1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月二十七日(火曜日)
午後二時四十八分開議
出席委員
委員長 前田 郁君
理事 大澤嘉平治君 理事 岡田 五郎君
理事 坪内 八郎君 理事 原 彪君
岡村利右衞門君 尾崎 末吉君
片岡伊三郎君 黒澤富次郎君
玉置 信一君 畠山 鶴吉君
前田 正男君 滿尾 君亮君
山崎 岩男君 川島 金次君
山口シヅエ君 江崎 一治君
出席政府委員
運輸政務次官 關谷 勝利君
運輸事務官
(鉄道監督局民
営鉄道部長) 唐澤 勲君
委員外の出席者
参議院議員 岡田 信次君
衆議院参事
(法制局第三部
長) 鮫島 信男君
専 門 員 岩村 勝君
専 門 員 堤 正威君
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三月二十六日
委員志田義信君、高塩三郎君及び山本久雄君辞
任につき、その補欠として前田正男君、畠山鶴
吉君及び稻田直道君が議長の指名で委員に選任
された。
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本日の会議に付した事件
帝都高速度交通営団法の一部を改正する法律案
(参議院提出寸参法第八号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/0
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001・前田郁
○前田委員長 これより会議を開きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/1
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002・川島金次
○川島委員 私はこの際前田委員長に、本委員会の議事の取扱い、運営等について、委員長の明確な方針なりをお尋ねしておきたいと思うのであります。と申しますのは、ただいま本会議で上程可決されました国有鉄道法の一部を改正する法律案の問題につきまして、委員長は委員長としての立場から、もとよりそれぞれの事情と理由とがあろうと私どもも好意をもつてしんしやくいたすことには、決してやぶさかなものではありません。がしかし、昨日本委員会で国有鉄道法の一部を改正する法律案を最終的に決定、採決いたします形について、私ども委員としてはきわめて寒心にたえない経過をたどつたものと私は感じておるものであります。時間がありませんから端的に申し上げますが、昨日私がこの委員会に開会と同時に出席いたしました際は、日本国有鉄道法の改正を取上げて、これを討論打切り、採決するという気配だに私どもは感じていなかつたのであります。一歩譲りまして、そういうことが委員長の方針としてはあつたといたしますならば、委員長としてはすでに民主党の原君から、並びに社会党の私から、あの法案に対する修正案を伴いまして、それぞれその筋に向つて折衝中であるという事柄も、委員長においては十分に承知されておつたところであろうと私は確信をいたします。私も短い議会生活ではございますけれども、ここにおよそ五箇年の間各種の委員会に席を持ち、中に微力ながらしばらくの間、委員長代理等も勤めて参つた経験もございます。この経験に徴しまして、何か一つの特に問題となるべき法案につきましては、いかに多数を持つております与党の委員長においても、できるだけ委員会のスムーズな運営をはかるということが、これまで全国会を通じての習わしであり、またそうあるべき事柄であるのが事実であります。しかるに委員長は野党の民主党、社会党が修正案を出して、その折衝中であるということをも御承知であるにかかわらず、しかもその上に、昨日は国有鉄道法の改正案について是が非でも採決するぞというお話は、民主党の原君も私もごうも存じておりません。にもかかわらず突如としてこの法案の討論を打切り、しかも言準の上では、原君を探させ、私をも、御苦労ではございましたが探させたとは言われております。なるほど探しておられたということも私は決していなむものではございません。ところが委員部の若い方がたまたま私おところに参りまして、ただいまから法案の討論を打切つて採決に入ることになつた、すぐに来い、私もそれはたいへんだと思いまして、ただちにその使いの者と一緒にこの部屋にかけ込むようにして入つて参りました。しかるところ、ドアを排する寸前において、すでに多数をもつて討論打切り、採決をされたという、こいうう形をとつたということは、私微力な経験ではございますが、いまだかつてほとんど例はまれであります。今後の運輸委員会において、委員長がそういう事柄をおとりになるという方針で参りますことは、きわめて重大な結果をも招集するおそれが、私は十分にあるのじやないかと思う。私は個人的には、前田さんの人柄の非常によき点をも承知しております。しかしながら日常における人柄のよさだけでは——そういう多数をもつて、しやにむに野党の人たちにも十分な連絡をしない、しかも事情が前段申し上げましたような事情にあつて、現に昨日司令部に出した改正案でさえも、本日午前中に来ておるという状態であります。ですからかりに昨日やらぬにしても、今日の朝にこれを繰起されてやりましても、この法案の審議並びに採決は、十二分な時間の余裕があつたわけであります。しかるに委員長におきましてはどのような心境でありますか、私にはわかりませんが、一切のそのような手を盡さずに、強引にこの法案の採決を求めたというこの態度は、私どもは野党といたしまして、もちろん国会議員の一人といたしましても、かような事柄は委員長において最も慎むべき事柄ではないか、できるだけ審議をさせ、できるだけ手を盡して最後の採決の際には、野党の一人といえども列席を求めるよう、委員長において御努力をされた後において、初めて採決をなすということが、真の公平な委員長のとるべき態度ではなかろうかと私は考えるのであります。今後委員長におきましてはこの問題同様に、
この委員会の運営に当られるという御決心であるのか。この事柄について、委員長の今後の委員会の運営についで、その心境をこの際お尋ねをしておきたいと思います。きわめて重大な事柄であろうと思いますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/2
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003・前田郁
○前田委員長 川島委員のお尋ねに対
しましてお答えいたします。私は委員長に就任いたしましてからすでに十箇月くらいになりますが、御承知の通り、今日は少し遅れましたが、たいてい開会時間前から参りまして、そして各派の言論を尊重していただくよう
に、なるべく論議を盡していただきたい、こういう趣旨でいつも私は時間を励行いたしまして、今日まで参つたような次第であります。今回のこの国有鉄道法の一部改正法案は、各派とも非常に慎重にやつておるわけでありまして、皆様の立場が非常に重大な立場にあるということも、私は十分に了承いたしております。ところがすでに政府案としてこれが提出されてから、相当の期間にもなりますので、ただいま政府の提案は、単に條文を訂正するという簡単な法案でありましたので、一応これは採決いたして、そしてただいま問題になつておりますところの兼職問題でありますが、それに対する問題はオーケーが参りますれば、あらためて各派が修正の法律案を出すわけでありますから、そのときに十二分に論議を盡していただきたい、こう考えまして、昨日これを採決することにいたしたのでありますが、しかし採決前にあたりまして、私はどうしても各派の方に御了解を得なければならぬということを考えまして、理事の方に相談いたしまして、各派の御出席の方々に対しましては、一応の御了解を求めたわけであります。ところが不幸にして昨日は野党側の理事の方も御出席がなかつたので、折衝を十分にすることができなかつたのは、まことに残念でございましたけれども、できる限り私は皆様に折衝していただきたい。川島委員もこの問題は重大であるという打合せがありましたから、私は渉外部に行つて来るというお話でありましたから、それから約一時間近く待ちました。そうしてなるべく時間を延ばすようにというので、ほかの法案を審議いたしまして、モーターボートの問題を入れたりなんかしていろいろやつたのですが、どうしてもおいでにならないものですから、ほかにおいでになつたのだろうと考えまして、この問題は討論を省略して採決するということで、昨日この問題を解決いたしたようなわけであります。何ら他意あるわけではありません。なお皆さんの各派の重大問題とされておるところのこの兼職問題は、本朝各派の修正案がみなオーケーが参りましたので、きようからでもひとつこの問題に対して十分なる審議を盡していただきたい、こう考えておりまして、決して何か悪意があつてやつたわけでもなく、ただいま申し上げたような考えでやつたわけでありますから、この点御了承願いたいと存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/3
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004・原彪
○原(彪)委員 ただいま川島君からのお話で大体要を盡しておりますので、今さら蛇足を加える必要はありませんが、私もこの委員会理事をいたしておるものでありますが、こういう採決にあたつて、理事の一人である私、しかも野党の私にお諮りなくきめられたということは、非常に遺憾であります。しかもこの私は、その日は本会議があつて、本会議場におりました。ちよつと所用で党の控室に行きましたら、そこに偶然と申しますか、使いの者が参りまして、ただいまから採決するからすぐ来てくださいというので飛んで来た。ところがもうすでに採決が済んだあとです。まるでそれでは作意のあるような、工作されたようなかつこうで、非常に不愉快な感じを私は持ちました。その使いの人が来られて私がここにかけつけるまで三分です。その間に採決されたということは、私は遺憾と言うよりは、不愉快であります。こういうことを申すのはまことに失礼でありますが、私もかつて連立の犬養派におりましたときに委員長をしておりましたが、こういう採決の方法をしたことは一度もありません。私、日ごろ懇意にしている委員長に対してこういうことを言うのは何ですが、公私は別でありますから申しますが、委員会の運営として、公のことで、今後こういうことのないようにお願い申し上げたい。
それからもう一つ申し上げたいことは、この法律の中で——これは政府がこの法律案を出すこと自体が私はおかしいと思う。なぜおかしいかというと、私昨年十二月の速記録を持つて来ておりますが、第九国会の十二月六日の委員会において、山崎運輸大臣はこれと同じ法律を出して、しかも地方議会議員の兼職の制限を解く、つまり兼職のできる法律をここに出して、堂々と趣旨弁明をこの委員会でやつておられます。それだけの信念のある山崎運輸大臣が——この国会に出たこの法律案を見ますと、来月の三日で告示になる、それまでしか在職できないという法律である。それ以後は知らぬという法律を出すということは、わずか三箇月か四箇月の間に、大臣の心境がそんなにかわつたかと思いまして、私は非常にふしぎに思うのでありますが、これは政務次官に、それほど信念のない法律を、前の第九国会にお出しになつたかどうかということをまず承りたい。
それからこの法律案に対する修正についても、修正するのはわずかに十字足らずの字を入れればいいと、りつぱに自由党の党議でおきまりになつたと聞くのでありますが、町村会議員は兼職できるようなことになるのであります。しかもその筋のオーケーがとれたということを聞いておる。それにもかかわらずそれをやらないで、なぜこれを削つてこのままを通したかということが、私は非常にふしぎなのですが、その点についてひとつ委員長の御心鏡も承りたいし、政府の御意見も承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/4
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005・前田郁
○前田委員長 それでは私からお答え申し上げます。ただいま原委員から申されましたことに対しましては、先ほど川島委員に答えて申し上げたことで、大体私の考え方はわかつておると思いますが、なおなぜこういうふうなことを入れなかつたかということは、ただいまお話の通り、各党おのおの立場が違いまして、その立場々々によつて、自由党としては昨日の法案を通しまして、また本日オーケーをとりに行つて、オーケーが参りました。その法案をこれから審議する、こういう方針でやつて参りましたものですから、私どもとしてはそういう立場からこれを皆様にお諮り申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/5
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006・原彪
○原(彪)委員 私は今度のこの法案を通したということは、非常に不安に思うのであります。たとえばこの法案がもし参議院へ回付されて、参議院で町村会議員を除くというような修正が行われた場合に、今度は逆に単独法で、町村会議員を除くというような法律案を出したら、参議院の修正と今度衆議院へ出す単独法とまるでちやんぽんになつてしまつて、私は非常におかしいと思うのであります。その一つは、参議院で修正してくれるからよいだろうというような、他力本願的な気持が委員長のお気持の中にあるのじやないかと私は思う。それで衆議院のほんとうの自主性は、りつぱな法律案を出して、参議院に一歩も修正されぬという自信のある法律をつくるのが、私は衆議院の本性だと思うが、どうもそういう他力本願のにおいがふんぷんとしておるので、私は非常に不安に思う。単独法をあとから出すのも不安であります。もし先にかわつた法律案を参議院が修正してしまつたら、目も当てられません。私はそういうことを衆議院のために憂えるものでありますが、この点について御意見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/6
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007・前田郁
○前田委員長 先ほどからお話申し上げました通り、ただいま自由党としては自由党の修正案を出すつもりでオーケーをとりに参りましたし、また社会党、民主党もおのおの出されたわけでありますが、衆議院としてはどの案できまるが、それは今日私から申し上げるわけに参りませんが、衆議院は衆議院としてできるだけの方法をとつて、その衆議院の決定を通すように努力いたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/7
