1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年七月三十一日(月曜日)
午後五時五十七分開会
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本日の会議に付した事件
○協同組合による金融事業に関する法
律の一部を改正する法律案(衆議院
提出)
○継続審査承認要求の件
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001・小串清一
○委員長(小串清一君) それではこれより委員会を開会いたします。
お手許にお配りいたしました衆議院より修正議決になつております協同組合による金融事業に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。衆議院より提出者の今澄代議士がおいでになつていらつしやいますから今澄さんより御説明を聴取することにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/1
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002・今澄勇
○衆議院議員(今澄勇君) 本協同組合による金融事業に関する法律の一部を改正する法律案を出しました提出者に代りまして私から御説明を申上げます。
本法律案の狙いとするところは過ぐる第五国回において中小企業等協同組合法による信用協同組合の設立の問題が決定を見たのでございますが、この信用協同組合の設立には、政府の原案において法規裁量の規定があつたのでございますけれども、これを大蔵大臣の自由認可ということに改正を見て通過いたしたことは御承知の通りでございます。然るにその後二ケ年に亘る事績を顧みて見ますというと、この信用協同組合の認可が非常に遅々として進んでおりません。本年の一月十七日私が緊急質問を試みた際においては、実に僅かに六組合が許可になつておつたに過ぎないのであります。今日においても内認可を含めて六十四組合、正式の認可組合が三十組合というようなことで非常に信用協同組合の認可がはかばかしくございません。そこでこの信用協同組合の設立を円滑にするために、協同組合による金融事業に関する法律の一部を、大蔵大臣の認可ではなくて法規裁量の規定を盛ろうとしているのがこれら改正の趣旨でございます。どうか十分一つ御審査の上、これらの意図あるところを御考察願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/2
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003・油井賢太郎
○油井賢太郎君 只今提案者の御説明を承わりましたが、内認可されておるものが大十四組合、正式認可が三十組合ですが、これに対して今までどの程度のいわゆる認可の申請があつたかどうか、それを先ず当局から一番に承つて置きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/3
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004・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 昨年の本法施行以来、内認可を與えました数字は六十四、うち正式免許済のもの三十三でありますが、正式の認可につきましては、大蔵省の地方部局である財務局を通じて参ります関係上、財務局限りで或いは撤回されたものもありまして、詳細の総数は只今資料がございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/4
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005・油井賢太郎
○油井賢太郎君 それははつきりしないと、ちよつと我々審議に困るのですが。若し提案者の方で、その点お分かりになつたらお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/5
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006・今澄勇
○衆議院議員(今澄勇君) この信用協同組合の設立認可は、我々が知つておる関係業者からの申出によると、最近の資料は分りませんが、一月の十七日に私が六組合許可になつたということを聞いた時の申請の数は大体百二十ぐらいあつたと記憶をいたしております。その後今日に至るまで、御承知のように市街地信用組合を改組した信用組合その他を含めて大体六百幾十現在あるということになつておりますが、少くとも従来の市街地信用協同組合は、いわゆる商工金融とは言いながら、主に市街地における商業金融であつたことは御承知の通りであります。中小企業等協同組合による金融組合は工場金融、いわゆる工場施設運転資金等の金融に與うべきものであるから、我々の推定するところでは、せめてこの二ケ年間に五百組合ぐらいの設立を期待しているにも拘わらず、今日本認可三十幾つということによつて、私共はこの改正案を出したのであるということを御了承願えれば幸甚に存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/6
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007・油井賢太郎
○油井賢太郎君 五百ぐらいという大体御希望の点も了承するのでありますが、そのうち只今どのくらいの申請があつたのですが。現在も五百組合申請されているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/7
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008・今澄勇
○衆議院議員(今澄勇君) この申請は、今年の一月の大体数字で、申請された数は百二十と、その後のやつはつまびらかでありませんが、推定するに二百前後であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/8
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009・油井賢太郎
○油井賢太郎君 次にちよつと当局に伺いたいのは、内認可された六十四、そのうち正式認可三十三ですが、これの申請から許可に至るこれまでの、大体使用日数ですね、それはどの程度になつているのですか、それを先ず伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/9
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010・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 先程も申上げましたように、申請書は財務局を経由して本省に参ります。財務局で不審査いたしましたものについて意見を附しまして、これを本省に申達するのであります。本省におきましては早いものは四、五日から一週間ぐらい、尚ものによりましては財務局に照会を発するということをいたします。本省に参りましたものは、そういうようなことで、原則として一週間前後で何とか結論を出しておると申せるのでありまして、尚財務局におきましては申請書を受理いたしまして、これについて條件を調べ、尚内容について審査いたすのであります。これについては尚書面で申請をせずに、口頭で内容を伺うという形式のものも相当あるのでございまして、まあいわば俗に言う先ず様子を見てから書面で正式の申請を出すという式のものもございました。まあ申請が書面で出ましてからは、比較的早く財務局でも結末がつぐと考えておりますが、果してどのくらいの日数を要しておりますか、これは一概には申せないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/10
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011・油井賢太郎
○油井賢太郎君 そうしますと、この百二十ぐらいの内認可のうち六十四、まあ半数は許可されておるようなんですが余程提案者の方で御調査になつて、大蔵省の方で認可というものが暇をとるとか、或いは重大な支障があるというふうにお考えになつておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/11
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012・今澄勇
○衆議院議員(今澄勇君) 提案者として申上げます。この中小企業等信用協同組合の問題のみならず、企業組合の問題においても、全般的に中小企業の今日の悩は御承知のように金融でございます。ところが政府は、金融の危険を負担する政府保証等を公約せられながら、これも実現しない。中小企業に関する金庫の設立による中小企業者の金融話も実現しない。そこで中小企業者が今日みずから自分の手でこの法律で定められた信用協同組合を設立して、而もその信用協同組合の全国的の連合体に二十億なり三十億なりの政府の資金を流して貰つて、みずからがみずからの手で更生しようとする努力を続けておることは、賢明なる皆さん、御承知の通りであります。そこでこの信用協同組合の設立がなかなか認可が出ない。相当これはむずかしいものであるということが徹底をいたしておるために、この法律が通つてから一年有半の間は届が最初少々あつたが、後は届がなかつたという状態であります。而もここに発起人が三百人が集つて書類を作つて、皆さんの金を集めてもう大丈夫と思つて大蔵省に出し、駄目だという話になると、その責任者の皆さんに対する責任或いはその顔の惡さ、そして手数のかかつた費用等から、恐らく二度とこういつた信用組合を作ろうというような意欲に欠けるのであります。今日これらの信用協同組合の設立が進まないのは、これらが大きな原因であると存じます。
そこで私共は政府が早急にかような中小企業金庫であるとか、或いは政府の保証制度とかいうようなものをとらない限り、この信用協同組合というものをどんどん認可するためには、どうしても法規裁量の規定をここに附加えて、信用協同組合の設立を速かに講ずるという措置をとらなければ、今日の中小企業者の金詰りを救う一つの途である信用協同組合の法規の意味がなくなります。これは信用事業でありますから、金融の一つの問題として預金者保護等の面もございますので、預金者を保護する立場から見れば、この改正案にいろいろの條件を附したいという御意見も出るかも知れませんが、中小企業の今日の危機を救うという観点からすれば、私はこういつた改正が必要ではないか、かように考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/12
