1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十四年十一月二十六日(土曜
日)
午後一時三十六分開会
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本日の会議に付した事件
○地方自治法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
○地方行政調査委員会議設置法案(内
閣送付)
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001・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開きます。
今日は先ず地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、予備審査を続行いたします。昨日の引続き逐條の説明を聽くことにいたします。今日は第七十五條第一項から……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/1
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002・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 第七十五條の改正は、直接請求の中の事務監査の請求についての規定でありまして、これに、現在は地方公共団体の長の権限に属する事務の執行についてのみ機関委任の関係の仕事につきましては監査請求ができるということになつておるのであります。これは不当に直接請求の内容を狹めておりますので、地方公共団体の長に相当いたしますところの選挙委員会とか、その他法令又は條例に基きますすべての委員会又は委員は、事務の執行を監査するということにいたしたのが第一項の改正であります。
それから第三項の改正は、やはりそれに関連いたしまして、監査の結果を監査委員が報告する場合に、関係のある選挙管理委員会その他の委員にも報告するということにいたしたわけでございます。
それから第五項は、條例の制定改廃に関しまして、署名の方法並びに審査の方法、或いは署名の秩序維持のための制裁というような意味の規定を設けておりますが、それの規定をやはりこの監査の請求の場合にも準用するという規定であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/2
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003・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。では次、第七十六條。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/3
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004・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 第七十六條は、議会の解散の請求につきましての直接請求の規定でありまするが、第四項に、條例の制定請求の場合の署名の新らしい規程案を準用することにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/4
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005・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 御質疑ございませんか。それでは第七十七條。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/5
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006・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 議会の解散の投票の結果が判明いたしました場合には、選挙管理委員会からそれぞれ報告をいたすことになつておりまするが、これを更に投票の結果が確定したとき、即ち投票につきましての争訟の出訴期間が、何ら出訴がなくて、経過いたしましたとき、或いは判決いたしまして、その判決が選挙管理委員会に通知がありましたような場合におきましても、同様にこれを報告するということにいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/6
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007・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 別に御質問ございませんか。では七十八條。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/7
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008・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 七十八條の改正は、「前條の公表の日において」という言葉を削つたのでありますが、これは他の規定との関連から申しまして、誤解を生ずる点がございますのと、それから今回の改正案におきましては、すべて行政の執行はそれぞれ権限がありまする機関におきまして決定がありましたならば、それで直ちに効果を生ずるという原則を採りまして、その効果を生じました場合におきましては、訴訟によつてこれを不服があれば争い、その訴訟の過程におきまして仮処分の申請をいたしまして、執行の停止をして貰わない限りはその効果はずつと引続いて生じて行く、こういう原則を採つておりますが、公表の日において、解散という効力が生ずるというふうにいたします点が、些か疑念を生じておりますので、この点を落したのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/8
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009・西郷吉之助
○西郷吉之助君 「前條の公表の日において」を削除してしまつて、ここに何も文句がなくて、同意があつたときは直ちに解散するというような、そういう文句は要らないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/9
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010・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) この点は特にありませんでも、そのように同意がありましたときに解散をするということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/10
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011・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 前の七十七條の「確定したときも、また、同様とする。」とあるのですが、これは判明したときは、こういう報告を省くわけにはいかんですか。確定したときだけというわけにはいかんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/11
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012・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) これは判明いたしますと同時に、要するに結果が出ますと直ちに議会解散という効力を生じますから、やはり議会がこの市町村或いはこの府県においてはなくなつたのだということを、それぞれ府県の場合には知事なり内閣総理大臣、市町村の場合には市町村長なり知事に報告する必要があるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/12
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013・西郷吉之助
○西郷吉之助君 この七十八條の「解散するものとする」というその文句ですが、解散しなければならないとかいうのを違つて、「解散するものとする」というのは、何か非常に弱いような気がしますね。これは解散しなくてもいいということにはならんけれども、「解散するものとする」というようなそういうような書き方で今までずつと来ているのですか。解散しなければならないというのじやなしに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/13
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014・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) この点は解散しなければならないということになりますと、何か別個の手続が、解散を命ずるとか、或いは何らかの手続が要るようになつて参りますので、解散するものとするということになつておりますと、やはりそのときに解散という効果が自然的に生ずる、こういうふうに解釈をいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/14
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015・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質問ございませんか。それでは八十條から八十七條まで。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/15
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016・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) この八十條の改正は議会の議員の解職に関する規定でございますが、この直接請求の署名に関しましても、條例の制定請求に関する署名の新らしい改正案の原則を準用しようというのが、八十條第四項の改正でございます。
それから八十一條の改正は、地方公共団体の長に関する解職請求の規定でございますが、これに関しましても、同様に新らしい署名の原則を準用しようという改正でございます。
それから第八十二條の改正は、第一項は解職、即ち第一項の方は、議員の解職の投票の結果が判正したときに、関係機関に選挙管理委員会から報告をするというのが現在の規定ですが、それが更に結果が確定したときにも報告をするということにいたしたのであります。
それから第二項の方は、選挙管理委員会の、解職の投票の結果が判明した場合の、報告の規定でありますが、それに更に投票の結果が確定したときも報告をするというふうにいたした改正であります。
それから第八十六條の改正は、地方団体の長及び議員以外の副知事、助役その他の主要公職にありますものの解職請求に関する規定でありますが、これに関しましても、條例の制定請求の場合の改正案の署名に関する関係條文を準用しようという改正でございます。これは第四項の改正であります。
第八十七條の改正は、議会におきまして副知事及び助役等の主要公職にありますものの解職に関しましての賛否の議決をするわけでありますが、その議決につきましてそれが違法であるかどうかということに関しましては、公職にありますものの地位を失わしめるような重大な議決でございますので、第百十八條第五項の規定を準用いたしまして、この議決に不服であります場合に裁判所に出訴できるというふうにいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/16
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017・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/17
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018・西郷吉之助
○西郷吉之助君 第八十七條の前項というのは、これは助役ですか。適用されるのはどういう人の場合なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/18
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019・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) これは第八十六條の第一項の三行目のところに「副知事若しくは助役、出納長若しくは收入役、選挙管理委員若しくは監査委員又は市町村公安委員会の委員」とありますが、こういうものを指しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/19