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008・關谷勝利
○關谷政府委員 なぜ政府が修正だけを出したかというようなお尋ねでありましたが、これは條文の引用の箇所を誤つておりますために、運用上どうしても誤りは整理しなければならないので、政府といたしましては提案いたした次第であります。なお大臣が地方議員の兼職を認めるという答弁を以前にせられておるという点は、私も十分に記憶いたしておりませんが、大臣の心境は現在におきましても変更はないと存じております。なおこれだけを出したというふうなお話でありますが、その間の事情は原委員も御承知でありますので、御答弁申し上げなくてもよくおわかりだと思いますので、省略いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/8
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009・前田郁
○前田委員長 それでは帝都高速度交通営団法の一部を改正する法律案を議題とし、審議を進めます。質疑を続けます。前田正男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/9
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010・前田正男
○前田(正)委員 私はまた冒頭に、前会の質問と同じことを繰返さなければならないと思うのであります。私は前会の質問の一番初めにおきまして、見返り資金はすでにもらわれているという確答を得たのであります。ただこの法案に対しますところの資金運用部資金法案は、現在大蔵委員会において修正の努力中のものであるで、現在この法案をそう急いで通さなければならないというふうには、私としては感じられないのであります。前会の御答弁にも、資金運用部資金法は通つてないけれども、参議院は先議だから通したのだ、こういうようなお話でありまして、私の意見に同調せられるような提案者の御答弁であつたと思うのでありますが、相かわらずこの法案を急いで通してくれというような意見が、あちこちに出て来ているというふうに聞くのでありますが、その真意はどこにあるのか、私はまず第一にその点からお伺いしないことには、この法案の審査上いろいろと問題がありと思いますので、まずその点に対します提案者の確固たる御答弁を、ひとお願いしたいと
思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/10
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011・岡田信次
○岡田参議院議員 今月中に資金運用部資金法が成立いたしました場合にはこの資金を、もし成立いたしません場合には預金部の資金を使用し得るために、関係方面の了解もありますので、早急に成立させる必要があるということと、資金運用部資金のわくをとるためにこの法律を成立させまして、今後の資金の運用に支障なからしめたいということと、さらに見返り資金の担保の関係並びに国鉄よりの出資から見ましても、本法律案をすみやかに成立せしめる必要があると存じているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/11
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012・前田正男
○前田(正)委員 この工事は、まず第一にいつから施工される御予定であるかわかりませんが、施工の当初にあたり、どれだけの予算がいるのか、その点からお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/12
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013・岡田信次
○岡田参議院議員 まことに申訳ございませんが、私詳しいことは存じません。すでに先日申し上げましたように、今年度におきまして二億五千万円の見返り資金の融資を受けましたので、今月半ばに一部工事に出しまして、その前にすでに所要材料の一部を調達いたしましたので、今年度におきましておそらく一億五千万円程度の金が必要であろう、続きまして来月から他の方面にも仕事がかかります関係上、来年度からは月々一億程度の金が必要になるのではなかろうかと判断しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/13
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014・前田正男
○前田(正)委員 当初の起工されるのに必要な資材の金は、見返り資金も出ていることでありますし、またこの資金運用部資金法案をここに出しておられるのでありますから、この法案が通らない場合には、預金部ということになりますと、この法案の修正も必要になつて来るのであります。またこれに必要なものは当然借入れができるのでありますから、借り入れて行けば当然この法案を十分に審議して行くだけの余裕があると私は考えるのであります。第一に私は、これだけの工事をいたすにあたりまして、当然これを一日も早く竣工させることはぜひ必要なことでありますけれども、それに伴いますいろいろな被害を受けます人たちの意見は、やはり民主的な国会でありますから、十分にその意見を聞き、またそれに対しますいろいろの参考人を明日呼ぶことになつておりますが、そういう人たちの意見も十分聞きまして、十分審査を進める必要があると思つているのであります。しかもまたこの法案自身が単に借入れだけでなしに、高速度交通営団の機構自身を、借入れに関連しまして直そうということは、非常に大きな問題でありまして、この営団法自身を再検討する必要があるのではないかと考えております。従いまして今のお話では、特に急いで今やらなければならないというほどのことはないと私は考えるのでありまして、どうかその点につきまして、もう少し国会の審議を御尊重願いたいと思うのであります。
そこでまず第一に御質問したいと思います点は、この工事の内容につきましては、明日の参考人に対しまして質問いたすことにいたしますが、この工事が今回相当の区間にわたりまして地上に出るようであります。そこでこの営団法の第一條におきまして、地下高速度交通事業を営むことを目的とするといつように書いてありまして、その第二項のところにはこれに関連する事業とありますけれども、これはやはり地下の高速度交通事業に関する関連事項であります。従いましてごく小部分が地上に出るということになるなら別でありますが、相当のキロにわたりまして地上に出ることになりますならば、当然今後の申請その他の予定線の関係もありまして、第一條を主として地下の交通事業を営むというふうに改正する必要があると私は思うのでありますが、この点につきましていかようにお考えになつておりますか、御返答願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/14
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015・岡田信次
○岡田参議院議員 ただいまのお尋ねは、まことにごもつともでありまして、第一條によりますと、高速度交通営団は、もつぱら地下高速度交通事業を営むというふうに解釈できるのであります。しかしながらただいまお話のように、今回やります部分につきましては相当の部分、約三分の一近くが地上に出るようなことに相なりますが、今後東京に地下鉄道と申しますか、高速度交通機関を整備するというふうに相なりますと、今度のように三分の一近くが地上に出るようなことはないと私は存じますし、また東京の全体の地下鉄道を考えます場合に、今度の部分は一小部分に当りますので、しいて第一條まで直さなくてもいいのではないか、潔癖に考えますならばこれも直したいのでありますが、そういう意味合いにおきまして、しいて直さなくてもいいのではないか、かように解釈いたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/15
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016・前田正男
○前田(正)委員 私はどうも今回の事業が大半、相当部分が地上に出ることによつて、直さなければならないと思うのでありまして、今後の工事の内容につきましては、私まだ経過を聞いておりません。またそれがどういうふうな経過になつているかということも私存じませんが、今回の工事を始められます部分について、相当部分が出るから、私はこの際法律を直すのが至当ではないかと思うのであります。
その次に、第二條の資本金は六千万円ということになつておりますが、現在はいかがになつているのでありますか。また今後どういうふうにされる予定でありますか。これに要します工事の経費等について、どういう関連になつているか、その点についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/16
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017・岡田信次
○岡田参議院議員 今回はとりあえず六千万円と相なつておりますが、今後は主務大臣の認可を得てこれを増加しまして、今後の建設なり、経営に充てて参りたい、かように相なつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/17
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018・前田正男
○前田(正)委員 これはいずれ参考人を呼びまして、もう少しお話を伺いたいと私は思います。六千万円の資本金を主務大臣の認可を受けて増額するということよりも、当然今回事業が相当部分拡張されるのでありますから、資本金を増額されて、それに続いて資本金は主務大臣の認可を受けて、増額されて行くのが至当なやり方ではないか、法文をいじらないならば別でありますが、今回のように交通営団法をいじる以上は、そういう点からスタートすべきではないかと考えるのであります。いずれ高速度交通営団総裁の意見を聞きましてからにいたしたいと思います。
次に私は、今回のこの改正問題にかかわるところの管理委員会の問題につきまして、お話を伺いたいと思います。今回の高速度交通営団の管理委員会は、どういう必要があつて、新たに大臣の監督権と営団総裁の責任との間にこれを置かなければならぬか、その理由から御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/18
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019・岡田信次
○岡田参議院議員 交通営団の業務の執行にあたりましては、私企業と同じような能率的な経営を必要とすると存ずるのでありますが、一方業務執行機関は、活発な形にしなくてはならない、従いましてこれに著しい制約を加えるような機関を設けたくない、また一方、今回の交通営団が国の資金なり信用を相当大きな元といたしておりますので、公益性を十分に発揮せしめる必要もあるというような考えから、この執行機関の私経済的な活動を妨げない範囲におきまして、業務の大綱を決定する機関として、管理委員会を設けるのが適当である、かような判断のもとに、管理委員会を設置することにいたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/19
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020・前田正男
○前田(正)委員 この管理委員会の議決を経ることになつております収支予算、事業計画及び資金計画及び収支決算でありますが、これは主務大臣の認可を受けることはいらないように感ずるのでありますけれども、この点はいかにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/20
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021・岡田信次
○岡田参議院議員 お話の通りこれらの点につきましては、主務大臣の認可を要しないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/21
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022・前田正男
○前田(正)委員 そうするとこの際お聞きしたいのでありますが、国家のいろいろの財政資金を借りてこの際使うということになりまして、それを監督するにあたつて、原則として主務大臣がこれを監督するのがよいか、この管理委員会が監督するのがよいかということであります。この点につきましては、提案者も国会議員のお一人であると思いますけれども、国民を代表しておるのは国会議員でありまして、その国会を代表して監督しておるのが主務大臣であると考えるのであります。従つて主務大臣の認可を得るというふうにするのが当然のことであると思いますが、こういうふうな委員を置いたならば、これが十分に国民の意思を代表して監督ができるとお思いになるかどうか、その点についてお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/22
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023・岡田信次
○岡田参議院議員 営団の予算、決算その他資金計画等につきましては、ただいまお話し申し上げましたように、主務大臣の認可を要しないのでございます。これらの点につきましては、前田さんの御意見もございますが、営団の自主的な運営という見地から、営理委員会の議決にまつというふうにいたしたわけございまして、これによりまして十分国民の意思を反映し得る、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/23
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024・前田正男
○前田(正)委員 管理委員会は、ここに書いてあるところによりますと、非常勤であるようであります。この収支予算、事業計画、資金計画及び収支決算、こういう国の資金に関係のあるような重要な事項について議決するというでありますが、管理委員の方は、非常勤であられて、その内容を常によくお知りになつて、国民の立場から十分にこれを監督することができるかどうかという点につきましては、私は非常な疑問を持つておるのであります。やはり国家の資金でありますから、もし国民を代表した者によつて監査する必要があるということならば、主務大臣の認可を要することに変更すればよいと考えますが、これにつきましてはどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/24
