1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年七月二十六日(水曜日)
午後一時四十七分開会
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本日の会議に付した事件
○低性能船舶買入法案(内閣送付)
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001・佐々木鹿藏
○委員長(佐々木鹿藏君) これより運輸委員会を開会いたします。
先ず低性能船舶買入法案が昨日本委員会に予備審査として付託されましたので、本日日程に加えたいと存じます。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/1
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002・佐々木鹿藏
○委員長(佐々木鹿藏君) では政府上り御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/2
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003・山崎猛
○国務大臣(山崎猛君) 低性能船舶買入法案の提出理由を説明致します。
本年四月以降、我が国の海運は、永年の船舶運営会による統制を解かれ民営に還元されましたが、内航貨物荷動の激減は、民営による運航能率の増進と相俟つて内航において多大の過剩船腹を生じております。即ち、現在において尚約九〇万重量トンの船腹が繋船されておる実情であります。これらの内航過剩船腹は、現在並に将来の内地沿岸の荷動想定より致しまして到底消化の見込がなく、現在の我が国海運に非常な重圧となつております。最近朝鮮事変の勃発があり、或る程度の日本船舶が使用されておりますが、過剩船腹の消化にさしたる影響を生ずるに至つておらず、事変が朝鮮に局限されるならば、日本船舶の需要の増大はこれ以上余り多くを期待できない状況であります。
然して現在繋船船舶に対しましては繋船補助金が支給されておりますが、此の繋船補助金は右のごとき日本海運の疲弊に対し一時的、糊塗的方法であり、且つその補助金は国家財政上将来打切を余儀なくされておりまして、現状のまま放置すれば我が国の海運企業は極めて財政的に危險な状態に陥り、目下日本経済にとつて焦眉の急である外航適格船の整備拡充も不可能になる虞れがあります。よつて我が国海運の癌とも言うべき、この異常な過剩船腹の問題を解決して内航海運事業の正常な運営に資し、国際海運参加への素地を醸成する必要があるのであります。低性能船舶買入法案は、この必要に応ずるものでありまして、その構想は、次の通りであります。
本法案は、過剩船腹を解消するために、戦時標準型船舶及び船齢三十年以上の老齢船即ち低性能船舶を、主要設備を撤去後の船がいの形で政府が、船主の申込により買入れることができる旨を定めています。その買入価格は、五千総トン以上、五千総トン未満二千総トン以上及び二千総トン未満の三段階を設け、それぞれ一総トン当り四千六百六円、七千三十七円及び八千八百九十円と法定し、買入総額は二十七億円を法定限度としております。これにより政府が買入れる過剩船腹量は約四十万総トン、即ち六十万重量トンであります。
次にこの法律案は、政府の買入れた船がいを運輸大臣が船主に保管させる方法で最大限度昭和二十六年七月末日まで管理し、解撤は、大蔵大臣が、原則として解撤して使用する者に当該船がいを売却することにより遅くとも同年九月末日までに実施することを定めております。
第三に、この法律案は、買入契約で定めるところにより、買入船舶の対価を売主の別段預金とし、その使途を退職金の支拂及び債務の償還に制限することを買入契約に明記すること。売主に対し政府に低性能船舶を売却したことを理由として、新船建造について政府機関が特に有利な取扱をしないこと、政府から解撤して使用するため買入船がいを讓り受けた者に対し、買入船がいの転売を禁止すること等本法案の目的を達成するため必要な立法措置を講じております。
最後に、本低性能船舶の買入措置は、現在の船舶運航令に基くけい船補助金制度の廃止を前提とし、買入資金も同補助金予算の残額の移用によつておりますので、本年九月一日以降同補助金を廃止するために必要な、同令の改正を行つております。
本法案の要旨は以上申し述べた通りであります。
会期切迫の折からでありますが、何とぞ御審議の上早急に御可決あらんことを切望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/3
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004・佐々木鹿藏
○委員長(佐々木鹿藏君) 前回において大綱の説明は聞いております。一応補足説明を聞いて質疑に入りたいと存じますが、如何取計らいましてよろしうございましようか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/4
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005・佐々木鹿藏
○委員長(佐々木鹿藏君) 異議がないようでありますから、説明員の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/5
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006・辻章男
○説明員(辻章男君) 低性能船舶買入法案に関しまして逐條説明を簡単に御説明申上げます。
第一條は目的を謳つております。特に対外関係を考慮いたしまして、現実もその通りでございますが、内航における過剩船腹を減少させることを目的にしておるのでございまして、むしろ海運界の現状から申しますれば、内航船舶は、尚今後一層整備拡充を必要とする状況にあるわけでございます。
次に第二條を申上げます。ここは定義を規定しております。この法律で買入れの対象といたしまする船舶は、一と二に別れております。一の方は、戦時標準型の船舶、但し「海上ニ於ケル人命ノ安全ノ為ノ国際條約及国際満載吃水線條約ニ依ル証書ニ関スル件に規定する国際満載吃水線証書を受有するものを除く。」とあります。これは戦時標準型の船舶の中でも、戦後相当の金をかけまして改造工事をいたしまして、それによりまして非常な性能の改善を加えて外航にも進出でき得るだけの性能を備えた船舶もございますが、これは先程申上げました目的から申しまして、外航船はむしろ拡充を要する除でございますので、これを除外している次第であります。それから第二番目の問題といたしまして、「大正十年八月以前に進水した船舶」というのがございますが、これはいわゆる戦時標準型船舶以外の在来船と称しております。船舶の中でも大体船齢が二十九年一ケ月以上、つまり船齢三十年と言われます船でございまして、船も保守の方法にもよりますが、大体三十年になりますると、性能も非常に落ちて参りますので、これを対象にしておる次第でございます。それから第二條の項に戻りまして、総トン数八百トン以上の鋼製のものに限つておりますのは、現在四月一日以降繋船します船につきましては、繋船補助金の制度が布かれておるのでございますが、これの対象が総トン数八百トン以上の鋼製のものでありまして、但し括弧にございますように、重量トン数が総トン数の六〇%未満のものは除く。六〇%以上のものはその適用を受けておりますので、ここでは繋船補助金の対象となつております船舶と、この買入の対象とを同等にするという趣旨でございます。括弧円の重量トン数の六〇%未満のものと申しますのは、俗には貨客船と申しておる船でございまして、船舶法上では、いわゆる旅客船に入るのでございますが、相当貨物を積み得る性能を持つておりまして、実際問題としまして貨物を主に働いておるものでございますのでこの対象にしない次第でございます。それから第三條に移ります、第三條に謳つております点は、買入れます船舶につきまして、先ず第一項は、どういう形のものを要求しておるかという点を謳つております。