1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年十二月十一日(月曜日)
午前十時十八分開議
出席委員
委員長 田中伊三次君
理事 田中 重彌君 理事 藤枝 泉介君
理事 淵上房太郎君 理事 平川 篤雄君
理事 松澤 兼人君
足立 篤郎君 岡延右エ門君
佐藤 親弘君 西村 久之君
本間 俊一君 牧野 寛索君
成田 知巳君 八百板 正君
加藤 充君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 池田 勇人君
出席政府委員
内閣官房長官 岡崎 勝男君
内閣官房副長官 菅野 義丸君
大蔵政務次官 西川甚五郎君
委員外の出席者
人 事 官 山下 興家君
人事院事務官
(事務総局給與
局次長) 慶徳 庄意君
大蔵事務官
(主計局給與課
長) 磯田 好祐君
專 門 員 安倍 三郎君
十二月十一日
委員井上信貴男君、大野伴睦君及び田中豊君辞
任につき、その補欠として佐藤親弘君、岡延右
エ門君及び牧野寛索君が議長の指名で委員に選
任された。
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本日の会議に付した事件
一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出第一号)
特別職の職員の給與に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出第二号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/0
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001・田中伊三次
○田中委員長 これより人事委員会を開きます。
この際お知らせいたしておきます。昨十日、一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)、特別職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)の両案の審査を付託せられましたが、御承知のように両法案はいずれも前国会においてすでに本院を通過し、参議院において審査未了となつた案とまつたくその内容は同一でございます。内閣より提出せられました際にあわせて委員会審査省略の要求をなされたのでありますが、この法案の審査上成規の手続をふんで、国会運営の正常を期するために、議院運営委員会の議を経まして、各党御了解のもとに、本日正午までにこの委員会の審査を終了することとなつております。内閣においてはその要求を撤回するとともに、議長において両法案を当委員会に付託をせられた次第でありますから、以上御了承をいただきたいと存じます。この点について特に諸君の御協力にお願い申し上げる次第であります。
それではただいまより一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一号)及び特別職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)の両案を一括して議題とし審査を行います。政府より提案理由の説明を聽取いたします。岡崎内閣官房長官。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/1
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002・岡崎勝男
○岡崎政府委員 ただいま議題となりました一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びにその要旨を御説明申し上げます。
政府職員の給與につきましては、その生計費及び民間の賃金その他の事情に顧み、これを適正に改訂し、その生活の安定確保をはかる必要のありますことは申すまでもないことでありまして、政府といたしましては、かねてより財政及び経済の事情の見通しを得次第、すみやかに給與の改訂を実行すべきことを公約して参つたのであります。しかるに政府職員の給與改訂は、財政及び経済に及ぼす影響きわめて大きいので、今日までこれを実行することを得なかつた次第であります。しかるところ最近に至り、一面インフレの收束も行われ、わが国民経済はようやく安定の段階に達したので、政府職員の給與の改訂を行うも、一般物価や民間賃金に悪影響を及ぼすおそれなしとの確信を得るに至りますとともに他面これが所要財源につきましても、本年度予算の実施に際し、極力経費の節約を励行いたしました結果、今日に至り、ようやく給與改善に要する財源捻出の見通しを得たのであります。よつて政府はこの際政府職員の給與の改訂を行うこととし、その一環として本法律案を提案した次第であります。
申すまでもなく本案作成にあたりましては、まず本年八月九日付の人事院の勧告に示されました政府職員の給與の改訂案につきまして、愼重に検討を重ねたのでありまするが、目下の財政事情、その他を総合的に勘案いたしますると、遺憾ながら人事院案の全体をそのまま実施することは、困難であるとの結論に到達いたしたのであります。従いまして政府は生計費及び民間賃金その他諸般の事情を彼此勘案いたしました上、財政の許す範囲内において、つとめて人事院勧告を尊重する建前のもとに、給與改善をはかることにいたしまして、これを本法律案作成の基本方針といたした次第であります。
次に本法律案の要旨の大要を御説明申し上げます。
第一にこの法律案は一般政府職員に対しまして、昭和二十六年一月以降における職員の平均給與額を月額約千円引上げ、おおむねこれを八千円程度とすることを目途といたしたものであります。なおこの給與改訂に伴う所要経費の増加は、本年度分総体として一般会計十六億、特別会計十八億計三十四億円でありまして、別途先般の国会へ提出いたしました昭和二十五年度補正予算に計上しております。
第二に俸給につきましては、まず一般俸給表の適用を受ける普通職員については、人事院勧告の趣旨を尊重いたしまして、成年独身者の標準生計費及び民間給與の実態を考慮して、その俸給表を定めることとし、次いで特別俸給表の適用を受ける税務、警察、船員等の特殊職域に勤務する職員などについては、勤務時間差、職務内容等に基いた従来の取扱いを最近の事情に基き、ある程度調整いたしまして、普通職員との均衡をはかることといたしました。
第三に、扶養手当につきましては、人事院の勧告に従い、現行の六百円、四百円をそのまますえ置く方針をとりました。
第四に勤務地手当につきましては、最近の経済事情、各地域の実情などを勘案いたしました結果、その支給地域の区分を別に法律で定める方針をとり、さらにその支給割合は、人事院の勧告通り、従来の三割、二割、一割の三区分を、二割五分、二割、一割五分、一割、五分の五区分に改めることといたしましたが、前に述べました支給地域に関する法律が制定施行されるまでは、暫定的に従前の支給割合が三割であつた地域については二割五分、二割であつた地域については一割五分、一割であつた地域については五分とすることといたしております。
第五に、昇給、昇格等は、実質的には職員の俸給月額の変更でありますので、その基準は本来法律事項であるにかかわらず、従来は政令に委任していましたので、今回の改正を機に法律に明確に規定することといたしました。なお昇給制度につきましては、新たに能率給の制度を加味し、勤務成績特に良好なる者等については、特別の昇給の道を開くことといたしたのであります。
第六に、職員が離職及び死亡等により職員でなくなつた場合、その俸給の全額をその際支給することとする等の現行の規定に基く給與支給方法については、従来から若干の問題がありましたので、人事院の勧告に基き、それらについて所要の改正をなすことといたしました。
以上本法律案の提案理由並びに要旨の大項を御説明申し上げました。何とぞすみやかに、御審議の上御賛成あらんことを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/2
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003・池田勇人
○池田国務大臣 特別職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
特別職の職員の給與につきましては、従来一般職の職員の給與との権衡において、その職務の内容に応じた給與が定められて参つたのでありますが、今般人事院の勧告に基き、一般職の職員の給與が改訂されることになりましたので、特別職におきましても一般職と同様、特別職の職員の給與に関する法律に所要の改正を加え、給與の改訂を行い、あわせて国会閉会中に新たに特別職の職員となりましたものを適用範囲に加えたいと存ずるのであります。
次に改正の要旨を簡單に御説明申し上げます。
第一に国会閉会中に、新たに特別職の職員となり、政令で定められておりましたものを適用範囲に挿入いたしました。
第二に内閣総理大臣等の給與につきましては、一般職の職員の給與改訂と権衡をはかり、かつその職務内容に応じ、俸給月額を現行のおおむね三割ないし五割増給することといたし、別表の通りに改めました。
第三に首都建設委員会委員等の給與は、従来日額千円の範囲内で手当が支給されていたのでありまするが、これも一般職の非常勤職員である委員、顧問、参與等と同様、日額を千八百五十円に改めました。
