1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十五年二月二十三日(火曜日)
午前十時四十一分開議
出席委員
委員長 福田 一君
理事 岡崎 英城君 理事 高橋 禎一君
理事 高橋 等君 理事 辻 寛一君
理事 石橋 政嗣君 理事 石山 權作君
淺香 忠雄君 内海 安吉君
小金 義照君 谷川 和穗君
橋本 正之君 飛鳥田一雄君
久保田 豊君 兒玉 末男君
杉山元治郎君 柳田 秀一君
出席国務大臣
国 務 大 臣 赤城 宗徳君
出席政府委員
防衛庁参事官
(長官官房長) 門叶 宗雄君
防衛庁参事官
(防衛局長) 加藤 陽三君
防衛庁参事官
(教育局長) 小幡 久男君
防衛庁参事官
(経理局長) 山下 武利君
農林政務次官 小枝 一雄君
委員外の出席者
専 門 員 安倍 三郎君
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二月二十三日
委員柏正男君辞任につき、その補欠として兒玉
末男君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員兒玉末男君辞任につき、その補欠として柏
正男君が議長の指名で委員に選任された。
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二月二十日
農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第六七号)
同月二十二日
靖国神社の国家護持に関する請願(奧村又十郎
君紹介)(第四八三号)
同外十二件(内藤隆君紹介)(第四八四号)
同(愛知揆一君紹介)(第五九七号)
同(田中彰治君紹介)(第五九八号)
同(塚田十一郎君紹介)(第五九九号)
同外一件(福家俊一君紹介)(第六〇〇号)
同外一件(亘四郎君紹介)(第六〇一号)
同外一件(飯塚定輔君紹介)(第六一五号)
同外二十七件(石坂繁君紹介)(第六一六号)
同外九件(内田常雄君紹介)(第六一七号)
同(大石武一君紹介)(第六一八号)
同外二十二件(川野芳滿君紹介)(第六一九
号)
同(木村俊夫君紹介)(第六二〇号)
同(小川半次君紹介)(第六二一号)
同(竹内俊吉君紹介)(第六二二号)
同(竹山雨太郎君紹介)(第六二三号)
同外一件(田中角榮君紹介)(第六二四号)
同同外七件(永山忠則君紹介)(第六二五号)
同(原田憲君紹介)(第六二六号)
同外十六件(堀内一雄君紹介)(第六二七号)
同(南好雄君紹介)(第六二八号)
同外一件(八木徹雄君紹介)(第六二九号)
同(柳谷清三郎君紹介)(第六三〇号)
同(中島茂喜君外九名紹介)(第六六九号)
同外一件(三浦一雄君紹介)(第六七〇号)
同(稻葉修君紹介)(第六八七号)
旧軍人恩給の加算制復元に関する請願(小平久
雄君紹介)(第四八五号)
同(高瀬傳君紹介)(第六〇三号)
同外二件(飯塚定輔君紹介)(第六三一号)
同(小島徹三君紹介)(第六三二号)
同(福家俊一君紹介)(第六三三号)
同(徳安實藏君紹介)(第六八五号)
金鵄勲章年金及び賜金復活に関する請願(内藤
隆君紹介)(第四八六号)
同(山手滿男君紹介)(第四八七号)
同(濱田正信君紹介)(第六〇二号)
同(高橋英吉君紹介)(第六三四号)
建国記念日制定に関する請願外五十三件(岡崎
英城君紹介)(第六一二号)
同外十四件(纐纈彌三君紹介)(第六一三号)
同(西村直己君紹介)(第六一四号)
同(濱田幸雄君紹介)(第六六三号)
同(村瀬宣親君紹介)(第六六四号)
同外二十五件(纐纈彌三君紹介)(第六六五
号)
同(長谷川四郎君紹介)(第六六六号)
同外二十九件(山口喜久一郎君紹介)(第六八
六号)
傷病恩給の是正に関する請願(内田常雄君紹
介)(第六三五号)
同(橋本龍伍君紹介)(第六三六号)
紺綬褒章存続に関する請願(小澤佐重喜君紹
介)(第六三七号)
兵庫県浜坂町及び温泉町の寒冷地手当増額等に
関する請願(小島徹三君紹介)(第六三八号)
旧暦元日を建国記念日に制定の請願(高橋禎一
君紹介)(第六六二号)
鹿屋市に陸上自衛隊施設部隊誘致に関する請願
(二階堂進君紹介)(第六六七号)
鹿屋航空隊の航空機修理工場拡張に関する請願
(二階堂進君紹介)(第六六八号)
は本委員会に付託された。
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二月十九日
旧軍人恩給の加算制復元に関する陳情書
(第一号)
同(第二号)
同
(第三号)
同
(第四号)
同
(第五号)
同
(第六号)
同(第六〇号)
同
(第六一号)
同
(第六二号)
同
(第六三号)
同
(第六四号)
同
(第六五号)
同(第六六号)
同(第六七号)
同
(第六八
号)
同
(第六九号)
同(第七〇
号)
同
(第七一号)
同
(第七二号)
農林省定員外職員の定員化に関する陳情書
(第七号)
同
(第七三号)
靖国神社の国家護持に関する陳情書
(第一五三号)
同(第一五四号)
同(第
一五五号)
同
(第一五六号)
同
(第一五七号)
同
(第一五八号)
同
(第一五九号)
同(第
一六〇号)
同(第一六一
号)
同(第一六二号)
同
(第一六三号)
同
(第二八四号)
同
(第一六五号)
同
(第二八六号)
同
(第一六七号)
同
(第一六八号)
同(第
一六九号)
同(第
一七〇号)
同
(第一七一号)
同(第一七二号)
同(第一七三
号)
同(第一七四号)
同(第一七五号)
同
(第一七六号)
同
(第一七七号)
同
(第一七八号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第六七号)
防衛庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第三二号)
自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出第
三三号)
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/0
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001・福田一
○福田委員長 これより会議を開きます。
農林省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。小枝農林政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/1
