1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十三年五月二十五日(火曜日)
午前十一時十三分開議
出席委員
委員長 早稻田柳右エ門君
理事 塚田十一郎君 理事 島田 晋作君
理事 中崎 敏君 理事 梅林 時雄君
淺利 三朗君 石原 登君
大上 司君 島村 一郎君
苫米地英俊君 松田 正一君
宮幡 靖君 赤松 勇君
川合 彰武君 河井 榮藏君
佐藤觀次郎君 田中織之進君
松原喜之次君 八百板 正君
後藤 悦治君 中曽根康弘君
細川八十八君 内藤 友明君
藤田 榮君 本藤 恒松君
本田 英作君
出席政府委員
大藏政務次官 荒木萬壽夫君
大藏事務官 今井 一男君
食糧管理局長官 片柳 眞吉君
委員外の出席者
議 員 庄司 彦男君
專門調査員 圓地與四松君
專門調査員 氏家 武君
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五月二十四日
食糧管理特別會計法の一部を改正する法律案(
内閣提出)(第六四號)
の審査を本委員會に付託された。
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本日の會議に付した事件
政府職員の新給與實施に關する法律案(内閣提
出)(第六一號)
食糧管理特別會計法の一部を改正する法律(内
閣提出)(第六四號)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/0
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001・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 會議を開きます。
政府職員の新給與實施に關する法律案を議題とし、質疑を繼續いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/1
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002・川合彰武
○川合委員 私はこの前の質疑の途中で、いろいろと參考人の參考意見を徴してというようなことで質問を保留しておつたのでありますが、本日はこの内容の點に關しては、大した比重をもつている問題でありませんが、條文の立法技術から考えて、あまり感心しないような條文があるので、この點をひとつ質問したいと思うのであります。それは第十一條に「新給與苦情處理委員會は、會長がこれを招集し、その議事は、會長を除く出席委員の過半數で、これを決する。可否同數である場合には、會長の決するところによる。」2「新給與苦情處理委員會は、職員を代表する委員、政府を代表する委員及び第三者である委員各々二人以上が出席しなければ、議事を開き議決することができない。」こういうようにあるわけであります。ところがこれからいきますと、第十一條の一項と二項とは、矛盾する法規ではないかと思うのであります。すなわち第十一條の一項においては、いつでも苦情處理委員會が開かれるということが書いてあるわけですが、今度はその第二項においては、三者の代表者がおのおの二人以上の委員が出席しなければ、議事を開くことができない、こういうような規定になつているわけです。そこで一項と二項との間の矛盾を調整する意味においては、第十一條の第一項の新給與苦情處理委員會は、會長がこれを招集し、それから二項の職員を代表する委員というようにして、第十一條の一項と二項との矛盾を調整するというようなことは考えられないか、まずこの點をお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/2
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003・今井一男
○今井政府委員 御質問でございますが、この一項と二項とは別の角度から問題を取上げておりますので、一項にはごく一般的なことを規定し、原則を定めまして、ただそれらの書き方の技術上から申しまして、その出席者の定足數というものの内譯を、別に項に改めて規定したというだけの話でありまして、内容は一項と二項と矛盾するとは考えられないのでございます。またこういつたような書き方をしている例は、ただいますぐ例を申し上げられませんが、他にも私ども見た記憶がございます。こういつたような三者の利益代表が出ているような場合には、特殊な定足數のきめ方を規定してあります例はほかにも若干ございます。今その實例を即答申し上げることはちよつとむずかしゆうございますが、要するに二は一をいま少し詳細に規定したもので、また一には半數以上が出席すれば、それで議事をやつてよろしい。半數出席すれば定足數と認める。そういつたことを書いたものではございませんで、ただ單に議決は要するに多數決による、こういう三者の利益代表のような場合には、いわゆる集團投票制によりまして、個別投票制でなく、職員は職員、政府は政府、第三者は第三者、それぞれの態度を議決いたしましてやる投票方法もございますが、ここはそれをとりませんで、個人的な、獨自の投票でやるといつたようなことを、強く十一條の一項ではうたつておるのであります。そして定足數の問題を第二項に擧げたかようにお解釋願いたいと存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/3
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004・川合彰武
○川合委員 次に第十五條の點についてお伺いしますが、要するに内閣總理大臣その他の者が、職務の級及び俸給を決定することができるというわけでありますが、これは各個人について言いますと、たとえば昇給時期に今あるというようなものは、どういうように處置するか、すなわち昇給時期にあるものは、特に考慮を拂つて俸給が決定されるかという點についてお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/4
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005・今井一男
○今井政府委員 この法律自身が二千九百二十圓の切替を中心にきめたものでございますので、昇給の關係、特に現在の法規に基く昇給の關係は全然別個になります。從いましてその點は別に現在の法規に基きまして昇給をさせました上で、今囘の切替方法をあてはめる、こういつたことに相なります。從いまして現行法に基く昇給そのものは、この法律の規定するところではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/5
