1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十五年四月二十四日(月曜日)
午後一時五十分開会
—————————————
委員の異動
三月二十八日委員高良とみ君及び川上
嘉市君辞任につき、その補欠として小
杉イ子君及び伊達源一郎君を議長にお
いて指名した。
四月十四日委員城義臣君辞任につき、
その補欠として大屋晋三君を議長にお
いて指名した。
四月二十一日委員稻垣平太郎君辞任に
つき、その補欠として田方進君を議長
において指名した。
委員長の補欠
四月二十一日山田節男君委員長辞任に
つき、その補欠として原虎一君を議長
において指名した。
—————————————
本日の会議に付した事件
○労働災課補償保険法等の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
○小委員長の報告
○日やとい労務者の救済対策に関する
請願(第五九号)
○日やとい労務者の詰所に雨具備付の
請願(第九七号)
○婦人労務者に運動靴支給の請願(第
九九号)
○下水作業手当支給の請願(第一〇一
号)
○職業安定所登録労務者作業詰所にゴ
ム長靴備付の請願(第一四九号)
○職業安定所登録労務者の日当に関す
る請願(第一五五号)
○失業者の無料宿泊所設置に関する請
願(第一五八号)
○職業安定登録労務者に地下たび増配
の請願(第三九九号)
○平地区における日やとい労務者救済
の請願(第八二五号)
○失業応急対策費全額国庫負担に関す
る請願(第四八七号)
○失業保険給付金額と失業救済事業に
おける支給賃金との不均衡是正に関
する請願(第五一八号)
○呉市の失業対策に関する請願(第八
〇二号)
○失業対策事業の拡充強化に関する陳
情(第一二九号)(第二二一号)
○国鉄職員の賃金ベース改訂に関する
請願(第九号)(第一六四号)
○国鉄労働組合要求に対する仲裁委員
会裁定実現の請願(第一六一号)
○公共企業体仲裁裁定事項即時実施に
関する請願(第二〇三号)
○公共企業体仲裁裁定事項実施に関す
る陳情(第四九号)
○賃金遅払、分割払解消に関する請願
(第二一四号)(第三六〇号)
○労働基準法第二十八、二十九、三
十、三十一各條即時実施に関する請
願(第三四四号)
○一般職種別賃金の法制化等に関する
請願(第七八四号)
○地方労働委員会委員の定員増加に関
する陳情(第二一六号)
○労働省設置法等の一部を改正する法
律案に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/0
-
001・原虎一
○委員長(原虎一君) 只今から労働委員会を開会いたします。
本委員会に付託されております労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を議題に供します。先ず本案に対する政府の御説明を聞くことにいたします。御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/1
-
002・鈴木正文
○国務大臣(鈴木正文君) 労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案の審議をせられるに当り、提案の理由を御説明いたします。
今般政府といたしましては、最近の経済情勢に鑑み、国税徴收法の一部を改正して従来の国税滯納の場合における延滯金の率を引下げることといたしたのでありますが、これと対応して、国税徴收の場合の従来の延滯金と類似の性格を有する労働者災害補償保険及び失業保険の保険料滯納の場合における延滯金の率を従来の日歩二十銭から日歩八銭に引下げることを妥当と考えますので、ここに労働者災害補償保険法及び失業保険法の一部を改正する必要を生じた次第であります。
尚今回の改正にあたり両保険とも滯納保険料の一部について納入のあつた場合における延滯金の徴收に関し新たに規定を設けたのでありますが、これは申すまでもなく納付者の便宜のための規定であり、従来においても本規定と同様の取扱をして参つたものをこの機会に明文化せんとするものであります。
以上、本法案提出理由の概略を御説明いたした次第でありますが、何とぞ御審議の上速かに可決あらんことをお願い申上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/2
-
003・原虎一
○委員長(原虎一君) 本案に対しまして御質疑がございましたら、どうぞお願いいたします。
ちよつと御相談申上げますが、別に御質疑がない場合に逐條説明の必要がございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/3
-
004・藤井丙午
○藤井丙午君 ありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/4
-
005・原虎一
○委員長(原虎一君) 逐條説明は省くことにいたしましようか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/5
-
006・原虎一
○委員長(原虎一君) 御異議ないと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/6
-
007・田村文吉
○田村文吉君 お分りでしたら、最近の両保険の未納関係はどんなふうになつておりますか。非常に殖えつつありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/7
-
008・池邊道隆
○説明員(池邊道隆君) 労災保険につきまして申上げたいと思います。現在三月三十一日までに徴收決定いたしましたのは六十億でございます。そのうちに完全に入りましたのは五十七億六千万円ということになつておりまして、延滯未納のものは二億四千万円ばかりであるという現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/8
-
009・田村文吉
○田村文吉君 失業保険の方も……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/9
-
010・龜井光
○説明員(龜井光君) 失業保険におきましては、本制度実施以来の徴收決定総額は八十八億八千万円でございまして、收入をいたしました額は八十一億一千万円、約七億円程の未納になつております。これは昭和二十二年十一月からの分の累計でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/10
