1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十四年十一月二十九日(火曜日)
午後二時十四分開議
出席委員
委員長 辻 寛一君
理事 飯塚 定輔君 理事 中村 純一君
理事 橋本登美三郎君 理事 松本 善壽君
理事 受田 新吉君 理事 江崎 一治君
淺香 忠雄君 庄司 一郎君
中馬 辰猪君 降旗 徳弥君
田島 ひで君 今井 耕君
出席国務大臣
電気通信大臣 小澤佐重喜君
出席政府委員
電気通信政務次
官 尾形六郎兵衞君
電気通信監 山下知二郎君
(経理局長)
電気通信事務官 肥爪 龜三君
(業務局周知調
査部長)
電気通信事務官 花岡 薫君
委員外の出席者
電気通信技官 平井 始君
専 門 員 吉田 弘苗君
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本日の会議に付した事件
警察用電話等の処理に関する法律案(内閣提出
第四〇号)(参議院送付)
電気通信行政に関する件
請願
一 鈴鹿市の電話交換方式改善に関する請願(
水谷昇君紹介)(第一七六号)
二 宮崎電話局の復旧並びに自動式電話機設置
の請願(川野義満君紹介)(第三七四号)
三 同一市内の市外電話地区改善に関する請願
(江崎真澄君紹介)(第四九九号)
四 国際無線通信士の待遇改善に関する請願(
田渕光一君紹介)(第五二一号)
五 同(加藤充君紹介)(第五二二号)
六 同(松澤兼人君紹介)(第六三七号)
七 ラジオ受信機の販売修理に関する請願(浦
口鉄男君紹介)(第六四〇号)
八 私設電話に関する請願(中村純一君外二名
紹介)(第六九六号)
九 川崎市内の電話交換方式改善に関する請願
(白井佐吉君紹介)(第八一〇号)
一〇 佐渡ケ島、本土間に無線電話架設の請願(
風間啓吉君紹介)(第九二四号)
一一 都城、宮崎市間電話地下ケーブル線敷設の
請願(渕通義君外四名紹介)(第一〇〇九号)
一二 仙台電話局に自動電話交換機設置の請願(
庄司一郎君紹介)(第一〇三五号)
一三 帶廣、札幌間電話回線施設増加促進に関す
る請願(高倉定助君紹介)(第一〇五八号)
一四 東北地方の無線通信施設拡充整備の請願(
小笠原八十美君紹介)(第一一四一号)
一五 碧南市に電話局設置促進の請願(千賀康治
君外一名紹介)(第一一四八号)
一六 電波法案撤回の請願(田島ひで君外一名紹
介)(第一一八四号)
陳情書
一 大村市に海拔、無線通信短期養成機関設置
の陳情書
(第一四二号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/0
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001・辻寛一
○辻委員長 これより会議を開ます。
前会に引続き警察用電話等の処理に関する法律案を議題といたします。
昨日で質疑を終了いたしておりますので、これより本案を討論に付します。討論の通告があります。これを許します。田島ひで君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/1
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002・田島ひで
○田島(ひ)委員 日本共産党は本案に反対であります。以下私が代表いたしましてその理由を申し上げます。
わが国の電気通信事業は、今日まつたく危機に瀕しております。そのうちでも設備資金の主をなす電話は、戰災による打撃から一応戰前に近いまでに復旧したとはいいましても、政府みずからが認めるように、量の上でのことで、質的に見ますならば、はるかに戰前には及ばないのでありまして、話中や途中切断や、いくら呼んでも出ない。出ても音質が低くて不明瞭である等のサービスの低下は、はなはだしいものがございます。サービスの低下の理由は、設備の老朽と従業員の質の低下に帰せられるのであります。現存施設の老朽破損は、戰時中、戰後を通じての施設の酷使によるその結果でありますが、政府が通信復興に対する熱意と所信とを欠き、ドツジ・ラインあるいは経済九原則の名に隠れて、極度に削減した予算的措置と、その上不正腐敗によつて電通行政が麻痺しつつあるからであります。このことは従業員の質の低下の上にも現われており、今日の飢餓賃金と労働強化のもとでは、能率の向上はとうてい望まれないのでございます。わずかに低賃金でまじめに職場を死守してきた模範的従業員は、定員法の犠牲となつて、共産党員であるがゆえに、進歩的労働者であるがゆえに、馘首されてしまつたのであります。今日の六千三百七円の賃金ベースは、昨年七月の物価を基礎に算出されたもので、本年八月に至つてすでに物価は二五%上昇しているにもかかわらず、全従業員が要求するわずか九千七百円の低賃金すら政府は拒否し、越年を控えて家庭の主婦たちの生活の困窮は、切々とした悩みとなつて訴えられております。このような状態のまま、従業員の生活の実態を無視しては、第五国会での通信復興の決議も、單に一片の国民欺瞞の手段に終つておるのでございます。現に通信事業のサービスの不良は、一般利用者はもとより、政府内からの苦情の続出に、電通省は苦境に立つているといわれております。このような危機にある電通省が、何を好んで今日この時期に、予算の大負担となる警察電話の移管を急がねばならねのでありましようか。地方自治団体の財政窮乏から、警察の通信を救うため、電通省への移管を必要とするならば、国家財政の根本的な組みかえのもとになされるべきであります。特に警察電話の設備の老朽は、ほとんど今日使用にたえない状態でありまして、一例をあげますれば、さきの国政調査派遣議員の報告によりましても、熊本におけるデラ台風被害応急工事費の九〇%が、警察電話にとられており、また宇都宮では施設の八八%が警察電話で占められているのであります。六、七月に行われたこの調査の各班の報告とも、警察電話の移管が独立採算制のもとに、資材、人員の大幅削減を強行しておりまして、通信事業が大きく犠牲となつているので、その善処を要請しているのであります。この移管によつて生ずる費用の維持は、施設の使用料金でまかなうとあるが、今日すでに使用料金の莫大な滯納は、独立採算ではやつてゆけないことは明らかであります。
