1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年七月二十四日(月曜日)
午前十一時三分開議
出席委員
委員長 小金 義照君
理事 多武良哲三君 理事 中村 幸八君
理事 今澄 勇君
江田斗米吉君 小川 平二君
澁谷雄太郎君 高木吉之助君
中村 純一君 福田 一君
南 好雄君 高橋清治郎君
風早八十二君 田代 文久君
小平 忠君
出席国務大臣
通商産業大臣 横尾 龍君
出席政府委員
農林事務官
(蚕糸局長) 最上 章吉君
通商産業政務次
官 首藤 新八君
通商産業事務官
(通商企業局
長) 石原 武夫君
通商産業事務官
(通商繊維局
長) 近藤 止文君
委員外の出席者
專 門 員 谷崎 明君
專 門 員 大石 主計君
專 門 員 越田 清七君
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七月二十二日
委員田中彰治君辞任につき、その補欠として福
田喜東君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十四日
委員福田喜東君辞任につき、その補欠として田
中彰治君が議長の指名で委員に選任された。
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七月二十二日
中小企業共同施設助成金増額に関する請願(阿
左美廣治君外一名紹介)(第一四〇号)
絹、人絹織物工業に対する電力割当量増加に関
する請願(阿左美廣治君外一名紹介)(第一四
一号)
久瀬村地内発電所建設工事再開促進に関する請
願(大野伴睦君紹介)(第一四二号)
福井県織物工業協同組合共同施設建築費融資に
関する請願(大野伴睦君紹介)(第一八一号)
絹人絹織物工業の経済自立に関する請願(高木
吉之助君外一名紹介)(第一八二号)
絹人絹織物の輸出振興対策に関する請願(高木
吉之助君外一名紹介)(第一八三号)
農業用電力料金引下げの請願(江崎真澄君紹
介)(第二〇五号)
電力割当に関する請願(江崎真澄君紹介)(第
二〇六号)
岩手山ろく電源開発事業促進に関する請願(山
本猛夫君紹介)(第二一五号)
津島市に小型自動車競走場設置の請願(江崎真
澄君紹介)(第二一六号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
連合審査会開会に関する件
商品取引所法案(内閣提出第七号)
(予)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/0
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001・小金義照
○小金委員長 これより通商産業員会を開会いたします。
ただいまから商品取引所法案を議題として審査を進めます。質疑に入ります。高木吉之助君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/1
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002・高木吉之助
○高木(吉)委員 商品取引所法案はさきの第七国会に提出せられましたが、時間の関係で審議が未了になりまして、再び本国会に提出されたのでありますが、この法案は産業界並びに商業界におきましても、相当な期待を持つておるのでございまして、一日も早くこれが実現を期待しておるのであります。
まず第一に御質問申し上げたいことは、本法律に規定せられておりますところの上場商品としましては、ゴムを除きましてはほとんど全部が繊維製品でありますが、最近毛糸のうちの梳毛糸の価格高騰の結果、関係方面からの勧告によりまして、物価庁におきまして勧告価格が実施せられておるような状態でございますが、せつかく待望の商品取引所法案が成立をいたしましても、繊維品の生産状況、あるいはその他の需給関係によりまして、再び価格統制、あるいは配給統制が行われるようなことがございましては、本法案は空文となるばかりではなく、取引所の存在もまつたく意味がなくなつて参りますばかりではなく、本法案の趣旨によりまして先物取引が開始せられまして、相当な取組みが行われた後、突如として統制が実施せられる場合におきましては、いたずらに市場を混乱せしめるのみならず、経済界にもはなはだしいところの不安を与える結果を招来することは疑う余地がないのでございます。政府はすでに統制が撤廃せられておりますところの、本法案に上場商品として指定せられております乾繭、生糸、人絹糸、ステーブルフアイバー、あるいはゴム等に対しまして、再び価格統制あるいは配給統制を実施せられる意思があるか。これは本取引所問題について最も重大な関係を持つ問題でございますが、政府におきましてはこれについていかなる御方針を持つておられるかお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/2
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003・首藤新八
○首藤政府委員 お答えいたします。最近朝鮮事変を契機といたしまして、国際商品が総じて値段が上つて来たということは事実であります。ことは日本は御承知のごとく、昨年来相当各商品とも供給過剰の結果、値段が下つておりました場合、この朝鮮事変が起り、国際商品が軒並みに高騰したという刺激から、各商品ともやや活気を呈して参つておるのであります。従つてこの間梳毛糸なんかに対しましては、高木委員が言われた一応勧告価格というものが行われたのでありますけれども、それだからといつて今の場合、近い将来、再統制をやるというようなことは全然考慮いたしておりません。また現在の段階においてはさようなことをする必要はない、かように政府としては考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/3
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004・高木吉之助
○高木(吉)委員 次にお尋ねいたしますが、この上場商品のうちには、今なお価格統制、配給統制が残されておるものがございます。商品取引所法が実施せられることになりますれば、自由経済の原則によりまして、これらのあらゆる商品は、やはり商品市場を通じまして健全なる商品の価格形成、あるいは取引の運営をはかるべきだろうと存じます。現在統制がなお残つておりますものに対しましては、この法案を実施せられるとともに、すみやかにこれを撤廃せられる意思がございますか、お尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/4
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005・首藤新八
○首藤政府委員 御趣旨ごもつともでありまして、政府におきましてもできる限りすみやかに綿糸、綿布、これらの統制を撤廃いたしたいというふうに考えておるのであります。ただ御承知のごとく、この春以来輸出が非常に旺盛でありまして、現在ただちに統制を撤廃するということはいかがかと存じておるのであります。しかしながら一方におきまして、なるべく国内のストツクをふやす方法をとりたいという考え方で、現在関係方面と折衝を進めておるのでありまして、取引所を再開いたしましてもさしつかえのないような客観情勢に一日も早く到達するよう努力いたしまして、これができましたならば即時に統制を撤廃いたしたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/5
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006・高木吉之助
○高木(吉)委員 そういたしますと、大体その見通しにつきましては、政府といたしましては何月ごろにこれを実施するというお考えでございますか伺いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/6
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007・首藤新八
○首藤政府委員 ただいま申し上げましたごとく、綿糸、綿布につきましては統制が現在行われております。この統制はただいま申しましたごとく、できる限り早く撤廃いたしたいというふうに考えておりまするけれども、各紡績会社の生産状態、その他から考慮いたしまして、大体明年の三月ごろまでは困難じやないか、但し輸出の方が多小減少するようなことになりますれば、それよりも早く統制撤廃ができるかとも存じております。その他の商品につきましては、本法案が通過いたしましたならば、できる限りすみやかに各業界の実情に沿いまして早期に解決いたしたいというふうな考え方を持つておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/7
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008・高木吉之助
○高木(吉)委員 次にお尋ねいたしたいことは、大体本法によりまして、最も早く取引所が設置せられる可能性があるものは、おそらく人絹糸であろうと存ずるのであります。生糸は取引所が設置されまして、取引が最も殷盛に行われました昭和十二年と比較いたしますと、昭和十二年においては、生糸の生産高は年額七十三万七千俵でございまして、昨二十四年度の年産額はわずか十六万一千俵で、その生産比率は二二%であります。また人絹糸は昭和十二年度は三億三千五百九十一万ポンドでありましたが、昨年は六千六百八十一万ポンドでありましてその生産比率はわずかに二〇%であります。しかるにこれらの絹、人絹を原料として製織せられる絹、人絹力織機の台数は、昭和十二年度において三十万五千七百四十四台に対しまして、昨年は十六万二千四百八十六台で、五三%の復元をいたしております。従つて設備を全部稼働せしむるためにも現在の絹、人絹糸は不足であります。そればかりでなく、今後の輸出の好転並びに絹織物、人絹織物の海外事情は客観的情勢よりして著しく増加することがあるのであります。そのために生糸及び人絹糸は日々に市価は高騰を続けておるような現状でありますが、商品取引所が開設されまして従前のごとく六箇月の先物取引が実施される場合におきましては、生産量の絶対不足によりまして必然的に価格の暴騰が考えられるのであります。現物不足のために受渡しの円滑を欠き、仕手関係よりいたしまして相場が投機的色彩を帯びまして暴騰を来す場合が考えられますが、かかる予期せざる暴騰が起つた場合におきましては、取引所に対しまして政府はいかなる手を打たれる所存であるか、お伺い申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/8
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009・首藤新八
○首藤政府委員 お説の通り、戦前に比較いたしますれば、現在の生産量はきわめて微々たるものであります。しかしながら一方において、生糸に関しましては、戦前においてはその八〇%を消化しておりましたアメリカの需要が、戦時中ナイロンに独占されましてれ生糸の消費はこれまた戦前に比較いたしますれば、まことに隔世の感があるような微々たる状況になつております。従つて内地の生産が少いからといつて、それだけで今後取引所ができたために、相場が暴騰するということは考えられないのでありまして、ただアメリカの需要が生産を超過するところまでふえるかどうか、一にかかつてこの問題が相場の騰落を決定するものと考えられるのであります。しかるにアメリカの方では、今の情勢から考えますと、さように早急に需要が増大するというようなきざしはどこにも発見できないのであります。なおまた今年の生糸の生産高は大体二十万六千俵が予想されておるのでありまして、昨年よりもはるかにふえることになつております。いずれにいたしましても、取引所に上場いたしますれば、当然六箇月の先物までの取引はやらなければならぬと考えております。特に朝鮮問題を契機とした客観的な情勢が相当かわつておりますので、相場の波瀾はある程度拡大するのではないかという考え方はしますけれども、それに対しましては業務規程並びに定款その他で十二分に抑制のできる方法をとつておると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/9
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010・高木吉之助
○高木(吉)委員 次にお尋ね申したいは、取引所開設の資産上の要件についてでありますが、「取引所は、その定款をもつて、上場商品ごとに、商品市場において当該商品を売買取引する会員の純資産額の最低額を定めなければならない。」ことになりますが、これを政令をもつて定めることにしております。その額は商品市場が著しく戦前に比して騰貴しております面から、また今日のごとく商業道義が著しく廃頽をいたしております現状におきましては、相当に高額に定める必要があると思うのでございまして、証券取引所の実例に徴しましても、資産的に貧弱な会社がありますために、一般消費者が損害をこうむつていることは事実でございます。本国会を通じましてその法案の一部を改正せねばならぬというようなこともこれに基因しているのでございます。従いまして最低線の決定に対しましては、もとより政令で定めることでございますが、でき得る限り高額に定めることが必要であると存ずるのであります。政府はこの点においていかにお考えになつているかをお尋ねしたいと存じます。なおまた商品ごとに最低額の数字が御用意になつておりますれば承りたいと存ずるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/10
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011・首藤新八