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013・油井賢太郎
○油井賢太郎君 誠に御尤な御説明ですが、尚信用協同組合の事業免許基準案というのが我々の方に配られておるのですが、これは当局でお出しになつたのですか、或いは又提案者かお出しになつたのですか、この案は現在実行されつつあるのですか、それとも将来こういう基準で行きたいという御希望なのですか、その点を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/13
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014・今澄勇
○衆議院議員(今澄勇君) この本案は衆議院において同僚奥村議員より本改正案に見られる「法令の規定に違反するときを除いて」と書いてあるが、法令のみでは大蔵省では困るから、法令の下に大蔵大臣の定める政令という文句を入れる修正案を衆議院において動議されました。その修正案の政令の内容はかくのごときものでありたいというので出されたのがお手許に配られておるいろいろな條項の趣旨でございまして、それらの問題については改正案の提案者である奥村議員より一つお聴取願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/14
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015・小串清一
○委員長(小串清一君) 奥村代議士から御説明を申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/15
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016・奧村又十郎
○衆議院議員(奧村又十郎君) それじや修正案を簡單に御説明を申上げます。
修正案は原案の「法令の規定に違反する」を、「法令の規定に違反し又は政令の定むる基準に適合しない」というふうに定めるのであります。只今今澄君からお説明がありましたように、従来この金融事業に関する協同組合の許可に関しまして、大蔵大臣の自由裁量に任せることなく、法令の規定に違反しない限り免許することを要する、当然免許するというふうに改めるということは、これは誠に結語ではありますが、今日の経済の事情又預金者保護とういうふうな面から考えまして、原案を今日即時執行するということは甚だ危険な面もある、こう考えまして、ここに政令を以ちまして許可に関する基準を明らかにいたしまして、この基準に適合した場合当然これを免許する、こういうふうにいたしたならば誠に適切であろうと考えまして修正案を提出した次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/16
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017・油井賢太郎
○油井賢太郎君 それではこの基準をお作りになつたのには一つの何か拠り所があると思うのですが、具体的に大都市は出資金が五百万円、或いは市制施行池では三百万円とかいう、こういうように盛られてあるのですけれども、現在までに大蔵省で以て許可をした信用協同組合のいわゆる六十四、その六十四というものはすべてこれに当てはまつでおるものであるかどうかということが第一点と、更に又将来においても、この基準の程度ならば許可をしても差支ないというような、根本的にこういう基準を定めた理由、そういう点について提案者並びに当局の御見解をこの際伺つて置きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/17
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018・奧村又十郎
○衆議院議長(奧村又十郎君) 提案者からちよつとお答えを申上げます。只今お手許に参つておりまする免許基準案なるものは、大体今日までにおいて大蔵省の方で免許いたしました在来の基準のごときものを土台として作つたものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/18
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019・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 衆議院で本法の改正について御審議がございまして、今後は一定の政令の定める基準に適合したものについては大蔵大臣が自動的に、機械的に免許をしなければならないということになりますにつきましては、その基準の内容はどういうものであるかを大体決めて置く必要があろうということでこの基準案ができておるのでありますが、これは従来当局が個別の認可、免許をして参りますときに注目すべき点、或いはその扱いの運用の手心として使つて参りました点を、大体においてそのまま成文化したものでございます。例えば出資金等につきましては、必すしもこの例によつておらないものがあるかと存じますが、それは個別にいろいろの事情を審査いたしますために例外もあつたかと思います。今後はこの基準というものを示して規則認可にいたしますれば、この辺か妥当かと、こう考えられる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/19
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020・油井賢太郎
○油井賢太郎君 そうするとこの基準なるものは、大体は分りましたが、次に突如としてこの協同組合による金融事業に関する法律の一部を修正するというのが、本日我々参議院の手許に参つたのでありまして、どうも今までの予備知識が殆んどありませんし、まあ会期が二十日間あつたのですが、何故提案者においてもつと早くからこういうものをお示しにならなかつたか、その事情をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/20
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021・今澄勇
○衆議院議員(今澄勇君) 本法律案の改正については、これは第五国会でこの法律が通過したときのいきさつから申上げなければ分らないのであります。最初中小企業等協同組合法が本国会にかけられたときに、この中小企業等協同組合法の原案の中には、御承知のように保険協同組合があり、それに加えて信用事業の信用協同組合、更に事業協同組合と企業組合との四つに分れておりました。而してこれは衆議院においても、参議院においても通産委員会がこれの審査に当つたのでありまするが、通産委員会は大体において、この中から火災保険を取除くことに意見がまとまりまして、その四つのうち火災保険が議院修正を以て取除かれる、尚大蔵大臣の認可に関する法規裁量の規定については、これは金融事業の預金者保護の立場から見て非常にこれは弊害を伴うということで、これ又大蔵委員会の方で非常に反対意見が出まして、併せてこの火災保険事業と、それから大蔵大臣の自由認可にしなければならないという大蔵委員会の主張から、本中小企業等協同組合法が流産しかけたことがございましたが、それも御承知の通りであろうと思います。そこでそのときに一応の妥協案として、火災保険を除き、この大蔵大臣の自由裁量のこれを修正をして本法律案が参衆両院を通つた次第であります。その後今日まで中小企業者は、この大蔵大臣の自由裁量に変えられた法律の下において努力を続け、協同組合の設立に邁進をして参つたのでありまするが、大体本国会には今言つた金融に関する国家保証、或いは中小企業金融金庫等、参議院選挙を前にして、政府、與党が約束したそれらの問題が実現し得るというような見通しから、我々はこれらの法律の改正をしなくても、中小業者の金融は円滑に行くものなりという建前で様子を見守つておつたのでございます。ところが会期二十日のうちいよいよ最後になつて来たけれども、何ら政府は法律を出す出すと言つておつたけれども、それらの法律案を出さない、それで中小企業に対する、政府の施策は、本国会にはもはやなきものである。何ら中小金融に対する熱意なきものであるということになつて、それではせめて自分がみづからやろう、この信用協同組合だけでも、自由裁量を法規裁量に変えて、中小企業者の金融の上において一つ裨益して行きたいというのが、本案提出者の意見でありまして、そのためにこの法案の提出が遅れたことを一つ御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/21
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022・油井賢太郎
○油井賢太郎君 そこでこの御提出になつた法案が若し通つた場合には、中小企業に対してどの程度の金融が自主的に賄い得るかというお見通しを一つお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/22
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023・今澄勇
○衆議院議員(今澄勇君) そこで衆議院の大蔵委員会においていろいろ論議が交されましたが、本日御出席の政府側委員である銀行局長も、本日の衆議院の委員会においては、大体政府資金を今日の市街地信用組合から新たにでき直つた信用組合の全国の連合会に対して何がしかの金を廻したい意向である、将来も信用協同組合の全国の連合体ができれば、政府資金をそれに注入する考えであるということを政府自身も答弁せられました。私も尤もであると思います。我々はこの改正案の通過によつて、少くとも五百見当の信用協同組合を作ることによつて約一千の信用協同組合が全国各地に設立されることになります。これに対して我々はこれらの信用協同組合の連合体に対して、少くとも昭和二十五年度において大体三十億を見積つておりまするが、政府資金をこれに注入することによつて今日の中小業者の危急を救いたい。もとより自分達の集めて来る資本の問題、或いは預金の問題等々については、これが金融機関であるからして預金者の保護をしなければならないことはもとよりでありますが、原案提案者は預金者の保護に名を籍りて、新たにできようとする零細企業者の金融難を打開するための信用組合事業を妨害するということは、角を矯めて牛を殺す類に似ておる。だからこれは少くとも約千個の信用協同組合を本年中に設立いたしまして、政府資金三十億を流して頂いて、これが立派に健全に発達するように大蔵省で育成すれば、少くとも現下の中小企業者の運転資金の面において相当程度のこれは助けになるのではないか、かように考えておりまして、この法案の通過によつて中小業者の金融難が全面的に打開されるとはもとより考えておりませんが、政府の遅れたそれらの施策を償う一つの過渡的な方法としては可なりではないかと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/23
