1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年四月十九日(水曜日)
午後二時四十七分開会
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本日の会議に付した事件
○地方自治法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
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001・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それではこれより委員会を開会いたします。
地方自治法の一部を改正する法律案を議題に供します。ちよつと速記を止めて……。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/1
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002・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて……それでは第百九十九條に移りますが、第百九十九條につきましては政府より改正があります。その説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/2
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003・高辻正己
○政府委員(高辻正己君) 第百九十九條の改正点につきまして御説明申し上げます。この改正の要点は監査委員の監査の範囲を従前の範囲以上に亘らせまして、「普通地方公共団体が補助金、交付金、貸付金その他財政的援助を與えているものの出納その他の事務の執行を監査することができる。」ということにいたしたのでございます。現行規定によりますると、監査委員の監査の対象は事業の管理と出納その他の事務の執行ということになつておりますが、この論点にもございまするように要望もございまして、その一部を取上げて監査委員の監査の対象を拡げようというものが改正の趣旨でございます。
もう一点は監査委員が監査の結果を報告いたします対象が現行規定によりますると、「所轄行政庁又は普通地方公共団体の議会及び長」ということでございますが、その下に「並びに関係のある選挙管理委員会、教育委員会その他法令又は條例に基く委員会又は委員」というふうに報告することによりまして、報告の対象をも拡張しようという改正の趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/3
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004・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 尚この百九十九條につきましては、全国都道府県の監査委員協議会連合会その他から種々の要望が出ております。その一つは第一項に次のごとく加えて貰いたい。「その他の当該普通地方公共団体の事務及び当該普通地方公共団体の長の権限に属する事務の執行を監査する。」ことにして貰いたい。又末項に一項を加えて、「監査委員は必要があると認めるときは普通地方公共団体の長に対し、監査の結果に対する措置につき報告を求めることができる。」ようにして貰いたい。それから又大都市監査委員協議会からは、やはり末段に次のごとく加えて貰いたい。「並びに当該普通公共団体の長、地方自治法第百五十五條第二項の市の区長及び選挙管理委員会、教育委員会その他法令または條例に基く委員会または委員の権限に属する事務の執行を監査する。」ことにして貰いたい。それからもう一項を加えて、「監査委員は当該普通地方公共団体が補助金、交付金、貸付金その他財政的援助を與えているもの及び出資しているものの出納その他の事務の執行を監査することができる。」ようにして貰いたい。又「監査委員はその職務を行う上に必要があると認めるときは、関係人の証言及び記録の提出を請求することができる。」ようにして貰いたい。それから熊本県の監査委員全員からは、次の一項を設けて貰いたい。「必要ありと認めるときは、全員の合意により次の方法をとることができる。(一)監査を受ける者が書類をかくし、提出を拒否したときはこれを押收する。(二)監査事項に関係のある個人又は団体の責任者に出頭を求め、証言をなさしめ、記録を提出させること。三地方自治法第百條二項乃至七項の規定は前行の規定に準用する。」こういう一項を加えられたい、こういうような要望が出ております。これに対する政府の答弁を承ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/4
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005・高辻正己
○政府委員(高辻正己君) 只今委員長が御指摘になりました諸点は、大体に言いまして監査委員の監査の対象を著しく拡げたいという点と、その執行のために必要な便宜を取りたいという点が主眼であろうと考えるのであります。先程触れましたように現行規定の監査の対象と言いますのは、その公共団体の事業の管理と、それから出納その他の事務の執行ということに相成つておるわけでございますが、事務の執行そのものにつきましては、出納を離れた事務の執行そのものにつきましては、実はこれは執行機関がやることに対しまして議会が広くそれを監査するといいますが、それを監視する機能を持つべきなのでありまして、特別に庁の執行部内にそのような監査機関を置くということは、事柄自体において相当研究をする必要があろうと思うのであります。特にこの出納その他出納に関連する事務の外に地方公共団体の機関に対する委任事務につきまして監査委員の一般的監査権を認めようというようなことになりますると、主務大臣の一般的監査の点もありまするし、それから国の会計検査制度等にも重複する結果になることでもありまするし、却つて能率を阻害するようなことにもなりまするので、地方自治法の建前から言いまして、これはむしろ不適当なことであろうと考えております。尤もこの要望のうち、先程御説明いたしましたような監査委員が、普通地方公共団体が補助金、交付金、貸付金その他財政的援助を與えているものの出納その他の事務の執行について監査することができるようにして貰いたいという御要望は、先程触れましたように、今回の改正でその程度は差支えないことと考えまして、改正に入れているのでございまするが、その他の諸点におきましては、これは議会の関係もありまするし、それから監査委員制度の本来の目的から言いまして、適当でなかろうというふうに考えているわけでございます。