第四に食糧配給公団特別手当を、一般職の公団の職員と同様、従来の三割を一割に改めることといたしました。
以上がこの法律案を提出いたしました理由でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことを希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/3
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004・田中伊三次
○田中委員長 これにて提案理由の説明は終りました。
引続き両案について質疑に入ります。質疑は通告順によつてこれを許します。まず平川篤雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/4
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005・平川篤雄
○平川委員 両案についての提案理由の御説明を聞いたのでありますが、この法律案の方につきましては、前国会に提案せられましたものと一字一句数字も違わないのでありますか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/5
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006・岡崎勝男
○岡崎政府委員 一般職の職員の給與に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、前国会に提出したものと同様のものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/6
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007・田中伊三次
○田中委員長 大蔵大臣は大蔵委員会で説明をするために、ちよつと席をはずされますので、御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/7
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008・平川篤雄
○平川委員 参議院の委員会を通過いたしまして、遂に時間切れによつてこの両案が成立を見なかつたのでありますが、その理由につきましては、私どもはその経過を見ておりまして、やはりこの前国会に提案せられたものについて、相当野党側の反対があり、かつその反対の理由も相当妥当でありまして、加うるにこれは全体の国家公務員並びにこれと関連を持つところの地方公務員諸君の意向というものが、強く反映をしておるように考えたのであります。従いましてこれは單に時間切れとか、あるいは作戰上成立を見なかつたというようなことではなくして、そこにやはり相当の理由があると思う。中でも調整号俸の問題なんかは、與党の諸君の中にも、これはかえられるものならかえたいというような、まじめなお考えもあるやに私どもは拝承しておるのでありますが、こういうような点につきましては、私どもは多少なりとも何か変更を加えられまして、提案をせらるべきが妥当であると考えるのでありますが、この前、提案せられましたときと、今回提案せられましたときとの間に出ております時間的な意味の変化について、官房長官はどういうふうにお考えになつているか承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/8
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009・岡崎勝男
○岡崎政府委員 われわれも各委員会におきまして、いろいろ御意見の出たことは承知しております。またその御意見の内容につきましては、その当時の記録についてよく研究はいたしております。しかしながら政府といたしましては、委員会の審議の内容につきまして、たとえばこれはまだ十分審議しておらないとか、これは相当反対の意見があるとか、そういうところまで委員会のやつておることについて口をさしはさんだり、意見を入れたりする立場にないと考えております。従いまして政府としては、委員会で多数をもつて可決されましたものは、その委員会で適当なりと考えて、この原案通りに決定すべきものとなし得るものと考えております。しかもそれが一昨日の参議院の委員会で——衆議院は前に通りましたが、参議院の委員会で、とにかく多数をもつて決定されて可決されましたこの法律案につきまして、可決されたものをさらに直して出すということは、政府としてはなすべきことでない、こう考えまして、可決されました案をそのまま提出いたしました。要するに参議院で時間がなくて本会議の決定を得なかつたのでありますが、時間があるとすれば、当然本会議の決定を得て法律となるべきものであつたと考えまして、その原案につき、内容を変更することは適当でないと考えまして、そのまま今回再提出いたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/9
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010・平川篤雄
○平川委員 ただいま官房長官のお答えを聞いて、なるほどと思うところが多いのであります。委員会の決定を尊重せられるという点には、私どももはなはだ同感せざるを得ないのであります。従いましてこれは今後の事情といたしまして、何とも予想することはわれわれとしてもできないのでありますが、かりに委員会におきまして修正の考え方があらためて起りまして、そしてそれが妥当であると考えられましたときには、政府はその改正に応ぜられ、かつ予算的な措置がもし必要ならば、これについても御考慮相なる余地が十分あるものとわれわれ了承してよろしゆうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/10
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011・岡崎勝男
○岡崎政府委員 委員会と特に申し上げるのはどうかと思いまするが、国会で決定された修正案を示されるならば、政府としては国会の決定に従う以外に方法はないのであります。なお先ほど再提出の法律案につきましては、そのまま提出した理由を申し上げましたが、先ほども申しましたように、いろいろ委員会における御意見等は政府も承知しております。またこの提案理由の説明にも申し上げました通り、財政の見通しがついて財源がこれを許すならば、でき得る限り人事院の勧告を尊重いたしたいと思つていることは、前も今もかわりはないのであります。ただ財源等の関係におきまして、人事院の勧告を全部そのまま取入れることができなかつただけの次第であります。その点御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/11
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012・田中伊三次
○田中委員長 それでは次に成田君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/12
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013・成田知巳
○成田委員 この再提出の法律案につきまして、不満な点は前国会で私たちが十分意見を開陳した通りなのでありますが、特に問題なのは号俸の切下げであります。今平川委員が言われたように、官房長官は当委員会で、各種の問題が取上げられたことは知つておると、こう言われましたが、新旧号俸の切りかえで最高四号まで切下げられておる、こういう事態が生じて、事実上ベース・アツプにならないような人もあるということを官房長官は御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/13
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014・岡崎勝男
○岡崎政府委員 御承知のように、今まで特殊の勤務に従事しておりました職員は、ある人はいろいろ危險な仕事もありまするし、また時間的に非常に余分に働かなければならない仕事もありましたものですから、こういう特別の事情を考慮しまして、特別の給與を與えておつたわけであります。御承知のように、最近におきましては、事態が非常に安定いたしましたために、ある職員については、特に危險を感ずるといいますか、特に危險という点の懸念が非常に少くなつた部分もありまするし、あるいは勤務時間におきましても、一般職員の勤務時間が近来非常に長くなりまして、今まで特別の職員の勤務時間との差が多かつたのが、だんだん縮まつて参りました。従いまして一般職員との差がたいへん少くなりましたので、その少くなつた分については、できるだけ一般職員の不平のないように、これに近いところへ持つて行く考えで俸給表をつくつたのであります。但し、いまだに特殊の事情がある程度残つておりまするから、むろんこれを全部やめてしまうというわけではないのであります。またこれには昇給を特に行う道も開かれておりまして、たとえば、もし場合によつて、今まで甲の人は乙の人よりも高い俸給をとつておつたが、今度号俸の調整によりまして、乙の人が甲の人よりも高い俸給をとるというような場合がかりにあるとすれば、これらの調整は行い得ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/14
