1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年五月二十一日(月曜日)
午後三時五十分開議
出席委員
委員長代理 理事 青柳 一郎君
理事 丸山 直友君 理事 亘 四郎君
理事 金子與重郎君 理事 福田 昌子君
大石 武一君 高橋 等君
田中 元君 寺島隆太郎君
中川 俊思君 堀川 恭平君
松井 豊吉君 清藤 唯七君
岡 良一君 松谷天光光君
出席政府委員
厚生事務官
(医務局次長) 久下 勝次君
厚生事務官
(薬務局長) 慶松 一郎君
厚生事務官
(社会局長) 木村忠二郎君
委員外の出席者
専 門 員 川井 章知君
専 門 員 引地亮太郎君
専 門 員 山本 正世君
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本日の会議に付した事件
生活保護法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一七一号)
身体障害者福祉法の一部を改正する法律案(内
閣提出第一七三号)
医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正す
る法律案(内閣提出第一二七号)(予)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/0
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001・青柳一郎
○青柳委員長代理 これより会議を開きます。
都合によりまして、委員長が不在でございますので、私が委員長の職務を行います。
まず生活保護法の一部を改正する法律案及び身体障害者福祉法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたし、先般大臣よりお聞きしました説明の補足説明を、社会局長よりお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/1
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002・木村忠二郎
○木村(忠)政府委員 生活保護法の一部を改正する法律案並びに身体障害者福祉法の一部を改正する法律案につきまして、大臣の提案理由の説明の補足的な御説明を申し上げます。
まず生活保護法の一部を改正する法律案について申し上げます。
生活保護法の一部を改正する法律案は、主として先般の社会福祉事業法の制定に伴いまして、生活保護法の施行の第一線の現業の仕事を福祉に関する事務所におきまして行うことになりましたので、その関連の事項を改正することにいたしたのであります。福祉に関する事務所を都道府県及び市に設置することを原則といたしまして、なお町村におきましても必要な場合には、これが設置できるようにいたしておりまする関係から、従来保護の実施機関が市町村長でありましたものを、福祉に関する事務所を管理する都道府県知事、市町村長及び町村長というものが保護の実施に当ることにいたしたのでございます。第十九条がその趣旨をもつて改正いたした点であります。ここにおきまして内容といたしましては、どの要保護者をどこで所管するかということを明らかにする規定を第一項において設けたわけであります。なお町村長と福祉に関する事務所との関係を明らかにすることが必要でございまするし、またもう一つは、緊急の保護を要するような場合にも、町村長の責任を明らかにいたしまして、保護の全きを期する必要がございますので、第十九条の第六項におきまして、福祉事務所を設置しない町村におきまして、緊急の場合にこれを行うことができるようにいたし、不安のないようにいたしますとともに、町村長が、福祉事務所の長が行いますところの保護事務の執行を適切ならしめるために、これに協力する規定を第七項におきまして明らかに規定いたしたのであります。ここで要保護者の発見でありますとか、発見いたしました要保護者についての通報でありますとか、あるいは保護の申請の取次でありますとか、あるいは被保護者に対しまする保護金品の交付の取次でありますとか、要保護者に対する各種の調査でありますとかいつたような事項を、町村長が福祉事務所長を助ける趣旨をもちまして、いたすことを明らかに規定いたしたのでございます。
第二十一条、第二十二条の改正、あるいは第二十四条の第一項、第四項の改正等は、これは社会福祉事業法の制定に伴いまする改正であります。第二十四条第六項は新たに設けたのでありますが「保護の開始又は変更の申請は、町村長を経由してすることができる」という規定を設けたのでありまして、それは福祉に関する事務所が町村と離れて行つたような場合におきまする保護申請の便利をはかるようにいたしたのでございます。
次に、それからあとの二十五条から七十条までの規定は大部分保護の実施機関の変更に伴いまする規定であります。ただ第四十二条、第四十三条二項、第四十五条二項の「公益法人」を「社会福祉法人」に改めましたのは、社会福祉事業の中で人の生活をあずかります施設は、国、公共団体以外のものは社会福祉法人がこれを行うことにした原則にかんがみまして、従来公益法人にこれを限定いたしておりましたものを、社会福祉法人に限定することにいたしたのでございます。
次に、費用の関係につきまして、第七十条以下の改正をいたしておるのでございます。これは、従来保護の実施を市町村がやつておりました関係上、国で負担いたしますところの八割以外の二割の負担を市町村及び都道府県が半分ずつ分担いたすことにいたしておりましたものを、今回保護の実施機関というものが、都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村ということになりました関係から、その二割をその保護実施機関に持たせることにいたしたのでございます。市及び福祉事務所を設置いたしまする町村に対しまする関係は、都道府県はこれに対する指導監督をいたす権限はあるのでございまするけれども、その実施につきまして、その責任を持つておりまする者にその費用を負担させるという原則をとりまして、二割と八割の負担ということにいたしたのでございます。その点につきましては、従来地方の負担部分につきましては、平衡交付金をもつて操作することにいたしておつたのでございますので、その平衡交付金の配付につきまして、この点を考慮いたしまして、従来市町村に配付いたしておりましたものが都道府県に行きますようにいたし、また都道府県に行きましたものが、市及び町村に行きますように、それぞれ措置をいたすことにいたしております。この結果、財政上に支障を来すことのないようにいたしたいというように考えております。この点につきましては、地方財政委員会当局とも十分話合いがついておる次第であります。
なお、以下の規定は、この保護の実施機関のかわることに伴う規定でありまして、一時繰替支弁の規定をいたしておるような次第でございます。
なおこれに伴いまして生活保護法のように日常の生活についての保護の実施をいたしますものが、一番末端の行政機関であります。町村の手を離れましで、福祉に関する事務所に移るという場合におきまして、保護の徹底を欠き、あるいは保護を受けます者の非常な負担となすようなことのないようにいたさなければならないことは、申すまでもないことであります。現在考えております受持ちの件数というものから考えまして、その点につきましては、現状より悪くなるというようなことはなく、むしろ現状よりは、これが十分に行われましたならば、徹底できるだろうと思つておりますし、さらに町村長にその協力いたしまする責任を明らかに規定いたしておりますし、また緊急な場合の規定も設けたわけでありまして、これらによりまして遺憾のない措置ができるものである、こういうふうに確信いたしておる次第であります。
