1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年三月十七日(金曜日)
午前十一時二分開議
出席委員
委員長 中山 マサ君
理事 青柳 一郎君 理事 安部 俊吾君
理事 玉置 信一君 理事 冨永格五郎君
理事 受田 新吉君 理事 坂口 主税君
理事 天野 久君 理事 竹村奈良一君
足立 篤郎君 池見 茂隆君
小川 平二君 北川 定務君
岡 良一君 堤 ツルヨ君
並木 芳雄君 吉川 久衛君
出席政府委員
外務事務官
(管理局長) 倭島 英二君
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本日の会議に付した事件
小委員選任に関する件
在外公館等借入金整理準備審査会法の一部を改
正する法律案起草に関する件
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001・中山マサ
○中山委員長 これより会議を開きます。
本日の議題は、公報にてお知らせ申し上げましたように、在外公館等借入金整理準備審査会法の一部を改正する法律案起草の件でございますが、各委員も御承知のごとく、趣旨の徹底を欠き、届出者の数も予想に反して少く、期日も三月十九日にて切れますので、その期限をさらに二箇月間延長いたしまして、一人でも多くの届出者があるように徹底させしめるために、法律を改正いたすものでございます、一応外務省側の説明を求めます。管理局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/1
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002・倭島英二
○倭島政府委員 実はこの法律案につきまして承知しましたのは、昨日でありますが、ことにこれは議会の方から提出になりました法案でございますので、この法案について、政府としてさしあたりどういう準備なり関係を生ずるかということを一、二申し上げたいと存じます。
在外公館借入金の確認請求書の現在提出せられておりまする状況をまず申し上げますと、外務省に現在まで到達いたしておりますものが、約三万一千件ございます。なお各県で、まだ手に持つておりまして、外務省の方に送つて来ないものが約五万件ございます。なおそのほかに、まだ期日までに出て来るであろうというものが、数万件あるのではないかということも予想されておりますが、その数字はまだわかつておりません。従来までの確認請求書の提出状況は、大体こういうような状況でございます。
政府といたしましては、確認請求書提出の期限が、三月十九日で切れる状況にありましたので、従来いろいろな方法で、関係者の方々へなるべく漏れなく請求書を出していただくように、新聞、ラジオ、その他の方法を通じまして、御連絡しておるわけでございますが、今申し上げましたような提出状況になつております。但し三月十九日で提出の期限が切れることになつておりますが、実際の取扱いといたしましては、三月十九日付になつておりますれば、各県の市町村の受付が多少遅れましても、受付けるように話はできておりますので、大体当初予想しました二十万件足らずのところに達するのではないかと思つて、従来この関係を処理して来た状況でございます。
なおこの法律のごとく、さらに日にちが延びるということになりますれば、関係の方々には御便利かと思いますが、実情は大体今申し上げましたような状況で、従来のでカバーできるのではないかと思つておりましたので、政府といたしましては、直接この提出期間を延期していただく法案を用意しなかつたわけでございます。なお提出期間が九十日から百五十日に延びるということは、提出される方の側からいえば、さらに御便利かとも思いますけれども、ただ事務をやつておりまする政府の方といたしましては、実は延びることを予想しなかつたもので、予算的措置を従来講じておらぬということで困る次第でございます。それで大体従来の考えでは、二十四年度以内で一応受付が終る、二十五年度にかかりますと、その受付けたものを確認をする措置をとり、今度は確認書を各関係の方方に御送付するという手続が残つておる。その関係の予算は組んでおるわけでありますが、さらに二十五年度に入つて、当初の二箇月間受付を行うということになりますと、中央の方の処理関係の費用も、それだけ増すわけでございます。さらに各府県の市町村にそれだけ事務をお願いしなければならぬ。内容を申し上げますと、従来政府から地方に仕事をお願いしておりましたのに対して、補助も十分でなかつたのでございましたが、とにかくお願いするということでやつて来たのでありますが、さらに二箇月延ばすということになりますと、どうしても二十五年度の補助金を考えないと、市町村の方でも、たいへん御迷惑をされるという関係になりますので、中央の事務費と、それから地方の補助費というものを、何とか予算的に考えないと、この法案がせつかく通りましても、その点、事務をやるのに困難であるという関係でありまして、この法案の通過とともに、何か予算的の関係をひとつ御考慮願わなければ、実際問題として困るという状況がある実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/2
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003・玉置信一