○首藤政府委員 ただいまのところ最終的な決定はいたしておりませんが、大体会員で五十万ないし百万、これは業種によつて異なります。しかしながらお説のごとく相場の波瀾が今後の情勢いかんでは相当拡大するかもしれないという考え方もむろん政府として持つておりますので、できる限り御趣旨に沿いまして引上げるような方法をとりたいと存じております。
それからただいま申し上げましたのは会員の最低でありますが、仲買人に対しましては、委託者の保護という観点より会員の最低額よりも一倍半ないしそれ以上にいたしたい。かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/11
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012・高木吉之助
○高木(吉)委員 次は仲買人の保証金の問題でございますが、仲買人は商品ごとに取引の定款によつて、当該仲買人の本店または主たる事務所については三十万円、支店あるいは従たる事務所については五万円、この範囲を下らない程度において定款に定められることになつておりますが、今かりに商品の原糸価を例にとりましても、戦前に比べてみますと、人絹糸は百ポンド單位として、現在は三万円でございます。生糸は一俵百斤を単位として十六万円であります。これらを考えてみましても、三十万円あるいは五万円という保証金はあまりにも低額であると考えられるのであります。戦前におきましては神戸の生糸取引所の会員は主たるものは三万円でございます。特に人絹取引所におきましては主たるものは一万五千円、従たるものは五千円であります。商品の価格が百十数倍になつておるのに対しまして、保証金はわずかに十倍程度であります。かかる低額では経済変動のはなはだしい現段階におきまして、投資者あるいは委託者に対して保護の効果が薄いと存じますが、これに対して政府はいかなる考えを持つておるかお伺いいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/12
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013・石原武夫
○石原(武)政府委員 ただいまのお尋ねのように仲買人保証金は商品ごとに、本店については三十万円、従たるものについては五万円、かようにいたしておる。これは少なきに過ぎはしないかというお尋ねでございますが、これはいろいろ見方によつて違うと思いますが、従前の取引所におきまして、一番少いのはたしか五千円くらいだつたと記憶いたしております。この前のときには取引員あるいは会員につきまして、商品ごとという制度がございませんが、今回はこれを商品ごとに計算をいたしておりますので、もし三件を扱いますものにつきましては九十万円ということになりますし、なおこれを会員信認金と重複して納めるという点もありますので、一応われわれとしては最低限度としてはこの辺が妥当ではないかと考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/13
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014・小金義照
○小金委員長 次は高橋清治郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/14
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015・高橋清治郎
○高橋(清)委員 この上場するところの商品についてお尋ねいたしたいと思います。第一、綿化でございますが、綿化は百パーセント外国に依存しているために、今日の世界の情勢にかんがみて取引上場ということは不適当ではないかと思う。これについて当局の御見解を承りたい。すなわち綿花輸入は外貨予算のわくに拘束されておるために、市場において先物価格決定は相当むりなところがあるのではないか。この点についてまずひとつ当局の御意見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/15
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016・近藤止文
○近藤政府委員 ただいまのお尋ねの綿花の点でございますが、これは現状におきましては、綿花につきましてはなお輸入の関係が相当きうくつでございまして、しかも最近までは全部政府の輸入になつておりましたので、取引所の上場物件といたしましては、適格性を欠いておるように考えられたのでございますが、この七、九月から政府輸入にかえまして、米綿につきましては、全部民間の個人買付ということに相なりましたけれども、また同時に最近におきましては、綿製品の輸出の関係を反映いたしまして、綿花の輸入為替のわくが相当増大いたして参つておりましてこの七、九月を経過いたしまして十月先になりますと、大体国内において輸出及び内需に使われます綿花につきましての手当は、かなり潤沢になるものと考えておるのでございます。そういつたあかつきになりますと——実は現在におきましても相当先物の綿を買いつつあるのでございますが、おそらく三月から六箇月先のものを買うということに相なつて来ると思うのでございます。その場合におきまして、国内に輸入いたしました綿花の中でいろいろのタイプ規格がございまして、製品をつくります場合に、ある紡績が手持をいたしておりますもの、あるいは綿化商の手持をいたしております綿花は、これを相互に交換融通をいたしまして、最も有利な綿糸、綿布をつくるということの必要性が当然起つて来ると思うのでございます。現在ただちに綿花を上場物件といたしますことには、まだ多少条件の欠けるところがあると存じておりますが、この十月先の状態になりますれば、現状の事態が続くものと仮定いたしますれば、綿化を上場いたしませんと、かえつて日本の綿製品の輸出の方面におきまして、障害が起る可能性があるのではないかというように考えております。ただ今日綿花が綿糸、綿布と同様の状態にあるというわけには参らぬかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/16
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017・高橋清治郎
○高橋(清)委員 ただいまの御答弁には、私は見解を異にしておるのであります。この今日の世界の情勢がどういうふうに展開して行くか。はなはだ外貨予算のわくに拘束されておるが、そこにある程度のゆとりができたとはいいながら、相当これは先物価格を決定するのはむりであるように私は思うのであります。この点について当局の十分なる御調査をしていただきたい。
次に生糸とか繭とか、こういうものが今日市場の価格が非常に不安定である。そのためにもしもこういう商品が上場されたならば、かえつて混乱に陥らせる憂いはないか。これに対して当局はどういうお考えを持つておるか、御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/17
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018・最上章吉
○最上政府委員 生糸と繭につきまして現在価格が非常に不安定であるというお話でありますが、この問題はことに最近の情勢に見ましても御説の通りでございます。これに対しましては、実は戦前からやつておりました糸価安定の施設を、何とか統制がはずれますと同時に政府においてもやりたいということで、昨年来いろいろ案を練り、まだ関係方面にも折衝をしたのでありますが、現在まだそれが実現するまでに至つていないのでありますが、将来ともこの糸価安定につきましては、何らか特別の措置を講ずるようなことで、鋭意研究をいたしておるのでございます。しかしながらその問題はその問題といたしまして、現在の情勢におきましては、やはりこういう取引所というようなものができました場合には、生糸と繭につきまして、どうしてもこれを上場商品にいたして、蚕糸業の安定をはかることが望ましいことでありまた必要なことである。かように考えておるのでございます。ことに生糸と繭は他の商品と違いまして、原料の輸入というようなことは全然ないのでありますからして、現在の国際情勢との関係も、ほかの商品とはおのずから事情を異にしておるわけであります。
なおこれは生糸、繭のみならず、全体の問題であるかと存じますが、非常に過当な取引が行われるというような場合につきましては、この八章等におきまして相当の監督的の規定がございますので、そういう方面につきまして、十分運用の面においては注意をいたして行きたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/18
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019・高橋清治郎
○高橋(清)委員 大体この問題を二つにわけて考えることができると思うのであります。綿花とか綿糸、綿布その他ゴム等はほとんど外国に依存しているものである。これらが今の情勢の変転によつては、はたしてこの法案ができ上つたとしても、実際これが空文に終つてしまうような憂いがある。さらに今蚕糸局長の御答弁のように、内地産であるところの生糸とかこういうものは、大いに上場することができるというようなお話でもありまするけれども、これらにいたしましても、実際この糸価の不安定なときに、ただちにこれを行おうとしたならば、非常に今申し上げた通り混乱に陥らしめる。これはある程度時期というものがある。国内生産の生糸とか繭については、もしこの法案が通過いたしたとしましても、ここにある期間をおいて、他の商品よりも半年なりあるいは一年なり遅れてこれを上場するというようなお考えは当局にないでしようかどうか、それをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/19
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020・首藤新八
○首藤政府委員 高橋委員の御質問は、綿花、綿糸、綿布並びにゴムのごとき輸入品は、現在のような不安定なときには一応時期を待つたらどうか、このような御意見であります。しかしながらこれは国内産と輸入とを問わず、取引所を設立いたしまする最も大きな要件は、需要と供給がマツチする、むしろ供給の方がランニング・ストツクとなつて相当多いということが最も必要な条件なのであります。
そこでただいま繊維局長から御答弁いたしました通り、綿花、綿糸、綿布、これ現在のところまだまだきゆうくつな状態にありまするのと、綿花、綿糸に関しましては、国内向けに対しましては、統制が実行されているのであります。従つてさしあたりこの面につきましては、取引所を設立いたしまする条件に欠格がありまするので、当分延ばしたい。しかしながらその他のものにつきましては、大体設立の根本的条件がそろつていると考えるのであります。特にただいま御説によりますと、現在の取引が不安定である、従つて取引所を立設立するのはどうかという御意見でありまするけれども、これは見方でありまして、われわれの見るところでは、現在のような取引状態ではきわめて不安定である。そこで取引所を設立いたしまして、一つのよりどころのある標準相場をつくることがこの際最も経済の堅実な発展のために好ましいことではないかというふうに、われわれは考えているのであります。こう申し上げるのは、御承知のごとく戦後におきまするところの各業者は、戦前と一応姿がかわつているのでありまして、戦前におきましては長い間のしにせあるいは経験、あるいはその人物ということが一応はつきり評価されておりましたから、信用状態その他はすつかりわかつておりましたが、戦後におきまするところの各業界では、それがきわめて不透明な状態になつております。ことに経験のない方が相当たくさんできておる。また道義が御承知のごとく、戦前に比較いたしまするならば著しく低下いたしておる。いわんや昨年来、経済界が相当金詰まりになつて来た。こういうことから不自然な取引と申し上げては語弊があるかもしれませんが、かなりむりな取引が相当行われております。ことに一定の公開の標準相場がありませんので、各個々に、端的に言えば、めくら相場とでも申しまするか、相対の相場ができておりまするが、それが金融関係が相当原因いたしまして、実際よりもはるかに安い取引が行われておる、またそれを強要されるというような面がありまして、不測の損害をこうむつている面がかなり多いのであります。そこで取引所を設定いたしまして、これを公の取引所を設定いたしまして、これを公の取引機関といたしますれば、おのずからそれらの業界ではよりどころができる、標準相場がはつきりきまりますので、別の面において取引いたしまする際にも、この標準相場を標準として取引することになりまするから、ここに初めて不安定の取引が安定するというふうにわれわれは考えるのでありまして、この面からむしろ経済界は堅実な発展を示すものであるまたこれによつて業界に相当裨益するところが大きい、かような見解を持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/20
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021・最上章吉
○最上政府委員 ただいま首藤政務次官から御答弁があつた通りでございます。なお生糸等につきましては、いろいろの特殊の事情もあることは御承知の通りでございまして、開設の時期等につきましては、そういう特殊の事情も十分考慮いたしたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/21
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022・高橋清治郎
○高橋(清)委員 この商品の問題は、また次の機会に譲りまして、この審議会の委員が——次の条文の百三十八条ですか、取引所審議会のところでありまするが、「両議院の同意」によつて任命されるのでありますが、そうして議決する該当事項が、詳細にまたあまりに事務的の部分にわたる。そのために実質上、それの運用がかえつてうまくないんじやないか、あまり事務的の部分にわたつておるというような傾向があるように思われますが、その点について当局はどういうお考えを持つておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/22
