設置するわけであります。従来終戦直後のいろいろ新しい教育制度を改めるために内閣にあつた審議会はこれを廃止して、文部省にあらためてこれを設ける、こういう建前になつておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/29
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030・鈴木義男
○鈴木(義)委員 総理府にあつた教育刷新審議会を廃止するくらいならば、むしろこれを文部省に移すというならば話はわかるのでありますが、結局同じものをただ所管がえをして文部省に置くというふうにわれわれにはとれるのですがどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/30
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031・今村忠助
○今村政府委員 それはとりようひとつでございますが、従来のは何といいましても終戦後の御承知の状態の中に設けたものでありまして、今回のはまた独立後の日本の教育というような建前で考える必要があるのでありますから、そこに多少の趣の相違があると思うのであります。その点も御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/31
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032・鈴木義男
○鈴木(義)委員 この予算はすでにとつてあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/32
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033・今村忠助
○今村政府委員 これは過般の予算案の中に入つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/33
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034・鈴木義男
○鈴木(義)委員 先ほど今野君が予算の方をきめておいて、そうして機構をそのままのめというふうに審議を求めることは国会を軽視するものであるという御発言がありましたが、たしかにそうであると思います。まずそういうものの必要を内閣委員会できめた後に文部省としては予算を組むべきだ。予算を組んでおいて、そうして事後承認を求めるような形ははなはだ遺憾であるということを御警告申し上げておきます。それから通信教育審議会というものを廃止したようでありますが、通信教育は非常に大切なものであつて、ある意味では地方にあつて正規の学校に行かれない者にほんとうに教育を与えるという性質のものでありますが、審議会をもし廃止するならば、先ほどちよつと説明があつたようでありますけれども、私の記憶によく残つておりませんので、廃止してもさしつかえないような機構を持つておるのかどうか承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/34
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035・今村忠助
○今村政府委員 通信教育制度というものが新しく設けられて、その制度を確立するというような建前でつくられました審議会は、一応その使命を果したと考えられますから、これを廃止しようというのでありまして、今後は社会教育審議会において通信教育等にもあたつて、必要事項については審議して参りたい、こういう建前をとつているわけであります。一応基礎的なものはできたから、今後は一般社会教育の一環として見て行こう、こういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/35
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036・鈴木義男
○鈴木(義)委員 大学の通信教育も入るのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/36
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037・今村忠助
○今村政府委員 大学に関しても入つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/37
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038・鈴木義男
○鈴木(義)委員 社会教育審議会だけでそれをやることはどうですかね。狭きに失するように思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/38
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039・今村忠助
○今村政府委員 学校通信教育については教育課程審議会と大学設置審議会等にそれぞれ処理するようにいたして参りたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/39
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040・鈴木義男
○鈴木(義)委員 それから第六の高等学校の職業教育関係の教科用図書の編集を文部省で行い得るものとする。この説明もちよつと私よくはつきりしなかつたのでありますが、もう少し詳細に御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/40
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041・今村忠助
○今村政府委員 非常に発行部数が少くて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/41
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042・鈴木義男
○鈴木(義)委員 それはどういうものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/42