次に、身体障害者福祉法の改正でありますが、この法律改正のおもなる点は、やはり社会福祉事業法の制定に伴うものでありまして、社会福祉事業法におきましては、社会福祉主事というものが、この福祉法の事項を行うことになつておりますので、身体障害者福祉司と社会福祉主事との関係を明らかにいたす必要があります。従いまして、ここにおきましては、身体障害者福祉司は、特別の専門的な知識技術を必要といたします事項を行い、福祉事務所の所員に対する技術的の指導を行い、専門的知識の必要な事項につきまして、みずからそれを実施するということによつて、その関係を明らかにいたすとともに、身体障害者福祉司は福祉に関する事務所にこれを置くことにいたしております。ただ市及び町村が福祉事務所を設置いたしておりますものに対して、これに対する財政的の措置が十分にできておりませんので、市及び町村が設定いたします福祉事務所につきましては、その町村の状況に応じまして身体障害者福祉司を置くことにいたしたのであります。ただこの場合、身体障害者福祉司が置かれていない福祉に関する福祉事務所につきましては、他の場所におる身体障害者福祉司が、その町村の身体障害者福祉法の施行に対して技術的の指導を行うようにいたしたのであります。なお従来の規定にございませんでした身体障害者福祉司の資格を、この法律におきましては第十条でもつて明らかに規定をいたしました。これは社会福祉主事の資格が社会福祉事業法にございましたのに対応いたしたものであります。
なお身体障害者の更生相談所につきましては、社会福祉事業法におきまして、福祉事務所が福祉に関する第一線の仕事をいたすことになりました関係から、福祉事務所との関係を明らかにいたすことにいたしまして、ここにおける仕事の関係を第十一条に明らかに規定いたしました。福祉事務所でやります仕事の内容が、身体障害者の医学的、心理学的及び職能的判定を必要とする場合には、必要に応じて更生相談所の判定を求めなければならないということに規定いたしたのであります。
次に、新たに福祉事務所の条文を設けまして、福祉事務所において身体障害者について行う事業を明らかに第十一条の二で規定いたしたのであります。また福祉事務所を設置していない町村の身体障害者福祉法の施行につきまして協力をいたします規定を第十二条に盛つたのであります。
第十五条の改正は身体障害者手帳の件でございまして、これは大臣の御説明もございましたように、児童福祉法におきまして、肢体不自由な児童の援護の措置をいろいろ講ずることにいたしました関係から、身体障害者手帳を十八歳未満の児童の肢体不自由者にも、これを交付するために改正を行つたのであります。
以下の条文についていろいろと字句の改正等がありますけれども、これは援護の実施機関の変更に伴うものが主たるものでございます。また用語の適当でないものにつきまして、この改正の際に用語を改めましたものが二十九条、三十二条等にあるのであります。
次に、三十五条以下は費用の負担の点でございます。これは実施するところの実施機関においてこの費用の二割、八割の負担をいたすことにいたしたのございます。これについて財政的な措置は前申した通りでございます。その他四十三条の二という規定は、援護の実施機関というものが福祉事務所を中心といたしまする公共団体ということになります関係から、援護の実施機関の異動等の場合の規定を設けたようなわけでありまして、これは生活保護法の場合と同様でございます。
次に附則でありますが、この二十七項に新たに規定を設けてございます。これは公益質屋法を改正いたしまして、六月一日から公益質屋法によります公益質屋は、社会福祉法人でなければこれを経営することができない。つまり国、地方公共団体以外のものは、社会福祉法人でなければできないのでありますが、現在公益法人で公益質屋をやつておりますものがございますので、これが社会福祉法人になりますまで、一年間ぐらいの間公益法人であつても、社会福祉法人になるまでの間公益質屋ができるようにするためにこの規定を置いたのであります。
大体以上が身体障害者福祉法の一部を改正する法律案の内容であります。これにつきましても、予算的な点、財政的な点につきましては、一応地方財政委員会当局とは十分な連絡をとりまして、遺憾のない措置をとることができると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/2
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003・青柳一郎
○青柳委員長代理 両案について御質疑はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/3
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004・丸山直友
○丸山委員 生活保護法の改正でちよつとお伺いいたしたいのでありますが、この二十五条に、「町村長は、要保護者が特に急迫した事由により放置することができない状況にあるときは、」云々とありますが、この急迫した状況というのは、実際上においてはどういうふうなことを意味するのですか。たとえば貧困であるがために、もう生命の危険が迫つておるというようなときが、いわゆる急迫した状態であるのか、あるいはどの程度のものを急迫状態とお認めになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/4
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005・木村忠二郎
○木村(忠)政府委員 ただいまお話がございましたように、ほうつておきますれば生命の危険があるというような場合を言うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/5
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006・丸山直友
○丸山委員 この生活保護法におきましても、その他の面においても、元からありました民生委員というものが協力機関になつたために、しばしば実際の要保護者の発見が遅れましたり、救護の手が延びることがおそくなつたりするというようなことも、ある方面から聞いておるのであります。それがこういうふうに市町村長に実権がほとんどなくなりまして、生命の危険が迫つたというようなときに、初めて市町村長が活動を開始するというようなことで、末端の実際生活に困つておられる方々に保護の手を延ばすということに対して、こういう改正が行われると、かえつて運用の面において非常に困難な不都合な状況が起るというようなことはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/6
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007・木村忠二郎