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020・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) この八十七條に第百十八條の五項の規定は裏から返つて来るわけですね。
では第九十八條。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/20
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021・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 九十八條の規定は、議会が書類及び計算書を検閲し、或いは出納の検査ということに関する規定でございますが、ここの中にも、執行機関の総括的なものとして地方団体の長だけしか現在ではそういう検査、検閲の請求の相手方になつていないのでありますが、地方団体の長の外に選挙管理委員会、監査委員、公安委員会又は教育委員会その他法令又は條例に基く委員会又は委員に関しましても、同様な請求ができるようにいたそうという改正でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/21
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022・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 次に九十九條。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/22
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023・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 第九十九條の改正は、これは議会が、現在地方団体の長に対しましては説明を求め、或いはそれに対し意見が述べることができるようになつておるのでありますが、これはいわゆる機関委任の権限についての規定でございますが、長の外に選挙管理委員会、監査委員、公安委員会或いは教育委員会等の委員に対しましてもやはりこれらの機関委任された事務に関しまして、説明を求め又は意見を求めることができるというふうにいたそうという改正であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/23
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024・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 別に御質問ありませんか。じや次。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/24
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025・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 第百二條の改正は、都道府県の議会の定例会は現在六回になつておるものを、年四回以上にという、二回だけ少くしようという趣旨の改正であります。この趣旨は、都道府県は市町村と違いまして、議員の集まりする範囲も非常に地域が広いわけでございます。又一旦集まりました場合に、短期、一日二日を以て解散いたしますというようなことは、折角集まりました以上は、むしろ長く十分審議を盡した方がいいと考えられまするし、かたがた六回ということは、隔月に都道府県議会を開くことでありまして、このために執行機関側の追加予算、補正予算等の編成、或いは関係議案の整備というようなことにつきまして、相当に時間を要しまするし、又期間が短いために、なかなか十分に準備もできないというようなこともございまするので、むしろ一回の会期を長くいたしまして、その代り度数を減らすということにいたした方が、より実情に即するのではないかということで、毎年四回ということにいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/25
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026・西郷吉之助
○西郷吉之助君 四回以上に削減したのは、都道府県の議会はやはりこの削減を希望しておつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/26
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027・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) この点は実は地方自治委員会におきましても、両論ございまして、ここには各地方議会の代表と執行機関の代表とそれぞれ三名ずつ六名出席せられておるわけでありますが、この両者の機関の代表の方方の中で相当論議が交されましたが、知事側といたしましては、二回ぐらいでよかろうということであり、議会側の方は大体四回でよかろうということで、結局議会側の方の主張が通りまして、毎年四回ということになつたのであります。尚四回ということにつきましては、それぞれ都道府県の議長会から各府県の議会の方に連絡をいたしまして、その結果確かに三十数県は四回でよろしい、あとは二回でいいというもの、或いは現状でいいというのが、それぞれ数県あつたような状況のように記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/27
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028・三木治朗
○三木治朗君 この四回に減らすということは、大体今地方、中央を問わず、議会は成るべく多く開いてその市民なり国民の意思を十分に反映させるという方向に向つておると思うのですが、何か甚だしく多くすることが、時代に適した改正になるので、減らすということは逆行するように思いますが、この点如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/28
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029・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 定例会と銘を打ちましたものを必ず六回開き、議案の有無に拘わらず六回開くというふうな現行制度に相成つておりまするが、これは市町村の場合においては、議会に集まりますということは、距離的に見ても時間的に見ても極めて容易でございまして、市町村自治という性格から見まして、頻繁にそういう会合があることが望ましいわけでありますが、都道府県の場合におきましては、やはり相当広区域に亘つて議員が選出をせられておりまする関係もあり、定例会という、議案の有無に拘わらず必ず開くというものをそう多数作つて置きまするということは、民主主義の訓練というような意味から参りますと、或いは結構だと存ずるのでありますが、実際の行政上の必要から申しますと、必ずしもそう頻繁に開くという必要はないのではないか、と申しますのは、臨時会という制度が一面ございまして、臨時の必要が生じました場合は、いつでも開き得るわけでございますから、そういう形にいたしますことは必らずしも理論的に必要がない。こういうような考え方でありまして、アメリカの州議会等は、予算も二年予算で、集会も定例会は二年に一度というようなことになつておるものが多いようでございまして、そういうようなこともかれこれ勘案をいたしまして、毎年四回以上というのは、日本の現状の民主主義の進展の段階等をも考えまして、この程度のことがよかろうというような各種の意見もありまして、こういうようなことに相成りました次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/29
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030・三木治朗
○三木治朗君 アメリカのように非常に民主主義が徹底しておる国では、そういう工合に少くしても一向差支ないかと思いますが、市町村あたりでは、議会があつても、実は理事者の思うままにやりたい、むしろ議会なんかうるさいというような考え方が相当強くて、ともすれば参事会あたりで片付けてしまおうというようなことで、結局議員というものは名前だけの議員みたいなものになつてしまう憂いが多分にある。又そういう事実があるのです。やつぱり法律で以て拘束して置かないと、理事者はどつちかというとうるさくない方がいいんですから、そこに非常に危險があると思うのですが、何だか知らんが、六回という工合に決まつておるものを減すというのは、時代に逆行しておる感が深いので、感心しないように思つておりますが、その点に関しまして、その方が民主化のためにいいとお考えになつておるのですかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/30
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031・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) いろいろ理由はあると存じまするが、議会の議決の権限自体を狹めようとかどうしようというようなことでは、これは全然ないのでございまして、ちよいちよいと頻繁に開きまするよりも、一回の会期を長くいたしまして、十分審議をその間に盡して頂く、又その方が議案その他も愼重を期したものが提案できるという考え方なのであります。又経費の点から考えましても、頻繁に開きますよりも一回の会社を長くいたした方が、若干なりとも経費の節減になりまするので、地方財政の貧窮の折りの一助にもなるというような考え方も加わつておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/31
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032・鈴木直人
○鈴木直人君 只今西郷君、三木君から御意見がありましたが、私もそれには同感のものなんです。そうかといつて、必ずしも毎年六回従来通りにやつておらなければならんということを強く主張するものでもないけれども、今まで毎年六回以上となつていたものを、四回以上にするという理由が、経費の点とか、或いは会期を長くすることによつて充実した議会を開くことができるであろうということか、そういうような点が主のようでありますが、今まで毎年六回以上実施したことによつて、非常に効果的ではなかつた、毎年少くとも四回くらいにした方が効果的であつたという、実際の経験によつてこの改正を確信を持つに至つたという事実があつたとするならば、もう少し従来の実例について、具体的に六回以上をやつたためにこうであつた、そこでどうも無理であつたというような具体的な実例を示して頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/32
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033・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) これはまあ執行機関側と議会側の両方から考えなければならんと存じまするが、議会側の方から申しまするならば……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/33
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034・鈴木直人
○鈴木直人君 いや理論的な問題ではなくて、実際やつた経験から実績を一つお話して頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/34