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025・岡田信次
○岡田参議院議員 管理委員の常勤、非常勤の問題につきましては、広く人材を求めるという意味合いにおきまして、非常勤にいたした方が適当であろうと考え、かようにいたした次第でございます。
なお先ほどののお話の続きといたまして、予算あるは資金、その他のことについての管理委員会の議決の点につきまして、運輸大臣の認可を得た方がよいのではないかというお話でありますが、この点につきましては、先ほども申し上げましたように、主務大臣たる運輸大臣によつて選定された広い、高い経験、知識を持つている方々によつて組織された方が、むしろ民主的に運営されるのではなかろうか、かように考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/25
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026・前田正男
○前田(正)委員 私はどうもその点につきましては、理解できないのであります。私たちの考えにおきましては、国民の意思を代表して民主的に動くものは、国会が一番のものだろうと思うのであります。こういう管理委員会を新たに設けて、国会の意思を代表された大臣と、その間に委員会を置いて、それがはたして民主的に動けるというふうには、私はどうも考えられないのであります。単にむだな機関が一つふえるだけであつて、また非常勤である以上は、議決する権利は持つておりますけれども、単なる諮問機関程度のものになるということは、現在の国鉄の監理委員会は、もつと強い権利を持つていながら、現在の運営状況を見ていただけばよくおわかりの通りでありまして、提案者は、特に国鉄の内容につきましても、よく御存じのことであると思うのでありますが、そういうような結果に終るのではないかと私は思いますが、その辺につきましては、この管理委員会は広く人材を求めるということで、現在の国鉄の監理委員会と違つてもつとうまく運営され、りつぱな人を得て、この目的を達成することができるようにお考えになるのですか。その点をひとつお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/26
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027・岡田信次
○岡田参議院議員 国鉄は純然たる政府機関でございます。従つてその監理委員会の委員と申しますものは、御承知のように国会の承認によつて内閣が任命いたしておるのであります。営団は、国並びに公共団体の両者の中間的存在であるのでございまして、しいて申しますならば地区公共企業体とでも申すべきものであろう、かように思うのであります。従いましてこの管理委員会の委員は、国及び公共団体の公益を代表する者を選ぶことといたしまして主務大臣が任命するというふうに相なつておるのでございます。すなわち国鉄の監理委員会とこの営団の管理委員会とは、性格が異なつているように考えているわけでございまして、この管理委員会によりまして、営団が業務を遂行し、民主的に運営して行くという上に適当なるものであろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/27
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028・前田正男
○前田(正)委員 私の質問とちよつと答弁が違うようであります。もちろん私もこの管理委員会が、国鉄の監理委員会とは性格を異にし、また違うことはよく存じております。しかしこの国鉄の管理委員会は、さらに強い指導統制権を持つておるわけでありますが、その監理委員会が非常勤であるために、現在十分に運営されていないという事実があるのでありまして、ここにその性格は違い、また任命の方法も違いますが、新たに非常勤の委員の委員会を設けましても、それがこの目的に沿うように十分円満な運営ができるかどうか、そういうことについて私は非常に疑問を持つておるのでありますが、それを期待できるかどうかについてのお考えを伺いたい。
〔委員長退席、大澤委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/28
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029・岡田信次
○岡田参議院議員 国鉄は全国的の規模を持つておりますし、この高速度交通営団は一地区の交通をあずかつておりますので、国鉄の現在の監理委員会がはたして所期の意図通り運営されておるかどうかは別問題といたしまして、規模の点その他から考えまして、非常勤の管理委員によつて組織される管理委員会におきましても、所期の目的を達し得る、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/29
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030・前田正男
○前田(正)委員 この点につきましては、さらにつつ込みましても見解の相違であるようであります。こういう機関が新たにつくられ、何々委員会というようなものがいろいろたくさんできて来るようでありますが、私はあまり賛成できない。国民の意思を代表するものは国会であり、また国会を代表して大臣がおり、それで十分にすべての監督その他はできるものであると私は確信いたしております。しかしながら今の議決を要する四項目については、さらに民意を聞く必要があるというお話ならば、この営団にはさらに評議員会というものがあるのでありまして、この評議員会の権利の中に、重要事項につき総裁の諮問に応ずとありますが、これにつきましてここに條文を修正いたしまして、この四項目及びその他重要事項につき総裁の諮に応ず、こういうふうにしても、その意思は十分明らかに達成せられると思うのでありますが、いかようにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/30
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031・岡田信次
○岡田参議院議員 評議員会につきましては、今回の改正にございますように、これを廃止いたしまして、もつぱら管理委員会にゆだねたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/31
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032・前田正男
○前田(正)委員 この際評議員会を廃止して、管理委員会にかえるという、その趣旨が私はわからないのであります。現在ある評議員会というもにおいて、十分にその民意を反映した意見を聞くことはでき、それを大臣が監督することもでき、しかもこの評議員は大臣の任命になるということになつておりまして、管理委員と大体同じ程度の資格を持つておるわけでありますから、いまさらこの評議員会を廃止して、新たに管理委員会を設けるというような、まつたくむだな手続の入れかえをする必要はないと私は思うのでありますが、その根本の理由はどういうところにあるのか、ひとつお聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/32
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033・岡田信次
○岡田参議院議員 交通営団の今回の改正にあたりまして、今後交通営団の業務を運営して参る上に、やはり予算、決算なり、あるいは資金計画等について議決機関をつくる必要がある、かように考えましたので、管理委員会をつくつたのです。そういたしますると、一方従来ありました評議員会というものと、多少の性格は違いますけれども、二つの機関ができますので、これをやめることにいたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/33
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034・前田正男
○前田(正)委員 私はどうもこれもおかしいような気がしてならないのでありますが、総裁、副総裁、理事というものは、この帝都高速度交通営団を代表し、その業務についていろいろ責任ある行動をするのでありまして、しかもこれは大臣が任命することになつております。さらに別に議決機関を設けることは、代表する人たちの権利にも支障を来して来まして、従つて運営の円滑を期することは非常に困難になるように思います。そこで当然この問題は、総裁、副総裁、理事等の役員の責任において処理すべきものである。もし民意を聞くというなば、せつかく現在ある評議員会において十分にその民意を聞けばよい。しかも国家の金であるから、それを監督する必要があるならば、大臣の認許可事項に追加するということで、何らふしぎはないと思うのでありますが、ここに新たに管理委員会というような、総裁の責任をある程度縛るような、しかもまた大臣の監督権——いわゆる国民の意思を直接総裁に伝えるところに、中間的な存在を置くということは、かえつて国民の意思を中間的に阻害するような、非常にわかりにくいものができておるように私は思うのでありまして、この点はどうも了解がつかかいのであります。しかしその点は見解の相違であり、これ以上伺つてもしようがありませんので、われわれの方で所要の修正をいたしたいと存じます。
次に、まだ他に質問がありますけれども、他の質問者もおいででありますので、私はさらに一点だけ聞きまして、あとは次会に譲りたいと思いますけれども、十七條の総裁、副総裁、理事は主務大臣これを命ずと書いてありますが、現在の国鉄の理事は総裁が任命するというようになつておりまして、もし主務大臣の必要があるといたしましても、主務大臣の認可を後で理事は任命するという程度でよいのではないかと私は思うのであります。この点につきまして、あわせて修正の必要があると思うのでありますが、提案者はいかにお考えになつておられるか、その点について伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/34
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035・岡田信次
○岡田参議院議員 高速度交通営団におきます総裁以下の役員の任命が、主務大臣に相なつておりまして、一方国有鉄道におきましては、総裁以外は総裁が任命するということに相なつておるのでございますが、私は交通営団の性格にかんがみまして、やはり主務大臣が任命した方がよい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/35
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036・前田正男
○前田(正)委員 どうも営団の性格にかんがみるというのが、私にはわからないのでありますけれども、そうすると日本国有鉄道の公社よりも、営団の方がさらに責任が大きい、また企業形態も大きいものとお考えになつておるのでありますか、その点についてひとつお聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/36
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037・岡田信次
○岡田参議院議員 営団におきましては、役員の各個人が自由に手腕を発揮する、そうして敏速かつ能率的に仕事を進めて行くことが非常に大事だろうと思います。またその反面、かかる役員の活動によりまして生じた非公益的の行為につきましては、公益的見地から直接十分な監督を行い得るように、総裁以下の役員は主務大臣の任命といたした方がよい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/37
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038・前田正男
○前田(正)委員 その点についても私は意見を異にいたしますが、もしそういうようにこれが運営について大臣が十分監督する必要があるという御意見ならば、当然最も必要な罷免の規定を修正案として入れていただかなければならぬと思うのですが、それについてはどういうふうにお考えになつておりますか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/38
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039・岡田信次
○岡田参議院議員 現在の第四十二條に罷免または解任の條項がございます発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/39
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040・前田正男
○前田(正)委員 「公益ヲ害スル行為」こういうふうに書いてありますけれども、これは主務大臣の命令に違反したり、あるいは主務大臣が不適当と認めた場合には解任するというふうに、不適当と認めるということを命令する必要があると私は思うのであります。しかし根本的に管理委員会の問題には私として意見の食い違いがありますし、実はこの法規の内容自身についても、また前会の御答弁にもありました通り、参議院においては十分にその陳情等も聞かれていないようでありますし、あるいはまた十分に審査が行き届いていないようであります。先議で急いでやられたというお話でありますから、私はもう少し参議院の話あるいは陳情等を聞きまして、あらためて質問をいたしたいと思いますので、本日はこの程度で打切つておきたいと思います。
〔大澤委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/40
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041・岡田五郎