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002・小枝一雄
○小枝政府委員 ただいま上程されました農林省設置法の一部を改正する法律案の提案の理由を改正の内容とあわせて御説明申し上げます。
第一は、青果物に関する行政を振興局の所掌とすることであります。御承知の通りわが国の農業における果樹農業の地位は、近来とみにその重要度を増すに至っておりますので、政府といたしましても別途果樹農業振興特別措置法案を今国会に提案いたし、その振興を期する所存でありますが、同時にこれに対処いたしますため農林省の組織につきましてもその整備をはかり、果樹その他青果物に関する行政事務を生産から消費まで一貫して振興局の所掌することといたすものであります。
第二は、放射線育種場の新設であります。放射線を作物に照射して突然変異を生ぜしめ、これを品種改良に利用することは、つとに各国において研究が進められ、わが国におきましても原子力平和利用の一環として昭和三十一年以来関係試験研究機関において放射線照射室を設置し、育種研究を進めて参りましたが、これら室内照射による試験では自然のままの条件を具備し得ない等の欠陥がありますので、今回農林省の付属機関として放射線育種場を新たに茨城県に設置し、ここにおいて農作物及び林木に対する放射線の圃場照射を行なうこととし、品種改良の飛躍的発展をはかろうとするものであります。
第三は、飼料検査所の新設でありますが、これは最近の飼料需要の増大に伴い、飼料検査業務を強化する必要がありますので、現在これら検査業務を行なっております畜産局飼料課分室を独立の付属機関とするものであります。
第四は、名古屋農地事務局に高潮対策事業部を設置することであります。昨年九月伊勢湾地方を襲いましたいわゆる伊勢湾台風による干拓地等の被害は、まことに激甚をきわめたものがございました。すでに前国会においてこれが対策として各位の御賛同のもとに各種の立法が成立を見、政府といたしましても鋭意その実施に当たっております次第でありますが、今回これら伊勢湾高潮対策事業を総合的、計画的、かつ急速に実施するため、名古屋農地事務局に臨時に高潮対策事業部を設け、もって被災干拓地等の災害復旧工事、再度災害防止のための改良工事の推進に遺憾なきを期そうとするものであります。
次に、昨年設置されました臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会は、その調査審議も順調に進み、今年三月中には予定通り答申がなされる運びに至っておりますので、今回これを廃止することといたしております。
以上のほか、現在蚕糸局で行なっております繭糸価格安定のための生糸の買い入れ及び売り渡しの業務の実情にかんがみ、これらの業務を生糸検査所において行ない得ることとする等、若干の規定の整備を行なっております。
以上がこの法律案の主要な内容及び提案の理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/2
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003・福田一
○福田委員長 本案についての質疑は、後日に譲ることといたします。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/3
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004・福田一
○福田委員長 防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案を一括議題とし、前回に引続き質疑を許します。兒玉末男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/4
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005・兒玉末男
○兒玉委員 私は、今月の十三日宮崎県の西諸県郡の真幸町並びに加久藤町を中心としまして、霧島自衛隊の演習場における実弾射撃の際、着弾予定地がはずれて、その結果、約一千ヘクタールにわたる山林を焼くという大きな事故が発生をいたしておるわけであります。この点につきまして防衛庁長官並びに担当局長にいろいろとお尋ねをしたいわけでございますが、御承知の通りこれは自衛隊の国分の第十二連隊の第三大隊の九中隊八十人がカービン銃、野砲、ロケット・ランチャー、これは何か対戦車砲ということでございますが、この実弾射撃の訓練中に発生した事故であって、着弾予定点をはずれたたまが岩に当たって過熱した結果、周囲のカヤ草に燃え移って、これが加久藤町と真幸町の町有林を焼いたという事件でございまして、きわめて問題が大きいわけであり、特にこの西諸県一円の市町村というのは、地方自治体の財源が非常に困難であるし、さらに山林ということが貴重な財源をなしておるわけであります。しかもほとんどこの山というのが、植え付けて十年前後のきわめて貴重な価値のある山を焼かれたということに、私は大きな問題が残ろうかと考えておるわけであります。さらにまたこの演習場が、一面が草原でありますけれども、そういうふうな地域にある演習場におけるところの弾着予定地がはずれて、このような事故が起きたということが、第二の問題点であろうかと感ずるわけであります。もう一つの問題は、ちょうどこの辺の林野一帯が、いわゆる枯れ野の時期であって最も火災の発生しやすい時期である。こういう点等が私は今度の最大の原因をなしていようかと思うわけであります。
そこでいろいろとお伺いしたいのですが、まずこの事故について防衛庁長官の方に詳細な報告がなされておるかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/5
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006・赤城宗徳
