1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年五月三十一日(木曜日)
午後一時五十四分開議
出席委員
委員長 松永 佛骨君
理事 青柳 一郎君 理事 高橋 等君
理事 丸山 直友君 理事 亘 四郎君
理事 福田 昌子君
大石 武一君 田中 元君
中川 俊思君 堀川 恭平君
山村新治郎君 岡 良一君
堤 ツルヨ君 松谷天光光君
出席政府委員
厚 生 技 官
(公衆衛生局
長) 山口 正義君
委員外の出席者
專 門 員 川井 章知君
專 門 員 引地亮太郎君
專 門 員 山本 正世君
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五月三十一日
理事亘四郎君の補欠として高橋等君が理事に当
選した。
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本日の会議に付した事件
理事の互選
理容師法の一部を改正する法律案(高橋等君外
十一名提出、衆法第六八号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/0
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001・松永佛骨
○松永委員長 ただいまより会議を開きます。
まず理事補欠選任の件についてお諮りいたします。理事の亘四郎君が理事の辞任を申し出られておりますが、これを許可し、その補欠選任の手続に関しましては、先例により委員長より指名するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/1
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002・松永佛骨
○松永委員長 御異議がなければ、高橋等君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/2
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003・松永佛骨
○松永委員長 次に理容師法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引続き質疑を続けたいと存じますが、本案についての御質疑はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/3
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004・松谷天光光
○松谷委員 すでに大部分の質疑も終つたと考えますが、なお一点伺つておきたいと思います。都道府県の知事による理容師及び美容師の試験に合格しなければならないと、試験の点を取上げられたことを、少し御説明いただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/4
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005・高橋等
○高橋(等)委員 昨日この点は大体詳しく御説明をいたしたのでありますが、なお重ねてお答えいたします。本来ならば、こういう試験をやらないで、理容師、美容師の営業をなす人に広く門戸を開放することが好もしいのでありまするけれども、現在の規定によりますると、養成所を卒業いたしまして後、一年間の実地修練を終えた者を理容師、美容師とすることになつております。しかし学校の設備あるいは施設がまだ非常におそまつなものが多いのでありまして、そういう学校を出て一年間の修練のみを経られた方に、ただちに理容師、美容師の資格を與えるということは、衛生上の見地からも、あるいはまた技能の点からも現在適当でないと考えられますので、一応知事の施行する試験をやりまして、これに合格した者に資格を與えるということにいたしたい。しかしこれは将来学校の設備その他がだんだんと充実して来ることが考えられまするので、その際は試験制度はもちろん廃止の方向に行くべきものであるとわれわれも考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/5
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006・松谷天光光
○松谷委員 従来まで試験のございませんでしたものを、やはり従来までの理容あるいは美容の実態を考えまして、その点特に公衆衛生上、あるいはまた保健上、何か特に一つの弊害というようなものがあつたのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/6
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007・高橋等
○高橋(等)委員 本来でありますれば、現在学校へ行つている人あたりにつきましても、試験をやることが好ましいと考えておりまするが、法律によつて従来はそうした者に資格を與えることにいたしておりまするので、その既得権は十二分に尊重いたしたいと考えております。それで従来そういうような知識技能の点において不完全で困つた例があるかという御質問と思いますが、従来の法律で出ておられます方は、やはり知識、技能の点におきましては、われわれとしては満足できない状況にあるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/7
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008・松谷天光光
○松谷委員 満足できない状態にあるという御答弁を今いただいたのでございますが、この理容あるいは美容という内容を考えてみまして、特にそれが試験制度を経たから非常にそこによい結果が生れて来る、あるいは試験制度をしかないためにそこに不満な状態が出て来るという、そうしたものとこの理容、美容の内容は、私はいささか異なる点があるのではないかと思うのでございます。従来の弊害について具体的にいろいろ伺えなかつたのでございますが、私ども聞くところでも、一、二特別の場合はそういう例もあつたかもしれませんが、しかし少くとも試験制度でなかつたからそういうそこつがあつたというふうな解釈は当らないのではないかと思うのでございます。ことに理容あるいは美容という面から、あるいは職業の内容、あるいはその他の理容、美容を選ばれる方々の立場に立つて考えましたときに、ここにまた一つの試験制度というものを新たに設けて行くということは、やはり一つの進出路を狭くする大きな理由にならないだろうか、あるいはまた既得権者には十分その既得権を尊重するとは言われておられますけれども、しかしその点においても、やはり既得権者には相当の不安な状態が出て来るのではないかということも、これは他の問題とも関連して思い合せるのでございますが、そういう点について、私は理容、美容というその内容が、あえて試験をすることによつて向上するということは考えられないのでございますが、いかがでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/8
