1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十二年八月二十一日(木曜日)
午前十時四十五分開議
出席委員
委員長 野溝 勝君
理事 清澤 俊英君 理事 鈴木 強平君
理事 岩本 信行君 理事 萩原 壽雄君
理事 北 二郎君
大島 義晴君 佐竹 新市君
田中 健吉君 永井勝次郎君
平工 喜市君 細野三千雄君
水野 實郎君 小野瀬忠兵衞君
小林 運美君 佐々木秀世君
圖司 安正君 寺本 齋君
堀川 恭平君 八木 一郎君
小川原政信君 田口助太郎君
森 幸太郎君 坪井 亀藏君
的場金右衞門君 中村元治郎君
出席國務大臣
大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
出席政府委員
農林政務次官 井上 良次君
農林事務官 三堀 參郎君
農林事務官 遠藤 三郎君
委員外の出席者
農林事務官 青柳 確郎君
農林事務官 石渡愼五郎君
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八月二十日
農産種苗法案(内閣送付)(豫第十三號)
の豫備審査を本委員會に付託された。
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本日の會議に付した事件
食料品配給公團法案(内閣提出)(第九號)
油糧配給公團法案(内閣提出)(第一〇號)
飼料配給公團法案(内閣提出)(第二七號)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/0
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001・野溝勝
○野溝委員長 これより會議を開きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/1
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002・八木一郎
○八木委員 議事進行について———昨日の本會議におきまして食糧危機突破に關する決議案が上程され、討論され、決議になつております。私は本會議の議場において、あの議案審査の状況を親しくこの目で見、この耳で聽きまして、委員會に席をおく常任委員の一人として、本問題は本委員會と食糧議員連盟との間にいかなる形においてオフイシヤルな連繋がついておつたかということを感じたのでありまして、おそらく委員長あるいは理事二、三の委員諸君との間に、プライベートなお打合せがあつた程度ではなかつたかと思います。食糧問題は本委員會の生命線であります。われわれが委員會の委員として職責を全うするために、一日も忘れてならない重大問題であるのであります。この問題は、どうも別の特別委員會をつくるかどうかということが問題になつた際に、本委員會において包括これを取扱う、かようにいたしまして本委員會の名譽と面目にかけて解決しなければならない問題であると確信いたしております。その重要な問題を委員會において一度も合同の審査もせずに、内容も十分に整理もせずに、本會議に出し、ウイリアム氏から特別委員會が多過ぎる。決議が多過ぎるというような、善意な御指導御注意をも受けたような状況に鑑みまして、この間の經緯について、良心的なる、熱意ある委員長の今後の議事進行に關して御答辯を煩したいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/2
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003・野溝勝
○野溝委員長 お答えいたします。八木委員の御意見はごもつともでございまして、食糧問題に關する事項につきましては、すでに國會法に規定されてありますので、本委員會において取扱うことに決定されておるのでございます。しかるに別個に議會内に食糧に關する議員連盟ができまして、その食糧に關する議員連盟は正式な國會法に基く機關ではありませんが、配給方面の關係者が集まりまして、配給面から見た食糧危機突破に對する同盟組織として議員連盟をつくり上げたのでございます。よつてその配給方面の關係をもたれておる議員諸君によつてつくられました議員連盟が發議されまして、食糧危機突破の決議案を上程いたしたいということで、それが各派の交渉會にもち出されまして、各派交渉會におきましては、これが決定をされたのであります。その際に提案者の一人でありました淺沼稻次郎君から、本決議案は農林委員會と協力してこれを出すことにしたい。かような意見を附加えて承認を得たらしいのであります。そこで農林委員長でありまする私のもとに参られまして、各派交渉會でかような話になつたから了承してもらいたいがどうかという話がありましたので、食糧危機突破に對しては結構なことであるけれども、しかしこれは一應理事の諸君と相談してみて、この措置を取扱うことにいたしましようということで囘答いたしました。理事の諸君に諮りましたところ、理事の諸君は、食糧危機突破に對して配給關係者が強調することの趣旨はよくわかつた。しかし農林委員會としては生産者的の立場からこの文案に對してはこちらの意見を一應織りこまなければならぬというので、理事の諸君の間に意見が交換されまして、これを了承した次第であります。よつてなおその案文等に對しまして、より一層慎重を期するためには、ただいま八木委員の申された通り、これが決議文となつて、院議によつて決定する以上は、この委員會に一應それをかけまして、その贊否を問うのがしかるべきでありましたが、かような經緯のために理事會においてこれを處理したという點において、注意の至らなかつた點については、今後は十分委員長としましてこの點を留意し、八木委員の御意見に副う覺悟でございます。大體以上のような次第でございますから、さよう御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/3
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004・八木一郎
○八木委員 ただいまの御説明によりまして事情、經緯は了解いたしました。今後農林問題に關する限り、院議決定前に必ず本委員會においてあらかじめ決議をいたして、本會議にもたらすようなお取計い方を要求いたします。
次に同じく議事進行の一つとしてお伺いいたしたいことは、農業協同組合法案が上程されてからすでに十四日を經過しております。九日にわれわれの手もとに配られてから、まだ委員會の審査に付さないのは、考えようによりますと、今までの質問内容から見て、手のかかる、すつきり上り兼ねるような問題をことさらにひねくらして置いて、急いで上げなくてはならない、かかる重大な法案を後囘しにしておるというふうにも考えられないではないのでありますが、少くとも上程されたらば、即時提案者の説明を聽き、各自の許す限りにおける調査研究を遂げて、性質上急ぐものは急いで本會議にまわすという取計いを要すると考えますが、委員長はこの進行方についてどうお考えになつておるかお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/4
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005・野溝勝
○野溝委員長 ただいまの八木委員からの御意見に對しましては、本日委員長からこれを委員會に提議してお諮りしたいと思つておつたところであります。協同組合法案ももちろん重要な法案でありますが、本委員會に付託されておりまする食糧公團法も、これともに重要な法案でありまして、この重要法案の審議が結論を得られなかつたために、むしろかような法案の結論を得て、次に重要法案であります協同組合法案を早く審議したい、かように思つておつたのでございます。しかし以上のようは配給公團法等の重要法案が未だ審議の結論を得られませんで、それと重要法案が重複するということになつたのでは、かえつて委員會が混亂するおそれがありますので、實は協同組合法案に對しましては、政府の説明を未だ聽き得ずしておつたわけでございます。そこで私から議事進行に關しまして委員諸君にお諮りをしたいと思います。大體公團法に關しましては論議も盡きたと思います。殘されておりますのは小川原委員の大藏大臣に對する質疑だけ一點殘つておるだけであります。よつて前會からの大體の申合せもありますので、本日午前をもつて公團法に關しましては質疑を打切りたいと思います。これに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/5
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006・野溝勝
○野溝委員長 さよう御了承を願います。そこでそれでは食糧公團法、飼料公團法、油糧公團法等に關しましては午前をもつて質疑を打切ります。なお協同組合法に對する點でありますが、本日午前中に付託されました公團法の質問を終りまして、明日各派において相談をされた結論を討論に付して、付託された公團法に對しては結論を得たいと思います。それが終ると同時に、協同組合法が重要法案でございますから、直ちにこれに對する政府の説明を願いまして、續いてその審議に入りたいと、かように思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/6
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007・八木一郎
○八木委員 蠶絲問題、あるいは蠶絲小委員會、また林業小委員會、供出に關する小委員會等、分科的の小委員會をそれぞれ設けられておりますが、この小委員會と本會との關係と進行の方針について、たとえば具體的にいえば、供出の問題はいつまでも委員會において愼重を期しておられない事實もあるわけでありますから、委員會の方針はいつまでにはきめろといつたように、水害の問題とかいうような問題によつては、時限を附して審査の擔當委員に御苦労願うというようなお運びをしていただくことが、誠實な結果を得るのではないかというように思いますが、この點を會に諮られて、速やかに進行方を決定していただきたいと希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/7
