1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十四年十一月十九日(土曜日)
午後一時四十一分開議
出席委員
委員長 石原 登君
理事 宇田 恒君 理事 大和田義榮君
理事 風間 啓吉君 理事 加藤隆太郎君
理事 白井 佐吉君 理事 井之口政雄君
理事 山本 利壽君
天野 公義君 鈴木 仙八君
出席政府委員
郵政事務官 浦島喜久衞君
(郵政局長)
委員外の出席者
労 働 技 官 原 勘四郎君
専 門 員 稻田 穰君
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十一月十七日
新庄市金沢に郵便局設置の請願(圖司安正君紹
介)(第八二二号)
郵便年金増額の請願(八百板正君紹介)(第八
五六号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
郵便物運送委託法案(内閣提出第一一号)(
予)
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001・石原登
○石原委員長 これより会議を開きます。
郵便物運送委託法案を議題として審査を進めますが、その前に先般本委員会において井之口委員からの質問に対しまして、労働省より答弁のため出席しております。その答弁を許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/1
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002・原勘四郎
○原説明員 私からお答え申し上げます。日雇い労働失業保険者数を本年度におきまして、合計において二十方と推定しておりますことは、実は御承知のように日雇い労働者で失業保険の被保険者となります者は、九月一日以降におきまして登録しなければならないことになつております。しかるに現状は、法の徹底が遅れましたせいもありますし、なお日雇い労働者個人が申告しなければならないというような事情から遅れまして、現在までの正確な報告がわれわれの手元まで参つていません。集まりました一部のものから見まして、大体日雇い労働者総数の三分の一が、本年度内において失業保険の被保険者として適用されるんじやないかというふうに考えるわけであります。ところでこの日雇い労働被保険者になります者の全国の数は、本年の八月末に全国の公共職業安定所に命じまして、調べました予想数によりますと、大体六十万になつております。従いまして、今回ここに二十万とあげましたのは、六十万人の三分の一というので二十万としたわけであります。なおこの日雇い被保険労働者の張ります印紙の六円と五円につきましては、大体百六十円を限度といたしまして、百六十円以上の者は六円、百五十九円未満の者は五円の印紙になつておりまして、この賃金の割合を見ますと、大体現在の状況では一割が百五十九円以下になつておりまして、残りの九割は百六十円以上ということになつておりますので、二十万のうちで十八万は六円で、二万が五円の者というふうになるわけであります。以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/2
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003・井之口政雄
○井之口委員 なぜ三分の一の適用にされたのですか。これは一ぱい一ぱいの適用というわけに行かないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/3
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004・原勘四郎
○原説明員 一ぱい一ぱいと申しましても、現在の登録しておる状況がいまだ遅れておりますので、全数が本年度内に適用されるにはおそらく至らないだろうと考えるので、三分の一まであげてあるわけであります。全数をあげなかつたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/4
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005・井之口政雄
○井之口委員 これを一ぱい一ぱいに登録するように、すべての日雇い労働者にすべてこうした失業保険の制度が行きわたるようにということが、労働省の希望するところだろうと思う。そういう点に対して何らかの手段がとられておるかどうか。ただ大体三分の一ぐらいとつたらよかろう、なるべく多くない方がよかろうというような態度で、三分の一と規定しておるのではなかろうか。これをもつと推進して、全体を包括するような仕組みを労働省の方では特別に考えていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/5
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006・原勘四郎
○原説明員 もちろん失業保険の方は、一方に周知宣伝を何回となく繰返してやつておりますので、逐次その数は増しつつあります。来年度までにはおそらく登録者数は六十万に達するものと考えております。しかしながら現在の状況では、一般の失業保険の場合のように、事業主を相手にいたしまして、事業法を適用いたしまして、そこに登録されておる者に適用させることは容易でありますけれども、日雇い労働者のように、個々人が就業場所をかえます関係で、実は把握が困難でございますが、全国安定所ごとに周知宣伝を試みまして、従来安定所に日雇い労働者として登録されておる者につきましては、大体それが終つておるような関係であります。あと安定所に参りませんでも、任意に雇用関係を結びまして、事業主の方に通つておる者には困難になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/6