○木村(忠)政府委員 従来の大体の傾向を見ますと、町村長の側におきまして、町村の負担という点をむしろ顧慮いたしまして、保護を要するような場合に、むしろ保護が遅れがちであるというようなことがありがちであつたのでありますが、今後は町村の負担がなくなつて、町村長といたしましては、むしろこの保護を催促する、保護をやつてもらうように督促する側にまわる可能性の方が多いわけでありまして、どちらかと申しますれば、この改正によりまして、保護の実施機関におきましては、町村民に直接接触いたしております者から催促を受けてこれをやらなければならないというような形になるわけであります。従いまして、その点につきましては、逆な場合の方がむしろ多いのじやないかと思います。もちろん、ただいまお話がございましたように、保護者の発見が遅れるというようなことの起る可能性もないわけではないのでありまして、この福祉に関する事務所の職員につきましては、できるだけ町村との連絡なり、あるいは民生委員との関係なりを密接に保ちまして、実際に保護を要します場合には、急速な通報を受けまして、処置をいたすように指導いたしたいと考えております。なお急迫の場合で放置することができないというような場合は、保護を要するものにきわめて多いようなわけでありまして、あるいは急に非常な疾病にかかつたような場合ということが考えられるわけであります。これらの点の措置についても、十分に遺憾のないようにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/7
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008・丸山直友
○丸山委員 遺憾なきを期したいとおつしやる、これは非常にごもつともなことでございまして、遺憾があつては困るのでありますが、しかしそういう場合でも、市町村長がやらなければならぬ仕事の限界と申しますか、急迫した生命に危険があるような場合に、初めて権力が発動せられるわけで、そこまで行かなければ、市町村長はそれをやつてはいけないように解釈せられるのであります。そこまで行かないうちに早く処置することの方が、望ましいように考えられるのでありますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/8
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009・木村忠二郎
○木村(忠)政府委員 町村長におきましては、第十九条の第七項におきまして、保護の実施機関または福祉事務所の長に対します一から四まで掲げました事項を行わなければならないことにいたしておるのであります。従いまして、要保護者を早く発見いたしておりますような場合におきましては、当然この規定によりまして福祉事務所長あるいはほかの実施機関に通報する、そうしてこれに対して必要なる措置を求めるようにいたしております。従つて、こういうような措置をとるひまがないというような、急激に起つた場合も考えられるわけでありまして、そういう場合におきまして、すぐに町村長がみずから手を下すことができない場合におきましては、町村長は保護の実施機関に要求するということにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/9
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010・丸山直友
○丸山委員 身体障害者福祉法第十一条の三項に「身体障害者更生相談所は、必要に応じ、巡回して、前項の業務を行うことができる。」とありますから、もちろんやると思いますが、これは「できる」というようなことではなく、更生相談所というものは、義務的に巡回して業務を行わなければならぬというくらいにやられないと、身体障害者に対する救いの手が延べられないと考えられますし、生活保護法においても独立した条項があるかどうか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/10
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011・木村忠二郎
○木村(忠)政府委員 身体障害者更生相談所は、大体府県に一箇所くらいと考えられるのであります。従いまして、初めから巡回して職能的な判定等を行うのであります。福祉事務所におきましては、そういうむずかしい判定を行わないで、保護措置ができますものにつきましては、ただちに保護措置をする。その判定が必要な場合におきましては、更生相談所と連絡しまして、その判定をしてもらうわけであります。その場合に、必要に応じて巡回してもらつてやるわけであります。福祉事務所におきましては、その事務員は、常に自分の事務所におるだけでなく、管内を巡回いたしております。これは現業をいたしておりますところから、当然のことでございます。社会福祉事業法によりまして、福祉事務所が動きます場合に、その職員の中に、巡回して相談するものであるということが明らかに規定してございますので、その方の措置で行うことができるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/11
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012・丸山直友
○丸山委員 生活保護法におきまして、実際生活に困つている人たちが、福祉事務所を設置していない町村である場合においては、町村長がそれを通報して、通報を受けたところがそれを処理するわけでありますが、児童福祉法その他一般のこういう費用負担が、平衡交付金の中に入つている部分が相当たくさんありますので、費用負担において耐え得ないというような面がかなり方々出て来る。そのために円滑を欠くようなことが考えられるのですが、その点についてどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/12
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013・木村忠二郎
○木村(忠)政府委員 通報の経費と申しますのは、急場の場合には電話で、そうでない場合には適当な他の方法でやるということになると思いますが、これらの場合について、特に取立ててどうこうということは、考えておりません。ただこれについて多額の経費が必要なものについては、生活保護に要する経費として、国から補助金が出ることにいたしております。また保護の実施の経費につきましては、御承知の通りに八割は国が負担ということになつております。残りの二割が平衡交付金と地方の財政負担。従いまして、町村におきましては重い負担がかかるということは考えられません。急迫な場合に保護をいたしましたものに対する費用の負担について、規定を明らかにいたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/13
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014・丸山直友
○丸山委員 二割が平衡交付金に入つているということが困るのです。今までも市町村財政が窮迫しております場合に、生活保護法をやりますと、その市町村が一割負担する、その一割の負担を免れたいために、しばしば救護の手が延びることが遅れているような実際上の事実があつたのであります。それが今度八、二になるわけでありまして、その二が県ということになり、八は機関を設けている場所においては市町村ということになりますが、その二割の負担が平衡交付金である場合に、平衡交付金における厚生行政に対するウエートが非常に軽いために、その部分が削りとられる、そのために実施が円滑を欠くことを私は心配したわけであります。それに対して、はたして二割の負担のために、救護が円滑を欠く事実が起らないという自信を持つておやりになることができますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/14
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015・木村忠二郎
