1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年三月十日(金曜日)
午前十一時四分開議
出席委員
委員長 長野 長廣君
理事 岡延右エ門君 理事 圓谷 光衞君
理事 水谷 昇君 理事 松本 七郎君
理事 今野 武雄君 理事 小林 信一君
柏原 義則君 木村 公平君
佐藤 重遠君 千賀 康治君
出席国務大臣
文 部 大 臣 高瀬荘太郎君
出席政府委員
文部事務官
(大臣官房総務
課長) 森田 孝君
文部事務官
(大学学術局
長) 剱木 亨弘君
文部事務官
(社会教育局
長) 西崎 惠君
文部事務官
(調査普及局
長) 辻田 力君
委員外の出席者
文部事務官
(大学学術局教
職員養成課長) 玖村 繁雄君
専 門 員 横田重左衞門君
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三月三日
国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第八〇号)
同月四日
図書館法案(内閣提出第八七号)(予)
同月九日
教育委員会法の一部を改正する法律案(内閣提
出第九九号)
同月一日
小学校における家庭科存置に関する請願(若林
義孝君外十八名紹介)(第一二〇一号)
同月九日
教職員の給與改訂に関する請願(米原昶君外一
名紹介)(第一二五一号)
同外一件(谷口善太郎君外一名紹介)(第一二
五号)
大学院学生の研究並びに生活條件改善に関する
請願(若林義孝君外一名紹介)(第一二八一
号)
東京都立園芸高等学校八丈分校敷地決定に関す
る請願(石田一松君紹介)(第二三〇九号)
小学校及び中学校における家庭科存置に関する
請願(田島ひで君紹介)(第一三二〇号)
青山小学校増築費国庫補助の請願(鈴木善幸君
紹介)(第一三五四号)
小学校における家庭科存置に関する請願(小金
義照君紹介)(第一三八三号)
同(高木章君紹介)(第一三八四号)
の審査を本委員会に付託された。
二月二十七日
六・三制所要経費国費補助復活に関する陳情書
(第四六六号)
六・三制補助金等に関する陳情書
(第五〇七号)
三月六日
六・三制教育予算に関する陳情書
(第五四〇号)
教育委員会設置の経費に関する陳情書
(第五五二号)
同月九日
教育職員免許法及び同施行法一部改正の陳情書
(第五六七号)
一般平衡交付金の配分に伴う教育財政に関する
陳情書
(第五七三号)
文化財保護法案に関する陳情書
(第五
九一号)
教育委員会法改正反対の陳情書
(第五九九号)
を本委員会に送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した事件
教育職員免許法の一部を改正する法律案(内閣
提出第三八号)(予)
教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案
(内閣提出第三九号)(予)
国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第八〇号)
図書館法案(内閣提出第八七号)(予)
教育委員会法の一部を改正する法律案(内閣提
出第九九号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/0
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001・長野長廣
○長野委員長 これより会議を開きます。
公立大学に置かれた文部事務官等の身分上の措置に関する法律案、教育職員免許法の一部を改正する法律案及び教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案の三案を一括議題とし、審査に入ります。前会に引続宮質疑を継続いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/1
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002・小林信一
○小林(信)委員 免許法及び施行法の一部を改正する法律案の提案理由中に「現職教育が活発に行われ、教育界に清新の気のみなぎりつつありますのは、まことに御同慶にたえない」というような御意見があつて、そのあとに「両法の施行後各方面から種々の検討を求められ、また改正の要望もございました」こういうことがあるのであります。前の御意見からすると、各方面からの検討とか、あるいは改正の要望というようなものも、いい方面かもしれませんけれども、われわれの予想するところでは、これに対して教職員の諸君あたりからは、現在の情勢ではあまりに自分たちの実情に沿わないというような点から、もう少しゆるやかにしてもらいたいとか、あまりきゆうくつなものにしてもらいたくないというような要望を聞いているのであります。ここにも書いてあります以上、文部当局にも、こうした要望がたくさんあると思いますが、そうした要望のおもなるものをお知らせ願いたいのです。そういう調査ができておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/2
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003・玖村繁雄
○玖村説明員 主として教員組合または現場の教員の方々からの文部省への要望は、ずいぶんだくさん参つております。その主たる点を申し上げますと今回改正案の方へ出しておりますとろの、実業補習学校教員養成所青年学校教員養成所の卒業生を、青年師範学校の卒業生と同じようにしてほしい、いう要望が相当強うございます。次にその他の今度の改正は、ほとんど全部現場の要望を検討いたしました結果いたしたものでありますから、大体全部その線に沿つておるということが申し得ると思います。
ところで今度の改正の中に盛られていないで、要望の強いものは何であるがと申しますと、第一は、小学校の專科正教員というものがございましたが、これを中学校の二級免許状にしてくれ——現在は仮免許状であります——そういうことと、第二は、小学校の初等科正教員免許状を持つているものを、同じく中学校の二級免許状にしてくれ、中学校、小学校の二級免許状にしてくれ、それから第三は、別表第四、つまり現職教育の單位の数を、今の規定よりも少しくゆるやかにしてほしい、それらがおもな点であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/3
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004・小林信一
○小林(信)委員 私たちの聞くところも、やはりそういう点が多いのでありますが、これらに対して、なぜ当局者は考慮されなかつたかという点もお聞きしたいのでありますが、まず第一番といたしまして、最初申されました実業補修学校教員養成所を出た人たちは、今度新しく改正されて、青年師範学校を卒業した者と同じように取扱われておるわけですね。ただそのうち臨時教員養成所というのがあつたと思いますが、それらの人たちの取扱いは今後どういうふうになるか。同じ実業補修学校教員養成所ですか、これは修業年限は一年だと思います。その後できております臨時教員養成所というのは、たしかやはり一年だと思いますがこれらの取扱いはどうなるか。これもその人たちから要望があつたのでありますが、この点についてまずお聞きしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/4
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005・玖村繁雄
○玖村説明員 今の臨時教員養成所の方は、青年学校教員養成所が二箇年程度でありましたときに、一年の修業年限であつたものでありますから、その一年であつたということを計算に入れまして、仮免許状に措置しておりますから、それで均衡上その方がいいと思つておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/5
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006・小林信一
○小林(信)委員 それからただいまもお話がありましたが、この專科の教員、それから初等科教員、これらがやはり非常に不満を訴えておられるようです。ヒとにこの專科の先生は、その学科に対しては相当深い造指を持つておられるわけでありまして、ことにその中学校二級の免許状を持つておられる方たちは、大体現在学科担任の形をとつておられるので、その人たちと同等に取扱われてもいいような感がするのでありますが、これが考慮されなかつたという点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/6