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008・野溝勝
○野溝委員長 各小委員會の進行の點に關する意見が八木委員からありました。これもごもつともと思います。よつて各小委員會にはそれぞれ委員長が決定され、その下に委員が配置され、決定されておるわけであります。よつて各小委員會におきましては至急、日を切るということもここではどうかと思いますが、何れにいたしましても荏苒を送つておるというわけにはいきませんから、速急にその結論を得られるよう一つ委員長から希望しておきます。大體今月中までに各小委員會においてその結論を得るようにお願いしたいと思いますが、この點お諮りいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/8
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009・清澤俊英
○清澤委員 小委員會の問題がたまたま八木委員からありましたが、今いつたような動議が出たからといつて、たまげたように今月などいつても、それはとうていできない話だと思います。だから一應懇談會に入つて、その分はまた別に考えた方がよくはないかと私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/9
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010・八木一郎
○八木委員 私が時期をと申しましたのは、もつと露骨に率直に言えば、委員長は、小委員に付託したら審議が終つたかのごとき形をとられることを不安に思うからでありまして、進行の便宜上小委員會を置いたのであつて、この審議を促進させる責任はどこまでも委員長にあると私は思います。たとえば供出の問題は小委員長と懇談せられて、今週中に何とか上げてもらいたいというような熱意と誠意をもつて、小委員に付託したからそれは小委員の責任で、おれの責任でないということにならないように、一段の御注意を煩したいということを申し上げたのでありますから、さよう御了承の上、良心的な熱意ある御答辯を得たいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/10
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011・永井勝次郎
○永井委員 私は林業對策の小委員長をやつておるのでありますが、これについては委員長と密接な連絡をとりまして、どういう問題についてどういうような審議をするかということも、委員長とよく打合わせて進行を期しておるわけでありますが、何分にも本日までずつとこの委員會を休むということで、途中で一囘招集したのでありますが、集つた人は二人で審議にならない。こういう状況でこの常任委員會が正式に動き出すのを待つていたという状況でありますので、委員長が問題を小委員會に移したらそのままにしておるというのではなくて、委員長の方からもこの問題については急速に運ぶようにというように、よく打合わせて進んでおりますので、この點あしからず御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/11
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012・野溝勝
○野溝委員長 進行上に關する御意見がありましたが、私から重ねて申し上げます。供出問題に對する成案は速急立てなければならぬと思いますので、私が委員長になつておりますので、今月中に結論を得る目標で小委員會を開催し、その成案を得ることにいたしたいと思います。なおただいま八木委員から、小委員會に責任を負わすということでなくて、委員長みずから主宰してくれという御意見もありました。もちろん委員長は、小委員會に任しておくといつてこれは放任するものではありません。しかし小委員にこれを任した以上は、一應小委員會でその方の責任者がその成案を得るように努力してもらわなければならぬと思います。でありますから供出の問題などは速急迫つておる問題でありますがゆえに、ただいま申した通りの方針で進みたいと思います。その他の委員會におきましては、もちろん委員長もこれに参加しますが、小委員會を開いても、その委員の方々が出席されないようなきらいが相當あるのであります。どうかさようなことのないように、至急おのおの小委員會においては、その與えられたところの責任を十分果されるように、最善の努力を願いたいと思います。大體八木委員の御意見に對して以上の點において善處したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/12
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013・大島義晴
○大島(義)委員 私はこの際蠶絲に關する緊急質問をいたしたいと思います。先般本委員會において物価廳の方が見えられて、蠶は二千六百掛目になつたということを發表されたのであります。ところがそれはこの席で發表されただけでありまして、農林省から未だこの告示が出ておりません。從つて農村においては、はたしてこの二千六百掛がいつから適用されるのか、ほんとうにこの掛目で取引されるのかどうかということについて、非常な不安が養蠶農民の間にあるわけであります。さらにまたこの繭を扱つておる系統農業會においても、この問題が決定しないために春蠶の清算はもちろん、初秋蠶の取引がまさに始まろうとしておるのでありますけれども、これもこの方針がきまらぬのでたいへん迷惑しておるわけであります。これに對しまして農林省はどういうようにお取扱いが願えるかということが第一點であります。
その次は繭の取引に對しまして手數料が、大體今までの例によりますと製絲家の負擔ということになつておりましたが、これは今後もやはり全面的に製絲家の負擔になるのか。あるいはまた養蠶家にまでこの一部が轉嫁されるのであるかということを伺いたいのであります。
その次はアメリカ側で、最近日本の養蠶計畫に對してはこれを全面的に受け入れることができない、從つて桑園の擴張は相當見合わすべきではないかというような意見が放送されておるのでありますが、これに對しまして日本の蠶業五箇年計畫というものに對する影響がどういうふうに起つてくるか、またこれの對案はどうして處置されるかということを伺いたいのであります。
第四點といたしましては、繭の掛目が上りましたために、取扱いの金額が莫大な數字になつてまいるのでありますが、これに對しまして、購繭資金の運用には支障がないように萬全の策が講じられておるかどうか、この點を伺いたい。以上四點をこの機會にお伺い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/13
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014・青柳確郎
○青柳説明員 繭の掛目の問題につきましては、さいわい物價廳から特産課長も御臨席になつておりますから、そちらからお話していただきたいと存じますが、大體の筋途を私から少しくお話申し上げておきたい思います。
繭の掛目の問題につきましては、御承知のように七月五日に大體の了解ができまして、一應新聞發表の手續をとりましたのでございますが、掛目に基きまする農業會の手數料の問題がまだ解決いたしませんために、その告示が物價廳からなされることが遷延されておつたのでございます。しかし話を聞きますと、大體昨日物價廳の方で關係方面との間の交渉はきまつたというような話でございました。この金額竝びにその交渉の經過というようなものは、物價廳から後ほど話合いを願いたいと思うのでございますが、その線に沿いまして、蠶絲局といたしましては、日銀及び中央金庫、その他の金融及び全農關係のいわゆる養蠶家代表というような人達を昨日集めまして大體の見透しといたしましては、今週の土曜日あたり告示の運びになるのではないかというような物價廳のお見込でありますので、昨日繭の告示が出ますと同時に、代金決濟についてうまくいきませんので、金融機關の人達の御了解を得まして、それに即應するような態勢に昨日實はなつたのであります。大體繭の掛目の問題はその程度にしていただきまして、それに基く金融の措置はどうなつたかというお話でございますが、それにつきましては先囘のこの委員會でもこの問題が取上げられ、大藏大臣といたしましても、それに善處するという御答辯でありました。その線に沿いまして、日銀當局及び大藏當局とわれわれの方と折衝しました結果は、大體先日大藏大臣がこちらに御出席になりましたときに、日本銀行といたしましては、現在の金融措置に基きまして産業資金で極力賄つていく、産業資金でもし繭資金を賄えない場合は、これは財政資金の分野についてやつていこう。いわゆるわく以外の貸出を認めていこう。それでなおわく外の——繭金融というものが季節金融でありますがために、そのわく外金融を認めましても、なおかつ供給の困難の際には、別途にその金融機關であります地方金庫と日本銀行別個に折衝いたしまして、資金の裏づけを日本銀行からしていくといふような方法で、繭資金の完遂に努力しておるというような形に現在なつておるのであります。大體その方針に從いまして對處していきたいと考えておるのであります。
次に例の最近の新聞發表によりますと、桑園の擴張はやめろ、それから繭の生絲の生産數量は現在程度で中止する。さらに國内の生絲の滯貨につきましては、各月に一萬俵づつ國内に放出せよというような渉外局の發表があつたのでありますが、それにつきましては、その線に沿つて蠶絲局長が司令部と交渉されまして、それに基く今後の五箇年計畫をどうしていくかというような點については、相當大きな問題がありますので、實はきよう局長が出張中でありまして、午後にはお歸りになることと思いますが、局長御出席の上でその點はお答えしてもらいたいと思います。それであと掛目の問題、手數料の問題については、ちようど物價廳の特産課長がおいでになつておりますから御説明をと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/14
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015・石渡愼五郎