さらに共産党が本法案に反対いたします理由の一つは、警察制度の全面的改正に伴う機構の強化、整備のために、本法案が提起されている点であります。戰前の日本軍閥が行使いたしました最大の武器は、思想警察と憲兵隊とを握つた中央政府の絶対的な権力でありましたが、これらの手段によつて国民は言論、集会の自由から、思想の自由すら失い、人民の民主的権利はまつたく奪われ、今日戰争による最大の悲劇を見るに至つたのであります。戰後、連合軍の指示に基いて、かかる警察国家日本が民主日本に生れかわる一方途として、一応地方分権による新警察制度に改革されたのであります。ところが本法案は再び旧警察制度復活のための、つまり特高的中央集権化した警察制度の強化、拡充を一手段として提出されているのを、われわれは見るのであります。このことは、吉田内閣の最近におけるフアシヨ的政治の現われの手段であるからであります以上、本法案は第一に、日本の再建の基礎である産業防衛上欠くことの出来ない民間電話の犠牲と、従業員の極度な飢餓賃金、労働強化によりて強行される点、第二に、日本の民主化に逆行するところの、人民弾圧のための警察国家再現への吉田内閣の反動的政治の本質が、巧みに陰蔽されておりますがゆえに、このようなまつたく。ポツダム宣言精神に反する本法案には、わが党は反対いたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/2
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003・中村純一
○中村(純)委員 私はただいま議題となりました警察電話等の処理に関する法律案につき、民自党を代表して賛成の意を表明するものであります。以下簡單にその理由を申し述べます。
そもそも本案は、国家並びに地方自治警察の機能を充足しまして、その能率を向上するため、その活動上の神経系統ともいうべき通信網を整備強化することを主たる目的とし、あわせてこれに要する貴重なる資材、資金の総合的かつ経済的運用を期することを目的としているものであります。
ただいま田島君のお話がございましたけれども、わが国の警察は、終戰後数次の改革を経て、大いに民主化されて参つておりますが、民主化ということは決してその能力の低下ということであつては絶対に相ならぬのであります。ことに今日の社会状態を見まするに、社会不安の激成、また国家秩序の破壊をこれ事とするような不心得至極の者が、少なからず存在し、蠢動している実情を思いまするときに、何人といえども警察力の充実整備を願わない者はないはずでありまして、警察が機敏に活動されたら困る者以外、本法案に反対する者はないはずであります。しかるにただいま共産党は、本法案に反対をせられている。私はその理由を発見するに苦しむものであります。
ただいま田島委員は本法案反対の理由の一つとして、現在警察電話はきわめて貧弱老朽である。これを電通省に移管することは、電通省の大きな背負込みになつて、従業員の負担を増加し、財政的にも悪影響を及ぼし、ひいては一般通信利用者に迷惑をかけるではないかということを申しておりますが、われわれも電通省の一般通信の施設なり業務なりが、今日決して十分であるとは考えておらず、これに対してはわれわれも政府を鞭撻して、大いにその整備強化に努める必要があると考えておりまするけれども、警察電話のごときは、電通省全体の施設に比べますならば、九牛の一毛であつて、これを引受けることによつてさしたる影響ありとは考えられないのみならず、政府としては、移管に関して定員的にも財政的にも、その受入れ態勢をすでに整備し、また将来にわたつて適当なる措置を講じて、何らの悪影響なからしむる旨を言明されておるのであつて、われわれは十分これに信頼してよいと考えるものであります。むしろこの警察通信の貧弱老朽なることこそ、これを電通省に移管して、すみやかに整備強化する必要を痛感するものであります。
最後に、この警察通信の移管に伴つて、警察通信の機密の保持に関して、その確保に遺漏なきやの点につき、先般来各種の騒擾事件等に関連して、多くの憶測や流言が行われておるのであります。この点に関して、国民一般に危惧の念を持つ向きがないでもないのでありますが、通信機密の確保ということは、警察官であろうと逓信従業員であろうと、いやしくもその衛に当るものの法律上また道徳上、当然の義務でありますのみならず、移管後もこれが運用は、原則として警察側において当る建前になつておりますから、その間何らのはないと信じまするけれども、国民の通信の秘密確保に関して持つております関心は、ひとり警察通信に関してりみならず、一般通信に関してもきわめて大なるものがありますから、政府は関係機関相協力して、いやしくも将来この種不安の生ずることがないように、また必要に応じては断固たる措置を講じ、もつて警察通信のみならず、一般通信に関しても、万全にしてかつ信頼のできる運用をされんことを望みまして、私の賛成意見を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/3
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004・辻寛一