御承知のように船舶にはいろいろの属具、備品が附いているのでございまするが、これらのものはできるだけ利用の途を講じ、ただ船腹として絶対量を減少させようというのが本法律の目的でございますので、一から十一まで列挙しておりますのは、これは買入れました後におきまする繋船に必要な最小限度の備品、属具を残しまして、それ以外のものは船主に取拂いの自由を認めて、船主がそれを他船に流用しますとか、或いは予備品として使う等の有用な方面に使うようにすることを認めている趣旨でございます。それから沈没しております船舶、若しくは大修繕を要しまする船舶を除いておりますが、これは現に非常に船腹が過剩になつておりますものを、非常な過剩船腹を減少せしめようというのが本法の目的でございますので、これらの大修繕を要しまする船腹とか、或いは流浪しております船腹というものは、今の動いております船腹の過剩状態には影響のないものでございますので、これは除外しております。こういう趣旨でございます。それから日本專売公社、日本国有鉄道若しくは地方公共団体の所有する船舶につきましても、買入れの対象外といたしておりますが、これもいわゆる商船として使われているものはございませんので、これを対象外にしている趣旨でございます。第二項には、ここでは買入れの予算の金額を限定されております。ここにございますように、その金額は二十七億円と相成つております。それから第三項は航海の制限等に関する件の第二條の規定の適用除外をいたしておりますが、本規定はポツダム政令によりまして、船舶の讓渡等につきましては、運輸大臣の許可を要することになつておりますが、これ本法律によつて買入れますものは非常にはつきりと政府が関知することができますので、事務の管掌上、これを拜除しておる趣旨でございます。
それから第四條に移ります。第四條におきましては、買入価格のことを記しております。ここの表にございますように、大体総トン数五千トン以上の船舶、それから総トン数五千トン未満二千トン以上の船舶、総トン数二千トン未満の船舶というものに大体三分類いたしております。それが買入価格の欄にございますように、おのおのにつきまして、総トン数当りの單価を法律に明示しております。ただこの総トン数五千トン未満二千トン以上の船舶、及び総トン数二千トン未満の船舶に関しては、おのおの但書が付いておりますが、これはここで御覧になればお分りになりますごとく、大体船型が小さくなる程に総トン数当りの単価は上つているのでございまして、これを野放しいたしますと、四千九百九十九トンの船が五千総トン以上の船よりも高くなるという虞れがございますので、これは五千トン未満の船舶で算定しました買入価格が、五千トンの船舶の金額を超えます場合には、五千トンの船舶買入価格で抑えてしまうという趣旨でございます。この買入価格の算定の基準は、大体船舶運営会当時に公定用船料の中に織込まれておりました保險価格というものを基準にいたしまして、平均その五〇%になつております。で大型の船はその四五%、中型の船がその五〇%、小型の船がその五五%、平均五〇%というところに置いております。これを保險価格に置きました考え方は、次のようなものでございます。それは大体これらの船舶は殆んど買入れ金の担保になつて金融機関に入つておるわけでございます。その際に大体金融機関といたしましては、附保価格の七割程度を通例担保貸として担保をしておるのでございます。それで政府といたしましては、財政的な面から申しますれば、できるだけ安い金で買入れるのがいいのでございまするが、一面今申しましたような担保の状況から申しますれば、金融機関が担保権を抹消し得るような措置を講じ得る程度の価格でございませんと、実際問題として仮に船主が買入れを希望いたしましても、金融機関との関連において不可能になる虞れがあるということで、どこまで歩み寄りができるかという点を考慮いたしまして、大体附保価格の五〇%程度ならば、金融機関としては不満足な点はありましようが、大体円滑に行き得るであろうという判断をいたしまして定めた次第でございます。
それからちよつと第四條で申し遅れましたが、從いましてこの買入れに際しましては、おのおのの船型によりまして買入価格の欄にございまする単価に、当該船舶の総トン数を掛けますれば、算術的に買入価格というものが出て参るのでございまして、買入れを希望いたします船主と行政官庁との間におきまして、買入れに関しましていろいろ話し合うとか、又行政官庁の方から申しますれば裁量の余地が全然なからしめておるのでございまして、こういう方法によりますれば、買入れに際しましてのいろんなトラブル、或いはスキヤンダルを生む余地は絶無であろうと考えておる次第でございます。
次に第五條に移ります。第五條におきましては、買入れの申込をする期間を言つております。これは九月一日から三十日まででございます。
次に第六條に移ります。第六條は、買入れの申込の期間内におきまして、九月三十日に締切つた場合に、先程予算で二十七億円の範囲内で買入れをしなければならんのでありますが、仮に三十億円の買入れの申込があつた場合に、どういう順序によつて、買入れの船を決めて行くかということを言つております。それは同一船主におきましてた体二隻以上買入れの希望があります際には、どの船を優先的に買入れの希望をするかということを、各船主に希望順位を附して、買入れ申込をするようにいたさせまして、それから一隻だけを買入れの申込をされております船主は、それを第一順位と考えまして、それで先ず第一順位のものを全部買上げて行く、それからその次には第二順位のものを買入れて行く。以下第三、第四というふうにグループごとに買入れて行くということを先ずいたします。その際に、仮に第三順位の船舶を全部買入れることになりますと、二十七億の予算を超過するという場合におきましては、第三順位のそのグループの中で抽籤を行いまして、その順位に從いまして二十七億の予算の限度まで来たところで止めるという方法をとることを謳つております。
次に第七條に移ります。第七條は買入契約の要素を謳つております。これは第一が「当該船舶の名称、番号及び信号符字」第二号が「当該船舶の買入の価格」第三が「当該船舶の引渡の時期及び場所」、第四が「当該船舶が船舶公団との共有に属する場合における船舶公団の持分の買取に関する事項」、五が「当該船舶の上に先取特権又は抵当権が存する場合における先取特権又は抵当権の消滅に関する事項」、六が「当該船舶の主汽罐及び主機関の除去又は破壊に関する事項」、この中で一、二につきましては特に申上げる点はございません。この買入価格は先程申上げましたように算術的に出て来る価格でございます。三につきましては、引渡しの時期及び場所につきましては、中には買入申込時期におきましては運航中のものもあると考えられますので、これの引渡しの時期及び場所につきましては、十分に船主と話合いまして船が空になりまして航海が済んでからというふうなところをよく話合つて決めて行くつもりでございます。それから四及び五につきましては、これは大体同じような事柄でございますが、つまり買入れる際には、船舶の上にございまする先取特権でありますとか、或いは抵当権でありますとか、或いは船舶公団と共有しておりまするならば、その共有船舶公団の共有持分が船全体といたしまして一つの制約になつておるわけでございまして、これらのものをすべて消滅させまして、船の上に何らの権利なり制約がないという状態において買入れることにするわけでございますが、そのために必要な事項を契約にもはつきりと謳つて行ごうという趣旨でございます。第六でございますが、これは関係筋の方の御意向もございまして、政府が生きている船を持つということは望ましくないというふうな意向がございますので、この主汽罐及び主機関には船主がこれを取外しまして利用するならばそれでもいいけれども、若しこれを船に付けたままで政府に売る際におきましては、これを修理不可能なように破壊して、いわばスクラツプの状態におきまして政府に引渡すべきであるという趣旨を汲みまして、これの除去、或いは破壊に関する事項というものを契約ではつきりしようという趣旨でございます。
第八條は契約の解除條件を謳つております。一、二につきましては、先程申しました船舶公団の抵当権等の消滅がない場合と同じでございます。三は只今申上げました主汽罐及び主機関につきまして買入契約に違反した場合でございます。
