1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十四年十一月二十九日(火曜日)
午後零時十五分開議
出席委員
委員長 星島 二郎君
理事 小平 久雄君 理事 玉置 實君
理事 藤枝 泉介君 理事 吉武 惠市君
理事 中曽根康弘君 理事 加藤 充君
理事 逢澤 寛君
池田正之輔君 岡西 明貞君
高橋 權六君 橋本 龍伍君
藤井 平治君 松澤 兼人君
土橋 一吉君
出席政府委員
人 事 官 山下 興家君
人事院事務官
(法制局長) 岡部 史郎君
委員外の出席者
人事院事務官 宮地健次郎君
專 門 員 安倍 三郎君
專 門 員 中御門経民君
十一月二十七日
委員藤枝泉介君辞任につき、その補欠として小
川平二君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十八日
委員小川平二君及び藤井平治君辞任につき、そ
の補欠として藤枝泉介君及び坂本實君が議長の
指名で委員に選任された。
同日
委員坂本實君辞任につき、その補欠として藤井
平治君が議長の指名で委員に選任された。
十一月二十九日
藤枝泉介君が理事に補欠当選した。
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十一月二十六日
人事院の給与べース改訂勧告に関する決議案(
黒田寿男君外五名提出、決議第一〇号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
理事互選
特別職の職員の給与に関する法律案(内閣提出
第一八号)(予)
国家公務員法附則第九條による試験に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/0
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001・星島二郎
○星島委員長 これより人事委員会を開会いたします。
議事に入る前にお知らせしておくことがあります。去る二十六日、人事院の給与べース改訂勧告に関する決議案
(黒田寿男君外五名提出、決議第一〇号)の審査を本委員会に付託せられました。また前回の委員会におきまして、赤松委員よりお尋ねのありました本委員会てに付託となつておりまする給与ベース改訂に関する決議案(決議第五号)の提出者の件につきまして、去る二十五日付の衆議院公報におきまして、(野坂參三君外三十五名提出)となつておりましたのは、(野坂參三君外八十八名提出)の誤りである旨訂正されておりますから、さよう御了承を願います。
次に、去るこ十五日の委員会において決定いたしました国家公務員法附則第九條による試験に関しての国政調査承認要求の件につきましては、委員長より議長あてに、衆議院規則第九十四條に基きまして、国政調査承認要求書を提出いたしておきましたが、去る二十六日議長の承認を得ました。
次にお知らせ並びにお諮りいたしたいことがあります。去る二十七日藤枝泉介君が委員を辞任せられ、その補欠として小川平二君が新たに委員となられ、また本二十八日、小川平二君及び藤井平二君が委員を辞任せられ、その補欠として、藤枝泉介君及び坂本實君が新たに委員となられ、またさらに同日坂本實君が委員を辞任せられ、その補欠として藤井平治君が再び委員となられました。去る二十七日委員を辞任せられた藤枝泉介君は理事でありましたので、理事一名が欠員となつております。この際理事一名の補欠選任を行いたいと思いまするが、これは、先例によりまして選挙の手続を省畧し、ただちに委員長において御指名するに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/1
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002・星島二郎
○星島委員長 御異議なしと認めます。それでは藤枝泉介君を再び理事に御指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/2
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003・星島二郎
○星島委員長 ただいまより国家公務員の職階制に関する法律案を議題として質疑を継続いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/3
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004・松澤兼人
○松澤委員 この委員会に付託せられております特別職の職員の給与に関する法律案の問題でありますが、この中の第十二條に、食糧配給公団の職員の給与を定める規定があるのであります。ところが原案によりますと、特別職たる公団の職員の給与を公団の一般職の職員の給与に準じて決定するというようになつているのであります。そこで以下簡單に申し上げる理由によりまして、この法律案を次のように修正いたしたいという考えを持つているのであります。すなわち第十二條を「第一條第二十五号に掲げる特別職の職員の受ける給与種類、額、支給條件及び支給方法は、食糧管理法(昭和十七年法律第四十号)の定めるところによる。」以上のように修正をいたしたいという希望を持つているのであります。
元来食糧公団は、暫定的な規定によりまして、次々に特別職たる身分を法律によつて延長して、今日に至つておるのでありまして、現在のその身分は、一応来年の三月三十一日をもつて終了することになつているのであります。そこで現在食料管理法によつて支給せられております給与を、急に変更するという必要も認めませんし、かつまたその特別職という身分を法律において規定している理由は、元来食糧公団は、末端におきましては米屋さんがかりに公団職員となつているのでありまして、こういう人を他の公団に準じて一般職の取扱いをすることの不合理を、十分われわれは理解いたしまして、特別職たる身分を継続して今日に至つています。公団の問題は、それ自体いろいろ論議がありまして、現在の内閣におきましては、次々に公団をはずして行くという方針であるようでありますが、これに対する見解は別といたしまして、食糧公団もまた根本的に検討される時期が、当然来なければならないと考えますし、こういつた時期におきまして、他の公団の一般職に準じて給与を決めるということは、少しく妥当を欠くようにも考えられるのであります。なおまた組合活動の点におきましては、特別職は他の一般職よりも緩和せられ取扱いを受けているということが、その特別職にした一つの理由であるのでありますが、もう一つは、やはり現行の給与制度を保つて行くということも、特別職に指定している一つの理由であることを考えると、現在のような時期にこれを他の公団の一般職の人々と同じような給与体系にするという必要もないのではないか。かような理由で先に申し上げましたような修正をいたしたいと考えているのであります。委員各位の御賛成が得られるならば、委員長提案として、委員長の名においてこの修正をしていただきたい。なお修正に関するいろいろの手続は、委員長に御一任申し上げますから、できるだけわれわれの趣旨が生きて行くようにおとりはからいを願いたいと存ずるものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/4
