1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十四年五月二十日(金曜日)
午前十時二十七分開議
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議事日程 第二十九号
昭和二十四年五月二十日
午前十時開議
第一 農業協同組合等による産業組合の資産の承継等に関する法律案(楠見義男君外十八名発議)(委員会審査省略要求事件)
第二 食料品配給公團法の一部を改正する等の法律案(藤野繁雄君外十八名発議)(委員会審査省略要求事件)
第三 日本國有鉄道法施行法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第四 通訳案内業法案(内閣提出)(委員長報告)
第五 船舶運営会の船員の給與基準の設定及び船舶運営会の役職員に対する特別手当の支給に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第六 國家公務員のための國設宿舎に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第七 公認会計士法の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)
第八 たばこ專賣法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第九 塩專賣法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一〇 しよう脳專賣法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一一 復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一二 貸金業等の取締に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一三 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関出張所、税関支署出張所及び税関支署監視署の増設に関し承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一四 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一五 社会教育法案(内閣提出)(委員長報告)
第一六 古物営業取締法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一七 道路交通取締法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一八 船員保險法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一九 昭和二十二年度國有財産増減及び現在額総計算書(委員長報告)
第二〇 昭和二十二年度國有財産無償貸付状況総計算書(委員長報告)
第二一 教育映画の暗幕配給に関する請願(委員長報告)
第二二 坑木危機打開に関する請願(委員長報告)
第二三 北海道内化学肥料製造用の電力対策等に関する請願(委員長報告)
第二四 日和田、平両変電所間に送電線新設の請願(委員長報告)
第二五 築上火力発電所建設再開に関する請願(委員長報告)
第二六 猪苗代、十和田間に送電幹線新設の請願(委員長報告)
第二七 岩手縣に電氣計器調整所及び電氣試験所設置の請願(委員長報告)
第二八 坑木生産供出あい路打開に関する請願(委員長報告)
第二九 小清水村に水力発電所築設の請願(委員長報告)
第三〇 中小企業廳の拡充強化に関する請願(委員長報告)
第三一 水害地衣料切符加配点数の現物化等に関する請願(委員長報告)
第三二 労需用纎維品配給に関する請願(委員長報告)
第三三 中國地方電力増強五箇年計画案実施に関する請願(委員長報告)
第三四 鶴岡纎維製品檢査所川俣支所の本所昇格及び小高支所設置の請願(委員長報告)
第三五 岡山縣の電力増強対策に関する請願(委員長報告)
第三六 猪苗代、八戸及び日和田、平の各変電所間に送電線新設の請願(委員長報告)
第三七 北海道の石灰ちつ素工業用電力対策に関する請願(委員長報告)
第三八 衣料品卸賣業者登録申請に関する請願(委員長報告)
第三九 商工省工業技術廳の拡充整備に関する請願 (委員長報告)
第四〇 理容師にクロース、タオル及び手術衣増配に関する請願(委員長報告)
第四一 関西配電会社淡路送電第三号線架設に関する請願(委員長報告)
第四二 水産業協同組合法等改正に関する請願(委員長報告)
第四三 水産業協同組合全國連合会結成等に関する請願(委員長報告)
第四四 水産業協同組合法中一部改正に関する請願(委員長報告)
第四五 北海道尾札部村木直に船入ま築設の請願(委員長報告)
第四六 阿仁合、角館両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
第四七 美幌、斜里両町間に國営バス運輸開始の請願(二件)(委員長報告)
第四八 御影、辺富内両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
第四九 三重町、日向長井両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
第五〇 直江津、六日町両駅間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
第五一 山川、枕崎両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
第五二 羽幌、朱鞠内間及び羽幌、遠別間に鉄道敷設促進の請願(委員長報告)
第五三 根北線全通促進に関する請願(委員長報告)
第五四 奧津、櫻井両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
第五五 磐城西郷信号所を駅に昇格の請願(委員長報告)
第五六 中村、新地両駅間に駒嶺駅設置の請願(委員長報告)
第五七 貝田信号所を駅に昇格の請願(委員長報告)
第五八 堂島停留所に客車停車数増加の請願(委員長報告)
第五九 大越駅名の呼称訂正に関する請願(委員長報告)
第六〇 会津若松、山都両駅間の鉄道敷設変更反対に関する請願(委員長報告)
第六一 舞木駅名の呼称訂正に関すする請願(委員長報告)
第六二 仙台鉄道局福島管理部移轉に関する請願(委員長報告)
第六三 湊町、東京両駅間に直通列車運輸開始の請願(委員長報告)
第六四 郡山、白石両駅間鉄道電化促進に関する請願(二件)(委員長報告)
第六五 道路運送監理事務所の地方移讓反対に関する請願(六十六件)(委員長報告)
第六六 小野田港、小野田両駅間鉄道電化促進に関する請願(委員長報告)
第六七 肥薩線人吉、渡両駅間に西人吉駅設置の請願(委員長報告)
第六八 出石鉄道復活に関する請願(委員長報告)
第六九 秋葉原駅名の呼称訂正に関する請願(委員長報告)
第七〇 荒海、滝の原間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
第七一 岐阜、名古屋両市を中心とする省線の電化に関する請願(委員長報告)
第七二 常磐線電化促進に関する請願(委員長報告)
第七三 浜松、米原両駅間鉄道電化促進に関する請願(委員長報告)
第七四 中土、小滝両駅間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
第七五 長鳥信号場を旅客駅に昇格の請願(委員長報告)
第七六 三陸沿岸鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
第七七 廣島鉄道局廣島工機部廣分工場存置に関する請願(委員長報告)
第七八 門司鉄道局小倉工機部熊本分工場存置に関する請願(委員長報告)
第七九 秋田、上野両駅間に直通急行列車増発の請願(委員長報告)
第八〇 樣似、廣尾両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
第八一 郡山市に測候所設置の請願(委員長報告)
第八二 塩釜港修築に関する請願(委員長報告)
第八三 汽船龍頭山丸移動促進に関する請願(委員長報告)
第八四 機帆船用玄海航路標識拡充に関する請願(委員長報告)
第八五 羽幌港船入ま修築等に関する請願(委員長報告)
第八六 伊萬里港修築に関する請願(委員長報告)
第六七 台ケ鼻燈台設置に関する請願(委員長報告)
第八八 函館港ふ頭修築工事促進に関する請願(委員長報告)
第八九 運輸省の枕木購入方法に関する請願(委員長報告)
第九〇 機帆船海運政策に関する請願(委員長報告)
第九一 長崎縣壱岐郡田河町名嶋に避難港設置の請願(委員長報告)
第九二 長崎縣壱岐郡田河町滝ノ上に燈台設置の請願(委員長報告)
第九三 高知縣の海上輸送に燃料増配の請願(委員長報告)
第九四 山形測候所存置に関する請願(二件)(委員長報告)
第九五 二俣、佐久間両駅間に鉄道敷設促進の請願(委員長報告)
第九六 掛川町、御前崎間に國営自動車運輸開始促進の請願(委員長報告)
第九七 地方税財政制度の拡充強化に関する請願(委員長報告)
第九八 地方税財政制度改正に関する請願(委員長報告)
第九九 地方財政確立に関する請願(委員長報告)
第一〇〇 横浜市債認可に関する請願(委員長報告)
第一〇一 地方財政の義務負担に関する請願(委員長報告)
第一〇二 地方配付税増額に関する請願(委員長報告)
第一〇三 都市計画土地区画整理による公共既使用地の地租減免の請願(委員長報告)
第一〇四 地方税財政制度改善に関する請願(委員長報告)
第一〇五 自治体警察処理手数料の交付に関する請願(委員長報告)
第一〇六 地方配付税額減額及び地方起債停止反対に関する請願(二件)(委員長報告)
第一〇七 戸籍、寄留事務に関し地方財政法第十一條第二項中一部改正の請願(委員長報告)
第一〇八 戸籍事務費全額國庫補助に関する請願(委員長報告)
第一〇九 健康保險組合に対する國庫補助増額の請願(二件)(委員長報告)
第一一〇 労務者住宅建設に厚生年金保險債立金運用の請願(委員長報告)
第一一一 厚生年金積立金運用再開に関する請願(委員長報告)
第一一二 山形市に國立結核療養所設置の請願(委員長報告)
第一一三 山形縣赤湯町の厚生施設設置費國庫補助に関する請願(委員長報告)
第一一四 國営医療機関勤務看護婦の勤務改善に関する請願(委員長報告)
第一一五 戰爭犠牲者に対する災害補償の請願(委員長報告)
第一一六 戰爭犠牲者遺族保護対策強化に関する請願(五件)(委員長報告)
第一一七 保育施設増設等に関する請願(委員長報告)
第一一八 乳兒院、託兒所増設等に関する請願(委員長報告)
第一一九 民生委員法改正等に関する請願(委員長報告)
第一二〇 象等の輸入に関する請願(委員長報告)
第一二一 傷い者福祉法制定に関する請願(委員長報告)
第一二二 社会事業基本法制定に関する請願(委員長報告)
第一二三 簡易生命保險及び郵便年金積立金運用再開に関する請願(十三件)(委員長報告)
第一二四 福島縣耶摩郡檜原村字劍ケ峯に特定郵便局設置の請願(委員長報告)
第一二五 福島縣瀧根町菅谷に無集配特設郵便局設置の請願(委員長報告)
第一二六 佐賀電話局の電話交換方式変更及び局舎建設に関する請願(委員長報告)
第一二七 奈良縣天川村川合無集配特定郵便局を集配局とするの請願(委員長報告)
第一二八 福島縣関柴村に特定郵便局設置の請願(委員長報告)
第一二九 鹿兒島縣日当山村日当山郵便局を集配局とするの請願(委員長報告)
第一三〇 岩手縣田原村に郵便局設置の請願(委員長報告)
第一三一 練馬郵便局舎新築及び電話交換方式変更に関する請願(委員長報告)
第一三二 板橋区内一部の電話加入区域変更に関する請願(委員長報告)
第一三三 北上川改修工事促進に関する請願(委員長報告)
第一三四 安倍川砂防工事に関する請願(委員長報告)
第一三五 表生駒山系砂防工事促進に関する請願(委員長報告)
第一三六 肱川治水工事促進に関する請願(委員長報告)
第一三七 神奈川縣下の砂防工事促進に関する請願(委員長報告)
第一三八 天龍川西岸堤防改修工事促進に関する請願(委員長報告)
第一三九 番匠川改修工事に関する請願(委員長報告)
第一四〇 大分川直轄改修工事継続施行に関する請願(委員長報告)
第一四一 信濃川水系砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
第一四二 長野縣共和村地内茶臼山砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
第一四三 縣道中津名古屋線中一部路線変更等に関する請願(委員長報告)
第一四四 道路整備改善に関する請願(委員長報告)
第一四五 延岡、熊本両市間縣道中高千穗峽に架橋の請願(委員長報告)
第一四六 長野縣豊井村上今井に架橋の請願(委員長報告)
第一四七 川内市復興事業促進に関する請願(委員長報告)
第一四八 中小企業廳機構拡充強化に関する陳情(委員長報告)
第一四九 北海道の電力供給源開発等に関する陳情(委員長報告)
第一五〇 電力行政機構強化に関する陳情(委員長報告)
第一五一 関西配電会社淡路送電第三号架設に関する陳情(委員長報告)
第一五二 中小企業振興対策に関する陳情(委員長報告)
第一五三 山川、枕崎両駅間に鉄道敷設の陳情(委員長報告)
第一五四 郡山、白石両駅間鉄道電化促進に関する陳情(委員長報告)
第一五五 吉松、人吉両駅間電化促進及び路線変更に関する陳情(委員長報告)
第一五六 道路運送監理事務所の地方移讓反対に関する陳情(六件)(委員長報告)
第一五七 長崎、東京両駅間準急列車を急行列車に切替の陳情(委員長報告)
第一五八 東海道線完全電化に関する陳情(委員長報告)
第一五九 日田市、守実間に鉄道敷設の陳情(委員長報告)
第一六〇 甲府、塩尻両駅間及び塩尻、長崎両駅間鉄道電化促進に関する陳情(委員長報告)
第一六一 中土、小滝両駅間鉄道敷設促進に関する陳情(二件)(委員長報告)
第一六二 富山駅拡張改築に関する陳情(委員長報告)
第一六三 川東、谷田川両駅間に停車場設置の陳情(委員長報告)
第一六四 八幡浜駅、八幡浜港間に臨港鉄道敷設の陳情(委員長報告)
第一六五 敦賀測候所存置に関する陳情(二件)(委員長報告)
第一六六 八幡浜港修築工事継続施行に関する陳情(委員長報告)
第一六七 小松島湾接続地帶の補強工事等促進に関する陳情(委員長報告)
第一六八 地方税財政制度改正に関する陳情(委員長報告)
第一六九 地方税財政制度の根本的改革に関する陳情(委員長報告)
第一七〇 國税徴收に関し町村負担事務経費全額國庫補助の陳情(委員長報告)
第一七一 國庫負担金、補助金の交付に関する陳情(委員長報告)
第一七二 地方配付税額減額及び地方起債停止反対に関する陳情(二件)(委員長報告)
第一七三 中央出先機関の地方移讓に伴う地方財政の健全化の陳情(委員長報告)
第一七四 保健所経費國庫補助増額に関する陳情(委員長報告)
第一七五 地方配付税増額に関する陳情(委員長報告)
第一七六 戸籍事務費全額國庫補助に関する陳情(八件)(委員長報告)
第一七七 五大都市に当せん金附証票発賣権附與の陳情(委員長報告)
第一七八 府縣に対する國庫支出金等の算定適正に関する陳情(委員長報告)
第一七九 地方財政法等改正に関する陳情(委員長報告)
第一八〇 遺族救済諸対策に関する陳情(委員長報告)
第一八一 消費生活協同組合の住宅事業経営に関する陳情(委員長報告)
第一八二 簡易生命保險及び郵便年金積立金運用再開に関する陳情(五件)(委員長報告)
第一八三 枕崎郵便局無線分室敷地等拂下げに関する陳情(委員長報告)
第一八四 十津川の河水統制事業に関する陳情(委員長報告)
第一八五 京都府阪鶴道路線中肥後、桝谷両橋架設に関する陳情(委員長報告)
第一八六 住宅建設促進に関する陳情(委員長報告)
第一八七 都市の不燃化に関する陳情(委員長報告)
第一八八 奧会津開発促進に関する陳情(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/0
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001・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/1
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002・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。
この際お諮りいたします。鈴木憲一君より在外同胞引揚問題に関する特別委員を辞任いたしたき旨の申出がございました。許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/2
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003・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/3
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004・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 日程第一、農業協同組合等による産業組合の資産の承継等に関する法律案(楠見義男君外十八名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題といたします。本案は発議者楠見義男君外十八名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会の審査を省略し、直ちに本案の審議に入るとこに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/4
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005・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。石川準吉君。
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〔石川準吉君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/5
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006・石川準吉
○石川準吉君 只今議題となりましたところの農業協同組合等による産業組合の資産等の承継に関する法律案につきまして、その提案の趣旨を御説明申上げたいと思います。
この法律案の要旨は大体次の二点にあるものであります。
先ずその第一の点は、御承知のように昨年消費生活協同組合法が制定せられましたのでありますが、この法律によりますと、現存の産業組合又は産業組合連合会は、法律施行の日から二ケ年後即ち昭和二十五年九月三十日以後におきまして法律上当然に解散することになつておるのであります。從いまして現存の産業組合は、この期間内に或いは農業協同組合に移行し、又は消費生活協同組合と同種の事業を行うものは同樣この期間内に消費生活協同組合となることができるでありますし、現存産業組合で信用事業を行うものは市街地信用組合となることができることになつておるのであります。でありますからして、いずれ現存の産業組合はそれぞれの他の法律に基くところの協同組織体に移行するものと考えるのであります。而うして政府の調査によりますというと、現存の産業組合二千百九十のうち、農業協同組合に移行するものと考えられるのは百四十四であります。又消費生活協同組合に移行するものは千三百二、市街地信用組合に移行するものは二百三十六、又、産業組合連合会におきましては、六十七のうち農業協同組合連合会に移行するものは約二十七、消費生活協同組合連合会に移行するものは約三十余と予想されておるのであります。併しながら他の法律に基くところの協同組織体は、解散したこれらの産業組合の資産の承継につきましては、解散後でなければ財産の讓渡を要求することができないことになつておるのであります。併しこれでは産業組合の解散に伴うその資産の処分に非常な支障がありますので、産業組合又は産業組合連合会が解散前におきましても、他の法律に基く協同組織体はその産業組合及び産業組合連合会に対しまして、その資産の讓受に関し協議を求めることができるようにいたしたいと考えておるのであります。尚且つその処分の方法を明確にしたいというのが一つの趣旨であります。
第二の点は、法律の規定によりまして現存の組織体が解散されるのでありますが、代つてできた新らしい組織体が設けられた場合におきましても、その新らしい組織体は、たとえ名称などは変りましても、これを組織するところの構成員は全く同一人であります場合におきましては、新らしくできたところのこの組織体を育成する上におきましても、その資産の承継に当りまして課移をするということは甚だ不適当と考えられます。殆んど同一体のものがただ名称が変るだけでありまして、そこに財産の移轉におきまして課税するということは甚だ不適当だと考えるのでありますが、これは先に農業会が解散いたしまして、農業協同組合となつた場合におきまして、これを全く同じ措置が採られておるのでありますが、そのときの措置に倣いまして、今回におきましても有價証券移轉税、それから地方税を免除することといたしまして、且つ又登録税を軽減しようというのであります。これが第二点の趣旨であります。