それから第九條は、金の支拂方法を言つております。これは船舶の引渡しを受けた後に対価を支拂うということを言つております。前拂いはしないということを言つておるわけであります。ここで或いは政府の支拂が非常に遅延するのではないかというふうな御疑問があるかとも存ずるのでありますが、我々といたしましては、今船主の経済が非常に窮迫しているという事情もよく存じておりますので、できるだけ早く支拂う心構えでおりますし、又支拂遅延防止法もございまして、一定期間拂わない場合には体刑まで処せられるという法律もございますので、遅延というふうなことは万々ないというふうに確信しております。
第十條でございますが、これは政府が買入船の代金として支拂います金は、船主との買入契約で定めます。銀行に一つの別段預金を設定いたしまして、これに佛込むということになつたのでございます。これは十一條と関連する問題でございますのでここで十一條、十條共に御説明申上げますが、大体キャツシユで拂いまして、これが新造船の建造とか或いは外航路の整備等にこの金が廻りますれば、諸外国の海運関係者がどうも政府は対外海運について補助をしているのではないかという疑惑の眼で見られる虞れがございますので、無用の刺戟を避けます意味におきまして、やや手続的には煩雑でございますが、別段預金というような制度にいたしまして、その会社の船主の負つておられました債務の返済と、それから或いは船の買入れによりまして、船主としては船員等を整理される場合も考えられますので、そういうふうな場合におきます退職金の支拂いということに主としてその金を使うということを謳つております。勿論それで債務を完済し或いは退職金を支拂う、又全然債務がない場合におきましては、自由に使うことは申すまでもございませんが、先ずその用途に当てしめるという趣旨でございます。
それから十二條は、特に申上げるまでもなく、船舶の所属権が引渡しの時に移転するということを謳つてございます。
十三條は、船舶の登記の抹消を謳つてございます。これは先程申しましたように、政府の買入れになりました際には、船舶と申しますよりも、括孤にございますように、むしろ船がいという物理的にもそういう状態にございますので、船舶としての登記を抹消するという措置をとらしておる次第であります。
それから十四條は、買入れ船がいは運輸大臣が管理することを謳つております。これは順次買入れ船がいはスクラツプにするつもりでございますが、その順序といたしましては、やはり最も船型等の不適当なもの、或いは非常に能率の惡いものから順次することが望ましいと思うのでございますが、それには普通国有財産の管理、保管の責任者であります大蔵大臣よりも、運輸大臣の方が適当であるという趣旨でございます。
それから十五條は、保管のことを謳つておりますが、この保管につきましては、一応政府で直接いたしますれば新たに人間も要しまするし、それからいろいろの官庁の仕事としましては、非常に費用を食う虞れがありますので、或る一定期間を限りまして、つまり来年の七月三十一日までに買主に保管を依託することができるということにいたしております。勿論この保管につきましては、別に保管を依託した保管依託料というものを船主に拂うことにいたしております。
十六條は売拂いのことを謳つておりますが、この売拂いの際には運輸大臣が大蔵大臣に船がいを保管転換いたしまして、大蔵大臣がその手続をするという趣旨を謳つてございます。これは国有財産の処分としては、この方がむしろ常道に帰えるわけでありまして、処分という事務的な点は、それに非常に練達でありまする大蔵省の方でやろうという趣旨でございます。それから第二項では、買入船がいは、解撤して屑鉄とする者に売り拂うものとするということを謳つておりますが、これは、この本法案の目的が、非常な過剩船腹をなくするために、海運市場から一定量の船腹を減少させようという趣旨でございますので、これを又船として使いたいというものに売り拂うということになりますれば、本法案の目的が没却されますので、船がいとして、解撤して屑鉄にするということを法律によりまして義務付けておるわけでございます。第三項においては、その期限を切りまして七月三十一日までに売拂いができない時には、同年の九月三十日までに政府みずからこれを解撤するとか、或いは破棄することにしなければならないということを謳つております。
第十七條は、解撤の義務でありますが、これは船がいを買入れた人が、昭和二十六年の九月三十日までには相当程度すでに解撤に着手しなければならない。その解撤の量は、その時期までに鋼製の部分の重量の少くとも四分の一に相当する鋼製の部分を除去するという程度にまで解撤しなければならないということで、非常に解撤業者が買入れた際には、早急に着手しなければならないということを義務付けておるわけでございます。
十八條は、船がい買入者がこれを讓り渡したり、或いは貸し渡したり、又は担保に供することにいたしまして、当初に、買入れて直ぐに解撤するという目的から反するような用途に使用することを禁じておる趣旨でございます。
第十九條は、この政府に船舶を売り渡した者に対しまして、新船の建造に関して運輸大臣その他の政府機関が有利な取扱をすることはいけないということを言つておるのでございますが、これは先程もちよつと申上げましたように、この法案というものは、新造に関しましての何らの関連を持たないものであつて、從つてそれによつて、この売却ということによりましてその船主に何らかの有利の取扱を與えることは、諸外国の無用の疑惑の念を増すだけであるというために、こういう規定を置きまして政府を制約しておるわけであります。
二十條は、罰則でございます。
附則について申上げます。施行期日は、公布の日からにいたしております。但し附則の二項から四項までは、九月一日から施行になつております。これは附則の点はいろいろ書いてございまするが、一括して御説明申上げますと、先にもちよつと申上げましたように、現在繋船補助金の制度がございまして、これは八百総トン以上の貨物船で三十日間引続いて繋船したものには一定の繋船補助金というものが支給されておるのでございますが、この法律が施行になりますれば、九月一日以降その繋船補助金の制度を廃止することになつておりますのが施行期日の後段になつておりますが、但しそれでは八月中に、今法律的に申上げますると、八月中に繋船した船が九月一日でそれが打切りになりますと、九月に入つてからは繋船料の請求をしても政府が拂わんのかということがございますので、これが経過規定として、第三項で謳つておるわけであります。それから経過規定に書いてありますところの第四項の点は、これは只今申上げましたように三十日以上継続して繋船しておりませんと、繋船補助金を受領する資格がないわけでございますが、例えば本法律が仮りに八月の五日に施行になつたといたしました場合に、そういうことを全然予想せずに、八月の四日の日から繋船を開始した。したところが翌日になつて見ると本法律が施行になりまして、どう考えても八月三十一日までには、三十日までの間の期間が達しないと、いわば不足の、不利な状態を生ずる虞れがございますので、特に八月におきましてはこの法律施行の際に、現に繋船しておりましてそれで二十五年の八月三十一日までに引続き十日以上三十日未満の期間を繋船した者に対しましては、繋船補助金を支給するという特例を開いておる次第でございます。
以上で逐條の御説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/6
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007・佐々木鹿藏
○委員長(佐々木鹿藏君) これより質疑に入りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/7
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008・村上義一
○村上義一君 或いは前回の予備審査に際してすでに質疑応答がなされましたかも分りませんのですが、本法の目的としておりまするところは、内航海運事業の正常なる運営を解決するためにということだけが目的になつております。前回同様な法律があつて、その際には確か條件として買上船トン数の二分の一トンの優秀船を造るという條件がありましたものですが、これは何ですか、今回は国際的の関係を考慮されておるのですか如何ですか。或いは公開では十分な御回答ができない問題であるかも知れんと想像しております。それならあとで結構であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/8