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023・石原武夫
○石原政府委員 ただいまお尋ねの百三十八条に、審議会の議決事項が列挙せられておりまして、ただいまお話がありましたように、相当詳細なものがすべてこの審議会の議決を要するということになつておりますが、商品取引所の運用等につきましては、長い間開設されておりませんでしたが、今度情勢もかわりまして、まつたく新しくこの仕事が始まり、法案も相当かわつておりますので、少くとも当初におきましては、行政が経済界に与える影響も相当重大でございますので、なるべく慎重に扱いたいという趣旨から、さようなふうに相当こまかく列挙いたしたわけでございます。但しお話のように、審議会にかかるために、非常に事務が遅れるということでは、はなはだおもしろくないのでございまして、運用につきましては、十分考慮して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/23
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024・高橋清治郎
○高橋(清)委員 学識経験のある方があまり詳細な事務的のような方面にまで携わることはどうかと思いますが、そういう点をもつと何とか別な考えがないものか、学識経験ある審議会委員の方には、むしろ取引所の運営とか、そういう方面によほど骨を折つてもらつた方がいいではないかという考えをもつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/24
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025・首藤新八
○首藤政府委員 御説ごもつともであります。そこで一応この法案を実施いたしまして、もし事態が御説のような点があるということになりまするならば、その場合はただちにまた適当な措置を講ずることにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/25
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026・高橋清治郎
○高橋(清)委員 一まずこれで打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/26
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027・小金義照
○小金委員長 次は今澄勇君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/27
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028・今澄勇
○今澄委員 本商品取引所法は、前国会において会期末突如としてこれが提出をされたために、われわれはたいへん面くらつたのでありますが、私どもは一応大所高所から今日の段階においては、この法案を成立せしめる意向で臨んだわけでございましたが、与党の態度並びに政府の早急な態度のために、本法案が審議未了になつたことは遺憾でございます。
私は質疑の第一点にあたつては、まずその後の社会情勢の変化から、大分再統制を行わなければならないものもあるかもしれません。あるいは非常に値段もだんだんと高くなつて来ておるものもございまして、この九品目が商品取引所の設置によつて、円滑に十分行き得るやいなやという前提条件としての今の日本の資本主義社会、自由主義の現段階において、この商品取引所が朝鮮事変を前にして円滑に運営でき得る自信がおありかどうか。
それから将来の見通しについて、再統制その他のことができるというような場合においては、これらの商品取引所はどのような処置をされるものであるか。
さらに私は外貨の割当輸送等のために減免手当と所要費を考慮に入れると、これらの九品目の先行きは、こういう自由市場にさらけ出しておいたのでは必ず問題が起る、政府は最近の世界及び近東諸国をめぐる日本の客観情勢が、これら商品取引所設置の要件を充たすものであるかどうかを、慎重に今考慮せられているかどうか、以上の三点について概括的でありますが、御意見をまず承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/28
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029・首藤新八
○首藤政府委員 朝鮮事変を契機といたしまして経済情勢が一変した、そこで現在の段階において、かような取引所というものが設立し得るかどうか、さらにまた再統制をするかどうかというようなお尋ねでありますが、朝鮮事変を契機といたしまして、経済界に相当変動を来したことは事実であります。しかしながら近い将来再統制が行われるというようなことは現在考えていないのであります。また政府といたしましては、いかなる事態が起りましても、これに即応のできまするように、現在すでに繰上げ輸入あるいはその他の緊急処置をとりまして、できる限り国内のランニング・ストツクをふやしまして、もつて特需その他の需要がふえましても、万遺憾のない措置をとつて行きたい。かように考えておるのであります。従つて現在のところ朝鮮問題のために、取引所が成立不可能になるようなことも考えておりませんし、同時にまた各商品の再統制をやるということも考えていないのであります。しかしながら将来どうしても再統制をやらなければならぬというような情勢になりますれば、むろん取引所というものは成立たぬのでありますから、そういうような問題につきましては、政府として現在慎重な検討をいたしているのであります。万遺憾なきを期したいと存じているのであります。
なおまた外貨の問題でありまするが、これは幸いに最近朝鮮事変を契機といたしまして、特需あるいはその他の面の需要が相当ふえて参りましたので、勢い外貨は相当量獲得できているのでありまして、日本における正常な輸出の振興と相まつて、現在のところ外貨はかなり豊富であるということを申し上げてよいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/29
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030・今澄勇
○今澄委員 綿関係については。価格、配給等に関する諸統制が継続しておるが、一時的の措置としてこれをはずすというような関係上、これらの綿関係の統制問題と、この商品取引所法との関係はどのようになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/30
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031・首藤新八
○首藤政府委員 先ほど繊維局長からも御答弁申し上げたのでありますが、今日の段階におきましては、綿糸、綿布は、国内向はまだ配給統制を実施いたしております。従つて統制を撤廃できるような客観情勢がはつきりするまでは、取引所の設立は延期いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/31
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032・今澄勇
○今澄委員 大体この商品取引所法の中に含まれている現在の物資のほかに、将来追加をせられるような意思があるかどうか、そうして追加をせられるとすればどういうふうな構想を持つておられるかということを第二点として伺います。
さらに私はちよつとおそく参りましたので、重複しておるかもしれませんが、生糸、羽二重についての概略のお考えをお聞きしたい。それから化学繊維、ビニール系の品物はどういうふうになつているか。食糧関係で米麦、砂糖等の見通しはどうか。ゴムも最近は再統制をせざるを得ないような状況で、原料は五割も値上つておりますが、こういうようなものをことさら取上げられている理由等について承つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/32
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033・首藤新八
○首藤政府委員 本法案に掲げてあります以外の商品で、近く取引所の設立を必要とする商品があるかという御質問でありますが、今のところさしあたつてはありません。これは大体業界から強い要望もあり、またその商品の需要供給が相当多量である。さらにまた地理的にそういうようなものを必要とするかというような客観情勢をよく検討してこれが必要であると認定された場合には、どの商品に限らず許可いたしたいと考えておるのであります。
それから絹物の方でありますが、これは戦前に比較しますれば、現在の生産はわずかに二〇%内外にすぎません。しかしながら最近この方面の海外における需要も相当ふえて参りつつありますので、近い将来に取引所の設立を見るようなことになるかもしれぬと考えておるのであります。
それからビニールのことでありますが、これは御承知のごとく、ドイツやアメリカでは数年来非常に急速な発展をいたしております。この影響を受けまして、日本でも最近かなりこれに関心を持つ業者がふえて参りましたが、現在の段階ではまだ序の口とでも申しますか、一つの商品としての基礎というものは、まだできたというところまでは参つていないのであります。しかしながら現在の情勢から考えますと、今後日に日にビニール工業は盛んになるというふうに考えております。
またゴムは最近非常に暴騰して参りましたが、これはマライの政情不安並びに朝鮮事変を契機といたしまして、各方面の需要が急にふえたということが原因であります。しかしながら一方におきまして、現在のところストツクもかなりあるのでありまして、大体現在のところは六千トン内外のストツクでありまするが、八月に参りますれば八千トン、九月になりますれば一万トン、十月になれば一万三千五百トンというようなストツクが予想されておるのであります。従つて需給関係には何ら不安がないのみならず、今日までの取引状態から見ますると、先ほども御答弁申し上げたのでありまするが、最近の輸入商が、いわゆる先着順で、今日まで経験も何もない方でも自由に申出ができるという点から、あらゆる面の申込みがありまして、しかもそれが抽籤の結果決定するということから、まつたくゴムの事情のわからい方が相当輸入されている。それでいざ販売するということになりますれば、工場の方では、一体どういう信用状態であるか、雙方ともその信用状態に非常な不安を抱くのでありまして、できるべき商売ができない、その間に相場がかわつて来る。また一方におきまして商売ができましても、手形決済がほとんどでありまして、これが不渡りその他で相当トラブルを起すことによつて、一層円滑な商売を阻害しているというようなことから、むしろこの際取引所を設立いたしまして、工場はその製品を先物につないで行く、あるいはまた輸入者は、不安な工場へ売るよりも、取引所の方にそれを渡すというような方法をとることの方が、現在の不安定な取引よりもはるかに効果的ではないかと考えまして、ゴムもこの際取引所上場の必要があるというような結論に達しておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/33
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034・今澄勇
○今澄委員 なおいろいろ全般的な問題で聞きたいことがありますが、この商品取引所に関する米麦、砂糖等の主要食糧その他のものに対する——これは農林省のいろいろの問題もありますが、関連して通産省の見通しをお聞きしたい。
なお今度は法案の審議に入りますが、百三十七条に商品取引所審議会の規定がございます。重復しておれば簡単でけつこうでありますが、この委員は公務員であるか、もし公務員であるとすれば、一般職か、特別職かというようなことについての解釈をひとつお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/34
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035・首藤新八
○首藤政府委員 米麦並びに砂糖は御承知の通り現在厳重な配給統制を実施されておりまするので、現在のところでは取引所設立に不適当だというふうに考えております。なお今後いつまた統制が解除されるかという問題は、これは農林御当局から御答弁いただきたいと思います。なお百三十九条にありまする取引所審議会の委員の資格でありますが、これは特別職であるというように御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/35
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036・今澄勇
○今澄委員 よくわかりました。そこで、右の審議会は、これは諮問機関であるか、執行機関であるかという問題でありますが、法文の大要から受取る感じは、諮問機関のようにも見受けられるが、はたしてしかりとすれば、百三十八条に、「審議会の議決を経なければならない。」と命令規定があるが、これと関連して、この百三十八条の違反行為に関する規定はどうなるか。また諮問機関であつて議決を経なければならないなどというような法文の作成は非常に矛盾撞着があるが、これに対してどういうふうなお考えを持つておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/36
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037・石原武夫