-
011・原虎一
○委員長(原虎一君) 他に質問はございませんか……別に御質問もないようでありますから、質疑を打切りましてよろしうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/11
-
012・原虎一
○委員長(原虎一君) それでは質疑を打切りまして討論に入りたいと存じますが、本案に対する反対の御意見もございませんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/12
-
013・田村文吉
○田村文吉君 初め御制定になさるときから、私共はこの延滯金の二十銭というのは非常に高過ぎるというので、その旨御注意申上げましたのですが、国税筑收法の関係上止むを得ず二十銭ということになつておつたようでありますが、今回国税徴收法が変りましたと同時に、当然これは引下げられるのが正当かと考えますので、本案に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/13
-
014・原虎一
○委員長(原虎一君) 本案に対しまして他に御意見もございませんようでありますから、討論を打切りましてよろしうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/14
-
015・原虎一
○委員長(原虎一君) 討論は終結いたしましたものと認めます。
速記を止めて……
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/15
-
016・原虎一
○委員長(原虎一君) それでは速記を始めて。本案の表決をいたしますのを後廻しにいたしまして、請願、陳情に関する小委員会の御報告を波田野委員長からお願いいたすことにいたします。どうぞ……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/16
-
017・波多野林一
○波多野林一君 只今議題となりました請願、陳情の小委員会におきまする審議の結果を御報告いたします。
請願第五十九号、日やとい労務者の救済対策に関する請願、請願第九十七号、日やとい労務者の詰所に雨具備付の請願、請願第九十九号、婦人労務者に運動靴支給の請願、請願第百一号、下水作業手当支給の請願、請願第百四十九号、職業安定所登録労務者作業詰所にゴム長靴備付の請願、請願第百五十五号、職業安定所登録労務者の日当に関する請願、請願第百五十八号、失業者の無料宿泊所設置に関する請願、請願第三百九十九号、職業安定所登録労務者に地下たび増配の請願等八件は、いずれも日傭労働者の保護救済を要請するものであります。
請願第八百二十五号、平地区における日やとい労務者救済の請願、請願第四百八十七号、失業応急対策費全額国庫負担に関する請願、請願第五百十八号、失業保険給付金額と失業救済事業における支給賃金との不均衡是正に関する請願、請願第八百二号、呉市の失業対策に関する請願、陳情第二百二十一号、陳情第百二十九号、失業対策事業の拡充強化に関する陳情等、請願四件、陳情二件は、いずれも失業対策事業の拡充強化を要請するものであります。
請願第九号、国鉄職員の賃金ベース改訂に関する請願、請願第百六十四号、国鉄職員の給与ベース改訂に関する請願二件は、国鉄職員の給与ベース改訂を要請するものであります。
それから請願第百六十一号、請願第二百三号、公共企業体仲裁裁定事項即時実施に関する請願、陳情第四十九号、公共企業体仲裁裁定事項実施に関する陳情等、請願二件、陳情一件は、いずれも先般国鉄に対して下された仲裁裁定事項の実施を要請するものであります。請願第三百六十号、請願二百十四号、賃金遅払、分割払解消に関する請願二件は、賃金の遅払、分割払いされている現状に対して、強力なる措置を講じ、これを解消するよう要請するものであります。
請願第三百四十四号、最低賃金制即時実施に関する請願は、労働基準法に定められた最低賃金制度実施を要請するものであります。
請願第七百八十四号、一般職種別賃金の法制化等に関する請願は、法律第百七十一号、政府に対する不正手段による支払請求防止等に関する法律廃止に伴ない、一般職種別賃金制が廃止されることは、労働者の賃金基準が崩れ、賃金切下げの虞れがあるから、一般職種別賃金制の残置を要請するものであります。陳情書二百十六号、地方労働委員会委員の定員増加に関する陳情は、神奈川、愛知の労働委員の定数を、使用者委員、労働委員、公益委員各五名をそれぞれ七名に増加せんことを要請するものであります。
以上、請願二十件、陳情四件はいずれも願意妥当なものと認め、これを採択し、院議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
次に、残余の請願十五件は、尚研究を要すべき点がありますので、留保いたしました。
以上御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/17
-
018・原虎一
○委員長(原虎一君) 御質問はございませんでしようか。別に御質問もないようでありますから、只今小委員長から御報告のございました請願及び陳情の取扱いにつきましては、本委員会といたしまして、すべて小委員長の御報告通り処理いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/18
-
019・原虎一
○委員長(原虎一君) 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/19
-
020・原虎一
○委員長(原虎一君) それでは採決を延ばしておりました労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案の採決をいたしたいと思います。本案に御賛成の方は挙手を願います。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/20
-
021・原虎一
○委員長(原虎一君) 全員御賛成であります。原案通り決定いたしました。
尚、本会議における委員長の口頭報告の内容につきましては、前例に従つて行いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/21
-
022・原虎一
○委員長(原虎一君) 御異議ないと認めます。