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006・赤松勇
○赤松(勇)委員 川合委員の質疑はさらに續行されるものと思いまするが、この際委員會にお願したいのでございます。と申しまするのは、海外同胞引揚促進委員會の理事をやつておられる委員から、特に委員外の發言を許していただきたいとのことであります。それは、引揚援護局に働いております政府職員の超過勤務手當の件、この一點に關しまして政府當局に所信を質したいと申しておりますので、この一點だけひとつ御質問を許していただきたい。よろしくお取り計らい願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/6
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007・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 お諮りいたします。ただいま赤松委員より發議がありまして、庄司彦男君から委員外の質問を許されたいという申出があつたのであります。お許しいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/7
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008・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 御異議ないようでありますから、質問をお許しいたします。庄司彦男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/8
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009・庄司彦男
○庄司彦男君 私は海外同胞引揚に關する特別委員會の理事として、今日審議中におじやまいたしまして恐縮でありますが、實は早急の問題でありますので、ぜひこの點を明らかにしていただきたいと思いますことは、去る六月舞鶴の援護局に歸つてくる第一船を迎えに行つたのであります。永い間ソ連に抑留されて歸つてくる引揚者たちの氣持は、故國に對する非常なあこがれをもつて歸つてきておるのでありまして、將來日本の再建に努力すべく誓つてきておる連中ばかりであります。こうした連中が故國に歸りまして一番感ずることは、これを迎える故國の人たちの心持、態度でありまして、これが引揚者に對して非常に影響することは、いろいろな點において看取されるのであります。殊にこれを取扱う援護局の役人の方々の態度は、一番初めに接觸する故國の人でありますから、非常に影響があるのであります。私の調査したところによりますると、舞鶴援護局の係官の方たちは、特に涙ぐましい親切と獻身的な努力をして、これらを迎えてくれておるのであります。そのために夜は十二時、一時、ときには徹夜するまでの勤務をしておる者もあるのであります。しかるによく聽いてみますると、これらの超過勤務に對する手當が、ほとんど勞働基準法にきめられたものが渡されていないという實情を私は知りまして、まことに驚くべき問題であると思つたのであります。もちろん給料を拂つたから親切にするとか、しないとか、そういつた物質だけに動く係員ではないのでありますが、少くとも國民はこれらの係員に對する給與、その他においてなすべきことを十分にしなければならぬと私は信ずるのであります。この點について援護局に參つて聽きましたら、援護局の方では、豫算内で過勤手當を拂うのだが、大藏當局からその豫算の増加が認められないと嘆いておられました。大藏省の方では、豫算もいろいろお苦しいことでありましようけれども、こうした特別な場合には、特に考慮を拂つていただきたいということをお願いしたいのであります。この點について給與局長の御意見を拜聽したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/9
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010・今井一男
○今井政府委員 昨年十一月國會の議決をいただきまして、勞働基準法の施行に伴いまして、政府職員につきましても、一般的に時間外手當の制度が設けられることに相なつたことは御承知だと思います。從來は現業職員にだけしか支給されませんでした時間外手當が、その他の一般職員にも支給されることに相なつたわけであります。ただ新制度への切替の關係から、若干そこに行き違い等を起している分もあるやに聞いております。すなわち從來は何時間居殘りいたしましても、そういつたものは一文もなかつた。それが新しい規定によりまして一時間ごとに出す。こういつた建前に切り變りました關係から、すべて漫然と殘つている者に出すというわけにはもちろんいきませんので、それぞれ所定の手續を經まして、上司の命令に從つて仕事に從事して居殘りをするというような場合に、基準法の建前そのものによりまして時間外手當を出す。また一方逆に、そういつた關係から早退、遲刻等の場合にはそれぞれ相當額を引く、こういつた建前にただいま相なつておりまして、これが勵行方を指示しておるのでありますが、新しい制度への切替の關係から、若干手違いを起している分があるかもしれません。まことに申しわけない次第でございますが、大體官廳全體をしつくるめまして、平均いたしますと、時間外居殘りと認められますのは一人當り約三十分、かように推定できますし、また最近調べました實績もさように相なつておるのであります。これが季節的に非常に偏る場合がございます。これをそれぞれ豫算に盛りまして大藏省から各省につけておるのでありますが、御承知にようにただいま暫定豫算の關係から、毎月分をそれぞれその省に配付をする。そうしますと四月なら四月に非常に時間外手當が多かつたというような場合には、一年分を通算すれば相殺できるが、季節的關係から支拂豫算がなくなるというようなことが、現實問題として一、二起つております。舞鶴の例もあるいはそれに該當するものではなかろうかと考えますが、これは本格豫算が加わりましたならば、當然解消さるべきものと思います。もちろん時間外手當は、すべてが豫想のつきにくい、ごく臨時的なものでありますので、季節的に偏る場合がよけいに多いのであります。それを月々の豫算できめていく關係から申しますと、遺憾ながらそういつたことが起りやすいのと、もう一つは新しくつくりました制度でありますために、從來の實績が測定しにくい。そういつた關係から豫算に盛ること自身にも、若干間違いを來す場合も起り得る。しかしながら現實にこういつた法律に基く給與は、必ず支給するように手配いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/10