○石原(武)政府委員 まず第一の審議会の性質でございますが、これは諮問機関だと考えております。
それから百三十八条の、「審議会の議決を経なければならない。」という命令規定に関してですが、これは主務大臣が職務をいたしまする場合に、百三十八条に掲げておりまするような事項に該当する場合は、必ず審議会の議決を経なければならないというふうに解釈をいたしております。必ずそこの審議会の議を経なければいかぬということで、諮問が義務づけられておる。従つて先ほどのお尋ねのような執行機関ではもとよりございません。なお百三十八条の、かような議を経なければならないという規定は必ずしも例は多くございませんが、たとえば工業標準化法というような一、二の例はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/37
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038・今澄勇
○今澄委員 諮問機関としての議決を経なければならないというような御趣旨の点はよくわかりました。それでちよつと相前後しますが、第二十八条第四項についてお聞きしたいと思います。中小企業等協同組合法第十四条、その他の各種の団体と比較をしてみますと、本条では正当な理由がないのに、その加入につき現在の組合員が加入の際に付されたよりも困難な条件を付してはならないという旨の規定が欠如せられておりますが、これはその半面解釈としては、より困難な条件を新たに会員にならんとするものにつけてもよろしいという意味のようにとられてもしようがないかと思いますが、これらの点についての解釈なり御見解を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/38
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039・石原武夫
○石原(武)政府委員 今のお尋ねは二十八条の第四項と存じまするが、かような規定につきましては、今お話のように組合法等にはさような規定がございまして、これは字句から申しますと異なつております。しかしながら、その法文によりましても、「正当な理由がないのに、その加入を拒んではならない。」ということでございますので、不当な加入につきまして条件をつけた場合には、この規定の趣旨に反しますので、実際上の運用におきましては同じことになると思います。なお組合法等今のお話のございました条文につきましては、これと字句は違つておりますが、同じような条文で従来書いてあつた例もございますので、いずれの場合も正当の理由というのが頭へかぶさつておりますので、解釈としては同じようになるというふうに解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/39
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040・今澄勇
○今澄委員 同じようなわけならば、ほかの協同組合法その他にもついておるようなやつをこれにもつければよかつたというような気がいたしますが、その点についではどういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/40
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041・石原武夫
○石原(武)政府委員 ただいまのお尋ねについては、あるいはお話のようにした方がよろしかつたと思いまするが、いろいろ法令の審議の場合にかようなことで一応きまりましたので、かようなことにいたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/41
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042・今澄勇
○今澄委員 第二条第二項第十号の上場商品の指定というのを一片の政令で規定し得ることになつておるようであります。とにかく政令にゆだねた条項が最近の法律には非常に多いのでありますが、こういうことを行政官庁の行政知識だけに一任しておいていいかどうか、これは非常に問題であると思います。私はこれが行政官庁の越権のさたであるとは思いませんが、このような重大なる事項を、議会の常任委任会なりその他に全然連絡もなくして、ただ政令に譲つて全部これを所轄省の思いのままにきめて実行するということについては、われわれは非常に関心を持たざるを得ないが、これらのことを政令で定める場合は、政府はどういうふうな態度をもつて政令で定めるか、あるいはそれは独断でやるのか、国会にも相談するのか、あるいは民間の意見も聞くのか、どういうわけでこれは政令にしたか、そういう点について御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/42
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043・首藤新八
○首藤政府委員 先ほど今澄委員から御質問の、百三十八条にありまする取引所審議委員会を、政府としては特に重要視いたしまして、大体この法律によつてきめられた条件を具備しておるかどうか、また申し上げるまでもありませんが、取引所の設立はあくまでも民主的でありまするので、業界から強い要望があるということがまず前提になるのであります。そこでその強い要望を受けて、その商品がその法律に適格するところの条件をそろえておるかどうかということを検討いたします。さらにその上で審議委員会の議にこれをかけまして、慎重なる検討をいたすという段取りになつておりまするので、必ずしもある場合には時間的に非常に延びまするところの国会にかけることはどうか、むしろその商品のためにいいかどうか、検討を要すると思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/43
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044・今澄勇
○今澄委員 大体審議会にかけてやられるということですが、審議会は諮問機関の性格があるということになると、これらの問題については政府は業者の意向なりあるいは時の社会情勢なりを十分勘案して善処すべきものである。国会の常任委員会等開催されておれば連絡をとるくらいなことがあつてもよかろうという希望を付しておきます。
第百四十八条の第四項に出先通産局に対する権限の一部委任の規定がございます。中央集権の打破、地方権限の大幅拡大の御趣旨はまことにけつこうでございますが、商品取引所の設置箇所は全国に数十数百とたくさんつくるのではなく、せいぜい現在のところ七、八箇所くらいしか予定されておらないのでありますから、地方通産局経由ということは非常に冗漫にして非能率に堕するようなおそれがあるが、本省直接にして行く方が業界としては便利ではないかというふうにも考えますが、大体この設置の箇所と、もしそれが何箇所ときまつておればそれもお聞きしたい。またそういう通産局経由の方法がよいか、直接本省でやる方がよいかというお考えがありましたならば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/44
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045・首藤新八
○首藤政府委員 今の段階におきましては、先ほど申し上げましたごとく、あくまでも業者の便宜をはかりたいという建前から、わざわざ中央までお出で願うよりも、地方で済むことは地方で済ますという方がよいのじやないかとい考え方から、地方の通産局にある程度の権限を付与しておるのであります。しかし実際におきまして、これに支障があるということがはつきりいたしますれば、その際改めて御趣旨を体して変更してもよいと存じております。なお現在この法案が通過いたしました直後において、取引所の設立を予想されておりますのは東京の繊維商品取引所、名古屋の繊維取引所、大阪の綿業取引所、大阪の化学繊維取引所、福井の人絹取引所、神戸ゴム取引所、横浜生糸取引所、神戸生糸取引所、豊橋繭糸取引所、以上九箇所であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/45
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046・今澄勇
○今澄委員 今の地方の通産局の出店で決裁して処理ができるという問題と、通産局だけではできなくて、本省をどうしても経由して本省の指揮を仰いで相当な時間をかけてやらなければならぬというような問題については、私は業者のためにはつきり区別をして、全然地方出先で許されたものは地方出先で決定ができるというふうな迅速な処置がとり得るならばけつこうだと思います。
それからもう一つの問題は、一般商品取引における取引所の紛争、株式取引所においても先般の買占めのごとき問題がありますが、いろいろ紛争が生ずるが、そういつた取引所の紛争を処理する場合において、自主的な紛争処理機関を設置される御意向があるかどうか、それともそれらの紛争処理はどういうような方針でやられることになるか、それらの概括でよろしいですが、何かありましたら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/46
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047・首藤新八
○首藤政府委員 その点を考慮いたしまして、法案の第十三章仲介、百二十六条にその点を明らかにしておるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/47
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048・今澄勇
○今澄委員 その条文において明らかにされておりますが、この内部紛争に関してそのような決定をした場合においては、それが最終決定でもう動かないものであるか、それともさらに政府がいろいろの問題に対して、最後にまたタツチするかどうかという点についてもまた御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/48
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049・首藤新八
○首藤政府委員 これは最終決定ではありません、もしこの仲介者の決定に不服があります場合には、その当人から申立てができるのでありまして、その申立てがありましたならば、聴聞会を開きまして、さらにまたこの審議委員会で慎重にそれを検討する、こういうことにいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/49
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050・今澄勇
○今澄委員 この法律案については、運営上に、私は以上の諸点からいま少し留意しなければならないものがあるように感ぜられます。
最後に、私は第百四十九条の規定の、私的独占禁止法との関連についてお聞きしたいと思います。現実に、たとえば綿花ならば、五大紡績とかあるいは二十五社、ゴムならば横浜ゴム、中央ゴムといつたような、大手筋の一そくぐらいの大業者たちが価格操作について談合する場合など、技術的にこれを発見あるいは証拠立てをするような方法があるかどうか、いささか不安の念があるのであります。一例では、先般の繊維公団の、絹、人絹滞貨の放出に際しとられた有力商社の金銭的な談合、これは公正取引委員会で、談合なりと審決を下されましたが、近くは綿の屑やあるいは臨時通商業務局の払下げ物資の糸につきましても、談合、やおちようはしきりと行われておるとうわさされておるし、そういうふうな報道もございます。そこで私どもは、かかる払下げ形式は、官庁の責任転嫁や、公団会計の赤字補填の美名のもとに、理論上は承服せざるを得ないのでありますが、現実の大業者のこれらの価格操作、これは私どもの耳にも入つていることでございまして、そういつたありさまならば、入手困難で困つているところの中小の企業者に配給割当をしてやつた方が、実際面では非常にスムースに行くのではないかというようなことも考えられます。私どもはそれらの過去の事実にかんがみまして、こういつた点についての通産大臣なり政務次官のお考えがありましたならば、ひとつ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/50
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051・首藤新八
○首藤政府委員 先ほど申し上げましたごとく、取引所設立の最も大きな条件は、商品の需給関係、いついかなる場合においてもランニング・ストツクをある程度持つているということが必要かと存ずるのであります。従つてこれらの条件がそろつておりますれば、たとい資本が大資本でありましても、おそらく買占めとかあるいは、その他おもしろくない行為はできないと存じておるのであります。またかりにそれをやるといたしましても、この法案では業務規程におきましても、あるいは定款におきましても、あるいはその他の条文におきましても、十二分にさようなことを防止するような措置が講ぜられておるのであります。なおただいま今澄委員の御質問の中で、先般の公団の払下げあるいは業務局の払下げ問題等々に言及されましたが、これらの商品も、もし公的な取引所ができておりまして、公な標準相場が立てられておりましたならば、あるいはそういうこともなくて済んだのではないかというふうに考えておるのであります。そういう面からも、むしろかような公的取引所を設立することが、全般的にいい影響を及ぼすものであるというふうに考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/51
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052・今澄勇