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007・玖村繁雄
○玖村説明員 專科教員の方はもともと小学校の專科の教員であつたものを、今度中学校の教員仮免状を與えておりますので、私どもとしては相当寛大に取扱つたつもりであります。ただこの人々の一般的な欠陥を申しますと、広い教養というものがなくて、ある一学科のみを特に專攻したという方々であります。なおこの人々は組織的な学校教育を受ける年限が短かくありますので、これを他の師範学校、青年師範学校もしくは專門学校の卒業生と同格に扱つて、二級にすることはいささかむりではないだろうかと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/7
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008・小林信一
○小林(信)委員 それから單位の問題であります。先日もこの單位についていろいろお話があつたわけでありますが、教職員の方たちが單位をとるには、非常な時間を要することと、非常に経費がかかり、さらにこれをするためには、相当自分の今働いておるところへ犠牲を與えなければならぬというふうなことで、非常に苦しんでおられるのですが、はたしてその時間的な問題、それから單位をとるに対しての経費等の問題、それから今度はそれが兒童生徒に対する支障のあるというような点について、考慮されておるかどうかお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/8
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009・玖村繁雄
○玖村説明員 單位の問題でありますが、これは御承知のように、今後の教員になる人が、四年程度の新制大学を出た者が一級をもらうという、そういう建前から申しますと、たとえば従来の師範学校の卒業生は二級の普通免許状を與えてあります。この二級の普通免許状は終身免許状でありましてその生活を脅かされるというようなことは絶対にありません。もしこの人々が、現職にありながら教育を受けて、一定の單位をとりましたら、これを一級にしようということを規定したのがこの免許法でありまして、従つていつまでにとらなければならぬという時間的制限はございません。それですから現職教育を受けるために学校の現場がおろそかになるというのは、きわめて短期間に單位をとつて一級になろうとする場合だけでありますから、そういう点では現場の教員の方々に、多少の誤解があるのじやないかと思つておるのであります。なおこのことに関しての予算のことは、先日申し上げた通りでありまして、国としてはそうでありますが、地方から今私どもの方に集まつておる情報によりますと、みな相当額の予算を計上しておられましてわれわれが予想したよりも、はるかに早い時期に、一定の單位を與えることができるように、計画ができておるように思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/9
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010・小林信一
○小林(信)委員 その経費の問題ですが、これは地方でもつて教育委員会が計上する予算の問題でしようが教員諸君が單位をとるために使うところの費用というものは、相当莫大なものであるというふうに聞いております。この前の政府委員の方の御説明では、そのために旅費等も相当に政府では余分に計上したというふうなお話なんですが、現在予算に見られるところの四千円というふうな旅費は、そうした講習というふうなものが、ない場合でさえも、相当に教員諸君の旅費としては少いものがあるわけです。これが政府において相当講習等を見越しての旅費の総額であるとすれば、これは教員諸君にとつては不満ではないかと思われるわけですが、こういう点に対して政府はどういう見解を持つておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/10
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011・剱木亨弘
○剱木政府委員 この前も申し上げましたが、今、玖村説明員から申し上げましたように、この免許法によつて上級免許状を得ようとするのは、現在の生活を脅かすというのでなしに、よりよき、上の方に勉強していただくという意味でございまして、その結果、上級免許状を得るという形になるのでございます。従つてもちろん現職にあつて勉強していただくということは、国の方も大いに望むところであるし、また本人もこれを希望するところであると思うのであります。だからそういう施設をいたしますためには、国として行う面と、教員の研修という面から教育委員会が負担する面と、また自分の勉強するという面から本人が負担する面、この三者が共同してやるという形になつて参ると思うのであります。国の方からやる面は、教員がいつでも單位を習得することができますように、地方の大学等にその講座を設けて受入れ側の態勢を整える。なお特に教員が実際に講習なり、電位習得の講座の勉強をいたします場合に、旅費その他のことで、できるだけ入費がかからないようにいたしますために、單に大学の所在地においてその講座を開設するばかりではなく、実際に教員の居住する面に出向きまして、各地に講座を開設して行くというだけの心構えで実施して行くつもりでございます。なお国といたしまして旅費を増額いたしましたのはこの研修の意味を含めて増額いたしたのでありますが、地方の教育委員会におきましても、これに対する援助なり、いろいろな経費をできるだけ計上してもらうことを、われわれ期待しているのでございまして、教員の負担をできるだけ軽減して行くという方向に向いましては、今後も努力してみいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/11
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012・小林信一
○小林(信)委員 やはりその身分が保障されているとは申しますものの、今までの慣例からして、一級の免許状をもらう、校長になろうというようなのは、教員になつた人たちの当初からの考えであつて、これはその身分を保障されるから現状に置いてあつてもさしつかえないのだ、ただ勉強次第でもつて上級の免許状がとれるし、あるいは地位も向上できるというようなことは、今の教員の諸君たちには、何となく物足りないものがあるわけです。今まではある年限を精励恪勤さえすれば、身分も向上でき得られるという事うな期待を持つて、とにかく出発しておられるのですから、どうしても将来自分が校長になりたいとか、あるいは一級免許状をとりたいというような希望は、当然持たれると思うし、またこういう制度がある以上は、人がとるのに自分がとらないでおるというのは、自分にそれだけの力がなりように世間から評価されるおそれもあるわけですから、どうしてもこの制度がある以上は、上級免許状をとりたいという希望を持つておられると思うのです。それであるとすれば、今の教員諸君の仕事の状態から、あるいは支給される給與の面からして、非常に教員諸君には脅威が感ぜられているわけですから、ただいまお話のように、相当考慮される余地があると思います。従つて私たちの考えでは、もつと位に対して御考慮願いたいと思うのです。それは新制大学の修業年限というもの、あるいはここにおいて習得ざれる教養というふうなものと、現職の方たちを比較されれば、現職の方たちは、やはりこれだけの單位をとつてしかるべきだというような考えを持たれるかもしれませんが、今までの他の教職員の方たちの経過から考えれば、必ずしも新しい制度と比較して、單位をかくかくとらなければならぬということを強要されることは、いささかむりではないかと思うのです。この点は今までの御意見を承つておけますと、非常に教員の実情を無視されているのではないかと思うりですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/12
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013・剱木亨弘