○玉置(信)委員 ただいま議題となつております点について、倭島局長より、政府のこれに対する取扱い及び予算の面からのお話がありまして、大体年度内期日までに、当初予想の二十万件が終るのではないか、こういうようなお話でございますが、しかしこうしたものは、ほかの企業とか、そうした性質のものと違いまして、当然恩恵を浴し得る人たちが進んで届出をしなければならぬようなものの、どうも徹底を欠いて、届出を落すというようなことが往々ありがちなのでございます。それはあの未復員者の届出というような点につきましても、非常にこうした例か多く見られるわけであります。従つてわれわれ国会としては、親切に、こうした者の一人といえども、期日内に落ちるというようなことがあれば、その人たちに対して非常にお気の毒するわけですから、もう六十日間を延ばして、それ以後落ちたならば、これはしようがありませんが、われわれがそれだけの親心をもつて親切に取扱つてやるということは、これは当然の義務ではないかと、かように考えておるわけであります。予算の措置につきましては、局長のお話の通り、ごもつともでありまして、私どもも多少その点は考えてはいるのですが、しかしこれは今の御説明の予想の数字で終るということになれば、こうした期日を延長いたしましても、実質的にはその予算は使わなくても済むということにもなるわけであります。どこか予算の流用技術によつて予算措置ができるのじやないか、かように考えるのでありますが、しからば政府としては、そのため六十日を延長する費用を一体どれだけ見ておるか。中央の事務費あるいは地方の補助費、これをわけて、一体どれだけの予算が必要であるかということを、まずお伺いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/3
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004・倭島英二
○倭島政府委員 今の御意見の中で、二つほど御説明申し上げたいと思います。一つは、なるほどできるだけ期間が長ければけつこうだと思います。ただ従来の出方を見ておりますと、金額が比較的少い方々も相当数ございまして、その金額の少い方々は、御承知の上お出しにならないということではないか。それで実は金額が少くても、関係の帳簿がありますので、これをどう整理するかということを今考えております。たとえば、少いものになります。一と二、三百円から千円見当というのが相当多くて、そういういろいろな手数をしても、しようがないではないかというお考えもあるのではないかと思います。その少いのが相当件数ございます。これが延びればやはり出て来るかもしれませんし、あるいは落ちるかもしれませんが、一応従来の状況を見ますと、そういう傾向も現われております。
それから予算のことでございますが、これも先ほど申し上げましたように、何しろ昨日ちよつと知つたものですから、まだはつきりした計数も、確定的なものは出しにくいのでございますが、昨日からいろいろ大蔵省の方とも相談をして、一応はじいてみておるのでございます。しかし先ほども申し上げましたように、各県の補助というのが。実は二十四年度は、つまり昨年の十二月から今年の三月末日まででございますが、総額で百四十一万円出ております。この額では、実は各県としては、はなはだ少い。県によつて違いますが、大きな県と少い県その他を見まして、一県当り二万五千円から四万五千円程度にこれが行き渡つております。県といたしましては、大体十万円から二十万円くらいの範囲において、これの事務費に使つておる模様でありまして中央の補助と県が出す金との割合が相当違いますし、これは結局中央の問題であるから、ひとつ補助をもう少ししてもらいたいというのがありまして、二十四年度は予算が不十分でございましたので、さらに二十五年度二箇月間延長しまして、とにかくそれを受付けていただく。その受付けていただく二箇月間は、従来こういう関係は、在外公館の借入金の範疇に入るかどうかということを疑つておつたが、一応出してみようというので、よけいの問合せが、県としては繁雑になるのじやないかということも考えれば、やはり県の方の二箇月間の延長に対しては、できれば会計年度の当初やはり補助費を上げなければならない。その関係をはじいてみますと、大点本年度の事務を引続きやりまして、そうして確認請求書を取扱う関係として約二百八十万円ほど補助をする。さらに二箇月延びることによつて二百七丁万円ほど補助をする、その計五百五十五万円くらいを、各県としては、従来のいろいろな請求がございますので、出す必要が起るのではないかということが一つであります。
〔委員長退席、冨永委員長代理着席〕
その件が一番多いのであります。そのほか中央の事務費ごございますが、旅費だとか、それからさらに趣旨の徹底をはかる新聞広告とか、あるいはパンフレットを配布するとか、そういう費用がございます。それからカードをつくるとか消耗品を合ぜまして、それに多少人を増す関係もございますが、中央の事務費三百万円、地方の補助費五百五十万円、計大体八百五十万円程度は、この関係で経費を見込まねばならないのではないか、これも急いで出した一応の数字でございまして、もう少し検討する余地はあると思いますが、大体こういうような見当を一応立ててみております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/4
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005・玉置信一
○玉置(信)委員 ただいま予算の必要額について、いろいろ御説明を拝聴しましたが本年度二百八十万円、二箇月延長することによつて二百七十万円ということになると、この取扱い期間において相当差があるのですが、二箇月延長することによつて補助がこれだけいるということは、私ちよつと考えられないのです。しかも延長するという場合、相当基礎的な準備はできておるわけですから、あとは出て来るのを待つておることにおいて、整理するだけだということにもなりはせぬか。こういうふうに考えますと、そんなにいらないのではないかと思うのですが、その点どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/5
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006・倭島英二