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035・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 議会側の方から申しまするならば、頻繁に出てくるということよりも、田舎の方の県等につきまして、やはり一度出ましたならば、一日も早く帰るよりもやはり数日なり、一週間なり、十日間県会の方のために日を割く方が、やはり議員の側から申しましても、時間的にもうまく按配がつくんであろうというふうにも考えられまするし、それから主として従来いろいろ因るというお話のありましたのは、執行機関側でございますが、これは、例えば議会が開れるということになりますと、各部局では、やはりやらないでもいいというような仕事まで見つけ出しまして、そうしてこの機会に一つの追加予算を取りたい、或いは予算の増額を考えて貰いたいということで、予算編成当局に又各種の問題を持ち込む。それをそれぞれ庶務課長なり、総務部長なり、副知事なり、知事と数段階を経まして最終査定をいたしまして議会に提案するまでには、やはりどうしても一つの議会ということになりますと、二十日なり、三週間というものが、そのためにとられるということで、大きな県などになりますと、殆んど常に予算編成の業務のために忙殺せられなければならない。又主務課の方も、ひいてそういうようなことのために、いろいろと仕事を考えるということになりますからというようなことで、予算膨脹というようなこともどうも考えられるような形があるわけであります。これが臨時緊急の必要で臨時県会を開くというような、特別の緊急のある事件でございまするならば、たまたま定例会があるというようなときは丁度いいわけでありまするが、次の定例会でも待てるというような場合におきましては、やはりどうも今申上げましたような傾向を助長するきらいがありまして、これらの点から申しましても、やはり大体定例会といつて決めてありまするものは、むしろ四回以上、これも四回ということではございませんから、四回以上ということでございますから、それ位がいいのじやないか。又過去の制度等から考えましても、定例会と申しますのは、やはり通常予算を審議する会が定例会、やはり本来の考え方としては、そういうことであるべきだろうと思うのであります。その点から申しますると、やはり相当これは大幅な県会、定例会を認めておるわけでありまして、この程度でやはり日本の現状から考えまして適当ではないかというふうに考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/35
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036・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) じや次、百十條乃至百二十八條。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/36
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037・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 第百十條の改正でございますが、これは特別委員会に関しまして、公聽会を開くという規定が現在ございません。そこで常任委員会と同樣に、特別委員会も公聽会が開き得るということを書いたのでございます。第四項の「前項第五項の規定」と申しますのは、常任委員会について公聽会を開けるということですが、それを準用したわけであります。
それから百十八條の改正は、第五項の改正でありまするが、議会におきまして、選挙をいたします、例えば議長、副議長の選挙をする、或いは選挙管理委員の選挙をするというような選挙の場合におきまして、その選挙における投票者の効力に不服があるというような場合におきましては、議会が決定をいたし、これに対して不服があれば出訴できるようになつておるのであります。その出訴の期間が、現在特別にございませんので、一般行政事件訴訟特例法の原則によりまするということ、処分のあつた日から六ヶ月間は出訴できる、あつたことを知つた日から六ヶ月間出訴できる。又処分のあつた日から、若し処分を知つた日が非常に遅くなりますならば、六ヶ月を超えても構わんわけであります。処分のあつた日からは一年間を超えるわけには行かないが、その範囲内ならば、如何に遅くなつても処分のあつた日から六ヶ月以内は出訴ができるということになつておるのであります。それでは議長、副議長の地位或いは選挙管理委員の地位が、投票について争いがありまする場合には、長い間不安定の状態にありまして適当でありませんので出訴期間を、決定のあつた日から二十一日以内というふうに限定をいたしまして、早く事態を確定せしめようといたしたのであります。
第百二十一條の改正は、議会に対して、出席要求を議会側から受けまするものの範囲が列挙いたしてありますのでありますが、この中に、更に一般的に委員会の代表者或いは委員というものも、要求があつたらば出席しなければいけないというふうにいたしたのであります。
それから第百二十五條の改正は、請願の処理に関しまする規定でございますが、請願につきまして、従来地方公共団体の長、選挙管理委員、監査委員、公安委員、教育委員というように限定的な列挙をいたしまして、そういう関係のものについて規定をいたしておりましたが、これを更に拡げまして、一般的に各種の委員会につきましても、同樣な請願についての影響のあることは、その方面にも送付して、その結果の報告を請求するというように改正しようということであります。
第百二十八條の改正でありますが、これは議会の議長の地位に関する規定であります。議会の議員の地位は、その根本の選挙につきまして争いがあるというような場合におきましては、これは勿論その判決が、選挙が無効であるとか、当選が無効であるとか、確定するまでは一旦議員になりました以上は、その職を失わないのであります。この点は従来通りでございまするが、改正をいたしました点は、前條の第百二十七條におきまして、議員の資格決定、一旦議員になりました後におきまして、欠格要件に該当いたしまして議員たる資格がないというふうに、議会が資格審査で決定いたしました場合におきましては、直ちにそれによつて議員失職という効果が生ずるというふうにいたしたのであります。現在は、その資格の決定につきまして争いがあれば、訴訟で争いまして、判決が確定するまでは議員の地位を失わないというのが現行法でございますが、これを今申上げましたように、議会の資格審査がありましたならば、それによつて直ちにその議員の地位を失うということにいたした改正であります。この改正は、今回の各種の項目の中に現われておるのでございまするが、要するに行政事件訴訟特例法の一般原則によりまして、訴訟というものは、行政の執行力を停止するものではないという原則を採つたわけでございます。従つて若しもその決定に不服がございまするならば、訴訟の段階におきまして、何処分の申請をいたしまして、その資格決定の効力が発生いたしますることを将来に向つて停止して貰う、こういう申請をいたしまして、その決定がありましたならば、判決が最終確定に至りまするまで、一応その地位を失わないようなことになりまするが、そうでない限りは資格決定の結果、当然に失職する、こういうふうにいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/37
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038・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか……過般郡山市におきまして、郡山の市会議員の或る人が禁錮以上の刑に処せられたので当然失格をして、而も確定をしておるので失格をして議会に出られないわけなのでありますが、それを裁判所の方からの通知がなかつた関係で、平気で議員を勧め、いろいろな採決にも加わつたりしておつたことがあるんですが、そういうようなことは裁判所との連絡ということは大変必要ですが、それは何か地方自治庁で用意がしてありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/38
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039・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) これは現在選挙法の関係で、いわゆる選挙人名簿を調製いたさなければなりません。又自治法におきましても補充選挙人名簿を調製いたさなければならないわけでありますが、その関係で従来資格に影響のありまする裁判所の判決がございましたならば、これを必ず市町村長、今日では選挙管理委員会に通知をするということを、これは法務府の方又地方自治庁の方と共同の通知を地方にいたしておりまして、それによりまして連絡をして貰つておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/39
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040・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を止めて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/40
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041・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/41
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042・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 「前條」という言葉が入つておりまするが、「前條の規定による決定若しくは裁決又は判決が確定するまでは、その職を失わない。」ということで、現在はお話の通り百二十七條で資格審査の決定がありまして、議員としての資格がないというふうに決定をせられましても、その決定について争いがありまして訴訟になりましたならば、その判決が最終的に確定するまではやはりその職を失わないというふうに現行法はなつておるわけであります。この改正案は、それを「前條」という言葉をとりましたので、「前條」という言葉をとりますというと、前政の執行の一般原則が適用されまするから、訴訟がありましても議員の資格決定というものは、訴訟によつては当然に執行停止にならない、特に仮処分の申請がありまして、執行停止という決定がない限りは、資格審査の決定はそのまま効力を生ずる、こういうことになるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/42
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043・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) この地方議会の事務局を設置して貰いたいという請願、陳情が随分参つておるんですが、今地方議会のところですからお尋ねするんですが、それは政府の方にも随分そういう請願陳情が行つておるが、どうして地方議会に事務局を置くことができることに百三十八條を改めなかつたのか、それをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/43
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044・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 只今のお尋ねでございますが、これは現在の百三十八條は「書記長」、「書記」という言葉で議会の庶務を処理いたしまするための組織を表現をいたしておりまして、これは職員の身分の方から規定をいたした規定なのでございます。従いまして書記長、書記が如何なる事務組織におきまして、如何なる事務機構におきまして議会の庶務を処理して行くかということは、現行法の中では直接規定をいたしていないわけでございます。そこで事務局を設けるか設けないかということは、それぞれ各地方団体の議会が自主的に決定ができる建取になつておりまするから、従つて現在は各地方団体におきまして、必要に応じまして事務局というようなものを特に設けておるところがありまして、都道府県のごときはすべてこれを設けておるという実情であるわけでございます。政府といたしましては、そういう実情を法制化するか、或いは現状のままといたして置くかということに関しましては、いろいろ勘案をいたしたのでございますが、やはり事務局という一つの組織を法制化いたしますることが、勢い機構の整備拡充というような傾向を馴致いたしまして、政府は一方におきまして行政整理ということを方針といたしておりまする際に、そのようなことに相成りまするというと、やはり職員の増加というようなことが結果として生れて来やしないかということを一つ恐れたわけでございます。
それから第二点といたしましては、やはり議会の外にも各種の独立の執行機関がございまして、選挙委員会でありまするとか、監査委員でありまするとか、或いは出納長というようなところでそれぞれ事務局を設けたいという要望が相当あるのでございます。これらのものにつきましても、議会に関しまして事務局制度を整備いたしまするというと同樣のやはり原則を以ちまして、事務局に関する規定を設ける方が権衡上適当であるということになりまするので、そうなりますと、いよいよ政府の行政整理というような方針との間に行違いを生ずる虞れがございまするので、今回といたしましては、政府は特にこの点は改正を加えないというふうにいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/44
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045・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。それでは次へ進みます。第百四十四條。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/45