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009・秋山龍
○説明員(秋山龍君) 第一條の目的のところに内航海運事業と妙な字が入つておりますが、国際的な海運事業におきまして、日本の船は日本全体の生活水準の関係で非常に賃金が安い、国際的に安いわけであります。從つてその安いコストの海運に対しまして、国が補助をするということは、徒らに国際競争を刺戟いたしまして、他の諸外国における補助金競争というようなものを惹起する危險がある。從つて日本の国際海運に対しましては、補助をしないということが非常に強く要請されておるのでありまして、私共もその事態の本質に鑑みまして誠に御尤もなことと思つておる次第であります。從いまして本件は、この内容に明かにあります通りに、全く内国における海運の市場の調整ということがその主題になつておるわけでございまして、何ら国際船の競争を助成するという意図は全然ないわけであります。その趣旨を明確にいたしまして、国際的の誤解を避けますがために、特にかような文字を使用したわけであります。スクラプ・アンド・ビルドということがしばしば言われておるのでありまして、国内における過剩船を減少さす、他面この資金資材等を以ちまして国際的な外航船を造るということは非常に望ましいということをしばしば言われておるわけでございます。我が国の海運の船腹の状況は正にその必要を示すごとき状態に相成つておるわけではございますが、スクラツプ・アンド・ビルドを特に政府の力によつて助成いたしますことは、やはり国際海運を政府の力によつて補助するものであるというような非常な批判がございますわけでありまして、私共はそういうような意図はございませんで、国内における過剩船腹を調整したいというその目的を最も明確に現わしたいために、かような表現をいたしたわけでございます。併しながら実際的に申しまして、我が国の海運が国内に非常に過剩な船腹を持つておりまするが、外航船が不足していることは事実でございまして、この不足せる外航船を建造いたしますため、見返資金等を以て適船の建造を進めておるわけでございまして、その建造の計画を今正に取上げなければならない時期に相成つておるわけでございまするが、この内国過剩船腹を中心にいたしまするいろいろな海運業者の財政上の困難、或いは金融的に非常に困難がございまして、本案を実施いたしますることによりまして、海運業者の経済的な状態が改善せられる。從つて銀行の信用が回復し、從つて外航適船が造り得るという素地が経済的にできるということは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/9
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010・村上義一
○村上義一君 大体御趣旨、第一條の目的はよく理解いたしました。第三條に総額を二十七億円と限定してあるのですが、この二十七億円というのは、現実に繋船補助金のうちで買上げ契約締結のときにこれだけが残る、残額に二十七億円あるということから来ておるのですか、一応お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/10
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011・秋山龍
○秋山龍君 お答えいたします。二十七億円と定めましたのは、第四條にございます買入価格、それと一方に現在繋船されておるいわゆる繋船船腹があるわけでございまして、それが繋船されておる船のうちの、各型に分けてその型がどの程度買入れの申込みがあるだろうかということを、その船型と、国内海運市場における需要度等を勘案いたしまして想定いたしておりましたところが、四十万総トン、六十万重量トンと、政府の希望いたしておりまするトン数を減少いたしますためには、各船型別に凡そ予想いたしました数字割合から見ますというと、この単価を以てしまするならば二十七億円でどれだけの船腹が買入れることができるかということを根拠にいたして定めましたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/11
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012・村上義一
○村上義一君 政府が現在のトン数によりまして推定をし、又これに基いて大中小三船型の単価をお決めになつて、勿論確信を持つて査定せられたことと拜察するものですが、大体から見てこの単価が安きに失するようなふうに考えられるのであります。これについて政府は確信を持つておられるのかどうか。一方におきましてこれらの繋船は、御説明にもありましたごとく、大体において担保となつて金融をしておるということは事実のようであります。而も保險価格によりまして、大体その七〇%、七五%という担保で借入れておる。而もそれに対して四五%乃至五五%という数字がこの単価に相成つておる。そうして見ますると、この買上げを受けた船主は尚相当の金額を補給せんければ金融が解消できない。担保が抜けないということになると思うのであります。自然そういつたようなために買上げに応じたい、申込をしたいと思つてもできないというような船主の事情が起らないかということを若干危惧の念を持つのでありますが、その辺如何でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/12
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013・秋山龍
○説明員(秋山龍君) 誠に御尤な御質問でございまして、私共もこれを決めます前に非常な苦心をいたしたわけでございまして、単価が高ければ從つて売る方が非常に売りよいわけでありまして、所定のトン数を減少いたしますという目的には、誠にやさしいわけでございます。併し一方には補助金も與えてはならないというような要請もございますし、又特に国庫の立場からいたしましては、成るべく安い金額で所期の目的を達したい、こういう要請もあるわけでございまして、これを決めまするに際しましては、やはり各方面から検討いたしたわけでございますが、運輸省といたしましても、関係の船主協会或いは銀行の団体その他の関係をよく打診いたしまして、又一方大蔵省におきましても、金融関係その他を十分打診されまして、凡そこの程度ならば買えるのではなかろうかという見当を付けて定めました数字でございます。尚只今お尋ねにございました担保が保險価格の七割であるに拘わらず、四割五分乃至五割五分の価格では買えないのではなかろうかという御心配でございまして、その点は誠に御尤な点でございますが、実は現在の海運業者の持つております日本の船隊、フリートというものの構成は非常に複雑でございまして、戦争後の、いわゆる戰争によつて非常に傷んでおりましたものを大修繕いたしましたり、或いは沈んでおります船を引揚げたりいたしまして、非常に大きな負債をしているものがあるのでございます。これらの船につきましては、その船自体を担保に供しますのみならず、それ以前から持つておりました船を又担保に入れておる、こういう事態もあるわけであります。併し全体の船をその帳簿価格に、その船が負担いたしております借金の額というふうなものを足し併せました金額でずつと並べて見ますると、実は二百七十七隻ばかりの船はこのラインの下になつて参ります。そのうちで二百十七隻というのが一応我々がこの二十七億円と決めましたときの予想数字でございました。勿論その通りになるかどうか分らんわけでございますけれども、凡そその程度の買入申込があれば六十万重量トンの外航船腹が入るというわけでございますが、その両方を兼ね合せまして、凡そこの程度の金額で所期の目的が達せるのではなかろうか、かように想像いたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/13