○今澄委員 今のいろいろの問題については、たとえば公的な相場が立てられても、これらの一部の大手筋業者のこういつた談合なり、あるいはその他の者で値段を左右して、他の中小業者はついて行けないというようなふうに、市場が運営されるおそれがあるならば、これはゆゆしき問題であつて、十分それらの点については留意しなければならない。ことに今後朝鮮事変を中心に、いろいろ思惑なりその他も盛んになることは、現在の株式市場のありさまで十分わかつているところであつて、それらのものに関心なく、本取引所法が運営されるということになれば、これは私は重大な通産省の欠陥になることを恐れて警告をいたします。
最後に、第九十四条の呑行為に対する罰則として、第百五十六条で一年以下の懲役もしくは三万円以下の罰金というのがございますがこれらの罰則は、他のいろいろな罰則と比べて通産省としてはどのようにお考えであるか、御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/52
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053・石原武夫
○石原(武)政府委員 ただいまのお尋ねの呑行為の罰則は、証券の場合よりも罰が重くなつておりますが、この呑行為の弊害というのを重要視いたしまして、いろいろ関係の法務府その他にも打合せをいたしまして、これをできるだけ厳重に取締りたいという趣旨で、ある程度重く罰がなつているようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/53
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054・今澄勇
○今澄委員 社会党としては、これらの物資に関する買占め、その他いろいろな不正行為は、これは重要な、国民生活に影響のある物資であるという点から、これらの罰則については、この法文上に見られている一年以下の懲役もしくは三万円以下の罰金というのは、軽きに過ぎると思います。これらの点は十分考慮して、そのような不正行為のないように、政府は留意される必要があると思います。以上概括質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/54
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055・小金義照
○小金委員長 午後は一時半から開会いたします。これにて休憩いたします。
午後零時八分休憩
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/55
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056・小金義照
○小金委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
商品取引所法案を議題として質疑を継続いたします。風早八十二君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/56
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057・風早八十二
○風早委員 この商品取引所法案の提案理由を見ますと、昨年来経済九原則及びドツジ・ラインの実施によつてインフレもようやく終息し、物価も安定して参り、物資に対する統制も順次解除されつつある状況だ、こういう状況判断がしてあるわけですが、本法案のねらいというものは、統制経済が撤廃されて、結局元の自由経済ということを前提とせられまして、その自由経済における価格形成機関として取引所を設けられる、こういう御趣旨であるように、いろいろ先ほどからの御答弁でも一応理解しておるのでありますが、大体そういうふうに理解してよろしいのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/57
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058・首藤新八
○首藤政府委員 お説の通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/58
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059・風早八十二
○風早委員 その点についていささか疑義がありますので、私も若干の質問をしてみたいと思うのです。それもやあこれが自由経済だ、これが統制経済だという水掛論をやつても始まらないのでありまして、やはり具体的な事実に基いてこの根本の問題おそらくこれは吉田内閣の自由主義経済そのものに触れる問題だと思いますが、具体的事実に基いて、この商品取引所法案というものがこれから負わなければならない役割というようなものを発見して行きたいと思うのです。大体この提案理由に書いてありますことが、その言葉全部が全部これが疑問だというわけじやないのでありますが、しかし少くとも最近におきまして、朝鮮で民族統一の闘争が起つておる。そしてこれに対して吉田内閣が結局相当乗り出しておられる、そういうところから、またそれでなくてもいろいろ物価の面でも混乱があつたのでありますが、最近物価の面で変動が相当ありはしないかと考えられるわけです。こういうふうなことがきわめて一時的の現象であるのか、それともこれからますます激しくなる現象であるのか、これらについては、結局日本経済というものが、現在アメリカ経済と不可分な関係、というよりもむしろアメリカ経済の方寸というものがすぐこちらに響いて来る、このアメリカ経済の方寸をやはり明らかにしなければお先まつ暗であるといつたような、そういう性格があるものと私は判断しておるのでありますが、そういう意味におきまして朝鮮事変が起りまして後、特にアメリカ経済に起つて来ている変動、そうしてそれと関連して、日本の経済に起つて来ておる変動、軍需景気と一部で言われておるような、そういう名称もありますが、そういうような状況で少くも今日取引所法が問題になつておる限り、あまり間口を広げてもたいへんですから、物価に関する限りでもよろしいですが、アメリカ経済は今どういう変化が起つておるか。そうしてこれと見合つて日本の商品市場でどういう変化が起つておるか、これらの点についてひとつ政府の大体今判断しておられるところを、まず概括してお話願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/59
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060・首藤新八
○首藤政府委員 非常に広汎な御質問でありまするから、御満足の行く答弁になるかどうかわかりませんが、一応お答えしたいと思います。ただいま御質問の中に、アメリカの経済と日本の経済が不可分という言葉がありましたが、不可分とはわれわれ考えてないのでありまして、アメリカにはアメリカの歴史的な経済の発達があります。日本もまた別個の状態にあるのであります。ただしかし国際的商品は、これはひとりアメリカ、日本の関係のみならず、世界的に関連を持つものであります。しかも今度の法案によりまして上場しようといたします生糸にいたしましても、あるいはまた綿花にいたしましても、ゴムにいたしましても、これはことごとく国際的商品でありますから、一アメリカの経済事情のみによつて左右されるものではないと存じております。そこで朝鮮事変が起つてどういう変化を来しておるか、これも非常に広い範囲にわたるかと存じますが、現在までのところ目だつて相当変化を来しておりますものは、綿花、ゴムあるいは鉄、銅、それから皮革、そういうものが相当影響を来しておると存じまするし、また日本もそれらの商品が相当急激な上昇を示しておるのであります。将来の問題でありまするが、これは各人の見るところみなそれぞれ異なると思います。何人も断定はできないのでありますが、少くも現在の段階から想像いたしますると、相当長期にわたりやせぬか、なお事態もいま一段と重大化して、各商品に対する重要も相当ふえて参りやせぬか、従つてこの面から見ますれば、相場も当然上昇するというふうに考えられまするけれども、しかしながら水の低きに流れると同様、相場が高くなりますならば、勢い生産がふえて参りますから、需要がふえたからというのみで、相場がそのまま上つて行くとは断定しがたいのでありまして、ある程度相場が上りますれば、当然生産はふえまして、需要と供給の度合いがマツチいたしますならば、おのずから相場は安定するというふうに考えておりまして、これ以上どこまでも上つて行くというようなことは考えていないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/60
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061・風早八十二
○風早委員 今次官のお答えの中に、アメリカ経済のみに左右されるものではないというお話がありましたが、これはここで議論しておつても始まらないですが、少くともドツジ・ライン以後、昨年の年初以後は、実質上は言うまでもなく、形の上から言つても、アメリカ経済にがんじがらめになり、非常に左右せられておることは、ここで議論するまでもなかろうと思います。たとえば外貨予算というようなものができて、それで一つのわくがきまり、それから貿易にしましても、やはりローガン構想というようなものは、これすなわちアメリカの対外政策の一環として、その中に日本の貿易が組み入れられた次第でありまして、協定貿易というようなものは、やはりそのことを如実に示しておると思います。さらに日銀の金融の引締め自体にしましても、やはりドツジ・ラインのわくで、それに見合つてこういう事態が起つておるわけであります、こういうことは今ほとんど論議の余地はないのでありますが、念のために私はそういう前提であることを述べておきたいと思います。それで現在のいろいろな変動は、これから相当長期にわたるというよりも、今のお答えでは、こういう軍需景気が長期にわたるというような印象で受取つたのですが、いずれにしましても、その長期にわたるということと、それからいわゆる軍需景気というものの内容とは、おのずから別ものでありまして、大体あの問題が対岸で起りましてからごく最近までのきわめて短期間におきましては、確かに一部の部門でありますけれども、そこに集中的な、非常に景気的なものが起つて来た。たとえば造船であるとか、輸送面ではそうであります。しかし造船にしましても、それから輸送にしましても最も今花形であると言われる造船については、あとでまた通産大臣に伺いたいと思いますが、そういうような面につきましては、すでに第一段階といいますか、そういうものはすでに終つたのじやないか。たとえば船賃などにしましても、どうもたいへんな値下りが最近ちやんと出ておるように思われます。これは七月の十九日以来その段階が画されておると思うのでありますが、いわゆる調弁価格、たとえば三千トンないし四千トン級の朝鮮向けの輸送賃でありますが、二ドル三十三セントであつたのが、この七月十九日以来、一挙に一ドル五十セントに切り下げられた。すなわち八十三セントも切り下げられた。こういうふうなことになつております。その結果戦前につくられた船であるならば引合うけれども、戦後に見返り資金などを入れてつくつた船では、とうてい引合わない。こういう問題も出ておる。これは一例でありますけれども、大体こういつたことを見ましても、いわゆる軍需景気と言われておるけれども、非常にはなやかだと言われる戦前のあり方とはちよつと違いまして、結局再び今までの日本の置かれてある地位、すなわち直接には外貨予算でありますとか、あるいはローガン貿易方針でありますとか、そういつたようなもので大体わくがありますから、日本が東南アジアやフイリピンなどや、また西独、いろいろな方面との関連で受持たされておる、置かれておる地位というものがあるわけですが、やはりそういうもとのところへ日本はすえられまして、そうして今まで通り非常な低賃金、労働強化、こういうものでダンピング的な輸出が行われなければ、どうにもやつて行かれない、そういう仕組みにまた返つて来る。その中で今度の事変というものがどう長期化するといたしましても、結局日本というものが置かれておる地位というものは、やはりかわりがない。ますますその従属的な役割というものが、ここで深められて行きはしないか、こういうことを、すでに今の傭船料の点から見ましても、われわれに十分感じさせるのであります。そういう点からいいまして、今次官のお答えはまだそこまではおそらく論及していられなかつたのだろうと思いますが、非常に甘過ぎはしないか。ただ長期にわたつて軍需景気がこれから起つて来るというような前提で今の事態を考えておられるとすれば、これは非常に甘過ぎはしないかということを考えるのでありますが、次官はどういうふうに考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/61
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062・首藤新八