○木村(忠)政府委員 二割の負担は、主として県において起つて来る問題だと思います。それにつきましては、従来からのいきさつから考えますと、県がその費用の負担を受けることをいやがりまして、保護を実施したいということは、あまり考えられないのであります。町村におきましては、非常にその点が鋭敏に感ぜられております次第でございますから、今度二割を府県に持たすことによりまして、それで保護が円滑を欠くということは考えられない。むしろ従来町村に持たせていた場合の方が保護の円滑を欠く点については意見が多かつたのであります。特に最近市等におきましては、相当市自身の財源が大きくできているようでございまして、市が二割負担するということになるからといつて、そのために、市自身が従来からその金を押えることは全然なかつたので、大体この点におきまして問題になりますのは、町村の中に貧弱な町村が非常に多かつたというふうに考えられます。従いまして、今度県に引上げた、あるいは市にしたということによりまして、むしろ従来の心配は軽くなつたことと思います。平衡交付金でいたしませんで、全額国で持たなければならぬということになりますか、全額国で持つてやる方がいいかどうか、どちらがいいかという問題については、いろいろ問題があるようでございまして、十分検討させていただきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/15
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016・福田昌子
○福田(昌)委員 ただいま社会局長の御説明を聞いておりますと、市町村の負担が、従来よりは好転いたして、しかも要保護者がこの改正案によつていかにも救われるように聞えるのでありますが、しかし私どもが従来生活保護法の運営を見ておりますと、市町村がわずか一割の負担に耐えかねて、保護者の指定を遅らせたり、あるいはまた要保護者でありながら、その保護を打切られたというような者を、つぶさに多くの事例を見て参りました手前、こういう市町村が保護の実施機関になつた場合、市町村の負担が二割になつたということは、むしろ生活保護法の運営に隘路をつくるものではないかというような感じがいたしてしかたがないのでございます。どういうような事例をもたれまして、要保護者がこれによつて従来よりも非常に恩恵的に救われるとお考えになつておられるか、もう一回御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/16
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017・木村忠二郎
○木村(忠)政府委員 町村には、二割は負担させないのでございます。市と府県とがそれぞれ二割ずつ負担するわけであります。従来負担をいやがりまして、保護をしりごみするといつたような問題は、主として町村にあつたというところから、そういう貧弱な町村におきましてやるよりは、県で負担する方がいいのではないかということで、その負担を県に引上げたわけであります。従いまして、町村が要保議者の保護を実施いたします場合には、町村の方で自分が保護の実施機関になりたいという希望を持つて、しかも財政的に見てその能力があると考えられる町村に限られるわけでございます。従いまして、町村で今後生活保護法の実施機関になります場合におきましては、大体財政のゆたかなものになると考えられております。もちろん二割、八割という負担率がいいかどうかという点につきましては、まだ問題は残つているのでございます。これにつきましては、十分今後検討いたしてみたい。なおこれの実施の状況によりまして、これに対する措置につきましては、考究したいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/17
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018・福田昌子
○福田(昌)委員 二割を平衡交付金にいたしますと、私どもはどう考えましても、県でも市でも、平衡交付金はこういう福祉事業に対しては、よほど理解のある県、あるいは市でなければ、こちらの方面には割愛できない傾向になるのではないかと懸念いたしますので、平衡交付金で支出するということに対して、十分納得のできがたい点がございます。その点でも、どういうわけでそういう心配はないかということを、もう少し御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/18
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019・木村忠二郎
○木村(忠)政府委員 二割は平衡交付金が入つておると申しましたのは、言葉が少し足りないのでありまして、二割は地方が負担するものであります。地方で負担ができないような財政状態のところは、平衡交付金で調整するという形になつておるわけでございます。従いまして従来の二割、八割という関係と、その関係は何らかわつていないのでありまして、従来の府県と市町村とが一割ずつ持つておりました場合に平衡交付金をわけましたのと、今度の平衡交付金をわけます場合の基準を変更いたしまして、実際に負担いたします方に、平衡交付金がよけいに行くようにいたさなければならぬと考えているのであります。従いまして、地方の財政につきましては、そのアンバランスのところを平衡交付金でもつてバランスをとるという方針を現在とつております以上、地方にある程度負担をかけます場合に、その調整を平衡交付金でやるということをいたしますのは、ほかに措置がない。もしそれをやらぬといたしますれば、全額国庫負担にしなければならぬということになります。こういうような福祉の仕事を、全額国庫負担でやるのが適当であるかどうかという点につきましては、まだいろいろ問題もあろうと考えられますので、この点につきましては十分検討いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/19
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020・福田昌子
○福田(昌)委員 こういう福祉事業を全額国庫負担でいたします場合、どういうふうな不都合なことが生ずるかという点を、具体的にお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/20
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021・木村忠二郎
○木村(忠)政府委員 社会福祉に関しまする各種の問題は、もちろん国民の生活保障といつたような問題を含んでおりますので、国の責任としていたさなければならぬ仕事でございますけれども、やはり一部は地方におきまする社会福祉という問題に対する関心を十分持たせる意味において、地方でもつてある程度負担することが適当であると言えるのではなかろうかと思つておるのであります。社会福祉に関する仕事が、だんだんと民間の仕事から公の仕事になり、公の仕事は地方の仕事からだんだん中央の仕事になつて来るのは、社会福祉の仕事の傾向でございまして、これが現在国が八割、地方が二割という、補助予算といたしましては他に例がない法律の補助をいたしておりまする現状まで来た経過でございます。これを全額国で負担するのがいいかどうかということは、そこに問題があるわけでございまして、将来社会福祉の問題につきまして、地方は全然関心を必要としないことになりますならば、これは全額国で負担する、しかも国の直轄機関でこれを行うということになつて来るのではないかと考えます。しかし現在の地方の一般情勢との関連を考えますときに、全額国の負担といたしまして、国で直轄してやることがいいかどうかということについては、いろいろ問題があるのではなかろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/21
