1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年十二月四日(月曜日)
午後二時十二分開議
出席委員
委員長 小金 義照君
理事 多武良哲三君 理事 高橋清治郎君
理事 今澄 勇君
今泉 貞雄君 小川 平二君
永井 要造君 田中 彰治君
福田 一君 南 好雄君
河野 金昇君 加藤 鐐造君
砂間 一良君 田代 文久君
出席政府委員
通商産業政務次
官 首藤 新八君
通商産業事務官
(資源庁炭政局
長) 中島 征帆君
委員外の出席者
通商産業事務官
(資源庁炭政局
鉱害課長) 上坂 清一君
專 門 員 谷崎 明君
專 門 員 大石 主計君
專 門 員 越田 清七君
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十二月二日
旧自家用電気設備返還に関する請願(塚原俊郎
君紹介)(第二三〇号)
同月三日
中小企業者に対する金融対策確立に関する請願
(中村清君紹介)(第三四五号)
琉球民間貿易の促進に関する請願(田中不破三
君紹介)(第三九二号)
織物業者の金融対策確立に関する請願(阿左美
廣治君外二名紹介)(第三九三号)
の審査を本委員会に付託された。
同月二日
中小企業対策に関する陳情書
(第一一七号)
自転車競技法の一部改正に関する陳情書
(第一二六号)
ヂーゼル自動車工業に対する軽油増配の陳情書
(第一五四号)
電気事業再編成に伴い新会社設立組織に関する
陳情書
(第一六八号)
競輪存続に関する陳情書
(第一七九号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律
案(内閣提出第二五号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/0
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001・小金義照
○小金委員長 ただいまから会議を開きます。
本日は特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。質疑に入ります。順次これを許します。多武良哲三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/1
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002・多武良哲三
○多武良委員 まず第一番は、復旧工事費の総額について御質問を申し上げます。復旧工事費の総額は、かつて九十八億円であつたのですが、その後五十億円となり、さらに今回は五十七億円と相なつたようであります。これはいかなる理由によるものであるか。特別鉱害の規格をかえたためであるか、あるいはまた調査の粗漏によるものであるか、それともまたほかに理由があるかどうかであります。今回の五十七億円は決定的であるか、将来あるいはまた変改されるようなことがないかどうか、この決定はどうしてなされたか、業者の申請総額は幾ばくであつたか、これを五十七億円にきめたのはいかなる方法によつたものでありますか、特別鉱害規格に反するものを除外したのであるかどうかということであります。これはあらかじめ特別鉱害の規格を提示し、それにのつとつて申請させたものと考えるのでありますが、それとも工事費の單価あるいは施行の方法等を嚴密に査定した結果によるものでありますか、訴訟等のためにこの査定額をくつがえされるという心配はないかどうか、少くとも業者を納得せしめ得る自信が政府にあるかどうか、工事費の單価は公平に査定せられておりますかどうか、業者の申請に基いたものであり、従つてかれこれ相互の間には著しいでこぼこがありはせぬか、こういうことをまずお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/2
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003・中島征帆
○中島政府委員 特別鉱害の全体の見積り額に対しましては、従来約五十億ということを当委員会でも御説明いたして来ております。当時五十億と申しましたのは、戰時鉱害が一応百二十六億というふうに言われておりまして、その後の調査の結果、大体九十八億くらいはあるだろう、この程度の鉱害のうちで、いわゆる特別鉱害に属するものがどのくらいあるかということを昨年の秋に関係各省で一応の概略の調査をいたしまして、約五十億と見積つたわけであります。その後本法の施行に伴いまして、この法律の第三條によります特別鉱害の定義並びにその後各省連絡の上できめました認定基準によりまして、昨年の九月及び十月の二回にわたりまして精密に調査をいたしまして出ましたものが五十九億になつております。但しこの五十九億円のうち自己補給すると考えられるのが一億くらいありまして、ただいまお話の通りいわゆる特別鉱害費として特別会計で工事を施行すべきものが五十七億ある。こういうふうに結果においては出たのであります。そのほかに実は従来配炭公団当時からの継続事業及び特別鉱害と関連しております事業でありまして、これは同時に特別鉱害に取上げなければ意味をなさないようなものをいわゆる第二類といたしまして、十六億ほど取上げております。