尚この監査の結果に対する措置につきまして、報告を求めることができるというふうにして貰いたいというのが一つございまするが、監査委員の監査は今後の行政を執行する上の反省の資料でありまするのと、議会に取りましては議案などの審議において重要な資料となりまするし、住民に取りましては自治行政に対する関心を喚起するに役立つものでもありまするので、これらのものが監査官の報告に基いて具体的にどんな措置を取るかはどのようなものも自由であり、取つた措置は後の監査のときにみずから明瞭になることでありますので、法律上これの報告を求める権能というようなものを特に置く要はないように考えるのであります。それから更に証言を求めるというようなこともございまするが、これは監査委員制度自体が非遠の剔抉ではなくて、行政能率自体の向上ということを目的として制度でありますが、いわば執行機関側における内部監査的なものでありまするから、これを一般部外者の出頭や証言、記録を提出する権利を認めるようなことは、却つて混乱を惹起すばかりでなく、独任制の執行機関であるという建前に弊害を予想されるようなふうにも考えられまするので、只今のところむしろ適当でないと考えておりまするが、尚再三申上げまするように、この制度自体が実は新規の制度でございますので、尚こういう点は十分に今後の研究の材料として考えて行くことはいたしたいと思いまするが、今のところは只今申上げましたような趣旨によりまして、改正の必要はなかろうと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/5
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006・堀末治
○堀末治君 私共はよく地方自治法は呑み込めないのですが、監査事務というものは誰の指揮命令を受けるものなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/6
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007・高辻正己
○政府委員(高辻正己君) これはいわゆる執行機関と議決機関と分けますと、執行機関側の機関になりまするが、その本来の事務を遂行することにつきましては、これは長の指揮監督を受けるというようなことはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/7
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008・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質疑ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/8
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009・堀末治
○堀末治君 全然独立とも考えられないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/9
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010・長野士郎
○説明員(長野士郎君) 只今の御質問でございますが、監査委員も執行機関一つのグループに属するわけでございます。それから監査委員の選任につきましては、やはり任免権者として知事や市町村長、或いは議会が参加いたしますが、でき上りました監査委員の任務というものは、直接にはそういう議会なり、知事、市町村長側から要求を受けて行うというのじやございませんので、これはみずから独自の監査を行なつて参るわけでございます。従いました監査委員の基本は、やはりそういう住民を以て構成いたしておりますところの自治体事務の特に出納会計関係におきまして、住民の信託を適当に果しているかということをみずからの使命で監査をするという建前になつておりますが、ただ議会が事務調査をいたしますような場合に監査委員の監査を求めるというような規定がありまして、そういうような場合には議会の要求に基いて監査委員が監査をいたす、或いは又住民の直接請求によりまして監査請求ということもできるようになつておりますから、そういう場合にはその請求に基いて監査委員が監査をする。つまり監査委員というのは、結局は一つの地方団体の執行に属する機関ではございますが、住宅自体の一つの代表者、間接的にはそういう意味での代表者として地方団体の会計や出納の事務公正を期するために作られた機関だというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/10
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011・堀末治
○堀末治君 そうしますと、この監査委員というものは一つの地方の公共団体を構成している市民といいますか、都民といいますか、区民といいますか、その責任を負うわけでございますね。それで監査の結果を一体どう処理するのか、これだけで見ると、監査の結果を処理することについて何もこの中の規定してないようです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/11
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012・高辻正己
○政府委員(高辻正己君) それは百九十九條を御覧頂きまして、その第五項にございまするのですが、監査委員は監査の結果を得ましたときには、「所轄行政庁又は普通地方公共団体の議会及び長に報告し、且つ、これを公表しなければならない。」こういうことによつてその結果を問うということになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/12
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013・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質問ございませんか、では、一つ聞いて置きたいのですが、大都市の監査委員協議会から出ておる問題で、政府の改正案に採上げられておる点が多いのでありますが、これは「補助金、交付金、貸付金その他財政的援助を與えているものの出納その他の事務の執行を監査することができる。」と、こうなつておりますが、公共団体が出資しておるものの出納についても監査ができるようにして貰いたいというふうに、大都市の監査委員協議会から出ておる。なぜ出資しておるものの出納についての監査を除かされたか、その理由を聞いて置きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/13
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014・高辻正己
○政府委員(高辻正己君) この点の前半については、今回の改正に出ておるわけですが、ただ出資しているということは、これは一般の出資という場合と同様に取扱つたわけでございまして、この出資だけについて監査委員を差向けるというようなことは憚つたという意味合で入れなかつたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/14
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015・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質疑ございませんか。