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022・福田昌子
○福田(昌)委員 要保護者は、今日いろいろな方法によつて援護を受けております。その実情から考えまして、社会福祉事業を地方に関心を持たせるという意味において、地方に少し費用の負担をさせるということは、その地方の費用の負担が福祉事業に関心を持たせる程度のものであれば、これに関心を持たせる方法は、費用の負担以外に幾らでも方法があることであります。従つて福祉事業は、むしろ国の責任において全額国が持つべきだと考えるのであります。そういう意味合いにおきまして、この法案のそういう地方の経費負担というもの、しかも平衡交付金に関係ある負担ということに対して、どうも納得のできないものを感じております。そういう点、もう少し社会局において御配慮願いたいと思うのであります。
次には、身体障害者福祉法に関してのお尋ねでありますが、第九条に、都道府県は、その設置する福祉事務所に、身体障害者福祉司を置かなければならないということがうたわれておりますが、その第四項に「身体障害者福祉司が置かれていない」云々ということがありますので、置かなければならないということを規定しておりながら、置いてない福祉事務所があつてもいいというような感じが受取れるのでありますが、これはあえてこの第一項の身体障害者福祉司を置かなければならないということを守らなくてもいいものでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/22
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023・木村忠二郎
○木村(忠)政府委員 福祉事務所は都道府県にも置きますし、市及び町村にも置くのでございます。市は、すべての市が福祉に関する事務所を置くようになつております。都道府県も全部置かなければならないことになつております。それから町村は、置きたい所であつて、置く能力のある所は置かせることにいたしております。これは社会福祉事業法にそういうことになつております。それで、都道府県の福祉事務所におきましては、必ず身体障害者福祉司を置かなければならないことにいたしておるのであります。これは絶対に置かなければならないのであります。市及び町村で設置いたします福祉事務所につきましては、身体障害者福祉司を置くことができるという規定にいたしましたが、これにつきましては、私たちの方といたしましては、全部置かせるようにいたしたいつもりでおります。しかし現在の財政の措置では、市及び町村に身体障害者福祉司を置かせるだけの十分な予算的措置がいたしてございませんので、これにつきましては、地方の事情によりまして、置くことができます所は置いてもらいたいというような趣旨で、この規定を設けたのでございます。従いまして、第四項におきまする「身体障害者福祉司の置かれていない福祉事務所の長は」と申しますのは、市及び町村の福祉事務所でありまして、身体障害者福祉司を置いていない福祉事務所のことをさしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/23
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024・福田昌子
○福田(昌)委員 この身体障害者福祉司というのは、たとえば他の社会福祉主事とかその他児童関係の福祉司と兼務することができるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/24
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025・木村忠二郎
○木村(忠)政府委員 建前といたしましては、身体障害者福祉司の持つております知識、技能というものは、児童福祉司とは違いますので、これは兼務できるとは考えられません。しかも仕事の内容も異なつております。それから仕事の程度も差がございますので、両方を兼ねることはできません。ただ社会福祉主事と身体障害者福祉司というものは、同じ人が両方兼ねておることがあつても一向さしつかえない。しかし社会福祉主事の方は定数がきまつておりますので、その定数がそのために食われて仕事がうまく行かないということがあることは、これは認められません。従つて、余裕があります場合にはそういうことができる。あるいは十分に人を持つております場合に、それを兼ねさせまして、仕事の円滑を期するというような意味ならば、これはできないことはないと思います。また児童福祉司と身体障害者福祉司とにつきましては、これは両方の必要といたしまする特殊技術、社会福祉主事よりも、ある意味におきましては高度の技術を持つた者でなければならぬということになりますので、その特殊技術を両方兼ねて持つておるというような人で、事務の量が両方を兼ねて一人でもやつて行ける程度の場所、たとえば非常に小さい地域におきまして、そういうような担当の非常に狭い部面につきましては、そういうものを兼ねておるということは一応考えられるのでありますが、本来の規定によりますと、身体障害者福祉司は一応福祉事務所におりますし、それから、児童福祉司は児童相談所の方に結びついた県に置かれることになりますので、これが兼ねるといつた場合には、円滑なる仕事ができるかどうかという点に相当疑問があると思います。これらにつきましては、実際の状況に応じて判断しなければならぬのでありまして、建前といたしましては、これは兼務いたすべきものではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/25
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026・福田昌子
○福田(昌)委員 第十一条の第二項のことでございますが「身体障害者更生相談所は、身体障害者の医学的、心理学的及び職能的判定を行うところとする。」とありますが、こういうような職能的判定を行いますところの陣容というようなものの基準は、どういうふうにしておきめになつておるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/26
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027・木村忠二郎
○木村(忠)政府委員 これにつきましては、心理学を修めた人、または医学におきましても特に整形外科の方面の人、そういうような方面に必要な技術を持つた人を、ここに備えるようにしなければならぬと考えております。ただ十分にそれに必要な人間がただちに得られるかどうかという点につきましては、まだ現在の日本の状況として、必ずできるという確信は持つておらないのであります。逐次そういうようなものができまして、整備されるようにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/27
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028・福田昌子
○福田(昌)委員 そういう御希望であるということをお聞きいたしまして、何でございますが、この文章を読ませていただきますと、文章としては非常にりつぱでありますが、私ども、はたしてこれが現実に行われるかどうかということに、非常な疑問を持つておるのでございます。正直に申し上げて、とうてい今日では行い得ない事態ではなかろうかということを考えて、それを懸念いたしておりますが、どうかできるだけこの文章が実地において生きるような設備と陣容を早急に実現できるように、御配慮願いたいと思うのであります。