その内容はまた御説明いたしますが、従つて全部の鉱害の金額を総計いたしますと、全体で七十五億二千九百万円という数字になります。この十六億の数字はどういうものであるかと申しますと、これはたとえば道路ないしは農地を特別鉱害として嚴格な認定をいたしますと、半分だけが特別鉱害になつて、残りが一般鉱害として処置される。そうすれば一部だけを、たとえば地盛りするなりして修理いたしましても、全体の効用がそれによつて回復できないというものは、やはり一連の作業として取上げるということにしたければ意味がないので、そういうものは取上げております。それからまた配炭公団から継続してやつておりました事業の中で、純然たる一般の鉱害に属するもので、ほとんど一般の民生に直接関連はしないというのは別でありますが、すでに継続しておつて、しかもこれを引続いて工事を進めなければ全般的な民生の安定ができないというようなものは、やはり特別鉱害のつながりとしてこれも取上げてあります。それに対しましては、これはそれぞれに嚴重な認定をいたしますと、狭い意味の特別鉱害には入りませんので、当然に認定から落されることになりますが、そういうような考慮によつて、取上げました特別鉱害に対しましては、取上げられたことによりまして利益を受けるものから、その受益者の負担金をいただくということに、それぞれ認定のときに話合いをつけまして、従つてこの十六億につきましては、特別会計に対しまする一般の財源に頼らないで、受益者負担金と国及び公共団体の補助金でもつてできるというものを取上げております。従つて全体の工事額が非常にふえておりますが、ふえたものは大体受益者負担金と国及び公共団体の補助金によつて救済できる結果になるわけであります。それから五十九億なり、あるいは七十五億という全体の特別鉱害の額を認定した場合はどういうふうな目安でやつたかということですが、これはもう当初から法律の実際の趣旨にのつとりまして、なおまたその後つくられました認定基準によつて、十分嚴格に査定いたしておりまして、従つて当初からたとえば五十億あるいは六十億という全体の鉱害の数字を想定して、それに合せたというようなことは全然ございません。またそれぞれの鉱害地域の相互の連関ということも十分に取上げて、いずれのケースをとりましても十分にこの認定基準に合致し、またお互いにバランスがとれておるというふうにわれわれは確信いたしております。また実際面におきましても、各鉱害の地元におきまして、今回の、時に第二回目に相当な調整もいたしておりますので、認定の結果につきましては、大体満足してもらえるだろうと確信しております。なお工事費の單価につきましても、これもやはり一応現在の物価に応じまして、申請の金額によつて非常に單価に違いがありますものは、これはもちろん一般的な基準から調整いたしまして、大体現在の時宜に適した單価をもつて全体の査定を行つているというぐあいにわれわれは確信しておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/3
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004・多武良哲三
○多武良委員 たとえばここに累層採掘等の場合、将来発生する一般鉱害と競合して、復旧途上にある特別鉱害が、これがために著しく拡大加重せられまして、予想外の復旧費を要するに至るとか、あるいはまた風水害のため進行途上の復旧工事が惨禍をこうむりまして、しかもその全額を国家あるいは公共事業費の救済に依存せしめ得ないとか、あるいはまた経済情勢の激変による工事費の高騰などの場合の対策をいかにするか、あらかじめ政府に何らか御考慮されておる点があるかどうか、これをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/4
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005・中島征帆
○中島政府委員 現在まで起つております一般鉱害と特別鉱害との競合につきましては、これはすべて特別鉱害として取上げておりますので、一般鉱害の分も合せて過去のものは復旧するということになつております。ただこれが今後さらに一般鉱害として出て来るという場合に、特別鉱害の復旧費が増すということも一応考えられますが、一応はそういうことも考慮に入れて申請もされておりますし、また査定もいたしておるつもりでございますが、実際の工事が五箇年間にわたりますので、この間におきまして工事費が不足するというようなことも起りましようし、また災害ないしは全体の工事費額の不足というようなことによつて工事ができない、あるいは一般物価が高騰するために予算が不足するというようなことももちろん考えられるわけであります。これに対しましては、たとえば一般の物価の高騰によりまして工事費が増嵩するような場合は、これはもちろん法律の改正を要しますけれども、りくつといたしましては、やはり單価も上りますし、全体のレベルが上るわけでありますから、工事費負担の関係炭鉱一トン当り二十円ないし十円というものをまず上げるということも、その場合にはあり得るりくつになるのではないかと思つております。