○岡田(五)委員 それでは一、二お尋ねいたします。まず政府委員の方が御列席になつているようでございますので、政府委員の方にお尋ねいたします。最近の新しい法律には、管理委員会という新しい制度がひんぴんとして現われて参ります。先ほど前田委員からおつしやいましたように、国鉄には国鉄の監理委員会があり、電波には電波監理委員会があり、放送関係には放送の監理委員会があり、このたびの帝都高速度交通営団にはまた違つた管理委員会がある。そこで現在各種各様の管理委員会があると思いますが、二、三の例でけつこうですから、まずお示しを願いたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/41
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042・唐澤勲
○唐澤政府委員 各種の管理委員会についてというお話でございますが、私も違つた担当以外の委員会については詳細に承知いたしておりませんが、国有鉄道の監理委員会、それから日本放題協会の経営委員会、それからそのほかのいろいろなものについては私は十分に存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/42
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043・岡田五郎
○岡田(五)委員 私のお尋ね申し上げたいのは、この管理委員会の権限が、その管理委員会の種類に応じて違つているように私は聞き及んでおるのであります。先ほど前田委員から言われましたように、国鉄の監理委員会は一応国有鉄道法の文句によりますれば、大体国鉄の最高機関のような文句が使つてある。しかも交通営団の管理委員会は、総裁と管理委員会と頭を二つ並べているようなかつこうにも見える。また他の電波監理委員会は違つたような形にある。その形をお聞きしたいのでありまして、管理委員会が方々にあることは私承知しておりますが、その実態をお聞きいたしたいのであります発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/43
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044・唐澤勲
○唐澤政府委員 管理委員会はそれぞれの事業内容及び規模等によりまして、必ずしも一様でないと考えるのであります。たとえば今の日本放送協会の経営委員会のごときは、経営方針を決定する、それから業務の運営を指導統制するということになつておりまして、議決については収支予算、決算、資金計画というようなもの、それからその他いろいろな重要事項を議決することになつております。予算、決算等につきましては、全国的なものになりますので、国会の御承認を得ることになつていると承知しております。こういうようなわけでありますが、今度の交通営団の管理委員会は、一方非常に地域的なものでもありまはので、国会まで予算、決算の承認を求める必要はないであろう。但し従来のように総裁たけでなくて、重要事項等については十分審議して、民主的に行うなめに重要事項について議決をして、それに従つて総裁が運営することが適当であるわけで、本案ができた次第でございます。その他一般は管理委員会につきましては、画一的でなくて、その事業の内容なり性質なりによつて多少の相違があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/44
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045・岡田五郎
○岡田(五)委員 そこで政府委員にまず資料をお願い申し上げたいのでありますが、できるだけお調べ願いまして、この各種の管理委員会の権限を明確にした表を一つ至急提出していただきたいと考えます。
次に今政府委員の御答弁を聞いておりますと、大体この管理委員会というものは、何も画一的に考えるべきものではない。その事務の実態に応じていろいろ権限の大きい場合もあるし、小さいものもあるというような、非常に融通性のあるものに管理委員会を解釈し、かように考えて管理委員会を検討してみる必要もあると私は考えるのでありますが、さようでありますか、一応政府委員の御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/45
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046・唐澤勲
○唐澤政府委員 御説のようにその事業の規模なり、内容なり、運営の最も実体に適するように、管理委員会をきめて行くのが妥当であると考えます。この原案によりますと、高速度営団につきましては、この案のような内容、権限ということが妥当であると思つているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/46
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047・岡田五郎
○岡田(五)委員 次に管理委員会の本質につきましてお尋ね申し上げたいと思うのでありますが、大体元の帝都高速度交通営団法を見ましても、株主総会というものがないわけであります。このたび管理委員会がぽつんと現われて来まして、私たちは法文を見ておりますと、どうもこの管理委員会は株主総会のような感じがするのでありますが、さような性質をも含めているのであるかどうかという点を、ひとつ提案者から御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/47
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048・岡田信次
○岡田参議院議員 管理委員会と株主総会との関係と申しますか、株主総会みたいなものであるかどうかといろお尋ねでございますが、法律的にはもちろん違つておりましようけれども、性質上大体管理委員会が株主総会に似ているように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/48
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049・岡田五郎
○岡田(五)委員 この管理委員の任命五人のうちの一人が出資者である、国鉄総裁が三人選んでそのうちから選ぶということになりますと、出資者である国鉄をこの一人が代表しているように思われる。また東京都知事から三人推薦して一人そのうち運輸大臣が選ぶ。それから運輸大臣が残りの三人を主管大臣として選ぶ。私は政府の、いろいろ財政資金を使う——出資権者ではないが、財産権上の相当の権利を持つておる、こういうような委員の選び方を見ると、どうも管理委員会が、法律的には株主総会といえないが、株主総会的な、いわゆる経営者の監督その他についてやるような感じがするのでありますが、さように解釈していいのかどうか、もう一度お尋ね申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/49
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050・岡田信次
○岡田参議院議員 その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/50
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051・岡田五郎
○岡田(五)委員 先ほど前田委員から、管理委員会に国民の代表を入れる、いわゆる国民の意思の反映、すなわち国会の意思の反映、こういうような点のお話が多少あつたようでありますが、私は国会の委任を受けた総理大臣が、自己の権限において任命した運輸大臣が復委任を得て国民の意思を代表しておる、こういうように私は解釈し、この運輸大臣が任命した委員というものが、抽象的になるかもしれませんが、さらに国民の意思を国会にかわり、総理大臣にかわり、運輸大臣にかわつて、管理委員会において代表するものであると私は解釈するのでありますが、さように解釈して間違いがあるかどうか、御返答を求めたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/51
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052・岡田信次
○岡田参議院議員 ただいまおつしやる通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/52
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053・岡田五郎
○岡田(五)委員 次に管理委員会と帝都高速度交通営団の総裁との関係でありますが、帝都高速度交通営団法の十六條によりますと、「総裁ハ帝都高速度交通営団ヲ代表シ其ノ業務ヲ総理ス」こういう、字句があるのであります。一方今度の改正法案によりますと、管理委員会は事業計画、収支予算、資金計画あるいは収支決算というようなことについては議決する。それ以外には何ら業務の重要な事項その他について議決するとは書いてないのでありまして、この四つの事項だけについては議決する、こういうことになつておるの
であります。これを見ますると、どうもこの四つの事項については総裁は管理委員会の下に隷属する、かようにも考えられ、その他のものについては十六條によつて業務を全部総理する、こういうふうに解釈されるのでありますが、その辺のところの解釈を明快に御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/53
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054・岡田信次
○岡田参議院議員 管理委員会は公益代表をもつて組織されておりまして、営団の業務の大綱であります予算、決算、事業計画あるいは資金計画等を議決する機関でございます。この機関は営団内部の意思決定機関といたしまして、営団の業務を総理する総裁を拘束するものでございます。また総裁は外部に対しましては営団を代表し、内部におきましては業務執行の責任者としまして、管理委員会の議決の範囲内で、自由な経営手腕を振うことができる、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/54
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055・岡田五郎
○岡田(五)委員 そこで管理委員会と運輸大臣との関係、管理委員会と総裁との関係、また総裁と主務大臣である運輸大臣との関係について、質問申し上げたいのであります。たとえばこの議決事項につきまして、管理委員会は運輸大臣に対して責任を持つものであるかどうかということと、この議決された事項については、営団総裁は運輸大臣に対しての責任を免除せられるものであるかどうかということを、お尋ね申し上げたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/55
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056・岡田信次
○岡田参議院議員 管理委員会の議決は、営団内部におきましては絶対的なもので、たとい不当と考えられる議決を行つたといたしましても、総裁はこれに従わなくてはならない。もつとも公益を代表する委員が、かかる不当な決議をすることは考えられないのでありまするが、もし管理委員会の決議が不当であると認定される場合におきましては、主務大臣がこれを監督、是正せしめる、かようになつております。
また総裁が管理委員会の議決に従わたかつた場合はどうなるか。管理委員会の議決事項につきまして、総裁はこれに従わなくてはならないということは、先ほど来申し上げたのでありまするが、もしこれに従わなかつた場合には、主務大臣が適当な措置をとる、かように相なるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/56
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057・岡田五郎
○岡田(五)委員 営団法の三十七條に「主務大臣ハ帝都高速度交通営団二対シ監督上必要ナル命令ヲ為スコトヲ得」こういう字句があるのであります心この管理委員会がない場合は総裁に命令を出される、こういうことはわかる。また総裁は営団を代表するという字句がありまするから、総裁に出されるものと考えられるのでありますが、今度管理委員会ができまして、先ほどもちよつと申し上げましたように、ある事項については両建になつている。ある事項について両建というのは語弊がありますが、ともかく両建になつている。そうすると主務大臣たる運輸大臣が、管理委員会の議決事項につきまして、監督上必要なる命令が出せるものであるかどうか。この点を明らかにしてもらいたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/57
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058・岡田信次
○岡田参議院議員 第三十七條の規定は、管理委員会並びに総裁の職務につきまして、くれぐれ適用されるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/58
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059・岡田五郎
○岡田(五)委員 先ほど前田委員からの御質問に対して御答弁がありまして、大体わかつたのでありますが、ただ一点わからないところがありますので、その問題について御質問申し上げる。と申しますのは、資金運用部資金法の問題であります。これが通過するまでこの法案を延ばすことは、見返り資金の担保の問題、あるいは国鉄の出資の関係があつてできない。できるだけ早く通過を希望する、こういう提案者の御意見もあつたようでありまするが、万々が一この資金運用部資金法案が通過してもしなくても、この法案自体に本質的に影響があるものであるかどうか。
もう一つは議会の法律審議のいろいろな過程において、あるいは基本となるべき法律が先に可決になつて、それを基とするといいますか、先の法律が可決されて、あるいは基となる法律があとになる。たとえば予算の場合なんかにもいろいろあると思うのであります。法律案が通らないにもかかわらず、予算が先に通過した、こういうような事例もあると思うのでありますが、その辺の関係でもし延びましても、この法案審議の上において、またこの法律そのものについて、本質的に影響があるかどうか。その辺のところをはつきりお話願えれば、この法案との関連性についても、われわれの疑いが多少解けるのではないかと思うのであります。重複するかもしれませんが、あらためてこの点御答弁を願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/59