それでは次に移ります。二百條は済みました。次の第二百三條第一項につきまして、都道府県選挙管理委員会連合会九州支会から陳情が出ております。それは選挙長、投票、開票管理者、立会人に対する報酬を国会議員の選挙におけるこれらの職務を行うものに対する費用弁償と同様に改正されたい。これに関係しまして公職選挙法が出ましたので、この地方自治法の改正を要する点がその点で随分あるだろうと思いますが、それが公職選挙法の附則で全部整理されたかどうか、その点を伺つて置きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/15
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016・高辻正己
○政府委員(高辻正己君) その公職選挙法との関係につきましては、別に触れていないわけでございます。ちよつと、この二百三條の第一項について言つております要望がどういう事項であろうか、ちよつと判断がしにくいのでございまするが、これはいずれにしましても、現行の規定によりまして自治法の二百三條に報酬の支給、費用弁償というようなことが現行法の下においても規定されておりまして、それは普通地方公共団体が定めることに相成つているわけでございます。特に支障の廉はないと思うのでございまするが、尚御質問がありますれば、それに関連してお答えしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/16
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017・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) この意味は、国会議員の選挙におけるこれらの職務を行う者に対する費用弁償と同様の額にして貰いたいという意味だろうと思います。きつと府県会議員とか調査会委員とか、そういうときの選挙長、投票開票管理者とか、立会人に対する費用が非常に少いという意味だろうと思うのですが、これは法文の問題でむしろないと思いますが、その点について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/17
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018・高辻正己
○政府委員(高辻正己君) まあ法文の建前としては先程申しましたように公共団体が決めるわけでございまするが、それを国並みに扱えということでありますとすれば、これはやはり国の事務と同様な性質の事務を取扱うのでありますから、同様の取扱いをするのが適当かと思うのでありまするけれども、特に法文の上にそういうことを明確にするのも如何かと思いますが、実際の面におきましては、そういうふうであるようにしたいと思いまするし、そうあることを希望もいたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/18
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019・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 地方自治法と公職選挙法との関係はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/19
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020・長野士郎
○説明員(長野士郎君) 公職選挙法と地方自治法の二百三條との関係は、この度の公職選挙法の整理法におきましても異同はございませんので、やはり二百三條は現行規定のまま、公職選挙法が施行になりましても行われることになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/20
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021・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) その他の條文については皆整理が済んでおりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/21
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022・長野士郎
○説明員(長野士郎君) その他の條文については整理が済んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/22
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023・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。
それでは次に移ります。第三百四條につきまして、衆議院の方の改正試案に、第一項の、議会の下に事務局長を加えるようにしたい、こういうのがあります。それについて意見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/23
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024・高辻正己
○政府委員(高辻正己君) これは前からしばしば問題になりました議会に事務局を置くかどうかということと必然の連関があるものでございまして、若し事務局が置かれることになりますれば、事務局長を加えるものも当然であろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/24
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025・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 次に移りまして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/25
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026・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それでは二百七條の改正から二百五十七條の改正、政府提出案につきまして御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/26
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027・高辻正己
○政府委員(高辻正己君) 先ず二百七條の改正でございまするが、これは地方公共団体の一定の事務に関連しまして、出頭した人々の実費弁償のことについて規定してあるわけでございます。そのうちに直接請求の署名の効力を決定する場合に、関係人を喚び出すといふ途が今回の改正によつて出ているのでございますが、そのもの、それから特別委員会に出て来る人、参加する者に対する実費弁償、そういうものを入れまするために、所要の改正を施したのでございます。