以上は本法案の提出の趣旨及び内容の大要でありますが、その必要性に鑑みまして各派共同提案を以てここに提出いたした次第であります。何とぞ満場の御賛成をお願い申上げたいと思います。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/6
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007・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/7
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008・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/8
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009・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 日程第二、食料品配給公團法の一部を改正する等の法律案(藤野繁雄君外十八名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題といたします。本案は発議者藤野繁雄君外十八名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会の審査を省略し、直ちに本案の審議に入ることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/9
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010・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。藤野繁雄君。
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〔藤野繁雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/10
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011・藤野繁雄
○藤野繁雄君 只今議題となりました食料品配給公團法の一部を改正する等の法律案につきまして、提案者を代表して提案の趣旨を御説明申上げます。
本法律案の要旨は大体次の三点にあるのであります。
第一の点は、現存の農林関係配給公團即ち肥料配給公團、食糧配給公團、食料品配給公團、油糧配給公團及び飼料配給公團の五公團の存続期限を來年四月一日まで延期せんとするものであります。第二の点は、各公團は現行法によりますれば、その運轉資金を必要があるときは復興金融金庫から借入れることになつておるのでありますが、復興金融金庫の現状から見まして、これをひとり復興金融金庫に限定することは不適当でありますので、この制限を除かんとするものであります。第三の点は、現行法では油糧配給公團の基本金は一千万円でありますが、油糧の生産及び輸入数量の増加と價格の値上りなどのために取扱金額が大幅に増大しております半面、資金操作はいよいよ困難を生じ、輸入代金の支拂も不円滑を來すようになつて参りましたので、基本金を今回十五億円増額せんとするものであります。この点につきましては別に政府より油糧配給公團法の一部を改正する法律案が本院に提出せられておりますので、この点をこの法律案に織り込んだのであります。元來、農林関係配給公團につきましては、本年三月三十一日又は四月一日を以て期限が切れることになつておりましたが、その後の措置につきまして方針が未定でありましたため、今國会の当初におきまして政府の提案通り一應その期限を本年の七月一日まで延期することにいたしたのであります。而してその間に政府におかれても今後の方針について研究されることとなつたのでありますが、農林委員会におきましても独自の立場から檢討を加えることにいたしたのであります。
そこで農林委員会といたしましては、特に農林関係配給公團制度に関する小委員会を設けまして、不肖私がその委員長としてしばしば小委員会を開き、或いは公團当局を、或いは民間関係者をお招きして意見を聽取し、現在各公團で配給統制を行なつている各物資ごとに今後引続き統制を継続することの要否、配給統制を継続することを必要とする物資につきましては、その最も適切な配給統制方式を檢討し、一方公團方式を適当とするものにつきましては、現行公團方式について改善すべき事項の調査を行い、又公團方式以外の統制方式を適当とする物資につきましては、その統制方式及び各方式による配給統制実施上の諸條件などの要目に從つて愼重に檢討を加え、特に現存各公團の統合については、徒らに名目上の措置を避けまして、眞に実情に即した最も妥当な措置を講ずることを期しまして愼重に審議を続けて参つたのであります。一方政府におかれては、公團に関する今後の措置といたしまして、いろいろ研究せられました結果と思いますが、現存の食料品配給公團と油糧配給公團とを合併し、又食糧配給公團に飼料配給公團を吸收せしめることとし、これに伴う法律案といたしまして、五月十三日に食品配給公團法案を、又一昨日食糧配給公團法案を本院に予備審査のために付託されたのであります。然るに公團の問題は申上げるまでもなく、関係するところが極めて廣汎であり、且つ影響するところが甚だ重大であるのであります。農林委員会におきましては、小委員会の眞摯な審議にも拘わらず、未だ結論に至りませんので、調査を引続き行うことにいたしました。而してその成案を得るまでの措置といたしまして、差当り現在の各公團をそのまま更に一應來年の四月一日まで延期するのがこの際とるべき策であるとの結論に達しましたので、これに必要な法律的措置といたしまして本法律案を提案することといたした次第であります。
以上が本法案提出の趣旨であります。何とぞ満場の御賛成をお願いいたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/11
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012・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/12
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013・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
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〔河野正夫君発言の許可を求む〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/13
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014・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 河野正夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/14
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015・河野正夫
○河野正夫君 本員は、地方公務員たる教員の地方議員兼職禁止に関する緊急質問の動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/15
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016・藤井丙午
○藤井丙午君 河野正夫君の動議に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/16
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017・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 河野君の緊急質問の動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/17
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018・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。河野正夫君。
〔河野正夫君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/18
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019・河野正夫
○河野正夫君 本員が只今緊急質問をいたしまするのは、地方公務員たる教員の主として地方議員の兼職が來る六月三十日限りを以て打切られなければならぬという事態が生じておることに関してでございます。先ず事柄の荒筋を一應申上げて、最後に質問の諸点を明らかにしたいと思うのであります。
御承知のように、國家公務員法によりますと、職員は公選による公職の候補者となることができないのでありますけれども、昭和二十二年四月行われました地方議員の選挙は、この國家公務員法の制定以前のことに属します。從いまして、この地方議員は本年の六月三十日までその兼職について猶予が與えられておることも皆さん御承知の通りであります。一方におきまして、地方公務員は如何かといいますと、地方公務員法の第九十二條及び第百四十一條によりまして、公選の公職を兼ねることを禁止せられたのであります。特に昭和二十三年七月公布の改正法により、この点は一段の強化を見たのでありますが、同改正法の附則第一條第二項によりまして、この法律施行の際に地方公共團体の議員で当該地方公共團体の長乃至は有給の職員を兼ねておる者については、これらの職を兼ねておる間に限つてこれらの改正規定を適用しないということが定められておるのであります。端的に申上げますれば、昭和二十二年四月選挙によつて選出されました地方議員は、その任期中に限つて地方公務員の職を兼ねることができるという救済規定ができておるのであります。さて教員につきましては、当初御承知の通り地方教官、文部教官というふうに呼ばれまして、官吏であり、從つて國家公務員たる身分を持つておつたのでありますけれども、本年春公布を見ましたところの教育公務員特例法に基きまして、その第三條により、地方の公立学校の教員は教育公務員特例という点から地方公務員たる身分を獲得したのであります。從いましてその限りにおきましては、地方公立学校の教員は当然地方自治法の附則の第一條に基いてその任期中は議員を兼ねることができるという筈でございます。ところが政府は本年初頭に教育公務員特例法施行令を発布いたしました。この附則第十六條によりますと、本法施行の際、公立学校の教育公務員であり、現に地方公共團体の議会の議員を兼ねておる者については、地方自治法第九十二條の規定に拘わらず、尚、昭和二十四年六月三十日若しくは別に地方公共團体の職員に関して規定する法律、いわゆる地方公務員法の制定せられるとき、そのいずれか早いときまで議員の職を兼ねることができるというふうになつておるのであります。從いまして、我々は本國会において当然いわゆる地方公務員法なる法案そのものが提出せられるだろうことを期待し、その際におきまして、教員の乃至地方公務員全体の、この議員兼職の問題を公平に解決する機会があるだろうと思つておつたのでありまするが、遺憾ながら会期が迫つておるにも拘わらず、この法案は提出を見ないのであります。從いまして他の地方公務員はその任期中議員の職を兼ねられるのであるにも拘わらず、地方公務員である教員だけは、本年六月三十日を以て公務員を辞めるか議員を辞めるかという、いずれかの関頭に立たされることになつておるのであります。これに反しまして、國家公務員であつたところの鉄道関係の職員、或いは專賣公社関係の職員というようなものは、今回公社の法律の制定に際しまして、その施行法によつていると思いまするが、地方議員である者は、その任期中それらの職を兼ねることができるということにされておるのであります。一体かくのごとき公立学校教員に対してのみ不公平な処置をとる理由はどこにあるでありましよう。國家公務員たる教員と、地方公務員たる教員との待遇の公平を期したのであるというのが当局の説明にあつたかと存じまするけれども、然らば一体國家公務員たる教員が現実に地方議員を兼ねている者が何名あるというのでありましようか。私の調査いたしましたるところによりますると、殆んど全くないのであります。これに反しまして、地方公務員たる教員の市町村或いは都道府縣の議員を兼ねている者は二千五百名に達しているのであります。從いまして國家公務員と、地方公務員と、その間の公平を期するということは、或る程形の上ではその通りでありまするけれども、実質上は全然不公平の処置と言わざるを得ないのであります。若しもこういう公平を論ずるのでありまするならば、むしろ地方公務員同士における公平を考えなければならないのであります。東京都におきましては、十五名の都の職員、いわゆる都職、東交というような地方公務員の議員がございます。これに対して教員関係のものは六十三名の多きに達しておる。そこで、この六十三名と十五名とが平等の待遇を受けるというところに本当の公平があると思うのであります。更にこういう不公平な待遇を生じた理由といたしまして、教員というものの職務と、その責任の特殊性ということが論ぜられるのであります。國家公務員法の附則第十三條によりますれば、職務と責任の特殊性に基く特例は法律又は人事院規則によつて規定されなければならないことになつておるのであります。成る程、政府、はこの教育公務員特例法施行令なるものは教育公務員特例法第三十三條の規定によりまして定められたものであり、法律的根拠があると言うかも知れません。けれども、この教育公務員特例法第三十三條なるものの原案は、地方公務員であるところの教員と國家公務員であるところの教員とを全く同じに取扱う、而も政治的活動に関して同じように禁止しようという意図に出ていることは、原案を見れば明瞭なのであります。これを衆議院及び参議院におきまして修正した。從いまして形は無條件委任、無制約の委任の形を呈しておりますけれども、例えば必要があるときは政令を発することができるとあるが、如何なる必要か、どういう場合かということは規定しておらない。又どういう政令という内容を規定しておらない。從いまして無制約委任の形をとつておりますけれども、実はその修正過程を見れば、当然に院議を尊重する限りは、あの施行令の附則第十六條のごときもののできる筈がないのであります。從つて私は文部大臣に伺いたいのは、かくのごとき法律の必要なる理由及びその法律的根拠を明確にして頂きたいということであります。
尚詳しく申上げたいことがございますけれども、教員の地方議員としての價値というようなことにつきましても、地方予算の半分以上はこれは教育関係であります。而も旧憲法時代における教育に関する地方議会の学務委員というものは、多くはこの教員を委嘱しておつたという慣例さえあるのであります。こういう際において、教員にだけ特殊の措置を講ずるといういわれを我我は考えることができないのであります。しかのみならず、二千五百名の多きに達するこの地方議員が六月末日を以て辞めるときには、ここに大きな費用、莫大な費用を要する補欠選挙が行われなければならないのであります。教育委員会法を今回改正いたしまして、本年の選挙を中止いたしました理由は、主としてこの選挙費用の節約ということにあつたのであります。こういう点から申しましても、この政令は即座に改正せられなければならないと私は信ずるのでありまするが、文部大臣はこれを改正をする意思ありや否やということについて伺いたいのであります。
最後に総理大臣に伺いたいのでありまするが、一体この文化惡税を強行し、新制中学の費用を、公共事業費を零とする、かかる殆んど教育軽視の政治の現状におきまして、金のかからない、而も教員を喜ばせ得る、而して更に経費の節約のできるこの政令の改正というようなことこそ、せいぜい吉田内閣の示す教育政策の誠意の一片ではなかろうかと思うのでありまするが、(「総理大臣はおらん」と呼ぶ者あり、拍手」総理大臣について伺いたいのでありまするが、この点について総理大臣は如何お考えになるか、この点について伺いたいのであります。(「定足数がない」「首相はどうした」と呼ぶ者あり)
〔國務大臣林讓治君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/19
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020・林讓治
○國務大臣(林讓治君) 河野議員にお答えいたします。この問題につきましては、公立学校の教員は國立学校の教員と同樣、本年六月三十日まで地方公共團体の議会の議員との兼職を認め得ることとなつておるのでありますが、地方自治法改正の趣旨をも併せ考えまして、これが兼職禁止に関する規定を緩和するように目下考慮をいたしておるわけであります。
〔國務大臣高瀬荘太郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/20
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021・高瀬荘太郎
○國務大臣(高瀬荘太郎君) お答えいたします。只今御質問の問題につきましては、かねて参議院の文部委員会におきまして河野議員から御質問のあつたところであります。その際、私は、文部省としては愼重にこれを研究する、こうお答えをいたして置いたのでありますが、その結果、只今林副総理からお答えいたしましたように、河野議員の御意見とほぼ同樣の方向におきまして、他の地方公務員とひとしく取扱われるという方針で今考慮中でありますから、御了承願いたいと思います。(拍手)
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/21
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022・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更し、日程第三を後に廻して、日程第四、通訳案内業法案、(内閣提出)日程第五、船舶運営会の船員の給與基準の設定及び船舶運営会の役職員に対する特別手当の支給に関する法律案、(内閣提出、衆議院送付)以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/22
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023・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長板谷順助君。
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〔板谷順助君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/23
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024・板谷順助
○板谷順助君 只今議題となりましたる通訳案内業法案に対する審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
通訳案内業の指導取締については、從來、内務省令で案内業者取締規則がありましたが、昭和二十二年末失効となり、今日に至つておりますので、新たに法律を制定し提案せられたものでございます。新法に採り入れられました新らしい事項の主なるものを申上げますれば、
第一に、業者の素質向上を図るために、運輸大臣が全國を統一して資格試驗を行い、これに基いて全國の都道府縣知事が免許を與えることにしたこと、第二に、五年ごとに免許を更新して指導取締に便したこと、第三に、免許の停止取消の処分は聽問により且つ訴願の途を開いたこと等でございます。
運輸委員会におきましては、原案を観光小委員会に付議して檢討を加え、更に本委員会において審議を重ねましたところ、原案は趣旨は概ね適当であるが、欠格條項、業者の禁止行爲、業者團体との関係その他について修正すべきものと認め、お手許に配付されました印刷物の通り修正案を得たのでございます。
その大要は、第一に、免許の欠格條項に免許を取消された者でその日より一年以上を経過しないものを加え、第二に、原案には免許手数料等の額の決定を政令に委ねてありますのを改め、最高限度を本法に規定し、その範囲内で省令を以て定めることとし、第三に、業者に対する禁止行爲の規定は原案は廣汎に失するので、社会常識に合うごとく修正を加え、第四に、聽問を公開し、第五に、業者が業務の円滑な提供を圓るため團体を組織することは十分予想されますから、業者の指導監督上團体の届出に関する規定を加え、その他、全般に亘つて用語と條文の整理をいたしてあるのでございます。本委員会におきましては、この修正案に基きまして更に審議を重ねましたところ、本数の欠陷を補い、一層整備するために、本法律案は修正案の通り修正可決すべきものと全体一致を以て決議いたした次第でございます。
次に議題となりましたる船舶運営会の船員の給與基準の設定及び船舶運営会の役職員に対する特別手当の支給に関する法律案につきまして、運輸委員会の審議の経過及び結果について御報告申上げます。
先ず本案の要点を申上げますと、第一は、船舶運営会の予算は國家財政に直結されておりますが、本年度の政府関係の予算総則におきまして「船舶運営会從業員の給與の支拂については、公務員の給與の格付に則つて定められたもので支拂よれなければならない」と規定されておりますので、運営会船員の給與基準を政府職員たる船員の給與の例に準じて定めたことでございます。第二は、運営会の陸上役職員は國家公務員に指定されておりますから、その給與は國家公務員と同一基準によるわけでありますが、その業務の性質上、特別の経驗技術を必要とし、且つ運営会の存続期間が限定されておりますので、予算の範囲内で特別手当を支給し得る途を開いたことであります。