それから、さらに第三項に「身体障害者更生相談所は、必要に応じ、巡回して、前項の業務を行うことができる。」とありますが、これはさらに困難なことではないかと思うのでありますが、こういうこともどうか一日も早く積極的にこの文章が生きて、現実に使われますようにしていただきたいと思うのであります。そういたしませんと、ただでさえ受身にあります身体障害者は、積極的に救われることが非常に少いということをおそれるものでありまして、どうか身体障害者救済のために、こういう条文が早急に現実において活用できるように、一層の御尽力をお願いいたしたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/28
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029・青柳一郎
○青柳委員長代理 次に、医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律案を議題といたし、前会に引続き質疑を続行いたします。福田委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/29
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030・福田昌子
○福田(昌)委員 この医薬分業に関します法案が提出されますために、厚生省に諮問機関として二つの調査会が持たれましたが、その調査会すなわち臨時診療報酬調査会及び臨時医薬制度調査会というものの委員をおきめになります場合に、どういうことを基準にしておきめになつたか、御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/30
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031・久下勝次
○久下政府委員 お尋ねの問題、私からお答えいたします。二つの臨時診療報酬調査会と臨時医薬制度調査会が設けられますときに、主として日本医師会でありますが、日本歯科医師会、日本薬剤師協会、それぞれいろいろと打合せをいたしまして御意見を交換しておつたのであります。最後的に日本医師会からの御意見もありまして、まず最初の臨時診療報酬調査会につきましては、医療関係者と一括して申しておりますが、医師、歯科医師、薬剤師、すなわちこの事柄に関係のあります方方を全委員数三十名のうち、半数をそういう人から選んでもらいたいという御要望があつたのであります。さらに医師、歯科医師、薬剤師の三者の内訳につきましては、これは関係三団体におきまして御相談を願うことにいたしまして、割振りをきめていただき、人選もその割振りに基いて各団体から御推薦を願つた方々にお願いをいたしたのであります。その他の医療関係者以外の十五名の半数につきましては、厚生省において適当に選んでもよろしいという関係者の意見でもありましたので、私どもの方におきまして、適宜選定をいたしたつもりでございます。その場合には診療報酬の問題につきましては、医療を受ける立場にある人々でありますとか、あるいは社会保険の関係者でありますとか、また医療衛生の方面に見識を持つておられ、長い経験を持つておられる方々というようなものを標準にいたしまして選びました次第であります。臨時医薬制度調査会におきましても、筋道は大体同様でございまして、これにつきましては、御承知の通り医療関係者十名、医療を受ける立場にある方々十名、その他学識経験者及び官庁の職員を二十名ということでお話合いがつきました。医療関係者につきましては、前の臨時診療報酬調査会の委員の選考と同様の手続によりまして、関係三団体の推薦によつていたしたわけでございます。あとの二者、すなわち医療を受ける立場にある者及び学識経験者、関係官庁の職員につきましては、最初申し上げましたようなものと同じ筋道によりまして、厚生省において適宜選定をしてお願いをいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/31
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032・福田昌子
○福田(昌)委員 委員長は、どういう形においておきめいただいたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/32
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033・久下勝次
○久下政府委員 委員長は両会とも委員の互選によつて決定いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/33
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034・福田昌子
○福田(昌)委員 その委員の互選の前提として、推薦委員会をおつくりになつたのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/34
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035・久下勝次
○久下政府委員 推薦はやつておりません。最初いきなり互選に入りまして、同点になりましたので決選投票をしてきめました次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/35
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036・福田昌子
○福田(昌)委員 その調査会は速記をおとりになつたのではございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/36
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037・久下勝次
○久下政府委員 臨時診療報酬調査会の場合におきましては、最初のうちは速記をとらないでおりましたのですが、委員の間の御要望がありましたので、何回からかちよつとはつきりいたしておりませんが、中途から総会に限りまして両調査会とも速記をとつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/37
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038・福田昌子
○福田(昌)委員 ではその速記を一応お示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/38
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039・久下勝次
○久下政府委員 前会にも申し上げました通り、相当長期間にわたりまして、回数も多く開いておりますので、速記は相当の量に上つております。各委員皆様方にお配りをいたしますためには、印刷費に相当の費用を要しまするので、極力御希望に沿うように努めさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/39
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040・福田昌子
○福田(昌)委員 全部の委員に速記の印刷をお配り願いたいというので申し上げたのではないのでありまして、そういう速記というものは、回覧制にしてもけつこうでございますから、一応まとめて見せていただきたい、こういう要求でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/40