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043・今村忠助
○今村政府委員 実質現在部数が少いのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/43
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044・鈴木義男
○鈴木(義)委員 いや、商業とか、工業とか、そういうものが相当あるのでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/44
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045・今村忠助
○今村政府委員 けれども実際何と言いますか、現在においては発行部数が少い実情です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/45
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046・鈴木義男
○鈴木(義)委員 それならば職業教育関係の教科用図書という、その内容をひとつ御説明願いたい。何を意味しておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/46
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047・今村忠助
○今村政府委員 これはつまり商業や工業を除いた水産ないし農業とかいうものでありまして、実質現状において少い。そういう結果からかように改めようということでございますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/47
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048・鈴木義男
○鈴木(義)委員 民間ではやつていないのですか、民間でもやつておるのでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/48
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049・今村忠助
○今村政府委員 今申すように非常に少いものですから、民間では引合わないから文部省でやらせて参りたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/49
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050・八木一郎
○八木委員長 農林省に対する御質疑を継続してお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/50
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051・鈴木義男
○鈴木(義)委員 この第三の中国種畜牧場を新設する。一体この種畜牧場は今全国にどういうふうに配分されているか承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/51
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052・鵜川益男
○鵜川説明員 簡単に申し上げます。一時国立の種畜牧場は、終戦当時三十三箇所でございましたが、関係方面の非常に強い御示唆もありまして、二十四年度、二十五年度において事業を縮小して参りまして、現在においては箇所数は十四日でございます。それから用地面積は合計約一万九百町歩、この程度を持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/52
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053・鈴木義男
○鈴木(義)委員 それでは全国的分布の状況を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/53
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054・鵜川益男
○鵜川説明員 全国的には御承知の通り北海道、それから東北の方には奥羽にございます。北海道の方は日高、十勝、新冠、それから東北の方は岩手、福島、関東へ参りまして大宮にございます。それから東海の方には岡崎、近畿へ参りまして兵庫、それから中国に参りましては鳥取、それから四国には高知、それから九州へ参りまして熊本と宮崎であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/54
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055・鈴木義男
○鈴木(義)委員 私は農林省ではその程度にしておきます。あとでまたできるかもしれません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/55
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056・今野武雄
○今野委員 議事進行です。ただいまたくさんの設置法を提案されて、提案理由の説明書などまだそろわないのもあるし、これはなかなか大ごとなんですが、一つ審議の期間を置いて研究さしてもらつてやりたいと思うのです。そうしないと、これはとても十分わからないと思うのです。ですから今日やらないで、この次にまわすようにはからつていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/56
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057・八木一郎
○八木委員長 申し上げます。今野委員の御希望にもありまして、議事の進行は、各省の設置法の細部についても説明を求めて、定員法、設置法を関連させて議事を進めて参つているので、お示しのように行政機構全般についての問題は政府もあらためて提案の用意を持つているが、年度末仕切りかえの関係から、ここに関係各省の一部改正案が提案されているのだ、こういう事情でありますので、この事情を了として議事をお進めいただいている次第であります。御了解と御了承の上に質疑を継続されんことを希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/57