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005・星島二郎
○星島委員長 松澤君のただいまの御提案につきましては、理事の間におきましてもみな一致した意見でありますから、ただいまお話のように、委員長において、これを準備いたしまして、あらためてお諮りいたすことにいたします。さよういたしてよろしゆうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/5
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006・星島二郎
○星島委員長 それでさよう取扱うことにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/6
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007・星島二郎
○星島委員長 この際国家公務員法附則第九條による試験に関しまして、政府当局より説明を聽取いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/7
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008・宮地健次郎
○宮地説明員 御説明申し上げます。公務員法の附則第九條によりますと、事務次官、局長、次長、課長及び課長補佐、その他これらに準ずる官職でありまして、人事院が指定いたすものに在任する人々につきましては、人事院が指定いたす日にこれを臨時的に任用されたものとみなすということになつておるわけであります。これらの官職に臨時的に任用された身分と申しますのは、一応これらの官職につかされたような形になりまして、一応これらの官職は欠位の官職というふうに、みなされることになるわけでございます。そこでこの指定いたします日を十一月十二日といたしまして、この日におきまして二千六百十六の官職を指定いたしたわけでございます。これらの官職を指定した基準といたしましては、原則といたしまして、本省本庁の行政事務に携わる課長またはそれ以上の官職、次には地方支分部局の行政事務に携わる官職でありまして、それと同等または同等以上の官職、また十一級またはそれ以上の官職でありまして、その職務内容が主として行政的でありまして著しく技術的でないもの、また十級以下の官職でありましても、機構上は今申し上げましたような官職と同等の行政的重要度を有するもの、こういうものを選びあげて指定いたしたわけであります。それから非常に高い官職でございましても、指定から除外した場合があるわけでございまして、その除外の基準といたしましては官職の特殊性によりまして、または候補者がごくわずかしか得られないということが予見されるので、試験を行うことが実際的でないと思われるような官職、たとえて申しますれば、渉外関係の各課長、また宮内庁の官職、裁判所事務局の官職、国会職員をもつて充てる官職、会計検査院の官職というようなも、のは除外されたわけでございます。次には、職務内容が行政的であるというより、むしろ專門的、技術的でありまして、たとえて申しますれば、中央気象台の大部分の課長の官職というようなものを除外しております。また次には研究機関、すなわち実験所、試験所というような機関に属する官職でありまして、こういうものも除外しているわけであります。最後には、この試験の実施に直接関係いたします人事院の職員を除外しておるわけでございます。こういう次第で二千六百十六の官職が指定されましたわけであります。これらの官職に対する試験を行うわけでありますが、これは広く最も適格な人材を就任させるために、一般公開競争試験として行われることになりました。この試験の実施の必要上、これらの指定官職を六十の職類に分類いたしまして、また責任の程度の面から横に今度は四つの段階に区分いたしましたわけでございます。これらの分類につきまして試験が行われるわけでございますが、その試験の受験資格といたしましては、申込みの締切日におきまして満三十才以上の者、但しこの締切日におきまして、この指定官職に在職いたします方々につきましては、これは年令の制限を設けないということにいたしております。もう一つの受験資格といたしましては、受験者の終歴でございます。これは次に申し上げます任用資格を、終歴をもつてその資格とすることをきめておりますが、この任用資格を有する者は、だれでも試験を受けられるということになつております。任用資格の御説明を申し上げますと、任用資格は一般資格と特別資格の二つからなつておりまして、一般資格と申しますのは、特に警察の職員を除きましたほかの官職につきまして、一般的に申しまして先に申し上げました四つの段階につきましてそれぞれ経歴による資格を設けてあるわけでございます。たとえて申しますれば、段階一は、大体各省事務次官並びに外局の長官が含まれておるのでございます。ただ段階一に属する官職に任用されますためには、仕事の種類とう面から最近十五年以内におきまして、その官職が属する職類の職務内容を八年間持つておることが必要であると同時に、今度は責任の程度の面から見まして、最近十五年間におきまして、少くとも段階二の官職に一年間は在職しておつ、たことが必要である。もしまた段階三の官職の人が、段階一の官職の試験を受けようという場合は、少くとも段階三に二年間は在職しておつたことが必要であるというふうな、一般資格としての制限を設けておるのであり事ます。次に段階二に属する官職に任用されますためには、職類の面から見まして、最近十五年以内に七年間その種の仕事に経験を持つておるということ、並びに責任の程度の面から見まして、最近十五年以内に少くとも一年は段階三に属する官職に在職しておつたことが必要とされる。もしまた段階四でございましたならば、少くとも三年間は段階四の官職に在職しておつたことが必要とされるというふうな制限が設けてあるのであります。以下同様でございまして、段階三、段階四それぞれにつきまして、職種の面からと責任の程度の面から、それぞれ経験年数をもちまして制限を設けてあります。一番最低の制限といたしましては段階四に対するものでありまして、これは十級職以上の、またはこれと同等以上の責任ある地位におるということが必要とされておるわけであります。これらの一般資格のほかに特別資格というものが必要とされます。これは各官職につきまして、それぞれその官職にふさわしい特別資格を設けましたため、非常にばらばらに設けてございますが、たとえて申しますれば造幣庁の作業部長というふうな方には、特別資格といたしまして今申し上げましたような一般資格の、ほかに、造幣の技術的事務の実務の経験が最近十年間において二年間持つていることが必要であるというふうなしばり方をしているわけであります。これらの詳細は山I一月十二日付の官報附録に載せてございます。それからこういつた経験の取扱いでございますが、これは民間における経験も、官庁における経験も、同種、同程度と認められます者はすべて対等に取扱うことにいたしております。この任用資格につきましても、指定官職の在職者に対しましては特例が設けてありまして、こういつた一般資格、特別資格が満たされておらなくとも、指定官職の在職者は、その官職に対して任用資格が認められることになるわけであります。