○倭島政府委員 先ほどちよつと御説明が落ちたかと思いますが、要するに補助金として、政府としては二十五年度に五百五十万円を出さなければ、やはり義理が済まないのではないかということを考えております。その内訳を申し上げますと、実は現在議会に提出されておる二十五年度の予算の中では、諸般の関係で府県に対する補助費が落ちてしまつたわけでありますが、今申し上げました二百八十万円ほどはどうしても何とかしなければならぬことになつております。それからその残りの二百七十万円と申しますのは、先ほどちよつと御説明いたしましたが、二十四年度の百七十万円というものが、府県にとつてみれば、各府県にとつてはなはだ些少なものである、これは将来もう少し何とかしてもらいたい、こういう金ではどうも困るということをいろいろ聞くものでございますから、それで二箇月だけの延長では今の二百七十万円は多いと思いますけれでも、今回の法案で二箇月延長ということになれば、国の事務をやはり相当やるのだから、何とかしてくれなければ困るということで、その状況も先ほど申し上げましたが、中央から出しております二十四年度の補助が二万五千円から四万五千円の間だつたのに対して、さらに府県によつて違いますけれども、おのおの十万円から二十万円程度府県予算を組んでおる。従つて二箇月の延長だけで二百七十万円というのは、今年の割からいつて多いじやないか。ごもつともでございますが、今年度の率そのものがどうも足りないじやないかという不足を言われておるものですから、せつかく今度延びるということになります際に、法案を御考慮いただくならば、この予算措置もあわせて御考慮していただいておけば、はなはだスムースに行くということを申し上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/6
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007・玉置信一
○玉置(信)委員 よくわかりました。そこでむしろそうした実情にありますれば、どうせ府県に対する補助額は全然落して、ないということでありますから、これをカバーするという意味において、そこに便乗せしめて、そうして予算措置を講じてこの二箇月の延長をするということになれば、それは説明の仕方で、予算措置を講ずる際に二箇月延長するかどうか、そう大きく見なくても、比較的少額に見て、なおこの仕事というものは、ただいま局長のお話のごとく、相当続けて行かなければならないのではないか。それとにらみ合せまして措置を講ずるということは、あながちできないわけではない、そうむりかかからないではないかと思うので、そこに政府側としても御考慮をお願いし、われわれ委員会としても、皆さんも御意見があると思いますが、ひとつ何とかそこをうまく取持つていただきたいと思うのですが、なお一応局長の御意見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/7
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008・倭島英二
○倭島政府委員 御意見ごもつともだと思いますが、ただ困ります点は、これも昨日から大蔵省といろいろ相談をしておりまして、法案の趣旨そのものについてはけつこうだと思いますが、問題はいわゆる実施をする際の油の問題でございます。年当初に、四月、五月に延びるところにちよつと困難な点があるわけです。これが年度末へ近づいて参りますと、予算の中のいろいろな動きなり、何かございますので、それくらいのところは何とかやることができるというところに持つて行けるわけでありますが、年当初にやはりそれだけのものを出す、それで出さなければ——今申し上げましたように、問題は府県の方であります。中央の関係は、何とか人員の問題、あるいは消粍品その他の問題も間に合せるといたしましても、これもはなはだきゆうくつなわけでありますが、地方の方へは最初から出さなければならぬというどころが困難で、従つて移用だとか何とかいうことは、年度の半ばを過ぎれば問題になるわけでありますが、その点困つておるわけでであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/8
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009・玉置信一
○玉置(信)委員 当初予算であるだけに、その操作のやりにくいところは、私も十分想像はできるわけですが、といつて、どうもいまさらそれじやその面だけとりやめようというわけにも参りませんように思うのです。これは公式の話合いでなくて、委員会散会後においてなお私は御相談申し上げたいと思うわけでありますが、なお他の方から御意見もあるでしようから、私はここで質問を打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/9
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010・竹村奈良一
○竹村委員 今までの大体届出があつたうち、一番最高はどれくらいであつて、どのくらいのところが一番届出が多いか、大体わかつておれば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/10
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011・倭島英二
○倭島政府委員 今ここに計数を持つておりませんけれども、大体一千円から三千円見当がほとんどであります。一千円以下もあつたかと思いますけれども、今出ておりますのは、大体一千円から三千円見当が多うございます。一番最高は幾らだつたか、私今ちよつと計数を持つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/11
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012・竹村奈良一
○竹村委員 先ほどの御説明を聞いておると、二十万件の中で、提出のないのは、三百円か四百円の小さい方が多いというお話でございましたが、今後延ばしても二百円や三百円の人は、手続や何かで、届けたつて幾らでもない、ひまがかかつて損だという気持で、届出をせぬ人があると思うので、その点どれだけ効力があるでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/12
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013・倭島英二