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009・高橋等
○高橋(等)委員 現在の学校の状況あるいは実地修練の状況につきまして、いろいろと不備な点があるという点につきまして、松谷さんと私は意見が食い違つておるのではないかと考えております。現在の学校の設備というものは、大体におきまして、まだ不完全なものが非常に多いということ、それからまたインターンにおきましても、たとえば理髪の場合をとつてみますると、四台のいすとかその他の理髪の設備があるところ以上の設備を持つたところで修練せねばいかぬということになつております。学校を一年出ましてそこへ行きましても、十分なる修練をすることができないという状況に現在はなつておると私は観察をいたしております。そういう意味からいたしまして、どうしてもこの試験という問題を取上げざるを得なかつたという実情でございます。
なおもう一点、既得権の問題ですが、これは結局理髪師あるいは美容師としての資格の免許に関する問題であります。従来とつた人はそのままに営業をすることができる、それからなお附則で、昭和二十八年の六月三十日までは、現在の学校におる人及び学校を出てインターンをやつておる最中の人、こういう人は全部旧法の適用を受けることに一応いたしております。大体その既得権の問題はあまり御心配になる点はないのじやないか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/9
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010・松谷天光光
○松谷委員 今御説明を伺つておりますと、そういう不備なる点を補うためには、試験制度をもつてそれを充実させるのではなくて、私はむしろそういう不完全な学校の教科課程、あるいは実習所の完備というような、むしろそういう面の修業課程を充実させることによつて、そういう不備な面は十分に補つて行けるのではないかと思うのでございます。それが一片の試験ということによつて補われるということは、どうも私としては納得できない点でございます。むしろ理容、美容というその内容については、試験制度というものを設けるということが、どうも私は妥当ではないというふうな考え方を持つ一方でございます。
なお既得権者についても、二十八年六月三十日までは従来通り認めると附則にたしかにございますが、しかし理容、美容というものが、二十八年六月で職を転換しようとなさる方はおそらくないので、これはおそらく終生の問題だろうと思います。そうなつて参りますと、二十八年六月三十日までという一つの——これからあとの二年はございましようけれども、しかしやはり昭和二十八年六月三十日という一つの恐怖と申しましては少し言葉が過ぎるかと思いますが、そういう一つの不安な状態の中にあつて、ことに美容師、理容師の既得権者の中には相当の年輩の方もおいでになると思います。そういう方たちがこれから試験制度になるという一つの問題について、これは既得権者として大きな精神的なものを受けるものがあるのではないかと思いますし、この点をもう少し検討していただきたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/10
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011・高橋等
○高橋(等)委員 第一点の学校を充実した方がいいではないか、これは私も御同感でございます。その充実ができます間、試験をやつたらどうか、こういうわけであります。それで学校の経営者はこの試験制度を非常にきらいます。きらうのは、自分の学校がそれによつて資格づけられるといいますか、自分の学校を出た人が試験がうからなかつた場合には困るわけであります。評判が悪くなるということもあるでしよう。それだけではもちろんないと思います。そういうようなことで、結局この試験制度をすることによつての副作用としても、学校の内容が早く充実するという副作用も起るのではないかと考えております。要するに学校の内容をよくすることが理想でありまして、そのあげくは、この試験制度は当然廃止の方向に持つて行くべきものと私は考えております。現在の段階におきましては、どうしても必要である、こういう見解であります。
なおこの既得権者の問題で何か誤解があるのじやないかと思うのでありますが、これは理容師、美容師の免許を受けた者は、一生涯理容師、美容師としての資格を持つわけでございます。この附則できめておりますのは、新たに理容師、美容師になる人につきまして、昭和二十八年までは旧法を適用いたしますということを規定しております。それだけですからその点は御心配ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/11
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012・松谷天光光
○松谷委員 後半の質問、これは私の感違いでございまして、その点は改めますが、ただいま御説明いただいた中で、特にそういう学校の修業課程の不完全なものを補うために試験制度をとられて、学校が充実して来れば試験制度を廃止するという、いわば一つの臨時的な、あるいはそういう施設を充実していないその不完全さを試験制度をもつて補うという行き方であるならば、私はその臨時的な試験制度というものに一層の疑念を抱くのであります。むしろその試験を受けなければならない、その期間だけの人たちの犠牲によつて、その学校の制度を完備させるとか、あるいはこれから何年間かに制度が充実して来る、学校が充実して来るまでの間の人たちを、いわば一つの試験台にしてと申しますか、犠牲にしてと申しますか、そういうような形において、一時だけ施設を充実させるために、試験制度をむしろ逆用するということは、これは私どうも本筋からいつて納得ができないのでございまして、それならば何も試験制度をとらないでも、他に学校教育課程を充実させる方法はいくらでもあるのではないかと思いますし、ことに今現在不完全である以上に、過去においても不完全であつた、そういう者たちの既得権を、この既得権者について相当認めるということはたいへんけつこうなことでございますが、しかし現段階のものだけが切られて行く、特別な扱いを受けて行くという、そういう一つの法案の立て方というもの、一つの政策の立て方というものに私は疑念を持たざるを得ないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/12