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041・久下勝次
○久下政府委員 その程度でありましたならば御希望に沿えると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/41
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042・福田昌子
○福田(昌)委員 この両調査会にお使いになりました費用は、どの程度でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/42
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043・久下勝次
○久下政府委員 ただいま数字を持つて来ておりませんが、後ほど調べましてお耳に入れることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/43
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044・福田昌子
○福田(昌)委員 速記をなるべく早急に見せていただきたいと思います。私の質問はこの次に保留させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/44
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045・松谷天光光
○松谷委員 昨日の丸山委員と記憶いたしますが、御質問をなさいましたのに対して、久下次長のお答えだつたと記憶いたします。この法案がかりに通過しなかつた場合はどうなるか、こういう質問内容だつたと思います。あるいはまたこの法案を提案されたその当局の決意を、おそらくお尋ねになつたものと記憶するのでございますが、それに対して久下次長の御答弁は、私がうかがつたところによると、非常に何か御熱意の足らぬような御発言のように受取れたのであります。私一人のひが目ではなかろうと思いますが、久下次長の御発言の中に、旧法があるからさしつかえない、こういうお答えのように記憶いたします。もちろん通るか通らないかは国会の意思でございまして、決定をまつてから云々しなければならない問題だと思いますが、少くとも改正案をお出しになつた立場の当局とされては、通つても通らなくてもかまわないというような、その御意見というものは、私はどの法案についてもあろうはずはなかろうと思うのであります。少くとも久下次長が、通つても通らなくてもいい、こういうようなお考えであるならば、あえてここで改正案を出す必要もないのではないかと思います。少くとも当局が改正案を出された以上は、私どもが改正案を審議する場合には、この改正案をよしとして、そして当局は当然医療行政の上から、これこそが将来の日本の一つの方向であるという確信を持つて、私は改正案を出されておられるものという見解に立つて、改正案の検討をさせていただいておる一人でありますが、どうもたよりないと申しますか、その御熱意のほどをもう一度伺つておきたい。その点について、私の聞き違いであれば幸いであると思いますが、その点について、もう一度重複いたしますが、久下次長の改正案を提案された御決意のほどを承らせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/45
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046・久下勝次
○久下政府委員 ただいまのお尋ねは、金子委員の御質問に対して私がお答えをいたしたのであろうと思います。その際にも私申し上げたのでございますが、通つても通らなくてもいいという意思ではない。私どもは政府の職員といたしまして、この案を是なりと信じまして提案をいたしておるのでございます。私としては、国会の会期がたいへん切迫いたしまして、御迷惑ではございますけれども、御審議を急いでいただいて、御決定をしていただくことを希望しておりますということを申し上げたつもりでございます。ただ金子委員から、もし通らなかつたら何か困ることはないかというような仮定に立つてのお尋ねがございましたので、実質的に、あるいは法律的にこれが通りませんでも、通らなかつたらという仮定をされれば、現行法で一応制度としてはできておりますので、そういう意味合いにおいて、取立てて困ることはないだろうという意味で申し上げたのであります。しかしながら、私どもの本旨は、通らないということを今実は考えておらないのでありまして、ぜひとも通らせていただきたいという念願でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/46
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047・松谷天光光
○松谷委員 それでは重ねてお尋ねいたしますが、やはり当局は、この改正案が実現することが、医療の民主化を促進するという解釈の上に立たれて、この法案を御提案になつたというふうに解釈してよろしゆうございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/47
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048・久下勝次
○久下政府委員 医療の民主化になるかどうかということにつきましては、私今責任を持つてお答えをするわけに参りません。私どもとしては、この法律案を御決定願いまして、この制度を実施いたしますことが、医療の向上になり、従つて国民の福祉の上に有益であるというふうに考えておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/48
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049・松谷天光光
○松谷委員 私また疑念が出て来るのでございますが、医療の民主化かどうかわからない、こういうお答えでございます。しかし少くとも医療制度については進歩である、民主化という言葉が悪ければ医療の進歩、こういうお考えの上に立たれてと解釈してよろしいものでございましようか。あるいはまた、少くとも今日の医療行政というものが、社会保障制度に向つて日本がやはり進まんとしておる今日、社会保障制度をよりよく実現して行くその一環というふうに解釈して、この改正案を出されたと見てよろしゆうございますか。あるいは医療の民主化とは言えないかもしれない、その点については責任が持てないという御答弁を、もう少しかみ砕いて伺わせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/49
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050・久下勝次