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015・成田知巳
○成田委員 ただいまの御答弁は、特別俸給表の問題を言つておられるのじやないかと思います。たとえば警察だとか、税務署。私の申し上げておるのは、もちろんこの問題もありますが、そうでなくて、一般職の中で、たとえば病院とか船舶に勤務しておる人、教職員、作報事務所、こういう人たちは大幅に今度の新旧号俸の切りかえによつて、附則第二号によりまして、最高四号まで切下げを受けておる。この問題につきましては、衆議院でも問題になりましたし、参議院でも問題になりましたが、参議院の予算委員会で大蔵大臣は、たしか何とかしてこの点は考慮したい、こういうことを答弁されたはずなのです。この財源としましては、約五億六千万円ありましたならば、この不合理が是正されるわけなのです。私の質問いたしましたのは、一般職の新旧号俸の切りかえによつて、大幅に切り下げられた者に対する救済措置をどうお考えになつておるか、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/15
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016・岡崎勝男
○岡崎政府委員 今お尋ねの点につきましても、その理由とか、その救済方法につきましては、先ほど私が申し述べたと同じ趣旨でありまするが、さらに私の十分説明の足らないところは副長官から申し上げることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/16
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017・菅野義丸
○菅野政府委員 四号減らすというようなものは、お尋ねの特別俸給表には船員の部分でございますが、いわゆる調整号俸といたしまして、人事院規則あるいは法律の委任に基く政令できめております中には、さような大きな削減をいたすものはないのでありまして、最高三号——三号というのは二号以下でございます。減りますのが二号以下の点でございまして、四号とかそういうふうなものはないように聞いております。
それから先ほど官房長官から申し上げましたように、特別俸給表の適用を受ける職員につきましては、切りかえの場合に、その級によりまして差引く号俸の数が非常に違う場合がございまして、たまたまその級におりましたために、従来同一の俸給をもらつておつた者がかえつて低くなる、同一の俸給をもらつておつた二人の人の間に、新しく切りかえました結果、差がつくというような場合におきましては、官房長官からお答え申し上げました通り、昇給の方法によりまして、それは是正する考えでおります。いわゆる調整号俸の方には、そういう場合が起る心配はほとんどないのでありまして、特別俸給表の方には、級によりまして差引く号俸が違うのが接近してございますので、そういう場合が起り得ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/17
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018・成田知巳
○成田委員 大蔵政務次官にお尋ねしたいのですが、この問題につきまして大蔵大臣が参議院で、先ほど私が申しましたような答弁をされたということを記憶しているのですが、この点はお認めになりましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/18
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019・西川甚五郎
○西川政府委員 大蔵大臣が参議院で答弁せられましたのは、予算の変更なしに何とか考えたいというような御答弁だと思います。一応そういうふうに承知しております。
〔「大蔵大臣がいなければだめだ。」「大蔵大臣は来ますか。」その他発言する者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/19
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020・田中伊三次
○田中委員長 大蔵政務次官、もつとはつきり詳しく答弁をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/20
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021・磯田好祐
○磯田説明員 私どもが聞いております範囲内におきましては、この調整号俸の問題につきまして、予算の実行上可能な範囲内において考慮するというような御答弁をされたというふうに聞いております。すなわち前の国会におきまして補正予算を提出いたしたのでございまするが、各部局別の予算におきまして、予算実行上可能な額がある。その場合におきましては、その範囲内におきまして、あるいは特別昇給なり、あるいは昇給の調整なりというような措置によつて、今回の改正の調整号俸の分を調整するという趣旨において御答弁されたのではないか、私どもはさように了解いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/21
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022・岡崎勝男
○岡崎政府委員 ただいまの問題につきましては、政府全般としても研究いたしまして、政府としては大蔵大臣の答弁を全般的に了承しております。その趣旨は、大体今説明員が申したようでありますが、各省の——省ばかりではありませんが、各省の予算についてはある程度余裕がある見込みであります。また昇給の財源につきましても、ある程度の余裕はあるのであります。そこで予算の全体のわくをかえるということは、これはできないと思つております。また各省に割当ててありまする予算をかえるということは、これはまた全体をかえることになりまして、これもちよつと困難だと思いまするが、各省に割当てまする予算それにもある程度ゆとりがありまするが、それと、昇給のために考慮する額、この二つの方面では御要望のような点は、少くとも不公平なところはむろん直せるし、また何と申しますか、能率給というと少し大げさかもしれませんが、よく働く人とか特別の能力のある人ということになりますと、それもある程度考慮ができるぐらいには財源の余裕ありと、こういうふうにわれわれは考えまして、その範囲内ででき得る限りの調整をいたそう、こういうつもりで政府は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/22
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023・成田知巳
○成田委員 官房長官の真摯な御答弁を承りまして、私たち非常に喜んでおります。といたしますと、昇給に充てる財源並びに各省のある程度見込まれた余裕財源で、この新旧号俸の切りかえに生ずる不合理は是正される、こう了承してよろしゆうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/23
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024・岡崎勝男
○岡崎政府委員 これは是正という意味のとり方によります。たとえば今まで六号違つておつた。それを今度二号落して四号しか違わなくなつた。これをまた二号ふやして元の六号にしろ、こうおつしやることが、これが是正だとおつしやれば、つまり今までの特別の分は全部元通り特別にしろということが是正だとおつしやると、正直に言いまして、その通りには行かないと思います。というのは何もほかに差がなくして勤務時間だけが今まで長かつた。こういうために特別の号俸をもらつている人もあるわけです。一般職の勤務時間が今度長くなりましたから、その差が縮まつた。そうすると、その縮まつたのだけは、ほんとうは減らすのが当然であるけれども、今までの既得権と申しますか、既得権といつては、ちよつと語弊があるかもしれませんが、今までよけいもらつておつた。そうするとその差が縮まつたからそれをみなとつてしまうというのも気の毒だから、そこは考慮しようという程度の是正であります。これは是正の方法がある。しかし勤務時間も非常に縮まつたけれども、今まで差があつたのだから、そのまま差を全部つけろ、こうおつしやると、それはできないだろうと思います。要するに、その是正のどれを是正と称するかということによつては、あるいは御期待に沿わないかもしれませんが、合理的な是正はできる、こう申し上げてさしつかえないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/24
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025・成田知巳