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013・高橋等
○高橋(等)委員 決して試験制度をすることによつて学校を充実さす手段にするという御説明を申し上げたのではありません。結局副作用としてはそういうことも起るであろうということを申し上げたのであります。そういう点は軽くおとりを願いたいのであります。なおその他の点につきましては、私は現在の段階におきましては理容師であり、美容師である知識技能を持つた人としましては、どうしても一応試験をしなければいけない段階にまだあるのだという考え方はかわりありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/13
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014・松谷天光光
○松谷委員 厚生省の方が御出席のようでございますので、厚生省側の方の御意見を伺わせていただきたいと思いますが、今日いろいろなものに試験制度というものが相当重要視されて参つてはもちろんおりますが、当局が考えられて、理容あるいは美容というものの内容も、今論じられておりますような、あるいはこの法案に盛られておりますような一つの試験制度というものをもつて、理容あるいは美容の内容の向上、発展の大きな一つの効果、あるいは試験制度をとらなければ理容、美容というものの完全なる一つの実施というものはあり得ないと考えておいでになるかどうか。その点当局のお考えを伺わせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/14
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015・山口正義
○山口(正)政府委員 理容師養成施設につきましては厚生大臣が指定いたしまして、一応厚生省といたしまして規準を設けて、それによつて規制をいたしておるのでありますが、現在の実情はまだ玉石混清という面も見えるのでありまして、これらの点につきましては昨日もお答え申し上げたのでございますが、私どもといたしましてはでき得る限り施設の指導をいたしまして、その向上をはかつているのであります。今後といえどもあの養成施設の内容の向上につきましては十分努力して行くつもりでございます。さらにその養成施設を出た者に対して試験をする必要があるかどうかという点にいろいろ御疑念があるようでございますが、私どもといたしまして、理容師、美容師の方々の資質を向上させて行くという点にかんがみまして、公衆衛生の立場から一応試験をしていただいた方が望ましいのではないが、そういうふうに考えております。また試験の内容も特に公衆衛生に関係いたしました学科、それから公衆衛生上必要と思われる実地について試験をするというような建前で行くべきである、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/15
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016・松谷天光光
○松谷委員 特に先ほど来の高橋先生の御説明もあるいはまたただいまの局長の御説明も、やはり学校課程に異議不満のものがある、不完全なものがあるということでございますが、今局長が言われた通り、その学校の指定はやはり厚生大臣がなすつておられるのでございますので、その学校の課程に不満足なものがある場合には、これはやはり認可をなさり、あるいは指定をなさる場合の厚生大臣の責任になつて来るものじやないかとさえ私は考えられるのでございます。そういう点を別にして、先ほどからも繰返すことでございますが、その不完全さを試験によつて補うということの行き方というものに、ただいまの局長の御説明をいただきましても、やはりどうもそれだけで納得して、それじや試験制度でなければよくはならないという結論は私には出て参りませんので、その点はなお私も今後も研究をいたしたいと思います。これはいくら御質問申し上げてもやはり高橋先生のお考えになられるところと、私の考えております理容、美容の内容というか、あるいは行き方というものに幾らかの差異があると思いますので、質問は一応打切りますが、その点についてもう少し理容、美容というものの、業種内容からいろいろ考えていただいて、はたして試験制度をとるということが将来の人たちに狭き門になるのではないかどうかということをもう少し私ども検討した上で、一応の法案をつくり上げたいものだと私は希望いたします。なおできますならば御提案者でいらつしやる高橋先生初め諸先生方にもう一度この点をお考えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/16
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017・松永佛骨
○松永委員長 他に本案についての御質疑はありませんか。——なければお諮りいたします。本案についての質疑はすでに終了しておると存じますが、質疑を終局するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/17
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018・松永佛骨
○松永委員長 御異議なしと認め、本案の質疑は終局いたしました。
次にただいま委員長のもとに本案に関する修正案が山村委員より提出されております。本修正案について提案の説明を求めます。山村委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/18
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019・山村新治郎
○山村委員 私はこの理容師法の一部を改正する法律案に対しまして修正の動議を提出いたしたいと思います。それはこの案文の第十四条の三を削ることであります。第十四条の三は「都道府県は、都道府県知事の諮問に応じて理容及び美容に関する重要事項を調査審議させるため、審議会を置くことができる。」とあるのでありますが、今日までの各審議会の実績にかんがみましてこれを削除する方が妥当であると考えまして、この十四条の三の全文を削除せんとするものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/19