しかしそういう一般的な物価高騰以外の場合におきまして出ました予算の不足ということについては、現介これはどのくらい予想されるかということは非常に予想困難でございますので、やはり工事の進行途上におきまして適当な対策を講じなければならぬと思いますが、たとえば現在におきましても、特別会計の一応の今日の見積額によりますと、收入金がこの五十七億という全体の工事特別会計の行うべき工事費額に相当する負担額に対しまして、かなり下まわつております。具体的に申しますると全部で二十六億ほど特別会計で負担すべきものがあるのでありますが、それに対して約四億ほど不足するという数字も出ております。この数字を将来いかにして埋めるか、これはいろいろな数字の見積りの違いによりまして、不足金額がふえるか減るかという問題がございますけれども、こういう点にもまた関連して、やはりこの特別会計がかりに将来認定された工事を全部復旧できなくなりそうな場合が起りましたときには、あらためてまた十分関係各省とも連絡し、また国会とも御相談しまして、適切な対策を講じたい。政府といたしまして、やはり認定した金額の工事だけは五年間にぜひともこれを全部実施をするようにしなければならぬ、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/5
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006・多武良哲三
○多武良委員 今工事費の不足というお話がありましたが、復旧工事費の所要総額五十七億円に対しまして、三億円余りの不足を生じており、これは寄附金によつて穴埋めするということも承つておりますが、その寄附金は予定通り集め得るやいなや、またいつごろまでに見通しがつくかどうか。これが遅滯するならば、この金額は家屋あるいは墓地だけにしわ寄せせられ、公共事業関係の施行が先になり、補助金に関係のない家屋、墓地の復旧は最後にまわされ、あるいは遂に修理不可能になるというように考えられるのでありますが、この点いかようにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/6
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007・中島征帆
○中島政府委員 寄附金の問題は、ただいま申し上げましたような特別会計の收入不足という事態が起りましたために一応関係の炭鉱業者にこういう事情を説明いたしまして、できれば各業界が一致してこの穴を埋めていただけるように考えてもらえぬだろうかというお願いをいたしたわけであります。その後いろいろ各地で御相談なすつておるようでございますが、具体的にこれを引受けようとか、してはいかぬとかいうようなはつきりした御返事はありませんが、いずれわれわれの希望といたしましてはこういうような点も協力的に出て来ることを希望しておるわけであります。なおこれがかりに全然見込みがなくなつた場合にはどうするかということは、先ほど御説明の末尾で申し上げましたように、各方面と十分御相談して対策をきめなければならぬと思います。なおかりにそういうことになりまして、特別会計の予定の收入が若干不足するということになつた場合に、家屋、墓地等のこういうような私の施設の復旧が一番あとまわしになるのではないかというお話でありますが、われわれの希望といたしましては、これは各省並びに関係の県等にお願いすることでありますけれども、土木工事、水道といつたようなものと並べまして、この家屋、墓地につきましても與えられたわくの中で同じ比率で毎年復旧をして行くようにお願いしたいと思つております。ただ第一年度等におきましては、これは特別会計の收入が少しずれておりますので、その関係から全体の財源が初年度は少い。ところがすでに公共事業費関係は年度当初から一定のわくが組まれておりまして、それだけはやはり本年度分は本年度中に全部使いまして、工事を実施しなければむだなことになるので、そういう意味におきましては、やはり公共事業費の予算に引きずられて初年度においては家屋、墓地等の私の施設が若干遅れるというようなことになる可能性は若干あると思います。しかしこれは来年度以降は調整いたしまして、特にこういうような私有地等が最後まで残るというようなことにならぬように、かりにおしまいの方にしわ寄せされましても、それは各種類別に同率に残るというように持つて行きたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/7
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008・多武良哲三