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014・村上義一
○村上義一君 御説明を伺いますと、真にこれは的確な予測をせられた数だが、頗る至難であるが、最善と信ずるところを見合つて政府は案を練つたというふうに伺うのであります。第六條には、申込が非常に多いこいう場合のことを如何にセレクトするかということを順序立てて規定せられてあるのであります。これが逆に申込が少いという場合においては、これは法律の目的を完全に達成できなかつたということになるだけであります。併しそれだけでなしに、本年度はとにかく繋船補助金というものが出るのだと思いますが、果してそうでありますれば、買入申込が非常に少くて、尚繋船が予期のごとく減らないという場合に補助金の措置は講ぜられますか、その辺念のために伺つて置きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/14
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015・秋山龍
○説明員(秋山龍君) 海運会社、業者といたしましては、現在の市場の状況だけでなくして、将来の市場の事情、それから自分の会社の経理の状況、いろいろのことを斟酌いたしまして、まあ多少、勿論先のことを或る程度スペキユレートいたしまして、その船の建造なり、保有なり、或いは繋船なり、買却なりということを常に考えておるもののみでございまして、私共は机上の計算によりまして六十万重量トンの船を四囲の材料より計算いたしまして、いわば日本国内海運の状態が正常な状態になる、かように結論いたしておるわけでありますけれども、或いは業者によりましてはその船を繋船いたして持つておりましても、敢えてその会社のいわゆる出血と申しますか、そういう状況にならずして、将来の飛躍のために是非持つて参りたいというような判断をする必要もあるのではなかろうかと思うわけであります。それで買入れの申込がこの制限より低い場合には、それは全部買入れることができるのですから選択方法の問題ではございませんで、若し万一超過いたしました場合には、これが特権であるかどうか分りませんけれども、これの選択についていろいろと又問題が起り得るわけのものですから、そういう万一の場合を予想して第六條を置いたような次第でございまして、政府といたしましては必ずこの申込が超過するであろうとは考えておるわけではないのでございます。尚さようにいたしまして買入れの申込が決まるわけでありますが、勿論海運業者の個々といたしましては最善の、個々の立場から、又個々の立場において入手し得る状況だけを以ていろいろな状況を判断いたすのでありますから、我々としては船主協会とも十分協力いたしまして、日本全体の海運に関する秩序、或いはそれの将来の推移、或いは過去のデータというようなものを十分に関係業者に示しまして、そろして広い見地からの決断を求めるような手段は是非講じて参りだいと考えておるわけでございます。そういうような十分なる啓蒙的と申しますか、判断の材料を検討いたしました結果、売るよりも繋船の方がいいと判断し、又それに堪えるものだけが残るわけでありますから、その後の状態に対しましては、例えば繋船をいたしましても、政府といたしましては繋船補助金は支給しない、それはその人の独自の判断による結果である、かように考えたい、こう思つておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/15
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016・村上義一
○村上義一君 尚もう一点お伺いしたいのでありますが、只今逐條的に御説明を伺いましたことで、或いは聞き漏らしたかと思うのでありますが、十九條に優先的取扱の禁止というものが規定せられております。「特に有利な取扱」と書いてあります。十九條に独立した條文を一ヶ條設けて、「特に」と書いてある趣旨が少し判断できないのですが、それをもう一応御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/16
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017・秋山龍
○説明員(秋山龍君) その十九條は、いわゆるスクラツプ・アンド・ビルドをやるのじやないかという非難がありますので、さような趣旨ではないのだということを示したいのが目的でございますが、「特に」と書きましたゆえんは、この船舶を本法によつて政府に売却したものが、その売却をしたという理由で特別な取扱を受けるのではない、こういう意味を現わしますために「特に」と書いたような次第でございます。特に有利な取扱をいたしませんが、又無理な取扱もいたしません。全くこの事実を無視して公平に許可その他の取扱をして行く、こういうような趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/17
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018・村上義一
○村上義一君 十一條の拂戻しの條件の一に、退職金の支拂という條件がありますが、これを買上げることによつて、相当の退職者が出るということを見通されて、こういう條件が出ておるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/18
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019・秋山龍
○説明員(秋山龍君) 船員は大体船がありまして、その船に乘る機会のあることを予想されて雇用されておるものと存ずるのでありまして、從つてその船が買受けられますれば、一応職場がなくなるわけでありますから、失業といいますか、雇用がなくなるということをやはり予想して置くのが常識的ではなかろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/19
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020・小酒井義男
○小酒井義男君 それでは続けてお尋ねいたしますが、この拂戻し條件の第二項に、債務の支拂というのがあります。若しこの売却代金以上の額の債務があればその債務の全額を支拂うこともできる、こういうことになつておるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/20
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021・秋山龍
○説明員(秋山龍君) その言葉の上だけでは、お説のような工合にどちらでもいいわけになるわけでございますが、これは運輸大臣の許可にかかつておるわけでありまして、私共といたしましては、その船舶の売却を機会にそういつたような雇用関係の解除が行われ、又それに対する退職金等が協定せられるというような事態がありまするならば、当然それを先に支拂うように運用して行きたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/21
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022・小泉秀吉
○小泉秀吉君 第四條と第十一條との関係について少しお伺いしたい。第四條の価格は、保險価格の平均して五〇%である。それは保險価格に、銀行が大体金を貸す時分は七〇%くらいが相当であるから、その七〇%を勘案して、使えなくなるような船をスクラツプにしてしまうごとにおいて、船主の或る程度の損耗を予想されて、大体五〇%平均であれば、その船は買えるだろうと、こういうようなことで五〇%という価格が出て来たのだ、こういうようなのも、一つの価格を決める要素であるように受取れますが、從いまして七〇%のところに五〇%だけしか金は入つて来ない。でまあ七〇%との差の二〇%は、船主がそこでその船一隻一隻に対しては損を覚悟の前で売るということは分りますが、この第十一條の関連事項で見ると……從いましてその船に乘組んでおつた乘組員及びその予備員というような者も、船がなくなりますれば当然退職或いは解雇というようなことが起る。でそれに対しては、船主団体と労働組合との間の労働協約の範囲においてその売却価額の中から、その労働組合に支拂うべき金が差引かれる、こういうようなことになりますのですが、私の伺いたいのは、そういうふうな政府委員の御説明によれば、労働組合と船主団体との関係において支拂わるべき金額というようなものが大凡二十七億円でございますか。それでデツドウエイト六十万トンという船を、こういう価格で行けば、五千人からの退職手当と申しますか、或いは解雇する者に対する、船員のコンベンセーシヨンができるという見通しであるのか、その辺のことに対しての御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/22