○成田委員 それでは最後に……。合理的な是正と言われますが、私は端的に申しまして、政府が千円のベース・アツプと言われるにもかかわらず、新旧号俸の切りかえの際に、事実上その恩典に浴さない人が相当おるのです。今言われました余裕財源をもつて、千円ベース・アツプの実に沿えるだけの是正はやれるものと解釈してよろしゆうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/25
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026・岡崎勝男
○岡崎政府委員 私はそれはさようでありますと答え得ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/26
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027・平川篤雄
○平川委員 ただいまの御答弁を聞きまして、一口添えましてお聞きしたいと思うのです。昨日大蔵大臣の選挙区の一国立病院の看護婦の代表がやつて参りました。その実情を聞きますと、三百人ばかりの定員が、最近の看護婦に関する資格の問題がおもな原因で百人ばかり減少いたしまして、一向あとの補充がつかない。これなども今度号俸調整で看護婦は下げられておりますが、実際はそういう実情のある一つ一つの病院にあつては、前よりは一層ひどい労働強化が起つておる例がたくさんあります。教職員におきましても、地域給の問題で最近はだんだん都市へ流れて、寒村には人がなくなつておる。私どもはそれはむしろ僻陬手当なんかで愼重に考慮すべき時期になつて来ておると思うのでありますが、これなども今出ております免許法が非常に高いものを要求しておりますために、農村の、ことに山村とか島とかいうようなところにはやつて来ない、こういうような点を考えますと、この号俸調整で一律に、大体勤務状態が同じになつたからといつて、引下げられることは非常な危險じやないかというふうに考える、こういうような場合には、ただいまのに準じて一つの考慮がなされ得るかどうか、それについてお答えを得ておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/27
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028・岡崎勝男
○岡崎政府委員 政府として考える場合には、全体を見まして、平均的に一番全体に都合のいいようなふうにやろうといたしまするものですから、特殊の場合に不公平が起り得るということは考え得るのであります。今お話のような点が事実上あるかどうか、またあるとしても、それは全然別個の理由から、たとえば試験がむずかしいとか、いろいろ検定——何といいますか、訓練を受けなければならぬという点から来ておつて、この方面を考えなければならぬ。看護婦にしても先生にしても、なかなか補充がつかないという、俸給の方と別の点からのこともあるだろうと思います。ざつくばらんに申しますれば、人間のつくつたものですからして、これが一番公平と思つても、その中に間違いもありましようし、あるいはそうでなくて、善意であつても不公平が生ずるということもあり得ると考えております。そういう場合には何とか方法を設けて、これを是正すべきものであることは間違いないのであります。ただお話の例につきましては、私も今初めて伺つたので何とも申し上げられませんが、一般的に申しますれば、そういう場合もあり得るのでありまして、そういう点については、是正したいというのが政府の考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/28
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029・田中伊三次
○田中委員長 松澤君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/29
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030・松澤兼人
○松澤委員 先ほど成田君から質問がありまして、政府のお考えは大体わかつたのでありますが、号俸調整の問題について二、三お尋ねしたいのであります。
ただいま官房長官が昇給等の問題を考慮する。それから能率給というか何というか、非常に職務に勉励したとか、あるいは一生懸命やつたとかいうようなことで、多少見て行こうというようなお話があつたのでありますが、それはどういうふうな名目の給與になりますか。今のところでは私は非常に困難ではないか、こう思うのです。たとえば超勤手当というような名目ならば、これはよくわかつております。そうでなくて、時間の中においても、特別に勉強した人は何かめんどうを見るということになると、これはどうも給與の名目として穏当でないように思うのですが、どういう名目でお出しになるのか、この点をはつきりさしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/30
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031・岡崎勝男
○岡崎政府委員 政府が昇給をしようとしまするときには、成績のよくない者でも昇給させるというわけには行かないのであります。しかしながら実際に働いております者は、これはみなまじめによく働いておる人でありまして、そういう人が今度の調整によつて、不公平な俸給を受けるような結果になりますれば、昇給させる理由は十分ありと考えておるのであります。従つて昇給をさせる、こういう考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/31
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032・松澤兼人
○松澤委員 そうすると、先ほど私もはつきり聞かなかつたのでありますが、能率給のようなことを何か考えてというお話がありましたが、昇給する場合に、職務に非常に勉励したというようなことを理由にして、特別の昇給をお考えになるということであつて、事務そのものが非常に能率が上つたとか、あるいは成績が良好であつたからといつて、その行為に対する別段の手当なり、あるいは給與の支給をやるというお考えを持つておいでにならない、そう了解してよろしいかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/32
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033・岡崎勝男
○岡崎政府委員 それもむろん特別にりつぱな技術を持つておるような人については、考えなければならぬと思います。ただその能率給の制度を加味するといいますのは、普通は昇給というものは、はしご段を順々に上つて行きますが、しかし特に二段上るということも必要な場合が、これは号俸調整等につきましてあるわけであります。そこで能率給ということも考えまして、二段上げる場合もある、こういう意味です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/33
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034・松澤兼人
○松澤委員 昇給の場合において、能率給を加味して特別昇給ということを考える、これはよくわかるのです。それ以外に特別に勤務成績が良好であるということのために、何か報奨的な意味において給與を余分にお出しになる、そういうことをお考えになつていらつしやるのかどうか、その点がはつきりしないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/34
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035・岡崎勝男
○岡崎政府委員 普通の一般の昇給というものは、六箇月たつとか九箇月たつとあるわけであります。そういう場合には、欠勤が非常に少くて、ほとんど皆勤したとか、あるいは仕事の誤りがちつともなかつたという人と、欠勤が非常に多く、仕事もしくじつておるという人では、定時の昇給の場合では、おのずから取扱いが違うことはこれは自然であります。普通の昇給はそういう意味です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/35
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036・松澤兼人