○辻委員長 これにて討論は終局いたしました。
これより警察用電話等の処理に関する法律案について採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/4
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005・辻寛一
○辻委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
なお、お諮りいたします。衆議院規則第八十六條による本案に関する報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、後異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/5
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006・辻寛一
○辻委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/6
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007・辻寛一
○辻委員長 次に、請願日程第一、鈴鹿市の電話交換方式改善に関する請願、水谷昇君紹介、文書表第一七六号ないし請願日程第六、国際無線通信士の待遇改善に関する請願、松澤兼人君紹介、文書表第六三七号、及び請願日程第八、私設電話に関する請願、中村純一君外二名紹介、文書表第六九六号ないし請願日程第一五、碧南市に電話局設置促進の請願、千賀康治君外一名紹介、文書表第一一四八号を一括議題とし、採決いたします。以上十四件の各請願につきましては、いずれもその趣旨は適切妥当なるものと認めまして、採択いたして、議院の会議に付し、議院において採択の上は、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/7
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008・辻寛一
○辻委員長 御異議なしと認め、さよう決します。
なお、以上各請願に関する報告書の作成、提出等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/8
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009・辻寛一
○辻委員長 御異議なければさよう決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/9
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010・辻寛一
○辻委員長 次に陳情日程第一、大村市に海按、無線通信短期養成機関設置の陳情書、陳情者長崎県水産業会長田中惣一外四名、文書表第一四二号を議題といたします。本陳情書につきましては、これを了承するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/10
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011・辻寛一
○辻委員長 御異議なしと認めまして、さよう決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/11
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012・辻寛一
○辻委員長 この際、江碕委員より緊急質問の通告が出ておりますので、特に許します。江崎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/12
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013・江崎一治
○江崎(一)委員 聞くところによりますと、電気通信省の人事官会議におきまして、第三次首切りの問題が出ておるそうでありますが、第三次首切りをやるのかどうか。小澤大臣に御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/13
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014・小澤佐重喜
○小澤国務大臣 目下のところ、第三次という名前はもちろんのこと、新たに前回やつたような行政整理をやる意思はありません。但し業務量の減退、あるいは統制撤廃等によつて生じました役所の廃合等によつて、整理される者はありますけれども、今最初やつたような行政整理を再びやるというような考えは持つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/14
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015・江崎一治
○江崎(一)委員 その人員整理に対して、政府部内で小澤大臣にいろいろ要請があるかもしれませんが、これを整理しないということに対して、徹底的に闘う意思があるかどうか。それを一つお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/15
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016・小澤佐重喜