○赤城国務大臣 ただいまお話の霧島演習場における火災事故につきましては、私の方でも報告を受けています。損害の程度等につきましてはただいま検討中でありますが、お話のように二月の十三日、場所としては宮崎県の霧島演習場、実施部隊としては十二連隊の第三大隊、状況としては今お話のように、三・五インチのロケット・ランチャーによる対戦車榴弾射撃演習を射程三百五十メートルで森林地帯を避けて落下させるように演習を行なっておったのですが、ちょうど十二時三十分ごろに枯れ草に引火したものと推定される火災が発生しました。隊員三百名が地元の消防団、青年団等の応援を得まして消火に努めた結果、十六時ごろ鎮火した、こういう報告であります。事故の原因につきましては、普通はこの種のたまでは発火しないものでありますが、当日たまたま枯れ草地帯で、風が強かったというので、枯れ草に引火延焼したと推定されるという報告であります。被害等につきましては、町有林、民有林、国有林等に相当な被害を与えておる。まことに遺憾であるのであります。損害額の詳細につきましては、ただいま調査中であります。これにつきまして、陸幕におきましてもこういうことは今までなかったのでありますが、こういう事態を発生いたしましたことは非常に遺憾であると思います。各部隊に対しましても、乾燥期であるので、射撃実施のためには、風向きとか、風速とか、枯れ草の状況、使用弾種、警戒措置等に留意して、こういう事故を防止するように指導されたいという旨の通牒を出しておるわけでございます。お話の通りの状況報告を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/6
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007・兒玉末男
○兒玉委員 事故が発生してからどのような指導をしても、その損失を取り返すことはできないわけでありますが、特に実弾射撃訓練というのは、私たちも過去の兵隊の経験から、相当周囲に対するところの安全ということについては、厳重な規則なり、あるいは協定なり、そういう注意がなされたことを記憶しているわけですが、現在の自衛隊関係のこのような実弾射撃の訓練に対して、平素どのような監督指導をやっているのか、そのことについて一つお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/7
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008・小幡久男
○小幡(久)政府委員 お答えいたします。演習につきましては、たびたび事故も発生した経緯もありまして、たとえば跳弾を避けるとか、あるいは曳光弾、あるいは黄燐弾というような非常に発火しやすいもの等につきましては、枯れ草地帯は遠慮する、あるいは実弾射撃中は付近に警戒兵を置いて、立ち入り者の被害をなくするといういうに、いろいろ演習場の管理規定を作りまして、安全ということにはできるだけの措置をとっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/8
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009・兒玉末男
○兒玉委員 私は地元の町議会からの書面による情勢の分析、それから当時の指揮隊の責任者である——名前は記録してございませんが、二佐だけ入っておりますが、この隊長もその自衛隊側の責任ということを、明らかにこちらの失策であったということを認めておるわけでございますが、このロケットランチャー、迫撃砲ですか、これはその操作なりあるいは性能ということについて取り扱いに対する十分なる習熟がなされなかった結果、このようないわゆる弾着点を誤まるというような結果を招いたのではないかというふうに感ずるわけですが、一体この性能等については、十分な指導、訓練がなされておったのかどうか、この点についての見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/9
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010・小幡久男
○小幡(久)政府委員 ロケット・ランチャーは御承知のように通称バズーカ砲と称しておりまして、弾着点には非常に動揺性が本来あるのでありますが、そのたまの飛散した姿は、一般の小銃弾と変わりのない小さなたまでありまして、大体は通常の注意でいけるのが普通でございまして、当日はおりあしく非常に枯れ草が乾燥しておりましてしかも風速が十三ないし十五メートルございましたものですから、おそらくぼやのうちに消しとめるいとまがなく、延焼をしたものと思い、はなはだ遺憾に思っております。性能等につきましては、実弾射撃をやる前に、相当実際の訓練に当たりまして、実弾射撃では大体そういった扱い上のそごがないように訓練いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/10
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011・兒玉末男
○兒玉委員 このロケット・ランチャーというのは、生産は大体国産になっておるのですか、それともよその国から買っておるものでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/11
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012・小幡久男
○小幡(久)政府委員 供与品であります。国産ではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/12
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013・兒玉末男
○兒玉委員 それからこの地元の方の新聞、あるいは地元町議会等の書面によりますと、特に一番ポイントをなすのは、着弾点をはずれたということに最大の原因があるということが指摘をされているわけですが、大体このロケット・ランチャーの着弾点の誤差というのですか、こういうものは大体どの程度になっているのか、お伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/13
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014・小幡久男
○小幡(久)政府委員 はっきりした数字はちょっと今持ち合せておりませんが、当日は射程三百五十メートルで撃っておりまして、御承知のように固定した銃座があって撃つものではございませんで、携帯兵器でございますから、多少発火のときに動揺を感ずれば、射程というものはある程度変化する。散布の偏差はそれによって違うというふうに考えております。普通の大砲と違いまして銃座が固定しておりませんので、その人の技能によって多少異なることはあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/14