次に二百十七條でございまするが、それは公聽会の開催に関する改正でございまして、従前の規定によりますると、議会又はその常任委員会が公聽会を開くことができるように相成つておりまするけれども、本会議におきましては、議会独自の見解に基いて審議し且つ採決すべきでありまして、公聽会による住民からの意見の聽取は、常任委員会なり特別委員会においてなすべきであろうという趣旨から「議会又はその常任委員会」という字句を「議会の常任委員会又は特別委員会」という字句に変更を加えたわけであります。
それから次が第二百二十五條の改正でございまするが、これは普通地方公共団体の收入を定期内に納めないときに延滞金を徴收する途を開いたものでございます。
それから第二百三十八條の改正でございまするが、これは條例の制定又は改廃の場合と同様に、予算の議決の場合の処理手続を明確にしたものでございます。
それから先程もちよつと触れましたが、第二百四十四條のこの規定でございまするが、これは出納長又は收入役その他の職員の公金亡失の場合又は物品毀損に対する賠償責任の規定を整備いたしまして、公正な事務の執行と法律の確保を図ろうというための改正規程であります。
それから次の第二百五十五條の二でございますがこれは個々の規定に列挙いたしました事項の効力に関する争いにつきましては、その争いの提起期間、争訟期間、それから管轄裁判所等につきましては、裁判所法の定める一般原則によらないで、すべてこの法律の定めるところによるということを明瞭にいたすための改正でございます。
次に第二百五十七條でございまするが、これは訴願につきまして規定を整備いたしたものでございます。
簡單に申上げましたので、何か更に質問がございますれば、それに応じましてお答えを申上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/27
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028・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 御質問をお願いします……。
それでは伺いますが、第二百十七條の第三項ですね、それで現在の規定は分担金を徴收する條例は、普通公共団体の議会において予め公聽会を開く、こういうふうになるわけですね、そうすると議会そのものが今まで公聽会を開いておつたんですから、その実際例はどうなんでございますか。常任委員会では勿論やつていたんですが、議会そのものとしても公聽会を開いておつたものか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/28
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029・長野士郎
○説明員(長野士郎君) 最初この二百十七條の二項に議会というのを入れましたのは、大都市或いは都道府県におきましては、常任委員会制度がございますけれども、小さな町村におきましては勿論常任委員会制度を採つておりませんので、そういう町村におきまして分担金徴收條例を定めます場合に、公聽会をどこでやらせるかということにつきまして、不便があつても如何かと思いまして、議会でもやれる、議会でもやるんだということに規定をいたしたわけでございます。併し先程高辻部長から御話申しましたように、そういうこと自体について問題があるということになりますので、特別委員会でも公聽会が開けるような途を作りましたので、そういう小さな町村におきましては、従来のように議会で公聽会を聞くことを止めまして、そういう場合には全体の委員会という形で公聽会を開いて頂くようにしたいというので今度の改正を考えたわけでございます。現在はすべて町村議会等におきましては、議会を開きまして、そうして公聽会を開いておつたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/29
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030・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) そうしますと、村なんかの議会におきまして、公聽会を開こうと思えば特別委員会というものを作らなければならない、こういうことになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/30
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031・長野士郎
○説明員(長野士郎君) そういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/31
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032・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) その点改悪じやありませんかね。何故そういう必要があるか、現行の規定の方がいいんじやないか、それともその常任委員会だけでは足らないで、特別委員会というものを入れれば足りるというのですか、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/32
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033・高辻正己
○政府委員(高辻正己君) 町村等においては特別委員会を特別に設けてやるまでもないではないかということと存ずるのでありますが、これは結局考えようだろうと思いますのであります。これは同じことではありましようが、その議会そのものにおきましてやります場合においては、これは飽くまで議会独自の見解に基いて審議し採決をするという建前を実は取る方が適当であろう、それでありまするので仮に同じ構成でありましようとも、その場合にはやつぱり特別委員会というもので一応公聽会を開いて、それでその結果に基いて議決をしようというような場合にはこれは議会の本来の姿に戻つてやるようにした方が適当なんではなかろうかというように考えたわけなんでございます。実質的に言えばこれは委員長がおつしやる通りであろうと思いまするが、考え方を実は決定したいというような観点に基いたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/33
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034・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それからもう一つ、二百五十五條の二の場合、これに公職選挙法との関係はどうなりますか。これは附加えるのですか。公職選挙法の関係があつて訂正を要するのじやありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/34
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035・長野士郎