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060・岡田信次
○岡田参議院法制局参事 今の御質問に対しまして私から便宜お答えいたします。万々一ここにうたつております資金運用部資金法案が通らない場合は、どうなるかという御質問でございますが、体裁上から申しますならば、でき得べくんば資金運用部資金法案も一緒に通りました方が一番いいわけであります。この点につきましてはいろいろ法律的な論議もありますが、かりに資金運用部資金法案が通りません場合には、この規定は無用の規定と申しますか、効力を生じない規定になりますので、この点は体裁上はなはだまずいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/60
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061・岡田五郎
○岡田(五)委員 もう一つ念のためにお尋ねいたします。国鉄法によりますと、国鉄は大体出資できない、こういうふうに私は解釈しておるのでありますが、この法律に基いて、国鉄は四千万円近くの出資をすることになつておるのでありますが、その間の経緯といいますか、事情を政府委員でもけつこうですから、御説明願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/61
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062・唐澤勲
○唐澤政府委員 国鉄法には特に出資を禁止しておるというふうには考えておらないのであります。ただこういう場合に、国鉄法に出資をするという規定を書いた方がいいか、あるいはこういう営団法のようなところに入れた方がいいかというようなことは、間違であろうと思うのでありますが、すでに従来の法律にも国鉄の出資と書いてありますので、この営団法の方へ、こういう特殊の例でありますので、書いた方がいいというつもりで入れたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/62
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063・岡田五郎
○岡田(五)委員 非常に私は誤解しておるのか、また政府委員が誤解しておられるのか知りませんが、なるほど国有鉄道法には出資を許すとも、許さぬとも書いてはございません。私どもが聞き及んでおるところでは、国鉄の現在のやり方から見ますると、またいろいろな経緯からすると、国有鉄道の出資というものは、法律的にといつては語弊がありますが、禁止されておると解釈しておるのであります。かように禁止されておるがゆえに、この営団法に法律上の字句が出なければ国有鉄道法では出資できないものだと、かように解釈しておるのであります。この点国有鉄道法と多少この法案と離れますが、はたして出資できるかできないということは、国鉄の経営の問題に非常に大きな問題でありますので、あらためて政府委員の御答弁を求めたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/63
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064・岡田信次
○岡田参議院法制局参事 私から便宜お答えします。今の御質問の点でございますが、一般法律論としましては親の法律、つまり本件の場合におきましては国有鉄道法におきまして禁止されておりますが、この特別法律、つまり本件の場合におきましては本法でございますが、本法の改正案の第五條に「帝都高速度営団二十資シ得ル者ハ日本国有鉄道」云々とございます。この規定があることによりまして、初めてこの禁止規定は解かれて、出資できるということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/64
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065・岡田五郎
○岡田(五)委員 次に簡単な問題でございますが、初め法人であつたものが公法上の法人になつた、こういうことについて、資金を借りる上において便宜がいいから公法上の法人になつたのであつて、その他の商法あるいは民法あるいは地方鉄道法というような法律の適用の面について、従来とかわりがあるものであるか、ないものであるか、この点簡単でけつこうでございますから御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/65
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066・岡田信次
○岡田参議院議員 ただいまのお尋ねでございますが、資金の方面からももちろんでございまするが、従来ともこの交通営団は非常な公益的性格を持つておりますので、その後法律上の字句として生れました「公法上ノ法人」というのを入れまして、性格をさらに明確にいたした次第でございます。なお従来ともこの営団は商法上の法人でもなく、また、民法上の法人でもたかつたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/66
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067・前田郁
○前田委員長 次に満尾君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/67
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068・滿尾君亮
○滿尾委員 私は今回の高速度営団法の改正につきまして、これは一刻も早く改正され、早く建設していただいて、東京都の交通がよくなるように衷心希望しておるものでありまするが、御提案になりました法律のテクニツクにつきまして通観いたし、将来の疑義を明らかにしておくために、若干技術的の質問をいたしたい。なおまた広く帝都の交通調整の問題に関して、同営団が負荷すべき立場につきまして、大臣はどういうふうに考えておられるか、質問したいのでありまするけれども、本日大臣が御出席になつておりませんから、その問題は他日に譲ります。まずテクニカルな問題について、主としてこの案を用意されたであろう政府委員にお尋ねいたしたいと思います。
第一條でございますが、先ほど同僚委員からもいろいろ意見が出ましたけれども、「東京市及其ノ附近二於ケル交通機関」と原案があるものを、「東京都ノ区ノ存スル区域」となぜ改めたか、これはむしろ改悪である。将来の交通営団の路線は、あるいは現在の行政区域から少しぐらいはみ出すかもしれぬ。東京都及びその付近という方がむしろ気がきいておる。これをわざわざ範囲を狭くするように御改正になつた理由がわからない。交通問題は厳格に行政区域の境をもつて打切るような性格のものではない。実体的にものを考えなければならない。従つてこれは必要に応じましては、千葉県へ伸びてもよろしい、神奈川県へ入つてもよろしい、交通の流れに即して考えなければならぬ。第一條をかように狭くお考えになつたのは、いかなる理由によるものか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/68
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069・唐澤勲
○唐澤政府委員 従来の第一條は「東京市及其ノ附近」とございますのを、今度は「東京都ノ区ノ存スル区域」としたわけでございまするが、現実の問題としましては、従来の交通調整の考え等からいつて、その範囲程度がさしあたつての問題としては妥当であつて、それ以上に特にやる必要もないということで、こういうふうにしたのでございます。お説のように、無限にどこまでも拘束されずに行くということでは、非常に漠然と大きくなりますが、実際問題として必要なのは、その区の存する地域と考えましたので、さように改めた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/69
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070・滿尾君亮
○滿尾委員 ただいまの政府委員の答弁は、法律的にも片寄つておりまして、交通の実態という点についての御考慮がはなはだ足らぬことを、私は遺憾といたします。
さらに第五條の問題でございまするが、第五條第一項に、「交通営団ノ路線ノ存スル地域ヲ区域トスル地方公共団体トス」とありますが、ただいまのお説によれば、当然これは簡単明瞭に東京都とお書きになつてしかるべきである。この見地からいえば、将来複数の地方公共団体があり得る。従つて第一條の改正ととれは非常に矛盾しておる。むしろ私は第五條にも、第一條の東京都及びその付近と書いた方がよほど気がきいておる。なぜ第五條に東京都と率直平明に書かずに、将来複数になり得るような含みをもつて書かれたか、それをお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/70
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071・唐澤勲
○唐澤政府委員 出資の関係は、東京都のほかに東京都の特別区の関係もありますので、特にそういうふうに書いた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/71
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072・滿尾君亮
○滿尾委員 それではさらに第二章に参りまして、先ほどから管理委員会についていろいろ議論が行われたが、私はこれについては総括的に御賛成を申し上げたいと考えておる。その構成の方法についてはいろいろ意見があり得るわけでありますが、大局論としては私は賛成いたしたい。ただ株主総会にかわるフアンクシヨンは確かにあるようであります。また見ようによつては、取締役会のようなことになるかもしれない。この点については多少あいまいのところがある。すでに同僚委員から御質問もあつたのでありますが、ただちよつとはつきりしないので伺いますが、大臣の監督権限で、三十六條に、定款の変更及び利益金の処分を特に主務大臣の認可を得てやらせるといういとが書いてある。これと今度の十四條の三との関係でありますが、この間の大臣と管理委員会とのタブつたところといいますか、どうもしつくりしない、立法技術的に見て非常に不手ぎわな條文だと思う。管理委員会をこれだけお入れになりましたならば、当然三十六條をもう少し書き直す必要があつたのじやないか。昔のままの條文でほつたらかしておいたのでは、監督が二重になつておるのか離れておるのか、はなはだしつくりしないところがある。何でこの第三十六條を書き直さなかつたのか。管理委員会の構想を根幹にして、これにマツチするように三十六條を書き直される御意向があるかないか、これを伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/72
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073・唐澤勲
○唐澤政府委員 今度新たに設けられた管理委員会制度の趣旨はすでに御承知の通りでありますが、そこで管理委員会といたしましては、こういつた重要な収支予算、決算その他の議決をいたすことになつております。またそういつたものにつきましては、やはりこの営団に対する主務大臣の監督も及ぶわけであります。それから三十六條におきましては、定款の変更及び利益金の処分を特に主務大臣の認可を得てやらせるようにしております。これは従来とも特に重要な問題でありますので、この点を特別に取出して、主務大臣の認可を要するというようにいたしてあります。その他の事項については、別の行政命令をもつて届出をさせたり、適当な監督をしておつたのでありますが、今度管理委員会ができましても、ここに掲げましたような重要事項だけ議決をして、あとは行政上の監督で行く。そうして従来の三十六條の事項については、やはり特に認可を受けるということで別にさしつかえない、かように考えましてそのままにしておいたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/73
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074・滿尾君亮
○滿尾委員 私の質問申し上げたい要点は、この営団の公共的な性格から見て、また国の資金を非常に使う性格から見て、三十六條の定款の変更はもちろんけつこうですが利益金の処分だけ大臣の認可をというふうに限つたことは少し足りないと思います。これはもう少し認可事項をふやして——事業計画、利益金の処分、いはものは、ほんとうの氷山の頭みたいなものであつて、その下にいろいろなものがある。頭だけ縛つて、利益金だけ認可事項にしたことになる。これは主務大臣の監督権限として非常に片手落ちといいますか、非常に妙なかつこうになつておるので、この点はもう少し御研究を煩わしたいような気がいたすのであります。
それから十四條の五でありますが、「適正ナル判断ヲ為スコトヲ得ル」という非常に巧妙な字句を使つて表現しておるので、この適正なる判断をだれがするのかということがはなはだむずかしい。おそらく主務大臣が判断されるだろうと思いますが、この「業務二関シ適正ナル判断」ということは、一体どういう意味であるか。つまり地下鉄の業務を遂行するのに学識経験を持つておる、経験者である、エキスパートである、その仕事が専門的にわかるという意味であるのが適正なる判断者であるのか、あるいはまた地下鉄を利用する立場から見で、社会的な角度からこれを批判し、公正なる判断を下し得るという意味であるのか、あるいはその両者であるのか。この五人の委員の思想内容と申しますか、そういう点はどういうふうに考えておられるかということを伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/74
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075・唐澤勲
○唐澤政府委員 この管理委員会の性格にかんがみまして、非常に公益的なものでありますので、これを利用する側の立場ということも十分判断しなければならぬと思います。また同時に他面、経営上の判断もしなければならぬ。要するに両面の判断が十分にくだされなければならないと思うのであります。従つて五人の委員を選ぶ場合におきましては、それぞれ多少の特色もあると思いますので、それらが総合的に公益的の面から、また企業的な面から、りつばな判断のできるような委員会の構成になるように選ぶべきだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/75