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015・兒玉末男
○兒玉委員 そういうあいまいなことでは困ると思うのです。特に大砲のように一発のたまが飛んでくるのではなくて、そういう榴散弾的なものであれば、なおさらそういう着弾予定地の誤差というものを明確に測定してあるいは技術上の未熟あるいは熟練によるその誤差、そういうふうな両面から考えあわせて、私もよく知っておるわけですが、特にこの地域は農民が立ち入りする地域であるし、演習場の境界というものもきわめて限定されているわけです。幸い今度は人畜に被害はなかったものの、そういうあいまいな方針であれば、これはきわわめて重大な問題だと思うわけです。そういう点について、もう少し的確な指導なり、あるいは着弾点におけるところの誤差というものを明らかにした上で、着弾地というものを決定しなければ、場合によっては立ち入り禁止区域外にそういうたまが飛んでいって人畜に被害を与えないという保障はできないと思うのです。そういう点について今後の問題としてどのように考えるか、はっきりとお答えをいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/15
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016・小幡久男
○小幡(久)政府委員 元来戦車を目標とするものでありまして、射程距離もわずか三百五十メートルでございますので、非常に大きな目標を近くで撃つという性質の砲でありまして、その誤差は後に詳細に調べますが、大したことはないと思っております。なお今後お示しの通り、その誤差あるいは射撃による偏差等をよく調べまして十分そういう点を考慮いたしまして事故のないように措置したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/16
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017・兒玉末男
○兒玉委員 損害の補償ということでございますけれども、これは具体的な調査結果を待って補償してもらえると思うのですが、もし損害が確定した場合においては、全額の補償は当然だと思うのですが、補償の面についての見解を一つお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/17
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018・山下武利
○山下政府委員 国が民間に損害を与えました場合に、これを補償する根拠の法規といたしましては、御承知の国家賠償法という法律がございます。具体的に申し上げますと、国が公権力の行使にあたりまして、その公務員がその職務を行なうについて、故意または過失によって違法に他人の権利を侵害した場合に、その公権力の行使者が責任を負うというのが第一条であります。それからもう一つの要件といたしましては、公共営造物、この場合には演習場と考えられるわけでございますが、この施設の管理上に瑕疵があった場合には、国が責任を負うということが定められておるわけであります。こういう要件に当たるかどうかということを、今度の具体的な例につきまして目下慎重に検討いたしておる次第でございます。なお本件は火災のことでございますので、この点につきましては特別に失火ノ責任二関スル法律というものが定められております。これは失火者に重大な過失があるということが要件になっておるわけでございます。これに該当するかどうかということについても、また別途調べておるわけであります。こういう法的な根拠の裏づけがあるということでありますれば、直ちに賠償責任を負うつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/18
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019・兒玉末男
○兒玉委員 私ははっきりここで確認をしておきたいと思うのですが、今度の火災の発生はどのような見地からでも、また当時現地の責任者もはっきりとこれを認めておるわけです。しかも客観的な情勢というものは、そういうきわめて引火しやすいような情勢にあった中で、あえてこのような火災発生のおそれのあるような実弾射撃を行なった、こういう点から、その原因は明々白々としていると思うのです。ですからそのことが確定するとするならば——とにかく防衛庁の今までの賠償関係というものは、何とかして賠償額を削ってわずかな金額しか補償しないという傾向が強いということを、私たちはかねがね聞いておるわけです。しかし今度の場合、明らかにその原因というものが、一切の報道機関あるいは地元町議会の調査、また当時の自衛隊の指揮者も明確に認めておるわけでございますので、そういう点からこれはいずれ防衛庁としても調査の結果を待って判定するわけでありますけれども、これは十中九まではそれがはっきり確認されておるわけでありますから、そういうことになった場合は、私はそういう科学的な調査に基づくところの損害額については、全額補償すべきであるということが第一。
それから第二の問題は、この霧島南部地区、あるいは加久藤、真幸の両町の町の公有林というのは、松、杉、ヒノキ、最低三十年かかるわけでありますけれども、今度焼失した地域というのは、大体十年前後の、ようやく植林において一番経費と日子を費した最も大事な山が焼けたわけであります。ですから防衛庁の損害の査定の仕方においても、私は今後問題が発生すると思うわけでありますが、少なくとも植林というのは、植えてから大体十年前後というのは最も多額の経費を要するわけです。そういう点から判断するということが第一。第二の問題は、やはりこういうふうな植林の過程、いわゆる生長の過程にある損害というものは、これが成木になったときの状態というものを基礎にして計算をしてもらわなければ、現在の立木の状態だけでもってこの損害額を査定するということは、きわめて問題があろうと思うわけです。そういう点からやはりこれが成木となった場合は、どの程度の価値があるか、こういう点を前提としたところの補償というものを考えてもらいたいということを、地元の町議会からも強く要望されておるわけでありますが、この点についての見解をお聞きしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/19