○剱木政府委員 新制大学の建前は、いわゆる教員の一級免許状——高等学校は別として、小学校、中学校において一級免許状をもらえますのは、四年制の大学を出ることを原則といたしておるのでありまして、その四年制の大学については、これは多少育英会その他で考えておりますが、授業料も自分で負担して、いわゆる自己責任においてその一級の免許状をとるようになるのが原則でございます。学芸学部あるいは教育学部の二年のコースを経まして二級免許状をもらつて、あと一級免許状をもらいますには、やはりあとの二年を実際学校において習得するということが原則でございまして、学校教育におきましては、自分でそれを習得するという形になるのでございます。二年を出て二級免許状を持つて、一級免許状を得るためには、一定の單位を習得することを要求しているのでございますがその際に全部現職の教員が自己負担でなしに習得できるということは、やはり四年の大学との関係におきましては、この均衡を欠くおそれがあると考えるのであります。しかしながら、二年のコースを出まして二級免許状を持つた者が、それでとどまるべき考えはないのであつてやはり一級免許状を志すということは当然でございますので、私どもとしては、そのあとの一級免許状をとるにつきまして、いかに本人にとりやすくしてあげるかということが、問題であろうと思います。それで講習等によりまして單位習得の機会を與えるばかりでなく、将来におきましては、あとの二年のコースを通信教育をもつて実施できるようにするとか、あるいはまた四年の大学の後期に入ります場合には、現職のままその四年の大学に再入学する。それはもちろん成績等によつて選抜せられることであると思いますが、そういう機会を與えるとかいう方法を講じて、できるだけ二級の免許状を持つた者に一級の免許状をとりやすくするように、今後とも方途を講じてみたいと思います。今御質問になりましたのは、現在の二級免許状を持つた者が一級免許状をとるということに対して、現状においては非常に困つているのではないかというお尋ねであつたかと思います。この点につきましては、決して今回私どもがお願いしております予算で、十分であるとは考えておりませんけれども、現在の財政の事情上、この程度でやむを得ないということでございまして、将来ともこれにつきましては十分考慮してみたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/13
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014・小林信一
○小林(信)委員 その根本的なことは、いろいろわかつたわけであります。しかしながらこの單位をとるというような問題、それから講習の構成の仕方というもので大分地方の事情が異なつておつて、教員諸君のこれに対する待遇状況が非常にまちまちであるように思います。先ほどお話になつた地方の教育委員会におけるこれに対する経費の計上等が非常に多い、そして文部省としても安心しておるというふうに言われておりますが、これは先日北海道、山形県の数字が示されたわけでありますが、なお御調査ができておりましたならば、全国的なものを網羅していただいて、いずれかの機会に御報告願いたいと思います。ある県においては、それが非常に惠まれない状態に置かれるのじやないかとわれわれ心配しておる点もあるわけです。そこでひとつお伺いしたいことは、講習をいたしますについて、どこの府県でも大体大学と県当局と教育委員会、それから教職員の方、この三者一体で何か委員会のようなものをつくつて、講習会の便宜とか、あるいは講習会の能率を上げるような相談をしておるようなんですが、この点については、お調べの結果どんなふうになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/14
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015・剱木亨弘
○剱木政府委員 地方のこれに要します予算につきましては、大体数府県を除きまして、今報告が参つておちますから、後ほど資料としてわかつておるだけを差上げることにいたします。それから講習を最も円滑にやりまして、効果があるようにするために、委員会等をつくつてやることについては、私どもといたしましても、各府県に極力勧奨いたしておるのでありまして、事実上そういう状況になつておるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/15
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016・小林信一
○小林(信)委員 政府としても当然その円滑を期するために、必ず講習会、委員会がつくられるように勧奨されておると思うのですが、実は私の県で、これを県の方でも教員諸君の方でも要望した。ところが大学の学長に鋭く反撃されてお前たちは教わる身分である、従つて親が子に対して乳をくれる、そのくれ方について意見を言うということは、もつてのほかであるというので、撃砕されたそうでありますが、こうしたものは、文部省としてどういうふうに取扱われますか、何か方針が立つておいでになつて、そういう既定方針でこれに対して何か指導されるようなお考えがありますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/16
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017・剱木亨弘
○剱木政府委員 具体的な例につきましては、私まだよく存じませんが、しかしたとえばこの委員会をやります場合に、その決議機関とか、表決でするとか、要求するとかいうような筋合いのものではなくて、これを円満に協力して行くといつた意味の委員会が望ましいと思うのであります。なお具体的な問題については、実情を調査してみたいと思いますが、おそらくは、そういう理由で大学が委員会を一切拒否するというようなことは、私どもとしてあり得ないことだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/17
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018・小林信一
○小林(信)委員 今の問題はぜひとも御調査願いたいと思うのです。これは県の教育委員会も困つておるらしいのです。おれたちの大学としての権限を干渉するものであるというふうな立場で、大分いばつているようですが、別にこれは自分たちが委員会を棒成してその委員会の表決というようなもので云々しようというふうなことでなくて、自分たちの実情を聞いてもらつたり、あるいは講習等におけるところのいろいろな意見も取上げてもらいたいというような、ごくやさしい要望を、持つておる人たちの意見すらも取上げられなくて、一方的にこれがやられておる。これがどういう影響を持つておるかというと、そういうような仕打だとすると、自分たちはその大学に頼るのではなくて、自分たちが金を出し合つて、中央から講師を頼んで講習会を開こうじやないかというような機運さえ出ておるような状態は、まことに遺憾だと思つております。ぜひともお調べ願いたいと思います。
最後にお聞きしたいのは、この修正された案の一番最後の問題ですが、施行法の一部改正の最後の第八條中、「校長仮免許状又は園長仮免許状を有するものとみなされる者にあつては昭和三十年三月三十一日まで、その他の仮免許状を有するものとみなされる者にあつては昭和二十六年三月三十一日までに改める」というふうに、両者に対して別個の取扱いがなされておるのでありますが、これに対する政府の見解は、どういうところから出ておられるかお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/18
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019・剱木亨弘
○剱木政府委員 現在校長で、一級免許状を持つていないで、つまり二級免許状で校長になつておられる方が相当たくさんございます。その校長が、もし現行法通りに一級免許状を持たなければならぬという状態において継続いたします場合においては、この校長たる身分を退かなければならぬという状態が生じて参りますので、その一級免許状を得るまでの期間をどうしても延ばしてあげる必要がある、こう考えたので、校長についてはこれを延ばしたのであります。しかし現職の教員につきましては、一級仮免でありましようが、二級免許状でありましようが、上級の免許状を得なくても身分には何らの変更はありません。その点は校長と区別して考えるのが適当だと存じまして、校長については、身分を剥奪されるおそれがありますので、それを救済する意味において延期したのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/19