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058・今野武雄
○今野委員 質疑をすることは私も研究して来たものもありますからけつこうなんですけれども、しかしきよう質疑できない部分もあるわけです。そういう部分については、やはり取調べの上質疑をせなければならぬということになるわけなんです。だからきようやれるだけやつて、あとに延ばせというならそれはよろしいのですけれども、そうでないと、これは無理やりにわからないままにのんでしまえということになつてしまうわけなんで、賛成とか反対とか言つても意味をなさないと思う。これはかりにもこういう重大な問題について、その日に七つも八つも——そんなにないかもしれないけれども、一ぺんにやつてしまうというようなことは、これは私ども国民から選ばれて国会に出ておる者の審議権というものを無視したやり方だと思わざるを得ないわけです。その点で一日でも延ばして、ひとつ研究の余地を与えてもらいたい、こういうことなんで、別に無理を申しておるわけではないのですが、お聞届を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/58
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059・八木一郎
○八木委員長 重ねて申し上げますが、定員法、設置法の説明を聴取し、議案審査をして参りまして、本日各省設置法の一部改正に入つて、なおその質疑を続行しておる際でありますから、御用意なさつた質疑はこの際継続されんことを希望します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/59
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060・今野武雄
○今野委員 それではただいまの委員長のお言葉によりますと、用意した分について質疑を継続しろということのように聞えましたから、了承いたしてやりますが、付言して今日これを全部済ますことはできないことは最初にお断りしておきたいと思います。
たくさんありますので、最初にこの間提案されました順から申し上げますと、経済安定本部の設置法一部改正でございまするが、その提案理由の中に、物価庁を廃止する理由として、最近において経済情勢は著しく安定し、価格統制の範囲も大幅に縮小して参りましたので云々というようになつております。この経済情勢が著しく安定しという点については、私は率直に言つてうそじやないかと思うのです。それは最近におけるヨーロッパの不況の情勢、それからインドにおける深刻な恐慌、こういうようなものを照し合せてみますと、日本国としては中国との貿易をほとんど禁止されておる、ソビエトとの貿易もほとんど禁止されておる。東南アジア貿易ということが言われておるのだが、そこでインドが今言つたような深刻な恐慌状態であるということになりますと、今後の日本の経済界というものは一体どうなるか。最近に通産省で勧告しておるあの紡績の操業短縮というようなこと、これは一時的なものじや済まないだろうという見通しができるわけです。そのほかに鉄鉱においてもあるいはソーダ工業においてもソーダ工業なども操業を短縮せねばならないだろうというような情勢が生れております。こういうような場合に、この著しく安定しという見通しを立てることに対しては、私としてはとうてい承服できない。現に物価の問題につきましても、電力料金の値上げ、しかも大幅な値上げがここで問題になつている。それから借家借地料の値上げとか、それからこういうことが続きますれば、また交通費の値上げとかいろいろなことが当然問題になつて来るわけでございます。そういたしますと、なかなかもつてこの物価の問題というのをこういうふうに評価して行くことはできないんじやないか。それからたとえば統制がはずされたと申しまするけれども、行政協定の十二条などによりまして、いわゆる特需が優先的に調達される。特に昨年からことしにかけての冬の北海道などについて見ますると、私自分でもつて資源庁の石炭局などに行つて調べ、また局長のいろいろな見解も聞いて参つたのでありますが、これは統制ははずされたけれども、事実においては非常にさんたんたる状態である。もう六千カロリー以上の石炭が全部朝鮮特需として、作戦命令でもつて向うに持つて行かれる。天然資源局にお願いしてもどうにもならぬ。そうして石炭局長自身認めているように、ボタ山がどんどんつぶされている。そうして七割もボタをまぜたような租悪炭が市中に出まわつている。そうしてしかもそれが昨年三千五、六百円だつたものが、トン当り五千円もする。かようなわけで、非常なさんたんたる状態があつたわけでございまするが、そういうような問題は、行政協定などを見ましても、今後続出する憂いがあるわけであります。そういたしますと、ここでもつて経済情勢は著しく安定し、価格統制の範囲も大幅に縮小しと言うけれども、直接の統制ではないけれども、そういうような形での問題が起つて来る。これに乗じての石炭業者の暴利という問題が、新聞などにも出ております。こういうような問題に対してやつぱり物価対策というのが、相当これは重要な部面になるのじやないか、こういうように考えられるわけであります。その石炭の問題が、ひいては電力の問題にもなり、結局電力炭の問題にもなつて、今回の電力料金値上げの大きな理由になつている。こういうような点から見て、物価庁の問題というものは相当重大だと思う。私はこれを廃止する意味がよくわからないのではなくて、よくわかり過ぎている。それは昨年電力料金の値上げが問題になつたときに、物価庁としては、その値上げが不当なることを意見を具申しておるわけであります。従つてこういうものは電力資本家にとつてはじやまなものになつて来ている。それで現在電力料金の値上げが問題になつている際に、物価庁を縮小するというか、独立性を失わせる、こういうような措置を講ずることは、その意味で非常に悪辣なやり方ではないか、こういうように考えるわけであります。この点について、ひとつ十分な御答弁が願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/60
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061・渡辺逸亀