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076・滿尾君亮
○滿尾委員 ただいまの御答弁では、一身にして両面を兼ねる人物を探すという御答弁でありましたが、それはかなりむつかしいのではないかと思う。国鉄の監理委員などの場合にはたしか列挙してあつたが、各企業から出せというような管理委員会もある。この内容には構成内容を明示することが必要である。少くとも国会における論議におきまして、法律に書かなくとも、解釈上のものとして残される必要があると思う。これをお尋ねいたしたい。
それから地方公共団体の推薦した者が一人というようにありましたが、先ほどの御答弁で、もし出資者が東京都並びに特別区という複数になつた場合に、五人のうち何人でも推薦者からとるということになるのかどうか。たとえば十四條を読みますと国鉄から一人、地方団体から一人、あと三人は大臣がとるのだとあつて、大臣がまつたくフリーにとる、こういうふうに見えますけれども、先ほどの御答弁から推すと、大臣がフリーにとれるのは一人になつてしまうかもしれない、こういう解釈でありますかどうか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/76
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077・唐澤勲
○唐澤政府委員 最初の問題につきましては、五人の構成委員が全体としまして各方面の能力を発揮して、公益上及び企業上の公正な判断を持つように選ぶべきである、さように考えているわけであります。
その次の問題につきましては、出資した地方公共団体が複数になりましても、そこからは一人だけ入れる、こういうふうになつております。これはこの管理委員会の委員が、純粋の出資者だけの代表という意味だけでなくて、広く公益的の立場から民衆の便宜をはかるという意味、それから国家的な観点からこれを見るわけでありますので、公共団体の方からの代表といいますか、そういう面から一人選ぶという考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/77
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078・滿尾君亮
○滿尾委員 出資者が複数になりましたときに一人という趣旨はよくわかりましたが、一人だけということは非常にむつかしいと思う。これは一体どう調整されるのか。また公正なる内容の判断につきましては、総合的に五人として公正な判断ができるようにするとありますが、私は五人の委員を選考する前に、選考の標準といいますか、その具体的た考え方につきまして大臣から御答弁をいただきたいと思いますので、これは他日に留保いたします。
それから十四條の九に、「委員ハ報酬ヲ受クルコトヲ得ズ」と書いてありますが、これは他の委員会においても同様であります。しかしどうも管理委員という制度で委員を無報酬にするということは、一体どういうことか。もし地下鉄から若干の報酬を受けておると、総裁、副総裁、理事者に対して気がねして、公正な立場がとれないという意味であるのかどうか。いやしくもこれだけの公の事に任ずる人が、若干の報酬を地下鉄からもらつたからというて、判断を曲げるなどというようなことはないと私は考える。だからこの無報酬という制度に非常な無理がある。もちろん報酬を当てにする人物でないにきまつておりますから、適正な報酬を出すというふうに、なぜ御構想にならなかつたのであるか。その方が自然の姿であると思いますが、御意見をお伺いいたしたい。これは提案者にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/78
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079・岡田信次
○岡田参議院議員 ただいまの満尾さんの御意見、まことにごもつともでありますが、何分高速度交通営団の規模は比較的小さい関係上、相当重要事項の議決にあずかりますけれども、そう毎日心々出てもらうというほどのことはない。一方において適正な報酬と申しますか、相当の報酬を出すことは、なかなか困難である。そういたしますと、広く人材を求めることに支障を来すおそれがありますので、無報酬にした方がいいのではないか、かような点から無報酬にいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/79
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080・滿尾君亮
○滿尾委員 この委員は兼職を許されないのかどうか。私は地下鉄に関係のない仕事なら、当然兼職は可能であると見ておるのでありますが、お伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/80
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081・岡田信次
○岡田参議院議員 これはおつしやる通り、兼職を許しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/81
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082・滿尾君亮
○滿尾委員 委員の報酬の議論は、見解の相違でありますけれども、これはどう見ても私は無理だと考える。社会の常識に合わない。ただ一連の管理委員会の制度に対して無報酬の議論を出しますことは、人間の性格にも合わない。どうしても私は自然の報酬をやるのが当然であると考える。ここに無理がある。
それから附則に入りましてお伺いいたしたいのでございますが、民間の出資者の分は、高速度交通営団が買入れ消却ができるということになつておりますが、これは私は非常に重大な問題があると思う。大体第二條に立ち返りまして、今回のこれだけの全面的な改正をいたしますに対しまして、なぜ資本金の第二條をいじらなかつたか。現在の社会情勢、貨幣価値の点から見まして、これだけの大改正をするのに対して、地下鉄が、六千万円の公称資本で今後も行こうということは、非常に不合理である。これができたときと今日の貨幣価値とは、格段の開きがある。にもかかわらず、これを増資をしないということが、私は非常に不自然だと考える。その点に対するお考えをまず伺いたい。
それから一体地下鉄は、資産の再評価はどういうふうになつておりますか。将来資産の再評価をして、資本に繰入れられるお考えがございますかどうか、お伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/82
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083・岡田信次
○岡田参議院議員 まず資本金の問題でございますが、おつしやるようにこの際資本の増加をいたすべきでございますが、しからばはたしてこれを何億、五億にすべきか十億にすべきかということが、ただいまのところ的確になつておりませんので、今後の増資につきましては、第二條にございますように、主務大臣の認可を受けて増加するというこの條項によつて、情勢に応じて資本を増して行きたい、かような考えから、特にこの條項を訂正いたさなかつた次第でございます。
第二段の、再評価に関しましての御質問は、政府委員からお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/83
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084・唐澤勲
○唐澤政府委員 営団の資産の再評価はやりまして、大体十七倍程度の再評価をすることになつております。やはり資本金に繰入れることは、一般の再評価法に従いましてやることにたつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/84
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085・滿尾君亮
○滿尾委員 再評価の限度が十七倍ということを言われましたが、私は技術的なことはわかりませんけれども、安過ぎるのではないか。地下鉄のあの至難な工事、今後の再建設費というようなものを考えてみますれば、既存の財産の再評価が十七倍ということは、きわめて奇怪しごくなことと考えますが、その資料はあとで御提出を願つて検討いたしてみたいと思います。それで再評価を資本に繰入れる予定を持つておられるのでありますかどうか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/85
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086・唐澤勲
○唐澤政府委員 予定としては、今資本に繰入れるというところまで実はきまつておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/86
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087・滿尾君亮
○滿尾委員 再評価の議論はその程度にいたしまして、この買入れ消却のことでございますが、私これらの事情をあまりよく存じないのでありますが、まあごく平凡な社会人としての常識から考えまして、自分の会社の株を自分の会社の何で消却するということは、非常に将来に弊害を及ぼすおそれがある。今回民間資本を何とかして排除して、国家資本を使いたいというお気持はよくわかるのでありますけれども、それがもし必要であるとするならば、かような任意買収の方法をとらないで、なぜ法律は強制買収の方法をとらなかつたか。現在の法の第八條によりますと、出資者は営団の承認を経て、その持分を譲渡することができるのであります。なぜ国鉄に民間出資の肩がわりを法律で規定いたさなかつたか、その方がもつと明確でよろしい。せつかく譲渡の場合をきめておいて、その條文を今回も生かしておきながら、これを変な、わけのわからぬ任意買収にして、もし民間の出資者が、私は譲渡するのはいやでございますと言つたら、どうされるか。私はこれは法律で強制買収にして、国鉄なり地方自、治団体に肩がわりをはつきりと御規定になる方が、すつきりしてよろしいと思いますが、お伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/87
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088・唐澤勲
○唐澤政府委員 強制的にこれを買収するということも、一つの方法だと思うのでありますが、こういう性資のものを法律をもつて強制することは、やや穏当を欠くと思いますので、できるだけ両者の話合いによつて、その方法なり時期なり値段なりというものを合理的にやつた方がいい、但しその方針だけを明らかにしておくということで行つた方が妥当であろう、かようなことでこのようになつておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/88
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089・滿尾君亮
○滿尾委員 ただいまの御説明では、私は非常におかしいと思う。なぜかと申しますと、方針だけは、将来民間の出資者に持たせぬぞ、お前の持分は取上げるということを法律はきめて、あとは任意の相談だ。方針をきめること自体が、すでに憲法上の基本的人権の侵害なのだ。だから国家が、社会公共のためにほんとうに必要とするなら、法律でもつてはつきり強制買収とするのがほんとうだと思う。それはかつてわれわれが国有鉄道法を出して、民間の鉄道を十幾つ一ぺんに買い上げたことがある。それとちつともかわらない。何をもつて遠慮せられるか。国民が正当の権限を持つて、正当に持つに至つた持分を、将来取上げるぞということを法律が勝手にきめるということは、私はおかしいと思う。そのくらい必要がはつきりしているものならば、当然強制買収にすべきであつて、ただ方針だけ法律できめても、格価その他について絶対に折り合わず、かようなことではごめんこうむるとがんばつた場合には、政府はどうせられるつもりか、その点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/89
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090・唐澤勲
○唐澤政府委員 御説のように、強制的に買い上げるということも一つの方法と思いますが、今後の出資はこれ以上を認めない。払込みなり出資なりを認めないということだけは、はつきりと法律できめまして、許さない、しかし今払い込んでおる出資までも取上げることはすべきでなかろう、こう思うので、現在の持分だけは一応持つておつてもさしつかえない、しかしそれはいずれ早く消却の方へ持つて行くという方針だけを明らかにしたのでありまして、話がまとまらないというようなことは現実の問題としておそらくないと思いますが、かりにそういうことがあれば、話のきまるまで買入れ消却ができない、かようなかつこうに、なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/90
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091・滿尾君亮
○滿尾委員 もう一つ伺いますが、この買入れ消却をいたしますと、六千万円の資本金が何千万円か減るわけでありますが、そういたしますと、ただでさえ少い資本金があますます少くなる。そうすると一体買入れ消却をいたします金の支出といいますか、営団の金で、自分で買うわけであるように見受けられる。一体営団の定款にはそういう消却の支出を認めておるのであるかどうか。私はこれはどうしても国鉄へ譲渡する、あるいは地方団体に譲渡するという方式をとるべきじやないかと思う。大体営団の金はかような自分の資本金を買入れ消却することをジヤステイフアイしておる建前になつておるかどうかお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/91
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092・唐澤勲