○多武良委員 次に工事費の節約について御質問申し上げたいと思います。物価が今日のままの状態で推移するとすれば、査定総額五十七億円工予定通り一切の工事を完了し得る自信がおありのようでありますが、いかなる工事におきましても、適当に施行の合理化をはかれば、予算に比し相当な節約が可能であると私は存ずるのであります。いわんや総額五十億円を越えるこの種の土建工事においておやでありまして、單価の嚴密たる検討、特に工事方法の合理化によりまして、相当の節約が必ずしも不可能ではないはずであります。しかしながら国営工事や公共事業におきましては、実際の必要いかんにかかわらず、予算額一ぱいまで消費せんとする通弊がございます。政府はこの点につきまして特に考慮しておるかどうか。工事人の選択並びに工事金額の決定等はどういう方法でおやりになるのか、これをひとつお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/8
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009・中島征帆
○中島政府委員 復旧工事の費用をできるだけ切り詰めるということはもちろん最も必要なことでありまして、まず私どもが認定をいたしましたときに工事費そのものにつきましても、相当検討を加えまして、無意味に膨脹いたしておりますのは、すでにこれを認定をいたしましたときにある程度査定を加えております。なお今後の持つて行き方につきましては、今月の十六日に、実は改正法が成立いたしましたら、施行いたしたいと思つておりますが、施行と同時に認定を公告いたしまして、ちようど一箇月、来年の一月十五日までに工事執行の認可を申請させまして、第一回の工事執行の認可をする、こういうふうに考えております。第一回にやる分は、これは集まる財源によつて全体の金額が左右されますので、どの程度ということははつきり申し上げられませんけれども、大体二十四年度後半の負担に相当するだけのものを一月十一日までには集めるつもりでありますから、大体それに見合うだけの工事は第一回に認可されるわけでありますが、その工事の執行の認可をする際に工事費そのものについても、こちらで査定をするわけであります。従つてその際さらにあらためて工事の内容を十分検討して、それに対応する費用がどうなるかということを十分検討いたしました上で、むだな使い方をしないように、できるだけ切詰めるというようなことは当然やらなければならぬ、またやるつもりであります。なおその後において工事の実施の状況、それから完了までにいろいろな報告がありますが、それを逐次とりまして、工事の完了までに、逐次金を出す際に、さらにそういつたような検討をいたしまして、むだな使い方をしないように十分責任をもつて行うつもりでありますから、もちろんこれは工事施行者としての各省あるいは府県等におきましても、工事の請負人に対して十分その点の責任を持たせることについてわれわれからも強く要望いたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/9
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010・多武良哲三
○多武良委員 次に施行計画について御質問を申し上げます。公共団体事業に対する補助金支出の関係もありますし、また工事の合理化をはかるための施行技術の関係もありまして、さらにまた一方復旧促進を熱望する被害者の陳情ともからみ合い、年度別施行計画いかんは最も重大な問題であると思いますが、政府はこの計画をすでに立てておられるかどうか。またどういう基準によつてこれを策定したか、それについてお伺い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/10
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011・中島征帆
○中島政府委員 本年度の分につきましては、先ほど申し上げましたような事情で、公共事業費関係は、実際に認定をいたします前に、関係方面の要望もありまして、一応確実にこれは特別鉱害に入り得るというふうに考えられたものは、認定以前に工事をしてもらつております。そういう関係からしても、本年度分については、比較的公共事業費関係は多くなる。またそういうものを先にすることが緊急事業に沿うものだというふうに私ども考えておるのでありまして、そういうふうな順序でやつておるわけであります。全般的な関係については、それぞれ工事の種類別に、もしくはやはり一定の率でもつて地方で実施することになりますが、その際府県あるいは関係市町村等においては、やはり一応第三者的な立場から考えての緊急順序というものを持つておりますので、大体そういうふうな現地の市町村あるいはさらに府県あるいは通産局というようなものの意見によつて、逐次復旧の順序を定めたい。中央で一律にこの順序を機械的にきめるということは、いろいろな関係もあつて、かえつて弊害も多かろうと思いますので、大体この順序については現地の県あたりの意見を最も尊重して行きたい、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/11
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012・多武良哲三
