1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十四年十一月二十六日(土曜
日)
午前十時二十六分開会
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本日の会議に付した事件
○警察用電話等の処理に関する法律案
(内閣提出)
○電報配達数きん少局の電報配達要員
廃止反対に関する請願(第四百七十
五号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/0
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001・大島定吉
○委員長(大島定吉君) これより電気通信委員会を開会いたします。警察用電話等の処理に関する法律案を議題として、その質疑を継続いたします。別に御発言がなければ、御質疑がないものと認めて討論に入りたいと思います。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/1
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002・大島定吉
○委員長(大島定吉君) それでは討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/2
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003・小林勝馬
○小林勝馬君 原案を一部修正して原案に賛成いたしたいと思います。この法案に盛られておるところのいろいろな点からいたしまして、これは他の委員からも討論があるかと思いますが、警察電話の非常に老朽しておるこの設備を電気通信省が引受るに当りまして、相当の今後困難その他もあり得るごとと思います。この点につきましては、第四條におきまする評価審議会におきまして、相当の市場価格を基準として評価して決定するというふうに相成つておりますが、この点を十分考慮に入れて頂きたいこと。それから電話專用料金の問題でございますが、現在專用料金は非常に安くこれを貸しておるような状態でございますが、先般から政府当局の御答弁にもあります通り、倍額以上に値上げするということでありますから、この点も十分今後経営が成立つようにお願いしたい。
修正案といたしますのは、第八條及び第九條中に電気通信設備を云々ということに相成つておりますが、電気通信設備ということに相成りますれば、有線、無線共にこれを公安委員会その他からの申入れがあつた場合は貸與しなくちやならんということに相成りますので、これを先般から政府当局の御説明にある通り、有線電話が主体であるということに相成つております関係上、この字句を有線電気通信設備に改めるようにいたしたい。これを修正案として提案いたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/3
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004・千葉信
○千葉信君 小林君の修正意見に賛成いたします。併し私は本法律の施行上非常に危惧の念を抱かざるを得ない点が多々あるのでございまして、この点に関しては主管省において十分今後お考え願いたいと思うわけでございます。という意味は、御承知のように、この警察專用電話の現在の施設を見ますると、非常に命数が盡きる程度の腐敗した施設でもございますし、この施設を第一條に盛られてあるような形に持つて行きますためには、多額の経費も要するし、且つ現在採られておる定員の程度では到底及びもつかない程度の動員もしなければならないことは明白でございまして、その点について質疑の中に現われておりますように、予算上の措置その他においても誠に不安定な状態でございまして、従いましてこの老朽せる施設を完備して本来の目的に副うためには多額の経費を要するという点、若しその予算が獲得できなければ一般経費の方から差繰つてこれを充当しなければならないということ、並びに人件費その他の関係からこれ又部内における一般の従業員の労働強化を以てこれに当てるという形に行かなければならないという結果が生じて来るのでありまして、この点については十分お考えの上善処されることを希望いたしまして、賛成意見とする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/4
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005・大島定吉
○委員長(大島定吉君) 外に御意見はありませんか。別に御意見もないようでありまするから、討論は終結したものと認めて御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/5
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006・大島定吉
○委員長(大島定吉君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。警察用電話等の処理に関する法律案を議題といたします。まず小林委員よりの修正案について採決いたします。修正案を念のために申上げますが、第八條及び第九條中「電気通信設備」とあるのを「有線電気通信設備」と改められたいというのであります。賛成の諸君の起立を請います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/6
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007・大島定吉
○委員長(大島定吉君) 全会一致と認めます。
次に右を除く原案について採決いたします。賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/7
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008・大島定吉
○委員長(大島定吉君) 全会一致と認めます。よつて本案は第八條及び第九條中「電気通信設備」とあるのを「有線電気通信設備」と修正する外原案通り可決決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて予め多数意見者の承認を経なければならんことになつておりますが、これは委員長において本法案の内容、委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することといたしまして御承認を願うことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/8
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009・大島定吉
○委員長(大島定吉君) 御異議ないものと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして委員長が議院に提出する報告には多数意見者の署名を附することになつておりますから、順次御署名願います。
多数意見者名
小林 勝馬 天田 勝正
千葉 信 橋本萬右衞門
深水 六郎発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/9
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010・大島定吉