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020・山下武利
○山下政府委員 損害の賠償にあたりましては、できるだけ調査を敏速に完了いたしまして、善処いたしたいと考えておるのでございます。なお損害額の査定につきましても、被災者側の意見も十分に尊重いたしました上で、適正にこれをきめたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/20
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021・兒玉末男
○兒玉委員 それから火災の発生したときに自衛隊の演習に参加した四百名ですか、それに自衛隊からの要請等もあって、地元の消防隊、その他一般の人たちが約千二百名ぐらいこの消火に参加をしておるわけであります。私も当日ちょうど地元の党の遊説から帰っておりましたので、その詳細は一応電話で聞いておるわけでありますが、千二百名ぐらいの人たちがこの消火作業に協力しておるわけであります。これに参加した人たちの人夫賃等の実費は当然補償されるべきものだと思うわけでありますが、その点についてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/21
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022・山下武利
○山下政府委員 今お尋ねのようなことも含めまして、損害額一切の内容について目下慎重に検討中でございます。その結果を待った上で善処いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/22
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023・兒玉末男
○兒玉委員 これは今度初めてこういう事故が起きたわけではなくて、自衛隊等のいわゆるいろいろこういうような事故によって地元民が協力した場合、そういう人夫賃の実費等の補償をした実績というものがあるのかないのか、そういう点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/23
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024・山下武利
○山下政府委員 これはその具体的な例についていろいろ調べてみないと、はっきりしたことは申し上げかねると思いますが、おそらくそういうことについての実費をある程度お支払いした例はあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/24
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025・兒玉末男
○兒玉委員 それからこれは教育局長にお尋ねすることになろうと思うのですが、霧島山ろく一帯はそういうふうにカヤの多いところで、これは最も燃えやすいもので、しかも当時冬季で非常に乾燥しており、そういう乾燥したときには警報が出ますね。そういうようなことが新聞でも報道されておったわけですよ。それできわめて客観的に火災発生の原因の一番整っているようなときに、最も危険性の高いときに、このような実弾射撃をなぜしなければいけなかったのか、そういう点について、地元の中隊なりあるいは本部から、そういうようなことについての報告も何も来ていないか、なぜその日にしなければいけなかったかということをお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/25
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026・小幡久男
○小幡(久)政府委員 まだ詳しくその辺の状況を確かめておりませんが、先ほど長官からもお答えしました通り、相当の風速でありまして、しかもカヤの枯れ草があったということははっきりしておりますので、おそらく黄燐弾、曳光弾以外の一般の射撃は通常やっておりますので、その日も普通にやったのだと思っておりますが、なお実際の状況を調査いたしまして、お示しのようなことも検討したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/26
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027・兒玉末男
○兒玉委員 それから私もこういう事故が発生するのではないかということを、一昨年でしたか、演習場に通ずる道路の問題で、地元民との問題が起きまして現地視察に行ったわけでありますが、こういうふうな実弾射撃場は、どこでも大がいそういう火災発生等の場合を予想して、防火地帯あるいは防火溝、一間くらいのみぞを掘って、そういう火災の発生した場合等に類焼のないようにと、そういうふうな施設がなされておるわけであります。ところがここの霧島演習場は、そういう施設がなかったように私は記憶をするわけですが、その辺はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/27
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028・小幡久男
○小幡(久)政府委員 現場のその辺の詳細なところをまだ調査しておりませんので、確かなお答えはいたしかねますが、ただ当日風速がもう少し低ければ、あるいはぼやのうちに消しとめられたかもしれぬという気はいたすのであります。今後は少なくとも十三ないし十五風速があるという日には、そういうことはやらせないという通牒を、先ほど長官からも申し上げた通り、幕僚長から各部隊に通牒をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/28
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029・兒玉末男
○兒玉委員 また今後私はそういう事故が発生するということにかんがみまして、やはりこのような防火溝なり防火壁あるいは防火地帯という、このような防火に対する施設を早急に、防衛庁の責任において設置すべきだと私は思うのです。そのことを強く要望したいと思っております。