○多武良委員 最後に自己復旧者の負担についてであります。二十五年度においては、前年度に比べて公共事業に関する国又び地方公共団体等の負担が増大しておるにもかかわらず、自己復旧者の納付金算定にあたりましては低率な前年度比率を適用するとのことでありますが、国及び地方公共団体の負担率増加は復旧工出費を充足するための特別措置であることはもとより了とされるのでありますが、脱落者を差別行遇することはいささか妥当を欠くやに考えられぬでもないのであります。それともほかにこの種の類例があるかどうか。後日に悪例を残すというような心配も考えられるのでありますが、この点いかにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/12
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013・中島征帆
○中島政府委員 自己復旧者に対しまして、旧率を適用するということにつきましては、おつしやるような問題もございます。本来ならば同じ特別鉱害であるから、新しく引上げられた補助率で復旧をするのが至当ではないかという御意見はまことにごもつともでありますけれども、ただ補助率引上げという問題は、特別会計の財源が少いために、それをできるだけ少くするために行われた政府の措置でありますので、引上げられたことによつて、特別会計に相当貢献すると同じようなことをやはり自己復旧者からもやつていただいていいのではないか。こういうふうな均衡的な考えからこういう措置を設けたわけです。従来の行き方で行けば、自己復旧者は現在と従来と比べまして、全然かわりはないのでありまして、たまたま補助率が引上げられた結果、特にまた自分の負担金が減るということは、たとえば一般の自己復旧できない関係炭鉱にとつては、従来も今度も同じことでありますから、その点からいつても、不当にということは申されませんが、利益をするわけでございますので、その利益する分だけは、全体の鉱等復旧のために若干貢献をしてもらつてもいいのではないか、こういう考えから今のようにしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/13
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014・多武良哲三
○多武良委員 よろしゆうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/14
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015・小金義照
○小金委員長 次は田代文久君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/15
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016・田代文久
○田代委員 この受益者負担とある場合の受益者というのはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/16
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017・中島征帆
○中島政府委員 いろいろな見地がございますが、一番考えられますのは、たとえば家屋の被害につきまして、従来の原状回復ということであれば百万円で済む。それを自分はあと二十万円出すから、もう少しよくしてくれ、その方が耐用年数を増して得をするから。こういう要求がある場合があります。そういう場合には百二十万円の工事をいたしますと、結局その人は二十万円ほど得いたしますので、その二十万円分だけを受益するものとして、それだけを特別会計に納付させる。これが受益者負担の原則であります。それから先ほど話が出ました、いわゆる関連工事と継続工事というものは、若干ケースが違いますけれども、要するに全体の関係からいつて、一般の鉱害と比べて特別鉱害には違いないけれども、順位が若干劣る。従つてもしこれを区別すれば第二の順位に属すべきもので、場合によつては特別鉱害としての認定が行われないかもしれない。そういうものを認定すると、そこで特別鉱害に認定してもらえば公共事業費については平均八〇%の補助率がつくわけでありますから、それだけ加害炭鉱としては得をするわけであります。でありますから、その利益を関係の炭鉱からはき出してもらう。これは認定されなければ一般の鉱害として補助率が非常に低くなりますので、特別鉱害として認定された結果、それだけよけい補助も参る。従つて利益もするわけでありますから、それだけのものを受益者負担として出してもらう、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/17
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018・田代文久
○田代委員 特別鉱害復旧工事費所要額表の特別会計と特別会計收入というふうに別になつておりまして、結局復旧工事総額と、それから負担区別の総合計が、つまり総額の方が七十五億で、その内訳が、公共事業費と地方公共同体の負担と特別会計と、この三つになつて、これが七十五億なにがしになるわけですね。そうするとこのほかに二十五億幾らの特別会計收入というものを予定されるという意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/18