○首藤政府委員 アメリカの経済と日本経済が不可分でないという御答弁に対して、ドツド・ラインあるいはローガン構想といものをもつての再質問でありますが、ドツジ・ラインは御承知の通り日本のインフレ経済を押えて健全財政に建て直そうという一つの手段であります。同時にローガン構想は、この健全財政を確立するためには、日本経済を一日も早く自立に導くためには輸出を振興することが最も効果的な対策であります。こういう考え方から輸出振興のためにとられた対策がいわゆるローガン構想であるのであります。そこで各商品の価格と、それがアメリカと日本と不可分ということは断じてないのでありまして商品は先ほども申し上げましたごとく、個々の商品の需給関係によつて値段が決定するのでありましていかにローガン構想を実行し、あるいはドツジ・ラインを実行いたしましても、それは商品価格とはまつたく別問題でありまして、一つは財政政策、一つは完全な国際的な需給関係を基礎として変動する相場の変化でありまして、この点には関連がないと存ずるものであります。そこでただいまのすでにある一部のものは値段を下げられた、あるいはその面から表面の活気と反対の不景気を呈し、あるいは隷属的な状態に置かれはせぬかという御質問でありますけれども、私はそれとは反対の意見を持つものでありまして、いわゆる運賃のごとき、多少低くさせられたものがあるかもしれませんけれども、今日まで大量の繋船をしておつた、船を遊ばせておつた。しかるにそれか実際に活動する、使えるということになりますれば、ただ高い運賃でありましても、それはノミナルであつて、実際に收入がなかつた。今度は安くても実際收入があるという裏づけがあるということになれば、むしろ安くなりましても、これが実際の裏づけがあります以上は、そういう方法をとることが、この際日本経済にはよいのではないかというふうに考えるのであります。同時に朝鮮事変が先ほど申しましたごとく長期にわたるといたしますれば、当然あちゆる物資の需要は、今後一層増大して参ると思うのであります。需要が増大いたしますれば、結局生産を刺激する、生産をふやして行く。従つて生産をふやすこと自体が、結局は日本の企業体を一層堅実化するということにもなりますし、さらにまた別の方面から、日本経済の自立という根本目的を達成いたしますために、大規模の企業合理化審議会というものをつくりまして、現在各業界を通じまして、それぞれいかにすれば企業の合理化ができるか、要するにコストの安いよい製品ができるかという点に格段の検討をやつておるのでありまして、すでに石炭、鉄鋼あるいはその他重要商品に対しますところの大体の構想は一応でき上つておるのであります。この線を今後も強力に推進いたしまして、なるべく早い期間に企業合理化を達成する。そうして輸出は現在よりもはるかに高度の振興をしますような体制をとつて行きますならば、御説のような不安のない、ほんとうの完全なる自立経済が完成するのも近い将来にある、かような見方をいたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/62
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063・風早八十二
○風早委員 あまり時間をとつて今議論をやりたくないのでありますけれども、どうもお話を伺つておると、アダム・スミスの時代の経済論を伺つておるような感じを受けるのであります。もちろん物価というものは、需要供給の関係で形成されることは一般の原則でありましようが、しかし問題は具体的な問題なのでありまして、具体的に日本の物価の形成がそういう面から自由に形成されておるか。断じてそうではない。これは何よりもまずアメリカの商品価格と見合つて、そのわくにはまらないものは、むりにもこれを引上げて行く、あるいは引下げて行く。こういう方針が今までずつと、少くともこの最近一年間、露骨にとられて来ているわけであります。今その具体的な現段階の問題がここでは重要なのでありまして、最近商業界で言われておりますいわゆる原料高の製品安、これもやはり国際的な規模で、特にアメリカ経済において今それが問題になつておるのであります。結局日本でも同様にこれが問題になつておる。これらは密接に関係しておるわけであります。この物価の形成が何によつてなされるかという問題が、やはり商品取引所法案については根本問題であると思います。この法案ではこれが今お説のような自由な取引また需給による自由な価格形式を重点としておられるのでありますが、もしそうだとすれば、これはとんでもない見当違いだ。前提がまるつきり違つておる。もしそういうお考えでこういう法案を通され、そうしてまた取引所を実際に開設されましても、それがうまく行かないことは、今から大体想像にかたくないのであります。
もう一つ私はぜひ、政府がどう考えておられるのかをここでただしておきたいのは、実際商品の需給そのもののアン・バランス、景気そのものが全体としてそうだが、非常に片寄つている。今まで、たとえば、電力あるいは石炭、鉄鋼、こういうふうなものに対して低コスト政策、いわゆる合理化政策でやつて行こうというようなことで、いわゆる見返り資金を充てようとしておるが、この見返り資金も、せつかく国会で承認しましたが、結局打切られてしまつた。そうしてどこに行くかと言えば、これは造船であるとか、輸送であるとか、そういう片寄つたところに行つてしまう。ところが造船というものを実際にほんとうに興すかということになりますと、これはもし興すとすれば、当然鉄鋼が問題になるのでありますが、その鉄鋼については何ら将来性というものについて見通しが立つておらない。たとえば八幡製鉄所にしましても、先般も——今度のこの問題が始まつてからの問題でありまして、最近のことでありますが、あるいは橋梁用の形鋼でありますとか、あるいは鉄道用の有刺鉄線であるとか、こういうものの注文がありましても、製鉄所の当局者自身が首をひねつている。これはつまり原料の手当を、これはむろん価格採算のもとにおいてやつて行くのであるが、やつて行く見通しがない。その能力の限度を越えてそういう注文が実際にかかつて来ておる。またこれをむりにやりましても先行きどうなるかわからない。こういうふうな実情を知つておりますから、これはどうしても首をひねる。せつかくの発注でさぞ喜びそうなものだが、これを受付けるについて首をひねつている。こういうふうなものが実存するわけです、そういうふうなところを見ても、非常に矛盾をはらみながら、ますます矛盾を深めながら、ある限られた部門に片寄つておる。この限られた部門自身が非常に喜んでおらない。造船所にしましても、たとえば今凾館造船なんかは千数百名も首切りがある。どんどん人をとつて、これから増産してしかるべきだが、そうではない。単なる修理をやらされ、修理工賃が非常にうまくないので、とうていやつて行かれない。これは大臣がおられれば播摩造船の社長として一番詳しいと思いますが、播磨造船のように大臣になつたような人の造船会社にしても、今まさに首切りが始まろうとしておる。そういつたようなことを見ましても、これは非常な不均衡がこれで激成されるということはありましても、これで全体として日本で自由な取引ができて、これからずつと繁栄が長期に続いて行くというような事態では、今日毛頭ないというように考えざるを得ないわけであります。そういう点をどの程度まで考慮せられて、こういう取引所法案を提出されているのか。これを提出されたのは前国会からでありましたが、最近の事情を見ましても、やはり前と同じようなこういうものを出されるということでありますと、われわれはその認識の程度を疑わざるを得ない。そういう点でどの程度にこういう問題を考えてこの法案を用意されたのか。そういう点もひとつこの際ざつくばらんに伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/63
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064・首藤新八
○首藤政府委員 いろいろ御希望がありますが、根本的に考え方が違つておりますので、はたして御満足が行くかどうかわかりませんけれども、今仰せられたいわゆる製品安の原料高、関連して失業者の増加ということは、これはアメリカ経済との関連が絶無とは申しませんが、大体これは日本経済だけの問題の結果であります。と申し上げるのは、終戦後四箇年にわたつたインフレ経済、これがためにあらゆる生産は急速に上昇して参つた。しかもこの間需要部面は一応充足いたしまして、あらゆるものが消費よりも供給の方がふえた。それが昨年来のいわゆるドツジ・ライン、健全財政の線とかち合いまして、ここにあらゆる商品が反動を来した。そうしてその結果事業を縮小せざるを得なくなつて来た。こういうふうに見るのが至当じやないかとわれわれは見ておるのであります。船腹の問題はお説のごとく大臣がその專門業者でありますから、私から申し上げるよりも、大臣の方から申し上げた方がはるかに適切であると存じますが、船腹は御承知のごとく制限されております。外航も許されていないのであります。従つて戦争によつて日本の船舶は非常に減りましたけれども、なおかつこの減つた船だけでも余るというような状態になつておりましたので、勢いこの間外船の受注をする。それによつて造船所は大体操業を続けて来たのでありますが、その方面の発注も減つたということが、各造船所における人員の整理という一番大きな原因だと考えておるのであります。そこで現在この法案にありますところの商品取引所は、これらとは関係ないのでありまして——これは絶対全部が関係ないとは申しませんけれども、少くとも終戦後におきまして、午前中にも述べたのでありますが、あらゆる業界の商社が全然更新された。大部分が戦前の商社とはかわつた人がその衝に当られている。そこで売りも買いも相手の信用状態がはつきりしない。同時にまた道義が非常に低下いたしまして、必ずしも支払能力がないところまで行つていないにもかかわらず、しいて支払いを拒否するというようなことからのトラブルも相当起きております。特に昨年来はいわゆる健全財政のために金融が相当梗塞して参つた、従つて商取引が非常に不円滑になつて参つた、取引したくても相手に対する不安から正常の取引がはばまれておるという面が相当多いのであります。さらにまた各個々の取引は勢い値段も区々でありまして、標準となるべき相場がない、そこで資金的に苦しんでおりますところの業者は、金融の面から普通の相場よりもはるかにたたかれて、不測の損を来しておる面も相当多いのであります。かたがたこの際健全な経済を発達せしむる点から見まして、公の標準相場をつくることが最もいいのじやないか、もし標準相場ができますれば、個々の取引におきましても、一応取引所の相場が標準対象となりまして、取引所の相場がこれだからこういう値段ということになりまして、従来のような小さいいわゆる中小企業の不測の損害を排除できる、こういう面からも取引所ができますれば、相当効果的な働きをするものというふうにわれわれは解釈いたしておるのであります。一部には、現在の不安定な相場が、取引所をつくるためにますます不安定になるのじやないかというふうな御議論もありまするけれども、これにはわれわれは反対な意見を持つておるのでありまして、取引所ができることによつてかえつて安定した相場ができる、同時に健全な取引ができる、こういうふうに考えておるのでありまして、従いましてお説とは大分異なるかもしれませんけれども、われわれはそういう考え方のもとに、取引所というものはこの際ぜひとも設立した方が日本経済の発展のために効果的だという確信を持つておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/64
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065・風早八十二
○風早委員 取引所が、取引及び価格形成の安全、健全のためにある、これはもう当然のことでありまして、それ以外の何ものであつてもならないのでありますが、事実そうなりさえすればけつこうなのでありますが、たとえば最近のいろいろな報道が新聞にもすでにあつたわけでありますが、梳毛糸などは勧告価格になつておる。これは単に梳毛糸だけじやないのでありまして、その原料たる羊毛、それから製品たる毛織物、さらに繊維製品全般にこれは波及する見通しがあるわけでありますが、こういう点は一体今度の上場商品と関連させてどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/65
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066・首藤新八
○首藤政府委員 先ほどからたびたび申し上げますように、取引所の設立について最も重要な条件は、その商品の需給関係がはつきりしておるもの、どちらかといえば、相当量のランニング・ストツクを必要とするのでありまして、いついかなる場合にも買占め、あるいはその他の不当行為のできないような措置を講ずる必要があるのであります。そこでただいまの御質問の流毛、羊毛のごときも、取引所を設立いたしまするまでには、相当安全性を確立するに足る多量の原料を輸入いたしましてそうして少くとも三箇月ないし半年くらいのランニング・ストツクをいつも国内に保有するという条件がそろつた場合に取引所を開設いたしたい。かくすることによつてただいま申されたような不安は排除されるものと考えておるものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/66
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067・風早八十二
○風早委員 それは一応そういう用意をされておつたかもしれません。むしろ用意というよりも、そういうランニング・ストツクができたから、つまりこれは滞貨ですが、滞貨ができたから、それでやるということかもしれないと思うのですが、それにしても、現在また新しい事態が起つて来た。たとえば軍服、ことに綿服といつたようなもの、これは東洋人向けといいますか、そういう綿服のようなものが、これはもちろん軍需物資としてでありますが、大量の買付けがある。これは聞くところによると、デパートのどこでありましたか、たいへんな数の洋服の注文なんかがあつたようでありますが、そういうふうなことになつて参りますと、一挙にそんなランニング・ストツクといつたようなものはふつ飛んでしまう。しかもこういう軍需向けのものがどういう価格で取引されるかといいますと、これはわれわれが申し上げるまでもなく決して商品取引所で正常な、健全にして安全な価格形成がなされるものじやない。みなそれからはみ出てしまうのであります。そういうものがむしろどんどんふえて行く。これは繊維製品以外のいろいろな軍需、いわゆる特殊需要物資といつたようなものを一々とつて行けば、みなそうでありますが、この範囲がどんどんふえて行くことが今現に行われておるわけです。おそらく日々ふえて来ておるだろうと思う。繊維製品にしましても、繊維の原料にしましても、やはりそうだと思うのでありまして、そういうものがどんどんできて来るという場合に、一体どれだけの働きをこの商品取引所がするか、これははなはなだ疑問たらざるを得ないのですが、そういう点は見通しておられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/67