○石渡説明員 手數料の問題については、ただいま蠶絲局の答辯を補足いたします。手數料が養蠶家の負擔か、企業家の負擔かというお話は、これはその問題が出ましたのは、手數料の一部でありまして、現在の公定價格におきましては繭一貫匁あたり農業會の手數料は四圓でありまして、そのうち一圓が集荷に要する費用であります。三圓は農業技術員の設置に要する費用であります。こういう割合になつておつたのでありますが、今囘私どもが原案をつくりますときには、蠶絲局と打合せまして、これが三圓と九圓、合計一貫匁當り十二圓という原案をつくつたのでありますが、そのうち問題になつたのは、農業技術指導員の費用、前囘三圓が九圓になつた點についてでありまして、根本的な意見が出まして、農業技術員、平たく申せば養蠶教師の費用は、これによつて利益を受ける農民が負擔すべきものである。その功罪を最もよく知つておる養蠶農家が出すか出さぬか、いくら出すかをきめたらよろしいという議論が出ました。結局最後に結論になりました點は、價格の中に織込むのは、從來通り農業技術員の費用は三圓、集荷に要する費用三圓は原案通りまとまりまして、六圓を農業會の扱い手數料、殘つた六圓については農家に負擔していただく、そういうふうにきまつたわけであります。それで告示は土曜日にできる見込みであります。繭の掛目がどうしてきまつたかということについては、大體適當な計算をいたしましたところ、そうなつたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/15
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016・大島義晴
○大島(義)委員 六圓が十二圓になり、また六圓になつたということでありますが、その負擔割合をもう一度はつきり御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/16
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017・石渡愼五郎
○石渡説明員 現在の公定價格におきましては、農業會の手數料は一貫匁四圓であります。それが今囘六圓となつたのであります。四圓の内譯は三圓が農業技術指導員の費用、一圓が集荷關係の諸掛、それが今囘の六圓におきましては從來通り三圓が農業技術指導員の費用、三圓は集荷關係の諸掛、合計六圓であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/17
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018・野溝勝
○野溝委員長 大島委員に申し上げます。付託された議案に對する審議を進行しなければならぬので、あと一點だけ許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/18
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019・大島義晴
○大島(義)委員 この問題は實は養蠶家にとりましては實に大きな問題であります。たとえば輸出の大宗は生絲とみずから自負して、國家に貢獻しようと養蠶農家の意氣込みは盛んであります。ところが掛目はやや農家の希望するところに近寄りましたが、なお對外關係において、養蠶の前途に對してはなはだ心細い放送が始終續けられるのでありまして、こういう問題は政府としてはできるだけ速やかに一切の處置を講じて、次善の策でなく最良の策をよくきめて、これを發表して、養蠶農家の安心して養蠶に從えるように今後適當に取計いを願いたいのであります。これで質問を打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/19
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020・佐々木秀世
○佐々木(秀)委員 緊急に政府に對して御質問があるのであります。それは適般は東北において大きな水害をこうむり、今囘また北海道において、數日來非常な豪雨のためにわれわれの手もとにその被害の状況が大略はいつておるのでございますが、その具體的な、またこまかい點につきましては省きますが、大體その被害村數は四十九箇町村にわたつておるのであります。死傷者二十一名、流出家屋が百五十六、家屋浸水が二千六百七十六戸、あるいは床下まで行つたのが四千二百三十八戸というような状態でありまして、その被害の状況は總合いたしますると想像以上の被害であります、それらのことにつきましては、もちろん水害對策委員會の方におきましていろいろ對策を講ぜられていることと思いますが、本日私の質問申し上げたい點は、耕作被害面積が非常に多い、食糧の不足しておりまする今日、この廣大なる耕作面積が流出し、あるいは浸水したということに對する政府の對策をお聽きしたいのであります。大體申し上げますと、水田が一萬三千五百四十五町歩、これが浸水しておるのであります。畑が三百四町歩というような情報がわれわれの手もとにはいつておるのでございます。御承知のごとく、もうすでに農作物の収穫を目の前に控えておりまする今日、かくのごとく多くの耕作面積を流出し、あるいは浸水したということは、わが國の食糧の現在の状況から見ましても、農林省といたしましてはこれに對する應急の處置を講じなければならないのではないかと考えるのであります。殊に時期から申しましてもこの水浸しになつた畑、たんぼの中に、今から芋を植えようとしても期間がありません。あるいはそばを植えようとしても期間が不足ではないかと考えております。これが對策としてはあるいはかぶを植えるとか、あるいは菜つぱを植えて應急作付をやるとかいう方法以外に私はないと思いますが、これらの點につきましては、もちろん地方の市町村あるいは道廳におきまして何分の對策は講じていることと思いますが、金にいたしましても肥料にいたしましても不足な今日、政府におきまして積極的な御支援なりあるいはそれに對する對策を講じなければ、とうていこれの跡始末ができないであろうと私は考えておるのであります。殊にまた水害後にくるところの、この耕作物に對する何と言いますか、病害とでも申しますか、いろいろな附帶されたところの惡條件が起きてくるのであります。これに對する消毒材料とか、あるいは石灰の配給とかいうような、專門的なことになりますとたくさんございますが、そういうものに對する應急對策はなしてありやいなやということを承りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/20
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021・井上良次
○井上政府委員 今囘承りますと、北海道には再び東北の水害に匹敵するがごとき水害をこうむりまして、耕作農民を初め、關係各道民の方が非常な罹災を受けられて、この善後處置に對して日夜いろいろ御努力を賜つておることを承つたのでありますが、政府といたしましては、さきに東北及び關西の一部に起りました水害に對して、早くから現地の實地調査を行い、總合的な對策を根本的に立てるとともに、當面の應急處置といたしましては、さしあたり必要なる手當をするためにいろいろな對策を講じてまいつておるのであります。このことから考えまして當然新たに起りました北海道の水害に對しましては、すぐきたるべき閣議にこれを審議を願いまして、應急的な措置を講じ、さらにまた東北その他に起りました水害と併せて、根本的な總合對策を立てて、十分善後處置を講じたいと考えておりますから、さよう御了承いただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/21
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022・佐々木秀世
○佐々木(秀)委員 ただいま政務次官からこれに對する萬全の方策をとるということでありますので、私も安心いたしたのでございますが、この北海道の水害に對しまして、東北の水害のときに各議員竝びに政府の方面からも實地調査に行かれたようでございますが、今囘の水害に對してもそういう調査に行かれるお考えがありますかどうか、伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/22
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023・井上良次
○井上政府委員 もちろんいろいろな根本的統合對策を立てて、被害の實體を正確に把握しなければなりませんから、當然關係各事務當局をして被害の實情を詳細に調査さすつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/23
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024・清澤俊英
○清澤委員 私も關連して簡單に申し上げます。約十日ほど前に今年の作柄の御發表がありましたときは、いろいろ水害その他の事情で今年は作が惡いというので五千七百萬石の御發表があつたかと思います。それが旬日を出ずして、今年は昨年より作柄が良好である。個々の場合には災害等はあつたが、總體から見れば昨年よりずつと良好であつて、六千三百萬石ないしは六千五百萬石の大豐作であるという御發表がありました。この發表に對しましては、いずれ供米の對象となり、農民の供出意欲に非常な影響をもたらすものであるということを十分御承知の政府が、こうした責任ある御發表を旬日にして變えるというようなことは、はなはだ私はけしからぬ態度でないかと思うと同時に、今度發表せられました六千三百萬石ないし六千五百萬石に對しまするところの御發表に對しては、いかなる御責任をもつて後發表なさつたのか、これははつきり聽いておかなければぐあいが惡いと思うのであります。これに對して責任ある御返答を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/24
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025・井上良次
