1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年四月七日(金曜日)
午後一時五十七分開会
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本日の会議に付した事件
○住宅金融公庫法案(内閣送付)
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001・中川幸平
○委員長(中川幸平君) 只今から建設委員会を開会いたします。
住宅金融公庫法案、予備審査でありますが、議題といたします。先ず政府の説明をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714149X01519500407/1
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002・鈴木仙八
○政府委員(鈴木仙八君) 今回提案になりました住宅金融公庫法案につきまして、その提出の理由と法案の概要を御説明申上げたいと思います。
本法案につきましては、政府といたしましては速かに提案をいたすべく鋭意努力して参つたのでありますが、いろいろの関係上今日に至り申訳なく存じておりますが、何とぞ御了承をお願いいたしたいと思います。申すまでもなく我が国の住宅難は極めて深刻であり、なかんずく都市の住宅難は終戦後四カ年半を経た今日においても依然として緩和をされず、国民生活の安定上放置することを許されない状態であります。これが解決は政府の最重要課題の一つとなつております。住宅の建設を促進し、全国民に必要最小限の住宅を速かに確保するためには、最近における住宅建設停滞の原因が国民経済力の低下による長期低利資金の調達困難にある点に鑑みまして、住宅建設資金の供給に関し、国家におきまして強力な施策を講ずる必要があるのであります。即ち終戦後の異常な経済情勢下におきましても、一部の高額所得者や、資力の大なる人は自力を以て住宅を建設して参りましたが、住宅に困窮する国民大衆はその所得或いは資産中住宅に投じ得る額は極めて少額であつて、低家賃の貸家の供給、或いは長期低利資金の融通を受ける以外には住宅を入手し得る途がないのであります。然るに周知のごとくこれらのいずれの方法も民間において求めることは殆んど不可能な状態でありまして、政府におきましては、これが対策といたしまして、地方公共団体が公共事業として実施する賃貸住宅の建設経営事業に対して、国庫補助金を交付し、家賃の低下と建設戸数の増加を図つて参りました。この公営賃貸住宅に対する助成対策と共に、国民大衆に対する長期低利の住宅資金の貸付につきまして、かねてその必要性を痛感しておつたのでありますが、今日いよいよこれを実現することといたしまして、先に提出いたしました予算案と共に、その実施に関する機構及び方法を定める法律案を提出いたしたいと存ずる次第であります。
而して、この財政資金が、真に住宅を必要とする人々に公正に融通され、且つ建設される住宅が適切な規模と質を有すると共に、貸付及び回収の事務が的確且つ能率的に処理されるか否かは住宅金融の実施に関する機構及び方法の適否にかかるところが極めて大でありますので、政府におきましては、この点につきましては、各方面の意見を聞き、慎重に研究を重ねて参りました。即ち、その機構といたしましては、資本金の金額を政府の出資にかかる公的な独立の金融機関といたしまして、住宅金融公庫を設立し、事業の運営に民間企業の長所を取入れると共に、その公共性に鑑み、毎年度の予算は国会の議決を必要とし、役員の任命、業務の運営等に関し、政府の監督を受けしめるようにいたしました。又資金の貸付の対象、建設される住宅の規模、貸付の限度及び条件、償還の方法等に関する基本的事項は法律に規定することにいたしました。尚、本公庫の機構はできるだけ簡素なものとする必要上、貸付の決定以外の貸付及び回収の業務は銀行その他の金融機関に委託をすると共に、貸付金の使途を適正にし、建設される住宅の質の改善向上を図るため、住宅の建設工事の審査及び指導を地方公共団体に委託することができるように措置をいたしました。
以上、住宅金融公庫法案に関し、その要旨を申上げましたが、住宅金融の速かな実施が我が国民生活の安定に資するところ極めて大なるものあるに鑑み、慎重に御審議の上、速かに議決下さいますように願つて止みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714149X01519500407/2
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003・伊東五郎
○政府委員(伊東五郎君) 法案につきまして、もう少し補足いたしまして、逐条に御説明申上げたいと思います。この種の公団その他の機関と、大体同じような規定が多いのでございますので、そういう事務的な、例文的な規定は省略させて頂きまして、要点について御説明を申上げたいと思います。