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046・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 第百四十四條の改正は、第百二十八條の改正と全く同一の趣旨の改正でございまして、これは地方団体の長の資格決定は、選挙管理委員会がいたすように相成つておるのでございますが、これも長になりました後におきましての資格決定で、選挙管理委員会でやりましたならば、これはやはりそれによつて当然失職をする、その失職の決定につきまして争う場合には訴訟によつて争つて、訴訟の結果、或いはその地位を回復する、或いは訴訟の途中におきまして仮処分の申請をいたして、一時資格決定の効力を停止して貰う、いずれかの方法によらなければ失職の地位を回復できないというような改正でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/46
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047・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 次は第百五十五條。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/47
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048・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 百五十五條の改正は、地方団体の事務所、即ち市役所、町村役場というような事務所でございますが、その事務所の外に市町村では支所が置けるようになつておりますが、支所と申しますのは、大体の考え方としては、やはり市町村役場の仕事を相当包括的にやるようなものということで、例えば合併前の旧町村に、即ち前の町村役場等がありました所に支所を置くというような状態に相成つております。これを更に、そういうような場合でなく一般的に市長村の事務所の下に出張所を置けるということにいたしまして、いろいろ市長村役場と住民との連絡を便にしようというのが、この改正の趣旨でございます。
それから第二項は、更にその区の事務所の出張所、こういうことであります。これはいわゆる五大都市の事務所について規定をしておるのであります。
それから第四項につきましては、第一項及び第二項の新らしく設け得ることになりました出張所の位置、名称及び所管区域は、條例で定めるということにいたしたわけであります。この四項の設置というのは、位置であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/48
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049・鈴木直人
○鈴木直人君 前に遡つて失礼ですが、この議会の議員と地方公共団体の長の失格の問題ですけれども、第百二十七條において第一号、第二号、第三号、例えば禁治産者又は準禁治産者になつたという場合、或いは禁錮以上の刑に処せられたという場合、或いは選挙に関する犯罪によつて罰金の刑に処せられたとか、こういう場合においては、その事実がはつきりいたしますから、いわば訴訟をする余裕もないと言つてもいいと思いますが、それ以外の場合において、例えば地方議会の議員が被選挙権を有しないという、他の理由で以て被選挙権を有しなくなつたということを決定するのは、議会が決定すると、而も出席議員の三分の二以上の多数によつてこれを決定するのだと。こういうことになるわけです。こういう議会の出席議員の三分の二以上の多数によつて、被選挙権がこの議員にはなくなつたんだということを決定するということは、これはそのときの政治勢力にもよることであるし、その決定については、相当不服であつてそうして裁判所に出訴しなければならんという状態が出て来る場合が多いと思う。又この地方公共団体の長につきましても、被選挙権を有しなくなつたかどうかというようなことについては、選挙管理委員会がこれを決定するということになつておるのであつて、第百四十三條ですかでなつておる。こういういわゆる選挙管理委員会が決定したものについて、直ちにその長が失格してしまうということを決定するということは、少しその精神が、何と言いますか軽卒のようにも思われるのであります。従つて裁判所に出訴して、そうして最終裁判所において、確かにこの知事なり市長村長は被選挙権がなくなつたのである、選挙管理委員会の決定の方が正しいのであるということを確定したときに、初めてやはり長が失格するという方が正しいのではないか。ただ選挙管理委員会で、お前はもう資格がなくなつたのだと、こういうふうに決定したために、直ちに市町村長が失格してしまうという効果が現われて来て、そうしてその後裁判係属中はずつと市町村長は失格をしてしまうのだと、そうして裁判の結果、失格をしないのだということになつた場合に初めて前の市町村長の資格が復活して来るという行き方になりますというと、その間において市町村長の補欠選挙なんかも考えられることになるであろうし、若し補欠選挙をしなかつたような場合には、その間空間になるような場合もあるであろうし、やはり従来と同じように裁判所で黒白を争つて、そうしてそれがどちらかに決定したときに初めてその失格が決定するということの方が安全であり、健実であるように考えられるわけであります。議会において出席議員の三分の二で議決したために直ぐ失格をしてしまう、或いは選挙管理委員会が決定したために地方公共団体の長が直ぐ失格してしまう、そうして後仮処分か何かのやり方によつて初めてそれが続いて行くのだという不確定なやり方は、果して地方自治をうましやつて行く上においてよいのかどうかということが考えられるのでありますけれども、このようにいたしたところの根拠を、もう一度話して頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/49
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050・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) この点は、現在の行政事件訴訟特例法という法律の第十條に基きまして、行政事件の訴訟の提起は、処分の執行を停止しない、こういう大原則が明記せられまして、この大原則をやはり地方自治法の場合におきましても、飽くまでも通すべきであるという考え方に立脚いたしておるのであります。要するに訴訟というのは、行政行為が不当であつたものに対してこれを救済するいわば事後の手段でございまして、行政行為自体が、適法の権限として、適法に行われたものとせられる以上は、これは当然権限内の行為として効力を発生すると、こういう建前に立つておるわけでございます。それがそうでないという主張を持つておるならば、それを訴訟の上において争い、それがその通りであるということの確定をしなければ、行政権の有効なる権限内の行為として行われたものに対してこれを争うことができない、こういう建前をとつておるわけであります。併しそれを貰きまして、常に訴訟の最終結果を待たなければ事の確定、自己の権利を主張できないということであつては困りまするので、処分の執行によつて生ずべき償うことのできない損害を避けるために、緊急の必要があると認めるときは、裁判所は、申立により、或いは職権で以て決定をして処分の執行を停止することを命ずることができる。これが先程申しました仮処分という俗語で申しましたことでありますが、要するに裁判所自身、或いは申立によりまして、処分の執行によつて償うことのできない損害を生ずると、そのために緊急の必要があるというときに限りまして処分の執行を停止する。従つてそういうような場合には、今の失格の決定の効力を一時停止するということができるようになつておるわけであります。併しこれに対しましても、例えば内閣総理大臣が、その執行の停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼすという虞れがあると認めるときには、異議を申述べますれば、その執行の停止ということも抑えることができるようになつておるのであります。こういうことによりまして事柄をすべて解決しようと、こういうので現在の行政事件訴訟特例法の原則でありますので、その原則との調節を考えました末このような形に相成つた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/50
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051・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それでは次、百五十六條。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/51
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052・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 第百五十六條の改正は、第一項に、條例の定めるところによつて行政機関を設けるということを加えただけの改正でございますが、これは現在地方事務所とか支庁とかいうのは、いわば府県の仕事を総括的に分担をいたしまして処理をする、いわば総合的な出先の機関でありまするが、第百五十六條の第一項の保健所その他の行政機関と申しますのは、特殊行政を担当するための出先機関というような考え方の規定なのでございます。それを置く場合には、現在では法律の定めるところによつてしか置けない、こういうことになつているわけであります。これは成るべくそういう特殊行政の出先機関を設けるということは望ましくないということで、法律の定めるもののみを認める建前にしているわけでありますが、シャウプ勧告に基きまして、いずれ税制の改正がございましたような場合におきましては、府県と市町村との仕事、殊に税の徴收というようなことが、府県は府県自体の機関で徴收をするというようなことになりまするというと、郡部の地域は地方事務所の税務課というようなことで処理できますが、大都市区域にも或いは特にそういう税の出張所のようなものを設けなければならんというようなことも考えられますので、そういうようなことも考えられまして、條例で、必要がありまする場合には、特殊行政機関が置けるというようにする趣旨のこれは改正でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/52
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053・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) じや條例で決めれば、どんな機関でも作れる、こういうわけですか。特殊行政機関といつても文面に現われませんから……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/53
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054・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) それはそういうような考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/54
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055・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それから木炭事務所はまだあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/55
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056・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) それはまだそのまま残つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/56
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057・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) じや百五十八條。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/57