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007・井之口政雄
○井之口委員 安定所で六十万と算定したのは、われわれは少な過ぎると思つているわけでありますが、最近とりわけ失業者がどんどん増加して来ておる。今まで官公庁の職についていた人たちも、どんどん失業者の群に落ちて来るし、農業は農業で最近ほ非常に農業危機の状態になつておりますので、そういう面も暮しが立たなくなつて、何らかの仕事を探して農村から出て来るというような状態で、非常に窮迫しております。こういうときに、失業日雇い労働者の数をあらかじめ少く算定し、またはその中でもとりわけ保険をかけるような人を三分の一にするというようなことは、あまりに甘く見ておりはしないか。もつと労働者としては積極的にそういう人たちの登録ということにも、いろいろな労働団体その他の協力を願うということにすれば、そういうことも早く片づくものだし、進むものであるが、そういうふうな手は打つてないのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/7
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008・原勘四郎
○原説明員 日雇い労働組合というものがあちらこちらにありますが、私どもとしては府県を通じまして、それらの組合、団体に対しまして、できるだけの周知徹底はいたしております。それで結局該当者につきまして漏れがないようにするということは、われわれがいつも考えておるところでございます。現在の状況ではこのくらいしか、三月までには上らないものではないか、これが私どもの推測でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/8
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009・井之口政雄
○井之口委員 日雇い労働者の組合だけでなく、普通の労働組合でもいろいろなのがございます。総同盟もございますし、産別もございますし、いろいろなものがあるのであります。また単産でもいろいろたくさんある。そういう方々ともひとつ協力する。そうしてこういう日雇い労働者のために盡くしてやるというふうなことが、労働組合から申出があつたならば、労働者の方においてもそれを取上げて、やはり民主主義的にそういうふうなものは世話をやいてもらうような組織をつくられる意思はないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/9
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010・原勘四郎
○原説明員 その意思は持つております。現在総同盟、それから産別の方も見えまして、いろいろ話合いはいたしておりますけれそも、まだ具体的な御援助を求めるというところまでは行つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/10
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011・井之口政雄
○井之口委員 それではこれは特別に法的な法内組合とか何とかいう性質のものでもないし、労働者が失業者として、日雇い労働者の中に入つて行く。非常に流動しているという形のものでもあつて、それのめんどうを見るためのものでありますからして、どういう労働団体でも、このために協力しようといいふうな申出があつたならば、労働大臣も面会し、いろいろな陳情なり何なりの意見も聞いてくれるでしようか、どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/11
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012・原勘四郎
○原説明員 もちろんそれは喜んでお聞きします。私どももそれが被保険者の獲得に、根本から重要な問題でありますので、いつでもそういうことにカを注ぎたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/12
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013・井之口政雄
○井之口委員 それではその掛金の関係、その経済の関係はどうなつておりますか。それをもう少しくわしく……五円、六円の分配とか、そういうふうないろいろなやり方ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/13
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014・原勘四郎
○原説明員 やり方をそれでは申し上げます。六円の印紙を張ります場合には、今申しましたようにそこに雇われました日雇い労働者が、百六十円以上の賃金をもらつておる場合であります。その場合にこの失業保険法の保険料の納付状況は一般の——一般のと申しますのは、常用者の場合に順じまして、事業主と被保険者と政府が三つに割つて、三等分して負担するということの原則なつておりますので、六円のうち三円は被保険者の賃金から差引く。それから残りの三円は事業主が負担するということで、合せて六円に相なるわけであります。それから五円の場合は、これは折半がやや破れまするが、事業主が二円、被保険者が三円の負担をする。これはなぜ折半にならなかつたと申しますと、もしも五円の場合に、折半して二円五十銭といたしますと、場合によつては事業主が自分の負担額の安い労働者を雇用しようということになるかもしれぬ。そうなると勢い労働の統制といいますか、賃金の統制がそこに行われて、労働者に不利になりはしないかということの関係で、五円の場合は三円と二円、六円の場合は三円と三円の負担をお互いに持つということになつております。そうしまして保険金をもらう場合には、こういう條件になつております。