1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年七月二十四日(月曜日)
午後一時三十六分開会
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本日の会議に付した事件
○証券取引法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○関税法の一部を改正する法律案(内
閣送付)
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001・小串清一
○委員長(小串清一君) ではこれより委員会を開会いたします。
証券取引法の一部を改正する法律案を議題に供します。質問はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/1
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002・木村禧八郎
○木村禧八郎君 資料を要求いたしたいのですが、この法案は申すまでもなく公益又は投資者保護のために証券業者の登録制度を整備するにあると思うのでありますが、そこで私はこの前、証券業法の改正に当りましても当局に要求して参つたのでありますが、証券業者の経理の調査、経理の報告はあるわけでありまするが、この前大蔵大臣が、経理は報告されておりますけれども、大体妥当なものである。こういうふうに大蔵大臣は認定されておりましたが、その後実際に調査する、こういうふうに大蔵大臣は言明されたわけです。その後調査されたかどうか。最近において特に我々聞きますと、小さい証券業者に対しては相当検査はされたようですが、太証券に対して調査を十分されてないように聞いております。そこで四大証券についての経理の内容ですね、これを報告して頂きたいのです。ここに出して頂きたいのです、これが要求です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/2
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003・西川甚五郎
○政府委員(西川甚五郎君) ちよつと木村さんにお諮りしますが、個人の会社の内容になりますが、どういう点まで御請求になるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/3
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004・木村禧八郎
○木村禧八郎君 この前、それにはいろいろ問題があるわけでして証券取引法違反に該当するような点が多々あるように聞いておるのです。我々は具体的にそういうことを見ないと分らないのでありまして、例えば借入金の問題につきましても、自己資本に対してどの程度の借入金をやつておるか。これなどいろいろ問題があるようなんです。それでこれまで、例えば産業金融としての証券取引の育成とか、発展については何としても証券市場の公正明朗化、こういうことを図らなければならないのですが、これまで幾多それについては欠陷が認められて来たわけなんであります。例えば場外取引の問題又はバイカイの問題、我々はそういう問題を指摘しまして、幸いに場外取引の問題は禁止されました。又バイカイの問題も問題になつて、これまで我々がそうして来た場合に、そうではない、そういうことはないと政府当局は言いながら、結局我々の指摘した通り、それは関係方面から言われまして場外取引の問題も停止されたのであります。或いは又バイカイの問題についてもいろいろ弁明されましたけれども、これも相当問題があると思うのであります。又借入金の問題でも相当あると思うのであります。從つて我々は政府の言明が、これまで信用できなかつた。場外取引の問題についてもいろいろ御説明がありましたが、結局あれは禁止された。又バイカイの問題についても問題があると思うのです。從つて我々は検討しなければならんのです。政府の説明だけでは満足できないのです。從つて我々は責任がある。それにはどうしても具体的な資料を出して頂きたい。そうしてこれをもつと公明な立場からこれは検討して、成る程そういう疑義がないということにして、そうしてこの法案の改正の趣旨に沿うようにしなければならないと思うのです。この改正の趣旨のように公益又は投資者保護の立場から、具体的に我々はこの問題を検討してそうしてこの法案の改正の趣旨に副いたいと、そういう意味でこの資料を要求しているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/4
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005・西川甚五郎
○政府委員(西川甚五郎君) そういたしますと、何月頃の状態の調査資料を要求されるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/5
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006・木村禧八郎
○木村禧八郎君 決算は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/6
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007・西川甚五郎
○政府委員(西川甚五郎君) 九月です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/7
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008・木村禧八郎
○木村禧八郎君 この前、延ばしたことについてもいろいろ問題があつたのですが、併しそれはもう問わないにしても、本当はこの九月のあれを見たいのですが、それは見れませんからこの前ので結構です。去年の九月、それを基にして、今事情が変つていますから結論を導くのは困難と思いますけれども、一応我々はそういう具体的資料に基いて検討しなければならないわけでありまして、今まで政府からいろいろ御答弁があつても、それが皆裏切られているのです。そういう意味で最も公明にですね、資料がはつきり出された方がいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/8
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009・西川甚五郎
○政府委員(西川甚五郎君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/9
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010・小串清一
○委員長(小串清一君) それでは今大蔵大臣が見えましたけれども、向うへちよつと行かれましたから、やはり只今の証券取引法の審議を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/10
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011・油井賢太郎
○油井賢太郎君 昨年の確か十一月頃だと思つたのですが、あの当時に証券業者は非常に株価の値下りがあつて、内容も惡くなり、相当困難な経営状態だと言われたので、私は大蔵大臣にも何か対策はないのかというような話をしたことがあつた。その当時から比べて年末或いは今年の二月あたりに比べて尚更一層情勢が惡化し、株価の平均値も非常に安くなつたというのは、一昨日大蔵大臣あたりから御説明があつた通りであります。ところが昨今になつて多少よくなつたのですが、併し惡い間は大分長い期間続いたので、相当証券業界の業者の内容というものは惡くなつておるということは世間周知の事実なんです。それに対して今木村委員から話がありましたけれども、やはり国民が安心して証券取引所の会員を信頼して取引をするということも、やはり国家の経済上必要だと思う。そこで一千何十軒に達しておるところの業者の内容というものが果してどの程度に現在なつておるのであるか。そういうことを、これは或いは秘密会でも開かないと御発表になれないか知れませんが、或る程度の御発表を願つて置いた方がいいと思う。殊に取引所員の中には取引先用から預つた有価証券を担保にして、これは担保にしてはいけない規則になつておる筈なんです。担保にして金融を受けておる。その有価証券は今度自分の方で必要だから返して呉れと言つても言を左右にして返さないというような事例も沢山耳にするのですが、そういうふうな点から見ても、証券業界の業者の内容というものは如何に惡化しておるかということがよく分る。それについてどういうふうな状態になつておるか。又更にその対策或いは業界に対する当局としての措置方法、そういうのはどんなことに進行されておるのですか、この際一つ明白に御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/11
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012・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) できれば速記を止めて頂きたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/12
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013・小串清一
○委員長(小串清一君) 速記を止めて。
〔速記中止)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/13
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014・小串清一
○委員長(小串清一君) 速記を起して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/14
