1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十四年十一月十一日(金曜日)
午前十一時五分開議
出席委員
委員長 原 彪君
理事 岡延右エ門君 理事 柏原 義則君
理事 圓谷 光衞君 理事 水谷 昇君
理事 松本 七郎君
甲木 保君 木村 公平君
千賀 康治君 高木 章君
渡部 義通君
出席政府委員
文部政務次官 平島 良一君
(大学学術局
長)
文部事務官 剱木 亨弘君
委員外の出席者
議 員 米窪 滿亮君
専 門 員 横田重左衞門君
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十一月十日
教育予算増額並びに定員定額制廃止に関する請
願(今井耕君紹介)(第四二号)
同(今野武雄君外一名紹介)(第七二号)
同(羽田野次郎君紹介)(第七三号)
同(内藤友明君外二名紹介)(第七四号)
同(有田喜一君紹介)(第七五号)
同(原健三郎君紹介)(第七六号)
同(小山長規君紹介)(第七七号)
同(松澤兼人君紹介)(第七八号)
同(竹尾弌君紹介)(第七九号)
同(倉石忠雄君紹介)(第八〇号)
同(佐藤榮作君紹介)(第八一号)
同外一件(尾関義一君紹介)(第八二号)
同(田中豊君紹介)(第八三号)
同(松井豊吉君紹介)(第八四号)
同(前田正男君紹介)(第八五号)
同外四十二件(高橋定一君紹介)(第八六号)
同外三件(佐々木盛雄君紹介)(第八七号)
同外五件(岡田五郎君紹介)(第八八号)
同外七件(受田新吉君紹介)(第八九号)
同外十一件(青柳一郎君紹介)(第九〇号)
同外二十七件(佐久間徹君紹介)(第九一号)
同外四十四件(周東英雄君紹介)(第九二号)
同外六十六件(吉武惠市君紹介)(第九三号)
同外一件(小高熹郎君紹介)(第九五号)
同(石井繁丸君紹介)(第九七号)
育英制度強化に関する請願(原健三郎君紹介)
(第四四号)
戦災私立学校復興援助に関する請願(江崎真澄
君紹介)(第六六号)
習字教育振興に関する請願(有田二郎君紹介)
(第九四号)
安城高等学校区変更に関する請願(中野四郎君
紹介)(第九六号)
科学研究費増額の請願(小金義照君紹介)(第
九九号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
国立学校設置法の一部を改正する等の法律案(
内閣提出第二〇号)
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001・原彪
○原委員長 ただいまより会議を開きます。
前回に引続きまして、国立学校設置法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。これより質疑に入るのでありますが、その前に一言平島政務次官よりごあいさつしたいとのことでございますので、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/1
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002・平島良一
○平島政府委員 私文部政務次官に就任いたしまして、ごあいさつがたいへん遅れておりますることは、まことに恐縮いたしております。元来私は文部行政ということには、皆様御承知の通りしろうとでありまして、今後は皆様の御指導と御協力によるにあらざれば、職務を遂行することができないのであります。何分にもよろしく御指導を賜わりたいことをお願いいたしまして、就任のあいさつといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/2
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003・原彪
○原委員長 それではこれより質疑に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/3
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004・岡延右エ門
○岡(延)委員 ただいま上程に相なつておりまする法案を審議するに先だちまして、われわれの心構えとして、以下申し述べる質疑を、文部当局に対していたしたいと思います。
日本の再建にとりまして、海運がいかに重要であるかということは、呶々するを要しないのであります。ところがただいまの法案によりますと、わが国に商船大学を一校だけ設置することに相なつておるのでありますが、これは種々の専門的材料によりますと、一校では足らないとわれわれは思うのであります。海運の規模と保有船舶は、昭和三十年度においては、最低四百万トンを必要とするのでありまして、これが要員といたしましては、新たに千五百名の高級船員を補充する必要があるのてであります。そのうち三分の一以上を商船大学において教育し、これを一校に収容するものとしますれば、その学生数は実に二千名以上となりまして、荷船大学としては適正を欠くおそれがあるのであります。御承知の通りこの教育は特殊性があるから、かかる大量の学生を収容して専門教育を実施することは、絶対に不可能と思うのであります。かかる観点からいたしまして、船員教育委員会も昭和二十六年度には新しく商船大学一校を増設してもらいたいという答申をしておるような次第でありますが、文部当局はこの点に関していかなるお考えを持つておるか伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/4
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005・平島良一
○平島政府委員 御質問の趣旨は、まことにごもつともでありまして、そういう趣旨に基きまして、文部省におきましても研究いたしたい考えでおります。また今後船腹の増強に対応する需給関係等もありまして、今後設けられまする船員教育審議会等にも諾りまして、増設の実現いたしまするように期待いたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/5
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006・松本七郎
○松本(七)委員 私は大体商船大学の設置について、二点お伺いしたいと思つておつたのでありますが、あとから岡委員から海運技術学院の方について御質疑があることになつておりますので、私は一点だけにとどめます。
実は神戸市に元県立てあつたのでありますが、現在国立になつておる商船学校がございます。これが普通の中等学校は、全部旧制中等学校が今度高等学校になつておるのですが、この商船学校は高等学校になつておらない。その事情を御説明願いたいとともに、今後どういう見通しになつておるか明らかにしていただきたい。