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011・庄司彦男
○庄司彦男君 ただいまの御説明を聽きまして私は滿足したのでありますが、あれは季節的なものであるし、特に特殊性をもつているもので、あたかも現業の仕事と同じようなものでありますから、特にこの點に御留意いただきまして、できるだけ早く安心して働けるように御配慮あらんことを希望して、私の質問を終ります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/11
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012・川合彰武
○川合委員 本法案の第二條に各機關がありますが、この各機關は、この法律が二千九百二十圓のベースを維持する限り效力があるわけでありまして、二千九百二十圓の水準が變更したとたんに、この法律が效力を失うことは、もはや私から申し上げる必要もないと思うのでありますが、ただここで私の特に政府にお尋ねしたい點は、第二條にある地域給審議會というものは、この法律の執行とともにこの機關は解消されるかも知れませんが、これに代るべき恆久性をもつた機關としてこれを扱うというような方針なり、構想が、政府にあるかどうかという點をお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/12
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013・今井一男
○今井政府委員 御意見の通り、この法律は二千九百二十圓の切替の手續をきめたものでありますので、このベースが變るような事態が參りますれば、また別な法律をつくらなければならぬことに相なりまして、形式的には全部これが一應解消され、必要があればその際にまた改めて書き直さなければならない。そういつたことになることは御指摘の通りでありますが、地域給審議會は、二千九百二十圓と必ずしも直接の關係のない問題でございまするし、先だつて來の新給與整備委員會におきましての組合側との話合いにおいても、組合側の考えておるところと大體一致しておるのみならず、今全國的な地域給に對する御要望にこたえる意味からいたしましても、でき得ればこういつたものは恆久的、と言うとあるいは少し言い過ぎかもしれませんが、新しいベースに變りましても、これと同じようなものを持續していくようにもつていきたい。かように希望いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/13
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014・川合彰武
○川合委員 政府の意見もわれわれと同樣であるという點はわれわれとしても非常に意を強うする點であります。
次に第六條の地域給審議會の委員は總理大臣がこれを委囑するということになつております。ところがこの場合に、普通いろいろなこういつたような會というものは、會長というようなことを、必ずその條文にうたつてあるわけでありますが、これのみは會長ということや、會長の選任方法とかいうことは何ら書いてないわけであります。何かこれには含みがあるかどうかということを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/14
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015・今井一男
○今井政府委員 確かに御指摘の點は含まれておるのでございますが、これは實質的には政府の考えといたしましては、團體交渉の實質をもつていきたい。ただ形式的にはこういうものが行政機能的な働きをすることには疑義もございますし、不適切でもありますので、形式的には總理大臣のつくる機關という建前をとつておりますが、實質は團體交渉そのものにいたしたい、かような觀點からわざわざ會長その他の規定は全部削除いたしまして、この委員會における交渉の進行に一切を任せたい、こういつた考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/15
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016・川合彰武
○川合委員 そうしますと、この第六條の地域給審議會というものは、團體交渉の法的な裏づけをするというふうに解釋をして差支えないわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/16
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017・今井一男
○今井政府委員 法律的に申しますと、あるいは團體交渉と言えないかもしれません。と申しますのは、結局この決定を總理大臣がそのまま採用することになるのは明瞭なのでございまして、團體交渉と實質的には變ることはないと思いますが、法律的に申しますれば、やはり一つの諮問機關、こういつたことに表面言わざるを得ないだらうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/17
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018・川合彰武
○川合委員 よく了承いたしました。
次に第七條でありますが、この地域給調査會を都道府縣ごとに設けることができるというような規定があるわけであります。この地域給調査會は、どういうふうな方向へ、どういうふうな構成で設けるということの具體的な規定が缺けておるのでありまするが、この點はどんなものであるか。政府の説明を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/18
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019・今井一男
