1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十三年六月四日(金曜日)
午後三時十三分開議
出席委員
委員長 川野 芳滿君
理事 前田 郁君 理事 高瀬 傳君
中野 武雄君 大澤嘉平治君
小笠原八十美君 岡村利右衞門君
井谷 正吉君 川島 金次君
佐々木更三君 重井 鹿治君
島上善五郎君 島田 晋作君
館 俊三君 原 彪君
飯田 義茂君 堀江 實藏君
出席國務大臣
運 輸 大 臣 岡田 勢一君
出席政府委員
運輸政務次官 木下 榮君
運輸事務官 加賀山之雄君
委員外の出席者
專門調査員 岩村 勝君
專門調査員 堤 正威君
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六月三日
國有鉄道運賃法案(内閣提出)(第七七号)
同月二日
博多駅構内施設拡充の請願(田中稔男君紹介)
(第一一五一号)
中土村に簡易停車場設置の請願(増田甲子七君
紹介)(第一一五二号)
東京、長崎間準急列車運轉の請願(田中稔男君
紹介)(第一一五三号)
通勤者、通学生のため國鉄運賃据置の請願(森
幸太郎君紹介)(第一一八九号)
豊川市役所、豊川駅間電氣鉄道敷設の請願(林
大作君紹介)(第一一九六号)
八幡駅に急行列車停車の請願(伊藤卯四郎君紹
介)(第一一九七号)
二俣、山長篠両駅間に國営自動車運輸開始の請
願(坪亀井藏君紹介)(第一一九八号)
東濃鉄道駄知線に貨車増配の請願(吉川久衛君
紹介)(第一二一四号)
大宮・宇都宮間、小山・高崎間及び大宮・高崎
間電化の請願(栗田英男君紹介)(第一二一五
号通)
通勤者、通学生のため國鉄運賃据置の請願(森
幸太郎君紹介)(第一二二八号)
の審査を間委員会に付託された。
六月三日
石巻、氣仙沼間及び白石、上の山間國営自動車
開設促進の陳情書(第四三五号)
高橋海運監理部を海運局に昇格の陳情書(第四
七二号)
沼津、浜松間政道電化促進に関する陳情書(第
四八二号)
福島、米澤間電化促進に関する陳情書外二件(
第五〇五号)
同(第五一三号)
海難防止施設に対する國庫補助並びに資材配給
の陳情書(第五五九号)
茨城縣南部國営バス開設反対の陳情書(第五六
九号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
公聽会開会承認要求に関する件
連合審査会開会に関する件
國有鉄道運賃法案(内閣提出)(第七七号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100203889X00919480604/0
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001・川野芳滿
○川野委員長 会議を開きます。
これより昨六月三日本委員会に依託されました國有鉄道運賃法案、内閣提出第七十七号を議題といたします。まず政府よりその提案理由の説明を聽取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100203889X00919480604/1
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002・岡田勢一
○岡田國務大臣 ただいま議題となりました國有鉄道運賃法案の提案理由を説明いたします。
國有鉄道は創設以來終戰に至るまで、経営上の赤字を生じたことはなかつたのでありますが、終戰後急激なる物價及び賃金の高騰によりまして、今日までに二回運賃の改正を行いましたが、その都度、インフレーシヨン抑制のため、その値上げは少額に抑えられ、昭和二十一、二十二の両年度にわたりまして、多額の損失を生ずるに至つたことは御承知の通りであります。さらに今回物價の改訂、賃金水準の引上げ等が行われることになりまして、國鉄收支の懸隔は、企業の根本原則を喪失するのみならず、國家財政の健全性を危殆に陥れることとなりますので、このたび運賃改政をはかり、財政法第三條の特例に関する法律によりまして、國会の御審議をお願いすることになつたのであります。
國有鉄道事業は独占的であり、かつ公共的性質のものでありますので、経営並びに運賃のいかんは、直接國民大衆の日常生活に多大の影響を及ぼす関係上、その経営能率を高揚して経費を節減し、運賃値上げは最小限度に止めなければならぬことは申すまでもないのでありますが、このたびの改訂に際しましても、日本経済の現状に鑑み、物價の高騰は依然としてできるだけ抑制せるばならぬことが、強く要請されますので、貨物運賃は採算コストを無視しても低位に抑えることが必要であります。そこで政府におきましては、あらゆる角度から種々考慮檢討を加えました結果、貨物及び旅客運賃ともに現行の、約三・五倍に引上げることに案を決定したのであります。戰前に比べて現行運賃は、旅客貨物ともに約二十二倍になつておりますので、今回も同率値上げをいたすことにしたのでありますが、鉄道を利用せらるる多数の國民諸君に対して、実質的の御負担の増加と相なりますことは、まことに心苦しい次第であります。