○井上政府委員 政府といたしましては、本年の作柄について正式に發表した覺えはございません。ただ本年の収穫がどの程度になるかということについては、すでに皆さんにいろいろ御相談申し上げておりますように、大體本年の供出の要綱は八月二十日の成育状況を基礎にいたしまして、段當數量を豫想収穫に基いて割り當てるということでやつておりますから、まだ八月二十日の成育状況の總合的な基礎調査が全國的に集計されて政府の方に持ちこまれぬ限りにおいては、政府はそういう正確な數字をそれ以前に發表するようなことはございません。ただいろいろ輿論關係の方々や、あるいはまた報道關係の方々が、例年七月末、八月の上旬に全國の作況状況を總合いたしまして、それで大體これこれの作柄であるという見透しの報告はたびたび報道されたようでありますけれども、政府としては責任ある報道はいたした覺えがないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/25
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026・清澤俊英
○清澤委員 お説ごもつともだと思います。そうあるべきだと思うのでありますが、實は新聞を見ますと、農務課長談として、しかも大體これにうなずける範圍のお談話が發表されておりますので、私どもはそう考えるのでありますが、殊に昨年の供米の割當てに對して政府が考えました一〇〇%の供出割當に變更せられたようなことを考えまするとき、數量の算定を輕々しく取扱われましては、將來の供米問題に對して重要な結果を招くものであることを十分お考えくださいまして、今後はそういう發表に對しては、責任あるものでない限りは十分注意をしてやつていただきたいということをお願いいたしまして質問を打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/26
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027・井上良次
○井上政府委員 御注意の點は十分政府としても考慮いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/27
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028・堀川恭平
○堀川委員 一言緊急動議を委員長に申し上げたいと思います。大體ただいま委員長からお話がありましたように、本日公團法の質疑を午前中に打切りまして、次の委員會で討論をいたすことに相なつたのであります。そこで私は委員長を通して各委員の方に一應聞いておいていただきたいと存じまして、一言申し上げます。御承知のように、この公團法が否決になるかあるいは修正可決になるか、あるいはそのまま通るかは先の問題であるのでわかりませんが、この公團法がいかようにでもこの委員會を通過すということであれば、私は委員長を通して各委員に、各黨で御協議になる前に一應聞いておいていただきたいと存ずる次第であります。それは何度も申し上げてありますように、公團法を適用して公團が設立することに相なりますならば、この公團法を活かして、公團がほんとうにその目的に邁進せられるようにいたしまするには、何といたしましても主目的であるところの配給する品目の重要なものをあげなければうそだと思うが、この飼料公團にははつきりした品目がないのであります。そこで先般來質疑をいたしておつたのでありますが、油糧公團にある油かすはりつぱな飼料でありまして、飼料以外にはほとんど用途はわずかである。また飼料であるところのふすま、あるいは麥ぬか、かようなものは立派な全體的な飼料であるのでありますから、この飼料配給公團の一條に油かす、ふすま、麥ぬか、その他命令で定める飼料の適正な配給に關する何々ということがなければ、本當に日本の現在の畜産の振興のためにも、あるいは有畜農業の發展のためにも、はつきりした飼料のつかみ方がなければ元氣が出ないと私は思う。そこでこの點を委員長を通して各委員に御考慮を願つて、そうして討論までに御協議願つておくということが私の希望であるので、一言申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/28
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029・野溝勝
○野溝委員長 堀川委員からの御意見でございますが、重要な御意見と思いますので、理事會で十分審議してもらうことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/29
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030・八木一郎
○八木委員 農林物資のうち公團によつて配給の嚴正を期そうとする物資がここに三つあがつてきたのですが、その三つの内容を割れば何十種類になるかとも思いますが、いわゆる三つ以外にも、まだ戦争中また現に統制會社によつて統制をしておる物資があるんじやないかと思うのであります。逆に申しますと、獨占禁止法及び需給調整法によつて當然公團にでももつていかなければ、あるいは自主的な物資に落してしまうか、どちらかにしなければならないという物資がまだあるんじやないかということを思うわけでありますが、それは何と何であるか。私もまだ險討不十分にして、的確な内容をもつていないのです。できれば今直ちに、できなければ後刻でもいいのでありますが、討論前にその内容を速やかに知らせていただきたい。
それから關連して甘藷、いわゆる日甘と公團と統制會の關係はどうなつておるのか、これも伺いたい。この二點であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/30
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031・井上良次
○井上政府委員 政府が今御審議願つております公團法によつて取扱おうとする重要物資のほかに、現在獨占禁止法に牴觸する物資はどういうものがあるかというお尋ねでございますが、たとえば皮革でございますとか、あるいはまた現在營團で扱つております主要食糧、米麥、甘藷、馬鈴薯等がおもなるものでございます。ところがこの公團をもつて配給の適正を期そうというものは、一つは國の重要な基礎資材、いわゆる生産資材、それから一つは国民生活になくてはならぬ重要な生活資材、この二つに大體わけて公團法を適用しようとするので現在の政府の建前になつております。そこで一番大事な人間の生活資材であります主要食糧が今日まだ公團法を適用しておりません。ところが御承知の通り營團のいろいろな事業及び日本甘藷、馬鈴薯會社のいろいろな事業は、それぞれの關係が輻輳いたしまして、今日までまだ正規の公團法を實行するにいたつておりませんが、しかし今御審議を願つておりますみそ、醤油、あるいはまた油糧等の公團法が實施されるということになりますと、當然主要食糧の面においても、その方式をとらざるを得ない状態になりますので、近く政府は主要食糧に對しましても公團法を實施する方針で進んでおります。ただその場合に現在の甘藷、馬鈴薯株式會社も當然解體されて、新しい主要食糧公團法に包括され、現在の食糧營團も解體されまして、新しい主食の公團法に包括されることになります。その他の戦時中の遺物として殘つて、今日統制しております重要な統制物資に對しましては、おのおの民主的組織を擴充いたしまして、それから協同組合の協力によつて、圓滑に配給したいという方針をもつて臨みたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/31
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032・八木一郎
○八木委員 どうも總括的で、もつと具體的に何と何だという品目を聽きたいのでありますが、たとえば今伺いますと、魚かすは今度公團に變る際に肥料から落してあるということも聽いたいのでありますが、はたしてそうだとすれば、その魚かすは落すとしても、そういう類の、そういう形においてもいいではないかという物資がかなり出てくるではないか、こう思いますので、わかるだけ具體的に、わからなければ一切をあげて後で知らしていただきたい。國民はこの公團法が出て以來、新聞を通じて、かつては四十數品目にわたつて農林物資がことごとく公團になるのだというので、相當に問題になつたのでありますから、私が前囘お尋ねしたところによりますとこの三つ以外は主食を出すだけで、あとは出さないという和田長官の答辯もありましたが、これが次々と出てまいりますれば、物がない、ないものばかりであるからこれをことごとく嚴正な配給をするということで、みな公團になるのではないかという不安さえあるので、この農林物資に關する限り、全部がわかるような資料を御提示願いたいと思います。わかるだけの答辯をこの際伺いまして、品種別にひとつ至急御提示を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/32
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033・井上良次
○井上政府委員 詳細な點は後ほど資料を集めましてお答えすることにいたしますが、大體政府としては、今申しました通り國民生活に主要なる生活資材、それから國の生産にどうしても重要なる生産資材、大體この物資を目がけてやつておるのでありまして、私どもの所管の方においては、今御審議を願つておる分のほかには主要食糧だけを公團法によつてやりたい。こういう方針であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/33
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034・八木一郎
○八木委員 重ねて御答辯によつて、重要なる生活資材あるいは生産資材という問題は、政府の見解と國民の見解との間に相違がありました場合に、私の尋ねたい點が起きてくるのでありまして、三つあるいは主食を加えまして四つを食品と一口に包括されますと、いかにもと感ぜられますが、その内譯を分析してみると、數十品目の中には落してもいいものもある。また入れる必要がないものもある。すでに質問の内容によつて明瞭になつたように、百害あつて一利なしとさえ斷ずる委員もある。であるから明細な品目をあげられて、政府の見解はわかつたけれども、われわれ議員、すなわち國民の見解と政府の見解と相違があるということを見極めたいから、具體的な品目をあげて御提示願いたいということを重ねて要求いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/34