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068・首藤新八
○首藤政府委員 需要がだんだん増大して行くであろうという御意見には賛成するものでありますが、しかしこの需要に対しましては、全部外貨が獲得できるのであります。しかもその外貨の中には、加工賃その他が含まれておりまするから、原料の量から考えますると七のものを売つて十の原料が買えるというようなことになります。のみならず政府といたしましては、今後相当量の需要がふえるかもしれないという想定のもとに、現在緊急物資の大量買付けを企画いたしておるのでありまして、できるだけ早期にこれを実現いたしたい。そうして一面においてふえるであろうところの需要がありましても、ただちに充足できるような方法をとつて行きたい、かように考えておるのであります。
なお価格の問題でありまするが、この価格の面からも、現在のような、いわゆるめくら的相場よりも、たとえば毛糸なら毛糸の取引所ができますれば、ただちにその取引所の相場を、いわゆる毛でつくつたところの製品の原価形式に使用できる。今日までのごとく区々たる意見をとらなくても、ただちに天下公知の取引所の相場が原価の中に形成されるというようなフアクターとなりまして、かえつて公正な価格が形成されるというふうに考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/68
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069・風早八十二
○風早委員 すべて非常に楽観的に見ておられるようですが、これは一貫した吉田内閣の態度でありまして、そこに根本的な問題がある。ただ単に意見の相違とか何とかいうことで片づけられるものではない。これは事実問題であります。事実うまく行つておればだれも文句はない。事実うまく行つておらないのは、やはり最初の前提、認識が間違つておるということをちやんと裏づけておる。それでこういつたような軍需物資、特需物資というものがどんどん幅が広がりまして、実際上場商品が、その分量におきましても、またその品目におきましても非常に限られたものになつて来る。ただこういうものを開かんがために開くんだというようなきわめて意義の少いものになつて来るおそれがあるということは明らかであろうと思います。もう一つやはり価格の面にも関係し、また今までの価格操作のマージンといつたようなものにも関係するか心しれませんが、たとえば生糸なんかにしましても、横浜の外商筋では今度のこの商品取引所の開設ということに対しては反対しておるというような事実があると伝え聞いておりますが、これらのことに対しては、政府としてはどういうふうに考えておられ、またどういう手当をされて行くつもりであるか、その辺の事情をお話願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/69
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070・最上章吉
○最上政府委員 生糸の問題について御質問がありましたので、私からお答えいたします。生糸の取引所の開設について外商が反対しておるということは、私どもも耳にしておるのでありますが、これは横浜の外商というよりも、海外、ことにアメリカにおきます生糸の取引関係者が反対しておるということを聞いておるのであります。これにつきましては、どの程度の反対か、あるいは一部業者の反対でありますか、そこら辺は詳細にわからないのでありますけれども、遠からぬうちに向うの業者と日本の業者と会見する機会等もございますので、そういう機会に、よく今度の取引所開設の趣旨、ことに組織も会員組織というようなことで、従来のような株式会社組織と違いますし、またこの法律に基きまして、前になかつたようないろいろの新しい監督的な規定もございますので、そういうことを十分よく説明をし、また向うの業者の意向も十分聞いて懇談したい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/70
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071・風早八十二
○風早委員 蚕糸局長がおられるようでありますから、それではついでにもう少し詳しく伺つておきたい。外商が今までもうけてたマージンと、取引所ができましてからと、これがどういうふうになるのか、この外商との関係でどういう利害関係が出て来るのか、その辺のところを教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/71
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072・最上章吉
○最上政府委員 お答えいたします。元来取引所について非常に反対の声があると申しますのは、海外、ことにニユーヨークにおきまする外商の間のそういう反対の声が新聞、雑誌等によつて伝えられる程度でございまして、この反対は先ほども申しましたように、こちらの今後の動き方をお話し、あるいは向うの反対の理由というようなことを聞きました上で、十分懇談をすれば理解が得られるものだと期待をいたしておるのであります。これは想像でありますけれども、外商が反対しておるというのは、こういう取引所をつくるということは、日本側が一方的に価格をきめるのじやないかといつたような不安、あるいはまた戦前になりましたような取引所における生糸の暴騰、暴落というようなことが非常にはなはだしかつたということで、そういう点に関する懸念から反対しておると想像いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/72
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073・風早八十二
○風早委員 その点あまり詳しいお答えがないようでありますが、それは一応そのくらいにしておきます。
次にこの現物なり先物なりの取引のために要する金融、この金融の面からもやはり私は困難がありはしないかと思います。これについての見通しを伺いたい。というのは、今まで証券取引というものがすでに開設されておるのですが、やはりこれが金融の面で行詰まつてしまつた。これは大蔵大臣もはつきり認めておる。それから肥料金融であります。これもまた公団廃止に伴つて莫大なものが必要であつたのでありますか、これがうまく行かない。さらに鉄鋼、石炭等につきましても、合理化のために莫大な金融がいるわけです。これでみな困つておるが、これがうまく行かない。そこへ持つて来まして今度特需物資というものがどんどんふえて来るし、貿手の割引についても金融が莫大に必要になつて来る、そういう方向へ金融が流れて行くことになると、そうでなくても今金融に困つておるわけでありますが、そういう面は実際今後この取引の円滑という点からいいまして、いかなる見通しを持つておられるか、ただ楽観論を抽象的に言つてもらつては困る。そういう点でわれわれは実際これはやれるのだろうかという懸念を持つわけであります。ひとつまじめにお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/73
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074・首藤新八
○首藤政府委員 決して楽観論のみを申し上げているのではないのでありまして、われわれもこの問題につきましてはあらゆる角度から慎重に検討いたしておるわけであります。そこで今の金融の問題でありますが、風早委員のお説を承ると、取引所ができますれば、その商品の全部が取引所で取引されるというふうに御解釈になつているのじやないかというふうに考えるのでありますが、取引所は御承知の通り自己の売買並びに第三者からの委託を受けて取引をするいわゆる仲買、この二つの取引によつて売買が行われるのでありまして、この売買の行われる場合には必ずそれに必要とするところの保証金あるいは証拠金が前納されなければ取引はできないのであります。従つて各人とも自分の手元の金融のつく範囲内においての取引が行われるということが前提でありまして、それ以上の取引が行われないのがほんとうなのであります。従つてお説のような金融上の不安というものは、この取引所におきましてはないというふうにお答えしていいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/74
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075・風早八十二
○風早委員 それは金を持つておる者か集まつて来ればそれでよろしいというのだつたらそれきりでありますが、やはりこれは一つの商売でありまして、仲買人、会員の資産というものが一定限度以下に下りますと、すぐ資格を取消されるというようなことがどこか条文にも書いてありました。それがまた元へもどると復活するということが書いてあつたと思いますが、結局中小の仲買人とか会員にとつては、非常に不安定きわまりないものですが、そういうものはそれでよろしい、中小企業者の五人や十人というあの池田放言式に考えているのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/75
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076・首藤新八
○首藤政府委員 決して池田蔵相の放言と同じような考え方はいたしていないということを御了承願いたいと思います。ただこれは大資本とか中小資本とかいうことでなくて、その人の身分不相応の取引をするかせぬかによつて、そういう事態が起るか起らないかという相違を来すものと思うのであります。ところが取引所は一定限度の保証金が納付されなければ取引ができないのであります。従つて不当な取引をしますれば、それはひとり中小の業者のみならず、大業者も同じ立場に立つたのでありまして、これをもつて中小工業が特に金融的に圧迫を受ける。あるいは出たり入つたりするというようなことは考えられないのでありまして、要はまじめな取引、——自分の力を越えた取引をしないように、それは業務規程あるいは定款、あるいはこの法文によつてそれぞれ規定をいたしまして、そういう事態の起らないような措置を講じてあるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/76
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077・風早八十二
○風早委員 そこで少し内容に入つて行きますが、先ほど今澄委員からもいろいろ機構の上の御質問がありましたから、重複は一切避けますが、特に政令委任事項というものが非常に多い。こういうふうなことが、これから取引所の実際の役割というものにいろいろ大きな影響を与えて行くとわれわれは考えざるを得ないわけです。何もかもこまかいことまで一々やらなくてもいいけれども、しかしまた他面こまかいことであるからといつて、相当多数の事項について、これが政令にゆだねられる、こういうことになりますと、この機構がやはり審議会——審議会といいましても、結局は大蔵省というような、そういつた実力を持つておる官庁が、ここに、実際の支配的な発言なり、まだ影響力なりを与える。しかもそれはそれ自身大きなひもがついておる、こういうことになりますと、結局この取引所の開設を通じて、価格統制が今お答えがあつたような自由な需給によつてきまる。それをここで調整して行くというようなことになるのでなくして、今度はこれによつて結局は大きな日本経済というものの外国の大資本に対する従属性というようなものを、今度は価格形式の面にまで推し広めて——もちろん今までも、事実私どもが見るところは幾多そうなつておる実例があるのでありますが、全体的に取引所に上場されない商品がだんだんふえて来て、その場面では事実実力をもつて価格の形式が、われにもあらずなされておるわけです。またそれから漏れる商品に対しましても、国際商品である限りは、これは直接このひもがついて、それで価格が実際はきめられて行く、こういうような機関にならないとは限らないと思うのです。そういう点で政令委任事項が多いというようなことも、また非常に私は問題だと考える次第であります。先ほどインフレなんかの問題につきましても、これは何も日本経済の都合で、インフレがどんどんああなつて来れば、はなはだ日本経済を混乱に導くから、それでこれをデフレにして行つたというふうに説明がありましたが、しかしこれだつて決してそんなに簡単なものじやないわけです。私が最初に申しましたように、国際経済というよりも、直接にはアメリカ経済というものの寸法から出て来ておる。ドツジ・フインというものは、だてにドツジという名前がついておるわけではないのでありまして、やはりドツジ・ラインというもので、はつきり向うのインフレのあらゆる欠陥、それの矛盾は日本にデフレを起させることによつて、その負担をおつかぶせて来る、こういつたような大きな性質がちやんと出ておるわけであります。それがまつ向から日本の国内の事情からインフレがよろしくないので、これをテフレに持つて行つたならば、だれも喜ぶはずであります。事実うまく行くはずでありますが、うまく行かない。うまく行かないはずである。向うさんの利益のために日本でしりぬぐいをしなければならない。そういう役割を日本の経済が負わされる。それがすなわちドツジ・ラインである。こういう点はただ見解の相違とかなんとかいう問題はなく、政党政派を超越して日本のまともな民族のあり方のままの利益、この見地から考えた場合に、これはとんでもない話である。だからみんなドツジ・ラインの修正である。少くとも野党はみんなドツジの修正ということを言つて来ておる。それはなぜかといえば、これはみな日本の民族の経済の発展に障害を来すからである。そういう点がまず根本にあるわけであります。これがずつと昨年来特にひどくなつて、最近ますますひどくなつて来ておる、そうして今度の戦争である。でありますから、それに協力することになりますと、言いかえれば、これはまたこういう体制に日本をはめ込んで行く。新しくそれをはつきり意思表示して行く、こういうふうになるのでありまして、その結果があらゆる面に出て来る。それで今度商品取引所の法案が出ることによつて、また大事な、それこそほんとうにあなたの言われるようにい需給によつて決定さるべき物価というものが、事実はそうでないものになりはしないか、それを私どもは非常に恐れるわけであります。そういう点で一体どういう確信を持つておられるか。それでけつこうなんだと言われるのか、あるいはそうでないと言われるならば、そうでない説明をしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/77