○倭島政府委員 その少額の件につきましては、どの程度になりますか。問題は、少額でも——たとえばこういう問題があるのではないかと思うのです。少額で、もうあきらめておられる方もある。しかし少額でも、当時の貨幣価値と今と違うのだから、たとえば千円以下のものでも、現在はこういう率になつて返つて来るのだというような支拂いの関係とにらみ合せて、そこへ出て来ますと、あるいは少くとても出そうという関係が起るかもしれませんが、それが現在では全然支拂いの関係の見当がつかない状況でありますから、その点どつちになりますか、われわれ見当かつかないのが一つであります。ただ延びるということでいいのは、従来の在外公館等借入金審査会法に明確に該当すると思われないで、多少どうかと思うような関係が、足踏みをしておられる点があるのではないかと思います。それは、実は今から二箇月くらい前から、多少疑いのあるものでもお出しになつていただきたいという周知方法を講じております。従つて多少ともどうかしらぬが出してみようという件は、今後ふえるのではないか。今後二箇月間延期せられれば、そういう件が相当出て来るのではないか。そういたしますと、今度は事務的にはかかるか、かからぬかわかりませんけれども、それだけの審査をするということで、事務的には手をそろえなければならぬことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/13
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014・竹村奈良一
○竹村委員 この周知徹底方については、先ほどからおつしやつたように、大体府県の補助金があまり少いので、なおざりにしているというようなきらいが各県に——政府はそうじやないでしようけれども、県では周知徹底さすのを、なおざりにしておるようなきらいがあるのです。従つてこれは届出ないのではないかと思うのですが、そういう点はどうですか。大体府県に対して、あまりにも補助金が少いから、県自体があまり熱心に周知徹底させていないのだというように感じているのです。実際町村へ行つて聞いてみても、どうですかなというようなことをわれわれは聞くのですが、そういう点について、問題があるとお思いになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/14
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015・倭島英二
○倭島政府委員 その点は、多少御意見のようにあるかと思います。ただ周知徹底に関しましては、従来ずいぶんいろいろな手を盡しております。新聞広告なんかも、全国に向つてやつておりますし、各地方新聞でもやつてくれております。それから都道府県ではラジオの地方版を通じまして、相当繰返してやつておりますし、外務省の方からも各県へ係官を派遣して、各県との連絡を密にするとともに、いろいろなポスターを二、三十万枚ぐらいすりまして送つております。従つてこの周知と申しますか、大体関係の方にはわかる程度になつておると思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/15
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016・池見茂隆
○池見委員 二箇月間の延長ということに対しての、経費の問題もありましたが、それはただいまの発言で大体わかりました。さらに延長することによつて、少額のこういつたものの申出が非常に多くなるということは、私はむしろこれは喜ぶべき現象だと思うのであります。この延長ということは、妥当な方法だと考える次第であります。つきましては、今も局長さんから話がありましたように、この二箇月の延長の期間において、周知徹底ということをさらに強化してもらいたいということを要望しておきます。同時に参考までに、現在のこの審査会の進行状態を、要点だけお話願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/16
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017・倭島英二
○倭島政府委員 審査状況のあらましを申し上げます。現在外務省の審査関係に当つておりますのは、総員八十五名でございます。これが昨年の十月ごろから今日まで実際の事務を扱つておりまして、現在、はつきりした数字を持つて来ませんでしたが、約十九万幾らの件数の整理ができ、カードその他を整理しております。それだけつまりわれわれの手元に借入金を借りたという関係の証拠書類があるということでございます。なお審査会が発足いたしましたのは、法令の関係もございまして、十二月二十日だつたと思いますが、それから発足しまして、実際審査を開始しましたのは、一月三十一日からであります。それ以来審査会は十回開催しております。その審査会のほか、幹事の関係の方は、各担当の地区がございますので、その関係では始終連絡をとつていただいているわけでありますが、現在問題を直接取上げておる点といたしましては、各地方の借り入れ主体の審査を今急いでおります。借り入れた団体が、この審査会法の直接認める該当団体になるかどうか、実はこれが大問題でありまして、たくさんございます。それでこの関係を今急いでおります。ところが約百五十くらい地区がございまして、その一つの地区においても、ある期間を限りまして団体がかわつた場合がございます。そういうわけでどの団体が借りた借上金の性質はどうかという性質その他を調べまして、その団体の取扱つた借上金の関係から、団体そのものが審査会法に該当するかどうか、これが最初に確定しませんと、個別的な審査に入りにくいわけでありまして、これを今急いでおります。それと同時に、その借入れ主体の審査をやると同時に、その借入れ主体が実際に取扱つた借入金を、あわせて結局考慮することになりますので、かねて審査を進めておりますが、現在までのところ、借入れ主体のはつきりいたしましたものは、満洲の八地区でありまして、さらに審査会として審査の個別的に確定いたしましたものが百三十三件であります。これは一つの見本として考えておるわけでありまして、借入れ主体がはつきりいたしまして、大体の企画を見当つけますと、相当スピードをかけてきまる状況にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/17