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024・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 政府資金と協同組合との関係につきまして私が衆議院で申上げましたことは、関係方面との関係もございますので、誤解がございますといけませんから申上げたいと存じますが、信用協同組合に対して政府資金を廻しますことは、従来もやつておりますし、将来と雖も適切な施策であろう、又信用協同組合の全国連合体と申しますものはすでにできておるのでありますが、これらは将来政府資金を組合に導入する場合において、そのパイプの役になるものであろうという趣旨を申上げたのでありまして政府資金を今後協同組合にどの程度いつ廻し得ずかというような問題はまだ只今のところ決まつておらんことを一つ御了承をお願い、いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/24
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025・油井賢太郎
○油井賢太郎君 そうしますと、只今提案者の方では、連合体に三十億くらい出すというのは、局長の方ではこれは今のところは決まつてないというお話になるのですが、それを除いて五百見当の出願を見られるというような曉、大体局長としては、この基準によつてどんどん許可をして行くということによつて、今年度の許可数はどのくらいの見込が立つておるのですか。而も今までも、当分この許可の申請はあると思うのですけれども、先程の局長のお話によると、本省に来る前に局で以て握り潰しをしているようなものも相当あるのじやないかというふうにもとれるのですが、そういうふうなことを各地方でやつておるというのは、これは甚だ民主主義に副わない点ではないかと思うのですが、本省では何か、局で以て一応下調べをして、それに適当しないものはもう本省へ廻すなといつたような訓示でもなさつておるのですか。そういう点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/25
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026・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 協同組合が今度の改正案のごとく改正せられましたときに、どれだけ認可を申請して参り、これを認可することにするかということにつきましては、ちよつと見通しを立てかねるのでございます。
それから信用協同組合設立の申請か財務局で抑えられて握り潰しになつておりはしないかどうかということにつきましては、前国会の当時から協同組合の免許が非常に遅れるという御指摘も受けましたので、その後は各財務局から、とにかく財務局に対して申請になつたものはその概要、要旨を本省の方に速報するようにということの指令を出しまして、決してそういうような弊害のないように取締つておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/26
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027・油井賢太郎
○油井賢太郎君 私は又あとから…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/27
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028・愛知揆一
○愛知揆一君 先程来の提案者の御説朗で誠に御尤もな点も多々あつたのでありますが、この事業免許基準案としてここに御配付を頂いたもので申しますと、今後一ケ年間に約五百くらいの新らしい組合が設立されるように提案者は希望されておるようでありますけれども、例えばこの出資金でありますが、仮に大都市以下三つの項目の中で、市制施行地の三百万円というものを基準にとつて見ましても、これが新らしく五百の組合ができるということになりますると、その額だけで十五億円になるわけであります。それから預金額が一ケ年後において、少くともやはり設立施行地だけで二千五百万円というようなことでありますと、これも今後一ケ年間において、五百の新設の組合において、百二十五億円の新らしい預金ができなければならない、こういうようなことになりまするので、果して提案者の御期待に副うようなことに、この基準案では到達し得ない、相当そこに開きがあるように思われるのであります。それから更にこの基準案というものは、この修正案で見ますると、政令の定める基準によつて、こういう免許基準ができるのだと思うのでありますが、その中には、例えば第八項目のように、「役職員が金融業務に関し十分な経験及び識見を有すること。」でありますとか、或いは第十で「組合が政治的中立であつて、」云々というようなことがございますが、これらのような事項は政令において定める基準として果して適当なものであるかどうかということについても、多少問題がありはしないかというような感じがするわけであります。これを要するに私といたしましては、意見に亘りますけれども、現在の信用協同組合の認可の問思について、今少してきぱきと実情に副うように、適正なものは認めるということについて、十分の御配慮を更に一層当局側においてなされまするならば、敢えてここに法律の修正ということを直ちに考えませんでも、今少し事情を見てもよろしいのではなかろうか、こういうような考え方もできるわけであります。特に、つい二日程前に金融業法案というものの御説明も当局側からあつたわけでありますが、その中でやはり一つの項目として、信用協同組合の問題を取上げられておるようでありますが、これも直ぐ次の臨時国会に或いは提案するというような気持で、現在立案中のようにも伺つているのでありますが、それらとの関係もございまするので、今申上げましたようないろいろの点について、提案者の側と当局の側とのそれぞれから、今少し御意見を具体的に伺いたい。こういうふうに考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/28
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029・今澄勇
○衆議院議員(今澄勇君) 原案の提出者として申上げますが、我々がこの原案を出した意味は、これらの事業の計画が法令の規定に違反するときを除いて免許しなければならないという建前の下に、五百の組合を我々は予想したのであつて、奥村君が出した修正案による政令の内容を以てすれば、私もこれは信用協同組合設立の上にそう大したプラスではない、まあ一進歩であるが、我々の所期の目的は達せられない、かように考えておりまして、本案の提出者は原案に対する建前からいろいろのことを申上げることを御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/29
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030・奧村又十郎
○衆議院議員(奧村又十郎君) 只今の御質問は誠に御尤もであると存じますが、只今、今澄議員からは、この法律施行によつて約五百程度の組合が認可されるということを申されましたが、これは原案の場合でありまして、この基準案によりましては、我々といたしましては、早急に五百の免許はできるものとは考えておりません。併し今までのように、大蔵大臣の自由裁量に任せまして、外部にはどの基準で許可できるか明らかでないというような実情からいたしまして、今回のように政令ではつきりこの基準案を定めまして、この基準案に適当する場合は当然許可するということにいたしますれば、一歩進んだというふうに考えまして、この案を立てた次第であります。尚第八項、第十項につきましては、こういう字句の実際の適用に当つてどうかという御質問でありますが、又、この條項を入れずに置くということは、基準案として又不備になつて来ると考えます。外の法律にもかような字句も入つているように考えますので、一応入れて置きました次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/30
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031・佐多忠隆
○佐多忠隆君 政府にお尋ねしますが、先程認可申請が十分に到達してないので、速報指令を出したというようなお話でございますが、いつ頃お出しになつたのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/31
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032・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 前国会の直後そういう指令を出しまして、結論を出さないものと雖もどの程度の申請或いは設立の希望かあるかを本省に速報して欲しいということを指令いたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/32
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033・佐多忠隆
○佐多忠隆君 前国会直後というといつになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/33
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034・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 四月頃です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/34
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035・佐多忠隆
○佐多忠隆君 速報指令が出て後の認可申請の件数、その中の認可されたもの等々の資料はどういうことになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/35
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036・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 只今その資料は持合せておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/36
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037・佐多忠隆