次に試験の方法を御説明申し上げますが、まず試験の種類は筆記試験と人物考査並びに身体検査、この三つからなつております。筆記試験は第一次試験並びに第二次試験からなつております。第一次試験と申しますのは、各職類に共通の問題で、一般的な行政能力の考査を行うものでありまして、第二次試験と申しますのは、これはそれぞれの專門の職類につきまして行う專門知識の考査でございます、このほかに人物考査を行いましてさらに民間からの応募者につきましては、身体検査を行つて、最後の成績をきめることになつております。試験の時期は筆記試験につきましては第一次試験が来年の一月十五日、第二次試験が来年の一月二十二日、どちらも日曜日に行うことにいたしております。但し第二次試験につきましては、後に申し上げます応募者が幾つもの職類を受験する場合を考えまして、二十二日一日では終りませんで、あるいはさらに二日かそこら延びるということも考えております。試験地は全国十四箇所において行います。なお試験当日急病やあるいはまた洋行中であるというふうな、ごくやむを得ない事情で受験できない方のために、特に指定官職に在職する人々につきましては、追試験を行うことにいたしております。
次に受験し得る職類の数でございますが、これはもし受験資格さえ満たしておりますれば、幾つもの職類を受験してもさしつかえないということにいたしております。この受験の申込み期間は十一月二十一日から始めておりまして、十二月の二十四日の午後五時までで締め切る予定にしております。
最後にこの試験の結果、任用候補者名簿というものがつくられるわけでございます。これは各職類ごとに成績の高点順に名前が記載されたものでありまして、その名前のわきにそれぞれの個人の任用資格があわせて付記されておりまして、この候補者名簿から任命権者に対しまして推薦するということになるのであります。この任用候補者名簿は人事院の議決によりまして、確定されました日から二年を越えない期間におきまして、人事院がその議決によりましてこれを執行されるまでの間、効力を有するということになつております。またすべての指定官職は全部最初に申し上げましたように、一応欠位の官職とみなされますので、別に任命権者から要求がなくとも、この名籍が確定されました日におきまして、任命権者からの要求がなされたものとみなしまして、人事院から各任命権者に対しまして推薦することになつております。もちろん任命権者から特別の理由で提示の延期を求められた際には、この限りではございません。
次にこの任用候補者名簿からの職員の任用は、この候補者名簿に記載されました者のうち任用すべき者一人につきまして、試験合格の高点順に志望者三人のうちから、これを行うということにいたしております。
〔「書いてあることを説明しても意味がない」「書いてないことを聞くのだから」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/8
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009・星島二郎
○星島委員長 それでは今あつさり説明してもらつて、あとで疑念の点を質問してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/9
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010・宮地健次郎
○宮地説明員 但し三人に一人ということでは、選択の範囲があまりにも制限されますので、これに一定の條件を設けまして、大体要求の員数の常に約倍近くの員数が提示されるようにきめられております。もしまた任用候補者名簿に十分な員数が記載されておりませんので、任命権者の要求にこたえることができないという場合は、必要な載つております員数だけを提示いたしまして、残りの足りない分につきましては、別途に審査方法を講じまして、これによつてやはり恒久的任命をしようということにいたしております。任命権者は人事院から提示を受けました日から四十日以内に、すべて任用すべき者を選び終つて、指定官職に任用しなければならないということになつております。その他こまかいことはございますが、省畧させていただきまして、御質問にお答えしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/10
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011・星島二郎
○星島委員長 政府委員の説明は終了いたしました。
ただいまより質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/11
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012・高橋權六
○高橋(權)委員 私いろいろ役職員の間のことについて、今非常に感じていることがありますが、特にダンスが流行いたして明ならいいが滅のときが、どうも変なことが至るところに行われて、性病患者が相当役職員のうちに多い。今いろいろ体格検査をするような方法もないから、特に脳性梅毒に冒された人間が、われわれ国民のためにいろいろの事務を処理する場合は、とんでもないことをやることもあるから、これは考えなければならない大問題であります。試験のみならず、体格検査も十分するような方法を、今日は日本国民にだらしない男女の最も多いときであるから、それをもとつ要綱のうちに入れていただいたらどうかということを感じているのであります。人名その他については遠慮申し上げますが、相当資格のある人たちに、あるいはその就職中の女が保菌者であるために、相当その人から感染しているという事実があるのでありますから、そういう点について私は日本国民の性病についての検査もよくしていただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/12
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013・宮地健次郎