○小澤国務大臣 政府は連帶責任でありまして、内輪で闘争したり、またそういうことを決意したりする必要がないのでありまして、総合的に、そういうことが必要であれば認める時期もありましようし、また認める必要がなければ認めないので、今の江崎君の考えているような決意は、毛頭必要がないと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/16
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017・江崎一治
○江崎(一)委員 逓信行政の紊乱、この前の委員会のときにこの問題を提起したのでありますが、この問題につきましては今後逓信行政の明朗化のために、徹底的に努力したいと思うのです。そういうわけで前委員会において要求したあの資料を、早急に出していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/17
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018・田島ひで
○田島(ひ)委員 今の大臣のお答えの中に、ちよつと私聞き漏らしましたが、いろいろな機構の関係上、人員が余つたときに多少整理になる。その人員がどのくらいとお見込みになつていらつしやるか。現在わかつていらつしやる点はどうか。その点をひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/18
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019・小澤佐重喜
○小澤国務大臣 現在きまつているわけではないのであります。ただ現内閣といたしましては、できるだけ無用な統制事務を廃止して、自由経済に移そうという構想を持つておりますから、統制事務を扱つております官庁、並びにその中の構成員である公務員は、自然必要がなくなる場合が相当あるのであります。そういう場合その廃止は行いますけれども、あらためて先般やつたような行政整理を行う意思はありませんということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/19
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020・田島ひで
○田島(ひ)委員 ただいまのお答えにありましたが、定員法によつて相当各方面で人員が足りませんけれども、統制撤廃によつて余りました人員を、この方面におまわしになる。そういう配置転換的な考えで、整理しないというようなお考えはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/20
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021・小澤佐重喜
○小澤国務大臣 それは内閣といたしましては、できるだけ整理によつて職を失う人が一人でも少いということを念願いたしておりますから、たとえば安本等で統制事務が廃止された。ところが一方大蔵省で税務官吏が不足だというような場合には、当然本人さえ承諾すれば、配置転換をやつて、適当な業務について従事できるような方策を講ずることはもちろんであります。しかし本人が希望しない場合には別でありますが、適切な事務であれば、いやしくも一人でも失業者を少くするというのが政府の本心でありますから、できるだけその措置を講じたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/21
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022・田島ひで
○田島(ひ)委員 電通省関係内で、やはりそういう人員が余つている。そのやり繰りをするというような点を私はお伺いしておりますが、そういう点がございますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/22
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023・小澤佐重喜
○小澤国務大臣 電通省内にもあります、たとえば新定員を新しく配したと思いますが、ある電報局には定員以上にある。局は定員以下にある。ところがこの距離が三里も五里も離れておつて、その人にこつちへ転勤してくれと言つても、生活状態や住宅問題で、本人も希望しないというような場合には、それがために定員のでこぼこが現在生じております。なぜそういうことをしたかというと、これは一番の下部組織にまで定員を配して、その余つた者を全部行政整理をするということになりますと、非常に多くなつてしまいます。私の考えは先ほど申しました通り、一人でも犠牲者を少くする。少々むりでも一時的な配置転換でもいいから、整理者を少くしようという考えで、最小限度の行政整理を断行いたしました結果、現在でこぼこのあるところがありますが、できるだけ配置転換によつて、定員の少ないところへ増加したところから転勤をしてもらつて、新しくはそこへは採用しないということによつて、このでこぼこを調整しようと思つておりますが、なかなか従業員諸君もむりでありまして、いろいろな立場から、おいそれとは行きませんが、現在でもそういう立場が残つておりますのを、何とかして犠牲者を出さずにそのでこぼこを調整したい。こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/23
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024・田島ひで