○佐多忠隆君 その他の金融機関の事業免許なり何なりをおやりになる場合に、例えばここの基準案に盛られておるような八項とか、十項とかいうようなことは、何か基準として一応掲げられておるのか、或いは内規的に採用されておるのか、その辺の事情はどうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/37
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038・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) ここに到益してありますような項目は、大体金融機関の免許に当りましては、常識的に審査の対象となるのでございます。併し例えば四項、五項のごときものは銀行のごとき大規模の金融機関でありますと、おのずからその限度が違つて参るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/38
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039・佐多忠隆
○佐多忠隆君 そうすると常識的に免許の基準にしておるというようなことで、別にそういうものが掲げられておるとか、内規として採用されておるとかというようなことはないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/39
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040・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 財務局に対しまする事務的不審査の目安といたしまして、これに類似したようなものか通達されておる筈でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/40
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041・森下政一
○森下政一君 それではお伺いしますが、この政令の内容をなすと思われる信用協同組合の免許基準案というものは、修正意見を出された奥村さんの方で御用意になつたものでありましようか。或いは政府か若し政令を出すとすれば、こういうものであることが願わしいという政府の考えで出したものですか、どつちが作つたものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/41
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042・奧村又十郎
○衆議院議員(奧村又十郎君) この基準案なるものは、在来政府が免許するに当りまして目安として用いておりましたものを土台として作つたのでありまして、今後においてこの基準案に基いて免許することにいたしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/42
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043・森下政一
○森下政一君 この修正案は本日もうすでに衆議院の本会議で可決されたものだと思うのですが、そうするとこれによつて若し参議院がこれに同意するならば、政令が出て一つの基準が示されるわけですが、その場合に政府は大体ここに示されておる基準案、これをそのまま政令の内容にするということに同意を與えられておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/43
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044・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 参議院でこの改正法が御承認願えますれば、これは当局としても、何と申しますか政治的責任でございますから、これらの基準案に掲げてあります内容のものを政令として出すことになろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/44
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045・清澤俊英
○清澤俊英君 今聞いておりますと、今までの行き方では組合か所期の目的通り沢山できない。それでたまたま政令でという一つの建前をとつて今度は出される、その基準が大体今ここに掲げられておる免許基準案というものですね。これで今度大体これを政令として許可するという結論に達した、そこで今までいろいろな協同組合の申請があつた、それを大臣が許可する場合もこれに従つた、従つてできない、これが現実であろうと思うのであります。だからこれをこのまま持つて行つても提案者が思うように所期の目的は達せられないことになりはしないかと結論として考えますが、今までこれで大体内規としてやつておつたと言われる、それじやこれを政令化して見たからといつて、今度はこれで全部許可ができるという目安は付かないと思うが、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/45
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046・今澄勇
○衆議院議院(今澄勇君) 原案の提出者としては、今出されておる修正案の政令の内容では、従来の実績から見ると、従来の実績では御承知のように資本金においては、この程度の資本金のものでも認可されなかつたこともある。それから多少の従来はこれという……、本当のところを申上げて、基準は私はなかつたと思う、であるから多少の従来よりも改善された跡が見えるけれども、信用協同組合の設立の上に大きな寄與をなすとは、只今の御質問の通り原案の提案者は思いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/46
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047・奧村又十郎
○衆議院議員(奧村又十郎君) 御説御尤もな点もございますが、五番の預金額の点につきましては、従来政府の方で大都市が五百万円、市制施行地が三百万円、その他の地域が二百百円となつておりましたが、これは市制施行地が二百五十万円、その他の地域は百万円というふうにいたしたのであります。出資金その他の点においても今少しく変更をいたしたいのでありまするが、それでは今後政府資金の流入などにおいて可なり差支が起ると考えまして、この程度が押えた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/47
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048・清澤俊英
○清澤俊英君 それで今度は銀行局長にお聞きしたいのですが、本当の肚は拵えたくないのじやないですか。今までと同じことで、それでこういう基準を政令に出しておいて、まあ大体において資金は何とかして集めるかも知れないけれども、その外の預金を或る程度予想しておるというようなことになりますると、どうも見込が立たんという見解の相違になつて非常に無理が行く、本当にやらせる気のないものならば無理してこういうものをさせないがいいし、若しこういうものを作ることがいいと思うことでありまするならば、もつとこれらは本当にできるようなふうに緩和して、而も最近でき上ろうとする銀行及び金融業務に関する法律案等という、これらを拝見しますれば、信用組合はこの法律に基いて大蔵大臣が監督するものとし、詳細な規定を設けると規定せられて、そうして非常な細かしい規定を以て預金者を保護したり、或いは組合を保護するという考えを持つておられるのですから、そうすれば同じ何でもこれはもつと設立に……、規定として出される限りにおいては、政令として出される限りにおいてはそういう疑義のない、今少し楽な率に引下げるだけのお考えはないものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/48
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049・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 当局といたしまして信用協同組合の設立は初めから面白くないのだといつたような気持でやつておることは絶対にないのであります。これまで信用協同組合の設立免許が非常に少いという御指摘を受けておるのでありますが、昨年新法が施行せられまして、この大十四内免許しておつた。ここで後了承願わねばなりませんのは、この新設分は成る程大十四でありまするけれども、その外に市街地信用組合、産業組合、商工協同組合からそれぞれ改組せられましたものは、六百四十一あるのでございます。これらを新法の精神によりまして一体として、この信用協同組合として今後の育成に努めて行くことによりまして、中小企業金融の疏通を図ろうとするものでございまして、六百五十ばかりの組合は、全国といたしまして、決して足りないことはないと思うのでございます。それから組合の新設に当りまして、いろいろの御希望が出て参りますけれども、その中には、大体組合が設立せられますならば政府資金が導入せられるだろうという、漫然たる期待を持つて申請せられる向きもあるのであります。又金融機関が発展いたしますためには、申上げるまでもないのでありまするけれども、大体において基礎と、なるべき出資金があり、そうして預金が集つて来るということが最も重大なる点でありますので、これらの要件を備えまして、協同組合が健全なる発達の見込がございませんと、その協同組合が破綻に瀕するということの不幸にとどまるだけではなく、又弱小、弱体の信用協同組合ができますると、信用協同組合全体の世間からの信用を害するということになりまして、甚だ憂うべきことになるかと思うのであります。それともう一つは、新法の施行以来、何分新らしい法律でございますので、申請者の側にも、或いは免許事務を取扱う側におきましても、この事務に習熟しなかつたということもあるかと思うのでありますが、最近におきましては、その弊は、私共といたしまして、全然もうなくなつておると思うのであります。その結果が、最近まで大十四の内免許かあつたということでございまして、決して協同組合の発展育成ということを念願しないというわけではないことを十分御了承願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/49
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050・佐多忠隆