○今井政府委員 地域給審議會を中央におきまして、政府側代表と組合側代表の委員で協議いたしまして、そこでこの地域給調査會の具體的な構成、あるいは運營調査方法といつたことをとりきめたいと考えております。一應われわれの頭にございますことを御參考のために申し上げますと、決定はすべて中央審議會でやりたい。ただ調査の下調べないし内定といつたようなことを、府縣の地域給調査會に任したい。從いましてこの調査會は原則として、全官公廳の職員の代表が中心になつて構成いたしまして、政府側の代表はせいぜいオブザーヴァー程度、連絡係程度ではいる。こういつたことを考えております。それで中央できめました調査方法、たとえば生計費をどういうふうな角度で、どういうふうに集める。その他物價はどういう資料を、どういうふうに調査していくといつたような中央の交渉決定に基きまして、地方ではそれぞれそういう調査をし、その結果に基いて一應の資料と、判定とをもつて、その調査會において得た結論を中央にもつてくる。それを中央で兩者の委員が集まりまして、最終的な決定をする。そういつたようなことをただいま考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/19
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020・川合彰武
○川合委員 これは勤勞者のいろいろな關係におけるデータを中央的に集める機關として、非常に好ましいものと私は了解するわけでありますが、地域給審議會が、今後においてもこれを常設機關として、一應政府が構想を抱いておると同様に、地域給調査會をも、政府としては今後恆久的と申しますか、常設的なものとするという考えをもつておるかどうかこの點を明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/20
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021・今井一男
○今井政府委員 政府としてはお話のようなぐあいに調査會の方も常設的にしたい、かように希望いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/21
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022・川合彰武
○川合委員 次に第十四條の第二項による別表でありますが、この別表のうち、第十五級というものは別に定める額によるということとになつておるのであります。別に定めるというのは政令をもつて定めるのであるか。あるいはまた法律をもつて定めるのであるかということと、同時に特別職というか、そういうものの内容はどういうものであるかということを、明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/22
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023・今井一男
○今井政府委員 ここに別に定める額と書いてある通りでございまして、法律による場合もございますし、政令による場合もあると御了承願いたいと思います。どういつたものを政府は考えておるかと申し上げますと、いずれ近く當委員會で御審議を願う運びになつておる認證官の給與、この認證官はそれぞれ單行法で纒めたものを御審議願おうと思つておりますが、認證官以外のもので、たとえば各省の次官、あるいは行政組織法によつて各省にできる總務長官でありますとか、その他これに準ずるようなものを、この十五級のグレードに豫想しておるのでありますが、ただこの範圍にどういつたものを具體的にはめ込むかにつきましては、いろいろ問題がございますので、こういつた問題は實は一般の切替が濟みましてからよく檢討した上で定めたい、かように思つております。ただいずれにいたしましても、上は認證官は全部省けますし、下は十四級以上のものでありますので、おのずから金額的にも幅はきまつてまいると思いますが、一應はわれわれただいまのところでは、一萬圓ないし一萬二千圓の額を考えております。しかしさらに精密な檢討の結果では、あるいは例外を設けるというようなことに、絶對にならぬということをこの際申し上げるわけにいかないではないか。その程度のことしかただいまきまつておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/23
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024・川合彰武
○川合委員 なおこの機會にお尋ねしておきたい點でありますが、なるほど十五級の別に定める額の對象となる職というものは、次官その他の問題であるというように今お話があつたのでありますが、この場合におけるところの官吏の規定であります。國會法におけるところの一般官吏云々というような言葉があるわけですが、認證官をもやはり一般官吏の最高の者として認めるべきか。これは實はわれわれにとつて非常に影響のある、國會議員の歳費に關係する問題であるわけであります。國會議員の歳費は、たしかに國會法の規定に基いて、一般官吏の額の上にあるというようなことが書いてあつたわけでありますが、從來の觀念をもつてするならば、大臣を除く者以外の官吏が一般官吏というようにわれわれは考えておつたのであります。最近は特別ないろいろな官吏ができてくるということからしまして、一體認證官とか、そういうものも今まで一般官吏の概念の中にはいるものであるかどうかというようなことを、給與の法律の角度から見てひとつ御説明願いたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/24
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025・今井一男
○今井政府委員 普通一般官吏と申します際には、認證官は含まないのが慣習のように相なつております。國會議員の歳費につきましては、一般官吏の最高を下らないといつた觀點から、從來各省次官というものが標準にされてまいつておつたのでありますが、今度行政組織法が變りまして、かつまた國家公務員法の關係から、次官というものは、いわゆる一般職ではなく、特別職というような規定に相なりますと、ただいまの事務次官、今囘行政組織法によつてかへらるべき總務長官というようなところが、一般官吏の最高、こういつたような解釋に相なるのではないかと想像いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/25
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026・川合彰武
○川合委員 その點はいずれそれに關連する法律案が上程してまいつたときに、われわれはあらためて審議したいと思つております。
