1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年三月二十八日(火曜日)
午後零時四十二分開議
出席委員
委員長 小笠原八十美君
理事 安部 俊吾君 理事 松浦 東介君
理事 八木 一郎君 理事 藥師神岩太郎君
理事 山村新治郎君 理事 小林 運美君
理事 山口 武秀君 理事 吉川 久衛君
青木 正君 足立 篤郎君
宇野秀次郎君 遠藤 三郎君
河野 謙三君 寺本 齋君
平澤 長吉君 渕 通義君
村上 清治君 守島 伍郎君
田万 廣文君 大森 玉木君
坂口 主税君 小平 忠君
出席国務大臣
農 林 大 臣 森 幸太郎君
出席政府委員
農林政務次官 坂本 實君
委員外の出席者
專 門 員 藤井 信君
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三月二十八日
委員金塚孝君辞任につき、その補欠として大森
玉木君が議長の指名で委員に選任された。
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三月二十七日
米崎村開拓事業に関する請願(志賀健次郎君紹
介)(第一八七〇号)
提子井路改修の請願(金光義邦君外三名紹介)
(第一八七一号)
白石北部用水改良事業促進に関する請願(永井
英修君紹介)(第一八八八号)
鳥居川にため池築設の請願(小坂善太郎君紹
介)(第一八八九号)
食糧検査員増員の請願(武藤嘉一君紹介)(第
一九三六号)
鹿又村用排水改良事業費国庫補助の請願(角田
幸吉君紹介)(第一九四一号)
本渡町地内用水路築設工事費国庫補助の請願(
園田直君外一名紹介)(第一九七七号)
小塚沢林道開設促進の請願(圖司安正君紹介)
(第一九七九号)
食糧事務所職員の定員増加に関する請願(千賀
康治君紹介)(第一九八八号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
肥料配給公団令の一部を改正する法律案(内閣
提出第五五号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/0
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001・小笠原八十美
○小笠原委員長 これより会議を開きます。
肥料配給公団令の一部を改正する法律案を議題といたします。この際農林大臣より特に発言を求められております。これを許します。森農林大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/1
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002・森幸太郎
○森國務大臣 御審議願つております肥料配給公団の問題であります。これは法の建前といたしまして、この三十日をもつて一応法の期限が打切られることになつておるのであります。しかしながら御承知の通り、この三月をもつて終りましては、その後の処置をつけるため相当の混乱を生ずるおそれがありますので、政府におきましては本年度の春肥を限つてこの公団組織を廃止したい、こういう気持を持つておるのでありまして、しばらくこの法の継続をお認め願つて、政府の考えておりますこの春肥——七月で打切る、それまでに一日も早く現段階の機構を整え、中央の機構を改正いたしまして、おそくとも七月までには新しき組織に移り、いわゆる現在の公団組織を廃止いたしまして、農家の肥料を受けることについての混乱を来さない、また資金の面等におきましても、相当の金額でありますから、政府におきましてもこの資金の融通等についても、相当の考慮を拂わなければならないのでありますから、ここにしばらくの余裕をいただきたい、かように考えるわけでありますので、どうぞひとつ原案をそういう意味においてお認めを願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/2
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003・小笠原八十美
○小笠原委員長 引続き肥料配給公団令の一部を改正する法律案を議題とし、討論を行います。討論は通告順によつてこれを許します。河野君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/3
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004・河野謙三
○河野(謙)委員 本案は一応来年の三月三十一日まで、すなわち一年間延期の建前になつておりますが、ただいま大臣からの御言明によりますと、政府といたしましては、この春肥をもつて打切るというはなはだ当を得た御言明でありますので、この法案に賛成をするものであります。
私が言うまでもなく、目下春肥の最盛期でありまして、今日ただちに、三月一ぱいをもつてこの肥料公団を廃止するということは、とうていできないのであります。かりに三月一ぱいをもつて打切りました場合には、次に起ります配給機構の整備のこともあります。また年間を通じて七百億と言われる大きな肥料の金融の問題もあります。また肥料は、御承知のように生産地と消費地とは必ずしもバランスしておりませんので、やめる場合には、少くとも春肥の最盛期におきましては、地域的に肥料のストツクを相当公平に配分しておかなければならない。この準備もできていない現在におきましては、当然これは春肥完了、すなわち七月までは、現機構の肥料公団を延期すべきである。かような意味合いにおいて、私は政府の案に賛成するものであります。ただこの機会に私は一、二希望を申し上げておきますが、昨日の食糧並びに油糧の公団の問題の際にも希望を申し上げたと同様に、かりに肥料公団を七月末をもつて打切るといたしましても、その間におきまして、肥料公団の運営は、必ずしも現在の運営をもつてわれわれは満足することはできないのであります。安本からの監査報告にもありますように、公団の資金の運営の面、また公団の職員の続出する不正事件、また公団が大体七月に終るといたしますこの七月末におけるところの公団ストツク、政府の言明によりますと、少くとも三十万トンと言われておりますが、この三十万トンのストツクをいかに公団なきあとに整理するかというような問題等、公団の最後の段階におきまして、非常にむずかしい問題がたくさんありますので、これらの運営につきましては、政府は格段の御注意をいただきまして、過去におきまして、とかくの問題を起しました公団に、今後かりに二、三箇月の間といえども、重ねて過去の不祥事を起さないように、十分監督を嚴にされんことを希望いたしまして、本案に賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/4
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005・小笠原八十美
○小笠原委員長 足鹿委員が見えませんから、小林委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/5
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006・小林運美