それからもう一つは、このような重大な事故が発生したのにかかわらず、今までそういう詳細な報告がおくれているということは、私はきわめて遺憾だと思うのです。むしろこちらの方から積極的にそのような事情聴取なり、あるいは県等の行政機構を通じてすみやかに詳細な資料の収集に努めるのが、防衛庁の責任ではないかと思うのですが、この辺について防衛庁長官はどのようなお気持を持っているか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/29
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030・赤城宗徳
○赤城国務大臣 お話の通りに考えておりますので、今後とも御被害等について、もっと迅速に報告を徴すというふうにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/30
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031・兒玉末男
○兒玉委員 あと二問、要望を含めて申し上げたいと思うのですが、こういうふうな、まだ事故の跡始末ができていない状態にございますので、一応一切のそういう防火施設なりあるいは損害補償、そういうこと等が全部確定するまで、この霧島演習場におけるところの実弾射撃を含めて一切の訓練を、その間中止してもらいたい、このことを私は要望したいのでありますが、その点に対する防衛庁長官の見解、並びに今後そのような、普通使っているところの兵器以外に、新しい兵器等によるところの訓練等実施する場合は、やはり地元側との事前の協議なりあるいは何らかの取りきめをやった上で、そのような演習を実施してもらいたい、私はこういうことを特に要望したいわけであります。でありますから、このような事態を再び防ぐためにも、あるいはまた地域住民がそういうふうな、いつも自衛隊の実弾射撃なり訓練があるために、そういうふうな危険に侵されて、地域住民がいつも安心した形で仕事に従事できない、こういうことがないために、事前の取りきめなり、あるいはそのような協定等を結んだ上で、このような演習等を行なうべきではないか、私はこういうように考えるわけですが、一応二点についての防衛庁長官並びに教育の責任者である教育局長の見解をお聞きしまして、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/31
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032・赤城宗徳
○赤城国務大臣 第二点ですが、地元と打ち合わせていろいろ発射等を考えたらどうかということでございますけれども、先ほど教育局長から申し上げたように、この演習場では曳光弾とかあるいは黄燐弾、こういうふうに発火しやすいたまについては使用を禁止しておるのであります。たまたま対戦車榴弾の飛散弾、今度使いましたのは通常の銃弾程度でありますので、これは制限しておらなかった。ただたまたま風が非常に強かったので、枯れ草に引火した、こういうことでございますので、御意向もよくわかりますけれども、この霧島の場合においては、地元といろいろ相談して、ということを待たずに、すでに発火しやすいものは使わないで、禁止しておりますので、こういう時期にやらせないということを考えますならば、地元との相談というものは、まあしなくても、大体地元でもよく了解できるのではないか、こういうふうに考えています。
第一点の演習につきまして、損害がはっきりし、賠償が確定するまではやめておったらどうか、こういう御意見でございます。その御意見に対しましては、いろいろ現地を調査しまして、こういう被害といいますか、事態がまた発生するおそれがあるか、あるいはものによっては演習しても発生をとめられるかというような事情をよく調査の上、決定いたしたいと思います。原則的に、賠償をするまでやめてしまうということは、ちょっと今ここで言いかねます。現状をよく調査の上適当な措置をとりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/32
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033・兒玉末男
○兒玉委員 今の防衛庁長官の回答では私は納得できないわけです。というのは、さっきの教育局長の回答でも、とにかくこのようなロケット・ランチャーのそういう着弾予定地に対する誤差もはっきり理解できない。しかもまた演習をそういう新しい兵器等を持ってきてやる場合においても、そういうふうな指導上のいわゆるあいまいさによって今度の事故も発生しておるわけでありますし、しかも今後そのような演習等についても、やはり地元民の協力というものがなければ、なかなか今後問題が絶えないと私は思うわけです。そういう点と、やはり人畜に対する絶対的な安全性というものが地域住民に理解をされなければ、おそらく私はこの霧島山ろくの演習場を撤去せよ、こういう政治的な問題に発生することはもう明らかなんです。そういう点等私たちは、やはりそういうふうに問題を大きく派生することを懸念するがゆえに、そのような重大な損害を与えた問題なり、あるいは今後の演習揚において予想されるところのそういう人命に対する危険性、そういうこと等が地域住民にはっきりと納得できなければ、これは当然地域住民が危険を感じて、演習の中止あるいは実弾射撃をやめろ、こう言うことは私は当然の帰結だと思う。そういうことに対してもう少し防衛庁当局としては、明確なる態度というものを地域住民に明らかにするためにも、このような今まで通常使っておる兵器による訓練にかえて、新型の兵器等による訓練を行なう場合には、そういう意味においても、当然そのような取りきめができなければ、関係市町村当局との少なくとも話し合い程度、それを通じての地域住民に対する通達等を通じて、そういう最悪の場合の事態が発生しない、これだけの次善の策というのは、当然私はとるべきだと思うのです。今の防衛庁長官のそういう態度では、私は絶対承服できません。もう少し誠意ある回答を私はいがだきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/33
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034・赤城宗徳