○松澤委員 昇給に限つてそういう点を考慮されるということは、よくわかるのです。それ以外に何か特別の給與として、報奨的な意味の能率給をお出しになるお考えがあるやに私承つたものですから、お尋ねしたのであります。と申しますことは、たとえば海上保安庁の例をとつて考えてみますと、やはりこれは特別昇給等を考える。そのほかに私も間接でありますから、よくわからないのでありますが、たとえば航海手当のようなものを出す、あるいはまかない料といつたようなものを出して、この切下げのために相当不利益を受けているのでありますが、それをカバーするということを、海上保安庁の給與関係の主任の人と、大蔵省のそういう方面の人と話合いができたということを聞いたのであります。出していただくことは非常にけつこうでありますが、航海手当であるとか、あるいはまたまかない料であるとか、そういうものがもし海上保安庁に許されるとすると、それに類似の、たとえば船員についても、そういう恩惠がなければならないし、そういうことを順繰りにやつて政府が考えるという、その考える内容が、はつきりしないと、給與を実施する面において、相当むずかしいことが起つて来るのじやないかということを考えておるのであります。たとえば海上保安庁のような場合には、どういう方法によつてこの号俸の切り下げられました不利益をカバーなさるお考えでありますか、具体的な問題についてお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/36
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037・岡崎勝男
○岡崎政府委員 先ほど申しましたように、政府の原案につきましても、これは人間のつくつたことでありますから、いろいろまだ見のがしの点があり得る場合が想像されるのでありまして、しかしその点はこういう点を見のがしておつたとか、こういう点がまだ不備であつたとかいうことは、今までも出て来ておりますが、これからも出て来る場合がありまして、それについてはそのおのおののケースについて適当に考えるほかないと思います。一般的に申しますと、政府はこの調整を行う際に研究しました範囲では、昇給の道を考えるという点で今進んで来ておるのであります。その他今おつしやつたような特別の場合がありますれば、これをまた慎重に考えまして、でき得ることはやる場合があると思いますが、今のところは一般的には昇給という道がある、こう申し上げおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/37
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038・成田知巳
○成田委員 能率給とか昇給の問題に少し焦点がぼけたような感じがいたしますが、先ほど官房長官の御答弁を私了解したのは、今度の号俸調整で不当に切り下げられるものがある、それに対して特別昇給という形をとつて救済する、さらに予算にわくがまだ余裕がある、そのわくによつて不当に切り下げられる号俸の調整を訂正したい、この二つの道により、今度の号俸調整の不当な切下げを是正するのだ、こういうように私了承しておつたのですが、そう了承してよろしゆうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/38
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039・岡崎勝男
○岡崎政府委員 その通りであります。ただ、今おつしやつたように、海員についてはこういう点がある、ああいう点があるといえば、それは別の問題でありまして、これは別に考える。しかしまだ具体的に数字も上つておりませんし、われわれの方にまだ政府として全般の問題としては来ておりませんから、あるいは大蔵省当局でいろいろ考えているかもしれませんが、その点は別としまして、一般的には、今成田さんがおつしやつたようなことを考えておつた、こういう意味であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/39
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040・田中伊三次
○田中委員長 八百板君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/40
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041・八百板正
○八百板委員 いろいろの質疑応答によつて少しわかつて参つたのでありますが、どうもかんじんなところがよくわからないのであります。申し上げるまでもなく、ついこの間この委員会において審議したばかりのものを、同じものをまた出されたのであります。同じものを同じ委員会に出される場合には、どうしても出さなければならなかつたという理由があるべきで、單に通らなかつたからまた出すというだけでは、いけないと思うのであります。どういう理由で通らなかつたかというふうな点について、十分のお考えがあつて、そういういろいろな御判断の上に、ここにあらためて出されたと思うのであります。そういう点を官房長官よりもう少し明確にお答えをいただきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/41
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042・岡崎勝男
○岡崎政府委員 これは最初に申し上げましたように、政府としては委員会で多数をもつて可決されたものは、委員会がこれは正しいと思つて、多数の人が承認されたものと思つております。従いまして審議未了になりましたのは、時間的な問題だけである、こう考えおります。われわれは審議の内容にまで立ち入つて判断するわけに行かないのであります。参議院の委員会におきましても、年末手当とこの俸給の法律とを一括して可決されたのでありまして、ただ本会議でそれが別々に出されるということになりまして、初めの方だけが通つて、あとの方が時間がなくて通らなかつた、こういうことだけだと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/42
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043・八百板正
○八百板委員 ただ時間的な理由だけを、審議未了の理由として考えておられるようでありますが、そういうふうにお考えになるということは、少し常識上みずからを欺くも、はなはだしいものだと私は申し上げざるを得ないのであります。少くとも国会議員として、官房長官を兼ねておられます岡崎さんは、国会における審議未了というものが、いかなる性質のものであるかという点については、十分御認識であろうと考えるのであります。少くとも国会における審議未了というものは、單なる時間的な手続上の審議の未了ではなくして、内容に対する国会の否決あるいは反対の意思表示であるということを、国会議員として岡崎官房長官は十分御承知であろうと私は思つております。現実において国会の慣例として、審議未了ということは、この法案の内容そのものに対する十分の反対と否決の意思を織り込んだものであると考えていただかなければらないのでありまして、そういう点について何らの考慮がなく、ここに同じものをまたほとんど同じ時期に出されるということに対しては、国会に対する一つの侮辱にも当るものだと私は考えざるを得ないのであります。こういう点について、この国会の審議未了の経緯にかんがみまして、政府は内容を改めて出すべきが当然だと考えるのであります。この際ひとつ撤回して、出し直しをしていただきたいと考えるのでありますが、そういう御意思があるかどうかとおります。参議院の人事委員会においてもこの法案は可決されております。参議院の人事委員会で可決されておりまする法案を、不備だというふうに私は考えておりません。従いまして、この法案を再提出する理由は十分あり、かつ政府は急いで一般公務員の給與を改訂いたしたいと思いますので、昨日再提出したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/43
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044・八百板正
○八百板委員 委員長にひとつお尋ねいたしたいのでありますが、私は本日は給與に関する法律案が出るということでありますから、おそらく提案の説明がありますと同時に、議案の配付があるであろうと思つて参つたのでありますが、議案の配付がなくて委員長は審議ができるとお考えになつておられるか。議案の審議を始めるにあたつて、前国会に提出せられたところの議案をそのまま使うというふうな、手続上のことについて何らの説明もしておらないのでありまして、委員会を進める上に、委員長のとつた態度は、はなはだ遺憾だと考えますが、その点どうお考えになりますか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/44
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045・田中伊三次
○田中委員長 御意見はまことにごもつともであると存じます。前国会に配付をした案をそのまま援用して参りたいと存じます。最初に言うことを忘れておりましたが、御注意によつて申しあげておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/45
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046・八百板正
