1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十三年三月十九日(金曜日)
午後四時二十七分開議
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議事日程 第二十三号
昭和二十三年三月十九日(金曜日)
午後一時開議
第一 自由討議(前回の続)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/0
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001・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/1
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002・笹口晃
○笹口晃君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、昭和二十二年度一般会計予算補正(第十五号)、昭和二十二年度特別会計予算補正(特第九号)及び昭和二十二年度特別会計予算補正(特第一〇号)の三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/2
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003・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 笹口君の動議に御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/3
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004・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
昭和二十二年度一般会計予算補正(第一五号)、昭和二十二年度特別会計予算補正(特第九号)、昭和二十二年度特別会計予算補正(特第十号)右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。予算委員会理事川島金次君。
[川島金次君登壇]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/4
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005・川島金次
○川島金次君 ただいま議題となりました昭和二十二年度特別会計予算補正(特第九号)、昭和二十二年度一般会計予算補正(第十五号)並びに昭和二十二年度特別会計予算補正(特第一〇号)について、その内容及び委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず特別会計予算補正(特第九号)は、専賣局特別会計ほか二特別会計に関するものでありまして、その内訳は、専賣局特別会計においては、タバコの賣上増進対策としての福引券の発行に必要な事務費並びに電氣製塩業者その他の貸付金計一億三千余万円、これは既定の予算費をもつて賄つております。厚生保險特別会計においては、保險金給付費の増加その他のため一億五千余万円、労働者災害補償保險特別会計においては、保險金支出に要する経費その他のため三億余万円、この二つはいずれも保險料収入の増加によつて賄うことになつております。また福引の賞金等支拂のため國庫債務負担行為として六億三千余万円が要請されております。
次に、一般会計予算補正(第一五号)について申し上げます。この予算は、政府が臨時給與委員会の答申に基いて政府職員の給與水準を平均二千九百二十円に引上げるに伴う経費及び本年度の既定予算の不足を補うため緊急必要な経費に関するものであります。給與水準引上げに伴う経費は、一般会計所属職員、地方警察職員、教員等の分を合して二十三億五千余万円、特別会計所属職員の分を一般会計で賄うため三十一億九千余万円、地方公共團体職員の給與引上げの財源として地方公共團体への貸付二十七億九千余万円、以上合計八十三億四千余万円であります。この給與水準引上げの具体的の措置は、とりあえず二千五百円水準までを支給し、残余の額は職階制、地域差等による支給方法を決定した後まで延ばす予定であるので、年度内に間に合わない場合は翌年度への繰越使用を認められたいとのことであります。
給與改善費の他の経費としましては、超過勤務手当の不足額二億三千余万円、船舶運営会補助の増加十四億三千余万円、警察官増員の費用二億八千余万円、農地改革費四億二千万円などがおもなものでありますが、給與費をも含めて歳出の追加額は百二十一億七千余万円となつております。この財源には、主として既定予算中の不用額をもつて充てておりますが、そのおもなものは、貿易資金繰入れの減少四十七億四千万円、復興金融金庫出資予定の減少四十億円、價格調整費の減少二十億円などであります。
次に、特別会計予算補正(特第一〇号)について申し上げます。これは二十一の特別会計に関するものでありまして、歳出の増加額は、各特別会計を合計して二百九億余万円であります。そのうちおもなものは、給與水準引上げのため三十七億九千余万円、國有鉄道事業運轉資金補足に必要な経費三十億円、食糧証券等公債借換の経費百三十七億余万円などであります。この財源としましては、給與費は大体一般会計よりの繰入によつているほか、公債金収入として鉄道特別会計に三十一億三千万円、通信特別会計に七千余万円が計上されております。
以上が予算の内容でありますが、次に委員会における質疑應答のうちおもなものを報告いたします。