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023・秋山龍
○説明員(秋山龍君) お答えいたします。船員が退職いたしまする場合には、船員法によりまして雇止手当、即ち本当に船に乘つておりますのは雇止で一ケ月分要しますのでありますが、その外に基本的雇用契約によりまして退職手当というものを與えるのが日本においては普通の雇用の條件になつておるのであります。船員の退職手当問題に対しては、実は組合と船主協会との間に、この春以来団体交渉が行われておりまして、すでに十回以上の交渉をいたしておりますが、未だ妥結いたしておらんわけでございます。從いまして私共としてはどういうふうに決まるのか全然予想ができないわけでございまして、又我々の方がこれに今予想的な数字を申上げるということは、何か当事者に対しましても、或る種の心理的な拘束を與えるのじやなかろうかというような感じもいたします。事柄の性質から考えまして、これは本当に自由に当事者間に協定して貰うのがよろしいと考えておるわけであります。いずれにいたしましてもこの乘つております、或いは予備員としております船員の数をこの二十七億で全部割りました場合には、実に厖大な金額になるわけでございますからして、さようなことは絶対にない、少くとも協定は合理的に行われる限りにおいては、遙か以内である。從つて退職金は協定されれば支拂いはなし得ることは当然である、こういうふうな工合に考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/23
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024・岡田信次
○岡田信次君 四條の価格のことでお尋ねいたしたいのでありますが、五千トン以上二千トン未満と分けてございますが、例えば五千トン未満二千トン以上の船を考えますと、大体約三千三百トン以上は同じく、片方の船は千五百八十トン以上は二千トン以上になる、こういうふうに相成りますが、これもやはり先程お話の四十万トンの船の関係その他に何か関連があるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/24
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025・秋山龍
○説明員(秋山龍君) 誠に御尤もな御質問でございまして、何だか沢山の船が非常に同じ数字が並ぶことになるわけでございますが、これは小さなものが大きなものよりも高くなるということは常識上許されん、それであるからこういうふうな扱い方をしたわけであります。併しながら実際を申しますと、総トン数五千トン以上の船舶と申しますのは、総トン数七千六百トンの改A型が中心でございます。総トン数五千トン未満二千トン以上の船舶に対しては改D型が中心でございます。総トン数二千トン未満の船では、総トン数八百七十トンの改E型が中心でございます。真中のDは二千三百トンくらいだと思います。在来船の中に多少その間に入つて来るようなトン数の船がございますけれども、これは極めて例外でございます。大体こういうふうに切つて置きまして、大多数のを賄うには十分である。且つ例外のものは大勢を動かす程度にならない。かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/25
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026・前田穰
○前田穰君 十一條についてお尋ねしたいのですが、これこれの場合の外拂戻しを請求しない船、この意味はどういうのですか。例えばこの法律公布の際に有する債務について、差押えができるかできないかといつたような意味で拂戻しを請求しないというのはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/26
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027・秋山龍
○説明員(秋山龍君) 差押えは勿論契約よりも強い効力を持つておりますので、当然差押えはできる。自由な意思で以て拂戻しの請求ができる場合は、この法律で定めるような使途以外には拂戻しの要求はできないということを契約で決めてあるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/27
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028・前田穰
○前田穰君 そうしますとこの十條の別段預金の勘定というのも、やはり効果は薄いと申しますか、大した力を持たないように思いますが如何でしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/28
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029・秋山龍
○説明員(秋山龍君) 本條を設けましたのは、先程から御説明いたしておりまする通り、法律によりまして船を買上げまして現金を海運会社に流す。それによつて対外競争力のある船を作ることを援助するというものではないという趣旨を明らかにしたいために設けましたものでございまして、大体この法律を作りました根本の原因が、戦争後の経済……非常な輸送の逼迫状態にありましたために、船主或いは金融機関に対しまして、損傷船の整備等について非常に御協力をお願いいたしましたので、沢山の債務がございます。その債務の一部なりとも返済すべき金をこの際出しまして、その意味からまとまつた金を差上げて、そうして新らしい金融の途を作ろう、こういうことを狙つているわけでありますので、この制限を置くこと自体が非常に大きな本法の眼目になつているわけではないのでございます。ただ別段預金と申しますのは、一定の第三者がございまして、そのものの承認がなければ銀行が本人だけの拂戻し請求には応じないという制度でございますからして、そこでこの別段預金というような制度を利用したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/29
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030・山縣勝見
○山縣勝見君 先に御質問を申上げたいのであります。私の修正意見を後にいたしまして、逐條的に先ず御質問申上げたいのでありますが、第一條で、「内航における過剩の船腹を減少させ、もつて内航海運事業の正常な運営に」云々とありますが、今回のこの低性能船舶の買入れの対象といたします戰漂船のうちで、現在外航に配船されておりまする、殊に朝鮮航路等において外航に配船されておりまする戰標船、これは具体的に問題はないと思いますが、形式的にかようなエキスピエーシヨンでありますと、現に外航船として朝鮮航路等に外航配船されているものであつて、而も戰漂船である場合は、この対象になることについての支障はありませんか。その点をお伺いしたい。それから第三條の大修繕とありますが、通例の場合シトウアーシーネスであるとか、堪航性という言葉を使いますが、この点アンビギユアスでありますが、どの程度のものを言いますか。それから第二号の「諸管」というのは、パイピングのことであろうと思うのでありますが、このパイピングにいろいろありますが、どの程度のパイピングでありますか。第十一号、いわゆる「船舶をけい留して管理するに必要である」範囲のパイピングと解釈してよろしいのでありますかどうか。それから第二項の「二十七億円」と算定したその数字上の基礎、それを承わりたいと思うのであります。そのくらいにして、又逐次御質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/30