○宮地説明員 先ほど御説明申し上げました際に、部外者についてのみ身体検査を行うと申し上げましたのは、部内者につきましては毎年健康診断が行われておりまして、その必要はないと思いましたからでございます。今までのところ性病に関しての計画は加えてございません発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/13
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014・藤枝泉介
○藤枝委員 筆記試験の第一次と第二次、これは第一次を受からなければ第二次が受けられないのか、それとも第一次、第二次一緒に受けて、その総合で点数をつけられるのかということが一つ。
それから第一次の試験と、もしも総合であるとすれば、第一次試験と第二次試験を一体どういうウエイトで考えられるのか、あるいはさらに人物考査あるいは身体検査というようなものと、筆記試験とをどういうウエイトで考えて行くのか、これについてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/14
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015・宮地健次郎
○宮地説明員 第一次試験、第二次試験の総合をもつてきめるものと存じております。しかしながらそのウエイト、並びに人物考査、身体検査とのウエイト、それをどう総合するかという点につきましては、まだ未決定でございまして、申し上げられないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/15
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016・藤枝泉介
○藤枝委員 未決定というのは、まだ決まらないので、いずれの日にかは、きめるという考え方の未決定なのですか、それとも永久に人事院の頭の中だけで考えて発表しないという意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/16
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017・宮地健次郎
○宮地説明員 試験の採点までにきめることにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/17
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018・中曽根康弘
○中曽根委員 そのウエイトの問題は、かなり重要なる問題だろうと思うのでありますが、そのウエイトの問題のみならず、試験の概要につきまして問題を見せろというのではありません。試験問題の概要について当人事委員会と事前に緊密な打合せをして、人事院がこれからおやりになるおつもりか、あるいは今までのように單独でどんどん進行されるおつもりか、人事院のお考えを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/18
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019・山下興家
○山下(興)政府委員 ただいまの御質問は非常に重要だとは存じますが、御承知のように試験の内容、問題とは申しませんが、その採点方法その他につきましては、これを公表し得ない部分も相当あるのであります。それですからそういう公表し得ない部分は除きまして、できるだけの範囲内におきまして御報告し、また御質問に応じたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/19
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020・中曽根康弘
○中曽根委員 公表し得ない部分があることは、もちろん私も承知しておりまして、そういう点に関する人事院の権限は、私は非常に尊重したいと思うのであります、しかしただいま申し上げたウエイトの問題であるとか、あるいは試験の方法にしても、たとえば人物考査をどういうような方向でやるのか、人事院の三級官が行つて調べるだけでありますか。あるいは職務遂行能力の実証と言いますか、そういう問題についてどういうふうにやるか、そういうやり方自体をわれわれは大いに問題にしたいと思つておるのであります。従つてそういう問題については何ら秘密にする必要はないのであつて、むしろそれは、公開して受験者にも、一般国民にも見せるのが至当だろうと思うのであります。きのう実は委員長のお供をしてマッコイ氏にお会いしまして、いろいろ承つたのでありますが、関係方面も人事委員会の権限というものは、非常に尊重されておられます。そうして緊密な連絡をとるということも、もちろん同意しておられます。また国会あるいは人事委員会というものが、人事院よりも下になるとか、あるいは軽視せられるということは、絶対に回避しなければならない。国会は威力があり、人事院に対しても威圧を加えるというくらいの力がなければならぬということを強調されておつた。私はこれは正しいことだろうと思います。従つて人事院のおやりになる試験の御方針、そういう面から当然この委員会に御相談して、しかるべきである。これが国会を尊重するゆえんにもなるであろうと思います。従つて私がただいま申し上げたようなことについては、事前に当委員会に御相談願いたいと思うのでありますが、もう一回重ねて責任ある御答弁を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/20
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021・山下興家
○山下(興)政府委員 今中曽根さんからのお話はごもつともなことと思います。最後の発表までには、できるだけのことを御報告申し上げて、御了解を得たいと思います。今の人物考査の問題につきましては、下の方の者が行つてただ簡單に調査をするというようなことでなく、やはり考課表といつたものを適当に使いたい、そう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/21
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022・中曽根康弘
○中曽根委員 これは重要なる問題ですから、私は明確にどの程度までわれわれの方へ御相談するかという、その分野をきめていただきたいと思うのであります。私がただいま申し上げましたように、試験をやる上についてのいろいろな方針、それもかなり具体的な方針です。そういう方針であるとか、ウエイトのかけ方であるとか、そういう問題については事前にこちらに御相談願いたい。できるだけという抽象的なお言葉でなくて、試験に関するそういう基準になるような方法、こういうものはこちらに御相談になる。たとえばウエイトのかけ方であるとか、あるいは人物試験のやり方であるとか、そういう問題について、事前に御相談になるという明確な御言明を私はこの際いただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/22
