1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十三年七月四日(日曜日)
午後七時五十二分開会
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本日の会議に付した事件
○國民の祝日に関する法律案(衆議院
提出)
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001・山本勇造
○委員長(山本勇造君) これから委員会を開会いたします。國民の祝日に関する法律案が先程衆議院で可決されました。本院に送付されまして、直ちに本委員会に審査のために付託された次第でございます。國民の祝日に関する法律案を議題といたします。申すまでもなく本件につきましては、衆議院の文化委員会と合同の形を採りまして作成いたしておるものでございまするから、提案理由の説明聽取は省略いたしても、御異議がないものと存じますが、如何でございましようか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/1
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002・山本勇造
○委員長(山本勇造君) 何か御発言はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/2
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003・大隈信幸
○大隈信幸君 質疑を省略いたしまして、直ちに討論にお入りになるとの動議を出します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/3
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004・山本勇造
○委員長(山本勇造君) では討論に入ることに、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/4
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005・山本勇造
○委員長(山本勇造君) 御異議ないものと認めます。本法律案につきまして意見のあるお方々は、それぞれ賛否を明らかにしてお述べになつて頂きたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/5
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006・團伊能
○團伊能君 只今委員長から御説明を承わりましたように、この法案は衆議院と参議院、両方の委員会におきまして起草に関し合同打合会を作りまして、協議いたして参りましたところでございまするが、この法案の最初に当りまして、参議院はこれを「國民の日」という名称を附けることに、委員会の意見は一致しておりました。この度衆議院においてはこれを「國民の祝日」という名に改めて参りました。勿論「國民の日」及び「國民の祝日」の間には、考えようによりまして同一とも考えられますもので、ここにこの修正をいたす必要はないかと存じますが、ただそのことによりまして相当内容も異にして参るところがあり、殊に第一條におきましては「國民の祝日」ということになりますと、ここに「國民こぞつて祝い、」という言葉がございますのは、祝日という言葉を重複いたすような感じがございまして、文章といたしまして如何かとも存じますが、その意味で遺憾の意を表しますが、この問題につきましては、とにかく衆議院も通過いたしておることでございますから、賛成いたして置く次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/6
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007・三島通陽
○三島通陽君 只今の團委員の御発言に対しては、賛成する者であります。尚本案全体につきまして、私も賛成をする者でございます。もうこの案につきましては、我々が長い間ここで審議に審議を重ねたのでありまして、もう言うべき何ものもございません。全員賛成でございますが、甚だ蛇足を添えるようでありますが、「こどもの日」についてもう一言言わせて頂きたいと思います。この「こどもの日」は決して二、三の者が発議したのではなくて、この参議院の文化委員会全体の空氣、雰囲氣というものが、これを非常に盛り上る力でここに入れることができたのであると私は信じます。で「こどもの日」と申しますと、とかくただ、今までの日本の行事にありました子供の日というようなものを連想するのでありますが、私共の著想といたしましては、そういつた單なる家庭的なものという以上に、もつと社会運動として、子供の人格を認めて、子供のために、子供を本位にした、子供を祝う日にしたいということでありますので、これを最後にもう一言はつきりいたして置きたいと思うのであります。子供を正客にした「子供のための日」、こういうような日は恐らく世界のこういう祝祭日にも余りないのではないかと思います。併し我が國でこういうことを卒先してやつたということも、文化國家日本としては非常に私は意義のあることだと考えております。こういうような意味から、皆さんがこの「こどもの日」につきましては初めから御熱心で、ここに入りまして、而も日本のカスタムに関係のある五月五日、初めは五月三日という我々は予定であつたが、衆議院との関係でこれが五日になりましたけれども、又憲法記念日との関係で五日になりましたけれども、丁度たまたま五日にカスタムである。カスタムであることが、これが將來この「こどもの日」が伸びて行く一つの緑になると思います。で、今までのようなものでなく、もつと廣い意味での子供の大運動であるということを最後に申し上げておきたいと思うのでございまして、その運動というようなものは、これから國民の又盛り上る力、殊に子供のことを心配される各種團体の人達が寄つてたかつて、この日をいよいよ子供のために、又將來ある日本の人物を作るために役立つように、盛り上つて來る力のあることを信じまして、ここに最後の言葉をくどいようでございますが、申し上げて本案全体を賛成する者であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/7
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008・來馬琢道
○來馬琢道君 祝日という文字につきまして、私は先般來参議院において、國民の日という名を附けられた参議院の委員諸君の慧眼に敬服しておりましたのですが、今回衆議院の方から祝日という文字が定まつて参りまして、今更これを修正することも相当困難なことかと存じますし、我々はこれに賛意を表しなければならんようなことになつたと思うのでありますが、ここで一應我々の考え方を改めて置く必要があると思います。我々は今日まで祝祭日という言葉を使つておりましたが、日本における祝という字は、過去のことを祝うという意味もあり、又將來のことを祝るという意味もあります。祭の字も本來言いますれば、祖先の法事をする、追弔をするという言葉が祭であるにも拘わらず、一般の國民はお祭りということは、何か賑やかなことをするということになつております。よつて祝祭日というこの三つの文字の中には、我々が何か言わんとするところ、なさんとするところを物語つておるようにも考えられます。祭日と言つても、何だか物足らず、吉日と言つても物足らず、遂に國民の日という言葉に落着かんとしたのでありますが、祝祭日ということがくど過ぎるようなことになれば、先ず只今は祝日という文字も古人を追弔する言葉にもなり、又前途を祈る言葉にもなると思いますから、この点について、我々は一般國民に向つて、祝という文字の意義を取違えないようにするということ、即ち祝祭日ということの略語として、祝日を用いるというように解釈して本案に賛成するという意義を明らかにして置きたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/8
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009・松野喜内