それから本院規則第七十二條に基きまして、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
波多野林一 大屋 晋三
寺尾 豊 田村 文吉
小杉 イ子 藤井 丙午発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/22
-
023・原虎一
○委員長(原虎一君) 御署名漏れはございませんか……御署名漏れはないものと認めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/23
-
024・原虎一
○委員長(原虎一君) それでは次は、労働省設置法等の一部を改正する法律案についての政府の説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/24
-
025・新谷寅三郎
○政府委員(新谷寅三郎君) それでは極く簡単に要点だけ御説明申上げます。
只今議題になりました労働省設置法等の一部を改正する法律案でございますが、これは労働省設置法及び職業安定法の一部を改正するのが要点であります。内容は、第一には審議会等の整理の問題でございます。これは各省と同様に、政府におきまして、行政機構簡素化の必要から労働省附属の各種の審議会につきまして検討いたしました結果、若干の審議会を統合或いは廃止することにいたしたのであります。それから第二は、労働基準監督官研修所の設置でございます。労働基準監督官はその職責が非常に重大でありますので、従来予算等の関係から研修機関を設置する必要があつたのでありますが、予算等の関係からこれが実現いたしませんでしたのでありますが、今回新たに労働基準監督官研修所を設けまして、新任の監督官のみならず、在来からの監督官に対しましても長期の訓練を行いまして、労働基準監督官の素質を向上しよう、こういう趣旨から労働基準監督官の研修所を設置することにいたしたのであります。関係予算はすでに昭和二十五年度の総予算において御決定に相成つておるのであります。第三には、国家公務員その他国会の議決を経た歳出予算によりまして、給与が支給せられる職員が退職いたしました場合に、これは昭和二十四年の政令で出ておるのでありますが、その政令によりまして、失業保険法の規定する條件に従いまして、相当の金額を退職金として支給することとせられておるのでありまするが、これを公共職業安定所で支給することが、退職者にとりまして便宜であります関係から、今回の設置法中の職業安定局及び公共職業安定所の事務にこれを加えたのでございます。これがこの法律案の提案の理理の概略でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/25
-
026・原虎一
○委員長(原虎一君) 只今の説明につきまして御質疑がございましたらどうぞ……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/26
-
027・田村文吉
○田村文吉君 今の研修所の「けん」はどういう「けん」ですか、研究の研ですか。「しゆう」は修めるの修でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/27
-
028・新谷寅三郎
○政府委員(新谷寅三郎君) そうであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/28
-
029・田村文吉
○田村文吉君 その研修所は全国に何ケ所くらいお作りになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/29
-
030・新谷寅三郎
○政府委員(新谷寅三郎君) それは中央に一ケ所だけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/30
-
031・田村文吉
○田村文吉君 そうですか。次に、退職金を給与するのは在来はどこで払つていたのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/31
-
032・新谷寅三郎
○政府委員(新谷寅三郎君) 従来は各所属官庁で支払をいたしたのでありますが、それを失業保険との関係におきまして、退職金と失業の保険金との差額は、やはり公務員も支払を受けることができるのであります。そういう関係から公共職業安定所におきまして、一括して取扱わした方がいいという結論でございます。従来は所属庁でやつておりましたが、今後各職業安定所におきまして、その事務を取扱うことにいたしたいというのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/32
-
033・田村文吉
○田村文吉君 本問題は官制に大部分関係しておることでありますし、労働委員会としては特別に本問題について別段の研究を必要としないかと考えますので、別に合同審議をお願いしないで、委員長の下で、そのまま内閣委員会で審議されることにいたされてはどうかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/33
-
034・原虎一
○委員長(原虎一君) 田村委員の言われましたように取計らいまして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/34
-
035・原虎一
○委員長(原虎一君) それでは御異議ないものと認めます。
それでは本日は閉会してよろしうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/35
-
036・原虎一
○委員長(原虎一君) それでは本日の委員会はこれで散会いたします。
午後二時十九分散会
出席者は左の通り。
委員長 原 虎一君
理事
波多野林一君
委員
大屋 晋三君
寺尾 豊君
田村 文吉君
小杉 イ子君
藤井 丙午君
国務大臣
労 働 大 臣 鈴木 正文君
政府委員
労働政務次官 新谷寅三郎君
労働事務官
(大臣官房総務
課長) 富樫 總一君
説明員
労働事務官
(労働基準局労
災補償課長) 池邊 道隆君
労働事務官
(職業安定局失
業保険課長) 龜井 光君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100715289X01019500424/36
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。