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058・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 百五十八條の改正は、都道府県の部局に関する改正でございますが、これは都の関係から先に申上げますと、都の教育局というのがありましたのを、教育局の代りに削除という言葉を入れまして、各局の頭の数字を揃えてなかつたのを揃えるという、その数字を揃えた点と、交通局、水道局、この二つの局は、いわば都の公営事業でありますが、交通事業、水道事業を所管する部局でございまして、公共事業の経営に関しまする組織は、法律の規定から全然これを外しまして、最も都が企業の能率化或いは自主化を尊ぶ見地から適当と思われる組織は、如何ような組織でも設けられるというようにしようというところから、これを削除いたしまして、條例で自由に如何なる部局でも設けられるようにいたしたのであります。それから都府県の方はやはり同樣の趣旨を以ちまして、従来ありました教育部の関係の数を整理いたしました。道府県の第二のところでは、その数字の整理だけであります。それから三項の第一の道府県のところで五番目の公共事業部、十八頁のところですが、公共事業部というのを削除いたしました。この公共事業部はやはり道府県が経営いたしておりまする公共事業を所管いたしまする部のことでありますが、こういうような総合的な公共事業経営の部局を一つ設けることが果して能率的かどうかという点につきましても、そもそも疑問がございまするし、又公共事業に対しましては先程申上げましたように、最も能率的な自主的な組織を作るように自由な彈力性を與えべきであるというような見地から、この点を落すふうにいたしたのであります。そして第四項に、公共事業の経営に関する事務を処理させるために必要な組織が設けられるということにいたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/58
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059・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。東海北陸県議会議長会の代表の富山県会議長から地方行政委員長宛でこういう陳情をいたして参つております。
地方行政費の圧縮と行政機構の簡素合理化のため地方自治法の改正について理由
今日地方財政窮迫の最大の因は地方が必要以上に多額の行政費を費消しているためである。現在地方費の歳出中、行政費の占むる割合は嚴格に言へば六割以上を占め之がため緊急事業も為し得ない実情である。曩に新聞紙上、総理大臣談話を以て地方の行政整理の不徹底を痛論され地方行政費を三割以下に切詰め以て財政の健全化を図るため人員の再整理、機構の簡素化を強く地方に要望されているは誠に至言である。
然るに政府は之に反し地方自治法に於て、府県の必置部局制を規定し、今尚官治行政の遺風たる劃一行政機構を府県に強要し居る為地方は独自の立場に於て機構改革を断行し、行政の簡素合理化、行政費の圧縮を期し得ないのである。
仍つて地方自治法を改正し府県の必置の部局制を全廃し、府県をして夫々その特殊性に生かし自主的に自由に機構改革をなし得るよう改正せられたい。
こういう陳情なんです。今政府の改正案を拜見いたしますと、やはり前の通り必置部局というものを置いておりますが、こんなものは地方の自主に任したらいいじやないか、こういう結論です。これについて……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/59
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060・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 都道府県の部局を全然自由にして、まあ精々法律では標準的なものを書いて、それの廃合分離というようなことは自由にするようにしたらどうかというような御意見のようでありますが、こういう考え方も、勿論自治という面のみから考えまするならば、当然に起つて来る考え方であろうと思うのであります。問題はやはり都道府県は、市町村と違いまして、国の直近の大きな地方団体でございまして、いわば国の各省が担当いたしておりまするだけの幅の仕事を殆んど都道府県の地域的な單位によりましてこれを引受けて処理しているというような恰好になつているわけであります。そこで各省が所管をいたしておりまする行政事務と対応いたしまして、やはり都道府県におきましても、それらと大体即応いたしましたような部局が都道府県に置かれるということが、やはり国全体の行政事務の執行を系統化し能率化して行くために必要であるという一方の要求があるわけであります。この両者の要求の調節ということを考えました結果、特定の部局はこれを必置部として必ずこれを置く、一面その他の部局につきましては、それぞれ道都府県の自由な立場を生かすようにするということで任意設置部というものを設けたわけでありますが、今度の改正案におきましては、更に公共事業に関しまするものは、全然これはそういう任意設置部というような枠を外しまして、これは全く自由放任、こういう恰好になつて、いわば三種類の部局ができるようになつたわけであります。これはやはりそれぞれ自治の面を最も強く考えなければならん、公共事業の経営に関する部局、又は行政事務の処理で国の行政機構の組織との対応ということを相当程度強く考えなければならないもの、両面の要素をそういう形で調節いたしたわけでございまして、現状におきましては、やはりこの程度の形のものが一番行政の能率化ということと自治というものとの調節の点から考えまして、適当ではないかというように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/60
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061・島村軍次
○島村軍次君 この部局のうちで農地部の問題については、この前原案でありましたが、前回の改正の提案前の案でありましたが、農地部の廃止の原案があつたように承りますが、それについて御意見がありましたならば一つ伺つて置きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/61
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062・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を止めて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/62
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063・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/63
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064・鈴木直人
○鈴木直人君 前の国会において、定員法及び各省の設置法が審議されておる途中において、いわば国の機関における相当の行政整理と言いますか、行政機関の合理的な縮小を推し進めて行く、これに併行して府県、市町村においても同じような考え方を以て合理的な組織に簡素化して行くということが考えられて、そうしてこの地方自治法の中における、現在審議中になつておる都道府県の部局の簡素化について、政府が或る種の原案的なものを考えておつたように聞いているのです。遂にその原案が前の国会には提案せられずして終つたわけなんです。私の考え方としては、やはり国と同じように地方におきましても相当思切つてこの際簡素化することが必要ではないかということを感じておつた一人であつたわけであります。併しながら遂にその方面につきましては、政府としては国会にその法案が提案されないで終つたのでありますが、この国会において、地方自治法の一部改正という全般的な法案の一部としてここにこの都道府県の部局のことについて掲げられておるわけですが、これを見まするというと、前の国会において政府がちよつと考えたらしいと思われるような案の片鱗が全然盛られておらない。先程島村君から質問がありましたのもその一つであつたと思いますけれども、その他につきましても、もつとやはり簡素化するような案があつたと思うのですが、今回はそれが全然現れておらない。即ち国の行政機関の或る程度の簡素化は成功されたが、都道府県の簡素化はこの国会においても組織の上においては簡素化されておらないというふうで済むと、こういうことになつてしまうと思うのです。先程委員長から東海北陸の関係の方からその要望もあつたようで、読上げられましたが、これはやはり全国的な考え方の現れだと思うわけです。それで参考のためにお聞きしたいのですが、前の国会において、一時政府が地方自治団体の行政機構の簡素化をしようと考えられたときに立案されたところの案というようなものについて、この際伺うことができるかどうか。御質問したいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/64
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065・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) これは政府の案という域までにもまだ至りません。極めて事務的な下の段階制の單なる研究案という程度のものが相当新聞紙上等で大きく取上げられましたために、如何にも政府としてそういうような案が固まつたかのような印象が與えられてございますが、必ずしもそこまで行つていなかつたのであります。ただ政府といたしましては、閣議の決定を以ちまして、都道府県の部局を三割圧縮するというやはり決定をいたしまして、このことを地方団体に要望をいたしておるのであります。それは七部の方を、その場合の案といたしましては少くとも農地部を落す。農地部は、何と申しましても農地改革は終りまして現在は土地の関係の仕事が少いのでありますから、むしろ地方事務局の方が一番繁忙を極めておるわけでありまして、農地部としては、その仕事自体は前と変つて来ておる、その他の各部を見渡しましても特に事務が縮少せられたという点はないわけであります。従つて農地部だけは七部から落す、後任意設置部の方が六部ばかりあるわけでありますが、その任意設置部が、都道府県が置く置かないということは自由にできるのでありますから、任意設置部を減らして貰つて、そうして全体として三割機構を圧縮して貰うということを、政府としては要望いたしておるのであります。併しながら自治法の改正が行政整理に間に合いませんために、都道府県においはまだ殆んど部の圧縮ということには手をつけていない状態でありますが、どうも農地部を任意設置部に落とすことも不可能なような状態になりましたので、都道府県の実情はなかなか圧縮するという状態になれないように考えられるのであります。大体そういう経過に相成つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/65
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066・鈴木直人
○鈴木直人君 私は前国会において内閣委員会の委員をやつて、定員法、及び各省設置法を審議したのでありますが、私個人としましては、もつと簡素化してもいいという見解をもつて努力したけれども、一応は政府の方針も考えて、あの程度に参議評としては結論を出したわけなんですが、都道府県におきましても、もつと人員を減らすということが可能ではないかというふうに実は考えておるのです。勿論部を減らすということは、簡素化ということにはなりますが、大体部ができますと部長ができて、それに課が沢山できる、自動車ができる、官舎ができるということで、やはり部長というものをもつと簡素化して、そうしていわゆる部長であつてももつと何といいますか、簡素な部があつて欲しいという考え方を持ち得ると思うのです。一つの部を作りますと、どうしても県の幹部となる関係からして、すべての規模が他の部と同じように厖大になつてしまうということからして、経費についても或いは人員についても、自然増大してしまうというような形になるわけです。従つてこれを簡素化するという場合には、やはり部を簡素化するという以外に、今のところは方法はないのではないかと思うのですが、この案にはそれはないわけです。そこで実は民生部と衞生部、これは第二回の国会でしたか、この法案ができる場合において、実は一緒になつて政府案として出ていたわけなんです。それを参議院において、司令部等へも私が行きまして折衝したりして、そうして民政部と衞生部と分けて貰つて、二日間か三日間司令部において研究されて、その結果、それではこれを分けようというようなことになつたことと記憶するのですが、あの当時はむしろ簡素化と逆行したような方針をとつていたように考えられるのですが、この前の国会においてはこの部を二つでなく一つにするというような案ができておつたように新聞等において見ておつたのですけれども、只今の説明においては、農地部だけが問題にして考えられるという説明でありましたが、これを一つにするという案はできなかつたものでしようか。この前の国会で考えられた案ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/66