○委員長(大島定吉君) 御署名洩れはありませんか。ないと認めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/10
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011・大島定吉
○委員長(大島定吉君) 次に請願並に陳情を議題といたします。百六十四号、放送法案中一部修正に関する請願は、都合によりまして次回に廻します。
四百七十五号を議題といたします。電報配達通数きん少局の電報配達要員廃止反対に関する請願、紹介議員藤田芳雄君、代つて專門員から御説明申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/11
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012・後藤隆吉
○專門員(後藤隆吉君) この請願の要旨は、電報配達通数一カ月百五十通以下の郵便局の電報配達要員は、逓信第七十六号によつて全面的に廃止され、総て臨時職員をもつて配達されるようになつたが、併し事業の性質上臨時職員で配達することは電報の使命である迅速性を欠き、又通信の祕密も洩れる等多大の迷惑を蒙ることが多い。ついてはこのような電報配達要員制度を改正されたいという趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/12
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013・大島定吉
○委員長(大島定吉君) 政府当局の御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/13
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014・尾形六郎兵衞
○政府委員(尾形六郎兵衞君) 電報配達通数僅少な局、一カ月百五十通以下における電報の配達は、九月一日以降、一部は六月一日以降、全面的に臨時者による配達に切替えたのであるが、右は電信事業の経営合理化を図ると共に、行政整理後の職員の重点配置に伴う本経済施設面における通信サービスの低下を極力避けるために実施したやむを得ない措置であつて、右に伴う通信サービスの低下防止及び通信の祕密嚴守等については、臨時者に極力その適任を得ることに努力すると共に、その採用困難な局においては特定人を日傭として常駐使用する等の措置をすでに実施しておる次第であつて、今後共可能な限りにおいてこれが施設改善に意を用いることは勿論であるが、半面実施局所在の一般利用者各位の理解ある御協力によつて本制度による業務運行の円滑な遂行を期し、以て事業に課せられたる重大負託を全うしたいと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/14
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015・大島定吉
○委員長(大島定吉君) 御質疑はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/15
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016・天田勝正
○天田勝正君 その電報配達要員の臨時要員とは一体どういう筋合の者を指すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/16
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017・花岡薫
○政府委員(花岡薫君) この制度につきましては、電報を一通々々毎に配達の労務者を雇われるようになつております。それで非常にそういう臨時的な労務者の雇上げのために困難を来たす場合もありますので、非常に困難な例外的な場合には、一日雇上げる、特に一日雇上げという形でその困難を克服して行くというような建前を取つております。この仕事の内容からいたしまして、雇上げの要員でありますけれども、やはり、祕密堅持という点につきましては公務員と同じような心得を授けてありまして、祕密漏洩といつたような点のないようによく訓戒してございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/17
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018・天田勝正
○天田勝正君 請願の要旨も、電報が早く届くように、このきん少局の電報配達要員廃止反対と、こういうことを言つておるので、政務次官のお話を聞きましても、効率化を図るということをおつしやつております。何れもその目的は同じで、ただやることは全く反対なことを要望しておる。今のお説明を聞きましても、なかなかその要員を雇うのに困難で、一日雇を雇わなければならない。第一電報が来てからその人を探すというようなことであつたならば、一向効率化にはならんと思いますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/18
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019・花岡薫
○政府委員(花岡薫君) これはやはり予めそういう場合に動員できるような人を約束して置きまして、まあどうしても難かしい場合には、場合によつてその局長の身内の者、或いはその局長の昵懇の関係にある者に頼むというような、非常に便宜的な方法を講じてやるわけですが、大体予めそういう場合に一つ頼むといつたような人を見つけて置くということであります。それができないときには、まるまる一日雇上げるというような、方法を講ずるということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/19
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020・天田勝正
○天田勝正君 続いてお伺いしますが、要員を廃止したことによつて、どのくらいの人員が整理されましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/20
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021・花岡薫
○政府委員(花岡薫君) 只今正確な数字を持つておりませんが、完全にこれを実行した場合には、ちよつと聞違つておりましたら後で訂正いたしますが、およそ五千人前後ということになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/21
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022・天田勝正
○天田勝正君 もう一点、今までの配達要員でありましたならば、勿論公務員としてのいろいろ補償がなされておりますが、この臨時配達要員によつて配達の場合、仮に水害その他いろいろな不可抗力によつてこの配達要員が仮に怪我をしたと、そういうような場合には、臨時雇であるから一向構わないというような建前にできておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/22
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023・花岡薫
○政府委員(花岡薫君) 後の方はよく了解できないのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/23
