1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十五年三月九日(木曜日)
午前十時五十八分開会
—————————————
本日の会議に付した事件
○文部省設置法の一部を改正する法律
案(内閣提出)
○日本国憲法第八條の規定による議決
案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/0
-
001・河井彌八
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。政府側の出席の順によりまして、文部省設置法の一部を改正する法律案、これを議題に供します。前面に引続いて委員諸君から御質疑がありますれば、この際お願いいたします。政府の側から補足的の説明があれば、この際お願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/1
-
002・森田孝
○政府委員(森田孝君) 別に…発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/2
-
003・三好始
○三好始君 文部省教育施設部の出張所の廃止に関連してお尋ねいたしたいと思います。出張所の廃止後の事務処理の方法として、技術職員を全国の主要国立大学数ヶ所に派遣するという構想になつておるわけでありますが、これを長期出張等の形式でやりたいというのが提案理由の御説明であります。ところが、この点に関連して前回私がお尋ねいたしますと、長期出張の形式をとりますと、出張旅費等の関係もあるので、尚研究をいたしたいというようなお答えであつたと思うのであります。出張の形式が不適当だということになりますと、その他にどういう形式が考えられておりますか。又主要国立大学数ヶ所に分れても、実際の事務はその大学以外にも亘つて事務を処理して行くことになると思うのでありますか、それを大学の、仮に職員というようなことになりますというと、他の大学以外の仕事をすることが、どういう形で行われるものか、こういうことについてお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/3
-
004・森田孝
○政府委員(森田孝君) 只今お話のありました点につきましては、先日の委員会以後も更にいろいろ研究を重ねておりますが、又関係各省とも連絡をとりまして協議をいたしておりますが、現在までに得た結論といたしましては、本省員を従来出張所がありました地域の国立大学に在勤を命ずるという辞令を出しまして、その職務上の命令は本省の方から直接命令をされるのです。そうして何と言いますか、区処につきましては、行政法上適当の言葉かどうか分りませんが、区処につきましては、その大学の事務局長がこれを掌るというふうにいたしたらどうかと思います。この前例といたしましては、目下引揚援護に関しまして、舞鶴その他に厚生省の所管になつております出張所があるのでありますが、ここに文部省員が駐在を命ぜられまして、その職務上の命令は文部大臣がこれを行つておりますが、区処は各厚生省の所管の出張所長が区処を行つておるのであります。区処と申しますのは、我々が意味しておりますのは、例えば勤務の時間、或いは又場所、その他のことを指定することを指しておりますので、そういう現場における勤務の條件などにつきましては、現場のそれぞれの所管の長が直接これを支配していた方が便利かと思いますので、そういうような形でやるのか一番適当かと、現在のところでは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/4
-
005・三好始
○三好始君 只今の御答弁によりますと、出張所の廃止の問題は、物資関係の事務が縮少されて営繕関係が残る。それが主要国立大学数ヶ所に移転する。そうして出張所長に代るにその大学の事務局長ですか、そういう人が当る。まあ大体こういつたような形で、実質的には文部省の出張所と同じようなものがやはり残ることになりはしないか。これはいい悪いは別でありますが、実際そういうことに、客観的に考えてなるのではなかろうかと思う。こう思うのでありますが、如何でしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/5
-
006・森田孝
○政府委員(森田孝君) この点につきましては、先般文部大臣及び私から御説明申上げました概括の説明の中でも申上げましたように、施設部の出張所のできる以前におきまして、すでに営繕工事を所管するための出先の機関か明治以来あつたのであります。従いましてこれは本省から出て直接これを行う場合におきましては、出張の旅費なり、或いは現場の監督なりという点の仕事を十分掌るという点につきまして、極めて遺憾の点が多いということに関連しましてできた組織でありまして、この施設部の出張所を廃止した以後におきましても、この点は天災その他の関係で、営繕工事の関係でその必要性が増して来ると考えるのであります。
出張所についてもう一点お尋ねがありましたのですが、これは御承知の通りに出張所にしておきますと、所長以下の一般行政事務の中に庶務関係の人員がこれに附随して参ります関係もあり、定員の関係だけからでなく、その他の一般行政費の費用が非常に掛かるのであります。建物なども或る程度別にこれを設けておるというような関係もありますので、そういう点から言いまして、現在あります出張所が廃止された以後におきましては、今申上げましたように一般行政関係の費用が全部節約になるのであります。今の出張所が引続きその残滓を残して行くということはちよつと言えないのじやないかと我々は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/6
-
007・三好始
○三好始君 文部省関係の審議会の活動状況について本日資料を出して頂きましたが、青年の職業教育の方面をいろいろ審議する審議会はこの中のどれになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/7