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035・井上良次
○井上政府委員 御意見のあるところはよくわかりましたから、後ほど調べてお答えすることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/35
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036・平工喜市
○平工委員 ちよつとお尋ねいたしたいと思いますが、今次の水災害に對しまして、農業保險制度の改正を速やかに斷行してもらいたいと思うが、それを速やかに斷行する意思をどの程度にもつておられるか、伺いたい。そうしてそれは再生産に間に合うように御考慮を願わなければならぬと思う。であるから政府は農業保險金の假拂のために、資金の融通の途を速やかに講ずる考えがあるか、この點も併せて御答辯をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/36
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037・井上良次
○井上政府委員 今囘の水害に關連をいたしまして、農業保險法を根本的に改革せよという御意見と同時に、それに基く保險金の假拂制度を新たに考うべしという御意見であろうと存じますが、農業保險法の根本的改革問題につきましては、それぞれ關係の方面と連絡をいたしまして、どの程度するかという點についての檢討を加えております。なお假拂の點につきましては、資金その他の關係がございますから、大藏當局なりまた安定本部なりとも連絡をとりまして、その必要な問題が起りましたならば、直ちに御趣旨に副うようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/37
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038・平工喜市
○平工委員 簡單に希望だけを申し上げたいと思います。農林省の當局と東北六縣においては、保險組合の各連合會の人たちとの間に、すでに四分六分の現金が支出されておりますから、ほとんどこの農林委員會等においても、鵜呑み程度に御贊成を願うように、そうして速やかなる處理を仰ぎたいことを希望いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/38
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039・永井勝次郎
○永井委員 北海道の水害に對して農林委員會として現地の實情を調査しまして、農林省當局の行政的措置が適切であるように、こちらで十分意見を確立する必要があろう、こう思うのでありまして、この委員會から現地視察の調査員を派遣することをひとつお諮り願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/39
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040・坪井亀藏
○坪井委員 ただいまの動議に贊成いたしたいと思います。先般私どもは東北における水害の實情調査に行きましたが、まつたく悲惨そのものであります。なんとしてもこれは國の力において、萬遺憾なきを期さなければならないということを痛感してまいりました。なんとしてもこの水害地に對しましては、緊急處置を講ずる。なおまた一方被害地の復興を早く圓滑にいかしめるという施策を、政府において講じなくてはならぬと考えております。從つて先般も私は申上げましたが、稲作その他の農作物についても、いろいろとその後における肥培管理をするならば、相當の増産もできるというようなものもあります。こういうものについても、農林省においては逸早く肥料の特配なり、その他必需資材の特配を行つて、増産のでき得るような施策をお講じ願いたいという希望を、次官にも申上げたわけであります。今囘の北海道における水害につきましても、どうしてもこれは萬遺憾なきを期していただきたい。なおまたその委員會としても十二分に被害状況については調査をいたしまして、被害程度に折合つてのいろいろの施策を計畫し、これを政府當局にも要望し、政府と一體となつて、そうしてこれらの水害民に對して全幅の安心感を與えるように行うことは、當然であると考えております。ただいまの動議に對しては、まずもつて私はこの委員會からも水害現地視察員を派遣するということに贊成するものであります。
なお、この機會でありますから緊急質問を一點いたしたいと思います。蠶絲についてでありますが、過般二千六百萬の發表がありまして、過去における千百萬からみますと、千五百萬からの差が生じております。どうか、これらの差額金については、逸早くこれは生産者に支拂うという義務があると存じます。政府は價格差利益金が莫大にありながら、これを拂わずにすつぽかすというような無責任なことはないと存ずるのであります。なおまたこの重大なるときに、局長あたりもどこかへ視察に行つているという話でありますが、もつてのほかである。行くならば水害緊急のやむを得ないものならばいざ知らず、殊にこうした質問のあるときは出てくるべきものであると考えるのであります。
次にこれらの資金の融通でありますけれども、大藏當局においても、すでに生産した繭の代金でありますから、當然この資金については融通すべきであつて、中金を使おうとあるいは地方銀行を使おうと、いかにしてもこれだけは當然拂うべきものだ。こう私は斷言いたします。これらに政府の信頼を失う點が多いように思います。この委員會においても蠶絲小委員會がありますから、これを十二分に檢討して、政府を鞭撻して、養蠶農家の希望に副うように善處を促したい。かように考えるものでありますから、本日農林省の蠶絲當局がおらぬけれども、これは委員長から十二分にこの點を要望するようにお願いいたしたいと存じます。なお増配に關係して、次官がおられるから申し上げたいのでありますが、もうすでに昨年來これらに對する報奬物資の關係、肥料その他についてもまだ未著のところがありまして、地方的には非常に政府を非難し、あるいはいつわつておるという聲があるのであります。どうか十二分にこれを檢討して、適當なところには報奬物資は全部完了させ、そうして本年度の甘藷あるいは早場米に對する報奬物資等を準備して、先渡しするくらいの意氣込みを政府が示さなかつたならば、この甘藷、早場米に對する供出完納はできないと考えますから、次官としてはこの點について一つ萬遺憾なきを期する處置をお講じ願いたい。かように考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/40
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041・野溝勝
○野溝委員長 まず先にお諮りいたします。先ほど永井委員から北海道の水害に對して本委員會から現地視察に關する件の動議が出ております。これについてお諮りをするのでございますが、この際私からも意見を附け加えて申し上げたいと思います。衆議院におきましては水害地に對する特別委員會ができまして、水害地視察に關しまして、この問題もいきおいこの特別委員會において取上げられることと思いますが、本委員會等においても、もちろん職域上それを痛感するのでありまするがゆえに、この視察については私自身も異議のないことでありますが、ここで一つ御考慮を願いたいことは、御承知のごとく本委員會に付託されました重要法案が山積しておるのでございます。この審議にあたりましても、本委員會といたしましては相當長時間を要することと思います。なお付託されたる用件はいずれも重大なんでございまして、この審議も怠るわけにはいきませんので、これらの點を按配勘案いたしまして、委員諸君の御檢討を願いたいと思うのでございます。かような意味において、ただいま提案になりました永井委員の水害地視察に關する動議を採擇するかしないかという點について、ひとつ委員諸君の御意見を徴したい。かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/41
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042・田中健吉
○田中(健)委員 私は永井委員の出しました動議に對しまして贊成いたしたいと思います。これは北海道に限らない、和歌山その他の地方にも、新潟地方にも水害がありますから、それらの方面と併せて、本委員會が本委員會の獨自の觀點に立つて視察すべきものであると思いますけれども、水害地対策委員會もできておりますから、委員長において水害地対策委員會の委員長と協議の上でこれが視察のできるように御決定をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/42
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043・野溝勝
○野溝委員長 では永井委員の動議に對して贊成のようであります。なお水害特別委員會の方との連絡をとつて永井委員の動議を實踐するようにとの田中委員からの希望もありました。かように取計つて差支えありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/43
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044・野溝勝
○野溝委員長 ではさように取扱うことにいたします。
大藏大臣が出席になりましたので、この際質問を留保されておりまする小川原委員に發言を許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/44
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045・小川原政信