次に一般政府議員と裁判官竝びに檢察官との權衡というような點についてお尋ねしたいのでありますが。元來俸給關係というものは、現在大藏省の給與局がその中心となつてやつておるわけでありますが、しばしばこれは申し上げたように、裁判官竝びに檢察官に關するところの俸給の法案に關しては、これが當委員會に付託されることなくして、司法委員會に付託されるということは、私はその裁判官竝びに檢察官の俸給の額の當否を論ずるのではなくて、一般官吏の俸給との高低を論ずるにあたつて、やはり同一の委員會において審議すべきだというように考えるのであります。これをあえて司法委員會のみに付託したいという點について、委員長の所見をひとつ承りたいと同時に、今後において、もしかりに、たとえばそういうような特別な職があるといつた場合において、そういう特別の職がたくさん出た場合においては、各委員會において勝手にこれを審議するということになりまして、俸給に關する國會の審議の不統一性ということが私は結果的に起るということを非常におそれるのであります。その意味において私は委員長が、この裁判官竝びに檢察官の俸給に關する法案の審議を、司法委員會のみに任せているという點に關して、委員長としての所見を承りたいと同時に、政府に對しては一般職員と裁判官竝びに檢察官との權衡が、はたしてとれているかどうかという點であります。すなわちたとへて申しますならば、私は現在の各省の次官というものは、おそらく比較的に古參級の人で、大正年代の最後のころに高文をとつた人、早い人はおそらく昭和四、五年ごろで次官になつている。また局長というものも、大體において古い人で昭和三年ごろから、早い人で昭和十年くらいの人が局長になつていると思いますが、それらのような比較的年齡の觀點、竝びに學歴の觀點から考えて、今囘の裁判官竝びに檢察官の俸給は、非常に一般職員との關係においては、權衡がとれていないというように私は思うのであります。しかし司法權の獨立、また裁判官に準ずるような立場にある檢察官というものに對する一つの待遇改善ということも必要なことは申すまでもないのでありますが、ただこれを一般官吏との權衡ということを考えた場合において、はたして妥當であるかどうかという點に關する政府の所見を求めたいのであります。まず委員長からお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/26
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027・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 ただいま委員長にお尋ねの件については、委員長は何も承つておりません。司法委員會に付託された法案については、いずれ議長においてそうすべきであるという考えで付託されたと存じますが、本委員長には何らお話がなかつたわけであります。以上お答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/27
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028・今井一男
○今井政府委員 判事、檢事の俸給に關する法律案の趣旨は、大體の見當といたしましては、一般行政官吏よりも約二割程度高いといつたところを抑えております。それで二割の額が適切であるかどうかにつきましては、若干議論をしてまいりますと疑問のないわけでもございませんが、しかしただいまのような各職種に對する政府職員内の、いろいろの開きの權衡から申しますと、まず多からず少からず、適當なところではなかろうかといつたところで結論を得たのであります。ただこの場合、御指摘のような年齡とか、あるいは大學を出て何年といつたような觀點は、今度の職階給の精神からは比較的考慮を拂つておりません。要するにその仕事の質ということに、むしろ重點を置きまして、その上で見ますと、約二割見當くらいの幅がある、かように御了承願つてよかろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/28
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029・川合彰武
○川合委員 私は委員長のただいまのお答えに對しては不滿であります。それは先ほど申し上げました通りに、給與の法案をなるべく統一的に審議するというような觀點からいたしまして、この給與に關する法案というものは、一應原則として當委員會において審議することが妥當であろうというように思います。從つてこれに關連のある委員會との關連は、これと合同審査というようなことで十分に連絡ができるのであります。從つて當委員長としては議院運営委員會に對しまして、この議案の付託すべき場合の調整に關して、委員長としてそのことを今後強く要望せられんことを私としては希望申し上げます。
次に第十四條に、現業に從事する職員、教育職員、税務職員というような方々に對しては、この別表とは別箇にこれを政令できめるということになつているのでありますが、この政令できめる内容というものをお聽きしたい。同時に私はしばしば政府に要望し、同時にまた警告をも發しているのでありますが、税務職員の待遇改善ということに關しまして、どういうような待遇改善の具體的内容をもつているかということを、今井給與局長にお尋ねしたいと思うのであります。われわれは主税局長に對しましては、しばしばその要請もし、これに主税局長はむしろわれわれと同じような意見をもつて、税務職員の待遇改善に非常に努力されているように見受けられるのでありますが、遺憾ながらそれが實現に移つていないという點は、ともすれば給與局長が、そういうような主税局長の要望をチエツクしているのではないかと思わざるを得ないのであります。この機會に税務職員に對する待遇改善の具體的な方針というものを承りたいと思うのであります。と申しますのは、すでに先週土曜日の本會議において、當委員會の塚田委員が大藏大臣に緊急質問をした通りに、現在の徴税に關しては多分にいろいろな物議を釀し、一つの政治問題と化している。その場合においては徴税の技術と、徴税官吏の待遇といつたことが、相當に粉議を招く原因の一つをなしているであろうと思うのであります。それはひつきようするに比較的に若い人が主としてやつている。その若い人がやつているというのは、待遇が惡いために、老練な人はよそに逃げていくというようなことに原因しているのであります。現在の一つの政治問題化せんとするこの徴税の問題を、大きな問題に發展せしめない防衞的な措置としては、税務官吏の待遇改善ということが、大きな意義をもつていると考えるのであります。そういう意味からして質問申し上げるのでありますから、どうかその意味を了解して、税務職員に對する好意ある當局の方針をこの機會に説明せられんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/29
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030・今井一男