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031・秋山龍
○説明員(秋山龍君) 只今戰漂船で朝鮮に就航しているものが、この一條の目的から見て買上げの対象にならん危險はないかというお話でございましたが、第一條は、全般的に本法律の目的を言つているわけでございます。具体的には第二條で決めておりますが、戰時標準型の船舶が国際航海に從事し得ない船舶であるということが、この法律を立案いたしました趣旨でございますので、さような船舶がたまたま朝鮮に就航いたしておりましても、買上げ申込をされる場合に何ら支障がない、さように考えます。
それから第二点は「大修繕」という字が非常に不明瞭じやないかというお話でございます。確かにああいう字は不明瞭な点があるのでございますが、この字は商法の船舶共有契約に使われております「大修繕」というのと同じ概念を持つて参つたわけでございまして、そこにおのずから社会的な標準があると考えておるのでございます。と申しますのは、この三條の買入れをいたしまする船舶の中で、たまたま過剩船舶ではなくて、大いに使いたいのだがと言つて、現に使つておられる船主が、たまたま大修繕を要する状態にその後なつたがために、急にこれを売ると言われても非常に困りますし、そういつたようなことを防ぐという意味でございまして、ランニング・リベヤーでない事故による修繕であつて、而もそれが相当の大規模である、こういう状態だと考えておるわけでございます。この「諸管」は大体パイピングを外しますことは非常に手数もかかると思いますので、多少整理漏れの感もないではございませんが、ここに書いてあるものだけはまあ付けて置いて頂く、こういう気持でおるわけでございます。これは主汽罐、主機関はとつてもいい。併しそれ以外のものは全部含むのであります。それから二十七億円の算定につきましては、後程資料を探しましてお請いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/31
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032・山縣勝見
○山縣勝見君 それから第七條に買入契約に記載すべき項目がございます。第六條に順位を申込むことになつておりますが、その順位の申込をいたすことを、買入契約に挿入することが必要ありますかどうか。当然のものとして出したものと了承したのでありますが、その点は如何でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/32
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033・秋山龍
○説明員(秋山龍君) 買入順位のことにつきまして、ここに第七條に書きましたのは、買入事項、契約事項の中で最も重要と考えられますけれども、書きましただけでございまして、当然この法律全体の施行上買入契約に書いて頂かなければならんことは、契約の書式を作りまする場合には全部取入れて行きたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/33
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034・山縣勝見
○山縣勝見君 第八條の第三号に「船舶の主汽罐及び主機関を除去せず、且つ、これらを修復する」云々とありますが、この「且つ」というのは第七條の第六号の「除去又は破壊に関する」に対応いたしておると思うのでありますが、この「且つ」は英語のアンド・オア、そう了承していいかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/34
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035・秋山龍
○説明員(秋山龍君) その通りでございまして、日本語はどうもアンド・オアという字がないものですから、「且つ」と書いて置きました。而も主汽罐を除去せず且つ余り破壊せずという状態のときに、初めて解除條件、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/35
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036・山縣勝見
○山縣勝見君 第十一條第一号に「使用人」とありますが、その使用人とは船舶に乘つております船員だけではなくして、いわゆる当該船舶を所有いたしている会社の陸海の使用人と解釈いたしてよろしいのでありますかどうか。尚又その際に退職金の支拂い等をいたす際に、労働協約を締結した場合のみが規定されておりますが、陸員について労働協約の締結のない会社がありますが、その場合どういうふうに解釈すべきであるのでありますか。尚又第二号に「この法律公布の際有する債務」とありますが、これでは余りに広汎なものとなつて実際に適せず、且つ極めて不合理な結果を招来するのでありますが、この点に関する御説明を願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/36
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037・秋山龍
○説明員(秋山龍君) 前段の場合「使用人」と申しまするのは、海員と陸員とをまあ含めたつもりでございます。尚労働協約が締結されてないような場合にも、一応この船舶売却を機会に、組織の整備縮小等をなさる場合でありますれば、一応労働協約の形をとつて頂いた方がいいのじやないか、かように考えております。尚第二号の「法律公布の際」というこの「債務」と申しまするのは、如何なる債務かと言いますと、法律公布の際に会社が負つております債務のどれでも支拂ができる、こういう意味でございますつ発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/37
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038・山縣勝見
○山縣勝見君 労働協約を締結いたしたような場合に準じて、かような措置をとられたというお話がありましたが、それは現在の現実から見まして中小船舶におきましてはなかなか困難でありまして、さような労働協約を締結していない場合における支拂につきましては、どういうふうに解釈すべきか、御質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/38
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039・秋山龍
○説明員(秋山龍君) 労働協約と申しましても、広汎な体系的な労働協約を考えておるわけではないのでありまして、この船の売却を機会に或る種の事業規模を縮小する、そういう点はこれこれの支拂をするということを使用人と組合が協定されるならば、これを以て労働協約と考えていいのじやないか、かように考える次第であります。それからこういうことが尚且つできません場合に、経済的な問題といたしましては、二号によりまして債務を返済いたすわけでありますから、その返済に際してこれこれの状況によつて事業の整理をやりたい、これだけのものは融資して貰いたいという、いわゆる整理資金の融通が当然金融機関との間にお話合ができるのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/39
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040・山縣勝見