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067・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) これは政府の最終決定の直前くらいの段階におきましての状態を先程申上げたのでございますが、研究の段階におきましては、お話のように民政部と衞生部というものを併せまして厚生部として折衷したものを置くという案も考えておりました。ただ実際問題といたしまして、衞生行政が終戰後非常に我が国におきまして進展をいたして来たことは事実であります。又民生の仕事も段々と充実をして来ておることも事実でありまして、而も民生部と衞生部とは、その部の長になりまする者は、衞生はやはり技術者が適当でございますし、民生の方は事務者が適当であるというように、おのずからやはりこれを一緒にいたしますところの結果といたしまして、衞生行政で仮に事務出身の者が長になりましたような場合におきましては、その伸長が抑制されるというような場合があるようなことも関係方面からの意見等としてございまして、やはりそういうような案の実現が困難であるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/67
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068・鈴木直人
○鈴木直人君 私も同じような見解を持つて、実は厚生部をこの二つの部に分けるというような修正案について折衝をしたことを記憶しておるのですが、せめて部がこのままであるといたしましても、部の下におけるところの課の関係或いは人間の整理というような点について、一応の政府としての案ができて、勿論国会の審議にはならなかつたけれども、各府県が政府から示されて、各県がその人員に応じた整理を一応終つた。その結果は殆んど各府県とも実質的に出血する人は少なかつたというように聞いておるのですが、今まで行なつたところの人員の整理の方針、そうしてどの程度の出血を見たか、そうしてこの程度で以てもういわゆる地方団体の行政簡素化はおしまいにするという方針で行つてるのか、この症もこの機会に、関連いたしますからお伺いして置きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/68
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069・鈴木俊一
○政府委員(鈴木俊一君) 地方公共団体の今回の行政整理の状況でございますが、これは政府におきましては、閣議の決定を以ちまして、都道府県は原則として三割、現業は二割、又市は原則として二割、現業は一割、町村は実情に応じてこれをやる、こういうような原則を立てまして、それぞれ行政整理をやつて貰うことを要望いたしたのであります。ただ政府が昨年以来やつて参りました行政整理以外に、地方団体として独自に行政整理をやつて参つて来ている府県もございますので、そういうところは先に申上げました三割、二割という数からすでに整理を行ないました数だけは減らしてよろしいというような趣旨で要望いたしたのであります。その要望の結果、九月三十日までに私共の方に参りました報告の概略を申上げますと、これは大体、都通府県知事の補助職員についての数字でございます。その外に各種の独立執行機関の補助職員があるわけでございますが、それは極く少数でありますので、それを除いて申上げますと、都道府県について申上げたいと思いまするが、これはそれぞれ各地方公共団体におきまして、国と同じように定数條例を作りまして、都道府県の全機関の職員の定員を、皆條例の中に書込むようにいたしまして、そうしてそれぞれその定員を幾らまで減すという新定員を書いたわけであります。その結果、減らされましたものは、整理前の定員、即ち六月の初めの定員、これは七月であります。府県は国よりも一ケ月遅れてやりました、七月一日の定員は、二十七万八千二百四十九人という定員であります。これに対して三万九千七百人を削減いたしまして、整理後の新定員といたしましては二十三万八千五百四十九人、削減率一割四分二厘ということに相成つております。国の定員の削減率は一割四分五厘でありまして、定員の削減率から申しますと大体等しいのであります。三割、二割、非現業三割、現業二割という原則が一割四分二厘になりました。やはりそれぞれ原則はそういう原則でございまするが、職の種類によりまして減員することのできないようなもの、そういうようなものを、それぞれ国の場合にも考えておりまするし、それと同じようなものも地方でも考えることにいたしておりまするので、こういうような削減率になつております。実員の整理につきまして、別に申上げますと、これは整理前の実員は二十三万二千九百十六人で、整理した実員は七千五百十二人、これは未報告の県、六県を除いております。それを入れまして大体八千人程度だと思います。人員整理率は三分二厘ということになります。国の実員整理率は一割八厘であります。これは大分開きがあるわけでありまするが、このような開きが国との間にありまするのは、国の欠員率が五分四厘であるのに対しまして、都道府県の欠員率は一割六分二厘ということでありまして、そういうようなところから実出血が非常に少なかつたのであります。これはやはり国の場合と違いまして、都道府県におきましては、国からの補助職員の割合が相当多数でありまして、地方団体独自の増員というものは、徴税関係で昨年少し殖えた程度でありまして、殆んどないのであります。殆んど国の国庫補助職員のみでありまして、次から次へ国庫補助職員の増員がありまするために、なかなか新規職員の補充も困難というような状態になつておりましたために、このような恰好になつておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/69
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070・鈴木直人
○鈴木直人君 只今地方公共団体の行政機構の簡素化及び定員を縮減せしめるという点について、政府委員に聽いておるわけですが、先程私申上げたのですが、前の国会において、政府が国の各省設置法を制定し、又定員法を制定せられたわけですが、その際におきましては、私個人としては、手ぬるい、もつともう少しやるべきではないかという考え方を持つたりしておつたのですが、それは別として、これと併行して、地方公共団体においても、行政整理なり、機構の簡素化をする必要があるということを考えておりました。その当時は、国会開会中に地方公共団体の方面をも同時に実施するような話であり、そうして各府県の機構につきましても、簡素化するような法案を地方自治法の改正として提案されるというようなことを聞いておつたのでありまするが、遂にそれにつきましては、国会に提案されなかつた。そしてその後新聞等によりますると、政府自体として国会には何らの話もありませんでしたが、政府自体として、地方公共団体の簡素化を推し進めて行つておるということを聞きましたので、只今地方自治庁の方面から、その詳細について説明を求めておつたところなんですが、私が大臣にお聽きしたいと思いますることは、これは或いは大臣の主管でないかも知れません。地方公共団体でありまするから、併しながらやはり行政機構の簡素化という点は、国だけでなく、公共団体も一括して大臣が考えられておると思いまするので、政府といたしましては、あの程度の簡素化でおしまいになるのか、或いは都道府県の簡素化を、もつと今後人員の整理なり、そういうような方面においても推し進められようとするのかという、その方針について承わつて置きたいと思います。
更に只今の説明によりまするというと、各府県庁あたりにおける人件費というものは、定員というものは、府県單独でやつておるものが少くて、大部分は各省、いわゆる国から補助職員として、府県に割当られて、或る部分の補助を受けて、それで設置しておるものが非常に多いということでありますが、そういうことになりまするというと、責任は各府県にあるのではなくして、政府自体がそういう補助職員をどんどん増して行く、そうして府県に設置して行くという政府自体にこの責任が非常にあるように思われるのでありますが、その補助職員を今後どういうふうにして考えられるかについて、そういう店についてもお聽きしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/70
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071・本多市郎
○國務大臣(本多市郎君) 前回の国会で御審議を願いましたあの国の行政機関職員の整理の方針に準じまして、地方でも整理をやつて貰うようにというので勧獎をいたしたのでありますが、この仕事は專ら自治庁においてやつて頂きましたが、その結果は、国の方針に準じて考えておりました国の方針に対しましては、地方が十分に行われたとは思つておらないのでございます。従つて政府としては、今後も更に勧獎を続けて行く方針でございますが、地方の財政状況から考えましても、でき得る限り機構、人員を地方においても縮減されるということは、自治体そのものの財政的な存立の上からも、今日これはどうしてもやられなければならんことであろうと考えられまするので、政府といたしましては、やはり続いて、そういうことを勧獎して行きたいと考えております、自治法の上におきまして、機構の縮減をするということも考えて研究されておつたようでありますが、この経緯につきましては、自治庁から説明をして貰いたいと思います。
更に補助職員等の整理につきましては、定員定額というふうになつております面につきましては、それぞれ大蔵省の予算の関係でありますので、協議いたしまして、でき得る限りの整理はいたしたのでありますが、如何せん定員そのものが地方の條例になつておりますために、政府の方針通りには参つておらないのでございます。今後も全般的にでき得る限り縮減して貰いたいという方針で進めたいとは存じておりますけれども、今回平衡交付金等の制度が確立いたしますと、これはやはり政府が直接定員等に対して勧獎をするにいたしましても、勧獎の方法が変つて来るのじやなかろうかと思われるのでありまして、定員定額、或いは今の補助員というようなものも一々政府の方で査定をするというようなことが行われないようになつて行くのではなかろうかと思われます。そういう点から特に全体的な縮減、厖大化を防ぐというようなことには、勧獎というものを強力に推進して行きたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/71
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072・小野哲
○政府委員(小野哲君) 只今の鈴木さんの御質問に対して本多国務大臣から御答弁がございましたが、自治庁関係として担当いたしております点について、私からお答えをいたしたいと思います。
地方公共団体における人員の整理については、政府の方針に準じてこれを行うように勧獎をいたして参つたことは、本多国務大臣の御答弁の通りでございます。然るに地方公共団体におきましては、この政府の行政整理の方針が決定いたされる以前から、すでに欠員不補充等の措置を講じて参りまして、地方公共団体の自主的な立場において相当整理が行われておつたのでございます。今後におきましては、御承知のごとく目下民審議を願つておりまする地方行政調査委員会議の設置に伴いまして、国及び地方公共団体相互間の事務の配分の調整をも行うことになつておりますので、これと関連いたしまして、地方における人員その他の問題にも触れて来るのではなかろうかと、かように存ずる次第でございます。
尚地方における行政機構の問題でありますが、目下御審議を願つておりまする地方自治法の一部を改正する法律案におきまして、その政行機構におきましても多少の改正を試みている次第でございます。今回の改正法律案におきましては、御審議をお願いいたしておりまする際に、尚いろいろと御質疑もあるかと存ずるのでございますが、諸般の事情からこれを急速に、急激に縮減するというふうな挙には出ませんで、むしろ行政事務を担当している機構と、それ以外のいわゆる公企業を担当している機構と、この間において取扱いの上に差等を設けることといたしているのでございます。本来地方公共団体の機構は、その自主性を尊重いたしまして、果して法律で定めることがいいかどうかということについても種種議論があるのではなかろうかと思うのでございますが、この点につきましては、国会におきましても種々御論議がありまして、法定をするという結果に相成つたものと私は記憶をいたしているのでございます。人員整理並びに行政機構の整備につきましても、今後相地方自治庁といたしましても検討を加え、又必要なる助言をいたすように考えているような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/72
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073・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 本多国務大臣に御質問願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/73
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074・鈴木直人
