1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
本委員は昭和二十五年七月十二日(水曜日)議長
の指名で次の通り選任された。
阿左美廣治君 今泉 貞雄君
江田斗米吉君 小川 平二君
神田 博君 小金 義照君
澁谷雄太郎君 高木吉之助君
田中 彰治君 多武良哲三君
永井 要造君 中村 幸八君
中村 純一君 福田 一君
南 好雄君 村上 勇君
金塚 孝君 河野 金昇君
河本 敏夫君 高橋清治郎君
今澄 勇君 加藤 鐐造君
風早八十二君 田代 文久君
小平 忠君
同日
小金義照君が議長の指名で委員長に選任された。
—————————————
会議
昭和二十五年七月十五日(土曜日)
午前十時三十一分開議
出席委員
委員長 小金 義照君
阿左美廣治君 今泉 貞雄君
江田斗米吉君 小川 平二君
高木吉之助君 田中 彰治君
多武良哲三君 永井 要造君
中村 幸八君 中村 純一君
福田 一君 南 好雄君
村上 勇君 金塚 孝君
高橋清治郎君 今澄 勇君
加藤 鐐造君 田代 文久君
小平 忠君
出席政府委員
通商産業政務次
官 首藤 新八君
委員外の出席者
專 門 員 谷崎 明君
專 門 員 大石 主計君
專 門 員 越田 清七君
—————————————
七月十二日
日本製鉄株式会社法廃止法案(内閣提出第三
号)
同月十三日
商品取引所法案(内閣提出第七号)(予)
の審査を本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した事件
理事の互選
国政調査承認要求に関する件
連合審査会要求に関する件
日本製鉄株式会社法廃止法案(内閣提出第三
号)
商品取引所法案(内閣提出第七号)(予)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00119500715/0
-
001・小金義照
○小金委員長 これより通商産業委員会を開会いたします。
この際簡單に御報告かたがたごあいさつを申し上げます。不省私は去る五月二日、本委員会の委員長に選任いたされたのでありまするが、今般衆議院規則の改正によりまして、各常任委員会の委員の員数に変更が加えられ、委員の再任が行われたのでありますが、私が再び委員長に就任することとなりました。何とぞ委員各位の御協力、御鞭撻をお願いいたす次第であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00119500715/1
-
002・小金義照
○小金委員長 ただいまより日程に入ります。まず理事互選の件を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00119500715/2
-
003・福田一
○福田(一)委員 私はここに理事の互選について動議を提出いたします。すなわち理事の員数は議院運営委員会の決定通り五名とし、その選任は選挙の手続を省略して、委員長において指名せられるよう望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00119500715/3
-
004・小金義照
○小金委員長 ただいまの福田一君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00119500715/4
-
005・小金義照
○小金委員長 御異議ないものと認めます。それではただちに御指名を申し上げます。
阿左美廣治君 多武良哲三君
中村 幸八君 河野 金昇君
今澄 勇君
以上五名の方々を理事に御指名申し上げます。
今首藤政務次官より発言を求められております。この発言を許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00119500715/5
-
006・首藤新八
○首藤政府委員 ちよつとごあいさつを申し上げます。
今次の政務次官の異動に際しまして、はからずも私は通産省政務次官に就任することに相なつた次第であります。御承知の通り、前任宮幡政務次官は、政治的経歴も非常に長くありまするし、また通産行政全般を通じまして非常に精通された方でありましたが、私はこれに反して政治的経歴も非常に短くあります。かつまた浅学菲才でありまして、使命達成ができるかいなやという点に非常な危惧の念を持つておる次第でありますが、皆様方の絶大な御援助と御鞭撻によつて大過なきを期したい、かように念願しておる次第でありますので、今後何かにつけて格別の御援助をたまわるようお願い申し上げまして、簡單でありますが、就任のごあいさつにかえたいと存ずる次第であります。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00119500715/6
-
007・小金義照