○八百板委員 われわれはついこの間審議したばかりの議案でありますから、もちろんこれは手元に持つておるのでありまして、そういうつもりでありまするならば、本日も持つて参るはずであつたのでありますが、第十国会が昨日より新たに開会せられておりますので、前国会の議案をそのまま使うというようなことは、おそらく委員長から何も話のない限りは、そういうことはないであろうと思いまして、実は何も持つて参つておらないのであります。常識上から考えまするならば、やはり前国会において審議未了になつたということは、その議案が廃案になつたということを意味するのであります。従つてこの法案を新たに国会に提出いたしまする場合には、十分なる手続をとり、あるいは十分なる便宜をはかり、そのために必要なる委員長の十分なる注意が拂われて、その上に委員会が開会せらるべきだと考えます。たまたま前国会の数日前のことでありますから、事務上それほどの支障を来さないのでありますが、これがもし三年も五年も前に廃案になつたものを、一ぺんの提案理由の説明によつて、これを議題として一時間も二時間も進めて来て、それを委員長が何も気にしないということになりますれば、これはまことに奇怪しごくといわざるを得ないのでありまして、この点特に委員長に御注意申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/46
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047・田中伊三次
○田中委員長 委員長の手落ちであります。今後十分に注意をいたします。——加藤充君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/47
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048・加藤充
○加藤(充)委員 まずまつ先にお尋ねしたいのですが、財源がありさえすれば、人事院勧告に従つて、それの額のようなものを名目いかんにかかわらず出したいというお話だつたのですが、その点は間違いありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/48
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049・岡崎勝男
○岡崎政府委員 その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/49
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050・加藤充
○加藤(充)委員 そうすると、人事院勧告の八千五十何円ですか、それと従来のベースの六千三百幾らと千七百五十円ばかりの差がある。この点は必ずしも明確でありませんが、八月に勧告ができたということになれば、八月から今月の十二月の末までに五箇月であり、その差額一月千七百五十円の五倍、大体八千七百円見当を、財源があればしかるべき何らかの方法で穴埋めをすべきだと、こうお考えになるということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/50
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051・岡崎勝男
○岡崎政府委員 そうは考えておりません。人事院の勧告は政府が予算を編成するときの参考のために急いで出したと了承しております。従つてその勧告が出たときから、それだけやるんだということではないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/51
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052・加藤充
○加藤(充)委員 そうすると、勧告に従いたいというのはどういう内容なのですか。財源が許せばということなんですか。その範囲を明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/52
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053・岡崎勝男
○岡崎政府委員 人事院の勧告は八千五十八円でありまして、予算に盛るときに公務員の給與を八千五十八円としてべースの改訂を行いますれば、人事院の勧告を全部いれたことになります。そうやりたいのでありますが、財源がないので今回は約一千円程度のベースの増額、こういうところで案を提出したのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/53
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054・田中伊三次
○田中委員長 案がやつと準備ができましたので、今お配りをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/54
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055・加藤充
○加藤(充)委員 そうすると、政府は支拂期日も金額も明確にしてない手形を出したままで、支拂う意思はあるんだというだけの御答弁では、債務者側の答弁としては法律的にまつたく無価値な答弁をやつておると思うのです。政府は非常に不誠意きわまるものである。人事院の勧告を尊重するとか従うとか言うが、財源がないから上げないんだということは、そこに債務者の支拂うべき支拂義務を免れるために、理由のないただ陳弁をするにすぎないとわれわれは断定せざるを得ないのですが、あらためて明確な御回答を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/55
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056・岡崎勝男
○岡崎政府委員 人事院の勧告が出ましても、政府はそれによつて債務を負うべきものではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/56
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057・加藤充
○加藤(充)委員 これは国鉄裁定の履行につきまして、政府側が前国会に急にあわてた処置をやりましたことと、重大なる関連があるのであります。今承つたところでは、どうも私どもは政府に誠意があるとは見受けられないのです。あくまで財源がないから出せないんだということであるならば、もう一ぺんわれわれが納得できるだけの説明、政府の答弁に自信が置けるだけの説明をぜひ明確に願わなければならないと思うのでありますが、その点くどいようですが、政府が誠意があるかないかの、けじめのつけどころですから、重ねてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/57
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058・岡崎勝男
○岡崎政府委員 政府の財源に余裕があるか、ないかにつきましては、補正予算を先般前国会に提出しまして、これが多数をもつて可決されております。従いまして政府はあの補正予算は、国会において適当なるものと認定されたと考えております。その補正予算から見ますれば、政府はこれだけの財源しかない、こういうことを国会で承認されておると思いまするから、その通りと私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/58
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059・加藤充
○加藤(充)委員 どうも得心が行きませんが、政府に誠意があるとするならば、少くとも政府の言葉を額面通り受取りまするならば、その立場に立つても、その誠意の範囲、数学的な表示というものは、人事院の勧告とこのたびの給與法案に盛られた内容との差額、すなわち十二月までの五箇月分だとわれわれは考える。五箇月分だけはそれ自身政府の誠意の範囲内においても支拂うべきであるというわれわれの見解を明確にしておきますが、それを押し問答しても始まりませんから、誠意がないものから誠意を出せ出せといつたところでそれはむだだと思いますから、私はこの程度で政府が誠意がないということを確めましたから、次の問題に移つて行きたいと思います。