-
008・森田孝
○政府委員(森田孝君) 青年と申しますとちよつと範囲が漠然といたしておりますが、ここにあります職業教育及び職業指導審議会というのか、今お尋ねの目的を達すると申上げてもよいと思いますが、この職業教育及び職業指導審議会は、本質的には、大部分は学校における職業教育及び職業指導でありますけれども、卒業後における、各職場におけるところの職業教育及び職業指導は主として労働省の所管に属しておるのでありまして、従来はこの職業教育及び職業指導審議会が労働省と文部省の共管になつておつたのであります。現在におきましてもこの点につきましては両省密接な連関を取つていたしておりますが、学校教育の部分につきましては文部省の所管だという意味において、その連繋を密にいたす前提の下に、両省がそれぞれの審議会を設けて行なつておるわけであります。一般学校以外のものは労働省の所管とお考え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/8
-
009・三好始
○三好始君 私は青年の職業教育というような漠然とした言葉を使つて不適当だつたと思うのでありますが、私が申した意味は、義務教育を終つて実務に従事しておるものの教育、義務教育を終つて間もない青年期の職業教育のことを意味しておつたのであります。これは現実的には定時制高等学校などによつて教育が行われる面があるわけでありますが、定時制高等学校の就学状況などから考えますると、定時制高等学校に入学しておらないものに対しても相当、職業教育に限るわけではありませんが、主として職業教育についていろいろ考えなければいけない問題があるのじやないか、こういうことで、その方面の審議をするのがどの審議会であり、どの程度の問題が取上げられておるか、そういうことをお聴きしたいと思つておつたわけでありますが、只今の御答弁の外にそういう方面で何かありましたらお聴きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/9
-
010・森田孝
○政府委員(森田孝君) 只今の、例えば定時制の高等学校にも就学していない青年に対しての職業指導と言いますというと、例えば、特殊の講習会と申しますか、或いは又特殊の技術指導の施設ということになるのでありますが、この点につきましては、一部分厚生省で所管を行なつておられるものもありますし、又現在におきましてはそれらの施設が、各種学校の申請を取りまして、そうして一応或る條件の備わつたものにつきましては学校の形式によつてこれを行なつて来たのであります。文部省におきまして主として取扱いますのは、これらの学校のものと、それから講習会、而も或る程度の企画を持つた講習会において行なうのであります。従いましてそういう点におきましては、職業教育及び職業指導審議会ではただ一般的な、全般的な方針といいますか、要領を決めまして、その実施につきましては、やはり、この審議会の一覧表の中にあります通信教育審議会の中の社会通信教育分科審議会、或いは後の方に出て参ります社会教育審議会の中の学校開放分科審議会というのがありますが、これらにおきまして、それぞれの特殊な実業的な学校におきまして、例えば学校の夏休み、冬休み等を利用しまして学校開放を行いまして、そこで特殊技能或いは特殊知識についての指導教育を行うようにいろいろ審議し、或いは又そういうものの管掌をいたし、或いは希望するものに対して認定をいたして参つておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/10
-
011・三好始
○三好始君 教員検定審査会は従来の教員検定委員会に代るべきだと一応考えられるのでありますが、この審査会は決定権を持つておる機関でありますかどうか、お尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/11
-
012・森田孝
○政府委員(森田孝君) 御説の通り、この審査会において、ここで決定いたした答申を文部大臣が採択いたしまして、文部大臣から検定の認可を出すのであります。従いまして責任者は文部大臣ということになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/12
-
013・藤井新一
○藤井新一君 多分これと関連があるように思いますが、内閣総理大臣の直属の下における審議委員会というのがありますが、これらの機構並びに運営方法はどうなつておるか。ちよつとこの審議委員会との関連性においてお聽きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/13
-
014・森田孝
○政府委員(森田孝君) 只今申されました審議会というのは、教育刷新委員会のことであると思いますが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/14
-
015・藤井新一
○藤井新一君 ……と思います。名前はちよつと忘れましたが、これが総理大臣直属の審議会と思いましたが、そういうのはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/15
-
016・森田孝
○政府委員(森田孝君) 教育刷新委員会は、内閣総理大臣に直属いたしております審議会であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/16
-
017・藤井新一
○藤井新一君 例えば、長谷川如是閑というような人が委員になつて出ておりますか、そういう方が六、七名おられる筈であります。そういう委員会はどういうことを今までしておるか。その運営方法並びに過程を一つお聽きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/17
-
018・森田孝