ちよつと補足しますが、これは神戸市ばかりでなく、全国に七箇所ばかりあるのでありますが、これが全部そうなつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/6
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007・平島良一
○平島政府委員 商船学校は五つと存じておりますが、五つの商船学校につきましては、目下運輸省と慎重に研究をいたしておりまして、商船高等学校の発足のできますように努力いたしております。文部省といたしましては、なるべく商船高等学校にいたしたいのでありまして、およそそれまでの期間は、旧制のままで運輸省の附属機関として存続して行くわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/7
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008・松本七郎
○松本(七)委員 現在ただちに高等学校にできない理由は、どういうところにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/8
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009・平島良一
○平島政府委員 文部省、運輸省両省間でただいま協議を進めておるのでありますが、まだ結論に達しないので、結論に達するまで今の状態で行きたいというのが理由であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/9
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010・岡延右エ門
○岡(延)委員 商船学校をもう一校つくりたいという熱意のあることを、ただいま文部当局から伺つたのでありますが、実は旧神戸高等商船学校は、海技専門学院として現在残つたのでありますが、実はこの学校は、戦時中の臨時措置として海軍予備士官養成のために、むりに一校に統合されたという歴史があるのであります。その他いろいろの観点からいたしましても、この大学を増設するとすれば、その施設を利用しまして、神戸にこれを設置することが、国家経済からいつても最も妥当ではないか、かように考えるのでありますが、文部当局のこれに対する御所見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/10
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011・平島良一
○平島政府委員 商船大学を増設いたしまして、二校を設置するというような場合には、どうしても一つは関西に置きたいと考えております。海運の中心である関西でありますので、どうしても商船大学の一つぐらいはあつてもいいのではなかろうかと思いますので、増設する場合は、ぜひ関西の方に一校を設置いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/11
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012・松本七郎
○松本(七)委員 少し関連してお尋ねいたしたいと思います。先ほどの商船学校の点ですが、運輸省と協議中で、その結論が出ないのがその理由だと言われます。これは問いに対して問いで答えるようなもので、その結論の出ないのはどういうところに理由があるのかということをお伺いしたいわけです。ただちにできないというのは、協議が整わないからだ、それではその整わないのは一体どういうところにあるのか。運輸省が反対しているのか、あるいはその他に何か事情があるのか、そういう点を具体的にお話願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/12
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013・剱木亨弘
○剱木政府委員 商船学校の新制高等学校への転換につきましては、実は運輸省、文部省両省の間におきましては、大体その方針で了解を得て、今度の国立学校設置法の一部に入れる予定であつたのでございますが、その後におきまして、いわゆる中等程度の商船教育のあり方といつたようなものについて、なお研究を要する点があるということで、関係方面の完全なる了解を得られなかつたのでございまして、そのために今度には間に合いませんでしたが、今後運輸省と十分協力いたしまして、これが商船高等学校として発足するように、文部省といたしましても努力して参りたいと考えております。それはまた近き将来において実現できるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/13
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014・松本七郎
○松本(七)委員 それから先ほど岡委員から御質疑がありました海技専門学院の点でありますが、将来別個につくりたいというのが、これを除外された理由のように承りました。大体今まで私どもが聞いておつたところでは、これを含めた三校でもつて商船大学をつくるというように聞いておつた。これをまた単一の大学にするという御方針と解していいかどうかという点と、どういう計画で、いつごろこれを実現されるおつもりであるかという点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/14
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015・剱木亨弘
○剱木政府委員 海技専門学院につきましては、現在運輸省におきまして、船員の再教育機関として非常に重要な役割を果しているわけでございまして、運輸省におきましても、現在の状況として、そういつたような制度はぜひ必要だと申されております。しかし一面そういつたような機関を大学にするということも、また必要でございますので、将来設備その他の関係から、大学にできますような状態になりましたら、運輸省としても大学になることを希望しているようでございますし、文部省といたしましてもその方に努力して参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/15
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016・松本七郎