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018・池見茂隆
○池見委員 満洲八地区というのは、どういうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/18
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019・倭島英二
○倭島政府委員 今までに取扱いましたところでありまして、洛陽、長春、海城、大石橋、湯崗子、吉林、本渓湖撫順、この八地区の、今借入れ主体の関係を終了しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/19
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020・玉置信一
○玉置(信)委員 大体外務省側のこれに対する御意見を聞きまして、了承いたしたのですが、要はこの予算措置の問題が、一番重要だろうと思うのであります。本委員会は午後も続行いたしまして、午後一時から大蔵省の、予算措置に対して責任を持つて答弁のできる、御相談もできる方をひとつ呼んでいただいて、予算上についての審議を進められるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/20
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021・冨永格五郎
○冨永委員長代理 この場合、委員各位にお諮り申し上げます。ただいま玉置委員の御発言もございましたが、結局この問題は、大蔵省の予算措置の内容をもあわせて検討する必要があると思われますが、皆さんの御承認をいただきまして、暫時休憩して、午後一時より大蔵省当局の出席を求めて、これか予算措置をはつきりいたさせ、検討いたしたい、かように考えますがいかがでしよう。実はでき得ればこの法律はぜひ本日中にとりまとめまして、本日中に議院にまわして、明日は本会議に上程いたしたい、かように考えている状況下にございますので、御承認をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/21
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022・足立篤郎
○足立(篤)委員 議事進行——この改正法律案は、趣旨はまことにもつともでありまして、委員各位におかれても、御異存はあるまいと思うわけであります。と申しますのは、従来この取扱い方、われわれこの制度を非常に熱望しておつたわけでありますが、周知徹底という点につきまして、はなはだ遺憾の点があるように考えておるわけでありまして、九十日以内を百五十日以内に改めるということは、漏れなく公平にこの恩典に浴せしめるという意味からいたしまして、ほとんど異議のないことと、私は考えるわけであります。それで今御意見のありました予算の問題は、一応この問題と切り離して、あとから委員会としてよく事情を聴取することがいいのではないか。これは急いでいる関係もありますので、ここでできれば採決を終了いたしました上で、今玉置委員から御意見のありました点について、委員長は適当におはからい願つたらどうかと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/22
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023・冨永格五郎
○冨永委員長代理 さらにお諮め申し上げます。ただいま足立委員から法案を非常に急いでおる関係もあるので、一応この場合この決定をお認めいただきまして、さらに委員会において予算措置の検討をすることも、また必ずしも前後することにはならないのではないかという御意見がございますが、その点はいかがでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/23
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024・青柳一郎
○青柳委員 ただいまの足立さんの御発言、いかにももつともでありまして、ぜひ何とかしてこれを実現させたいと思うのであります。ただ予算の裏づけがないことをきめましても、実行不可能になるおそれもございますので、その点は委員会で、あとででも御相談なすつたらけつこうではないかという私の意見を申し上げておきます、
なお午後大蔵省を呼ばれるにいたしましても、その前に一点局長にお尋ねいたしたいことがございます。それは先ほど御発言の中で、二十五年度の予算に少くとも二百八十万円は計上したかつた、ところがそれができなかつた、その際大蔵省の方では何らか考えてやるというような話があつたようにもおつしやつたのでありますが、大蔵省を呼ぶ前に、その点について明確に外務省の態度を承つておきたいと思うのであります。局長さんの腹を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/24
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025・倭島英二