第一章の総則から申上げます。第一条は、この公庫の目的でございます。この根本的な方針と申しますか、公庫の性格を謳つたものでございます。内容を分析いたしますと、大体三点あると思いますが、国民大衆を対象としておるものであるということが一つ。それから住宅の質については、健康で文化的な生活を営むに足る住宅、健康で文化的な生活については憲法の規定するところでございますが、只今の経済情勢、国民の民度から考えまして、或る程度の水準を設けまして、できるだけその水準以上の質を持つておる住宅を対象といたしたいと、こういうことが第二の点。それから第三点は、銀行その他金融機関で融通ができない、困難だという性質のものに金融をいたす。住宅にいたしましても、一般の不動産金融の対象となるようなものもございます。営業関係その他のものではそういうものがありますが、或いは割合高級な住宅というようなものもありますが、そういうものを除きまして、金融機関の対象とならんものを対象とする。こういう大体三点の基本的な方針を、第一条で規定いたしております。この第二条は、住宅とは居住の要に供する家屋ということと、それからその家屋の部分ということでありまして、その他の用途のものと一体になつた建物については、その部分を対象とすると、こういうことでございます。第三条は、「公法上の法人とする。」と、いわゆるガヴアメント・コーポレーシヨンというものとするという規定でございます。第四条は、事務所の規定でありますが、東京に主たる事務所を置きまして、地方に適当に支所を設けるということでございます。これは只今のところ、全国の大体七ケ所程度に支所を設ける予定でございます。第五条は資本金でありますが、すでに予算で御決定を願つております通り、取敢えず五十億円を政府が出資するということと、対日援助見返資金から百億円の限度におきましてこの公庫に交付をするということが予算で決定いたしておりますが、その受入れにつきまして、その交付をせられました資金はこれを公庫の資本金といたすと、こういう規定でございます。第六条は、登記に関する規定でございますが、これは例文的な規定でありますから、省略さして頂きます。第七条は、名称の使用の制限でございまして、第八条は、民法の適用につきまして、この種の機関と同様の取扱をするという意味の規定でございます。
第二章は、役員、職員に関する規定でありますが、第九条におきまして、役員としまして、総裁一人、理事五人以内、監事二人以内を置くと、こういうことになつております。第十条から第十五条までは、この役職員に関する政府機関といたしまして、通常とつております方法によりまして、しれに倣いまして規定したものでございまして、その点も例文的なものでありますので、大体省略いたしますが、総裁及び監事は主務大臣が内閣の承認を得て任命するということと、理事は総裁が主務大臣の認可を受けて任命する。こういうことになつております。第十六条は役員、職員の地位でございますが、これは一般国家公務員といたしまして、同じ取扱いを原則としていたすことになつております。
第三章の業務につきまして、少し詳しく申上げますが、第十七条におきまして業務の範囲を規定しております。第一項、第二項は貸付の対象について規定しておりますが、これを一括して申上げますと、対象になりますものは、新らしく住宅を建てる場合の建設資金と、それから新らしく建ちましてまだ人の居住の用に供したことのないもの、新築住宅というものも同様に対象にする。それからこれらの住宅に付随して新たに土地及び借地権の取得をする場合に、その土地代金についても同様に取扱う。こういうことでありまして、更に対人的な関係におきましては、第一項の一号、二号、三号にありますこの三種類のものを対象とするわけでありまして、一号は一般個人、第二号はそれらの人々によつて結成せられます住宅組合、組合を対象とする。第三号は賃貸住宅、貸家業を営むところの会社、法人これに対して貸付けると、こういう三種類のものとなつております。この第三号の賃貸につきましては、更に経営の際に入る人、住宅を借りる人に対してその選定の方法、家賃等につきまして第一号、第二号と同様の趣旨によつて、この本法の第一条の趣旨によりまして回収的な性格を果させることになつておりますが、この点は後程に又申上げます。第三項はこの附帯業務でございまして、いろんな場合の指導とか、斡旋とか、それから担保流れ等によります建物の管理とか、その処分とかというようなことについて規定しております。第十八条貸付を受けるものの選定でございます。これは抽象的に書いてございまして、これの具体的な事柄については、この業務方法書というものによりまして、主務大臣の認可によつて交付を定めるということになるわけでありますが、その根本的な事項について十八条に規定しておるわけでございます。例えばこの中で書いてありますように、住宅を必要とする事由、つまり住宅に本当に困つているかどうか、住宅困窮者を対象とするわけでありますので、そういう困つているかどうか、困つている度合、そういつたものの調査とか、それから貸付予定の戸数なり金額なりと、申込の状態、こういつたものを斟酌して決めるわけでありますが、全体的にこれらの決定については最後のところに書いてありますように、「公正に選ばなければならない。」