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023・山下興家
○山下(興)政府委員 ただいまのところ、何をどうするということは申し上げかねますけれども、御趣旨に従つてできるだけ御相談申し上げたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/23
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024・高橋權六
○高橋(權)委員 先ほどの本員の質問に対しては、あつさり片づけられたのでありますが、これは試験よりも、優生学上からいつても、松岡洋右みたいな人間が、外交官の中にもあつたという実例もあるのでありますから、今後試験は、第一試験、第二試験、そのくらいよりも、第二試験を受ける人物の頭からが改造されなければならぬ。そういう考え方から私は特に日本国民が紳士として諸外国に恥じないということ、肺病の多いのは世界一、花柳病も今は世界一ではないかと思うくらいに蔓延しておるのであります。ある役所関係の一婦人に関係したたくさんの人間が、全部感染したという事実があるのであります。そういうことを私は憂うるのであります。特に至るところ、何だか知らないが、ダンスホールでもないような官舍のようなとこで、明滅をやつて何やら怪しいことが相当行われておる。遊閑マダムなども至るところのダンスホールに出入しておる。実に見るに忍びないようなことが実際行われておるのであります。ちようど明治時代にこういう時代があつたということを聞いておりますが、将来日本国民が平和をもつて立つならば、なおさら健全なる身体が必要であると思うのであります。健全な体格に健全な思想が宿るのでありますから、私はこの定法に一項を加えていただいて、そうして今後日本国民が道徳的にほんとうにまじめに行くような方法を進んで加えていただきたい。私はこれは笑い事ではないと思う。笑う人はたしかに保菌者であるかもわからない。そういう感じから私は試験も、体格試験で落第した者は受験をさせないというくらいの厳粛なる行動をとつていただきたい。そうして今まで軍国主義であつた時分は体格検査をやられまして非常に花柳病を恐れておつたが、平和日本国を建設するようになつてからは、身体検査ということがなくなつたために、非常に風紀を害しておるのであります。昔は十五才になれば男女とも元服して一人前になるということで、非常に行儀正しく、紋付を身にまとつて神仏に誓つて、まじめに過すことをやつておつた。これは儀式的ばかりではないのであります。精神的にも将来日本国をになうところの国民に最も大切なる問題であります。いつも私は長々と皆様の御質問を承つておるのでありますが、今日だけは許していただいて、この問題は十分取上げていただいて、今後はこの受験生に体格検査を、一番にやつていただくという御方針があるかどうかということを承りたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/24
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025・山下興家
○山下(興)政府委員 ただいまの高橋さんのお話は、最も大切なことだと存ずるのであります。ただこれが今回の附則九條の試験ばかりでなく、ふだんの健康診断というものについても同じような注意をすべきものでありますが、ただこの際人格を重んじながら、そういうことをうまく見わける方法がありますかどうか。私ちよつとわかりませんが、それは医者その他とよく相談いたしまして、それが実行できることかどうか研究することにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/25
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026・高橋權六
○高橋(權)委員 調べる方法については、血液検査、糞尿検査をすればただちにわかる。特に淋病のごときは、尿の中に淋糸が入つて来るはずだと思う。それは私のおいて、医学を研究しておる者が幾人かおりますが、習わぬ経読むで、遊びに行つて何をやつているかと見ていると、よく花柳病の検査をしています。これは人格を無視するわけではないのであります。ますます大きくなつて行く子供たちに、行儀の惡いことはしていけないという修身上からも必要なのであります。決して受験者の人格を無規するものではない。もし保菌者であつたならば、ペニシリンでも注射するということで、早く治療をさせる。もう第三期になつては困るだろうから、第一期のうちにでも治すというような方法があろうと思うのであります。私はそういう点に留意されて、ぜひ筆記試験前に身体検査をしてそういう者は不合格にする。これは遺伝梅毒とかいうものならいざしらず、そういう者の子孫ならなお惡いだろうと思うが、感染して間もない人間は早く治さなければならないが、まあそういうものは受験の資格はないものと見なければならぬと思うのであります。そうすると、まじめになる。またそういう品行の惡い人間がだんだん国家から放逐されるという、優生学上からもはなはだ必要で、軽んずべからざることであると私は思うのであります。どうかそういう方面について御高配を煩わしたいと思います。私はこれをもつて質問を打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/26
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027・吉武恵市
○吉武委員 先ほど任用局長から試験のやり方の概要を承りましたが、大体の形式的なやり方につきましては了承したのでありますが、問題はこれをどういうふうに実際やるかという点が、相当重要な問題だと思います。すでに新聞その他においてもこの問題にについては論議されておるところでありまして、人事院当局の方も御了承のことと思いますが、ただいまの人事官のお話を聞いてみると、まだ試験の構想については、はつきりしたお考えがないように見受けるのでありますけれども、来年一月だから、そのうちに考えると言われますが、今回のこの試験は、各省にわたる各方面の知識を要するし、また單なる知識だけの試験では済まないと私は思います。單なる專門家だけでございますれば、專門の知識を見ればいいのでありますけれども、各省の上級官職にある人々の試験は、ただ知識だけでもつて試験するというわけにも行かない。これらにつきましては、私どもはただいまの御説明ではまつたく納得できない。もしはつきりきまつていなくても、大体今までに人事院でこういうようなやり方で行くという、もつと具体的な例のようなものをお示しになつていただかないと、私どもはどうも了承しかねるのであります。またそういうことを世間に発表されまして、世間の批判も公平に受けられて、この制度をおやりになることが誤りなからしむるところだと思うのであります。具体的にこの試験問題を出すのだというきまつた試験問題など、聞こうなどとは考えておりませんけれども、翻、ラジぞもいろいろ伝えられております。私ども新聞で見ているところをもつてみますと、どうもあまり常識的なような感じもしない。ごく簡單な、卑近な例を取出して、どれに解答していいのか常識的にも困るようなものを、ただこれが正解であるというようなことが出ておる。もしそれが真であるとすれば、そんな簡單なことでこれらの上級官職をおきめになることは、もつてのほかのことだと思う。私はもう少し具体的な構想について御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/27