從いまして政府といたしましては、かかる運賃値上げを行います以上、十分なる自己反省のもとに、鉄道特別会計の合理化を行つて、幾分でも國民大衆の負担の軽減をはかりその納得を得なければならぬと存じます。すなわち、今年度國有鉄道予算案は、当初要求に比し、大藏省と打合わせの結果、人員において約六万人、修繕費及び物件費等を合わせまして約六十億円の節減を行うこととし、非常にきゆうくつな経費を計上いたしますとともに、他方雜收入約十億円を計上する等の措置を講ずることとしたのでありますが、なおかつそれでも收支不足百億円を出しておるのでありまして、この不足金は一般会計から繰入れることといたしたのであります。また今回増額を予定されております通行税は、全部旅客運賃の中に含めることといたしましたのも、この趣旨によるものであります。
これら收支の細目につきましては、別途予算案において國会の御審議を願う次第でありますが、今回の値上げ、特に旅客運賃は一見大幅値上げてありまして、種々御批判もあろうかと存ずるのでありますけれども、以上述べました通り貨物、旅客両運賃全体といたしましては、現在の経営採算からは、なおかつ相当に下まわつた水準になつておるのでありますから、現在の物價並びに経済の実情に照らしまして、何とぞ御了承を賄わりたいと思うのであります。われわれ國有鉄道当局といたしましては、從來とも経営の合理化に努めてまいりましたつもりでありますが、さらにこれを促進し、徹底いたしますため、國有鉄道復興五箇年計画を策案しますとともに、その経営、機構、技術、経理等の全般にわたり、刷新、改善を速やかに実行したいと存じ、新たに國有鉄道審議会を設けて、これが調査立案をいたすこととした次第であります。今後とも経営の合理化及び能率の向上と輸送力の強化、並びにサービスの改善等に積極的努力を傾注いたしまして、國民各位の御負託にこたえたいと存ずる次第であります。
何とぞ愼重御審議の上、可決せられんことをお願い申し上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100203889X00919480604/2
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003・川野芳滿
○川野委員長 この際お諮りいたします。法案は一般的関心及び目的を有する重要なる法案であると思われます。本委員会といたしましても公聽会を開こうと思います。ついては衆議院規則第七十七條によりまして、公聽会を開こうとするときは、あらかじめ議長の承認を得なければならないことになつております。そして公聽会において意見を聽こうとする問題を決定した上で、諸般の手続をすることになつております。それで意見を聽こうとする問題といたしましては、鉄道運賃値上げの可否、もし可とする場合はその値上率とするに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100203889X00919480604/3
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004・川野芳滿
○川野委員長 それではさよう決定いたします。
それでは衆議院規則第七十七條により、議長に公聽会の開会承認の要求を提出するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100203889X00919480604/4
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005・川野芳滿
○川野委員長 それではさように決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100203889X00919480604/5
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006・川野芳滿
○川野委員長 さらに各位にお諮りいたします。本案は昨日本委員会に付託になつたのでありますが、財政及び金融委員会とも関連がございますので、衆議院規則第六十條により財政及び金融委員会と連合審査会を開くに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100203889X00919480604/6
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007・川野芳滿
○川野委員長 それではさよう決します。
つきましては、当委員会といたしましては、本日はこの程度にして散会することにいたし、散会後ただちに連合審査会を第十三委員室において開会いたしたいと思います。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時二十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100203889X00919480604/7
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