○佐多忠隆君 協同組合のやつておる金融事業に対する免許に対しては、今の御説明によりますと、大蔵省は決してそれをチエツクしようとしておるのではなくて、よいものであればむしろ積極的にやる意思はあるのだというふうなお示しだつたと思うのでありますが、我々も非常にそれを諒とするし、是非そうでなければならないと思うのですが、ただ併し、その実績はいろいろと御説明もありましたが、それでも尚どうも余り多数であるとは思えないし、もつとやはり積極的にこういうものをやる必要があるのではないかというふうなことも考えられますが、そういう情勢であり、政府自身その必要を認めながら尚且つこれだけにとどまつたということは、これは意思がないのではなくて、むしろやはりこういう小さいものまで全部大蔵大臣が自由裁量しようというふうに残しておられるので、手が届かないでそういうものの積極的な施策が行われなかつたのだという結果なのではないかというかうな気がするのですが、若しこれが大きな金融機関その他のことであれば、もつと注意も、配慮もできるし、それから非常にいろいろそういう面では一生懸命おやりになつておるようだけれども、ただ手が廻らないために、そつちだけに注意が奪われて、こういうところに注意が行かないし、従つて又速報指令を出した後のいろいろな事情の探査その他についても、何か積極性に欠けるところがあるのではないか、止むを得ずそういう結果になつておるのではないかという気がするのですが、その点はどうなんでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/50
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051・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 昨年新法施行以来、財務局をも動員いたしまして、申請を受理して、これが審査に当つたのでありまするが、御指摘の通り、或いは手が廻りかねるというようなことがあつたかも存じません。これは先程も申上げましたが、担当者も、一体どういうような基準で認否を決定してよいかという確固たる心証が得られなかつたという不馴れな点もあつたかと思います。併し、今日になつては、そういうふうな事態はなくなつておると私は信じておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/51
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052・愛知揆一
○愛知揆一君 もう一つお伺い残したのでありますが、信用協同組合の連合会は、やはり今度のこういう修正になりますと、この基準で許可されることになるのでありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/52
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053・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 連合会がこの規定の適用を受けるかどうかについては、まだ十分研究いたしておらないので、はつきりしたお答えは留保さして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/53
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054・油井賢太郎
○油井賢太郎君 提案者に伺いたいのですが、これは免許しなければならないという法律になつた場合、申請者の思うように早く免許が出なかつた場合に、どんな手続で以て、又どういうふうに具体的に政府の意図するところか明らかになるかといつたようなことは、御計画になつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/54
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055・奧村又十郎
○衆議院議員(奧村又十郎君) この政令に定める基準に適合した場合に、若し免許をしなかつた場合はどうなるか、こういうお尋ねでありますが、これは法律違反でありまするから、他の法律違反の場合と同様であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/55
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056・油井賢太郎
○油井賢太郎君 そういたしますと、今までも、銀行局長の話を聞けば、大体この基準に相当しておるものはできるだけ早く許可をしておる。事実私の知つておる範囲内では、この基準に合わないために、訂正しろとか、修正を要求されて、順次それが要求通りになつて行つて内認可を受けたという例を聞いております。そういうふうな場合においては、結果から言うと、結局同じことになるのではないかと思うのですが、例えばこの第八項で、「役職員が金融業務に関し充分な経験及び識見を有すること」「というような一つ條文があつて、その役職員の中に、この適格者が果しておるかどうかということを調べるには相当これは当局としても日数がかかると思うのです。併しその日数がかかつて調査した結果、どうしても適当なものがいないというわけで、これを誰か適当に探せというようなことがあつた場合、やはり相当の日数がかかつて行くと思うのです。そういうふうに持つて行くというと、この改正法律案を出しても出さなくても結局同じような結果が出はしないかと思う。特に今までこの改正法律案を提案しなかつたために、具体的に信用協同組合が免許されなかつたというような事態でもあるのですか。今まで適格であつても許可されないで困つておるというような事例は沢山あるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/56
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057・今澄勇
○衆議院議員(今澄勇君) 私は原案の提出者でありますが、只今の修正案についてのことは暫く置きますが、原案の提出者としてはこの修正を以てしては僅かな、本当に気持だけの修正で大蔵大臣並びに大蔵省の関係係官が自責の念と責任感を持つて対処するという程度のことだと思いますか、私か発議したその趣旨は、いろいろ基準その他ではこれは間違いなく許可になるべきものと思うべきものが、それが許可にならないという件数をただ私は了承しておるからしてこの原案を出したのであります。原案提出者の考え方は、少くとも預金保護ということは無論必要である、併しながら今日の大蔵省の中小企業者に対する態度は、企業組合に対する課税の問題にしても、この信用協同組合の許可の問題にしても、事ごとにこれらの中小企業者がみずから立つて何らか新らしい協同企業体なり、或いはみずからの金融機関によつて更生しようとする努力を阻む、こういうような傾向にあつたと原案提出者は確信をいたしております。よつて原案提出者としては、こういうことを法規裁量の規定において信用協同組合が設立せられるならば、そのような預金者保護のいろいろな点においてはそう心配しなくても、むしろ中小業者みずからがいろいろと自戒自粛して立派なものを作るであろうという点において私はこれを出したのであつて、今や政令の定める規定においていろいろな細かな規定を付けたということは、原案提出者の考えによれば、恐らく大蔵省当局と與党である自由党の皆さんとの話合いの上で、この程度ならば政府もどうにか了承できるといつた意味からこれは大体でき上つたものではないかと、原案提出者はかように考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/57
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058・奧村又十郎
○衆議院議員(奧村又十郎君) この修正案といたしましては、少くとも現状よりは一歩前進である、この免許に関する基準を政令で明らかにいたしました以上は、例えばお説のごとく八項の役職員が十分な経験及び識見を有することがどうか、具体的に互つて問題が起りましても、この基準が明らかでありますと、若し免許ができないという場合、この項目によつて、困るというふうに話合もできるという意味において前進しておると考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/58
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059・油井賢太郎
○油井賢太郎君 只今具体的にこの入項の問題ですが、提案者は十分な資格があるとして申請したにも拘わらず、当局においては、これは十分でないというふうになつた場合、その裁量というものはいずれに帰属するかということをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/59
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060・奧村又十郎
○衆議院議員(奧村又十郎君) これはむずかしい問題でありまして、これも金融事業でありまする以上、その当の責任者に対して相当の経験識見がなければ預金者に迷惑をかけるということがまま起るだろうと思う、この條項を又全然規定の中に入れてなければ、免許の場合に思わざる事態も起ると考えるので、少くとも預金者保護の立場からこの條項は入れねばならない、解釈の問題に至りましては、これは実地に互つていろいろな問題があろうかと思いまするが、これは何と言つて答弁したらいいか、これは具体的に互つて決めるより仕方がないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/60
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061・油井賢太郎
○油井賢太郎君 結局そうしますと、今までの大蔵省のやり方が、この法律ができますために変つて行くとついうふうにはちよつと考えられなくなつて来る。もつと提案者としては思い切つて大蔵省当局を鞭撻するような具体的な法律を盛り込んで行くとかということは必要になつて来るのではないかと思いますが、ただこのままで行けば、どつちにしても同じだということになつて、先程今澄さんからお話になつたのでありましたが、ほんの志だということだけでは甚だ提案の理由としては薄弱になりはしないか。やるなら徹底的にやるというふうにして頂きまして協同組合を設立しようという本当に熱意に燃えている人に応える筋ではなくなつて来るのではないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/61
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062・奧村又十郎