失業保険の印紙を働いた日に張つてもらうのでありますから、先立つ二箇月で三十二枚以上の印紙が張られた場合におきましては、その月におきまして保険金を給付される資格ができるわけであります。もう一ぺん申しますと、先立つ二箇月におきまして、連続三月におきまして、合せて三十二枚の印紙が張られますと、その月において始めて一箇月間における受給の資格ができるわけであります。その際に六円の印紙ばかりが張つてございますと、支給額としては日額にして百四十円支給されるわけであります。それから三十二枚のうち一枚でも五円の印紙が混つておる場合がありますが、五円の印紙が混りますと、九十円の日額の保険金が支拂われることになります。要するに問題は三十二枚のうち、一枚でも安い方の印紙が張つてありますと、もらえる保険金は九十円になります。それから三十二枚以上の六円の印紙が張つてありますると、百四十円もらえるわけであります。それからもらう方法はどうしますかというと、離職した日に——離職したというとおかしいですが、就職できなかつた日、俗語でいいますとあぶれた日に、公共職業安定所に出頭いたしまして、職業の紹介を受ける。そして、なおかつ職業の紹介、あつせんがなされない場合に、その分の失業保険金をもらうのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/14
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015・井之口政雄
○井之口委員 それからこれはみんな資本家が、郵便局の方から印紙を貰つて、印紙の形で渡すのですか。たとえば今の勤労所得税などは資本家がとつておつて、そして政府に納税しないというふうな現象が至るところに起つている。そういうふうな状態であれば、将来国庫の大きな負担になる。税の関係などの点で、このやり方がどんなふうになつているか。そういう方面が郵政との間にうまくできるようになつているか、この点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/15
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016・原勘四郎
○原説明員 保険料の納入の方法は、郵政省にお願いいたしまして、郵便局で失業保険印紙を売つていただきまして、それを事業主が買いまして持つております。そこへ日雇い労働者が参りますが、日雇い労働者は日雇い労働被保険者手帳というものを所持しております。それの中は毎日分に区切つた欄ができておりまして、その一日々々の分に該当する六円なら六円、五円なら五円の印紙を張つてもらうわけです。そして張つた分につきましては、先ほど申し上げましたように、負担額が六円の場合には三円を被保険者の賃金から差引き、三円は事業主が負担する。そうしまして、今申しました六円なら六円、五円なら五円という印紙を、行く日ごとに貼付しまして、それに割印を押すことによつて、実際の納入がなされるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/16
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017・白井佐吉
○白井委員 郵便物運送委託法案の点につきまして、二、三お伺いしたいことがございますので、御説明を願いたいのであります。第一に、第二條にあります「郵便物の運送等を他に委託することが経済的であり」とありますが、この経済的であるということは、最も重要な根拠をなしておると思うのであります。またその目的であるわけでありますが、これの基礎的なものは何でありましようか。ひとつこの点を御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/17
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018・浦島喜久衞
○浦島政府委員 経済界の内容でございまするが、まず郵便事業は国営事業でありますので、すべて郵政省の手によりまして、すべての仕事をするのが建前であるわけであります。しかしながら郵便物を引受けまして、配達局へ送ります、その間の区間におきまする運送につきましては、この委託法案全体にございますように、あらゆる運送機関を利用してやることになるわけでありまして、最も一つの大きな例といたしまして、たとえば郵便物を運ぶために、郵政省がみずから全国に鉄道を敷いてやるということと、すでに国有鉄道というものがございますので、その国有鉄道に委託をしてやるのと、どちらが経済的かということは、おのずからはつきりすることであると思うのであります。同じことが地方鉄道でも船舶でも言えることでありまして、かようにみずから直接運送機関を設置し直営するということは、非常な技術と非常な経費を伴うわけでありますので、すでに他にありますところの運送機関を利用して、この運送に要する料金を減らして行く方が、より経済的であるわけでございますので、さような場合に運送を委託する、こういうことになるわけであります。また一つの例としまして、たとえば地方の山間僻地におきまする局間の、郵便物の逓送丗が非常に少い。しかもその距離が非常に遠いという場合に、直接こちらでさような運送機関なり、あるいは人を雇いまして、こちらの従業員によりましてやります場合よりも、むしろ請負的にやつた方が、より経費が少いのではないかという場合があるわけでありますので、そういう山間僻地への運送は、直接郵便局から郵便物を配達するよりも、奥の方のある一定の地域には第三者に請負わせまして、配達あるいは取扱いをした方が経済的であるという場合があるわけでありまして、さような場合にこの郵便物の運送を委託する。こういうことを規定しましたのが第二條にあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/18
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019・白井佐吉