まず、二千九百二十円は妥当な給與水準であるかどうかとの質問に対し、インフレの現状にあつては二千九百二十円水準は必ずしも食つていける十分な給與であるとは思わないが、諸般の情勢上、組合側には一まずこれを受諾してもらうよりほかはない、來年度以降の分はまた新しい情勢に対應して考慮したいとの政府側の答弁でありました。また、この給與水準は臨時給與委員会の答申によつているが、この委員会の構成には國鉄以外の組合は参加していないから民主的なものとは言えないではないかとの質問に対しては、從來のこの種委員会が一方的に政府側によつてつくられたのに比しては十分に民主的であるとの答弁でありました。また、この新給與の支給はこの給與体系をのむことを条件とするのではないかとの質問に対しては、政府側としては絶対にそのような意思はない、ただ一刻も早く組合側にこの給與水準を認めてもらつて、爭議態勢を解いてもらうことが必要であるとの答弁でありました。
最後に、前内閣の公約した六・三制ならびに水害地復旧の経費が全然計上してないのはどうしたのかとの質問に対しては、これらは極力計上するように努力したが、財源並びに時期その他の理由により次の予算に譲ることにしたとの答弁がありました。
次に討論に入り、民主自由党を代表して磯崎貞序君より、二千九百二十円の支給の政府側の基礎が明瞭を欠いているので、政府は責任をもつて善処を要望する、なお残額四百二十円を支給するに際しては、愼重審議を要するため法案を同時に提出すべきことを求めて本案に賛成。また日本社会党を代表して稻村順三君より、二千九百二十円については、内容複雑なるため愼重なる態度をもつて善処すべきこと、また支給に際しては、一部官僚がこれを爭議対策に利用することがあつてはならない、また今後支給さるべき四百二十円については職階制の改革に充てるとのことであるが、そうなると二千五百円だけが生活給のごとき印象を受けるので、今後の支給については十分この点考慮するようにとの希望あり、本案に賛成。民主党を代表して長野重右ェ門君より、本案審議の際における政府側の答弁の効果をあげるようにとの希望があつて賛意を表し、また民主自由党、社会党、民主党の代表よりそれぞれ、水害地復旧費、六・三制経費が本予算に計上されていないのは遺憾であるが、これはぜひ次の予算に組み入れるべきであると条件をつけ、討論を終り、採決の結果、全員一致をもつてこの三予算を可決いたしました。
なお続いて大蔵大臣より発言あり、六・三制と水害地復旧の経費はできるだけ早く予算に計上して御趣旨に副いたい旨述べられて、委員会を終わりました。
以上、簡単に報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/5
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006・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 三案を一括して採決いたします。三案の委員長報告はいずれも可決であります。三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/6
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007・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて三案は委員長報告の可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/7
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008・笹口晃
○笹口晃君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、政府職員の俸給等に関する法律案及び政府委員の俸給等の支給に関する措置等に伴う大藏省預金部外三特別会計に対する一般会計の繰入金に関する法律案の両案を一括して議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/8
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009・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 笹口君の動議に御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/9
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010・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
政府職員の俸給等に関する法律案、政府職員の俸給等の支給に関する措置等に伴う大藏省預金部外三特別会計に対する一般会計の繰入金に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。財界及び金融委員会理事梅林時雄君。
〔梅林時雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/10
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011・梅林時雄
○梅林時雄君 ただいま議題となりました三案について、財政及び金融委員会における審議の経過並びに結果を概略御報告申し上げます。
まず政府職員の俸給等に関する法律案について、の趣旨及び法律案の概要を御説明申し上げます。
政府は昨年末、全逓その他官公職員労働組合の爭議にに関する中央労働委員会の調停案を受諾したのでありますが、この調停案に基き新給與案を審議するため設置せられた臨時給與委員会は、本年一月二十七日以降約四旬余にわたり愼重審議を重ねた結果、去る二月二十日第一報告書を、三月六日には第二報告書をそれぞれ政府に提出するに至つたのであります。この委員会の構成、運営の面から見て、その到達した結論が、ともかく現状において望み得られる限りの客観的資料を使用して周到た検討を加えた結果作成されたものでありますので、この報告書の内容は現在としては最も構成妥当なものであり、從つてこれに從うことが政府議員の給與問題を最も民主的に処理することとなると考えるのであります。右の見地に立ち、政府としては右の報告書に基く新給與案の実施が、その内容から見て今日の國家財政にとりますことに重大な負担であるにもかかわらず、政府委員の現行給與水準が特に低きに失し、その生活が極度の窮地に陥つておる事実を率直に認め、新給與案を実施するため、これに必要な予算とともにこの法律案を提出せられた次第であります。