○鈴木直人君 国の各省におきまして事業費をとる場合に、そこの中に人件費が入りまして、そうして政府の定員は決まつておりまするから、各省の定員は増加にはならないけれども、各府県に人件費の補助をして、三分の一とか、四分の一とか、二分の一とかいう補助をしまして、そうして各府県に人間を割当てて行く。そうして二分の一補助したなら後の二分の一は府県がこれを持つというようなこと、これは特に農林省が非常に多いようでありますが、建設省もそういうふうなことがあつたと思いますけれども、商工省もあると思いますが、勿論厚生省もある。こういうようなことが今も行われておると思いますが、従つて各府県が整理しようといたしましても、定員を縮小しようといたしましても、補助職員でありまするから、その分は縮小できないということが、まあ従来の例でもあつたようであります。現在も同じようなことになつておるかどうか。そうしてそうなつておるとするのならば、全体において各省ごとにいわゆる補助職員というものがどれくらい、何人都道府県にそれがやつてあるか、こういうことについて調査をされてあつたかどうか。そうして調査をされるとするならばどれくらいにありますか、お答えができたらお答え頂きたいし、答えられなかつたらば、それを調査の上で一つ提出して頂きたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/74
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075・本多市郎
○國務大臣(本多市郎君) 実は行政管理庁といたしましては、この国家行政機関の職員の点に重点を置いてやつておりますために、予算の中に含まれている補助職員の調査等が完備していないかと存じますが、大蔵省の方とも連絡をいたしまして、調べてお示しいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/75
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076・西郷吉之助
○西郷吉之助君 私は本多国務大臣に、ちよつと定員の点に触れるのですが、違つた立場から伺いたいのですが、本委員会で地方行政調査委員会議設置法の審議中でありますが、そのうちで大臣に伺いたいのは、御承知の通りこの会議設置法なるものは、シャウプ使節団の勧告に基いてできますもので、そういう意味合からこの会議なるものは地方行政、財政の両方面に亘りまして非常に重大な役割を果すものでありますが、而もこの会議は臨時的なものでありまして、一年乃至一年半くらいの、長くて二年くらいの期間を限られてやるものであります。而もその委員は僅かに五人を以て組織するのでありますが、その手足となつて働らく專門調査員なるものが、この法案によりますれば、原則は常勤でありまするが、非常勤とすることもできる、而もそれが二十人以内であります。それはこの場合としては委員の直接の手足となつてやる專門調査員でありまして、これは非常な必要なものでありまするが、これが政府の説明を聽きますと、定員の関係によりましてですね、非常勤とすることができるということになつて、原則のこの法案の建前は常勤であるに拘わらず、これが定員法に触れるために、この專門調査員なるものは全部非常勤なのであります。そうして專門調査員のみならずこの事務局の人員というものが、現在大蔵省に査定されましたものは非常に人員が削減されておる。そういうような点を質問いたしますと、これは定員の関係であるということでありまして、それではこういうふうなシャウプ調査団というものがわざわざ来て国政を調査した結果、この会議を設置する重要な役割のあるものが、これを裏付ける内容となる專門調査員、事務局職員が、前議会において、現政府が定員法を実施しそうして行政整理をやつたために、それにのみ囚われて今度新たに調査団の勧告の結果できる会議を実際運用する面において、定員の関係でこれは余り内容は空白的になつてしまつて、この折角のシャウプ使節団の勧告に基いても、そういうふうな非常勤の專門調査員であるとか、事務局の職員も非常に定員法に触れて削減され、従つてその予算は、二十四年度補正予算が僅かに三百万、二十五年度が約八百万という極めて僅少の予算しかとれない。そういうふうなことを考えますというと、これは單に政府は、はつきり言うならば、シャウプ使節団の勧告であるからやらないわけにはいかないから止むを得ずこういうものをやつたが、実際には定員法に触れてそういうふうに面子に囚われておる結果、十分の運用ができない。従つてこの調査委員会議なるものの仕事は、実際の面においてはできないという結果になると思うのです。そういうふうな点につきまして、定員法に触れる結果、こういうふうな貧弱なものになるよりか、定員法は定員法であるけれども、ここに新たにシャウプ調査団が来てここにこういうふうなものを作る以上は、それはやはりこの法案に基く重要な性質に鑑みまして、立派な仕事もできるように人員も配置し予算もとるべきであると思うのですが、その点を、その長においでになります本多国務大臣はどういうふうにお考えになるのか。その点をはつきり伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/76
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077・本多市郎
○國務大臣(本多市郎君) 今の地方行政調査委員会議の設置につきましては、政府といたしましても重大関心を持つておるのでありますが、特に管理庁といたしましては、これによりまして国、府県、市町村等の事務が明確に区分されることになれば、機構の簡素化、明確化ということの目的も達する次第でございますから、特にこの委員会議には期待をかけておる次第でございまして、決して軽視などしておるわけではございませんが、それではそれに伴う必要な職員の定員については、余りに少いのではないかというお話もございますが、実は当初この委員会議の案ができました頃、これは全面的に地方自治庁でその事務をとつて貰うという考えでおつたのでありますが、その後これが自治庁から独立した内閣の機関ということになりましたために、そこにどうしてもその委員会独特の定員というものがなければならんことになりまして、取敢えず六名というものを、そこの事務局の事務員として委員会の事務をとるものとして、定員を計上いたしたのでありますが、いずれにいたしましても、ここの事務は、この地方行政に精通しておりまする自治庁の事務当局にこれはどうしても世話をやいて貰わなければならん。こう考えております。そこで六名で果して十分であるかどうかという点は、多少疑念はありますけれども、その足らないところは自治庁から兼務等の方法によつてこれを援助して行くという建前で、当分の間やつて頂きまして、そこには專門員も多勢おられるし、連絡員もあることでございますから、この專門調査員等にも非常勤にし得るといいながら、できるだけ出て頂くというような方法でとにかく処理して行く。そうして自治委員会の運営の模様、更にどの程度に拡充すべきかというような、その発展に伴う職員の拡充は、来年度においていたしたいということで進んでおるのでございます。こういうことにつきまして自治庁とも十分連絡、相談いたしました結果、先ず年度内においては、自治庁の援助もありましてこの定員で支障なく事務をやつて行けるだろうということで決定いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/77
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078・西郷吉之助
○西郷吉之助君 只今本多国務大臣からいろいろ伺いましたのですが、私は今の大臣の御説明を伺いますと、非常に御苦労になつておることは分るが、前回定員法は非常に揉めてああいう結果になつて相当出血を来たしておる。実際は政府は、殊に本多国務大臣のお立場として、その衝に当たられておるのですから、たとい如何ような重要な会議であつても、又々これによつて定員法を変えなければならんということはなされにくい、そういうような客観情勢は私もよく分るのです。併し今御説明にありました通り、初めは定員法の関係で、地方自治庁の外の独立機関とする考えではなかつたが、それが独立機関になつた。そういうような関係からこの定員の足りないところは、地方自治庁の職員を動かして、仕事の実を挙げればいいではないか、こういうような御意見でありましたけれども、そういたしますと、実は大臣も御承知だと思いますが、そういうふうなもののであれば、地方自治庁は、現在国務大臣が長としてあるのでありますから、そういうふうな屋上屋を置くことは必要としないと思う。併しながらシャウプ調査団が来まして、わざわざその勧告に基いて現在の地方自治庁の外にそういうものを設置しろということを勧告した以上は、今の大臣のお話のように、現に国務大臣を置いておる地方自治庁のものを活用するということになりますと、この会議は、木村国務大臣の御説明によりますと、この第五條の五人の委員というものは、ここに規定してある地方団体から出します。後の二人はここに書いてない。併しそれは誰かということを伺いますと、シャウプ勧告の趣旨を尊重して、国務大臣並びに国会議員はこの二名に入らないという話であります。そういたしますと片一方の地方自治庁は大臣、次官というふうなれつきとしたものがおるのに、片一方は五人の委員のうち、三人は地方団体の現職のものから出ないわけですから、そして更に職員も地方自治庁なんかから駆り出して行きますならば、この方がむしろ自治庁の下になる。仕事の性質としては上でなければならないものが、こういうような地方自治庁のものを借りてやるというなら、何も国家財政が非常に多端なとき、屋上屋を重ねる必要はないと私は思う。我々もこの委員会におきまして、地方財政が非常に重大な段階にありまして、而もシャウプ使節団が参りまして地方税制の改革の勧告があり、我々も真劍に考えるのであります。こういうものを設けるならば、それが実際に効果が上らなければ、これは甚だ立案する結果が思いやられると思います。立派なものができるのには、どうしても專門員なんかは常勤として、事務局は完備したものでなければ、一年や二年で地方自治庁以上の仕事ができる筈がないと私は思う。そういうような点から参りまして、只今大臣の御説明を伺いましたけれども、こういうようなことであるならば、これは全く單にシャウプ使節団の勧告があつたからやるに過ぎないのか、又これが本当に立派なものを作つて貰つたのでは地方自治庁の面子が潰れるというようなことを考えておるのではないかとさえ思うくらいです。それでは意味をなさんのじやないか。本当にこれは必要でこういうようなものをわざわざ設けるのですから、それならば本当にこれが国家百年のために地方財政の参考資料になるような勧告案を作らしたらよいと思うのです。そうでないと、中途半端なものであるならば、むしろやらんにしかずであつて、政府は断乎たるそういう確信の下に、こういうものをなさらん方がよいのじやないか。中途半端なものをやるならば、この際むしろ妙な勧告なんかするならば、非常にシャウプ調査団が苦労されて、而もこういうものを作つて妙なものができたんじや、甚だ申訳ないのじやないかと思うのです。そういうようなことを考えますと、今大臣の御説明がありましたが、やはりそれは大乘的な見地から、むしろこれを充実なさる方がよいのではないか。本多国務大臣も、そういうお立場から地方の財政の非常に重大なことに関心を持つて頂いて、これはそういう立場と違うと、これを設ける以上は大いに一つ充実しなくてはならん、それに御協力を賜りたい、そういうことを我々は希望するのでありますがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/78
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079・本多市郎
○國務大臣(本多市郎君) 御尤もな御意見であると思いますが、どちらにいたしましても、この地方行政調査委員会議は、特に自治庁の行政事務と関係が深いのでございまして、説明資料の提出等は特に関係が密接であろうと存じます。そういう関係でありますので、自治庁から独立はいたしましても、自治庁とのその調査上の関連性というものは非常に強いので、そういう事務的な方面の関連は、これはもう必然のことだと考えておりますが、それでは自治庁の方との関連が強く、或いはそこから事務の援助というようなことがある場合、委員会が独自性を失いはしないかという御懸念のようでございますけれども、自治庁の附属機関として木村国務大臣の管轄下にあるという場合とは全然違つた、内閣に直属する独立の機関というようなことになりますので、そうした建前がはつきりしてさえいれば、たとえ職員が兼務をして手伝うというようなことがありましても、使命を失うようなことはないのではないかと、こういうふうにも考えております。いずれにいたしましても、最初からそう沢山の人を要するものではないというように考えられますので、そのいわゆる出発の段階におきましては、今日までの事情に精通している自治庁の職員にできるだけ世話をやいて貰うというようなことで、六名おれば先ず年度内は支障はないのではないかと思つております。但しその間いろいろ、その調査委員会議自体としてのいろいろな計画が立つことと思いますから、それに対応する相当の機構の拡充ということは、来年度においては、只今お話のようなことも十分考慮いたしまして、拡充ということに考えを持つて行きたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/79
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080・三木治朗