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020・小林信一
○小林(信)委員 そうすると、その他の仮免許状を持つておる者は身分を剥奪されることがないから、二十六年三月三十一日までに改めるとすれば、剥奪されるおそれがなければ、期限を付する必要もないと思うのですが、やはり期限を付されるというところに、一応この人たちにもそれと同じような條件があるのではないかと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/20
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021・剱木亨弘
○剱木政府委員 一般の方の点につきましては、その期限内に新しい免許状に切りかえるという問題でありまして、これは当然やればできるのであつて、新免許法によつて切りかえられるように手続をすることを早くやれば、決して心配ないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/21
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022・水谷昇
○水谷(昇)委員 小林君の今の質問に関連してでありますが、現職員の二級免許状を持つておるものが、一級免許状を得るについては、講習等において單位を四十五ですか、とらなければならぬ。こういうことはまことにけつこうなことであると思いますが、四十五の單位という、この單位のきめ方について非常に私は疑問があるのであります。それはどういうことかというと、現在のきめ方によりますと、学校教育だけを過信して、その他の教育を軽んじておるように考えられる。たとえば教育には学校教育もあれば、あるいは社会教育もあれば、自分で自分を教育する自己教育もあればいろいろの教育の仕方があるのであります。そこで現職員は多年教職員として勤続をしておる。この勤続年数にも長短がありまして、これらのものを同一に考えておりはせぬか。多年の勤続中には、社会の教育も受け、あるいは自己教育もしているのであります。いろいろな教育によつて自分の教養を高めておると思うのでありますが、そういうことをしんしやくして学科單位の数かきめられてあるのがどうか、そういう点をひとつお尋ねしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/22
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023・剱木亨弘
○剱木政府委員 お尋ねの点は、ごもつともな点だと思います。ただ今度の免許法では、大体本質的にはクレジットを與えますのは、大学が責任を持つという考え方をいたしまして、大学教育の中の一部分として一つの單位を認めて行く。そうして今申されましたように、大学でいろいろな講習を受けたり、講座を開いたりする以外に、自分で勉強するとか、その他の方法で勉強する面があるということは事実でございいますが、しかしながら、そういう場合に、これを判定する方法をどうするかということが、一つの問題になつて参ると思います。従来の教員免許令によりますと、一つの経歴認定とかいう以外に、試験検定によりまして認定する方法があつたのでありますが今度の免許法では、試験検定の方法は全然とつていないのであります。しかし一定の講習とかそういうものを受けないで、また、スクーリングをやらない者に対して、試験検定の方法を認めるかどうかということは、将来の研究問題ではあろうと思います。しかし現在のところでは、この基準は比較的明確である。大学のクレジットということを一本に考えておるのでございます。今の点は私どもとしては将来とも研究して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/23
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024・水谷昇
○水谷(昇)委員 そういうお考えのもとにこの法案ができたのであれば、将来そういうことが実現すると思うので、けつこうでありますが、どうしても試験検定の制度もつくつてもらいたいし、また、過去の勤続、努力そういうものも認定のできるようにしてもらいたい。そうでないと、せつかく平素努力しておるものと努力しないもの、勉強しておるものと勉強しないもの、そういうものがちつとも区別なしになつてしまうようなおそれがありますから、勤勉努力を奨励する上からも、そういうような方法を考えてもらわなければならぬと思います。実際大学を卒業したての者と、多年実地に勤務しておる人と、実力の点を考えましても、決して新しく大学を卒業した者に劣るものでないということは確かでありますから、そういう点を十分ひとつ御考慮の上で——私は学科單位の数も、十五と四十五になつておると思いますが、三倍も力が足らぬということは考えられぬと思いますから、そういう点にも、ひとつ御考慮を願わなければならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/24
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025・剱木亨弘
○剱木政府委員 実は免許法をきめます場合に、やはり二つの異なつた考え方がありまして、あくまで大学でとります單位で考えて行く、そうして本人の勉強でありますとか、経歴とかいうものは、全然考慮しないという考え方と、両方あるのでございます。この免許法におきましては、やはり本質的には、大学のクレジツトを主として考えておりますけれども、たとえば今申されます二級から一級になります場合におきましては、普通の大学におきましては少くとも六十二單位を二年間でとらなければならぬのでありますが、それを四十五單位にいたしましたのは、そのあとは勤務成績なり実績の佳良ということを取入れているのでございます。その程度の問題ではありますが、その点は相当考慮の中に入れ得るようにはいたしているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/25
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026・今野武雄
○今野委員 ただいまのことに関連してちよつと質問いたしたいと思いますが、今までも、熱心な教員は、いろいろな研究会などをやつて研修を怠らない。私などもずつと十数年そういうような研究などをよく知つておりますけれども、たとえば学級経営といいますが、そういうような問題については、学校ではとても習えない。そうじやなくて、そういうような各種の研究会、そういうものでもつて相当いろいろな経験が積まれて、そういうものが雑誌等において発表されたりなんかして、客観的な評価もできるというような場合が、少からずあるわけであります。そういうものをこういう資格の認定の中に取入れるお気持はないのでございましようか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/26
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027・玖村繁雄
○玖村説明員 従来教育者がみずから自発的に自分の研修のために努力していたことは、私ども自身もみずからの経験あるいは自分の周囲においてよく知つていることでありますので、今回の免許法は、従来それが何ら公に認められなかつたのを、制度化したという点においては特徴があると思います。ところで、今今野委員からの御質問のいわゆる研究会の類は、今度は單位にはならないかというのでありますが、これは大学の教授の指導のもとに行われる場合においては、それをいわば研究生というような形に組み入れまして、單位にすることができる規定をつくつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/27
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028・今野武雄
○今野委員 ただいまの点、非常に重大なことだと思います。指導のもとにというのは、初めから指導していなければいけないのか、あるいは過去における業績を、大学教授やその他が認定してやることができるのかどうか。そういう点についてちよつとお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/28