○松野喜内君 文化國家を建設しようとする今日におきまして、この新たに國民の祝日の制定されたことは本懐に思いますが、殊にここに希望して止まないのは、なかんずく日本國民が自然科学的に精進せねばならない、しておる、しつつある、せねばならんということの自覚と、又それを祝福する日をあらしめるように全面的に進めたいことを祈りつつ、本法案に賛成する者であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/9
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010・久松定武
○久松定武君 私はかねがね今度の祝日につきましては、國民の祝う日であり、その結果世論にはいろいろと又問題もありまするけれども、中には建國祭、或いは紀元節がないということが非常に寂しい、自分の生れた國であるこの祖國を祝うという日がないのは寂しいというような考えを持つておられる方が多数ありますけれども、それも一理でありまするが、我が國は新憲法によりまして、生れ変つた日本となつたのでありまして、この記念すべき憲法記念日に國の成長を期する、ここに書きましたことは、國としては非常なる有意義なことだと存ずるのでありまして、この点私は賛意を表する者であります。一言申し上げて置きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/10
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011・大隈信幸
○大隈信幸君 私はこの案につきまして、内容については全面的に賛成でございます。但し先程二、三の委員がおつしやいましたように、題目の祝日という言葉につきましては、先に参議院におきまして考えました國民の日という方が遥かに適切であると思うのでありますが、すでに今日の段階に至りましては、敢てこれを修正いたそうとは存じません。尚國民の祝日は委員長の御報告にもございましたように、國民が挙つてこの意味に徹底して、その意味を活かして行くという所にあるわけでございまして、これに関係いたしまして、この國民の祝日がたまたま將來日曜といつたようなものと重なつてしまつたような場合に、從來でございますと、日曜というのは單に休んでただ何となく遊んで一日の暮してしまうというように習慣付けられておりましたが、今日日曜と祝日が重なつた場合には同じような氣持で行くことを私は非常に恐れるのでありまして、この日曜というものは官廳の休日と申します方面において將來決められると思つておりますから、その際に十分國民の祝日という意味が発揮できますように、日曜とこの國民の祝日というもののかち合うことについて十分考慮して頂きたい、こういう希望を一言述べさして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/11
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012・三木治朗
○三木治朗君 本法案は私共多くの日子を費しまして、研究に研究を重ねた結果生れたものでありまするが、衆議院との関係もありまして、必ずしも十分滿足というわけには参らないのでありまするが、一面この問題は國民全体の多大の関心を持つておることでありますので、この國民全体にこの祝日の趣旨をよく徹底するような努力を伴わないと、或いは國民の間に不安を受けるのじやないかということを考えますので、この法案の趣旨徹底のために最善の方途を講じられたいことを希望いたしまして、本案に賛成する者であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/12
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013・岩本月洲
○岩本月洲君 私はこの法案に滿腔の賛意を表するものであります。殊に「成人の日」と「こどもの日」という嶄新な日が設けられましたことは、特に本委員会が非常に苦労をして得ました新らしい日柄でありまして、この日が新らしい國を、いわゆる平和文化の國を建設して行く基である。子供と青年に期待を掛けておるという意味において、この日が日本の將來に対する非常な意味を持つということを特に申述べまして、賛成の意を表します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/13
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014・山本勇造
○委員長(山本勇造君) 外に御発言はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/14
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015・三木治朗
○三木治朗君 討論を終結して採決に入らんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/15
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016・山本勇造
○委員長(山本勇造君) 御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/16
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017・山本勇造
○委員長(山本勇造君) それではこれから採決に移ります。國民の祝日に関する法律案全部を議題に供します。原案通り可決することに賛成の方は御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/17
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018・山本勇造
○委員長(山本勇造君) 全会一致でございます。よつて本法案は原案通り全会一致を以て可決すべきものと決定をいたしました。(拍手)尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條により、予め多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において、本件の内容、本委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、御承認を願いますことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/18
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019・山本勇造
○委員長(山本勇造君) 御異議ないものと認めます。それから本院規則第七十條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつておりますので、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。
〔多数意見者署名〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/19
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020・山本勇造
○委員長(山本勇造君) 只今のように、國民の祝日に関する法案は、昨年の十二月以來半年以上の長い間掛かつておりますが、長い間であるだけ樣々なことがあつたと思いまするが、併し新らしい憲法の下で新らしい國民の日が定まつたと申しますことは、誠に喜ばしいことだと存じます。これは全く両理事並びに委員諸君の御熱心な御努力によるものと深く感謝をいたしておる次第でございます。尚又岩村專門調査員を初めとしまして、專門調査室の人々の努力にも深く感謝をいたしております。それから法制部、委員部等の諸君にも非常に力を盡して頂いております。このことも感謝の意を表すると共に明らかにして置きたいと存じますので、附加えて置きます。それではこれにて散会いたします。
午後八時十四分散会
出席者は左の通り。
委員長 山本 勇造君
理事
久松 定武君
委員
三木 治朗君
若木 勝藏君
團 伊能君
徳川 頼貞君
松野 喜内君
大隈 信幸君
岩本 月洲君
來馬 琢道君
高田 寛君
三島 通陽君
三好 始君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100215069X01019480704/20
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