○田島(ひ)委員 しつこくお尋ねいたしますが、この前の私の電通行政についての質問に対するお答えで、ちよつと私がふに落ちない点がありますので、二、三お聞きしたいと思います。首を切られた一万名足らずの人々も、職についてない。中には結婚するから職につかない。あるいは年とつて再び職につかないという人がありますけれども、その後政府としては電通関係の人々の整理について処置をとつておられますか。
それから厚生施設の問題で、これは何度も私がしつこくお尋ねいたしますが、先ごろ大臣は、共済組合の基金をもつて住宅を建てておる、こう申されました。あの共済基金と申しますものは、従業員がつくつた金です。これを政府が借りて住宅を建てたと申されますが、その住宅がどのくらいどの方面に建てられたか。私が聞きましたところによると、従業員の住宅を建てて、局長は入つておるけれども、従業員は入つてない。局長級の住宅は案外建つたということを聞いております。ここでお答えいただけないかもしれませんけれども、何軒くらい建つて、どのくらいの人が入つておるかということの資料がありましたら、今でなくてもけつこうですから、ご提出願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/24
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025・小澤佐重喜
○小澤国務大臣 最初の質問でありますが、御承知の通り電通、郵政両方で一万一千五百人が本人の意思に反して整理をされております。これに対しては本省にも、地方局にも、就職あつせん委員会を設けまして、極力この離職者に対して就職をあつせんいたしております。その結果、詳細の数字でわかりませんが、大体目の子勘定で両方合せて、その中の約三分の一は、嫁に行くとか、あるいは相当年をとつたためにのんきに百姓をするというような人が三分の一あります。それからあとの三分の一程度がこの委員会のあつせんで就職をいたしております。でありますから一万一千五百名の中の三分の一が、今私の方の手以外で就職される率ですが、私の方の手に関係ない部分では、まだ就職しないという形になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/25
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026・田島ひで
○田島(ひ)委員 それから年末越冬資金の問題でありますが、私は討論の中に申しまたように、実質賃金は実際には政府の方では上つておると申されますが、所帶を持つておる奥さん連は非常に困つております。私のところにもはがきが何百通と来ております。従業員の家庭の主婦、子供がどうして年を越すか。これに対して大臣は何らかのお考えを持つておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/26
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027・小澤佐重喜
○小澤国務大臣 先回の吉田総理の本会議での演説にもある通り、政府においては資金べースを現在の段階において変更する意思はないのであります。しかしながら現在公務員諸君の家計の実情を見ますと、民間の勤労者に比較して、家計上相当苦しんでおるという点は、政府部内全部認めておるのであります。経済上あるいは財政上の見地から、現在の賃金を維持し、実質賃金の向上によつて漸次生活を緩和しようというのが、政府の目途でありますから、従つて賃金ベースの変更はありません。しかし多少時期的な、あるいは日本人の習慣として年末、年始とか、あるいは年に二回のお盆、正月というようなものに対しては、あまり悪くない習慣で、特別に費用のかかる向きがたくさんあるので、こういう点を考慮して、何とかすることが適当ではないかという考えは持つておりまするけれども、御承知の通り給與法の制限があると同時に、財政上の関係もございますので、今どういうふうな方策をするというような決定には至つておりません。しかし政府全般として、何とかすることが適当じやないかというように考えまするから、せめてこの補正予算でも済みますれば、その問題についてあらためて協議して、何らか具体的なことを考える時期が来るのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/27
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028・辻寛一
○辻委員長 それではこの際委員長からちよつとごあいさつを申し上げます。
当委員会もここにつつがなく終了いたしました。と申しましても、本委員会に付託されましたのは、わずかに法律案が一件、請願十数件の審査のみで、委員各位まことに手持ちぶさたのお感じがあつたことと思います。手ぐすね引いて待つておりました放送法案も電波法案も、本国会には出て参らなかつたのであります。まことに髀肉の嘆にたえませんが、いずれ近く開かれます第七国会には、必ずや提案されることと存じますので、大いに張り切つて御審議の機会もあろうかと思います。いろいろありがとうございました。御支援を感謝いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時四十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100604847X00519491129/28
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