○政府委員(森田孝君) 只今の長谷川如是閑さんが委員の一人に加つておられますのは、文教審議会と通俗的に呼ばれております審議会のことでありまして、これは所管が御承知の通り内閣に属しておりまして、文部省といたしましては、これに関して協定をしておる程度でありましてこの内容なり形式なり法的根拠なりにつきましては、文部省から御答弁申上げない方がいいのではないかと考えております。と申しますのは、法的根拠のある審議会とは私々承知いたしておらないのであります。総理大臣の意向に基きまして、便宜上設けられた懇談会とも言い得るものと我々は承知いたしておりますので、説明は担当の内閣の方から説明して頂いた方が適当でないかと思いまして、甚だ僣越でありますが、その程度で御承知願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/18
-
019・藤井新一
○藤井新一君 この委員会は内閣委員会ですが、これと最も関連性の深い委員会ですが、それをあなたの方から拒否されるということはちよつと腑に落ちんのですが、あなたでまづければ他の方を以て説明をして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/19
-
020・森田孝
○政府委員(森田孝君) 私が拒否いたしたというのではないのでありまして、今聞きますというと、今回の内閣設置法の改正によりまして法的に正式なものにするように予定せられておるということを只今伺つたのでありますが、これの当初の設置が文部大臣の発意でなくして、内閣総理大臣が直接発意によつて設置せられまして、又今度改正案が成立するまでは法的な根拠を持たないで、事実上の懇談会の形式によつて、これも教育に限らないで、文化、或いは又国民道徳、或いは国民の思潮なり、或いは気風なり、風俗習慣なりというような、非常に広い範囲に亘る内容につきまして、懇談の形式を以て行う会合と我々は承知いたしております。従いましてこの現在の文教審議会につきましては、何らの決議をとるとか、或いは又一定の成案を得るとか、その他特別の定められたところの目的を達成するための法的な任務を課されたものとは考えておらないのであります。そうして又事実上従来行われておりました事実から見ましても、そういうような形式では、又そういうような内容については行われていなかつたのであります。従いましてこれはむしろ内容の、事実上相当しておられる方のほうが私よりも十分御納得の行くように説明し得るのじやないかと申し上げたのであります。文部省から説明をしないというふうに申し上げたのではないのでありますから、御承知願いたいと思います……。ちよつと訂正申上げます。只今更に聞きますと、内閣設置法の一部改正法律案には今回載つて参らないそうであります。ただ制度的に、この審議会を今後も残して行くという御意向であるというようなお話でありますから、只今の答弁は訂正いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/20
-
021・竹下豐次
○竹下豐次君 教育施設部出張所廃止の点につきましてお尋ねしたいのでありますが、私が欠席しておる時に或いは質問応答が為つたのかも知れません。あつたのならば、もうあつたという御辞退下されば、同僚から聞きます、若し重複してなかつたらお答え願います。明治三十三年以来、全国の主要国立学校に建築出張所があつた。それから昭和二十二年六月に又それにいろいろな事務が加わつたので、組織か変更されて教育施設部出張所と改名された。今度近頃になつて、又物資関係事務について非常に仕事が減つて来た。それで廃止して、その代りに派遣して仕事をさせる。こういうふうになつておるという御説朗でありますが、三十三年から昭和二十二年に至るまでの仕事の量というものは、現在も残つておるかのように想像されるし、その上に又公共事業の増加に伴うて事務が加つておるのが今日の状態ではないか。若しそういうことだとすれば、廃止するのでなくして、一時殖やされた人を事務の量の減少に従つてそれだけ減らして事務所はやはりそのままに残して置かれるということが、すらつとしていいのぢやないかと、でそれを止めて、出張等の形式で派遣してやるということになるというと、どれだけの利益があるのか、或いは予算の節約ができるのか、事務の都合がその方がいいのか、そういう点はどういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/21
-
022・森田孝
○政府委員(森田孝君) この出張所の廃止に伴いましては、只今竹下委員の御質疑の通りに、便利から言いますと、或る程度の定員は減少いたしましても、出張所を設けて置いた方が仕事の上において便利なことは確かであります、併しながら経費の点、その他今後現内閣の方針といたされまして、指定生産資材なり或いは又指定配給物資なりの数を減少して、自由経済に引戻して行くという方針に副う意味におきまして、現在、以前よりも非常に減少をいたしましたこれらの物資資材関係を取扱うために出張所というような形のものを残しまして、設備なり或いは又経費なりをそこに注ぎ込むということは無駄が多い。又今後減つて行くという見通しの現在において、尚今後更に改正の機会を得るまでの間におきましても、その無駄を続けなければならないという見通しがある現在におきましては、この際この出張所を廃止しましてその無駄を節約いたすと同時に、この仕事の将来においての成行きに副うように処置する方が適当であるというふうに考えたから、廃止いたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/22
-
023・竹下豐次
○竹下豐次君 そうしますとこういうふうに理解していいのですね。三十三年以後昭和三十二年までの量よりも減つてはいないけれども、仕事の量は減つていないか、特に費用を節約するために、多少の不便を感じても廃止するという方向に進んでおるのである。こういうふうに理解してよろしいのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/23