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015・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) それで実は御承知の通り、証券取引法におきましては、純資産の計算は証券取引委員会規則で定めることになつておるのであります。それで最近のように株価が非常に下落をしておるという関係上、純資産が、それを時価で計算いたしますれば、相当低くなつて参りまして、外部負債に対しまする関係において、証券取引法で認めてありまする二十倍を外部負債が超過するという場合が起り得るのであります。而も取引法におきましては、その倍率を超過いたします場合、営業を停止しなければいけないという義務規定があるのであります。ところが先程も申しました通り、所有株式の時価の値下りによる純資産の限度というような実質上の損失の場合は多少違う点もあります関係上、而も一面最終的支拂という問題になりますれば所有不動産も処分して支拂に当てるという場合も考えられます関係上、單に所有有価証券の値下りによる計算上の純資産の倍率超過ということのために、当然に義務的に自然的に営業を停止しなければならんということが却つて証券界に非常な混乱を及ぼすという観点もありまして、本年の三月末に証券取引委員会規則の一部を追加いたしまして、純資産計算におきまする所有有価証券の評価につきまして、当分の期間特例を認めたのであります。というのは、取得価格で評価して当分の間はよろしいという規則の改正をいたしたのであります。これで必然的に現在の時価によつて計算した関係上、外部負債が純資産に対して二十倍を超えるという場合でも、必然的に営業停止をしなければならんということは一応法律的には免責されるわけでありまするが、同時に五十七條という規定がありまして、これはその会社が支拂能力が不十分であると認められるときには、営業の停止若しくは取消をすることができるという自由裁量の余地のある法律があるのであります。この法律の動かし方によりまして、資産内容のよくない証券業者については、たとえ倍率の関係を外にしてもよろしいとして、その倍率の関係はその範囲内でありましても、実質的に例えば不動産もなし、或いはその他の資産もないというようなところにおいてはこの五十七條で取消若しくは停止をするという運用を実は現在いたしておるのであります。そういう意味でその倍率、純資産だけの計算におきましては、それを若し昔のように時価で計算すれば、純資産の五十万円を超えない額があるかも知れませんが、併し一面支拂の用意といたしまして、古くからの証券業者は相当の再評価し得る資産を、これは主として不動産でありますが、所有しておるのでありまして、債務に対しまする弁済という点については純資産の点から見た程の危險さはないと、こういうふうに考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/15
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016・油井賢太郎
○油井賢太郎君 まあ今のお話を承つておるというと、結局にいつて、内容が惡いのにも拘わらず、まあまあ法律を適用しないで、そのままにして置く、臭いものに蓋をするというような立場をおとりになつておるわけなんですね。例えば不動産の再評価にしたところで、あの再評価通りに直ぐ売れるかというと、現在のようなデフレの状況においては、例えば五万円の再評価がある不動産としても、売るときになれば半分にも売れないという状態になるのが現在の状況です。そういう点から見ても、折角国会で作られた法律というものは何にも意味をなさないというふうにしか考えられないのです。こんな法律なら却つてなくたつて差支えないようにも考えられるわけです。やはり法律があつたために相当そういう欠点を補うという効果が上つておるかどうか。これは当局としてどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/16
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017・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 勿論この法律がありまして、而も負債の率が純資産との関係において規定されておる。法案五十七條によつて登録の取消若しくは営業の停止をやるというようないろいろな制限規定があります関係上、これの効果ということは、勿論こういう法律がないよりは相当業者に対して規制せしめますし、又役所といたしましても、この法律に基いて営業の停止をしたり、或いは取消したりするのが相当数にしつつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/17
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018・油井賢太郎
○油井賢太郎君 そうしますと、この法律によつて今日まで整理された、いわゆる営業の停止を受けた数はどのくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/18
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019・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) これは今年の四月から六月末までの約三ケ月でありまするが、この間で登録の取消が十三社、それから営業の停止が十社であります。実はその外に登録の取消に至らないで自発的に廃業を勧奨したものが確かこれの倍くらいはあろうと思います。というのは、登録の取消をいたしますと、その役員等は五年間は証券業を営むことができないといつた法律の規定がありますので、むしろ自発的に廃業したいというものが出て来るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/19
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020・油井賢太郎
○油井賢太郎君 大分、相当の数がやはり整理の対象になつておるというのは、これで大体明白になつたのですが、又その整理の瀬戸際にあるのも、これから推定すると相当の数になると思うのです。これに対して政府といたしまして一体、一昨日も大蔵大臣が大体整理は進捗して、もうこの辺で軌道に乘るだろうというような話をされたのですが、この数字や何かから、而も四月から六月までというような期間から考えても、まだ整理の対象になるべきものが相当数は多いと思います。それに対してもう整理というものはこの辺で一段落付くであろうというような大蔵大臣の見解なんです。それは何か特に残つたものに対しては何らかの対策なり、或いは措置を講じて立ち上らせるというお考えの下にあれは大蔵大臣は言われたのですか。いずれ大蔵大臣はあとから見えるでしようけれども、政務次官もそういう機密の枢機には参画されておると思いますので、お差支えない限り、今後の方針をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/20
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021・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 証券業者の整備の問題は、実はこの整理につきまして証券取引委員会なり大蔵省なりという役所が直接出掛けまして整理をするというよりは、御承知の通り取引所並びに証券業協会というのが法律上認められた自活機関であり、会員組織になつております関係上、その協会なり取引所におきましてお互いに現在の取引の数量、価格、從つて手数料ということを勘案いたしまして、この程度に整理しないと今後証券業者として営業收支が維持できる、できない、又できるような程度にして整理して行くということが非常に望ましいのでありまして、そういう意味で実は先般委員会におきまして証券業を整理するに当りまして望ましい状態という意味で一種の基準を出したのであります。というのは、営業用純資産が五十万円であるとか、この五十万円というのは御承知の通り現在の法律では既存の業者に対しましては二年間の猶予があるのでありますが、併しその猶予期間を待たずに、この際五十万円にそれを持上げて行くというのが一点。それからいま一つは、営業用純資産額に対しまする外部負債の限度というのが、現在の法律では二十倍までも許されるわけでありますが、これも十五倍の程度に止めて置かれるのが非常に望ましいのだ。それから今一つは、証券会社の手持株という数量が余りに多くならないように、こういうどちらかといえば現在の法律に許されております限度より高い限度を、これは理想的な標準というふうに掲げまして、成るべくこれも基準に近いような線で協会なり、取引所でお互いに自主的に整理の話合いを進めて貰いたいという意味のことを申上げたので、そうして現在協会若くは取引所でその整理案を作つておる状況であります。併し最近株価が多少回復して参つたのでありまして、こういうふうに活況を呈する前でありますれば、もう自分はやめてもよいというような人もあつたようでありまするが、活況になつて来ますと、やはり又続けて行きたいというような希望者も相当出て参りまして、お互いに自主的に整理するということは、こういう活況を呈する前に比べて大分困難になつておるというようなのが実情でありまして、そうして委員会なり、役所といたしまして、それに対してどういう態度に出るかという問題につきましては、自主的に整理をいたした結果を見まして、これはやはりこの法規に照らして、例えば倍率が二十倍を超過する、或いは純資産の問題は既存業者については今直ちに起りませんが、主として倍率の問題等で二十倍を超過するというようなものは、こちらは場合によつて検査をいたしまして、その検査の結果、そういうものの登録を取消すというような方法もとらざるを得ないのじやないかということを只今考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/21
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022・油井賢太郎
○油井賢太郎君 最後にもう一点だけ伺いたいのですが、先程ちよつと伺つたのを未だ回答を得ていないのですが、まあ整理されてしまつた業者によつて與えられたところの損害、これは一体どの程度に大体上つたのでしようか。大体預り株を勝手に処分してしまつたとか、そういうのは相当例が多いようですけれども、そういうのに対してはやはり嚴重な処分もされたであろうと思うのですが、その損害というものの総額は大体どの程度に上つたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/22
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023・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 証券会社が預つておりまする株を他に担保に供して投資者に損害を及ぼした、そうしてそれが整理に会つた結果、投資者にどれぐらいの損を及ぼしたかという、こういう問題につきましては、実はまだ具体的に整理が始まつておりませんので、数字はちよつと掴みにくいと思いますが、從来廃業をしたり、或いは登録を取消ししたりする場合に、特に登録を取消したような証券業者の中には、客から預つた有価証券を同意を得ないで他に担保、合同担保に供するというようなことをよくやつておるのであります。そういうような場合、やはり証券業者が登録を取消されましても、清算中は証券業者とみなして委員会が監督して参つておるのでありますが、その際にはできるだけ小さな債権者と申しますか、小口の債権者から優先的に支拂を促進せしめるというような方針をとつて監督いたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/23
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024・木村禧八郎