本委員会の審議に当りましての主なる質疑應答について申上げますれば、その一は、本案実施による運営会所属船員の給與ペースに比較し、一般海運会社の船員の給與ペースは低くなるが、民間の船員についても同等のペースで支拂い得るよう傭船料の引上等予算的措置を考慮すべきではないかとの質問に対し、政府委員より、その点は十分に考慮するとの答弁がありました。その二は本法は紛爭なく円滑に実施し得る確信ありやとの質問に対しまして、政府委員より、本法律案決定までの経緯並びにその内容については、海員組合側においても十分承知しているので、円滑に実施し得るものと確信するとの答弁がありました。その三は、米國貸與船乘組の運営会所属船員の定員は減少されたが、民間会社の乘組船員の定員もそれに準じて減少するかとの質問に対し、政府委員より、前者の定員減少は関係方面の指示により実施したものであり、民間会社所属船員の定員は、若し過剰のものがあれば経済九原則の趣旨に鑑み減少せしめるのは勿論であるが、本件については現在船主と海員組合との間において話合い中であるとの答弁がありました。その四は、船員保險法の一部改正により船員保險料が引上げられると、船舶運営会並びに一般船主の負担増となるが、これに対し予算的措置が講ぜられていない、これに対し政府は如何に措置するかとの質問に対し、政府委員より、現在のところ、運営会予備費により賄うことは極めて困難であるが、この対策については極力善処するとの答弁がありました。
かくて質疑を打切りまして討論採決の結果、全会一致原案通り可決いたした次第でございます。以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/24
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025・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。先ず通訳案内業法案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告であります。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/25
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026・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます、よつて本案は委員会修正通り議決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/26
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027・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 次に船舶運営会の船員の給與基準の設定及び船舶運営会の役職員に対する特別手当の支給に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/27
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028・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/28
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029・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) この際、日程第六を後に廻し、日程第七、公認会計士法の一部を改正する法律案、(衆議院提出)日程第八、たばこ専賣法案、日程第九、塩専賣法案、日程第十、しよう脳専賣法案、日程第十一、復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律案、日程第十二、貸金業等の取締に関する法律案、日程第十三、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関出張所、税関支署出張所及び税関支署監視署の増設に関し承認を求めるの件、(いずれも内閣提出、衆議院送付)以上七案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/29
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030・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。尚たばこ專賣法案につきましては少数意見の報告書が提出されております。先ず委員会の報告を求めます。大藏委員長櫻内辰郎君。
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〔櫻内辰郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/30
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031・櫻内辰郎
○櫻内辰郎君 只今議題となりました公認会計士法の一部を改正する法律案の審議の経過並びに結果を御報告いたします。
本案は衆議院議員宮幡靖君外二名の提出にかかるものであります。先ず本案の内容について申上げますと、現行法においては、從來の計理士が財務書類の監査又は証明をなし得る期間は昭和二十四年十月一日までになつておりますが、公認会計士特別試驗の実施遅延に伴いまして、これを昭和二十五年四月一日まで延期せんとするものであります。次に本案審議の経過を申上げますと、去る五月十八日提案者より提案理由の説明があり、一二の委員より質疑がありたる後、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
次にたばこ專賣法案の審議の経過並びに結果を御報告いたします。
去る五月六日より政府提出の原案につき、五月十七日より衆議院送付の修正案について愼重に審議いたしまして、討論採決の結果、多数を以て衆議院送付の修正案通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。先ず本案の内容について申上げます。現行のたばこ專賣法は、直接政府が專賣品の收納、製造、販賣、取締等の事業を行うことに規定しておりますので、公法人である日本專賣公社をして專賣事業を行わせるためには、殆んで各條に亘り字句を修正する必要がありますので、從來省令にて規定されていた事項のうち重要なるものを法律の中に織り込むとともに、制度の民主化と法文の平易化を図るため、全文改正を行おうとするものでありますが、実質的には現行法にさしたる変更を加えていないのであります。
改正の主要点を申上げますと、第一はたばこ、葉たばこ、製造たばこ及び製造たばこ用巻紙の定義を明記して、專賣権の対象を明確にすると共に、專賣権の内容、日本專賣公社の法律上の地位を規定したことであります。第二は、たばこ耕作及び製造たばこ用巻紙製造の許可並びに製造たばこ小賣人の指定につき、その欠格條件を規定すると共に、これらの許可又は指定を取消す場合の條件を規定したことであります。第三は、罰則を強化することとし、現在四段階となつているものを三段階といたしたことであります。
次に衆議院の修正点について申上げますと、第一は、耕作者の耕作したたばこ又は收穫した葉たばこが災害により著しい損害を受けたときの耕作者に対する補償金額の範囲を規定したことであります。第二は、たばこ耕作者の組織する團体又はその連合体の性格、その行う事業の範囲及び事業者團体法の適用除外の規定を設けたことであります。第三は、國税犯則取締法に規定する收税官吏の職務を行う司法警察職員及整國家公務員の範囲を限定する等の修正がなされたことであります。
さて本案審議に当りましては、熱心なる質疑應答がありましたが、その詳細は速記録により御承知を願いたいと存じます。かくて質疑を終局し、五月十八日討論に入り、小川友三委員より反対、油井賢太郎、木内四郎、木村禧八郎各委員より贊成の意見が述べられ、討論を終局し、採決の結果、多数を以て衆議院送付の修正案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に塩專賣法案の審議の経過並びに結果を御報告いたします。
去る五月六日より政府提出の原案につき、五月十七日より衆議院送付の修正案について愼重に審議いたしまして、討論採決の結果、全会一致を以て衆議院送付の修正案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。先ず本案の内容について申上げます。現行の塩專賣法は、直接政府が專賣品の收納、販賣、取締等の事業を行うことに規定しておりますので、公法人である日本專賣公社をして專賣事業を行わせるためには、殆んど各條に亘り字句を修正する必要がありますのと、從來省令で規定されていた事項のうち重要なるものを法律の中に織り込むと共に、制度の民主化と法文の平易化を図るため、全文改正を行わんとするものでありますが、実質的には現行法にさしたる変更を加えていないのであります。
改正の主要点を申上げますと、第一は塩、にがり、かん水等の定義を明記して、專賣権の対象を明確にすると共に、專賣権の内容、日本專賣公社の法律上の地位を規定したことであります。第二は、塩、にがり又はかん水の製造許可及び塩販賣人の指定につきその欠格條件を規定すると共に、これらの許可又は指定を取消す場合の條件を規定したことであります。第三は、罰則を強化することとし、現在五段階になつているものを三段階としたことであります。
次に、衆議院の修正点について申上げますと、第一は、製造者が災害により損害を受けたときの製造者に対する補償金額の範囲を規定したことであります。第二は、代金延納の場合の担保免除の限度を明らかにする等の修正がなされたことであります。
さて本案審議に当りましては、熱心なる質疑應答がありましたが、その詳細は速記録によつて御承知を願いたいと存じます。かくて質疑を終局し、五月十八日討論に入り、採決の結果、全会一致を以て衆議院送付の修正案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に、しよう脳專賣法案の審議の経過並びに結果を御報告いたします。
去る五月六日より政府提出の原案につき、五月十七日より衆議院送付の修正案について愼重に審議いたしまして、討論に入り、採決の結果、全会一致を以て衆議院送付の修正案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。先ず本案の内容について申上げます。現行の粗製しよう脳、しよう脳油專賣法は、直接政府が專賣品の收納、販賣、取締等の事業を行うことを規定しておりますので、公法人である日本專賣公社をして專賣事業を行わせるためには、殆んど各條に亘り字句を修正する必要がありますのと、從來省令で規定されたいた事項のうち重要なものを法律の中に織り込むと共に、制度の民主化と法文の平易化を図るため、全文改正を行おうとするものであります。
改正の主要点を申上げますと、第一は、しよう脳、粗製しよう脳、再製しよう脳、精製しよう脳、しよう脳油、しよう脳原油及びしよう脳精油の定義を明記して、專賣権の対象を明確にすると共に、專賣権の内容、日本專賣公社の法律上の地位を規定したことであります。第二は、粗製しよう脳、又はしよう脳原油の製造の許可制度を廃止して割当制度に改めたことであります。第三は、罰則を強化することとし、現在の四段階となつておるものを三段階としたことであります。
次に衆議院における修正点について申上げますと、第一は、粗製しよう脳又はしよう脳原油の製造予定数量の割当の基準を明らかにしたことであります。第二は、製造者に対する指示事項を制限したことであります。第三は、代金延納の担保免除の制限を明らかにしたことであります。
さて本案審議に当りましては熱心なる質疑應答がありましたが、その詳細は速記録によつて御承知を願いたいと存じます。かくて質疑を終局し、五月十八日討論に入り、採決の結果、全会一致を以て衆議院送付の修正案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律案の審議の経過並びに結果を御報告いたします。
去る五月九日より五月十八日まで愼重に審議いたしまして、討論採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。先ず本案の内容について申上げます。本案を制定しようといたします第一は、復興金融金庫の資本金は一千四百五十億症でありますが、うち二百五十億円出資済、一千二百億円が出資未済となつております。政府は本年度におきまして九百二十四億六千七百万円の限度で出資いたすことにするために、現金出資分として三百億円は予算に計上いたしておりますが、六百二十四億六千七百万円を限り、登録國債を発行し、その交付により出資をいたそうとする点であります。第二は、同金庫法の規定によりば、剩余金は復興金融委員会の承認を受け処分できることになつており、從來の例によれば次年度に繰越し、これを新規資金に充当しておりましたが、同金庫は全額政府出資の法人であり、今後の貸付金は回收金を以て賄うこととなつておるので、本年度からその剩余金は國庫に納付しなければならないことを規定したのであります。
さて、本案審議に当りましては熱心なる質疑應答がありましたが、その詳細は速記録に讓りたいと存じます。かくて質疑を終局し、五月十八日討論に入り、中西功、木村禧八郎両委員より反対、小川友三、波多野鼎両委員より賛成の意見が述べられ、討論を終局し、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に貸金業等の取締に関する法律案の審議の経過並びに結果を御報告いたします。
去る五月十七日より五月十九日まで愼重に審議いたし、五月十九日討論に入り、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。さて、本案の内容について申上げます。最近の金融逼迫に伴い高金利惡質な貸金業者が乱立し、預金貯金等の受入れをなし、銀行法等の違反行爲が多数生じ、健全なる金融の発達を著しく阻害している現状でありますので、これら不正金融等の取締ることを目的として本案を提出したのであります。本案の要旨は大体次のようであります。
第一に、貸金業者につきまして大藏大臣への届出制を設けると共に、貸金業者の業務の運営について監督の規定を設けることといたしました。第二に、頼母子講のうち大藏大臣が指定するものについては、貸金業者の例によつて取締を行うこととしたのであります。第三に、日掛貯金による貸付の制度を無盡会社の業務のうちに採用し、日掛貯金の業務を行う会社のうち健全良質なものについては、これが無盡会社の免許を受けることにより、正規の金融機関としてその業務を行い得ることとしたのであります。第四に、金融機関の役職員の不正利得を防止することとしたのであります。
本案審議に当り各委員より熱心なる質疑があり、政府亦これに対し懇切なる答弁がありましたが、その詳細は速記録により御承知を願います。かくて質疑を終局し、五月十九日討論に入り、採決の結果、全会一致を以つて原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に、地方自治法第五十六條第四項の規定に基き、税関出張所、税関支署出張所及び税関支署監視署の増設に関し承認を求める件の大藏委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
本案は、最近における貿易の振興に伴い、税関業務の円滑な運営を図る見地より、東京税関支署羽田飛行場出張所、大阪税関富島出張所の二十張所を法令に基く出張所となし、又岩國税関支署上関監視署を設置すると共に、密貿易の監視所として、嚴原税関支署の比田勝監視署、佐賀監視署を増設せんとするものであります。尚、行政機構の整備が考慮されている情勢に鑑み、この際、事務量の比較的少い東京駅出張所、敦賀港駅出張所の二十張所、及び室津監視署、松島監視署、若津監視署の三監視署を廃止せんとするものであります。
次に本案審議の経過を申上げますと、去る五月十八日政府より提案理由の説明がありましたが、別に質疑もなく、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/31
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032・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 少数意見者から報告することを求められております。報告時間は五分間に制限いたします。小川友三君。
〔小川友三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/32
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033・小川友三
○小川友三君 たばこ專賣法案の上程に当りまして、本案に本員は全面的に反対する者ではないのです。原始人が昔の文字のない時分の土人が発明した煙草がそのまま進歩をしていないというこの状態を、現状を把握して、植物学を專攻した本議員としまして、これに大きな進歩を加えたいという意味で、大藏委員会のときから大藏政府当局に対しましていろいろお話を申上げたわけでありますが、増收の面からすれば今の大藏大臣も勿論反対するものではないという御意見まで得ておりますので、少しの間煙草の原料を中心とする改善案、進歩した煙草はいいという題でお話を、(「そんなことは街頭でやれよ」と呼ぶ者あり)意見を申上げます。
今の煙草毒というのは煙草属リンネと言うて、ドイツのリンネ博士が発明したのである。これは煙草にはニコチンというアルカロイド属を含んでおりまして、これで非常に中毒をする。敷島一本、ピース一本を煎じて飲めば、人間は一本で大体二人くらい致死量で死んで行くという猛毒を持つているのであります。これを平氣で喫つているというところに改善すべき点が多いのでございまして、これには桂皮科の植物、いわゆるコンポヂテー科の植物を加えて行けば或いは強壯剤になる。煙草は何にも有益にならない。全部害である。それに強壯剤である桂皮科の植物を加えて行く、或いは心臓にいい蜀黍科のものを加えて行く、或いは心臓を強くするジキタリス科の植物を加えて行く、茶科の植物を加えて行く。茶科植物というのは頭が冴えて來るというような材料が沢山日本に現在あるのであります。(拍手)そこで、この煙草の進歩というものがどういう利益をなすかと申しますと、そうした身体にいい煙草を作れば世界各國がこれを買いに來る、バイヤーがどんどん買いに來るので貿易振興になる。吉田内閣の貿易振興対策が煙草の面から降つて湧いて來るというわけであります。この内閣は相当長い内閣ですから、とにかく大きな経営を立てて頑張つてやつて貰いたい、かように思うのであります。(「しつかりやれ」と呼ぶ者あり、拍手、笑声)それから煙草の耕作面積は五万町歩である。これを半分に減して二万五千町歩にして、今申上げた外の植物を作つて行く、そうすると大体胸の中で計算しましても麦が百七十五万俵くらい余計取れる。山梨縣の人が全部食べられるだけの食糧が、或いは京都の市民が全部食べられるだけの食糧が煙草を作る耕作面積を半分にするだけで得られるのであります。そうしてそれを金に賣つて儲けが百億以上二百億の利益がある。外國に輸出していわゆる利益を得れば五百億くらいの増收があるのであります。そこで六・三制の問題にしましても、その中から社会教育事業費が出る、社会公共事業費が出る、海外同胞引揚のためにどんどんとその五百億の中で幾らでもできるという自信を持つておりますが、特に植物学を專攻した本職の立場から、この面だけはどうしても今の大藏大臣を重かして、政府を動かしてこれを実現したいというような意見を持ちまして、この本案に対しましていわゆる原料問題から申上げたのであります。
それで、その外に喘息煙草の話をするが、世界的有名なアンチアストマ、これは何千万ドルの貿易をやつております。これは喘息煙草を作つて大藏当局は是非賣つて貰いたい。世界に賣つて、日本人も喫うということで、この増收面は二三百億円一年間にあると思います。それから日本では喘息煙草で吉野煙草というものが全國で何千万円賣れておるという事実を皆さん知らないのであります。どうかこの点に対しましても、大藏当局は研究費は幾らでも出す予定であります。土人の喫つておるニコチン煙草が一万年前と変らないというところに文化國家の建設の欠陥があると思いまして、本案に対しましてかく主張いたすものであります。(「何だい」「賛成か反対か」「何を言つているのだ」と呼ぶ者あり、拍手、笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/33
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034・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) たばこ專賣法案、塩專賣法案及びしよう脳専賣法案に対し討論の通告がございます。板野勝次君。
〔板野勝次君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/34
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035・板野勝次