-
024・森田孝
○政府委員(森田孝君) 只今申上げましたように、政府の一般方針の見通しの下においては、さように処置いたした方が適当であると考えて、今回の改正をお願いしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/24
-
025・三好始
○三好始君 通信教育審議会はどういう仕事をいたしておりますか。それから現在の通信教育の普及状況について御説明頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/25
-
026・森田孝
○政府委員(森田孝君) 通信教育につきましては、この今日お配りいたしました資料を御覧下さいますと分りますように、学校の通信教育と社会の通信教育とニつに分れておるのであります。学校の通信教育と申しますのは、学校教育法に基きまするところの所定の学校教育を、通信の方法を以て行うというための通信教育でありまして、従いまして定時制の学校なり、或いは全甘制、つまり晝間の学校等と同じように、学校卒業に必要な単位をやり、そうして又それを終つたものに対しましては、他の方法による学校の課程を終つたものと同様の資格を與えるための通信教育であります。社会教育に属しますところの通信教育は、一般の教養を高めるため、或いはまた特殊の技能なり知識なりを得るための通信教育でありまして、これは他の社会教育と同様に、單にその教養の向上なり特殊技能の向上ということを目的として、何等かの資格、何等かの資格というと語弊がありますが、学校の卒業の資格というような資格は得るものではないのであります。従いましてこの両者の取扱は全然違うのでありまして、学校通信教育は各学校教育法に基くところの学校のみがこれを行い得るのであります。それから社会通信教育の方は、それを行うに適当であるということはこの通信教育審議会で只今基準が設けられておりまして、その基準に照らして適当であるという結論を得ました結果認可を得たものだけが社会教育に属する通信教育を行い得ることにいたしております。というのは、この通信教育には、御承知の通りに通信費が非常にかかりますので、それらの団体の認可を行うことによりまして、郵便法において特殊の料金の引下げをお願いいたしておりますので、それの利益を享受し得るには、信用し得る団体において行わせることが必要であるという意味でこの団体の認定をいたしておりますが、そういうような団体なり、或いは又学校においてもこれは行い得ると思いますか、その学校なり団体などの行う一般的な社会教育が通信教育であります。通信教育といたしましては現在この二つの種類があるのであります。学校通信教育の分布状況を申上げますというと、新制の中学校につきましては経過的に確かな数、確かなとはちよつと申上げ兼ねますが、現在の教育におきましては二年を限つておつたと思いますが、従来の日制の例えば高等小学校を経つた人、そうして中学校へは行かなかつたような人々が、更に上級の新制の学校へ行くことを希望した場合においては、新制の中学の課程を終らなければならんというような人があるわけであります。こういうような人のために、そうして又その家庭の事情その他によつて新らしく新制の中学には入学することができないというような人がありますので、その人々を目標にいたしまして、経過的に年限を限りまして新制中学程度の通信教育を、各府県百八乃至二百人としまして行うことにいたしております。それから高等学校につきましても通信教育を始めるべく教科書もその編纂を文部省といたしましては行つて参りまして、昨年度は準備的の期間でありましたので、これは大して行われなかつたのでありますが、これは教科書も大体でき上りましたので、本年は相当の学校についてこれが行われるように勧奨いたしておりまして、現在の状態においては尚大した発達はいたしておりません。併しながら今後文部省といたしましては、学校、通信教育を十分に発達せしめるように各府県に勧奨をいたして参りたいという方針であります。大学につきましては、極く少数の私立の大学だけがこれを行つておる現状であります。今後この少数の学校の成績次第によりましては更に拡充する見込があるものと考えております。社会教育においては、目下認可を受けたものか十団体程度だと聞いておりますが、正確な数は記憶しておりませんが、大体十程度の団体が認可を受けておると考えております。分布状況は大体現在只今申上げたような通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/26
-
027・三好始
○三好始君 只今の御説明によりますと、通信教育には郵便料金を低く、特殊料金を適用されておるようなお話でありますが、その状況はどうなつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/27
-
028・森田孝
○政府委員(森田孝君) 詳しいことはあとで又調べまして御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/28
-
029・小林英三
○小林英三君 文部省の設置法の一部を改正する法律案は主として審議会の改廃に関する問題でありまして、もうすでに前回も御質問もあつたようであります。本日相当有益な御質問もあつたようでありますから、大体この辺で質疑を打切りまして討論採決に入ることの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/29
-
030・三好始
○三好始君 恐らく今後そう重大な質疑は出ないと思いますけれども、本日小さい問題ではありまするけれども保留になつておるような問題もありますから、討論採決は次回にお願いいたしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/30
-
031・藤井新一