○白井委員 この法律で委託によつて、委託事務に従事する者ができた。その従事する者は公務員であるかどうか。この点について御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/19
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020・浦島喜久衞
○浦島政府委員 身分は、これは民間の会社なりあるいは民間の個人が郵政大臣と契約をいたしまして、郵便物の運送をいたすわけでありまして、この仕事に携わつておる方は民間人でありますので、公務員ではないわけであります。しかしながらその仕事自体は、郵便の業務の一部でございますので、郵便法の罰則上にありますことにつきましては、郵便に従事する者という解釈がとられまして、その郵便法の罰則が適用になるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/20
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021・白井佐吉
○白井委員 契約によつてこの運送業務に従事する者は、いわゆる簡易郵便局法のごとく、準公務員であるというふうにみなされてよいのであろうというふうに思いますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/21
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022・浦島喜久衞
○浦島政府委員 ただいま私の御説明申し上げました通りに、郵便の業務に従事する者には違いございませんが、簡易郵便局法に規定してありますように、公務執行妨害罪が成立するやいなやという問題につきましては、問題があるわけでございます。しかしながらこれにつきましては、私どもとしましてはこういうような解釈をいたしておるわけであります。すなわち郵便物を運送しまする方法等が、非常に種々雑多であるわけであります。たとえば国鉄によりまして運送します場合に、直接こちらの郵便車を連結して、その郵便車によつてこちらの郵政省の従業員の方々が輸送されるならば、当然公務員がされますので、それに関する公務執行妨害罪ということは成立つわけでありますが、しかし直接こちらの人がその郵便車に乗らぬでも、国鉄に郵便物のみを委託する場合もあるわけであります。あるいは私鉄におきましても郵便物のみをその会社に委託する場合があるわけです。またこれを自動車の例にとつてみましても、乗合いバスに一般の旅客と同じく、郵便物を委託する場合があるわけでありまして、いろいろ運送の方法が種々雑多であるわけであります。そこでかりに例にとります乗合バスに郵便物を委託された場合に、これは大体そのバスの運行は、旅客を運送するのが主たることであります。それに郵便物を委託するわけでありますが、かような場合にやはり公務執行妨害罪として、第三者のそれらの業務の運行に対する障害を排除することが必要であるかどうか。いろいろ場合々々がたくさんありまして、一括しまして公務執行妨害罪が成立つような規定をいたしますということは、非常に困難であるわけであります。と申しますのは、要するに公務員以外の人がやつた業務に対しまして。公務執行妨害罪が成立します場合は、法令によリまして公務に従事する職員とみなすという規定がなければいかぬわけでありますが、ただいま申しましたように非常に種々雑多でありますので、一括して全部公務に従事する職員とみなすということにいたしますと、運送の種種雑多な場合に一括して規定することは、非常にむずかしいわけでありますので、特に法案におきましては、公務に従事する職員とみなすという規定を掲げなかつたのであります。そこでしからば、かような規定がないために、郵便物の運送業務上支障があるのではないかという点があるわけでありまするが、これにつきましては、もし郵便物の運送をしている場合に、第三者がかりにこれに障害、妨害を加えました場合には、たいがい暴行罪とか、あるいはまた恐喝罪が伴うわけでありますので、それぞれの暴行、恐喝等の、やはり刑法の規定が適用されるわけであります。それからこれは民間の人が受託をして行つておりますので、いわゆる刑法にありまする業務妨害罪が成立するわけであります。そこで刑の軽重によりまして、かような場合の個々的な問題につきましても、公務執行妨害罪におきましては、三年以下の懲役または禁錮ということになつているわけであります。ところが暴行罪あるいは業務妨害罪におきましても、暴行罪においては二年以下、あるいは十年以下、業務妨害罪におきましてはは三年以下となりまして、大体公務執行妨害罪と刑の点におきましては差異がないわけであります。また郵便法の第七十八條におきまして、郵便の障害となるべき行為をした者に対しましては、五年以下の懲役または五千円以下の罰金という規定がございますので、かように刑法並びに郵便法の刑罰の規定からいたしまして、郵便物の運送を妨害されました場合も、いわゆる刑法上の保護というものは十分に達せられていると私でもは信じまして、特に公務に従事する職員とみなすという規定を設けまして、公務執行妨害罪にこれを問うということをいたさなかつた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/22
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023・白井佐吉