○衆議院議員(奧村又十郎君) 御説のごとくこの修正案では、誠に微温的と言われてもいたし方がないと存じます。併し例えば現在の協同組合などにおきまして可なり予金の支拂において問題を起している所もあります。現在としてはこの基準を置いておきませんと、預金者保護に差支がございます、こういうふうに考えております。将来において金融業法などの政令或いは農業協同組合法などの規定の改正などと睨合せて、いわゆる適当な規定を挿入いたしたいと考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/62
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063・油井賢太郎
○油井賢太郎君 この際、政府当局に伺いたいのですが、他にこういう免許するような基準があつて、それに対して大蔵省当局だけの考えだけでなしに、何か中へ入つて裁定をする委員会というようなものがあつて、裁量を諮るというような具体的な例はあるのですか。若しそういうのがあるとすれば、そういう所で以て認めたもの大蔵省で許可するとか免許するというようなことになつて行けば、これは解決するのではないかと思うのですが、その点当局ではどう解釈されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/63
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064・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 政府と民間の間に立つて不審査をするような機関というようなものは私は他にはないと思います。又行政上の免許をいたしますのは、飽くまで政府が責任を負うということでございまして、その他の諮問機関というのはありましても、これは飽くまで責任は政府にあるという建前になつておると了承しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/64
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065・森下政一
○森下政一君 舟山局長にお尋ねしますが、若し衆議院では一部の改正が行われているが、修正が行われずに提案者の提案通りの原案のものが仮に可決された、そういうことがあつた場合、政府の見解としては何かこれでは困る、弊害を惹起するというふうな御懸念がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/65
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066・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 修正案前の衆議院の提案につきましては、事務当局といたしましてはこれは絶対に反対でございます。大蔵大臣が免許を表面に與えるのでありますが、その内容については審査ができない。ただ定款、事業方法が法令に合致しておれば、これは大蔵大臣が免許をしなければならないということになりますと、むしろ自由設立よりも弊害が多いのではないかと考えるのでございます。証券業等におきましては、自由設立、届出主義でございますが、その濫立に苦しんでおるといつたような事例もございます。又特に申すまでもないのでありますが、信用協同組合は、いわゆる員外貯金、組合員でない者の貯金を預つておるのであります、これらの預金者は組合の運営には直接関係いたしません。ただ大蔵省免許という字に釣られて、貴重なる預金を預けるという事例が多い。この場合におきましては、大衆はそういう背後にあります法制的な問題につきましては、極めて無智であります。そこで却つて国民に対して錯覚を起さしめるようなことになると考える意味におきまして、原案のようなことは、事務当局といたしましては反対せざるを得ないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/66
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067・森下政一
○森下政一君 そうしますと先刻から油井委員なり或いは清澤委員なりからお話がありましたが、結局従来政府が免許をするについてやつて来た事柄を、この衆議院の修正案によつて表面に向うたということだけのことで、大して従来と変りがないということになるのが正しい判断と思いますが、そうではないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/67
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068・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) この免許の基準案としては、従来当局がやつてきましたそのままとは必ずしも言えないと思います。従来やつて参りましたいわば判例的なもの、これらがやはり規則の場合になりましても一応の基準になるものと考えるので、これを、衆議院の審議に当りましてもその趣旨を申上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/68
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069・森下政一
○森下政一君 原案提出者の考えは、先刻から今澄君から縷々御説明がありましたが、どうも折角協同組合の金融事業というものが盛んに行われると考えたのに、遅々として一向進まないというところに非常な不満があつて、何とか今日の一般庶民階級というか、中小企業の金融難の打開にみずからの力を以て蹶起してやるというのならば、早くやらした方がいいじやないか。政府のそれらに対する施策の緩慢であるとか、或いは遅れておるという点を補う一つの手段としてはそういうことが必要だという考えのようなんだが、若しこの衆議院送付の修正案通りのものが参議院で可決確定されたという場合に、何程原案提出者の期待に副うことになるのでしようか、これに対して政府委員の見解をお伺いしたい。一歩原案提出者の希望に副うべく前進したことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/69
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070・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 従来この基準に示されてありますような條項につきまして、申請者側も免許をする側にもいろいろ審査上のいざこざがあつたわけであります。そういうことが又免許の遅延ということの原因になつておつたと思うのであります。これが基準が明確にされ、そうしてこれが考究される、そうすれば申請される側におきましても見込のないものは或いはこれを諦める、或いは見込のあるような案にせられる、又認可免許する側におきましても、こういう政令ができますれば、これによつて一応の覊束を受けるのであります。審議の遅延による免許の不円滑といつたようなことは、弊害が除かれて参る。こういう利点はあると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/70
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071・佐多忠隆
○佐多忠隆君 今おつしやつたような点で、征東の大蔵大臣の自由裁量に任していたために、或いはうやむやになつたり、積極的に処置しようというような熱意が欠けていた場合は、今度のようなことになれば、事業免許基準案の内容については、いろいろまだ問題が残るかも知れないけれども、少くともこういうものが示されて、公にされて、これに従つて審議しなければならないし、これに反していないならば免許しなければならんというようなことになつたり、考え方なり何なりとしては非常に違つたものになるし、あと弊害があるとすれば、免許基準を実情に適するように改善し直して行くということはあり得ても、今のところはこれで進むということが相当な進展になるという気がするのです。その点については原案提出者或いは修正案をお出しになつた方は、どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/71
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072・今澄勇
○衆議院議員(今澄勇君) それで原案の提出者としては、この修正については又非常に面白くないわけでありますが、一歩讓つて修正案が衆議院の委員会においては多数を以て賛成されたので、私としてはそのとき述べたのです。私は少くとも大都市が五百万、中都市が三百万というような、この基準は資本金の額についても多きに失するから、大体百万程度が資本金の出資額、それから預金の高においても、いわゆる六大都市といわれるところで二千万円見当、一般のところは大体五百万円というところを踏んで、その他これに十何項目あるところの項目を約四項目くらいに集約して、ここに政令を出すということであるならばこれは非常によろしい。大体政令というのは行政官庁に與える立法府のこれは委任立法であつて、これらの政令を行政府が立法府の考え通りに行うか、或いはこれを変える場合に立法府と相談するということがあればいいけれども、ともかくも行政府が政令を自由に変えて、ややもすれば認可が鈍るようなむずかしい方向へ自然とそれらの政令が変つて行つてしまうということは、企業組合に関するところに出た政令の数々が雄弁に物語つておるわけであります。私は企業組合の問題はこの信用協同組合問題とは別でありますので、詳しく申上げませんが、原案提出者は企業組合に関する所得税その他の問題についても、出された政令は殆んど中小企業と協同組合法という、只今衆議院においても通産委員会において絶対にみんなが賛成し希望しておるものとは反対の政令が出ておりますけれども、これは会期が短いのであるから、今国会の問題にはならなかつたに過ぎなかつたのであります。よつて原案提出者として私はこの信用協同組合法の政令も、條は三ケ條と申しますが、まあ大体四、五ケ條ぐらいにして、今申上げた程度のもので通過すれば、原案提出者としては非常に満足であるがこの程度のこんなにむずかしい條件では恐らく或いはこんなむずかしい條件ならば大して変りはないというような意見もあるかと思います。ただ気持として大蔵大臣がこれを放置できない、これまで放置しておつたのであるが放置できなくて、何とかこれに対して審査し話合をしなければならないという立場に置かれるだけが、僅かながらの前進である、かように心を慰めておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/72
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073・奧村又十郎