○唐澤政府委員 営団自身この買入れ消却をし得るかどうかという問題は、この法律案自体でそういうことができることに明らかにされた、こう解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/92
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093・滿尾君亮
○滿尾委員 それでは政策の議論になるのでありますが、せつかく譲渡の規定があるのに、なぜこれを譲渡させなかつたか、買入れ消却が唯一の方法ではない、第八條の規定が厳として存しておつて、その限度において資本金を消却しない方がよい、小さくする必要はない、六千万円を五千万円にして一体何の得るところがあるか、私は国鉄なり東京都に肩がわりさせるのが適当と思う。営団は金がいる、今から大いに建設して仕事をしたければならぬのに、自分の金でいらぬところに金を使つて、資本金を小さくするというがごときは自己矛盾であると考えますが、政府委員はいかにお考えになりますか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/93
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094・唐澤勲
○唐澤政府委員 営団が買入れ消却することによつて、資本金が小さくなるとい問題もございますが、これはまた別に増資その他の方法によつて、資本については手当をして行くことができると思います。なお買入れ消却でなくて、国有鉄道に肩がわり、あるいは東京都等の公共団体に譲渡するという問題でございますが、そういうことは禁止してあるわけではなくて、これをやることも一向さしつかえない、そういうふうに御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/94
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095・滿尾君亮
○滿尾委員 本日の私のお尋ね申し上げることは、以上をもつて終ります。またこの次に若干の質問を留保して終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/95
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096・前田郁
○前田委員長 本案に対する質疑の通告がまだありますが、この分は次回の委員会に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/96
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097・前田郁
○前田委員長 川島委員より日本国有鉄道法の一部改正につき、法制上の見解を法制局にただしたい旨の申入れがありましたので、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/97
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098・川島金次
○川島委員 特に委員長の許しを受けまして、きわめて大切な事柄でありますので、法制部の見解、あわせて場合によりましては委員長にもお尋ねを一点くらいは申し上げるかもしれませんので、その点も御了承願いたいと思います。
まず第一に法制部に参考のためにお伺いをしておきますが、実は本委員会におきまして、日本国有鉄道法の一部改正案が先般上程になりまして、これに関する質疑が継続されておつたことは、法制部のあなたもよく御存じのことと思うのであります。そこでこの質疑の過程におきまして、私非常に疑問に思つた点が一つあるのであります。と申しますのは、この改正案は御承知の通り條文のいわゆる整理でございます。法文の欠陥を整理するということが目的の案件であつたことは、御承知の通りであります。その法文の整理をいたしまする法案に対して、議会がその法案をさらに修正いたすという方式がとり得るものであるかどうか、これをまず第一点としてお伺いいたしておたきいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/98
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099・鮫島信男
○鮫島法制局参事 ある法案が議題になつておりますときに、その法律案に対して関連した事項でございますれば、修正案事由に加えることができます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/99
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100・川島金次
○川島委員 その一般論的な考えでなしに、私のお伺いしたのは具体的に、国有鉄道法の一部改正案は、條文の整理という原案であります。そういう條文の整理という単なる整理案に対して、さらに議会がこれに対し修正案を出すというこの行き方というものには、別に違法性というものがないかどうか、それができるかどうかという問題であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/100
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101・鮫島信男
○鮫島法制局参事 単たる字句の整理であるかどうかというのは、ただ法律案の内容の事柄でございまして、法律案そのものはあくまでも法律案でございますので、その内容のいかんにかかわらず、修正は加えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/101
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102・川島金次
○川島委員 そうするとそこで恐縮ですが、前田委員長にお尋ねするのですが、国有鉄道法の改正にあたりまして、條文の整理に対して、国会が修正案を出すことができるということは、きわめて明白なことであります。にもかかわりまぜず條文の整理案だけを先に通して、あとから改正案を出すという方式を今回はとつております。まことにこの方式は私の微力な経験からいいますと、異例に属する形でありますが、どうしてそういうことをとらなければならぬような事態になつたか、これは委員長が一番よく御存じであると思いますので、その点をついでに明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/102
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103・前田郁
○前田委員長 川島委員のお尋ねに対してお答え申し上げます。あの條文は御承知の通り、いわゆる国鉄職員の被選挙権を禁止するという法律であります。それでその法律の條文に一つの錯誤がありまして、その錯誤を訂正するというのが、昨日の法律案であります。今度われわれがやるのは、まあある角度において考え方がいろいろありまして、自由党の修正案、民主党の修正案、社会党の修正案、おのおの範囲が違うわけでございますけれども、とにかく一部の者には選挙権を認めよ、裁選挙権を認めよ、こういう法律案でございまして、それで別箇の法律案として出した方がよかろうというわけで、実は自由党でもそういう取扱いをしまして、いろいろ研究しました結果、これは二つにわけて、一方は訂正を先にやつて、そしてあらためて被選挙権を拡大するところの法律案を出したらよかろう、こういうことがきまりまして、それによりまして委員会においても、皆さんの御同意を得て、そう決定したようなわけであります。これが大体私の申し上げたいことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/103
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104・川島金次
○川島委員 そこで私は非常に疑念を深くいたすのであります。法制部の見解によりましても、私どもの常識によりましても、法案が提出され、その法案に対する修正権というものは国会が持つておるにもかかわらず、ことさらに余分の日数をかけて、一応原案を可決せしめて、あらためてその翌日ないしは翌々日になりましようが、結果においては別な改正案を出す。何ゆえにこういう外的か戦法と申しますか、形式をとらなければならなかつたか。私どもの常識からいいますれば、ことに会期が切迫しております。しかもこの事柄は選挙に関係があります。言うまでもなく来月の四日には告示になるのです。そういう非常に緊迫いたした事態を扱います法律でありますから、われわれの常識からいいますれば、その原文の整理の原案に対して、自由党の諸君は、町村会議員だけは認めようという意思が決定されております。さらにその上に先ほど原君から指摘されたように、もうすでにその筋からも、その問題に関する限りにおいては許可が得られている。でありますから、ことさらに二重の手数をかけないで、自由党の諸君は、この最初の原案に対する修正案を出すということが、きわめてすつきりした形であり、それが常識上きわめて妥当なやり方ではなかつたかと思うのでありますが、ことさらにそういう迂回の方法をとり、ことさらに二つに分割してこれを取扱おうといたされました真意を、私どもは非常に不可思議に考えますので、お尋ねしておきます。その根拠はどこにあるかということです。それについては、どういう具体的な根拠でそういう形をとられたか。そういう形にしなければ、今後の議会の審議の上に弊害が残るとか、悪例が残るとかいう考えで、問題を考えられたのか。それともそうではない形において、そういうような取扱いの仕方を考えられたか。これは今後の法案の取扱い方、修正の仕方にも非常に関連いたしまして、きわめて大切な事柄ではないかというふうに思いますので、しつこいようでありますが、重ねて委員長の見解をこの際明らかにしておきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/104
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105・前田郁
○前田委員長 重ねてお答えいたします。ただいま川島委員から申されましたことは、これを国会法の手続から言えば、私はどつちをやつてもいいと思うのですが、しかし今のお尋ねは、これを政治的に見ていろいろな含みがあるのではないかということのお尋ねではないかと思うのであります。それは各党やはり見方が違いまして、一応政府の原案を通してからやつた方がよろしい、とにかく訂正をしなければ、どうもこれをやつて行くことはおかしいじやないかというようないろいろなことがありまして、私も党の者と一週間くらいにわたつて、相当いろいろな折衝をいたしましたし、なお法制局あたりにも幾回となく往復いたしまして、十分に研究をいたしてやつたつもりであつたのですが、いろいろな情勢において、とにかく政府の案を通してもらいたいという話もありまして、一応政府案を可決して、あらためてその筋の許可を得たものを一緒にやつてもらつて、十分に論議してもらいたい、実はこういうわけでやつたのでありますが、昨日多少手違いがありまして、皆様にいろいろ御迷惑をかけた点は、委員長としてまことに不手ぎわであつたと思いますが、私は誠心誠意やりまして、何らその間において含むところがあつたわけではないのでありまして、いろいろ折衝しまして、そういうふうにすることが一番いいと信じて、実はやつたようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/105
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106・川島金次
○川島委員 私はあなたと議論をするつもりではないですが、そこがどうも納得ができないのです。たとえば委員会の法律の審議にあたりましても、時間の問題等について、非常に急がれる場合が多い。昨日なんかは原君も私もいない留守にやられた、そういうふうな急ぎのことをやつている。そういう急がなければならぬようなことを一方においてはやつておきながら、一面においては、この法案の取扱いは非常に大迂回戦術をとつている。私も、原案に対して、自由党の方は原案がきまつたあとで、この原案はしまつたというので改正案を出すというならば、これは納得ができるのです。ところが原案の審議中に、すでに自由党の諸君におかれましては、町村会議員だけはこれを認めて行こうではないかということの意思が決定しておつたのです。しかも今度はその筋からの許可を得ているにもかかわらず、一方の原案を成立させて、あとからあらかじめ予定されているにもかかわらず、これを上程するという、たいへん手数のかかるやり方をいたしておる。こういうやり方は、国会の審議の能率化の上からいつても、とるべき態度ではないというように私は確信をいたすがために、そういうお尋ねをしておるのであります。
そこで第二に、法制局の方にお尋ねいたします。私どもは法律家ではありませんので、よくわかりませんが、特に大事なことでございますので、お教えを願つてお尋ねするのですが、昔から一事不審議という一つの原則が、議会政治の上には打立てられている。私どもは若いときからそれを聞かされている。今度のこの国有鉄道法の改正案をきのうの委員会において成立させて、本日衆議院の本会議で可決になつておりますが、それと同じ問題について、自由党初め民主党、社会党は、それぞれの筋からの改正案に対するオーケーをとつて来ている。目下仮提出中であるが、明日あらためて本提出をして、この委員会の審議にかける段階になつていることは、御承知の通りであります。こういう形は、一体一事不再議の原則という鉄則に反する行為であるのかないのか。私どもは法律家ではありませんので、慣例も知つている範囲が少いのですが、ことに終戦後の国会において、これと類似いたしました例があるのかどうか、また理論的にいつても、そういうやり方は妥当性を持つておるかどうか、この点について、非常にあとの審議に重大な影響がありますので、確信のあるところの明確な根拠を、われわれに示しておいていただきたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/106
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107・鮫島信男