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029・玖村繁雄
○玖村説明員 過去の場合その当時そういう免許法がございませんでしたから、非常に明確を欠くところがありますので、そういう研究生という制度が認められた今日に、おいて以前の研究の結果を参考にして、一定の單位を與えるということには、使つていいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/29
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030・今野武雄
○今野委員 それから先ほど小林君から質問があつた点に関連してでありますが、実は東京などの実情をちよつと聞いてみたいのでありますが、先ほど劔木政府委員からお話があつたように東京では大学がたくさんあるから、ひとつその先生を現地にどんどん招いてやる方法を考えるのだということを、一方的に教員の側から聞いたのであります。先ほどの小林君の話ですけれども、そういうことは一方的な話であつて、何ら大学の方では、まだ十分二了承していないこともあるらしいということがあるわけでありまして、ことにそういうようなことを遠隔の地方において、交通の不便なところにおいてやる場合にはやはり相当な費用がかかる問題にらなるわけでもわます。それでなくても非常に足りない削られておる経費で、はたしてそういうことをどんどんやれるかどうか、その点、もう一ぺん確かめておきたいと思うのですが、お聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/30
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031・剱木亨弘
○剱木政府委員 従来、大学と地方との連絡ということにつきましては、私どもも、相当欠けておつた点があるかと思うのであります。特に教員養成につきましては、大学におかれましても、もつと密接に地方と連絡をとりまして、大学が責任を持つてやつて行くような状態にならなければいけないのでありましてこの点につきましては、機会あるごとに大学にもお話しておりますが、なお最近にも、そういつたような関係の方にお集まりを願つて、十分お願いして参ろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/31
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032・今野武雄
○今野委員 その点ですけれども、これは教育関係ばかりでなくて、ほかの研究方面でもそうですが、たとえば、出張することが最も本質的な研究の手段になるところの地質方面などにおきましても、旅費がないために、とても十分な研究ができない、こういうような状態にあるわけです。ところがこういうように、教員に資格を大量に與えるというようなことを含めて、教授の出張とか、そういうものがどんどん出れば、学校の経費というものが非常に不足するのじやないかと思うのです。そういう点、今度の教員養成の講習のための費用でもつて、十分これをまかなうこと赤できるかどうか、その点をお聞きしたいわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/32
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033・玖村繁雄
○玖村説明員 今回の国の計画によりますところの現職教育には、今御質問の旅費は見てあります。ただ総額は少うございますから、受講者の数に制限を受け、予定より受講者の数が減つて来たというところに、不十分なところがあります。その不十分なところを都道府県教育委員会の方の予算でまかなつて行きたい。今のところ大体そういうことになつております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/33
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034・長野長廣
○長野委員長 以上、三案に対する質疑は、本日はこの程度とし、次に、国立学校設置法の、一部を改正する法律案を議題とし、これより政府の提案理由の説明を求めます。高瀬文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/34
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035・高瀬荘太郎
○高瀬国務大臣 ただいま議題となのました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の骨子を御説明申し上げます。
昨年、国立学校設置法が公布施行されまして、約七十の国立大学が発足いたしましたが、以来約一年を経過いたしまして、今や第二年目を迎えようとしております。その間におきまして、各国立大学は、いずれも鋭意その組織の整備と内容の充実に努めて参つたのでございますが、この整備充実の結果を法文化するために、国立学校設置法の一部を改正する必要が生じました。これがこの法律案を提出した理由でございます。以下、その内容の骨子を簡單に御説明申し上げます。
まず、北海道大学外三つの大学については、既設の学部を分割することによつて、新たな学部をつくりました。これは、昨年学部発足後一年間に、教員組織その他の内容も充実した上、大学運営上の必要もありまして、分割の計画を立て、大学設置審議会の承認するところとなつたものでございます。
第二に、一部の国立大学について、その附置研究所及び学部附属の研究施設の新設合併を行しました。
第三に、国立盲教育学校及び国立ろう教育学校を、東京教育大学の附置学校として、昭和二十六年三月三十一日まで設置することといたしました。
第四に、旧制の学校で募集停止の結果、本年三月をもつて職員生徒の定員がなくなるものを削除いたしました。
最後に、国立学校に置かれる職員の定員を、学年の進行、旧制の学校の募集停止等に基く増減に応じ、昭和二十五年度予算に対応するように改正いたしました。
以上が、本法案の提案理由及びその内容の骨子でございます。どうか、十分に御審議いただきまして、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/35
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036・剱木亨弘
○剱木政府委員 ただいま国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、大臣より提案理由の説明がございましたが、なお私より補足して説明申し上げたいと思います。
この法律案は、国立学校の一部について大学学部の分割をはかり、大学附置研究所の新設合併を行い、また旧制の学校で、本年三月をもつて職員生徒定員がなくなるものを削除する等、その組織を整備いたしますとともに、国立学校に置かれる職員の定員を、学部の設置、学年の進行、旧制の学校の募集停止等に基く増減に応じて改正するために、国立学校設置法の一部について所要の改正を行うものでございます。以下、順を追いまして、改正の趣旨及び理由を申し述べたいと存じます。
改正の第一点は、国立大学の一部についてその学部組織の整備をはかつたことでございます。すなわち、国立学校設置法の第三條の改正でございますが、まず北海道大学の法文学部を文学部と法経学部に、千葉大学の学芸学部を文理学部と教育学部に、お茶の水女子大学の文学部と理家政学部を文教育学部、理学部及び家政学部の三学部に、名古屋大学の法経学部を法学部と経済学部に、それぞれ分割または再編成いたしました。