大体先ほどから問題になりましたように、なぜ同じものを時間的にも数時間の後に出し直すのか、しかも八百板君が端的に形式的な欠陥を突き上げましたように、法律案すら出していない、これは国会を侮辱するのも、はなはだしいものだ、こういうふうなことなんですが、その点についてはそれぞれ委員長が手落ちであつたということを確認され、同時に政府はそれで多数の意思を尊重したものだという御答弁があつたのですから、私はその点については聞きません。大体この前申し上げましたように、国鉄裁定の履行の問題については、急遽周知の通りの処置を政府はおやりになつた。そうして一般の給與ベースの問題から国鉄の連中を切り離し、そうしてまた今度は給與の中から年末手当の分だけを切り離して、最高五割だけを通過させ、そうしてあとの給與の問題は残つてしまつたのですが、これを先ほど申し上げましたような体たらくで急遽出すに至つた根本の理由は、ああいうふうなみみつちい年末手当では、とても働き人はしんぼうできませんから、正月の足しになりませんから、やはりここでベースの問題で年が越せるような額を要求するということは目に見えておりますので、これではうるさいというので、また方々で反発され、廃案になつたものを先ほど申し上げましたようなやり方で急遽ここに出して来た。そうして年末までに安い金を予算措置ということに便乗して渡してやつて、そうして労働者の年越し、正月を迎えるだけの金を、給與ベースでもいい、あるいは年末手当でもいい、名目なんかはかまわないけれども、とにかく正月に熱いぞうにでも食えるだけの金をよこせ、こういう当然の要求を、こういうふうな目くされ金、人事院の勧告すら、はるかに下まわつたものを出して、そうして多数で押し切つて、もう一回参議院に決戰をいどんで、労働者、働き人の反抗なり、年越しの当然な闘いを、これで水かけしてしまうという意図がある以外は、政府のまともな意図というものは、われわれは感得できないのですが、そういう意図のもとに出されたのではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/59
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060・岡崎勝男
○岡崎政府委員 政府の本法律案を提出しました理由は、先ほど御説明した以外に何もありません。なお年末手当云々を言われましたが、年末手当はみみつちいというのは、どういう意味かよく知りませんが、要するにあの年末手当は社会党も共産党も賛成されて可決されたものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/60
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061・加藤充
○加藤(充)委員 じようだんじやない、それは訂正してもらいたい。みみつちいという言葉は日本語だと思うのですが、日本語でなかつたならば訂正して日本語を使いますが、これは人をばかにした、くだらないちつぽけなということなのです。その点で日本語かどうか、日本語だけれども自分はわからなかつたのかどうか、御答弁が願いたい。
それから先ほどの中に失言があつて、事実に相違すると思うのですが、日本共産党はあんなつまらない法案に賛成をしたんだというようなことはないと思うのですが、その事実の認定は重大でありまするから、岡崎さんにお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/61
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062・岡崎勝男
○岡崎政府委員 もし違つておりましたら訂正いたします。少くとも社会党は賛成されたものでありまして、大多数の承認されたものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/62
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063・加藤充
○加藤(充)委員 予算のわく内でできるだけの号俸調整——これは特別職の問題ですが、昇給その他で調整したいという御意見を承つたのでありますが、そのことに関連して一点伺つておきたい。大体べースというようなものをきめて、そうして労働者に給與を渡すというような事柄は、やはり全体として労働者階級に、働く人々の全体に幾ばくの資本家から、あるいは雇い主側の吐き出しがあるかという根本的な問題だと思う。問題は資本家階級、あるいは雇い主側と、それから労働者階級、あるいは雇われ人側の全体の問題だと思うのであります。それでいわゆる資本の蓄積のために、これだけしか労働者には支拂分がない、あるいは支拂分があつても、これだけしか支拂えぬのだというようなお考えを持つておられるとするならば、重大なことになると思うから、次のことをお尋ねしたいのであります。
たとえば資本の蓄積のために、ということを具体的に言いますると、現実の資本の蓄積はどういう形で行われているか、あるいはどこに蓄積させられているか、今のように一般中小産業あるいは平和産業というものが、特需景気というようなものに代弁されておりまするように、非常な悲惨な目にあつておる。反面に軍需産業を中心にして、朝鮮の内戰に具体的に日本は国連に協力という形で介入しておりまするが、そのために、いわゆる資本の蓄積のためにというのは、その戰争介入のための軍需産業への中心的な資本の注入になり、そのために労働者は、あるいは働き人側は、全体としてこれだけの給與で、これだけの出し分で満足しておれというようなことになつて行きますると、ちようどこの考え方は代表的に東條軍閥といわれていたあの時代の戰争政治のやり方、この思想とまつたく同一なものである。そうして今までの答弁により、このたびの給與法案の出し方の中に、そのことをまざまざと私どもは看取せざるを得ないのでありまするが、この点について官房長官並びに大蔵省関係の御答弁を明確に承つておきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/63
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064・岡崎勝男
○岡崎政府委員 ただいまのお話は共産党側の御意見のように思います。政府の意見はまつたく別であります。先ほど御説明したことで十分と思いますから、この上重ねて御答弁はしなくともよろしいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/64
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065・加藤充
○加藤(充)委員 答弁をしないということは、大体今申し上げたのは共産党の考え方だから、そういうふうな考え方とは違うということだと思います。そういうふうに了解いたしますが、そのためには、御承知でありましようが、地方財政平衡交付金の問題等々を通じて、あなたは共産党の考え方にすぎないというようなことで、高いまくらで寝ておられる状態ではないと思うのでありまして、自由党の内部にも、あるいはあなた方の末端の役目を負うておる知事の連中すらが、こういうことで平衡交付金を削減されたのでは、やつて行けないということを、明白にあなた方のところへ申し出ておると思うのであります。詳しいことを言う時間もありませんし、その愚かさを繰返したくありませんが、共産党の一方的な考え方である。一部少数の、いわゆる左翼分子の見解に相違ないというようなことを、いけしやあしやあとおやりになつておると、とんでもないことに相なるのでありますが、その点反省していただきたいが、反省する余地がないかどうか、承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/65
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066・岡崎勝男
○岡崎政府委員 反省する余地は全然ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/66
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067・加藤充
○加藤(充)委員 それこそ驚くべきである。民族と国家の将来に対して、私は恐るべき御返答の内容だと承ります。そういうふうに開き直つて白々しく言うものに対して、辞を低くしてお尋ねするという態度はむだだと思いまするので、私は次に最後の一点をお尋ねしたいと思います。
大体政府でも、今度の給與内容、とりわけ地域給や号俸調整の引下げというような問題とも関連いたしまして、それでこれは調整しなければならぬのだ、こういうことは明確にお答えになり、そして政府はそれがゆえに誠意のある態度を持続しているのだということを了解してくれということを国民に求めた。しかしながらそのこと自体の中には、この給與ではむりだ、少くとも下層の、中級以下の一般公務員の生活としては、非常にむりだということをみずからお認めになつておると思うのであります。それでお尋ねしたいのですが、むりな給與を、答弁無用で、一部少数の考え方であるというようにやつておられると、当然にそれは一部少数だけじやなしに、多数の食えない人たちが政府に対して、その食えない給與の変更を求めて、同時にいわゆる生きる権利というものを——それを実現するのは、憲法で認められておる基本人権の問題とも関連いたしますので、政治的、法律的にいえば、基本人権の擁護のために、あるいは生物学的に見まするならば、これは生きるために、生きとし生ける日本人民の大部分が、政府に対して何とかしてくれなければ困るという大きな運動が、一部少数ということでなしに、大衆的な運動として起きて来ると思うのであります。そういうときに、みずからその少さを認め、いかにも残忍な給與であるから調整したいということを言いながら、それを調整しないという行動で、そのことを証明して参りますと、そこに大きな問題が起きて来ますが、それを相かわらず自由党の多数決や、あるいはここに来ておりまするように動員をした警察隊、あるいはまた警察予備隊の動員というような、武力的、暴力的なやり方でこれを押えてしまうというお考えをお持ちなのか、その点は、平和と秩序を守り、一般の給與を高め、生活水準を高めて行くという点から重要でありますので、この点をお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/67