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024・天田勝正
○天田勝正君 もう一遍言いましよう。こういうことです。今までの正規の配達要員でありますならば、当然業務上における負傷という形で、若し負傷などあればいろいろな方面の補償がされる。ところがこれは日雇いという恐らく恰好になるだろうと思います。そうしますと、この配達の場合に不可抗力による、よしんば怪我が起きたという場合に、一体どういう処置をされますか、これについて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/24
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025・花岡薫
○政府委員(花岡薫君) 今御指摘のように、例えば逓信関係の共済組合その他政府の定例的な、そういう公共の障害の救済制度は遺憾ながらこの場合に適用されません。その事態によりましては、例えば医療施設その他の点につきまして最大の便宜を図るというようなことを考えなければならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/25
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026・天田勝正
○天田勝正君 私なぜこのことをしつこく聽くかと言えば、一般の民間の企業とか、或いは個人で雇うという場合には、これは勿論日雇だからそういう補償のどうのというのはありませんけれども、これは常識的に、自分の家の仕事をやつていて、木を伐り倒すためにその木の下敷になつたという場合にはなんらかの補償をやるのです。ところが官がやる場合にはないとなれば全然ない。あるとなればいろいろな法文規定にあるがごとく補償する。そこにオール・オア・ナツシングというような恰好になつておる。ここのところを憂うるのですね。それに何かそうした、何といいますか、予算でもありますれば又そういう融通の途も付けられるが、この場合予算がなければ、その融通の途も付けられない、こういうことになつて来ると思うのです。そこにやはり要員を置いた方がいいという結論、だんだん出て来る。こうなると思うのですが、如何ですか。政府御当局の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/26
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027・花岡薫
○政府委員(花岡薫君) 只今御指摘の点は悉く、こういう制度をやるがために避けがたい無理の点がありますので、最初から実はそういう点は予見されないでもなかつたのでございますが、何分にもこの電報の配達制度ということにつきましては、現在の電信事業の経営の大きな赤字が殆んどその主な原因が配達業務の点にある。これは日本だけでございませんで、世界各国どこの国でも電信事業の赤字に非常に深刻な悩みを持つております。非常に商業化しました、且つ極度に能率化されておると思いますアメリカの電信事業におきましても、終戰以来たつた短期間の黒字の期間がありましたが、悉く赤字の状態を続けております。その原因はやはり電信の配達の面にある。アメリカあたりの配達の制度を見ますると、日本よりももう少し、良く言えば合理的でございますけれども、非常に採算本位になりまして、只今問題になつておる秘密保持とか、或いは受信者の便益ということが経済的に考慮されて、その限度において行われておるという状態でございます。どうもこの配達問題をいかに解決するかということは非常にむずかしい問題でございます。これを簡略化するとか、或いは只今のような制度に持つて行きますには、どうしてもその反対に多少の無理が生ずるのでございます。電信事業がいつまでも大きな赤字を持つておるということは、結局一般の電信の利用者にもそれだけ重い負担が掛かつて行くということになりますので、できるだけこの合理化をしなければならん。そういう点でまあ多少の無理があることは分つておりますし、労働組合方面、或いは特定局長方面にも多少の批判がありましたけれども、まあ事業の経営を合理化して行くということと、他の公益本位に採算を度外視して行くというような要請と衝突いたしますので、どうも多少の点は避け得られないのではないかと実は考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/27
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028・天田勝正
○天田勝正君 意見がおありになつたから、若干私の意見を挾めば、赤字のことと、この五千人しか整理ができないということとは話が違う。五千人だけまるきり赤字になるとしても、たかの知れた話なんです。五千名でも、それを臨時雇等をやらなければならないとすれば、それはまあここにも相当の支出が要るのだから、差引きしての赤字と、これに原因するところの赤字というものはさしたる額ではない。むしろ今通過いたしました警察用電話等の処理に関する法律案、これによつて、自治体の持つておりました施設を国が買收して、今度これを補修するだけでもこれは厖大な金が掛かることは明らかなことであります。こういう方の原因はさて措いて、僅かな人員を切つて見たところで高が知れたわけなんです。これは定員法等とも関係いたしますから余り深く申しませんけれども、そこで若し効率化を図るとするならば、昔田舎で言うと一行政区域内くらいに一局だつたのです。これで全部あれしたのが、殆んど我々の例で見ると、各村共に郵便局があつて、そこで配達しておる。それを元の通りの一行政区域内に一局で配達するというふうにまとめても一向差支えがない。そうすれば、要するに遊んでおるよりもそこに生きて来るのじやないか、こう考えるわけなんですけれども……。それから処置の方法は今のきん少局の電報配達員を廃止しなくてもやり得る、又現在数でもやり得る途があるのではないか、或いは幾分かの、二割くらいをその大局に人員を附加することによつてそれらがいずれもうまく行く、こういうことになりはせんかと思うのですが、こういう見透しについては如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/28
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029・大島定吉
○委員長(大島定吉君) ちよつと速記をとめて……。
午前十時五十四分速記中止
午前十一時二十九分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/29
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030・大島定吉
○委員長(大島定吉君) 速記を始めて……。
これにて委員会を終ります。
午前十一時三十一散会
出席者は左の通り。
委員長 大島 定吉君
理事
橋本萬右衞門君
小林 勝馬君
委員
深水 六郎君
千葉 信君
天田 勝正君
政府委員
電 気 通 信
政 務 次官 尾形六郎兵衞君
電気通信事務官
(業務局周知調
査部長) 花岡 薫君
事務局側
常任委員会專門
員 後藤 隆吉君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614847X00519491126/30
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