○三木治朗君 この法案は、非常に重要な、日本の将来の地方行政に與える影響は非常に大きいのであつて、最前からいろいろ話の出ましたように、やるなら全くしつかりしたものを作つて貰うのでなければ意味がない。而も予算の面でいろいろと拘束を受けて十分な活動ができないのではないかという心配を我々持つのでありますが、この自治庁の所管の各種の委員会が随分あるようであります。地方財政委員会であるとか、地方自治委員会ですか、地方行政審議会ですか、そういうようなものがあるようでありますが、こういう根本的な大きな役目を持つ委員会ができれば、従つてそういう外の委員会が不要になつて来るものもできるのではないかと想像されるのです。従つて若しそういうもので必要のないものはやめるなり、或いは縮小することのできるものがあれば縮小するということによつて、その経費を生み出してこれをしつかりしたものにする。あつちにもこつちにもいろいろなものを作つてどれもが中途半端だというようなことをやつておれば、これは徒らに国の財政をいわゆる濫費することになるわけですが、そういう点で何とか各種の委員会を整理し得るものがあるかどうか、又そういうお考えがあるかどうか、これをちよつと伺つて見たいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/80
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081・本多市郎
○國務大臣(本多市郎君) 御承知のごとく、戰後の行政機構として、法律の何かできる度ごとにいろいろな審議会或いは委員会というものが殖えて行く傾向にあるのでございます。これは行政を、各方面の意見を聽取して民主的に執行する上においては非常に適切なことのように考えられておるのでありますけれども、このために屋上屋になつたり、或いはその衝に当る責任者の責任を、この審議会等に転嫁したりする傾向もありますし、その委員会の数も今日では三百五、六十になつておると思います。そういう関係で、委員が七千人余、この運営費に一億円を要するということになつておりまして、いずれも一応は必要な機関のようではありますけれども、余りにそうしたものが殖える結果が、只今申上げましたような弊害の面も考えられますので、やはり新らしい委員会ができる、どうしても必要だという場合には、同じ性格の委員会がありましたならば、それと統合するとか、今まであつたものを整理するとかいう方向で進みたいと考えております。特に、現在政府はその委員会、審議会等の整理について研究中でありますが、近く最後的な意見を決定したいと思つておりますが、三百六、七十の委員会の半分くらいに整理ができるという現在見通しを持つております。
只今お話しの地方行政調査委員会議の設置に伴つて、これと同性質の委員会についてはどう考えておるかという御質問については、自治庁からこれに関連する委員会につきまして説明申上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/81
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082・小野哲
○政府委員(小野哲君) 只今三木さんからの御質問がございましたが、全般的の問題としては本多国務大臣から御答弁をなさいました通りでございますが、地方自治庁関係といたしまして現在ございまする委員会は二、三あるのでございます。
先ず第一は、地方自治委員会議と称するものでございまして、これは地方自治庁設置法の中に規定されておりまして、いわば地方自治庁の機関として設けられておるものでございます。地方自治庁の所管事項中重要な案件につきましては、この地方自治委員会議に諮りまして、その議決に基いて執行機関たる地方自治庁が行うと、こういうふうなことに相成つております。
尚又もう一つは、地方税法に規定されておりまするものでありまして、これは地方税審議会、こういう名称を持つておるのであります。この地方税審議会におきましては、読んで字のごとくに、地方税に関する事項を担当しておるのでありまして、主として法定外独立税等の関係におきまして、これを審査いたしまして必要なる決定を行う、その決定に基いて、政府といたしましてはそれぞれ関係地方公共団体について指図をするような権能を持つているような次第でございます。
この二つの委員会議或いは審議会は、いずれも法律によりまして、主として日常の重要な事務、重要な事項について或いは議決をし或いは審査決定する、こういう機能を持つているものでございます。従いまして地方行政調査委員会議が設置されました曉におきましては、シャウプの勧告書によりますれば、地方税審議会は、これをやめてはどうか、こういう勧告に相成つているのでございますが、先に申しました地方自治委員会議につきましては、御承知のごとく地方行政調査委員会議が、その設置法案において御覧のごとく、国及び地方公共団体相互間の事務の配分調整等を行うためにその計画を調査立案いたすことに相成つておりますので、おのずからその所掌事務の内容も異つておりまするし、権限も違つておりますので、この両機関は両立し得るものと考えているのでございます。その他につきましては、地方自治庁といたしまして、特に法律によつて設置されている機関はないのでございます。
尚只今本多国務大臣の御説明になりましたような政府の方針と考え合せまして、且つ又地方行政調査委員会議が設置されました暁におきまして、地方自治庁としましては、十分にこれら委員会の運営につきましては、調整を図り、考慮をめぐらして行きたい、かように考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/82
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083・西郷吉之助
○西郷吉之助君 先程本多国務大臣は、非常に多い委員会や審議会があるというお話でありましたが、現内閣はどういうわけか知りませんが、非常に多数の審議会をお作りになつているようでありますが、その何々審議会というものを非常に沢山お作りになつて、それは予算をどのくらい伴つているか存じませんが、そういうような随分沢山の審議会をお持ちのようでありますが、そういうようなものを一つ本多国務大臣の快腕を揮つて頂いて、そういうものを整理したら、この設置法の足らん予算ぐらいは出るのじやないかと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/83
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084・本多市郎
○国務大臣(本多市郎君) この設置法に基いている審議会或いは審査会、調査会、協議会というようなものもありますが、それに基かないものもあります。只今お話のは、閣議で決定いたしました内閣に置いている各種の十幾つかの審議会のことだろうと思うのでありますが、法律に根拠のあるものも、閣議、省議等で決定いたしました法律に根拠のないものも、全部整理の対象といたしまして、いわば今日まで作つて参りましたことを反省するというような意味において整理に著手している次第でございまして、相当思切つて私も原案を示しておりますので、閣議決定も最前申上げました半分ぐらいのところまでは進め得るのだというところまで見通しを持つているような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/84
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085・小野哲
○政府委員(小野哲君) 三木さんから御質問になりました点で、ちよつと私、言い足りない点がありますので、補足をさして頂きたいと思いますが、先程地方税審議会については、シャウプの勧告書によれば解消してはどうか、こういうことに相成つているということを申上げたのでありますが、これは今直ちに解消をすべきであるというのではなくして、将来一般平衡交付金の運用等に関して中央において機関が設置されました暁においては、地方税審議会は解消してもいいのではないか、こういう意味でございますので、只今のところは、地方自治委員会議も地方税審議会も、いずれも必要であるというふうに考えておりますことを附加えて申上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/85
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086・岡田喜久治
○岡田喜久治君 速記を止めて頂きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/86
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087・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を止めて。
午後三時四十五分速記中止
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午後四時一分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/87
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088・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/88
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089・鈴木直人
○鈴木直人君 地方行政調査委員会議設置法案の末項に、定員法の改正が規定されておる。これは全体の定員からは殖えないのだけれども、定員法の中において五人だけ、六人ですか、だけを融通するということになつておるわけです。こういうような方式によつてそれぞれの設置法の中にばらばらに定員法が規定をされて、そうして知らないうちに相当定員が殖えて行つておるというようなことが、全体の法案を私見ませんから分りませんが、少くとも今度の国会に提案されておるところの法律の中で、こういうような形において定員法が修正された結果、総括的に何人増員によつておるかお聽きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/89
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090・本多市郎
○国務大臣(本多市郎君) これは実は定員法のその後の状況の変化に伴う増減と申しましようか、改正を通常国会で出したいと思つて今調査中でありますが、この地方行政調査委員会議だけは、そのときまで定員を設置することを持つておられない事情にありますので、これがこの国会における唯一の例でございますが、外にはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/90
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091・鈴木直人
○鈴木直人君 新聞によりますと、こういう形において相当沢山の政府職員が実は増員になるような記事があつたように思つておるわけです。どういう方面にそれが増員になるのか。それとこの法案と比較した場合に、この法案によつては増員になつておらないが、他の方向においては相当増員になる。例えば税の関係なんかでしようが、その方面が非常に増員しても止むを得ないものであるが、この方面はこの会議については増員は許されないものである。規定の定員内においてやり繰りする外に方法はないものであるという、まあそういうふうな段階をつけて、そうしてこれについては増員をやらなかつた。併しこの次の国会においては相当数の増員が、他の方面においては大臣としては認めざるを得ないのである、こういう見解でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/91
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092・本多市郎
○国務大臣(本多市郎君) 今度の国会には、これ以外には定員を新たに増加したところ、設置したところは一つもないのでございます。自治庁においても来年度からは新らしく忙しくなる仕事もありまするし、来年度においては、又この委員会自体としても相当準備ができて拡充される段階に入ると思いますから、自治庁の手伝いも困難になるという事情も考え合せまして、特にこの委員会議の定員については考慮いたしたいと思つております。只今お話のように国税庁その他いずれからも定員を増加しろというようなことが出ておりますが、それらは一つも今日まだ提案するまでには至つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/92
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093・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それではこの程度で散会いたします。
午後四時五分散会
出席者は左の通り。
委員長 岡本 愛祐君
理事
岡田喜久治君
鈴木 順一君
委員
三木 治朗君
林屋亀次郎君
柏木 庫治君
西郷吉之助君
島村 軍次君
鈴木 直人君
国務大臣
国 務 大 臣 本多 市郎君
政府委員
地方自治政務次
官 小野 哲君
地方自治庁次長 遠山信一郎君
総理府事務官
(地方自治庁連
絡行政部長) 鈴木 俊一君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614720X00919491126/93
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