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068・岡崎勝男
○岡崎政府委員 平和と秩序を守ろうとしておるのは、われわれだと考えております。またわれわれ政府、及び自由党、あるいは民主党、社会党も、でき得る限り民主的に事を運ぼうという点においては、與党、野党の差もなく意見は一致しておられると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/68
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069・加藤充
○加藤(充)委員 そういう点では、前国会の劈頭に現われました電力分断のポ政令、そういうようなことを通じて、国会の審議権尊重決議というものが出て、自由党には残念ながら、多数をもつて、国民の、あるいは国会の真劍な意思として、実質的な尊重さるべき内容としての多数の真劍な意思で決議がなされたのですが、そうしてこの給與法案については、決して物理的、時間的なものじやなしに、廃案に参議院において代表的な形で決定づけられたのであります。にもかかわらず、またこれをあつかましく出し直すということになりますれば、国会の審議権の尊重でもなし、あるいは実質における国民の意思を尊重して、給與については勤労者の意思を尊重したという政府側の先ほどからの答弁と、大分矛盾して来ますが、この点はいかがでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/69
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070・岡崎勝男
○岡崎政府委員 私の方は矛盾しておらないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/70
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071・田中伊三次
○田中委員長 他に質疑はありませんね。——それでは質疑は終了いたしました。
これより両案を一括して討論を行います。討論は通告順によつてこれを許します。藤枝君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/71
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072・藤枝泉介
○藤枝委員 自由党は両法案とも賛成いたします。この両法案とも、第九国会に提出されまして、当委員会でも愼重審議をいたした結果、衆議院を通過いたしましたものと、同一内容でありますので、いまさらこれに対して賛成の理由を申し上げる必要もないと思います。要するに、人事院の勧告を尊重しつつ、しかも国民生活水準あるいは国民の負担等を勘案いたしました、現在において最も妥当なる給與の引上げ法案だと存じますので、賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/72
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073・田中伊三次
○田中委員長 次に平川君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/73
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074・平川篤雄
○平川委員 国民民主党は、今回提案せられましたものが、先国会に提案せられましたものとまつたく同一であるという以上は、これに対して反対をせざるを得ないのであります。われわれといたしましては、参議院、衆議院の委員会の審査を通じまして、多少とも政府並びに與党の諸君に反省の色がありまして、多少の改訂があるものと期待いたしておつたのでありますが、まことに遺憾であります。ただこの今日の審議を通じましても、号俸調整の問題につきましては、相当政府当局も、この案のままにやつたのでは、実施上きわめて困難であり、不公平なものが出て来るということを率直に認められましたことは多とするのであります。かような点は、しかし今後の措置のとられ方によりまして、またいろいろの問題が起つて来るであろうと思いますが、私はやはりさような不公平が起るという事態は、これは根本的なものだと思う。官房長官は、それは個々の場合はいろいろな具体的な差異があるだろうと言われましたけれども、結局今のような他の法律、政令などの関係で起つて来ておることを調整することが、やはりこれが給與政策の問題と根本的に相触れておることだといわざるを得ないと思う。こういうふうな点につきましては、時間がないといつて、とつさにお通しになろうとお考えになつておるのだから、これは用意ができていないものだと考えます。将来こういう点につきましても、必ず良心的な合理的な御訂正があるものと確信をいたす次第であります。但しこの両案の内容につきましては、われわれとしては反対の意を表明せざるを得ないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/74
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075・田中伊三次
○田中委員長 成田君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/75
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076・成田知巳
○成田委員 日本社会党は、両法案に対して絶対反対いたします。反対の理由といたしましては、前国会で同僚松澤議員から、法案の矛盾性をついた、最近にない名討論が行われたのでありますが、その討論をそのまま援用いたしまして、反対する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/76
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077・田中伊三次
○田中委員長 加藤君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/77
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078・加藤充
○加藤(充)委員 日本共産党は、もちろん両法案に絶対反対であります。その理由の大綱は、大略前国会の末尾において、数十時間前に申し上げた通りでありますので、ここで繰返しはいたしませんが、問題なのはただ一点、前国会の両法案のあの終末にかかわらず、また相かわらず同じ法案を、衆院における多数をから頼みにして押し切つて出して来る、こういうやり方こそが、まさしく注目さるべきやり方であり、またそこにこそわれわれが反対しなければならない理由も附加されるわけであります。こういうような民意を踏みにじり、同時にまた生きて行くことまで圧殺するというような、むりな内容のものは、いつまでもそれが成功するわけはありませんので、当然私はそれに不満だ、生き切れない人々の力で、必ずこういう暴圧な態度と内容は粉砕されることが近いだろうということをただ期待しておくわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/78
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079・田中伊三次
○田中委員長 これにて討論は終局いたしました。引続いて採決を行います。
それでは両法案の原案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/79
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080・田中伊三次
○田中委員長 起立多数。よつて両法案は原案の通り可決いたしました。
この際両法案に関する委員会の報告書作成の件についてお諮りをいたしますが、これは前例によりまして委員長に御一任を願つておきたいと思います。御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/80
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081・田中伊三次
○田中委員長 御異議なしと認めます。よつて委員長に御一任を願つたものと決定をいたします。
本日はこの程度にとどめまして、次会は公報をもつてお知らせを申し上げます。
本日はこれで散会をいたします。
午前十一時四十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101004548X00219501211/81
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