その理由は、北海道大学と名古屋大学とは元の国立総合大学でありまして、これを文理両系統にわたつた完全な学部をもつ大学とすることは、かねてから学校当局及び文部省の念願として来たところでありまして、昨年新制大学の計画を立てたときには、教員組織その他の点でまだ不十分な点がありまして、大学設置審議会の認めるところとならなかつたのでございますが、その後一年間に不十分な点を充実した結果、大学設置審議会の承認を得ましたので今回の措置をとることといたしたのでございます。お茶の水女子大学につきましては、この学校は、わが国で奈良の女子大学とあわせて、ただ二つの女子大学でございますが、従来女高師であつた時代には、文科、理科、家政科にわかれておつたのでございます。そこで昨年新制大学へ転換の場合にも、三学部とすることを希望したのでございますが、その際はやはり不十分な点がございまして現行法のようになつたのでございます。ところが一年間に教員組織の充実を見、また従来教員養成を行つて来た特殊性も考慮に入れまして、今回その各学部組織を再編いたすことといたしたものでございます。また千葉大学につきましては、東京医科歯科大学の予科を、地理的事情その他の理由から、これを千葉大学に包括することにいたしまして、その基礎の上に文理学部をつくることといたしたのでございます。いずれも大学設置審議会の承認を得たものでございます。なおこれらの学部の分割再編は、いずれも現在の既定組織を移しかえることだけでございまして、このために特別に予算の増減を伴うものではございませんので、念のために申し添えておきます。
改正の第二点は第三條の表の欄にございますが、旧制の学校で、本年三月をもつて職員生徒の定員がなくなるものがございます。たとえば東京高等学校を除きますすべての高等学校、大学予科及び北海道大学、名古屋大学及び熊本医科大学附属の医学專門部並びに東京医学歯学専門学校等がなくなるのでございまして、これらの学校を第三條の表から削除いたしたのでございます。
第三点は、第四條の研究所に関する表でございます。これにつきましては、まず北海道大学の医学部の既定組織を移しかえまして、結核研究所を設置いたしました。これは北方における結核の特殊な研究の必要に応ずることといたしたのでございます。次に東京大学のふく射線化学研究所が、その位置とか研究目的とかにかんがみまして、理工学研究所に合併することが適当と考えまして、合併いたしました。文学部に附属しておりました史料編さん所はその目的が今まで文学部だけに限られておりましたが、それだけでなく、全学に関係が密接となつて来ておりますので、これを大学附置の研究所といたしました。研究所につきましては、以上でございます。
第四は、第五條の研究施設に関する表中の改正でございます。これは秋田大学と山梨大学及び静岡大学にそれぞれございました地下資源研究施設、はつ酵化学研究施設、及び電子工学研究施設を附属研究所施設として、それに書き入れることといたしたのでございます。これらの施設は、実質的には従来からあつたものでございますが、これらの学校は従来專門学校でありましたので、官制化されておらなかつたのでございます。しかし、今までもこれらの施設は、そのための定員も教授要員と一般教授と区別いたしまして、はつきり定員がきまつておりましたし、またその規模ないし研究目的も、すでにはつきりいたしておつたのでございまして、これを研究施設として書きますことが適当と考えまして、この際明文化したのでございます。
〔委員長退席、水谷(昇)委員長代理着席〕
次に昨年県立の農林専門学校を合併するにあたりまして、山形大学外四つの大学に農学部を設置いたしましたが、これらの学部の農場及び演習林は、昨年は移管早々で、調査不十分のため、明文化することができませんでしたが、今回これを明文化することといたしました。なお東京農工大学等の繊維学部の付属農場も、農学部の付属農場とは区別されますので、この際明文化いたしました。
第五に、国立盲教育学校及び国立ろう教育学校の措置についてでございます。これらの学校は、現行法に上りますと、国立の各種学校として昭和二十五年三月三十一日まで設置すると定められております。これはその日以後は廃止するという意味ではなく、それまでに特殊教育のあり方について、十分一年間で検討して、適切な措置をとるという意味において年限を限つておつたのでございます。今回これらの学校を東京教育大学の附置学校として、昭和二十六年三月三十一日まで設置することといたしました。その趣旨はこの特殊教育の学校のあり方につきましてなお一年間十分検討し、あるいは教育大学学部にいたしますか、あるいは教育学部の学科にいたしますか、それはそれといたしましても、具体的な計画を樹立いたしまして、この一年間に研究いたしました成果を明文化して行くという含みでございます。
最後に各国立学校に置かれました職員の定員をそれぞれの学校の学年進行による当然の増員、旧制の学校の募集停止による当然の減員、既定組織の振りかえ等、昭和二十五年度予算案に対応するように改正いたしました。この定員改正の結果、増減をプラス、マイナスいたして、結局国立学校を通じて四百九十一名の増員となります。この増員を来しますおもな原因は、公立学校の合併によつて、学部を新設または充実したものと、群馬大学外五つの新しくできました医学部の学年進行によるもの、大阪、名古屋大学校経文学部の学年進行によるもの等でございます。
以上、本法案の内容の概要について御説明申し上げましたが、要するに、この一年間に国立学校が整備充実の歩みを進めて来た跡を忠実に裏づけるように、法的措置を講じたものにすぎないのでございます。
以上大体を御説明申し上げました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/36
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037・水谷昇
○水谷(昇)委員長代理 続いて図書館法案を議題といたします。本法案は予備審査のため本委員会に付託になつたものであります。これよわ政府の提案理由の説明を求めます。高瀬文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/37
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038・高瀬荘太郎
○高瀬国務大臣 今回政府より提出いたしました図書館法案について御説明申し上げます。
祖国再建の途上において、社会教育の占める役割の重大さは、いまさら申し上げるまでもありません。終戰後、わが国において学校教育制度の改革を見たのでありますが、新憲法に保障する教育の機会均等の実をあげ国民の教養の向上を期するためには、学校教育と相まつて、社会教育の画期的振興が行われなければならないのであります。昨年六月社会教育法が制定公布されましたのも、まさにこの趣旨によるのであります。しかも民主国家における社会教育の実施は、あくまでも国民の自主的な立場を尊重して行うべきものであります。それゆえ社会教育法においても、国及び地方公共団体は、国民があらゆる場所、あらゆる機会を利用して、みずからの教養を高め得るような環境を十分に整備する任務を持つておる旨が規定せられているのであります。
図書館は、このような意味における社会教育機関として、きわめて重要な地位を占めているのでありますが、わが国における図書館の現状は、欧米先推諸国のそれに比して、なおきわめて不十分を免れないのであります。従つてこれが健全な発達をはかるための法的措置を講ずることは、各方面からの要望となり、世論となつております。社会教育法におきましても、図書館に関しては、その重要性と特殊性とにかんがみ、別に法律をもつて定めることといたしておりました。政府はその後鋭意研究を進め、ここに図書館の設置、及び運営に関する基準、及び奨励方法等を規定する図書館法案を提出することになつたのであります。次にこの法案の骨子について申し述べます。
第一に、この法律案では、社会教育法の精神に基き、新時代にあるべき図書館の真のあり方を明示して、国民に奉仕すべき機関としての図書館の性格を明確に規定いたしております。
第二に、図書館職員の養成のために、必要な措置を講じたのであります。従来わが国においては、図書館活動の不振の原因の一つとして、職員養成の不備を指摘することができます。元来図書館が土地の事情及び一般公衆の希柴に応じて、十分にその機能を発揮するためには、これに従事する職員に必要な識見と技能とがなければなりません。それにもかかわらず、わが国においてはこれら減員を養成すべき措置を欠いていましたので、本法案においては、この職員養成の制度の確立をはかろうといたしております。
第三としては、図書館に対する国庫補助のことであります。現在公立図書館は約千三百九十館の設置を見ておりますが、いずれも財政的に苦労しております。そこで本法案におきましては、できる限りその運営に対する財政的援助をなし得る道を開き、図書館が新しい時代の社会教育の機関とし十分な機能を発揮で、きるように定めております。
第四は、私立図書館についてであります。私立図書館は、わが国の図書館活動において今日まで大きな貢献をいたして参りましたが、今後におきましても、その健全な発達を大いに期待しております。そこで本法案においては、その独自性を尊重し、その自主性を確保するために、これに対して不当な統制干渉を及ぼしたりするようなことのないように、規定いたしたのであります。