○今井政府委員 第十四條の三の職務の級の分類及びその各級における俸給の幅につき、政令できめることができるとこう書いてありますのは、普通のいわゆる部處においては、課長なら課長で十級であるところが、こういつたところでは十一級である、十二級である、そういつた規定ができるということと、もう一つはたとえば一般の五級は千七百圓から二千百五十圓までである。これをあるところでは、二千圓から三千圓といつたようなところができるということを意味しておりますが、ただいま各省でそれぞれ得た結果を總合いたしますと、とりあえず別表を別につくるところは、多分税務職員と警察職員だけに止まる見込みでございます。他はこの表をそのまま使うことになる見込みでございます。税務職員の優遇につきましては、昨年國會の御決定をいただきまして、税務特別手當というものが支給されましたが、こういう臨時應急措置というものは、給與の建前から申しましても適當でありませんし、かつまた税務官吏そのものの志氣を鼓舞する點からも、本俸そのものを引上げるという考え方が筋道でございますので、今囘はこの特別手當を全部本俸化する豫定で、ただいま案が固まるところでございます。ただ今囘税務に限りませんが、職務の責任や、事務の困難性等から、できるだけこの機會に優遇したいという職種がございましても、一方財源が二千九百二十圓かける人員で、わくがきまつております關係と、もう一つ全官公廳の爭議のときの政府との約束の關係から、現在もらつている給與、率直に申しますと、その仕事の割合に、若干もらい過ぎになつている本俸、そういつたもののその現在の既得權をある程度尊重する。從つて各職員に對しては原則として例の十六割を確保する、こういつた約束、ただこれは急に變化を與えないためには、必要な態度とも私ども考えておるのでありますが、その關係も絡まつて、從つてほんとうに職階給的な、その人の仕事の困難性や責任に應じて、そろばんを技術的にはじき出したそのままを支給するわけにはいきにくい面も實は起つております。從つて幅をつけなければならぬところが幅が十分につかない。そういつた意味合いから、あるいは御指摘のように税務官吏というものに對する待遇が、十分でない、こういつた御批判はでるかも知れません。しかし少くともわれわれとしては、一般官吏の中で職種別に見て、税務官吏は一般官吏との開きが一番高いところにすわるということはぜひ實現をしたい。かような線で今最終的に案が固まろうという段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/30
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031・赤松勇
○赤松委員 租税完納本部では、租税完納に關する運動を效果的に展開するために、各地をまわつておるのでありますが、各員の一致した見解では、現状のような脆弱な税務機構、竝びにその待遇上の問題を考えまするときに、とうてい昭和二十三年度における徴税は、政府の甘い期待のようなわけにもいかないという印象を率直に受けておるのであります。國家財政の基本をなす徴税問題、なかんずく税務職員の待遇の問題におきましてはこと重大でありまして、なお質疑を要する諸點が多多あると思いますが、私はそれをあとに讓りまして、先ほど川合委員から地域給の委員會の問題について、いささか觸れたようでありますが、その點につきまして、私はなおこの際次のような諸點を明白にしておきたいと思います。第七條の地域給審議會の問題でありますが、これは今井給與局長も身をもつて體驗されたきわめてむずかしい問題であります。しかも困難な問題であるばかりでなくて、政府職員といたしましては地域給に對する關心というものは、われわれの想像以上のものがあるのであります。政府は從來地域給の問題におきましては、できるだけ政府の責任を避けて、これを全官公廳側の責任において處理していくという方向をたどつてきたことは言うまでもないことでありますが、大體地域給の審議會の構成なり、今井給與局長の御答辯によりましても、うかがい知れることは、やはり從來の方法というものは、あまり變つていない。そこで問題になるのは地域給の中央審議會におきまして最終的な決定がなされると思うのでありますが、しかしやはりその決定の基礎をなしまするものは、各地方府縣ごとに設けられまする地方調査會がその基礎をなすのであります。一體この地方地域給の調査會の構成をどのように考えておるか、これが第一點。それからそういう構成で今日のようなインフレが非常な早さで高進しておりまする段階において、十分な物價の判定ができるかどうかという問題、第三點はそういうような意味からいたしまして、大體政府といたしましては、そういうインフレの高進に伴う物價の騰貴とにらみ合わせて、この地域給の問題をどういうふうに操作をしていこうと考えておるか。この三點、特にこれは地方の政府職員の——東京でもそうであると思いまするが、非常に重大な關心事でありますので、この際政府のお考えを承つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/31
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032・今井一男
○今井政府委員 地域給が今地方的に非常に大きな問題になつておることは御指摘の通りであります。これを達觀いたしまして、御承知の通り二つの流れがございます。すなわち大都市方面では、もつと地域給というものを幅を擴げ物價の高い所にもつとたくさんの地域給をよこせ、こういう流れがありますと同時に、一方また地方的には、今の幅でも廣過ぎる、もつと狹めろ、地域給をやめてしまえ、こういうまた強い主張もございます。この問題を處理しますのにいつも一番難點になりますことは、統一した双方に納得するという資料のないことであります。結局最後のところが、ややもいたしますれば水掛論に終つてしまう場合が多いのであります、そこでその點の弊害を避けますために、納得でとにかく地域區分をやる。地域區分の幅をきめるといつた意味合から、全官公の組合の諸君に、みずからの手で資料を同じような立場で集めてもらう。それがこの地域給調査會のねらいであります。ただそれをどういう方法がよろしいかにつきましては、中央で兩者が集まつてお互いに意見を交換した上でその方法による。もちろん當初から私どもも理想的な資料の蒐集ができないと思いますが、しかし若干經驗を積みますれば、おそらく双方ともに、まずこの段階においてはがまんしていいくらいの資料の蒐集も、一應期待できるのではないか。そうしてその資料に基いて皆が集まつて議論をしてみて結論を出したいというのでありまして、現實に具體的な生計費物價というものを絶えず調査を進めてまいりますと、結局ただいま御指摘のインフレの促進というような問題につきましても、きわめて有效適切に適時に最も具體的な足が地についた資料が得られるのではなかろうか。