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028・山下興家
○山下(興)政府委員 ただいまの御質問についてお答えいたします。
第一次試験には、行政能力があるかないかという試験をいたします。それから二次試験では、今の職に対して專門的知識の最小限を持つているかどうかという試験をいたします。そして原則として両方を受けなければいけないわけであります。ただ試験の様式は、新聞でいろいろ伝えられているものは非常に誤りがあるのであります。あれは常識があるかないかの試験がおもなのでありまして、また問題も非常に祕富にしておりますし、どの答えが正しかつたかということについては、絶対に祕密にしてありますから、新聞では非常に誤り伝えられていることがあるのであります。ただ問題が一つありまして、それに五つ解答がある。その五つのうちのどれが一番正しいと思いますかという問い方であります。これは択一法と言いまして、試験としては実は非常に進歩したやり方なんであります。それで全部の試験にその方式を使います。しかし問題それ自身は何でもいい。專門知識であろうが、一般知識であろうが、行政知識であろうが、それは問題は普通とちつとも違わない。普通の考え方と違わない。ただ答えの仕方を今までのように、たくさんごたごた書きますと、それを読む人の頭がこんがらかりまして、同じ人間でも、朝読んだのと、晩読んだのとは採点が非常に違うのであります。これは私ども終始経験しているところであります。それでこれに客観性を持たそうというので、ああいうふうに、五つ出しまして、それの中の正しいと思うところにしるしをつけるのであります。そうすると、それはたれが採点しましても、決して間違いつこないのでありますから、その五つの中のどれが正しいかということを推理する力を見るわけであります。しかし同じ問題でも、これをやさしくすることも、むずかしくすることもぐあいかいいし、楽なんであります。という意味は、一つの同じ問題に対して五つ答えがあるのに、それの中の正しいと思うものを出して、ユ、れから割合に離れた答えを出しておけば、だれだつて正しいものを選ぶに違いないのであります。しかしそれに非常に接近した答えを出しておきますと、それがどつちがほんとうだろうかというのに非常に苦心をするのであります。だから、同じ問題を出しても、それをむずかしくするか、やさしくするか、相手方によつて、試験者によつてどうにでもなる非常に巧妙な行き方と、実は思つているわけであります。それでああいうふうに新聞紙上に出て来るのは、世の中を惑わすおそれがありますから、近くそういうものじやないのだということを、何とかしてはつきりさしたいと実は思つている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/28
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029・吉武恵市
○吉武委員 ただいまの御説明でも私はどうも納得行きません。試験の形式の御説明はされましたけれども、それは下級の雇員やあるいはその他の職員を試験されるのも同じことであります。私が聞くのは、こういうふうな上級官職につきましては、特別の配慮がなされなければならぬと思うのであります。今のお話を聞いてみると、行政能力の有無を見る、また專門知識については最小限度といいますが、行政能力の有無というようなものを、一体人事院の方々で、各省わたるいろいろ複雑な行政事務について、その能力を御判断できるかどうか。これははなはだ失礼なことでありますけれども、私はこれは非常にむずかしいことじやないか。かりにこれを次官その他については主務大臣の意見によつて、人事官がおきめになるとかいうようなことであるならば、これはまたある程度の納得がつくわけであけますけれども、人事院が独自の考え方で、こういう上級官職の行政能力を御判断になるということは、私は不可能じやないかと思う。一体こういうような上級官職の試験というものを、そういう人事院のような人事をやられるところの一機関でやつている国があるか、私はおそらくないのじやないかと思う。ないというのは、私はおそらくできないからやらないのであつて、また不適当であるからやつていないのじやないかと思う。一般の事務職員の人事と、そういう非常に行政能力を要するところの上級官職とをちやんぽんにされて、ごく形式的に簡單に考えられるところに、私は誤りがありはしないかと心配するものでありますが、一体人事院ではそういう行政能力の有無というものを、失礼でありますけれどもあなた方だけで判断し得るとお考えになりますかどうか。
また第二に御指摘になりました專門の知識は最少限度のものということですが、この最少限度のごく簡單な一、二の專門知識だけを見て、それがかりに当らなかつたら、その人は專門知識についてゼロであると御判断になるのか、專門知識というものは各省各方面にわたつて、非常に詳細ないろいろの知識を要する。その中のただ一つの問題だけを人事院で御指摘になつて、そして今お話になつたような五つの選択的なものを出されて、かりにこれが間違つておつたら、この人は專門知識については落ちたということで御判断になることは、私は非常に危険だと思う。結局今回やりますいわゆる試験の中の筆記試験と人物試験というものは、どこにウエートを置かれるかということによつてもきまることであり、また人物試験のやり方について、これはもう三度お答え願いたいのだけれども、人事院が独自でおやりになるのであるか、それとも主務大臣等の意見を十分御参酌になつて、そしてその意見でおきめになるのかによつても、私はかわると思うのでありますが、その辺の構想をもう少し承りたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/29
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030・山下興家