以上本法案の提案の理由と、その内容の骨子について御説明いたしましたが、この図書館法案が成立しまして、図書館に法的根拠が與えられますならば、わが国図書館機能の充実のために資するところ、はなはだ大きいものと存じます。何とぞこの法案の必要性を認められまして、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/38
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039・西崎惠
○西崎政府委員 図書館法案の大綱について御説明申し上げます。
第五国会において制定されました社法教育法の中におきまして、図書館に関しては特に一條を設け、第九條において「図書館及び博物館は、社会教育のための機関とする。」「図書館及び博物館に関し必要な事項は、別に法律をもつて定める」と規定されております。元来社会教育法は、社会教育に関する総合法でありますので、図書館に関する規定も入れるべきであつたのでありますが、図書館職員の問題、図書館設置基準の問題、さらに図書館設置義務制の是非、財政的援助の限度等、研究すべき根本問題が未解決でありましたので、別に單独法を制定することにし、ただ社会教育法においては、図書館も社会教育のための機関であることを注意的に明らかにしたのであります。
爾来文部省におきましては、さきに来朝された米国教育使節団の図書館に関する報告の趣旨を尊重し、さらに社団法人日本図書館協会を中心として、図書館界の要望も入れ、鋭意研究に努めまして現下の事情に適合した法案の立案をはかつて参つたのであります。まずこの図書館法案を立案するにあたりまして、特に考慮いたしました二、三の点について申し述べます。
第一に、この法案は、社会教育法の趣旨に基きまして、図書館の設置及び運営に関する必要な事項を定めたいと考えたのであります。元来社会教育は、国民相互の間において行われる自主的な自己教育活動でありまして国及び地方公共団体は、その活動が自主的に活発になつて国民教養の水準が、おのずから高まるように、側面より助長奨励する役割を持つのであります。そこで問題になりますのは、地方公共団体に図書館設置の義務を課すかどうかということでありますが、地方財政の現状よりしまして、過大な負担を課することはできないことでありますし、さらに国庫としましても、目下義務教育の充実に努力すべき段階でありまして、十分の補助金を支出することはできませんので、義務設置というのではなく、地方の自主性によつて実情に即応して図書館を設置することにしたのであります。この法案においては、かかる見地より、地方公共団体が図書館を設置する際において、特に必要とする事項について規定したのであります。
第二は、図書館の新しい時代におけるあり方を明らかにした点であります。すなわち第三條において図書館奉仕の観念を明らかにし、具体的にその行うべき事項を列記したのであります。従来わが国における図書館を見ますと、真に国民に奉仕すべき機能において、必ずしも十分でなかつたのであります。本法案において、特に新しい図書館のあり方を明示し、強く一般公衆の利用に資する活動面を強調し、動く図書館として、真に社会教育機関としての任務を果し得るように規定いたしたのであります。
第三としては、図書館の職員制度の確立をはかつたことであります。従来わが国の図書館事業の不振の原因の一つとして、職員制度の不備をあげることができます。すなわち図書館「運営は、高度の專門的知識と技能を必要とするにかかわらず、これに必要な資格等の明確な規定を欠いていたため、すぐれた人材を吸收することもできず、基礎的修練を経ないしろうとによつて図書館が運営される傾向が強かつたのであります。この点にかんがみまして、この法案におきましては、特に図書館職員について明確な規定を設けたのであります。
第四としまして、私立図書館は、従来わが国図書館活動において、非常に大きな貢献をいたして参りました。今後においても、ますますその発達を期待するのでありますが、法律的な拘束は、できるだけ避けまして、私立図書館が真にその特色を発揮して、自主的に自由に活動し得るようにしたのであります。
次に、各章別にわたつて簡単に要点を申し述べたいと思います。
第一章は総則でありますが、第二條において、この法律における図書館を定義して、図書、記録その他必要な資料を收集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーシヨン等に資することを目的とする施設で、地方公共団体または民法第三十四條の規定による法人の設置するものといたしました。従つて、この法律にいう図書館は、社会教育機関として、一般公衆の利用に供することを内容とする公開図書館について規定するものでありまして、会社、団体等において、一部社員または会員等の研究のために設けられた図書施設はこれに含まれないのであります。また学校の図書館や図書室も、別個の機能を持つていますので、この法律ではこれを除くことにいたしたのであります。個人の設置する図書館は、財政的その他個人的な偶発的條件に支配され、きわめて消長がはげしいので、図書館の公共性から考えまして、遺憾の点が多い。この点を考えまして、この法律では図書館として扱わないで、図書館同種施設といたしたのであります。従つてこの法律において図書館とは、地方公共団体の設置する公立図書館と、民法第三十四條の法人の設置する私立図書館の二つであります。
次に第三條において、先ほど述べました図書館の新しいあり方を規定し、かなり詳細にその行うべき事業を列記してあります。そのおもなるものは、図書館資料の收集整備、図書館利用者に対する指導、相談、図書館相互における協力その他種々の集会の開催等の事業であります。
第四條から第六條において、図書館職員に関する規定があります。図書館に関する專門的職員は、これを司書または司書補といたし、司書については原則として大学卒業程度の一般的教養を考慮し、司書補については高等学校卒業程度を基礎として、これに対して専門的研修を必要な資格條件としたのであります。文部大臣は教育学部または学芸学部を有する大学に講習を委嘱し得ることにいたし、これに必要な事項は省令で規定することにいたしました。これによつて図書館の活動の基礎條件であります人的整備をはかつて参りたいと思います。
第二章は公立図書館であります。公立図書館に関するおもなる規定の一つは、館長その他の職員に関するものであります。第十三條第三項に、特に館長の任務の重要性にかんがみまして、館長となる者についての資格要件を規定しています。すなわち国から補助金を受ける図書館の館長となる者は、司書となる資格を有する者であるとともに、これらの図書館のうち都道府県または五大都市の設置する図書館にありては三年以上、五大都市以外の都市の図書館にあつては一年以上それぞれ図書館職員としての実務の経験を有することを條件としたのであります。これは図書館事務の特殊性によるものでありまして、館長として実際に即する適切な運営を行うための必要條件と考えるのであります。
第十四條は、図書館協議会に関する規定であります第これは図書館の運営に住民の意見なりが十分に反映し得るようにするためであります。この見地から委員の選考の範囲も、広く土地の住民の輿論を結集し得るよう、第十五條にその範囲を規定したのであります。
次は、公立図書館の基準について第十八條において規定しています。「文部大臣は、図書館の健全な発達を図るために、公立図書館の設置及び運営上望ましい基準を定め、これを教育委員会に提示するとともに一般公衆に対して示すものとする」とあります。図書館の基準は、今後図書館を整備し、その組織を充実する上に、きわめて重要な事項であります。しかし基準の決定は、恒定的なものでなく、あくまで現実に即し、また地方の財政事情にも拘束されますが、基準は現状よりも一歩前進すべきものであります。その意味におきまして、文部大臣はその時期において、各般の事情を勘案し、公立図書館の設置及び運営上から見て、望ましいと思わるる基準を定めることにしたのであります。
わが国の図館書の現状を見ますとき、図書館令によつて設置認可されたものが、公私立をあわせて総数千五百五十館であります。そのうち、公立のものは正確に言いまして千三百八十六館であります。しかも図書館運営上の通念として、最低限度三千冊の蔵書は絶対に必要でありますが、これを越えるものはわずかに公立図書館において二百二十九館を数えるにすぎないのでありますし、普及の実際について見ても、わが国の全市町村のわずかに一二%にしか設置せられていない実情であります。この点から基準の設定は幾多の研究すべき課題を持つていますので、愼重検討の上定めるつもりであります。第十九條は国から補助金を受けるために必要な公立図書館の設置及び運営上の最低基準を、文部省令で定めることに規定しております。