○小川原委員 私の質問に對しましては、大藏大臣なかなかお見えくださらぬのでたいへん私も遺憾に思つておりましたが、今日はお忙しいそうですけれどもおいでくださいまして、初めてここに質問することができましたが、まずもつて先日來質問をいたしましたときに、大藏大臣御自身から、公團に對する運營資金は後より知らせるということでありましたので、まずもつて質問の順序といたしまして、その數字を一應承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/45
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046・栗栖赳夫
○栗栖國務大臣 お答えいたします。この前の公團に對する資金の運營、それが復興金融公庫との關連においてどんなものかというお尋ねでございますが、取調べのところをお答えいたします。まず公團全體がどのくらいの資金がいるかこういうことでございましたが、これはただいま本委員會その他にもかかつておりますできるべき公團の資金というものは、とうていまだはつきり見極めをつけることができないような關係に大藏省としてはございますので、全體がいくらかということは不明でございます。しかしながら復興金融公庫に關係をもつておりますところの公團の資金の状況をひとつ御報告いたします。本年の第一四半期、すなわち四月から六月までに、公團に復興金融金庫が融資いたしました總計が三億二千五百萬圓でございます。それから本年の第二四半期、七月から九月の間におきまして、この七月に融資しております金額は十三億二千二百萬圓でございます。それから八月の十四日までに融資しております金額は三十二億五千萬圓でございます。そうして數日前大體復興金融金庫の資金計畫ができておるのでございます。これによりまして、七月から九月までの公團に對して復興金融金庫が融資します計畫額は九十六億三千萬圓、こうお相つておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/46
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047・小川原政信
○小川原委員 大體の概數を承つたのでございますが、これにつきまして復興金融金庫が現在どれだけの資金をもつておられますかお尋ねいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/47
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048・栗栖赳夫
○栗栖國務大臣 復興金融金庫は資本金が二百五十億圓に相なつておるのでありまして、そうしてそれは政府出資と債券發行と、それから一部保證して民間の銀行へ貸出をしております金額を合わせて、大體二百五十億はすべて使用することに相なるのであります。そこでさらに三百億の増資をいたしまして、そうして總資本を五百五十億と、こういうことにいたしたいと考えております。三百億の増資は大體今年度内に皆使用するはずでございます。なお必要があつてどうしても出さなければならぬ緊要の融資について、復興金融金庫に資金が足らぬような場合が起きましたらば、それはあるいはさらに増資とかあるいはこの日銀資金を興業銀行を經て一時立替貸しをする。こういうような便法も備えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/48
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049・小川原政信
○小川原委員 大體資金の數がわかりましたが、この總額五百五十億という金額は、將來に向つて出そうとされている金でありますが、現在までに全部貸付けましてそうしてあと融資がどのくらい殘つているかということを承りたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/49
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050・栗栖赳夫
○栗栖國務大臣 融資と申しますと、融資資金の申込みがどのくらい殘つているかという。……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/50
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051・小川原政信
○小川原委員 それはなお債券の未發行も二十億内外の金でございます。そうしてなお八月分に發行した資金も殘存いたしているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/51
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052・小川原政信
○小川原委員 そこがはつきりいたしませんが、未發行が二十億殘つてあと云々とおつしやつておられますが、貸付けて金庫のあり金が何ほどになつているかと、私はかようにお問いをしたのでありますから、その問いに對しましての御答辯は、やや的がはずれているように思いますが、その點をはつきりといたしておきたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/52
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053・栗栖赳夫
○栗栖國務大臣 質問の趣旨が少しはつきりいたしませんが、金庫のあり金と申しますと、現在いくらあるかということは、それはちよつと連絡して見ぬとわからぬのでございます。實は三十四、五億ばかりの債券未發行がございまして、大體十五億ぐらいを八月の初旬に發行いたしたのであります。殘りを八月の下旬に發行いたそうと考えております。なお資金が足らぬ場合には、一時三百億の増資まで資金が足らぬような場合には、慣例によりまして日銀資金を興業銀行に出しまして、興業銀行で復興金融金庫の立替貸しをするような準備もいたしているわけでございます。その金額については、必要に應じては相當大きな金額をも出し得るように打合せを了しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/53
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054・小川原政信
○小川原委員 よくわかりました。そこでこの復興金融金庫が貸出しをするという手順は、どういう手順をおとりになつたのでありますか、復興金融金庫のどの條項によつてこういう取扱いをおやりになつていますか、一應お尋ねしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/54
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055・栗栖赳夫
○栗栖國務大臣 ちよつとお尋ねしますが、公團に對する貸出しでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/55
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056・小川原政信
○小川原委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/56
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057・栗栖赳夫
○栗栖國務大臣 それは公團制度が初めてできるようになりましたそのときに、公團の金融は第一次的に復興金融金庫を通じてせよ、こういうようなことに相なりまして、復興金融金庫でいたすわけであります。復興金融金庫といたしましては、この時局の緊要な融資であつて、普通の金融機關で融資ができないものを取計うようになつておりますので、そういう條項によりまして、融通をいたしておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/57
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058・小川原政信
○小川原委員 ただいまの大藏大臣のお話でほぼわかりましたが、この金庫が公團にまわすべき條項は餘りにも輕いのであります。それは委員會において決定いたした上でやるということになつておりますが、委員會の方も正式ではありません。尋ねてみますと、そういう決議をしたことがないような形勢があるのでありますが、それは明らかにその金を融通するように特別委員會におきましても決定しておるのでありましようか、いかがでありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/58
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059・栗栖赳夫
○栗栖國務大臣 お答えいたします。委員會で常に決定をいたしておるのであります。實は昨日も復興金融金庫の委員會を開きまして私委員長として出まして、その決定をいたしたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/59
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060・小川原政信
○小川原委員 それで手續のことは十分に了承いたしました。