○説明員(長野士郎君) 御指摘の通りにこの改正法案を出しました頃には公職選挙法がはつきりいたしておりませんでしたので、ここに「地方公共団体における補充選挙人名簿、議会の議員又は長の選挙又は当選、」と、こういうふうに出ておりますが、この度公職選挙法が通過いたしましたので、衆議院の委員会の方で御心配になりましてこの「補充選挙人名簿、議会の議員又は長の選挙又は当選、」というこれだけの字句を修正で削除されるというようなことになつておると聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/35
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036・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それじや分りました……。御質疑ございませんか。それじや次に移ります。
二百八十一條につきまして、東京都特別区協議会内の二十三区の自治権拡充連合委員会の委員長から申出がありまして、特別区の自治権を拡充されたいということ。それから二百八十一條につきまして、板橋区長外九十一名から東京都の特別区には、市町村と同樣の課税権を賦與すること、各区の間に平衡交付金的制度を設けること。それから二百八十三條について、第一線的事務はあげて特別区の自治活動に委讓されたい、これは二十三区特別区財政自主権確立期成大会、これらは今東京都及び二十三区の間に自主権拡充問題についていろいろ問題が起つております。それと関連が大きいのでありますが、この点について、地方自治庁としてはどういうふうに考えているか、その点を、意見を述べて頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/36
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037・高辻正己
○政府委員(高辻正己君) この都と区の関係につきましては、いろいろと御意見があるところでありまするけれども、いずれにいたしましても、地方制度の根幹に触れる重大な問題でありまするので、今少しく研究を重ねて善処いたしたく存ずるのであります。殊にこの問題は、只今委員長が仰せになりましたように、目下東京都におきまして、一つの委員会を作りまして、検討をいたしておりまするので、この方面の意見も参考に資しまして、いずれかの機会におきまして、結論を上げるようにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/37
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038・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それでは地方自治法改正の論点の残りの部分は附則の第二條に関するものが主でございますが、これは後廻しにいたしまして、政府の改正法律案の附則全体の説明を伺つて置きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/38
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039・高辻正己
○政府委員(高辻正己君) 附則につきまして御説明を申上げまするが第一項はこれは施行期日を規定したものでございます。ただここにありまするように、昭和二十五年一月一日から施行するという、只今から見ますと、大変な規定ではございまするが、これはいずれにしましても、御修正を願うところであろうと存ずるのであります。
それから第二項はこれは本日最初に申上げました部局の廃止の関連で、特に必要とされる規定でございます。即ち改正規定によつて存置させることができなくなつたものはこの法律施行の日から九十日以内に限つて存続させることができるという規定を置きまして、急速な変改を避けようとしたわけでございます。
第三項は、都道府県知事は通商産業局出張所の所掌に属する事務、道路運送監理事務所の所掌に属する事務で、この法律施行の際にその権限に属する事務を分掌させるために條例で事務所を置くものとするという規定でございまするが、これは御承知の通りに、先にこれらの事務が國家事務から都道府県の事務に委讓されましたに伴う関係の規定でございます。併しながらこの際と時期が大分縣隔がございまして、通商産業局出張所というものは今の状況で行きますと、特にこれがために事務所を置く必要も実はなくなつて参つたのでございます。従いましてこれも衆議院或いはこちらにおきまして御修正を願わなければならない規定の一つでございます。
それから第四項は只今申上げたことに関連する事項でございます。
第五項は、今回の改正に伴い必要な整理を法律に加えたものでございます。
第六項も同様の趣旨で、裁判所に現在かかつておるものについての経過規定でございます。
第七項は、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は政令で定めるといういわば例文的な政令の根拠をここに明らかにした趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/39
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040・堀末治
○堀末治君 この一月一日から施行するということになつているのは今のお話だというと、これは政府の方では今度の国会でこの法案が通ればいつからやることが便宜だとお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/40
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041・高辻正己
○政府委員(高辻正己君) これも国会におきまして御可決に相成る時期と非常に関連する点があるわけでございまするが、只今のところは五月一日であれば相当無理とは思いまするけれども、その頃が適当ではないかというように一応考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/41
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042・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 他に御質問ございませんか。
それでは今日はこれで散会いたします。
午後三時二十七分散会
出席者は左の通り。
委員長 岡本 愛祐君
委員
三木 治朗君
黒川 武雄君
堀 末治君
岩木 哲夫君
柏木 庫治君
西郷吉之助君
鈴木 直人君
政府委員
総理府事務官兼
法務府事務官
(地方自治庁連
絡行政部長法制
意見総務室主
幹) 高辻 正己君
説明員
総理府事務官
(地方自治庁行
政課長) 長野 士郎君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714720X03319500419/42
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