○赤城国務大臣 私の話がよく御了解なかったようでありますが、現在の状況は、曳光弾及び黄燐弾等の発火しやすいものは禁止しておる。それで、普通の弾種と同じような対戦車榴弾の銃弾ですから、これは制限しておらなかった。そこで今度の場合は、風速及び枯れ草の関係でこういう被害ができたので、まことに遺憾でありますけれども、こういう銃弾程度で、射程は三百五十メートル、誤差といっても三百五十メートルで撃つのですから、誤差はほとんどないくらいなものだと私は承知しています。しかしこういう事態が発生したのでありまするから、それにつきまして今申し上げたように、発火しやすいもの等は使っておらないのだ、こういう性質のものだ、こういうことを地元の人によく話をしまして、了解を得ることは、これは私は当然やるべきだと思います。それからまた風速のあるときとか枯れ草の中でこういう演習をしないというようなことは、これは地元の了解といいますか、よく話をしたい、こういうことは考えているわけです。ただ協定とか何かむずかしく、その協定ができなければ演習をしてはいかぬというようなことまで、あまりむずかしく考えるべきものではない。よく了解を得るような方法をとる、こういうことは私も考えておるわけでございまして、何か非常にむずかしく、対立的にではなく、よく了解を得たい、こういうようなことは私も考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/34
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035・兒玉末男
○兒玉委員 私はどうも防衛庁長官の答弁は、何か責任回避的な意見のようにとれるわけです。たとえば風速が速かったとか、あるいは枯れ草の中でやった、そうしてしかも曳光弾等のようなそういう火災のおそれのあるものはやっていないのだ。しかし現実に事故は発生しているわけです。だから、今後ともこういう引火しやすいようなそういう曳光弾等を使わないでも、やはりこういう事故が起き得る可能性というものは、千のうちに一つはあるわけです。私は何も反対党の立場から、対立的な形でそういう取りきめなりあるいは事前の話し合いをしろというわけではない。やはりそういうような不可抗力的な中からこういう事故が発生したので、地域住民が今後非常に不満を持つということは、私は否定できない事実だと思うのです。そういうふうなことに対する地域住民の不安感というものを除去する上において、これはきわめて常識的な取り扱いではなかろうか、私はこのように判断をいたすわけです。ですからこの問題は一つ十分御検討していただきたいと思います。
それから調査なり賠償の問題等についても早急にこれを終えて、賠償額等も早急に支払っていただかなければ、せっかく十年間営々として守ってきた山が、一朝見るかげもない焼け野原になっているわけですから、こういうふうな措置等については、もうすでに十日以上たっているわけでありまして、しかもその調査の段取りについてもきわめて緩慢である、こういうように指摘をしたいわけです。ですから早急にこの調査結果を待って、賠償等を通じてのそういう一切の結末を早くつけられますよう、特に私は要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/35
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036・福田一
○福田委員長 石山權作君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/36
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037・石山權作
○石山委員 私今の兒玉君の質問に関連して、二、三お伺いしたいのです。防衛庁のあり方に対して、国民の中でわれわれを初め非常に危惧を持っている国民はたくさんいるわけです。そういう中において、こういうふうな国民の一部の財産あるいは人畜に被害を与えられるかもしらぬという不安、こういうことが起きた場合に、私はほかのことと違って、賠償問題なんかもほんとうに迅速にやる必要があると思うのです。それがまだ研究調査の段階でいるようでは、私は非常に残念だと思うのです。自衛力を進めていく建前からしても……。平穏であるところへ、演習をなさらなければ、そんな被害は起らぬのですからね。国民の一部の反対を押し切って自衛力を増強して、その演習をして損害を与えているのですから、調査研究などと普通の国家賠償のような考え方でいるとすれば、はなはだ私は遺憾しごくなことだと思うのです。
これは長官にお聞きしたいのですが、今の自衛隊はやはり科学的な形において自衛力を増加なさっているわけでしょう。将来はたとえば原子力の潜水艦くらい作りたいお考えなんでしょう。それはどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/37
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038・赤城宗徳
○赤城国務大臣 装備を近代化し、すべて科学的にやっていこうということは、お話の通りであります。原子力潜水艦というものは、なかなか今の情勢では、日本で作っていくということとは近い将来——ちょっと最近年にはあり得ない、でき得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/38
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039・石山權作
○石山委員 簡単な贈与された武器でさえも、自由に消化できないような今の自衛隊の能力を私は考えたわけなんです、今兒玉君の事件で。ましてや放射能のある原子力なんか使えないだろうと思って心配したら、当分使わない、こうおっしゃるからいいのですが、いずれにしても贈与された武器に対する取り扱い方の訓練は十分やっているわけですか。お聞きしたいことは、これは火事でした。消防庁では湿度何度だからあぶないから、火事に気をつけなさいというふうに通知を出します。ですから皆さんの方にも訓練の中には当然訓練要綱というものがなければならない。その場所に対し、あるいは銃砲を使う場合の湿度の問題、風の問題、こういうものは当然大まかな要綱がなければならぬと私思うのですが、今の演習の場合に、その要綱があるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/39
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040・小幡久男