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078・首藤新八
○首藤政府委員 昨年来のデフレを喜ばない人が非常に多い。そうしてこれはアメリカの関係から来ているもので、隷属化するというような御意見でありますが、これは私は超党派的に考えるべきものという御意見には賛意を表するものでありまして、われわれも超党派的に国家の経済そのものを対象として考えておるのであります。そこでデフレを喜ばぬということは、たとえばインフレに破産なしと言われます通りに、物が上りますことは、結局結果において日本経済を破壊するかもしれませんけれども、その過渡期においては、国民の大多数の方々が、自分の資産が一応ふえたかのような錯覚を起すのであります。従つてこのインフレには取引所においてもトラブルはありませんし、またこれらの業界に携わつておる者は、気持の上において非常にいい気持になつておる。結果がどうなろうということは第二義的に、一応いい気持になつておる、ところがデフレになりますれば、要するにその反動でありますから、持つているものは全部が値下りする、自分の財産が減つたかのような錯覚を起す。そこでそれらの業者が見ると、一応喜ばない。これはアメリカの経済と全然関係がないのでありまして、日本だけの経済問題だとわれわれは解釈しておるのであります。そこで大資本家が出た場合に、相場をある程度自由にしはしないかという御意見でありますけれども、法案に載つております商品は、ほとんどが国際商品でありまして、いかに大資本が出ましても、日本の現在における資本主義では、価格を自由にするということは絶対に不可能であります。かりにさような不当な行為をいたす者がありましても、結果的にはこれは自殺行為でありまして、一、二の大資本家で世界的商品を左右できないことは今日までの長い間の経済的歴史がこれをはつきり立証いたしておるのであります。従つてわれわれといたしましては、断じてさような大資本家のために相場が左右されるということは考えておりませんし、またそういう不当な行為をしようといたしましても、先ほど申し述べましたように、業務規程、あるいは定款あるいは法案の一箇条かにそれを述べておりますが、それらの行為を厳重に取締るような措置を講じてあるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/78
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079・風早八十二
○風早委員 いかなる大資本でも物価を左右することはできないというお話ですが、これは決してそうではない。綿糸がどうこう、綿布がどうこうということを直接やらなくても。これは申すまでもなく物資そのものの需給をあんばいすればどうにでもなる。今日これらの上場されておる商品を見ますと、いずれも原料は向うから入つて来るものが多いわけです。ことに綿花というようなものは、これはまつたく今アメリカから独占的に売りつけられておるものなのでありまして、そういうものの需給を支配しておるのは、これはやはりアメリカの独占資本です。これは決して一軒二軒ということは言いませんが、アメリカの独占資本であることは間違いない。そういつたような面からしましていやおうなしに価格というものは調整されてしまう。そういう手は十分に使えるのでありまして、今後ますますこれを使つて来ることは明らかです。でありますからそれは直接たると間接たるとを問わず、大資本というものが物価をやはり左右するということは——これは一つの議論になりますけれども。議論としては、もちろん左右すると言わざるを得ないわけであります。決して今まではそんな例がないと言われますけれども、事実今までの価格形成には必ずそういう意思が入つて来ておる。そういう利害関係が入つて来ておる。それを今度は非常に限られた商品に対して、残つた商品に対して一まとめにしてこれをやつて行くというような、そういう機能になるということについて、そうはならないというお説にはまだ納得行かないわけです。それらの点をひとつよくお考えくださつて、まあまだ十分審議、の余地はあることでありましようから、十分お考えいただくことを希望します。結局あなたのお考えというものは、これは自由党の中でも、政府の部内でも非常にかわつたお考えであるということを、私ははつきり申し上げておきます。というのは、国際経済というもの、ことに具体的にアメリカの経済というものとの関係を、あなたはいつでも切断して考えようとされますが、これは事実がそうならばけつこうなんですが、そうじやないし、また政府部内でも、——これは池田大蔵大臣のごときはその筆頭ですが、徹頭徹尾、まずそちらの利害関係をよく考慮して、そこでそれとの調整という形でのみ今まで政策を出して来ておつた、忠実なるそれとの調整ということでもつて出して来ておつた。でありますから、この点はひとつよくあとでお考えにならんことを希望します。そういうようなものではなしに、今はがんじがらめに日本の経済というものは、一方的に左右されておるというところにすべての問題の根本があり、欠陥があるわけであります。その点にお気づきにならないで言われる一切の議論というものは、これはまつたく机上の空論になりはしないか、私はそう断言してはばからないのです。そういう点で、また実際今の多数の国民の非常な苦労があるわけです、苦悩があるわけです。その点をどうこれから打開するかということが今問題になつておる。その際に、いやこれは日本の都合で、日本の切離された経済の中でやつておるというような御認識から出発したのでは、今あなた方がまつたく隷属経済をやつておられる。それを非常にうまく抹殺して、そうして非常に自主性があるかのような幻想を与える非常に危険な御議論だろうと私は考えます。そういうこともありますから、またこの価格形成というものが、またしても系統的に外国の独占資本によつて握られるということのないように、その点からひとつ法案に再検討を加えられんことをお願いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/79
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080・首藤新八
○首藤政府委員 これも意見にわたるかもしれませんが、日本の財政に対しましては、相当アメリカとの関係が深いし、また向うの指導を受けていると思いますが、産業経済に対しましては、御承知の通りすべてが生産制限は撤廃されておるのでありまして、自由であります。従つてこの産業経済が財政経済と同じように、ことごとくアメリカの干渉あるいは支配を受けておるというような考え方には、われわれはどうしても同意しがたいのでありますが、その他の問題につきましても、取引所設立に対しましては、あらゆる角度から慎重に検討いたしまして、万遺憾なきを期したいと存じておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/80
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081・風早八十二
○風早委員 どうもそういう点から。私は通産次官としてのあなたに一言申し上げておきたいと思うのであります。それは産業経済は自由だ、財政の方は外国からも統制されておるというようなことは、ドツジ財政と言われておるから、これは明らかなんだが、産業経済は自由だというような考え方では、私は通産行政も勤まらぬと思う。大体国内だけを見ましても、これは大蔵省と通産省とどういう関係になるか。実際ことごとく大蔵省に押えられておる、それをやはりはねのけて、もしもほんとうに産業経済の自由ということをあなたが確信しておられるならば、これはもう断固として——国内の諸関係を見ましても、大蔵省に対してもつと徹底的に強腰でやらなければならぬ。それはできない。歴代それはできない。まつたく大蔵省に従属しておる。残念ながらそうなつておる。その大蔵省がまた向うさんに従属しておる。産業経済なんかと言いますけれども、これはすべて金融が支配しておる。何も私がこんなことを申し上げるのははなはだ失礼なんでありまして、わかり切つた話です。金融財政にちやんと統制が加えられておりさえすれば、産業経済は自由だ、下の方を自由だと言わしたところで、それはもう首を絞めておいて足をばたばたさせることと同じでありまして、ちつとも自由でも何でもない。そこに問題があるわけであります。そういう点から、まず自由だというならば、ひとつこの金融財政に対して徹底的に闘つてもらいたいのであります。それをやらないで、自由だ自由だと言われれば、これはただ言葉だけでありまして、事実はまつたく不自由を、ただ言葉で自由と言つてごまかしておる。その結果はやはり産業が今日のように惨澹たる状態になつておる。金詰まりというようなことは、その端的な現われでありますが、そういつたようなことになつておる。そういう点でどうも少しばかり、新任の通産次官として、私は一言御忠言申し上げておきたい。これはゆだんしたらまたまた大蔵省にしてやられるわけでありますから、何も同じ官庁の中でけんかをしろとは言いませんけれども、これは徹底的に大蔵省に対して主張しなければならぬ問題がたくさんあるのです。今の金詰まりの問題はどうして打開して行くか。また見返り資金の問題にしましても、どうしてこれを打開して行くか。実際産業の設備資金なんというものには金が来ないのですから……。電力だつて見返り資金は来ないというようなことになつて来ておりますから、そういう点で、ただ産業経済は自由だと言われるような御認識は、ひとつこの際にまず、あなたのこれからの出発点にあつて、徹底的に改めていただきたいと、私はお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/81
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082・首藤新八
○首藤政府委員 一応御意見として承つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/82
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083・小金義照
○小金委員長 田代文久君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/83
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084・田代文久
○田代委員 関連してちよつとひとつお願いがあるのですが……。企業合理化審議会で、石炭あるいは鉱鋼なんかに対する対策を決定されたというお話でございますね。それが決定されておりますならば、その資料をひとつわれわれの方にまわしてもらいたいのですが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/84
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085・首藤新八
○首藤政府委員 決定したとは申し上げてないのでありまして、今企画中と申し上げたのであります。もつとも審議委員会の答申はできております。この審議委員会の答申でよければ、資料として差上げてもよいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/85
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086・田代文久
○田代委員 ぜひその答申でけつこうですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/86
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087・小金義照
○小金委員長 本日はこの程度にとどめまして、残余の質疑は次会にお許しいたします。
この際本案についての連合審査会開会の件についてお諮りいたします。去る十八日農林委員会におきまして、本案について当委員会と連合審査会を開催してほしいとの決議をせられ、その旨委員長に申入れがありましたので、これについてお諮りいたすのであります。農林委員会の申入れの通り、本案について同委員会と連合審査会を開会することとし、開会の日時は明二十五日午後一時よりといたしたいと存じますが、このようにとりはからうに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/87
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088・小金義照
○小金委員長 御異議ないと認めます。明日午後一時より本案について農林委員会と連合審査会を開くことに決します。なお通商産業委員会は明二十五日午前十時より開会して質疑を継続いたします。
これにて散会いたします。
午後三時二十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X00719500724/88
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