○山下(興)政府委員 ただいまの吉武さんの御質問についてお答えいたします。行政能力を試験するということは相当困難と思いますが、ただどこの省、どこの省の行政能力という意味でなく、行政能力というものの根本的の概念があるわけなのです。そういうものがおもに問題に出されるのでありまして、これはどの課に属する者、あるいはどの行政官庁に属する者でも知らなくちやならないという行政り根本観念であります。これはその方の学問もありますし、そしてまたアメリカでは非常に発達しておるのでありまして、私どもは相当長い間アメリカのその方のエキスパートの方に学びました。そういう知識によつてそれを行うわけでございます。
それから專門知識についての問題は、御指摘になりますように、その数が非常に少いと、たいへん危険があるのでございます。今申しましたような、答えにただクロスをつけるということは、時間が非常にいらないものでありますから、問題数が相当たくさんできるのであります。たとえば八十とか百とかいう問題があるわけです。問題が少いと、御指摘のような危險が多分にありますが、問題が非常に多いという特色を持つておりますから、今までの経験によりますと、相当確実性が高いわけでございます。その御心配は大してないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/30
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031・吉武恵市
○吉武委員 時間ががざいませんから、私これ以上お尋ねしようとは思いませんが、ただいまの御説明を聞きましても、ごく事務的にお考えになつているようなふうが私には見えるのであります。これはいわゆる一般の事務職員であるとか、あるいは專門の技術者だけを採用されるというような試験の際には、私はそういうやり方も進歩したやり方だと思うのでありまするけれども、私が今申し上げているのは、いわゆる各省の上級の官職にあつて、実際国の最高の行政運営に当つている者の試験を、ただそういう機械的なやり方で御決定になることに、非常に危険がありはしないかということを申し上げたのでありますが、時間がありませんから、これ以上私は追求はいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/31
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032・中曽根康弘
○中曽根委員 簡單に申し上げますが、先ほど山下人事官から趣旨に沿うようにやるという御答弁を得まして、それから今吉武さんのお話を承つて、私もう一回確認しておきたいのですが、人事院がおやりになる試験というものは、当然輿論の支持を得て行わなければ意味がないと思う。ところが現在、現職官吏にしても、ジヤーナリストにしても、あるいは国会議員にしても、今想定しておる人事院の試験というものを支持しておる人は、おそらくいないと思う。こういうところで試験をおやりになつても、実際の効果はないと思う。むしろ現職官吏で受ける者は、自暴自棄的にやけのやんぱち的に答案を書く者すらあつて、実際の能力の実証というものはではないだろうと思う。そういう不能率や誤解を避けるために、この際人事院がどがいう要領の試験をやるかということを公表することは、実に大事なことだと思うのです。そういう意味から当人事委員会に対して、人事院の試験のエグザンプルを示してもらいたい。たとえば総務課長なら総務課長でよろしいが、それは一般行政職についてはこういうような問題を出す、あるいは第二次試験はこうである、人物考査は大体こういう点を見て、ウエートはこういうようにやるのだ、そういう予備知識を与えてやるということが一番大事だと思う。従つてある特定職について——その問題はあとで出るかどうかしれませんが、とにかくこういう問題をするという試験のエグザンプルを示すことを人事委員会で約束してくださるようにお願いいたします。そうしなければ輿論の支持というものは絶対得られません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/32
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033・山下興家
○山下(興)政府委員 今中曽根さんからのお話はごもつともだと思いますので、できるだけ御趣旨に沿うようにとりはからいます。近い将来にそういうものをこういうようにいたしますということを申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/33
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034・加藤充
○加藤(充)委員 私は今までのことに関連いたしまして、一点だけお尋ねししたいのですが、それはウエートの問題と人物試験の問題です。現在人事院の見解としましては、いわゆる上級官職にある者について、資格試験をやらなければならないというふうに考えておるのですか、それともただそれは法律にあるから、それだけでやつて行くのだというお考えでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/34
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035・山下興家
○山下(興)政府委員 これは法律にも、御説のように附則九條にはつきりうたわれておりますし、その必要は相当あると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/35
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036・加藤充
○加藤(充)委員 それで先ほど人事院総裁談として、発表されたものについて確めるのですが、これは高級官職ですから、誠実勤勉というようなことは比較的問題がないと思うのです。それに続いて、よき助言者であるということが、やはり高級官職を占めるものの内容になつておるが、このあたりが、学科試験のほかに、人物資格の査定の上のウエートとして、たいへん大きな比重を持つて来るものだと私は思うのです。そこでいわゆる高級官職にある者ついて、やはりいろいろな意味合いで、テストする必要があるという確認の上に立つて、今度の試験が実行されるのだと思うのです。その点は必ずしも反対の立場をとるものじやありませんが、大体高級官僚で、そうして地位は高いけれども、あまり適任者でないというもの——先ほど高橋委員が言つたように、肉体的なものまでは私は問題にいたしませんけれども、最近の官界の腐敗や堕落の中に、非常にそういうふうな高級官僚が数を多く占め、しかも質的に重大な問題となつているということは、巷間にも伝えられておる通りでありまするし、私どもが集めました資料においても、明白にされている点が多々あるのであります。こういう連中が往々にして、いわゆる猟官運動というか、猟官の線に連りまして、無能者が権力者的な勢力と結び付いて高きに座しており、その間に腐敗や堕落が起きているということも、常識的な問題になつておるのであります。そこでさらにお尋ねいたしたいことは、現在の職制あるいは機構制度のもとにおきまして、そういう者もよき助言者であるということにされたのでは、とんでもないことに相なると思うのであります。従つて、誠実勤勉、よき助言者というような抽象的な言葉ではなくして、これは私が先般日本の旧来のビーログラシ一の弊を除くということに関連いたして、質問をしたことと相通ずるのでありまするけれども、ここにいわゆるよき助言者としての要件並びにそういうような内容のことを、試験のウエートなり、人物資格の内容に加えたり、あるいはまた採点の場合考慮さ、れると、たいへんな弊害を残すと思うので、その点についてお考えをお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/36