○板野勝次君 前國会において日本專賣公社法が制定され、今國会において専賣関係法規の整備がなされようとしておりますが、我が國における專賣制度は、日露戰爭における戰時負担の激増を裏付けるために制定せられ、塩の場合には最初から軍事的目的を持つていたものでありますことは御承知の通りであります。然るに終戰後我が國國民経済が根本的な立直しを要請せられ、國民生活安定と向上が一切の再建の根本的前提となりました今日、政府は毫も専賣制度の根本的反省をすることなく、旧態依然として而もそれに輪をかけておるのであります。むしろ惡質院した専賣制度となつておるのであります。煙草、塩、しよう脳各專賣法案は、煙草專賣にありましては間接消費税による大衆負担の継続的な増大の維持確保であり、塩、しよう脳の専賣の内容は民自党内閣の中小企業破壞政策がそのまま盛られておるのでありまして、このような専賣制度には、大衆課税の撤廃と民族産業をその自主性を失つた現内閣の破壞政策から擁護するために闘つておる日本共産党は、無條件に反対せざるを得ないのであります。與えられた時間の範囲でこの三法案のそれぞれについて反対の論旨を盡すことは到底困難なことでありますので、塩專賣法案の主要な反対点のみを述べまして、三法案反対の理由に代えたいと思うのであります。
塩專賣法案の持つ根本性格は、國内塩業を破滅に導く外塩依存主義の方針をその内容としておるのであります。政府は國内塩業の保護助成による製塩業の民主化、近代化を図ろうとせずに、逆に旧式塩業方式改善のため必要な設備高度化を禁止しておるのでありますが、その理由とするところは、「熱源の十分な見通しが付かぬ部門へは、新設改良のための資金、資材の配分も十分に参らない。かかる全國民経計的な理由が新設改良抑製の理由である」としておるのであります。併しながら御承知のごとく石炭は最近では滯貨が激増し、中小炭鉱はメリツト制で潰滅させられようとしておるのでありますが、製塩用は三千五百カロリー程度のものが使用せられるのでありまして、破壞されようとしておるこの中小炭鉱のものが有効に利用できるのであり、これを使用すれば熱源問題は解決し、從來の政府の見解に照すならば、製塩の新設改良のための資金、資材を割当てるべき理由が発生をしておるのであります。然るにこれに対して何らの処置を講せず、電氣製塩は電力の関係から、蒸氣式、平釜式の製塩は採算割れからも破滅するままに任されておる現状であります。これらは明らかに中小製塩業に鉄する現内閣の破壞政策であります。法案第七條の許可製限の規定中には、一ケ年の製造能力が公社の定める標準に達しない場合は許可しないことができるとの規定を設け、中小製塩業を禁止することのできるようにし、この中小製塩業を破滅せしめる半面、外塩依存を露骨に示して「塩の需給調整上製造数量を制限する必要がある場合」には、製塩を許可しないことが定められ、又製塩の制限さえもできる規定があるのであります。このようにして、國内製塩の保護改良による増産政策をとらないばかりか、これを圧縮せしめ、現在外塩依存に重点を置いておるのであります。塩の輸入價格はどうであるかと言えば、一トン十九ドル程度でありますから、爲替レート三百六十円として六千八百四十円程度であります。然るに貿易廳の專賣公社への拂渡し價格は一トン千七百八十円、これに廻送費、手数料二千三百四十名を加えると、四千三百二十円になるのでありますが、ソーダ工業にはトン三千円で渡しているのであります。然るに消費者價格はトン一万六千円、一般業務用塩は九千七百円でありますが、政府は外塩六千八百四十円とソーダ工業向けとの差額を消費者價格にぶつかけ、更にその不足分をカーバするため専賣公社へ三十七億円を支出しているのであります。これは即ち実質的な輸入の補給金であります。法案第二十九條の規定で苛性ソーダ、ソーダ灰その他政令で指定する化学製品の製造の用に供する者に塩を賣り渡す場合においては、低い特別價格で賣り渡すことができるとの規定を設け、ソーダ工業等の大資本に奉仕せしめることを合法化しているのであります。その半面、中小製塩に対しては、その特別買取價格に対しては現在の國内塩購入價格九千七百四十五円を本年も続けることは無理があるから、他産業同樣、國内塩業においても企業合理化をしなければならぬことを政府は言明しておるのであります。法案においても中小製塩業を圧迫するがごとき條項を掲げているのであります。このような方針は徒らに國内塩業を破滅させ、外塩依存度を高めるのみで、断じて國内産業を愛する者の賛成できないところであります。輸入塩は大部分粒子の粗大な原塩であるのに反して、國内塩は白塩であり品質も良いのであります。從つて文字通り無限に豊富な海水資源を日本塩業発達のために活用し、旧式塩業方式に必要な設備の改善高度化のため、政府が資金、資材の積極的な保護、助成を講ずるならば、國内塩生産百万トンは可能なのであります。そうして若干の不足部分は、地中海、紅海方面の遠海塩でなく、近海塩即ち中國よりの輸入に待つべきであると思うのであります。
我が党は、民族産業、小企業擁護の立場から、眞空式製塩方式のとれない多数の中小製塩業者を破滅させ、國内製塩を破壊する製塩破壊法案に反対するものであり、又しよう脳專賣法案は、適正しよう脳價格の設定の裏付けがなく、融資の道を断たれて饑餓輸出となつている現状と、台湾の喪失によりまして、今日この專賣制度存置の意義は極めて乏しくなつておるので、生産の保護助成政策をとらなければならないのに、これに対して何らの措置がとられていないのでありますし、たばこ專賣法案は大衆課税の本山でありまするので、以上合計三法案は、國民生活の安定と民族独立の憂國的な熱情から断乎反対せざるを得ないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/35
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036・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) これにて討論通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより採決をいたします。先ずたばこ專賣法案、塩專賣法案及びしよう脳專賣法案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を請います。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/36
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037・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて三案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/37
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038・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 次に公認会計士法の一部を改正する法律案及び貸金業等の取締に関する法律案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を請います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/38
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039・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/39
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040・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 次に復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/40
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041・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/41
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042・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 次に地方自治法第五十六條第四項の規定に基き、税関出張所、税関支署出張所及び税関支署監視署の増設に関し承認を求めるの件を問題に供します。委員長報告の通り、本件に承認を與えることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/42
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043・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつて本件は承認を與えることに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/43
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044・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) この際、日程第六、國家公務員のための國設宿舎に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。大藏委員長櫻内辰郎君。
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〔櫻内辰郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/44
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045・櫻内辰郎
○櫻内辰郎君 只今議題となりました國家公務員のための國設宿舎に関する法律案の審議の経過並びに結果を御報告いたします。
去る五月九日より政府提出の原案につき、五月十二日衆議院送付の修正案につき、愼重に審議いたしまして、討論、採決の結果、全会一致を以て衆議院送付の修正案の通り可決すべきものと決定いたした次第であります。先ず、政府提出の原案について申上げます。國家公務員の宿舍に関しましては、從來これを統轄する機関が明確でなかつたため、この際宿舍の設置、管理及び維持等に関する規定を整備せんとするものであります。
その内容の主たる点を申上げますと、第一に宿舍の意義を明らかにすると共に、その運営の根本方針を確立し、第二に内閣総理大臣所轄の下に宿舍審議会を設置し、宿舍の設置、利用等に関する統制を図り、その上に運営に関する重要事項はすべて同審議会の決定によるものとなつております。
第三に、宿舎の管理に関する総合調整は審議会の決定事項の範囲内で大藏大臣が行うこととし、更にこの法律の施行に関しては、実施に相当の準備期間を必要としますので、公布の日後二ケ月を経過した日より施行することといたしております。
次に衆議院送付の修正案について申上げます。第一に有料宿舍の明渡し期間を六ケ月を超えないこととし、第二に公邸を貸與される者の範囲を拡張し、第三に審議会における調査審議の結果を國会に報告する等の修正をいたしておるのであります。
〔議長退席、副議長著席〕
さて本案の審議に当りましては、熱心なる質疑應答がありましたが、その詳細は速記録に讓りたいと存じます。かくて質疑を終局し、五月十二日討論に入り、採決の結果、全会一致を以て衆議院送付の修正案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/45
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046・松嶋喜作
○副議長(松嶋喜作君) 本案に対しまして、田中利勝君より成規の賛成者を得て修正案が提出されております。先ずその趣旨説明を求めます。田中利勝君。
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〔田中利勝君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/46
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047・田中利勝
○田中利勝君 私は只今上程されました國家公務員のため國設宿舍に関する法律案につきまして修正の動議を提出するものであります。
修正の第一点は、第十條第四号「最高裁判所裁判官」とありますのを「最高裁判所長官」に改めるのであります。修正の第二点は、同様第七号を第八号とし、以下順次繰り下げ、第七号を「國立國会図書館長」に改めるのであります。修正の第三点は、第十九條を次のように改めるのであります。即ち「第十九條宿舍の貸與を受けた者が左の各号の一に該当した場合においては、公邸及び無料宿舍にあつては六十日、有料宿舎にあつては六ケ月以内にその宿舍を明渡さなければならない。但し各省各廳の長が病氣、事故止むを得ない事由によると認める者についてはこの限りでない」とするのであります。この各号は原案通りでありますから省略いたします。
以上三つの修正点について簡單に理由を申上げますと、先ず第十條は公邸の貸與を受ける公務員を列記したのでありまして、政府原案によりますれば、同條第四号は「最高裁判所長官」となつておつたのであります。これを衆議院において「最高裁判所裁判官」と修正したのでありますが、元來公邸として椅子、テーブルその他必要な備品、又修繕に要する費用、電氣、ガス、水道等に至るまで盡く國庫によつて負担するゆえんは、公機関がオフイスの延長として使用する必要があるからであります。即ち今日までの実例を見ましても、総理官邸は総理個人のみに使用されるものでなく、知事会議、閣議を初め、公的会合に利用されるのみならず、多くの室は官房の事務に利用されて來つたのであります。議長官舍も又各委員会の打合せ等に使用して來たところに國費を以て賄う理由があつたのであります。從いましてオフイスの延長としての公邸が必要とされるのは、常時活動する機関につきその代表者に一つづつ貸與すれば足るのであります。故に最高裁判所だけに十四のオフイス延長、即ち公邸を必要とする理由を発見し得ないのであります。又最高裁判所の裁判官に與えるといたしまするならば、平等の原則から、これと同等の資格と俸給を與えられております人事官、檢査官、國家公安委員、公正取引委員長等の認証官にも盡く與えなければならないのであります。然るにこれらの者に対しては、先に申しましたように、一機関一公邸の原則から代表者だけに與えておりますことは、お手許の衆議院修正案に明らかであります。殊に公正取引委員長はその機関が委員会であつて、永続機関ではなく、又常時活動機関でないところから公邸が與えられていないのであります。以上述べました通り他の機関の公邸との均衡上からも、第十條第四号は「最高裁判所長官」に改めまして、長官以外の裁判官に適用せしめざるよう修正することの妥当性を主張するものであります。
次に同じく第十條の七号以下を順次一号づつ繰下げまして、七号を「國立國会図書館長」といたします理由は、國立國会図書館法第四條に「館長の待遇は、國務大臣と同等とする。」と規定されておりまして、待遇全般が國務大臣並に保証されておるのであります。先に申上げました公正取引委員長、人事官、最高裁判所裁判官、檢査官、國務公安委員等は、いずれも俸給において大臣又は檢事総長と同様の取扱を受ける保証があるだけでありまして、國会図書館長のごとく待遇全般について大臣同様の保証を受けておりません。又両院の事務総長が公邸を與えられておるにも拘わらず、事務総長以上の資格と全國の図書館統轄という廣汎な責任を負わされている國立國会図書館長に公邸が與えられていないことは誠に不合理と言わなければなりません。「國会図書館長」が政府原案及び衆議院修正案の第十條から漏れておりましたのは、旧帝國議会当時の國会図書館が各議院の事務局下の一部分であるという旧思想が拂拭できないからだと断定せざるを得ません。今日の國会図書館は單なる議員の読書室ではなく、立法府に対する協力の外に、各官廳の図書館を初め全国の國立図書館の整備をなすことによつて、文化國家建設の重大使命を担うものであります。以上の理由から第十條第七号を「國立國会図書館長」に改め、原案七号を八号とし、以下順次繰下げんとするものであります。
次に第十九條は國設宿舎明渡規定でありますが、政府原案では、居住者は同條の明渡條件の各号に該当した場合は六十日間に明け渡さなければならぬことになつておりましたものを、衆議院の修正で、一般下級公務員の入る有料宿舎は六ケ月までは居住できることにいたしまして、借家法と同等の取扱をすることにしたのでありますが、尚、病氣事故等がありましても、否應なしに出されることになつております。実際問題としては病氣でも追い出すような無慈悲なことはでき得ないのでありますから、この原案では下級公務員に不安を與えるだけであります。そこで下級公務員が安心して働ける一方法としても、前に述べましたように改正しまして、飽くまで六ケ月以内に明渡す原則は堅持ちしつつ、但書において、病氣等の事故の場合においては親心に加えるよう改正する必要があろうと強調するものであります。
何とぞ御審議の上、満場の御賛成あらんことをお願いする次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/47
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048・松嶋喜作
○副議長(松嶋喜作君) これより本案の採決をいたします。先ず田中利勝君提出の修正案を問題に供します。本修正案に賛成の諸君の起立を請います。
〔起立者少数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/48
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049・松嶋喜作
○副議長(松嶋喜作君) 少数と認めます。よつて本修正案は否決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/49
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050・松嶋喜作
○副議長(松嶋喜作君) 次に本案全部を問題に供します。本案全部に賛成の諸君の起立を請います。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/50
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051・松嶋喜作
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。(拍手)
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/51
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052・松嶋喜作
○副議長(松嶋喜作君) 日程第十四、私的独占……、今のは取消します。
〔「議長しつかりやれ」と呼ぶ者あり〕
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〔川上嘉君発言の許可を求む〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/52
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053・松嶋喜作
○副議長(松嶋喜作君) 川上嘉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/53
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054・川上嘉
○川上嘉君 本員はこの際、税制問題に対する緊急質問の動議を提出いたします。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/54
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055・藤井丙午
○藤井丙午君 只今の川上嘉君の動議に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/55
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056・松嶋喜作
○副議長(松嶋喜作君) 川上君の緊急質問の動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/56
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057・松嶋喜作
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。川上嘉君の発言を許します。
〔川上嘉君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/57
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058・川上嘉
○川上嘉君 税制問題につきまして緊急質問を行うことにいたします。