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020・松永佛骨
○松永委員長 ただいまの修正案についての御質疑はありませんか。——なければこれより理容師法の一部を改正する法律案並びに同修正案を一括して討論に付します。松谷委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/20
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021・松谷天光光
○松谷委員 ただいま上程されております理容師法の一部を改正する法律案並びに理容師法の一部を改正する法律案に対する山村委員から御提出になられました修正案について、私はこの提案されている修正案については同感でございますが、なお修正案としては不完全なものであるという意見を持つものでございます。先ほど来質疑をさせていただきましたように、理容師あるいは美容師という資格の決定をいたします場合に、本改正案に盛られておりますような試験制度をもつてその一つの基準を決定するという方向、しかもその試験制度をとられたその理由が、本質的なものではなくして、むしろ理容師あるいは美容師養成所というものが非常に現在不完全であるというような点に重きが置かれまして、その施設が充実するまでの間一時的な試験制度を設けられるというような試験制度の設け方について、私は根本的に反対の考え方を持つものでございます。この点について私としては、その試験制度を削除することを修正案の中にいま一箇条設けたいところでございますので、ただいま山村委員から提出されました修正の部分は賛成でございますが、残りの部分について反対をいたすものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/21
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022・松永佛骨
○松永委員長 堤委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/22
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023・堤ツルヨ
○堤委員 私はただいま高橋委員が御提出になりましたところの修正案に対しまして、社会党を代表いたしまして賛成をいたします。
それ以外の条項についてでございますが、第二条中のいわゆる「更に都道府県知事が行う理容師試験に合格したものは、」という、この問題は、昨日来質疑応答の中においても非常に問題になつておりましたが、やはりこれはただいま松谷委員がおつしやいましたように、厚生大臣が指定するところの養成施設を出ておりながら、そしてさらにインターンをやりながら、なおかつ試験を受けなければ一人前になれないというところに、私は零細な庶民階級の中から職を求めて立ち上る人たちのために、狭き門をつくるものであるということを言わざるを得ないのでございます。ことにこの試験というものを実際に考えてみます場合に、この試験官がいかなる構成をもつてなされるかというようなところに思いをいたしますときに、やはりそこに特定の人たちが入り込んで、官吏と結託して、なおここに特定の人たちが幅をきかすというような場合ができるのではないかと思うのであります。純官吏の方々だけによつて、公平に試験が行われましたならば、これはけつこうでございますけれども、そういうのでなしに、私はさらに業界の中から特に長い間の指導的立場にあつた人たちとか実力を持つた人たちというのが入り込みまして、そうしてここにとんでもない事情を来すのではないかという懸念を持つものでございます。こういう点を勘案いたしましたときに、第二条中の都道府県が行うところの知事の試験というものに対しては、徹底的に私は反対の意見を持つものでございます。但しこの法案全体を見ますれば、理髪師が理容師になり、社会的地位を保つて行きます上にも、非常に好感を與えますし、さらに届出の問題にいたしましても、許可制でなくして十五日前に届け出れば開業できるとか、それからインターンの場所にいたしましても、厚生大臣が指定するところのものでなくてもどこでもできるとか、いろいろな便宜を與えておりますし、なおかつこの修正によつて、第十四条の三が削られますことによつて、審議会も置かないということにきまりまして、なおまた理容師と美容師の間に微妙ないきさつの原因をつくつておりましたところのこの組合につきましても、おのおのが組合をつくつておのおのが連合会を組織することができるというようないろいろ改善の点もございますので、私はこの第二条に対するところの強い反対意見並びにこれにあわせて希望を申し述べまして、賛成いたしておきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/23
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024・松永佛骨
○松永委員長 以上で討論は終局いたしました。
これより理容師法の一部を改正する法律案の採決をいたします。まず山村委員より提案の、本案の修正案に賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/24
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025・松永佛骨
○松永委員長 起立総員。よつて本修正案は可決されました。
次にただいま可決いたしました修正部分を除く残りの原案につきまして、原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/25
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026・松永佛骨
○松永委員長 起立多数。よつて本部分は原案の通り可決され、本案は修正議決いたされました。
なお本案の議長に提出する報告書の作成に関しましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますから、右御了承を願います。
次会は公報をもつてお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後二時二十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004237X03319510531/26
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