從つてこの結果はひとり地域給の問題に限らず、もう一段高い問題にまでも、いい結果をもたらすのではなかろうかと考えており、また期待をしておる次第であります。實は最近岐阜縣におきまして、こういうものにやや近いものができ上りまして、縣廳の幹施によりまして、縣下の全官公廳に相談をいたしまして、一定の資料——この資料の出し方につきましては、まだ非常にまずい點がございますが、とにかく兩者の約束によつて資料を出させまして、その資料を全官公廳の職員が集まつて議論をして、その結果を私どもの方に内申して來ました例もございます。結果そのものは必ずしも合理的でないようにも見受けられる點がございますが、とにかく組合員諸君が納得されているという點に、私は非常な敬意を拂いたいという感じをもつておりますので、これがさらに資料のまとめ方に、いま一歩くふう研究が加えられましたならば、相當の成果を期待できるのではなかろうか、今の全官公廳を中心とする給與委員の中の一番の弱點を、これによつて補うことができやしないか。大きく申しますればそんな期待までかけている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/32
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033・赤松勇
○赤松(勇)委員 ただ私この際お願いしておきたいことは、中央で地方の資料に基いてその審議會が決定いたします際に、どういたしましても先入感といたしまして、あの地方は物價が安いのだ、この地方は物價が高いのだというような、そういう既成概念から決定される場合が多いのであります。と申しまするのは實は前囘もこの地域給の問題で、今井給與局長といろいろ御相談をいたしました際にも、今井さんの手もとに十分な資料がなかつた。ただ關係方面の資料が唯一のものであつたというようなこともあり、殊に現今のような中央と地方、都市と農村、これらがインフレの波によりまして經濟行動がだんだん變化いたしまして、非常な早さで全體の流れが變つてまいりつつあるのでありまするから、既成概念できめるというのでなくて、できる限りの基礎材料を中心として考えていただきたい。なおその他の問題につきましていろいろ質問がありますが、もう時間も十二時になりましたので、私の質問は午後に續行することにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/33
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034・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 ちようど地域給の話が出ましたから、二、三點について今井給與局長に返事を願いたいと思います。現在の地域給の問題を、このまま變更せしめないでやつていかれる意思であるかどうかこれが第一點であります。
第二點は先ほど岐阜縣の話が出ましたが、縣だけの地域給の問題は解決できますが、縣と縣、たとえば愛知縣と岐阜縣との問題は實際はどういうふうな判斷をされてやられるのか。昨年度などにおいては、食糧などの關係で現在ブロツク制がありまして、岐阜縣などは二十七日米があるのに、愛知縣はたつた三日より米の配給がなかつたというような關係がありまして、私たちは殊に岐阜縣と三重縣の間に選擧區をもつておりますので、非常にそういうことが多いのであります。この點につきましてどういう觀點をもつてそういうものに對處されるか、御答辯を願いたいと思います。
もう一つは大都市の附近の小さい部落は、大都市と同じような物價高に押されている。ところが實際は、村であるときと同じように今もそうであるというような、實際の問題があるのですが、こういうような問題についてわれわれの村の人や何かは、今配給になる公定價は大都市でも村でも同じだ。昔のように小學校の先生が内職がてらやつておつたような時代はよかつたけれども、今はもう專屬にやつておる。こういうような時代において中央は非常によいけれども、田舎の方では非常に不公平だ、ということがどこへいつても言われるのであります。そういう點について給與局長はどんなに考えておられるか、この三點について御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/34
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035・今井一男
○今井政府委員 地域給の問題は非常にむつかしい、また手のかかる問題でございますが、私どもが地域給をきめます場合の考え方としては、決して村とか、町とか、市とかいうものにとらわれないという方針は確立いたしております。ただ御指摘の通り物價だけでもまいりません。單なる生活費の絶對額だけでもぐあいよくまいりませんので、ただいま私どもが地域給決定の基本的な態度としては、まずその土地における配給の量、これは主食も副食も兩方こめての話でありますが、配給の量、このマル公はもちろん全國共通であります。それを基礎にして、一般國民の全國を共通する生活水準を抑えて、その水準をどの土地でも得るためにいくらかかる。從つてマル公の配給を受けない部分については、その土地の相場でやみで買わなければなりません。そのやみはやみ價格という表に上つたものは私どもとらないのでありまして、やみ價格の調査ははなはだ信用できかねますので、具體的な現實生計費からそれをつかまえてくる。たとえばそこでやみ値が百五十圓と言われておりましても、實際に調べると、百三十圓、百二十八圓、たまには百五十圓で買う人がある、しかし呼値としては百五十圓、そういうことになつております。それを現實生計費から引張つてまいりまして、そこの土地のほんとうの實行價格的なやみ値はいくらだ、こういつたものを測定いたします。それをもつてマル公の配給の不足分を補充する。そうして全國的な水準の生活をすると假定する。もちろんこの場合に生活内容が全部一式に型にはまつたようなものにはいたしません。すなわち農村地帶では比較的野菜を多く食う、漁村では魚を多く食ベるというような構成にはいたしますが、しかしながら、とにかく生計實質におきましては、バランスのとれたものに引直して考える。また主食の配給につきましても、ただいま御指摘のように、米がたくさん配給になつた場合と、あるいは代替配給が多くなつた場合とでは、それを補充する場合のやみ買の要素の中に調整を加えまして、そこである一定の數字を想定して引出して、全國的な基準とにらみ合わせまして、大體標準家族で、標準的な生計を營もうとすると、その土地では五千圓はかかる、六千圓はかかる、こういつた數字を出しまして、それによつて全國的な立場から地域給を決定いたしたい。