質問の第一点は、本日の各新聞に報道されております通り、シヨーブ博士が昨日、内外記者との会見におきまして、税制改革については八月末までに勧告を行う旨発表いたしましたので、凡その輪廓は承知できたのでありまするが、政府がこれをいつ実施に移すか、その時期についてお尋ねいたします。第二点は、勧告は成るほど八月に行われるのでありまするが、税制改革の実施は早くても本年末或いは來年度に持越されるのではないかと各方面から案じられておりますので、二十四年度分の税收入を適正公平に徴收するためには、当面の問題として、直ちに緊急な特別措置が講ぜられなくちやならない。これに対して政府は具体的な用意があるかどうかをお伺いいたします。第三点は、税務職員の人員整理は不当であるが、如何なる根拠に基いてなされるものであるか、尚、税務職員の腐敗行爲の根本原因はどこにあるかについてお尋ねいたしたいのであります。
先ず第一点につきましては、二十四年度の予算の成立と同時に、当然税制改革が実施されなければならない筋合でありながら、政府は取引高税の撤廃、所得税の軽減などの公約を初め、一切の税制改革はシヨーブ博士の來訪を待つて善処するという態度をとつて來たのであります。而してすでにシヨーブ博士の一行は來朝して、税制の視察に著手しておるのであります。そこで、いつ頃税制改革が実施されるかということにつきまして、重税に悩んでおる國民は非常に大きな関心を持つておるのであります。先程も申上げました通り昨十九日シヨーブ博士は八月頃までに税制改革の勧告を行う旨発表したのでありまするが、政府がこれを直ちに実施することができるかどうかが大きな問題であります。
第二点につきましては、税制改革の実施が只今申上げました通り早くても本年末か或いは來年度に持越されて、而も税制改革が実施されるまでの間、課税方針が從來通り繰返されるとしましたならば、徴税強行、割当課税のごうごうたる非難な、恐らく前年度に倍加するであろうということを、ここに私は警告して置くわけであります。大藏省でもしばしば発表しておりますように、前年度の三千百六十億円にいたしましても、本年度の五千百四十八億円にいたしましても、國民にとつて過重な負担ではありまするが、決してこれは殺人的なものではない筈であります。然るに事実はこれに反しており、前年度分の徴税実績は現在予算額を約二百五十億円程上廻つておるのでありまするが、ここまで來る過程におきまして、重税のために遂に廃業、更に轉業、失業する者が続出しております。苦心の余り極度の神経衰弱に陥つて自殺した者も相当数に上つております。これは何が故であるか。つまり現在の税金が阿彌陀くじみたいに、当る人にだけ当る、而して課税が公平適正を欠いておるからであります。この原因は、機構、税制、運用面等における欠陥によるのであることはしばしば繰返した通りでありますが、機構の改革は、御承知の通り六月一日より國税廳が発足する予定になつております。併しこの國税廳はむしろ恒久的な対策と見るべきでありまして、当面の問題を如何に処理するかという緊急措置にはならないのであります。又今回行われようとしております税制の改革も根本的で恒久的と見るべきでありまして、当面の問題、今年度の税收入を如何にして公平適正に徴收するかということに対しては、別に緊急な特別措置が直ちに講ぜられなくてはならないのであります。
第三点は、ここ数年、どの内閣も、どの大藏大臣も、税務機構の拡充強化を唱えら來ております。又実際に人員も不足しておるのでありまするが、如何なる根拠に基いて行政整理を行うのでありまするか。もとより腐敗職員を容赦なく排除するという政府の態度には異存はありませんが、不当なる行政整理には反対するものであります。行政整理をやる一方、他方においては、政府は有能な民間人を特別に任用するということをしばしば発表しております。もとより眞の意味における有能な人でありましたならば誠に結構でありまするが、かかる有能な人はなかなか現在いないのでありまして、又如何に有能な人でも、少くとも二三年は訓練しなくちや間に合わない。かような立場から、そういつた世間慣れした人を訓練するよりも、むしろ現在職場に奉職しておる若い連中を訓練した方が遥かに優秀であり、而も効果的であります。殊に不正行爲の面から見ましても世間慣れをした人が非常に危險である。かような見地からしても今回の行政整理に対しては反対するものであります。尚ここに附加して置きたいことは、誠に遺憾でありまするが、最近腐敗した税務職員が檢挙されて日々の新聞を賑わしております。これはもとより職員の素質の低下にもよりますが、納税者が惡税重税の苦痛を逃がれようとして、窮余の策として金品饗應を以て税務職員を誘惑しようとしたのが、そもそも事の始まりであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)從いまして、如何に嚴罰を設けましても、その根本である惡税重税と非難せられるものを根本的に改革しない限り、税務職員の惡徳行爲も、脱税の不正行爲も、抜本的にこれを断ち切ることは困難であると言わざるを得ないのであります。
以上簡單に所見を申述べましたが、右質問の三点につきまして明確にして責任ある御答弁をお願いいたしまして、私の質問を終ることにいたします。(拍手)
〔國務大臣池田勇人君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/58
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059・池田勇人
○國務大臣(池田勇人君) お答え申上げます。今日の新聞に、シヨープ博士は税制改革案を八月末までに作成し、日本政府に勧告するというのが載つておりました。私は直接に聞いておりません。八月末までに勧告案ができますれば、できるだけ早い機会に実施いたします。これはよく新聞にも出ておりますように、九月末に臨時國会が開かれれば、そのときには改正案を提案いたしまして、そうして今年度より実施するよう努力いたします。(「政府は自主的に出さないのか」と呼ぶ者あり)
第二の、昭和二十四年度の歳入は確保できるか、確保するためにどういうふうな措置を講ずるつもりか、この御質問に対しましては、二十四年度の五千百億円の租税收入は確保できます。この又確保の方法につきましては、御承知の通り日本の税制におきましては税の收入が大概下半期に片寄るのであります。從いまして、これを調整する意味からも、又收入を確保する意味からも、申告につきまして、税務署がこれを慫慂し、指導し、できるだけ早い機会に相当の税收入の上るような方法を講じて行きたいと考えております。
次に税務職員の整理は不当ではないかという御質問でありますが、一般行政官廳は三割の整理をいたしますが、税務の特殊性に鑑みまして、これを大体二割にいたしたのでございます。只今のところ定員は税務職員七万五千人ございまして、四月一日現在六万四千人になつております。整理と申しましても、六万四千人のところの四千人が整理される予定であります。從いまして、これに入つて來る者は最近急激に増加いたしまして、職員につきましては、その素質なり素行につきまして如何わしい者もあるやに認められますので、そういう者を先ず整理する考えでおるのであります。最近の税務官吏の不正事件につきまして、その原因を調べて見ますると、御承知の通り終戰後の税務職員の膨脹は著しいものがあるのであります。昨年中におきましても大体一万人以上の増加を見ておるのであります。急激に誰でも彼でも採用した結果が今日の税務官吏の腐敗を導いた主な原因と考えております。今後税務職員の採用につきましては十分調査をいたしまして、素質の向上を図つて行き、不正事件の起らないよう努めて行きたいと考えております。(拍手)
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/59
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060・松嶋喜作
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程第十四を後に廻し、日程第十五、社会教育法案(内閣提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/60
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061・松嶋喜作
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。文部委員会理事松野喜内君。
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〔松野喜内君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/61
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062・松野喜内
○松野喜内君 文部委員会に付託されました社会教育法案の審議の経過並びに結果を御報告いたします。
政府の提案の理由とするところは、社会教育は学校教育と並んで極めて重要なものであるに拘わらず、現状においては、実際の行政面に具体的な進展を見せていないので、これに必要な法的根拠を與え、國及び地方公共團体の任務を明らかにする等の措置を講じ、以て社会教育の振興を図ろうとするのであります。委員会は本法案の重要性に鑑み愼重なる審議を重ね、各委員からは熱心なる質問がありました。政府委員からも又懇切なる答弁がありましたが、その主なるものを申上げることといたします。
その一といたしましては、この法案は予算的の裏付けがないから、所期の成果を求めることは困難であり、且つ逼迫した地方財政に過重なる負担をかけ、延いては六・三制実施に支障を生ずるものではないかとの質問に対し、政府は、本法案成立の上は、本法案を足場として、國の予算的措置に十分なる努力を傾け、以て地方財政に過重なる負担とならないよう努めるとの答弁がありましたのであります。その二といたしましては、天下り的の運営に陷り、教育の民主化を阻止するようなことにはならないかとの質問に対しまして、政府は、社会教育は実際生活に即する文化的の教養を高め得るような環境を釀成することが本旨であるから、自主的の運営を主眼するとの答弁でありました。その三といたしまして、社会教育関係團体に対して政府は干渉に亘らないことはもとより、更に進んでこれに財政的援助を行う考えはないかとの質問に対しまして、政府は、干渉や統制を行わないことは勿論、又需めに應じてお世話をすることはいたしまするが、財政的の援助については不可能であるとの答弁がありました。その四といたしましては、各種の講座は往々にして非民主的なものになり、天下り的の内容になる虞れはないかとの質問に対しまして、政府は、関係方面の意向を多く参酌もするし、又自主的の申出によることにいたしまするから、その懸念はないとの答弁でありました。その五といたしましては、地方公共團体の長などのボス的の勢力温存を招來しないかとの質問に対しまして、政府は、絶対的にさようなことにはならないようにいたしますとの答弁でありました。
尚本委員会といたしましては、社会教育に関係の最も深い数名の証人を喚問いたしまして、その意見をも聽取いたした次第であります。これらに関する詳細は何とぞ速記録において御了承を願いたいと存じます。かくて質疑を終えまして討論に入りました。先ず若木委員から、一、地方公共團体に対する國の援助を義務付けることによつて、その財政的の負担の軽減を図ると共に、社会教育の振興を図ること。二、社会教育に関與する社会教育委員の活動並びにその選任などは、教育基本法の本旨に從い民主的でなければならないこと。三、社会教育関係團体への干渉を排除すると共に、更に進んで援助の途を講ずること。これらの三点を主なる眼目として、第四條、第五條、第六條、第十一條、第十五條、第十七條、第二十五條、第三十五條などをそれぞれその趣旨に合致するよう修正すると共に、第四十一條を削除するとの修正案が述べられましたのであります。本修正案につきまして討論の結果、多数を以てこれを可決されました次第であります。次に修正案以外の法案につきまして討論に入りましたところ、岩間委員より、財政的の裏付けのない本法案の成立は、本法案所期の成果を収めることができないのみならず、地方財政に過重なる負担と混乱を招來いたし、延いては六・三制などの先決的教育事業の完遂に支障を來すものであるという趣旨の下に反対の発言がありましたが、梅津委員その他の方々からは、財政的の裏付け等の希望を附して本法案に賛成の発言がありました。かくて表決の結果は、多数を以て本法案を可決することになりました次第です。よつて本法案は別紙お手許に配付されました修正案通り本委員会において可決することに決した次第であります。以上を以て御報告といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/62
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063・松嶋喜作
○副議長(松嶋喜作君) 本案に対し討論の通告がございます。兼岩傳一君。
〔兼岩傳一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/63
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064・兼岩傳一
○兼岩傳一君 只今上程されております社会教育法案は、別に本國会に上程されております國立学校設置法案と共に、日本の学校教育、社会教育の両面を、單に法律の上では、即ち法律的な構成としては完成させるものであります。併し第一に予算の裏付けがないのであります。二十四年度社会教育関係の予算は僅かに一億二千百十四万四千円であります。たつた一億二千余万円の予算で全國四十六の都道府県にございます一万一千の市町村の社会教育費を賄うといたしますとどうなるか。一市町村一ケ年当り平均たつた一万一千余円であります。これだけの予算でこの法案を強行するとどうなるか。地方財政委員会及び文部省は地方民に負担をかけないということを約束いたしておりますが、併し從來の経驗に徴しまして、都道府縣、市町村の間に、社会教育の活動或いは施設の面で競爭が起つて來るということは必然であります。從つて強制寄附の問題が起つて來るということも必然であります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)而も文部省では優良公民館表彰費として二十二万三千円を計上しておりますが、これは競爭に油を注ぐものでありまして、これは大衆的な負担を加重することは火を見るより明らかなものであります。
第三の欠陥は、本法によりますと、社会教育委員、それから公民館長、それから公民館運営審議会、通信教育審議会、いずれもそれらの委員に対して天下りの方針をとつておりまして、民主的な公選制という方針をとつていないという点であります。從つてこの法律によつて、学識経驗といつたような名前で地方應におられる社会教育主事といつたような人たちがこの地位に就く可能性が非常に大きいのであります。從いまして、これらの人の面を通じまして官僚的な文部省の指導権が確立するであろうという点であります。而も社会教育の内容が極めて抽象的で頭りまして、それだけに以上の道を通じまして反動的な政府の一方的な宣傳のために利用されるという危險が非常に大きいのであります。本案に対しましては参議院の委員各位の努力によりまして修正が加えられております。それは進歩的なものであります。併し以上申述べました二つの点につきましては修正されていないのであります。從いまして日本共産党としては本法案に反対するものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/64
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065・松嶋喜作
○副議長(松嶋喜作君) これにて討論通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/65
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066・松嶋喜作
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました(拍手)
これにて午後一時半まで休憩いたします。
午後零時二十九分休憩
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午後二時十七分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/66
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067・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
この際お諮りいたします。千葉信君より逓信委員を、水橋藤作君より労働委員をそれぞれ辞任いたしたい旨の申出がございました。い営れも許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/67
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068・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましては、その補欠として逓信委員に水橋藤作君を、労働委員に千葉信君をそれぞれ指命いたします。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/68
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069・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) この際、日程に追加して、消費生成協同組合法の一部を改正する法律案(姫井伊介君外十四名発議)(委員会審査省略要需事件)を議題とすることに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/69
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070・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。本案は発議者姫井伊介君外十四名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会の審査を省略し、直ちに本案の審議に入ることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/70
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071・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。姫井伊介君。
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〔姫井伊介君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/71
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072・姫井伊介
○姫井伊介君 只今上程されました消費生活協同組合法の一部を改正する法律案の説明をさして頂きます。
各種の協同組合が國民協同生活の基本形態であることは御承知の通りであります。然るに生活協同組合法が施行されまして以來、この組合の発展過程は甚だ遅々としておるのでございます。それは主として金融面においての関係があることはひとしく誰もが認めるところで、又その点につきましては國民側から強き要望が常に起つておるのでございます。從いましてこの改正案の趣旨としまするところは、農業協同組合法の線に沿いまして、その線以上には出ない、この範囲におきまして改正を試みたのでございます。その内容を少しく申上げますると、私的独占の禁辞及び公正取引の確保に関する法律に抵触しないように、それから事業面におきましては、組合員の貯金を受入れる事業、組合員の生活に必要な資金を貸付ける事業、組合員に住宅を供給する事業、これを新たに加えましたのでございます。尚、連合会といたしましては全國組織を認めることにしてありますが、併し信用事業につきましては、これに附帶する事業の外、他の事業を兼営することはできない規定を設けております。尚、曾ての産業組合に予約加入の例がありましたが、ほぼこれに倣いまして六ケ月間の期間を限りまして組合員となることのできる事項を差加えました。前申しましたように、信用事業ができることになりますると、從來のように出資額を一組合員が総出資額の四分の一までを持つということに考慮しなければならない点ができます。即ち金融関係からいたしまして、或る力を特別に持つと言つたような姿になつては困るのでありますから、その点を緩和いたしまするために、從來の四分の一を二十分の一に改めたのでございます。尚、從來の規定にありませんところの一会員又は一組合員に貸付ける金額に最高限度、貸付金の利率の最高限度、連合会が一会員にのためにする手形割引の金額、及び債務保証の金額の最高限度、こういうものを総会において決議しなければならないという事項を加えたのでございます。次には、農林中央金庫の出資者でありました産業組合が、漸次この組合に切替えられまする場合におきまして、その組合は農林中央金庫の出資者として今当分の間はその権利、義務を続けて行くようにいたしたのでございます。尚、附則といたしましては、さつき申しました出資額の限度を切下げました関係上、從來の出資を適当に調整するために讓渡しの方法、乃至は一部拂戻しの方法といつたように経過規定を添えたのでございます。そういう意味でございまするから、何とぞこの法案が通過いたしまするように切に御賛成をお願い申上げます。尚、先程申されましたように、委員会におきましては審査省略をいたしまして本会議に附せられた次第でございます。何とぞよろしく御賛同の程をお願いいたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/72