○木村禧八郎君 只今油井委員の質問によつて政府の証券対策が非常な変化を来たしておりますことはよく分つたのであります。これまでいろいろ証券対策として、政府はいろいろなことを公約と言つていいですが、いろいろなことを発表して来たのです。御承知のように証券保有会社の案とか、或いは平和不動産の固定資産ですかを担保に、業者に融資するために社債を発行する案とか、いろいろ業者の整理以外の方法ですね、それで見返資金から金を出すとか、或いは預金部資金から出すとか、又預金部資金から百億市中銀行に金を出して、それで株を買わして株買いをやるとか、いろいろやつて来ましたが、結局今のお話を聞きますと、業界の整理、これが主になつて来ているような人ですが、そういう点に落付いて来たと思う。又そればかりじやないと思うのです。それでお伺いしたいのですが、只今の湯池事務局長のお話で、大体整理方針というものは、今のお話の三点を基準にして目下具体案をお立てになつておる。最近又朝鮮事変を契機にして証券界も多少息を吹いたようですが、この整理方針というのは今変えないというお話でしたが、先程お話になつたような基準でずつとおやりになる、これは変えない方針ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/24
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025・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) これは我々といたしまして、前に出した基準の方針に從つて変えないつもりでやつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/25
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026・木村禧八郎
○木村禧八郎君 新聞によりますと、六月の二十一日ですが、湯池事務局長が大蔵大臣を訪ねてそれで最近の株式市場の実情、これは非常に株が暴落したときの話だと思うのですが、実情、特に証券業者の経営の惡化を説いて、そうして協力対策の必要を力説すると共に、近く具体案を蔵相に提出することになつた。こういうふうに報ぜられておりまして、湯池事務局長の談話として、証券業者の数が多過ぎる。そこで今後の対策は更生と整理の二本建で行かなければならない、こういう談話が出ておるのです。そこで証券業者の数が多い。それでその更生と整理の二本建ということを言つておりますが、これは具体的にはどういうことでありましようか。どの程度に整理をされるか、或いは又更生ということは具体的にどういうふうな更生対策を講ずるのか、或いは整理というのはどういうような整理方針で行くのか、その点お伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/26
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027・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 証券業者の整理、これに関して新聞記事は拝見しておりませんが、恐らく更生と書いた意味はこういうことだろうと思います。勿論整備計画は自主的に立てて行こう、その場合に残り得る、残存し得る能力のある証券会社というものについては、そういうものは恐らく外に不動産を持つているとか、或いは役員が資材を提供できるというようなものであるとか、或いは今後増資し得るというような業者などと思います。それから整理、いわばやめるということでありますが、その対象になるのは、そういう養産等もたし、或いは重役にも資材が十分ない、而も今までの損失は相当あるというものは、自然整理の対象になる。あとの者が残存する。そういうような場合に、あとに残つて行く望みのあるもの、ということは、これは協会或いは取引所で立てる整備計画の際もこれは個々の証券業者から、今後どういう計画でどういうふうにやつて行くつもりか、今資産が惡いけれども、これを増資でどのくらいやるとか、或いは不動産を融資して貰えばどれだけになるとか、或いは資材をどのくらい提供できるとかいうような計画を出して、それを協会及び取引所が検討して、更にそれに意見を付けて委員会に廻つて来ることになつております。それでそれらを勘案いたしまして、今後営業を続けて行き得る能力のある証券業者に対しましては、できるだけその不動産の資金化、不動産の担保金融という、資金の斡旋をするとか、或いは増資資金等もできれば、金融機関等から面倒を見て貰うように斡旋をしたい、こういうようなつもりで一応これを考えているのであります。それが恐らく更生ということじやないかと思います。
それから先程お話がありましたが、証券対策が最近非常に変つたのじやないかという御説、誠にその通りでありまして、昨年末以来株価が非常に下落した際には、むしろ証券業者自体の救済というよりは、こういうような状態では増資等もできない、経済の再建にも支障があるという意味で、日本経済再建という大きな意味の証券対策についていろいろ話も出、又我々もお願いしたのであります。ところがそれはいろいろな関係がありまして、実現が、証券金融会社が出て、証券担保金融をやるということ以外は大した大きな対策が事実上打たれなかつたのでありますが、そうこうしているうちに、株価が御承知の通り非常に、まあ十二月頃から下落して、これが五、六月頃まで続いた。このまま放つて置きますれば、その大きな対策としては必要ではありまするが、この際足許にまあ火がついたと申しますか。証券事業を担当している証券業者が全部潰れてしまうということになれば、結局大きな証券対策自体も成り立たないというような意味で、むしろ只今の対策というのは、応急対策とでも申しますか、こういうような対策をやつている。やはり大きな意味の対策も、これに並行して必要であるということを我々も考えているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/27
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028・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それから今のお話では当面の整理が中心になつているというお話ですが、その外に証券市場のいろいろな取引の方法の改善その他ですか、そういうこと自体については何ら考えていないのですか。取引のやり方ですか、取引の振興策自体ですか、取引市場の振興策自体については何ら……業者の整理に重点を置かれているのですか。全体の証券取引の振興策としてそういう点は全然……今のお話ですが、大きな意味のことを考えていると言いましたけれども、例えば新聞では長期清算取引の問題とか、或いはレギユラー・ウエイの問題とか、そういう問題です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/28
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029・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 市場振興策と申しますか、というような意味でこのレギユラー・ウエイの実施という問題につきましては、我々委員会といたしましても実は昨年暮頃から関係方面へいろいろ折衝いたしておるのであります。それの一番難点でありましたのがやはりレギユラー・ウエイによつてお客が証拠金で取引するということになりますと、自然証券業者がそれだけの信用を供與興する、金を一時貸す、こういう恰好になるのでありまするが、その貸す証券業者自体の内容が、こういう株価下落とかいうような関係で相当惡化しているのではないかということで、関係方面の了解がなかなか得られにくかつたのであります。併し今回証券業者の整理が相当実行されまして、残つた証券業者の資産状態が改善されるというこの整備計画ができ上り、或る程度見通しがつきますれば、それと並行してこのレギユラー・ウエイの実施ということは可能になる、こういうふうに我々は考えておるのでありまして、その点関係方面も証券業者の資産内容の充実ということと並行して、了解して頂けるものとこういうふうに考えております。
それからその外実は隔地業者間の仕切売買ということも、これは実は証券界の振興策として各業者から非常な要望があつたのでありまするが、これは五月の終でしたか、関係方面の了解も得て、これは実施することになつております。その外長期清算取引という問題は、これは直ちに実効が得られるという見通しは只今のところ困難と思いますが、何かこれに代る我が国の実情に適したやり方をやりたいということで、実は我々といたしましても内々研究をいたしておるのでありまして、これは近く関係方面にも折衝して、できれば実施に移したい、こういうふうに考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/29
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030・木村禧八郎
○木村禧八郎君 もう一つお伺いしたいんですが、大体今千八十三ですか、そのうち先程の整理基準によつてどのくらい整理というか、残りますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/30
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031・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 実はこれは非常に少くという、このくらいでなければいかんという計算は非常に出にくいのであります。同じ千八十三の業者でも、二億の会社もありますれば又五十万円の会社もありまするから非常に困難でありまするが、この活況を呈する前までの取引の状況、或いは株価の状況ではこれはまあ総体的な関係も相当入るわけでありますが、現在の業者のうち少なくとも四割か、或いはできれば、ということは、あと残ることは確実になつているのですが、四割乃至五割ぐらいが多過ぎるのではないかという意味は、その残存業者がこの活況を呈する前の取引量、或いは株価等の関係から入つてきまする手数料等を主たる收入源として会社の経営をペイして行くためにはそれだけぐらいになつた方かいいのではないかという、こういう考え方をしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/31
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032・木村禧八郎
○木村禧八郎君 もう一つお伺いしたいのですが、前に旭ガラスの問題というのがありましたね。あれはどういうような問題だつたのですか。我々はああいうことによつて、その聞くところによると、外国の金がこつちに溜まつて資金として、それがああいう株価操作にいろいろ使い得るやに聞いたのですが、若しかそれが事実とすると、相当大きな問題であつて、あれの真相をちよつと伺つて置きたいのです。どういう原因であつたのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/32
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033・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) ちよつと速記を止めて頂けませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/33
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034・小串清一
○委員長(小串清一君) ちよつと速記を中止して下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/34