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019・中島征帆
○中島政府委員 ちよつとその関係を御説明申し上げますと、この表で左の方の復旧工事総額、これが工事費の総金額でありまして、その次の大わくの負担区別、それがこの工事費をどこで負担するか、この三つのものは、左は二つの合計が出ておりますが、右の三つと全部合うわけであります。この特別会計というのが、この場合に公共事業費及び地方公共団体から出ないで、特別会計で負担しなければならない金額である。これが全部合計いたしますと、一番下で二十九億となつておりますが、つまり関連工事と自己復旧を全部含めますと二十九億になります。これに対しまして、いわゆる受益者負担金でありますとか、自己復旧者からの納付金でありますとかいうものを加えて、全体の特別会計の收入が二十五億九千百万円でありますから、差額の三億一千万円というものを特別会計で支出する、こういうようなことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/19
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020・田代文久
○田代委員 それから今度の改正では、財政面では公共事業の補助率が引上げられるということになつたわけですが、この補助率は大体現在よりは幾ら引上げられたのですか、また予定されているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/20
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021・中島征帆
○中島政府委員 公共次号につきまして、従来平均的に申しまして六割であつたものが大体八割になつた、こういうような概数になります。内訳を申し上げますと、土木工事については従来三分の二、六七%の補助でありましたのを、八〇%に、農業関係で耕地が五〇%の補助率を七〇%に引上げる。それから農業用公共施設、これは排水路というようなものでありますが、それが六〇%の補助率を八〇%に引上げる。それから水道が、従来上水道が四分の一、二五%でありましたのを二倍にいたしまして五〇%、下水道が従来三三%のものを六七%、いずれも二倍にいたしました。そのほかに鉄道と公共建物としての学校につきましては、従来は国庫補助はございませんでしたが、これはいずれも国の事業といたしまして、鉄道につきましては一〇〇%、学校に関しましては五〇%の補助を一般会計からする、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/21
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022・田代文久
○田代委員 そうするとこの点では非常に今までよりはよくなつたわけなんですが、家屋、墓地に関する面で第二類の点は額は全然ないのですが、これはたとえば道路とか、そういう方面が先ほどお話されましたような、一般鉱害と特別鉱害とがはつきり区別ができないとか、一緒になつておるというような点、そういう関係から家屋というような面は除外されておる、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/22
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023・中島征帆
○中島政府委員 家屋もたとえばちようど家屋の真ん中で切られまして、半分だけ特別鉱害になつているものは、これは当然全体を一括して第一類の特別鉱害と認定いたしておりますから、そういう問題は起らないわけでございます。ここで第二類としてあがつておりませんのは、国庫補助が全然ございませんので、特別鉱害に認定されましてもされませんでも、鉱業権者としては鉱業権者の賠償義務というものは金額はかわりございませんので、従つて受益者負担金としてとり得る利益がそこには生じない。その結果やはり家屋、墓地に対しては第二類的なものがないという、これは理論上もまた実際上もそうなるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/23
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024・小金義照
○小金委員長 特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案に関しては、これで質問が全部終了いたしました。
それではしばらく休憩いたします。
午後二時四十六分休憩
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〔休憩後は再開に至らなかつた〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100904793X00719501204/24
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