次にお尋ねいたしたいことは、この法令の第一條を見ますと、これは委員會で決定したとおつしやるならば、それはそれでよろしいが、どうも出てくる道がないのであります。しかしそれは百歩讓りまして、委員會で決定いたしたと假定いたします。しかし經濟白書を見ましても、非常に産業資金が枯渇しておる。その枯渇いたしておるのをいかようにするかということに政府は心配をしていらつしやると考えられるのであります。この點については私どももいかにもそうだと納得もいたしておるのであります。そこで今公團に何十億という金をお出しになるということになりまして、今金庫の中に遊び金があり、あるいはこれから發券をいたしましてどんどんと金がはいつてき、増資をして金がはいつてくるということであれば非常に好都合でありますが、現在この法令の上から當然支出をせねばならぬところの、漁船のような、戦時中に徴用されまして、漁民が船がない。何としても生産を上げなければならぬ。食糧を確保しなければならぬというので船を建造しておりますが、農林省から大體大藏大臣の手もとにまで二億五千萬圓の小額な金の申請がいつておりますけれども、大藏大臣はお知りになるかならぬかそれは知りませんが、そういう大きな金を出すことはできない。船を建造したものが非常に金の支拂いまで困つているという状況で、わずか二億五千萬圓の中の一億の金も出ないといつて、生産者がぎゆうぎゆう言つております。これによるところの破産者が相當できると思います。私の手もとまでも電報もきているような次第であります。そういう當然出し得られるところの金を抑えまして、この委員會をお開きになつて、こういう公團のような生産もあがらないものに、惜しげもなく何十億とお出しになるというその觀點は、いかようなお考えでありまするか、お尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/60
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061・栗栖赳夫
○栗栖國務大臣 お答えいたします。金融につきましては、私ほとんど今までの一生を事業金融に捧げてきたものであります。この水産金融その他鑛工業の金融、あるいは森林に對する金融、あるいは中小金融、こういうことについても十分配意いたして、今囘の復興金融金庫の第二・四半期の資金繰りをも定めたような次第でございます。参考のために申し上げますと、公團へは先ほど申し上げましたように、九十六億三千萬圓を豫定いたしておるのであります。さらに一般産業には百四億六千萬圓と豫定いたしておるのでありまして、そしてその中の大きいのをよりますと、鑛業、殊に石炭の問題が非常に重要でございますので、これは五十六億四千五百萬圓、さらに化學工業、肥料その他の問題も非常に重要でございますので、十四億一千萬圓、農林水産についても六億五千萬圓を出しておるような次第であれば、豫備といたしまして三億圓ばかりを殘しておるおうな次第でございます。それでなお一般産業につきましては、復興金融金庫に頼らなくても、一般金融機關が資金が還流してくれば融資のできるものが相當多いのでございまして、また多少の問題があるような場合には復興金融金庫保證のもとに、一般金融金庫からの共同融資等も考えておるような次第でございます。そこで公團の資金の窮屈というようなことは、必要なる融資については十分考慮して、不足をいたさないように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/61
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062・小川原政信
○小川原委員 たいへん御明快な御答辯で滿足をいたしましたが、あなたの過日までの部下でございました興業銀行直接について話をいたしますと、あなたの信頼しておる部下の話がうそであるのかどうか知りませんが、復興金融金庫には一厘もないのであります。金をお渡ししたいと思つても、悲しいかな何もありません。大藏省に要求していますけれども、大藏省は一向にみてくれません。こういうことを事務當局が言われるのであります。どちらがほんとうであるか。むろん大臣がここに立つて御答辯になつたことが、これはまことに明快なる御答辯でありまするから、これは責任をもつての御答辯と拝承いたしまして、私は滿足の意を表しますけれども、もしほかに生産のために金を幾らでも出してやろうということであり、三億金が殘つておるということでありますならば、わずか二億五千萬圓やそこらの金が、一厘も融通できないのだといつてこぼしておられることは、私は實際問題として聽きとれないのであります。われわれ議員といたしましては、どつちを信なりと考えたらよろしいでしようか。これは私どもの十分納得のいく答辯をしていただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/62
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063・栗栖赳夫
○栗栖國務大臣 復興金融金庫に一厘も金が積立ててないということは絶對にありません。そして資金は日銀その他にも預け入れてもありますし、債券發行も準備いたしておりますから、それはただ比喩的に申したに過ぎないと思うのであります。實際この復興金融金庫といたしましては、私どもはその活用を、この端境期の緊要産業の再建という上で十分いたしたいと考えまして、私就任いたしましたときに、すでに若干の復興金融金庫の融資計畫もできておつたのでありますが、實はそれを白紙に還しまして、そして皆さん方の要望をも、團體的には直接會いまして、その中に盛つてこういうような大
きな金額を出したのであります。なお個々のものにつきましては、國家全體の産業の再建復興という面から、そういう高い觀點から資金の要不要を考えまして、十分効率的に資金の供給はいたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/63
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064・小川原政信
○小川原委員 私は非常に杞憂をしてお尋ねをいたしましたことは、これで了承いたしましたが、あなたが公團にたくさんの金を融通されるということは、この公團がいかような——私の觀點から見ますと公團は生産力がなし、そうしてこの金というものは當分の間くぎづけになる金であり、一方には生産があがらぬということになると——生産をあげたいという念から、このことを申し上げるのでありますが、あなたのお話によりますと生産は非常に十分だ、そうするとこの公團に入れた金はくぎづけにしておいても差支えない。またそうすることが適當だとお考えになつたと考えますが、私とあなたの理論の違うところがそこにあるのであります。ここに實際の問題としまして、農村であろうが、漁村であろうが、復興に對するところの金のまわりが非常に惡い。これは全部の人が御承知であると思います。そういう現實をつかまえて二十二億という金、あるいは三十億という金、都合によつてはここに申される通りいろいろのたくさんの金を公團に融通されることは、現状の日本の經濟實情からながめまして、はなはだ不適當な方法と私は考えているのでありますが、この點をこの委員會を通して、そうでないので、こうすれば生産もあがるし、國家の運營上よろしいのだ、こういうあなたの政治的信念、金融上から見ました觀點を一應承つておきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/64
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065・栗栖赳夫
○栗栖國務大臣 お答えいたします。元來公團の制度というものは流通秩序の確立、これを維持して行く、こういう點に主力を置いてできているものでございます。私どもは生産事業にも今まで緊密なる連絡をもつて、その内容を個々についても當つてきているものでございます。資金の隘路と資材その他の隘路が、兩々相まつて生産率をだんだん低下してまいつてきているのであります。そこで資金の面におきましては、復興金融金庫その他金融機關を動員いたしまして、緊要なるものについてはこれの供給に遺憾なからしめるように期しますとともに、資材その他の面においても、公團制度によりまして流通秩序を確立し、そうして資材についても十分手に入るように、さらにまた價格につきましても、非常な生産の隘路でネツクのところがある。小數の品物を非常な高い値段で買わなければ生産ができぬ。そのために全體のコストに響いてうまく行かぬというような遺憾の點が多々あるのであります。そういう點も十分なくしまして、兩方の面から生産増強という面に進みたい、かように考えていたしておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/65
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066・野溝勝
○野溝委員長 この際食糧公團に關連のある緊急質問を大藏當局にしたいといつて留保されております大島委員に發言を許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/66
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067・大島義晴
○大島(義)委員 ちようど今日大藏大臣が出席されておりますので、私は食糧公團に深い關係をもつておりますが、過去の事實までこれを遡及して御質問申し上げ、お答え願いたいと思うのであります。たとえば昨年の米價が、一昨年の暮に九十五圓追加値上げになつたのでありますが、この供出後における値上りの差益金というものは、一體たれがとつているか、これは過ぐる委員會において私は質問しておつたのでありますが、未だその答辯がありませんが、一體たれがとるか。私どもの常識から申しますならば、農民の供出したものが、途中で値上りをした場合は、當然その値上りの差益金は農民に還えさるべきものと考えているのでありますが、政府は知らぬ顔をしてこの處分をやつている。その處分の内容がどうされているかということを、併せて明確にしていただきたいのであります。少なくとも食糧公團その他いろいろの公團ができてまいりますと、今後もこういう問題がこの公團を通じて起り得ると思うのでありますが、こういう場合における、その値上り差益金の處分は一體どうされるか、過去の事實は一體どう處分されているか、この點についてお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/67
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068・栗栖赳夫
○栗栖國務大臣 これは農林省の關係でございますが、農林省に特別會計が設定してございまして、その操作によつてやられるのでございます。ひとつ御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/68
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069・野溝勝