○倭島政府委員 大蔵省との話ではございません、これは外務省の予算を政府全体してまとめる際に落ちてしまつたのでありまして、それで何とかすることも、大蔵省とはまだはつきり話がついておるわけではありませんが、われわれの心組みといたしましては、さらにある程度まで確認の手続が済み、一部の確認請求書の確定されたものが出るようになれば、次の支拂いのところを早く取上けたい。そういう法律案がさらに国会でお考え願うときには——結局各府県の補助金も、確認請求書を渡すときには、また各府県におせわになるわけです。従つて金の支拂いはどういうことになりますか、いずれにしても、次の法案を考えるときに、予算措置を考えて、少くとも年度末になつてからでもいいから、たとえば移用の形でもつて行くか、あるいはそれは次の法律で何かの法律措置を御考慮願う際に含ませて行けるか、年度内には何とか義理を立て得るのではないかというような、われわれの腹であつたわけでありまして、その点については、まだ大蔵省とは話かできておるわけでありまん。ただ落ちているということで、はなはだ不義理になつておるということを申し上げたわけであります。そうして何とかしたいというような希望を持つておつたわけでありますから、国会の方でこういう特別な御配慮をされるときに、この点は含めて予算の問題も考えていただく。ほかの関係は、要するに延びることによつてやはり経費がいるという問題と、それから全然もう今年の補助費が落ちているという点も含めて、やはり考慮していただいたらというのが、昨日からの研究の結果であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/25
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026・青柳一郎
○青柳委員 そういたしますと、私の意見では、午後大蔵省を呼びまして、大蔵省の方に、この際予算措置をやれと申しましても、大蔵省はなかなか応じません。結局外務省の中でやるべきだ、こういうのが落ちだと私は見通すのであります。それならば、しいて呼んでここで正式に取上げるよりは、ただいま局長のお腹を聞きますと、省内で何とかしたい、また次に来るべき国会に何とかし得るかもしれないというようなことを考えておられるようでありますから、これはあまり正面から取上げずに、大蔵省当局とわれわれ、あるいは外務当局と、じつくりひざを交えて懇談をした方がいいのじやないか、それがまた足立さんの先ほどの御発言の趣旨にも沿うのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/26
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027・冨永格五郎
○冨永委員長代理 ちよつと速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/27
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028・冨永格五郎
○冨永委員長代理 それでは速記を始めて。
暫時休憩いたします。
午前十一時五十一分休憩
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午後零時十六分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/28
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029・中山マサ
○中山委員長 再会いたします。
お手元にお配りいたしましたことく、在外公館等借入金整理準備審査会法の一部を、第五條第一項「九十日以内」とあるを「百五十日以内」に改めるような原案についてお諮りいたします。
本案を委員会の成案と決定するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/29
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030・中山マサ
○中山委員長 御異議なしと認めます。それではさようにいたします。
次にお諮りいたしますが、本成案を本委員会提出の法案として提出いたしますに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/30
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031・中山マサ
○中山委員長 それではさように決定いたします。諸般の手続は委員長においていたすことにいたします。
…………………………………発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/31
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032・中山マサ
○中山委員長 先般の委員会におきまして決定いたしました中共地区に残留する同胞の実態調査の件でございますが、参考人の住所を現在調査中でございますので、完了いたしましたら、理事の方々と御相談いたしまして、至急に手続をとります。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/32
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033・中山マサ
○中山委員長 また先般の理事会におきまして決定いたしました同胞救出記念切手発行に関する小委員会を設置いたしまして、これがすみやかに実施されますよう、積極的に推進いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/33
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034・中山マサ
○中山委員長 それでは小委員会を設けることにいたします。
つきましては、その小委員の選任を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/34
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035・中山マサ
○中山委員長 御異議なければ、
池見 委員 玉置委員
受田 委員 並木委員
春日 委員 吉川 委員と委員長が加わり七名の小委員といたします。
それでは本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100703932X01119500317/35
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