○小金委員長 次に国政調査承認要求の件を議題といたします。前第七回国会におきましては、鉱工業、電気、商業、貿易等の実情を調査し、その合理化並びに振興に関する対策を樹立するために、関係各方面より意見を聽取し、報告及び記録を要求する等の方法によりまして、通商産業行政に関する事項について国政調査を実施いたしまして、行政当局を監視督励いたしまするとともに、委員会の意思を行政面に反映せしめ、また同時に、議案その他の審査にあたり大いに貢献するところがあつたのでありますが、重要法律案の審査のために、調査を終了するに至らず、この調査事項たる通商産業行政に関する事項の中、電気事業及びガス事業に関する件、中小企業振興対策樹立に円する件、貿易振興対策樹立に関する件、石炭鉱業の合理化並びに石油及び天然ガス増産対策樹立に関する件、金その他の鉱物増産対策樹立に関する件、基礎工業自立対策並びに化学工業振興対策樹立に関する件、以上六件につきましては、閉会中審査継続事件として院議よつて付託せられたのでありますが、これまた諸般の事情のため審査を終了するに至らなかつた次第であります。つきましては、今会期中におきまして、前国会で調査の終了いたさなかつた部分も含めまして、あらためて通商産業行政に関する事項について調査を実施いたす必要があろうと認められますので、これについておはかりいたしたいと思うのであります。前国会通り、今会期中に通商産業行政に関する事項について国政調査を実施することとし、議長にその承認要求をいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00119500715/7
-
008・小金義照
○小金委員長 御異議ないと認めます。よつてそのように決します。
なお衆議院規則第九十四條による手続につきましては、委員長におまかせを願つておきます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00119500715/8
-
009・小金義照
○小金委員長 次に連合審査会に関する件を議題といたします。目下地方行政委員会において審査中の地方税法案につきましては、附加価値税、鉱区税、固定資産税、電気ガス税、鉱産税等通商産業上に重大なる影響を與えるものがありまするので、同法律案につきまして、地方行政委員会と連合審査会を開いてはいかがかと思うのであります。なお委員長といたしまして、先方の意向を打診してみましたところ、来る十七日、月曜日午前十時より開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00119500715/9
-
010・首藤新八
○首藤政府委員 ただいま議題となりました商品取引所法案につきまして提案の理由を御説明いたします。
本法案につきましては、政府といたしましては、さきに第七国会に提案いたしましたが、時間の関係上審議未了となりましたため、このたび本国会に再びこれを提案し、御審議を仰ぐ次第であります。
昨年来経済九原則及びドツジ・ラインの実施によりまして、インフレもようやく終息し、物価も安定して参り、物資に対する統制も順次解除されつつある状況であります。従つて公定価格制度や、配給統制はごく限られた一部の商品についてのみ存続し、大部分の商品の生産及び配給は、経済原則によつて規制されることと相なつたのであります。従いまして商品の価格は、需要と供給のバランスによつて決定されることとなり、この需要と供給をなるべく広い範囲にわたつて集中して、公正な価格をつくるための市場の形成が必然的に要求されて来るとともに、現物のみならず、先物についての市場も要求されることになり、ここに商品取引所の設立が業界から強く要望されるに至つた次第であります。
わが国の商品取引所は、古くは徳川時代の米会所に由来し、戰前におきましては、米を中心とし、綿花、綿糸、綿布、繭、生糸、人絹糸、雑穀、肥料、砂糖等、広汎な種類の商品にわたつて設置されていたのでありますが、戰時に入り、これらの商品について、全面的な統制か行われるに及んで、その機能を失い、昭和十六年ごろまでにはことごとく閉鎖または解散されるに至つたのであります。しかして商品取引所に関する法律も、明治二十六年の制定にかかる取引所法が数回の改正を経て今日に至つている次第であります。すなわち昭和二十二年証券取引所開設の必要に応じ、まつたく新しい構想をもつて証券取引法が制定されたのでありますが、商品取引所については、いまだ開設の時期にあらずとして何らのくふうもなされず、ただ一応旧来の取引所法に商品という字句を冠して残されていたのであり、これが現行の商品取引所法であります。従つて商品取引所を新たに開設するにあたつては、まずその根拠法規である商品取引所法を現在の経済の実情に即したものとするため、新たな構想のもとに全面的に改正する必要が生じたのであります。
以下改正をいたしました主要な点について御説明を申し上げます。まず第一に、現行法によりますと、取引所は株引会社組織によるものと会員組織によるものと二者いずれをも認めておるのでありますが、今回の改正案では、会員組織のみが認められることとなつているのであります。株式会社組織によるときは、実際の取引業者にとつて開設の必要がない場合においても、投機的な取引のみを行うことを目的として取引所が設立される危險性がありまするし、会社として利益をあげ、配当をふやすために、実情に沿わない売買であつても、取引高が多額に上ることのみが念願される傾向を誘致いたし、また実際に取引を行う者とは別個な会社の幹部によつて取引所が管理されることとなる等、従来からその弊害が批判の対象となつていたところであつたのであります。従つて今回は、会員組織のもののみを認めることとしたのであります。