とこういうことが根本精神でございまして、或る一部の人に特別優遇して貸付けるというようなことがないように、資格、条件等々のものに対しては実際の問題につきましては抽籤等の方法によりまして、成るべく情実が入らないように公正に決定するよいう方針でございますが、その根本的な趣旨を第十八条に謳つてあるわけであります。第十九条これは貸付をすることのできる住宅の範囲を規定したものでありまして、一つは規模によりまして、もう一つは建築物の程度、質の程度という二つの面から、比較的高級といいますか、贅沢とは言えませんでも、只今の状態としては贅沢の部類に属するというものを排除いたしまして、成るべく乏しくて本当に住宅なり、或いはその資金なりに困つておる人に行き渡るようにしたいという意味で、こういう制限を置いたわけであります。即ち百平方メートルを超えない、つまり三十坪以下のところを対象とするということが一つと、標準建設費の一・二倍を超えないもの、標準建設費というものは別に規定がありまして、これはこの施行命令によつて決める予定でありますが、木造は幾ら、鉄筋コンクリートなら幾ら、或いは地域別にどうと取り決めますと、これが大体只今の状態としましては、相当耐久力があり、この程度の水準以上のものという、そういう設計書に基いて、標準建設費を算定して定めるわけでありますが、その標準建設費の二割を超えない、二割までの幅を持つ、それ以上のものについては貸付の対象としない。こういう二つの制限を置いたわけであります。第二十条は貸付金額の限度でございまして、建設費の場合は住宅建設費の七割五分を限度とする。これは標準建設費とそれから請負契約をいたしましたときの実際の建設費というものと両方あります場合には、両方の低い方を建設費といたしまして、その七割五分を貸付ける。二割五分は自己負担をして頂く。こういうことでございます。それから第二項は六十平方メートル、十八坪でございますが、十八坪を超える住宅については例えば三十坪の家に対して貸付けるという場合においては、十八坪として建設費を算定いたしまして、それの七割五分を限度とする。大体三十坪の家でありますと五割程度に貸付をするという結果となるわけであります。段々小さい程逓増いたしまして、十八坪以下のものは七割五分まで貸付ける、そういうことになるわけでございます。土地につきましても、土地の一定の建物に応ずる標準を設けまして、その程度の広さのもの、そうしてそのそれぞれの土地について定めました標準の価額というものから算定いたされます土地の取得費、これの七割五分までを貸付ける、こういうことになるわけであります。これは相当重要な関係がありますから、公庫主務省令で定める方法によつて公表をすることになつております。第二十一条は、貸付金の利率と償還期限でありまするが、利率は各種の構造のものを通じまして年五分五厘と一定いたしました。期限につきましては、耐用年限に差違がありますから、木造では十五年以内、鉄筋コンクリート造、これに類するものでは三十年以内、その中間に属する簡易耐火構造、例えば壁だけはブロツク造、石造、床とか屋根などは木造、その中間のものは二十年以内となつております。これにつきましては主務省令で尚詳細規定いたします。
それから第三項貸付金の償還、これは割賦償還の方法によります。大体一月とか三月程度の元利均等償還の方法にいたしたいと思つております。いろいろな償還方法がありますが、これが一番貸付を受ける方の側の有利であります。又期限も成るべく短い方が有利じやないかと考えますので一月を原則にしまして、場合によつては三月というこの程度のことを考えております。第四項は、一時償還を請求することができる場合を規定しておりますが、一号から九号までございますが、いろいろ貸付の条件に違反をいたしまして、例えば償還を怠り、或いは貸付の目的以外に何か外の用途に変更してしまうとか、他人に勝手に売つてしまうとか、そういつたようなことにつきましては、これの罰則としまして罰金を取るとか、いろいろな方法もございますが、この場合には一時償還、お貸しした金を繰上げて残高全部をお返し願う、こういう方法によりまして適正な運用をするように指導監督することにいたしたい、こういうふうに考えております。それから第五項は償還を請求いたしまして、一時償還に応じないといつたような場合には建物には抵当権を設定いたして置きますが、その抵当権の実行をすることになつております。かような方法によりまして、貴重な財政資金の回収の確保を図りたいという趣旨でございます。第二十二条は貸付の条件の変更等に関する規定でありますが、火災などの場合には火災保険をつけて頂いて、これをそれによりまして担保するわけでございますが、火災保険のかからないような風水害とか、地震とかいうような場合もありますので、そういう際には、そういう災害など特殊の事情によつて償還不可能になるといつたような場合には貸付条件の変更、即ち条件の緩和を認めて、少し延ばして上げるとか、いろいろな方法で条件を変更するといような場合が考えられますので、そういう場合についての規定を設けたわけであります。