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035・小串清一
○委員長(小串清一君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/35
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036・九鬼紋十郎
○九鬼紋十郎君 持株委員会の株式についてですが、現在の証券の値上り程度では、証券インフレというような状態には考えられないから、今更その放出はしないのだという大蔵大臣のお話であつて、株価は昨年の十一月の平均が百一円くらいだろうというお話であつたのでありますが、大体どのくらいの平均株価になればそういつたものを放縱される意向かどうか。そろいつたことを一つお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/36
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037・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 持株整理委員会の持つております株の放出につきましては、実は証券処理調整協議会という別の機関がありまして、これに大蔵省からは国有財産というものもあります関係上、管財局長、それから閉鎖機関の関係、それから持株委員会の関係、そういうような方々が出まして、そうしてその放出等の協議をするわけでありますが、この価格がいつ頃になれば放出されるかという御質問でありまするが、これは証券業者の側から申しましてもそうでありまするが、証券行政を担任しております我々といたしましても、折角ここ一週間前から株価が幾らか回復して来たというこの情勢に対しまして、成るべくならここに水をささない処置をとつて貰いたいという希望があるのであります。現在の株価は、これは確か土曜日の値段で、東京証券取引所の平均株価が七十四円四十九銭、十一月の平均が先程もお話のありました通り百一円ばかり、それからこれは非常に崩落があつたという十二月の平均で八十二、三円という状況で、そこまでもまだ行つていないような状況でありまするので、まあ我々の希望としては、やはり相当市場が安定したときまで待つて頂きたい。又やるにいたしましても、市場に影響しない程度で徐々にやつて頂くということを我々としては希望しておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/37
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038・九鬼紋十郎
○九鬼紋十郎君 そうすると、大体安定するというのは、何か勘でやるのですか。どういう情勢を安定と言うのですか。平均株価か何かで示されれば非常にいいのですが、どういうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/38
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039・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 実は私共の所管関係でないので、責任ある御答弁を申上げられないのでありますが、これはやはり市場自体が或る程度持ち直す、多少永続するという見通しが立つたときで、而もそれは処分する株によつてやはり相当影響が違うと思います。影響のない株もありましようし、或いは株の数によりまして影響があるので、やはり先程も申しました証券処理調整協議会で関係の方面を代表した方々が会議してそこで決める、やはり市場その他の情勢を判断して決められると、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/39
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040・九鬼紋十郎
○九鬼紋十郎君 それでは持株委員会の株の銘柄或いは金額、政府手持のそういうものを売り出すという証券の何か資料と、それからこの下半期における増資の予想というようなものを、できたら資料として提出して頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/40
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041・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 持株の方は、適当なところへ連絡して、向うが差支えなければ差上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/41
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042・油井賢太郎
○油井賢太郎君 只今九鬼委員のちよつと質問があつたのですが、大体委員会というのは、株が下るときは放つたらかして置いて、上るときは手持の株を売り出す、こういう原則になつておるものなんですか。それとも株が下つて経済界に余り不安を生ずるようなときは、やはり買いに廻つてそういうのを安定させるというような方針も含まれておるのですか、又そういうふうなことがあつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/42
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043・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 今委員会と言われたのは、どこの委員会ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/43
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044・油井賢太郎
○油井賢太郎君 持株委員会です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/44
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045・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 持株整理委員会というのは、株を買上げるということはできないので、その持つておるものを整理する……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/45
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046・油井賢太郎
○油井賢太郎君 そこで一体その持株整理委員会というのは、段々下つて行く時には、何もかまわないでおいて、上るようになると、頭を叩くために売出して行く、こうとしか我々には考えられない。それを経済界の不安というのは、一体下る時に不安が起るのであつて、そういう際にはやはり高い時売出したり、その金額に応じて、むしろ安定策のために買うということもやつてもいいのじやないかと思うのですが、そういうふうな構想は今まで持つたことはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/46
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047・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) そういう機関が実はできれば非常にいいので、証券保有会社の案というようなものは、その一つの現われだと思います。持株委員会の方は、実はむしろその株を処分する立場で、その株の所有者のために、有利にと申しますか、処分する、こういう立場にあるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/47
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048・松永義雄
○松永義雄君 先程木村委員からお聞きになつた旭ガラスのごたごたですね、あれは権利株売買というようなお話でしたが、会社筋というのは、いわゆる操作ということから来ておるのですか、それとも利鞘稼ぎから来ておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/48
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049・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 実はその関係がよく分らないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/49
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050・松永義雄
○松永義雄君 噂でもいいんですから、噂という話で、その前提の下にお話願えたらいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/50
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051・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) ちよつと速記を止めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/51
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052・小串清一
○委員長(小串清一君) 速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/52
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053・小串清一
○委員長(小串清一君) それでは速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/53
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054・木村禧八郎
○木村禧八郎君 関係筋から、場外取引の禁止になりましたが、場外取引、権利株取引の今その実情はどうなんですか。本当にそういう取引は跡を絶つているのですか、実情をちよつと承わりたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/54