第二十條は、公立図書館に国庫より補助その他必要な援助を行い得ることにいたしております。本案によつて、予算の定めるところに従い補助金を交付し得る場合は、第十九條の公立図書館に関する最低基準を越えた場合でありまして、その交付は、公民館の場合と同じように、図書館を設置する地方公共団体が支出した前年度における図書館に備えつける図書館資料に要する経費等の精算額を勘案して行うものといたしたのであります。
なお、第十七條において、公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならないことを規定し、図書館の公共性とその公開性を強調しております。社会教育法第四條においても、地方公共団体は、積極的に社会教育施設の設置及び運営をなすべきことを規定しています。しかも、その利用は市町村民の貧富等によつて制約を受けることのないようにすることは、図書館の本旨よりして当然であるといわねばなりません。
今後においても、政府はあとうる限り補助その他必要な援助を行うことによつて地方公共団体の負担を軽減し、公開図書館の実をあげたいと期しています。
第三章は、私立図書館に関するものでありますが。法人の設置する図書館につきましては、あらかじめその旨を都道府県教育委員会に届けさせることにしています。しかし、前に述べまし引ように、私立図書館については、文部大臣及び都道府県教育委員会は、その求めに応じて必要な專門的、技術的指導、助言を行うことができることにいたしておりますが、私立図書館の独自性を尊重して、これに対して政府及び地方公共団体が、みだりに統制干渉すること等のないようにいたしたいと思います。
なお、この法律では、図書館として扱えないもので、図書館と同種の施設があるわけで、これら図書館同種施設は、何人も設置することができますが、これらに対しても、指導助言が與えられるようにいたしましました。
附則におきましては、館長、司書及び司書補の資格について、五年間の経過規定を設けまして、現在の図書館職員が継続して勤務し得るように、十分むりのないようにいたすつもりでございます。
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以上が本法案の要旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/39
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040・水谷昇
○水谷委員長代理 この際お諮りいたします。日程を追加して、教育委員会法の一部を改正する法律案を議題とし、政府の提案理由の説明を聽取したいと存じますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/40
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041・水谷昇
○水谷委員長代理 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
教育委員会法の一部を改正する法律案を議題といたします。提案理由の説明を求めます。高瀬文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/41
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042・高瀬荘太郎
○高瀬国務大臣 一昨年七月十五日公布施行されました教育委員会法の一部を改正する法律案を、このたび国会に提出いたしましたのにつきまして、その提案の理由と、改正要点を御説明いたしたいと思います。
第一は、市町村に設けられる教育委員会の設置の時期についてであります。これにつきましては、去る第五国会において、中央、地方の財政状態その他の事情にかんがみまして、その設置を昭和二十五年度または昭和二十七年度とするよう法律改正が行われたのでありますがこのたび町村の地域に設けられる教育委員会は、すべて昭和二十七年度に市中設けられるものは、昭和二十五年度または昭和二十七年度に設置し得ることといたしました。その理由は、町村の地域に設けられるべき教育委員会については、その地域的規模や委員会の組織、権限等につき、なお調査研究を要する問題が非常に多くあります関係上、これらについて十分検討するため、二十七年度までその設置を延期することとし、二十五年度には、市についてのみ教育委員会を設置し得るよう措置いたしましたことに基くのであります。
第二は、委員の選挙に関する規定の改正であります。これにつきましては、教育委員会の委員の選挙をも含めた選挙制度全般の改正も考慮されているのでありますが、今般はとりあえず二十五年度の選挙を控え、一昨年の経験にかんがみ、最小限度の改正を行うことにいたしました。すなわち委員候補者の連署推薦人を六十人以上百人以下と、その人数に制限を加えたこと、及び選挙運動については、都道府県及び五大市にあつては都道府真知事の、その他の市及び町村にあつては市町村議会の議員の選挙運動に関する規定をそれぞれ準用し、いわゆる選挙運動における公営の範囲を五大市までにいたしたのであります。
第三は、委員の他の職務との兼務及び服務などにづいてであります。現在委員は他の公務との兼職を、かなり嚴格に禁止されておりますが、教育委員会の委員の本務に支障のない程度にこれを緩和し、また委員の服務などについては、現行法に規定を欠いておりますが、教育委員会の委員の職責の特殊性及び重大性にかんがみまして、新しく規定を設けることといたしました。
第四は、教育委員会の職務権限についてであります。これにつきましては、現在すでに実質的に教育委員会の権限として行われている事柄、あるいは地方公共団体の議会及び長との関係において、権限の所在が必ずしも明確でない事柄等について必要な規定を設け、もつて教育委員会の運営に遺憾なきを期したのであります。すなわち一、学校その他の教育機関の建築営繕の実施に関する教育委員会の責任及びその実施方法について明らかにすること。二、学校その他の教育機関の使用にかかる財産の取得、管理及び処分に関する権限を明らかにすること。三、学校の保健計画に関する権限を明らかにすること。四、教育事務に関する収入の命令権を、地方公共団体の長から教育委員会に委任し得ること。五、教育事務に関し議会の議決を経なければならないものについては、すべて議案の原案は教育委員会の発案にかかわらしめることを常例とすること。六、都道府県の教育委員会の権限として、学校給食、文化財保存(史跡、名勝、天然記念物等)及び教育に関する法人についての事務を明らかにすることなどであります。
第五は、教育委員会と教育長との関係についてであります。現行法上、両者の関係につきましては、明確を欠く点もあり、実際運営上にも、ややともすれば円滑を失ううらみもありましたので、教育委員会の專門的助言者であり、かつその事務執行の衝に当る教育長の職務の特殊性を明らかにし、両者の本来の機能を明確にいたした次第であります。
以上、改正の主要点につきまして、その内容及び理由を概略御説明いたしましたが、今回の改正は、條文の一部改正を行つたもの十八箇條、追加または新たに設けられたもの十一箇條、削除ないし全文改正をしたもの十筒條、合計三十九箇條にわたつております。何とぞ慎重御審議の上御可決くださるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/42
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043・水谷昇
○水谷(昇)委員長代理 辻田政府委員の御説明は次会にまわします。
質疑は次会にまわしまして、本日はこの程度で散会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/43
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044・水谷昇
○水谷(昇)委員長代理 御異議ないようでありますから、これで散会いたします。なお次会は来る十五日水曜日午前十時より開会いたします。
午後零時三十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100705115X00819500310/44
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