第二十三条は、業務の委託でございます。公庫の役職員につきましては、予算によりまして全体で百五名を定員といたしております。これは実は百五十億の資金を運用するためには、公庫自体のみで運用しますためには非常に少ない数字でございますが、この種の公団政府職員というものをできるだけ少なくしようという気持もありますし、又却つて煩瑣な事務については、その都度適当な専門的な技能を有する方にお願いする方が却つて効果的ではないか、こういうことで実際的には業務の大半はこれを委託するという建前になつております。委託します先は銀行その他の金融機関と、もう一つは地方公共団体であります。この二種類の機関がございます。銀行については申込の受理、それから貸付に関する審査と、それから資金の貸付、払出し、それから元利金の回収、大体これだけの業務を委託いたします。地方公共団体に対しましては、主としてこれは技術的のものでありまして、住宅の建設工事の審査、予め貸付に際しまして設計図が適当なものであるかどうか、その使用書がどうか、その使用書に基いて見積りが適正であるかどうか。そういう果して適当な質を持つた住宅であるか、それに相応する金額であるかという点について技術的な審査をお願いするものと、それから建て方の度合に応じまして貸付金の払出しをして行くわけでありますが、その工事の進渉の度合を鑑定するということと、この二つのことを地方公共団体にお願いするということであります。但し貸付の決定についてはこの限りでないとあります通り、貸付の決定の権限については一切こういう機関にお願いするわけではなくて、公庫自体が決定をするわけであります。それから第二項は、この業務の委託をする場合に公庫はこの委託に関する準則を示して、こういう限度において、こういう方法によつて業務をやつて頂くという規定を決めなければならんということになつております。それから第三項は手数料でありまして、相当の手数料をこの二種類の受託機関に支払わなければならないということであります。それから第五項に一応の決定の権限ではなくて、一応の調査でありますが、できることになつていますが、それにいたしましてもこの調査の適正を期するために、六項で金融機関の役員、職員等でこの業務に従事する者に対しましては、刑法などの規定の適用については公務に従事する者と同様な制裁を受けるということを規定いたしております。
それから二十四条業務方法書でありますが、公庫はいろいろな点につきまして業務方法書を定める。そうしてこれを主務大臣に提出いたしまして認可を受けなければならんということになつております。その第二項はその業務方法書の内容に規定すべき事項でありますが、貸付の方法とか、元利金の回収の方法とか、住宅の規模、及び規格、それから委託業務に関する先程申しました準則とか抵当権の設定、火災保険契約の締結、建てた建物の善良なる管理、維持補修の義務、それから大修繕、大改築を加えるというような場合には勝手にやらないで、公庫の承認を受けるといつたような事柄について業務方法書に記載しなければならんわけであります。第二十五条は、この事業計画と資金計画でありますが、予算書で決りました範囲におきまして、四半期ごとに事業計画、資金計画を作成しまして、そうして主務大臣の認可を受けなければならんことになつております。第二項は事業計画に関連した問題でありますが、事業計画を立てます場合に、先程第十七条で対象となるものが三つございました。個人と組合とそれから貸家業を営む会社、法人の三つでございましたが、この公庫の主たる目的とするところは個人が自分の家を建てる、その場合に資金の融通するというのが根本の考え方でありますので、この貸家業を営む会社、法人に対する事業の枠というものを規定したわけでありまして、年間を通じまして百分の三十以下にする。全体の資金がこの第三項の会社法人などに三割以上流れるというようなことはいかん。七割以上は個人、組合これに割当てなければならんという規定でございます。
第四章は、会計に関するものでございまして、これは一般公団などと同様に予算、決算を法律の定めるところによるということとか、利益金の処分はこれは国庫に納付しなければならない。余裕については二十八条の制限を受けるというようなこと、その他会計帳簿、会計検査院の検査ということは当然に財政資金の関係から必要となる規定でございます。
第五章は、監督でございまして、これは主務大臣及び大蔵大臣でございますが、この主務大臣が全般的に監督いたしまして、この訴訟などの特例などにつきましては、法務総裁が監督するということになつております。それから又業務に関して主務大臣は監督上必要な命令をすることができるというようなことで、監督権、命令権、これを広汎に主務大臣に委ねられるわけであります。第三十二条は役員の解任でありまして、これは省略さして頂きます。それから第三十三条は報告、検査に関するものでございまして、公庫或いは受託機関等につきまして、立入り或いは帳簿の検査をするというような規定でありますが、ただ受託金融機関につきましては、当該委託事務の範囲内に限るものでありまして、銀行一般の検査、全体的な検査はできないという或る程度の範囲を限定いたしております。それから又第三項にありますように、犯罪捜査のためにこういうものを利用しちやならぬ、当該業務に限定して調査し、報告を求める、こういうことになつております。