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055・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 権利株の売買それ自体は店頭でやる場合には許されているわけでありまするが、それが或る程度取引所類似施設と認められる程度になりますれば、これはやはり法律の規定で禁止されなければならないのであります。市場取引の禁止は、実は関係方面から注意があつたわけでありません。むしろ委員会で旭ガラスのときのように相当多くなつたものですから、これは明らかに市場類似施設というふうに認めて、禁止の通牒を四月五日に出したのであります。その通牒が今生きております。実はその権利株の対象になるものは余りなかつたわけであります。從つて権利株のいわゆる集団取引と申しますか、場外集団取引というのはなかつたのでありますが、最近やはり先程申しましたような二、三の銘柄について、或いは市場の一部でもやつておられるじやないかという話がありましたので、数日前委員会からも人をやりまして、勿論市場からは追い出したのでありますが、やはり市場の入口の近くでやるということのために、むしろそれをやつておりまする証券業者自体もよく審問いたしまして、これがその店の能力に比べて過当な取引をしておるという疑いがあります関係上、それを呼び出して審問をいたしまして、今後そういうことのないようにやらせるつもりであります。最近幾らかあつたのは、先程申しました銘柄についてあつたという程度であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/55
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056・木村禧八郎
○木村禧八郎君 実情はそれで分りましたが、この前の国会で私質問したときに、旭ガラスの問題があつて、市場類似施設として殆んど一般の人が常識として広汎に行われておつたのでありまして、湯地さんの方ではそう認めないというふうな話であつたのですが、実際は広汎に認められておつて、今権利株の売買のために株価が崩落してそれが非常に市場を紊すというような実例があつたと思う。それが実際において段々そういうふうになつて、実際に今お話のような実情になつたとすればそれでいいのですが、もう一つお伺いしたいのは、バイカイの問題ですね、バイカイの問題も最近問題になつているようですが、それはどういうふうになつているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/56
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057・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) このバイカイの問題は、何とが新聞紙上で誤り伝えられたらしいのですが、これは取引として認められている制度で、制度として認められてはおるわけです。ただ現実の問題としてバイカイが或る程度多いのは……、特に最近割合に多い傾向があるのでありまして、これは二つの場合があるのであります。或る店に出た買いと売りとのお客の売買を併せて、それを取引所に附出しをするという意味のバイカイで、これは附出さなければ呑み行為になつてしまいます。それから今一つは、先程も申しました通り、最近各地の業者の仕切り売買を認めました関係上、特に今度のような大きな障害のできたことのそれはやはり一つの原因になつておるのでありますが、例えば神戸で非常に買いがある。事実あつたのですが、それを大阪の例えば山一証券の支店が隔地業者として仕切りでそれを売ることができるのです、ところがその株の手当を大阪ではできません関係上、東京まで持つて来る。そうすると東京ではその売買を広く一般にやるよりは、現実にその株を多く持つている例えば金融機関、保險会社というところに大口に話を付けまして、そうしてその結果を取引所に附出す。こういう意味のバイカイと二つあるわけです。それは取引所の定款で認められておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/57
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058・木村禧八郎
○木村禧八郎君 最近新聞で誤り伝えられたというのは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/58
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059・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 何かその間に不純な取引があるのではないか。その不純というのもよく分かりませんですがね、まあそういうようなことの出ておつた新聞があつたと思いました。それに関連してのお話じやないかと私存じたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/59
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060・木村禧八郎
○木村禧八郎君 法律で認められている範囲のバイカイでなく、呑み行為的なそういうものはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/60
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061・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 呑み行為でありますれば、当然見付ければ処罰することになつております。今のところそれはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/61
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062・松永義雄
○松永義雄君 僕は昔のことしか知らないけれども、バイカイということですが、お客が売つて呉れと云つて頼みに来る、店がそれに向うということはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/62
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063・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 今上場証券でありますれば、店へ来たお客に対して、その店が客に向うという場合でも、これは必ず場を通さなければならないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/63
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064・松永義雄
○松永義雄君 場を通ればいいのですか。届出のときに売主なら売主があつて、例えば私が個人として売るとしたならば、個人としての私の名前が出て来るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/64
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065・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) そういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/65
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066・松永義雄
○松永義雄君 取引所の方へ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/66
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067・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 取引所の方には名前は出ませんが、併し証券業者の帳面には載ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/67
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068・松永義雄
○松永義雄君 それは無論そうでしよう。それで私が売つたなら売つた場合、店が向えば店の帳面にはそれははつきりするでしようが、届出の時にははつきりしないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/68
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069・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 売つた人の名前ははつきりしないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/69
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070・松永義雄
○松永義雄君 店の方は分るけれども、向いておるか向いていないかは分らないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/70
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071・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) それは仮りにあなたが山一証券にお売りになつて、山一証券が買い向うという場合には、やはり場を通して立会人がバイカイして、手を振つていくらといつて売る。それ以上に買うという人が若し出れば、そちらにそれを売らざるを得ません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/71
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072・松永義雄
○松永義雄君 そうすると店の帳簿には出るが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/72
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073・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 取引所の方には山一証券の委託による売り幾ら、それから何証券の買いくらというように出るわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/73
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074・松永義雄
○松永義雄君 山一証券という名前だけしか出ないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/74
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075・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/75
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076・松永義雄
○松永義雄君 そうすると店でお客に向つておる場合、取引所の方から見ると、向つておるかどうか分らないで勝手に行うことができるということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/76