○山縣勝見君 それでは只今のお話で労働協約という、かような文句を使つてありますが、使用人と会社との間の話合によつて決めたと解釈してよろしいのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/40
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041・秋山龍
○説明員(秋山龍君) それでよろしいのでありますが、書いたものとして、一応形式的には許可に際して届出願わんといかんと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/41
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042・山縣勝見
○山縣勝見君 第十五條に「買入契約で定めるところにより、」云々とありますが、第十四條によつて管理の責任は運輸大臣が持ち、その委任を受けまして、当該船舶を売却した船主が保管の責任に任ずるのでありますが、十四條、十五條によつて、船主は保管の義務を負うておりまするだけに、保管に要する費用等を政府に要求する権利があるのでございますか。保管費用等についてはどういうふうなことになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/42
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043・秋山龍
○説明員(秋山龍君) この保管につきましては、保管さるべき対象物であるのがいわゆる船がいでありまして、凡そ盗難等の危險の考えられないような状態のものでございます。從いまして政府としてもこの契約によりまして、その保管義務の内容等については、その事態に即応するような程度に定めたいと思つております。大体人を一人番人を附けるという程度に止めて置きたい、かように考えております。從いましてその程度の処置をするに必要な程度の保管料は当然政府より支拂うべきものと考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/43
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044・山縣勝見
○山縣勝見君 これは後程の意見の開陳に讓りたいと思うのでありますが、今回はこの買上げをさるべき船舶の條件として、メイン・エンジン、メイン・ボイラーの除去を図ることが一つの條件になつておりますが、さような際にさようなメイン・エンジン、メイン・ボイラーを破壊又は除去をいたしました後に、その船がいを適当な所に廻航いたすためにも相当に費用がかかりますし、相当無駄がありますので、その点に関しても反対をいたしたいのでありますが、いろいろな点を勘案いたしまして一応了承いたすといたしましても、只今お話のように一人の番人を雇いまして、その保管の責に任ずるということは、船主として非常に困難な事情があると思うのであります。これは後程意見の開陳に讓りますが「主汽罐及び主機関の除去又は破壊」をいたした後において、その船舶を適当な所に持つて行つてエンヂン、ボイラーを破壊、除去する必要のあるときに、その廻航費に対してどういうふうにお考えになつておるか、その費用は誰が持つか、若しも船主が持つものとすれば、それに対してどういうふうにお考えになつておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/44
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045・秋山龍
○説明員(秋山龍君) これは破壊の方は極めて簡單なことを考えておるのでありますが、除去される場合には恐らく作業地、引渡地と言いますか、繋船保管地と言いますか、そういうものとの間に食い違いが起るかも知れんと考えております。それにつきましては、できるだけ一つ契約締結の際に十分お話合をいたしまして、最も経費の少いような方法で買入れ、売却を決めたいと思つておるのであります。從つて経費につきましては、目下のところその経費を政府においては考えておらないような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/45
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046・山縣勝見
○山縣勝見君 第十六條の「解撤して鉄くずとする者」というのは、解撤して鉄くずとする者であることは、解撤業者、造船業者、その他の業者に拘わらず、この作業をする者ならば誰でもいいのか、それとも業種的に一つの制限なり或いは一つの何らか特定された者がありますか、どうですか。極端に言えば船主自体がスクラツプにするということの場合は少なかろうと思いますが、それが含まれておるかどうか。その「者」というものはどういうことを指すのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/46
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047・秋山龍
○説明員(秋山龍君) これは買入船を買入れた人は、必ず解撤して鉄くずにして貰うという意味でありまして、特に一種の特定の業態の者を考えておるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/47
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048・山縣勝見
○山縣勝見君 逐條の質問につきましては、主なものは只今大体了承いたしましたが、この法案に対して修正等の意見もあり、尚又その修正意見に関連いたしまして海運政策に対する意見の開陳を行いたいと思いますが、本日は予備審査であろうと考えますので、それは本日は差控えた方がよかろうと思いますが、その点の取扱方に関して、委員長の御意見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/48
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049・佐々木鹿藏
○委員長(佐々木鹿藏君) お諮りいたします。本問題は本日はこの程度にいたしまして、明日一時から続行したいと思います。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/49
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050・佐々木鹿藏
○委員長(佐々木鹿藏君) 御異議ないと認めます。
実は海上保安強化の点について、先般も大久保長官が見えたのでありますが四時間も待たしただけで説明を伺つておりません。今日は幸い見えておりますから、これから海上保安庁長官の説明を聞きたいと思います。速記を止めて。
午後三時十五分速記中止
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午後三時五十八分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/50
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051・佐々木鹿藏
○委員長(佐々木鹿藏君) 速記を始めて下さい。本日はこれで散会いたします。
午後三時五十九分散会
出席者は左の通り。
委員長 佐々木鹿藏君
理事
植竹 春彦君
小泉 秀吉君
高田 寛君
委員
岡田 信次君
山縣 勝見君
内村 清次君
小酒井義男君
高木 正夫君
前田 穰君
村上 義一君
松浦 定義君
鈴木 清一君
国務大臣
運 輸 大 臣 山崎 猛君
政府委員
運輸政務次官 關谷 勝利君
海上保安庁長官 大久保武雄君
説明員
運輸省事務次官 秋山 龍君
運輸省海運局監
督第一課長 辻 章男君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100813830X00619500726/51
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