第六章は雑則でございますが、三四条は貸付金の使途の規正、これは一般的に貸付金を他の用途に使つてならぬということと、それからその事柄を確保いたしますために、必要に応じては工事の施工者に対して直接資金を交付するなど、適切な措置をとつてもよろしい、必ずしも資金を借受ける方に支払わなくても、工事をする者に支払う、いわゆる紐付金融ということによりまして他に流用することを避ける、こういう方法をとる場合もあり得るということであります。第三十五条は、先程申上げました第十七条第三号の場合、即ち貸住宅を経営するところの会社、法人に対しまして、借受人即ち入居者の選考の方法と、それから家賃につきましての規定でございます。第一項におきまして賃借人の資格、賃借人の選定方法、これらにつきましては主務省令で定めまする基準に従つて賃貸をしなければならぬということ、家賃につきましても、地代家賃統制令の定めるものの外に、更に主務省令で家賃の限度を定める、それを超えて契約したり、受領したりする場合には、これは罰則のところにございますが、これは十万円以下の罰金に処するというふうに相当重い刑罰を以て臨むということになつております。それから三十六条は、利益金の配当制限でございますが、只今申上げました賃貸住宅を経営する会社、法人に利益がありました場合に、一割を超えて配当したり分配したりすることができないということでございますが、これは非常に念の入つた規定でございます。現在の状態におきましては、この賃貸住宅経営ということは到底引合わないくらいでございまして、百分の十の利益はないと思いますが、将来のことも考慮いたしまして、この規定を念のために置いたわけであります。三十七条は、会計検査院の関係それから三十八条は訴願法の関係。それから三十九条、四十条は役職員に関する共済組合の関係。それから四十一条は健康保険等との関係。四十二条は労働者災害補償保険法、労働基準法などの関係。四十三条及び四十四条は失業保険の関係、この役職員につきまして国家公務員として当然に必要となる規定でありますから、詳細は省略いたします。第四十五条は主管大臣とそれから主管省令を挙げたのでございます。
第七章は罰則でありますが、只今申上げました第三十五条の違反、賃貸経営の会社、法人に対する主務省令の違反については十万円以下の罰金ということになつておりまして、その他につきましては比較的軽い刑罰を以て臨むことになつておりますが、この関係を四十七条から五十条までに規定しておりますが、これは省略いたします。附則は、この法律は公布の日から施行いたしますが、施行と同時に主務大臣が設立委員を命ずることができるようになつております。そうして設立準備をいたし完了いたしまして、遅滞なく政府に対して資本金の払込みを請求する。そうして資本金の払込みのあつた日においてこの事務を公庫の総裁に引継ぎます。そうして総裁、理事及び監事の全員は設立の登記をいたしますと、それによつて公庫が成立するわけでございます。附則の第七項以下は、これに関連いたしまして、各種の法令を整備したものでございます。
以上非常に簡単でございましたが、この法案の大体を御説明いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714149X01519500407/3
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004・佐々木鹿藏
○佐々木鹿藏君 大体御説明が終つたようでありますから、質疑をすることは後に延ばして、今本会議が始まつて重要な懲罰問題を解決する、もう五分か六分すればそれになるかと思いますので、暫く休憩をして頂きたい。
(「散会」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714149X01519500407/4
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005・中川幸平
○委員長(中川幸平君) それでは質疑は次回に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。
午後二時四十三分散会
出席者は左の通り。
委員長 中川 幸平君
理事
赤木 正雄君
委員
島田 千壽君
石坂 豊一君
大隅 憲二君
佐々木鹿藏君
安達 良助君
安部 定君
久松 定武君
北條 秀一君
政府委員
建設政務次官 鈴木 仙八君
建設事務官
(住宅局長) 伊東 五郎君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714149X01519500407/5
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