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077・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) それは違反してやろうと思えばやれます。併しそれは今後検査を受け見付かれば処罰を受けます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/77
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078・松永義雄
○松永義雄君 先程来の政府委員の答弁によりますと、今日この法律が出て来る理由として、いろいろの理由を並べられております。併し実情は客に向うということは非常に惡いことである。昔は取引員の生命はたつた二年ぐらいだと言われ、汚い話であるが御不浄がそのために赤くなるといわれた。それくらい取引員自身が投機の当事者としてやつて行くことは、それは取引所の信用に大きな影響がある。これは如何にあなた方が株式の民主化を唱えられましても、結局お客は食い物になつてしまうということを我々は感ぜざるを得ない。これを何とか取締る方法はないでしようか。これはあなたを責めるのでなく、長い間の取引所のあり方がそうなんですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/78
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079・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 証券業者の内容が惡くなつた原因として、証券業者の手許株が多くなつた。その手許が多くなつたということは、同時に自己が買い向うというような場合がある関係から出て来るのであります。從つて今度の証券業者の整理の関係におきましても、今のように倍率の十五倍、純資産五十万円、手許の有価証券の額は純資産の範囲内、それを超過するものは超過しないようにこの際するというように、その業者自体が手ばりをするということは好しくないのでありまして、むしろ将来証券取引法の改正の機会がありまして、免許制度にするという場合はやはり取引の状態によりまして引受けるもの、或いはブローカーを專門にするもの、或いは手ばりを專門にするもの、こういうような方向に証券業者の制度を改めて行きたいということで今研究を進めておるようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/79
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080・油井賢太郎
○油井賢太郎君 今の御二人の問答を承つたのですが、私はあの取引所は実際行つていろいろ聞いたり見たりしたときですね、今度の制度というものはいわゆるアメリカ式の制度であり、絶対に手ばりということが証券業者はできないことになつておるという説明なんです。併し実際はそうでないというふうなお話があつたのですが、若し実際そういうふうなことが行われていないとすれば、これは取締りをもつと嚴重にするとか、或いは被害を蒙つた被害者に、簡單に訴を出せるとか何とかいう方法を講じるとか、そういうような方策を立てて置くのが当然だと思います。それについて今まではどんなにされておるか。監督はどういうふうにされておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/80
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081・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 証券業者が手ばりをするということは、必ずしも今の法案の原則に触れるわけではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/81
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082・油井賢太郎
○油井賢太郎君 私が今間違えました。手ばりというより、空売り、或いは空買い、客から受けた注文を空売りするとか、或いは見込で買つたとか、つまり上場しないで、取引所を経由しないで、そういうようなことがあるかどうか、手ばりと違います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/82
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083・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) こういう制度に今なつております。証券取引所の会員の証券業者は、上場されております証券の売買は必ず取引所を通じてやらなければいけない、ところが取引所の会員でない、それから取引所の会員である証券業者でも上場証券でない株につきましては取引所を勿論通じない、そこでこれは仕切り売買というものができなくなるわけであります。それから非会員業者については、これは上場証券でも或いは非上場証券でも仕切り売買ができるということになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/83
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084・小串清一
○委員長(小串清一君) 何か御質問ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/84
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085・油井賢太郎
○油井賢太郎君 ちよつともう一つ、そうしますと非会員というものは、もう何をやつても自由という制度があるのですね。そうしてそれはどのくらいの一体数になつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/85
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086・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 非会員業者というのは今のように仕切り売買はできるということは、何をやつてもいいというわけではないのでありまして、やはりお客も市場の相場を基礎にしてそれに手数料を込めた値段で買い取つたり、売る、こういうことになる。それから非会員業者というのはこれは数が非常に多いのでありまして、取引所を通じない業者はこれは殆んど全部非会員業者であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/86
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087・油井賢太郎
○油井賢太郎君 数は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/87
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088・湯地謹爾郎
○政府委員(湯地謹爾郎君) 全国で千八十三名でありますが、そのうち会員業者というものは約三百、はつきりした数はあとで申上げます。残りは非会員業者であります。併し取引の実体は、会員業者で恐らく七割くらいを占めておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/88
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089・小串清一
○委員長(小串清一君) 証券取引所法案はこの程度で止めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/89
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090・小串清一
○委員長(小串清一君) 本日大蔵大臣はどうしても外の都合でここへ出られないのです。そこで丁度ここに平田主税局長もお見えになつておりますから、何なら関税法の一部改正について御質問になりますか、それともどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/90
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091・松永義雄
○松永義雄君 この間非公式にお願いしたのですが、今日は公式にお願いしたいのですが、兇惡な密貿易と称するものは、恐らくそれは犯罪行為だろうと思いますが、ただ関税法違反ばかりでなく、それが具体的に確かにならない限りにおいては法的措置がとられんということになると、その証拠を一つ提案者から提出して頂く、專ら検察庁及びその方面から一つ書類を提出をして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/91
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092・小串清一
○委員長(小串清一君) ちよつと伺うのですが、関税法の質疑をおやりになりますか。それとも今日はこの程度で止めますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/92
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093・野溝勝
○野溝勝君 折角ですから少しやりましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/93
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094・小串清一
○委員長(小串清一君) それでは関税法の質疑を続行いたします。
只今松永君から御要求になりましたことは、ここにちよつと税関吏が危害を蒙つた実例というのが資料として参つておりますが、松永君のおつしやるのはこの外に何か要求しようということですか。どういう意味ですか。密貿易取締上危害を蒙つた実例とか何とかいうものが出ておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/94
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095・松永義雄
○松永義雄君 それはこの間愛知さんが御質問になつた趣旨と私は同じ趣旨でお願いしたいことがあるのです。それは税関吏ばかりでなく、警察官でも同じことです。或いは刑務所の看守でも同じことです。職務上殉職した数字は一体どれくらいになつておるかという点を若し資料として提出されれば非常に結構だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/95
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096・小串清一
○委員長(小串清一君) 今お聞きのことは主税局の方で資料としてお出しになりますかどうですか、ちよつとお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/96