○藤井新一君 只今の小林君の動議に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/31
-
032・河井彌八
○委員長(河井彌八君) ちよつと速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/32
-
033・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。只今小林君の、これから質疑を終局して討論に入りて採決に行こうと、こういう動議がありまして、藤井君が賛成せられました。それ故、これの決を採ります。動議に賛成の方の挙手を願います。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/33
-
034・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 全会一致であります。それでは、そのように進めます。
ついてはこの際御意見があれば、お述べを願います。
別に御発言がないと認めますから、ではこれを採決いたします。本案について御同意の方の御挙手を願います。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/34
-
035・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 全会一致であります。ではこの案は可決すべきものと決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/35
-
036・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 次に議題といたしますのは、日本国憲法第八條の規定による議決案、これを議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/36
-
037・三好始
○三好始君 憲法第八條の、「皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を讓り受け、若しくは賜與することは、国会の議決に基かなければならない。」この国会の議決というのは、問題の起る毎に個別的に議決しなければいけないというふうな解釈ですか。それとも法律などで統括的に規定しておけば、第八條に言う国会の議決はあつたもの、かような解釈になつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/37
-
038・林敬三
○政府委員(林敬三君) 只今の御質問は、後段にお述べになりましたような御説の通りと解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/38
-
039・三好始
○三好始君 そういたしますと、只今提案になつております議決案と同様のものか繰返えされておる実情にあるわけでありますが、これを法律自身で、そういう必要がないように規定することが一応考えられる問題でありまするが、そのことについてはどういうふうにお考えになつておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/39
-
040・林敬三
○政府委員(林敬三君) 法律におきましては、皇室経済法によりまして賜與又は譲り受けというものについてのいろいろな規定がございますが、それで今お述べになりましたような趣旨に基いての法律が出来ておるわけでございまして、それによりましてそれぞれ事実運営が行われておるのであります。ただその外に只今議決をお願い申上げておりますのは、災害の場合の罹災者に対するお見舞であるとか、或いはその年々によつていろいろ変化の起つて参ります学問、技術、社会事業、そういうようなものに対する御奨励のための資金であります。そういうものでございます。特に、例えば災害に対するお見舞等のように、その都度実際の必要に当面して国会の御議決を得ることが事実上困難なる場合がございますために、それ以外にこういう議決を例年お願いを申上げておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/40
-
041・三好始
○三好始君 私がお尋ねしておりますのは、皇室経済法施行法第五條に規定してあります百二十万円という金額を、今までの経験に照らして、例えば今回議決案として提案せられております程度の金額に改正することか適当かどうか、こういうことをお尋ねいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/41
-
042・林敬三
○政府委員(林敬三君) 法規上は、理論的に申しますれば、そういうようなことも可能であると考えるのであります。併しこちらの皇室経済法によります賜與は、いわゆる陛下の私的な御贈與というものか大分入つておるのでございます。それ故に一の五万円に限るとか、或いは十五万円以上の場合は皇室経済会議の議を経なければいけないとか、さようないろいろな制約があるわけでございます。そこで例えば、福井県で震災が起きましたそのときに三十万円急に賜與なさるというようなものは、この皇室経済法に規定しております趣旨とは又違つた意味でございますので、そこでこういう急な場合において、大きな災害などの場合、皇室経済法と又違つた意味においての賜與というものをして頂くために御議決をお願いするのでございまして、皇室経済法の方は金額が非常に制限をされております。それを出します場合も亦制限かございます。そういうようなことで皇室の財産が国民の、少し言葉が悪いかも存じませんが、代表の方々の知らない間にずつと殖えることも、ずつとなくなることも、これは民主的な国家の象徴としては妥当でない、国民の方方と共にやつて、美しくはつきりと、アェアーに、すべて皇室の御贈與も又御奨励も、又贈與を受けられる方もあるべきもの、こういう建前から皇室経済法ができておるわけであります。この外にはつきり目的の大体分つております災害等に対するお見舞、或いは特別の御奨励、そういうためのものを、それ以外に憲法第八條に基いて御議決を願う、かような趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/42