さように考えて、實際その線に向つて努力しているのであります。ただ資料その他の關係から、そこまでにいきにくい場合もございます。かつまた組合員諸君の立場から申しますと、大體當初の出發が普通の資料という、ほとんど根據のない客觀できめます關係上、乙地の高さにも、現状から申しますと、全國的にかなりでこぼこがございますので、あの市町よりは自分の方が高いといつたようなところが、結局全國的な物さしからいえば、乙地にはならないが、しかしどこの市よりは高いといつたような事例が次ぎ次ぎ起きまして、これが組合員諸君としてはなかなか納得しにくい問題であります。しかしながらあまりにお隣り合せとの問題を議論してまいりますと、結局地域給の區分は不可能にも相なつてしまうのでありまして、その點組合員の方々にも、たえず御了承をお願いしているところであります。いろいろ組合員諸君の地域給査定に關する方針についての意見もよく聽くのでありますが、結局のところは、ただいま申し上げましたラインが、現在の段階では實行可能な、しかも公平な見方のようにわれわれ判斷しているわけであります。一つの町におきましても、實際よく調ベますと、かなり生計費には差がありまして、東京等におきましても、その地域によりまして、やはり差ができますので、その點は同じ町でも差のできることはあります。しかしまた急に一里離れたらすとんと下がるものでもありませんので、結局最後のところは、やはり私はただいまのような資料の不備の段階では、組合員諸君の納得というところに解決のめやすをおきたいと存じている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/35
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036・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 休憩して、午後一時三十分から再開したいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/36
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037・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 御異議がないようでありますので、休憩いたします。
午後零時十五分休憩
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午後二時十五分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/37
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038・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 會議を開きます。
去る二十四日本委員會に付託せられました、食糧管理特別會計法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず政府の説明を求めます。荒木政務次官。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/38
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039・荒木萬壽夫
○荒木政府委員 ただいま上程いたされました、食糧管理特別會計法の一部を改正する法律案提出の理由を御説明申し上げます。改正の内容は次の三點であります。
第一點は、食糧管理特別會計におきまして、本年度の食糧賣買計畫に基き、これが所要資金を推算いたしますると、供出の最盛期と考えられまする昭和二十四年一月ごろにおきましては、おおよそ六百億圓と豫想せられまして、供出數量の増加、供出期間の短縮及び賣拂代金の囘收までの期間に要する資金等の需要増加を約八十億圓、それに若干の餘裕を見込みますると七百億圓の資金を必要といたしますので、從來四百億圓でありました食糧證券及び一時借入金の限度額を、七百億圓まで引き上げる必要があるのであります。
第二點は、食糧買入代金は從來もつぱら農林中央金庫を通じ、農業會系統によつてこれが支拂を行つてまいつたのでありまするが、今般供出者の利便を考慮いたしまして、農業協同組合系統のほか、任意の市中銀行においてもこれが支拂を受けることができることとし、これに必要な一條を改正案中に織りこんだ次第であります。
第三點は、食糧配給公團の人件費、事務費の同公團に對する交付金と、同公團からの納付金は、從來一般會計から、これを行つておりましたが、その性質に顧みまして、これをこの會計の所屬とする必要があり、これに必要な改正措置を講じた次第であります。
以上の理由によりまして、この法律案を提出した次第であります。何とぞ御審議の上速やかに御贊成あらんことを希望いたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/39
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040・川合彰武
○川合委員 本日はこれにてしばらくの間休憩せられんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/40
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041・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 川合委員より休憩の動議が出ましたが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/41
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042・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 それでは川合委員の動議のごとく、しばらく休憩いたします。
午後二時十九分休憩
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〔休憩後は開會に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X02719480525/42
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