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073・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の起立を請います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/73
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074・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 総員起立を認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/74
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075・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) この際、日程に追加して青少年不良化防止に関する決議案、(姫井伊介君外十四名発議)、(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/75
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076・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。本案は発議者初井伊介君外十四名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会の審査を省略し、直ちに本案の審議に入ることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/76
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077・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。姫井伊介君。
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〔姫井伊介君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/77
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078・姫井伊介
○姫井伊介君 只今上程されました青少年の不良化防止に関する決議案につきまして御説明を申上げます。
先ず決議案の本文を朗読いたします。
戰後國情の混乱は幾多深刻なる社会問題を引き起しているが、國家將來の活力たるべき青少年が或いは親を失い、家庭を離れ、巷に放浪して、遂に罪を犯すに至るものが近時著しくその数を増加していることは、誠に憂慮に堪えない。よつて政府は自由を名目とする放任主義政策を是正し、三千五百万に余る兒童及び青少年の社会福祉に関する積極的方針を確立し、その心身を健全に保護育成して、前途に光明を與え、不良化を防止して、國家社会の明朗なる將來を建設するため、左記各項につき適切なる施策を断行して、その結果を次期國会において本院に報告すべきである。
記
一、青少年及び兒童の社会的実態を示すべき調書を公表し、これに対應する福祉施策を確立すること。
二、兒童福祉法、少年法、労働基準法、職業安定法、学校教育法、社会教育法等各種関係法制施行に当つては、適切な調整を図り、主管行政の独善的弊害を排し、青少年の善導に万全を期すること。
三、青少年の適性指導並びに適性職能補導施策を充実促進すること。
四、青少年及び兒童の心身の健全なる発達を阻害する社会環境の是正に努むると共に、刊行物、藝能作品及び演出、遊技、娯樂及び各種廣告物等に関する文化財の質的向上を図ること。
五、青少年及び兒童に対する厚生施設の整備普及を図ること。
六、青少年及び兒童の自治的共励運動を促進してその発達を期すること。
七、青少年不良化の誘因たる道義荒廃の根元を究明して、民主的平和日本確立のための國民運動を展開し、社会風教の刷新を図ること。
右決議する。
青少年の犯罪数を統計によつて見ますると、昭和十二年には四万六千件でありましたが、同二十年には八万二千件に増しました。然るに二十三年になりますると、驚くべし、二十五万件という多数に上つたのでございまして、これは全國の犯罪者総数の五十二万に対しまして殆んど半分に及ばんとするものでございます。八歳から二十五歳までの一昨年の臨時國勢調査の統計によりますると、その人員は二千九百四十万人でありましたが、仮にこの数に当てはめて見ますると、百十七人に対して一人の犯罪者、更に時間的に見ますると二分間に一人の犯罪者を出すという状況にあるのでございます。これは犯罪者のみの統計でございまして、これを若し我々の言う犯罪に陷る虞れのある者、或いは不良化の性格を持つておるといつたような者を凡そこれの二十倍と見まするならば、(「簡單」と呼ぶ者あり)更に恐るべき数に上るのでございます。この原因はどこにあるか。多く申すまでもなく子供その人の罪ではございません。殊に戰後におきまして、この混乱せる社会情勢において、扶養者を失い、適当な保護者を持たないところの戰災孤兒或いは遺兒が、淋しさに、苦しさに悩み抜いて、自分たちはどうして生きればいいか。どこへ行けばいいか。その結果は、或る者は闇屋の手先になつて道具に使われて魔境に沈んで行く者も滔々としてその数が殖えて参りました。希望もない。光明もない。遂には思想に混乱を生じまして、絶望の果ては、反抗心、復讐心さえも起すようになつた者がないとは断言できないのでございます。曾て家の子として考えられておりましたが、今は國の子であり、社会の子であり、世界の子である。我が日本が將來平和の文化的国家として立派に國際的にその地位を保つて行くためには、現在のこうした青少年が中心とならなければならない。これが今のままで放置されてよろしいでしようか。又それらの多数の子供の中に、適当にこれを処理して行つたならば誠に立派な人物ができるのでございます。或いはその中に將來の大政治家なしと誰が断言し得るか。立派な学者、或いは学校の先生、或いは科学者、或いは文化人、そういう立派な素質を持つておる者があの多数の青少年中にいるということを考えましたときに、我々はそのまま放任して置くことはできないのであります。即ちこれは社会の罪であり、又政治の大なる責任であると痛感をせざるを得ないのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)私は左記各項と申しました事項につきまして一々詳しいことは、もはや申上げません。けれども、ただ從來のような各官廳行政部門がそれぞれにばらばらに分れておりましては立派な仕事はできない。何とかして各関係各省が相提携連絡いたしまして、この青少年の善導に対して死力を注がなければ、我々が念願しておりますところの明るい國家の建設は至難であります。この間、新聞記事を見ますると、放火をして、付け火をして、集團して脱走した少年院におりました子供たち……。その事件が起りますと、そこの院長はこういうことを申されたと新聞は報道しております。設備がない、惡い、どうにもしようがない、人も足らない、だから、これからは施設が完備するまでは、惡質な少年を送つて貰わないように法務廳に上申をすると言つておるのであります。一方から言えば無理もない。これら職員は、何故施設を十分にして呉れないかとも言えますけれども、然らば惡質な者を送つて呉れるなと言うが、その惡質なる少年は誰が保護するか。誰がそれを守つていくか。たとえ不備な設備でありましても、職員が足りないでも、命がけを以てそれらの子供を抱きかかえて行かなければならないのがその人の天職ではございませんか。又或る浮浪者收容の所におきましては、二人の子供が、あの東北の那須野高原に設けられました那須学園に逃走した。それはその学園長を慕つて逃走したのであります。それを無理に引戻した。その無理に引戻した学園は東京都内にある。然るにその二人の子供は、那須野学園長を慕うて又再び逃走しました。若し引戻されることがあつたならば、俺は鉄道に飛び込んで自殺するのだ。これらのことが、ただ從來の冷たい規格に押え付けられておりまするが故にそういうことが起るのであります。本当の愛のあるところには、すべての子供が集まつて行くのです。そういうところこそますます助長発達せしめなければならない。こういう点からいたしまして、もはや、この上多くの言葉は用いません。どうか官民協力、すべての國民が一体となつて大國民運動を展開いたしまして、これらの子供のための將來と言わず、我が國の將來のために立派な國家が建設されまするように、及ぶだけの努力を拂つて頂きたいということを切に希望いたし、(拍手)私の説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/78
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079・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を請います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/79
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080・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本決議案は全会一致を以て可決せられました。
只今の決議に対し政府より発言を求められました。林厚生大臣。
〔國務大臣林讓隆君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/80
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081・林讓治
○國務大臣(林讓治君) 現今の社会情勢の下におきまして、青少年の不良化が激増していますことは、誠に憂慮すべきことと思つているものでありまして、今回青少年の不良化防止に関する決議が決定されましたことは、誠に同感に堪えないところであります。尚、政府といたしましても、所の重要性に鑑みまして、諸種の困難な事情の下にありながらも、今日まで諸種の努力をいたして來たのでありますが、四月二十八日、青少年の不良化防止のため、青少年指導不良化防止対策基本要綱を閣議決定いたし、これに基き青少年の不良化防止運動を強力に推進することになつたのであります。右の対策要綱は、青少年を取り巻く社会環境の整備、家庭への指導、青少年に対する指導の強化徹底、不良化傾向の早期発見等、廣汎に亘る具体的対策を打ち立てているのでありまするが、これが実施につきましては、中央兒童福祉委員会及び都道府縣兒童福祉委が会が中心となつて、関係各官廳並びに各種の報道機関、民間團体の緊密な連絡と協力の下に、統一ある運動を進めて行くものであります。尚、今後只今の御決議の御趣意に副いまして、できるだけの努力をいたしたいと考えるわけであります。(「張り切れ」と呼ぶ者あり、拍手)
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/81
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082・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 草葉隆圓君外一名より、成規の賛成を得て、議員星野若樹君を懲罰に付するの動議が提出せられました。よつて本件を議題といたします。これより提出者の趣旨説明の発言を許します。草葉隆圓君。
〔草葉隆圓君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/82
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083・草葉隆圓
○草葉隆圓君 私は星野芳樹君の懲罰の動議を、その内容を説明するに当りまして、本日、星野議員が本議場におられませないことを誠に遺憾に存ずる次第であります。(「眞直ぐ向いて言え」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)実は在外同胞引揚問題に関しまする特別委員会におきましては、御案内のように先般來いわゆる吉村隊長事件に対する調査に当つて、各委員、殊に世論の相当大きな焦点となつておりましたので、一層愼重に審議をして参つたのであります。そうして、その最後の結論を得つつありまする際に、我々はその結論を求めんとする委員会におきまして、遅々としてその進行が進まず、これらの点を憂慮いたしておつたのでありまするが、本日私がこれから申上げる内容を十分お聞きになりますと御了承願えると存じますような星野議員の発言の内容によりまして、一つは遅々として進まなんだのであると存ずるのであります。殊に委員長が御婦人でありましたよう関係で(「詰らんことを言うな」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然)一層その点について星野議員の態度に非協力なところがあつたと私は存ずるのであります。(「感情論をするな」と呼ぶ者あり)実は昨日十九日の在外同胞の特別委員会におきましては、結論を得るために議事を進めて参り、(「定足数がないのにやつていたのだ」と呼ぶ者あり)その採決の結果、討論は打切ることに相成りましたが、併し報告書の内容におきましても、いろいろな点において意見を異にする場合があることを考えまして、二時間の討論を諮つて特にいたすことに相成つたのであります。(「定足数がなつかつた」「要らんことだ」と呼ぶ者あり)その中におきまして、星野芳樹議員はかような発言をいたされたのであります。その発言の一端を申上げます。(「速記録を読め」と呼ぶ者あり)速記録は読みません。(笑声、「よう読まんだろう」「遠慮するな」と呼ぶ者あり)
「本当のことを申上げますれば、本当のことをお嫌いな方には神経に触わるかも知れませんが」という前提の下に、(「その通り」「素晴しい前提だ」と呼ぶ者あり)「こういう主張をなさる方には吉村隊長と甚だ相通ずる思想を持つて」(「あり得ることだ」「その通り」と呼ぶ者あり)「おられる議員があつたようであります。例えば、淺岡委員が暁に祈られた人の数において」、途中は抜かします。(笑声、「眞相を明らかにせよ」と呼ぶ者あり)「明らかにこれは」(「はつきり言え」と呼ぶ者あり)それでは省略せずに申上げます。「淺岡議員が暁に祈られた人の数において、他の証人はすべて一致して百数十名と言つているのに対して、吉村隊長のみ四十二名ということに対して、これは隊長が宣誓したからこれを信用しなければならないというような、実に常識外れのことを言つておられるというような点から見ても、明らかにこれは吉村隊長と甚だ心情が相通ずるものが」(「その通り」と呼ぶ者あり)「ある人がこの國会にもあつたということを証明しておるものであり」、(「その通り」と呼ぶ者あり)「我が國民性の一部に反省を加えるというのが実にこの点であり、又單に外蒙ウランバートルにおいて吉村隊長が軍國主義的な影響下にこうして思想を持つておるというのではなく、実に今日この日本國土において、而も政治の中枢である國会の中にもこうした軍國主義的な影響の下に」(「その通り」と呼ぶ者あり)「ある人々があるということを実に結論せざるを得ないのであります。」(「その通り」「その通りとは何を言う」と呼ぶ者あり)「この意味において本当に政府が眞に引揚促進の有効な手段をとるとしたならば、全くかかる議員を、而もこれが政府與党の議員であり、そうした與党議員を出すがごとき政府内閣はこれは速かに辞職することが最も引揚促進であり、」(「そうだ」と呼ぶ者あり)「本國会として最も引揚促進に有効な方法としては、極力この敵本的な報告書を盛らんとして押し通さんとして、」ここにおられないので指摘しにくいのです。のですが、(「遠慮するな」と呼ぶ者あり)ここにおられたらもつと言うのですが、「淺岡議員、矢野議員、岡元議員、こうした反動的議員を除名する決議をすることが、これが最も引揚促進に有効な手段と」(笑声)「断ぜざるを得ないのであります。」)拍手、「賛成」と呼ぶ者あり)こういう内容の発言をいたされたのであります。(「分つたか」と呼ぶ者あり)これは我々が参議院議員としてそれぞれの法規に示されておりまする点から、或いは無礼の言を用いて、(「政治的発言だ」「感情を入れるな」と呼ぶ者あり)或いは品位を重んじない全く議員の体面を汚す重大なる発言であると存じまして、(「その通り」と呼ぶ者あり)以上の点に対し、私は星野芳樹君を懲罰に付せられたいという動議を提出する次第であります。何とぞ満場の諸君の御賛成を願います。(「ノーノー」と呼ぶ者あり、拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/83
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084・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 暫時休憩いたします。
午後二時四十九分休憩
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午後四時五十五分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/84
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085・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。(拍手)
草葉隆圓君外一名より提出にかかる議員星野芳樹君に対する懲罰の動議を問題に供します。懲罰の動議は討論を用いないで採決をいたすことになつております。これより本動議の採決をいたします。本動議の表決は記名投票を以て行います。本動議に贊成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
〔議場閉鎖〕
〔参事氏名を点呼〕
〔投票執行〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/85
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086・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 投票漏れはございませんか……投票漏れはないと認めます。これより開票いたします。投票を計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。
〔議場開鎖〕
〔参事投票を計算〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/86
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087・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 投票の結果を報告いたします。投票総数九十八票、白色票即ち本動議を可とするもの九十二票、(拍手)青色票即ち本動議を否とするもの六票、よつて本動議は可決せられました。
議長は星野芳樹君を懲罰委員会に付託いたします。(拍手)
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〔参照〕
賛成者(白色票)氏名 九十二名
阿竹齋次郎君 岩本 月洲君
宇都宮 登君 梅原 眞隆君
江熊 哲翁君 小野 哲君
加賀 操君 柏木 庫治君
河井 彌八君 小杉 イ子君
小宮山常吉君 西郷吉之助君
新谷寅三郎君 鈴木 直人君
竹下 豐次君 高橋龍太郎君
田中耕太郎君 中川 以良君
波多野林一君 早川 愼一君
藤井 丙午君 堀越 儀郎君
町村 敬貴君 矢野 酉雄君
山崎 恒君 赤木 正雄君
赤澤 與仁君 岡本 愛祐君
岡元 義人君 木下 辰雄君
九鬼紋十郎君 山田 佐一君
島津 忠彦君 島村 軍次君
下條 康麿君 宿谷 榮一君
大野木秀次郎君 遠山 丙市君
小林 英三君 玉置吉之丞君
玉屋 喜章君 松嶋 喜作君
徳川 頼貞君 一松 政二君
田口政五郎君 岡田喜久治君
團 伊能君 結城 安次君
西田 天香君 渡邊 甚吉君
藤井 新一君 西川 昌夫君
川村 松助君 淺岡 信夫君
池田宇右衞門君 堀末 治君
荒井 八郎君 西川甚五郎君
黒田 英雄君 寺尾 豊君
草葉 隆圓君 石坂 豊一君
柴田 政次君 小杉 繁安君
松野 喜内君 黒川 武雄君
紅露 みつ君 大隅 憲二君
深水 六郎君 平岡 市三君
城 義臣君 藤森 眞治君
仲子 隆君 中川 幸平君
重宗 雄三君 西山 龜七君
伊東 隆治君 境野 清雄君
左藤 義詮君 小串 清一君
尾形六郎兵衞君 木檜三四郎君
木内 四郎君 櫻内 辰郎君
油井賢太郎君 星 一君
小畑 哲夫君 入交 太藏君
大隈 信幸君 門屋 盛一君
平野善治郎君 池田七郎兵衛君
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反対者(青色票)氏名 六名
板野 勝次君 細川 嘉六君
中野 重治君 原 虎一君
中村 正雄君 佐々木良作君
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/87