○久下政府委員 実は民主化というようなことを口にいたしますと、私自身の考えておりますことと松谷先生の考えておられることと、あるいは食い違いが生じはしないかということを懸念いたしましたので、その点からはお答えを申し上げなかつたので、ただいまにおきましても、なおさように考えられるのでありますが、しかし後段のお話にございましたように、またこの制度の基本的な考え方にございます医師、歯科医師、薬剤師というようなそれぞれの専門の立場におられます人人が、しかも一方におきまして医学、薬学が年々進歩して参つております現状におきまして、これらの人々がそれぞれ専門の分野に深く進むことによつて、専門の知識、技能を活用して、世人の医療に当つていただくことが、国民福祉のために有益であるということを考えまして、この提案をいたしておる次第でございます。社会保障制度云々ということがございましたけれども、これにつきましても、社会保障制度それ自身が、必ずしも医薬分業と直接のつながりはないようにも私は考えておるのでございます。従つて、今社会保障制度審議会から勧告のありますような社会保障制度を実施いたしますために、この制度をどうしてもやらなければならぬものであるというような、直接のつながりはないと思いますけれども、しかしながら、基本的に国民の医療の向上をはかり、国民福祉を増進することが、社会保障制度の目的であるといたしますならば、その目的にはこの制度は沿うものであると信じておるものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/50
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051・松谷天光光
○松谷委員 なお重ねて伺つておきたいのでございますが、今のお答えの中で、医療制度の発展の一環ではあるということを言われたと思いますが、少くとも久下次長は、それが医療の発展段階の一つであるという立場に立つて、この改正案を提案され、今後もそのために御努力くださる、またその熱意をお持ちになつておられる御決意であると解釈いたしてよろしゆうございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/51
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052・久下勝次
○久下政府委員 お話の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/52
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053・松谷天光光
○松谷委員 薬務局長にちよつとお尋ねしておきたいのですが、昨日の御答弁をいただいた内容に関してお尋ねするのでございますが、局長のお答えの中に、何かこの改正案があちらの勧告によつてなされたものであるというふうなお答えが——特に委員の質問の内容がそうであつたためであろうと私は思いますが、少くとも当局がこの改正案を出されるに至つたまでのその御決意になる経過は、ただ単に勧告があつたということだけによつてなされたのではなくて、少くとも日本の将来の医療制度というものがかくあるべきものであるという御確信の上に立たれて、私は案を草案なさつたものと解釈したいと思いますが、その点はいかがでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/53
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054・慶松一郎
○慶松政府委員 私、昨日も申し上げたのでありますが、この問題は七十年来の懸案でございまして、長年議論されたところでございます。従いまして、勧告は一つの原因にはなつておるかもしれません。しかし、もちろんそれは全部ではございませんし、それはその一部であるという次第でございまして、私どもといたしましては、勧告のいかんにかかわりませず、その問題につきましては、かくすることが最もいいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/54
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055・松谷天光光
○松谷委員 これは別に局長、次長どちらというわけでもございませんが、伺つておきたいのでございます。今日この問題が医薬分業というような名前がつけられまして、いかにも医師と薬剤師との一つの権利の争奪戦のような感覚を非常に与えている向きが多いのでございますが、私のようなしろうとから考えますと、分業という言葉をどこからどうつけたのか、この分業という言葉そのものに、私は大きな誤解を招く点があるのではないか。これはむしろ医薬の協同である。両方からお互いの力を国民医療の向上のために十二分に出し合つて、そうして国民の医療をより幸福にするというふうに解釈したいとさえ思うのでございますが、そういう点について、当局はどういうお考えをお持ちになつておられますか。また当局がこうした改正案を出される以上は、少くともその医療を受ける立場、また行政を行つて行かれる立場から、先ほどからくどく繰返しておりますように、日本の一つの将来というものに対して、やはり医療制度をこうすることが、日本全体の国民の幸福であり、日々の生活の幸福であるということを見通されての改正であると私は解釈し、またそう信じたいのでございますが、その点について当局のお考えを伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/55
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056・慶松一郎
○慶松政府委員 医薬分業なる言葉がいつ出たかということにつきましては、これは昔から習慣的に言われておるのでございますけれども、ただいま松谷委員のおつしやいました通り、私どもといたしましても、この言葉の持ちます響きにつきましては、まつたく仰せの通りの感じを持つております。これは当然医薬の協力ということでございまして、はなはだ俗な言葉を申しまして恐縮でございますけれども、医薬分業問題が盛んになりましてから、女の薬剤師をお嫁さんにほしがつておるお医者さんが多いということでありまして、かくのごとく医薬分業ということは、決して離縁話ではございませんで、いかにしてお互いが仲よくするかということにあると思います。そうしてそれをやりますには、お互いのあり方をはつきりした方が、なおかつここに夫婦も円満に行くじやないか、こういう話だと私は考えておる次第でございまして、仰せの通り分業というのは俗に申しておるのでありまして、私どもが出しております法律案も、決してそういう法案ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/56
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057・松谷天光光
○松谷委員 それからもう一点、当局の改正案を出された根本を伺いたい。当局は別に医師の立場あるいは薬剤師の立場、そういう点からこれを改正云云ということではなくて、国民の医療を考え、医療の発展を考え、国民の明日の幸福をもとにお考えになつての御提案かどうかという点を伺つておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/57
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058・久下勝次
○久下政府委員 お話の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/58
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059・青柳一郎
○青柳委員長代理 次会は明後二十三日午後一時より開会することといたし、本日はこれにて散会いたします。
午後五時六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X02619510521/59
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