○衆議院議員(奧村又十郎君) 只今御発言の通り、従来は大蔵大臣の自由裁量に任されておりましたから、よつて例えば組合員三百名以上が集まりまして、組合を設立して、認可申請いたしましても、許可が来るか来ないか分らんという非常な不安なものでありましたが、ここに基準がはつきり示されまして、審査の基準としてはつきりいたしましたからして、一応の目途が付くということにおいて可なり設立について促進かできると考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/73
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074・清澤俊英
○清澤俊英君 ちよつと銀行について伺いたいのでございますが、この目途ですね、預金の目途を出す際には、何か沢山な銀行がありますが、何万ぐらいの都市では大体一行どれぐらいの預金者があつて、一人平均どれぐらいというようなことが参考になつておつただろうと思いますが、大体そういうものを参考としてお作りになつたのか、ただ信用組合を強化するために預金額は大体これぐらいというような大雑把な考え方でお作りになつたのか。その辺の基準が若しありましたらば、はつきりしたものを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/74
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075・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) ここに掲げました計数につきましては、私共は各種の金融機関を取扱いまして、この平均的な数値というものも出ておりますし、又経営の面から申しまして、これくらいにしなければその收益が人件費等をも賄うのに足りないというような、そういうような大体の目安ができておりました。それらを総合いたしまして、将来の基準とするにはこれぐらいが適切である、こういう結論を出したのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/75
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076・清澤俊英
○清澤俊英君 そうしますと、非常にここは私はむずかしいところだと思います。経営のためにこれぐらいの預金も集めなければならん、これぐらいの資本も持たなければならんということは果して預金率がこういうものと大体において一致しておるかどうか。これが非常な重要な問題だろうと思うのです。今ちよつと六万都市、自分は新潟県の長岡でありますが、六万都市、約家の数で一万と見て考えますと、その一割が預金者としても、一人が二万五千円の預金がなければ、二千五百万円にならん、こういうことになると、恐らく成立しないのが本当であつて、成立すると考えることが無理であろうと考える。それ以上の預金が信用組合でとれるということを考えることも私は無理であろうと思います。預金を集めることが無理だろうと考える。そうすれば、これは成る程こういうものを作つて出すが実質においては、仏作つて魂が入らんという政令がこれにくつついて、現実においては抹殺せられる、こういう形になるのて、本当に私は、政府なり、自由党の方々でもこういうものを作ることがいいとするならば、もう少し積極性を持つて、現実にできるような修正をして、場合によつたら保護の方法まで考える。今直ぐできんかも知れませんが、考えて行く一つの考え方が、私は重要性を持つておると思うのでありますが、そういう点に対しての御確信はどうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/76
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077・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 只今お尋ねになりましたような点が正に私共の心配しておるところでございまして、いろいろの設立計画が参りますが、出資金も少くて、これが事務所費その他に固定される、そうして預金も余り集まる見込もない、果して半年か一年先には、この組合はどうなつてしまうのだろう、こういうふうなもので一応とにかく協同組合を拵えて見ようというような申請も相当あるのであります。そこで私共としましては、そうしたものは害あつて益なしであると思うから、信用協同組合を認める以上は、基礎がしつかりしており、預金も十分集まるものでなければならん。それで特に他の信用組合その他の金融機関がその地方にもうすでにあつて、その隙間に食い込む余地があろかどうか、こういうような点も十分考えて参りたい。これを言い換えますれば、相当健全なる発達の見込があるものに限つてこれを認めたい、これが従来の免許方針であつたわけでございます。これに外れるようなものは、私共といたしましては到底危くて、これは預金者に又早晩迷惑をかけることが目に見えておりますので、これは如何にしても認め難い、こういう気持でおるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/77
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078・愛知揆一
○愛知揆一君 私は少し観点を変えて伺いたいと思うのでありますが、現在信用協同組合が六百幾十かあるのでありますが、その基礎の信用協同組合ですら十分にその機能を発揚するということはできないと思うのであります。その大きな原因は、結局扱い得る資金量が非常に少いということから来ておるのであつて、私はむしろ預金部資金なり或いは見返資金なりというものが、既存の信用協同組合にももつと利用し得るような途を大幅に拡げて貰いたいということを常々考えておるわけであります。その既存の信用協同組合に対する現在そういつたような政府資金というようなものは、どういうふうな段取りで注入することが考えられており、或いは計画されておるか、これを先ず伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/78
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079・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 只今政府資金といたしましては、信用組合全体に対しまして、七億ばかり昨年の年末金融対策として預託をしておるのであります。これは預金八千万円以上の組合に限つております。今後政府資金、特に預金部資金を市中に還元することの必要なことは改めて申上げるまでもないのであります。関係方面の許可が得られますならば、これを実施いたしだいと、その方面を骨を折つておるわけであります。そういうような際には、この政府が一つ一つの多数に亘る組合について、果して預金部資金を廻しまして、回收の可能性があるかどうかということを検討いたしますことは、必ずしも、その能力においても欠けるところがあるし、適切でないと思われる節もありますので、信用協同組合につきましては、先般できました全国信用組合連合会、これらを一つの水の注ぎ水といたしまして、その中においていろいろ資金を配分して貰うということが適切ではないかと現在考えているところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/79
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080・愛知揆一
○愛知揆一君 その現在の預金の八千万円という一つの基準は、今後も相当長くこの基準を続けられるお見込でしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/80
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081・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 前回実施いたしましたものについて、そういう基準を設けたのでありまして、今後の問題については実情に即して適助なる基準を考えたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/81
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082・愛知揆一
○愛知揆一君 そうすると、仮に内容さえよろしければ、設立の認可がありました極めて新しい信用協同組合でも、政府資金の対象になるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/82
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083・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 設立後相当期間を経たということは、その組合の堅実性、従つて借入金の返済能力を判定する一つの有力なる要素であります。果してできたばかりの組合にこれを預金部資金等を導入してよろしいかどうか、相当問題もあることかと考えますが、その具体的の基準等につきましては、只今のところまだ十分の研究を経ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/83
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084・愛知揆一
○愛知揆一君 先程、連合会を通して政府資金を注入するという趣旨のお話があつたのでありますが、現在連合会の設立というものに対しては、どういうお考えでいるのでありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/84
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085・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 従来の組合におきましては、特に農業関係の組合におきましては、県ブロツクに一まとめにいたしまして、それを更に中央において集中するというような仕組がとられているわけでありますが、この信用事業專門の協同組合につきまして、そういう必要ありや否やは、相当疑問を持つているのでございまして、只今のところ地区的の連合会を作りましても、そう活動の余地、存在の理由というものは多いのではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/85
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086・愛知揆一