次に今回の改正の第二点は、取引所の設立にあたつて、免許主義をやめて、登録主義をとることとしたことであります。本法案では、取引所の設立の要件は、できるだけ法律上明記することとし、法定の要件を備えたものは、特に法律で定めた登録拒否の規定に該当しない限り、登録を行うことといたしました。これは官庁の許認可等による自由裁量の余地をできるだけ少くし、業界の自主的な活動にまつ趣旨であります。
次に改正の第三点は、取引所において上場することのできる商品を法定している点でございます。この法案では、綿花、綿糸、綿布、乳繭、生糸、人絹糸、スフ糸、毛糸、ゴムが法定されておりますが、これらは大体においてかつての取引所に上場されていた商品であり、今後においても取引所の設立が妥当または必要と認められるものであります。しかしながら今後のわが国の経済は戰前とはおのずから異なるものがありますので、その他の商品につきましても、取引所を設立することが必要となる場合も予想されますので、本法案では必要の都度、政令で商品の品目追加が行われるような道を開いてあるわけであります。
次に改正の第四点としては、商品取引所行政の重要事項を調査審議するための機関として、商品取引所審議会を設置したことであります。これは取引所行政が国民経済全般に影響するところが広く、しかも各方面に関連を有しますので、主務大臣の権限の行使にあたつては、ほとんどすべてこの審議会の議決を経なければならぬことといたし、もつて取引所行政の万全を期した次第であります。また本審議会の会長及び委員については、その重要性にかんがみ、学識経験者のうちから両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命することとし、その愼重を期している次第であります。
次に改正の第五点といたしまして、本法案では、民主化という点から種々の規定がしてあります。すなわちまず第一に、証券取引法の先例にならいまして、取引所における各種の紛争を円満に解決するために、仲介の制度を創設しております。これは紛争の当事者の言分を聞きまして、妥当な解決点を見出し、その受諾を勧告いたすものであり、その他にも、主務大臣の処分に際しては必ずその事前に公開による聽聞を行う等、行政の民主的な運用を期している次第であります。なお今回の改正案におきましては、以上のほかにも改正点が種々存するのでありまして、たとえば商品取引所の定義を明確にしたこと、他人の委託を受けて売買取引を行う者を、商品仲買人として特に嚴重な規制を加えていること、取引所の取引についても従来と異なり、かなり嚴重な監督規定を設けたこと、定款、業務規程、受託契約準則の必要記載事項を明確にしたこと等がこれであります。
要は免許主義を登録主義に改正した等、産業界の自主的な活動を尊重したこと、取引所の業務についてはできるだけその自治にまかしたこと、しかし他面取引所の国民経済上の重要性にかんがみ、売買取引の基準を明確にし、その行き過ぎの是正をはかり、もつて売買取引の公正と委託者保護の徹底を期したことが今回の改正の大綱であります。
なお前国会に提案した法案と異なる点は、訴訟に関する一箇條文を削除したことでありまして、その他は実質的な相違点はありません。
何とぞ御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願いいたす次第でございます。
次に日本製鉄株式会社法の廃止法案について、その提案理由を御説明いたします。
日本製鉄株式会社法は、昭和初頭の苦境時代に、官営八幡製鉄所を中核とする企業集中を行うことによつて、これを打開すべく、昭和八年四月成立したものでありまして、爾来日本製鉄は日本鉄鋼業の中に大きな比重を占め、政府監督のもとに国策会社として運営されて参つたのであります。しかしながら、戰後日本製鉄は、過度経済力集中排除法によりまして分割を命ぜられ、企業再建整備法による決定整備計画に従い、本年三月三十一日解散いたし、第二会社として八幡製鉄所、富士製鉄、日鉄汽船、播磨耐火煉瓦の四会社が発足するとともに、日本製鉄は清算事務に入つたのであります。従つて同社に対する政府の監督権限を主として規定しております日本製鉄株式会社法をも、もはや存続の意味がなくなりましたため、この際同法を廃止いたしますとともに、これに伴い官営製鉄所時代の従事者に対する退職金の措置及び新会社についての一般担保制度の適用等について、経過的措置を講ずる必要がありますので、この法律案を提案いたす次第であります。
何とぞ愼重御審議のもとに御賛成くださらんことをお願い申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00119500715/10
-
011・小金義照
○小金委員長 これにて両案の説明は終りました。質疑は次会より行うことといたします。次会の開会日時は来る十八日火曜日の午前十時といたしたいと存じます。
なお前に申し述べました通り、十七日月曜日の午前十時からは地方税法案につきまして、地方行政委員会と連合審査会を開会する予定でございますからお含みおきを願います。
本日はこれにて散会いたします。
午前十時五十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00119500715/11
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。