○野溝委員長 同一質問内容でございますから佐々木委員に發言を許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/69
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070・佐々木秀世
○佐々木(秀)委員 私の今大蔵大臣に質問しようとすることも、いきおい公團に關係のあることでありますが、一つの例をあげて御質問申し上げるのでございますが、それは政府の辯償金の問題でございます。實は農林省の委託工場として、製粉工場その他公團の扱う商品を製造している一工場が燒けたのであります。それの保險金が御承知のごとく封鎖支拂でございます。政府に支拂いしまするところの辯償金、それは政府から預かつておりまする麥とかその他の資材でございます。これを燒いてしまつたので、それの支拂をしなくちやならぬ。その支拂が現金でなければならないという政府の方針だということを承つたのであります。保險でいただく金が封鎖であつて、支拂う金が現金だということになりますと、政府の命令によつて政府に協力せんとして生産に從事している人が、いきおいここで復興ができなくなるのであります。これは旭川の柏原製粉工場と申しまして、相當大規模にやつておる工場でございますが、一千萬圓ばかり火災によつて損失をしたのであります。不幸にして保險金は五十萬圓くらいしかはいつていなかつた。それがとこことく第一封鎖の支拂である。そのために復興もできず、いきおい政府の要望にこたえる生産ができないというような悩みを私に訴えてきておるのでありますが、これは一旭川の柏原工場のみならず、こうしたことが全國にあるといたしまするならば、政府におきましては、こうした政府の命令によつて生産に從事している業者の復興のためにも、この政府の辯償金というものは、でき得るだけ封鎖で受取つてもらいたいという私の考えでありますが、これに對する大藏大臣の今後の處置を承りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/70
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071・栗栖赳夫
○栗栖國務大臣 お答えします。封鎖預金の解除については、課局をも設けて詮議して解除をいたしておるような次第でありまして、ただいまお示しのような具體的な問題については、ひとつあらためて大藏省の方へでもお話を願いますれば、いろいろ詮議をし取調べてみたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/71
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072・野溝勝
○野溝委員長 坪井委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/72
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073・坪井亀藏
○坪井委員 大藏大臣がお見えになりましたから御答辯を願いたいと思います。要點は、大藏大臣は公團ができても、資金の融資には復興金融金庫に準備があるから困らないと言われますが、なおまた次官も申されたように、主食、米麥あるいあいはまた甘藷、馬鈴薯というようなものの公團が將來できると假定した場合においては、ほとんどその金額というものは國の經費の大半をもつていかなければでき得ないのであります。現在でさえも油糧あるいは食料品、飼料というような問題でさえも九十數億を豫定しておりますが、おそらく主食の米のみに見ましても、假に三千萬石と見ましても、一石千五百圓といたしました場合においては、少くとも四百五十億、その他甘藷、馬鈴薯あるいは麥というようなものまで見ますると、おそらく一千億以上の資金がなければやつていけぬのじやないかということに相なると思うのでありますが、すべて政府が資金を出して、獨占的にこの國民の主食を配給しよう、少いからこれを公平に配給しようというけれども、先ほどの委員も言われたように、どうしても國民の増産意欲を高場して、すべての見返り物資なり、その他國内需給に必要なる増産資金という方面を非常に割つて、公團のみにこの資金を融通していくという方向にもつていくことは、どうも時局に逆流するのではないか。大藏大臣としては、この前石橋さんに質問いたしたときは、すべてなんでも構はぬ増産する。増産して物ができて、需給調整ができて、結局物が下つていくのだと言われたけれども、結局物が逆流していくことになる。なおそういうふうにすべて資金を公團の方にもつていくということになれば、これまた逆流いたしまして物が減つてくる。從つて物が高くなつてくる。逆をいくということになろうと思います。これに對する大藏大臣の見解として、どんな考えをもたれておるか。なおまた昨年豫算委員會で大藏大臣の石橋さんに質問したときに、日本の總國富は二千億か三千億かはつきりわからぬと言われたが、わからぬものに所得税をひつかけておる。そして所得税あたりも、むしろ初期の所得税よりもその方が多かつたということになつておる。あるいは財産税あたりも、次から次とひつかけていつて、むしろ追徴の方が多かつた。しかも局部的にこれがあるわけであります。これらは大藏大臣としては、今度のこの公團における資金運用の面については、この國の所得というものを押えまして、國民がどうしても必要缺くべからざる資金というものは優先的にとつておいて、その餘裕によつて出してやるべきだ。言いかえれば、生産資金を先にして、消費資金というものをあとにすべきだ。こう私は大局から見て考えております。これらの點から見て、前の大藏大臣は所得がはつきりわからぬという。このごろ新聞で見ると、なんだか大藏省としては約八千億ぐらいの所得があろうということでありますが、そういうようないいころかげんのことを打算によつて發表し、これによつてドンドンと政府はすべて國の資金をもつて公團をつくり、國民をこれによつて萎縮させるというようなことで、いわゆる物の増産ができなかつたならばインフレに拍車をかける。そしていわゆる日本の經濟の破滅がくるのではないか。こういうことを私は憂慮いたします。これらは公團に關して大きな資金運營というものが將來禍をなすのではないか。かように考えます。これらについて大藏大臣の御答辯を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/73
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074・栗栖赳夫
○栗栖國務大臣 食糧公團の資金が非常に厖大になろう。こういうお話でございますが、これは食糧公團ができてまいりまして、そうしてその資金計畫、事業計畫等を大藏省としましては十分檢討して、そうして國家全體の上から必要なものだけを金融をいたしたい。こう考えたのであります。その間にはむだを省くというようなことは大いにやりたい。かように考えております。なおこの融資の形式でありますが、これは復興金融金庫を中心としていたしますけれども、それは金額その他を見まして、そういうものを具體的に討議をした上で、この資金の供給を圓滑にすると同時に、他の緊要産業の融資も考慮し、それをも圓滑にするように、兩様にらみ合わせていたしたいと思うのであります。
なお國家の總所得、國民の總所得がいくらであるかというような、前大臣のお話が出ましたが、前大臣のことは私存じませんのであります。當大藏大臣といたしましては、やはりこれは國家の本豫算、追加豫算、そういうものから勘案をいたしまして、國民の間に撒布される資金がいくらであるか、所得がいくらであるか、こういうことをはつきり推算をいたしまして、そうしてその中で國民の消費資金いくら、生活資金いくら、さらに國民の産業資金はいくら、さらに國家の財政資金はいくらか。かようにわけまして、財政資金はおもに税になるのであります。そうしてその資金の分配、そうして金融とか、あるいは税の徴収その他をも圓滑にいたしたいと考えるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/74
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075・坪井亀藏
○坪井委員 ただいま大藏大臣から資金運用問題については、いわゆる生産の減退せざるような方針に向つて遺憾なきを期したいという御答辯がありました。その通りでありまして、どうか一つ今後すべての産業、いわゆる増産資金については優先的に確保して、しかもこれを半年なり一年なり早く政府が計畫して國民に知らせる。その線に沿つていけばよいのであつて、いつでも過去の報告をいたしまして、次の將來についてはそうした計畫がない。そのときにいつてみなければわからぬと言われましたが、ことが起きないうちにやるのが準備であります。どうか準備態勢を整えて、ぐんぐん押していただきたいということを大藏大臣に要望する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/75
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076・的場金右衞門
○的場委員 答辯が殘つておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/76
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077・野溝勝
○野溝委員長 農林省當局で資料がないし、大臣がおりませんので、明答はできないということで、後刻協同組合法を提案になつた際に發言してもろうことにいたしました。さよう御了承を願ひます。では三公團法に對する質疑は以上をもつて打切ります。午後は理事會を開きます。なお午後は協同組合法案に對する打合せ會を開きます。當局よりは立案者がまいりますので、委員各位には御出席願いたいと思います。
ではこれにて散會いたします。
午後零時三十六分散會発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104988X01319470821/77
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