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097・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 今お尋ねの趣旨が、若しも税関官吏以外のものにつきまして資料の御要求でございますと、その方面に連絡しまして、必要でございますればお出しするようにして差支えないと思います。税関官吏に関しましては、極く最近の例につきましてはお手許に若干のものはお配りいたしております。尚これは必要によりまして更に細目は御説明申上げても結構だと思いますが、大体一応はお手許に差出した通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/97
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098・小串清一
○委員長(小串清一君) ちよつと当局に申上げますが、松永委員からいろいろお話がありまして、ピストルを携行するということは重大な問題であるから、それをいろいろ方針を決めるについて今お尋ね申上げたようなことを分れば調べて貰いたいと、こういう御要求でありますから、それを資料としてお分りになるだけを出して頂くようにお願いいたして置きます。松永さん、それでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/98
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099・松永義雄
○松永義雄君 結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/99
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100・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 只今の資料は警察官等のあらゆる問題に関連してでございますか。それとも密貿易に関連してでございましようか。普通の一般の殉職等の例でございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/100
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101・松永義雄
○松永義雄君 そういうお話を聞けば広汎に亘つた方がいいということですが、できるだけ検察庁の方とも交渉されまして、やつて頂ければ結構かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/101
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102・黒田英雄
○黒田英雄君 今度の改正で、税関官吏が武器を持つようになりますのですが、これはこの機会に適当だと思いますが、今までの例などを見ましても、密貿易船に乘込んで、乘組員に脅迫されて監禁されたということがあるようですが、武器を持つておれば必ず抵抗もする、又向うも兇惡になつておるので、却つて生命の危險等が増して来るのじやないかと思うのです。どうしても武器を持つて十分に監視を徹底させるには、一人で乘込んでおるようですが、一人や二人で行つたのでは、集団に対して却つてこちらの危險を増すだけである。誠に税関官吏に対しては気の毒になるのですが、これは密貿易船に乘込むというようなのは、これは余程こちらは相当の数で行かなくちやいかんと思うのです。これらに対してどういう考えを持つておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/102
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103・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 或いは前回御説明申上げたかと思いますが、現在税関官吏は約三千七百名近くおりますが、そのうち監視に從事しております官吏が、約千二百人弱でございます。千百何名でしたか、千二百人弱でございます。この陣容を以ちまして、極力密貿その他あらゆることに関する監視、取締をいたしておるわけでございまして、私共最近の実情から申しますと、どうも人間が十分でなくて、手が廻りかねるというところも確かにあるようでございます。でございますが、何と申しましても、やはり最近の状態から見ますと、武器を持たせるというと、やはり官吏の職務を執行する場合の態度がおのずから相当違いまして、公正な執行をなし得る場合が今までに比べまして相当多いと、かように認めておるのであります。勿論本当に何と申しますか、事態が重大で、兇惡の度が激しい場合におきましては、御指摘の通りになかなか簡單な人数ではうまく行かない場合もあろうかと思いますが、そういう場合におきましては、今お話の通り、事前にそういう事情が分つた際には、やはり相当の人間を組入れまして、取締りに当るというようなことも必要でございますが、併しこの密貿の方は必ずしもそういうふうに事前に分らないで、偶然の機会で見付かるような機会もあろうかと思いまして、運用におきまして、実際上苦心を要するところになると思つております。尚人間の全体の問題につきましては、実は私共軍に税関部だけの立場を申上げますと、最近の状態から申しますと、もう少し、千二百人の人間では小十分ではないかということは痛感しておりますが、これは適当な時期に、適当な方法によりまして、目的を達成し得るように私共としましても心掛けたいと、こういうふうに考えております。今直ぐどういうというところまで行かんかと思いますが、私共の税関部だけの立場から申しますと、成るべく早い機会にもう少し十分な手がありまして、事態に対処し得るように努めて行くようにして参りたいと、このように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/103
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104・黒田英雄
○黒田英雄君 只今の問題は分つたのですが、前から分つておればこちらもさようにいたしますが、突然発見をしたような場合、今までは武器も何も持つていない。丸腰ですから、多少どうも危險であれば手を付けずに済ませて置くということがあつただろうと思うのです。併し今度は武器を持つておるのだから、今度は一人でも向つて行かなければ、この職務執行怠慢であるというふうに思われる点が多分出ると思うのです。そういうことを受持つておるために、その人は非常に危害を蒙むることが多いと思いまして、それらの点については当局は考えてやつておられる、或いは三人なら三人組んで、そういうようなときには監視に廻るとか、何とかいうようなことをせずに、却つて危いことが起つて来ることが多くなるのではないかと私は心配しておるのです。それらの点に十分御注意を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/104
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105・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 只今の御注意は誠に御尤もでございまして、武器を持ちますと、お話のように困難な場合、卑怯で逃げることもできなくなつて、却つて場合によりますと変な事能になる虞れも出て来ると思いますが、その辺のところは実際の運用におきまして、今お話の通りいろいろこれはまあ現場の仕事でございますので、なかなか完璧に解決できないと思いますが、極力うまく動かしますように努力いたしまして、できるだけのことを達成するように努めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/105
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106・野溝勝
○野溝勝君 主税局長にこの点だけお伺いして置きたいのですが、その武器の問題とか、そういう性格的のものはまあ多くの人から質問がありますから省きますが、私はこの予算措置、それから文法理論的に見て非常にちよつと疑義があるのじやないかと思うんです。というのは、主税局長も御承知のごとく、定員法の問題のときには非常にやかましくこの増員その他官吏の流用といいますか、それについては非常にやかましかつたわけです。先般関税法改正に関する質問の中で、予算措置については今までのままでできるんだ、それから定員法でいう枠を左右するものではない、いわば技術的措置でできるような表面の答弁があつたのですが、大体考えておられる構想というものはどのような構想なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/106
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107・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 誠に御尤もなお尋ねかと思いますが、今お話の中の定員法に関する限りにおきましては、今回のこの改正法案におきまして、一応定員法の中の普通の職員に組み入れましたのを、特派官吏という特殊の官吏の性格に鑑みまして、定員外にするというわけでございますので、これは先般定員法で一応定員の中に組み入れましたのを火元に戻しまして、定員外にするということを御審議願う意味におきましてこの改正法案を提案いたしておりまするので、そのようなことにつきまして、どうぞ一つ実情を御了察の上御審議願いたいと考える次第であります。その際におきまして、予算の措置につきましては、今御指摘の通り理想を申しますと、これはやはりちやんと普通の必要がありますれば、補正予算等の措置を講じまして、やりますのが、これがやはり常道から見ますと私は妥当ではないかと考えるのでありますが、これだけのことが、殊らば全体の予算の上におきまして相当大きな問題かと申しますと、まあこれだけのために補正予算をどうしても出して頂かなければならんというような大きな問題でもなかろうが、理論上は大きいのですが、実際問題といたしましては、先般も御説明申上げたかと思いますが、若干今年の税関に関する改正が少し実行が遅れましたために、現存も予算の上におきましては、税関部内の予算のやり繰りで実行ができまして、いずれこの補正予算なり、本予算等ができました場合におきまして、必要な措置を講ずるということも、実際問題として処理が可能ではないか、こういう見通しを付けましたので、実は補正予算を伴わないで法律案を提案いたしまして御審議を煩すことになつた次第であります。理屈なり、理想から申しますと、いろいろ御意見おありだろうと思いますが、実際問題としましては、このような方法をやりましても、先ず違法、不当というようなことにはならないのではないかと、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/107
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108・野溝勝