○松本(七)委員 ところが大学にするために、具体的な研究をしたり、あるいは計画するという段階までまだ達しておらない、ただ希望としては、将来できるだけ早く大学になりたい、というように解釈して、さしつかえありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/16
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017・剱木亨弘
○剱木政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/17
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018・原彪
○原委員長 ほかに御質疑はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/18
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019・高木章
○高木(章)委員 入学資格について、ちよつと伺いたいのです。今度発足する商船大学は、現在高等商船学校に在学する生徒の一年生は、二年にそのまますベり込むように伺つているのでありますが、この高等商船学校の在学生はすべて高等学校卒業生を収容しているのでありましようか、その点伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/19
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020・剱木亨弘
○剱木政府委員 これは昨日もちよつと御説明いたしましたが、発足いたしますときには、実は他の国立大学と同じように、大学になるものと実は予定しておつたのでありまして、その人学資格及び入学したあとの教育も、新制大学とまつたく同じようにいたしておるのでございます。従つてこの法案か御通過願えますれば、その時からすぐ新制大学の学生にそのままでかわつて行くということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/20
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021・高木章
○高木(章)委員 ただいまの御説明で、大体わかつたような感じがするのでありますが、今年四月に入学を許可した生徒のすベてが、高等学校卒業生のみを収容されたのか、あるいは旧制中学校卒業生も若干入れるようになつておりますか、その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/21
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022・剱木亨弘
○剱木政府委員 新制大学におきましては、旧制の中学校を卒業した者を入れます場合には、大学におきまして、特別の入学資格を検定いたしまして、そして新制高等学校の卒業者と同等以上と認めた場合におきまして入れておるのでございまして、そういつたような、たとえばずつと昔の中等学校の卒業生でありましたら、大学の入学資格はないわけでありますが、それに対する便法は講じてありますから、多少、旧制の中等学校を出た者も入つておる場合もあると思います。しかし入学資格におきましては、新制大学の入学資格として入つておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/22
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023・高木章
○高木(章)委員 ただいまの御説明で、旧制中学校、卒業生の全部は、いわゆる新制大学の入学検定試験を通過したものと伺つたのでありますけれども、来春発足されますところの短期大学においても、すでに新制大学として申請してその選に漏れたがために、高等学校卒業者や、いわゆる大学の入学検定試験をパスした、旧制中学校の検定に合格した者を収容している学校については、この商船大学と同じ扱いで、いわゆる来春認可と同時に二年に進級可能なのでございましようか、その点ひとつ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/23
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024・剱木亨弘
○剱木政府委員 新制大学の切りかえにつきましては、これは四年制の大学も、また短期大学も同様でございますが、大学の設備いかんによりましては、たとえば来年から開設する場合に、一年だけ開設する場合と、二年まで同時に開設することが認められ得る場合があるのでございまして、もし二年までを開設することが認められます場合におきましては、それに相当する今までの学力なり修業年限の関係のよりまして、その二年に編入するということが認められるわけでございます。それは短期大学と四年制の大学と何ら相違はないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/24
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025・高木章
○高木(章)委員 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/25
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026・岡延右エ門
○岡(延)委員 爾余の質疑を次回に譲りまして、本日はこれにて散会せられんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/26
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027・原彪
○原委員長 岡君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/27
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028・原彪
○原委員長 それではさよう決します。次回は火曜日の午前十時からにいたしたいと思います。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時二十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605115X00319491111/28
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