この法律案の内容を簡単に申し上げますと、まず本則において、内閣総理大臣、最高裁判所長官、日本國憲法第七条の規定による認証官等を除いた職員に対し、臨時給與委員会の第一報告書及び第二報告書に基いて、新給與水準すなわち二千九百二十円水準による俸給等を本年一月にさかのぼつて支給することとし、右の俸給等の額及びその支給に関する事項は別に法律でこれを定めることとしてあります。なお内閣総理大臣等この法律の適用を受けない者の俸給等についても、別に法律でこれを定めることとしております。
しかしながら、これが実施には諸般の情勢からしてなお若干の時日を必要とするのでありますが、他面政府職員の生活の実情を思いますとき、新給與案の実施に至るまでの間のつなぎとして、新給與水準の一部の内拂いを必要とする事態に当面している次第であります。從つて、この法律案の附則いおいて、右の二千九百二十円のうち二千五百円程度を暫定給與とし、本年一月に遡及して内拂いすることとし、その暫定給與の種類、支給方法等を規定いたした次第であります。
今その要点をかいつまんで申し上げますと、次の通りであります。
一、暫定給與の種類は、暫定俸給、暫定扶養手当及び暫定勤務地手当の三つといたします。
二、暫定給與の額は、現俸給または給料、暫定加給及び暫定加給臨時増給の会計額にそれぞれ所定の勤務時間数に應じて十五割ないし十七割を乘じて算出した額であります。なお、暫定俸給では同様に月給制とする。
三、暫定扶養手当は從來の臨時家族手当に相当するもので、從前の百五十円を二百二十五円に増額する。
四、暫定勤務地手当は從來の臨時勤務地手当のことで、これについては新たに地区区分調査委員会を設置し、この委員会において民主的かつ合理的解決をはかることにしてありますので、それまでは從前の例を施行することにいたしました。
五、議員が法令または本属上司の承認なく執務しない場合においては、その執務しない期間の暫定加給を減額すること。
六、最後に、本年一月一日以降すでに支給された從前の規定による給與は、この法律による暫定給與の内拂いとみなすこととし、両者の差額を本年一月にさかのぼつて追給することといたしました。
次に、これを実施するに必要な予算は一月ないし三月分で、一般会計所属議員の分二十三億五千四百余万円、特別会計所属議員の分三十七億九千四百余万円、合計六十一億四千九百余万円であり、右の金額は昭和二十二年度一般会計予算補正(第一五号)及び特別会計予算補正(特第一〇号)に計上いたしてあります。
次に繰入金に関する法律案についてでありますが、政府は政府職員の給與水準を引下げるとともに、給與体系の整備をはかることといたし、ただいま御説明いたしました法律案を提出いたしたのでありますが、大藏省預金部特別会計、國鉄道事業特別会計、通信事業特別会計並びに簡易生命保險及び郵便年金特別会計の保險勘定及び年金勘定においては、その収入の状況に顧み、今回の措置に要する経費等の財源は、これを一般会計からこれらの会計に繰入れる必要があり、必要の金額をそれぞれ繰入れることといたしたのであります。
以上の二案は、去る十八日本委員会に付託されたものでありまして、本日大藏大臣より提案理由の説明を聽収した後、ただちに審議いたしまして、政府委員と委員議君との間に熱心なる質疑應答が交わされましたが、詳しくは会議録に譲りたいと思います。
かくて、ほとんど論議も盡されましたので、討論を省略し採決いたしましたところ、両案とも全会一致をもつて原案通り可決せられたのであります。簡單ながら御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/11
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012・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/12
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013・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/13
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014・笹口晃
○笹口晃君 自由討議はこれを延期し、本日はこれにて散会せられんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/14
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015・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 笹口君の動議に御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/15
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016・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
明二十日は定刻より本会議を開きます。本日はこれにて散会いたします。
午後四時四十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X02619480319/16
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