○愛知揆一君 そうすると、将来いずれにいたしましても、信用協同組合の事業の免許について、従来よりは円滑になるというふうに考えるのでありますが、そういう際には新たにできましたもの及び既存のものは、全部連合会、全国一本の連合会に加入をするということを、何らかの形で勧告なり慫慂なりされるのでありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/86
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087・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 協同組合の仕組それ自体におきまして、この力の弱いものがお互いに協同して、それぞれの利益を増進するという建前でございますので、かかる中小業者が集まりましてできました信用協同組合につきましても、成るべく連合の力によつてその力を増進して行くということが理想的であり、又望ましいことであろうと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/87
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088・今澄勇
○衆議院議員(今澄勇君) 今愛知議員からの舟山銀行局長に対する質疑応答、その間提出者は暫く聞いておつたのでありますが、私はこの際、今の愛知議員の御質問の御趣旨は、既存の市街地信用組合を改組した今の全国的な信用協同組合へ金を流して、そうして新らしくできたものもその既存の信用組合の中へ入れて、而も新らしくできて年限が経たなものに政府資金をやつても回收能力がないからこれはどうかという意見は、煎じ詰めると、現在の信用協同組合のそんな全国的な連合会からも、大体この信用協同組合の中核として昔から持つておる力をずつと最後まで持ち続けたいという御意見が出ていますので、原案提出者の一番の狙いがそこにあつて、愛知銀行局長在職時代において中小企業等協同組合法というものを通過して、而も市街地信用組合というものは十二月末を以てなくつなるということがはつきりしたときにおいて、全国信用組合の皆さんが連合会を結成すべきことを大蔵省へ出したところが、愛知銀行局長在職中、それに対する内認可を與えられておられる。そうしてその内認可は関係方面の拒絶によつて、これは遂に実現しなかつた。私は少くとも金融事業でさえあれば、これまでの勢力の強い既存の力を、預金者保護の名において常に守るところに、新らしく資金の流れない一番大きな原因がある。私は全国信用組合の声を代表して皆さんに申上げるな、らば、少くともこれまでの市街地信用組合の焦げ付の貸付であるとか、或いはこれまでの市街地信用組合の活動が不十分であればこそ、信用協同組合というものを作れることが第五国会で通過したものと言わなければなりません。然らばこのような中小企業等協同組合法の信用協同組合の精神に反して、愛知銀行局長は在職中に、少くともこの法律によつて規定されていることを、この十二月末日を目の前にしながらなぜ内認可の返答を與えておるのか、だからそのような考えを全国中小企業が持つて、そうしん信用組合の連合会の認可についてもそういつた考え方で、全国中小企業者が今日の金融難の時局に面してもその問題を坂上げて呉れない、大蔵省は横暴であるという声を聞くことは、極めて遺憾の意をここに私は表明いたしたい。舟山銀行局長の御答弁によると、それらのものは愛知銀行局長の話は中小企業者の独断だというように取られるのであるが、それはそれとして政府は中小業者に対する国家保証もしない。厳重な一つの性格も作らせないでおいて、新らしく国家資金をこれに流させないということは、一体中小業者の今日の金融難を打開してやらないということは、中小業者に死ねということと同然であると思う。本案に対して自由党の諸君も、署名し、民主党の諸君も署名し、各党を挙げて、共産党に至るまで署名した。これは真に中小業者の金融難を打開するということにあることが原案提出者の考えであるということを述べて、私の意見に代える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/88
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089・愛知揆一
○愛知揆一君 今今澄さんのお話の中に、私としては非常に腑に落ちない点もありますが、心外に思う点もございますが、私の質問は途中なのであつて、私としては非常に気になることは、信期協同組合が中小企業等協同組合法という全く新らしい組織の下において発達せんとしつつあるものでありますから、今後新らしく免許をするについても既存の組合においてすら資金難に悩んでおりますから、そういうできる新らしいものについても政府資金が流れるような途をここに講じなければ、單に設立の認可ということだけでは問題は解決できないという趣旨において、如何にして政府資金をこういう新らしい要望にも応えるような途を当局としても更に大きく考えられておられるかということを私は質問の趣旨にしておつたのであります。その点は誤解のないようにお願いいたしたいと思います。そこで私の質問を続けたいのでありますが必ずしも私の意見としては、全国一体の連合会だけでなく、例えば地域的のものであつてもこの原案の提案者がお考えになつておるような趣旨を実質的に活かすためには、場合によれば地域的な連合会というものも考えなければならないのではなかろうか、そうしてそれを対象にして政府資金の導入ということも考えられるのではなかろうか、こういうことを次に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/89
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090・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 中小企業等信用協同組合の設立はその精神において自由になつておりますので、地方的連合会のごときものもその必要がございますれば、これは認あて行つて差支ないと存じますが、現在のところ具体的に取上げて研究しておるものは未だない状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/90
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091・愛知揆一
○愛知揆一君 そうすると甚だくどいようでありますが、仮にそういうことが考えられて取上げ得るということであれば、地域的な連合会の問題になるし、且つこれが政府資金を導入してよろしいという大きな方針が決まりさえすれば、その対象にもなる、こういうふうに了示してよろしゆうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/91
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092・舟山正吉
○政府委員(舟山正吉君) 連合会の必要がありますならば、それは取上げて研究して差支ない問題であろうと思います。又政府資金の導入の問題につきましては、結局において或る一定の基準はあるかも知れませんが、全国信用協同組合を平等の立場において扱わなければ自他共に納得はいかんということになりはしないかと思うのであります。極く規模の小さいものを除外するとか、或いは預入の基準の金額について差違を設けるとか、そういつたような必要はできて来ると思いますが、特にある種の連合会を拵えたら、そのために政府資金の導入について利便を受けるといつたようなことは、公平の見地からできにくいことではないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/92
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093・油井賢太郎
○油井賢太郎君 この際、一応休憩にでも……我々も突然と出されたのですから、党に帰つていろいろ相談もしなければなりませんので、休憩の動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/93
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094・小串清一
○委員長(小串清一君) 実は出席者は非常に少うございますし、先刻来御質問が大体終つたら一旦休憩をして御相談を……尚委員の出席を求めるということにして、それでは暫時休憩いたします。
午後六時二十八分休憩
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午後七時二分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/94
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095・小串清一
○委員長(小串清一君) 休憩前に引続き開会いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/95
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096・油井賢太郎
○油井賢太郎君 本案は閉会間際に提出され、十分審議を盡すことが出来ないから、本案については継続審査するの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/96
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097・山崎恒
○山崎恒君 只今の油井君の動議に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/97
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098・小串清一
○員長(小串清一君) 只今の油井君の動議に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/98
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099・小串清一
○委員長(小串清一君) 御異議ないと認めてさよう御取計らいます。では本日はこの程度で散会いたします。
午後七時三分散会
出席者は左の通り。
委員長 小串 清一君
理事
大矢半次郎君
佐多 忠隆君
山崎 恒君
委員
愛知 揆一君
九鬼紋十郎君
黒田 英雄君
清澤 俊英君
森下 政一君
小林 政夫君
杉山 昌作君
高橋龍太郎君
油井賢太郎君
森 八三一君
衆議院議員
今澄 勇君
奧村又十郎君
政府委員
大蔵政務次官 西川甚五郎君
大蔵省銀行局長 舟山 正吉君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814629X01119500731/99
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