○渡辺(逸)政府委員 最近の物価の傾向は、昨年四月以降大体横ばいを続けております。物価全体としては安定しておる、そういうふうに考えておるのでございます。電気料金や地代、家賃等の引上げにつきましては、他の物価とのアンバランスを是正するという程度の引上げでございます。それがまた悪循還を来すということはないと考えておる次第でございます。物価庁を廃止いたしましても、安定本部の内局として、物価局として存続いたすのでございまして、決して物価行政を放任しようという考えではないのでございまして、現在の経済安定本部設置法の中に、物価庁は内局に編成がえするという規定がございますので、国会がお定めになつたところに従いまして、内局になりまして、物価行政を続けて参りたい、そういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/61
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062・今野武雄
○今野委員 ただいま国会のお定めになつたところに従つてというのですが、どうも私うつかりしていたせいもあるかもしれないのですが、これからそういうことをここできめることだと思つていたのですけれども、もうすでにきまつちやつているのですか。その点ひとつお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/62
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063・渡辺逸亀
○渡辺(逸)政府委員 経済安定本部設置法の附則の第三項にその規定がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/63
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064・今野武雄
○今野委員 そうすると内局にかえるということは、この設置法の一部を改正しなくてもできるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/64
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065・渡辺逸亀
○渡辺(逸)政府委員 物価庁は昭和二十七年四月一日以前に経済安定本部の内局に編成がえするものとして、その手続は法律によつて定める、そういうふうな規定がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/65
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066・今野武雄
○今野委員 それは前の国会でもつてそういうことになつたのですが、しかし事実は、朝鮮動乱の勃発といいますか、そういう戦争の勃発によつて、これを延期しておるわけです。延期したということは、つまり物価庁として存続する必要があるということで、内局にしてはまずいということなんだと思う。そうするとそういうような情勢は、先ほど私は少し長たらしく申しましたが、朝鮮の戦争もまだ終らないし、ヴエトナムや何かの方で騒がしいようなこともいろいろと伝えられおる。こういうような情勢のもとで、やはり廃止する段階になつているかどうかということについては、相当疑いなきを得ない。前に廃止することをやめたことと比べて、今その理由がなくなつてしまつたというように考えるわけに行かない。その理由として今おつしやつているのは、物価が横ばい云々という話でありまして、それはなるほど繊維その他恐慌状態でもつて暴落しているものもあります。それから今言つたように、電気とか石炭、こういうようなふうに独占価格として、ほんとうに国民の要求を無視してどんどん上ろうとするものもある。そういうようなものの品物の選び方、平均のとり方によつては、それを総合した結果として、横ばい状態が出て来るということも考えられるけれども、しかし国民の生活にとつては物価は依然として上つておる。ことに着物など買える人はほとんど上等な部類の人ですから、そういうようなものが少しくらい下つたからといつて、大して楽にはならない。こういうようなことから言えば、やはり物価問題というものは相当波瀾を含んだ大きな問題であろうと思うのです。だから何ゆえに今まで延ばし、今急にそれを廃止するか、こういうようなそこのところのけじめがはつきりしないというわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/66
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067・渡辺逸亀
○渡辺(逸)政府委員 昨年は御指摘の通り、物価庁の存続期限を一年間延長したわけでございますが、昨年の当時の物価事情と現在の物価事情は著しく異なるものがあると考えておる次第であります。また昨年の二、三月当時には統制品目も相当多数あつたのでございますが、現在では重要品目に対する価格の統制は著しく減つておりますので、これを内局に編成がえしてもさしつかえない、そういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/67
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068・八木一郎
○八木委員長 ただいま質疑中の各法案に関する質疑は、日を改めてさらにこれを継続実施することにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/68
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069・八木一郎
○八木委員長 これよりポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案、統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案、恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案、この三法案につきまして討論、採決を行います。討論の通告があります。これを許します。今野君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/69
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070・今野武雄