○鮫島法制局参事 一事不再議の原則があるかどうかということは、前の旧憲法時代の議院法であつたか、あるいは規則でありましたか、ちつと記憶がありませんが、当時は明文があつたのでありますが、新憲法後におきましては、その点の明確な規定はないのでございます。しかし議会運営の原則として、やはりこの一事不再議という原則は、当然認められなければならないのではないか、それは純理上当然そうなければならぬのではないかというふうに考えております。そこでただいまの御質問の点でございますが、この現行の日本国有鉄道法よりますと、御承知のように第二十六條に、第十二條第二項という條文をひつぱり出して、規定ができておるのでございます。その第十二條第二項というのが、その後第四項にかわつた際に、当然その第二十六條の規定をも改正いたしまして、第十二條第二項とありますのを第十二條第四項と、当時当然改めなければならなかつたのでございますが、その字句の整理が当時行われませんで、それが今日まで参つたのであります。従いましてこの字句の整理が行われておりませんので、法律の解釈上いろいろな説があるということで、その字句の整理を行うために、先ほどおつしやいましたような法律案が政府から提出され、そしてきよう衆議院の本会議を通過した。そのきよう通過いたしました法律案はただいま申しましたように、解釈上の疑義をなくするために、字句の整理を行うための法律であつたのでございます。それから次にお話になつておりますところの国有鉄道法の改正案といいますのは、それは正式に本国会に提案になつておりますかどうかはただいま存じておりませんが、ただその原案をつくりました者として知り得るところを申し上げますならば、今度は現在の職員の欠格條項として、今の字句の整理が行われておりませんので、問題にはなつておりますが、その他方公共団体の議会の議員が職員になれるかどうかという、実質的な面につきまして改正を行うという法律案を、御準備中のように承知しているのでございますが、それはあくまでも実質的な部面の改正である。それならきよう通過しましたのは、あくまでも先ほど申し上げました解釈上の疑義をなくするための字句の整理である。もちろんこれには字句の整理をしなければ、解釈がどうなるかという点には異論があります。そのための字句の整理でございまして、そのねらうところが違つておりますので、そういう場合におきましては一議不再議の原則の適用はない、こういうふうな見解であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/107
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108・川島金次
○川島委員 大事なことなのでちよつと念を押しておきますが、そうすると條文の整理と、あるいは字句の修正といつたものに関する限りにおいては、かりに同一国会において決定して、その直後において改正いたす、あるいは修正いたしましても、それは一事不再議でない。但しそういう整理以外の法文の決定後における修正ないし改正というものは、一事不再議という原則は適用される、こういうふうに理解いたしてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/108
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109・鮫島信男
○鮫島法制局参事 ただいまの御質問の趣旨に、少しのみ込めない点があつたので、質問の趣旨に合わないかもしれませんが、とにかく修正、改正を行おうとするそのねらいが違つておる場合におきましては、一事不再議の原則は行われない、こう申し上げたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/109
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110・川島金次
○川島委員 そうするとねらいが違えば、何回でも同一国会において修正ができることになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/110
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111・鮫島信男
○鮫島法制局参事 同一法律案に対しまして修正を加えるということは、先ほど申しましたところからも、また従来の例から申しましても、新国会になりましても、同一国会において同一法律案に対して修正を加えている点はあるのでございまして、それは同じ法律案でございましても、その改正する点が違うということならば、何べんでもいいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/111
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112・川島金次
○川島委員 これは私先ほどから申します通り、法律のことはよくわからぬのでありますが、一体議会政治の上から考えて、そういうことが可能であり、そういうことが妥当性を持つておるということは、私は非常に重大な問題だと思うのであります。ただあなたのお話によつて理解した範囲におきましては、具体的に言えば、今度の国有鉄道法の改正は條文の整理であつた。しかし今度のわれわれが出そうといたして、今手続しておりますところの改正案というものは、條文の整理以外の、法そのものに対する條文の改正なのです。それだから合理性がある、こういうふうに私は理解して行きたいのです。ところが今のあなたのお話によれば、それ以外でも同一国会において一つの法律が、ねらいさえ違えば何回でもひつくり返しひつくり返し改正できるというふうに受取れるのです。それは私どもの常識としては、ちよつと納得が行きかねる点があるのですが、どういう点ですか、もう一ぺん重ねて伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/112
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113・鮫島信男
○鮫島法制局参事 私がねらいと申し上げましたのは、これは非常にあいまいであつたかもしれませんが、その改正しようとする改正は、要点が違う。テイピカルな一番わかりいい例をとりますと、一つの法律案は第一條をいじつていた。そうして次の国会に今度また別な法律案として第二條をいじる。あるいは第一條の中でも一つの法律案は一項をいじる。別な法律は第二項をいじる。ねらいと申しましたのは、大体そういつたような趣旨を申し上げたのでありまして、同じ点をねらうというのは、政治上の動機とか何とか、そういうことを申した意味ではございませんで、改正しようとする点が違えば、何回でもよろしい。ただ私申し上げますのは、あくまでも法律上の見解を申し上げたのでございまして、これが議案の取扱いとして妥当であるかどうかという点は別個でございまして、あくまでも法律上違法でないという点だけを申し上げておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/113
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114・川島金次
○川島委員 私がこれをことさらにお尋ねしておりますのは、今後国鉄諸君の地方議員兼職の問題に関連することであります。その事柄の波及するところは、その職員の身分に関係のある重大なことなんです。そこで法制的にも的確な根拠をもつてわれわれは対処いたしませんと、国会の重大な失態になるおそれがあるのではないか。私どもはこういうふうに考えますので、その点を委員会においてできるだけ明確にしておきたい。これは最後に行つて事件になりますれば、最高裁判所の判例を受けなければならぬということになりますけれども、われわれはそういうところまでやらぬで、とにかく万全を盡してこの問題に対処したい。一事不再議の原則は、あなたもおつしやる通りにあるのだ、しかしながらこの問題は違うから大丈夫だろう、こうおつしやるのです。大丈夫だと言われて、われわれがその気になつてあしたからかかつた。ところがその問題が最後に行つては、法律的に重大な事件の問題性を起すに至つて、それが法律上の裁判所の問題になつてしまつたということになりますことは、身分上に大きな影響を与えることで、重大な事柄でありますので、重ね重ねお尋ねしておるわけであります。
そこで最後にお尋ねするのですが、今までのお話によりますれば、本日衆議院で通過をいたしました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に対して、明日からさらにまたわれわれがこの委員会で改正案を持ち出して審議し、最後にいずれかに決定をするということになつて、いずれにいたしましても改正されるという事柄だけは、今日の見通しにおいては事実になりました。そこでその改正されました事実が、将来問題を残すということは絶対にない、こういうふうな御確信があるか。この点を最後にあなたからお答えが願えれば、われわれは安心して明日からこの問題の本格的審議に入れる、かように思いますので、その点を最後に一言明確な見解を速記録に残しておきたい、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/114
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115・鮫島信男
○鮫島法制局参事 この法律が成立しました後に、それがはたして法律として適法に成立しているかどうかということは、ただいま川島委員もおつしやいましたように、これは争いになりますれば、究極におきましては最高裁判所において決定することでございまして、そういう争いが万一起りました場合に、それがどういう結論になるかということは、これはただいま私の方から申し上げられないという点は、納得していただけるのではないかと思います。私が今まで申し上げましたのは、ただ私の信ずるところを申し上げたのでございまして、さように御了承願いたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/115
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116・川島金次
○川島委員 これはちよつと時間がおそくなつて申訳ないのですが、非常に大切な事柄なので、もう一言お伺いしたい点があるのであります。今のお話によりますと御確信がない。の常識から言いますれば、あの法案が出て、あれが原案通り可決されたとか、あるいは修正なしに可決されて、国会がそのまま国会法に従つてきめたというならば私は何も疑念はない。ところがそうではないのです。何か一事不再議の原則にはめようとすれば、はまり得るような可能性を持つた取扱いで、この議案というものが審議されて行くという状態にあるのです。私が一番最初に申し上げましたように、原案が出て来た、その原案に対して自由党の諸君の考えておるところの修正案が持ち込まれた。われわれも修正した。ところが最後において採決して、きようの委員会においては自由党諸君の持ち寄つた修正案がすなおに決定して、本会議で決定されたということになれば、疑念も何もないのです。ところがやり方はそうではない。一ぺん出して、そうしてわれわれが改めた後において修正案のオーケーをとつて来て、それを明日からかける。そこに私は大きな法律的な取扱い方の疑念が残つて行く。私はしろうとでありますけれども不安がある。そこでこの問題を特に委員長にお話をして、法制局の権威あるあなたの見解をひとつ明確に聞いておこう。そうしてわれわれ国会議員として、後において問題を起してはいけない、後において国民に笑われるような審議の仕方をしたくない、この責任を私は感じておりますので、これを聞いておこうというのです。どうも今のお話によりますと、私どもの受けました感じでは、法制局の方といえども、何か場合によつては問題が残るのではないかというような感じでありましたが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/116
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117・鮫島信男
○鮫島法制局参事 ただいまの問題は、これが非常に重大な問題であるという点はおつしやる通りでございまして、先ほど委員長もおつしやつておりましたが、私はもちろんそれとに関係はございませんけれども、いろいろな法律の改正案の起草を命ぜられました場合にに、それをいろいろに研究はいたしたのでございます。そうしてわれわれの方の局長の意見をよく聞きまして、いろいろ相談いたしたのでございますが、これは非常に重大な問題である。重大な問題というのは、何人が見ても事柄が非常にはつきりしておるというほど、絶対にはつきりした問題ではないのでございますが、しかしいろいろ研究いたしました結果は、私がただいま申しました通りの結論になつたのでございまして、これに対する異議があるかどうかは存じませんけれども、私の方の研究としましては、先ほど私したように、これは違法ではないだろうという結論になつたのでございまして、これ以上は申し上げられないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/117
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118・川島金次
○川島委員 わかりました。
最後にもう一つ、これは委員長にお尋ねいたします。委員長の属する与党側の諸君においても、すでに国有鉄道法の一部改正案の成立を——また改正案を、具体的に言えば町村会議員までの兼職は認める、こういう案を仮提出されておる。それに対して私どもは都道府県会議員、ありていに言いますれば、地方公共団体の議員全部兼職ができる、こういう一貫した確信を持つております。またさすべきだという考え方を持つておりますので、本日その許可を得て一これも仮提出いたしたい。そこでお尋ねするのですが、委員長の所属いたします与党側で出されました本案、その仮提出されました議案は、明日中にこの委員会に本土程になるような運びになるのですか、その点を、実は期間がないものですから、はつきりひとつお聞かせ置き願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/118
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119・前田郁
○前田委員長 お答え申し上げます。本日は印刷が間に合わぬので、明日昼ごろまでには大体間に合うようですから、明日午後からの委員会には付託できるだろうと思います。
本日はこれにて散会し、明日午前十時半より開会いたします。
午後五時六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101003830X01519510327/119
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