-
043・三好始
○三好始君 現在のところは、皇室経済法による陛下の賜輿、眞接憲法第八條に基く今回の議決案のような賜與と、大体ニつの種類に分れておるように感ずるのでありますが、今回の議決案の中に現れておりまするような賜與を、皇室経済法の中に規定することに対する御意見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/43
-
044・林敬三
○政府委員(林敬三君) そういうことも十分研究せらるべきことだと存じます。併し、現在の行き方にいたしましても大体目的を達し得ると思うのでございますが、これが殊に、この経済事情というようなものか刻々に変化をして参ります。その都度法律の改正をお願いすればいいわけでいますが、内容が極めて簡軍であつて、且つその時々の、年々の経済事情で変動の多いもののようにも存ぜられますので、むしろ当局といたしましては、現在のような制度にお願いをいたした方が宜しいと思うのでございます。併し、こういう内容も織込みまして、皇室経済法の中にそういう法律を併せ規定するということも、これは研究をいたしましたその結果のでき工合によりましては結構なことと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/44
-
045・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 大体御質疑はこの程度で宜しうございますか。
「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/45
-
046・河井彌八
○委員長(河井彌八君) それではこの際本案について御意見のある方はお述べべを願います。
別に御発言がなければ本案を採決いたします。本案を可とせられる諸君の挙手を願います。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/46
-
047・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 全会一致。それでは本案は可決すべきものと議決いたしはした。
尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて予め多数意見者の御承認を得なければならないことになつておりますが、これは委員長において委員会における質疑応答の内容、討論の要旨等及び表決の結果を報告することにいたしますが、これにつきまして皆様方の御承認を得たいと思います。御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/47
-
048・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。
それから次に本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の御署名を附することになつております。本日可決されました両案を可とされた方は順次御署名一を願います。
多数意見者署名
梅津 錦一 淺岡 信未
小林 英三 藤井 新一
竹下 襲次 町村 敬貴
三好 始
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/48
-
049・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 次に社会保障制度審議会設置法の一部を改正する法律案、これを議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/49
-
050・竹下豐次
○竹下豐次君 審議会に事務局を置くことが適当であるか否かということについては、先日来いろいろ御意見も出たようでありますけれども、まだ研究を重ねなければならないことのように存ずるのであります。相当に意見も分れることであろうと思いますし、本日眞ぐ晝にもなりますので、本日はこれで散会して頂きまして、又後の機会に論議を重ねることにして頂いたらどうかと思いますが、如何でしようか。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/50
-
051・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 只今の竹下君の、只今の議題は本日審議を延しまして他日に讓つて、本日はこれで散会しようという動議でございますが、御賛成もありましたが、御異存ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/51
-
052・河井彌八
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと思います。
では今日はこれで散会いたします。
午前十一時五十九分散会
出席者は左の通り。
委員長 河井 彌八君
委員
梅津 錦一君
淺岡 信夫君
小林 英三君
藤井 新一君
竹下 豐次君
町村 敬貴君
三好 始君
政府委員
総理府事務官
(大臣官房審議
室主席事務官) 増子 正宏君
宮内庁次長 林 敬三君
行政管理庁次長 大野木克彦君
文部事務官
(大臣官房総務
課長) 森田 孝君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100714889X00819500309/52
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。