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037・山下興家
○山下政府委員 ただいま加藤さんの御質問ごもつともと思います。それで人事院は、こういう場合も想像いたしまして、非常な独立性を持つ必要がある。国会でそうおきめくださつたので、いろいろな影響は極度に減らすことができると思います。また今おつしやいましたように、人物を調べるというのま何がよろしいかといえば、今までのところ私どもは考課表が一番適するように思います。その考課表の中に書きます項目については、ただいまの御質問にありました漠然たる言い表わし方でなく、できるだけ嚴密に言い表わして間違いのないようにしたい。結局全体といたしまして、私どもは、この試験はできるだけ客観性を持たそう、ことにわれわれの主観が入らないようにしたいというのがねらいでございます。それで先刻申しましたように、答えを一言も書かぬで、ただクロツスをつければいいというのも、客観性を持たそうというひとつのわ現れに過ぎないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/37
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038・加藤充
○加藤(充)委員 どうもよくわからないのです。それでは端的に聞きましよう。易々諾々として聞くものではなくして、苦言を呈するようなものもよき助言者の中に入るのかどうか、その辺の御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/38
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039・山下興家
○山下政府委員 よき助言者ということを今度の試験に使う気持は全然ございません。ただもう少し科学的な言い表わし方をいたしまして、どういう能力があるか、たとえば統轄力を持つておるかといつたような、いろいろな言い現わし方がありましようが、それは追つて中曽根さんの御要求のように、ここにお示しいたしまして十分に御検討を願いたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/39
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040・加藤充
○加藤(充)委員 それでは淺井総裁の談話は非常な誤解を招くのであります。誠実勤勉であつて、知識と技能に富んだよき助言たるべきものであるということが、一般職に属する行政官吏の内容として要望されており、これに続いて試験の問題が説明されたり、談話が発表されておるのでありますが、人事院のやり方はどうも得心がいかないところがある。報告に基いてやる、あるいは考課表がどうだというようなことが出ておりましたけれども、現在の制度の上から言いますと、そういう上級官吏のためにする報告とか、自分の非を隠す報告だけが人事院その他の監督官庁に集められると思うのです。先般公務員の政治的行為禁止に関する規則が出ましたけれども、現実にはたれが見てもむりだ、たれが見ても首を切られるのは不都合じやないかと思われる者が、よき助言者でないという一片の報告に基いて首を切られる実情にあるのであります。試験のウエートのとり方がどうなるかわからぬというようなあやふやな態度では、総局角をためて牛を殺すたぐいになつてしまうし、人事院が一人でかつてにきめてお出しになるということは、私ども各党派委員とひとしく憂えるところであります。しかしそうかといつて、私は試験制度が悪いというのではありませんが、そういうような試験をいいかげんにおやりになることが、かえつて日本の民主化しなければならない官僚制度を合理づけ、固定化するようなことにならないように、しかもさつき各委員が言われたような事柄を十分しんしやくされて、たたするというだけでなくて、制度的にしんしやくできるような制度なり、協議機関を通じての試験制度の実行を切に要望して、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/40
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041・土橋一吉
○土橋委員 今人事院の試験の問題について、いろいろ各委員からお言葉がありましたが、私もけつこうだと思うのであります。ただ本委員会で議院運営委員会から付託せられました給与べース改訂に関する決議案が、本委員会にただいま上程されておるのであります。この決議案は御承知のように、他の質問応問につきましては、特に優先的に審議せられるのでありますので、ぜひとも私は本日は今委員長のお話になつておりますように、時間も相当経過いたしておりますが、明日の委員会におきましては何はさておきましてこの決議案をすぐ取上げていただきましてこの決議案の内容について、質問応答なり、趣旨弁明をいたしまして、そしてこの決議案が少なくとも各委員の皆様方の満場一致の御賛成を得まして、明日のうちに速急にこれが決定されるように、特に私はお願いをしたいと思つておりますが、その点について委員長の方から皆さんにお諮りを願いまして、きようでも時間があれば、そういうふうにしていただきたいと思います。できるならば明日はまずこれを先議していただくということをお諮り願いたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/41
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042・星島二郎
○星島委員長 いずれこの問題は、慣例によりまして、理事会でよく相談いたしまして、そして御希望に沿うようにいたしたいと思います。
本日はこれをもつて散会いたします。明日は午前十時より開会いたします。
午後一時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604548X00819491129/42
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