○小幡(久)政府委員 演習につきましては、事故保全一般につきましてそういう原則を持っております。なお当演習につきましては、先ほどから申し上げます通り、曳光弾とか黄燐弾は使ってはならないというふうにしておりますのも、この演習場だけの特別な事情を考慮いたしまして、そういうふうな定めをしておるわけであります。ほかの一般的なものは、演習場ごとにその地形に応じた特殊なものをもって演習の管理をしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/40
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041・石山權作
○石山委員 その要綱の中で、たとえば実施をする現地の部隊長あるいは指揮権を持った方々は、自由に演習の日取りをきめているわけですか、あるいは日程をあなたの方へ出してその範囲内でやっていられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/41
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042・小幡久男
○小幡(久)政府委員 本件の例で言いますと、第八混成団長というのが一番上でございます。第八混成団長の指示のもとに、第十二普通科連隊長が企画いたしまして、その企画を受けて大隊長が実施しております。だから混成団長までは行っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/42
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043・石山權作
○石山委員 もう一つ注意しておきたい点は、防衛庁長官はこの着弾の誤差はなかったと言っておるけれども、私の方の兒玉君は、誤差があったために火事が起きたと言っているのです。それは実測してあなたがそういうふうにおっしゃっているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/43
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044・赤城宗徳
○赤城国務大臣 私はまだその誤差の点の報告を受けておりませんから、誤差の点がないというようなことではないのですけれども、ただ私の考えているのは、誤差はどれくらいあるかという御質問がさきにありましたから、それは調べてみないとわかりませんけれども、射程が三百五十メートルくらい、それで誤差は、大きな弾道弾でもあれば別ですけれども、三百五十メートル程度ですから、大体その戦車に当たるくらいのもので、そう大した誤差はないのではないかということだけ言っておるので、この場合に誤差があったかどうかということは、調査してみないとわからないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/44
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045・石山權作
○石山委員 その答弁を聞いていると、現地の司令官なり部隊長の処置というものは、適当でなかったという証明になりそうなんです。それから私はこの問題をこういうふうにしていただきたいと思う。たとえば賠償の問題は迅速にやるということは、私は先ほど申し上げました。迅速にやらなければならない責任があると思います。ほかの賠償の問題と違います。防衛庁の場合には特に迅速にやらなければならない一つの必然性があるということ、それから往々にして、これはだれしもそうですが、自分の部下はかわいいものです。部下をかばうために、賠償額を見積もる場合に手かげんを加えるということがあり得るのです。つまり賠償額が小さければ、かわいい部下の処分というものは割合に手かげんができるということです。これはあたりまえのことのようにして往々にして行なわれる今までの経緯でした。これは十分考えていただきたいと思うのです。国家賠償、特に自衛隊の今の場合は、私はやはり賠償は十分に与えていただきたい。個人であるか、だれかの責任ではあるけれども、その責任の問題は私は別だと思うのです。責任を軽くするために賠償額を軽く見積もるようなことはなさらぬとおっしゃっていても、今までわれわれが見てきた一つの経緯です。ですから今回の場合は決してそういうことのないように、迅速にやっていただくことと、賠償額に対しては十分な手続、手段を尽くしてやっていただきたい。責任の問題は別個に皆さんの方で考えていただけばいいのではないか。それから贈与された武器に対しての取り扱い方は、私は御答弁の中ではまだ不十分に思います。これはたまたま小さいものですからいいようですけれども、これからたとえばかなりの性能のあるロケットなどの場合は、誤差だなどと、着弾のところがこれはちょっと位置が狂ったなどといって済まされない場合が出てくると思いますので、それは皆さんの方で常々やっていられる科学的ないわゆる自衛力を進めておられるとすれば、もちろん勉強なさっていると思うのですが、この例を見ても、私はやはり手なれないもの、初めて見るもの、こういうものに対しての取り扱いは、もっと慎重度を深めてもいいのではないか、こう思っておりますので、以上四つばかりの点を一つ注意していただいて、この問題は早く解決するようにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/45
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046・赤城宗徳
○赤城国務大臣 賠償額をなるたけ減らして、部下の責任を免れさせるようなことをしないようにというお話でありますが、御趣旨ごもっともで、それを一緒にして考えるようなことはありません。損害に対しては損害の賠償をする、責任に対しては責任を明らかにする、こういうふうにいたしたいと思います。その他なるべく早く賠償を片づけろ、こういう御意見でありましたが、それもその通り早く問題を解決したいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/46
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047・福田一
○福田委員長 次会は明後二十五日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/103404889X00719600223/47
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