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088・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 日程第十四、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。経済安定委員長佐々木良作君。
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〔佐々木良作君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/88
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089・佐々木良作
○佐々木良作君 只今議題となりました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の経済安定委員会における審議の経過並びに結果について御報告いたします。
政府の提案説明によりますと、いわゆる私的独占禁止法が昭和二十二年四月公布されましてから、約二年を経過したのでありますが、日本経済の再建自立のため不可欠な外資導入並びに再建整備法に基く証券消化等の問題に関連しまして、本法中若干の諸規定で日本経済の実態に不適当なもののあることが認められたというのでありまして、特に改正法第六條の外國事業者との間の國際契約に関する認可制と、同じく第十條の会社の株式保有を原則的に禁止する規定とが問題となり、本法の法益とする公正且つ自由な競爭を阻害しない限り、これらの規定を緩和いたしまして、外資導入、証券消化等の障害を除去する必要が生じたと、こういうのであります。
次に本改正案の要点を申上げますと、大体次の三点に要約されると思います。即ち先ず第一は、独禁法の法益を阻害しない限り、現行法第十條、第十三條のごとく、会社の大小、或いは業種の如何を問わず、会社の持株を原則的に禁止したり、一定数以上の役員兼任を機械的に禁止したりするような会社法的な規定をできるだけ削除しようとしたことであります。それから第二点は、現行法中には第六條又は第十條以下の第四章の規定のごとく、國際契約会社の株式取得、個人の株式取得、会社合併、営業讓受等につきまして、嚴重な認可申請を要する事項が極めて多いのでありますが、このような認可制をできるだけ削除いたしまして、特に必要なものについてのみ、有効且つ適切な事後届出制に改めようとしておることであります。第三に、本法の條文中随所に用いられておる「競爭」という文字の定義につきましては、現行法では單に第二條第二項「潜在的競爭を含む」とあるだけでありまして、その意味は必ずしも明瞭でなく、殊に第四章中の役員兼任、株式取得に関する制限規定の適用につき判断に苦しむ向が少くなく、又この独禁法の規定が外國会社、外國事業者等に適用があるかどうかにつきましても、若干の疑義が生じましたので、これらの競爭の定義をできるだけ明瞭にすると共に、外國会社についても本法の法域内にある限り適用がある旨を明らかにしようとしていることであります。改正要点は今申上げました三点でありますが、この改正法案は現在の経済上相当重要と考えられますから、主な改正の内容につきまして、少しく説明を加えて見たいと思います。
先ず第一に、第二條第二項を改正いたしまして、本法でいう「競爭」とは、二つ以上の事業者が、共に國内で生産、販賣等、何らかの事業活動を営み、その通常の状態で起る現実の競爭であるか、或いは又は現在このような現実の競爭がなくても、施設方法等に簡單な変更を加えれば同一の顧客を爭い得るような場合の競爭を指すことを明記しております。又その競爭には賣手間の競爭だけでなくて、買手間の競爭をも含めておることを規定しております。併しながら第四章の株式保有や役員兼任に関する予防規定には、買手間の競爭は一切問題にしないことになつております。
次に第六條につきましては、外資導入、國際契約等に関する制約を緩和するため、國際契約、貿易協定の認定制を事後届出制に改め、又第四條第一項各号に該当するような契約でない限り、「科学、技術に関する知識、情報の交換を制限するような契約」でも差支ないように改められているのであります。
第十條は相当問題の規定でありますが、事業会社の株式保有の制限に関する規定でありまして、会社の株式保有を原則的に禁止する從來の規定を廃止しまして、原則的に廣く一般会社の株式保有を認めるため、外國会社をも含めて、会社は「競爭を実質的に制限することとなる場合」に限り、これを禁止することと改正されております。尚、金融会社以外の会社が、自己と競爭関係にある他会社の株式を取得所有することは一切禁止されておりますが、たとえ第二條第二項の競爭の抽象的基準に該当するような不安がある場合でも、親会社から経済上の利益の供給を受けなければ子会社の事業活動に重大な支障を來すような場合は、両会社の間に競爭関係がないという規定を新たに設けておるのであります。更に金融以外の会社の株式取得の認可制は、一年二回の定期的な届出報告に改め、尚、総資産五百万円以下の会社は、これらの届出義務もないことになつておるのであります。
第十條の以上のような大幅な緩和に伴いまして、既存の会社が持株会社となり得る場合が生じて採りますので、第九條は、持株会社の設立だけでなく、その機能をも禁止するように改められております。
次に、第十二條の会社の社債取得の二五%の制限並びに第十三條の役員の兼任の四分の一又は一人三つの制限の規定は、すべて削除されまして、競爭関係にある会社相互間でない限り役員の兼任は自由となつておるのであります。
最後に、第十五條、会社の合併に関する規定におきまして、政府原案では、総資産五百万円以下の会社については、從來の認可制を三十日以内の届出制に改め、又第十六條におきまして、外國会社の場合だけは営業の讓渡等につき事前認可制となつておりましたが、衆議院におきまして、総資産五百万円以上であつても届出制ということにし、ただ、この場合、届出受理の日から三十日間は当該行爲をしてはならないということにし、更に外國会社についても、國内の会社と同樣、届出制にすることに修正しておるのであります。
このように、第四章予防規定が全面的に援和されると共に、機械的な制限がすべて削除されましたので、これらの規定の違反であるかどうかが、はつきりしない場合の多いことが予想されるために、第十七條の二を追加しまして、特に必要な排除措置又は届出命令の規定を設けておるのであります。その他第八章第二節の手続規定、或いは第十章の罰則、これは罰金額の値上げでありますがこれらについて若干の修正を行い、又衆議院におきましても若干の修正を加えておりますが、これらはすべて條文の整理に基くものであります。
以上が本改正案の内容であります。これに対しまして各委員から熱心な質疑が行われましたが、質疑の主なものを以下整理して二、三申上げて見たいと思います。
第一に、制限会社令によりますと、資本金五百万円以上の制限会社の株式社債等を讓り渡したり取得しようとするものは大藏大臣の許可を要することになつており、会社証券保有等制限令によりますと、他会社の株式、社債の保有、投員の兼任は禁止されております。從つて独禁法が折角以上のように改正されまして株式の保有、役員の兼任などが緩和されましても、現在主要な会社はこれらの勅令の適用を受けておるために、事実上はこの法律改正の効果は極めて薄いと思われるが、政府はこれをどういうふうに考えておるのかというのが第一であります。
それから第二には、事業者團体法によりますと、企業の大小を問わず、すべて事業者が共通の利益を増進することを目的として結合又は連合して、購買、販賣、生産、製造、加工、輸送その他営業活動を営むことは禁止されておる。從つて同法により、中小企業は協同行爲ができないものが少くなく、本法改正により、大企業に対し中小企業の取扱が不均衡となり、そのため却つて独禁法の趣旨に反しまして、一部大企業のみを利する虞れがありはしないか、これが第二点であります。
それから第三点といたしまして、外國会社の取扱については、國際市場では手が着けられないことになつておる上に、今度の改正では、國内市場では、外國会社を國内会社と同様に平等無差別に扱うことになつておるが、これでは外國会社に押されることになる虞れがあるから、外國会社の取扱については更に檢討を要すると思うがどうか、これが第三点であります。
整理して見ますと、大体こういう質問が主であつたと思います。
これに対しまして、政府の答弁もいろいろありましたが、これを今のように整理して申上げますと。
第一は、制限会社の我が國産業復興に占める比重と独禁法改正の趣旨に鑑みて、この際、制限会社の解除をできるだけ速かに行うことが適当であると考えておるし、又会社証券保有等制限令も相当緩和することが望ましいと考えておるというのが政府の第一点の答弁であります。
それから第二には、事業者團体法に関しても或る程度の改正を加える必要があると思われるので、政府においても只今関係方面と折衝中であり、今後とも努力する考えである。こういうお答えであります。
それから第三に、第十條、第十五條及び第十六條の緩和によつて外國会社に不当に押されはしないかという懸念については、本改正法では外國会社に対しても無差別の方針を採つておるけれども、一方に外國資本の導入については、外國人の財産取得に関する政令がありまして、これによつて制約できるから心配はないと考えると、こういうことでありました。大体整理して申上げますと、以上のようになると思います。
それから討論に入りまして、討論におきましては、藤井、鎌田、帆足、奧、西川、安達等の各委員の方から、第一に、國際協定、貿易協定については、今後の日本経済の振興状況に應じて更に緩和すべきであり、第二には、事業者團体法の改正も行わるべきであり、第三には、制限会社令、会社証券保有等制限令が現在のままでは、本改正は殆んど実効がないから、これらの政令も速かに改正すべきである、こういう意味の強い要望を付せられまして、賛成意見が述べられました。
それから和田委員からは、今回の改正は、企業の現実の要求を容れて緩和しておるようであつて、この点に関してだけは反対しないのであるけれども、事業者團体法との関係で非常に中小企業との関係が不均衡になり、更に役員兼任の緩和は経済の民主化を妨げる虞れがある。又外國会社を國内会社と同じに扱つておる上に、國際市場には手が着けられない。外資導入には自主性を持つ必要がある、以上の諸点からして反対であるが、更に本法のような重要な改正は、本改正案のごとき部分的な改正ではなくて、日本経済の全面的な考慮の上に立つて、もつと本格的な改正がなさるべきである、こういう意味の反対意見が述べられました。
かくいたしまして採決に入りましたところ、多数を以て本改正法律案を可決すべきものと決定した次第であります。尚ちよつとお断り申上げますが、この報告におきましては、質疑應答中に必ずしも意味の明瞭でない点もあつたのでありますけれども、今日の報告までにまだ速記録が整備いたしておりませんために、適宜委員長の責任におきまして整理いたしまして、或いは補足し、解釈をいたしまして報告申上げたことを御了解願いたいと思います。尚詳しい点につきましては、速記録を一つ十分に御覽願いたい、こういうふうに考えます。以上を以ちまして私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の経済安定委員会における審議の経過及び結果を御報告いたした次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/89
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090・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/90
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091・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/91
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092・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) この際、日程第十六、古物営業取締法案、日程第十七、道路交通取締法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/92
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093・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長岡本愛祐君。
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〔岡本愛祐君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/93
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094・岡本愛祐
○岡本愛祐君 只今議題となりました古物営業取締法案及び道路交通取締法の一部を改正する法律案の地方行政委員会における審議の経過及び結果を御報告いたします。
先ず古物営業取締法案は、現行古物商取締法が時勢に副わぬ部分があるばかりでなく、最近における犯罪激増の事情に照して、古物の取扱を公正明朗化すると共に、古物の取引に際して、盜品の発見に努めることによつて犯罪の防止を効果的ならしむるために、これを全面的に改正せんとするものでありまして、政府原案の内容は古物商、市場主、露店、行商、せり賣は、すべて公安委員会の許可を受けしめ、右許可をするときは許可証を交付することとして、許可証制度を定め、古物商、市場主の許可には一定の嚴重な基準を設け、古物商は、その営業所又は取引の相手方の住所、居所以外において、古物商以外の者から古物の取引をしてはならないこととし、市場においては古物商間に限り古物の取引をなすべきこととし、営業者の協力を得て、贓品の発見を容易にするために、相手方の確認の方法及び品触れの制度を定め、又帳薄の記載を適確ならしめ、古物商が扱つた古物の中に盜品又は遺失物があつた場合には、善意の場合であつても、二年間は被害者又は遺失主に対して、無償回復の請求権を認め、古物の中で盜品又は遺失物の疑いの濃いものについては、警察署長が古物商に対し三十日以内を限つて、その古物の保管を命ずることを認め、許可の取消又は営業の停止、並びに罰則については他の法令との均衡を考慮し、殊に犯罪の温床となるもぐり業者に対しては嚴罰を科する等の規定がその主要点であります。
この政府原案に対し、衆議院において五点の修正が加えられております。
即ち法律の名称を古物営業法と改めること、古物の中に観賞的美術品を含むことを明確ならしめたこと、古物商が行商をさせ露店を出させることのできる從業員の数の制限を撤廃したこと、盜品及び遺失物の無償回復請求権を二年を一年に短縮して、被害者又は遺失主の保護と共に古物商の義務負担を軽減したこと、警察官又は警察吏員は、その身分を証明する証票を関係者の請求を待つまでもなく自分の方から檢査を受ける関係者に対して提示すべきことに改めたのであります。
以上衆議院における修正の個所は、いずれも本院の地方行政委員会においても亦論議の対象となり、政府側との間に熱心な質疑應答が重ねられた点であります。その他、委員会における質疑應答の詳細については速記録に讓りたいと存じます。かくて五月十八日討論に入り、西郷委員より賛成の意見が述べられ、採決の結果、全会一致を以て衆議院の送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
次に道路交通取締法の一部を改正する法律案は、交通秩序の現状に鑑み、交通事故の発生をできるだけ防止するため、從來の左側通行一本建を改めて、歩行者は原則として道路の右側を通行し、歩行者と車馬とが同じ側で相対面して通行する方式を実施すること、自動車の右小廻りの実施、即ち自動車は右折しようとするときは、予めその前からできる限り道路の中央に寄つて交叉点の中心の直近の外側を徐行して廻らなければならないとすること、右に伴い交叉点を横断する歩行者の安全を守る規定を設けること、それから罰則の改正等がその内容であります。本委員会は愼重審議の後、五月十八日に討論に入り、採決の結果、多数を以て可決すべきものと決定いたしました。以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/94
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095・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければこれより採決をいたします。先ず古物営業取締法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/95
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096・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/96
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097・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 次に道路交通取締法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/97
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098・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/98
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099・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 日程第十八、船員保險法等の一部を改正する法律案、(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長塚本重藏君。
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〔塚本重藏君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/99
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100・塚本重藏
○塚本重藏君 只今議題となりました船員保險法等の一部を改正する法律案について、厚生委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
先ず本法案の主なる改正要点を簡單に申上げます。第一は現行船員保險の標準報酬でありますが、現行法におきましては、最低五百円を第一級とし、最高八千円を第三十級としているのでありますが、最近の船員給與の実情に鑑み、これを最低月額二千円を第一級とし、最高月額二万四千円を第十九級としてこれを区分し、保險給付の適正を期すると共に、保險経済の安定を図らんといたしたのであります。
第二は、保險給付の内容の改善につきましては、先ず漁船船員に対する養老年金制度の適正化を図つたことでありますが、一般船員に相当する漁船船員であつた期間を除きまして、十年以上十五年未満の者にも養老年金を支給することといたしたのであります。次に失業保險金の支給日額を陸上の失業保險と同樣にいたしました。即ち現行法においては、百分の六十の率を基準として、報酬の低い者につきましては最高百分の八十までこれを逓増した率で支給し、報酬の高い者につきましては最低百分の四十まで逓減した率によつて支給することになつているのでありますが、今回これを一律に百分の六十の率に改めて、失業保險金の実質的増額を図ることといたしますと共に、漁船乘組員の実態に鑑みまして、労働者の四分の三以上の同意を得ることによつて失業保險から除外することといたしました。
第三は保險料率の改正でありますが、最近の経済情勢下におきましては、医療費が非常に高まつて参りましたことと、被保險者がこれを利用する利用率が高まつて参りましたために、その受給率が著しく増加いたしました。從いまして傷病給付に対する費用が著しく増嵩いたしましたのと、船員保險におきましては、船員の災害補償を完全に実施する関係もありまして、適正に且つ迅速な給付をするために、傷病給付の保險料率を若干引き上げたのであります。即ち失業保險の給付を受ける者は一三・二%、失業保險金を受けない者は一一・〇%とし、その他延滯金の額及びその計算方法につきまして、他の社会保險と同樣に國税徴收法に傚つてこれを改めました。以上が本法案改正の主なる内容であります。
本法案は去る五月十日に衆議院において修正可決の上、同日本院に送付を受けたのであります。今衆議院における修正の要点を申上げます。
その第一点は、保險料率につき千分の二百十六とあるを千分の二百十四と改め、その千分の二百十四のうち、被保險者の負担を二百十四分の八十四とし、船舶所有者の負担を二百十四分の百三十に改めました。
第二点は、こういうふうに本文にはその料率を明らかにいたしましたけれども、いろいろな事情によつて、尚、当分の間はこれに経過規定といたしまして別な料率を設けられておるのでありますが、それは保險料率を当分の間は千分の百三十二に止めておりまして、被保險者の負担額が百三十二分の四十三であり、船舶所有者の負担が百三十二分の八十九となつておる、この率を改正いたしまして千分の百三十と改めました。そうしてこの千分の百三十のうち被保險者の負担を百三十分の四十二とし、船舶所有者の負担を百三十分の八十八に衆議院では改正いたしたのであります。