○今野委員 共産党といたしましては、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案、これについては戦後に行われた占領下における地方団体の吏員その他の恩給の停止、それからして研究機関、工場、事業場等の事業報告、あるいは科学技術者の経歴調査をやることをやめるということだけでありますから、これに対しては何も異論がありません。賛成いたします。
それから第二に、統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案につきましては、ここでは単に統計を教育委員会の事務に加える、そして産業教育調査を実施するというだけのことのように聞えますが、現在行つております政府の統計がいかなるものであるかということについては、質問の場合にも明らかになつたように、非常なごまかしをやつておる。ことにそれによつて国民が大きな損害を受けている。これはCPI統計とか、あるいは失業統計、こういうようなところにはつきり現われている。その結果として政府の政策というものが、統計というものにはつきり表われ、客観的な正しい統計ということでなくして、非常に政策的な統計がつくられておるということは、この前の質問によつて明らかであります。なおアメリカの大統領予算局次長のライス博士は、大統領に対する報告書において、やはり日本を支配するには、統計によつて支配するのが一番であると、いかにも素朴な専門家らしい意見を述べております。かようなことに対しては、われわれ国民の利益を守る立場からすれば、絶対に承服できない。従つてさような統計法がそのまま準用され、しかも産業教育などと申しますと、学徒動員というようなこともそろそろ始まつているような状況、こういう状況のもとにおいては、やはり軍事的な再軍備のための調査という色彩を非常に強く持つておるのでありますから、こういうような問題に対しては、内容の面から言つて、私どもとしては反対せざるを得ない。すみやかに現在のような統計業務のやり方を改めて、その上で出直してもらいたい、こういうふうに考えるわけであります。
次に恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案につきましては、これは私昨日も千葉県から出て参りました恩給受給者の代表と会いましたが、非常に憤慨しておるのです。本来この提案理由に、財政上非常に困るといつて、さらに詳しくは、現在そのまま恩給を復活するならば、七百万人の受給資格者がある、そして二千億円も金がかかるから、とうてい国家財政その他の方面に及ぼす影響があるから、できないのだ、こういうように言つておりますけれども、受給者の立場としては、そんなばかなことがあるか、あれは一時停止されただけじやないか、停止期間払つてならないというのなら、そういうものをたくわえておくのが当然じやないか、こういうようなところまで言つておる。今のそういうような点は、私どもとしては全幅的に承服するものではございません。しかしながら政府の考え、つまり国家財政その他各方面に及ぼす影響云々ということでありますが、この恩給の額が二千億円になるということ、再軍備その他外国軍のために使う費用が二千億円になるということ、これはまあ偶然の数字の一致でありますが、非常に考えさせられるものがあるわけです。戦争によつて受けた大きな惨害、それから戦前に一銭五厘で国家のために働くのだといつて召集された人々、そういう人たちに対する約束を果し得ないで、しかも新たな再軍備をやろう。そして現に日本が今戦場になつておる。これは現にここでもつて爆弾が落される。これは間違つて落されることもあるわけでありますが、それよりも、ここが基地としてアメリカの艦隊に補給し、あるいはアメリカの空軍が東京あるいは九州、方々から飛び立つておる。そういうような状況のもとで、新たな戦争に日本までが突入して行く。こういうようなことは、私は平和をこいねがう国民に対する冒涜だと考えます。そのための都合によつて、ここでもつて恩給の件が延ばされるということに対しては、これはまつたく反対であります。政府としてはすみやかに暫定措置でも講じて、そして戦争に行つたために、社会に立ち遅れて、困つている人たちを救う、それは私どもとしては階級とかそういうものによらないで、平等の形でこれを救う、そのための暫定措置を講じて、それと並行して審議会をやつたつてちつともさしつかえないわけです。どうしてもそういうふうにやつてもらいたい。その意味から、この法律案それ自身に対しては反対せざるを得ないわけであります。
以上簡単でありますが、一法案に賛成し、二法案に反対する理由を申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/70
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071・八木一郎
○八木委員長 次に松岡委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/71
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072・松岡駒吉
○松岡委員 恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案につきましては、この二千億に上るところの恩給の支給ということが、事実上日本の今日の財政経済力をもつてしては困難であることは、大体了承します。しかしだからと言うて、一箇年間も放置しておくということは、これは少し残酷に過ぎる。従いまして大体私どもは恩給というものについては、根本的に考え直す必要がありはしないかと思つておるのでありますが、社会保障の精神に基くところの、階級に拘泥するところなく、主として下士官、兵の問題でありますが、そういう人々の生活を保障するに足る措置はぜひとも一刻も早くなすべきであると思うのであります。従つて根本的にこれに反対というのではありませんが、総理府に設置されますところの恩給法特例審議会なるものを急速に設置していただきまして、根本的には二十八年三月三十一日までは現在のままでということは認めますが、急速にこの審議会を設置してもらつて、そしてこれとは別個に生活保障の立場からこの問題を処理することのできるように、その希望を付して賛成いたします。他の方に対しては賛成です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/72