○小林(運)委員 私はただいま提案になつております肥料の配給公団の点に関しましては、今回の各種の公団の廃止にこれは通じた問題でありますが、政府はすでに各種の公団の廃止の予定の期日がわかつておるにもかかわらず、これを延々しております。従いまして、今急に一箇年延長というような法案を出しましたが、それに対して農林大臣は、本年七月春肥の問題が済んだらただちに廃止するというような言明でありますので、こんなにはつきりしておるなら、一年でなくて必要のあるだけでけつこうだと思うのでありますが、大臣がはつきりここで言明をされるので、私たちはこれを信用いたしまして、嚴重にやつていただきたい。
なお次に、この法案にあります経費の問題でありますが、これも各種の公団にありますように、いよいよ店じまいだというようなときに、非常に不正がある、こういうことは嚴重に政府は取締つてもらいたい、これを嚴重に私は要求を申し上げまして、不本意ではありますが、賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/6
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007・小笠原八十美
○小笠原委員長 山口委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/7
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008・山口武秀
○山口(武)委員 私は日本共産党を代表いたしまして、肥料公団令の一部を改正する法律案に反対をいたします。理由は、これまで肥料公団の不正問題について、共産党の立場からそれぞれ述べて来ましたし、なお委員との約束も一分間ということでありますから、省略いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/8
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009・小笠原八十美
○小笠原委員長 吉川委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/9
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010・吉川久衛
○吉川委員 私どもは公団がきわめて暫定的なものであるということにおいて了承して参つたのでありまして、これが一刻も早く廃止されることは私どもの念願して来たところでございます。ことに農林省関係の公団は農村関係のものばかりでありまして、いまや日本の農村の状態を考えますときに、ただいまの町村の経済の中心をなす農協組の現状は、実にゆゆしき状態にあるのであります。私どもはすみやかにこの公団を廃止いたしまして、官僚的な統制機構を廃止いたし、民主的、自主的な協同組合の統制というような方向に持つて行かなければ、協同組合自体も崩壊する。そうして町村の経済が破滅する。この破滅から救うためにも、ただいまの肥料公団の廃止はすみやかに実施しなければならない。従つて一応といえども、一年間の猶余には反対するものでありまして、この七月までには必らずやめたいとただいま大臣は申されました。私は大臣のお言葉に全幅の信頼を申し上げるものではありますが、議案そのものには賛成するを得ないのであります。私の討論を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/10
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011・小笠原八十美
○小笠原委員長 小平委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/11
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012・小平忠
○小平(忠)委員 ただいま議題となつております肥料配給公団令の一部を改正する法律案に対しましては、残念ながら公団一年延期という原案に対しましては賛成しかねるのであります。という理由は、すでにこの公団存廃に関しましては、マーカツト経済科学局長からの非公式覚書もあり、これに対する政府の回答がなされております。これに対して今回出されたこの一箇年延期の原案というものは、きのうきようの問題でありません。しかるにただいま農林大臣が、春肥の措置を終つて七月三十一日になつて廃止をしたいということを言明されましたが、この点については大臣の言明に対して賛意を表し、その言明を信ずるものでありますが、それならばもつと早く関係当局との折衝を終えられて、政府原案を修正されて、政府はただいまの大臣の言明された所信に向つて邁進されなかつたかという点を、私は指摘したいのであります。と同時に、公団を廃止するということにつきましては、單に廃止をしただけではどうにもならない。これは十分質疑の際においても論議されましたが、廃止をしてから後の配給機関なり、あるいは資金の問題等重要な問題が山積されております。それについて、今日まで質疑をとりかわした際における政府当局の回答は、これに対する具体的な明確な答弁はありません。肥料配給の問題、肥料問題の今後の行き方については、非常に重大な問題がたくさん残つております。食糧増産の見地から、今後非常に多くの問題が残されておるわけであります。かかる見地におきまして、政府はただいま農林大臣か言明された七月廃止という目標に向つて、明日からただちにその準備工作に入つていただきたい。特に円滑なる配給機構の問題、さらに資金の裏づけ、これは單に公約や、こうするああするではいけないのであります。これに対する予算的な裏づけ、あるいは法的の裏づけをはつきり確立しなければいけないと思うのであります。かかる観点におきまして農林大臣の言明に対しては満腔の賛意を表し、その言明に対して私は信ずるものでありますが、この公団一箇年延期という原案に対しましては反対をするのであります。以上をもつて討論を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/12
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013・小笠原八十美
○小笠原委員長 これにて本案に対する討論は終局いたしました。これより採決いたします。本案の原案に賛成の諸君の起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/13
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014・小笠原八十美
○小笠原委員長 起立多数。よつて本案は原案通り多数をもつて可決いたしました。
なおこの際、委員会の報告書の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/14
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015・小笠原八十美
○小笠原委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決しました。本日はこの程度にとどめまして、次会は公報をもつてお知らせいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704988X02119500328/15
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