○白井委員 さようにいたしますると、請負わしむべく委託するところの相手方を選ぶという場合に、非常に重大な面が現われて来ると思うのであります。幸いにして多数の人々が、ぜひ自分が落札してみたいというようなことで、殺到するというような場合においては、この第三者にありまする運送等に関して必要な能力を有する者の中から選ぶということができますが、もしその相手方が少くて、たとえば第四條にありますように、随契によるという場合が生じたときにおきましては、郵政大臣は大蔵大臣に協議を要せずして、單独でこの相手方を選択することができるということに相なるわけであります。しからばそこに運送等に関して必要な能力があろうとなかろうと、委託するという必要が起つて参りまして、そこで選択の上において、著しく趣をかえて行くような結果になつて行きやしないかということを、憂慮するわけなのであります。そのような意味あいから、簡易郵便局法の第十條にあるがごとき規定をこの場合設定するということが必要ではなかろうか、こんなふうに考えたわけなのでありますが、ことに契約ということにつきましては非常にこれは重要な事柄であるのでありまして、この点に万が一にも支障等が起つたならば、せつかくの郵便事業も台なしになつてしまうというようなおそれが感じられるわけであります。こういう場合の当局の所信はどうでありましようか。ちよつと御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/23
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024・浦島喜久衞
○浦島政府委員 郵便物の運送の契約に参加しようとする者が少く、しかも契約ができない場合がある。そうすると自然第四條によつて、郵政大臣が随意に契約をせなければならぬ。さような場合には、その受命者の郵便物運送上の能力があるかどうかという点について、非常に疑問があるから、業務の銀行を保険する観点から言つて、簡易郵便局法のような規定を設ける必要があるのではないかという御質問のようにお受取りいたしたのですが、しかしこの第四條の随意契約におきましては、郵政大臣としまして、この第三條第二項にありまするような必要な能力と資格を有する人がないという場合に、おそらく今後におきましてはあり得ないと思うのでありますが、何と申しましてもすでに今日における郵便物の運送上の施設につきましては、あらゆる運送機関を利用いたしまして、しかもすでにそれぞれの運送業者におきましては郵便事業の運行上、支障なく業務を遂行いたしておりますので、十分にその能力のあるものと認定せられるわけであります。現在の運送施設の大半がさような状態でありますので、おそらく今後この契約によりまして————もちろんこの附則によりまして、六箇月後には一応御破算になりまして、自由競争で契約をし直すことになりまするが、おそらく従来の運送業者においても、契約の参加が行えるものと考えられるわけでありますから、実際問題としてさような御心配の点はないものと私は信じておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/24
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025・井之口政雄
○井之口委員 ちよつと一言伺いたい。これは日本郵便運送株式会社と実際上は非常に関係の深いものとなると思うのであります。それでこの会社の内容をよく調べてみますると、これに共済組合から大分出費されておるようであります。逓信共済組合は総資本に対する一七%の株の株生になつておりますが、共済組合の基金をこうした私企業にまわして、しかもそういう私企業によつて郵便の運搬ということをやらして、そうしてこれに厖大なる利益を与えて、その方がむしろ経済的であるというふうに考えられているように思うのでありますが、こういう逓信共済組合からの持株のようなものも、その共済組合の資金の運営委員会でありますか、そういうところでも問題になつていなかつたのでありましようか。あるいはまた一般にそれの監督官であるところの郵政大臣が、そういう方面に今まで何らの意見も出していなかつたのでありましようか、どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/25
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026・浦島喜久衞
○浦島政府委員 ご承知の通りこの共済組合におきましては、組合員に共済給付をやりますために、積み立てておるわけであります。その積み立てております積立金を、公済組合としましては、できるだけ共済組合の財政状態がよくなるように、有利、確実に運用をいたしておるわけであります。従いましてもし利回りのいい投資がありますれば、その投資をいたしまして、少しでも積立金の資金が多くなるようにとやつておるわけであります。その観点からいたしまして、日本郵便逓送株式会社は業務の内容もよくわかつておるし、しかもその收入というものは郵便省から支拂われるところの運送料金でありますので、非常に確実であるという観点から、共済組合としましては日本郵便逓送株式会社に投資をいたしております。従いまして共済組合としましては、積立金運用の観点から投資いたしますのは、発送電とか、あるいはその他の民間会社、あるいはまた信託会社に信託をいたしますとか、その他定期預金をするというようなわけで、他の社債とか公債等も買いまして、そうしてできるだけ有効確実に利回りを得るためにやつておるわけであります。従いまして共済組合としましては、この日本郵便逓送株式会社の全体の株の一七%を持つておりますということに、あくまで共済組合自体の資金の運用という観点から、この日本郵便逓送株式会社に投資をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/26
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027・石原登
○石原委員長 次会は来る二十二日、火曜日の午後一時から開会いたしたいと思います。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時二十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100605256X00519491119/27
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