○野溝勝君 今一点質問と希望を述べて置きます。血税局長はざつくばらんに答弁されましたので、その点私もはつきりして参りました。まあいわば行政措置としてやり得る、可能である、こういう結論の御回答を得たわけですが、政府というのはなかなか御都合がよくて、自分の方から提案したものに対しては或る程度の行政措置ができますし、議員から或る程度の行政措置によつて、住民の幸福になるようにという要望をするというと、法理論を持ち出して参りますし、誠にこの点は我々といたしましても、どうも原案執行権を持つておるというような嫌いが相当強く潜伏しておるのではないかと私は思うのです。昨日私は大臣に対して、朝鮮事変に関して海上勤務の危險を冒し、又生命的、財政的にも非常な不安を受ける特殊任務について、私達は勤労者の方々に対して何とかこれを税制的処置ができないかという質問と併せて要望をいたしましたところ、どうも法理論上なかなか困難だという理論一点張りの御説明でございましたが、只今のこの関税法の一部改正による主税局長の理論上におきましては、補正予算を出しでやるのが正しいと思うけれども、かような行政措置によつてやつても違法ではないというお話を聞きまするというと、私は税理論から言うというとなかなか困難なところがありますが、それではかような税理論では困難であるが、こういう点においては何とか行政措置をして、それらの方々の期待に応ずるようにはできないか。して見ようというような御意思を一つこの際持つて頂くことを特に希望するものです。これは、関税法の改正とは、私の質問の内容について少し違いますけれども、丁度関連をしておりますので、この点に対しての見解、特に何とか行政措置による善処方を拜聴することができれば私としては非常に幸甚だと思うのですが、この際それに関連して御所見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/108
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109・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 只今のお尋ねは、恐らく船員のいわゆる事変加俸でございますが、危險手当に関するお尋ねではないかと思うのでありますが、この問題につきましては私共も運輸省からもよく聞きまするし、それから船員の組合の方々にも、一、二度お目に掛りまして実情をいろいろ承つたのでありますが、この実情を承わりまして、いろいろ実は先例も研究いたして見たわけでございます。で、私共は切に公平な課税ということをモツトーにいたしておりますので、何か理屈が付けばということで研究をいたしたわけでありますが、前から実は先例を調べて見ましたところが、この前の戰争の際におきましても、船員はやはり一種の危險手当を貰つておりましたが、減免になりましたのは、やはり軍属としまして正式に海軍の指揮下に服した以後のようでございます。即ち昭和二十年の二月でしたか、四月でしたか、その時に至りまして初めて從軍中の軍人軍属という資格におきまして実は減免されたような例があるように思います。尤もこの時は事変加俸分にだけではなく、かようになりましたので、全体の俸給、給料等に対しまして免税をいたしておりますが、その前におきましては、実は免税をいたしていなかつたようでございます。今の事態をいろいろ研究して見たのでありますが、形式上はやはりどうも任意ということになつておるようです。これは相当やはり辞退するわけにはいかないので事実上許すという場合が多かろうということもよく聞いておるのでありますが、どうもその辺のところは前回の例等と比較いたしまして、所得税をこの際立法措置或いは解釈等によりまして免税するというようなところまで行きますのが、果して他の納税者との間の公平を得るかどうか。私共といたしましてはどうもなかなか積極的な答えが出にくい事情がございますので、一応中間的に免税はなかなかむずかしいようだということをお答えいたしていたような次第でございますが、この問題はちよつと何と申しますか、日本の過去の戰時中の場合等の例からいたしましても、今のところそれ以上私のところで更に進展を図りまして研究をするというところまで申上げかねますことを甚だ残念に思いますが、何とかできんものか、するということは、どういうことになるかということも研究しました上でありますことを御了承願いたいと存じます。
尚理屈を申上げますと、実は危險手当にもいろいろの段階がございますが、いろいろなものがありまして、解釈で行くということになりますと、結局限界線を引くということになりまして、やるとすれば立法措置ではなかろうか、立法措置につきましては今申しましたような前のいきさつもありますので、俄かにどうも私共免税しかねるという結論になるということは甚だ遺憾に思う次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/109
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110・大矢半次郎
○大矢半次郎君 特派官吏を定員外にする件につきまして、この前の政府委員の御答弁並びに今主税局長の答弁を聞いておりますと、何か本年度に限り予算上或る程度の余裕があるから暫定措置としてやるかのようにも窺えますが、これは本年度に限らず今後もやはりこのようにやつて行かれるのか、その点をちよつと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/110
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111・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 私の申上げ方が不十分であつたかと思いますが、差当りとしましては、つまり一種の予算の適法なやり繰りと申しますか、それでやつて行けるのではないか、勿論今後におきましては、先程申しましたようにそれぞれ必要な予算措置を講じまして、今後こういう制度はやはり必要に応じまして増減できるような措置として残したいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/111
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112・大矢半次郎
○大矢半次郎君 そうしますというと、予算措置をとると同時に、定員法の改正をやつて行けば支障なく行けるように思われますが、特にこういう制度にしなければならない点をもう少し明瞭にして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/112
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113・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) 法制といたしましては、今度の改正で定員外といたしまして、それに伴いまして関税法で特派官吏の制度を規定し、更に特派官吏は定員法の定員外といたしております。從いまして法律が成立いたしますれば法律上は定員外となりまして、必要に応じまして政令で人数を決めて実行して行く。その実行して行く上においては予算的措置は必要に応じて決めて行くということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/113
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114・大矢半次郎
○大矢半次郎君 私の申上げることは、こういうふうに行政の上からは非常に便利であるが、なぜ政令に讓つてやらなければならんか。むしろその必要がある場合には、定員法の改正という法律改正でいいのではなかろうか、つまり法律改正を待つのは困るという理由をもう少しはつきりとおつしやつて頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/114
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115・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) その必要を感じましたのは、実は今年の七月一日から外国人にも相当広汎に関税が課税されることになりまして、約百数十の保税地域を新たに制定せざるを得なくなつた事情もございまして、今度恐らく保税地域につきましては特に関税定率法の改正を行ないました後におきましては、相当私は増加が見込まれるのではないかと考えるのであります。そのような場合におきまして、勿論必要に応じまして、国会の御審議を得て定員法を改めるのも一つの方法かと思いますが、事柄の性質上なかなか……、うまく臨時国会等が開かれますれば、それによつて間に合うかも知れませんが、必ずしもそうばかり予定することも参らないのではないかというように考えまして、やはりこの方は業者の申出に応じまして、一定の特許手数料を取りまして、特派官吏につきましては、法律上は定員法の定員外にして置きまして、必要に応じまして政令を以て決めて行く、こういうような運用の方法が結果としては妥当ではないか、こういうような考え方でこの法案を提案いたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/115
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116・大矢半次郎
○大矢半次郎君 この特派官吏手数料の收入如何によつて、可なり一方において予算がありましても、予算外の定員の増減は考えられるのでありますか。或いは特派官吏手数料の收入如何に拘わらず、予算さえあればその範囲内で定員外として置ける、こういう制度でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/116
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117・平田敬一郎
○政府委員(平田敬一郎君) これは結局御承知の通りそれぞれそういう保税地域を設定しようという者の申請によりまして、それに応じまして特派官吏を特派するわけでございまして、その需要があり、且つそれに応じまして予算上必要な官吏が送れるという限りにおきましては、やはりでき得る限りそういう需要を充しまして、必要な運用ができるようにしてあるのが妥当じやないか、さように存じておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/117
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118・小串清一
○委員長(小串清一君) それではこれを以て散会します。
午後三時四十一分散会
出席者は左の通り。
委員長 小串 清一君
理事
大矢半次郎君
委員
愛知 揆一君
九鬼紋十郎君
黒田 英雄君
野溝 勝君
松永 義雄君
小林 政夫君
杉山 昌作君
油井賢太郎君
木村禧八郎君
政府委員
大蔵政務次官 西川甚五郎君
大蔵省主税局長 平田敬一郎君
大蔵省主税局関
税部長 石田 正君
大蔵省主計局長 河野 一之君
証券取引委員会
事務局長 湯地謹爾郎君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X00519500724/118
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