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073・八木一郎
○八木委員長 青木正君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/73
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074・青木正
○青木(正)委員 私は自由党を代表いたしまして、ただいま討議の対象になつております三案につきまして賛成の意見を申し述べたいと存じます。
まず第一のポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案でありますが、これにつきましては、講和条約の発効に伴いまして当然の措置とも考えられまするので、別段他の会派にも問題ないようでありますし、私どもといたしましても全面的に賛成するものであります。
第二の統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案につきましては、統計事務の的確かつ迅速に行われるためには、教育委員会にこうした事務を取扱うことができるようにすることは最も適切なるやり方と存ぜられるのでありまして、私どもこの点につきましては何ら異存のないところであります。
第三の恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案であります。この点につきましては、共産党の方から反対の御意見もあり、また社会党の方から御希望の意見を付しての賛成のように承つたのであります。なるほど戦争中、終戦後長い間恩給につきまして軍人あるいは軍属の関係におきまして停止になつているということは、私どもその人たちの立場を考えまして、まことに遺憾にたえず、また御同情にたえないのであります。従いまして講和条約の発効とともに、でき得ることならばこれを一日も早く復活いたしまして、そうした方々の満足を得るようにすべきであるということにつきましては、私どももとより心からそうあることをこいねがつておるのであります。ただしかしながら御承知のごとく軍人恩給の復活につきましては、単に財源の問題というようなことばかりでなしに、私どもはさらにもつと掘り下げて、現在の社会情勢に対応し、またその他の諸般の事情から勘案いたしまして、根本的に検討する必要のあることは、これはどなたも異存ないと思うのであります。そうして軍人の遺家族の問題等につきましても、御承知のごとく戦没者の遺家族問題につきましては、今年度予算におきまして、一応の対策を立てておるのでありますが、あの対策は言うまでもなく過渡的なものであり、どうしてもあれとにらみ合せまして、さらに本格的に軍人恩給問題というようなものも考慮されなければならないということは、申し上げるまでもないのであります。さような意味からいたしますと、ここで講和条約発効に伴いまして軍人恩給をただちにそのまま復活するというようなことにつきましては、どういたしましても適当とは考えられませんので、政府の提案するごとく審議会を設けまして、慎重にそしてまた各方面との関連におきまして、最も公正妥当なる立案をするということが必要になつて来ると思うのであります。もちろん私どもの念願といたしましても、この審議会が一箇年ということになつておりますることはまことに遺憾でありまして、できることならば、もつと短かい期間に立案を了し、そうしてそれによつて軍人恩給の復活を一日も早くするということは、もとより望むところであります。しかしながら言うまでもなくこれには予算を伴うのであります。予算を伴うということを考えまするときに、いかに急いでみましても、予算編成期までに間に合うかどうか、予算編成期、七月あるいは八月までに立案を了して、ただちに明年度予算に組み上げるということは、はなはだ困難と思うのであります。いわんや六、七月までに検討を了して補正予算に組むというようなことは、できれば望ましいのでありますが、実際問題としては、そういうことをはつきりと規定しておくことはなかなか困難と思うのでありまして、やはり審議会の期間としては一箇年程度の期間を置いて慎重に検討するということは、実際問題として私どもやむを得ないと思うのであります。かような意味におきましてこの政府の提案いたしておりまする法案に賛成をいたすものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/74
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075・八木一郎
○八木委員長 これにて討論は終りました。採決に入ります。
まずポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案を採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/75
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076・八木一郎
○八木委員長 御異議なければこれより採決いたします。本案について賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/76
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077・八木一郎
○八木委員長 起立総員。本案は原案の通り可決いたしました。
次に統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案、恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案の二案を一括いたして採決をいたします。本案に賛成の方の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/77
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078・八木一郎
○八木委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
次会は明日午前十一時より開会いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304889X00819520325/78
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