厚生委員会におきましては、本法案が現下の海運、水産の業務に從事する海上労務者に及ぼす影響の重大性に鑑みまして、愼重に審議を進めたのであります。即ち五月十二日には運輸委員会と連合委員会を開き、運輸委員の意見をも十分参酌し、尚必要により運輸省からも関係者を出席せしめ、愼重に審議をいたしたのであります。委員会においては、船員保險料の中に含まれている失業保險料は、衆議院における修正案によつて政府の原案千円につき二十二円が二十円に改められましたけれども、尚それにも拘わらず高きに失するのではないか、これは十六円程度で十分であると思うが如何。更に又養老年金の受給資格期間は一般船員が十五年で、その養老年金の額は平均標準報酬月額の四ケ月分である。然るに漁船に乘組んだ被保險者の受給資格期間は十年で、その年金額は二ケ月分であるが、これは受給資格期間と年金額との割合が前者と後者の間が不均衡ではないか。又運輸省側は今回の改正について如何なる見解を有しておるか等々の質問が熱心に出されたのであります。これに対しまして政府からそれぞれ詳細なる答弁がありましたが、その詳細については何とぞ速記録によつて御承知賜わりたいのであります。
要するに以上の質疑應答におきまして、この改正は、今日の保險経済の安定を図る必要のため、標準報酬月額とその等級並びに保險料率の妥当な改正を行い、又漁船乘組被保險者の希望に副うために養老年金制の適正化を期したこと、社会保障制度への発展を目標といたしまして、今回陸上労務者に対する諸保險の内容に歩調を合せること等の改正であることが明らかにいたされました。かくて質疑を終了いたしまして、討論を終了いたし、採決に入りましたところ、本法案は全会一致を以ちまして衆議院修正通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/100
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101・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/101
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102・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
—————・—————議長(松平恒雄君) この際、日程第三、日本國有鉄道法施行法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長板谷順助君。
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〔板谷順助君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/102
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103・板谷順助
○板谷順助君 只今議題となりましたる日本國有鉄道法施行法案につきまして運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
この法律案は從來、國が経営しておりました國有鉄道及びこれに関連いたしまする諸種の事業を、日本國有鉄道法の施行に当りまして日本國有鉄道に引継ぎまするため、必要な種々の法的措置を規定したものであります。この法的措置と申しますのは、第一は職員の引継ぎでありまして、これは引継事業に勤務いたしておりまする者は從來の身分を失い、日本國有鉄道に引継がれたものとなるのであります。第二は、財産その他の権利義務の承継でありまして、これも引継事業に関し現に國が有しまする財産その他の権利義務は、引継ぎのときにおいて日本國有鉄道が承継することに相成ります。第三は、日本國有鉄道の発足に伴う各法令の改廃でありまして、これは日本國有鉄道が一應國とは人格上別個の独立体となりますので、関係條文の読み替えの必要があるのであります。最後に日本國有鉄道の総裁及び監理委員会の委員の任命についての準備的措置を規定いたしました。監理委員会の委員及び総裁は、日本國有鉄道法によりますと、國会の同意を要するのでありますが、日本國有鉄道発足の日の六月一日には國会は開会中でないと考えられますので、日本國有鉄道の発足に支障なからしむるため、事前に監理委員会の委員となるべき者及び総裁となるべき者を、日本國有鉄道法の規定の例により、予め指名することのできるような法的措置を要するのであります。以上が日本國有鉄道法施行法案の骨子であります。
この法案の審議中、質疑應答の要点を総括して申上げますれば、日本國有鉄道法第三十六條の規定による会計に関する法律案を、この法律案と同時に成立せしめる必要があるということが論議の中心となつたのであります。すでに御承知の通り第三國会の本院において日本國有鉄道法を可決いたします際、種々反対及び修正の意見があつたのでありまして、これらの点につきましては、本院として修正の要求をいたして置いた次第であり、この会計に関する法律案もその一つであります。この会計に関する法律案は、日本國有鉄道の独立採算制を確立し、高能率な経営をいたします上に必要な法律でありますので、これが提案にならなければ、只今議題になつておる施行法を成立せしめても、日本國有鉄道として独立採算制の基礎を確立し得ず、意義の極めて薄いものとなるのであります。よつて運輸委員会におきましても、再三政府にその提出を督促したのでありまするが、政府部内の意見がまとまらず、遂に本会期中に提案の見込が立たなくなりましたことは誠に遺憾千万の次第であります。若し政府が提案できないならば、本院としてこれを提案する準備があるのでありますが、第三國会において政府に要求しておる次第もあり、又運輸大臣も急速提案の用意があると言明されておりまするので、政府に対しては重ねて会計に関する法律案を至急提案する旨要求したのであります。
次で討論に入りまして、小野委員より、この法律案は速かに成立せしむることが日本國有鉄道の発足に必要と思うので、賛意を表する次第であるが、日本國有鉄道法第三十六條の規定による法律案が未だに提案の運びになつていないということは、遺憾である。政府は速かに政府案として右法律案を提案することを強く希望する旨の意見の開陳がありました。又内村委員よりは、日本國有鉄道の成立当時いろいろの点で反対の意見を表明したのであるが、政府においては当時の反対意見を勘案して速かに日本國有鉄道法の修正をせられたく、かかる改正案を提出することを條件としてこの法律案に賛成をせられ、又鈴木委員よりも同樣、日本國有鉄道法成立当時の反対意見を政府は参酌し、速かに改正案を出すべきであるが、この法案は日本國有鉄道の発足を急ぐ必要があると思うので、右改正案の提出されることを希望して賛成する旨の意見の開陳があつたのであります。
以上で討論は終了したのでありまするが、今期も迫つておることでもあり、日本國有鉄道を速かに発足せしむるため、重ねて政府に日本國有鉄道法第三十六條による会計に関する法律案を速かに提出することを要求し、全会一致、本法案を可決すべきものと決定した次第であります。尚、右会計に関する法案につきましては、政府からの提案があるまで、運輸委員会としては引続きこの問題を採り上げることになつております。以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/103
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104・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/104
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105・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/105
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106・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) この際、日程に追加して、外國保險事業者に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/106
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107・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます、大藏委員長櫻内辰郎君。
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〔櫻内辰郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/107
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108・櫻内辰郎
○櫻内辰郎君 只今議題となりました外國保險事業者に関する法律案の審議の経過並びに結果を御報告いたします。
先ず本案の内容について申上げます。去る一月十四日附総司令部より発せられました「外國商社の業務の活動及び投資に関する覚書」により、外國商社の活動は日本の業者と無差別の條件の下に行わるべきであるとの一般原則に基きまして、外國保險業者の日本における活動を規定せんとするものであります。即ち外國保險業者が日本において保險事業を営まんとするときは大藏大臣の免許を要しますが、戰前日本において営業を営んでいた者は、簡單なる届出により営業を営み得ると共に、外國における保險事業に関する法規及び慣習を尊重し、必要以上に日本の特殊性を強要しないことになつております。併し他面においては、被保險者等債権者の利益を保護するため、外國保險業者は一千万円の供託金を設ける必要があり、且つ必要により大藏大臣がこれを増額することができる外、保險契約は円建を原則とし、その責任準備金等相当額は必ず日本円に投資しなければならないことになつております。
さて本案審議に当りましては、熟心なる質疑應答がありましたが、詳細は速記録により御承知を願います。五月十九日質疑を終局し、討論に入りましたが、黒田英雄委員より次の修正案が提出せられました。
即ち政府提出原案によれば、外國保險事業者が法令の規定又は大藏大臣の命令に違反したときは、大藏大臣は事業の停止若しくは代表者の解任又は免許若しくは認可の取消しができることになつておりますが、かかる場合は必ず公聽会を開くことを要するものとし、これを伴う規定を挿入せんとするものであります。黒田英雄委員の修正案は採決の結果、多数を以て可決せられ、次に修正個所を除く原案について採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定し、よつて本案を修正議決いたした次第であります。ここに御報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/108
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109・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 本案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。中西功君。
〔中西功君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/109
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110・中西功
○中西功君 日本共産党はこの法案に反対であります。
この條文を見ますと、非常に些細なと言いますか、殆んど問題がないごとく見えるのであります。我々も又單に法文だけならば勿論取立てて私がここで反対討論をする必要もない程のものだと思うのでありますが、併し私たちはこの法案の根本的な問題について非常に大きな疑義を持つておるのであります。即ちこれは外國の保險事業者に関する法律でありまして、これは我が國と、そうして諸外國との関係を律する上におきまして、非常に大きな問題を投げかけるのであります。然るに現実に我が國のこの対外関係或いは國際関係がどうなつておるかということを考えて見まするとき、未だ我々自身もこれを決定するだけのところに行つていないし、更に世界的に見ましても、日本のこの対外的な関係は將來の講和会議において当然決定される筈のものであります。現にそういう意味で言いますならば、未だにこの我々の國際関係を律する根本的なものができていないのであります。そういうふうなときに、このような対外関係に至大な影響を持つところのこの法案を我々が急いで法案化せなければならないかどうか、ここに我々は大きな疑義を持つのであります。実際の問題にいたしましても、旧來かかる法案、かかる問題を律する法案が、即ち法律、命令がないわけではなく、さつき委員長の報告にもありましたごとく、現に過渡的にはあるのであります。而も、それによつて必ずしも大きな支障はないのであります。而もです。今日それならば現実に我が國の保險事業が特にこの対外関係においてどのようになつておるかということを考えて見ますとき、現在我々は、我々の例えば海上保險は非常に大きな契約額であり、又保險額であるのにも拘わらず、現に私たちは、日本の保險業者はこの点については殆んど関與していないのであります。例えば日本の輸出入総額が十五億米ドルあるといたしますならば、少くとも保險契約額は五千四百億円の多きに達します。保險料だけでも、その一分取りましても五十四億円の多きに達するのであります。このようなものがまだ現に日本の保險業者によつてなされていないのであります。こういうときに我々が何故に慌ててかかるものを法律化しなければならないかという点が私たちとしては非常に大きな問題になると考えております。私たちの率直な希望を申上げますれば、これは今日のような状態の下において我々はこういう法律を作るべきでなく、若し是非必要ならばポ政令という手段もあり、又現実に今まで出されたところの政令もあり、決して事欠かない以上は、これは將來の講和会議のときに、我が國の國際関係がうまく行きましたときに、改めてこれを決めましても決して遅くはない。そうであるのに、若し強いてここで、これを決めようとすることは、徒らに現状を固定化する。これは大きく國際関係から見まするならば、我々自身が好ましい本当の日本の独立を可能にするような講和会議を望むところの熱意が少いというふうに外國の人々から見られても仕樣がないのであります。我々は本当に日本の早急な又完全な独立を保障するならば、講和会議を一日も早く期待しますが故に、私はこういうふうな部分的な、暫定的な講和的処置にひとしいようなことは、成るたけ避けたい、又避けるべきである、こういうふうに我々は考えております。こういう点からこの根本に対して私たちは疑義を持つております。これを以て私の反対討論といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/110
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111・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 小川友三君。
〔小川友三君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/111
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112・小川友三
○小川友三君 外國保險事業者に関する法律案に対しまして賛成の趣旨をこれから少しの間申上げます。
日本の保險会社が優秀であるというような点においては、何人も是認するものでありますが、現在の國内情勢におきまして、一口で五億、十億の保險契約をし得る会社は先ず現在ないのであります。そうした大きな契約をする場合に、外國の保險会社にその保証をして貰うという建前をとるのは、非常に安全性を保持する点において優秀である。かように本議員は固く信じまして本案に賛成をするものであります。そこで社会党の同心片山先生を初め、講和條約の促進運動を街頭に立つてまで盡力せられておる。この外國の保險事業者をこちらに入れて、そうして國民外交的に平和條約、いわゆる講和條約の促進をすることは、誠に慶賀に堪えないと、かように信ずるのであります。そこで、戰前におきまして生命保險において外國に契約した額は六百七十八万余円という僅少な額でありまして、日本の保險会社に契約する額の一%に満たない程度で戰前はあつたのであります。又火災保險におきましても僅かに八百七十七万円、こういう契約額でありまして、内地の保險会社から非常なる反対が本案につきましてはあつたのでありますが、内地の保險会社の経営に対して困るような大きな契約は、損失はない。かように信じまして本案に賛成いたします。そこで現在の情勢は、すでに外國の保險会社とどしどし契約をしておる。それは明治三十三年の勅令第三百八十号によりまして許可されておる形態をこの法案に盛上げただけのものでありまして、スムースにこの保險事業を内地の保險業者と組合せまして経済の安定を図つて行くというような建前であります。そこで本法案に対しましては現在の吉田内閣が十二分に研究し、そして本委員会におきまして、委員長の報告通り、いいものであるというので多数決で賛成したものでありまして、本議員も、特に米國の保險会社、オランダの保險会社、イギリスの保險会社、この三社が入つておるのでありまして、(「簡單々々」と呼ぶ者あり)この三國に敬意を表し、本案に賛成をするものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/112
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113・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) これにて討論通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/113
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114・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/114
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115・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) この際お諮りいたします。岡田宗司君より外務委員を、羽生三七君より農林委員を、それぞれ辞任いたしたい旨の申出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/115
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116・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましては、その補欠として外務委員に羽生三七君を、農林委員に岡田宗司君を、それぞれ指名いたします。
議事の都合により本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/116
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117・松平恒雄
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
午後六時五分散会
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○本日の会議に付した事件
一、特別委員辞任の件
一、日程第一 農業協同組合等による産業組合の資産の承継等に関する法律案
一、日程第二 食料品配給公團法の一部を改正する等の法律案
一、地方公務員たる教員の地方議員兼職禁止に関する緊急質問
一、日程第四 通訳案内業法案
一、日程第五 船舶運営会の船員の給與基準の設定及び船舶運営会の役職員に対する特別手当の支給に関する法律案
一、日程第七 公認会計士法の一部を改正する法律案
一、日程第八 たばこ專賣法案
一、日程第九 塩專賣法案
一、日程第十 しよう脳專賣法案
一、日程第十一 復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律案
一、日程第十二 貸金業等の取締に関する法律案
一、日程第十三 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関出張所、税関支署出張所及び税関支署監視署の増設に関し承認を求めるの件
一、日程第六 國家公務員のための國設宿舎に関する法律案
一、税制問題に対する緊急質問
一、日程第十五 社会教育法案
一、常任委員辞任及び補欠の件
一、消費生活協同組合法の一部を改正する法律案
一、青少年不良化防止に関する決議案
一、議員星野芳樹君を懲罰にするの動議
一、日程第十四 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案
一、日程第十六 古物営業取締法案
一、日程第十七 道路交通取締法の一部を改正する法律案
一、日程第十八 船員保險法等の一部を改正する法律案
一、日程第三 日本國有鉄道法施行法案
一、外國保險事業者に関する法律案
一、常任委員辞任及び補欠の件発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100515254X03019490520/117
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